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医療広告規制緩和のポイント

平成13年4月

1 広告規制の概要

(1)基本的な考え方

◎医療に関する広告については、利用者保護の観点から、次のような考え方に基づき、限定的に認められた事項以外は原則として広告が禁止されています。

1 医療は人の生命・身体に関わるサービスであり、不当な広告により見る側が誘引され、不適当なサービスを受けた場合の被害は、他の分野に比べ著しい。
2 医療は極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け手はその文言から提供される実際のサービスの質について事前に判断することが非常に困難。

(2)制度の概要

◎原則として、医療機関、医業等に関する広告は禁止されています。

◎事実や客観的な情報として個別に定められた事項についてのみ、広告できることとされています。

→ 具体的に広告し得る事項については、2、3を参照して下さい。

◎広告の方法及び内容に関して、次のとおりの規制が行われています。

※広告規制に違反した場合

医療法(昭和23年法律第205号)第73条の規定により、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。

(なお、詳細については、各都道府県の医務主管課までお問い合わせ下さい。)


2 医業等に関して広告し得る事項

法律
(医療法第69条)

厚生労働大臣の定める事項(告示)
(平成13年厚生労働省告示第19号)

※下線は今回の改正で追加されたもの

◎標榜できる診療科名(医療法第70条、医療法施行令第5条の11)

(医業)
 内科、心療内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、胃腸科、循環器科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、こう門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、気管食道科、リハビリテーション科及び放射線科

(歯科医業)
 歯科、矯正歯科、小児歯科及び歯科口腔外科

個別に厚生労働大臣の許可を受けた場合のみ、標榜することができる診療科名
 麻酔科


3 主要な個別項目の概要

◎診療録その他診療に関する諸記録に係る情報を提供することができる旨
○カルテ等の診療情報の提供について、関係者の自主的な取り組みが進められていることから、医業等に関して広告できる事項として新たに広告できることとなりました。

◎財団法人日本医療機能評価機構が行う医療機能評価の結果
○財団法人日本医療機能評価機構が行う審査を受けた結果、認定を受けた旨を広告できます。
※個別具体的な審査項目は、広告できません。

◎健康診査の実施(個別の健診名について広告できることとなりました)
○実施する健康診査の種類、対象者や部位の付記も可能です。
(例)乳幼児健診、胃がん検診
※医学的・社会的に評価が定まっていないものは、広告できません。
(例)遺伝子検査
※「健康診査」とは、医師等が診断・治療を目的とした通常の診療とは別に、その有する医学的知識を用いて健康診査を行うことを言います。

◎保健指導の実施(従来の健康相談に加え、保健指導についても広告できることとなりました)
○対象者や指導対象を付したものも広告可能です。
(例)乳幼児保健指導、禁煙指導
※症状、疾患名、治療行為等や、医学的・社会的に評価が定まっていないものは広告できません。
※新たに追加された「保健指導」とは、主として予防的なものであって、医師等が診断・治療を目的とした通常の診療とは別に、その有する医学的知識を用いて相談者に対し、健康の保持増進のための日常生活上の指導等を行うことを言います。

◎予防接種の実施
○予防接種法(昭和23年法律第68号)において規定されているもの及び薬事法(昭和35年法律第145号)において承認されているワクチンを使用した予防接種についてのみ広告できます。

◎薬事法に基づく治験に関する事項
○当該治験薬の対象となる疾患名及び治験を実施する医療機関名などを広告できます。
(例)病院名、疾病名 等
※薬事法においては、承認前広告を禁止する観点から、当該治験薬の名称、治験記号等の広告が禁止されていますが、同様の観点から、医療法においてもこれらについては広告できません。

◎費用の支払方法及び領収に関する事項
○費用の支払方法に関する事項
(例)使用できるクレジットカードの種類 等
○費用の領収に関する事項
※費用の内訳の明細に関する事項も広告できます。

◎入院患者に対して提供する役務及びそれに要する費用
○入院患者に対する具体的なサービスの内容について広告できます。
(例)貸しテレビ1時間○○円等
※医療の内容に関するものは広告できません。
※当該医療機関以外の事業者により提供されるサービスに関するものは広告できません。

◎医師・歯科医師の年齢、性別及び略歴
○常時診療に従事する医師又は歯科医師のみ広告できます。
○当該医師又は歯科医師としての経歴を簡略に示す以下のような事項を総合的に記載したものを広告できます。
(事項の例)
・生年月日、出身校、学位、医籍登録年月日、勤務した医療機関(診療科、期間を含む) ※社会的な評価を受けている客観的な事実であってその正否について容易に確認できるかどうかが広告できるかどうかの判断の目安です。
(広告できないと判断される事項の例)
・専門医・認定医資格の取得 等

◎共同利用することができる医療機器に関する事項
○他の医療機関の医療機器を共同利用していることを広告できます。
※利用できる医療機関名及び当該医療機器名の明示が必要です。
○他の医療機関に自院の医療機器を利用させていることを広告できます。
※地域医療支援病院、開放型病院(特掲診療料の施設基準等に基づく地方社会保険事務局長に対する届出が受理された医療機関)のみ広告できます。
※利用できる当該医療機器名の明示が必要です。


別表1

 厚生労働大臣が定める以下の施設基準に該当するものとして、都道府県知事又は地方社会保険事務局長に届出をした病院又は診療所については、当該基準に該当する旨を広告することができます。(平成13年4月1日現在)

(1)基本診療料の施設基準 (平成12年厚生省告示第67号)

○紹介患者加算の施設基準
○病院歯科初診料の施設基準
○かかりつけ歯科医初診料の施設基準
○一般病棟入院基本料の施設基準
○療養病棟入院基本料の施設基準
○結核病棟入院基本料及び精神病棟入院基本料の施設基準
○特定機能病院基本料の施設基準
○専門病院入院基本料の施設基準
○障害者施設等入院基本料の施設基準
○老人病棟入院基本料の施設基準
○有床診療所の入院基本料の施設基準
○有床診療所療養病床入院基本料の施設基準
○入院時医学管理加算の施設基準
○紹介外来加算・紹介外来特別加算の施設基準
○急性期病院加算の施設基準
○急性期特定病院加算の施設基準
○地域医療支援病院入院診療加算2の施設基準
○診療録管理体制加算の施設基準
○特殊疾患入院施設管理加算の施設基準
○看護配置加算の基準
○看護補助加算の基準
○夜間勤務等看護加算に係る看護婦等の勤務条件に関する基準
○特別看護加算・特別看護長時間加算に関する基準
○特別看護補助加算・特別看護補助長時間加算に関する基準
○重症者等療養環境特別加算の施設基準
○療養病棟療養環境加算の施設基準
○診療所療養型病床群療養環境加算の施設基準
○重症皮膚潰瘍管理加算の施設基準
○精神科応急入院施設管理加算の施設基準
○精神病棟入院時医学管理加算の施設基準
○救命救急入院料の施設基準
○特定集中治療室管理料及び広範囲熱傷特定集中治療室管理料の施設基準
○新生児集中治療室管理料及び総合周産期特定集中治療室管理料の施設基準
○一類感染症患者入院医療管理料の施設基準
○特殊疾患入院医療管理料の施設基準
○小児入院医療管理料の施設基準
○回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準
○特殊疾患療養病棟入院料の施設基準
○緩和ケア病棟入院料の施設基準
○精神科急性期治療病棟入院料の施設基準
○精神療養病棟入院料の施設基準
○老人一般病棟入院医療管理料に係る包括病床群の施設基準
○老人性痴呆疾患治療病棟入院料の施設基準
○老人性痴呆疾患療養病棟入院料の施設基準
○診療所老人医療管理料の施設基準
○短期滞在手術基本料の施設基準

(2)特掲診療料の施設基準 (平成12年厚生省告示第68号)

○高度難聴指導管理料の施設基準
○開放型病院共同指導料(I)の施設基準
○薬剤管理指導料の施設基準
○病院歯科感染予防対策管理料の施設基準
○在宅時医学管理料の施設基準
○在宅末期医療総合診療料の施設基準
○基本的検体検査実施料又は基本的検体検査判断料(II)を算定する高度の医療を提供する病院の基準
○血液細胞核酸増幅同定検査の施設基準
○検体検査管理加算の施設基準
○テレパソロジーによる病理組織迅速顕微鏡検査の施設基準
○心臓カテーテル法による諸検査の血管内視鏡検査加算及び長期継続頭蓋内脳波検査の施設基準
○補聴器適合検査の施設基準
○写真診断、基本的エックス線診断料、核医学診断、コンピューター断層診断に係る画像診断管理の施設基準
○特殊CT撮影及び特殊MRI撮影の施設基準
○無菌製剤処理加算の施設基準
○心疾患リハビリテーションの施設基準
○理学療法又は作業療法の施設基準
○難病患者リハビリテーションの施設基準
○精神科作業療法、精神科デイ・ケア、精神科ナイト・ケア又は精神科デイ・ナイト・ケアの施設基準
○脳刺激装置植込術、頭蓋内電極植込術、脳刺激装置交換術、脊髄刺激装置植込術、脊髄刺激装置交換術、人工内耳埋込術、埋込型除細動器移植術、埋込型除細動器交換術、補助人工心臓、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術、体外衝撃波胆石破砕術、人工膵臓、経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの)及び生体部分肝移植の施設基準
○ペースメーカー移植術、ペースメーカー交換術(電池交換を含む。)、大動脈バルーンパンピング法(IABP法)、経皮的冠動脈形成術、経皮的冠動脈血栓切除術又は経皮的冠動脈ステント留置術の施設基準
○放射線治療専任加算の施設基準
○顎口腔機能診断(顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る。)の手術前後における歯科矯正に係るもの)の施設基準
○基準調剤の施設基準
○調剤料に係る無菌製剤処理の施設基準

(3)老人特掲の施設基準 (平成12年厚生省告示第79号)

○老人慢性疾患外来総合診療の施設基準
○寝たきり老人在宅総合診療の施設基準
○緊急時入院体制加算の施設基準
○24時間連携体制加算の施設基準
○老人精神病棟等検体検査判断料の施設基準
○老人精神病棟等点滴注射料の施設基準
○老人理学療法又は老人作業療法等の施設基準
○重度痴呆患者デイ・ケアの施設基準
○重度痴呆患者入院治療の施設


別表2

厚生労働大臣の定める療養(抄)

○特別の療養環境の提供
○前歯部の鋳造歯冠修復又は歯冠継続歯に使用する金合金又は白金加金の支給
○病床数が200以上の病院について受けた初診(他の病院又は診療所からの文書による紹介がある場合及び緊急その他やむを得ない事情がある場合に受けたものを除く。)
○保険医療機関が表示する診療時間以外の時間における診療
○金属床による総義歯の提供
○齲触に罹患している者(齲触多発傾向を有しないものに限る。)であって継続的な指導管理を要するものに対する指導管理 等

健康保険法第43条第2項の規定に基づき厚生労働大臣の定める療養(平成6年厚生省告示第236号)と
老人保健法第17条第2項の規定に基づき厚生労働大臣の定める療養(平成6年厚生省告示第251号)より抜粋


4 院内掲示義務の概要

 1から3までの広告できる事項とは別に、来院した利用者に対する情報提供のため、以下の事項について病院又は診療所内の見やすいところに掲示することが義務づけられています。

(1)医療法に基づいて院内掲示が義務づけられている事項

(2)療養担当規則等に基づいて院内掲示が義務づけられている事項



厚生労働省医政局総務課
〒100−8916
東京都千代田区霞ヶ関1−2−2
電話 代表(03)5253−1111
    直通(03)3595−2189
厚生労働省ホームページアドレス https://www.mhlw.go.jp


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