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平成13年2月9日(金)

「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案」について


 厚生労働省においては、「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案」を作成し、本日、同法律案の国会提出について閣議に付議し、閣議決定がなされた。
 同法律案の概要は別紙のとおりである。

労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の概要
I 趣旨
 労働時間の短縮については、労使による真摯な取組とこれに対する行政の指導援助により、年間総実労働時間が1958時間(平成4年度)から1848時間(平成11年度)と進んできたものの、累次の経済計画によって政府目標として掲げられてきた年間総実労働時間1800時間は、依然として未達成の状況にある。現行の経済計画である「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」(平成11年7月)においても、「年間総実労働時間1800時間の達成・定着」が掲げられており、政府目標の実現を図るため、労使の自主的努力を促進するための措置を規定する労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法(時短促進法)の施策スキームを引き続き維持する必要がある。
 このため、昨年11月30日の中央労働基準審議会の建議を踏まえ、平成13年3月31日に廃止期限を迎える時短促進法の廃止期限を延長する等所要の改正を行う。
 なお、法律案要綱については、労働政策審議会に対し、本年1月25日に厚生労働大臣より諮問し、同日、「妥当と認める」との答申が行われたところである。
II 概要
○ 廃止期限の延長
 平成13年3月31日に廃止期限を迎える時短促進法を延長し、平成18年3月31日を新たな廃止期限とする。
III 施行期日
 公布の日(ただし、一部については、平成13年4月1日)

労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案要綱
廃止期限の延長
労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の廃止期限を平成十八年三月三十一日とするものとすること。(附則第二条関係)
その他
その他所要の整備を行うものとすること。
施行期日
この法律は、一部を除き、公布の日から施行するものとすること。(改正法附則関係)

労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の概要
(平成4年法律第90号)
労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の概要図

労働者1人平均年間総実労働時間の推移(年度)
労働者1人平均年間総実労働時間の推移(年度)グラフ
資料出所 労働省「毎月勤労統計調査」
(注)1 事業所規模30人以上。
 数値は、年度平均月間値を12倍したもの。
 所定外労働時間は、総実労働時間から所定内労働時間を引いて求めた。

経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針(抄)
平成11年7月8日
閣議決定
第三部 経済新生の政策方針
第2章 少子・高齢社会、人口減少社会への備え
第5節 少子化への対応
イ)所定外労働の削減等による年間総実労働時間1800時間の達成・定着、フレックスタイム制の普及等による自律的、創造的かつ効率的な働き方の実現。

「日本新生のための新発展政策」について(抄)
平成12年10月19日
経済対策閣僚会議決定
第2部 具体的施策
T 日本新生プラン具体化等のための施策
3 活力と楽しみに満ちた未来社会を目指す高齢化対応のための施策
(2)70歳まで働くことを選べる社会
長期休暇制度、フレックスタイム制の普及等による労働時間の短縮を推進するため、「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」の改正法案を次期通常国会に提出する。

経済構造の変革と創造のための行動計画(抄)
(第3回フォローアップ)
平成12年12月1日
閣議決定
T 企業の創造的な経済活動と新規産業創出を促進するための環境整備
2 雇用システムの改革
(6) 労働時間短縮の推進
政府目標である年間総実労働時間1,800時間の達成・定着に向け、長期休暇制度、フレックスタイム制の普及等による労働時間の短縮を推進するため、今年度末に廃止期限を迎える時短促進法の改正法案を次期通常国会に提出する。
III 少子高齢化を克服し新たな成長要因とする経済社会システムの構築
3 高齢者・女性の就労環境の整備
(4) 労働時間短縮の推進【再掲】
政府目標である年間総実労働時間1,800時間の達成・定着に向け、長期休暇制度、フレックスタイム制の普及等による労働時間の短縮を推進するため、今年度末に廃止期限を迎える時短促進法の改正法案を次期通常国会に提出する。

中央労働基準審議会建議「労働時間短縮のための対策について」(概要)
(平成12年11月30日)
これまでの時短の取組による成果と今後の課題
○ 「年間総実労働時間1800時間」の政府目標
平成11年度は1848 時間
(1)年次有給休暇の取得促進、(2) 完全週休2日制の普及促進、(3) 所定外労働の削減を柱として取組 → 法定労働時間が短縮されてきた中で、主として所定労働時間の短縮に向けた取組による成果。
(1)(3)は十分な成果が見られず、政府目標も未達成。
 今後(1)(3)に重点を置き、「年間総実労働時間1800時間」 の政府目標の実現に向け引き続き時短施策が必要。
時短促進法の廃止期限の延長
労働時間の現状や21世紀初頭までの10年間程度の指針である現行経済計画
平成13年3月31日に廃止期限を迎える「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法(以下「時短促進法」という。)」を5年程度延長することが必要。
今後の労働時間短縮施策の重点事項
今後の施策として行政が検討している次の取組は妥当。
(1)自律的、効率的に働くための弾力的な労働時間制度の導入等労働時間制度の改善の支援
 時短に向けて、フレックスタイム制等の弾力的な労働時間制度の導入に取り組む事業主に対する支援。
(2)「長期休暇」や連続休暇の普及促進その他の年休の取得促進
 年休と週休日等により2週間程度連続する「長期休暇(L休暇)」の早期導入や年休の計画的付与の導入に取り組む事業主等に対する支援。
(3)効率的に働き労働時間短縮を図るための企業内の体制整備
 事業主等に対し研修等の支援。
その他時短促進法に関連して検討が行われた事項
(1)時間外労働の限度基準の水準
 当面現行基準を維持し、一定期間経過後見直しの必要性を検討。
(2)サービス残業の解消
 現行法の履行確保の観点から所要の措置を実施することが適当。
 使用者が始終業時刻を把握し、労働時間を管理するという労働基準法上の当然の前提を改めて明確化 → 始終業時刻の把握に関して、事業主が講ずべき措置を明らかにした上で適切な指導。
(3)休日労働の削減
 ガイドラインについて、専門家会議の議論を踏まえ、審議会において検討。
(4)時間外・休日労働及び深夜業の割増率の水準
 当面現行水準を維持し、一定期間経過後見直しの必要性を検討。
 なお、上記(1)及び(4)については、早急に見直すべきであるとの意見が労働者側委員からあった。

担当
厚生労働省労働基準局監督課
課長 中野 雅之
企画官 宮川 晃
中央労働基準監察監督官 藤澤  美穂
電話 5253-1111(内線5560)
夜間直通  3502-5308


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