会議資料目次  トピックス  厚生労働省ホームページ

全国厚生労働関係部局長会議(厚生分科会)資料

厚生労働省大臣官房厚生科学課



1.平成13年度厚生労働省科学技術関係予算案について

 厚生労働省においては、従来より、疾病の解明や治療法の開発、少子高齢社会の対応等、国民の保健医療、福祉、生活衛生等のニーズに応える科学技術分野を「厚生科学」という概念でとらえ、国立試験研究機関における取組みや厚生科学研究費補助金等の活用により、厚生科学研究の総合的な推進を図っているところである。
 平成13年度科学技術関係予算案は、豊かで活力ある長寿社会に向けた総合的な戦略である「メディカル・フロンティア戦略」を推進するため、ゲノム科学やたんぱく質科学を用いた治療技術・新薬等の研究をはじめとし、対前年度5.7%増の総額1,235億17百万円を計上しているところである。また、科学技術振興費については、対前年9.7%増の総額1,007億51百万円を計上し、厚生科学研究の一層の推進を図ることとしている。

(参考資料−1)

(1)「メディカル・フロンティア戦略」について

 ○ 内閣総理大臣所信表明(第149回及び第150回国会)において、活力ある長寿社会の創造にとって重要な5つの疾患対策に取り組む「メディカル・フロンティア戦略」の推進に言及。

 ○ 厚生労働省において、「メディカル・フロンティア戦略」を推進するため、

(1) ゲノム科学を用いた治療技術・新薬等の推進

(2) 疾病予防、健康づくり対策の推進

(3) 質の高いがん医療の全国的な均てん、心筋梗塞・脳卒中の早期治療体制の推進

(4) 総合的な痴呆対策の推進と骨折による寝たきり予防対策の充実を図るため、総額303億円を計上(うち、平成12年度補正予算分34億円)。

 ※ 経済産業省においても、高度先端医療機器の開発のための予算を計上。

(参考資料−2)

 ○ 「メディカル・フロンティア戦略」の科学技術関係予算は、新しい治療技術・新薬等の研究開発や画期的な医薬品等の開発に関する基盤技術の拠点的研究機関の整備等をはじめとした日本新生特別枠(78.3億円)及びミレニアム・プロジェクト(111億円)を含め総額198億円を計上。

(参考資料−3、4)

2 健康危機管理対策の推進について

(1)健康危機管理対策の重要性

 ○ 平成10年7月、和歌山市における毒物カレー事件に端を発した毒物等を使用した事件が全国30ヶ所以上において発生した。また、平成11年9月には、茨城県東海村のウラン加工施設において原子力災害が発生し、放射線による健康被害等が生じるなど、大規模な健康危機事例が発生したところである。

 ○ これらの事件の際に厚生労働省においては、直ちに担当官を派遣し、対策本部を設置し必要な対処を行った。

 ○ こうした健康危機が発生した場合、できるだけ迅速に原因究明を図り、その拡大を防止するとともに、迅速かつ的確な医療の確保等を通じて、地域住民の生命・健康を守ることは地方公共団体の重要な責務であり、これらの取り組みを支援することが国の責務である。

 このため、本年3月に、昨年に引き続き、都道府県等における健康危機管理業務従事者の資質の向上を図ることを目的とした、健康危機管理研修会を実施する予定である。

(参考資料−5)

(2)厚生労働省における健康危機管理体制

 厚生労働省においては、適切な健康危機管理対策を迅速に講じるため、その基本的な体制を「健康危機管理基本指針」 として定め、部局横断的な組織として「健康危機管理調整会議」を設置している。
 こうした体制により、平時は、夜間休日を含め、連絡体制を確立し、健康危険情報の把握に務めるとともに、万一重大な健康被害が発生した場合には、対策本部の設置、職員や専門家の現地への派遣、国民に対する健康危険情報の提供など必要な対応を図ることとしている。
 なお、先般の省庁再編に伴い労働基準局担当課を健康危機管理調整会議の構成員に加えることとしており、今後「健康危機管理基本指針」についても早急に見直しを図る予定である。

(3)都道府県等における健康危機管理体制の整備

 健康危機に対する体制を確保するためには、地方公共団体における健康危機管理体制を整備することが重要である。
 このため、

(1) 他の地方公共団体を含む関係機関及び関係団体等との役割分担を明確化し、必要な連携を図る必要がある。

(2) 健康危機発生時における被害者に関する情報の収集、管理及び分析等の拠点として、保健所の機能を強化する必要がある。

(3) 健康危機発生時に対応できるように、休日夜間を含めた、連絡体制の確立・強化を図る必要がある。

 また、既に、都道府県等においては、健康危機管理に係る要綱等が作成され、提出して頂いているところであるが、未だ体制整備等の取り組みが十分になされていないところもあることから、当該都道府県等においては、更なる体制整備に務められたい。また、要綱等を整備した都道府県等においては、要綱等に基づき危機管理体制が有効に機能するか等について訓練等による検証を行い適宜見直しを行われたい。

3. ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針案等について

(1)倫理指針案策定の背景

 ○ 20世紀の後半に開始されたヒトゲノム・遺伝子解析研究は、生命科学及び保健医療科学の進歩に大きく貢献し、人類の健康や福祉の発展、新しい産業の育成などに重要な役割を果たそうとしている。

 ○ 一方、ヒトゲノム・遺伝子解析研究は、個人を対象とした研究に大きく依存し、また、研究の過程で得られた遺伝情報は試料等提供者やその血縁者の遺伝的素因を明らかにし、その取扱いによっては様々な倫理的、法的、社会的問題を招く可能性があるという側面がある。

 ○ そこで、人間の尊厳及び人権を尊重し、社会の理解と協力を得て、適正に研究を実施することが不可欠であり、そのため、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省が共同して、ヒトゲノム・遺伝子解析研究一般に適用されるべき倫理指針の策定を目指すこととなった。

(2)倫理指針案の内容

 ※ 参考資料−6参照

(3)今後のスケジュール

 倫理指針案については、現在、パブリック・コメントを行い、広く一般の方々からの御意見をお願いしているところであり、今後、いただいた御意見を参考に、関係審議会等での議論も踏まえ、平成12年度内に倫理指針を策定し、平成13年度から施行したいと考えている。

(参考資料−6)

4.厚生科学審議会について

(1)審議会の再編成に伴う厚生科学審議会の設置について

◎今回の審議会の整理合理化の方針

 ○ 今回の中央省庁再編に伴い、審議会の機能については、政策審議・基準作成機能を持つ審議会は原則として廃止し、法令による必要的付議事項や基本的な政策を審議するものについて数を限定して存置することとされたところ。

◎厚生省関係の審議会について

 ○ 従前の厚生省関係の22審議会を8審議会に統合再編した。

(1) 基本的な政策を審議する2つの審議会
(社会保障審議会及び厚生科学審議会)

(2) 行政の執行過程における基準の作成、行政処分、不服審査等に係る事項を審議する6つの審議会
(疾病・障害認定審査会、薬事・食品衛生審議会、中央社会保険医療協議会、医道審議会、援護審査会、社会保険審査会)

◎厚生科学審議会について

(1) 「厚生科学審議会」については、従前の「厚生科学審議会」、「公衆衛生審議会」、「生活環境審議会」及び「中央環境適正化審議会」等の機能について、

  • 法律又は政令による必要的付議事項を必要最小限に見直した上で、厚生労働省の所掌に関する科学技術及び公衆衛生等に関する重要事項について審議する審議会として設置。

(参考資料−7、8)

<参考> 厚生労働省設置法上の厚生科学審議会の所掌事務

 第八条 厚生科学審議会は、次に掲げる事務をつかさどる。
 一 厚生労働大臣の諮問に応じて次に掲げる重要事項を調査審議すること。

イ 疾病の予防及び治療に関する研究その他所掌事務に関する科学技術に関する重要事項
ロ 公衆衛生に関する重要事項
 二 前号ロに掲げる重要事項に関し、厚生労働大臣又は関係行政機関に意見を述べること。
 三 厚生労働大臣又は文部科学大臣の諮問に応じて保健婦、助産婦、看護婦、准看護婦、理学療法士、作業療法士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師又は柔道整復師の学校又は養成所若しくは養成施設の指定又は認定に関する重要事項を調査審議すること。
 四 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)、検疫法(昭和二十六年法律第二百一号)及び生活衛生関係営業の適正化及び振興に関する法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理すること。


 (2) 審議会には法定付議事項等を審議するため、2つの分科会を設置(政令事項)。<

  • 分科会の議決をもって、審議会の議決とできる。(政令事項)
ア 感染症分科会(感染症の予防に関する重要事項等)
イ 生活衛生適正化分科会(生活衛生関係営業に関する重要事項等)

 (3) 審議会には部会を置き、特定事項を審議することができる。(審議会の議決により設置)

  • 部会の議決をもって、審議会の議決とできる。(政令事項)

(2)従前の厚生科学審議会の活動状況について

 ○ 厚生大臣の諮問に応じて、厚生省の所管行政に関する科学技術に関する重要事項を調査審議することを所掌事務として、

の2つの部会を設置し、審議が行われてきたが、審議会の再編成に伴い廃止されることとなった。

 ○ 平成12年度に行われた審議会の答申及び主な審議会の報告事項は遺伝子治療臨床研究関係のほか次のとおり。

(1) 平成13年度における厚生科学研究費補助金公募研究事業について
(平成12年12月5日答申)

(2) 遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針
(平成12年4月28日先端医療技術評価部会報告)

 ○ また、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針について検討を行ってきている。



トップへ
会議資料目次  トピックス  厚生労働省ホームページ