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2017年8月23日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第46回議事録

○日時

平成29年8月23日(水)11:17~12:10

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

荒井耕部会長 中村洋部会長代理 田辺国昭委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 松本吉郎委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
上出厚志専門委員
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○費用対効果評価に関する検討状況の整理(案)について
○新たに行う国内の支払い意思額(仮称)に関する調査について

○議事

 

○荒井部会長
ただいまより第46回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。
まず、本日の委員の出欠状況について報告します。
本日は、榊原委員が御欠席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○荒井部会長
それでは、議事に入ります。
本日は、まず「費用対効果評価に関する検討状況の整理(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、「費-1」及び「費-2」について説明をお願いします。
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
それでは「費-1」並びに「費-2」の資料に基づきまして説明をさせていただきます。
費用対効果制度の全体像及び今後のスケジュールについてでございます。
「費-1」の1.でございます。「試行的導入に係る検討と制度化に向けた検討との関係」を明記してございます。
まず、2つ目の○ですが、試行的導入の13品目につきましては、価格調整を平成30年度の診療報酬改定時に行うことから、早期に一定の結論を得る必要があるということ。また、一方で、制度化に向けた検討につきましては、試行的とは分けて整理いたしまして、平成30年度からの制度化に向け、年内を目途に骨子を取りまとめるということでございます。
次に各論でございます。2.の試行的導入につきましては、(1)にお示しした1から5について整理をする必要があるということでございます。
1から3につきましては既に結論が得られておりますが、4について現在、検討を行ってございます。
また、5については、今後薬価専門部会及び保険医療材料専門部会の中でも議論していただくということになります。
裏面に参りまして3.でございます。
「制度化に向けた検討」におきまして、(1)に書きました1から4について検討いたしまして、年内を目途に骨子を取りまとめる必要があるということ。これらのうち、1につきましては一定の合意を得られているという認識でございますが、2、3、4につきましては、試行的導入に係る検討状況を踏まえながら検討をしていきたい。
資料の費-2をごらんください。スケジュール案でございます。
今後のスケジュールにつきまして、皆様と認識を共有したいということで、この資料を提出いたしました。
表をごらんください。左から、1が試行的導入に係る検討。2が制度化に向けた検討。一番右の3が調査についてでございます。
まず、一番左の1でございますが、本日8月23日に検討状況の整理、スケジュールを共有した上で、9月には関係団体等からの意見聴取も含めまして、10月中に一定の取りまとめを行いたい。それをもとに、点線で四角を描きましたが、主に費用対効果評価専門部会における議論に、その取りまとめを生かし、総合的評価を行っていく。こういった流れでございます。
これが試行的導入に係る流れです。
その右の2につきましては、そちらに記載のとおり、年内に骨子を取りまとめていきたいということでございます。
なお、ここで表の下に(※)が書いてありますが、本部会における検討状況を踏まえながら、特に価格調整方法につきましては薬価専門部会、保険医療材料専門部会との合同開催といったことも行っていきたいと考えてございます。
また、一番下の○でございますが、試行における個別品目13品目に係る検討状況につきましては、適宜本部会にも報告したいと考えてございます。
最後に2ページ目をごらんください。こうした流れにつきまして、御質問が多いと思われる点につきまして補足をさせていただきます。
1つ目の○ですが、新たに行う支払い意思額調査についてでございます。こちらにつきましては本日、また後ほど御議論いただいた上で、次回以降の本部会において調査票の案を御提示した上で、具体的に検討を進めたいと考えてございます。
そちらに書いた準備を行った上で、実際の調査の実施及び集計、分析には最低でも4カ月程度を要するという見込みでございます。
次の○で、制度化に向けた検討と支払い意思額調査との具体的な関係はどうなのだということでございまけれども、先ほど御説明いたしました制度化に向けた骨子は年内に取りまとめるものでございますが、これは費用対効果評価制度の考え方や運用方法を取りまとめるものでございます。
一方、支払い意思額に関する調査につきましては、その骨子を踏まえた制度において、個別品目の実際の総合評価価格調整をするに当たって、その調査の結果を活用することについて検討するものでございます。
そうした関係と御理解いただければと思います。
最後に、費用対効果評価に関する検討について、本年2月8日の本部会におきまして、本年夏を目途に一定の結論を得るということとしておりました。今後、3つの部会を合同で開催し、価格調整方法についても取りまとめることにより、これにかえることとしたいと考えてございます。
資料の説明は以上でございます。
○荒井部会長
ありがとうございました。
ただいまの説明に関して、御質問がありましたらよろしくお願いします。
吉森委員、お願いします。
○吉森委員
今、御説明いただきましたように、費-1の検討の整理、費-2のスケジュール案をお示しいただいた。10月中に試行的導入の検討をまとめて、平成30年に向けて、年内に制度化についての骨子をまとめるという方向性がきちんと示されているということは、非常にありがたいと思っていますし、ぜひ、スピード感を持って具現化して、実施していくということをお願いしたいと思います。
その上で2点ほど意見、要望でございますけれども、まず、費-2の今後のスケジュールの関係でございます。
1の試行的導入については、この点線部分で今、御説明いただきました費用対効果評価専門組織における対応をこういうふうにするのだと示されておりますけれども、専門組織における13品目のアプレイザルの具体的な実施状況、検討状況については、この一番下のページの下段に、個別品目に関する検討状況については、適宜本部会に報告いただくということになっております。やはり2の制度化に向けた検討のためには、この専門組織での課題とか、いろいろ個別の内容はどういうふうに報告いただくかは別にしても、検討状況を把握し、我々は本会で議論していく必要があると思いますので、ぜひこれは実行いただきたいと思います。
3のスケジュールの件でございますけれども、これについても裏面に具体的に、来年2月から3月に大体結論を得るとお示ししていただいているので、これである程度のスケジュール感は持てると思いますけれども、この新たな支払い意思額調査においての受諾確率曲線が算定された場合には、ぜひ、試行的導入で行う結果との事後的検証として、この13品目の評価は、過去に行われた支払意思額調査を用いるわけですが、どれぐらいの差が出るのかということを確認し、議論すべきだと考えております。これを検証することによって、今後の費用対効果制度のきちんとした方向性、見直し等もできると思いますし、さらには、支払意思額調査の継続的な実施のあり方等にも、この検証によってある程度課題が出てくるのだろうと思いますので、ぜひそういう検討をお願いしたいと思います。
以上です。
○荒井部会長
ありがとうございました。
宮近委員、お願いします。
○宮近委員
費-2の一番下の(※)のところに薬価専門部会、保険医療材料専門部会と合同でやるという予定が示されていますけれども、具体的には、いつごろを想定されているのかをお伺いしたいと思うのです。
○荒井部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
具体的には、そちらのスケジュール表の枠の中に※を書いてございます。そこが候補でございますが、そこをどのような形で持っていくかということについては御相談とは思ってございます。
ただ、それぞれの検討がバランスよく内容を進めていくために、こういった御提案をさせていただいたところでございます。
○荒井部会長
宮近委員、お願いします。
○宮近委員
同じく、費-2の2ページ目の最後の○の中で「本年夏を目途に一定の結論を得る」ということで、スケジュールが示されているわけですけれども、そういった関連からすると今の審議状況の進捗として、事務局としてはオンスケジュールなのか、かなり後ろにずれ込んでいるのか、その辺のイメージはどのようなものなのでしょうか。
○荒井部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
基本的にはオンスケジュールであると考えておりまして、2月8日は材料の価格調整を行うに当たって、一定の取りまとめをということであったと思いますので、例えばそこも同時開催のような形で検討することで、オンスケジュールで検討が進んでいるという認識でございます。
○荒井部会長
宮近委員、お願いします。
○宮近委員
私は個人的には、少しおくれているのかという感じを持ってお尋ねした次第です。オンスケジュールということなのでひと安心なのですけれども、今回の一連の診療報酬の改定に向けたタイムリミットは12月ぐらいだと認識していますので、先ほど吉森委員のお話にも出ましたけれども、是非事務局にはスピード感を持って対応していただきたいとお願いしたいと思います。
これが意見です。
○荒井部会長
医療課長、お願いします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
企画官が申し上げましたのは、当初予定しております年末までのスケジュールについて、現時点でそこは旗をおろしたわけではないという趣旨です。
これは正直申し上げまして当初のスケジュールからしますと、例えば、支払い意思額の調査に係る御議論を充実して行っていただいておりますし、さまざまな御指摘もいただいております。そういうことを改めて振り返ってみますと、スケジュール自体の進捗についてはおくれ気味に来ているというのは、率直に申し上げなければいけないと思っております。
そのことも踏まえて、改めてこういう形でスケジュールをお示ししまして、これは薬価の抜本改革とも連動する話ですので、あくまで年度内でのさまざまな制度との関連については、引き続き事務局としてはしっかり議論を進捗させていきたいという趣旨でございます。
御指摘ありがとうございました。
○荒井部会長
松本吉郎委員、お願いします。
○松本吉郎委員
試行的導入等にかかわる検討の流れについては理解いたしましたが、制度化に向けてでございますけれども、この試行的導入を検討していく中で、支払い意思額に対しては、やはりなかなか不安感が拭えないということは確かだろうと思います。
試行的導入の中でしょうけれども、一回決まるごとにこれがひとり歩きしてしまうことに対しての問題点は非常にあると思います。
クオリーとか支払い意思額を絶対視することについてはかなり疑問があって、私としてはフランスのような医学的な評価に重点を置いた仕組みが望ましいと思っております。それが一つの意見です。
あとは支払い意思額が一旦決まった中で、その後、またさらに新たに調査を今後行っていくことになりますけれども、この支払い意思額があくまで仮というか、一旦決めた額が調査によって何回も、今後も変わることがあるということははっきりと明確にしておく必要があると思うのですけれども、厚労省のほうは、これについてはいかがでしょうか。
○荒井部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
まだ仮称でございますが、支払い意思額の調査につきまして、本日また後ほど議論がございますが、その基準などにつきましては運用していく中で、また御検討いただくものだと考えてございます。
○荒井部会長
万代委員、お願いします。
○万代委員
意見を簡単に申し上げます。
費-2の1ページ目の一番下の○に、専門組織の検討状況は適宜本部会に報告するとしてございますので、これについてはぜひ、その方向でお願いしたいと思っております。
さらに、その中で本部会に報告という矢印が、この上の表の「1 試行的導入に係る検討」の点線の枠内から本来は出るはずではございますが、いろいろな内容的な検討も必要かと思いますので、この蔭に、すなわち点線の中から本部会への矢印が隠れていると理解しております。
次が費-2の2ページ目の2つ目の○で、2と3の取り扱いの違いということですが、本来的に費用対効果の評価をするに当たって、支払い意思額については総合的評価等々によって盛り込むべき要素と考えております。それが理念でございますので、ここで2つに分けたということ自体については、そもそも論にもとると考えております。
しかしながら、一定程度制度化に向けた骨子というものをまとめなくてはいけないという中で、官僚的な作文として、ポツの1つ目と2つ目を分けたことについては理解いたします。
文言云々につきましては幾らでも揚げ足をとれるかと思いますが、ひとまずの手続論として進めるということでは理解いたします。
したがいまして、もう一度1ページ目の表に戻りまして、2と3が分かれてございますけれど、これがいつ一緒になるかは置くといたしまして、今年度中なのか、近い将来なのか、もう少し経ってからなのかはわかりませんが、将来的には2と3が下のほうで一緒になるという理念的な形が、あるべき姿かと考えております。
以上、意見として申し上げます。
○荒井部会長
ありがとうございました。
ほかは。
上出専門委員、どうぞ。
○上出専門委員
ありがとうございます。
費-2の関係団体等からの意見聴取の点につきまして1点、事務局に確認をさせていただきたいと思います。
この資料では「1 試行的導入に係る検討」の中に「・関係団体等からの意見聴取」と記載されておりますので、試行的導入についての意見を述べよということと理解いたしました。
そうは申しましても、この費用対効果評価全般についての考え方をまず述べさせていただいた上で、試行的導入に係る意見を述べさせていただいたほうがより御理解をいただきやすいかと思いますので、そのようなたてつけでの陳述をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
確認でございます。
○荒井部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
制度化に向けた検討につきまして、骨子を取りまとめる手続、もしくは、さらに具体化するさまざまな手続があると思いますので、また必要に応じて、そういった機会も設けさせていただきたいと考えてございます。
○上出専門委員
そう申しますと、全般についての意見は別の機会にということでございましょうか。
○荒井部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
これは同じ部会の中でということでございますので、そこは内容を少し分けて御発言いただいてよろしいかと思います。
○荒井部会長
松本純一委員、どうぞ。
○松本純一委員
私が答える話ではないと思うのですけれども、やはり意見を陳述する側にとっては、制度化というものを前提とした中で話をしてもらうというのは当然になると思います。
ただ、こちらは試行的導入の結果を見て、制度化を進めていくのは並行していくにしても、結果としてそれを見て、ちょっとこれは使いづらいとか、この辺が問題あるということが出てきたときに、制度化以外でもう少し考えようということになる可能性があるにしても、やはり意見陳述は当然そうあるべきではないかと思います。
それで意見になるのですけれども、やはり今、言いましたように、試行的導入というのを今後進めていく、この結果が価格調整まで行くということでございますので、費-1の資料の1ページ目の「2. 試行的導入に係る検討」の(1)のところに1から5まであります。3までは進んでいる。4、5をどうするかという検討を具体的にしていかないと進まないのではないか。
この辺はオープンの場でやっていいのですかね。これは事務局にお伺いするのですけれども、価格調整の方法とか、臨時的、社会的影響に関する考慮というのはオープンでやられるわけですか。
○荒井部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
評価基準の設定方法でございますとか、価格調整方法。このルールの部分につきましては、こういった部会の場でオープンでやっていく。それを13品目に個別に落とし込んで、ここの評価を行うものにつきましては、主に費用対効果評価専門組織の非公開の場で実施するという整理で進めていきたいと考えてございます。
○荒井部会長
松本委員、どうぞ。
○松本純一委員
基本的にはそれでよろしいのかと思うのですけれども、ただ、思わぬ結果が出るとか、それはどういうふうにとっていただいても結構ですけれども、そういうこともありますので、ある程度結果というものは、最終的な結果ということになるのですかね。それは当然、この中医協の場でみんなに見ていただくという理解でよろしいわけですね。
○荒井部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
専門組織における議論につきましても、適宜必要に応じてこの部会に御報告させいただく形で進めていきたいと考えています。
○松本純一委員
ルールは決めてしまって、それはがちっとしたものになったから、結果がどうあれ、このルールはもう変えないということではないのですねということを聞きたかったのです。
○古元医療課企画官
そういったことも配慮しながら検討させていただきたいということでございます。
○荒井部会長
万代委員、どうぞ。
○万代委員
先ほどの上出専門委員の御提案でございますけれども、私は大賛成でございます。試行的導入においても、当然その目的は、制度化に向けての参考資料ということでございますので、本来的に制度化についてはどうあるべきかという意見陳述のもとに、試行的導入に係る意見陳述という形であるべきだと思いますし、例えば、時間的な配分であるとか重みづけですね。試行的導入と制度化に向けての内容における重みづけについては、多分御配慮いただけると思いますので、いかがでしょうか。ぜひそういった形で意見陳述をしていただきたいと思いますが、皆様の御意見はどうかと思います。
○荒井部会長
この件で、特に何かありますか。
上出専門委員、どうぞ。
○上出専門委員
ありがとうございます。
先ほどの私の説明が言葉不足だったかもしれませんけれども、余り制度化の各論について何か述べるということではなくて、費用対効果評価といったものについての基本的な考え方をお示しさせていただいた上で、試行的導入についてのお話をしていくという組み立てと考えております。
○荒井部会長
吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
その意見陳述の中では今、専門組織で各企業さんのヒアリングと内容の妥当性を検討されているのだと思いますし、その内容は我々にはなかなか伝わってこないという組み立てになっているわけですから、そういう中で、関係団体さんはどういう課題があって、どういうところが問題だというのを織り込んで陳述いただければ、非常に我々の参考になるのではないかと思います。
○荒井部会長
ここまでの費-1、費-2のところでは、特にほかに御意見はないでしょうか。
よろしいですかね。
ほかに御意見がないようでしたら、本件については本日の御意見を踏まえ、御提案いただいた方向で、事務局において検討を進めることとしてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○荒井部会長
ありがとうございました。
それでは、そのようにしたいと存じます。
次に「新たに行う国内の支払い意思額(仮称)に関する調査について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、費-3について説明をお願いします。
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
それでは、資料費-3をごらんください。
1ページ目は7月12日にお示しした内容を記載してございます。
説明は2ページ目からまいりたいと思います。
本調査につきましては、当部会でさまざまな御意見をいただきました。今回はそれを一回整理した上で、具体的な対応案を提案させていただきたいと思ってございます。
(1)の「1 主な意見」といたしまして、調査対象者の収入などによって回答が異なると思われるさまざまな立場の方から意見を聞くべきではないか。
具体的な対応案といたしましては、住民基本台帳から無作為に抽出することといたします。ただし、例えば結果として、調査対象者の所得の分布が日本全体の所得の分布から大きく偏っているとか、そういった場合におきましては必要な補正を行う。こうした対応を考えてございます。
「2 医療保険制度に関する理解について」ですが、ある程度知識のある方を対象にしないと、調査に信頼性が得られないのではないかといった御意見でございました。
それにつきましては具体的な対応案といたしまして、対面調査を実施する際に質問者が回答者に対しまして、日本の公的医療保険制度に関する資料を用いて説明するなどにより、回答者が一定程度理解した上で回答できるよう工夫してまいりたいと考えてございます。
3ページは「(2)調査の対象とする費用について」でございます。
公的医療保険の制度から支払う場合と、全額自己で負担する。こうした過程によりまして回答が異なってくるのではないか、両方を調査してはどうかといった御意見がございました。
考え方でございますが、本調査の結果は費用対効果評価制度を公的医療保険制度に導入するに当たっての検討に用いるものでございますので、今回の調査につきましては、社会としての負担、公的医療保険による負担の観点からの質問としたいと考えてございます。
(3)の「1 治療の対象者の想定について」でございます。
健康上の問題を抱えている方が回答者御自身という仮定なのか、もしくは、そうではない他人の場合ということでまた回答が異なってくるのではないか。これにつきましては、回答者御本人ではなく他人であるという想定のもとに、今回の調査を行っていきたいと考えてございます。
これはあくまでも社会としての負担ということを尋ねる内容であるといったことから、そうした方針としたいと考えております。
4ページをごらんください。「2 健康上の問題を抱えている人の健康状態の設定について」でございます。
7月12日に御提案した内容でございますと「死が迫っている」という状況設定のみでございましたが、それではなかなか現実の状況を反映しているといえないのではないか。また、具体的な年齢や状態を明確にすべきではないか。さらには「完全な健康状態で1年間生存すること」の意味合いについて、なかなか回答者が十分に理解できないのではないかといった御意見がございました。
「○ 具体的な対応案」でございますが、さまざまな健康状態を設定した質問を用いて調査を行うことにしたい。そして「完全な健康状態で1年間生存すること」の意味合いにつきましても、よりわかりやすい表現に置きかえるなど、工夫してまいりたいと考えてございます。
健康上の問題を抱えている方の年齢についても、一定程度特定した上で調査を行いたいと考えております。
最後に「(4)調査の継続的な実施について」は、一度きりの調査という位置づけではございません。必要に応じて実施をしてまいりたいということを明記してございます。
本日の御意見を踏まえまして、また次回以降、具体的な質問票なども御提示しながら、内容を固めていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○荒井部会長
ありがとうございました。
ただいまの説明に関して、御質問等がありましたらお願いします。
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
中医協が始まる前に、支払い意思額調査に関して支払側で打ち合わせをしました。打ち合わせでは、健康上の問題を抱えている他人に対して公的医療保険からいくら支出するかを正確に把握する調査ができるのか、全額自己負担の場合の調査も行ったほうが良いのではないかといった意見や、現在3,000とされている調査客体は、公的医療保険から支出する場合の調査と全額自己負担の場合の調査で分けて行えば良いのではないかといった意見が出たのですが、これらを全てクリアにして調査を開始することは無理だという結論に至りました。
また、完璧な状態で走り出すというのは無理で、走りながら必要に応じて異なる視点から調査を行うなど、複数回で調査をやるべきではないかという意見も出ました。完璧な状態で調査を実施するためにはどうすべきかを追求してしまうと時間を浪費し、本格導入に影響が出るのではないかという懸念もありますので、支払側としては、支払い意思額調査は走りながら修正を加えていけば良いのではないかということで意見がまとまりました。
○荒井部会長
ありがとうございます。
松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
そういった意味では、2号側は全然まとめておりません。まとめる気もないのですけれども、例えば、まず支払い意思額というのがいつごろからか仮称になっています。いい加減、そろそろこの仮称をちゃんとした名称にするべきではないか。
これは多分変わってくるのだと思いますけれども、しかも、内容がころころ変わる。ですから、そういった意味では幸野委員が言うように、議論していても現実に堂々めぐりのような感じにはなっていますので、走り出すというのも一つの方法だとは思います。
ただ、今回のこの提案も、他人が幾ら支払うか。他人のために支払うのではないのです。どういうことか。他人が病気になった。その人が支払う。しかし、その結果として保険料が高くなるかもしれない。そういう意味ではあなたにも影響があるかもしれませんという聞き方です。どんどん後退しているような、だんだん難しくなっているような、答えにくくなっているような設問になっているように思います。
これで本当に調査できるのか。私の捉え方が間違っているのだったら、企画官のほうから、そういう質問の仕方ではありませんというのを出してほしいのです。
今のでまず、私の考え方が間違っているかどうかを教えてください。
○荒井部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
これは表現の仕方ということだと思っておりまして、ある方が病気にかかっている。その方の治療に医療保険制度の中で対応するとした場合にということでございますので、本人か他人かという面につきましては、松本委員がおっしゃるとおりでございますが、実際の調査では、聞き方は丁寧に行っていくといった工夫が必要かと思ってございます。
○松本純一委員
言葉は丁寧でも、内容が伴わないというのは結構ありますので、丁寧に理解ができるようにちゃんとしていただくか。対面調査ということですので、調査する人によって大分違ってくる可能性もある。その辺はちゃんと教育してからということだったと思いますけれども、今の言い方でも、自分と縁もゆかりもない人が病気になりました、その人の病気を治すために公的保険から幾らだったら払っていいでしょうねという聞き方を、それすらもどうとるか。自分が幾ら払うかというのは関係ない。その人が支払う。しかし、公的保険から支払うから、先ほども言いましたように、自分が支払っている保険料は高くなる可能性がある。そこまで質問をややこしくする必要があるのかどうか。
これが本当に必要な調査なのか。これがないとアプレイザルはできないのか。ですから、私は試行的導入の結果が早く見たいということを言っているのです。
我々としては制度として、制度化に向けて動くというか、そういう動きをしていくのはいいとは思いますけれども、制度化には試行的導入の結果が必要であるという認識に変わりはございません。
結果的には1号側と同じようなことを言っているのだとは思うのですけれども、ちょっと表現が違います。
○荒井部会長
ほかには。
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
松本先生のおっしゃることはよくわかっていまして、我々も事務局案が正しいやり方だとは思っておりません。ただ、自分が病気になった場合に全額自己負担でいくらまで支払うかを問う調査を行った場合に、その結果が正しいのかはわからないと思います。どうすれば正しいのかというのは不毛な議論で、いくら議論を重ねても正解はわからずに時間を費やしてしまうと思いました。事務局の案では調査は1回限りのものとはしないとされておりますので、支払側としては、まずは事務局案のとおりに調査を進めて、必要に応じて随時修正を加えていくという長い目で見ていこうという結論に至りました。
○荒井部会長
吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
各論の話は次回、アンケートのシートをお示しいただくということなのですが、今、松本先生がおっしゃった健康上の問題が、回答者本人ではないケースでは、それでは、回答者本人に、もしあなたがこうだったらどうしますかと聞けば本人の話にもなる。聞き方の問題だと思うので、その辺のつくり方はぜひ次回に譲りたいと思いますが、いずれにしても、この支払い意思額の調査、受託確率曲線をつくるという意味では、試行的導入で今までの過去の実例を使って、13品目でやるわけですから、聞き方はいずれにしろ、今回やる調査と検証してみればいいわけなので、それが一番大事なことなのだろうと思っていますのでぜひ、これはまず早く進めて、検証を早くできるような体制にすべきだというのが支払い側の意見でございます。
○荒井部会長
松本吉郎委員、どうぞ。
○松本吉郎委員
1号側の委員の先生方と、大体全体的なコンセンサスを得られたように思いますけれども、これを今後の調査とするのであれば、例えば試行的導入においても、過去に4回の調査がありましたね。4回の調査の中で全額自己負担なのか、公的医療で払うかと分かれたと思いますけれども、そうすると、前回までは試行的導入の中でそれが決まっておりませんでしたけれども、試行的導入の中の、たしか4つのうち3つの調査がこれにかかわっていたと思いますけれども、それをチョイスしてやるということで、もう話としては決まりということになりますけれども、それでよろしいでしょうか。
○荒井部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
本日の議論も踏まえまして、そういったことも含めて検討して、次回また提案をさせていただきたいと考えています。
○松本吉郎委員
それはちょっと変な話で、今後の調査を逆に社会としての負担として決めてやるのであれば、試行的のときもそういうふうにして考えないと、これはまた元に戻ってしまう話になろうかと思います。
○荒井部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
舌足らずで申しわけございませんでした。
本日、こういった方針で新たな調査をということで、一定程度話がまとまりましたら、過去の調査の中でそれに近いものを用いるということのほうが、やはり整合性がとれると思います。
○荒井部会長
万代委員、どうぞ。
○万代委員
1号側からとりあえず、まず一歩進めようという御提案をいただきまして、そのとおりと思います。私も一歩進めるべきかと思っております。
その中で、費-2に戻ってしまいますけれども、表の中で1、2、3というふうに建てつけをしておりますが、今の松本吉郎委員の質問にも関係しますけれども「1 試行的導入に係る検討」のところで、一つの考え方として、支払い意思額を入れなかった場合の結果、入れた場合の結果という2本立てでやるというのも、議論を前に進める上で重要かと思いますので、そういった意味で松本吉郎委員も質問されたのかと思います。
そういう手続論については、ぜひ事務局のほうで工夫していただければさらに議論が進むのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○荒井部会長
松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
それは先ほども言いましたように、アプレイザルの評価をどういうやり方でやるかということにも尽きるわけでして、それを私は先ほど言いました。
試行的導入の、いわゆる支払い意思額とされている過去の調査で、今、企画官は近い形と言いましたけれども、だから私は何度も言っていますように、どういう質問をしてこの結果が出たのかというのを、対象人数と出してくださいとずっと言っている。しかし出てこない。
今度、提案をします。提案をするときに、絞って出すと企画官は言う。そうすると、私が言ったことはほごにされる。どれが本当で、どうしたいのか。本当に早くする気があるのか。事務局はいたずらに時間を使っているだけなのか。
○荒井部会長
医療課長、お願いします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
大変厳しく、また、ある意味、当を得た御指摘だと理解しております。
若干弁解めいたお話しぶりになるかもしれませんが、私どもの理解は、試行については今までの調査結果と諸外国の運用状況を活用するというところまでは合意が得られているという理解であります。
松本吉郎委員の御指摘、御質問を企画官、あるいは私自身もそうですが、少しとり違えてお答えしたのかもしれませんけれども、現時点では松本純一委員のおっしゃっているとおりでありまして、今から具体的に試行について、アプレイザルの具体的な御提案をしていく。その中で、新たな調査はしませんと。過去のデータプラス諸外国の状況を幾つか整理をして、こういう質問をしてこういう結果が得られました、こういう調査はこうでしたということをちゃんと整理いたしまして、かつ、諸外国のデータを活用して、調査を使わなかった場合ではこうですということを並べて整理をして、選択していただく。これが私どもの現時点での理解でありますので、答弁ぶりが若干ぶれたかもしれませんが、私としてはそういう受けとめをしておりますので、議論を進めていく段階で具体化しておりませんので、見えないではないか、早く見せてくれという御指摘は全くもってそのとおりだと思いますので、議論を進捗させていただいて、そのときには松本純一委員のおっしゃったことはしっかり対応させていただくということは、私どもとして申し上げさせていただきたいと思っております。
御指摘ありがとうございました。
○荒井部会長
ほかには。
遠藤委員、お願いします。
○遠藤委員
今までの議論の中で、実際にはこの試行的な導入の中で、価格調整をやってみないとわかないのですけれども、ただ、今までの議論の中で、この支払い意思額が大きく変化した場合に、結果に本当に差が出るのかという疑問があるのです。
試行的導入で価格調整をやるわけですけれども、これのデータは過去の公的ではないデータを使って、実際の価格を調整してしまうということができるということは、どういう値であっても、そこそこの結果が出るように見えてしまうのですけれども、そうでなければ公的ではないデータを使って、実際の価格を変えるということは非常にリスクのあることだとは感じるのですけれども、この価格調整の方法自体がまだわからないので、ちょっと見えないのですけれども、この支払い意思額が500万とか100万であったりといった場合に、相当な差が出るのかどうかというのは予測があるのでしょうか。
○荒井部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
企画官でございます。
まず、総合評価です。総合的評価、アプレイザルの方法につきましては前回の中医協で一定の方向、試行的についておまとめをいただいたところでござます。
13品目に関する現状でございますが、企業のサイドからデータをまずお出しいただいて、その後、今は中立的な立場からの検証も行っているところでございます。そういった結果を見ながら、また検討していきたいということでございますので、この時点で個々の製品のということはなかなか申し上げられないのですが、そういった状況でございます。
○荒井部会長
医療課長、どうぞ。
○迫井医療課長
企画官の受けとめを私の方で若干、補足させていただくと、御質問は、今後行う調査で一定の数字なりデータが出て、曲線を描くということですが、これは前回の部会でも同様な御指摘があったように思うのですが、一方で、もう試行については過去のデータを使う。データも先ほどの話のとおり、調査と諸外国の運用を参考にする。
繰り返しになりますが、具体的にこういう制度運用をしたらどうかという御提案の中で、今のお話は、例えば諸外国のデータを使ったらこう、あるいは、過去の調査が幾つかありますけれども、これこれを並べてみてどうなるのか、ということです。
予断を持っていませんけれども、確かに可能性としては、どれを使っても大体同じ値ですということになる可能性もありますし、やはり違うということもあろうかと思います。そのこと自体が中医協で御議論いただく重要な意味合いだと思いますので、まずは試行でそれを見ていただく。
さらに、前回御指摘がありましたが、本調査を行った後の結果と、そこは正直申し上げてそごがあり得ます。そごがあった場合に、それをさらにどう解決していくのかというのも、改めて御相談していきたいと思っています。
ですから、今の時点で決して出口が見えていて、結論ありきということではなくて、これは本邦初の取り組みでございますので、制度上の難しさもあろうかと思いますので、そのあたりは各委員にぜひ御理解をいただきまして、日本の医療制度をいかに着実に運用していくかという大義のもとで、ぜひ御議論いただきたいと、事務局としては願っております。
○荒井部会長
遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員
あと、もう一点なのですけれども、当然試行的な導入が30年で行われるとすると、30年度に向けても薬価調査、材料価格調査が行われているわけですけれども、それらも当然、この試行的な13品目についても行われているわけで、そうすると、その結果をどう参照するかということもいろいろ、今後議論するということでよろしいのでしょうか。
○荒井部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
御指摘のとおりでございまして、そういった全体の流れの中で、この費用対効果の評価をどう反映させていくのかといった議論をしていただくということでございます。
○荒井部会長
ほかにはどうでしょうか。
中村部会長代理、どうぞ。
○中村部会長代理
先ほどから、支払い意思額についていろいろと御議論があったと思います。
支払い意思額というときに、社会としての負担ということと、個人としての支払い意思という2つの違う議論がありますが、両方を調査するのは難しいので、とりあえず社会としての負担について調査するという御提案だと思っています。
ここで非常に重要なポイントとして、実際に調査を受ける側の方々が、支払い意思額(仮称)という名称で調査を提示されると、当然ですけれども、中医協であったように、いろいろと解釈が違ってくるかもしれません。
ぜひ実際に調査をされるときには、名は体をあらわすということで、しっかりと調査の内容に沿った名称をつけていただいて、仮称という文字が調査票の中に入らないような形で調査していだたければと思います。そうでないと、調査を受ける側の方が混乱してしまいます。
○荒井部会長
ありがとうございました。
ほかには特にないでしょうか。よろしいですか。
ほかに御意見等がないようでしたら、本件については本日の御意見を踏まえ、御提案いただいた方向で事務局において検討を進めることとしてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○荒井部会長
ありがとうございました。
それでは、そのようにしたいと存じます。
本日の議題は以上です。次回の日程につきましては、追って事務局より連絡しますので、よろしくお願いします。
それでは、本日の「費用対効果評価専門部会」はこれにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。

(了)
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