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2017年12月22日 第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成29年度第10回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

健康局健康課

○日時

平成29年12月22日(金)15:00~17:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)


○議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び平成29年度第10回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。委員の皆様におかれましては、忙しい中、御出席いただきありがとうございます。

 初めに、本日の委員の出欠状況について報告します。副反応検討部会の長谷川委員と安全対策調査会の遠藤委員から御欠席の御連絡を受けております。山縣委員は、少し遅れていらっしゃる御予定です。現在、副反応検討部会委員8名のうち6名、安全対策調査会委員6名のうち5名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立することを報告します。なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告していただいております。申し訳ありませんが、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力お願いいたします。

 本日の審議の前に、傍聴に関して留意事項を申し上げます。開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますよう、お願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意願います。

 本日の座長は、桃井副反応検討部会長にお願いしたいと思います。それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。

○桃井委員 それでは、始めます。年末の御多忙の中、御出席いただき誠にありがとうございます。まず、事務局から審議参加に関する遵守事項について報告をお願いします。

○事務局 審議参加について報告します。本日、御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金、契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。本日の議題において調査審議される品目はHPVワクチンであり、その製造販売業者はグラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社であり、事前に各委員に申告いただいております。各委員からの申告内容については、机上に配布しておりますので御確認いただければと思います。

 本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、柿崎委員がMSD株式会社から50万を超えて500万円以下の受取があるため、柿崎委員はHPVワクチンについて意見を述べることはできますが、議決に参加いただけないことを報告いたします。引き続き、委員におかれましては、講演料等の受取について通帳や源泉徴収票などの書類を御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。以上です。

○桃井委員 間違い、問題等はございますか。よろしいでしょうか。それでは、引き続き、本日の配布資料の確認をお願いします。

○事務局 配布資料として、上から座席表、議事次第、委員名簿、配布資料一覧、資料1、資料2、参考資料が17及び委員の謝金等の受取の申告状況です。配布資料一覧を御確認いただき、不足の資料等がある場合は事務局にお申出ください。参考資料27は、前回、1129日のこの合同部会でお配りした資料を、参考のために再度配布しております。このうち参考資料2については、前回から少し修正しており、これまでの報告一覧について一部追記を行っております。この各表の中の年齢という項目について、ワクチンの接種時の年齢、症状の発生時の年齢が混在しておりますので、この欄の中に注釈を追加しております。事務局からは以上です。

○桃井委員 資料はよろしいでしょうか。それでは、審議事項に入ります。本日の議案は、HPVワクチンについてです。前回のこの部会において、HPVワクチンに関する様々なファクトを整理し御議論いただきました。その中で、ここは専門家の集まりである部会なので、科学的、あるいは医学的な内容を審議することはもちろん責務ですが、その情報提供だけでは一般の国民には理解しにくいということもあります。国民が理解して初めて保健行政もワクチン行政も成り立ちますので、医療界でも理解しにくい機能性身体症状をはじめとして、本件にまつわる様々な問題について、より正確に皆様に御理解いただくための方策が必要であるという御意見も頂戴いたしました。

HPVワクチンが積極的な勧奨のペンディングということになった議論のときには、これに関する適切な情報が提供されることが基本に必要な案件でした。このような情報提供においては、専門家の皆様も御承知のとおりですが、提供したからよいというものではなく、提供した情報が十分に正しく理解されていること、すなわち、科学コミュニケーションとでもいいますか、ベネフィットリスクコミュニケーションとでもいいますか、そのようなコミュニケーションが国民の間に成立していることが重要です。医療で言えば、インフォームドコンセントのようなものであると理解しております。そのような科学コミュニケーションが適切な程度成立したと判断することが極めて重要です。

 そのために、この前の部会の御意見も受けて、本日は事務局からHPVワクチンに関するこれまでの取組状況の整理を頂き、なおかつ、国民への情報提供のツールとして、この情報提供という中には、双方向のコミュニケーションという意味を含めておりますが、その科学コミュニケーションのツールとして、リーフレット案を御提示していただいております。案なので様々な御意見を頂いて、より科学コミュニケーションが成立するためのツールになるように皆様に御審議いただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 では、事務局から資料12の説明をお願いします。

○事務局 資料1に基づき説明いたします。HPVワクチンに関する取組について、現時点における議論の整理案ということです。HPVワクチンについては、HPVワクチン接種後に生じた症状に苦しんでいる方に寄り添った支援を積極的に行いつつ、ワクチンと症状との因果関係や症状の発生頻度、ワクチン接種によって期待される効果について検討を行ってきていただきました。その取組状況を整理すると、この資料のとおりということです。

 まず、HPVワクチン接種後に生じた症状に苦しんでいる方に寄り添った支援についてです。平成259月から厚生労働科学研究事業により、HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療等と治療法の確立のための研究を実施しております。また、平成268月からは、身近な地域で適切な診療を提供するため、協力医療機関を整備しております。これは、現在、47都道府県85医療機関となっております。

 また、平成279月からは、予防接種法及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく救済に係る審査を実施しております。症例の全体像を踏まえて、個々の患者さんごとに丁寧に評価していくということです。我が国の従来からの救済制度の基本的な考え方、「厳密な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とする」ということにのっとって、救済に係る審査を実施するということです。今年の930日までに救済制度の対象となった件数をここに示しております。

 平成2711月には、各都道府県の衛生部門、教育部門に相談窓口を設置しております。窓口において相談者の個別の状況を聴取して、関係機関と連絡を取り支援をつなげる取組を実施しております。その相談の実績や取組の例を資料に記載しております。平成2712月からは、救済制度間の整合を取るための予算事業を実施しております。これは、通院医療費等の助成ということです。この寄り添った支援に関しては、今後もHPVワクチン接種後に生じた症状に苦しんでいる方に寄り添った支援を継続的に実施するということです。

2点目は、ワクチンと症状との因果関係や、症状の発生頻度、ワクチン接種によって期待される効果についてです。まず、継続的に副反応の発生状況をモニタリングしていただいております。副反応疑い報告ということで、副反応疑いとして報告された症例について、審議会において一定期間ごとに症例の概要を基に報告頻度などを確認して、安全性に係る定期的な評価を継続して実施していただいております。副反応疑い報告として報告された件数を資料上に記載しております。また、我が国におけるHPVワクチンによる効果の推計を併せて資料上に記載しております。

3ページです。平成251225日、これは少し振り返りになりますが、国内外におけるリスクとベネフィットに関する情報を整理していただいております。HPVワクチン接種後に広範な疼痛又は運動障害を生じた症例を中心とする、副反応疑い報告のあった症例の分析、7名の参考人、これは実際に患者さんを診察している医師、中毒学、免疫学、認知行動科学、産婦人科学の専門家からの発表などを基に審議いただきました。

 平成26120日と平成2674日には、ワクチン接種後に副反応が疑われる症状として報告された症例、これは、主に広範な疼痛又は運動障害を生じた症例について、論点整理を基に審議いただいております。今回の症状のメカニズムとして、神経学的疾患、中毒、免疫反応、機能性身体症状が考えられるが、神経学的疾患や中毒、免疫反応では説明できず、機能性身体症状であると考えられるとされております。

 また、HPVワクチン接種後の局所の疼痛や不安などが機能性身体症状を惹起したきっかけとなったことは否定できないが、接種後1か月以上経過してから発症している症例は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しいと整理されております。平成281226日と平成29410日には、HPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の多様な症状を有する方が一定数存在するかを確認するために、平成281月から実施されていた、厚生労働科学研究事業の研究班による疫学調査の結果が研究班から報告され、HPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の多様な症状を有する方が、一定数存在したことが明らかとなっております。

 平成291129日、これは前回の部会ですが、国内外におけるリスク(安全性)とベネフィット(有効性)に関する情報を整理していただいております。HPVワクチン接種後に生じた症状について議論が行われ、平成261月の合同会議における検討以降、HPVワクチン接種後に生じた症状と、HPVワクチンとの因果関係を示唆する新しい質の高いエビデンスが報告されていないこと、また、臨床現場では医師の専門性の違い、主たる症状の違いなどにより、同一と思われる症状でも状態でも様々な傷病名で診療が行われる実態があるものの、それらは、当部会で整理している機能性身体症状と同一なものであると考えられると整理されております。

 また、ワクチンの安全性・有効性に関する最新の知見を情報提供していくとともに、機能性身体症状については、医療関係者の中でも機能性身体症状という病態に十分な理解があると言える状態ではなく、医療従事者をはじめ、医学的知識のない方でも分かるように、機能性身体症状についての理解を深めていくことが必要であるとされております。

3点目は、国民への情報提供についてです。HPVワクチンの安全性及び有効性に関する国民への情報提供については、現在、保護者向けリーフレット、被接種者向けリーフレット、医療従事者向けリーフレットが厚生労働省のホームページに公表されており、各市町村からも同様に情報提供されております。

 前回の審議会において、ワクチンの安全性及び有効性に関する最新の知見を情報提供していくとともに、機能性身体症状については、医療関係者の中でも機能性身体症状という病態に十分な理解があると言える状態ではなく、医療従事者をはじめ医学的知識のない方でも分かるように、機能性身体症状について理解を深めていくことが必要であるとされたことから、国民への情報提供について、安全性・有効性に関する内容を充実した上で、更なる情報提供を進めることとしてはどうかということです。

 資料2は、今、説明した3の国民への情報提供についてというものに関する資料です。提供する情報の内容については、我が国におけるHPVワクチンの安全性に関する情報、また、我が国におけるHPVワクチンの有効性に関する情報、そのほか、被接種者及び保護者向けの接種後に症状が生じた場合の留意点、これは、例えば、専門的な医療機関が設置されていることなどということです。また、医療従事者向けの機能性身体症状に関する情報ということを考えているということです。

 資料2の別添として、被接種者の方及び保護者の方に向けたリーフレットの修正(案)、あと、接種直前にお読みいただく被接種者及び保護者向けのリーフレットの修正(案)、医療従事者向けのリーフレットの修正(案)を用意しております。この被接種者、保護者、医療従事者とそれぞれ情報を受け取る方に適切な内容とする必要があると考えております。また、情報提供の方法に関しては、パンフレットをホームページに公表するほか、情報を求めている方に対して市町村から情報提供する、あるいは、接種を希望する方が接種を受ける際に医師から情報提供を受けるという形になるのではないかと考えております。

 別添の資料の123について、簡単に内容を説明いたします。まず、別添1は、HPVワクチンに関する被接種者及び保護者の方に向けたリーフレットの修正(案)です。まず、冒頭の記載があり、1ページめくっていただき、HPVワクチンの有効性に関する情報です。その部分に関しては、本部会に報告した内容、我が国におけるHPVワクチンの効果推計などを盛り込むという形としております。

4ページです。HPVワクチンの安全性に関する情報です。従来、起こる可能性のある副反応、まれですが重い副反応も起きているという形で報告されているものに関して、5ページの見直し後の案です。副反応疑い報告の説明と併せてどれくらい副反応疑い報告が報告されているのかということを盛り込むということでどうかということです。

6ページです。救済制度の概要、それにより救済をされている方々の数などについても情報提供してはどうかということです。また、痛みやしびれ、動かしにくさ、不随意運動などについて少し記載を充実させております。また、パンフレットの裏にHPVワクチンに関する注意点ということで、接種当日、どのようなことに気を付けるのかということを時系列に沿って整理した資料を付けております。その内容に関しては、8ページです。HPVワクチン接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関を設置しているということ、相談窓口を設置しているという取組をしておりますので、その内容を盛り込んでいるということです。

 別添2は、被接種者及び保護者の方に向けた、接種を受ける際、直前にお読みいただくリーフレットということです。1枚めくっていただき、接種直前ということもありますので、接種を受けた後に気を付ける点ということで、気になる症状が出たときはということで、このワクチン接種後にこういう症状があるかもしれませんということを、もともと情報提供差し上げる内容になっております。

 その内容に関して、先ほどの事前の情報提供の内容に沿った、同じような形の情報提供にしております。副反応疑い報告制度、救済制度、あるいは、痛みやしびれ、動かしにくさ、不随意運動などについて、現在分かっていることが入っているということです。また、相談窓口が設置されているということなども盛り込んではどうかということです。

 別添3は、医療従事者向けのリーフレットです。この内容に関しては、医療従事者向けということなので、本部会に報告申し上げたような少し詳しめの内容としております。3ページです。HPVワクチンの有効性に関する情報です。従来から有効性に関する記載があるということですが、本部会に報告したような、そもそも子宮頸がんの発生とヒトパピローマウイルス感染についてどのようなことなのか、あるいは、ワクチンの効果はどういうものなのか、導入のインパクトとして報告されている内容はあるのか、我が国における効果推計はどのようになっているのかということを反映させてはどうかということです。

 また、1枚めくっていただき、HPVワクチンの安全性に関する情報の部分に関しても、先ほどの保護者向けの資料と同じ趣旨ということですが、副反応疑い報告制度はどのような制度であるのか、そして、どれくらい報告が行われているのか、救済制度はどういう制度なのか、それによってどれくらいの方が救済されているのかということを記載しております。

 また、医療従事者向けのパンフレットにおいては、疼痛又は運動障害の報告についてということで、その部分について、現在分かっている内容を記載しております。先ほど申し上げたとおりですが、ワクチンを接種した後に広い範囲に広がる痛み、手足の動かしにくさ、不随意運動などを中心とする多様な症状が起きたことが、副反応疑い報告などによって報告されているということですが、この症状のメカニズムとしては、機能性身体症状であると考えられているということや、HPVワクチン接種後の局所の疼痛や不安などが、機能性身体症状を惹起したきっかけとなったことは否定できないが、接種後1か月以上経過してから発症している症例は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しいと整理されているという情報に関して、情報提供申し上げているという内容です。

 また、医療従事者向けのパンフレットにおいては、機能性身体症状とはということで、機能性身体症状とはどういう症状なのかということについて記載を追加しております。6ページです。機能性身体症状とは、痛みなどの何らかの身体症状があり、病院を受診し画像検査や血液検査を受けた結果、その身体症状に合致する検査上の異常や身体所見が見付からず、原因が特定できないことがあるという状態を機能性身体症状と呼んでいるということです。

 身体症状としては、痛み、感覚が鈍い、しびれるなどの知覚に関するもの、力が入らない、安定して歩けない、手足や体が勝手に動く、けいれんするなどの運動に関するもの、動悸、下痢など自律神経に関するものなどのいろいろな症状があります。痛みについては、特定の部位からそれ以外に広がることもあります。また、運動障害についても、診察所見と実際の運動の乖離、注意がそれた場合の所見の変化、症状の変動性など、機能性に特有の所見が見られる場合があります。

 臨床現場では、専門とする分野の違い、病態の捉え方の違い、あるいは、主たる症状の違いなどにより、様々な傷病名で診療が行われているということ、また、ワクチンを接種した後やけがの後などに原因不明の痛みが続いたことがある方は、機能性身体症状が起こる可能性が高いと考えられているため、被接種者や保護者に十分御確認いただきたいことなどを記載するという形としております。

 また、接種後、広範な疼痛又は運動障害が起こった場合の対応というものがもともと書かれておりましたが、その中に、日本医師会及び日本医学会からHPVワクチンを接種後に生じた症状に対する診療の手引が発刊されていること、また、協力医療機関が設置されているということを情報提供するとともに、相談窓口の関係についても情報提供することとしてはどうかということです。今回、用意した資料に関しては以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○桃井委員 資料1はこれまでの取組のまとめです。資料2は情報提供に関する資料を御提示、御説明いただきました。どちらの案件でも結構です。これらについて御質問や御意見等、御審議をよろしくお願いします。

○多屋委員 最後に御紹介いただきましたリーフレットの修正案については、これまでに分かってきた具体的な数字、そして症状に対する非常に詳しい説明も盛り込まれて、現在出ているリーフレットよりは非常に分かりやすいものに改定されていると思います。一方で、そこに出されている数字についての意味を理解していただけるように、更にこれからも情報の更新を進めていく必要があるかなと思います。

○桃井委員 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

○倉根委員 この改定がなされて、そして、これはどこに載るか。ホームページ等に載った場合に、実際にこれがどのくらい見られているか、読まれているか。そして、これを改定して載せたことで、どのくらい理解が進んでいるかという、何か評価といいますか、あるいはモニターといいますか、そういうことがやはり必要ではないかなと思います。

○桃井委員 ありがとうございます。おっしゃるとおりで、大部分の方が厚労省のホームページを見るわけではありませんので、恐らくほとんど厚労省のホームページを御覧にならない方が、一般の方には多いかと思いますので、1つには情報に接していただく工夫。ホームページに載せましたよだけではなくて、情報に接していただく工夫。そして、その情報に接した方々が、どの程度理解されたかをチェックする工夫などが必要であるという、貴重な御意見を頂きました。ほかにいかがでしょうか。

○五十嵐委員 せっかく作っていただいたリーフレットについては、関連学会等にリンクするようなことをお願いするのは、考えていらっしゃいますか。

○事務局 今、資料2でお示ししたとおり、このパンフレットの基本的な使用方法に関しては、厚生労働省のホームページに載せたり、あるいは市町村のほうでホームページに掲載していただいたり、あるいは情報を求めている方に対して、市町村のほうから情報提供していただいたり、あるいは接種を希望する方が、接種を受ける際に、医師から情報提供していただいたりということで考えていますが、学会とどのように連携できるかということに関しては、先生方の御意見を頂きながら、検討していきたいと思っています。

○桃井委員 極めて重要な御意見を頂いたと思います。厚労省のホームページも、市町村のホームページも、そうそう一般の方が見るものではありませんので、このHPVワクチンの接種に関しては、ある論文がありまして、ほとんどの国はプライマリケアフィジシャンが接種をするわけですが、その医師の説明には他の予防接種よりはるかに時間が掛かる、そういうことも理解と接種を困難にしているという論文がありました。

 事細かに全てを御説明することは医療現場では不可能ですので、是非、接種をされる医療者の手元にも届くような、何らかの工夫をしていただけると、大変有り難いと思います。これらの情報をどのように、目に止まるような方策ができるかは、市町村のホームページのみならず、先ほどの御意見の学会も含めて、十分、御検討いただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。

○山縣委員 先ほど評価をどうするかという話がありましたが、本当にそれはとても重要な点だと思います。目に触れるということと同時に、こういう予防接種をするというのが、今までは余り考えずにされていたような部分が、やはりこういうリーフレットをしっかりと理解することによって、意義だとかそういうものを知り、しかし一方で副反応に関してもちゃんと理解した上で接種すると。特にこの子宮頸がんというのは、いろいろな感染の蔓延といったもう1つの役割よりも、本当に本人自身が子宮頸がんの予防のためにやるということで、ほかの例えば麻疹のワクチンなどと少し意味合いの違うもののような気がするのですが、そういうことも理解した上で、しっかりと予防接種について考えるということが、このリーフレットで本当にどこまでそういうリテラシーが上がったかといったようなことを、評価するようなことというのは必要ではないかなと思います。

 そういう意味では私ども、生殖補助医療技術の国民の意識調査というのを以前にやったことがあるのですが、その際に例えば第三者が関与する生殖補助医療技術で、特に例えば代理懐胎のようなものというのは、いろいろな倫理的な問題や医学的なリスクがあるものなのですが、それに対してきちんとリーフレットを読んで理解した方と、そうでない方とで、それに対する賛否というのは変わってくることもありますので、やはりその辺り、このリーフレットがどういう意味を、ちゃんと両方バランスよく理解できているものなのか。そして、このことを理解して、どういう行動を国民がとるようになるのかといった辺りのところを、何か評価できる仕組みなり、研究なりがあればいいかなと思いました。以上です。

○桃井委員 研究デザインとして可能であるということですね。ありがとうございます。ほかに御意見はいかがでしょうか。

○多屋委員 接種を受ける方々というのは、基本的には学校に通っていらっしゃる年齢の方ですので、例えば文部科学省のほうにもお願いをして、学校にいらっしゃる養護教諭の先生方等にも、このリーフレットの情報が十分伝わるというのも、1つの方法ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○桃井委員 養護教員の先生なら、子供たちも自然に聞ける、質問もできるということもありますね。大変貴重な御意見を頂きました。ほかにいかがでしょうか。

○柿崎委員 現在のリーフレットはA4の表裏で、2ページを1枚で印刷できるようになっているかと思うのですが、今回の改定で若干情報量が増えていますけれど、A42ページに納まるようになるのでしょうか。

○事務局 リーフレット、情報提供を申し上げる媒体に関しては、その量も非常に大事だろうと考えておりまして、従来はA4の表裏という形でした。今回、少し情報を追加していますので、その中に納まらない可能性もあると思っています。どういった工夫ができるか、実際の媒体に落とし込む中で、検討していきたいと考えています。

○望月委員 医療者向けに比べまして、被接種者と保護者向けのリーフレットは、かなり分かりやすく書いていただいてあると思います。その上でなのですが、別添1の被接種者・保護者向けのリーフレットのほうは、どちらかというと保護者を対象にした説明の仕方になっていまして、接種直前の別添2のほうのリーフレットは多分、被接種者を想定した形の文章の書き方になっているように、私は読ませていただきました。

 そうしますと、この別添2のほうが、接種されるのが中学生くらいの方ですか。その方が読んで、どこまで理解できるのかというのは、ちょっと難しい表現が、かなり入っていると思いまして、どういう場面でこの別添2が使われて、これは先ほど養護教諭の方が、少し理解度の支援をできるのではないかという御説明もありましたが、もう少し平易な言葉遣いで作っていただけると、接種直前に医師が被接種者の方に読んでもらうという使い方もできるのかなと思いました。

○桃井委員 おっしゃるとおりだと思います。子供の理解力にも様々な程度がありますので、確かにこれを読んで、全ての子がきちんと読むということも保証がありませんし、その辺の工夫が必要だろうと思います。おっしゃるとおりだと思います。

 あるいは別添1のほうを保護者の方に読んでいただいて、それを基に親子で話し合っていただくという場面の想定も必要だろうと思います。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

○佐藤委員 別添1のほうですが、これが多分、最初にお読みいただくリーフレットになるかなと思うのですが、これは何を指しているのかなというのが分からない場合に不安になるのではないか、と感じました。

 例えばここでサーバリックスとガーダシルというのが4ページに登場するのですが、2種類あったのかというのをここで初めて分かる方もいらっしゃると思います。このリーフレットについては、もう少しHPVワクチンの全体的な情報として、皆様に知っておいていただきたいことを説明する方がよいのかな、と感じましたが、どうでしょうか。

○桃井委員 ありがとうございます。突然この名前を見ても、なかなか理解しにくいというのは、おっしゃるとおりだと思います。貴重な御意見、ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

○倉根委員 少し細かい所ですが、例えば別添12ページです。これも書き様で分かるのですが、「ウイルスへの感染」が見直し案の上から2つ目の●の所。次の3つ目の●が「ウイルスの感染」という、今度はウイルスが主語になって感染するということなので、意味はどちらにしても分かるといえば分かるのですが、少し整合性を取ったほうがいいのかなと思いました。

 あと、これは我々が見ていますと、どうしてもこういう用語に常に接しているので、これは分かりやすいと思っても、やはり一般の方が見ると、先ほどからも意見があるように難しいところもあるので、どなたか一般の方に見ていただくのも手なのかな、それも方策ではないのかなと思いました。

○桃井委員 おっしゃるとおりだと思います。全部分かっている者が読んでも、なかなかチェックにはならないので、そういう御意見は大変もっともだと思います。ありがとうございます。

○永井委員 特別新しい意見ではないのですが、せっかくのリーフレットの中身を、なるべく多くのドクターに理解していただくことが大事だと。プラス、接種を介助する看護師の方々にも、情報提供しようかなと思います。

 小さいお子さんに接種するワクチンに比べて、いろいろな科の先生方が接種に関わりますので、やはり学会というよりは医師会から広く提供していただくほうがいいかな。実際、この先生方は結果を非常に気にしておられますし、そういう意味での皆さんの関心は高いと思いますので、目に触れるようにしていただくといいかなと思います。

○桃井委員 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。医療関係者が読んで、一般の方が理解できるかどうかのチェックは、なかなか難しいところでありますので、より工夫が必要だろうと思いますが、ほかに御意見等はおありになりますか。よろしいでしょうか。もしこれをもう一度、会議後でも目をお通しいただいて、先ほど御指摘いただいた文言とか、あるいは文言が統一されてないので分かりにくさが生じるとか、そのようなお気付きになられたことがありましたら、是非、事務局のほうに会議後でも結構ですのでお伝えいただければ大変有り難いと思います。

 それでは、御意見を大変多数頂きましたので、まとめるまでもないと思いますが、科学コミュニケーションのツールであって、極めて安心して受けていただくためにも重要ですので、一般の方が理解できるような、より一層の工夫。それは一般の方に少しチェックしていただくという工夫も含めて、工夫が必要であるという御意見を頂きました。

 また、せっかくの情報がホームページだけで目に触れなくては、何の役にも立ちませんので、学会、医師会、あるいは文科省を通じて養護教員等々の関係者への情報が伝わって、そこから皆様に伝わるようにする工夫などの御意見も頂きました。

 また、ただ情報提供して情報が伝わったということには、必ずしもなりませんので、科学コミュニケーションが成り立ったかどうかの一定程度の評価、理解されたかどうかの一定程度の評価が必要であるという貴重な御意見も頂きました。

 また、量についても余りたくさんですと、読む気も起きなくなりますし、余り短くても内容が不正確になりますので、そのバランスはなかなか難しいところですが、適切な量で、なおかつ情報が正確に伝えられる量を、一層検討していただくというご意見がありました。

 それから、資料2の被接種者、接種する対象の子供たちが、どこまでこの文言を理解できるかというところが危惧されるという御意見もありましたので、一層の工夫が必要とされているように思います。

 その他、具体的に様々な御意見を頂きました。目に触れたかどうか、御理解いただけたかどうか、について一定程度の評価が必要ではないかというご意見もいただきました。もちろん情報提供は、1回だけでは科学コミュニケーションの役割を果たしませんので、繰り返し情報提供するということが科学コミュニケーションの基本ではありますが、しかしながら理解されたかどうかの評価もしませんと、それが役に立ったかどうか分かりませんので、そういう評価するためのモニタリングの工夫をし得るかどうかの検討という御意見も頂戴しました。

 こんなところが頂いた御意見だろうと思います。こんなまとめでよろしいですか。まとめというよりも繰り返しただけですが、よろしいでしょうか。

○多屋委員 今思ったところですが、別添1と別添2は被接種者及び保護者宛てになっていますので、被接種者はやはり中学生、保護者はやはり大人なので、2つの世代に対して説明するリーフレットというのはとても難しいものですから、やはり被接種者向けと保護者向けというのは別のほうが、分かりやすいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○桃井委員 その理解度も含めてそういう観点もおっしゃるとおりです。子供への説明と、保護者への説明とでは、これは理解度が異なってきますし、また関心の在り方も違ってきますので、その辺は考え直す必要がある。おっしゃるとおりだと思います。ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。

 先ほども申し上げましたが、会議の後、もう一度目をお通しいただいて、お気付きになられた細かい点でも結構ですし、全体のことについてでも結構ですので、御意見がおありの場合には事務局にお伝えいただければと思います。御意見をお寄せいただく期限は、特に設けなくてもよろしいでしょうか。

○事務局 本日、御審議いただいた内容を踏まえまして、修正を重ねていきたいと考えていますが、もし追加で御意見があれば、可能であれば年内をめどにお寄せいただけると有り難いなと考えています。よろしくお願いします。

○桃井委員 どうぞ委員の皆様方には、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。本日の議事はこれで終了です。事務局からよろしくお願いします。

○事務局 本日は活発に御議論いただきまして、ありがとうございます。次回の開催につきましては、日程調整の上、日時についてまた御連絡差し上げます。また、傍聴者の皆様にお願いですが、審議会委員が退室いたしますので、退室が終わるまでそのままお待ちください。事務局からは以上です。

○桃井委員 それでは、本日はこれで終わらせていただきます。御参加いただきまして、誠にありがとうございました。


(了)

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