ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会))> 平成29年度第7回DPC評価分科会・議事録(2017年11月29日)




2017年11月29日 平成29年度第7回DPC評価分科会・議事録

○日時

平成29年11月29日
14:58~16:06


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第22会議室(18階)


○出席者

【委員】

山本分科会長、石川委員、猪口委員、井原委員、緒方委員
金田委員、川瀬委員、舌間委員、瀬戸委員、福岡委員
伏見委員、藤森委員、箕浦委員、美原委員、渡辺委員

【事務局】

医療課長 他

○議題

1. DPC/PDPS算定ルールの見直しについて
2. DPC退院患者調査の見直しについて
3. 平成30年度診療報酬改定に向けたDPC制度(DPC/PDPS)の対応について
4. その他

○議事

○山本分科会長

 それでは、定刻でございますので、ただいまより平成29年度第7回「診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を開催いたします。

 本日は、池田委員、川上委員、小林委員が御欠席で、瀬戸委員が16時ごろ退席の予定と伺っております。

 現時点で定足数以上の委員の出席がございますので、会議が成立することを御報告申し上げます。

 それでは、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 本日は久しぶりに紙の資料でございまして、お手元の席次表、議事次第、委員一覧のほか、D-1-1、D-1-2、D-2、D-3、D-4と参考でございます。不足等ございましたら、事務局にお申し付けください。

○山本分科会長

 きのうは徹夜、お疲れさまでございました。

 それでは、議事に入ります。

 最初は「DPC算定ルールの見直しについて」です。よろしくお願いします。

○事務局

 それでは、お手元のD-1-1、D-1-2で御説明します。

 まず、D-1-1でございます。お手元、参考資料のほうもあわせてごらんいただければと思います。参考資料のほうは、「点数設定方式」と書いてございます。

 D-1-1の資料、文章のほうをごらんください。

 このDPC/PDPSと短期滞在手術の手術料に関してでございますが、背景としましては、2つ目の○ですが、入院医療のほうの分科会検討結果の報告の中で、DPCの対象病院については、短期滞在手術等基本料の対象となる手術・検査を実施する場合も、DPC分類での評価を優先すべきとの御意見がございました。この結果については、既に中医協本体の基本問題小委員会にも報告されております。

 この御意見を踏まえまして、DPC分科会として、DPCにおいて、この短期滞在手術等基本料とDPCとの整理をどうするかということが検討の背景でございます。

 2ポツ目の具体的な検討としましては、参考資料の2ページ目をごらんください。現状、短期滞在手術のときに、3の入院料については5日までを包括評価という形になっていますので、入院料と5日目までに行われた手術料・検査料も含めまして、全てが包括の評価となっております。

 ただし、緑の矢印のように、5日を超えて6日目以降になる場合もございますが、手術が5日以内に行われていれば、6日目以降は出来高の入院料となる。さらに、手術自体も5日を超えて行われると、これは短期滞在ではなくて出来高になるというルールになっております。

 このような算定ルールのもとで評価されておるので、参考資料の3ページ目をごらんいただくと、DPCの支払方式の区分がA、B、C、Dとございますが、この右下のD、高額薬剤等に係る診断群分類については、第I日の平均在院日数は1日で固定した支払いなので、ほとんどの部分を初日にお支払いをするという点数設定の方式になっております。

 本文にお戻りいただいて、この4つの点数設定方式のうちのDを見ると、一定該当する診断群分類に限定して、この報酬設定Dを使っているわけですけれども、2ポツの3つ目の○ですが、1入院当たりの点数設定である短期滞在手術等基本料は、基本的な報酬設定の考え方はこのDと同じであるということで、これらのDを設定することが適切と考えられますということです。

 3.課題としましては、参考資料の5ページ目をごらんいただきたいのですが、短期滞在3とDPCで包括範囲は違っております。短期滞在のほうは、手術料も包括範囲という形になっておりますので、そのあたりも含めてルールを整備する必要があるということです。

 その考え方を整理した案が参考資料の6ページ目になるのですが、この短期滞在手術等基本料の対象となっている手術や診断群分類を見ると、上の矢印にありますような、期間Iの日数が5日以内におさまっていて、一定程度の症例数があって、手術の分類としてDPCの9桁目が0、普通の手術をやるという0になっていて、MDC分類に01から17までが該当するというものであればDで設定できるのですけれども、それ以外の下半分のような手技等になりますと、症例も少なく、平均在院日数がそもそも変わってしまうということで、この場合はDPCの区分Dではなく、従来方式のほうで点数を設定してはどうかという案でございます。

 こちらがD-1-1の対応案まで、今、御説明いたしました。

 続きまして、D-1-2の再入院のほうをごらんください。

 再入院の取り扱いについて、背景でございますが、現在、在院日数に応じて3段階の包括評価ということになっています。

 ですので、2つ目の○で、一連の診療内容について短期間に入退院を繰り返す場合の設定に関しては、再入院が一定程度連続しているものについては、一連とみなすという扱いを適用しております。

 参考資料の8ページ目ですが、平成28年度の診療報酬改定におきましても、7日以内に再入院をする場合、再入院の契機となった病名に「分類不能コード」を用いた場合には、同一病名での入院による一連の入院として取り扱うといったルールの見直しをしてございます。ということで、今回もルールの見直しをしてはどうかというのが、この課題でございます。

 具体的には、D-1-2の文章編の2.具体的な検討ですけれども、現在の取り扱いに関しましては、今の参考資料の8ページ目にありますのが、7日以内の再入院ですとか、同一傷病名の「医療資源を最も投入した傷病名」と、再入院の契機となった病名の上2桁が同一だと一連。あと、再入院時の入院契機の病名が「分類不能コード」であると一連ということが今のルールになっております。

 参考資料の9ページ目をごらんいただけますでしょうか。現状、7日以内に再入院になっているデータについて整理いたしましたということが左の表になっております。7日以内再入院の275,000件のうち、再入院のルールに該当するのが139,000件ありました。

 化学療法目的の入院という2行目のところは、再入院に該当しないという扱いにもともとなっております。

 それ以外につきまして見ると、入院契機が180040というのは、合併症のコードが選ばれているというものと、2つ目、医療資源病名が1回目の入院と同じであったものがありましたので、今回はこちらの2つについては、一連の入院とみなすこととしてはどうかというのが御提案でございます。

 あと、参考資料が10ページ目、11ページ目とついております。

 D-1-2にお戻りいただくと、今の説明が2ポツのところに書いてございまして、対応方針の案として、1つ目の○は、再入院の際の「入院の契機となった傷病名」を、合併症にかかる診断群分類のコードとしている場合は、一連の入院としてはどうか。

 2つ目の○としては、二度目の入院に関して、最も資源を投入した病名が診断群分類番号上6桁が同一の場合は、一連の入院としてはどうかという案でございます。

 御説明は以上でございます。

○山本分科会長

 ありがとうございます。

 算定ルールの見直しについて、1つは短期滞在手術の取り扱い、もう一つは再入院の取り扱いということですが、まず短期滞在手術の取り扱いについて御議論いただきたいと思います。御意見、御質問ございますでしょうか。

 お願いいたします。

○伏見委員

 細かいことなのですけれども、資料D-1-1の1ページ目の4ポツの手術の分類でDPCの9桁目が0の場合は該当すると書いてあるのですけれども、厳密には、9997以外の場合という意味だと思うのです。今、手術分類は、たしか9桁目、10桁目は10個以上のものはないのですが、理論的には10番、11番、12番というものはあり得るので、正確には9997以外と書いたほうがいいのではないかと思います。

○事務局

 先生、御指摘ありがとうございます。修正させていただきます。

○山本分科会長

 ほかにいかがでしょうか。

 お願いいたします。

○瀬戸委員

 今後、短期滞在に該当するような手術のケースはふえてくると思うのですけれども、それは対象疾患となるものは随時見直していくことになるのですか。

○山本分科会長

 事務局、お願いします。

○事務局

 毎回、ここ数回の改定の際に、DPCデータを使いまして、一定程度件数があって在院日数が集中している手技に関しまして、短期滞在に追加するかどうかという検討は行っているということでございます。ただ、毎回、必ず追加する、しないというルールが決まっているわけではございませんが、ここ数回はそういった対応をさせていただいております。

○山本分科会長

 よろしいでしょうか。

 今のことに関連して、参考資料の6ページに表が上下2つあって、上のほうが短期滞在手術以外で一定の要件を満たすものとあるのは、これは従来、短期滞在手術ではないけれども、今回、D方式に入れるという理解でしょうか。

○事務局

 改定のデータがまとまらないと、何とも言いがたいところですけれども、一つの案として、この要件に該当するものの例としてお示しさせていただきました。これが必ず次にDになるというのは、データを見てからになりますので、あくまで例として出しております。

○山本分科会長

 候補にはなり得るということですね。

 ほかにいかがでしょうか。

 お願いいたします。

○井原委員

 DPC病院において、DPCという包括制度と短期滞在3という2種類の包括制度が併存しておりますので、多くの症例はどちらかでうまくいくのですけれども、事例によっては請求方法について現場で混乱が起きているのは事実です。両方とり得る、両方考え得る事例がありますので、DPCは最初から急性期包括入院ということが建前で始まっている制度ですから、原則として、DPCに一本化したほうが、請求側も支払い側も、どなたにもわかりやすい制度になるということだと私は思います。

 以上です。

○山本分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 私からもう一つ、細かいところですが、3ページのD方式だと、期間Iというのが「(1日で固定)」と書いてありますけれども、6ページでは期間Iの日数が5日以内ということで、ここは実際には、3ページにあるように1日で固定というわけではないという理解でよろしいでしょうか。

○事務局

 資料6ページ目の期間Iの日数が5日以内ということですけれども、これは従来の方法で平均在院日数が25パーセンタイル値という意味ですので、25パーセンタイル値の日数が5日以内という意味で捉えていただければと思います。

○山本分科会長

 そうすると、実際にD方式に入れた場合は、期間は1日目で決まるということですね。

○事務局

 はい。

○山本分科会長

 どうぞ。

○渡辺委員

 確認ですが、今後、短期滞在手術基本料3に該当したものは、自動的にDPCのこの区分になるという理解でよろしいですか。つまり、次年度の改定以降、短期滞在手術基本料の対象となる手術対象が今後もし拡大した場合も、自動的にDPCになるという理解でよいのか、それとも現状の短期滞在手術基本料3に該当したものだけということなのか、という確認です。

○山本分科会長

 事務局、お願いします。

○事務局

 本検討は、あくまでD-1-1の背景のところにありますように、入院分科会でのDPCを優先すべきという考え方のもとに、これがこのように進めるに当たって、必要な取り扱いを検討するということでございまして、この場で短期滞在3について自動的にということではございません。

○山本分科会長

 でも、今後、短期滞在手術3の範囲がふえた場合に、それがDPC病院ではどうなるのですかという質問ですね。だから、この場合はD方式。

 お願いします。

○事務局

 もともと入院分科会での議論の前提として、現状、短期滞在手術等基本料に該当する手術の手技をやった場合は、DPC病院も短期滞在の手術料を取るというのを優先するルールになっておるのが現状です。

 ただ、DPCと短期滞在手術は包括範囲が違いますけれども、短期滞在でやる、やらないのところが、DPCはさまざまな合併症ある、なしまで枝があって、DPCの包括評価という形になるのですが、短期滞在は手技料まで包括になっていることもあり、合併症があったりすると出来高になるということで、どちらも包括評価なのですけれども、該当する範囲が狭過ぎるということもあるので、DPC病院については短期滞在手術の手技に該当したとしても、DPCの請求を優先すべきではないかという議論があった。もともとDPCDPCの技を優先して請求してもらうというルールになります。

 短期滞在手術基本料は、出来高病院の場合はDPCではないので、短期滞在手術料を選択することになるので、主として出来高病院の点数という扱いにしてはどうかという意味でございます。

○山本分科会長

 お願いいたします。

○川瀬委員

 そうなると、例えばDPCにするとそこに係数がつくわけですね。そうすると、差が出てしまうということですね。今までは、全ての病院が、大学病院であろうと、普通のIII群の病院でも、短期滞在3で手術を行った場合の5日以内だったら同じ点数だったのですが、今の話を聞いていると、そこにDPCのD方式にするということは、係数がついて差が出てしまうということなのでしょうか。

○事務局

 すごく端的に言うと、DPC病院では短期滞在手術等基本料は取らないことになるということです。それは、全てDPC分類の区分の中での支払いになるということです。

○川瀬委員

 わかりました。

○山本分科会長

 お願いいたします。

○箕浦委員

 これは入院分科会で検討されるものであるかもしれませんが、全て短期滞在ではなく、DPCの範疇になりますと、看護必要度というのは分母に入ってくるという話になりますので、ここで議論することではないのは重々わかっているのですが、そういうふうにここは考えていくのかというのは懸念するところでございます。

○山本分科会長

 これは確認ですけれども、当然入るということですね。お願いいたします。

○事務局

 その点は入院分科会でも御指摘ありまして、必要度のカウント対象のこともありますし、平均在院日数のカウント対象のこともありますので、それによる影響もしっかり配慮した上でルールを設定するということにしていますので、御指摘も含めて、このルールは設定いたしました。

○山本分科会長

 お願いいたします。

○石川委員

 だから、DPCのほうでも今みたいな懸念があるということは伝えていただいて、あと、決めるのは中医協だから、中医協のほうで議論していただいてということになりますね。結局は、もしかしたら下がるかもしれないということもあるわけです。

○山本分科会長

 ほかにいかがでしょうか。

 もう一つ確認させていただきたいのです。今の話は、短期滞在で取っているものはD方式で計算するということですね。そうすると、一般的な診断群分類、いわゆる今までAでやっていたもので、これは短期滞在手術になじむといった場合、そこがD方式に変わるということですか。さっきの6ページの上の表に入っているようなものは、D方式になり得るということですか。

 お願いします。

○事務局

 きょうの論点がまさにそこで、6ページ目にありますように、D方式で設定するものというのは、入院期間25パーセンタイルが5日以内のものということです。現状、短期滞在手術料の中の入院料にあがっている手技に関連するDPC分類で実態を見ると、平均すると5日以内に手術されていないというものがあった場合はD方式になじまないので、従来方式で点数を設定しますということでよろしいかというのが論点です。

○山本分科会長

 短期滞在手術だけではないということも御議論いただきたいと思います。

 何かございますでしょうか。

 どうぞ、お願いいたします。

○瀬戸委員

 そうすると、これはDPC上はDで算定するというのは、必ずみんなに周知されるようになるのですね。

○藤森分科会長代理

 点数表でわかる。

○瀬戸委員

 点数表でわかるのですね。済みません。

○山本分科会長

 ということで、これから範囲が拡大されてくる。それは、逆に改定のたびにということですね。

 皆様、御意見、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○山本分科会長

 それでは、事務局案を承認するということで進めていただきたいと思います。

 もう一つが再入院ルールの見直しでございます。これについて御議論いただきたいと思います。いかがでしょうか。

 お願いいたします。

○川瀬委員

 今までも、例の180040という手術の合併症にかかわるもので、いかにも手術の合併症をわざと退院させるような形にするようなところが時々あるので、僕は、これは絶対しなければいけない。済みません、そんなことを言ってはいけないのかもしれませんけれどもね。でも、実際に現場でよく見ていると、そういう請求の仕方をしている病院がかなりあると僕は思っていますので、これは絶対していただきたいなと思います。

○山本分科会長

 強い賛成の意見でした。どなたか反対の意見はございませんか。

 特に御質問もございませんか。

 どうぞ、お願いいたします。

○藤森分科会長代理

 ありがとうございます。

 この案でよろしいかと思いますけれども、次回以降、検討してほしいのですけれども、現在、化学療法にかかわる再入院に関して7日以内は除外ということですが、きょう退院して、あした予定再入院というのがあるのですね。それは外泊でしょうということが横行しているということもあります。確かにリセットでいいと思うのですけれども、余りにもというのがありますので、次回以降、検討していただければと思います。

○山本分科会長

 事務局、いかがでしょうか。

○事務局

 御意見、承りました。

○山本分科会長

 ほかに何か御質問、御意見ございますか。よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○山本分科会長

 それでは、特に御意見ございませんので、再入院ルールも事務局案を承認ということで進めていただきたいと思います。

 続いて、「DPC退院患者調査の見直しについて」ということで、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 D-2の資料と参考資料の続き、13ページ以降をごらんください。

 まず、D-2の資料でございます。DPC退院患者調査に関しましては、退院患者ごとの診療情報や請求情報を分析して、その調査を整理して中医協に報告とあわせて公表等をしておるところでございます。

 2ポツの具体的な見直しの内容としましては、これまでこちらもそうですし、入院分科会もそうですし、中医協の総会のほうでも、さまざまな診療情報に関しての収集とか利活用といった議論がされておりましたので、それらを踏まえて案を整理したものがD-2の資料でございます。

 この一覧表の見方ですが、【簡】としているのが入力を簡素化するもの、【新】としているものが新規の追加項目になるもの、無印のものは既存の項目の変更とその他という内容になっています。

 まず、1ページ目、様式1の関係の項目ですが、新規としましてSOFAスコアがございます。対象や内容に関しましては、医療資源病名、副傷病として敗血症のコーディングを行う患者について、診断時に測定する。これは、ワーキングからの御提案、検討に必要との意見でございます。

 それから、入院料の検討の中で、特定集中治療室管理料1、2に関して、入室時に測定するという意見がありましたので、これは中医協からの御提案になります。

SOFAの概要につきましては、参考資料の13ページ、14ページにございます。

 続きまして、新規の手術の基幹コードのSTEM7の関係ですが、これは手術を行った患者について、Kコードと対応するSTEM7コードを入力するということで、手術等再編の基礎データとするために、このSTEM7を追加するということで中医協で議論された内容です。

 次、簡素化に関しては、自殺企図の有無に関してということで、これは必須入力になっていたところを任意とするということでございます。ワーキンググループの御提案です。

 簡素化、癌取り扱い規約のStageのところは、食道癌に関して入力不要ということ。

 次に、心不全患者の血行動態の特徴については、ワーキンググループで不要ということですので、簡素化する。

 続きまして、2ページ目です。様式1のその他、急性期以外の項目ということですが、要介護度と要介護情報に関しましては、中医協でデータ提出が慢性期病棟にも拡大していることを踏まえての項目追加の意見です。

 次、がん患者についてのTNMStageに関しては、療養病棟の関係では入力は不要とするということです。

 高齢者情報とFIMに関しては、慢性期病棟等の拡大を踏まえての追加項目ということでございます。

 次に、その他のファイルということですが、こちらは既存の項目の変更ということでございまして、E/Fファイルの病棟コードは、定義を変更して解析可能な形にする。

 外来のEFファイルにつきましては、請求情報以外の項目を一部追加する。

 Hファイルにつきましては簡素化ということで、一部のものについてはデータ作成を不要とする。

 それから、様式3に関しましては、病棟情報を追加するということでございます。

 あと、(2)その他としまして、まず1つ目の○ですが、制度改正に伴うデータ項目の修正につきまして、具体的には介護医療院が創設されますので、入退院経路のところで項目の追加の修正。

 2つ目の○として、DPC対象病院では、既に全ての医療機関がDPC対象病棟以外の特定のデータを提出しているので、「その他病棟グループ」のデータの提出を求めてはどうかということでございます。

 3ページ目、3.データ活用に関しましてですが、前回の指摘としまして、後発医薬品の使用実態や薬剤耐性対策の指標に関して公開するという方向性について異論はなかったということと、診療実績をより適切に示すため、その他病棟グループに関しても公開するべきという御指摘があったので、この2つに関しまして、公開データは一般病棟グループで入退院を行うデータに限定して、集計結果を公表しており、その他病棟グループに転棟した患者に係るデータが集計値に含まれていない。

 データ利活用の観点から、診療プロセスや、一般病棟からその他に転棟した症例についてのデータも重要なので、対応方針としては、28年度分の集計として公開するデータについては、その他病棟グループに転棟する患者に係る集計についても公開することとしてはどうかということです。

 参考資料は23ページ目にございまして、具体的にこの追加をする公開データのイメージということになっております。

 資料の御説明は以上です。

○山本分科会長

 ありがとうございます。

DPC退院患者調査の見直しについて御説明いただきましたが、御議論をお願いいたします。質問、おありでしょうか。

 お願いいたします。

○舌間委員

 様式1の新規の追加項目で、STEM7のコードがKコードと対応して必要ということですけれども、Kコードはレセプト電算マスタとか、そういうところに入っておりますけれども、STEM7のコードとKコードを関連づけるようなデータは、データとして公開いただけるのかどうかということをちょっと確認させていただきたいと思います。

○事務局

 御指摘ありがとうございます。

 KコードとSTEM7コードのマスタ的なものについては、今、外保連に御協力いただきながら厚労省で準備しようと思っていますので、改定までに公開できるようにしようと思っております。

○舌間委員

 このKコードは、このSTEM7という対応表をデータとしていただけるという前提でよろしいということですね。

○事務局

 はい。

○舌間委員

 わかりました。

○山本分科会長

 ほかに。

 川瀬委員、どうぞ。

○川瀬委員

 僕、外保連の手術委員長をやっていますので、そこでデータも既にエクセルの形では提出しているのですが、現実的に言いますと、全部1対1での対応ではないのです。というのは、Kコードというのは部位によって、例えば整形領域で言いますと、頸椎、胸椎、腰椎で、それぞれ同じKコードがついていますので、一つのKコードでそれぞれ3つのSTEM7ができるという形になっています。ただ、そのときの分け方としては、ここの部位を、この場合にはこのSTEM7にしていただきたいということは作成して、厚労省には提出させていただきます。

○山本分科会長

 現場では混乱は生じないという理解でよろしいですか。

○川瀬委員

 それは、僕はSTEM7に多分一番詳しい人間がつくっているので、本当は皆さんに見ていただかなくてはいけないのかなと思っています。

○山本分科会長

 ありがとうございます。

 ほかに。

 お願いいたします。

○美原委員

 退院患者調査の見直しの参考資料23ページの一般病棟以外の入院を含む在院日数を追加というのですが、ある病院は急性期で別の病院に回復期に転床するという病院もあるでしょうし、ある病院はケアミックスで急性期病棟から回復期病棟に転床するというケースもあると思うのですが、その辺の取り扱いはどのようになるのでしょうか。

○山本分科会長

 事務局、お願いします。

○事務局

 現在、一般病棟のみの集計値を公開しておりますので、DPCデータは、一般病棟、その他病棟と精神病棟がございます。今までいただいた御議論としましては、その他病棟に係るデータということをいただいていたと認識しておりますので、一般、プラスその他として集計したデータを御準備させていただこうかなと考えております。

○美原委員

 何が言いたいのかというと、一般、プラスその他。ある病院はケアミックスで急性期が10日間で、回復期が仮に40日間だと。そうすると、50日という平均になるわけですね。だけれども、ある急性期病院は急性期が20日間で、その後に行った回復期病棟のことはデータがないわけです。そうすると、急性期のある病院は、単独の病院は20日間だけれども、ケアミックスの病院は長くなってしまうということになってしまって、それは単純に比較できないので、一般病棟以外の入院を含む在院日数とすると非常に誤解を招くのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○事務局

 資料がわかりづらくて恐縮です。今まで公開していたデータは引き続き公開して、急性期のみのデータを公開する。追加的に、一般とその他を一緒にしたデータを公開するということで準備を進めようと思っておりますので、そのような誤解は大丈夫かと。

○美原委員

 そうすると、ケアミックスの病院は急性期の病棟の平均在院日数と全入院期間が出て、急性期のみの病院は急性期のみの平均在院日数が出るという理解でよろしいですか。

○事務局

 そうです。

○山本分科会長

 よろしいでしょうか。

 ほかにいかがでしょうか。

 お願いします。

○舌間委員

 Hファイルの退院日の情報は「など」と書いてありますけれども、作成不要とするとあるのですけれども、資料の2ページ目ですね。必要度の判定対象とは異なるので、退院時の情報などは不要とするとあるのですが、退院日の分のHファイルは出さなくてよくなる方向性だと考えてよろしいですか。

○事務局

 あくまで必要度の判定に必要なものを御提出いただく。今は判定に必要ないものも出していただいているので、そこは定義をそろえてお出しいただく。退院日の作成は不要になるということです。

○山本分科会長

 お願いします。

○事務局

 済みません、資料の訂正というか、追加ですけれども、D-2の1ページ目のSOFAスコアのところですけれども、「医療資源病名、副傷病」と書いておるのですけれども、「入院契機の病名」もコーディングの際に先ほどの再入院の判定などに必要になるので、「入院契機の病名」も追加させていただきたく考えております。

○山本分科会長

 ありがとうございます。

 そのほか、いかがでしょうか。

 どうぞ、お願いいたします。

○美原委員

 ちょっとくどいのですけれども、例えばケアミックスの病院にはDPCの病棟があって、それから地域包括ケア病床があるという病院もあると思うのですね。あるいは、地域包括ではなくて回復期がある病院がある。そのときに、例えばDPCの病院に1日入院して、2日目から地域包括に移るとか、そのような病院もあると聞いているのですが、それぞれの病棟の機能ごとに出すということでよろしいのでしょうか。そうすると、全部急性期の病院と比較して、ケアミックスの病院というのは事務作業がある程度煩雑になる可能性もあるのですが、その辺に関して教えていただければと思います。

○事務局

 今回の提案について、医療機関さんに何か作業をお願いするということは、まずなくて、御提出いただいている提出データを我々のほうで加工して公表させていただくというプロセスです。

 あと、DPCのデータの様式1は、一般病棟、その他。その他の中に療養も回復期も地域包括ケアも含まれますので、集計をどこまで細かくするかという考え方、細かくしていくと、その入院料を取ったみたいな、物すごく細かいことになるので、まずはその他病棟として一括りで公開させていただこうと思っております。

○山本分科会長

 その辺の区別が明確になるという理解でよろしいでしょうか。

○美原委員

 はい。

○山本分科会長

 ほかによろしいですか。

(「はい」と声あり)

○山本分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、事務局案で進めていただきたいと思います。

 それでは、4番目の議題ですが、「DPCの対応について」ということで、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 D-3の資料と参考資料25ページ以降を御用意ください。

 今回、夏からずっと検討させていただきまして、全体の取りまとめということでまとめさせていただいた素案でございます。

 1ページ目がその目次でございますが、最後の2ポツ、3ポツは本日の議論ですので、きょう、素案がないですが、きょうの議論を踏まえて追加するということで、1ポツを主にまとめさせていただいたものを御説明します。

 2ページ目以降ですが、まず医療機関別係数です。

 概要と考え方につきましては、これまで議論していただいた、今回、事務局が出した資料等々全体をもう一度まとめたものなので、お読みいただければわかる内容になっておりますので、主には3ページ目の囲みの部分が今回の改定での対応案のサマリーでございますので、そちらを中心に御説明させていただきます。

 医療機関別係数については、基礎係数は医療機関群の設定方法、名称、決定手順について議論させていただきました。

 参考資料25ページ目をごらんいただきたいのですが、この基礎係数に関しまして、医療機関群の設定については現行の3つの群を維持する。

 名称につきましては、こちらにありますように、III群がDPC標準病院群、I群が大学病院本院群、II群がDPC特定病院群ということではどうか。

 決定手順につきまして、自ら群を選択できる仕組みということについて議論をさせていただきましたが、今回は導入を見送るというまとめでございます。

 続きまして、本文の4ページ目以降、機能評価係数IIでございます。

 機能評価係数IIにつきましては、評価項目のあり方、それから各項目それぞれの検討。

 また、保険診療係数等については、その内訳の項目等の検討等をさせていただきました。

 評価項目のあり方と重み付け等々のまとめが、参考資料の26ページになっておりますので、そちらをごらんください。

 機能評価係数の項目のあり方につきましては、後発医薬品係数と重症度係数を除いた6つの係数を基本軸として、後発医薬品係数は機能評価係数Iで評価、重症度係数は廃止するということでございます。

 それから、評価の重み付けについて検討を行いましたが、機能評価係数それぞれ特性が違うものを全体で評価していますので、重み付けは行わないという方向でまとまったと思います。

 係数化の方法に関しましては、細かな分散処理等をやるというのを導入したのですけれども、それによって適正化されるというよりは、形がおかしくなるといったデータもありましたので、分散処理は行わないというまとめにさせていただいております。

 続きまして、各論のほうですが、参考資料の27ページ目以降になっております。

 まず、保険診療係数の部分に関しましては、大きく3つ。適切なデータに関する指標、I群とII群の体制に関すること。あと、病院情報の公表に関することについて議論しまして、適切なデータの部分に関しまして、部位不明・詳細不明コードの基準値につきましては、20%以上を10%以上に変える。それから、様式間の矛盾に関する未コード化傷病名の部分は、20%を2%にする。様式間の矛盾は現行を維持する。

 次に、I群とII群の体制の部分については、機能の高い分院を持つ、II群の要件を満たさないI群というところについては廃止して、精神科診療実績の部分は地域医療係数に一元化をする。指導医療官の派遣に関する要件については、保険診療への理解を深める取組に評価の中身を見直すということでございます。

 病院情報の公表については、右手にございますが、医療機関が自ら選択した複数の指標を公表するということへの評価を今後検討していくという方向性でまとめております。

 次、そのまま参考資料の28ページへ行っていただくと、地域医療係数のまとめをしております。

 地域医療係数のうちの体制評価指数については、各項目、12項目ほどございましたが、各領域ごとで1項目に整理するので、12項目ありましたものを9項目に整理したものが右側の四角になっています。

 指数の上限値の扱いに関しましては、現行12項目で、こちらの表にありますように、III  群が8、I、II群が10だったものを、今回、項目が9になりますので、標準群が6、大学と特定が8ということで案を出しております。

 実績評価の手法につきましては、下限値を0ポイント、上限値25パーセンタイルの考え方をここは維持するということではどうかということでございます。

 続きまして、地域医療係数、細かい部分になってございますが、29こま目以降は、先ほどのサマリーになっていまして、地域医療の部分に関しては3132です。

 先ほどの9項目、それぞれの内訳の定義に関しまして御議論いただきまして、項目1つにまとめつつ、現行評価で使っていた項目につきましては少し重み付けをするということでございました。この赤文字になっている部分が追加の改定した部分になっていまして、1つ目が脳卒中の部分にt-PA等々に関する項目の見直しがされております。

 あと、心筋梗塞の部分は急性大動脈乖離の手術実績。

 精神疾患の部分は、先ほどもございましたが、2つの出来高点数を用いた算定実績での評価。

 それから、32ページ目に行きまして、災害に関しては、BCPの策定実績有無というものを追加しております。

 その他としまして、右記のいずれか1項目を満たせばということにしまして、マル1治験、マル2新型インフルエンザ。新型インフルエンザについては、行動計画に関係する医療機関ということで、31年以降に導入を検討することになっております。

 それから、救急医療係数の部分で、D-3の本文の11ページをお願いいたします。こちらについては、定義を救急医療加算2を今、使っているのですけれどもということで議論をさせていただいておりましたが、11ページ目の囲みでございます。救急医療係数については、これまでの評価手法を維持するということではどうか。

 救急医療管理加算2に関しましては、医科点数表の点数に差があるということも踏まえて、指数値について、2のほうは2分の1として計算してはどうか。

 指数の算出に当たっては、月ごとの算定状況に応じて設定するということではどうかということです。

 そのまま本文の12ページに行っていただいて、カバー率係数についてです。真ん中あたりに囲みがございますが、III群のカバー率係数について行っている指数の30パーセンタイル値より低い医療機関に一定の係数値を設定する対応をここだけ行っていたのですが、それは行わないという案ではどうか。

 次に、その下の複雑性係数と効率性係数は、これまでの評価を維持するということではどうかということでございます。

 続きまして、本文13ページ目以降が調整係数の関係になっているのですが、こちらについては参考資料に再び戻っていただいて、33ページ目にありますように、基本的に調整係数、平成30年度改定において、基礎係数と機能評価係数IIへの置き換えを完了することにいたします。

 その際の激変緩和に関する取り扱いは、参考資料の34の具体的な方法というところに書いてございますが、激変緩和の扱いは、診療報酬改定のある年度のみ激変緩和係数を設定する。推計診療報酬変動率プラスマイナス2%という設定値は、今までどおり。新たにDPCに参加する医療機関のマイナス緩和については、出来高報酬の実績ではなくて、所属する医療機関群の平均値を用いてやるということです。

 平均的な診療実態から外れる医療機関の扱いについては、平成30年度改定以降も取り扱いについて検討するということで、議論の中では、このグラフにありますように、参加の実績から、例えば資源投入や在院日数などで外れているところに関しての可能性について議論させていただいたということでございます。

 以上が、きょう準備している案でございまして、最終報告には本日の議論を反映した部分も追加したものということにさせていただきたいと思っております。

 以上、御議論よろしくお願いいたします。

○山本分科会長

 ありがとうございます。

 ここまで皆さんで御議論いただいた内容の取りまとめということでございますが、順番に見ていただいて、御質問などありましたらよろしくお願いいたします。

 お願いいたします。

○美原委員

 参考資料の32枚目のスライド、災害のBCP策定実績有無別というものがあるのですが、これはどんなイメージでしょうか。ただ、BCPをつくっていればいいというだけのお話なのでしょうかという議論があったのですけれどもね。

○事務局

 今までの議論においても、BCPをつくっているだけではなくて、実効性を伴わないと、というお話はいただいていたと思います。関係部局とも相談しながら、31年以降の評価導入を検討ということでございますので、引き続き御議論いただければと思っております。

○美原委員

 今後の問題という理解でよろしいですか。

○事務局

 はい。

○美原委員

 もう一つよろしいでしょうか。

○山本分科会長

 お願いいたします。

○美原委員

 同じページの治験等の実施というところですが、医師主導型の治験というものと、医師主導型の研究というものがあると思うのですが、治験というと新しいお薬のデータをとるというイメージで、新薬のイメージですが、医師主導型の研究というものがあって、例えばTHAWS試験というのが今、行われているのですが、発症時期がわからない心原性脳塞栓に対してどうするかとか、ANAFIEといって、高齢者のAFに対するDOACの使い方とか、そういう研究が行われているのですが、それらは評価しないという理解でよろしいですか。

○山本分科会長

 お願いします。

○事務局

 現状の取り扱いは、この32こま目で言いますと、右下の治験等の実施に書いてありますように、治験、先進医療ないしは患者申出療養という定義になってございますので、今、先生御指摘のような研究は含まれないという形になります。

○美原委員

 わかりました。

○山本分科会長

 よろしいでしょうか。

 今のBCPの策定実績有無別というのは、検討とは言うけれども、一体どういうふうに検討するのかというのは、余り言ってはいけないか。今後の課題になるかなと思います。31年以降という理解です。

 ほか、いかがでしょうか。

 お願いします。

○川瀬委員

 参考資料の28ページの地域医療係数の体制評価のことですけれども、お示しいただいた9項目に整理していただいて、なおかつ上限値の考え方を維持するという方向性はいいかなと思うのですが。

 これまでも私、発言しておりましたけれども、これまで保険診療指数で精神科の診療実績というものが減点されていたという大学と特定群のものが、この地域医療指数に移し出されたということですが、上限を設けてしまうと、上限と言っても今までとちょっと違って、9点中8点というのがI群なので、それなりに精神科は評価されているのだなと思うのですが、メッセージ的には、大学と特定群のところでは、特に精神科診療の中でも、いわゆる精神科救急というものをなるべくやってほしいというメッセージが伝わりにくいのではないかなと、ちょっと思ったのですけれども、いかがでしょうか。

○山本分科会長

 この上限値を維持するかどうかというのは、きょう、議論としては初めてですね。ですので、ここは御議論いただきたいところだと思います。上限値をとってしまうという御意見もあるかと思います。いかがでしょうか。

 上限値の設定について、事務局、何か御発言ありますか。

○事務局

 事務局から補足させていただきますと、先ほどごらんいただいたD-3の9ページ目の上から3つ目のポツでございます。現行の12項目を評価していたところから、5疾病5事業の10項目のうち、小児科は定量で評価されていて、糖尿病の2項目を除いて、その他治験の部分を追加した9項目が全体になります。

 これまで12項目については、機能評価係数IIそもそもの考え方として、全ての項目を満たすことを目指すものではない。各医療機関さんで努力いただく方向性というのがあるので、I群、II群については10点、IIIについては8点という上限値を設定していました。この考え方を維持しようというのが今回の御提案でございまして、このため、前回の12点に対する10点、8点という比率を考慮しまして、今回、このような点数を御提案させていただいているところでございます。

○山本分科会長

 ありがとうございます。

 川瀬委員、いかがでしょうか。

○川瀬委員

 要するに、今までの保険診療係数の精神科診療の実績をこちらに評価しますよということで議論があったかなと思います。基本的には、今の上限値が大学群と特定群の場合には、9項目中8項目なので、例えばへき地のほうでとる大学病院はほとんどあり得ないと思うので、精神科は必須だよと読めば、8項目にしてくださっているので、そんなにメッセージ性がないとは言えないのですけれども、もしこれが7項目だったら、多分、僕、大反対をしていたと思います。

○山本分科会長

 どうぞ。

○事務局

 少々補足をさせていただきますが、この5疾病5事業等々が含まれている体制評価指数ですけれども、あくまでこれはDPCの支払方式のルールの中で係数を設定する考え方ということでございますので、医療機関の機能や性質に応じて係数を返すというときに、何で評価するかということなので、当然、精神医療の医療体制の整備というのは、行政的には施策として重要なものですけれども、これはあくまで診療報酬のお支払いをするときの医療機関の機能を示すものですので、それがないと何か不利になる。

 それはそれで、体制整備する行政ツールは別にございますので、それとの兼ね合いも考えますと、一定機能を果たしているかというところの基準をどう考えるかというので、ある程度見ているということが複数機能を持っているということですので、必ずパーフェクトでなければいけないかということが直結する。あくまでも支払いの方式なので、本来の精神ですと精神の行政の制度の中で整理していくべきことというのは、それはそれでございます。あくまでここは、I群の医療機関の機能を一定程度、どれぐらいで見て、診療報酬の評価の中で使っていくかということなので、ある程度そこは温度差がありますということも、この上限を設けている趣旨ということで御理解いただければと思います。

○山本分科会長

 どうぞ。

○川瀬委員

 おっしゃることはそのとおりだなと思うのですが、もともとあった保険診療係数の目的の一つにも、例えば医療の質的な向上を目指す取組を評価していたところに、精神科はもともとあったのを、こちらで評価しますよ、こちらで評価できますよという言い方でなくなったと僕は理解しているので、メッセージ性として残すならば、保険診療係数に残すべきだったな。そのメッセージ性は、地域医療係数では、あくまでも点数のための設定の項目ですと言われると、ここにもメッセージ性があっていいのではないかとちょっと思ったので。今までの議論と違ってきているような気がちょっとしたので、発言させていただきました。

○山本分科会長

 医療課長、お願いします。

○医療課長

 医療課長でございます。

 この点、実はすごく大事な論点を含んでいると思いますので、あえて申し上げたいと思いますが、今回の改定に向けていろいろ御議論いただいた中で、例えば重み付けとか。それから、一部委員の御反対が多分あったと思いますけれども、例えば専門病院のカバー率をどうしますかという議論をひもといて、それぞれやっていただきましたけれども、事務局、申し上げておりますとおり、これはいろいろな医療機関がある中で、日本全体で一つの制度で評価していくという考え方にのっとって、もう一回整理していただいたということでございます。

 特定の診療科とか特定の病院に特に重きを置いてということではなくて、ある診療形態であれば、こういう特徴があります。ある診療形態では、こういう特徴があります。それぞれの特徴をフェアに評価するという基本的な枠組みですねと確認しながら、もう一回点検していただいたという作業だろうと思います。

 その中で、確かに精神医療だけ一定の評価をされてきたというのは、過去そうだったかもしれませんけれども、今回、ひもといていった結果として、特定の診療科とか特定の病院に重きを置くという評価の方法ではなくて、もう少しフラットにシンプルに評価していくという整理をしていただいたように思いますので、もともとそういうメッセージがあったではないかという御指摘はそのとおりかもしれませんが、むしろそういった整理をしていく中で、地域医療の中で精神医療を評価していただくということが、結果的には得られた答えだったのではないかと、事務局的にはそういうふうに思っております。

○川瀬委員

 今の説明で何となくわかりました。

○山本分科会長

 ほかにいかがでしょうか。

 お願いいたします。

○金田委員

 金田です。事務局案に賛同いたします。

 今後の、来年度以降のその後の検討に対する提案なのですけれども、たしか、以前、小山分科会長のころに提案させていただいたこともあるのですけれども、例えば地域医療における教育に関することです。

II群の要件の2つ目に、初期研修などの研修医をどれだけ受けているかというのがありますけれども、今、地域医療のいわゆる協力型研修病院でも、例えば当院の例を挙げれば、年間29人の研修医がほぼ1カ月単位で来て、今月4人来ていますけれども、彼らに対する注力というのは病院を挙げて注力している。その教育に関する旧III群にかかわる評価がないので、何らかの地域医療係数のその他項目等に、教育にかかわっていて、その重要性が増しているという評価があるといいかな。今後の提案ということでございます。

○山本分科会長

 その辺を事務局、よろしくお願いいたします。

 ほかにございませんか。

 お願いいたします。

○福岡委員

 ちょっと細かい点ですけれども、確認したいと思って発言させていただきます。

 今の資料の11ページの救急医療係数のところの最後のポツの意味をちょっと説明していただくと、しっくりくるかなと思いました。「なお、係数設定の際には、10月1日時点での救急管理加算の施設基準の有無ではなく、月毎に加算の算定状況等に応じた指数を設定することが妥当と考えられた」ということが、実際に係数に及ぼす意味みたいなものを一言説明していただくと助かります。

○山本分科会長

 事務局、お願いします。

○事務局

 事務局でございます。

 ここで書いているのは、係数設定の際の計算方法ですけれども、10月1日の時点をもって、その前年、1年分のデータを計算することになります。その際、10月1日での救急医療管理加算の有無で判定してしまうと、例えば、年度途中に救急医療管理加算の施設基準はなかったけれども、それを頑張って取得されたといった医療機関については、取得されるまでのデータに救急医療管理加算がないので、その評価はできなくなってしまうので、それをもうちょっときめ細かく対応しようということで、月ごとにその基準を見て、月ごとに数字を出していこうということでございます。

○福岡委員

 そのあたりは、現在、提出しているデータ等でとれるデータでできるということですね。

○事務局

 はい。

○福岡委員

 ありがとうございます。

○山本分科会長

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、これ以上、御意見がなければ、この検討結果(案)については、後日、診療報酬基本問題小委員会に報告したいと考えております。よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○山本分科会長

 それでは、「その他」を議題といたしますので、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 D-4をごらんください。診療報酬改定に使用するデータに関してでございます。

 現在、改定に使うデータについての御提出の最終期限は、1212日ということでデータをいただいているのですが、これまでも提出期限を過ぎてからデータを出していただくところが複数あるということがございます。

 今回、課題としては、データ提出期限、1212日を超えてから修正されても、既に我々、係数計算の作業に入っているので、一旦、その作業が始まると戻るのが非常に難しいというので、現実的にそれは困難ということですので、今回は提出期限を過ぎてから出てきた修正データについては、作業に使わないということにしたいと思っておりますということでございます。

 これは検討というか、御報告というか、事務的なお話でございました。

 以上でございます。

○山本分科会長

 後出しジャンケンはだめよということでございますが、よろしいですか。

(「はい」と声あり)

○山本分科会長

 御異論ないようでございますので、そのように進めていただきたいと思います。

 本日の議題は以上でございます

 本日の議論を反映した報告書を中医協基本問題小委員会へ報告いたします。

 また、今後の議論に関しては、当該報告内容に基づいて中医協で議論を深めてまいりたいと思います。

 次回の日程は、また追って事務局から御連絡ということになります。

 全体を通して御意見、よろしゅうございますか。

 それでは、これで第7回DPC分科会を終了いたします。どうもありがとうございました。

 


(了)

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