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2017年6月14日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第40回議事録

○日時

平成29年6月14日(水)9:36~10:27

 

○場所

全国都市会館(2階 大ホール)

○出席者

荒井耕部会長 中村洋部会長代理 田辺国昭委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
榊原純夫委員
松本純一委員 中川俊男委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
日色保専門委員 昌子久仁子専門委員 上出厚志専門委員 加茂谷佳明専門委員
<参考人>
福田敬参考人 池田俊也参考人
<事務局>
鈴木保険局長 谷内審議官 濱谷審議官 迫井医療課長 眞鍋医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○費用対効果評価の制度化に向けた検討事項について

○議事

 

○荒井部会長

 ただいまより、第40回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。

 まず、本日の委員の出欠状況について報告します。

 本日は、松原謙二委員が御欠席です。松原謙二委員の代理といたしまして、中川委員に御出席いただいております。よろしくお願いします。

 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。

(カメラ退室)

○荒井部会長

 それでは、議事に入ります。

 本日は「費用対効果評価の制度化に向けた検討事項について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 おはようございます。企画官でございます。

 それでは、資料を用いまして御説明をさせていただきたいと思います。

 資料の構成は費-1のシリーズ、そして費-2とございます。

 費-1でございますが「前回の部会における議論について」でございます。2コマ目に、前回の部会におきます議論につきまして、主な指摘を取りまとめてございます。2コマ目の破線の四角の中でございますけれども、「増分費用効果比(ICER)の解釈について」ということでございます。対照技術と比較して効果が増加し、同時に費用が削減される場合、費用対効果はどのように評価するのか。倫理的、社会的影響等に関する観点につきましては、この観点で考慮する要素を現段階では厳密に定めないようにするべきではないか。また、具体的に何を評価するのか、定量的にどの程度の評価をするのか、あらかじめ決めておく必要があるのではないか。また、示された要素につきましては、対象の選定の段階で除外するといった考慮もできるのではないか。

 「支払い意思額について」でございます。支払い意思額は、所得、罹患歴、価値観等で値が異なると思われる。様々な立場の方から意見を聞くべきではないか。支払い意思額は、ある程度知識がある人を対象に調査すべきではないか。その他、アプレイザルについて仮想的な品目を用いてイメージできるようにしながら議論する必要があるのではないか。個別の品目に関する総合評価の議論の透明性を確保することが重要ではないかという御指摘をいただいたものでございます。これにつきまして、順次、資料を用意させていただいてございます。

 3コマ目でございます。まず「総合的評価(アプレイザル)について」ということでございますけれども、1つ目の○でございますが、費用対効果評価を用いた一般的なプロセスの中で、科学的な分析の妥当性や、さまざまな観点からの評価を含めた総合的な評価を行うものといたしまして、この総合的評価(アプレイザル)が位置づけられてございます。

 この総合的評価(アプレイザル)は、ここに示しますように、「1 科学的な観点からの検証」「2 倫理的、社会的影響等に関する検証」及びそれらを踏まえた「3 総合評価」の3つのプロセスから成ってございます。

 その1、2、3を解説したものがその下にございまして、4コマ目に評価の一連の流れといたしまして、まず「企業によるデータ提出」があり、それに関する「再分析」があり、最後に「総合的評価(アプレイザル)」がある。このアプレイザルの中を分解いたしますと、右のように「科学的な観点からの検証」「倫理的、社会的影響等に関する検証」「総合評価」と進めていくものとお示ししてございます。

 5枚目でございます。比較対照と比べまして、ある技術を評価するときに費用、そして効果がそれぞれ増加するのか、あるいは減少するのかということで、学術的にはこの下のグラフにありますように、4つの象限という4つの分類に分けられるところでございます。

 真ん中を原点といたしまして、横軸に「効果」をとっており、縦軸に「費用」をとっておりまして、調査対象となる医薬品なり医療機器なりが、比較対照である技術に比べて費用が増加し、効果も増加するものは1~4の中では1に相当するものでございます。前回御指摘のありました、効果が増加し費用が減少するといいますのは、2のところに入ってくるものでございます。

 厳密に学術的に申し上げるならば、費用対効果の中で増分費用効果比(ICER)を算出する際には、1と4については算出ができるわけでございますけれども、今般、この費用対効果評価を導入する意義に鑑みますと、効果もふえるけれども費用が増加することを主に対象とするべきということで、1が主な対象となるのではないかと御説明を申し上げたいと思っております。

 次は6であります。これは前回お示ししました、アプレイザルの倫理的、社会的影響等に関する観点において考慮すべき要素としてお示ししたものを抜粋してきてございます。こちらは前回の議論を踏まえまして、引き続き検討し、中間まとめにおきまして、一定のものを示したいと思っております。

 7枚目「支払い意思額について」でございます。これにつきまして、何枚かスライドを用意させていただいております。増分費用効果比であるICERを評価する際に、必要となります基準の値を設定する方法といたしまして、効果の単位でありますQALYに係る支払い意思額や、1人当たりGDP等の経済指標等を参考とする方法がございます。

 これまで、部会の検討におきましては、このICERを評価する基準となる値は、支払い意思額を基本とすること。そして、国民1人当たりGDP等の他の目安も勘案するとされたところでございます。

 8コマ目、「支払い意思額について」でございます。支払い意思額は、上に○3つでその性格を書かせていただいておりますけれども、アンケート調査によりまして、人々に財やサービスの対価といたしまして、ある特定の金額をお示しし、それをお支払いすることの是非を調査して得られるものでございます。この費用対効果の医療における評価のほか、環境保全の取り組みや交通インフラの整備等の評価においても用いられるということでございまして、この調査は基本的には一般集団を対象として社会全体の視点から実施するものでございます。

 そして、今回の支払い意思額の調査方法でございますけれども、上3つの○は無作為に人口から抽出してまいることを述べているものでございます。

 4つ目の○でございますが、「完全な健康状態1年間生存することを可能とする」という効果につきまして、これが1QALYと評価されるわけでございますが、これを可能とする医薬品、医療機器等の費用がX円でありますときに、公的な保険から支払うべきと考えるかどうかにつきまして、「はい」または「いいえ」の選択肢で尋ねるものでございます。

 そして、得られた回答によって金額を上下させる。例えば、X円で「はい」という回答を得られたときには、これからまたX円から金額をふやして、さらに「はい」「いいえ」を尋ねる。X円において「いいえ」であった場合には、これを下げてまた「はい」「いいえ」を尋ねる。このような調査を行うと承知してございます。

 各金額につきまして「はい」と答えた方の割合が算出されまして、受諾確率曲線が作成されるというものでございます。

 9コマ目でございます。受諾確率曲線と申し上げましたが、安い金額でありますと、やはり支払ってよいと答える人の割合は高くございます。また、高い金額を提示いたしますと、その割合はだんだん減ってくるものでございまして、これで1つの曲線が書けるわけでございますけれども、これを9コマ目の右にありますように、評価への応用に活用することで考えてございます。

 この中で「○%」とございますが、多くの方々が支払いを許容、是と答えた額につきまして、それよりも安く出てくるICERに関しましては、費用対効果がよいものであろうということです。そして、少ない人数の方が支払うことを是とする額に関しましては、高い金額が想定されるわけでございますが、そこを超えるICERであれば、それは費用対効果はとても悪いということでございまして、その中に段階を設けて、このように2、3、4、5という、費用対効果がとてもよいから、とても悪いまでの段階をつけようというものでございます。

 これを前回の資料から少し工夫をいたしまして、9~10コマ目でございますけれども、9コマ目は段階が横軸になってございますので、9コマ目のこのグラフを90度横に回転させて、左下に持ってまいったものが10コマ目でございます。

 そうすると、先ほど申し上げた費用対効果評価の段階5、4、3、2、1が縦軸に参りまして、これが右側にカラーで示しておりますが、段階1~5とございまして、5が「費用対効果がとても悪い」、そして1は、これは前回の御説明でも私のほうから、効果が増加し費用が低減するドミナントであると申し上げましたけれども、このように位置づけられるということでございます。

11ページは、後ほど費-1-2を用いまして、前回、御指摘をいただきました、1つのイメージを持っていただくための流れを用意してございます。後ほど御説明を申し上げます。

 そして、12コマ目でございます。透明性の確保につきましては、ここにございますように、これまでルールを設定する部会、そして、個別の当てはめを行う組織という役割分担で議論をしてまいったところでございます。この透明性の確保につきましては、中医協におけるそれぞれの役割分担等を踏まえて、引き続き検討させていただきたいとしております。

 費-1-1の参考は、前回の部会資料ということでございます。

 続きまして、費-1-2を用いまして、一定の仮定を置いたイメージにつきまして御説明をさせていただきたいと思います。あらかじめお断りさせていただきますが、現在、試行的導入で13品目が対象となってございますけれども、それを具体的に持ってきたものではございません。あくまで事務局で仮のものとしてシミュレーションをお示しするものでございます。

 まず、2コマ目でございますけれども、費用対効果評価の対象になった品目につきましては「1.企業によるデータ提出」、その後「2.再分析」を行い、最後に「3.総合的評価(アプレイザル)」を行うという流れでございます。

 3~4ページ目でございますけれども、「1.企業によるデータ提出」ということでございまして、この当該医薬品に係る分析を提出する企業におきましては、まずは4コマ目にありますような、どのような立場で分析を行うかを整理していただきます。

 医薬品Aの概要でございますが、これはAの解説です。医薬品Aが疾患Xに対する治療薬であり、Xは小児特有の疾患であり、各種医薬品で現在は治療されていますが、予後が悪い。医薬品Aは医薬品Bを置きかえる治療薬と想定。つまり、AとBを比べるということでございます。分析対象集団疾患は、当然、疾患Xの患者さんでございまして、比較対照は医薬品Bでございます。

 後で申し上げますが、システマチック・レビューを実施して、その後、分析に使用する主な臨床研究といたしまして、AとBを比べた無作為化比較試験を抽出して活用する。分析期間は生涯でございまして、費用の範囲は公的医療費の立場。そして、効果指標はQALYを用いるというものでございます。

 こういう前提を設定していただきまして、5コマ目でございます。システマチック・レビューでございますが、これは医学系の研究をされている先生方にはなじみが深い言葉だと思いますけれども、この疾患Xにおける医薬品A及びBに係る全ての研究を網羅的に文献検索を行うというレビューを行いまして、その中でこの費用対効果分析に使用する、質の高い臨床研究を抽出してくるというものでございます。

 5枚目の下でございますけれども、このような臨床研究があるということでございますが、疾患Xの患者さん500例に対し、無作為に割りつけを行いまして、医薬品Aが250例、医薬品Bも250例という臨床研究があり、その結果を見ていきますと、無増悪生存期間、そして全生存期間ともに医薬品Aのほうが長いという結果が出てきているということでございます。

 6コマ目でございます。この疾患Xの患者さんに対しまして、医薬品AやBによる治療を行った場合の費用や効果につきまして、この臨床研究等のデータから算出してまいるということでございます。

 左側にイメージがございますが、健康状態が推移していくということでございます。このグラフは当然、薬を投与するときには皆さんは御存命なわけでございますけれども、その後状態が増悪されたり、死亡されたりする。このグラフ自体は医薬品AについてもBについても1つずつ書けるということでございますが、こういうことを行いまして、右側に効果(QALY)の算出イメージ、費用の算出イメージをお示ししてございます。

 まず、比較対照となる医薬品Bに関しまして、これは資料ではオレンジのところでありますけれども、投与し始めてからお亡くなりになるまで、やや急なカーブで下がってきてございます。この面積は、縦がQOLで、右が時間軸でございますので、積分した面積がQALYということになってございます。そして、青で示すものが、なだらかなカーブでだんだん下がってきてございますが、これは医薬品Aを用いた場合にQOLが長く下がってまいりまして、最後はお亡くなりになるということでございますけれども、面積を比べますと、AとBは面積が重なってございますので、Aのほうが面積は広く、Bのほうが狭いということになります。

 下に公的医療費の算出のイメージがございますけれども、青のほうが医薬品Aでございまして、長く生きられるということで長く医療費がかかっているイメージになってございます。また、医薬品Bに関しまして、Aほどは余命は長くないということで、途中までの医療費となっているところでございます。

 このように算出しました効果と費用につきまして、7コマ目の下にございますように、医薬品Aに関しましては、ここでは効果が1.6QALYと算出される。医薬品Bに関しましては1.2QALYと算出される。その増分効果は0.4でございます。費用は医薬品Aが1,000万と算出され、医薬品Bが800万と算出されたとしておりまして、増分費用は200万となります。

 そして、この値を上の増分費用効果比の式に当てはめますと、分子が費用、分母がQALYになりますので、これで計算いたしますと、500万円/QALYと算出されるというものでございます。これが、この仮想の医薬品Aに関しまして、企業が行った検証ということでございます。

 8コマ目でございますが、再分析でございます。

 9コマ目に、第三者による再分析としてどのようなことが行われたかを、これもシミュレーションでお示ししてございます。比較対照技術につきまして、医薬品Aによる治療を行った場合の生涯にかかる公的医療費につきまして、企業はモデルのケースから総費用1,000万と推計しておりましたが、再分析グループにおきまして、複数のデータを用いて別のモデルで推計すると1,100万円であったということでございまして、その下に赤いグラフで費用を上乗せする形で書かせていただいておりますけれども、ここの部分につきましては、若干医療費が増加するのではないかという観点からの分析を行ったということでございます。

 そうしますと、9ページの下でございますけれども、効果のところは変わりませんので、増分効果も変わりませんが、費用のところが1,000万円から1,100万円に増加をしている。同様に、ICERを算出いたしますと、750万円/QALYとなるわけでございます。こうした企業分析、再分析を経まして総合的評価(アプレイザル)に参ります。

11コマ目は、アプレイザルの流れを再度お示ししているものでございまして、12コマ目で、その中で具体的にどのような検討が行われ得るかをお示ししたいと思います。

 まず12コマ目の右側でございますが、「科学的な観点からの検証」ということで、分析手法はいずれも妥当ということなのですが、医薬品Aによる治療を行った場合の生涯にかかる総費用については、再分析で推計した1,100万円のほうが妥当であると評価したということでございまして、まず科学的な観点からの検証ではこの750万円/QALYを採用するということでございます。

 左のほうでございますが、先ほどの資料でもお示ししたような図をお示ししておりますが、ここではICERの値である750万円/QALYは「費用対効果は悪い」に該当するものと、これはあくまで仮定をしてございます。これは今後の調査で決まってくるものでございますので、現段階では仮定でございます。このように仮定した場合に「費用対効果は悪い」となったということでございます。

 次に、右側の「倫理的、社会的影響等に関する観点からの検証」ということで、まずこの対象疾患は、予後の悪い小児特有の疾患でありまして、配慮が必要という議論がなされたということで、下のように、総合評価では費用対効果のICERの分析自体は「悪い」に分類されましたけれども、「予後が悪い小児特有の疾患Xを対象とした治療薬であることから配慮が必要であり、総合評価としては、『費用対効果評価を受け入れ可能である』とする」という結論に至った。これは一つのシミュレーションというか、例を用いたこのような検討が流れとしては進んでいくことをお示しするために御用意したものでございます。

 続きまして、費-2を御説明したいと思います。今後の進め方でございますけれども、1コマ目と2コマ目が同じページにあると思いますが、これまでの検討の経緯で、下の表にございますように、2月8日に、費用対効果評価に係る今後の進め方で、このような項目について今後は進めたいとお示しをし、3月、5月、6月と御議論いただいたところでございます。6月は今回、議論をしていただくところでございます。

 2でございますけれども、次回以降の部会におきましては、中間取りまとめに向けまして「対象品目、医療技術の選定のあり方」「費用対効果評価の反映方法」、そして「関係団体等からの意見聴取」を行いまして、夏目途に中間取りまとめを行うということで審議を進めさせていただきたいと考えております。

 事務局からの説明は以上でございます。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関して、御質問等がありましたら、よろしくお願いします。

 松本委員、お願いします。

○松本委員

 まず最初に、費-1-2の資料の11番目のスライドで、支払い意思額は右の流れの中でどの部分に相当するかを教えていただきたいと思います。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 御質問を確認させていただきたいと思います。費-1-2でございましょうか。

○松本委員

 費-1-2です。

○眞鍋医療課企画官

 その11ページということで、こちらのアプレイザルの手順の中で、どこで評価をするものか。承知いたしました。

 まず、支払い意思額につきましては、ここは「科学的な観点からの検証」を行いまして、まず企業、そして再分析グループが行いました結果によるICERが出てまいります。それを支払い意思額による「悪い」から「いい」までは、1つの値として決まってまいります。その1つの物差しの中でどこに該当するかを評価いただきますので、この「科学的な観点からの検証」において活用されると考えております。

○荒井部会長

 松本委員、お願いします。

○松本委員

 そして、この費-1-1の参考の4ページの下から2つ目の○に「支払い意思額とは、一定の割合の人が1QALYを獲得するために支払うことを許容する額」とあります。前回の費用対効果評価専門部会でもこのように言われたと記憶しております。

 ところが、朝日新聞のきのうの夕刊ときょうの朝刊で予習をさせていただいたのですけれども、費-1-1の資料の8番目、下から3つ目の「『完全な健康状態で1年間生存することを可能とする』医薬品・医療機器等の費用がX円であるとき、公的保険から支払うべきと考えるか」という全く同じ記事が出ておりました。かぎ括弧の位置が違いましたけれども、このように出ておりました。

 公的保険から支払うことと、前回の一定の割合の人が獲得するために支払うことを許容する額、自分が支払う額を許容するというのはどうもニュアンスが違うと思うのですけれども、その辺をどのように整理していいのか、事務局からお願いしたいと思います。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 前回の資料におきまして、確かに「一定の割合の方々が支払いを許容する額(支払い意思額)」と示してございました。そこの場合に、ここでは本日お示ししたような具体的な調査票案というか、こういったものを考えて示してはいなかったわけでございます。そういうわけで、今回新たに8ページを用意させていただきまして、より厳密な形でこういう調査を行うのだということでお示しをしたいと考えて、お示ししているものでございます。

 それぞれの国におきまして、医療を何で支えるか、医療費を何で支えるかということは違うわけでございますけれども、我が国におきましては国民皆保険のもとで公的な保険から支払われているということでございまして、公的保険から支払うべきと考えるかどうかを聞くほうが適切だろうということで、このような資料の組み立てとさせていただいているところでございます。

○荒井部会長

 松本委員、どうぞ。

○松本委員

 保険の制度は、ある程度の国民は理解されていると思うのです。ただ、例えば医療機関を受診して湿布薬をもらうと3割でいいのに、薬局で買うと10割払わなければいけないという議論をされる人がおります。そうしますと、この公的保険で許容される額というのは、みずからが支払う額は単純に考えれば3割という形になります。当然、結果として支払うべき保険料は上がっていくのだということももちろん考えなければいけないわけですけれども、そこまで考えて国民一人一人がこの支払い意思額というものを答えるでしょうか。その辺が私としては非常に疑問なのですけれども、事務局としてはちゃんと整理して、問題ないというお考えなのでしょうか。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

 御指摘いただいた点は大変重要だと思ってございます。ある治療法に関しまして、これを支払い可能とするという意思を聞くわけでございますけれども、その場合には当然保険料の支払いにも直結してくることは留意いただいた上で御回答いただく必要があるのではないかと思ってございますし、その点は参考人からも補足いただければと思います。

○荒井部会長

 では、福田参考人、お願いします。

○福田参考人

 参考人の福田でございます。

 御指摘の点なのですけれども、確かに実際に負担ではなくて、公的保険から支払うべきか、公的医療保険で賄うかどうかという観点からこういう調査を考えておりますが、これによって保険料等が増加する可能性はありますので、これについては保険料が増加する可能性があることも考慮してくださいということは、注釈につけてお尋ねする予定でございます。

○荒井部会長

 松本委員、どうぞ。

○松本委員

 単純に自分で支払う金額を聞くのとは違いがあるのでしょうか。なぜ単に支払える額とは聞けないのでしょうか。

○荒井部会長

 参考人、お願いします。

○福田参考人

 方法   としては両方ございます。一般に支払い意思額と言ったときには、個人が自分で全額支払う場合に幾ら払うかというのと、こういう公的な制度等で幾ら負担するかというのが可能性として両方あり得ますが、今回の目的からいうと、これを公的医療保険制度でいかに支出していくかという観点と理解しておりましたので、公的医療保険から出すかどうかという観点で質問すべきと考えました。

○荒井部会長

 松本委員、どうぞ。

○松本委員

 報道によりますと、1対1で面談して決めるというので、丁寧な説明がされるのだと思いますけれども、なかなか国民の方一人一人にこれを御理解していただいて額を出していくのは大変な作業だと思いますので、考慮できることがあればまた考えていただきたいと思います。

 もう一点、質問がございます。費-1-2の資料の中で、企業からデータを出していただいて再分析するということでございますけれども、例えば、再分析の際に、企業は比較薬として医薬品Bを使った。再分析の際には、医薬品Cになる可能性はあるのでしょうか。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 可能性として、企業が行った対照薬が、例えば、臨床の実態から見て実はもう少し新しい薬が次に出ていて、こちらを対象とすべきであろうという議論はあり得るかと思ってございます。ただ、今回は試行的導入をしておりますけれども、その場合はそのようなことはなるべく起こらないように、何を比較するかにつきましても、きちんと専門組織のほうで御議論いただいた。そして、企業と一緒にお進めしているところでございます。

○荒井部会長

 ほかに。安部委員、お願いします。

○安部委員

 丁寧に説明していただきましたので、大体イメージが湧いてきたわけなのですが、例えば、今回、1-2で御説明いただきました事例は、あくまで例ですので具体的なものではないと理解しておりますが、この場合、費用対効果は悪いけれども、小児特有の非常に難しい疾患なので、費用対効果は受け入れ可能であるとするという一つの事例を載せていただいております。

 一方で、1-1では、こういう考慮すべき要素があって、それらをもとに総合評価するということでありますが、全体の流れの中で、まず対照医薬品なり対照の技術を選択することになるわけでありますけれども、その選択の際に考慮すべき要素がたくさん含まれているようなものは、対照品目の選択をする上で、その段階で議論をする必要があるのではないかと思っております。実際に今後、たくさんの品目を処理しなければいけないときに、効率も求められるでしょう。私は専門家でないのでわかりませんが、選定の際にそういう配慮がされるのかどうかを専門委員、参考人の方に教えていただければと思います。

○荒井部会長

 まずは企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 御指名ではございませんが、先に答えさせていただきたいことがございます。

 前回の部会で、安部委員から同様の御指摘をいただいたところでございます。まさにそこはアプレイザルのあり方、それから、次回以降でお示ししたいと思いますけれども、選定基準のあり方にかかわってくるところでございます。そこの御議論の際に、私どもは一定の案を取りまとめてお示ししたいと思っております。

○荒井部会長

 いいですか。では、参考人は特にないですか。

○福田参考人

 補足をさせていただければ、一応、諸外国のアプローチ等を見ても、除外基準を初めに設けて、それを最初から評価対象にしない場合と、ある程度評価をして、最後にアプレイザル等で反映する場合の両方があると思います。労力から考えると、もし事前に判断ができるのであれば、評価対象から外すのはあり得るのではないかと思います。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 猪口委員、どうぞ。

○猪口委員

 例でも示されておりますけれども、倫理的、社会的影響等の観点からの検証のところで、これが非常に影響が大きい場合には、何段階ぐらいまで変更になるのでしょうか。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 これもあくまで個別品目になりますけれども、そこのインパクトの大きさというか、どコマで配慮すべきかというのは、まさに専門組織の場で当てはめを御議論いただく話ではないかと思ってございます。定量的にここでどのぐらいとはなかなか決めがたいからこそ、このように考慮すべき要素となるべきものだと考えてございます。

○荒井部会長

 では、間宮委員、お願いします。

○間宮委員

 支払い意思額の聞き方なのですけれども、「『完全な健康状態で1年間生存することを可能とする』医薬品・医療機器等の費用」ということなのですが、何か違和感があるのです。「完全な健康状態で」というのは、患者にとっては、病気になった場合は症状が悪化しないとか、それ以上悪くならないとか、生活の状態が安定しているということが言えると思うのですけれども、こういう聞き方しかないということなのでしょうか。

○荒井部会長

 参考人、お願いします。

○福田参考人

 御指摘ありがとうございます。

 質調整生存年というのはもちろん、「QALY」という言葉はなかなか御理解いただけないと思いましたので、こういう説明になっております。過去に日本でやられている調査でも、ほぼQOLが1の状態というのをあらわしているのですが、「完全な健康状態」という表現が一般には使われております。なかなか悩ましい。

○荒井部会長

 お願いします。

○吉森委員

 支払い意思額の調査方法において、先ほど、松本委員からの御指摘もありましたが、我が国の公的保険制度のもとで調査するわけですから、公的保険から支払うべきと考えるのは前提としては当たり前の話なのだろうと思いますが、調査される本人としては、やはり自己負担額がどれぐらいかがまずあるのだろうと思います。そうすると、3割だということで、それの割り戻しをすれば総額がどれくらいかはわかるのだろうと思います。そこは丁寧に質問しないと、自分のことに置きかえて、特に前回の議論でもありましたように、ある程度知識のある人を対象にすべきではないかとか、それぞれ所得であるとか、罹患率、価値観が違う。そういうものを勘案すれば、それぞれによって自己負担などの考え方が違うと思うので、ここは対面で調査されるのでしょうけれども、きちんと丁寧に説明責任を果たす必要があるのだろうと考えますし、今、間宮委員からもありましたが、完全な健康状態で1年間、治療するわけですから、「完全な健康状態」ということは完治してしまうと勘違いすると思いますので、ある程度の治療をしていわゆる生活が一定程度できる状態なのだろうという意味を「完全な健康状態」と解釈するのかどうか。その辺も丁寧に説明する必要があるのではないかと思います。

 以上です。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 では、松本委員、お願いします。

○松本委員

 前回の部会でもお話をお聞きしたのですけれども、先ほども1-2の資料の11番目で、客観的というか数値で出るから、先ほどの支払い意思額は倫理的、社会的影響の前に該当する。先ほども御質問がありましたけれども、結局、ここで倫理的、社会的影響というのが、前回は私は情緒的という言い方をしましたけれども、数値でなかなかあらわしにくいと思うのです。議論するということですけれども、1-1の資料の最後に、透明性の確保ということもわざわざ記載がございます。マスコミに事前に出ることが透明性ではなくて、この倫理的、社会的影響に関する観点は、透明性に欠けるとは言いませんけれども、非常に透明性を確保するのは難しいと思いますし、同じようなICERの数値と合わせるとか、そういうのも非常に困難だと思うのですけれども、その辺はどのようにされるのでしょうか。これは参考人にお聞きしたほうがよろしいのでしょうか。

○荒井部会長

 参考人、お願いできますか。

○福田参考人

 どうすべきかというのはなかなか難しいのですけれども、これも諸外国の状況などを見ておりますと、アプレイザルの際にいろいろな要素を考慮するときに、少し定量的にやるべきではないかという意見は確かにありまして、これを数値化する方法も研究者から提案されていて、研究が行われている段階と理解しています。ただ、私の承知している範囲では、どの国でもまだ応用には至っておりませんで、一番の課題は各要素です。倫理的な要素等を数値化するというのは、費用対効果の分析以上に非常に難しい課題があるということで、まだ応用されていないということなので、我が国においてもそういう御指摘に沿ってこういう研究をしていって、将来的に定量化というのはあるかもしれませんが、現段階ではそこまでは難しいのではないかと認識しています。

○荒井部会長

 松本委員、お願いします。

○松本委員

 この部会において、例えば、アプレイザルを出す手順の中で、倫理的観点では何ポイント、社会的影響等を考えて何ポイントというのは、ここで示していただくようにお願いをしたいと思います。

 これはどうでしょう。事務局、お返事を。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 今の御指摘は、定量的な操作であり、透明性の確保という観点でもそういうものが必要ではないかという御指摘は受けとめました。そこは、私どもは受けとめさせていただいて、どのようなことが可能かは検討させていただきたいと思っております。

○松本委員

 ここで示していただくかどうかも含めて検討するということですか。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

 こちらはルールを決めていただく場と思っておりますので、考え方をきちんとお示しするべきだろうと思っております。そのように受けとめております。

○荒井部会長

 松本委員、どうぞ。

○松本委員

 だから、参考人のほうからもお話がございましたように、これをポイントにするなら、ポイント制にしてこう判断した。だから、これは何ポイントであるかということまで、ここで示していただくように、部会長にもよろしくお願いしたいと思います。

○荒井部会長

 今のお話は、何の要素だと1点とか2点などというルールをここで決めるのだという御要望ですか。

○松本委員

 いや、ここで決めるというより、示していただく。

○荒井部会長

 示すということですね。わかりました。

 専門委員、お願いします。

○上出専門委員

 本日の資料1-2でお示しいただきました事例に関連して、確認が1点とお願いが1点でございます。この医薬品Aの事例では、企業の算出した費用と、第三者の算出した費用とが、採用するモデルが異なることによって結果的に10%異なり、その結果として、ICER1.5倍になったという事例が示されております。そして、最終的にはこのICERは総合評価においては第三者による算出が妥当ということで、ICER750万円となったという事例でございます。

 今回の事例で示されましたように、ICERは前提の置き方や採用するモデル等によって大きくばらつくケースが想定されるかと思っております。

 前回までの当部会の資料におきましても、ICERのばらつきが大きく、費用対効果が結果としてよいとされる範囲から悪いとされる範囲までまたがるような、幅を持った数値になる絵も示されていたと理解しております。

 今回は、ICERが1つの値となる事例が示されましたけれども、実際の今後のアプレイザルにおいては、ICERが幅を持った数値になることもあり得ると理解しておりますが、その理解でよろしいかどうかという確認が1点でございます。

 また、今回の事例のように、企業の算出と第三者による再分析の結果が異なるような場合に、費用対効果評価専門組織等で企業が意見を申し述べるような機会を与えていただけるものと理解しておりますが、そのような場合には、あらかじめ再分析の結果、そして採用されたモデル等の情報を企業に提供していただきたい。現在、13品目の試行が行われておりますので、その中でぜひそのようなことも考慮していただきたい。これがお願いでございます。

 以上でございます。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 2つほどお尋ねいただいてございます。

 まず、ICERのお示しの仕方が幅を持った値になり得るのかということでございますけれども、それはそのようなこともあろうかと思ってございます。

 次に、専門組織の場で企業の意見を申し述べる機会の確保ということでございますけれども、現在、試行的導入におきましては、通知にもお示ししておりますが、意見表明を行う機会は確保するとなってございます。また、そのあり方につきましては、今後、また事務局の中で検討したいと思っております。

○荒井部会長

 万代委員、お願いします。

○万代委員

 費-1-1のところの、先ほど来出ております、8コマ目の支払い意思額のスライドでございますけれども、調査につきましては、いつも野口先生がおっしゃるように、セレクション・バイアスがかかることは間違いないと思いまして、それに対して吉森委員の御意見については大賛成でございます。ただ、それだけではやはり不十分だと思いますし、費用対効果に関する考え方というのは、まだ広く国民の皆様に認知されていないのではないかと思っておりますし、医療界の関係者の話を聞きましても、何か自分たちの医師としての裁量権が大幅に制限されてしまうのではないかという危惧をおっしゃる方もおられるということで、医療関係者の中でもまだ不十分な理解の方もおられるという認識でございます。

 したがいまして、これにつきましては、セレクション・バイアスはセレクション・バイアスとして、この支払い意思額について出た結果あるいはその結果が出るに至った過程につきましては、広く周知することが必要だと思いますし、パブコメが一つの方法だと思いますが、パブコメだけですとこれも一面的な意見の集約になろうかと思いますので、先ほど来出ておりますように、報道関係の方にもぜひ御協力いただいて、報道関係の方々の認識ができるだけ一致する形での報道をしていただくことも必要かと考えてございますので、ぜひそのような方向でお考えいただければと思います。

 もう一つ、今の費-1-1の最後の12コマ目の透明性の確保ということでございます。透明性の確保は今、申し上げたことと関連しまして、非常に重要とは思っております。それについて、2つ目の○のところで「中医協における各専門部会・専門組織等の」云々と書いてございまして、解釈の仕方によってはいろいろな解釈ができると思いますので、そこで事務局に質問でございます。ここにおける各専門部会・専門組織というのは、中医協にある全ての専門部会・専門組織と解釈すればよろしいのかということでございますが、いかがでしょうか。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

12コマ目に係る御質問でございます。こちらに関しましては、例えば、薬価部会と薬価の算定組織、そしてまずは、保険医療材料専門部会と保険医療材料等専門組織という関係でございまして、もちろん部会で御議論いただきましたものは、総会で御承認いただいてルールとなるということでございますけれども、そのように了承されたルールのもとに、個別のものにはそれぞれの専門組織で算定を当てはめていくというスタイルの役割分担になってございまして、そのことをイメージして書いてございます。

○荒井部会長

 万代委員、お願いします。

○万代委員

 今、議論しております、この費用対効果の専門部会もやはり専門部会でございますので、それも含めてということと私は理解しておりまして、前回も申し上げましたように、特にアプレイザルの部分については微妙なところがございますし、費用対効果の専門組織のほうでの検討のレベルについては、十分高いものがあると考えておりますが、そこは非公開というところでございますので、一定程度、情報公開は必要だろうと思います。この費用対効果の専門部会での、透明性の確保に関する議論は必要ではないかと思っていますので、ぜひそのような方向でお願いしたいと思います。

 以上です。

○荒井部会長

 遠藤委員、お願いします。

○遠藤委員

 先ほど、万代委員からも出たのですけれども、この調査に当たって、無作為に選ばれた国民が対象ということですけれども、よく説明してからやるということですが、これは一般国民が選ばれた場合に、それが社会的に公知されていないことをいろいろ説明されても、なかなか個人の判断としては難しいのではないか。例えば、家族も知らない、隣の人も知らないということでは、なかなか実際の判断は難しいのではないかと思うのですけれども、こういった調査を始めるに当たって、調査対象ではなくて一般国民に対して広報活動が必要ではないかとは思うのです。そういった国民の合意形成があった上で、私はこのくらいというのはまだ出ると思うのですが、当たった方だけにいろいろ詳しい説明をされても、素人の方ですから医療専門ではありませんので、その中でどう答えていいのだろうということが出てくると思うのですけれども、この広報活動については何か考えがあるのでしょうか。

○荒井部会長

 参考人、お願いします。

○福田参考人

 御質問ありがとうございます。

 例えば一般に広報等をするかということなのですけれども、対象者に関しては、御指摘も幾つかありましたとおり、十分に説明して御回答いただくことになるのですが、広く一般にこういう調査をやってこう使いますということを広報する予定はございません。

 1点だけ、従来の調査等を見ていても危惧いたしますのが、この支払い意思額の調査を行う場合に、バイアスの一つとして戦略バイアスが指摘されていて、これが何に使われるかを考えて回答することによって、わざと低い値を答えるとか、要はこれによって負担が変わるのであれば、なるべく安くしてもらったほうがいいとか、そういうバイアスも働く可能性があることは指摘されておりますので、純粋に御自身がどのくらい払うべきだと考えるかという形の質問がいいかとは思っております。

○荒井部会長

 遠藤委員、お願いします。

○遠藤委員

 今の専門委員の方からの御意見ですと、逆にそれであれば、例えば、ここでは公的保険で払うことを述べているわけですけれども、公的保険で払うということは、制度でいえば自分も保険料を払っていて、税金も払っていてということですけれども、意識の上では、他人が払うと言うと言葉は悪いですが、誰かが払うお金という意味にとられかねないし、自己負担だったら、例えば、数百万、1,000万とかは払えないということもあると思うのです。その辺のところがこういう聞き方で本当に出てくるのかという疑問があるのですけれども、いかがでしょうか。

○荒井部会長

 参考人、お願いします。

○福田参考人

 これも御指摘のとおりでありまして、全額自己負担で払うという聞き方に比べますと、公的な制度で保険料等、税金等を使って払うということですと、フリーライダー、ただ乗りといいますか、そこでたくさん払ってもらえばいいのではないかという考え方が働く可能性はあります。なので、先ほども御指摘がありましたけれども、これによって保険料は上がる可能性があることは十分御理解いただいた上で御回答いただくことが重要かと思います。

○荒井部会長

 ほかに御意見等はないということでよろしいでしょうか。最後に何か一言ですか。

 他の方が特にないようでしたら、今、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 活発な御意見、御審議ありがとうございました。

 御審議の中で、事前に報道された内容についての言及がございました。我々といたしましては、先ほどの御意見の中にもありましたが、この中医協、診療報酬が社会に与える影響は非常に大きいものがございますので、審議の内容は公開でございますし、その結果につきまして、特にマスメディアの方々が適切に報道していただくことは非常に重要だろうと認識しております。

 その一方で、審議を適切に進めていただくことも非常に重要だと考えておりますので、先行報道されることで、あたかも物事が先に決まっているとか、あるいは不適切な審議の流れになることは、基本的には我々としては避けなければいけないと考えております。

 いずれにいたしましても、この場での審議を適切に進めていただくことが、我々としては非常に重要だと考えておりますので、引き続きそのように努力させていただきたいと思っております。幾つかの御指摘、ありがとうございました。

○荒井部会長

 そうしましたら、総合的評価(アプレイザル)については本日の御意見も踏まえまして、御提案いただいた方向で事務局において検討を進めることとし、制度化に向けた議論の進め方については、費用対効果評価専門部会として了承するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○荒井部会長

 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。

 本日の議題は以上です。

 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡しますので、よろしくお願いします。

 それでは、本日の費用対効果評価専門部会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

(了)
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