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2017年10月18日 第30回保険者による健診・保健指導等に関する検討会議事録

保険局医療介護連携政策課データヘルス・医療費適正化対策推進室

○日時

平成29年10月18日(水)16:00~17:00


○場所

全国都市会館 第2会議室
東京都千代田区平河町2-4-2


○議題

1.特定健診・特定保健指導の2015年度実績と後期高齢者支援金の加算減算について
2.健保組合・共済の後期高齢者支援金の加算減算制度の減算指標(2018年度以降)について

○議事

○多田羅座長 どうも皆さん、こんにちは。定刻になりましたので、第30回「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」を開催いたします。よろしくお願いいたします。

 前回の開催から委員の交代と、本日の委員の出欠状況について、事務局から紹介をお願いします。

○高木室長 委員の交代について御紹介します。

 まず、金子委員にかわりまして、日本私学振興・共済事業団理事の酒井薫様に御就任いただいております。

○酒井委員 よろしくお願いいたします。

○高木室長 また、久野委員にかわりまして、全国町村会行政委員会委員長の茂原荘一様、細江委員にかわりまして、全国後期高齢者医療広域連合協議会副会長の蓬莱務様に御就任いただいております。

 次に、委員の出席状況でございます。井伊委員、伊藤委員、岡崎委員、佐藤委員、茂原委員、津下委員、蓬莱委員、吉田委員より欠席の連絡をいただいております。また、蓬莱委員の代理で東野参考人、吉田委員の代理で佐々木参考人に御出席いただいています。

 続きまして、資料の確認をお願いします。

 議事次第と座席表、資料1、資料2になります。過不足等があればお申しつけください。よろしくお願いいたします。

○多田羅座長 それでは、議事に入らせていただきます。

 初めに、議題1として、特定健診・特定保健指導の2015年度実績と後期高齢者支援金の加算・減算について、事務局から説明をお願いいたします。

○高木室長 資料1「2015年度の特定健康診査・特定保健指導の実施状況 2016年度の後期高齢者支援金の加算・減算について」でございます。

 おめくりいただきまして、1ページ目からが、2015年度の実施状況でございます。こちらにつきまして、7月末にプレスリリースをして、公表しておりますので、簡単な御説明になります。1ページ目につきましては全体の実施状況でございまして、特定健診については、現場の皆様のお取り組みのおかげをもちまして、毎年100万人増えているということでございます。2015年度時点で2,700万人、実施率については50%を超えております。特定保健指導の実施率については約18%でございます。特定保健指導の対象者の割合は、制度の開始以降、着実に低下傾向にあるということでございます。

 2ページ目が、それぞれの保険者種別の実施状況でございます。おめくりいただきまして、3ページ目と4ページ目がそれぞれの平成26年度と平成27年度を比較したものでございまして、3ページ目、特に共済については、平成27年度は特定健診の実施率が高い保険者が増えているということがわかります。

 4ページ目が特定保健指導の実施率でございます。こちらの傾向については、保健指導の実施率を上げていかないといけないということでございます。

 続きまして、5ページ目と6ページ目でございます。5ページ目は、被扶養者の実施率でございます。被扶養者につきましても、本人と比べまして、実施率を上げていかなければならないということでございます。

 6ページ目が、メタボリックシンドロームの該当者の割合の推移でございます。こちらにつきましては、2018年度以降は横ばいか微増傾向でございますが、制度の施行当初と比べると、対象者の割合は減ってはおります。

 続きまして、7ページ目が、メタボリックシンドローム対象者についてでございます。2008年度比と比べて、2015年度時点では、メタボについては2.74%減、非服薬者について見ると12.7%の減、特定保健指導の対象者については16.5%の減でございます。2008年度比で25%減を目標にしておりますので、引き続き特定保健指導の対象者の割合の減少に取り組んでまいるということでございます。

 8ページ目が、服薬者の割合でございまして、メタボの方々については半分程度が服薬をされている。この傾向については余り変わっておりません。

 続きまして、10ページ目以降は、2015年度実績を踏まえた2016年度の後期高齢者支援金の加算・減算についてでございます。

11ページ目をお開きください。加算につきましては、第2期につきましては、特定健診と特定保健指導の実施率が0.1%未満の保険者を対象にしております。2015年度の実績では95保険者が対象になっております。加算率は0.23%で変えておりませんので、この95保険者の後期高齢者支援金に0.23%を掛けますと、5,800万円になります。この5,800万円を原資としまして、インセンティブを計算するということでございます。この減算率につきましては、2014年度実績、2015年度の後期高齢者支援金につきましては、その減算率を0.048%としておりました。対象の保険者につきましては、健診の実施率と保健指導の実施率を掛けて、それぞれの制度ごとにその平均値をそろえた形に調整して、その係数でもって保険者の数を選定しております。

2015年度実績につきましては、160保険者を対象とした場合には減算率が0.047。さらにもう少し少なくして147保険者にすると減算率が0.050ということで、その前の年よりは減算率、インセンティブの率が小さくならないようにするということで、今回は減算率を0.050%として、147保険者を対象としたいと考えております。

 その内訳が13ページ目になります。2015年度実績、2016年度の加算・減算につきましては、加算が95保険者に対して5,800万円の加算額。これに対して減算対象保険者が147でございます。

 その内訳が14ページ目と15ページ目でございます。14ページ目が、市町村国保で今回、2015年度実績に基づいて、2016年度の後期高齢者支援金の減算の対象となる保険者です。市町村国保については72、国保組合については8ございます。都道府県の中で対象の保険者の数が最も多かったのが、長野県でございます。長野県は14の町村が対象になっております。

 続きまして、15ページ目は健保組合と共済について、2015年度の実績で高かった保険者です。保健指導の実績も単一健保では52.2%以上、共済は52.8%以上ということで、非常に高い実施率でございます。

 次の16ページ目と17ページ目は、その前の年の2014年度の実績で高かった保険者を参考までにつけております。見ますと、2年連続で該当している保険者もございます。

 資料1の説明については、以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見はいかがでしょうか。基本的に既に確認いただいたことの結果を御説明いただいたようなことでございますが、具体的な数字をごらんになって、白川委員、いかがでしょうか。

○白川委員 高木室長の説明について、感想を申し上げたいと思います。

 まず、前半部分の2015年度の実施状況でございますが、室長から説明がありましたとおり、徐々に上がっているというのはそのとおりだと思いますし、保険者、我々も含めて努力を重ねてきた成果が出ているとは感じます。

 さはさりながら、平成20年にこの制度が始まって、8年たったところですけれども、やっと特定健診の実施率が50%を超えたということで、ペースとしては少し遅いと、我々も反省をしているところでございます。特に特定保健指導につきましては17.5%ですけれども、対前年で見ると0.3%下がっていまして、これもある意味ショッキングだと思っております。第3期に向けて、どうやって特定保健指導の実施率を高めるかということで意見を出させていただきましたけれども、保険者としては、今度はモデル実施も認めていただきましたし、いろいろな工夫ができる、フレキシビリティーが高くなるような制度変更をやっていただきました。

 健保連としても、担当部署で具体的にどういう展開をしていくかということで既に検討を始めておりますし、たまたま第2期のデータヘルス計画と同時期にスタートということもございますので、特定健診・保健指導だけではなくて、データヘルスのほかの事業項目ともうまく絡めた形で、特に被用者保険にとって大きな課題である特定保健指導と被扶養者の健診受診率の向上に努めてまいりたいと考えております。

 後半部分の加算・減算の話でございますけれども、資料で言いますと13ページになります。ここに2016年度の加算・減算の数字が出ておりまして、健保組合のことだけを申し上げますと、恥ずかしながらいまだに単一健保、総合健保を合わせて69組合が、はっきり言うと実質特定保健指導を一件もやっていないということで、私たちは恥ずかしいという感じがしております。対前年でもちろん減ってはいるのですが。

 若干弁解をさせていただきますと、特定保健指導というやり方ではなくて別のやり方でやっているという健保組合もあるのですけれども、特定保健指導は法定義務なものですから、ほかをやっていますから勘弁してくださいというわけにはいかないというのが我々健保連の考え方でございまして、そういう観点でこれからも、実施率が低いところについては重点的に、場合によっては個別にいろいろな指導をしていきたいと考えております。

 もう一点申し上げたいのは、先ほど被扶養者の受診率が低いと申し上げましたけれども、被保険者本人もデータのとり漏れが結構あると考えておりまして、それは健保組合だけではなくてほかの保険者でもそういうお悩みを結構聞きます。そこもきちんとデータを集積していくという努力も現状としては必要と考えておりまして、加算・減算も若干影響を受けるところでもあります。我々としては、第3期が勝負と考えておりますので、力を尽くして頑張りたいというふうに、決意表明をさせていただいて、感想とさせていただきます。

○多田羅座長 非常に意欲に満ちた御意見をありがとうございます。

 国保のほうから、飯山委員、いかがですか。ひとつよろしくお願いします。

○飯山委員 私どものほうは、数字をごらんのとおり、毎年1%ぐらいの実施率の上昇でございます。市町村もいろいろ努力はされているのですけれども、全体的に言いますと、なかなか伸びていないということがあります。保健事業そのものは、国保・後期高齢者ヘルスサポート事業で結構いろいろな取組をしていて、その中に特定保健指導の実施率向上は必ず入っているのですけれども、全体的に言えばまだこんな状況にあるということで、私ども国保連合会も一緒になりまして、特定健診の実施率向上には努めているところですが、国保の被保険者でいきますと、医療機関を受診している方は結構いるのです。その人たちが安心して特定健診を受けないということがありますので、今年の春に日本医師会にお願いしまして、都道府県の医師会から郡市の医師会に、受診中の患者で特定健診を受けていない人について受診するようにぜひ勧めていただきたいというお願いを申し上げまして、快く受けていただきました。そんなことがこれからは効果が出てくるのではないか。その件につきましては、厚生労働省からも都道府県にこういう動きがあるということで通知をしてくださりましたので、これから、徐々に浸透していくのではないかと期待をしているところでございます。もっと努力いたします。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 医師会という名前も出ましたけれども、積極的に御尽力いただいているようですので、一つ御感想をお願いいたします。

○今村委員 基本的には白川委員や飯山委員と全く同様の感想を持っております。

 私どももかかりつけ医の役割として、今、飯山委員がおっしゃったように、受診者に対する健診の働きかけは非常に重要だと思っていまして、健診だけではなくて予防接種などもそうなのですけれども、かかりつけ医機能の充実、強化に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております

 また、計算式で加算・減算の説明を伺って、納得いたしましたが、現在の金額をみますと、保険者ごとに本当に少額の加算・減算になっておりますが、次回以降の見直しではインセンティブをしっかりとつけていこうというお話になっておりますので、先ほど白川委員がおっしゃったように、各保険者の今後の取組に期待したいと思っているところです。

 以上です。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 河合委員、マスコミのほうからいかがですか。国民の声というか、そんな感じで一言ございましたら、突然で申しわけありません。

○河合委員 私どもは実施者ではなく、受診側ということなのですが、数字を見ますと、もちろん保険者の皆さんの努力があるわけですが、徐々にではあるけれども伸びてきており、健康意識の高まりも背景にはあるのだろうと思います。毎度私はこの席で同じことを申し上げていますが、健康意識というものをより明確なものとして受診者一人一人に維持してもらう。という働きかけがないと、これ以上数字は伸びていかないだろうと思いますので、そうした努力も一緒にやるべきなのだろうと思っております。

 数字的には、これがどれぐらいのものかというのはいろいろな評価があると思いますが、全体として少しでも伸びてきているということは評価したいと思っております。

○多田羅座長 保健指導の数字などはいかがですか。17%です。ちょっと低い感じがしますね。

○河合委員 ちょっと低いという印象はありますね。これも保健指導を受けることの意味を、健康なうちから意識を持ってもらう、そうした啓発活動をやっていかないとならないと思います。

○多田羅座長 皆さん元気だからと思っていますからね。

○河合委員 そうですね。私もそうですけれども、実際に苦しいとか痛いとかいう症状が出るまでは何とかなると思っておりますので、早く発見すれば重篤な病気にならずに済むというところまでなかなか意識を持ち得ないのです。その点をきちんと、我々は持ち続けさせるように働きかけをしていく必要があります。一瞬ではなくてずっとそういう意識が持ち続けられるようにしていくことが大事なので、繰り返し啓発していくしかないのかなと思います。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 こちらのほうはいかがでしょうか。

 佐々木参考人、いかがですか。

○佐々木参考人 我々のほうは、来ていただいた方々は受診していただいているというような形で見ておりまして、メタボということも含めていろいろな情報が、皆さんだんだん知っていっているような状況がありますので、恐らくは少しずつでも上に上がってくるのではないかという意識を持っております。

○多田羅座長 武藤委員、いかがですか。

○武藤委員 被扶養者の受診率が低いのですけれども、ニーズとしては、がん検診のほうが高いと思うのです。乳がんとかですね。

○多田羅座長 被扶養者の場合ですね。

○武藤委員 ですから、特定健診プラスがん検診をセットにして、総合健診みたいな形で受診できるような機会をつくっていったほうが、ニーズとしては高いと思います。

○多田羅座長 武藤委員のところは、特にそういう形でもうやっておられますか。

○武藤委員 例えば土曜日とか日曜日などに女性だけを集めてやるとか、できるだけ女性。

○多田羅座長 セット健診ですね。

○武藤委員 そのようなこともやっておりますね。

○多田羅座長 やはり大分違いますか。学生などは、被扶養者は女性が多いと思いますけれどもね。

○武藤委員 来ることは来ますけれども、でも、まだ受けていない方がたくさんいらっしゃいます。

○多田羅座長 セット健診の手応えはいかがですか。それはありますか。

○武藤委員 それはそうですね。ですから、乳がん検診のほうが興味は、関心は高いと思います。

 特定保健指導につきましては、この後にお話があると思うのですけれども、私たちも契約している保険者にいろいろ話を聞いていますと、特定保健指導の実施率を上げるように非常に関心が高くなっていまして、実際にも当日、特定保健指導を既に始めてふやしているというところも出てきていまして、これから、どんどん上がってくる可能性が高いと思っています。一方で、保険者はふやしたいと思っているのですけれども、加入している企業に働きかけたら、忙しくてそんなことはやっていられないというような企業もあるということで、各方面が協力してやっていくことが大事かなと思います。

○多田羅座長 忙しいということは必ずありますからね。皆さんやはり被用者ですからね。

 ありがとうございます。

 東野参考人、いかがですか。何かございますか。

○東野参考人 私どもは高齢者医療制度なのですけれども、健診については市町村で実施していただいていますが、法定ではないということもありまして、実施率は国保よりも低いということになっています。これは国保もそうですけれども、市町村ごとにかなりばらつきがありまして、後期もそうなのですが、先ほど飯山委員がおっしゃったように市町村によって取組に差があるのが実情です。それは首長の考えなどにも左右されるということと、いわゆるお金の面、費用的な面で持ち出しになるというようなこともありまして、そういったところが課題かなと思ってございます。

 以上です。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 よろしいでしょうか。

 私のほうから一つ、これは余分なことかもわからないのですが、例えば1ページ目の特定健診の対象者イコール5,396万人とものすごく大きい数字なのですが、この表に団体の数を入れてほしいという気がするのです。直接は関係ないのだけれども、これは国の命令で一括でやっているのではなくて、3,000なりそういう団体がまとまってやっているわけですので、日本の国を挙げて3,000の団体がやっているというのはすごいことだと思うのです。

 ですから、この事業は国の保険者、3,000の保険者がやっている。その数字はほとんど年度によって変わらないと思いますけれども、これは私からのお願いのようなことですが、できましたらどこか、最初の表にでも団体の数は毎回必ず象徴的に、3,000の団体がそれぞれやっているわけですから、命令一括でやっているわけではないので、それぞれの団体が主体的にやっているわけですので、できましたら、象徴的に3,000の団体が協力一致してやっているのだということは、何団体がやったのだというのはわかりたいような気がしますので、御検討いただきたいと思います。

○高木室長 記載するようにいたします。

○多田羅座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

 今日は予定の時間が1時間ということで、5時までという時間をいただいておりますので、よろしければ次の議題に移りたいと思います。

 次の議題に移ります。議題2でございます。健保組合・共済の後期高齢者支援金の加算・減算制度の2018年度以降の減算指標について、事務局から説明をお願いいたします。

○高木室長 資料2でございます。表紙に書いてございますけれども、健保組合・共済の減算指標については、4月24日の検討会で厚生労働省から報告しました。まだ案の段階ということでございましたが、その後、6月に閣議決定された未来投資戦略2017を踏まえ、さらに関係者と調整した結果を整理したものでございます。

 おめくりいただきまして、1ページ目でございますが、下に未来投資戦略、6月9日の閣議決定がございます。予防・健康づくり等に向けた加入者の行動変容を促す保険者の取組を推進するということで、インセンティブを強化すると。後期高齢者支援金の加算・減算については、来年度から段階的に引き上げて2020年度には最大で法定上限の10%まで引き上げる。また、各制度共通の評価指標については、特定健診・特定保健指導の実施率に加えまして、がん検診・歯科健診の実施状況やICTを活用して本人にわかりやすく健診結果の情報提供を行うことを追加する。多様な取組をバランスよく評価する。また、全保険者、これは健保組合・共済だけではなく、全保険者の特定健診・特定保健指導の実施率を本年度の実績から公表し、開示を強化するということが閣議決定されています。これを踏まえまして整理したものでございます。

 1ページ目の上で、まずは(1)でございますけれども、実施率につきましては、今年度の実施率は2019年の3月ごろ予定で公表するということで、2018年度以降のスケジュールを具体化しております。

 続いて(2)でございますけれども、こうした未来投資戦略の閣議決定を踏まえまして、以下のような見直しをしております。

 1つ目でございますけれども、まず、多様な取組をバランスよく評価するということで、重点項目を設定しております。こちらにつきましては、2018年度は大項目ごとに1項目以上を実施することを要件としまして、2019年度以降は、2項目以上に段階的に引き上げていくことを検討するとしております。

 2点目は、法定義務である特定健診・特定保健指導の実施率につきまして、保険者種別の目標値の0.9倍の達成を要件とするとしております。こちらにつきましては、2015年度実績の減算の対象保険者の水準を余り下げないようにするということで、要件を設定しております。第3期の中間時点で、また実施状況を踏まえて見直しまして、保険者種別の目標値までの引き上げを検討するとしております。

 3点目は加算についてです。加算を適用しないという基準を4月にお示しした加算の要件の中で設けておりますが、こちらにつきましても、多様な取組を評価するという観点から、大項目ごとに1項目以上の重点項目の実施を要件とするとしております。

 また、その評価方法等につきましては、中間時点で実施状況を点検した上で、さらに見直しを検討するとしております。

 最後に5点目でございますけれども、多様な取組をバランスよく評価する観点から、配点につきましては、まず、特定健診・特定保健指導の割合につきまして、75点としていたものを65点とした上で、他の評価項目については4点を基準にそろえた上で、本人へのわかりやすい情報提供と、特定健診データの保険者間の連携、喫煙対策について5点としております。事業主との連携の項目に、従業員等の健康増進の取組や目標に関する「健康宣言」の策定を明記しております。また、こういった取組を入れてもいいですよということで、幅広い取組を評価する観点から、取組例を具体的に記載しております。

 続きまして、2ページ目が先ほどのスケジュールでございますけれども、2018年度の後期高齢者支援金の加算・減算につきましては、まず、2019年の夏ごろまでに今年度の実施率の実績で加算額を確定した上で、2019年の秋ごろまでに2018年度、前年の取組実績で減算の評価を行いまして、対象保険者を確定して、2020年度に、精算を行う中で調整するということにしております。2021年度から2023年度の加算・減算の指標につきましては、2018年度の実施状況を中間的に評価・検討した上で設定する予定としておりまして、以下のようなスケジュールで進めてまいりたいと思っております。2019年3月ごろに今年度の保険者の実施率を公表するということでございます。

 続きまして、3ページ目と4ページ目は先ほど御説明した内容でございます。今回は、特定健診・特定保健指導に加えて、その他の取組を評価する。成果についても、その評価の項目として入れるということでございます。

 特定健診・特定保健指導については、こちらは法定義務でございますので、目標の0.9倍を達成している保険者を減算の対象とする。また、法定義務に加えてバランスのとれた取組を確保するため、重点項目を設定しております。

 続きまして、4ページ目です。こちらにつきましては、まず、3グループごとに評価する。これは4月に御説明した内容と一緒でございます。上位から減算率を10~5%、5~3%、3~1%の3区分を基本としますけれども、加算額の規模によっては最上位の減算率を10~5%で設定しない可能性もあるということでございます。そうしたこともございますので、減算対象保険者については、3区分で格づけした保険者名の公表や、その減算に対する保険者ごとの点数の公表を検討するとしております。

 (4)については、加算を適用しない基準についても、同様にバランスのとれた取組をお願いしたいということでございます。

 (5)につきましては、中間時点で、実施状況の点検、見直しを検討するというものでございまして、6にありますけれども、地域のかかりつけ医師、歯科医師、薬剤師との連携のもとでの重複・多剤服薬と思われる方への服用の適正化等の取組につきましても、第3期の中間時点の見直しまでに追加を検討する。がん検診の取組につきましても、その実施状況を踏まえ、実施率を減算指標に追加することを検討するとしております。

 続きまして、5ページ目と6ページ目が具体的な配点でございます。まず、特定健診・特定保健指導につきましては、先ほどの目標値の0.9倍以上。これがまずは要件となるということでございます。その他、実施率の上昇幅等も点数に入れております。

 大項目2については、要医療者への受診勧奨や重症化予防の取組。こちらについても幅広く取組が読めるように記載しております。

 続きまして大項目3が、本人一人一人にきちんと意識を持ってもらうということで、本人にわかりやすく情報提供することが重要であろうということで、こちらについても重点項目として5点としております。保険者間のデータの連携につきましても、こうした引き継ぎがきちんとできる体制を評価するということで、5点としております。

 大項目4につきましては、後発品の使用促進の取組でございます。こちらも項目は4月にお示しした内容と変わっておりませんが、点数についても4点にそろえております。

 がん検診につきましては、事業主が実施する場合にも、その対象者について、保険者も協力して一緒に把握するということについて評価する。要精密検査になった方々への受診状況の確認等も入れております。

 市町村が実施するがん検診についても、受診勧奨する。こういった取組も評価することにしております。

 歯科健診、歯科保健指導、受診勧奨。こちらについても、それぞれやっている保険者がございますので、こうした取組を評価する。今回、質問票で「食事でかんだ時の状態」という質問を入れておりますので、これも活用してやっていただくというのを評価しております。

 大項目6につきましては、加入者に向けた健康づくりの働きかけということで、この中でも喫煙対策につきましては5点としております。こちらにつきましても、事業主と連携した取組を幅広く読めるようにしております。

 大項目7が事業主との連携でございますが、この中で健康宣言の策定というものを今回、新しく入れております。

 こうした取組について、今回、整理させていただきました。

 7ページ目以降は、4月に御説明した資料と同じですので、説明は以上とさせていただきます。

 なお、お手元に、特定健診データの保険者間の連携につきまして、通知を置いております。こちらにつきましては、4月の検討会の場で、事務連絡を出しましたということを御説明させていただきましたが、その後、関係課長通知に整理して、6月に周知しておりますので、参考で机上配付させていただいたものでございます。

 説明につきましては、以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 特に5ページ、6ページにインセンティブの具体的な項目を挙げていただいております。また、配点についてもかなり細かな数字が挙げられております。この辺も議論いただいたところでございますが、今、4点を5点にしてくれと言われても事務局もちょっと困るかもわかりませんが、全体、非常に詳細なインセンティブを設けていただいたことが、今回の大きな特徴になっているかと思います。

 いかがでしょうか。

 まずはこちら、岩崎委員、いかがですか。突然で申しわけございません。

○岩崎委員 ありがとうございます。インセンティブの指標・配点案、5ページ、6ページでございますけれども、特に今回、未来投資戦略のことも背景としてあり「健康宣言」の策定が事業者と健保でというところに入ってきたということがあるかと思いますが、特定健診・特定保健指導が始まって3期目を迎えるということで、約10年でございまして、その間での大きな変化と言えば、最近のワードで言えば「健康経営」というものが産業保健の場でも大きなキーワードになってきております。

○多田羅座長 健康経営ですか。健康な経営を進めるということですか。

○岩崎委員 健康経営です。企業が従業員の健康に配慮することで、経営的にもよい効果が期待でき、健康を投資やよい人材を育成・確保するというような視点でとらえて、経営にも取り込んでいく。

○多田羅座長 取り込まないといけない。健康という概念を取り込まないといけないと。

○岩崎委員 そうです。今は企業にとっても人材確保難の時代でございますので、これは大変関心が高い領域であることは確かでございまして、その中の中核をなすのが健康宣言の策定というものが入っておりますので、そういう視点でも特定健診・特定保健指導の位置づけが、いわゆるコラボヘルスというか、その中で伸びていけばいいのかなという印象を持っておりますので、この部分を追加していただいたのがよいのかなと。

○多田羅座長 それはこのインセンティブで言うと、どの部分に特に関係してきますか。

○岩崎委員 大項目7のところが主にそうですけれども、特に今回、マル2という形で。

○多田羅座長 健康宣言ですね。

○岩崎委員 健康宣言ということでございます。

○多田羅座長 わかりました。

 北原委員、いかがですか。

○北原委員 配点のほうも従来の75から65へ大項目1を下げていただくと同時に、大項目2以降を相当拡大していただいている状況がうかがい知れます。いろいろな、健康対策を進めていくためには、あわせて今、データヘルス計画の策定を始めているところなのですけれども、こういったことをいろいろな指標に織り込みながら着実に進めていかなければいけないという感じがあります。したがって、こういうことを熟知した上で、それぞれの組合でできるところは何なのかという特色を持ちながら推進させていかなければいけないという思いがあります。

 私からは、以上です。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 特にインセンティブで注目しているというか、その辺は何かございますか。

○北原委員 健康づくりの働きかけとか、共済組合によってその力の重点が多様です。そうは言いながらもかなり項目が広くなってきていますし、人間ドックでも、被扶養者がなかなか進まないという中でがん検診などと掛け合わせて。

○多田羅座長 セット健診ですね。

○北原委員 どうしても被扶養者の実施率が低く、かつ、また伸びていないというのが実績でございますので、むしろそこあたりに力を入れてやっていくことができないかとは感じております。各共済組合においてもかなりばらつきがあって、それぞれに思い入れを持ってやっている。効用が出ているところを、情報を相互に共有しながら実施率が上がっていくようなことを進めていくべきだと私は思ってございます。

○多田羅座長 共済などに引っ張っていただきたいですね。

○北原委員 恐縮なのですが、なかなか被扶養者のほうが伸びていません。

 以上でございます。

○多田羅座長 被扶養者が多いからね。ありがとうございます。

 酒井委員、いかがですか。

○酒井委員 私学事業団でございますが、なかなか特定健診と特定保健指導の実施率が伸びない中で、総合評価ということで、大項目7まで策定していただき、かなり幅広になったという感はあります。おのおのが初めて出てきたものではなくて、既に取り組んでいるものなどもあり、私どもとしては、大項目の3にもありますが、加入者にもわかりやすい情報提供とか、あとは被扶養者の方が一番受診率が伸び悩んでいるのはがん検診の問題かなというのは課題として考えておりましたので、市町村が実施するがん検診への受診の勧奨など、こういったものに取り組んでいくことで、結果としてそれが特定健診と保健指導の実施率の向上につながることが目的かと思いますので、そういった面で取り組んでいきたいと考えております。

 以上でございます。

○多田羅座長 このような4点と5点の点数配分については、特段の御意見はございませんか。もうちょっとここは増やすべきとか、何か御要望なり御意見があれば、これはこれでよろしいですか。

○酒井委員 はい。

○多田羅座長 では、下浦委員、お願いします。

○下浦委員 私が特にインセンティブで注目したいのは、大項目2の糖尿病性腎症等の重症化予防のところで、ここはしっかりと取り組むことによって本人のためだけでなく、医療費の削減に繋げていくべきだと考えています。また、大項目3の医療情報提供の際のICTの活用です。これもいろいろな形で情報提供することによって取り組み、本人への啓発を促していきたい。

 私ども、管理栄養士が関係するところでは大項目6の食生活の改善です。これにも、しっかりと取り組みたい。それと健診・保健指導の働きかけということでは、大項目7の就業時間内の特定保健指導の実施への配慮です。なかなかこれは企業としては難しいかもわかりませんが、容易に実施できるきっかけづくりになっていけばということを注目したいと思っております。

○多田羅座長 栄養士などは特に保健指導をされている方が多いと思いますけれども、この形でよろしいですか。

○下浦委員 はい、結構です。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 それでは、こちらに行って、藤井委員、いかがでございますか。何かございませんか。

 今日は5時までなのですけれども、せっかく時間をいただいているので、今日、余り議論はないのです。結局感想というか、やりたいという決意。白川委員ではないけれども、決意表明をしていただければ会としてありがたいという感じです。

 どうぞ、お願いいたします。

○藤井委員 こちらの加減算制度につきましては、協会けんぽは御案内のように、この仕組の中には入っていません。別の制度、仕組をつくるようなことになっております。先般、スキームにつきましては、御説明をさせていただいたとおりなのですけれども、まだ固まり切っておるわけではありませんので、引き続き私どももしっかり検討していきたいと思っております。

○多田羅座長 決意表明はいかがですか。協会けんぽにも大分頑張ってもらわないといけないところがあるのではないかと思います。

○藤井委員 先ほどの、前のほうの議題の、まさに保健事業そのものにつきましては、私ども200万超の事業所がございますけれども、事業所の協力がどれぐらい得られるかは大きなポイントになってまいります。それでも、例えば健康宣言をしていただけるような事業所が1万社を超えました。全体が200万ですから、それを多いととられるか、少ないととられるかというような見方もあるかもしれません。しかし、私どもとしては何とかそこまで行けるように事業主と連携も進めてきています。

 しかし、今日の資料のように、ほかの保険者と比べてみますとまだまだというのが正直なところですので、来年度から、私どももデータヘルス計画が新しくなりますし、あわせて協会けんぽとしてのアクションプランも、3年計画をつくっているのですが、来年度から新しいものになりますので、その中でまた戦略的保険者機能の一環ということで、頑張っていきたいと思っております。

○多田羅座長 よろしくお願いいたします。

 歯科医師会の高野委員、いかがでございますか。

○高野委員 歯科医師会の高野です。平成30年から始まります第3期において、歯科項目、項目13というものが加わりました。

○多田羅座長 大分入っていますね。3項目もね。

○高野委員 保健指導を主体としております保健師や管理栄養士にとっても、歯科項目のことで入った情報を特定健診、特定保健指導に生かしていただけるように、戸惑うことがないようにということで、限られた時間内においてそれも加えた保健指導を行えるように、そういうわかりやすいツールを歯科医師会においても製作しておりますので、それを活用していただきまして、よりメタボリックシンドロームに対する指導に役立てていただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○多田羅座長 よろしくお願いします。

 それでは、鈴木委員、いかがでございますか。

○鈴木委員 特定健診・特定保健指導の実施率をまずは上げなければいけない。ほかに、ここで書いてありますいろいろな項目についても努力しなければいけない。座長が決意表明ということでございましたので、決意表明いたしたいと思います。けれども、地方公務員共済組合はかなり財政的に厳しいです。

○多田羅座長 共済は厳しいのですか。余り厳しいとは聞いていないのだけれどもね。

○鈴木委員 財政状態が厳しいので出来ませんとは言えませんので、一生懸命努力してやっていくのかなと思っております。

○多田羅座長 決意表明でございますか。

○鈴木委員 決意表明ですね。目標が達成できるように一生懸命頑張っていきたいと思います。

○多田羅座長 そうですね。共済はやはり公務員の方も多いと思いますから、ぜひリードしていただくような実践をやっていただきたいと思います。ありがとうございます。

 続いて、一応皆さんにお伺いしたのですが、せっかく5時までいただいているので、少し、今村委員、たばこというものが今度、5点に上がっていますね。

○今村委員 この場でも私は申し上げましたけれども、これは厚労省には非常に感謝したいと思います。

○多田羅座長 10点ぐらいもらってもよかったのではないですか。ちょっと力不足ではないですか。

○今村委員 喫煙対策を上げていただいただけでもよかったと思います。先ほど岩崎委員、藤井委員からもお話しのあった健康経営についてですが、あちらは経産省が取り組んでおられて、ここに挙げられているような項目は網羅されているのだろうと思います。その中で、こういう重みづけをして配点をつけたということに対して、厚労省は一歩進んでより精緻に考えられているのだという感想を持ちました。

 結局国を挙げて企業も保険者もやるという方向で、これは全体の足並みがそろってきています。国民の健康度をどうやって上げていくのか、縦割りの省庁ではなくて、それぞれの立場で本当に取り組むという、非常によい方向性が出てきていると思っていますので、関係している全ての方たちがこれを向上するように取り組んでいかなければいけないと、日本医師会としても改めて感じております。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 喫煙対策は本当に、公衆衛生関係の人間は、今日本人が一番取り組むべき課題として一致して認識しているところもあるのではないか。ほかにも随分ありますけれども、喫煙対策で何とか法律もつくってほしいというのが大きな長年の懸案のような気がいたします。

 そういうことで、今回、喫煙は5点をいただいておりますが、10点でもいいのではないかと私個人では思うのだけれども、事務局、いかがですか。5点というのは精一杯いただいた数字でございますか。

○高木室長 全体の中では象徴的に一応点数を。

○多田羅座長 5点は、一生懸命点数をくれたという理解でよろしいですか。

○高木室長 さようでございます。

○多田羅座長 医師会の委員、いかがですか。たばこというのは、この辺をこういう機会に一つ、特定保健指導などのところでとりあげて欲しい。先進国の中では日本の喫煙率は非常に高い形で、しかもそれで医療費にも大きな影響というのは長年言われていることなのです。

○今村委員 せっかくの機会なので、ぜひ保険局にお願いしたいのは、前にも申し上げた特定健診の問診票の活用ということでデータを出していただいて、喫煙率については、それこそビッグデータで、なおかつ、保険者ごとのいわゆる喫煙率の差であるとか、年代による差がかなりある。

 これはすごい結果だったと私は思います。ところが、他の検討会、例えばがん対策推進協議会等で喫煙の議論になると、これは申しわけないけれども、厚労省の縦割りなのだと思いますが、5,000人ぐらいの国民健康・栄養調査のデータがいまだに使われています。やはり厚労省として、これだけのよい取組をして、問診をしてデータが出たのにそれが国の議論で活用されないというのはいかにももったいないと思っておりますので、ぜひとも保険局はそういうことで働きかけをしていただければと思います。よろしくお願いします。

○多田羅座長 岩崎委員、この辺はいかがですか。喫煙に限らなくてもいいのですけれども、進め方とか。

○岩崎委員 喫煙に関連しては、まさに東京は特にオリンピックを控えてということもございますので、どういう動きになってくるかは非常に重要な点だろうと思います。やはり現場で特定保健指導を実施しておりますと、喫煙習慣がある方は、もうそれだけで生活習慣改善の取組を諦めてしまうという言い方は変ですけれども、それがあるから毎年特定保健指導対象となるのだという感想を面談の場で申される方もいらっしゃいますので、個別指導の場も重要なのですが、特定保健指導だけではなく、全体の政策の中での対応も重要な印象を持っているところでございます。

○多田羅座長 河合委員、いかがですか。保健指導の中でのたばこ対策ですかね。

○河合委員 たばこだけではないのですけれども、私は人口動態の専門なのですが、働く人というものを考えていったときに、働く世代の高年齢化が進んでいく時代に入ってくるわけです。高齢社会というと、どうしても65歳以上の数が増えることばかりに頭が行きますけれども、そうではなくて、実際に勤労している世代でも、20代とか30代の社員が少なくて、40代、50代のほうが増えていく。年々そういう状況が続いていくわけです。

 これは何を意味しているかというと、40代から50代になっても、かつてだったら若い人、若い社員がやっていたような仕事をどうしても担わざるを得ない環境が増えてくるということであります。こうしら観点からすると、先ほどから健康経営の話が出ているわけですけれども、働く人たちの健康というものをより考えていかなければなりません。例えば夜勤があるような業務を40代、50代の人がやっている現場がいっぱいあるわけです。それは病気になるリスクがより高まっていくわけで、ただ従業員の頭数だけを考える経営の発想から一歩踏み込んで、働いている人の年齢が自分の会社の中で変わってきているのだということをまずは経営者がきちんと認識するということがすごく大事なことなのです。

 そういう意味で、企業の中とか組織の中で、それに関連づけて禁煙というものも取り上げていくべきです。もちろん嗜好なので個々の判断のものではあるわけですが、これからは、きちんとみんなが元気で働いているという状況となって初めて組織が回っていくことになるということも考え、では職場の中では絶対に禁煙にするのだということを経営者側がコミットしないと進んでいかないわけです。

 そういう観点をきちんと持ってもらえるような議論を進めていくということがすごく大事であって、厚労省やそれぞれの保険者の皆さんもそうなのですけれども、少し説明の仕方を変えていくことは必要です。データを持って経営者の側に示していくということをやっていかれたほうがいいかなと私は思っております。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 白川委員、いかがですか。経営者。健康経営です。

○白川委員 今、河合委員がおっしゃったとおりで、保険者も禁煙あるいは受動喫煙についていろいろな活動をやっているわけですけれども、はっきり言うと限界があるのです。河合委員がおっしゃるとおり、経営者がどう考えるかが決め手になりますから、そこは保険者の力が残念ながら及ばない部分もあるものですから、厚労省や経団連などを通していろいろ働きかけをしていただければと思います。何人かの委員の方がおっしゃったとおり、今、経営の中に健康というものが非常に重要な位置づけになっているということが徐々に認識として広まっている。いいチャンスだと思いますので、そういう働きかけがあれば、我々としては非常に助かると思っております。

 ついでによろしいですか。今回の加減算の指標や配点につきましては、未来投資会議あるいは閣議決定の決定事項と健保組合、共済組合の現状の間で、高木室長に随分御苦労をいただいてうまくまとめていただいたと感謝しておりますし、指標や配点については全く異存がございません。

 ただ、一点だけ申し上げたいのは、前も申し上げたのですが、国がインセンティブと言っておきながら、加算で稼いだお金をインセンティブにつけるような、こんな姑息なことをいつまでやるのだと思っておりまして、国がインセンティブと言うのだったら、国がちゃんとその分のお金を手当てすると。全額出せと言う気は全然ないですけれども、それが政策を示す具体的な方法だと信じております。今回は、財政難ということもあって厚労省も遠慮されているのでしょうけれども、私は遠慮することはないと思います。国に対してそれ以上の利益をこういう保健事業で生み出していくわけですから、遠慮せずにどんどん要求すべきだということをあえてしつこく申し上げたい。よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○多田羅座長 最後に非常に厳しい厚労省への要望ですね。こういうインセンティブであり、加算・減算になっているのだけれども、国の姿勢はどうなのだという厳しい御意見です。

 事務局、何かございますか。

○白川委員 結構です。答えるのは難しいです。

○多田羅座長 答えるのは難しいですか。今日は課長も来ていますけれども、では、事務局から代表して何か、せっかくですので。

○黒田課長 非常に幅広く御意見をいただきましてありがとうございます。最後の白川委員のお話は、私どもに対する叱咤激励だと受けとめます。

 私どもは、こうした会議ですとか、あるいは未来投資会議、諮問会議などの政府の会議、あるいは日本健康会議など様々な場に対応する立場におりますが、予防・健康づくりについて言及される機会が非常に増えています。特に、日本健康会議は、私どもにとっても非常に刺激が多い、アイデアをいただく場であるわけですが、そこで経済界の方、医療関係者の先生方、保険者の方々がそれぞれリソースを持ち寄った活動を共有する。私どもは本当にすばらしい場だと思っておりまして、なぜかというと、なぜ保険者があるのか、なぜ経営者が、なぜ医療関係者の方々がそこにあるのかという原点を確認して、それぞれの立ち位置が非常に社会的に意義があるということをもう一度確認して、次のステップに進む場だと私どもは思っています。

 経産省との連携の話を今村委員からも白川委員からもいただきましたが、経産省とは、お互いに隠し立てをすることは一切なく、これから、次に向かってどうしていこうかという話をするような関係にございまして、健康経営と予防・健康づくりを、例えば経団連の話もありましたが、商工会議所の御協力もいただきながら、これから、私ども行政として広めていくためにどうしていこうかという作戦会議をしているところです。

 今日いただいたお話がまさにその素地になるお話だと思っていますし、私どもは改めて、本当にありがたいお知恵をずっといただいていると思っていますし、これが次のステージに上がっていくために、私どもも関係省庁の縦割りは横に置いて、一歩進んでいきたいと思っていますので、そういった意味でも、ぜひお知恵をいただきたいと思います。

 本当にありがとうございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 国のほうからも積極的な御意見、積極的な気持ちであるという御議論はいただけたと思います。国を挙げて、保険者を挙げて、自治体も挙げて、共済も挙げて取り組む、21世紀の国民の健康づくりの大きな舞台かと思いますので、今日御出席の皆さんは、そのリーダーでございますので、ひとつよろしく御尽力いただきますようにお願いします。

 ほかに意見はよろしいでしょうか。大体まとめの意見をいただきましたし、ちょうど5時になったので、座長としては、もし御意見がなければ事務局にマイクを戻したいと思いますけれども、よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、事務局にマイクを戻します。

○高木室長 ありがとうございます。

 一応この場で、減算指標についても、これで進めさせていただくということで、決定いただいたと御理解してよろしいですか。

○多田羅座長 この原案で御了承いただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○多田羅座長 ありがとうございます。

 ということでございますので、事務局、ひとつよろしくお願いいたします。

○高木室長 次回の日程につきましては、現時点では未定でございますけれども、また座長と御相談の上、日程が決まりましたら御連絡させていただきます。

○多田羅座長 大体いつごろという感じなのですか。

○高木室長 まだ決めておりません。

 以上でございます。

○多田羅座長 わかりました。

 それでは、今日はどうもありがとうございました


(了)

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