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2017年2月3日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

○日時

平成29年2月3日(金)15:00~


○場所

新橋8E会議室


○出席者

出席委員(15名)五十音順

浦 野 泰 照、 大槻 マミ太郎、○奥 田 真 弘、 川 崎 ナ ナ、
菊 池   嘉、 ◎清 田    浩、  鈴 木 邦 彦、 田 島 優 子、
登 美 斉 俊、 中 野 貴 司、 濱 口    功、 増 井    徹、
森 田 満 樹、 山 本 善 裕、 渡 辺    亨
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(5名)

渥 美 達 也、 川 上 純 一、 半 田   誠、 南   博 信、
山 口 拓 洋

行政機関出席者

武 田 俊 彦 (医薬・生活衛生局長)
森    和 彦 (大臣官房審議官)
山 田 雅 信 (医薬品審査管理課長)
佐 藤 大 作 (安全対策課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
林    憲 一 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○医薬品審査管理課長 定刻になりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」を開催させていただきます。本日は、お忙しい中御参集いただき誠にありがとうございます。

 薬事・食品衛生審議会の委員の改選が行われ、本部会についても新しい委員の先生の任命が行われました。つきましては、お手元にあります医薬品第二部会の名簿に即し、委員の先生方を私から御紹介させていただきます。

 本日は御欠席ですが、渥美達也委員です。少し遅れているようですが、浦野泰照委員です。大槻マミ太郎委員です。奥田真弘委員です。本日は御欠席ですが、川上純一委員です。川崎ナナ委員です。菊池嘉委員です。清田浩委員です。少し遅れているようですけれども、鈴木邦彦委員です。田島優子委員です。登美斉俊委員です。中野貴司委員です。濱口功委員です。本日は御欠席ですが、半田誠委員です。増井徹委員です。本日は御欠席ですが、南博信委員です。森田満樹委員です。本日は御欠席ですが、山口拓洋委員です。山本善裕委員です。渡辺亨委員です。

 この部会の部会長は、1月27日に選任が行われていて、医薬品第二部会の部会長として清田浩委員が選任されておりますことを御報告いたします。また、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会に属する委員のうちから、部会長があらかじめ指名する方がその職務を代理するとされております。部会長代理については、部会長から御指名いただくこととなっております。清田部会長、お願いいたします。

○清田部会長 清田です。奥田先生にお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。

                                   ( 異議なし)

○清田部会長 ありがとうございます。それでは奥田先生、よろしくお願いいたします。

○医薬品審査管理課長 それでは、部会長代理については、奥田先生にお願いいたします。部会長代理席のほうに御移動をお願いいたします。

 本日の部会ですけれども、現在のところ、委員数20名のうち13名の委員の御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。

 委員改選後、初めての医薬品第二部会ですので、特に御留意いただきたい事項などについて、担当より御説明させていただきます。

○事務局 本部会への御参加に当たっての留意事項を3点ほど改めて御説明させていただきます。第1に、守秘義務の関係です。国家公務員法第100条において、「職員は職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする」と規定されております。委員、臨時委員、専門委員は非常勤の国家公務員であり、この規定の適用を受けますので、職務上知り得た秘密について漏らすことのないようにお願いいたします。

 第2に、薬事に関する企業等との関係です。お手元に資料10「薬事分科会規程」、資料11「薬事分科会における確認事項」をお配りしております。資料10薬事分科会規程の6ページを御覧ください。第11条において、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されています。審議の中立性・公平性を確保する観点から規定されておりますので、これらに該当する場合、また任期中に該当することとなる場合には、速やかに事務局まで御連絡を頂きますようお願いいたします。

 第3に、薬事分科会の審議事項です。資料11の薬事分科会における確認事項の5ページを御覧ください。表の右側に「部会」「分科会」と書かれている欄に、区分ごとに印が付いています。○印は審議、△印は報告、▲印は文書配布による報告、×印は審議・報告はなしとなっております。基本的にはこれに基づき、部会、分科会において御審議をお願いしております。

 資料10の薬事分科会規程の5ページを御覧ください。第7条において、「部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして分科会があらかじめ定める事項に該当するものについては、分科会長の同意を得て、当該部会の議決をもって分科会の議決とする。ただし、当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がなされた場合にはこの限りではない」と定められております。先ほどの表に記載しております事項以外にも、このただし書きにあるように、「部会において特に慎重な審議を必要とする事項である」と決定された場合には、分科会において御審議をお願いすることとなります。

 委員の皆様におかれましては、このような規定を御承知の上、御審議いただきますようお願いいたします。説明は以上です。

○医薬品審査管理課長 御質問等はありますか。特にないようですので、清田部会長、以降の進行をよろしくお願いいたします。

○清田部会長 本日の審議に入ります。事務局から配布資料の確認と、審議事項に関する競合品目、競合企業リストについて報告をお願いします。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日は席上に、議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しています。議事次第に記載されている資料1~資料6をあらかじめお送りしております。この他に、資料7の審議品目の薬事分科会における取扱い等の案、資料8の専門委員リスト、資料9の競合品目・競合企業リスト、資料10の薬事分科会規程、資料11の薬事分科会における確認事項、資料12の最適使用推進ガイドラインについてです。参考資料として、各品目の有効成分の化学構造式を配布しています。

 本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リスト(資料9)について御報告いたします。資料9の1ページを御覧ください。ザルトラップ点滴静注100mg、同点滴静注200mgですが、本品目は「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 2ページを御覧ください。「レブラミドカプセル2.5mg、同カプセル5mg」ですが、本品目は「再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 3ページを御覧ください。カナキヌマブ(遺伝子組換え)ですが、本品目は「全身型若年性特発性関節炎」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。

○清田部会長 ただいまの事務局からの説明に特段の御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆様の御了解を得たものといたします。委員からの申し出状況について報告をお願いします。

○事務局担当 各委員からの申し出状況については次のとおりです。議題1のザルトラップについて、退室委員はなし。議決には参加しない委員は大槻委員、清田委員、中野委員、渡辺委員です。議題2のレブラミドカプセルについて、退室委員はなし。議決には参加しない委員は、大槻委員、渡辺委員です。議題3のカナキヌマブについて、退室委員はなし。議欠には参加しない委員は、大槻委員、渡辺委員です。

○清田部会長 ただいまの事務局からの説明に、特段の御意見はありますか。よろしいようでしたら、皆様に御確認いただいたものとして、議題に入ります。本日は審議事項が3議題、報告事項3議題となっています。審議事項の議題1に移ります。議題1について、機構から概要を説明していただきます。

○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料1、医薬品ザルトラップ点滴静注100mgほかの製造販売承認の可否等について、機構より説明させていただきます。本剤は、ヒト血管内皮増殖因子受容体、以下VEGFRと略させていただきますが、VEGFR-1の第2免疫グロブリン領域及びVEGFR-2の第3免疫グロブリン領域を、ヒト免疫グロブリンG1の結晶性フラグメント領域に融合させた組換えタンパクを有効成分とする抗悪性腫瘍剤です。

 本剤は、血管内皮細胞の増殖等に関わるシグナル伝達を阻害することで、腫瘍における血管新生を阻害し、腫瘍増殖を抑制すると考えられています。

 今般、本剤は「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能・効果として承認申請されました。平成28年9月時点において、本剤は結腸・直腸癌に係る効能・効果にて、72の国又は地域で承認されております。本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料8にあるとおり9名の委員です。

 以下、臨床試験成績を中心に、審査の概略を説明いたします。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、海外第III相試験であるVELOUR試験が提出されました。有効性については審査報告書37ページの本文上から12行目以降、42ページの下から9行目以降及び80ページの上から13行目以降を御覧ください。オキサリプラチンを含む化学療法歴を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者を対象としたVELOUR試験において、対照群として設定されたイリノテカン塩酸塩水和物、ホリナート及びフルオロウラシルを併用するFOLFIRIとプラセボを投与する群と比較して、FOLFIRIと本剤を投与する群で、主要評価項目とされた全生存期間の優越性が示されました。

 安全性については、審査報告書44ページの下から13行目以降及び80ページの下から11行目以降を御覧ください。本剤の使用時において注意すべき有害事象として、消化管障害、好中球減少症・発熱性好中球減少症、高血圧、出血、インフュージョンリアクション、タンパク尿・ネフローゼ症候群、血栓塞栓症、消化管穿孔・瘻孔、創傷治癒遅延及び可逆性後白質脳症症候群が認められております。

 これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師による有害事象の観察や管理等の適切な対応により、忍容可能と判断しました。ただし、日本人における検討症例は限られており、製造販売後には、使用成績調査の実施が必要であると判断しております。

 以上のような審査の結果、機構は「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能・効果として、本剤をFOLFIRIとの併用で承認することは可能と判断いたしました。本剤は、新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、生物由来製品に該当し、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断いたしました。薬事分科会には報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○清田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見をお願いいたします。

○渡辺委員 市販後調査は、大体何例ぐらいを予定されているのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 お手元の審査報告書の85ページの表52を御覧ください。表52に製造販売後調査の骨子を記載しており、予定症例数として200例の調査を計画しております。

○清田部会長 よろしいでしょうか。

○渡辺委員 はい。

○清田部会長 他にどなたか御意見、御質問はありますか。

○川崎委員 特性の大変よく似たものとして、アイリーア(アフリベルセプト)がありますので、それとの関係について三つお伺いします。どちらもCHO細胞で製造していますので、構造特性が類似している可能性があると思います。このような場合で同様な効能を追加していくときに、バイオ後続品のスキームに乗って追加していくことは可能なのでしょうか。

 二つ目は、アフリベルセプトの一般名はアフリベルセプトアルファではなくて、アフリベルセプトとなっています。名称にアルファが付いていれば、本剤と取り違えるリスクは低いと思うのですが、付いていないのでアフリベルセプトとアフリベルセプトベータを取り違えるリスクが高いのではないかと思うのですが、それに対して何か対応は考えておられますか。

 三つ目は、アフリベルセプトは眼科用なのですが、アフリベルセプトとアフリベルセプトベータは構造がよく似ているということで、安全性情報というのはどの程度、相互に参考にされるのかを教えてください。

○医薬品医療機器総合機構 三つ目の、本剤のザルトラップとアイリーアの安全性上の違いについて比較した試験はなく、また、投与経路及び対象疾患が大きく異なりますので、あまり参考にしていません。

 それから取り違えですけれども、投与経路がアイリーアは硝子体内注射で、本剤は静脈内注射です。また、用法・用量で、本剤は必ずFOLFIRIという3剤併用の抗癌剤レジメンと併用するという注意喚起を付けておりますので、通常であれば取り違えは起こりにくいだろうと考えております。

○再生医療製品等審査部長 後続品の話なのですけれども、ザルトラップに関しては、アフリベルセプトベータという一般名を付けていますので、これが一般名として多分、基点に働きますので、アイリーアとは一般名が違います。今の段階だと、恐らくアイリーアの後続品というような形は難しいかと思います。ただ、本質的に同じようなものですので、実際に今の段階で後続品が開発されているか分かりません。後続品の開発をするという話があれば、どうするのかというのは行政上の判断で、将来的な課題になるかと思います。

○清田部会長 よろしいですか。

○川崎委員 はい。

○清田部会長 他にどなたか御質問、御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは議決に入ります。私と、大槻委員、中野委員、渡辺委員におかれましては、利益相反に関する申し出に基づき、議決への参加は御遠慮いただくことになります。本議決について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異論はないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告させていただきます。議題2に移ります。議題2について、機構から概要の説明をお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料2、医薬品レブラミドカプセル2.5mgほかの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。

 本剤の有効成分であるレナリドミド水和物は、サイトカイン産生調節作用、血管新生阻害作用等の種々の作用を有していると考えられています。現在、本剤は、多発性骨髄腫及び5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群に対して承認されております。今般、本剤は「再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫」を効能・効果として承認申請されました。

 なお、本剤は平成28年5月の当部会における審議を経て、希少疾病用医薬品に指定されております。平成2812月時点において、海外にて成人T細胞白血病リンパ腫、以下、ATLLと略しますが、ATLLを対象とした本剤の開発は行われておりません。本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料8にあるとおり4名の委員です。

 以下、臨床試験成績を中心に審査の概要を説明いたします。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、国内第II相試験である002試験が提出されました。

 有効性については、審査報告書9ページ本文上から2行目以降及び23ページ上から13行目以降を御覧ください。再発又は再燃のATLL患者を対象とした002試験において、主要評価項目とされた奏効率について、事前に設定された閾値奏効率を有意に上回ったこと等から、本剤の一定の有効性は示されたと判断いたしました。

 安全性については、審査報告書10ページ上から10行目以降及び21ページ下から12行目以降を御覧ください。本剤の使用時に、特に注意すべき有害事象は、既承認の効能・効果と同一であり、これまでと同様に、造血器悪性腫瘍の治療に十分な知識と経験を持つ医師による有害事象の観察や管理等の適切な対応により、忍容可能と判断いたしました。ただし、臨床試験における検討症例は限られており、製造販売後には、使用成績調査の実施が必要であると判断しております。

 以上のような審査の結果、機構は「再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫」を効能・効果として、本剤を承認することは可能と判断いたしました。本剤は、希少疾病用医薬品に指定されていることから、今回追加する効能・効果に対して再審査期間は10年とすることが適当であると判断いたしました。薬事分科会には報告を予定しております。

 なお、本剤はサリドマイド誘導体であり、サルにおいて催奇形性が認められていることからも、本剤の使用においては、これまでと同様に、胎児への曝露の防止を目的とした厳格な薬剤配布プログラムによる製造販売後の安全管理を行うことが重要となります。薬剤配布プログラムであるレブラミド・ポマリスト適正管理手準(RevMate)の手順の適切性等については、別途、厚生労働省において検討されています。以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○清田部会長 どうぞ。

○医薬品審査管理課長 ただいまお配りをいたしました紙は、議題2の専門委員リストです。資料8の裏面の印刷が漏れておりまして、大変失礼いたしました。追加でお配りしておりますので、よろしくお願いいたします。

○清田部会長 この件に関して、委員の先生方からの御質問、御意見をお願いいたします。

○菊池委員 確認なのですけれども、これは日本だけでしかやっていないのですよね。それで日本発信ということで、すごく大事なことだと思うのです。最初は再発・再燃に対しての申請で来たのを、難治性になったのですけれども、その経緯というか、その判断はどういうことでされてきているのですか。

○医薬品医療機器総合機構 効能・効果については、審査報告書14ページ以降を御覧ください。効能・効果については、申請後に14ページの7.R.3の臨床的位置付け及び効能・効果についての所に記載させていただきましたように、申請後に再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫に変更する旨の説明がなされました。再燃と難治性の違いですけれども。

○菊池委員 それは常識なので結構です。再発・再燃に対してということが、途中からの申請で、難治性のことで、難治性については基本的に全然使っていないですよね。それを、機構がOKだという判断根拠は、海外に発信する場合には、これは結構大きな話ではないかと思って伺っています。

○医薬品医療機器総合機構 15ページに記載しているとおり、ATLLに対する2次以降の治療というのが、前治療に対する反応の有無別には現時点で確立していないというところがあります。前治療による反応別に治療が行われていないことを考えると、臨床試験では再発又は再燃の患者が対象とはされていたものの、難治性の患者も含める効能・効果とすることで差し支えないという判断をしました。ただし、臨床試験において、対象とされた患者については明確にする必要があると考えますので、その点については臨床成績の項に明記した上で、臨床試験に組み入れられた患者の病型及び予後不良因子の有無等について、臨床成績の項の内容を熟知し、本薬の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適用可能性の選択を行う旨の注意喚起を設定することが適切と判断しました。

○清田部会長 少ない病気ですので、今のような判断が下されたのではないかと思います。発売後にも、80例の調査が予定されていますので、その中に難治性というのが入ってくるのではないかと思います。それでまた情報が発信できるかということでよろしいかと思っているのですが、それでよろしいですか。

○医薬品医療機器総合機構 ご指摘のとおり、製造販売後調査においては、使用実態下における有効性を評価する予定ですので、得られた難治性の患者における有効性の結果について、適切に医療現場に情報提供するよう、申請者に伝達いたします。

○清田部会長 よろしいでしょうか。

○菊池委員 分かりました。もちろんこれは急性型やリンパ腫型のものはかなり重篤なので、レスキューする薬としては非常に必要だとは思うのですが、ほかの治療もありますが、難治性だと判断したら、これを初回から使ってもいいというか、基本的にATLが白血化すれば全部難治性なので、急性型というか、リンパ腫型になれば、慢性型やスモールディングタイプと違うので、そこは全て難治性だと血液の先生がおっしゃれば使ってもいいということになるわけですね。

○医薬品医療機器総合機構 既存薬剤で効果がない、あるいは、その治療は続けられないという判断をなされた場合に難治性と判断されると思いますので、未治療の方は対象患者ではないと考えております。

○菊池委員 国語的な解釈は、今まである標準的な治療をやってから、こちらに移れということですか。

○医薬品医療機器総合機構 そのとおりです。

○菊池委員 こだわりますが、再発・再燃を取り除いていますが、そこは前治療があるということが再発・再燃ではあるわけですが、それを含めて包括しているということですね。

○医薬品医療機器総合機構 ご指摘のとおりです。

○清田部会長 前治療は必要なのですよね。

○医薬品医療機器総合機構 そのとおりです。今回の再発又は難治性とした場合に、再発又は再燃とした場合よりも対象が広がっておりますが、未治療の患者も対象になるということではなく、前治療に抵抗性の方も含めるという意図です。

○清田部会長 ですから、フレッシュな症例には使わないというような解釈でよろしいのですか。

○医薬品医療機器総合機構 そのとおりです。

○清田部会長 菊池先生、これでいかがですか。

○菊池委員 それなら分かりましたが、多分、今の説明だと現場が混乱するような気がします。

○医薬品医療機器総合機構 これまでも未治療の患者様に使っていただけるような薬剤については、「再発又は難治性の」という文言を付けず、単に「成人T細胞白血病リンパ腫」という効能・効果で承認しておりますので、違いは明確かと考えております。

○菊池委員 CRかCRuになって、そこからまた再発するわけですから。また、それと再燃も違うし、違う概念として難治性というものを入れているということなのですね。分かりました。

 あと、この評価の仕方が、8ページ辺りのものが、途中で何か、あらかじめ決めていたものからずれているような、プロトコールと変わってきているというか、希少な疾患であることが始めから分かっていながら海外の基準に準拠しているというような、かなり苦しい説明をしていると思うのです。これは、判断はいかがなのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 今回、試験において設定された効果判定基準は8ページの脚注に提示している、広く認識されている指標を一部改変した基準でした。適切な効果判定基準については議論があるところかとは思いますが、公表論文等で広く認識されている指標で実施されていないというところで、その違いが有効性評価に及ぼす影響について検討した結果が、9ページ以降に提示している内容です。可能な限り、広く認識されている指標に合わせた基準で評価した場合においても、有効性が期待できる結果であると考えましたので、今回の結果をもって一定の有効性は示されたと判断することは可能と考えました。

○菊池委員 分かりました。トライした数がもともと少なくて、26例中11例ぐらいなので、少なくて仕方がないのかもしれませんが、最初にも申し上げましたが、これは海外に発信していくわけなので、そういう意味では、これは少し言い訳が長くて余りいけてないなという感じです。あと、閾値奏効率の5%というのも私は不勉強なので分からないので、これは世の中的にはすごく、こういうものは当たり前の値なのかということ。

 あと、効奏持続期間が0.1週というのがありますが、1日しか効かなかったということで、翌日には悪化しているということなのですか。8ページの脚注の一番下の、たまたまなのですが効奏持続期間の範囲は0.172.1週となっています。0.1週ということは、ほとんど1日ぐらいしか効かなかったということなのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 中にはそのような方もいらっしゃったというところです。

 先ほど、効果判定基準の違いについてご指摘いただきましたが、今回、申請者が設定した基準に基づいた値が42.3%で、可能な限り広く認識されている指標に合せた基準に基づく値が26.9%であり、結果に違いが認められた理由としては、広く認識されている指標で判断基準の一つとされた奏効持続期間が基準に満たなかったためでした。

○清田部会長 お分かりになりましたか。

○菊池委員 分かったような分からないような。

○医薬品医療機器総合機構 今回、26.9%の方では8週間以上効果が持続していたことを示しております。

○濱口委員 教えていただきたいのですが、数年前にやはりATLの治療薬としてモガムリズマブというものが承認されましたが、あのときも、ここに書いてあるような「再発及び難治性の」という言葉が始めの段階から入れられていたのでしょうか。基本的に扱いは、それと同じような形でというところで承認されることになるのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 モガムリズマブにつきましても、効能・効果としては「再発又は再燃」で申請され、「再発又は難治性」として承認しております。

○濱口委員 了解しました。

○菊池委員 これはMMに対しては、3週投薬で1週休みですよね。これは基本的にずっと飲んでいくということになりますよね。そうすると、それの安全性というか、この病気自体はそうしないといけないかもしれませんが、MMに対しても、ずっとやったほうが効くというようなことは考えていないのですか。そういうフィードバックして、飲める人には、がっつりいくとか。

○医薬品医療機器総合機構 申請者からMMでも連日投与する用法・用量に関する検討を行っているという情報は得られておりません。

○清田部会長 ほかにどなたか御意見はありますか。ありがとうございました。

 それでは議決に入ります。なお、大槻委員と渡辺委員におかれましては、利益相反に関する申し出に基づきまして、議決への参加は御遠慮いただくことにいたします。本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 それでは議題3に移ります。議題3について事務局から概要の御説明をお願いいたします。

○事務局 議題3、資料3、カナキヌマブ(遺伝子組換え)を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。資料3の事前評価報告書のタブをお開きください。申請者は「ノバルティスファーマ株式会社」、予定される効能・効果は「全身型若年性特発性関節炎」となります。全身型若年性特発性関節炎は、以後、SJIAと略させていただきます。

 まず、1ページ下段の対象患者数についてです。SJIAは指定難病であり、推定患者数は推計方法によって幅がありますが、約1,2005,400例と報告されています。よって、対象患者数に関する基準を満たしているものと考えております。

 2ページの医療上の必要性についてです。SJIAは、2週間以上続く弛張熱に加え、一過性の紅斑、全身のリンパ節腫張、肝肥大、脾臓肥大又は漿膜炎のいずれか一つ以上の症候を伴う関節炎と定義されています。SJIAの特徴として、重篤で、ときに致死的なマクロファージ活性化症候群(MAS)の合併がしばしば見られます。重症のMASは、SJIA患者の7~17%に合併し、主な死因として報告されています。そのため、SJIAの治療では、病勢のコントロールが重要であり、また、MASへ進展しないよう注意を払う必要があります。

 SJIAの主な治療法の一つにステロイドの全身投与が行われているものの、長期投与に伴い、耐糖能異常、副腎機能低下、高血圧、成長障害、骨粗鬆症による骨折等が生じ、特に成長期にある小児では成長障害の副作用が深刻な問題となります。

 本邦では、抗IL-6受容体モノクローナル抗体であるトシリズマブ(遺伝子組換え)が承認されており、臨床使用されています。しかし、抗トシリズマブ抗体の出現等に伴う効果減弱や有害事象の発現等の理由により、トシリズマブを使用できない患者が一定の割合で存在しており、トシリズマブとは異なる作用機序・標的分子を有する新しい治療選択肢が望まれています。

 今回申請されているカナキヌマブ(遺伝子組換え)は、ヒト型抗ヒトIL-1βモノクローナル抗体です。SJIAの発症にはIL-1が重要な役割を担っていることが示唆されており、健康者と比べてSJIA患者では、末梢血単核細胞中のIL-1を含め、自然免疫遺伝子の転写が促進されていることが示されており、本剤は本邦におけるSJIAの薬物治療に際して新たな選択肢となるものと期待されることから、本剤の医療上の必要性は高いと考えられます。

 最後に、開発の可能性についてですが、こちらの製剤は、既に欧米では承認されており、国内では201412月から2歳以上20歳未満のSJIA患者における本剤の有効性及び安全性の評価を目的とした国内試験を実施中であることから、本剤の開発の可能性は高いと考えております。

 以上より、希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えております。よろしく御紳議のほど、お願いいたします。

○清田部会長 委員の先生方から御質問、御意見をお願いします。

○中野委員 1点教えてください。同様の疾患に対する薬剤として、機序は異なりますがトシリズマブ、アクテムラがあるかと思います。アクテムラのほうは、医薬品医療機器法ではなく学会やメーカー主導でだと思いますが、使用施設などに対して、研修や専門医がいるか否かなどいろいろ規定はしていると思うのですが、本薬剤に関しては、そういったことは学会やメーカーのほうにということで、特に縛りなどはお考えにはなっておられないのでしょうか。

○事務局 御指摘いただきました実際の使用される際の臨床現場への周知ですが、御協力のお願いについては、今回はオーファン指定で、希少疾病用医薬品の指定の可否についての御審議ですが、実際に製造販売の承認申請がなされてから、その審査の中で検討させていただきたいと考えております。

○中野委員 了解しました。ありがとうございます。

○清田部会長 ほかに、どなたか御意見、御質問はありますか。希少疾病に対するものですので、いつものとおり審議させていただくわけです。よろしいですか。

 議決に入ります。なお、大槻委員、渡辺委員におかれましては、利益相反に関する申し出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告させていただきます。

 報告事項に移ります。三つあります。報告事項について御説明をお願いいたします。

○事務局 報告事項の議題1、医薬品オゼックス細粒小児用15%の製造販売承認事項一部変更承認について報告いたします。

 本剤は、トスフロキサシントシル酸塩水和物を有効成分とする小児用経口製剤であり、現在は「肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、炭疽菌、コレラ菌、インフルエンザ菌」を適応菌種として、また、「肺炎、コレラ、中耳炎及び炭疽」を適応症として承認されています。

 今般、富山化学工業株式会社より、適応菌種として、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断いたしました。

 続いて、報告事項の議題2、医療用医薬品の再審査結果について報告いたします。資料5「医薬品再審査確認等結果通知書」となっており、今回は4品目あります。資料5-1~4を御覧ください。

 資料5-1は、一般的名称はオロパタジン塩酸塩、販売名はアレロック顆粒0.5%のもの、資料5-2は、一般的名称はインフルエンザHAワクチン、販売名はインフルエンザHAワクチン「生検」及び、Flu-シリンジ「生検」のもの。資料5-3は、一般的名称はインフルエンザHAワクチン、販売名はビケンHA、フルービックHA、及びフルービックHAシリンジのもの。資料5-4は、一般的名称はインフルエンザHAワクチン、販売名はインフルエンザHAワクチン「北里第一三共」1mL、ほか3規格のものとなっています。こちらの品目について、製造販売後の特定使用成績調査等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。再審査結果については以上です。

○事務局 続いて報告事項の議題3、資料6、優先審査指定品目の審査結果について、事務局より御説明いたします。優先審査の取扱いについては、資料の2ページに概要を示しております。この制度は、医薬品医療機器等法第14条第7項の規定に基づき、希少疾病用医薬品やその他医療上の特に必要性が高いと認められる品目を指定し、他の品目に優先して審査を行うものです。その指定に当たっては、適応疾病の重篤性、医療上の有用性を総合的に評価して判断されます。

 資料の1ページです。対象品目は、販売名は、スチバーガ錠40mg、一般名は、レゴラフェニブ水和物、申請者はバイエル薬品株式会社です。切除不能な肝細胞癌に係る効能・効果で承認申請がなされています。事前に取りまとめられた機構の報告書に基づき、当該薬剤の優先審査の該当性について御説明いたします。

 資料の7ページです。適応疾患の重篤性については、当該疾患は「生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患)」に該当すると判断されています。

 医療上の有用性についてですが、現時点において、ソラフェニブによる治療後に病勢進行が認められた患者に対しては、有効な既存の治療法は存在しないと考えられます。また、ソラフェニブによる治療後に病勢進行が認められた肝細胞癌に対して、プラセボと比較してOS(全生存期間)の有意な延長が認められ、また、安全性については、現時点で得られている情報を踏まえると忍容可能と考えられることから、本剤は既存の治療法、予防法若しくは診断法がないこと、及び有効性・安全性、肉体的・精神的な患者負担の観点から、医療上の有用性が既存の治療法、予防法若しくは診断法より優れていることに該当すると判断されています。

 以上を踏まえて、当該薬剤は、優先審査品目に該当すると判断いたしました。当該薬剤の承認の可否については、今後、機構での審査を経た後に、改めてこの部会で御報告させていただく予定となっております。

○清田部会長 よろしいでしょうか。この件に関して委員の先生方から御質問がありましたら承ります。

○中野委員 インフルエンザワクチンのことで1点だけ教えてください。きっと私のような小児科医よりも機構のほうがきちんと考えていただいていると思うのですが、4諸社のインフルエンザワクチンが、これは恐らく小児用量が変更になった後の再審査の件だと思うのですが、1社、化血研のワクチンだけ今回入っていないわけです。一連のいろいろなことがあったということも影響していると思うのですが、別にカテゴリー1ではないという判断が下ったわけでは恐らくなくて、この後、来シーズンまでに何らかの形で御報告があったほうが、現場では使用に際して、何となく気分的にというか、きちんとしたことが御説明できるかなと思ったので一言コメントをさせていただきました。

○清田部会長 この件に関してはどうですか。

○ワクチン等審査部長 今回は、四つのうちの三つが審査を終了したということで御報告をさせていただいているということになりますので、また、残るものについては可能な時期が来れば、こちらの場で御報告させていただきたいと考えております。

○中野委員 よろしくお願いいたします。

○菊池委員 資料5-2の3ページを見ると、下のほうで「心肺停止」の所が「心配停止」となっているのです。機構の方もしっかりされているはずですが、その中でも漏れてしまうことがある。

 また、このインフルエンザの中にも、突然死されているような方の内容が少し不明確に書かれているので、どうなのかなとか、心筋炎や突然死などと書かれていて、その辺りはやはり国民が知りたい情報だとは思いますので、しっかりされたらいかがかなと思いました。

 もう一つ、資料5-1の3ページで、小児科領域で扱っているはずですが、体重の所で750名ぐらいのところで132名が不明になっているような、少しお粗末な状況であると、やはり機構の仕事としては恥ずかしいかなと少し思いました。仕方がないかなと思いますが、ちょっと気が付いたので申し上げました。

○清田部会長 機構のほうからはいかがですか。

○新薬審査第四部長 体重が「不明」として取り扱われた患者さんは、調査票やカルテ等に体重の記載がないためです。

○清田部会長 なるべく書いていただくしかないと思いますが、よろしいでしょうか。

 ありがとうございました。報告事項に関しては、ここで御確認いただいたものといたします。本日の議題は以上ですが、事務局から何か御報告はありますか。

○事務局 事務局から、本日、配布しました資料12の最適使用推進ガイドライン()に関して御説明させていただきます。当日配布資料の資料12-1から資料12-4まで4種類のものを、本日、お配りしています。この最適使用推進ガイドライン()ですが、今回、新しく委員になられた先生方もいらっしゃいますので、前回と重複があるかもしれませんが御紹介させていただければと思います。

 高額薬剤の問題に端を発しまして、革新的な医薬品に関して最適な環境と言いますか、真に医薬品を必要とする患者さんであるとか、その医薬品を使いこなしていただける医療機関の要件を示すことによって、より最適な使用を推進することを目的として、この最適使用推進ガイドラインの策定を試行的に「オプジーボ」及び「キイトルーダ」に関して進めているところです。この最適使用推進ガイドライン()ですが、全体の内容も含めて資料12-1、ニボルマブ(遺伝子組換え)の非小細胞肺癌のガイドラインを基に、御説明をさせていただきます。

 最適使用推進ガイドライン()の3ページに、1.はじめにということで、このガイドライン作成の目的であるとか、どういった内容が含まれているかという位置付けの御紹介をさせていただいています。4ページに、この薬剤の特徴、作用機序、開発の経緯などを記載しています。5ページから、この薬剤が承認されたときの臨床成績がどういったものであったかを、有効性と安全性の観点から記載しています。このような情報を十分に御理解いただいた先生方に使っていただくことを目的として、これらの基礎的な情報を記載しています。

 続きまして、11ページからになりますけれども、こちらが、実際にこの医薬品を使いこなしていただく医療機関等の要件に関して記載している所になります。11ページの4.施設については、どういった医療機関で使っていただくのが最適であるかということです。まず承認条件として全例調査が課せられている医薬品になりますので、全例調査に御協力いただく施設の中で、丸1-1施設についての部分に、()から()まで規定しています。これは癌の治療を行うに当たって専門的な知識や経験があると考えられる医療機関を指定しています。丸1-2になりますが、肺癌の化学療法を行うに当たって、癌の薬物療法であるとか、肺癌の治療に関して知識と経験を十分に有する医師を、責任者として配置していただくこと、丸2として院内の医薬品情報管理の体制が整備されていることを示しています。

12ページ、丸3の副作用への対応ですが、いろいろな副作用がこの薬剤は起こりますので、丸3-1では特にこの薬剤は間質性肺炎の発生などの副作用が懸念されることから、24時間診療体制の中で速やかに検査や対応ができる体制が整っていること、丸3-2として、医療従事者もたくさん関わっていただく必要があるのでチーム医療の体制も整備されていること、丸3-3として、副作用の診断や対応に関して、ここに記載しているような重症筋無力症、心筋炎、横紋筋融解症といったいろいろな副作用が起きますので、それぞれの専門領域の先生方と連携して治療が行える体制が整っている所が、最適に使用していただける医療環境ということで記載しています。

 次の13ページからになりますが、こちらが投与対象となる患者です。これまでに臨床試験などで得られた情報を基に、安全性の観点から使用しない患者ということで禁忌の患者、若しくは丸2の所は慎重に投与していただく必要がある患者を設定しています。有効性の観点からは、丸1で、実際に臨床試験でどういった患者の方に使われたのかを記載しています。丸2では、これまでに有効性、安全性が確立されていないものとして、オプジーボですと化学療法未治療の患者であるとか、他の薬剤との併用、術後の補助化学療法などでは有効性、安全性が確立していないということを記載しています。

14ページですが、丸3は、実際に肺癌の診療ガイドラインで、一番最初の治療薬としてプラチナ製剤以外の薬剤も使われることを御紹介しています。次の丸4で、こちらがオプジーボの場合ですけれども、この薬剤に関してはPD-L1というバイオマーカーについて、その発現率によらず臨床試験が組み込まれて有効性の結果は得られていますけれども、一部、PD-L1の発現率が1%未満の非扁平上皮癌など、その発現率が低い患者においては、対照薬であったドセタキセルと、ほぼ同様の結果が得られていることから、そちらの投与を優先するということで、こちらは医療経済的な観点も含めて記載しています。

15ページからになりますが、投与に際して留意すべき事項ということで、実際に患者さんに投与する場面になったときに気を付けていただくこととして、丸1では、添付文書に加えて製造販売業者が提供する資料が数多くありますから、そういったものも御理解いただいた上で使用していただくこと。そのほかにも副作用のマネジメントについて記載しています。一番下の丸5ですが、この薬剤の臨床試験において有効性の評価が一定程度のタイミングで行われました。オプジーボの場合ですと、投与開始から9週目で、まず1回、有効性があるかどうかの判定、その後、投与開始から1年間は3回投与を終了ごとに有効性の評価が行われていたことを参考に記載していただき、定期的な有効性の評価の確認をお願いしています。そういった形で使っていただくのが、より最適な使用になるだろうということで記載しています。

 資料12-2ですが、こちらはオプジーボの類薬であるキイトルーダ(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))のガイドライン()となっています。使っていただく施設に関して、先ほどのオプジーボと、ほぼ同じような副作用等を発現しますので、全く同じような要件とさせていただいています。オプジーボと異なる部分としては資料12-2の12ページになります。有効性の所で、こちらはそれぞれの薬剤の臨床試験で得られた成績が異なっていますから、その有効性が検証されている範囲ということで、キイトルーダの場合は、コンパニオン診断薬で、PD-L1の発現率が一定以上であることが確認された患者のみの使用となっています。それ以外の部分に関しては、オプジーボと安全性のプロファイルなどもかなり類似していますので、副作用のマネジメントであるとか医療体制に関しては、同じように取り扱っていただくことが適切であろうと考えています。

 この最適使用推進ガイドラインですけれども、癌の場合ですと、癌種によってそれぞれ注意すべき点が違うこともあり、それぞれの癌種ごとに作成することとしています。本日、資料12-3と資料12-4ですけれども、こちらがオプジーボとキイトルーダで既に承認されている適用である悪性黒色腫、これは皮膚癌の一種ですけれども、そちらについての最適使用推進ガイドライン()となっています。オプジーボとキイトルーダに関して、安全性のプロファイルであるとか、使用していただく医療機関に関しては、肺癌と同じように副作用について注意していただくことは変わりないかと思いますので、その辺りの要件に関しては同じ要件を記載しています。皮膚の癌になりますので、肺癌と違う部分としては、11ページの4.施設要件の中で丸1-2の専門的な知識と経験を有する医師の部分です。先ほど肺癌の専門の先生ということでしたが、こちらは皮膚の悪性腫瘍の先生という要件に変更している部分があります。また、実際に使っていただく患者さんの要件の部分は13ページです。13ページの安全性の点は、先ほどと同様になっていて、有効性の部分が肺癌の場合と異なっています。キイトルーダ、オプジーボを初めて使う患者さんも、既に他の薬剤で化学療法をされた患者さんも、どちらも有効性が示されているという結果が得られていますので、どちらの患者さんでも使用していただけます。ただ、悪性黒色種に関しては、現在、別の治療薬として、BRAF遺伝子変異のある患者さんに対してはBRAF阻害剤もありますので、そちらの治療も考慮していただくことを御案内させていただいています。資料12-3のオプジーボと、資料12-4のキイトルーダに関して、内容に関しては同じよう記載になっています。

 最適使用推進ガイドライン()の今後としては、次回の中医協総会でも、こちらの内容を確認していただくとともに、実際には保険適用上の留意事項ということで留意事項通知のほうにも、一部、反映されていくことになっています。御説明につきましては以上となります。御質問等がありましたらお願いいたします。

○清田部会長 いかがでしょう。御質問、御意見、どうぞ。

○渡辺委員 いずれのでもいいですが、施設基準、それから医師基準がしっかり明確に書かれているわけです。そういうことが規定されている所で、これらの薬剤を使用する医師にとっては、書いてあることは言わずもがなで当たり前のことなわけです。同様の情報は、例えばインタビューフォームなどで我々はチェックすることができるし、そうすると、かなりリダンダントというか、くだらなくて無駄な情報というか、くだらないと言ったら言葉が悪いですけれども、何のために出しているのか。いろいろ労力の無駄もあるのではないかと思いますが、ちょっとこれはフォーカスがぼけているような感じがするのです。対象は誰で、何のために、いつ見るようにということなのでしょうか。

○清田部会長 いかがでしょう。

○医薬品審査管理課長 医薬品審査管理課長でございます。御指摘いただいたとおり、この薬を真に専門の先生方に使っていただきたいということで、逆に専門家の先生方であれば、ほぼ御存じの内容であるということは、おっしゃるとおりかと思います。ただ、このガイドラインにつきましては、これまで私ども薬事担当の所から、こういったものをお示ししたことがなかったものですから、まず厚生労働省として、このようなガイドラインを策定し、新規の作用機序を持ち、また広く使われていくであろう医薬品に対して、きちんと厚生労働省として使用する施設等を限定し、かつ、どのような患者さんにお使いいただけるのかをお示しすることが、まず意味のあることではないかと思っています。さらに、保険適用上の留意事項として、このガイドラインに基づく通知を出させていただくことになっていますので、保険適用上のルールについても、これに基づいてきちんと示される。そこのところがこれまでと異なるところでございます。

○渡辺委員 例えば、先ほど申し上げたインタビューフォームなどは、機構のホームページから薬剤ごとにダウンロードもできる利便性がありますね。これらの情報は同じような形で、そこに並列のものとしてユーザーがアクセスできるという位置付けになりますか。

○医薬品審査管理課長 具体的にどのような形でというのは、まだ検討中のところがございますけれども、当然、ガイドラインとしてお示しする際には、公的な文書として通知をする予定です。また、ガイドラインの内容そのものについては、機構のホームページからすぐ御覧いただけるような方策を、これから取っていくつもりです。

○清田部会長 よろしいでしょうか。ほかに、どなたか御質問、ございますでしょうか。

○菊池委員 このガイドラインというのは、他の薬では全く見たことがないと思いますが、これは初めてのものということで、よろしいですか。

○医薬品審査管理課長 そのとおりです。

○菊池委員 そうしますと、ガイドラインというのが、今、法的な意味を持つとおっしゃいましたけれども、どの程度の法規的なものがあって、例えば、これに全然載っていない所の施設で使った場合に、どうなるのか。そういうことまで言うと、私は前から機構の方には文句ばかり言っていますけれども、熟練した医師がいる所でなければ駄目だということが書かれていますね。添付文書上には経験豊富な医師の下でうんぬんと書かれているわけであって、そしたら、このオプジーボとかは、施設の認定をしてある特定機能病院とか、癌拠点とか、そういう所でなければ使ってはならないという明確な書き方をされるのでしょうか。

○医薬品審査管理課長 従来のガイドラインでは、ここまで明確に、癌診療拠点病院でなければいけないとか、そういうことは書かれていないかと思います。あくまで病院での御経験であるとか、お使いいただいている医師が十分な御経験があるとか、そういった内容で少し漠然とした形で書いていたかと思います。ただ、今回のこのガイドラインにつきましては、医療保険上の取扱いをどうするかということとリンクして考えさせていただいていますので、具体的にはこれから通知の案等が示されるものと思いますけれども、医療保険上の取扱いをどうするかを念頭に置いて作られているものです。

○清田部会長 よろしいですか。

○菊池委員 分かりました。そうしましたら、もう一回確認ですが、このガイドラインというのがどれぐらいの法的な意味合いを持つのでしょうか。あまり詳しくないですが、法規とかありますよね。その流れでいくと、学会のガイドラインというのは学問的に出しているわけであって、それとは全然違い、もっと違う効力を持っているという解釈でしょうか。

○審議官 このガイドラインを作ることになった経緯については、昨年来の高額薬剤問題というところにも深く関わっているのです。ただ、当部会あるいは審議会の責任範囲というのは、あくまで薬として有効性、安全性をきちっと発揮するために、どのような使い方をするのがいいかについて御議論いただいて、その内容について御確認いただくことが一番のミッションです。そういう観点で、先生方にもたくさん御意見を頂いているということです。ただ、保険と薬事の間の連携をもっと密にする必要があることも、昨年来の議論の中から出てきている状況です。実はこのようなガイドラインは、本来であればその薬が登場するときに、既に作っていなければいけなかったということが想定されているのです。ですから非常に画期的で、本当にこういう薬をどう使うかについて、その時点で、得られている限りの知見を反映した格好でガイドラインを作り、それを徐々にデータを得ながら進化させていこうという発想なのです。

 ただ、オプジーボやキイトルーダにつきましては、既に世界的にも一定程度の知見が得られている状況で、今、試行的にこのガイドラインを作る状況になっているものですから、渡辺先生がおっしゃるように、専門家ならみんな知っているよみたいな内容を、リダンダントに書くみたいな格好に結果的にはなっているのですが、本来であれば、このようなガイドラインの中に書かれるものは、学会と機構、それから開発に関わった企業の持っている情報を結集し、このガイドライン案を基にして慎重にお使いいただきたい。その時点で最もふさわしいと考える患者さんにお使いいただきたい。そういう考えのもとに取りまとめるというものなので、保険適用も優先的に考えて、連携をとろうという目論見で作られているものです。

 もちろん、専門の学会の先生方がお作りになっているガイドラインなども、実際の診療の場において患者さんが選ぶ際とか、適切に治療を行うには、こういう条件が整っていなければということを、いろいろ含めていただいていたと思います。今回の一連の議論を通じて、非常に画期的だけれどもものすごく高価であるお薬を、医療保険が持続できるようにしながら、いかに適切に使うかに関して、関係する学会や規制当局の知恵を絞って、こう使いましょうということを取りまとめ、できるだけその範囲でお使いいただきたいということです。

 ただし、今、ここで想定しているのは、このガイドラインで示された形で使ったときに医療保険はカバーしますと。このガイドラインで示している以外の使い方を一切やってはいけないと言っているわけでは恐らくないと思います。科学的あるいは医学的には、まだこういう使い方もあるだろう、こういう使い方もできるだろうというところはあると思いますが、それは医療保険の中ではなく、あくまで治験とか臨床研究といったところでお使いいただくことを進めていただいて、それが本当に認められるような適切な使い方であるとなった暁には、ガイドラインを改定し、そのような使い方も包含して医療保険のほうでもカバーすることが将来的に考えられる。

 通常でも、今、既に進行中ですけれども、一番最初はメラノーマ、その次に肺癌、その後も悪性リンパ腫、腎癌といったものが適応として追加されてきているわけであり、そういうこともこのガイドラインの中には、今後、さらに反映されることも想定されています。そうしたことを進めながら、本当に必要な患者さんに適切な形で、こういった画期的な薬をお使いいただくことを目指そうと知恵を絞ったものということです。

 法的にということに関しては、このガイドライン自身は法律で決めているわけではなく、実際に医療現場でお使いになる医師の裁量に制限を掛けるとか、そういう話では決してないと思います。ただ、医療保険で使う場合の範疇が、このガイドラインで示された範疇に恐らくなるということが、今、想定されている状況です。一応、薬事と保険の関係をこちらでなかなか断定的に言いにくいところがあるのですが、今、全体構図としては保険サイドと薬事サイドが連携しながら、検討を進めているということで、このガイドライン案が、ここに挙がってきたということを御説明させていただきました。

○中野委員 小児科医で専門外なので観点の違うコメントですが、私は専門家ではないのでこういったのを出していただくのは、とても嬉しいので有り難いと思います。私が思うのは、ガイドラインという言葉について、細かい言葉の使い方はあまり申し上げたくはないのですが、ガイドラインであれば推奨度があって、エビデンスレベルがあって、文献検索の仕方があってというのがないとガイドラインではないと、学会でガイドラインを使っている立場としては思っているので、どちらかというとガイダンスとか手引きとか、そちらのほうが内容としては適切ではないかと思ったので、コメントさせていただきます。

○清田部会長 御意見として承っておくのはいいのではないかと思います。

○渡辺委員 私は、この施設についての所で()()が入っているというのは、かなり目線的には画期的というか実際的だろうと思います。今までは菊池先生が心配されたように、()から()ぐらいまでの施設にかなり絞っていたわけです。でも、ある程度、癌の薬物療法に手慣れた施設というので()()が含まれてきますので、これは非常にいいアプローチだと思いますし、こういうふうにすることによってレベルアップというか、全体のレベルアップにかなり寄与していくのではないかと思って、この点はとてもいいと思います。

○鈴木委員 薬食審の議論だけを聞かれていると、何でここでという気がすると思いますが、この議論は薬食審を超えて中医協で今、大きく議論されていて、要するに中医協では、薬食審はなぜこういう超高額の薬剤の適用拡大まで含めて、どんどん次から次へと承認しているのだと言われているのです。従来、薬食審はリスクベネフィットを議論する場であって、コストベネティットは議論しないということだったのですが、それでいいのかという批判が出たわけです。

 そういう中で、保険当局で全部作ってもいいのかもしれませんけれども、薬食審で厳密に審議をするわけですから、その時点でコストのことも少し考えてやってくださいと言うことです。特にオプジーボのような免疫チェックポイント阻害剤が、どんどん適用拡大され、従来の仕組みで言うと、使用量が増えても当初の高い薬価がそのまま付いてしまうことが問題にされ、今、抜本的な見直しをすることになっているわけです。是非、それについては薬食審の段階から、こうして意見を出していただきたいということで、この最適使用ガイドラインについても、薬食審の意見も入れられることになっていますから、ポジティブに考えていただき、是非、そういう議論にも参加していただきたいと我々医師会としては考えています。要するに、何でもかんでも次から次へと薬事承認されたら、イコール保険適用というのが許されない時代になって、このままでは国民皆保険がもたないということです。それには薬食審も一定の役割というか、責任を果たしていただきたいということだと思います。

○清田部会長 ありがとうございます。貴重な御意見だと思います。よろしいですか。付け加えることはございませんか。

○森田委員 今、お話があったように、今までオプジーボのときもキイトルーダのときも、コストの話ということで何回か発言させていただいて、今回、出てきたガイドラインですけれども、ガイドラインという言葉は法的に拘束力がどうなのかというのは一番気になるところであり、こういった高額薬剤の問題というのは、マスコミもいろいろな光の部分をすごく大きく言うので、患者さんにとっては夢のような薬なのです。このオプジーボが肺癌に適用されるときも社会的にすごく注目されていたし、患者さんの中では、今、やっているいろいろな化学療法に加えて、是非、これをやってみたらと、すごく期待感があったりする薬剤だと思います。

 その中で、こうやって今回、きちんとガイドラインが示され、そのガイドラインはあるけれども、患者さんがものすごく期待するところに、ほぼ()とか()が入ったのできちんとした施設だろうと思いますが、そうではない施設が例えば患者さんの希望に沿って出す。それで医療保険の適用になるかどうかも、ガイドラインなので、そこのところはどこまでの拘束力なのか分からないままです。本当に必要な方に、必要な所で使われればいいのですが、患者さんの期待みたいなところが膨らむような使われ方ができてしまうのではないか。このガイドラインの位置付けが緩いことで、できることがあるのではないかと心配もするわけです。こうやってガイドラインができたら、その後、そのガイドラインのお陰でどのぐらいきちんとした人に届くかという評価ということもどうなのか。今後、例えば作ったら作りっ放しでなく、どうなのかということも心配されるところです。

 一方、こうやって施設を限定すると、小さい所でこの先生にずっと見ていただきたいというときに、保険が適用できないみたいなことも起こるということもあるのでガイドライン全体の位置付けというのが、どのぐらいなのかが分からないところがあるので教えていただければと思います。

○審議官 これまでの説明でも、実はそこは申し上げているのですが、基本的に、このガイドラインで示された施設、患者要件、医師の要件に合致する状態で使った場合は医療保険で給付しますという関係で、このガイドラインが活用されることを想定して、このような内容を調整してまとめてきた形になっています。そういう意味では保険診療で使われる上での制限に、このガイドラインが使われることが予定されているということ。これが現状です。

 そうしますと、現実的には物がすごく高額な薬剤ですから、医療保険のカバーがなくて使うのは実質的に困難になるという点で、ここで示している肺癌、メラノーマ等、薬事承認がちゃんとあるもの以外の適用で使うことは、基本的に医療保険ではカバーされません。そういったところは、あくまで臨床研究や治験という格好で患者さんにアクセスのチャンスが提供されることが一般的なやり方です。

 今、オプジーボにしてもキイトルーダにしても様々な適用について、その適用での治療の可能性を期待される患者さんが参加する形で開発が進んでいるということですから、そこは当然、その効き目についても、あるいは副作用についても、これはまだまだ新しい作用メカニズムの薬ですので、どんな副作用が出てくるか十分に分かっているわけではありません。そのことに対して万全の対応ができるという点では、相当、体制の整っている医療機関、そして専門医がちゃんと見ていただく中でお使いいただくことを勧めている状況です。治験や臨床研究でやっている所は、そういうことが大前提であるということで御理解いただければと思います。次第にデータが得られて有効性、安全性が確認され、適切に使うにはこういう注意をすればいいということが分かってくるにつれて、関係者の間でよく議論した上で、医療保険でカバーされるようになっていくように事が進むのが順序ということだと思います。一応、現状はそういう格好です。

 もう一つ、鈴木先生から御指摘いただいた話に関して言えば、高額な薬剤がたくさんの人に一気に使われることで、医療保険の財政が危機的な状態になるのではないかという懸念に対して、昨年来、非常に真摯な議論が様々な場で行われていて、一つは適正に使うということ。それがこのガイドラインの目指すところです。もう一つ、価格についても実際に想定されている患者さんの数がグンと増えましたから、そういうことを考えると値段を引き下げるルールの適用をしていいだろうということで、この2月からオプジーボの薬価は50%引き下げられた。これも併せて行われています。したがって、価格面での対応と、有効性、安全性をきちっと期待できる使い方ということで適正に使うという面と、多面的なアプローチで、こういったお薬を使いこなしていくことでいろいろな努力がされている状況です。できるだけ患者さんにチャンスのあるケースにおいては、そのアクセスを阻害しないようにということも、おっしゃるように大事な視点ですので、それについては、今のところ臨床研究若しくは治験という中でアクセスをしていただく道が、開かれているということだと思います。

○清田部会長 よろしいでしょうか。ちょっと微妙なところもありますけれども、そんなような御理解ですね。そんな心配するようなガイドラインではないということと、先ほどあった診療ガイドラインとはちょっと違うということですね。これは全然違う話でございますので、そこも御理解いただきたいと思います。よろしいでしょうか。ほかに、事務局から御連絡はございますか。

○事務局 次回の部会は3月3日()、午前10時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。

○清田部会長 それでは、本日はこれで終了させていただきます。ありがとうございました。

 

 


(了)

備  考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課 課長補佐 清原(内線2746)

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