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2017年4月19日 第18回厚生科学審議会 再生医療等評価部会 議事録

医政局 研究開発振興課

○日時

平成29年4月19日(水)15:00~16:00


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省共用第6会議室(3階)


○出席者

【委員】

福井部会長 荒戸委員 今村委員 梅澤委員 大澤委員
掛江委員 紀ノ岡委員 木下委員 鈴木委員 高橋委員
田島委員 柘植委員 戸口田委員 中村委員 花井委員
前川委員 南委員 山口委員 矢守委員

【事務局】

医政局研究開発振興課 森光課長
大臣官房厚生科学課 下川研究企画官

○議題

1)遺伝子治療等臨床研究に関する実施施設からの申請等について(公開)
2)その他(非公開)

○議事

○森光課長
 定刻になりましたので、ただいまから第18回「厚生科学審議会再生医療等評価部会」を開催いたします。本日は部会の定数25名に対し現時点で18名の委員の方々に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条に定められております定足数に達していることを御報告申し上げます。

 本日の会議資料の確認をお願いいたします。議事次第、座席表、委員名簿、資料1「遺伝子治療等臨床研究に関する実施施設からの申請等について」ということで、九州大学病院と岡山大学病院からの申請の資料。資料2-1として、「再生医療等安全性確保法に基づく疾病等報告及び重大事態報告」について。資料2-2として、参考条文が付いております。不足等ありましたらお知らせいただきたいと思います。よろしいでしょうか。

 以後の進行につきましては、福井部会長にお願いいたします。

○福井部会長
 早速議事に入ります。議事1「遺伝子治療等臨床研究に関する実施施設からの申請等について」、事務局より説明をお願いします。

○下川研究企画官
 資料1を御覧ください。2件の報告事項がございます。まず、九州大学病院からの遺伝子治療と臨床研究計画申請について御報告いたします。研究の名称は「慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びビュルガー病)を対象としたAMG0001の筋肉内投与による遺伝子治療」です。5ページの項目6の遺伝子治療臨床研究計画の概要の欄を御覧ください。この研究は、代替治療が困難な慢性動脈閉塞症患者を対象に、HGF遺伝子が組み込まれたAMG0001を虚血肢の筋肉内に局所投与し、安静時の疼痛、潰瘍の治療効果、安全性を探索的に検討することを目的としております。

 次に、15ページに飛びます。備考欄を御覧ください。今回の申請は既に大阪大学医学部附属病院を中心として行われています多施設共同臨床研究に、新たに九州大学病院が加わるものです。九州大学も他の施設と同様の対象、用法・用量及び試験デザインとなっております。目標登録症例は予定される実施医療機関全体で6例を予定しており、既に4例終了しております。この件に関しては、遺伝子治療研究に関する審査委員会の先生方に御確認を頂きまして、新規性はなく、了承して差し支えない旨の回答を頂きました。これを受けて、その旨、九州大学病院に回答しましたので御報告いたします。

 続いて、岡山大学附属病院からの重大事態等報告について御説明いたします。資料は135ページになります。かなり後ろになります。研究の名称は「頭頸部・胸部悪性腫瘍に対する腫瘍選択的融解ウイルスTelomelysinを用いた放射線併用ウイルス療法の臨床研究」です。139ページ、研究の目的及び意義です。Telomelysinは、がん細胞で正常細胞より、テロメラーゼ活性が高いことを利用して、腫瘍内で増殖し細胞死を誘導する腫瘍選択的融解ウイルスです。この研究では頭頸部・胸部悪性腫瘍を対象に、腫瘍内に局所投与して、同時に局所放射線治療を行った場合の安全性の検討と治療効果の観察を行うことを目的としております。

 次に、一番下の欄の重大事態等の内容及びその原因の欄を御覧ください。85歳の男性で胸部食道扁平上皮がんのために、平成262月から3月までの間、計3回のTelomelysinの腫瘍内投与を行い、併せて4月の初めまでの間、放射線治療も行っております。顕著な副作用もなく、治療後3か月目の内視鏡検査や生検で悪性細胞は検出されず、完全寛解となっております。次のページを御覧ください。その1年半後、以前からあった胃腺腫から乳頭状腺がんが出たため、ESD、つまり、内視鏡的粘膜下層剥離術を施行し退院されております。これについては、放射線照射野から外れ、組織型も異なるため、異時性多発がんであり本治療との因果関係はないと判断されております。その後、1年以上たっても上部消化管内視鏡検査やPET-CTでも転移再発がないことが確認されております。平成291月になり、発熱と炎症反応の上昇、胸水貯留がありましたが、抗生剤、利尿剤投与で軽快しております。平成292月のCTでは、胸水減少、肺炎像等も認められず、著変なく過ごしていたのですが、その後同じ2月に倦怠感が出現し、その翌日に急変して救急搬送されましたが、心肺停止状態でお亡くなりになられております。剖検や組織採取は、家族が希望されず行っておりませんが、Telomelysinの最終投与から211か月経過しており、昨年12月の時点で原病の再発も認められず、死因の特定は困難ではあるが、急性心不全など、Telomelysinと因果関係のない他病死と考えられるというように倫理審査委員会で判断されております。この件に関して本部会に御報告する前に、遺伝子治療臨床研究に関する審査委員会の委員の方々に御確認を頂いておりまして、因果関係は考えにくい旨を回答いただいております。説明は以上です。

○福井部会長
 ありがとうございます。ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いします。最初の九州大学病院の件については、全く同じプロトコールのもと、病院を増やすということですけれども、これはお認めしていただいてよろしいでしょうか。

2件目の岡山大学病院からの報告ですが、いかがでしょうか。Telomelysinの投与と関係ないという判断です。これもそのように認めてよろしいでしょうか。

○花井委員
 内容とは関係ないのですが、報告事項になっているということは、もう遺伝子治療等の研究のほうで承認されているのを報告を受けたということですけれども、ここでの役割は聞き置く。もしくは、ここでそれをひっくり返すことができるというのではなく、報告事項ですよね。なので、役割としては制度設計上どうなっているのかなと、聞き置けばいいのかなと、そこをちょっと確認できますか。

○下川研究企画官
 審議会に諮りますのは、新規性があると認められた申請と重大な研究計画の変更等になります。それ以外の重大事態等の発生、それから、今申し上げた新規性のない研究計画の申請については報告というようになっております。

○花井委員
 後者の部分は、因果関係は読むからに素人的にもなさそうですけれども、それがないという。ここで、いや、あるのではないかということはあり得るということですか。因果関係がある、ないというのは、結局のところ、これは推定するしかないですね、剖検もしていないということなので。

○下川研究企画官
 報告ということになっておりますけれども、ここで頂いた御意見は研究機関にフィードバックするようにいたします。

○花井委員
 なるほど、分かりました。すみません、細かいことで。

○福井部会長
 ここで了解していただけるかどうかということが手続き上必要だということですけれども、この件についてよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。本部会として、この2件とも了解することにいたします。

 

(非公開部分の議事概要については以下のとおり)

 

議事:その他

議事概要:

再生医療等安全性確保法に基づく疾病等報告及び重大事態報告への対応について、事務局より報告がされた。


(了)

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