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2017年2月6日 平成28年度第1回医薬品の成分本質に関するワーキンググループ議事概要

医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課

○日時

平成29年2月6日(月) 10時00分~12時10分


○場所

厚生労働省 仮設第3会議室(仮設会議室棟2階)


○出席者

○構成員(敬称略・五十音順)

伊藤 美千穂 (京都大学大学院薬学研究科准教授)
梅垣 敬三 (国立健康・栄養研究所情報センター長)
海老塚 豊 (国立医薬品食品衛生研究所客員研究員)
大塚 英昭 (安田女子大学薬学部教授)
小川 久美子 (国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター病理部長)
小関 良宏 (東京農工大学大学院工学研究院教授)
合田 幸広 (国立医薬品食品衛生研究所薬品部長)
関野 祐子(東京大学薬学部薬品作用学教室特任教授)
西川 秋佳 (国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター長)
袴塚 高志 (国立医薬品食品衛生研究所生薬部長)

○監視指導・麻薬対策課

伊澤 知法 (監視指導・麻薬対策課長)
木下 勝美 (監視指導室長)
江野 英夫 (課長補佐)
塩川 智規 (危険ドラッグ監視専門官)
尾藤 孝弘 (薬事監視第一係長)

○生活衛生・食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室

小野澤 由子 (健康食品安全対策専門官)

○議題

新規成分本質(原材料)の審議について

○議事

昭和46年6月1日付け薬発第476号厚生省薬務局長通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の別紙「医薬品の範囲に関する基準」の別添1の「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」(以下、「判断基準」という。(注))に基づき審議した。

 

○ アドニス花弁色素抽出物

照会品目は、新開発の化合物であり、これまで食経験がないものである。

また、照会品目は、申請者独自の技術によりアドニス花弁から強心配糖体を除去し、色素を抽出したものであるが、そのような特定の抽出法を条件に、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」(以下「専ら医」という。)に収載されている「アドニス属(Adonis属)全草」の「花弁」から抽出した色素を「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」(以下「非医」という。)とすることは困難である。

 

○ トウチュウカソウ(コウモリガ科の幼虫を乾燥したもの)

「判断基準」に該当する項目がなく、中華料理で使われているなど食経験があることから、「非医」とすることが妥当とされた。

 なお、現在「非医」としている「トウチュウカソウ」の部位を、「子実体及びその寄主であるセミ類やコウモリガ科の幼虫を乾燥したもの」と変更することとされた。

 

○ シデリティス・スカルディカ(茎、葉、花)

「判断基準」に該当する項目がなく、トルコからヨーロッパにかけて飲まれているハーブティーであり、食経験があることから、「非医」とすることが妥当とされた。

なお、別名として、学名「 Sideritis scardica 」を記載することが妥当とされた。

 

○ ナガミノアマナズナ(種子油)

「判断基準」に該当する項目がなく、カナダにおいて食用油として使用されているほか、安全性にも問題があるとは考えられないことから、「非医」とすることが妥当とされた。

なお、別名として、学名「 Camelina sativa 」を記載することが妥当とされた。

 

○ ムラサキムカシヨモギ

ムラサキムカシヨモギは国内では長期にわたる食経験がない。アジア(タイ、インドネシア、フィリピン、インド)において煎じ茶として飲まれている。また、タイでは禁煙目的の民間用薬として使用されている。

文献を調査したところ、毒性の強いアルカロイドを含むという情報があるほか、申請者が提出した論文によると、投与群と非投与群のGOTGPT、クレアチニンクリアランスに有意差があり、多量に摂取することによる肝毒性や腎毒性が発生すると記載があるため、ムラサキムカシヨモギを食品として多量に摂取した場合、健康影響が懸念される。

なお、申請者の情報によると、食品ではないが、国内でムラサキムカシヨモギを使用したスプレー式の吸入ダイエット商品があるとされている。(同一商品かは明らかでないが、インターネット上には、スプレーで手に塗布し、手からの成分の吸収ないし手から揮発した成分の吸入により「満腹中枢を正常化する」作用を発揮するという商品が販売されている。)そのため、ダイエット目的でムラサキムカシヨモギを含む食品が多量に摂取されるおそれがある。

また、海外(タイ)で禁煙の目的で使用されている丸薬は、総合病院で処方されているとの情報があることから成分的に濃縮されている可能性が高く、そのような製品が国内に流通すれば、健康影響が懸念される。

よって、毒性及び海外(タイ)での使用実態を総合的に考慮し、ムラサキムカシヨモギの全草を「専ら医」と判断する。

 

○ カジメ

「判断基準」に該当する項目がなく、安全性に問題があるとは考えられないことから、「非医」とすることが妥当とされた。

また、「非医」に「カイソウ<海草>」部位等「海中の食用藻類」と記載されているが、「海草」は誤字であり、「海藻」とするのが正しいとされたため、「カイソウ<海藻>」部位等「海中の食用藻類」に修正する。

なお、「カジメ」は「カイソウ<海藻>」部位等「海中の食用藻類」に含まれる。

 

○ 食鳥肉由来プラズマローゲン

  照会品目は、ニワトリの可食肉部からエタノール抽出して濃縮したものである。「判断基準」に該当する項目がなく、安全性に問題があるとは考えられないことから、「非医」とすることが妥当とされた。

  リストへの収載方法については、「非医」となっている「ニワトリ」の部位に「可食肉部からエタノール抽出して濃縮したもの」を追加することとされた。

なお、現状、他名として「ケイナイキン」と記載されているので、誤解が無いように、部位「胃の内壁(ケイナイキン)」、別名なし、と修正する。

 

○ ホモタダラフィル

  タダラフィルの類似化合物で、同様に薬理作用があると考えられるため、「専ら医薬品として使用される成分本質」とすることが妥当とされた。

 

(注)「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」の考え方

(1)専ら医薬品としての使用実態のある物

     解熱鎮痛消炎剤、ホルモン、抗生物質、消化酵素等専ら医薬品として使用される物

 

(2)(1)以外の動植物由来物(抽出物を含む。)、化学的合成品等であって、次のいずれかに該当する物。ただし、一般に食品として飲食に供されている物を除く。

    1.  毒性の強いアルカロイド、毒性タンパク等、その他毒劇薬指定成分に相当する成分を含む物(ただし、食品衛生法で規制される食品等に起因して中毒を起こす植物性自然毒、動物性自然毒等を除く)

    2.  麻薬、向精神薬及び覚せい剤様作用がある物(当該成分及びその構造類似物(当該成分と同様の作用が合理的に予測される物に限る)並びにこれらの原料植物)

    3.  処方せん医薬品に相当する成分を含む物であって、保健衛生上の観点から医薬品として規制する必要性がある物


<照会先>

厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課
03-5253-1111(内線2767)

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