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2017年3月27日 第2回社会福祉施設等調査及び介護サービス施設・事業所調査の改善に関するワーキンググループ 議事録

政策統括官(統計・情報政策担当)付参事官(企画調整担当)付統計企画調整室

○日時

平成29年3月27日(月) 13:00~14:00


○場所

厚生労働省政策統括官(統計・情報政策担当)会議室
(中央合同庁舎5号館21階11号室)


○出席者

構成員(五十音順、敬称略、○:主査)

  樋田 勉
  永井 暁子
○野口 晴子
  西郷 浩

事務局

  細井統計企画調整室長
  藤井統計企画調整室長補佐
  大澤統計企画調整室長補佐
  瀧原審査解析室長
  新居審査解析室長補佐
  原田社会統計室長
  川津社会統計室長補佐
  十川社会福祉統計専門官

○議題

社会福祉施設等調査及び介護サービス施設・事業所調査における調査方法の見直しについて

○議事

○細井統計企画調整室長

 ただ今から、「第2回社会福祉施設等調査及び介護サービス施設・事業所調査の改善に関するワーキンググループ」を開会させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、早速でございますが、以降の進行については、野口主査にお願いいたします。

 

○野口委員(主査)

 早速、前回に引き続いて第2回ワーキンググループの議事を進めてまいります。本日は、37日に開催した第1回会合の際に、委員の皆様から頂いた御意見、課題について事務局から説明をしていただき、議事を進めてまいります。

 

○原田社会統計室長

 資料の説明をさせていただきます。第1回ワーキンググループにおいては、委員の皆様より大変貴重な御意見を頂きましてありがとうございました。頂いた御意見を踏まえ、今回資料を用意させていただきました。資料1に、前回のワーキンググループで頂いた御意見の概要をまとめております。

 1番は、標本調査化することにより、結果精度が向上するという説明が分かりにくい。標本調査化すると、新たに標本誤差も加わるという点も踏まえ、適切な表現にしたほうがよいのではないか。2番は、施設・事業所における開設・廃止の状況を踏まえた標本設計や調査方法にしたほうがよい。3番は、回収率が低下すると結果精度も低下するため、回収率を向上させる方策を検討する必要がある。4番は、調査票の送付方法についても工夫したほうがよい。5番は、未回収の要因を調べて示してほしいという御意見を頂きました。1番から5番までについては、後ほど資料2以降で詳しく御説明いたします。

 6番は、標本設計に用いるデータは、過去3年程度の変動を考慮したほうがよいのではないかという御意見。こちらについては御指摘を踏まえ、対応方針について事務局のほうで整理をさせていただきたいと思います。

 7番は、過去の全数調査のデータについて、今回の標本設計(抽出率)によりシミュレーションした結果を出すことはできないかという御意見。こちらについては、前回のワーキンググループでも、私のほうから若干補足説明をさせていただきました。過去のデータについて推計値を新たに公表することになると、同一の調査で複数の結果数値が存在することになりますので、調査結果を御利用頂いている関係者の皆様に混乱を招くことが懸念されること、過去の公表値が誤りであったのではないかという誤解を招きかねないということで、こちらについては過去のデータの推計値は出さない扱いとさせていただきたいと思います。御理解いただきますようお願いいたします。

 8番は、欠損値の補完方法について整理しておいたほうがよいという御意見。こちらも、前回のワーキンググループで私のほうから若干申し上げましたが、欠損値の補完についてはしないという扱いで考えています。

 9番は、標本設計における層と、結果表章をする場合の層が異なる場合の標準誤差率についての考え方を整理したほうがよいという御意見。こちらについても御指摘を踏まえ、対応方針について事務局のほうで整理をさせていただきたいと考えております。

 資料2以降で、主に回収率の関係を詳しく説明させていただきます。資料2は、前回のワーキンググループの際に、標本化することで精度が上がるということが分かりにくいという御指摘を頂きましたので、全数調査から標本調査になると何が変わるのかを、イメージとして図示した資料を用意いたしました。現在は、左側の全数調査の所で、全数を調査客体として、全ての調査客体に郵送で調査票をお送りしております。このうち一定数の未回収が生じますので、回収されたもののみを実数値として公表しております。その調査結果の実数値が実態と乖離している、あるいは回収率が変動してしまいますので、調査結果実数値での経年比較ができないというのが今の課題です。

 これが右側の標本調査になると、全数のうちから一定のものを抽出し、その抽出対象に対して、郵送で調査票をお送りするという形になります。こちらの抽出対象なのですが、下の※に書いてあります。抽出率については、目標標準誤差率が5%以内となるよう設計した当初の抽出率に、過去の回収率、それから廃止の状況を勘案して設定をしております。こうして抽出された所に調査票をお送りして、これでも一定数未回収が生ずることが予想されますが、全体の調査客体数が減少しておりますので、未回収の数についても一定程度減るであろうと。そういうことで、未回収の対策を従前より効率的に実施できるのではないかということが期待されます。

 回収されたものについては、母集団全体の状態を推計し、推計値ということで公表いたしますので、調査結果推計値での経年比較が可能となります。また、調査客体数が減少いたしますので、調査される側の負担の軽減、あるいは我々調査を実施する側の効率化も図られるのではないかと考えています。

 資料3は、抽出率をどのような過程で設定しているかという説明資料です。今回、抽出対象にする6つのサービスについて、一番右側の欄が、当初の抽出率ということで、これが目標標準誤差率が5%以内となるように設計した場合の抽出率です。その左側の欄は「回収率」と書いてあります。過去3年の回収率が最も低い率をここに掲げております。その左側は「廃止への移行率」ということで、こちらは過去3年の廃止への移行率の最も高い率を掲げております。当初の抽出率に、これらの過去3年の回収率であるとか、廃止への移行率を加味した上で、一番左側の抽出率を設定しています。

 保育所で見ると、当初の抽出率が15.6%に対して、一番左側の所が19.8%ということで、4.2%プラスです。保育所はこの差が一番少ないのですが、次の有料老人ホームの所を見ると、当初の抽出率が57%であったのが、最終的に設定した抽出率が72.9%ということで16%ぐらいのプラスになっています。過去の回収率の低い所、あるいは廃止への移行割合が高いものについては、こうした形で抽出率に反映させて設定しています。

 資料4は、施設・事業所の過去3年の新設・廃止の状況です。こちらも前回のワーキンググループのときに御質問があって、口頭で私のほうから御説明させていただきましたが、改めて資料にデータとして掲載したものです。一番左側が、6サービスの施設・事業所の数(過去3年分)、その右側が、そのうち新設された施設・事業所の数と割合です。一番右側が、廃止施設・事業所数の数と割合を示しています。

 新設については、サービスごとにそれぞれかなりばらつきがあります。特徴で申し上げますと、有料老人ホームが23.9%から30.8%ということで、他のサービスと比べると施設がどんどん増えておりますので、新設の割合が高いということになります。廃止については、大体5%までの間に収まっているかと思います。保育所が11.5%ということで、平成27年は増えております。保育所から幼保連携型認定こども園、あるいは保育所型認定こども園に移行した施設のデータが含まれておりますので、数字が膨らんでおりますが、大体5%未満ぐらいで推移していると考えています。

 資料5を御覧ください。今御説明しましたように、社会福祉、介護の施設・事業所については、新設・廃止の割合もかなり多いところですが、私たちが調査をする上で、調査対象名簿をどのように作成しているかを図示したのが資料5です。一番左側に前年の基本票(前年101日現在)とあります。前年101日現在の基本票のデータから、調査対象名簿を作成いたします。調査対象名簿については、真ん中に「当年51日現在」とありますが、51日現在で一度確定いたします。この時には都道府県に作業をお願いし、前年の101日からその年の51日までの間に新設されたものについては、それを加えた上で51日時点の調査対象名簿を作成いたします。調査時点はこの年の101日ですが、9月頃に詳細票を発送し、調査をすることになっています。

 ただし、この51日から101日までの間に、また新設される事業所がありますので、そちらについては、その年の101日の基本票で把握されたデータを基に、また新設分だけ改めて11月に詳細票を発送するという形になっています。こういう形で調査対象名簿を作成しておりますので、新しく新設された施設・事業所については、漏れなく調査票が届くような仕組みで実施しています。

 資料6は、前回未回収の要因をもうちょっと詳しく分析したほうがよいのではないかという御指摘を頂きましたので、事務局のほうで整理をさせていただいた資料です。資料6の一番上の箱の所が、6サービスの未回収の施設・事業所数と未回収率を示したものです。一番上の保育所で見ると、全数に対する未回収の割合は5.4%、有料老人ホームが15.2%、通所介護が15.7%、訪問介護がちょっと高くて21.5%、介護予防支援が7.4%、居宅介護支援が14.2%という状況になっています。

 その右側が「うち未達」ということです。いろいろしても、到達しなかったものが一定程度発生しています。一番高いもので、訪問介護の2.2%、低い所では保育所の0.4%です。12%という、全体に対する割合では非常に少ない割合ではあるのですが、一定程度未達のものも生じている状況です。

 その下は、経営主体別の未回収率を表にしたものです。福祉と介護で取り方が違っておりますので、上段と下段で平仄が取れておりません。保育所と有料老人ホームを上段の表で見てください。営利法人や、その他の法人、これはNPOとか宗教法人ですが、この辺りが特に有料老人ホームの未回収率が高い状況です。下のほうは介護です。全体を見ると、特に目立つのが協同組合の所で、こちらは生協と農協です。こちらの未回収率が非常に高いというのを、今回先生方の御指摘を頂いて、私どもとしても分析をして初めて分かりました。こういう状況が生じていて、未回収対策という意味でも、こういった特に未回収率の高い所を重点的に対応していく必要があると思っています。

 裏面は、規模別の未回収率を表にしています。保育所と有料老人ホームについては、規模によって特に規模の小さい所の未回収率が高いという状況は余り見て取れませんけれども、介護のほうは顕著に表れております。左側のほうが利用人数とか、訪問回数など少ないほうですが、規模の小さい所のほうが、未回収率が高いという状況が見て取れます。

 資料7は、前回お示しした資料と一部重複いたします。回収率向上のための取組ということでまとめております。厚生労働省による取組の所ですが、現在回収率向上のための取組として、施設・事業所に対する調査への協力依頼ということで、調査への協力依頼に係る広報、ホームページへの掲載、広報誌への掲載などを実施しております。それから、厚生労働省政策統括官名の協力依頼文書を送付する等の協力依頼をさせていただいています。

 次に、都道府県等に対する調査への協力依頼です。都道府県等に対して、調査への協力要請等についての協力依頼を発出しております。施設・事業所から問合せがあったとき等に対応してほしいというお願い、あるいは自治体のホームページに調査への協力依頼の掲載をお願いしています。関係団体に対しても、調査への協力依頼をさせていただいております。調査対象施設・事業所の関係団体に個別に対応しています。ただ、先ほど御説明しました、未回収率が非常に高かった、生協であるとか農協の団体については、これまでこういう協力依頼を発出していなかったこともありますので、今後は、特に未回収率の高い施設・事業所が属している団体に対しても広く協力依頼をしていきたいと考えております。

 それから、調査受託者による取組ということで、調査票未提出の施設・事業所に対する督促等の対応をお願いしています。調査票の提出期限前、提出期限ギリギリの段階では、それほどまだ回収率が高くない状況ですので、調査票の期限提出前に、まず調査への協力を呼びかけるはがきをお送りいただいております。調査票の提出期限後に、まだ届かない、提出のない施設・事業所に対しては、電話で督促を実施していただいております。

 参考で過去3年の電話督促数等について表で示しております。平成27年で見ると、電話督促をしていただいた回数が27,971、このうち調査票を回収できた割合が45.3%ということで、調査を受託いただいている事業者の御努力により、かなり回収率を上げていただいています。

 今後考えられる取組を3点ほど挙げています。オンライン調査対象範囲の拡大ということですが、どれだけ拡大できるかというのは、これから検討していきたいと思っております。現在の調査では、福祉と介護で、それぞれ1調査票ずつオンライン調査を導入しています。福祉で言うと、幼保連携型の認定こども園票で、オンライン調査を導入しております。これはまだ途中経過ですが、平成281021日現在のオンラインでの回答率が29.1%。介護のほうは、居宅サービス事業所(医療関係)票に導入していて、同じく14.3%ということです。オンライン調査を導入することで、選択肢を増やすことにより、できるだけ回収率を上げていきたいと考えております。

 2番目は先ほどと重複いたしますけれども、関係団体への協力依頼範囲の拡大・重点化ということで、今まで協力依頼をさせていただいていなかった団体に対しても、これからは拡大していって、できるだけ回収率を挙げるように働きかけていきたいと考えております。

 3番目は、調査対象客体への対応の充実です。今回標本調査にすることで、調査客体自体が減少する。これにより未回収のものについても一定程度減少することが見込まれますので、より手厚い対応ができるのではないか。こちらは調査を受託していただく事業者との御相談になりますけれども、少しきめ細やかな形で対応を充実していきたいと考えております。

 資料8は、前回A4判横の資料でお示ししたものを、縦書きにしてまとめ直したものです。本日また御議論いただきますので、それを勘案した上でということになろうかと思いますが、この両調査の見直しの方向については、基本的にはこのような方向で進めていきたいと我々のほうでは考えております。この基本的な方向性について、本日御議論いただき、御意見を頂ければと考えております。基本票については前回も御説明いたしましたが、全数調査ということでこれまでと変わりません。詳細票について、目標精度については、両調査ともに、サービス別に、中心的な職種の都道府県別従事者数及び常勤換算従事者数の標準化率が5%以内となることを目標精度とする。

 抽出方法については前年調査により得られた名簿に記載された施設・事業所を母集団として、サービス、都道府県を層とする層化無作為抽出法により抽出する。抽出率については先ほど御説明しました、目標標準誤差率が5%以内となるよう設計した抽出率に、過去の回収率及び廃止の状況を勘案して設計する。対象サービスについては、これまで御説明しておりますように、保育所、有料老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅以外)、訪問介護、通所介護、居宅介護支援、介護予防支援の6つのサービスを標本調査の対象として、それ以外のサービスについては1/1抽出で考えております。

 結果の推計方法の表章ということで、詳細表についてはサービス別、都道府県別に母集団全体の状態を推計する。集計結果については、都道府県別までの表章とするということです。

 裏面は見直しの効果です。先ほど御説明しましたように、現在では実態との乖離があるということと、実数での経年比較ができないという課題があります。標本調査方式を導入し、1/1抽出のサービスを含む全てのサービスで、母集団全体の状態を推計することにより、推計値による経年比較が可能となると考えております。「また」以下の所は、前回の資料に付け加えた部分です。調査客体数が減少することで、未回収客体への対応を効率的に実施することが可能となり、回収率向上に伴う結果精度の維持・向上が見込まれる。今後もこれまでの取組に加え、オンライン調査の活用も含めた更なる取組について検討してまいりたいと考えております。実施時期については、準備期間等を考慮し、平成30年度より実施ということで考えております。私からの説明は以上です。

 

○野口委員(主査)

 ただいまの事務局からの御説明について、まず資料1から資料7までについて、御意見を伺いたいと思います。御質問も含めて、委員の皆様、何かありますか。

 

○永井委員

 単純な質問でちょっと恥ずかしいのですが、資料6の裏面のほうですが、通所介護、訪問介護、居宅介護の総数のパーセントについて、人数別のパーセントの全体よりも高いのですが、総数の出し方と人数別の出し方では何か違いがあるのでしょうか。

 

○原田社会統計室長

 総数の所は、施設・事業所数の総数を分母にして、実際に未回収があった所の施設・事業所数を分母にしたものです。規模別の区分の所については、それぞれの区分に属する施設・事業所の総数が分母にきていて、未回収の施設・事業所の数が分子にきているということで、それぞれ別に計算しております。全体の事業所数に占める規模のばらつきによって、今のような総数とそれぞれの規模別の所の回収率の違いが出ているのかなと考えております。

 

○西郷委員

 加重平均になるので、たくさん数がある所のウエイトが高くなります。

 

○瀧原審査解析室長

 ただし、加重平均はかかるのですが、総数がどれよりも低くなるということは、加重平均では起こらないので、起こるとしたら不詳をどう扱っているかだけなのですが、不詳は総数から抜いているのですか。

 

○十川社会統計室社会福祉統計専門官

 総数には不詳を含んでおります。

 

○西郷委員

 それですね。

 

○永井委員

 分かりました。不詳の所ですごく高くなっているということですね。確認しました。

 

○野口委員(主査)

 他にいかがでしょうか。

 

○西郷委員

 細かいことなのですが、3点ほどあります。まず、資料4に関して2点あって、1つはもともとの保育所が幼保連携型に変わったときには、これは対象から外れるという扱いになるのでしょうか。先ほど廃止の割合が平成27年だけ11.5%と高いという話のときに、下の2)の所で保育所から幼保連携に変わったからだという御説明だったのですが、そうすると、幼保連携型というのは対象ではないということなのかというのが確認の1点目です。

 もう1つは、同じようなことなのですが、ここで言っている新設とか廃止というのは、例えば他の事業所系の調査ですと、調査区を跨がって移動があった場合には、たとえ同じ事業所であったとしても、出ていく元の調査区のほうでは廃止という扱いになって、入っていった新しい調査区のほうでは新設と扱われているのですが、ここでおっしゃっている新設とか廃止は、通常のそういう調査区を跨がったときに使っている新設と廃止と同じ解釈でいいのか、それともこちらの調査は違うのかを伺いたいというのが2点目です。

 3点目は質問というよりは、前回のワーキンググループのコメントに対する私自身、個人の感想なのですが、資料1の最初のものですか、標本調査化することによって精度が向上するという説明は、どうも不自然だという議論が前回行われたようなのですが、私自身は調査の規模を小さくすることによって、回答誤差とか非標本誤差は、多くの場合は減らすことができるので、全数調査よりも標本調査のほうがかえって精度が高くなるというのは、むしろ私自身が自然のことと受け取っていたので、そういう意味では感覚がちょっと、私とは違うかなという意見を持ったと、それだけ付け加えておきたいと思います。以上です。

 

○野口委員(主査)

 御回答よろしくお願いします。

 

○原田社会統計室長

 2点御質問を頂きました。1点目ですが、保育所から認定こども園に移った場合の扱いです。認定こども園制度は従前からあるのですが、平成27年から、子ども・子育てのシステムが新制度という形で、給付体系が1つにまとまったということで、制度が変わったことがあります。それまでは保育所票という形で調査をしていたのですが、平成27年から幼保連携型認定こども園票という調査票を新たに入れております。なぜそうしているかというと、従事者の所の取り方が、純粋な保育所と幼保連携型認定こども園で、若干違っており、調査内容が変わるということで、調査票は平成27年からの変更になっております。そういったことで、平成27年については、保育所から幼保連携型認定こども園、あるいは保育所型認定こども園に移行した施設は、廃止という扱いになっています。実際には保育所は保育所で残っているわけなのですが、調査票上、このような扱いになっているということです。

 

○西郷委員

 では、新設が増えているというのもその理由になるのですか。

 

○原田社会統計室長

 新設については、これは純粋な保育所ですので、こちらには含まれていないということになります。そういう意味で言うと、平成27年の保育所の新設数は、待機児童対策などにより、かなり増えているということと理解しております。

 2点目について、調査区を跨がった場合の扱いについて御質問がありましたが、私どもの調査は調査区という概念がありませんので、基本的には純粋に新設・廃止されたものがこちらに載っているという形になります。ただ、この調査は事業所ごとではなく事業ごとになっておりますので、1つの事業所でも、例えばABという事業をやっていて、Bという事業はやめましたという場合は、事業所としては存在して、Aという事業は残っているのですが、B事業については廃止という形で、事業ごとに見てカウントしているところです。

 

○野口委員(主査)

 他にいかがでしょうか。

 

○樋田委員

 西郷先生の最後のご質問に対してです。資料11番は、私の発言だと思います。私の発言の意図は、西郷先生のご意見と同じです。当初の文章からは、標本化をすると自動的に精度が向上するような印象を受けました。そこで、標本化で精度が向上するのは、非標本誤差の低下によるものなので、その点を踏まえて文章を考えていただきたいということを申し上げたのです。

 

○西郷委員

 はい、分かりました。

 

○原田社会統計室長

 私どもの説明がちょっと拙いところがあったかと思います。ありがとうございます。

 

○野口委員(主査)

 他にいかがでしょうか。

 

○永井委員

 資料7について、「調査受託者による取組」の所で、電話督促による状況が、回収率等もかなり異なっているのですが、これは受託者に聞かないと分からないことなのかもしれないのですが、電話督促の条件、こうだったら電話をするとか、しないとか、何か違いがあるのですか。それとも単純に未回収だったら自動的に督促をするということでしょうか。また、パーセントが随分異なっている、それは督促数ということなのですが、回収率も随分異なっているのですが、これは受託者が異なる、調査会社とかに委託するのに、答えにくいかもしれないのですが、調査会社の能力の違いということなのか、それとも調査の告知がうまくいっているときと、いっていないときがあるとか、この違いは何か思い当たるものがもしあったら教えていただきたいのですけれども。

 

○川津社会統計室長補佐

 督促を行っていく上での基準になっておりますのが、もともと調査対象客体数が少ないサービスについては、集中的に督促を掛けるようにしております。また、回収状況が調査票により異なるわけですが、回収状況の良くない調査票については、集中して監督するように、その年々の状況を見ながら督促も行っています。回収率が年々上がってきていますが、年を追うごとに電話対応していただくオペレーターの経験値なども上がってきていると。前の年に行われたことを、次の年に引き継いでいきますので、そういった経験値の高まりが1つ影響しているのではないかと思います。

 

○野口委員(主査)

 関連してなのですが、平成25年から平成27年は、同じ調査会社だったという理解でよろしいですか。それで経験値が上がっていったのだろうと。

 

○川津社会統計室長補佐

 はい。

 

○樋田委員

 電話督促前の回収率が下がっていることによって、督促後の回収率が上がりやすくなる可能性も考えられます。電話督促前の回収率の状況は、特に経年変化ではないということでしょうか。

 

○原田社会統計室長

 手元にデータがありませんので、直接の御回答がちょっとできない状況で申し訳ありません。

 

○樋田委員

 はい、分かりました。

 

○樋田委員

 層化無作為抽出で、今の資料8の計画では「サービス及び都道府県で層とする」と書いてありますが、ここに規模を付け加えることによって、精度の向上が見込まれるのではないかと考えています。資料6の裏面の規模別の回収率を見ますと、規模間に一定の差があります。規模による層別を行うことのコストがそれほど大きくないのであれば、規模による層別も加えたほうがいいのではないかと考えています。

 

○永井委員

 同じく、このようにせっかく出していただいているので、是非、規模別、層化、どのぐらいの規模に切るか、計算してみないと分からないですが、規模別の層化が望ましいのではないかと思います。

 

○野口委員(主査)

 この場合、規模別にするという場合は、定員数になりますかね。利用者数は詳細票のほうで調査されていたと思うのですが。

 

○原田社会統計室長

 そうですね。全数が取れているものということになりますと、保育所と有料老人ホームについては、基本票のほうで定員が取れておりますので、そちらを使うのがよろしいかと思っております。介護については、基本票のほうで利用者数が取れておりませんので、今のところ基本票で使えるものがないということになります。ただ、別の介護給付費等実態調査のほうで全数のデータがありますので、そちらのほうを活用できるかどうかを今後、検証していきたいと考えています。

 

○野口委員(主査)

 ということは、実態調査のほうから、要するに使っていらっしゃる各事業所名が分かりますよね。それで、事業所ごとに利用者の数を特定していくという作業をやらなければいけないということになりますね。

 

○原田社会統計室長

 はい。

 

○野口委員(主査)

 分かりました。それでは、全部含めていかがでしょうか。

 

○西郷委員

 規模の話に関しては、私もそのようにしたほうがいいと申し上げました。先ほど回答率に関して言及がありましたが、そのこともありますが、推定したいと思っているものに対して、規模がかなり相関が強いということであれば、回答率以外にも推定精度の向上が見込めると思うので、是非、規模別で。もし規模が取れないということであれば、他の変数でも構わないと思うのですが、何か推定したいと思っているものに相関が強いような変数で、事前に層別できれば、たとえ層別で表章しないとしても、推定精度の向上は図れると思います。

 もう1点、資料8の裏側の「見直しによる効果」という所なのですが、全数調査のときには回収率が100%でなかった。だから、母集団のサイズそのものを調整してなかったので、無回答に対して特に対応していなかったので、経年比較等ができなかった。それが標本調査を導入することによって解消されるというように書いてあるのです。これはこれで事実として正しいかもしれないのですが、全数調査を標本調査にしたから全体の推定が可能になるのだというのではなくて、以前は無回答の特別の対応をしていなかったけれども、今回、標本調査を導入するに当たっては、多分ウェイティングですかね。重み付けという形で無回答にも対応するようにするので、全数、母集団の推計ができるようになりますよということで、全数調査であったことが経年比較できない原因ではなくて、無回答への対応をしていなかったというほうが原因だと思うので、多分、注意深く読めば分かるのだと思うのですが、ちょっと不注意に読むと、先ほどと逆のことを申し上げるようですが、全数調査は余り良くないという印象を持たれてしまうと、ちょっと困るなという感じがいたします。

 

○原田社会統計室長

 郵送調査にする前は、都道府県を通じて全数をかちっと把握できていた、本当の意味での全数調査だったものですから、そのときのやり方、今先生がおっしゃっていただいた言い方ですと、無回答への対応をしないという形で、ずっとそのようにきているものですから、先生がおっしゃるように、全数調査で回収率が100%に至っていないから、経年比較ができないというのは、確かに事実関係として正確ではないので、そこのところは説明の仕方を丁寧にするように工夫をしたいと思います。

 

○西郷委員

 よろしくお願いいたします。

 

○野口委員(主査)

 今のところ資料1から資料7に関しては、電話督促前の回収率を御確認いただきたいということと、先ほどからやはり全数調査から標本調査へ移行するに当たって、若干、専門用語が入ってきて難しい言い回しになるかもしれませんが、そこは丁寧に説明する必要があるという御意見が西郷先生、樋田先生から出されたと思います。何度も申し上げますが、特にこれは非常に大きな決断なので、例えばどのぐらい精度が上がるかという話と、経年比較の話、その辺りのことを報告書においては丁寧に説明していただきたいと思っております。

 あとは、資料8の所で、層化ですね。先ほど西郷先生のほうからもお話がありましたが、極力、政策に活用できる変数、あるいは政策に必要とされる変数と相関が高い、例えば定員は全数、基本票で取れるということですので、保育所と有料老人ホームについては定員で、訪問介護、それ以外の4つのサービスに関しては、相関が高い変数で層化するということで、非常に大変な作業が伴うと思いますが、何とぞよろしくお願いいたします。他によろしいですか。

 それでは、本日、規模を層化項目に追加してはどうかという御意見がありましたので、本ワーキンググループとしては、抽出方法について、サービス、都道府県に加えて規模を層化項目に追加する、あるいは政策ターゲットとする変数と相関の高い変数を何らかの形で見いだして、それをベースに層化するということについて、事務局のほうで検討していただくことをお願いしたい。プラス先ほどから繰り返しになりますが、やはり非常に大きな決断ですので、全数から標本調査への見直しに関しては、非常に丁寧に御説明いただきたいということだと思います。

 ただし、見直しの基本的な方向性としては、資料8で事務局で整理した方向性で、今後進めていきたいと思いますが、委員の皆さんは御意見、特に反対や、異議はありますか。

 

(異議なし)

 

○野口委員(主査)

 それでは、今後の見直しの方針としては、資料8にまとめられた事務局からの提案の内容に従って進めていただくこととして、今後の検討課題等については、引き続き事務局のほうで整理していただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○原田社会統計室長

 はい、ありがとうございました。先ほど御質問がありました電話督促前の回収率については、事実関係ですので、調べてメール等で御連絡をさせていただきます。先ほど西郷先生のほうから御意見がありました結果精度、あるいは経年比較の所の説明の仕方については、こちらのほうで整理させていただいて、お示ししたいと思います。層化基準に規模を追加するという点については、御指摘いただきましたとおり、精度の向上、あるいは調査客体数の圧縮が期待されますので、検証を進めたいと思いますが、ちょっと時間がかかる作業になりますので、少しお時間を頂きまして、ある程度整理ができましたら、また先生方のほうに御相談させていただきたいと思っております。

 今のような御意見を頂きましたが、基本的な方向性については、先ほど主査のお話にありましたように、資料8の見直しの方向に従って進めさせていただきたいと存じます。検討課題については、今御説明したとおり、事務局のほうで整理させていただき、追ってお示しいたします。本件の取りまとめ方法についても、委員の先生方と御相談させていただきながら、今後、検討を行っていきたいと思います。引き続き、委員の皆様方には御協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

○野口委員(主査)

 それでは、予定していた議事は以上で全てですので、事務局にお返しします。

 

○細井統計企画調整室長

 皆様、本日は御議論いただきまして、誠にありがとうございました。次回の開催については、日程調整を含めて、事務局から御連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。これをもちまして、「第2回社会福祉施設等調査及び介護サービス施設・事業所調査の改善に関するワーキンググループ」を閉会いたします。本日はお忙しい中、ご出席いただき、ありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

政策統括官(統計・情報政策担当)付
参事官(企画調整担当)付 統計企画調整室 統計企画係
電話:03-5253-1111(内線7373)

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