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2017年2月6日 患者申出療養評価会議議事録

○日時

平成29年2月6日(月)15:57〜17:42


○場所

全国都市会館第1会議室(3階)


○出席者

【構成員等】
福井座長 五十嵐座長代理 天野構成員 石川構成員  田島構成員 手良向構成員
成川構成員 原田構成員  松井構成員 山口構成員 山崎構成員 磯部技術専門員
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐
歯科医療管理官 医政局研究開発振興課長 医政局先進医療専門官 他

○議題

1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について
   患−1   患者申出療養の新規届け出技術に対する事前評価結果に等について
   別紙1   患者申出療養 実施計画等評価表

   参考資料1 患者申出療養の制度設計について
   参考資料2 患者申出療養制度の概要
   参考資料3 患者申出療養に係る運用の詳細について

2 患者申出療養の追加実施医療機関について
   患−2   患者申出療養の追加実施機関等について

3 患者申出療養の今後の考え方について
   患−3   患者申出療養第一例目に係る当会議の議論と今後の対応について

4 その他
   参考資料治験、臨床研究に関しての情報提供について

○議事

15:57開会




 

○福井座長

 少し早いですけれども、構成員の皆様、磯部先生も御出席ですので、始めさせていただきたいと思います。

 先生方の出欠状況ですが、本日は一色構成員、田代構成員、直江構成員、新谷構成員、大門構成員、寺田構成員、上村構成員から御欠席との連絡をいただいております。

 本日の審議案件に関して、技術専門員として磯部先生にも御出席いただいております。

 構成員の出席は、構成員の総数の2分の1以上となっております。また、欠席されます7名の構成員からは委任状の提出があり、議事決定につきましては私、座長に一任するとされております。

 次に、事務局の異動がありましたので事務局より紹介をお願いします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 事務局でございます。

 それでは、1月30日付の事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。

 松永夏来医療技術評価推進室長補佐でございます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○福井座長

 ありがとうございます。

 それでは、資料の確認を事務局からお願いします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 頭撮りについては、ここまでにさせていただきます。

(報道関係者退室)

○先進・再生医療迅速評価専門官

 資料の確認をさせていただきます。

 まず議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、患−1「患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている横紙の資料がございます。こちらには別紙1、参考資料1〜3がついてございます。

 患−2「患者申出療養の追加実施医療機関について」としている横紙の資料がございます。

 患−3「患者申出療養第一例目に係る当会議の議論と今後の対応について」としている左上ホチキスどめの資料がございます。

 最後に参考資料といたしまして「治験、臨床研究等に関しての情報提供について」としている1枚紙の資料がございます。

 資料の確認は以上でございます。資料について不足、誤り等がございましたら事務局まで御連絡くださいませ。

 また、本日もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料のページまたはタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上、助かりますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○福井座長

 それでは、今回患者申出療養の第2例目の申し出がございました検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしております。その結果について事務局から報告をお願いします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。

 今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反については、特にございません。

 以上です。よろしくお願いいたします。

○福井座長

 ありがとうございます。

 出席されている構成員におかれましては、申告されるような利益相反はほかにはございませんでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、議題に沿って進めていきたいと思います。事務局から患者申出療養の新規届出技術に対する事前評価結果等について、資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 患−1をごらんください。「患者申出療養の新規届け出技術に対する事前評価結果等について」でございます。こちらに申し出のあった技術等の概要をお示ししてございます。

 技術名につきましては、耳介後部コネクターを用いた植え込み型補助人工心臓による療法であり、適応症は、心機能としては心臓移植の適応になると判断される重症心疾患の患者であり、心機能以外の理由により心臓移植の基準を満たさない患者となってございます。

 受理日は平成29年1月23日、臨床研究中核病院は、大阪大学医学部付属病院でございます。

 かかる費用につきましては、資料にお示しのとおりの金額でございます。

 事前審査の担当構成員につきましては、主担当を五十嵐座長代理、副担当を大門構成員、田島構成員に御担当いただいております。また、技術専門員といたしまして磯部先生にも審査を御担当いただいております。

 総評としては「適」という御評価をいただいております。

 続きまして、別紙1のやや分厚いホチキスどめの資料をごらんください。こちらの一番最後のページ、32ページをごらんいただきますと、本技術を実施可能とする保険医療機関、また、実施責任医師の要件として考えられるものを意見書より抜粋してございます。この療養を実施可能とする実施責任医師の考え方といたしまして、診療科としては心臓血管外科であること。また、資格として心臓血管外科専門医を要するとしております。

 当該診療科の経験年数及び当該医療技術の経験年数ともに5年以上を要する。当該医療技術の経験症例数については、実施者としては不要ですが、助手または術者として5例以上経験するとなっております。

 次に下の医療機関の考え方でございますけれども、診療科では心臓血管外科を要する。実施診療科の医師数として、心臓血管外科専門医が少なくとも1名必要。他診療科の医師数として、循環器内科医が少なくとも1名必要。その他の医療従事者の配置として、人工心臓管理技術認定士が必要。医療機関の規模は、病床数が500床以上、7対1看護以上が必要となってございます。

 その他の考え方として、頻回の実績報告として3カ月間または3症例までは毎月報告することとなっております。

 事務局からの説明は以上でございます。

○福井座長

 ありがとうございます。

 それでは、この案件につきまして、事前評価について主担当を五十嵐座長代理、副担当を田島構成員と大門構成員にお願いしております。事務局から御説明がありましたように、技術専門員として磯部委員にも事前評価をお願いしております。

 それでは、最初に五十嵐座長代理より、概要の説明と実施体制の評価をお願いいたします。

○五十嵐座長代理

 では、初めに概要について御説明をさせていただきます。

 御存じのように、人工心臓には体外にポンプを置く体外型と、体内にポンプを置く植え込み型の2種類があります。電源の接続部、これをドライブラインと言うそうですけれども、として腹部のコネクターを用いるJarvik2000植え込み型補助人工心臓システムというものは、我が国では201310月に承認されて使用されています。一方、海外ではドライブラインとして耳介後部のコネクターを用いる同じ人工心臓システムですけれども、これが2005年5月からヨーロッパを中心に広く使用されているようです。

 我が国では脳死臓器提供者が極めて少なくて、心臓移植を受けられずに人工心臓にて長期にわたって重症の心不全の治療を受けている、いわゆるデスティネーションセラピー(DT)のニーズは非常に高い状況にあるものと思われます。このDTは保存的な治療に比べますと予後が非常にいいために、昨年から我が国でもDTの治験が開始されております。しかしながら、我が国では植え込み型人工心臓の適応条件として、心不全以外の他の臓器の異常がないということが必要になっていまして、結果的に大変厳しい条件になっていると聞いています。

 そこで、この治療では適応として心臓移植の適応になると判断される重症心不全患者で、心機能以外の理由により心臓移植基準を満たさない患者さん、心臓の病気に関して言いますと、拡張型心筋症、拡張相の肥大型心筋症、虚血性心筋疾患、弁膜症、先天性心疾患、心筋炎後心筋症等が含まれるそうですけれども、これらを対象にしているわけであります。つまり、本申請では心不全以外の他の臓器の異常が認められている患者さんも適応になり得るとしているところに特徴があると思われます。

 一般的なことを申し上げますと、統計によりますけれども、重症の心不全患者さんの2〜6割が何らかの腎不全を合併していると言われています。既にこの末期腎不全患者さんで、透析をしながら植え込み型人工心臓を用いて長期生存している方もいらっしゃるという報告がされています。もし植え込み型人工心臓を使用できないとなると、体外式の人工心臓を装着することになり、そうした患者さんは装着後もずっと入院医療が必要になるわけでございます。

 今回の申請は、耳介後部コネクターを用いたJarvik2000植え込み型補助人工心臓システムを用いて、植え込み術後6カ月までの安全性を確認することを主眼としています。

 主要評価項目は、植え込み後6カ月の時点までのドライブライン感染の有無、副次評価項目は、植え込み後6カ月時点における脳卒中及び生存の評価、心不全やQOLの評価等を行うものであります。研究期間は5年間、登録症例数は6例を予定しております。

 以上が概要であります。

 それでは、実施体制等の評価をさせていただきたいと思います。

 まず1ページにありますように、適応症に関してなのですけれども、心機能以外の理由により、心臓移植基準を満たさない患者さんをこの申請療養の適応とする場合に、適応範囲が少し不明確ではないかと考えます。適応疾患、重症度の範囲、本治療の治療中止の基準などについて、事前にしっかりとした議論をして決めておくことが必要ではないかと考えています。

 有効性につきましては、この治療で重症心不全が管理されて、在宅で治療を継続して社会復帰を目指すことも可能になるのではないかと思います。

 耳介後部のコネクターをドライブラインとして用いることで、感染はつきものですけれども、その感染のリスクが減る可能性もある。しかも入浴もできるようになると聞いています。したがいまして、従来の技術よりも有効な点があるのではないかと期待されます。

 安全性については、従来の人工心臓と比べて同じものを使うわけですので、基本的には問題はないと判断しています。

 技術的成熟度につきましては、当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした診療体制は必要だと考えます。

 現時点での普及性は、現在は耳介後部コネクターをドライブラインとして用いる植え込み型の人工心臓が使用されていませんので、普及していないと判断したいと思います。

 将来の保険収載の必要性ですが、将来的には保険収載することが妥当と考えますが、医療費が高額でありますので、あらかじめの議論も必要ではないかと考えます。

 以上です。

○福井座長

 ありがとうございます。

 続きまして、実施体制の評価の結果につきまして、技術専門員の立場から磯部先生から説明をお願いいたします。

○磯部技術専門員

 五十嵐先生から今、詳細に御説明があったとおりでございまして、現在、人工心臓はJarvik2000型も含めて心臓移植までのつなぎ、Bridge to Transplantationと言っておりますが、それが保険で使用できるということが現状の医療でございます。したがって、心臓移植にさまざまな理由で該当しない患者さんに、こういった人工心臓の技術が応用できないというのが現状でございまして、その点では大変困窮されている患者さんが少なからずいらっしゃいますし、その方たちにこういった新しい技術を用意してさしあげたいというのは共通した循環器医の願いでございます。

 という観点でこの申請を拝見いたしまして、基本的にはこの技術は耳介後部コネクターというのは欧米で実際に使っている人工心臓でございますし、現在はドライブラインが腹部から出ているJarvik2000を使っておりまして、私も内科医として経験がございますし、心臓移植に至った患者さんも経験しておりまして、技術としては安定しておりまして、患者さんは現状で心臓移植までの待機期間が約3年になっており、延長しつつありますから3年超でございますけれども、十分、多くの患者さんはその期間の使用に耐えるということでございまして、この技術をさらに耳介後部にドライブラインが出ることによって、より感染症のリスクは減るであろうということが予測されますので、この技術を希望を申し出られた患者さんに使用することは十分に理解できることでありますし、積極的にそういった方向で検討されるのが妥当ではないかと思います。

 ただ、現在の人工心臓は植え込み型の人工心臓をBTT、移植を前提とする医療ではない、五十嵐先生がおっしゃられたデスティネーションセラピーとして使用することにつきましては、現在、臨床治験が進行中でございます。まだ昨年秋ぐらいに全国で10例足らずの登録がなされたところで、現在、1年間の治験中でございますので、そういった意味では安全性が十分に確立されているということではないと思いますので、この治験の結果を待って安全性・有効性を判断するのが妥当だと思います。

 現状のBTTで使用している患者さんは、生命予後は大変よろしいのです。けれども、やはり感染、それから、血栓症により2年間たちますと7割程度の患者さんが再入院すると言われておりますし、また、デスティネーションセラピーで使用するとなりますと、今後どういった形で最期の段階を迎えるかといった倫理的あるいは社会的問題がまだ十分にクリアされていない状況でございまして、術後の管理、現在は必ず同居人あるいはケアギバーが同居していることが条件になっておりますけれども、デスティネーションセラピーとなりますと数年あるいは10年以上の経過でそういったものが確立されている。そういったいろいろな問題が今、議論されているところでございまして、一般的にはこういったものをクリアしてから新技術というものは適応されるべきものだと思いますけれども、現状のJarvik2000あるいは植え込み型人工心臓の治療成績と患者さんの御希望、また、大阪大学という非常にこの領域でのエキスパートがそろって、多くの症例を経験されている施設でこのような形で申請されたものに対して、これを妥当とすることは適切ではないかと評価しております。

 以上でございます。

○福井座長

 ありがとうございます。

 続きまして、倫理的観点からの評価の結果につき、田島構成員から説明をお願いいたします。

○田島構成員

 倫理的観点からの評価をさせていただきました。

 まず同意に係る手続、同意文書についてですけれども、患者さんへの説明文書の中に幾つかの問題点がございましたので、今の配付資料、別紙1の10ページ、11ページ、17ページにありますような指摘事項で指摘をさせていただきました。

 その内容ですけれども、予想される利益に関しまして、米国の臨床試験とJ-MACSの使用後の結果について生存率が紹介されておりますところで、それぞれ使用機器とDTBTTの別が網羅的に記載されていないということがございましたので、患者さんの正しい理解が得られないおそれがございました。これらについてきちんと整理して記載を訂正していただきました。

 次に、予想される不利益について説明された部分で、米国で行われた臨床試験で認められた重篤な有害事象の発生状況の説明がございましたけれども、機器に用いられるポンプのベアリングが途中で改良されて、2種類の機器が含まれておりましたり、発現症例数と発現総件数といった異なる数値がともに表の中に記載されておりましたり、非常にわかりにくい点がございましたので、現状、患者さんにお使いいただくのは新しいタイプのポンプであるということで、それにかかわる米国の臨床試験の結果のみに集約していただく等の訂正をしていただいております。

 そのほかの字句の問題、あるいは補償に関しまして別紙が添付されておりませんでしたものを追加していただいたりという細かい訂正をしていただきました。その結果、問題点が全て解消されておりますので、同意文書につき「適」と評価いたしました。

 補償内容についてですけれども、これは補償保険で対応されるということで、その内容も適切と判断いたしましたので、「適」の評価をしております。

 患者相談の対応も整備していると考えております。

 以上でございます。

○福井座長

 ありがとうございます。

 続きまして、本日欠席の大門構成員からの試験実施計画等の評価につき、事務局から説明をお願いします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 大門先生の試験実施計画書等の評価につきまして、御説明させていただきます。

 資料は別紙1の4ページをごらんください。「6.期待される適応症、効能及び効果」から「16.個人情報保護の方法」まで、いずれも「適」の御評価をいただいております。

 コメントを3点いただいております。

 1点目は、照会・指摘事項に示しましたとおり、不明な点、検討が不足している点等が散見されましたが、照会・指摘事項に対して回答及び対応がなされ、上記のとおり評価しました。

 2点目としまして、ロードマップによりますとセンチュリー社がPMDAとの面談の上、この6例の結果でもって一部変更承認の申請を行うというふうになっておりますが、この6例の結果を考慮に入れることに関して、PMDAとは既に協議ができているのかが気になりました。

 3点目ですが、先進医療で実施できない理由として、主に先進医療が求める効果または有効性を評価できるような試験が不可能であることを挙げられておりますが、患者申出が起点となっているとはいえ、そのような理由で実施のしやすさから、患者申出療養制度の枠組みにおいて実施可としてよいかは議論の余地があるのではないかと思いますとのコメントをいただいております。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○福井座長

 ありがとうございました。

 ただいまの御説明を踏まえまして御議論いただきたいと思います。御質問、御意見、コメント何でも結構ですけれども、ディスカッションをお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 五十嵐座長代理の御判断と、磯部先生の御判断に少しずれがございますので、そこのところのディスカッションもお願いしたいと思います。

 もしよろしければ磯部先生、もう一度、現状では判断が難しいというところのポイントを説明していただけませんでしょうか。

○磯部技術専門員

 治験が進行中だということが一番の理由でございます。ただ、それを押して先ほどるるたくさん申し上げました問題点を、大阪大学の先生が重々承知であることは自明でございますので、その上で患者の申し出に基づいてこれをDTとして使用されることについて反対するものではございません。進めていただければよろしいかと思います。

○福井座長

 ありがとうございます。

 原田構成員、どうぞ。

○原田構成員

五十嵐先生のご説明の患者さんは腎障害の患者さんなのでしょうか。

○五十嵐座長代理

 腎不全というか、心不全があるために二次的に腎不全になったのか、あるいは腎不全も別の軸で同時進行しているような患者さんであっても、外国ではこの植え込み型の補助人工心臓は使えて、生存している方もたくさんいらっしゃるようなのです。ですからこの治験というか、この申出療養ではそういう患者さんもQOLのことを考えて、この治療を導入してあげれば、多少の腎障害があってもQOLが非常によくなるのだろうということで組み込みたいとお考えになっていると理解しています。

○原田構成員

 阪大の資料からは、将来的な課題と書いてあったので、確認をさせていただきました。○五十嵐座長代理

 あっても適応しないことにはしない。適応にすると理解しております。

○福井座長

 ほかにいかがですか。事務局どうぞ。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 別紙1の23ページをごらんいただいてもよろしいでしょうか。こちらの一番上の対象症例に既存の内科的・外科的治療によっても改善が認められない重症心不全患者と書いてありまして、四角の中のさらに点線の枠の中に、心臓移植・DT治験の選択・除外基準の抜粋というものがございます。その下に*として今回の申し出された症例、1例目につきましては2.の腎機能障害が除外基準に該当と記載がございますので、今回、申し出られた患者様は腎障害があるものと理解しております。

○福井座長

 天野構成員、どうぞ。

○天野構成員

 患者申出療養制度でいわゆる技術の有効性と安全性を評価することになるかと思うのですが、特に今、安全性という部分については、その担保並びに患者さんの理解ということが非常に重要になってくるかと存じます。

 先ほど磯部先生から御説明をいただいた中で、現時点では数例の試験以外にデータはなく、有効性についての判断はなかなか難しいという御説明をいただいたと理解しているのですが、一方で患者さんの説明文書を拝読いたしますと、米国でのJarvik2000でのさまざまな重篤な有害事象等についてのデータなどは掲載されている状況があるかと思いまして、これは質問になるのですが、海外等では一定程度の安全性についてのデータ等は出ているものの、国内ではまだそういった判断が難しいという趣旨で先ほど磯部先生から御説明いただいたということで、よろしかったでしょうか。

○磯部技術専門員

 お答え申し上げます。海外のデータはDTとしてのデータは蓄積されていると思います。安全性について報告されていると思います。国内では確かにDTについてはまだ進行中ですので治験中でございますが、機械の安全性につきましてはBTTで恐らく300件以上の植え込み型人工心臓が日々植えられておりまして、実際に患者さんは3年以上、人工心臓をつけて待っていらっしゃいます。大半は植え込み型の人工心臓で、その一部はこのJarvikを使っておりますので、3年という移植を待っている期間、それから、患者さんの内容につきましては移植の適応になる患者さん、ですから先ほどありましたような非可逆的な腎障害があるとか、担がん患者さんであるとか、そういった心臓移植の適応にならない患者さんはその中には含まれていません。

 現在行われている治験は、もう一つ、年齢の要件です。心臓移植は65歳未満が望ましいということで、実際にドナーが60歳以上の中に一度も移植をしたことはございませんけれども、年齢の要件があって、医学的な今、申し上げたような腎臓、多臓器担がん患者、そういった条件をクリアした方については、心臓移植を待機する3年間という期間で十分な経験がございます。その範囲では大阪大学の先生は安全と判断されていると思いますけれども、その範囲内では例えば生命予後は大変よろしいのですが、感染症が比較的多いとか、血栓症もあるとか、そういった問題が出ておりますが、DTとなりますと患者さんの対象が1つ枠を外れて広がります。年齢が65歳以上の方が多く入ってまいりますし、その他の腎障害、臓器障害を持たれた方もこのDTの中には入ってまいりますので、そういった意味の治験を現在、BTTから外れてDTになる方の治験を現在やっているということで、その広がった範囲での安全性、有効性については治験中であるということでございます。

○天野構成員

 ありがとうございます。

 今、御説明いただいた内容も含めてということになるかと思うのですが、患者申出療養制度ですので患者さん御自身恐らく今、御説明いただいた内容も一定程度理解をされて申し出をいただいているものと想像はいたしますが、ただ、説明文書という観点から拝読いたしますと、米国でのデータを中心に患者さんに対する予想される不利益というものは記載されていることがあるかと思いますので、どこまで詳細に記載するかは議論の余地があるかと思いますが、既に倫理委員会は通っていますが、もし可能であれば患者さんの説明文章に、そういった今の国内での状況等について概略でも記載していただくことが、患者さんの理解につながるのではないかと考えます。

 もう一点、質問なのですが、患者さんの経済的負担についてなのですが、今後、患者さんがこういった今回の医療技術を使用した後に、数年、何年と経過していて、その経過した期間というのも恐らく研究期間になるかと思うのですが、念のための確認になるのですけれども、その際の患者さんに生じたさまざまな合併症等については、それを治療しなければいけないとなった場合に、健康保険等の適用はどのようになるのかについて、確認をさせていただければと思います。

○福井座長

 事務局いかがでしょうか。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 基本的には健康保険で対応される、あるいは状況によっては臨床研究保険に入っていただいておりますので、そちらで対応されると考えております。

○福井座長

 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

○医療課企画官

 天野構成員から2点いただいたと思っております。

 まず、同意文書についてですけれども、説明の文書に関して海外での実績をということですが、すぐ確認できないのですけれども、同意文書の説明に関しましては田島構成員もごらんいただいています。事務局で確認させていただきまして、もしそこを書くことが適切でしたら、それもそのように書くように阪大に伝えたいと思っています。

 それから、有害事象が起こった際の保険適用の話ですけれども、基本的に治験でも、ほかの先進医療でもそうなのですが、いわゆる実験的な要素によりまして、それで健康被害が起こった場合というものに関しては、治験であればその企業あるいは先進医療であればそれは患者さんなり病院が負担をするというのが原則であります。

 ただ、あとは個別に内容をどこまで見るかというところ、それがどれによって起因したかということは、よく見てみないと一概にこれですとはなかなか言えないところがありまして、特にこういう難しい患者さんの場合ですと、本当にこれが埋め込み型のものによるものなのかどうかということの判定も難しいと思いますので、そこはその例、その例の出てくる症状によって阪大が適切に判断されるものと思っております。

○福井座長

 成川構成員、どうぞ。

○成川構成員

 確認の質問でございます。今の質疑で大体理解をしたのですけれども、このデバイスを使って今、DTの治験が進行中であるということで、その進行中の治験と今回の研究結果の違いを知りたいなと思って話を伺っていると、五十嵐先生の事前の御質問にもあったのですが、DT治験の患者さんの除外・選択基準と本研究の除外・選択基準の詳細な情報は出せないという回答が来ているのですけれども、別紙1の23ページを拝見すると、概要図の一番上のところに点線で囲んであって心臓移植・DT治験の選択・除外基準抜粋とあって、要するにここが主な違いと理解してよろしいのですか。こういう方が今までのDT治験には入れないけれども、この研究では入れるようになるという理解でよろしいでしょうか。

○福井座長

 それでよろしいでしょうか。

○医療課企画官

 別途、現在行われている治験に関しては、私どもも入手できませんでしたので、23ページのこれとそれが同一かどうかというのは詳細にはわからないですけれども、この患者申出療養の中で臨床研究中核病院である阪大では、こういう選択基準、除外基準であれば、今回、有効性、安全性を保ってこういう患者申出療養を行えるのではないかというふうに考えられたものと承知をしております。

○福井座長

 よろしいでしょうか。

 山崎構成員、どうぞ。

○山崎構成員

 今の質問にも多少関連するのですけれども、私も事前に資料を拝見しまして非常に人道的には非常に大事な研究、医療だろうと理解いたしました。

 1点、私が気になっていましたのは、この別紙1にあります大門構成員のコメントと全く同一でございまして、別紙1の4ページの大門構成員のコメントが3つあろうかと思いますけれども、この2番目、今回の申出療養の研究が行われることによって、これを実際に今、行われている治験の情報に何らか組み合わせていくようなことが考えられるかと思いますけれども、そうすると将来の適応が大きく拡大して、医療費等々、別の問題も将来生じることを少し懸念したものですから、このあたりのことはどのようにPMDAも含め検討が進んでいるのか、あるいは水準ができているのかどうか、その辺を少し教えていただければと思います。

○福井座長

 事務局、お願いします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 現在行われている治験につきましては、今回のJarvik2000とは異なるHeartmate IIという医療機器を用いておりまして、ロードマップにはその治験が並行して走っていると記載はございますけれども、参考情報という程度で記載をさせていただいている。矢印がついているのでややこしくなっておりますが、基本的には参考情報程度となっております。

 また、PMDAに今回のこの6例の結果を入れるかどうかについては、PMDAと企業が既に協議に入ったことは確認しておるのですけれども、その協議の詳細な内容については、阪大さんも現時点では詳細は具体的な進捗については把握できていないと伺っております。

○福井座長

 違う機械を使っているということですね。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員

 磯部先生に教えていただきたいのですけれども、これは心臓移植でやられた技術で、これをDTに拡大するということで、今回は先ほどの23ページにある点線のところで外れたものが適応になりますが、技術的な問題とか安全性の問題はいいのではないかと思うのですけれども、適応についての議論がやはりあると思うのです。こういうことをやるべきであるとか、やるべきでないとか、そのあたり学会での議論というのはどのようなところが論点になって、結論は出ていないかもしれないですけれども、ちょっと教えていただきたいです。

○磯部技術専門員

 ありがとうございます。DTの適応については正直なところ、議論がまだ収束しておりません。私は先ほど来の社会的コンセンサスが得られていないと申し上げているのは、学会の中でもそうでございまして、特に非常に高額な医療であることと、生命予後がいいということではありますけれども、合併症が非常に多いことが最近わかってきたこと等々も踏まえまして、特に65歳以上の心臓移植の適応から外れた方、それから、ここにありすますような多臓器の障害を持っていらっしゃる方、それから、移植の場合は担がん患者さんは一応、5年間がんが治癒してクリアした患者さんが移植の適応とするということで、そこから外れた患者さんがたくさん出てこられるのですけれども、DTの治験についてはかなり厳しい基準は設けております。スコアがありまして、HeartMate Risk Scoreというのですけれども、年齢の要素と腎障害、肝障害、栄養状態、施設の要件、数値化した条件が出ていまして、それをクリアしないと仮にほかの条件が整ってもということなのですが、先生が御指摘になったこの枠内にありますような医学的条件については、かなり相対的な条件でございまして、その辺の議論は正直なところ学会内できちんとここまでは植えてもよろしいのではないか、あるいはここからは厳しいのではないかという議論については、まだ議論中のところでございまして、それが現状でございます。

○福井座長

 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。石川構成員、どうぞ。

○石川構成員

 今までの議論は大方いいと思うのですけれども、大門先生の4ページ目のところで、先ほど御指摘があったコメント欄の2つ目のところに6例と書いてあるわけですが、その下に先進医療で実施できない理由として、先進医療が求める効果または有効性評価できるような試験は不可能であることを挙げられたというのは、具体的に探しても明確にわからないので、このことをどこだというのを教えてもらいたいのですけれども、基本的にはそのことを言って患者申出が起点となっているとはいえ、そのような理由で実施のしやすさから患者申出療養制度の枠組みにおいては実施可としてよいかは、議論の余地があるかと思う。これは非常に大事なことで、たしか前回の1番目の症例のときもこのことが問題になったのではないかと思うのです。ですから1行目のところ、どこでそのようなことになっているのかというのを挙げてもらいたいのですが。

○福井座長

 お願いします。

○医療課企画官

 まず私から総論で答えさせていただきたいと思いますが、別紙1の19ページに先進医療を実施しない理由の概略を書かせていただいておりますけれども、基本的に先進医療はこれまでの運用としましては、新しい医療技術をもちまして既存技術に対する優越性ということは、きちんと示されることが基本であったと承知しております。今回のJarvikを用いた耳介後部コネクターに関しましては、恐らく主要評価項目は今回別の評価もされていますけれども、医療の技術としての主要評価項目自体は安全性であったり有効性であったりということで、なかなか著しい有効性のようなものがきちんと立てられにくいのではないかということであります。ですのでなかなか先進医療ではこの仕組みに乗りにくいなということで、それはお示ししたようなところでございます。

 その後、石川構成員から御指摘のありました、それが患者申出療養につながることに関しまして、大門構成員から実施のしやすさから実施可としているか議論の余地があることに関しましては、まさにこの患者申出はまだ始まってこれが2例目の申請ということでございますけれども、この後の資料でもまた御議論いただこうと思っておりますが、これまでとは違って患者さんの思いというか、患者さんの希望に応えるということで、先進的な医療について患者さんの申し出を起点とするという新しい仕組みになっております。字面だけ読むと確かにこれで要件には該当しているということでございますけれども、その運用をどのように今後、臨床研究計画あるいはほかの先進医療、治験とバランスをとっていくかというのは、まさに今後またこの場で御議論をさせていただこうと思っているところでございます。

○福井座長

 石川構成員どうぞ。

○石川構成員

 そうしましたら30ページ目のところに、ここにも別添5には予定試験機関で6例の話が書いてあります。それから、18ページ目のところで大門先生からの指摘の中に6例ということが出てきているのですけれども、要するに患者申出療養を起点としてということで、この患者さんがこういう医療を受けたいということでいくわけなのですけれども、それが起点となって、この患者申出療養の場合にはいろいろと研究成果がどうだということの報告も必要で、報告をまとめていくことも言われているわけですから、そのような中でこの患者さんの申し出からさらに6例というような、6例というものがまた出てくることが恐らく大きく問題になってくると思うのです。

 前回の申出療養のときも100例という数字が出されて、これが中医協で何で1人の患者さんの申し出から100例になったんだという話になったということも聞きますし、この患者さんの申し出から6例の予定をすることについて、これは不自然なのではないかと思うのですけれども、この点についてはどうでしょうか。

○福井座長

 事務局お願いします。

○医療課企画官

 石川構成員御指摘の6という数につきまして申しあげます。この患者申出療養は中医協のほうで制度設計をしていただきました。その中では患者申出は、これまで前例がないような医療に関しましても患者さんは申し出できるということでございます。その上で、一方でこれは将来的には保険外併用療養制度の中に位置づけるということから、臨床研究計画として一定の科学的エビデンスを出せるようなものでなければ、なかなか保険外併用療法に位置づけられないだろうということで、そのような臨床研究計画ともさせていただきたいということで、制度設計がなされたところでございます。

 その上で今の御指摘に関しましては、今、申し出られている方は1例であると。なのに当初から6というものを出すのはいかがなものかという御指摘かと思いますけれども、私どもとしてはそういう困難な思いをされている患者さんが、阪大の経験から言って恐らく5年間で6例ぐらいはいらっしゃるのではないか。その方々を一例一例きちんと阪大で見ていただいて、それで該当性をきちんと評価していただくことで、患者申出療養制度の当初の趣旨を毀損しないように運用していただくようにと考えているところでございます。

○福井座長

 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員

 今、ずっとお話されていることの内容については、最初に1例目の例でいろいろと議論されていると思いますけれども、その方についてはよく理解されているにしても、2番目、3番目の方については十分な議論がされているとは思えないので、私は1例目の方、つまり申し出をされた患者さんについてはいろいろなことで考えて、倫理的な面でも可としていいのではないかと思うのですけれども、2番目、3番目につきましては、また新たにすぐ検討するという道も開かれていることも聞いておりますので、そういう点からすると1例目だけで了承することがよろしいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○福井座長

 事務局どうぞ。

○医療課企画官

 まさにそこは患者さんからの申し出で、その患者さんのための臨床計画という部分と、研究計画として全体の整合性というところをどうバランスをとっていくかという話だと思っております。

 その上で、ここに関しましては、これは計画自体は6ということで確かに御審議いただいているところでありますけれども、その一例一例どのように丁寧に見ていくかということに関しまして、そこは今の石川構成員の御指摘を受けとめまして、私ども事務局と阪大でその具体的なあり方については詰めさせていただければと思って、きょうは全体としては御了解をいただければと思っております。

○福井座長

 ほかにはいかがでしょうか。磯部先生、どうぞ。

○磯部技術専門員

 何名かの方から御質問をいただいた適応のことで少し追加いたしますけれども、別紙1の27ページに書いてございますので、これをよく読んでいただくとあれなのですが、選択基準については、移植の適応との大きな違いは年齢の要件がないことです。移植の場合は65歳未満が望ましいという表現になっておりまして、現実には厳密にそれを励行されているところでございます。

 除外基準がかなり違うところが、言葉があれですけれども、広くなっておりまして、除外基準が狭くなっておりまして、担がん患者さんと先ほど来、申し上げましたが、3)のところで3年未満でございます。移植の場合は5年という条件になっております。

 7)の重度の脳神経障害・精神疾患のためにデバイスの自己管理が不可能と判断される患者さん。移植の場合はもう少しきつく、この辺の重度という言葉があったかどうか記憶にございませんけれども、脳神経障害については私ども心臓移植をするときに一例一例全例詳細なチェックをいたしますけれども、麻痺、高次脳機能障害等についてはかなり厳密に適応の審査をしております。腎障害につきましては除外基準に不可逆的な腎障害というものが書いてございませんので、透析患者さんはインクルードされることになります。それは移植ではあり得ませんし、DTの治験につきましては私の医学専門家で記憶の範囲内ですけれども、年齢のことを除くとほぼ移植と同じような条件でDTの治験が入っていると記憶しております。ですからそういう意味では別添3に示された適応、特に除外基準につきましては、従来の移植の適応からは除外基準が少なくなっていることを御理解いただきたいと思います。

 以上です。

○福井座長

 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。原田構成員、どうぞ。

○原田構成員

 荒っぽい言い方になるかもしれませんけれども、患者申出制度そのもの自体を考えたときに、医薬品等において国内で未承認、海外で有効性があれば、また国内において一定の安全性が確保できれば保健収載も含め検討していく意味があります。医療機器に関しても同様で、国内の適応状況に問題があったり、確定的なデータが示されていなかったりしていますが、海外での有効性が認められたり、患者のQOL向上が明確であれば、またリスク、費用面も含めて患者さんの同意が得られていれば可としても良いのではないかと思います。困難な病気と闘っている患者さんの思いに応えることが大事かと思います。○福井座長

 ありがとうございます。

 天野構成員、どうぞ。

○天野構成員

 患−1の資料で1点、確認がございまして、保険給付されない費用ということで1,6137,000円という金額が記載されているかと思います。当然、研究段階にある、かつ、高度な医療機器ですので、高額になることは容易に想像できるというか、当然のことだと思いますが、一方でいわゆる高額薬価の問題であるとか、あとは患者さん自身の費用負担軽減という観点から、この金額が適正であるかどうかということについて、もし可能であれば事務局に確認をお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。

○福井座長

 事務局お願いします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 現在、BTT、心臓移植までのつなぎ治療として認められている保険償還の価格、植え込み型の補助人工心臓については、いずれも1,810万円と承知しておりますので、今回の医療機器の費用設定が必ずしも高額とは言えないと考えております。

○福井座長

 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。松井構成員、どうぞ。

○松井構成員

 先ほどの原田構成員の御指摘に若干かかわるのですけれども、患者さんの療養目的というところであれば、海外のものがほぼ有効性のデータは出ている。ただ、今回、研究として見たときに、安全性を確かめるというのが目的にも挙げられていますけれども、今回のものは恐らく2つあって、デスティネーションセラピーとしての安全性というものがどういう意味になるのか私も理解しにくい部分もありますが、それと、もう一つは耳介後部に入れた場合の感染率がどうかというところの安全性を見たいというところがあると思うのですが、この研究計画を見ている限り、特に耳介後部の埋め込みをした場合は、例えば入浴ができるとか、水泳ができるとかいう絵が示されているとおりで、そういう術後のQOLが高くなるというところが恐らく期待されていて、ただ、そこの入浴とか水泳をするとかいった日常での感染がどれだけ起こるのかというところを評価するデザインが、この研究計画の中にないと私は読んだのですけれども、そこはどうなっているのですか。退院までのまず入院期間中に、そういう入浴などによる感染がどうなるのかというようなものを試す、きちんと評価するということが研究計画として必要ではないか。それと退院後のフォローの6カ月の間にもそういうところをきちんと評価することが、この研究計画の目的に沿ったものとしては必要ではないかと思うのですが、事務局の方、何か阪大から聞いておられますか。

○福井座長

 事務局お願いします。

○医療課企画官

 別紙1の13ページ、こちらは大門構成員からの指摘等が書かれているページでございます。

 まず感染の発生状況等について、これで有意差を出そうとすると非常にたくさんの例数が必要になりまして、これだけ高額のものをたくさんの例をやることに関しましては、なかなか厳しかろうということもあります。この例数設計についてというところで、13ページ「2.例数設計について」の2つ目の●ですけれども、下の●のほうが恐らく今回の大門先生からの御指摘の主眼のように見えると承知をしておりますが、少数例で単一のかつ発生頻度が決して高くない有害事象に注目した仮説検定に基づく統計的な評価には限界があり、発現した個々の有害事象の発生頻度、重症度、重篤度、因果関係等について、臨床的な評価を主として行うほうがよいのではないでしょうかという御指摘もいただいているところでございます。

○福井座長

 松井構成員、どうぞ。

○松井構成員

 質問に対する答えとしては的を射ていないような気がしますけれども、私はプロトコルの中に日常動作をするというプランが、そもそも必要ではないかというところを少し指摘したいと思っているということです。

○福井座長

 それは感染症が腹部のドライブラインに比べて低いだろうと予測はされているのだけれども、そのために今までの患者さんならやらなかったような水泳を積極的にやるとか、そういうことがあればかえって感染症を促してしまうようなデザインになるのではないかという、そういうこともあるわけですね。

○松井構成員

 そうです。もともとはここで期待されているのは、耳介後部にすることで日常生活においてQOLが高まる。それを期待して患者さんはこれを受けたいと思われる方も多いわけです。単なるデスティネーションセラピーとしての1つではなくて、QOL自体が上がるところに期待するのであれば、それをきちんと評価する。やはり体を拭かれるだけではなくて、家に帰ればお風呂に入りたいというのは誰でも思うことで、それで実際に耳介後部のコネクターの感染がどうなのかというのは見ないと、研究としての目的にはかなわないような気がします。

○福井座長

 どうぞ。

○医療課企画官

 大変失礼いたしました。副次評価項目の中にはQOLというものも入っておりまして、それが具体的に何かというところに関して、私はすぐにお答えできませんけれども、構成員から御指摘いただきましたQOLに関しましても副次評価項目としては入っていることは御説明させていただきたいと思います。

○福井座長

 腹部のドライブラインのときのライフスタイルに比べると、耳介後部のときにはよくなるためそのことがかえって感染症を招くようなことがあれば、スタディーデザインとして何を見ているかわからなくなるということもありますので、そういうことも考えてほしいということだと思います。

 ほかにはいかがでしょうか。磯部先生、どうぞ。

○磯部技術専門員 結論はこれからここで下されるのだと思いますけれども、仮に患者申出療養制度として認められて動いた場合に、先ほど来、申し上げていますように懸念材料がたくさんございまして、といいますのはDTというのは医学的にも社会倫理的にも議論が学会内でもございます。コンセンサスは得られていないと思います。

 申請の別添1の24ページのロードマップを拝見いたしますと、この申請のロードマップ上は、患者申出療養制度と一番下にありますニプロの現在進行中の臨床治験と、この2本立てで保険収載を目指すということが明記されております。その点で大阪大学は非常に経験も豊富でございますし、この領域で日本をリードしている施設でございますので、ぜひDTを目指すに当たっては先ほど来、申し上げているような植え込み型人工心臓をDTとして使用する場合の問題点を十分クリアする方向で、正確な調査と治験の結果の検討を行っていただいて、社会的なコンセンサスを得つつ、保険収載を目指していただきたいとコメントさせていただきます。

 同時に、その先は厚生労働省になるのだと思いますけれども、保険収載を目指すと現状のBTTの保険収載価格は、先ほど御紹介がありましたように1,810万、初期費用でございます。試算によりますとメンテナンスコストが非常に高額で、場合によっては月100万を超すということも試算といいますか、出ておりまして、当初思われていたよりも再入院が多いとか、医療経済面で十分に検討が必要な領域だと思いますので、この治験と患者申出療養制度をあわせてぜひ医療費、費用対効果を特に含めて御検討いただきたいと技術専門員としてコメントさせていただきます。

 以上です。

○福井座長

 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 何点か確認させていただきたいと思います。現在、腹部ケーブルの使用は日本だけで、欧米では随分前から耳介後部のものが使われていて、その研究結果が出ていて、腹部ケーブルよりもすぐれているということで、既に欧米では腹部ケーブルを使わなくなったと理解してよろしいのでしょうか。

○磯部技術専門員

 詳細なデータは私は把握しておりません。

○福井座長

 そのような状況を踏まえまして、いかがでしょうか。先生方の御意見を伺いまして、6例までというのを認めるどうかは、非常に微妙な問題だと思います。統計学的な有意な結果がこの6例で出るかどうかもなかなか難しいと先ほど事務局からも説明がありました。13ページに大門先生も書かれておりますし、石川先生がおっしゃったように一例一例ここに出していただくなり、何らかの形で第三者が適切かどうかを評価するという、そのような仕組みにしたほうがいいのではないかという意見もあります。事務局のほうは。

○医療課企画官

 まず今日のこの場では、この研究計画を保険外併用療養として認めるかどうかという話でございます。6例というのは必ずしも今後の患者さんが該当するとまだ全然決まっていなくて、だと思うのですけれども、丁寧に一例一例をどのように見ていくかということに関しては、それは事務局と阪大で御相談をさせていただきたいと思っております。あくまでこの場は保険外併用療養を認めるかどうか御判断いただく場でして、認めるとすればそれは計画として認めることになることは御了解いただければと思います。

○福井座長

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員

 先ほどの松井先生の発言と少し関係があるのですけれども、これを患者さんに提供して何がよかったのかということだと思うのです。メリットとデメリットをどのように考えるかというときに、DLの感染が25%と予想されるので、75%までいいんだというのは、6人のうち5人まではいいんだということになります。6人のうち1人しか出ない合併症が5人も出てもそれでよしと一緒にしてしまうことが本当に妥当かどうか。つまり、こういうことを受けることによって、例えば生活の質がどのように変わるかとか、生命的な予後がどうだったのか、コストはどうだったのかということこそ主要評価項目にすべきではないでしょうか。局所の感染率だけが本当に主要評価項目として妥当かどうかというのは、何となくしっくり来ないものがあるのですけれども、そのあたりいかがでしょうか。

○福井座長

 手良向構成員、どうぞ。

○手良向構成員

 今の点ですけれども、それは既に大門構成員が先ほど言われた13ページのところで指摘された結果、主要評価項目はまず変更されています。それはタブレットの123ページですけれども、植え込み後6カ月時点までのDL感染の有無及び有害事象の発生状況というふうに変更されまして、さらに6例の設定根拠も、13ページに大門構成員が書かれたものに置き変わっていまして、なので今のその基準だけで評価するということはまずそれはもうないというか、やめますという話には一応なっているのですけれども、逆にではなぜ6例かという話になるのですが、それについても別紙1の18ページに、逆に言うとその場合、安全性だけを見るのであれば、特に症例数を決めなくてもいいという考えもあると思うのです。決めないで1例ずつ評価するとかいう考え方も私はあると思ったのですが、ただ、6例を上限とした理由というのは18ページに書かれています。主には費用とかそういうことでというふうに書かれているのですが、正直、ここに関しても症例数をまず決めるべきかという、その問題は患者申出療養の評価全てにかかわると思うのですけれども、先ほども指摘されましたが、そこを議論していただければと思います。

○福井座長

 先ほどの事務局の話では、例数を決めないとかそういうこともあり得るということですか。ちょっと意味がわからなかったのですけれども、このプロトコルを認めるということだと6例が入っていますね。ただ、保険外療養で自費を使うのも認めるというだけの役割とは違いますね。

○医療課企画官

 私の説明が至らなかったところで大変失礼いたしました。

 まず国において臨床研究計画を審査して、それに基づいて保険外併用療法となるという位置づけになります。その審査をしていただくと、国においてその質を担保するということでございます。

 今回6という数が出ておりますけれども、あくまで経験に基づく目安ということで、これからまた出てくる患者さんもいらっしゃるだろうということでありますが、例えば今この計画の中で6と決めなくていいのではないかという御指摘があれば、それはそれでそのように、でもどうかと思いますが、計画としては一定程度の目安の例数は盛り込まれるのが自然あったほうがいいのではないかと思っているところであります。

○福井座長

 タブレットで124ページは読まれましたでしょうか。もしよろしければ見ていただきますと、6例の設定根拠について文章があります。現状で本制度が希望している待機患者が2名おり、年間1名程度の希望が見込まれる。それで研究実施予定期間内に集積可能な6例を目標症例数とした。被験者数を6例と設定することは、例えばドライブライン感染の発現症例が二項分布に従うと仮定したもとで24%、32%以上の頻度の発現であれば、それぞれ80%、90%以上の確率で1例以上にドライブライン感染を検出できることを担保しているという理由で6例となっています。

 いかがでしょうか。石川構成員、どうぞ。

○石川構成員

 私が言いたいのは、例えば24ページのロードマップのところにも患者申出療養制度、これは申請、承認、そして要するに将来的には保険収載のところまでつなげていくというロードマップでありますけれども、患者申出療養制度のところで1例目は2017年3月ごろ実施。現在、適応候補者が3名ということが書いてありますけれども、この3名の方について、それから、今、御指摘があった百二十何ページのところにもそのようなことが書いてありますけれども、この3名の方についてはどのような形で申し出されたとか、そういうことについては私たちはわからないわけです。

 基本的には患者申出療養というのは、患者さんが例えば一番最初のポンチ絵で出てきたところは、困っていて、かかりつけ医と相談の上、中核病院と相談して特定機能病院だとかそういうところに紹介していただいて、そこから国に申請書を出してもらうという形になっているわけなのですけれども、これだとあくまでも例えばこの阪大の先生がこういう治療がありますよという形で言って、それが御自分の今、考える中で一番患者さんに適している方法だと思うのですが、そういう同じような患者さんが何人かいるから一緒に申請している。そこは患者さんの申し出の最終とは少しずれてきている可能性があるわけです。私はそのことを言っているのです。

 それだとこのロードマップで書かれておりまして、そういう保険収載の道をこの先生は目指しているということはわかるのですけれども、私たちは一体この3名の方がどういう方なのかもわからないし、私たちがやっている意味というのは一体何なのかということにもなるわけです。こういう協議会です。だから私は1例この方については了承した上で、同様の方がいるのだったら、またその方も患者申出療養という形で出してもらいながらやっていく、積み重ねていくことが大事なのではないかと思うのです。

 この機会は何例やったら保険収載の道に行くのかということについては、6例とか7例ということをお考えになっているみたいですから、そのような形で積み重ねた上で、保険収載していただくというのが一番の筋なのではないかということを言っているわけです。

○福井座長

 どうぞ。

○医療課企画官

 まず、全体の審議として最後のところ、これで継続審議にしたくないと思っておりまして、私どもとしては、まず今回の計画、選定基準がちゃんと示されております。それはタブレットにもございますし、この別紙1の27ページにも、今回の被検者の適格基準と選定方法というものが書いてございます。これは磯部技術専門員からも御説明があったとおりでございます。

 これに該当する患者さんがいらしたとして、既に何名かいるということでございます。これで研究期間を5年として、恐らく6名ぐらいの見込みであろうということで私ども聞いているところで、これでよければ、あとは個々の該当性に関しましては、例えば評価会議に一つ一つお諮りするというのは、また先生方の事務的な負担もございますでしょうし、そこはどちらかというと事務局と臨床研究中核病院との相談の間に任せていただけないかなということを、私は何回か御説明申し上げたつもりでございます。そのように進めさせていただきたいと思っております。

○福井座長

 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員

 ですから2例目、3例目の方がどういう形で申し出されてきたら、どういう形で私たちこういうことについては一定検討済みだから、2例目、3例目の方もほぼこの該当するような方ですねという形の審査の方法を簡略に提示していただければいいのです。そういう道をつくっていただければ、例えばこの間の第1回目の申出療養の方についても、100例という予定症例ではなくて、1例そういう患者さんがいた。こういう治療が効くということを聞いて、私はぜひこれをやりたいという患者さんがいた。そうしたら次から次へと出てくる可能性はあるわけです。そうしたら、その次から次へと出てくる患者さんの道はどうやってつくっていくのかということを編み出していただければいいと思っているのです。そのほうがこの患者申出療養ということについて、最初の位置に戻れるのではないかと思う。そこを積み重ねれば、これは保険収載の道だとか、すばらしいデータになってきているということで、いろいろなところにこの成果で保険収載されるということになるのだと、つながるのだろうと考えておりますけれども、いかがでしょうか。

○福井座長

 事務局どうぞ。

○医療課企画官

 御指摘は重く受けとめたいと思いますが、まずこの27ページの要件が適切かどうか、また、それに該当する方について今、御指摘がございまして、私どもとしては非常に丁寧に審議をすることが必要だろうと思います。その場合、例えばこの患者申出療養評価会議を必ず開催して、もう一回御確認いただくのかどうかに関しましては、済みません、そこはどちらかというと事務運営のお話もございますので、そこは私ども事務局と大阪大学のほうにどのようなお諮りの仕方があるのかについては、引き取らせていただきたいと思います。

○福井座長

 患者の選択につきましては、ここに書かれたプロトコルに基づいてやるということで、一例一例をここで審査することはしないということだと思います。

○石川構成員

 そうしたら、別添3のプロトコルも一緒に決めるということですか。27ページと言ったのですよね。選定方法ということですね。これもこの会議で一緒に決めて、要するに次の患者さんに対してはこれと合っているから、合致しているからということでという話ですか。

○医療課企画官

 はい。まずこの別添3、27ページのものに関しましては、これはきょう御審議をいただいて、適切であれば認めていただきたい。ただ、次のこの基準に合う方に関しまして、2例目、3例目、4例目とあるかもしれませんけれども、その方についてどのように審査をするか、また構成員の先生方に共有させていただくかに関しては、そこに関しては一度、検討の時間をいただきたいと思っております。

○福井座長

 ほかにはいかがですか。山口構成員、どうぞ。

○山口構成員

 確認したいのですけれども、これは例えば6例が順調にいって入りますね。そうしたらこれは研究の終了期間が2021年になっていますから、そこまで待って次の患者をリクルートするわけですか。あるいは途中で解析して、こういう条件が満たされたら次また何例か入れるというルールになっているわけですか。6人の登録が終わって行われますね。その後も確かに希望する方はおられると思うのですけれども、そういう方が続けて入る要件というのはどこかで決まっているのですか。

○医療課企画官

 まず適格基準と5年間で6例が目安であるという計画であります。それは計画として承認されれば、一例一例の適格基準をここにお諮りするかどうかはお任せいただきたいのですけれども、そこに関しては6例ちゃんとやっていただいて、そこで総括報告書を出していただくということで考えております。

○山口構成員

 最後の報告書が出るのは2021年ではなくて、それ以前に出るということですか。

○福井座長

 普通の研究と同じで、早く終われば早く解析をすることになるのではないでしょうか。

○山口構成員

 解析が終了次第、次を入れるかどうか決めるということですか。

○医療課企画官

 次を入れるかどうかは、それは新しい患者申出療養になるのか、あるいは別の先進医療なのか、それはまだわからないと思っています。

○福井座長

 山崎構成員、どうぞ。

○山崎構成員

 小さな話なのですけれども、2例目以降は理論的には阪大病院以外でも行う可能性があるという理解でよろしいですか。

○福井座長

 決まった施設でしか。

○山崎構成員

 中核病院で指定を倫理委員会が受けて、特定機能病院500ベッド以上等々、幾つか基準があったかと思いますが、それに合致すればほかの病院でも受けられるのですか。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 制度上は、患者様がもし近隣の医療機関で受けたいということを申し出されましたら、その医療機関を今回であれば阪大病院さんが審査をして、それで適と認められるようであれば、制度上は実施可能と考えております。

○福井座長

 こちらに上げてくることになっています。そういうほかの施設を認めた場合には。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 協力医療機関の追加の場合には、現在も第1例目のことで会議のほうには御報告ということはさせていただいておりまして、本日の2つ目の項目で報告事項として挙げさせていただいております。

○石川構成員

 これは先に見てはいけないのかもしれないのですけれども、次の患−1がそうでしょう。次の患者申出療養の創設というのは前に確認したところだから、既に患者申出療養として前例がある。例えばここで決まれば前例があるから、2週間で今度はほかの医療機関にプロトコルを出してもらえればいいわけでしょう。そうですよね。阪大ではなくても。これは前に認めたと思いますよ。患者から臨床研究中核病院に対して申し出して、前例を取り扱った臨床研究中核病院、身近な医療機関で患者申出療養の実施と書いてあります。

○医療課企画官

 よろしいでしょうか。今の石川構成員の御指摘は、他の医療機関の追加ということでございまして、それに関しましては今、事務局から御説明したとおりで、阪大病院、ほかの病院から申請していただいて、それを2週間で審査することになっております。

○福井座長

 いかがでしょうか。いろいろ御意見を伺いましたが、全体的には五十嵐座長代理が判断された方向でお認めするのが私自身は妥当だと思います。構成員の皆さんに諮りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、この2例目の案件につきましては、構成員の評価結果どおりということで決定したいと思います。

○石川構成員

 ただ、予定症例というのはまずいと思うのです。中医協でまた問題になると思います。

○福井座長

 一人一人に個別という側面と何らかの形で統計学的なデータも将来の保険収載に向けて使うという、その観点もどうしても必要ですので症例数が記載されていないと、患者申出療養の目的がわからなくなってしまうように個人的には思います。先生おっしゃるように一人一人の視点も、特にコンパッショネート・ユース的な側面もありますので非常に重要だと思いますが一方で将来の保険収載のディスカッションに向けて役立てるという側面も求められておりますので、これは今のところは先生、入れておかざるを得ないのではないかと思いますが。

○石川構成員

 研究プロトコルをやって、それでそのように何例予定ということはいいかもしれませんけれども、これは研究者の先生から言うと、御自分のやっている方向性ということを患者申出療養でこういう制度を利用してやっていくことにうがって考えれば、そういうことも起こってくるので、私はやはりあくまでも一例一例の積み重ねをやる。ただ、その方法については患者さんも大変ですし、また、我々もこうやって一例一例やるのは大変だから、その道をきちんと先ほどの別添3のように、こういう定義を満たしていればどこかで判断できるとかいう形でしてもらって、あくまでも何例というのはひっかかってくるのではないかと思うのですけれども。

○福井座長

 事務局どうぞ。

○医療課長

 中医協の関係もありますので、御発言をお許しいただきたいと思います。

 中医協でこの100例という症例の数、それから、制度の運用のあり方について御指摘いただいたのは事実でございます。

 きょうの御審議をお聞きしておりましても、この個別の患者さんについてのお話と、これを制度としてどう動かすかという話とが必ずしもうまく整理ができていないのではないか、あるいは取り扱いについてもう少しわかりやすくしたほうがいいのではないか、そのように私どもとしては感じております。

 中医協にお返し、御報告することになりますけれども、ご指摘のとおり6例なり100例なりを、言って見れば始めるに当たっての見込みというか、推計という側面と、そこを目指して事例を重ねるという積極的な意味で捉えるのと、少し捉え方に温度差というか受けとめ方が違うのではないかと理解をしております。

 個別の事例ごとに審査するという形でこの制度は設計されておりません。あくまで条件を設定していただく、設定する条件をご審議いただくというのがこの会議のお願い事であります。設定された要件に従って我々としては運用しますので、その該当性を一々こちらにお諮りするというよりは、その要件自体がより十分に定義されているかどうかを基本的には御審議いただきたいというのが我々のスタンスでありますけれども、このあたりの制度の運用の考え方とか、今お話しいただいたような課題がもう少し、この場でもそうですし、中医協の場でも共有していただけるように、我々としては工夫をさせていただきたいと思っております。いろいろな御指摘ありがとうございました。

○福井座長

 また議論は続けていきたいと思います。

 それでは、もう一度確認ですけれども、五十嵐座長代理に判断に基本的にはのっとって決めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 それでは、追加実施医療機関についての資料からお願いします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 患者申出療養の追加実施医療機関について、患−2に従って御説明申し上げます。

 患−2にお示ししているものは、東京大学医学部付属病院を介して申し出をされた患者申出第1例目のパクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法の技術について、ほかの医療機関において実施したいと申し出られた患者様がおられ、それぞれの医療機関が当該技術を実施するに当たっての適格性につき、東京大学医学部附属病院による審査を受けております。

 資料には東京大学医学部附属病院が届け出を受理した日と、実施医療機関として認められた施設をお示ししております。

 御説明は以上でございます。

○福井座長

 ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。

 ないようでしたら、患者申出療養の今後の考え方についてという議題に移りたいと思います。事務局から説明をお願いします。

○医療課企画官 

事務局でございます。

 患−3を用いまして、御説明をさせていただきたいと思います。

 先ほどから議論になっているものでございますけれども、患者申出療養第1例目に係る当会議の議論と、今後の対応についてということでまとめさせていただいております。

 まず1ポツで患者申出療養第1例目についてということで、技術の概要をその点線の中に書かせていただいております。パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1の内服併用療法でございます。

 申し出患者さんは、胃がん腹膜転移の患者さんでございます。臨床研究中核病院は東大病院ということでございました。

 1つ目の○の中に、第3回の患者申出療養会議における議論の抜粋をさせていただいております。要点をまとめさせていただいております。

 まず1つ目のポツでありますけれども、先進医療を継続している患者さんを組み入れるということの話であれば、それは別の先進医療を立ち上げることとどこが違うのかということでございまして、患者さんの申し出を起点とするという本制度の趣旨、患者背景をどのように考えるべきか。

 2つ目のポツでありますが、前治療歴があるなどの基準を広げることについては、有効性・安全性に問題がない範囲でそういったことを検討いただきたい。かつ、その場合、リスクが広がるのであれば、説明文書にもその旨をしっかり記載していただきたい。

 3つ目のポツでございます。「困難な病気と闘う患者の思いに応えるため」ということが本制度の精神だと思う。申出療養を研究の位置づけにするのかどうか。

 次のポツです。臨床研究の科学的厳密性をどの程度担保する必要があるかということと、患者さんの意向とのバランスということになるので、研究データとして本当にどの程度の厳密性を求めるのかがはっきりしない。

 シングルアームの試験であれば、有効性についてはきちんとしたエビデンスは出ないと思う。最初から安全性を目指すという形で整理することも考慮してはどうか。

 安全性と科学性の話があったが、あくまでも探索的な臨床試験仕立てでやらないと、個々の施設が独自のプロトコルでやって、後で何も生み出さないということを行わせないための制度だと考えている。少なくとも安全性についてのデータは出るのではないか。

 患者申出というのは、ある程度コンパッショネート的なところがあるが、試験だというところの歯どめは必要ではないか。

 これらの指摘については引き続き検討を行っていくこととした上で、安全性を主評価とする第1例目の臨床研究計画については条件つきで承認されました。

 なお、患者の適格基準について過度に拡大しているのではないかとの指摘を受け、案是正を担保するという考えのもと、適格基準は次の表のように修正を行っております。

 2ページをごらんください。表がございまして、1)から7)までございますけれども、その次の列でございますが、これは先進医療制度下で行われていた条件であります。初発かどうかに関しては初発のみ。前化学療法に関する規定はありまして、前化学療法を受けていらっしゃる患者さんは、基本的に対象外でございました。

 パフォーマンスステータスが0〜1、年齢が20歳以上75歳未満、遠隔転移は卵巣のみ可ということで、他の臓器に遠隔転移がある場合は対象としないという基準でございました。胃切除術を施行された症例も除外、多量の腹水貯留例も除外ということでございました。

 こういう先進医療制度下での適格基準に関しまして、申し出られた患者申出療養の届出時には、次の列に記載がございますように、初発かどうかに関しては規定がなく、前化学療法に関する規定もなく、そしてパフォーマンスステータスは0〜3でございます。年齢は85歳未満とされておりました。遠隔転移は卵巣以外の組み入れも可。6番、7番も組み入れ可としているところでございます。

 この申し出に関しまして、患者申出療養評価会議で先ほどのような議論がなされまして、初発かどうかに関しては規定なしですが、下線を引いているところに関しまして変更を加えたということでございます。パフォーマンスステータスを0〜2にするとともに、年齢は20歳以上を追加し、遠隔転移に関しましては、ここが恐らく一番議論があったところですけれども、腹膜、卵巣、腹部リンパ節の転移のみ可ということで、こちらの評価会議でも適格基準は厳しくしたという実績でございました。

 スケジュールは以下のとおりでございまして、これが申し出から原則6週間で告示に至っております。

 次に2ページの下「2.患者申出療養制度の趣旨」と書かせていただいております。制度の趣旨でございますが、患者申出療養は、困難な病気と闘う患者の思いに応えるため、先進的な医療について、患者の申出を起点とし、安全性・有効性等を確認しつつ、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものであるが、これは、保険外併用療養費制度の中に位置づけるものであるため、いわゆる「混合診療」を無制限に解禁するものではなく、国民皆保険の堅持を前提とするものである。

 本制度は治験、先進医療といったこれまでの評価療養制度のもとでは先進的な医療にアクセスできなかった患者も、一定の要件のもとで当該医療を受けられるような制度設計となっているところでございます。

 最後のページ、3ページでございます。保険収載に向けた対応についてということでございますけれども、一方で、本制度は医療保険財源からの支出を伴うことから、将来的な保険収載を目指すことを前提とし、基本的に臨床研究として実施する必要があり、このため、一定の臨床的エビデンスを集積可能な形の臨床研究計画に基づいて実施する必要があると考えております。

 課題でございますけれども、本制度は、上記のような困難な病気と闘う個別の患者の思いに応えると同時に、一定のエビデンスの水準を保つために症例を集積するという2つの目的を達成するという困難さを有していると承知をしております。

 中医協での指摘を引用させていただいております。こちらの第1例目について報告をさせていただいたときに、委員より次のような発言がなされたところでございます。

 ポツが4つございますが、1つ目、今回承認された第1例目は、形を変えた先進医療Bと受け取られかねない。

 患者申出療養は、患者さんを起点にして、個別に丁寧に慎重に評価して治療を受けていただこうという仕組みとして設計したもの。

 臨床研究の実施計画は、患者申出療養に申し出た患者さんのための計画をつくるべきであって、適格基準を拡大し、症例数をふやすのは趣旨と異なるのではないか。

 事務局は、「臨床研究」というところに、有効性・安全性の観点から強く引っ張られ過ぎてしまったのではないか。(先進医療と同レベルの臨床研究計画にする必要はないのではないか。)このような指摘を、これは制度設計を担当した中医協の委員からいただいたところでございます。

 対応方針(案)ということでございますけれども、上記の趣旨にのっとりまして、既存の制度で先進的な医療にアクセスできない中で困難な病気と闘う患者の思いに応えると同時に、一定のエビデンスの水準を保つために症例を集積するという臨床研究としての妥当性も考慮し、両者のバランスを取りながら、さらに、混合診療の解禁ではない形で、臨床研究計画書の作成を求めていく必要があると考える。

 今後、具体例を蓄積していく中で、この両者についてどのようにバランスを取るかに関して、引き続き検討してはどうかというものでございます。

 御説明は以上です。

○福井座長

 ありがとうございます。

 ただいまの説明につきまして何か御質問等ございませんでしょうか。1時間半話してきた内容をそのまま書いていただいたような文章だと思います。

 松井構成員、どうぞ。

○松井構成員

 結局この制度というのは患者申出療養という名はしていますけれども、公知申請に堪えるようなデザインの大枠を決めているというようにしか映らないので、そうなると先ほどの症例数の話にもなりますが、規制当局としてどれぐらいの症例が集まれば研究というか、この計画にのっとってあるエビデンスが蓄積されたときに、公知申請みたいな形で承認に使えるかというところは研究者というか医療者側に出させるのではなくて、規制当局側があらかじめ指定するような話のような逆に気がするのです。

 そうでないと結局これは研究としてやる限りは、研究としてのエビデンスというのはある一定の保障が必要でという話でやっていくと、その患者申出の起点が患者さんで、個々の患者さんの希望に応えるものというところにはそぐわないという話に戻っていくので、何らかの形で規制当局側がどれぐらいの症例を必要とすれば、少なくともこの面については承認のほうに持っていけるかもしれないという、そういう見込みを最初に出すべきものではないかと思います。

○福井座長

 何を見ようとするかによって症例数は随分変わってきますので一律に何でというのは。

○松井構成員

 ですので出発点が何かによりますけれども、それを受けて規制当局側で、これを評価項目に置いた場合には、少なくともこれだけの症例数はいきますよというのは、規制当局側が承認するかどうかと判断する側が求めることではないのでしょうか。

○福井座長

 いかがでしょうか。どれくらいの確率で起こっている事柄と比べて、それよりすぐれているかを見たいのか、または非劣性を見たいのかとか、いろいろな状況によって随分必要とする患者さんの数というのは違ってくるため、なかなか簡単に答えられないのではないかと思いますけれども、何か事務局、今の。

○松井構成員

 結局この制度の問題は、もともとはコンパッショネート・ユース的な意味合いでという話で始まったのに、無理に研究というところに入れて制度をつくつたというのが根本的な問題なのだと思うのです。そこが非常に中途半端で、患者さんにとっても中途半端だし、臨床研究にとっても中途半端で、何を目指しているのかがわからないというのが正直なところです。

○福井座長

 いかがでしょうか。石川構成員、どうぞ。

○石川構成員

 私は先ほどの例でまだ言い足りない部分が残っているのですけれども、実はある研究をされている方が、こちらの製品がいいとか、こちらの治療がいいというのはあると思うのです。特にこういう新しい薬や機器を用いる方については。

 私の友人は、つい先ごろ心臓移植まで行ったのですけれども、これをずっと数年使っていて、LVADをずっと使っていて、重症の心不全ですけれども、ずっとレンチを使っていて、仕事までして、それであるとき移植の話が来て移植をして、うまくいったのです。そのときはこんな小さいものではなくて、大きいものなのです。ですからQOLはそちらは確かに悪いかもしれません。しかし、もっと廉価で随分症例が積み重なっている、言ってみれば安全性はそちらのほうがいいのではないかと思うのですけれども、こういうものがあったときに、患者さんは情報量が先生とは全然違うわけですから、先生がおすすめすると、これは自分に最も適している、患者申出療養にこういう制度があるのだったらお願いしてもいいかなとなれば、その先生の研究の延長に乗っかるといいますか、そういう可能性は出てくるわけです。この申し出の中で。

 私はそうではなくて、患者さんが一つ一つこういう治療があって困っていて、こういう治療があるということを聞いたのだけれども、この治療についてはどうかというふうな原点がまずあってやるというのが大事だと思っていて、ですから先ほど示した3ページに、これは非常にエビデンスの水準を保つため、それから、患者さんの思いを同時に応えるというのは大変困難さがあるというのはこのとおりで、このとおりのことを今、議論しているわけです。ですから私は一つ一つきちんと患者さんの申し出を原点としてやるという形でやっていくのが、困難だからそのようにしたほうがいいだろうと思う。

 ですから対応方針案のところに書いてある、最初から研究ということよりは、一例一例を患者さんの申し出に沿ってやっていく必要が私はあるのではないか。大変事務局で御苦労されていると思うのですけれども、私の意見は医師会の人間なんかで相談したときは、そうだろうなということで出たわけで、この議論は恐らくずっと続くのではないかと思います。

○福井座長

 手良向構成員、どうぞ。

○手良向構成員

 今、統計的な話が出ましたのでコメントをしますけれども、基本的に先ほど出ました安全性がメーンだと思いますので、そういう効果を見てどうこうという話は非常に難しいというのがまず1つ。その場合に先ほどサンプルサイズの話は、そうであればサンプルサイズを決めないで、例えば期間だけ決めて1例ずつ評価して、安全性に問題が起きたらそこでやめるとか、要するにストッピングルールみたいなものをちゃんと決めるというやり方しか多分ないのではないか。上限は決めてもいいですけれども、例えば6例が上限ですというのを決めておいて、1例ずつ評価をするとか、統計的にはやり方はあると思うのですけれども、なので効果で何か言うとかいうのは正直非常に難しいという気はします。

○福井座長

 もともとシングルアームですから、効果は見られないと思います。いろいろなやり方で安全性の評価があるということですので、またその点につきましても事務局でもまた考えていただければと思います。もうしばらく議論は続ける必要があると思いますので、よろしくお願いします。

 今後の対応についてほかに御意見はございますでしょうか。なければ議題4はその他となっておりますが、事務局から何かございますでしょうか。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 その他、参考資料として1枚お出しをさせていただいております「治験、臨床研究等に関しての情報提供について」というものを簡単に御説明させていただければと思います。

 こちらは以前、当会議において国内での治験、臨床研究に関しての情報提供を一元化していただきたいという御指摘をいただいておりました。現在、以下のような情報提供のページがありますので、御紹介させていただきます。

 がんについての情報提供としては、以前より国立がん研究センターのがん情報サービス内に、がんの臨床試験を探すというページがございましたが、昨年1226日よりこちらで主たる治験、拡大治験、先進医療の情報も含めて検索可能となっておりますので、御参照いただければと思います。

 難病についての情報提供としましては、以前より難病情報センターがございまして、こちらのページの右下あたりに治験、臨床研究情報という字が小さいのですが、こういうリンクがございます。こちらに進んでいただきますと国立保健医療科学院の臨床研究情報ポータルサイト等へのリンクが張ってあるページに移りますので、こちらで一定程度は検索可能かと考えております。

 以上、御紹介をさせていただきます。

○福井座長

 ただいまの説明につきまして、何か御質問ございますでしょうか。天野構成員、どうぞ。

○天野構成員

 一元化した情報提供について、御尽力いただいていることを感謝申し上げます。引き続きぜひこの方向でいろいろなことを検討していただきたいと思うのですが、1点、いわゆる企業治験に関する情報ということで一言申し上げたいのですが、やはり企業治験についてそれぞれの企業等の情報提供のあり方、出し方、内容等にかなり差がございまして、実際に患者さんがみずから自身のかかっている疾患等に関係する企業治験の情報を得る、また、企業治験の実施施設等の情報を得るというのは現在、国内ではまだまだ困難な点が多々ございまして、今後もし可能であれば企業治験の情報提供のあり方について、より患者視点に沿った、患者さん自身が能動的に情報を得て、場合によっては選択等ができるような体制を整えていただきたいと考えております。

 以上です。

○福井座長

 今の点につきまして、何か事務局から。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 担当課とも相談しながら進めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

○福井座長

 ありがとうございます。

 ほかにはよろしいでしょうか。それでは、事務局から次回の日程についてお願いします。

○先進・再生医療迅速評価専門官

 次回ですが、日程調整の上、後日連絡をさせていただければと思います。

 以上でございます。

○福井座長

 それでは、第4回「患者申出療養評価会議」を終了します。本日は長い時間ディスカッションありがとうございました。これで閉会とします。

 


(了)

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