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2017年1月19日 第27回保険者による健診・保健指導等に関する検討会議事録

保険局医療介護連携政策課データヘルス・医療費適正化対策推進室

○日時

平成29年1月19日(木)13:30~15:30


○場所

全国都市会館 第1会議室
東京都千代田区平河町2-4-2


○議題

特定健診・保健指導の運用の見直しについて

○議事

○多田羅座長 委員の皆さん、新年おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、定刻になりましたので、第27回「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」を開催いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、本日の委員の出欠状況について、事務局から確認をお願いします。

○高木室長 委員の皆様の出席状況でございます。本日は岩崎委員、岡崎委員、久野委員、佐藤委員、吉田委員より欠席の御連絡をいただいております。また、吉田委員の代理で三輪参考人に御出席いただいております。飯山委員からは少しおくれるという御連絡がございます。

 続いて、資料の確認でございますけれども、議事次第、座席表、資料1は文章のものでございます。資料2は横になっている資料でございます。それと参考資料になります。過不足等があれば、お申しつけください。

○多田羅座長 それでは、議事を始めさせていただきます。第3期の見直しに向けて、これまでの議論を踏まえ、事務局で特定健診・保健指導の運用の見直しについて、取りまとめ案を用意いただいておりますので、説明をお願いいたします。

○高木室長 資料1に沿って御説明させていただきます。資料1「第3期特定健康診査等実施計画期間(平成30年度~35年度)における特定健診・保健指導の運用の見直しについて(議論のまとめ)(案)」でございます。これは今まで御議論いただいたものを踏まえまして、事務局のほうで用意させていただきました。順次この見直しの取りまとめ案に沿いまして、御説明させていただきます。

 1ページ目、特定健診・保健指導の趣旨について書いてございます。最初のパラグラフのところでございます。特定健診・保健指導の趣旨、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、保険者が共通に取り組む保健事業である。

 平成26年度時点の特定健診の受診者でございますけれども、2,600万人に対し、毎年100万人増加している。実施率も全国平均で約50%ございますけれども、保険者、医療機関、特定健診実施機関、専門職等の取り組みによって着実に実施され、制度が定着してきているということでございます。

 他方、保健指導の実施率は18%と、目標の45%上回る優良な保険者も一部ございますけれども、まだ保険者間の差が大きく、特定保健指導の趣旨への理解も十分とは言えないとしております。

 特定保健指導は、保険者が健診結果により内臓脂肪の蓄積に起因する糖尿病等のリスクに応じて対象者を選定し、対象者みずからが健康状態を自覚し、生活習慣改善の必要性を理解した上で実践につなげられるよう、専門職が個別に介入するものである。こうした対象者の個別性を重視した効果的な保健指導の実施は、加入者の健康の保持・向上や医療費適正化等の観点から、保険者にとって極めて重要な保険者機能であり、実施率のさらなる向上が求められるとしております。

 次のパラグラフでございますけれども、平成20年度からの導入によりまして、データを継続的に把握できるようになった。また、国でもそのデータを活用して、受診者の状態の把握や効果の検証が可能になった。

 本検討会で設置したワーキンググループで、特定保健指導には検査値の改善効果や医療費適正化の効果が明らかになったことや、平成30年度以降の実施計画期間における医療費適正計画の推計式に、この結果を踏まえまして、医療費適正化の効果を位置づけたことなどを記載してございます。また、保険者でも特定健診とレセプトのデータ等を活用して、保健事業の計画の内容について評価するといった、そのデータヘルスの取り組みも始まっていると書いております。

 本検討会では、保険者による特定健診・保健指導を着実に実施し、保険者全体でさらなる実施率の向上を達成するという観点から、この第3期計画期間における制度運用の見直しについて、以下のとおり検討結果を取りまとめた。運用の詳細や平成29年度中に行うシステム改修に必要な要件定義・仕様については、本検討会のもとに設置した実務担当者によるワーキンググループで検討を行うとしております。

 なお、保険者の厳しい財政状況や専門職の限られた人的資源の中で、さらなる実施率の向上を達成するためには、現場での効率化の工夫だとか運用の改善というのは欠かせないということで、引き続き、第3期実施計画期間においても、さらなる運用の改善を含め、本事業の実施状況の検証、検討を行っていくとしております。

 続きまして、2ページ目の真ん中以降が健診の内容でございます。健診の見直しの内容については、もう既に8月にお取りまとめいただいたものをそのまま書いております。その後の基準局での検討結果なども踏まえまして、そこも整合性をとった形で記載しているところでございまして、ここの部分については概要だけ御説明します。

 2ページ目の「1.特定健診・保健指導の枠組み、腹囲基準について」は、内臓脂肪蓄積の程度とリスクの要因の数に着目した現行の対象者選定基準を引き続き、維持するとしております。内臓脂肪の蓄積の評価の方法については、現行の腹囲基準を維持するとしております。

 なお、腹囲が基準未満であってリスク要因がある方に対しての対応方法については、引き続き、検討を行うとしております。

 続きまして、3ページ目も昨年8月にお取りまとめいただいたものと同じでございますので、今回変わったところだけを記載しておりますけれども、「(2)詳細な健診項目」のところについては、血清クレアチニン検査を今回新しく位置づけるということを書いてございます。

 また、心電図検査、眼底検査については、当該年の特定健診の結果に基づいて、受診勧奨判定値以上等の者について、医師が必要と認めるものに対して行うとしております。

 「(3)標準的な質問票の見直し」、これは別添2のところにございます。10ページ目でございます。項目の16でございますが、朝、昼、夕の3食以外の間食のところに菓子、果物等とございましたけれども、果物につきましては「健康日本21」で食べることを推奨していることや、間食については菓子だけではなくて、おにぎりなど、さまざまな食べ物がございますので、ここは限定せずに間食という形に直させていただいております。

 4ページ以降が「II.特定保健指導の実施方法の見直しについて」でございます。こちらにつきましては、これまで御議論いただいたものを踏まえまして、策定しております。

 保険者の厳しい財政状況や専門職の限られた人的資源の中で、その質を確保しつつ、対象者の個別性に応じた現場の専門職による創意工夫や運用の改善を可能とし、効果的・効率的な保健指導を推進することにより、保険者全体での実施率の向上にもつながるよう、以下の点について実施方法の見直しを行う。

 「(1)行動計画の実績評価の時期の見直し」。こちらにつきまして、質を確保しつつ、対象者の負担の軽減も図りながら、利用者の拡充にも対応する等の観点から、行動計画の実績評価を3カ月経過後(積極的支援の場合は、3カ月以上の継続的な支援が終了後)に行うことを可能とするとしております。

 なお、この実績評価を3カ月経過後に行う場合には、対象者がみずから生活習慣の改善を継続して実践できるよう、生活習慣の改善の必要性を理解するための的確な初回面接の実施が、これまで以上に重要であるとしております。また、実績評価後についても生活習慣の改善の実践状況を例えば、ICTを活用してフォローするなど、対象者の個別性や保険者の人的・財政的資源に応じた効果的・効率的な取り組みが期待されるとしております。

 「(2)初回面接と実績評価の同一機関要件の廃止」でございます。こちらにつきましては、保険者と委託先との間で適切に対象者の情報が共有され、保健指導全体の総括・管理を保険者が行う場合には、統一機関要件を要しないこととするとしております。こうしたことによって保険者のマネジメントの強化も図られるとしております。

 なお、前回御意見をいただきましたのを書いてございますけれども、異なる実施機関がやる場合には、その委託先の初回面接の実施者においても、その後の行動計画の実施状況について把握・評価ができるように、初回をやった実施機関に対して、結果を共有することを求められるとしております。こうした要件を設けるというものでございます。

 (3)は、初回面接を健診当日に行うことができるように運用の改善を図っていくということでございます。こちらにつきましても、前回と同じ文章で書いてございます。初回面接について、分割実施ができるようにするということでございます。4~5ページ目のところについても同じ記載でございます。当日の健診結果で把握できる情報をもとに、医師・保健師・管理栄養士が初回面接を行い、行動計画を暫定的に作成する。後日、全ての健診結果から、医師が総合的な判断を行い、専門職と書いてございますが、これは医師・保健師・管理栄養士である専門職が本人に電話等を用いて相談しつつ、その行動計画を完成する方法を可能とするというものでございます。

 (※)のところにございますけれども、分割実施する場合には、例えば分割した2回目の初回面接に引き続いて継続的な支援を実施するといった形で、現場の運用において、そうした利用者の負担も軽減も図りながら実施するということが可能であるとしております。

 また、集合契約についても、こうした分割実施に対応することも含めて、集合契約を整備していくということでございます。

 「(4)2年連続して積極的支援に該当した者への2年目の特定保健指導の弾力化」でございます。こちらにつきましても、1年目に比べて2年目の状態が改善している方については、2年目については動機づけ支援相当、初回面接と実績評価は必須でございますけれども、その180ポイント未満でもよいという、そうした支援を実施した場合に、特定保健指導を実施したと位置づけることとします。

 なお、こちらにつきましては、あくまでも2年連続ということでございます。状態の改善は、腹囲・体重等により評価するとしております。

 (5)は、特定保健指導のモデル実施でございます。こちらにつきましては、3か月以上の継続的な支援におけるポイントのあり方や、生活習慣の改善効果を得るための目安となる新たな指標等を検証するために、柔軟な運用によるモデル実施を行うとしております。

 柔軟な運用によるモデル実施の検証の結果、ポイントの見直しを含め、より柔軟な運用への改善が合理的である場合には、第3期実施計画期間中であっても、継続的な支援の指標等の見直しを行うことを検討するとしております。

 なお、このモデル実施を行った場合には、一定の要件を満たせば特定保健指導を実施したとみなすとしております。また、その継続的な支援のポイントを把握できるように29年度中にシステム改修を行い、その効果検証も今後行っていきます。

 (6)は、遠隔面接でございます。こちらにつきましては、現行もできますけれども、29年度から事前の届出を廃止する。また、その報告につきましても、他の実施計画の報告と同じ経緯で遠隔面接を位置づけて、保険者がより簡便にその報告を出しやすくする。また、評価もできるようにするという形にします。

 6ページ目、「(7)その他の運用の改善」でございます。

 医療機関との適切な連携として、診療における検査データの活用。特定健診というのは、本人がみずからの健診データを把握するということで、治療中であっても生活習慣を意識し、改善に取り組む端緒となることが期待されることから、治療中であっても特定健診を受診するよう、かかりつけ医から本人への健診の受診勧奨を行うことが重要であるとしております。

 その上で、かかりつけ医と保険者との連携や、受診者や社会的なコストを軽減させる観点から、本人同意のもとで保険者が診療における検査データの提供を受け、特定健診の結果のデータとして活用するというための一定のルールを整備するとしております。

 保険者間の再委託要件も緩和する。被用者保険者から市町村国保への委託を推進するということで、被用者保険者から市町村国保への実施の委託というのは、同じ住民であるということで、住民への保健サービスや実施率の向上につながるということが期待されます。現在は、主となる業務の再委託はできないとしておりますけれども、こちらにつきましても円滑な委託ができるように、委託の要件を見直すということでございます。保険者間の委託ができるように再委託の要件を緩和します。

 続きまして、歯科医師が特定保健指導の食生活の改善指導を行う場合の研修要件の緩和でございます。こちらにつきましては、今、歯科医師が、食生活の改善を行う場合には、食生活改善指導担当者研修、これは30時間でございますけれども、これが要件となっております。他方、歯科医師法では歯科医師が保健指導を掌ると規定されております。また、標準的な質問票で今回新たに歯科口腔保健の取り組みの端緒となる質問項目を位置づけたということで、歯科医師が食生活の改善指導を行う場合に、この研修につきましては、受講は要しないこととするという形に整理させていただきたいということでございます。

 続きまして、看護師が保健指導を行う暫定期間の延長につきまして、これは第2期においても延長しております。今回についても引き続き、平成35年度末まで暫定期間を延長するということでございます。

 5番目は保険者間のデータの連携でございます。これは保険者協議会を活用して、保険者間でのデータ連携を進めていくというものでございます。

 7ページ目でございますけれども、現在この保険者間でのデータ連携に関するルールのひな形を昨年3月に公表しまして、6月に保険者協議会に周知しております。この共通のルールを整備しまして、保険者間でのデータの連携がより円滑にできるようにしていくというものでございます。

 6番目が情報提供の評価でございます。健診結果を本人にわかりやすく伝えるということにつきまして、どのような取り組みをしているかということ。これは大事なものでございますので、保険者からの実績報告の項目として位置づけるというものでございます。

 7ページの真ん中以降のところが、今後の第3期の実施目標でございます。

 まず、全保険者の実施率につきまして、29年度の実施分から公表することとします。

 続きまして、実施目標につきましては、引き続き、第2期の目標値である健診実施率70%以上と保健指導の45%を維持します。

 続きまして、メタボリックシンドローム該当者・予備群の減少率につきましては、保険者が行う特定健診・保健指導の実施の成果に関する目標として、特定健診の結果に基づく、その対象者の減少を目指すこととしたいと考えております。こちらにつきましては、第1期の目標でも同じように、特定保健指導の対象者の減少を目指すという形で設定しておりましたので、第3期はこの第1期の考え方をそのまま踏襲するという形で、その対象者を35年度までに平成20年度比で25%減少することを目標とします。

 その下にある特定健診・保健指導のそれぞれの保険者の実施目標につきましては、昨年9月に御了承いただいたものをそのまま記載しております。

 8ページ目と9ページ目は、高確法と労働安全衛生法に基づく健診の項目をそれぞれ比較して見られるようにしているというものでございます。

 もう一つ、参考資料でございます。1228日に「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会」で、この報告書がまとまって、健診の項目について整理されております。こちらについて、それを踏まえたものにしております。

 説明につきましては以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 本日は第3期、つまり、平成30年度~35年度における特定健診・保健指導の運用の見直しのあり方について、御検討をいただくものでございます。第3期ということですので、第1期にはホップ、第2期にはステップ、そして、第3期はまさにジャンプを期待されているということで、打ち合わせの中でも室長から頑張りたいとおっしゃっていただいたわけでございます。

 まさに第3期は何とか、特に保健指導ですね。健診に対して、保健指導のところの実績がまだ18%というようなことでありまして、45%というのは非常に大きい数字ですけれども、これを何とか大きく前進させて、効果が出るのは健診を受けたから効果が出るわけではないので、保健指導の結果、医療費であるとか国民の健康状態というものに対して成果が得られるわけですので、特にこの保健指導の部分が18%というのはホップ・ステップとしては仕方がないとしても、ジャンプして45%を目指してほしいというのが事務局というか、厚労省の大きな期待であると、座長として私は理解しております。

 そういうことで、お忙しいところを両審議官にも出席いただいて、むちを打っていただくような感じかと思います。その点は特にジャンプするということを認識して、特に保健指導の部分をどのようにジャンプさせるかというところで今回の見直しの主要な観点があると私は認識しておりますので、そういう点から特に意欲的な御意見をいただけたらと思います。

 それでは、早速でございますが、きょうのところは3時半までという時間で相当時間が余裕もあって、この議題だけでございます。ジャンプを期した点をこの中で確認いただきたいということですので、よろしくお願いします。

 それでは、御意見を伺いたいと思いますが、やはりここは白川委員からお願いしましょう。

○白川委員 今、座長のおっしゃるとおり、第3期は特に特定保健指導の実施率をどう高めるかということが、私は最大の課題と認識をしておりまして、そのために現場の実情を踏まえて、いろいろ具体的な提案もさせていただきました。

 今、高木室長から御報告していただいたまとめ案の中で、私どもの意見を100%とは申し上げませんけれども、かなり大胆に発想を変えていただいて、多く取り込んでいただいたということについては感謝を申し上げたいと思っております。特に3カ月で評価を可とするということ、あるいは初回面接の位置づけ。この辺も非常にクリアになりましたし、現場で実際に特定保健指導を実施しております保険者にとっては、かなりやりやすくなったと考えております。

 大きな問題であった積極的支援の180ポイントの問題については、モデル事業という位置づけで、かなり柔軟に実施できるという形を御提案いただいております。我々としては、効果に関するデータが今の状況ではとれないということもございましたので、積極的にモデル事業を活用して、何ポイントくらいでどれくらいの効果が出るかということはデータを蓄積してまいりたいと考えております。

 1つだけ、高木室長に質問でございます。私どもの要請の中で1つ、集団で指導する場合の人員制限という部分がございまして、それについてはもう少し弾力的に、あるいは制限人員をふやしていただけないかという要望をしておりました。その件については記載が全くないのですけれども、それについてはどういうお考えなのか質問させていただきます。

 以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 では、その点をまずお答えいただけますか。

○高木室長 報告書の中には記載しておりませんけれども、いただいている要望につきましても、どういう形でやるかというところですが、現場でできるだけ運用がやりやすくなるように幅を持って、現場である程度は目安がないとやりにくいところもあるのかもしれませんけれども、融通のところは可能な範囲で運用でできるように、また引き続き御相談をさせていただきながら、対応してまいりたいと考えております。

○多田羅座長 柔軟に取り組んでいただけるということですね。

○高木室長 柔軟に、まずきちんと現場でできるという内容であればいいということでございますので。

○多田羅座長 現場中心に。

○高木室長 もちろんそうでございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 それでよかったですか。

○白川委員 はい。大変ありがとうございました。柔軟な対応をしていただけるということで安心をいたしました。従来から申し上げておりますとおり、被用者保険で特定保健指導をやる場合の最大の難関は職場の協力を得る、あるいは就業時間にやれるかどうかというところでございまして、これは厚生労働省としてもコラボヘルスとか、いろいろな形で事業主側に対しても協力要請をしていただいているかと思いますけれども、なお一層そういう努力をしていただければ、非常にやりやすくなるということはもちろん御理解をいただいているかと思いますけれども、あわせてお願いをしたいと思います。どうもありがとうございました。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 それでは、続いて御意見はいかがでしょうか。今村委員、いかがでしょうか。

○今村委員 非常によくまとめていただいていると思います。これは健診・保健指導の実施率ということではありませんけれども、医療者として、やはり腎症の重症化予防、人工透析の移行防止の点では、今回新たに詳細健診として、クレアチニン、eGFRをはかる項目が入ったということは非常に意義があったと思っています。

 (6)までは特に意見はありませんが、6ページの「(7)その他の運用の改善」のところで若干確認等がございますので、厚労省から教えていただければと思います。まず、かかりつけ医が既に治療中の方に対しても健診の受診勧奨を行うということは大事なことで、このことは我々も団体として会員に対し、しっかりと啓発・周知依頼をしていかなければいけないことと思っております。しかし、今は国でも、かかりつけ医を持っていただくことの重要性、あるいはかかりつけ医の評価方法が議論になっている中で、いわゆる受診勧奨後の健診の実施状況を把握する方法はあるのでしょうか。あるいは受診勧奨をするのは当たり前だということなのかもしれませんけれども、きちんと受診勧奨を行ったことで何か評価があるのでしょうか。直接この検討会のテーマではないのかもしれませんけれども、そういったことがあるのかどうか教えていただきたい。

 その下の、かかりつけ医と保険者間で本人同意のもと診療のデータを提供できるという話は、実は医師会の中でも積極的なところと消極的なところと、意見が2つあり、一定のルールを整備すると書いてありますが、整備について現在、具体的な検討があるのか、どこで検討されているのか教えていただければと思います。

 高野委員にお伺いしたいのですが、医療関係者として歯科医師法の第1条で保健指導を掌るということで、私もこれは30時間の研修はいかがなものかとは思いますが、要しないとすると栄養指導に関して全く何もしなくてもよいとも読み取れてしまうので、そのあたりは団体として、きちんと会員に対して栄養指導についても何らかの取り組みをされていくというようなお考えのもとでおっしゃっているのかどうか確認をさせていただければと思います。

 ちょっと長くなりますが、当然この検討会の場ではメタボリックシンドロームの該当者の予備群減少を目指すということで、これはこれですごく大事なテーマですが、一方で、女性の痩せの問題があり、メタボリックシンドロームに対する対策を過剰にすることで、痩せの人が増えてしまうということがないのか、厚労省でデータがあれば教えていただきたい。

 以上です。

○多田羅座長 貴重な御指摘をありがとうございます。

 事務局、いかがですか。

○高木室長 まず、6ページ目の医療機関との適切な連携、診療における検査データの活用の部分でございます。おっしゃるとおり、かかりつけ医の役割として、例えばその方が特定健診を受けているかどうか。ないし、受けていなければ、受診を働きかけて、さらにそれがその医療機関でなくて、他の健診実施機関で受けた場合には、その結果がかかりつけ医の方にきちんと戻るような、そうしたところまで含めて、今の時点ではそこまではできておりませんけれども、今その特定健診データにつきましては保険者のところにございますし、本人同意のもとでどうやった形でやるかとか、ないしは保険者の協力のもとでとか、こういったものをいずれにしましても、データの活用の観点の中でも重要な要素だと考えております。

 こういったことの仕組みも含めまして、この場になるのか、どういった場になるのかも含めて、私どもとしては問題意識として持っておりますし、そうしたものがいずれできるような仕組みというものができるようになっていくということが必要と考えておりますので、そこについては引き続き、御指導いただきながら考えていきたいと考えております。

○多田羅座長 一定のルールをつくるということは。

○高木室長 一定のルールにつきましては、実務者のワーキンググループで検討していきます。

 痩せている方の割合につきましては、平成27年の国民健康・栄養調査で公表されているものではございますけれども、その中で痩せている方、BMIが小さい方々について、年次推移が平成20年度の制度実施後に減っているかどうかで見ますと、目の子で見ると特に変化はない、ずっと同じくらいの水準になっているということで、この制度が何かそういうことについて影響を与えたということはないと考えております。

○多田羅座長 歯科医師の栄養改善に関する研修、その他については、事務局では何か歯科医師会と相談をされているのでしたか。

 では、高野委員。

○高野委員 日本歯科医師会は第2期から研修要件の緩和を要望してきました。まずもってこのように記載していただきまして、ありがとうございます。歯科医師法にも明記されている保健指導の中でも食生活改善は日常臨床で行っておりますし、歯科医師会を初め、学会でも健診メニューは充実してきておりまして、実績も積み重ねてきたところでございます。今回の提案を踏まえて、歯科医師会としては特定健診の流れや栄養に関して学べる研修会を用意して、特定保健指導の食生活改善指導に関する研修会のさらなる充実に取り組んでいきたいと思っておりますので、御理解をいただければと思っております。

○多田羅座長 来年度から、そういう研修会を用意されておるということですね。

○高野委員 はい。間に合うようにですね。

○多田羅座長 よろしくお願いします。

 今村委員、よかったでしょうか。

○今村委員 はい。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 続いて御意見を、私がお願いするような格好になって恐縮なので、順にお願いしたいのですが、どうぞ。

○三輪参考人 積極的支援が2年連続という記載があるのですが、例えば1年目に積極的支援になって、2年目は健診を受けなかったり、また、受けたとしても対象にならなかった人。また、3年目に積極的支援になった場合は、これは2年連続ではないと考えて、積極的支援をまた受けていただくという理解でよろしいかどうかということが1つ。

○多田羅座長 そうだと思いますが、それを先に。

○高木室長 この整理は、2年連続ということでございまして、今のようなパターンは入らないということです。

○多田羅座長 入らない、2年にならないわけですね。

○高木室長 はい。

○三輪参考人 わかりました。毎年毎年、積極的支援になって全然改善されてこない、ある先生は不良債権みたいな人と言っていましたけれども、馬の耳に念仏みたいな、関心期に入ってこないような方が毎年積極的支援になった場合、このやり方だと1年目は積極的支援、2年目は動機づけ支援相当、3年目はまた積極的支援ということで、1年ごとに繰り返していくという理解でよろしいのでしょうか。

○高木室長 事務局としては、そうした形で整理をさせていただいております。

○多田羅座長 それは仕方がないということでしょうかね。

○高木室長 ずっとやらないというわけにもいかないので、そこは現場でも工夫していただくとか、お願いせざるを得ないとは思っておりますけれども、まず今回の整理はそういった形にしています。もう一つは、モデル実施もございますので、そうしたもので効果などを検証していくことをあわせて考えていけばいいのかなと思っております。

○多田羅座長 それでよかったですか。

○三輪参考人 ありがとうございました。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、井伊委員。

○井伊委員 この3カ月経過後に。

○多田羅座長 何ページですか。

○井伊委員 4ページです。今回この保健指導のやり方について、柔軟にとか弾力的にとか、1つは3カ月をめどに評価ができるということと、ただいまの御質問の2年連続して積極的支援になった人には弾力的な対応でということと、現場の判断もできるような書き方で取りまとめをされておりまして、それはそれで議論の結果で、このままいくのだと思うのですけれども、そのことが報告にちゃんと上がってくる仕組みについては、前回はワーキングでそういう報告の仕方を整備していただけると聞いていましたが、それでちゃんと実績が上がってくるのですねということの確認が1つです。

 もう一つは、3か月で効果が出た人について、例えばICTを活用して生活習慣の改善の実践状況をフォローするなどと言って、3カ月で終わっているのだけれども、フォローが入る。あるいはもともとの保健事業等で大きくネットをかけているので、完全にサポートから外れているわけではないので、その後もいい効果が続いたというような人はいると思うのです。ですので、今回いろいろ工夫をしたり、弾力化をしたりしていることがちゃんと実績として上がってこないと、そのことによって実施率が上がったのかどうかという、後々の確認はできないのかなと思いますので、こういったことの報告のあり方をきちんとしていただきたいなと思います。

○多田羅座長 きちんとというはどういうことですか。

○井伊委員 ちゃんと弾力化したというのであれば、何ポイントでどうしたかということが報告として上がるようにしないといけないのではないかと思います。

○多田羅座長 それは当然そうでしょうね。

○高木室長 今後この取りまとめを受けまして、実務者のワーキングで、29年度にシステム改修をするための要件定義・仕様も含めてですけれども、議論して整理させていただいて、その結果も本検討会に御報告させていただきますが、その中で今いただいた御意見も踏まえまして。

○多田羅座長 報告が必ず上がるようにしてくれと。

○高木室長 今もデータが上がりますので、資料2の7ページ目にモデル実施がございまして、2つ目の○で、モデル実施の要件として、これは例えば以下のような要件とすることを検討すると。(※2)のところでございます。

 ここで、初回面接と行動計画の実績評価を行う。実績評価の時点で、腹囲及び体重の値が当該年の健診結果に比べ改善している。喫煙者に対しては、標準的な健診・保健指導のプログラムを参考に禁煙指導を実施する。4点目でございますけれども、その方に対して行った継続的支援の実施状況を報告として、これも電子データ、XMLファイルでございますけれども、これで報告をしていただくということがございます。

 さらに井伊委員がおっしゃったのは、その保険者において、例えばポピュレーションアプローチのような形で全員にやっているものの報告もあると思います。こういったものをこういった形でとるのか、それともデータヘルス計画で上がってくる部分がございますので、この保険者ではこういう取り組みをやっているのだなということはわかります。

 そういうものと突き合わせて、効果検証のときに、さらにやっているか、やっていないかとかでも見てみるということもデータ上は可能でございます。データヘルス計画ではやっているかどうかというのは項目で入っておりますので、そういったもので合わせてやるか、ないしは、あらかじめモデル実施をやるときの報告の要件でやっている場合には、それで出してもらうといったやり方はあると思いますけれども、いずれにしても、そこについては実務者のワーキングで御検討をいただきまして、報告させていただきます。

○多田羅座長 よろしくお願いします。

 では、津下委員。

○津下委員 ありがとうございます。今回かなり大胆な変更で、評価の時期が6カ月だけでなく3カ月でよいとか、ポイント制の評価や初回面接、さまざまな変更が検討されています。今回の改正はこれまでの保健指導の実績が上がっていること、効果があるという前提のもとに、より広げようという考え方ですので、まず質を落とさないための方策が非常に重要と思います。3カ月で評価した後にリバウンドをしないようなフォローの仕方や効果的な保健指導方法についての研修などの充実というのがますます重要になると思います。各団体や国が中心となっての研修など、この変更点についての正しい理解を進めていかないといけないのかなと思います。特定保健指導の基準が緩くなって、やればいいのだ、実施率を高めればそれでよいのだと、そういうメッセージで受け取られると、これは質の低下につながる危険性がありますので、その点をお願いしたいというのが1点です。

 それから、このような変更についての効果を評価することがすごく重要だと思います。6カ月間の保健指導で6カ月に評価した人たちの次の健診のときのデータ変化と、3カ月で評価した人の変化について比較するなど、今回の保健指導プログラム改正に合わせて、効果評価を行い、その結果が十分であるならば、安心してこの方法を広げていけるかなと思います。ナショナルデータベースがかなり整備されて分析がされたことが根拠になっておりますので、今回の改正に合わせた評価が可能なようにしていただきたいのが2点目です。

 3点目は、効果があったと言っても、まだ短期評価しか出していなくて、長期的な評価というのはまた別の課題で、これは保険者異動とかによって長期的な評価が難しい現状もあるので、次の検討のときには、長期評価も含めて検討ができるような仕組みづくりというのも、大きな目で進めていただくことが必要かなと思います。

 4点目ですけれども、前回の検討会で示されたデータで、積極的支援該当者は喫煙者がすごく多かったということがありました。メタボをターゲットとした保健指導としてメタボの保健指導はかなりうまくできるようになってきましたが、禁煙指導や飲酒指導がうまくできていない状況もデータからはわかってきました。そのあたりの強化については保健指導だけではなく、ポピュレーションアプローチとか、環境づくりという観点で効果を生むような体制づくりについても各保険者の分野で御検討をいただきたいと思います。

 以上です。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 特に最後の第4点、日本国民にとって禁煙指導は非常に重要だと思います。この辺は特別ではないかもわかりませんが、この中でも触れていく必要があると思いますが、いかがですか。

○高木室長 大事な点だと思います。先ほど、資料2の7ページで申し上げましたが、モデル実施を行う場合には要件として、7ページ目の(※2)のマル3でございます。モデル実施というのは180ポイント以下でも、改善していた場合には実施したものとみなすという仕組みでございます。この要件の中に、喫煙者に対しては禁煙指導を実施しているというのを入れております。実際に喫煙もしなくなるというのが最もいいのですけれども、少なくとも保健指導の中できちんとそれをやっていただくということをモデル実施では位置づけております。

○多田羅座長 禁煙指導を意識的に取り上げていただいているということですね。

○高木室長 はい。

○多田羅座長 武藤委員、この辺は現場でいかがですか。禁煙指導と保健指導との兼ね合いといいますか、やはり禁煙指導は非常に重要だと思います。

○武藤委員 前回も申しましたように、短時間支援という本当に簡単な支援方法を広げていって。

○多田羅座長 それは保健指導の中でやるべきというか。

○武藤委員 特定保健指導の中でもいいし、健診の現場で本当に一言二言で済むような場合もあります。

○多田羅座長 それは誰が一言二言。

○武藤委員 健診のときに問診をとっている看護師や保健師でも十分できるような内容です。

○多田羅座長 例えば、一言二言どんなことを言えば。

○武藤委員 まずは禁煙をする気があるかどうか。

○多田羅座長 そういう人は大体ないわけですよ。ない人がいまだに残っているのです。

○武藤委員 そうなのですけれども、禁煙外来という方法がありますよと。禁煙外来にかかると、とても楽にやめられますよと言うと、少し食いついてくる方もいます。楽に費用も安く、たばこを吸うよりもよほど安くやめられますよと。禁煙の成功率は大体7割くらいありますよということを言うと。

○多田羅座長 だけれども、今、残っている人はそういう知識がある上で吸っている人が多いのですよ。わかっていてもやめられない。

○武藤委員 そういうことは聞いたことがあるのですけれども、そこで保健スタッフが言うと、そこが一つの動機づけになる。実際に本当にそれはそういうことがあるようですので、そういう地道な努力が必要かなとは思っています。

○多田羅座長 わかりました。

 今村委員、どうぞ。

○今村委員 喫煙の問題については非常に難しいので、特定健診・保健指導の枠組みだけで何かできるとは思いませんけれども、本人の喫煙をきちんと確認して、保健指導のときに適切に禁煙指導するということはもちろんのこと、例えばメタボの方で本人は喫煙していないけれども、環境が受動喫煙を受けている場合、その状況を保健指導の場で実際に確認することはできるのでしょうか。

○多田羅座長 環境の問題は大丈夫ですかということですね。

○今村委員 そうです。受動喫煙の害自体はわかっていて、それをどうやって防ぐか、国が取り組みをしようとしている。特に厚労省が法律も出そうという中で、メタボの方で本人は喫煙していないけれども受動喫煙の環境にいる場合は相当健康に大きな影響があると思われるので、確認ができるのかどうか。難しいとは思いますけれども、そういう意識を持たなければ、なかなか対策が進まない。

○多田羅座長 当事者だけではね。審議官、その辺は国は何か考えておられるのですか。話題を突然飛ばして申しわけないのだけれども、喫煙対策は法律もするのだということも聞いたりしているので、この保健指導とは直接関係ないかもしれませんが、もし何か教えてもらえることがあれば。余りないですか。突然で済みません。

○濱谷審議官 御案内のとおり、受動喫煙の防止については、今回法案を提出予定でございますけれども、今、言われたような御指摘の点については知見を持ち合わせておりません。

○多田羅座長 受動喫煙の法律については例えばどんなお考えか、もしよかったら一言。私は公衆衛生をやっている人間で、日本人の喫煙が余りにも高いのでどうしても気になるもので、国がどうなのかなと思って、私の個人的な質問を聞いて済みません。

○高木室長 法律につきましては、今その内容を関係者と調整していると聞いております。いずれにしても提出に向けて、受動喫煙防止をより強化していくということでございます。

 また、喫煙につきましては、今の質問票では御指摘のとおり、本人の部分しかとりませんので、なかなか難しい部分もございますけれども、例えばきちんと取り組んでいる単一健保でございますと、その健保組合だけではなくて、事業所で事業主、まさにトップが、例えば健康経営銘柄になったのを契機に社内での禁煙の取り組みをより進めていくとか、保健指導以外にもさまざまな全体でいろいろなところでやっていかなくてはいけないということは、まさにそういう形でやっていかなくてはいけないと思っています。

○多田羅座長 そうですね。特にこの特定健診・保健指導の保健指導はメタボ対策、肥満対策ということに非常に集中している加減で、国民の喫煙と肥満ということで言えば、大きい喫煙という課題があるにもかかわらず、どうもメタボに集中し過ぎているのではないかという批判も時折聞くわけです。しかし、積極的支援の対象に喫煙も入っておりますし、関心がないわけではないのだけれども、どうも話が肥満のほうに偏っているのではないかという意見を聞くことがありますので、この機会に特定保健指導の推進ということの中に、ぜひ肥満に並ぶ喫煙というものについても取り組んでいただきたいと日ごろ思っているもので、ついそちらのほうになって、審議官まで振ってしまって失礼しました。そういうことでよろしくお願いします。

 どうぞ。

○飯山委員 禁煙はやろうと思えば、すぐにできますから。実は自分自身も禁煙を10回したのですが、最後はすぱっとやめて、それ以来、二十数年も吸っていませんので、その気になればやめられると思いますから、自己努力が必要かなと思います。

 それはそれとしまして、1つ確認したいのですけれども、先ほどの別冊の見直しの資料の3ページのところで、行動計画の実績評価の見直しの枠の中の2つ目の○の下の(※1)で、保健指導の期間の問題です。「対象者の実情に応じた保健指導がより可能になり、利用者の負担の軽減や対象者の増加が図られる」ということが書かれていますけれども、これは同じ保険者でもって、Aさんは3カ月、Bさんは6カ月、そういうふうに人によって対象を決めていいと、そういうことで理解してよろしいでしょうか。

○高木室長 そこについての制限を設けるつもりはございません。そこは現場の判断で、対象者に応じて、行動計画も含めてつくっているという世界でございますので、やっていただいて結構だと考えております。

○多田羅座長 どうぞ。

○飯山委員 その上で今回の見直しは全体的に実績、成果を上げやすくなった。そういう方向で見直しをしていただいたと思っています。特に特定健診の実施率が伸び悩んでいる市町村国保としましては、こういったことでやりやすくしてもらうというのは非常にありがたいことだなと思っています。

 その中で1つ、6ページのところで、先ほど今村委員から御指摘があったのですけれども、医療機関と保険者との適切な関係ということで、これも私どものほうからかねがね要望していたこともきちんと入れていただきまして、本当にありがたいと思っています。(7)のマル1のところで、特定健診を受けているか、受けていないかというのは先生のところでは確認のしようがないので、とにかく患者さんになっている方について声をかけていただければ、ありがたいと思っています。前にお示ししましたように、国保の被保険者では医療機関にかかっている方がたくさんいらっしゃいますので、先生からの御指導は非常にありがたいと思っています。

 もう一つ、データのやり取りの関係ですけれども、これは先ほど今村委員が積極的にやったほうがいいというところと、よくないとおっしゃっている先生方もいらっしゃるということなので、そこのところはぜひこういう条件なら、ということでまとめていただければ、市町村国保としましては、特定健診の実施率の向上に非常に役に立つと思いますので、そこのところの検討をよろしくお願いしたいと思います。

 ただ、健診でないと、身長とか体重とか腹囲はなかなかはからないので、それは自己申告ということになりますと、ついつい自分で書きますと、男性の場合でしたら身長を高めに考えてしまったりとか、女性の場合ではどうも体重を少なめに書いてしまったりとか、腹囲が例えば85.3cmだったのに84.9cmと言ってしまったりとか、そういう危険性がありますので、ここのところは何かその客観性が保てるような担保が必要なのかなというように考えているところですので、そこはワーキンググループのほうでよく検討していただければと思うわけです。特に国保の場合には6065歳、74歳までの方で加入者が非常に多いものですから、こういう方の保健指導をどういうふうにしていくかというのは課題でありますので、そこら辺のところも考えていただければと思っています。

 先ほど確認したのですけれども、6カ月、3カ月の件ですが、もともと自治体の職員であった身としましては、扱いが弾力化されますと、どうしても財政当局は予算が少なくて済むほうへと事業を誘導する傾向にありますので、これはさっき確認をしましたように、3か月でいい人、6カ月が必要な人というのはちゃんとあるのだということを国のほうから自治体のほうにもよく説明していただいて、一律に縮めることがないようによろしくお願いをしたいと思っております。

 情報連携の関係なのですが、先ほど保険者協議会で特定健診のデータのやり取りというお話がありましたけれども、今のところは紙か媒体でのやり取りということになっているのですが、ぜひ次の番号法の改正のときがありましたら、情報連携にしていただけるようによろしくお願いをしたいというように思います。

 フォローの関係の話では、市町村国保はヘルスサポート事業でいろいろ努力しておりますので、先ほど井伊委員がおっしゃったように、大きく網がかかっていますので、その中でフォローの点も十分にきちんとしていくように、これは国保連合会を通じて各市町村国保にお願いをしていきたいと思っています。

 そんなことで、これから国保のほうも努力をしてまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。ぜひワーキングでは、実りある検討をお願いしたいと思います。

○多田羅座長 国保は非常に大きな基盤ですので、よろしくお願いします。まとめの文章はこれでよろしかったですか。

○飯山委員 特に異論はありません。

○多田羅座長 ありがとうございます。健保連、国保連、非常に大きな柱ですので、ひとつよろしくお願いいたします。

 伊藤委員、労働組合と言うと少し角が立ちますけれども、そういう立場からも含めて、いかがですか。

○伊藤委員 今回は全体を通して、保健指導の実施率を上げるということを主眼にしているとは思うのですが、受診者の立場としては、先ほど津下委員からも御指摘がありましたように、実施率の数値の向上ということが第一義になるようなことではなく、本来は広く国民が生活習慣病に苦しむことなく、健康を維持しながら暮らしていくことができるというための一つのきっかけのようなものだと理解をしていますので、そういうような機能がきちんと果たせるということをこれからも検証していく必要があると思っています。その点、本人にわかりやすい形での情報提供ということは大切なことだと思っています。

 実施率の公表について、これは大変重要というか、インパクトのある話だと思っています。先ほど白川委員から、この実施率の公表ということもあるので、一番のネックである就業上の配慮の部分ですね。

○多田羅座長 それはどのように思われますか。就業上の配慮は具体的にどんな配慮が必要だと思われますか。

○伊藤委員 やはり仕事中に特定保健指導を受けにいくということ自体が課題であり、事業所によって違いはあると思っているのですけれども。

○多田羅座長 仕事の続きがありますからね。

○伊藤委員 はい。それと雇用形態とか、いわゆるパートタイムとか、こういう非正規雇用で働くような人ほど、就業上の配慮を受けるのは難しいというのが実情ですから、健保組合が事業所にある単一健保であれば、比較的やりやすいかもしれませんけれども、そうではないところの従業員はなかなか難しいということも十分に念頭に置く必要があります。実施率が公表されるということになれば、積極的に取り組まなくてはいけないと思いますので、ぜひ就業上の配慮については、厚労省のほうから、改めて事業主に対して周知をお願いしたいと思っております。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 よろしいでしょうか。まだ時間もございますので、金子委員はいかがでしょうか。

○金子委員 今回、私たちで一番よかったのが、保険者間での委託ができるように委託要件を緩和していただいたということです。私学の場合は全国ネットでやっておりますので、どうしても被扶養者の方までなかなか細部にわたるサービスができなかったところもありましたので、ほかの保険者と連携ができるようになるということが一番大きいかなと思っております。

○多田羅座長 具体的にはどんな連携になってくるのですか。

○金子委員 国保の方との連携です。

○多田羅座長 国保との連携ですか。

○金子委員 全国に学校が点在していますので、結局そういうことになるかと思います。どうしても被扶養者の方の受診率が今まで低くて、加入者の方は学校の方で皆さんが結構受診されていました。

○多田羅座長 健康診断がありますからね。

○金子委員 それでやれていました。ただ小さい幼稚園等、規模が小さいところがなかなか受診されなかったりというところもございましたけれども、今回の見直しで受診しやすくなったのではないかと思います。

○多田羅座長 国保との連携によって。

○金子委員 そうですね。そういったことができるかなと思います。その他、特定健診当日の初回面接や実績評価の同一機関での要件の廃止など、いろいろな見直しが今回はありましたので、非常に利用する方にとってはかなり利便性が高まったかなと思っております。

○多田羅座長 わかりました。ありがとうございます。

 それでは、河合委員、国民の立場で一ついかがでしょうか。

○河合委員 先ほど伊藤委員のお話を聞いていて、そのとおりだなと思ったのですけれども、健診にしても保健指導にしても、国民の健康づくりのきっかけにすぎないので、これをやったから終わりということでなく、その後に国民一人一人が自分の健康に向き合っていくということにつながらないと、この事業は意味がないのだと思います。そういうことを考えると、今回は情報提供ということも大きな柱にあったわけですけれども、現在の健康ブームと言われる状況の中で、一方では、いい加減な健康情報に惑わされている人も多く、自分の健康づくりのモチベーションを持ち続けるためには正しい健康情報を、現在の自分の生活習慣を続けていったら、こういう病気になる確率が高まってくるのだということをみんながよく理解するということも同時に必要なのだろうと思います。この検討会の範囲から外に出る話なのかもしれませんけれども、そういうことも含めて、特に厚労省には情報提供をもう少し広義な意味でお願いしたいなと思います。

○多田羅座長 それは国民対象の情報提供。

○河合委員 そうですね。正しい情報というものをきちんと提供して頂きたいと思います。

○多田羅座長 その辺、事務局はいかがですか。国民対象の情報提供は何か考えておられることはありますか。

○高木室長 この特定健診・保健指導の関係は、厚生労働省に専用のページを設けております。

○多田羅座長 それはホームページの話ですか。

○高木室長 ホームページで、例えば分析の結果とか、本検討会で御報告させていただいている保健指導による効果とか、リンクを張って、ないしはそれを見られるようにするというのがあります。ただ、恐らくもう少しわかりやすく、かつ、かみ砕いて、ないしは現場でも活用できるようにということなのだと思いますので、そこは引き続き研究してまいりたいと思っています。

○多田羅座長 ホームページは余り見ていないので、ツイッターはどうもトランプさんではないけれども、ツイッター主義になっているみたいですが、国もツイッターをやったらどうですか。室長のツイッターというのは。どうもツイッターのほうがホームページよりも大きいのではないかと。どうも失礼しました。確かにそういう情報は、ツイッターとかITをいっぱい使ったものがもう少しあってもいいような気がしますので、ひとつ御検討ください。

 では、北原委員はいかがですか。

○北原委員 特定保健指導の実施率向上が一番の課題かなと思っているところでございまして、今回そのモデル実施とか柔軟運用という、第3の道とは言いませんが、そういう道を拡大していただいたことについては評価できると思います。

 加えて、先ほどおっしゃいましたように就業環境についてですが、忙しさにかまけて、なかなかそこに時間ができないという環境がある。それは官だろうが民だろうが一緒だと思うので、むしろそこについては厚労省を初め、強烈な指導みたいなことを指示ができるかどうかは別にしまして、そういう意識改革を役所の中にも植えつけられるようなことの指導をしていただけると助かると思います。多分に実施率を上げる上で障害になるのは、勤務時間中にどうやったら行けるのかということで、結構時間もとりますので、そういう問題はどうしても存在しているわけです。ただ、それだけではだめなので、上層部も含めた意識改革は必要だろうと思っておりますので、厚労省さんを中心に指導的なことを指示していただける余地があれば、そういうことをお願いしたいです。

○多田羅座長 受診率の向上に向けてですね。

○北原委員 そういうことでございます。

○多田羅座長 大事な点かと思います。よろしくお願いします。

 それでは、こちらのほうに振らせていただいて、細江委員はいかがですか。突然で済みません。

○細江委員 私は後期高齢者の代表として来ていますので、その点からお話を申し上げますと、御存じのとおり、75歳以上はさわやか健診ということになっていまして、努力義務とされているのです。

○多田羅座長 これは74歳までですからね。

○細江委員 ところが、御存じのとおり、つい先日、日本老人学会だか高齢者学会が75歳から高齢者であると。74歳までは準高齢者だということを言っていまして、実態的にも健康状態はよくなっているということもありましょうし、また、厚労省の関係で言えば、年金の支給開始時期等の問題もあるのかもしれませんが、そんな意味でいくと、これは3035年までの第3期の計画だと思いますが、どんなことになっていくのかなというのは一つ頭にあります。

 もう一つは、国保事業が市町村から、平成30年からは県が実施したいという、どこまで県がやってくれるのかは十分わかりませんが、ある意味で広域連合的な扱いということになっていきますので、健診事業は先ほど申し上げたさわやか健診を後期高齢者ではやっていますが、実際にやっているのは各市町村がやってくれているわけです。

○多田羅座長 受診率は大体どれくらいですか。

○細江委員 かなり低いです。全国平均でおおよそ25%です。もともと後期高齢者のさわやか健診も、あるいは国保関係はそれぞれ自治体がやっていますから、ばらばらにやっているのですけれども、今度は国保が県で一応、統一的にやっていこうということになるわけですから、健診についても後期高齢者並びに国保の関係の健診を何か共通項を見つけて、同一条件のもとで多分いろいろな支援も国保の関係と、私どもの中でも別の課の担当になるのですね。ですから、その辺の何か健診の統一的基準もしくは同じ方法でやっていくということなども一つ検討課題になるのではないかと思います。

○多田羅座長 その辺は、事務局はいかがですか。

○細江委員 もう一ついいですか。私は今、市長をやっているのですけれども、昔は三井物産という商社にいて部長をやっていたのですが、たばこの問題なのですが、私はアメリカに12年ほどいまして、だんだん厳しくなってきて、環境として吸えなくなってきて、最初に私はカリフォルニアにいたのですけれども。

○多田羅座長 吸えなくなったのはアメリカの話ですね。

○細江委員 アメリカです。もともと私は吸わないのですけれども、周りを見ていますと、だんだん吸えなくなってきて、最後にバーは許されていたのが、それもだめになってきました。

○多田羅座長 何年ごろの話ですか。

○細江委員 私がいたのは20年くらい前です。

○多田羅座長 20年前にもうバーでも吸えなくなりましたか。

○細江委員 ロサンゼルスあたりは、なりつつありました。市役所で、うちは職員が4,000人くらいいるのですが、私が市長になって15年間ずっと禁煙ではなくて分煙にして、たばこの部屋で吸ってもらおうとしていたのですけれども、今度、新しく庁舎が3~4年後に建ちますので、完全禁煙にするというので。

○多田羅座長 分煙ではないのですね。

○細江委員 今は分煙にしている部屋に張り紙がしてあって、訓練しようというので今は10時と3時からしか吸ってはいけないとか、そのうちにあと1年くらいすると今度はゼロになります。ということで、庁舎の中はもちろん、いわゆる市役所の敷地内もだめ、周りの道路はポイ捨て禁止区域として指定しています。

○多田羅座長 それは市の条例でやられているのですか。

○細江委員 いえ、私どもの中のルールでやっています。完全に吸えない状態にしようとしています。

○多田羅座長 それは市長さんの主張でされているのですか。

○細江委員 そうです。それで何を言いたいかというと、今これは保険者による議論をしているわけですが、保険者はもちろんそれぞれの組織があってのそこの保険者なのであって、例えば、各企業であれば、そこの企業体に協力を求めていく。特にたばこの問題等については、いわゆる環境の問題です。そんな保険者としての議論だけに終わるのではなくて、それぞれその保険者の背後にある企業・組織との連携もやはり議論していかないと、保険者による議論ということはそれぞれの個々の従業員に対する、あるいは組織に対するお願いという議論になってきてしまって、たばこを吸っていますか、吸っていませんかみたいな質問をせざるを得なくなってくるわけで、これはこのテーマとしては正しくないかもしれないけれども、もう少しそんな議論もしていったらどうかと思います。

○多田羅座長 そうですね。非常に大事な点ですね。その辺は事務局の何か考えは、おっしゃるとおりですか。

○高木室長 前回の分析結果でも、特定保健指導に該当する方、積極的支援と動機付け支援の該当者について、動機付け支援は喫煙の方は数パーセントで、積極的支援のほうが男性で年齢によって4~6割、ほとんどが吸っている方々であったと。他方で積極的支援のほうは保健指導の費用もかかります。約2万5,000円から3割負担を除くと1万8,000円が今の国の補助単価でございますけれども、動機づけ支援のほうは6,000円程度が補助単価でございます。そういう意味では、積極的支援になるか動機付け支援になるかで価格が3倍違います。

○多田羅座長 そこでたばこが関連してくるわけですね。

○高木室長 喫煙が選定の要件になっておりますので、喫煙から禁煙するだけで積極的支援の人が動機づけ支援になるのです。そうすると保険者の負担も全然違いますし、国としてもそこは助かるということでございます。ですので、そこは健保組合から、単一健保であれば、事業主に情報共有が図られることも、我々も情報をお伝えするときにそうしたことを具体的に例に上げてお伝えすることで御理解をいただけるのではないかと思いますので、そうしたことはやっていきたいと思っております。

 もう一つ、先ほどの後期高齢者と国保との健診の基準につきましても、実施しているのは市町村でございますので、そこは市町村の負担ができるだけないような形で、きちんと整合性がとれるような形でという御指摘だと思いますので、よく検討していきたと思っております。

○多田羅座長 わかりました。

 それでは、藤井委員、いかがでしょうか。

○藤井委員 私ども協会けんぽにおきましても、最初に白川委員がおっしゃっていただきましたように、今回、特に特定保健指導につきましては、いろいろ柔軟な運用、弾力化に向けて、幾つも改善点をまとめていただいていますので、大変ありがたいと思っております。特に初回面接の運用方法の改善ですとか、特定保健指導のモデル実施のところにつきましては、さらにいろいろなエビデンスを拾い出してきて柔軟な運用、弾力化に向けて進んでいけるような面も出していただいていますので、これはモデル実施で、またワーキングで具体的なところはもんでいただけるのだと思いますけれども、そういう意味で期待もしているところでございます。

 もう一つ、今、伊藤委員あるいは北原委員からもおっしゃっていただいたのですけれども、私ども協会けんぽは非常に大きな保険者の中に無数の事業主がいらっしゃるというような構造ですので、何と言いましても、事業主の皆さんの御理解、御協力というのがないと何も進まないようなことで、日々そこが悩ましい課題だと思っておりますので、私どももちろん、事業主とコラボヘルスということでいろいろな努力をしているつもりではありますし、これからもしていくつもりですが、厚生労働省のほうでもぜひ事業主に対して働きかけをいろいろな形でお願いできれば、私どももありがたいと思っています。

 以上です。

○多田羅座長 事業主への働きかけ、その辺はどうですか。

○高木室長 むしろ我々よりも協会けんぽの皆様のほうが、支部の方々が例えばデータ結果を用いて、よく回っていただいて、その結果を活用していただくような、そうした工夫をかなり支部の皆様でやっていただいております。こうしたものが成果につながるというか、事業主のほうでもそれを受けて、それを反映させることで、着実に協会けんぽで実施している生活習慣病予防健診によって事業主分のデータがとれてきているという実績も上がっておりますので、そこは我々もできる限り、そうした協会けんぽがやりやすくなるような支援をやっていくということだと思っております。

○多田羅座長 それなりの実績は上がっているということですね。

○高木室長 上がっております。資料2で今回も用意させていただいておりますけれども、34ページ目に協会けんぽが実施している生活習慣病予防健診がございまして、平成20年度のときの事業主健診は、なかなか事業所が自分で健診を実施するというのは難しいので、平成20年度では事業主からとれているデータは0%で、実際やっている事業主でも協会けんぽに送ることが、例えば紙データとかで難しい部分もあろうかと思いますけれども、かわりに協会けんぽ自身が生活習慣病予防健診を事業主経由で協会けんぽに申し込んで、協会けんぽが独自に実施しているものでございます。特定健診に加えて、メニューをつけ加えて、より魅力のある形にして健診を実施していただいているのですけれども、これによって平成25年度実績でも46%程度のデータを確保できて、これは直接、事業主の経由で本人にも行きますし、本人同意のもとで事業主がそのデータももらうということで、事業主にとってもメリットがあるし、保険者にとってもメリットがあるし、加入者にとってもメリットがあるという、こういった取り組みを着実にお進めいただいていると考えております。

○多田羅座長 わかりました。ありがとうございます。

 藤井委員、そんなところでよろしいでしょうか。この生活習慣病予防健診などについて何か。

○藤井委員 もちろん私どもも、あるいは厚労省ともいろいろな形で協力しながらやっていますけれども、要は事業主のほうで入口から入れてくれれば、いろいろなやり取りの中で、なかなか入口にも入れてくれない事業主さんもたくさんいらっしゃいますので、そういう意味では先ほどどなたかがおっしゃっていた、勤務時間中に健診あるいは保健指導ができる、できないとか、そんなところを事業主の皆さんにもぜひ御理解をいただきたいなと思っておりますので、その点も厚生労働省のほうでもいろいろなアプローチをお願いできればありがたいと思います。

○多田羅座長 それでいいですね。わかりました。ありがとうございます。

 それでは、高野委員、いかがですか。追加で何かございますか。

○高野委員 私どもが食生活支援に対する特定保健指導について、研修会も催すのですが、それ以外にも歯科項目が入ったことで、保健師、管理栄養士が行う保健指導がうまくいくように資料を提供したいと思っております。

○多田羅座長 歯科医師会は歯は健康の入口とおっしゃっていますからね。ひとつよろしくお願いします。

 では、鈴木委員、お願いします。

○鈴木委員 過去2回の経験を踏まえて、こういう立派なものができましたけれども、実際にやるのは保険者でしょうし、また、受診する構成員であると思われます。保険者にしても構成員にしても、実際にそれを行いやすいような雰囲気づくりというか、そういうようなものをお願いできればと思います。そういう点に力を入れてやっていただければ効果は上がるのではないでしょうか。

○多田羅座長 具体的にはどんなことですか。

○鈴木委員 例えば、私はいろいろな方法があると思うのですが、重要性だとかについて広報を行うことが非常に大事なのではないかと思います。

○多田羅座長 市町村の広報ですか。

○鈴木委員 どこがやるかは別として、こういうものをやってきたのですよ、またこれからもやるのですよと。なおかつ努力しなければいけないので、こういうものに取り組みましょうねというような投げかけが必要なのではないかと思います。

○多田羅座長 文書の形でということですね。

○鈴木委員 文書でやるか何でやるかは別として、そういうものが何かあると、より一層効果が出るのではないかと思います。

○多田羅座長 それはそうですよね。わかりました。ありがとうございます。

 白川委員はその後、何か追加はございませんか。いろいろ意見が出たので、一言何か追加でもあれば。よろしいですか。

○白川委員 もう結構です。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 では、下浦委員、お願いします。

○下浦委員 管理栄養士は、まさにこの現場で指導を実施する立場になろうかと思っております。今回の運用方法の見直し等々において、初回面接の分割実施でありますとか、3カ月経過後の実績評価というようなところは、しっかり研修し、効果的・効率的な保健指導の実施体制を整えることが必要です。国民の皆様に対して、どのようにすれば栄養改善ができるかどうかというところをしっかり取り組んでいかないといけないと思っているところでございます。特に津下委員がおっしゃいましたように、今後は研修の充実でありますとか、実施体制の強化を図りたいと思っております。

 先ほど、皆様方からの意見で、特に喫煙の問題等々についても、指導方法などを見直し、いかに行動変容に繋げるかというところも、管理栄養士としてしっかり頑張っていかないといけないと思っているところでございます。

 以上でございます。

○多田羅座長 保健指導の推進というのは栄養士さんの大きなお仕事かと思うのですけれども、特にございませんか。保健指導の推進について、栄養士会としてはこのように取り組みたいとか何か。

○下浦委員 栄養士会としてもいろいろな形で、例えば栄養ケア・ステーションを活動拠点として、できるだけ管理栄養士が国民の皆様にとって、顔が見える関係をつくろうということで、今いろいろな地域への設置を図っており、まさに被扶養者の方々に気軽に保健指導を受けていただければと考えています。

○多田羅座長 栄養士会の各地区というと市町村単位ですか。

○下浦委員 はい、市町村単位ということで、今、一生懸命に設置の推進を図っているところです。よろしくお願いいたします。

○多田羅座長 ぜひお願いします。栄養士会の会員は多いでしょうからね。何万人くらいですか。

○下浦委員 概ね5万5,000人程度です。まだまだ少ないです。

○多田羅座長 では、津下委員から少しまとめというか、サジェスティブな格好で。

○津下委員 ありがとうございます。今回の改正の中で3ページにございますように、随時血糖が入るということで、食直後と書いてありますけれども、健康局の検討会で食後3.5時間以降の血液検査の結果は使えるということになりました。判定基準も3.5時間以上だと空腹時血糖と同等な扱いができるということが前回の検討会で出ましたので、例えば、朝食事をしたけれども、11時とかでも可能です。ちょっと出かけた先で健診を受けたりとか、そういうことも可能になってきますので、このあたりも受診率を高める手段になるかと思いますし、コレステロールについても、食後や中性脂肪が高い方についてはnon-HDLで判定するということも、これは健診のチャンスをふやすという意味では大きな手段になるかと思います。このあたりも保険者の皆様方はよく周知をしていただくといいのかなと思います。

 2点目ですけれども、リピーターで効果が出にくい人がいますよねという話です。

○多田羅座長 それは積極的支援が続く人。

○津下委員 積極的支援が続く人ですね。そのような方に体験型の保健指導が効果を挙げる可能性があります。現在、宿泊型保健指導、スマートライフステイというものをAMEDの研究で実証中です。合宿型、体験型の指導により、食事の改善の仕方を学び本当に本人ができる行動目標を立てることにつなげます。記録をつけるといっても、習慣化していない人ではどういうふうにしたらいいのだと迷ったりすることもあります。本人の疑問を聞くとか、ほかの人と一緒にやるということで、今までの保健指導で効果が出なかった人が宿泊型保健指導で意識がすごく変わられて、たばこもやめてしまったというケースもあります。ヘビースモーカーでメタボも改善する気なしと、最初に聞く気がなかった人が変わられたというような事例もたくさん出てきまして、保健指導者としても20分間の対面だけではなくて、その人の質問に答えたりするということで、生活実態もわかった指導ができるというようなことで、指導者側もやりがいを感じていると回答しています。今回の改正により今までよりも軽いタイプの保健指導も登場しますが、より効果を狙って、しっかりとした保健指導をやって、そこでフォローをしていくというような、新たな保健指導もうまく取り入れていただくとよいと思います。個人が、また保険者が多様なプログラムから選択できるというような形になるのもメリハリがついていいのではないかと思っています。

 これは日本再興戦略でもさまざまな保健サービスの中から、本人や保険者が選べるということを目指してつくられた仕掛けでもあります。さまざまな保健指導を開発していくこともこれから重要な課題かなと思っています。そういう研究ができるように、どういう対象者にはどういう指導方法がより適切なのかという研究がこれからも発展していくことを期待しています。

 3点目ですけれども、問診の重要性なのですが、健診と言うと血液検査、検査数値を思い浮かべるわけですが、特定健診でとられた標準問診、前回は2,600万人ありましたけれども、各自治体とか各保険者でデータ分析が可能です。運動習慣のない人にどうアプローチするとか、特定保健指導以外にポピュレーションアプローチやさまざまな保健事業に活用できるので、この問診の有効活用というのもさらに深めていく必要があるのかなと。

 そういう点で言うと、先ほど細江委員がおっしゃいました後期高齢者にとっては、特定健診の問診そのままを使うとちょっと合わない部分もあるので、問診についてはどういう問診が、今は性・年代も一律の問診になっていますけれども、付加的にプラスアルファとしてどういう問診がよりその世代をうまく反映しているのかというような検討も必要と思います。コアとして全員に取るべき質問と、プラスアルファのセグメントに合わせた質問の標準化ということも、これからさらに進めていって、よりよい制度になっていくといいのかなと期待をしております。

 このあたりも健康局の検討でもいろいろ話題が出てきておりましたので、保険者の保健事業への吸い上げも可能かと思います。よりよい保健事業が各保健指導機関、保険者が実施できるように情報提供を進めていっていただくことをぜひお願いしたいと思っております。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 私も今、津下委員がおっしゃった保健指導の技術ですね。禁煙も含めて、保健指導は多様な保健指導がこれからはあると思うのですけれども、そういうものについてワーキンググループでの取り組みは、事務局、いかがですか。津下委員にでも中心になってもらって、保健指導のあり方といいますか。

○高木室長 保健指導の効果的な実施方法は、個別性というものもあろうということで、今回の見直しでは現場の弾力的な運用が可能となるようにかなり見直しました。ですので、その結果についてもデータとして検証する必要がありますので、効果検証をやる中でそういった技術のところについてどこまでやるか、この検討会で御相談させていただきたいと思いますけれども、効果検証の中でそうしたデータを広く世の中に対してもそうですし、現場に対してもそうですし、この検討会の場にも御報告して、また検討をいただきたいと考えております。

○多田羅座長 報告の中でモデル的な立派なデータを上げているところに参加いただくとか、そういう格好で具体的に取り組むということですね。その成果に応じて。

○高木室長 はい。スケジュール的に言うと、このモデル実施のデータは平成30年度から実施しますけれども、そのデータが上がってくるのが平成3111月の報告以降に検証するということになります。平成3111月に平成30年度のモデルの。

○多田羅座長 それは31年までは待っておれませんね。

○高木室長 1年分だけで見るのか、もうちょっと2年連続とかも見るのかとなると、やはり効果検証の時期は早くても第3期の中間時点のような形のところになるのかなと。現時点では事務局としては想定しております。

○多田羅座長 モデル事業で若干そういう効果の認識というか、研究ということが当然入ってくるわけですよね。

 どうぞ。

○三輪参考人 津下委員が先ほどお話になっていた宿泊型で効果が出る人もいますよというお話ですけれども、それは関心期以上の人なのか、無関心期でも可能なのかというところはいかがでしょうか。

○津下委員 ありがとうございます。全くの無関心の方が来られるということは少ないのかなと思ったのですけれども、対象者の10%程度は無関心の方で、それは何かと言うと、旅行と思って参加したと。それから、保険者からかなり勧められて参加したという方が入っていました。

 そういう方は最初から泊まりに来ただけだからということで、観光のつもりで来られたのですが、実際に健康的な食事というのを食べてみたら、意外と腹もちがするとか、食わずぎらいでやらなかっただけの部分もあるし、意外とおいしいとか、運動もやってみたら気持ちよかったとか、禁止ばかりだと思ったら、結構やれることがあるとわかった。ほかの人の話を聞いて気が変わった。自分の人生が大事になったというような、そういうきっかけをつくることで無関心期の方がほとんどいなくなりました。参加時には全体の半分が関心期まででした。関心があるけれども、すぐにはできないとおっしゃる方が全体の半分だったのですけれども、終わったときには関心期が減って、もう準備期に移られまして、3カ月後には実行期に入って、6カ月後には維持期に入る方が増えていました。今回、試行事業を実施した機関は大変熱心にやられたから、そんな結果だったかもしれませんけれども、それを差し引いても、体験してもらうと、言葉で言われるだけとは違う印象が持たれたようです。無関心期の人にむしろ効果があるのではないかと感じました。

○三輪参考人 宿泊だとかなりコストもかかってしまうというところもありますけれどもね。

○津下委員 平均で6万程度でした。

○三輪参考人 ありがとうございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。今村委員はよろしいですか。何か考えておられますけれども。

○今村委員 もう十分、皆様方の意見を承って、そのとおりだと思っておりました。津下委員からの問診の活用についての話は、改めて私もすごく重要だと思います。また、前回、特定健診の質問票の集計結果の報告の中で、日本の喫煙率が非常に高いということが改めてわかったのは、非常にインパクトも大きかったと思います。

 もう一つは、保険者間の所得の差が健康の格差になるということは前から言われていることですけれども、改めて喫煙率についても差がありました。

○多田羅座長 所得の低い人がたばこを吸っているということですか。

○今村委員 そうです。それから、メタボの予備群の割合は船員保険で非常に高いだけで、保険者ごとに大きな差がなくほかはほとんど変わりない現状にあるが、さまざまな保険者間のデータの中でもう少し精密に、そういった格差が起こっていないか検証していっていただくとありがたいなと思います。

○多田羅座長 そういう時期ですよね。この事業も第3期を迎えるわけですので、最初に話をしたようにジャンプの時期に来ているということを御認識いただきたいような気がします。特に保健指導の実績を何とか、日本人は健診は当然として受けていただくのですけれども、保健指導は私は元気だからという格好で、健診とスタンスが違うというところは国民性としてもあるように思います。しかし、これからこそ、まさに高齢社会、女性は平均寿命が86歳という時代ですから、元気に長生きをしないと大変なことになりますので、保健指導が大事だというのは国民の大きな課題かと思います。その辺をひとつ、健診・保健指導という形で進めていただくように、言うまでもないことですけれども、改めてお願いしたいように思います。

 それでは、意見は出していただいたようですので、最後にせっかく両審議官にお忙しいところ出席をいただいておりますので、皆さんに一つ元気が出るような話をお願いしたいと思います。

○谷内審議官 座長からの御指名でございますので。本日は第3期におきます特定健診・保健指導の運用の見直しについて、議論を取りまとめていただきまして、どうもありがとうございました。きょう、特に保険者の方から、現場の意見を聞いた上で柔軟な見直しをいただいて非常にありがたいということで、今後、実施率もこれ以上に上げていけるのではないかという頼もしい意見を何人かから聞かせていただきました。

 また、この中にあります29年度から実施率を公表するということが、え、そうなのということで、かなりショック療法的に効き始めているという話も聞いております。我々保険局としましては、この率を上げること自体が目的というよりは、そうすることによりまして、個々の被保険者の方の健康も増し、さらには幸せにつながっていくということが目的でございます。我々としましても、今後ともこういったことにつきまして、データを集めて本当に有効かどうかということをきちんとチェックした上で、さらにこの事業を進めていきたいと思いますので、皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 それでは、濱谷審議官、お願いします。

○濱谷審議官 重ねて申し上げることはそうないのですけれども、厚生労働省全体では2025年に向けて、さまざまな改革、地域包括ケアの構築、医療提供体制の改革などと並んで、健康づくりというのは大きな柱だと思っています。その意味で座長から再三ジャンプの時期だという話がございましたけれども、平成30年度からの計画は本当に本腰を入れてやっていかなければいけない改革だと思っております。今回いろいろな御議論をいただいて、よいまとめができたと思っております。

 また、事業主との関係が先ほど来、議論になっておりますけれども、似たような話として、厚生労働省全体では働き方改革も進めておりますが、そういう意味では経済界、事業主の方々の御理解がなければ進まない部分は多々ありますので、広報あるいは事業主への協力の求めなども含めて、厚生労働省として、できる限りのことは積極的に行ってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○多田羅座長 どうもありがとうございました。

 それでは、委員の皆さんの意見も出そろったようでございますし、審議官からもお話をいただきましたので、基本的な議事は以上までとさせていただきたいと思います。事務局のほうから、今後の取りまとめ案の取り扱いについて、どのようなスケジュールで考えておられるのか説明をお願いいたします。

○高木室長 事務局としては、30年度の見直しに向けて、29年度中の保険者と支払基金でもシステム改修が必要になります。十分な準備期間を確保する必要がございますので、できるだけ早めに取りまとめをいただいた上で、今度はワーキンググループで議論をして、その結果を御報告するという取り扱いにさせていただきたいと考えております。きょういただいた議論で、文言のところについて特に追加の修正等がなければ、早ければ、本日付けでもいいと思うのですけれども、この場で御了承いただくという形でお願いできればと思っておりますが、いかがでございましょうか。

○多田羅座長 その点をお諮りしたいと思います。本日、事務局で御用意いただきました取りまとめ案につきまして、基本的な訂正を要望される団体の方はなかったと思っておりますが、もし文言等で一度検討させていただきたいというようなところがございましたら、本日はお持ち帰りいただいてもいいのですけれども、この形でよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○多田羅座長 それでは、今、事務局から本日ということでもいいということですけれども、そうさせていただきましょうか。基本的に事務局も相当、頭を痛めて執筆されておられたのを私も認識しておりますので、そういうことで御了解いただければ、事務局も喜ぶと思います。

 それでは、本日付けでこの原案どおり、この検討会として承認させていただきたいと思います。それでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○多田羅座長 ありがとうございます。

 それでは、事務局、そういうことで取り扱いをお願いいたします。

○高木室長 ありがとうございます。では、本日付けという形でおまとめいただいたということで、速やかにホームページでも公表させていただきます。きょうの資料につきましては、きょうの資料でホームページに公表いたします。

○多田羅座長 ホームページは見ている人が少ないのでね。ツイッターか何か、そういう空の上から降ってくるようなものではなくて、地をはうような情報提供の方法をちょっと考えてください。

○高木室長 わかりました。日付の入ったものを速やかに公表いたします。

 次回以降の日程でございますけれども、きょうの取りまとめを踏まえまして、実務者ワーキングでシステム改修の仕様等、検討をいただきます。また、その検討結果を本検討会に御報告させていただきます。その作業の進捗にもよりますので、いつの時期になるか、3月ないしは次年度の4月になってしまう可能性もあるかもしれませんけれども、また開催の時期については追って御連絡させていただきます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

 それでは、お陰で立派な取りまとめ案をまとめていただいたかと思います。少し早めにきょうの検討会を終わることができました。委員の皆さんの御協力に感謝したいと思います。

 それでは、以上をもちまして、終了とさせていただきます。御協力をありがとうございました。

 


(了)

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