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2016年11月11日 第4回これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成28年11月11日(金)13:00~15:00


○場所

東京都新宿区市谷八幡町8番地
TKP市ヶ谷ビル 【6F】ホール6C


○出席者

伊澤構成員、岩上構成員、江藤構成員、太田構成員、荻原構成員
籠本構成員、柏木構成員、河崎構成員、吉川構成員、佐竹構成員
澤田構成員、樋口構成員、白川構成員、田川構成員、千葉構成員
長野構成員、中原構成員、平田構成員、広田構成員、本條構成員
藤原構成員代理(天本氏)、松本構成員代理(市川氏)

○議題

(1)新たな地域精神保健医療体制のあり方について
(2)精神保健指定医について
(3)医療保護入院等のあり方について

○議事

○樋口座長 第4回これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、ご多忙のところ、またお足元の悪いところご参集いただきまして、ありがとうございます。

 まず資料の確認と本日の出欠状況について、事務局からお願いいたします。

○鶴田課長補佐 資料の確認をさせていただきます。資料1-1と資料1-2は、新たな地域精神保健医療体制のあり方についての論点整理と、それに関連する資料です。資料2-1と資料2-2として、精神保健指定医に係る資料をお配りしています。資料3は医療保護入院制度についての論点という資料です。参考資料として、平田構成員、柏木構成員より提出されている資料をお配りしています。過不足等があれば、事務局にお申し付けください。

 本日の出欠状況についてです。構成員の代理として、お二方に出席いただいておりますので、ご紹介いたします。藤原構成員の代理として、佐賀県健康福祉部障害福祉課の天本様ですが、遅れておられます。また、松本構成員の代理として、日本医師会常任理事の市川様です。

 また、伊藤構成員、神庭構成員、久保野構成員、近森構成員、中板構成員、松田構成員、山本構成員から、ご欠席とのご連絡を頂いております。

○樋口座長 本日は議事次第にあるように、3つの議事があります。その中でも1の「新たな地域精神保健医療体制のあり方について」がメインというか、時間をかけてディスカッションしていただきたいところです。めどとしては、1時間ぐらいを取って議論させていただきたいと思います。23はそれぞれ30分程度で、1が押すことになると、もう少し短めになるかもしれません。こういった段取りで進めていきたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。カメラはここで退席をお願いいたします。

 議事に入ります。本日は、前回に引き続いて地域精神医療のあり方及び医療保護入院等のあり方について議論を行います。それと、先般行われた精神保健指定医の指定取消処分があり、本検討会の議論に関係してくると思いますので、これについても議論を行う予定です。

 まず、新たな地域精神保健医療体制のあり方についてです。資料1-1と資料1-2について、事務局から説明をお願いいたします。

○鶴田課長補佐 資料1-1と資料1-2を使ってご説明いたします。まず、資料1-12ページ、1つ目の○に、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムについての考え方を書いています。ここでは、圏域の考え方として、以前は「精神医療圏」ということを書いていましたが、ここでは障害保健福祉圏域ごとに重層的な支援体制を作るということを書いています。これに対応して資料1-2に、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムのイメージ図を改変しているのと、各圏域が各都道府県でどのように設定されているのか分かりにくいということもありましたので、調査をして結果をまとめた資料を提示しております。

 資料1-1の論点整理1.です。2つ目の○は前回と同じです。3つ目の○については、前回もご意見のあったところですが、「未治療者、医療中断者への早期支援を充実していくに当たっては、医療機関だけではなく自治体との連携も必要」というご意見もありましたので、「対応の方向性」の3つ目の○の最後に、「この際、精神科医療機関と自治体との連携のあり方についても検討すべきである」と追記しております。

 論点整理2.3ページ目です。こちらも現状と課題、対応の方向性は、それぞれ3つずつ書いてあり、対応関係にあります。1つ目の○は前回と同じです。2つ目の○は、「対応の方向性」の所を修文しており、ここでは、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けて、障害福祉計画に基づき、障害保健福祉圏域ごとの関係者の協議の場を通じて、医療と福祉の連携、重層的な支援体制を作っていきましょうということと、もう1つは、医療計画に基づいて精神医療圏ごとの医療関係者による協議の場を通じて、圏域内の病病連携、病診連携、いわゆる医療連携を進めていきましょうということを書いています。

3つ目の○ですが、こちらも「対応の方向性」の所を修文しています。多様な精神疾患等ごとに、医療機関の役割分担と連携を推進できるように、医療計画に基づき、関係者の協議の場を通じて、各医療機関の医療機能を明確化すべきであるということを修正しています。こちらの内容については、資料1-25枚目以降のスライドの中で、多様な精神疾患等に対応できる医療連携体制のイメージを載せていて、6枚目と7枚目の中で、医療機能の明確化の具体的イメージを資料としてまとめています。資料をご確認いただければと思います。

 資料1-14枚目の論点整理3.も、現状、課題と対応の方向性は、それぞれ3つずつ書いてあり、対応関係にあります。「対応の方向性」の1つ目の○です。修文しているのは一番最後のフレーズで、「あわせて、医療計画における精神病床の基準病床の算定式との整合性を検討すべき」として、平成32年度末の次の障害福祉計画の最終年度と2025年の目標値を定めることを検討すべき方向性と書いていて、その目標値と整合性の取れた基準病床の算定式を見直すべきであるということを書いています。

2つ目の○は、「対応の方向性」の所で、630調査の集計結果が遅いという課題があるので、そこに関しては630調査の事務局側の集計体制をしっかりと改善し、早めていくということを書いています。

3つ目の○に関しては、「重度かつ慢性」については、厚生労働科学研究において策定された基準案を医学的評価尺度の1つとして活用すべきと。「重度かつ慢性」に該当する精神障害者の方が地域生活できるように、研究を更に進めていくべきということを書いています。こちらに関連する資料として、資料1-28枚目以降が該当します。8枚目で、平成32年度(2025)の将来目標を考える上で、どういう考え方、どういう計算式で設定するのかを書いています。簡単に言いますと、8枚目のスライドにあるように、精神の場合は、これまで03か月のところを急性期、312か月を回復期、12か月以降を慢性期としているわけですが、それぞれの年齢階級別入院受療率に対して、今後の高齢化を勘案するため、将来の年齢階級別人口を掛け合わせることによって、将来のそれぞれの入院需要を計算することができます。そこに対して慢性期の入院需要に関しては、「重度かつ慢性」の研究の中では6割の方が該当し、言い換えれば4割の方々は地域の基盤が整えば、地域に移行することが可能であるといった研究成果等が出ていますので、そういった研究の成果を織り込んだ形での将来の目標値の計算式を、9ページ目のスライドで具体的にお示ししています。

 また、「重度かつ慢性」だけでなく、例えばクロザピン等の普及により「重度かつ慢性」の方であっても、治療効果が期待できるわけですし、また「重度かつ慢性」は認知症のところには適用されないので、認知症のところに関しては、これまでの実績の中で長期の入院受療率が改善してきていますので、そういった実績を勘案しながら目標値を計算するといった計算式を、事務局案として提示させていただいております。1014枚目は、急性期、回復期、慢性期の入院受療率の経年変化を示しています。

15枚目のスライドでは、精神病床における基準病床数の算定式の見直しということで、先ほどの将来目標値である平成32年度末の入院需要をベースにし、その圏内外の患者の移動があり得るので、そういったものを勘案し、またそれを病床利用率で割り戻したものが病床数になるので、そういった考え方での基準病床数の算定式の見直しをしてはどうかということを事務局案として提示しております。1617枚目は、これまでの算定式の見直しの変遷を整理した資料です。

18枚目は、障害福祉計画、医療計画のそれぞれでアウトカム指標が設定されているわけですが、それぞれの計画で整合性の取れた目標値、また今回の精神障害にも対応した地域包括ケアシステムにふさわしい指標として、このような見直しをしてはどうかということを事務局案として提示しております。1920枚目は、これまでの資料で提示しているものですが、「重度かつ慢性」の基準案の概要です。事務局からの説明は以上です。

○樋口座長 ただいまの資料1-1、資料1-2についてご意見を頂戴します。時間が限られていますので、ご発言の方は簡潔に、できれば12分でご発言いただけると、大変円滑に進めさせていただくことができますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

○白川構成員 全国の精神保健福祉センター長会を代表して、白川が話させていただきます。論点整理の所で、「検討すべき」「研究すべき」という表現が結局多くなっているということで、先送りされてしまうのではないかと非常に心配なところがあるので、2014年からアウトリーチのほうが保険診療化されているということもありますので、その辺りを更に推進するということを明確に入れていくのがいいのではないかと思っています。

 例えば精神障害者に対応した地域包括ケアシステムの構築のイメージ図があるのですが、これは通院医療、入院ということが書かれていますが、在宅診療とかアウトリーチの記載がないということがありますので、このままでいってしまうと、通院できるケースだけの地域ケアという形になってしまうことがあるので、そうなると、認知症の施策と比べて遅れた感じになってしまうということがあります。是非このアウトリーチのところをきちんと位置付けていただきたいと思っています。

 この図に関して言うならば、様々な相談窓口というところについては、精神保健福祉センターに精神保健相談がありますので、複雑困難なものということで追記していただければと考えています。

○田川構成員 日精診の田川です。論点整理の1も地域包括ケアシステムについて語っておられて、論点整理の2も、そのように語っておられると思うのですが、読んでみると全く違っているという印象を受けます。

 地域包括ケアシステムというのは、基本的にはいろいろな方がいろいろな力を合わせて連携しながら、いろいろな困難を抱えている方、お年寄りにしてもそうですが、それらの方を地域で生活できるようにサポートするという、基本的には連携というものがベースにある考え方なのではないかと思います。地域ごとというのが、ベースにある考え方ではないかと思っています。

 ここで、多職種を雇用し、多機能という事で、地域に責任をもって対応している精神科医療機関、これがどこかで出てきてもいいだろうと私は思うのですが、例えば非常に重い方、サポートが難しい方に対してという意味合いでは、もちろんありだと思っているのですが、初めにこれを持ってきて、スーパーマンみたいなものを1つ作ればというのと、地域包括ケアシステムの考え方は違っているのではないかと思います。これが1点です。

 先ほどの資料2ページの図ですが、この中に、今言った多機能で地域うんぬんというものが全く入っていないです。まずこの図をしっかりとやっていく必要があると思います。

 それと、資料7ページの「医療計画上多様な精神疾患等ごとの医療機能の明確化のイメージ」という図です。これは、実は平成25年の医療計画を立てるときに、大阪で入院も外来も一遍やってみようと、得意なところと苦手なところはそれぞれあるのだから、得意なところを出しながら、2次医療圏ごとに配置したらどうかということで、実際にいろいろな調査もしましたし、ある程度は形ができました。しかし、最終的には全県1区ということで、2次医療圏ごとではなくなったので、流れてしまいました。

 ただ、これはいろいろと問題があります。1つは、大阪は診療所だけでも二百数十ある。そういう資源の多い所であれば、こういうことも有効かもしれないと思います。どういう資源が、どのように配置されているか把握でき、何が不足しているかも把握できます。不足しているものについては、公的病院に頑張っていただきます。医療計画の中でも、公的病院に不足しているところを補ってもらおうというイメージで大阪ではやりました。

 ところが、例えばうちで統合失調症の人で重い方に力を入れているといっても、それ以外の方もたくさん来られているわけで、それに完全に限定していくというのは、実際の医療として難しい。例えば新しく診療所を開くときに、ここはこういう機能が不足しているから、それでやってくださいということになると、これはとても大きな問題で自由開業医制が潰れてしまうような問題にもなりますので、そういうことを加味しながら考えていただければと思います。

○千葉構成員 千葉でございます。私からは、論点整理の1.の「地域で支える医療のあり方について」を見ていて、考えることがあります。それは医療と障害福祉サービスの連携という内容のところです。その図のほうの包括ケアシステムのイメージの所を見てみますと、医療と障害福祉サービスを別々の所に分けていますが、実際は精神障害者は、ほかの2障害と比べての大きな特性は、疾患と障害が併存しているというか、そこの中に大変密接な関係をもっているということでして、医療が欠かせない障害なのだということです。それから考えますと、これまでの論議の中には、障害福祉サービスと医療との連携といったところの視点が、十分にここの中に反映されていないというか、語られていなかったように思います。

 計画相談をされる事業所に、例えばかかりつけである主治医からの意見書とか情報提供、あるいはその計画相談の内容を、かかりつけ医に対しての情報提供といったところ、あるいはサービス提供事業者、自立訓練であるとか就労継続支援といった事業所等からに対しても、主治医、かかりつけ医との連携、あるいは現在の利用状況等についての情報提供といった形での、密接な連携のスタイルが大切なことではないかと思うのです。

 ほかの高齢者等の介護などのモデルは、おおむねそういった形で、ケアマネージャ等との連携を出しているわけですが、障害福祉サービスと地域精神医療、特にかかりつけの主治医との関係については、今のところはかなり分断されている状況にあって、この部分については諸外国でも問題になってきているところでもありますので、地域包括ケアシステムを構築するといった意味から、その点についても検討が必要ではないかと思います。

○長野構成員 長野です。地域包括ケアシステムの姿が徐々に具体化してきていることを、とても有り難く思っています。また、この圏域設定のことを丁寧に調査していただいてありがとうございました。

 それで見えてきた問題だと思うのですが、地域包括ケアシステムを構築するときに、障害保健福祉圏域をベースにするということで書かれているのですが、先ほど千葉構成員がおっしゃったように、医療と福祉は切って離せない状況の障害だと思うのです。それで、資料1-23ページを見ると、精神医療圏と精神科救急医療圏が1つと設定されている県が、かなりたくさんあります。これが、本当に病院であったり資源の偏在によることだけとは思えなくて、実際に全県1つで、医療圏が木目細かに設定されるはずがないです。

 例えば3ページの「対応の方向性」の2つ目の○か、2ページの「対応の方向性」の1つ目の○の所に、「精神医療圏、精神科救急医療圏の見直し、あり方を検討する」というような文言が要るのではないか。医療圏は県にお任せする、1つでいいということをずっと続けていると、いつまでたっても生活に即したものになっていかない。精神医療圏、救急医療圏の見直しが必要だということは要るような気がします。

 それと、包括的支援マネジメント手法、先ほど医療と福祉のところがありましたが、相談支援との関係性に全く触れられていないし、まだ整理もできていないのだと思うのですが、相談支援もかなり準備をして動いていますので、それとリンクさせていく必要はあるのではないでしょうか。

 もう1つです。論点整理2.3ページの「対応の方向性」の2つ目の○です。地域包括ケアシステムの構築に向けて障害福祉計画と医療計画と書かれているのですが、資料1-213ページの年齢別の入院受療率を見ていても、圧倒的に65歳以上の受療率が急激に上がっていて、90歳以上がピークという状況で、介護保険との関連性はどう考えても切り離せないと思うのです。「介護保険事業計画に基づき」と書くのは、今の段階では調整が難しいのかもしれないのですが、少なくとも介護保険事業計画との調整であったり、本当はその中に基づいていかなければいけないのではないかと思っていて、介護保険事業計画の視点も初めのポンチ絵にはしっかりと描かれているのですが、介護保険事業計画との調整が必要だと思います。

 あと、先ほどの田川構成員の話にも少し出ていると思うのですが、各医療機関ごとの医療機能を明確化することがどこに向かうのかということです。いわゆる機能分化と地域包括ケアは施策としては相反するものだと思います。地方で機能分化が進むと、機能の欠落がどんどん強くなっていきます。もし、これが医療機能ごとの機能分化を目指すのであれば、精神科総合診療とか、かかりつけ医というものを同時に導入していかないと、生活圏に全部そろうことのない地方が大部分ですので、そこでまた一極集中化、都市集中型の医療体制を組みかねないので、明確化するのはなぜか、その後のことをしっかりイメージしておかなければいけないのではないかと思います。

○中原構成員 保健所長会から出てきている中原です。これを見ていて、「協議の場」というのがたくさん書かれています。今、保健所では、どちらかと言うと高齢者メインの地域包括ケアシステム、医療構想の中での病院の機能の調整といったものをいろいろとやっております。その中で、地域医療構想の調整会議という形で協議の場があって、その中には市町村等にも入っていただいて、今年度中には全県において策定されますので、実際に来年度からは、地域として包括ケアシステムを踏まえた中での医療連携、介護連携をどうしていくかというような話が行われていくことになっているのです。今の段階では地域医療構想の中には精神科病院の病床機能としては入っていないということで話は進んでいるのですが、ここでいろいろとこういう話が出てきているところから考えると、精神障害者に特化した包括ケアではなく、精神障害者にもという、あえて今回修正していただいているので、これから全県で始まっていく地域医療構想の話合いの場の中でも、こういった精神の部分がきちんと話し合えるような形で考えていただいたほうが、別に精神に特化したという形ではなくて、地域全体の、障害者の方も含めた医療体制の構築が進むのではないかと思います。

○平田構成員 論点の3.の「精神病床のさらなる機能分化」に関連して、精神科救急学会の考えを中心に話をします。私は「重度かつ慢性」研究班にも関わっておりまして、これも参考資料に載っていますので、これにも言及したいと思っています。

 まず、資料1-28枚目をご覧ください。一番下の棒グラフを見ると、在院期間別の入院患者の構成です。現状では、約62%が1年以上の長期在院で占められています。これが国際批判の主な対象になっています。これを平均在院日数の算定に含めるために、日本の平均在院日数は390などになってしまうのです。OECD各国の統計を見ると、急性期と回復期のみに限定して出していますので、日本でこれだけを計算すると60日ぐらいで、そんなにほかの国と比べて遜色ないのですが、一緒くたにしてしまうために、このような問題が起きています。

 それはともかく、慢性期の長期の在院の人たちをどうするかというのは、「重度かつ慢性」の研究の第一の研究の趣旨だったのですが、研究班の目標は2つあって、1つは長期化しないためにはどうするのか。未然防止のほうが大事なのです。一旦、1年を超えてしまうとなかなか退院できませんので、1年を超える前にどうやって退院に持っていくか。長期在院を防止する方策が1つです。もう1つは、既に長期化してしまった人たちをどうやって地域に戻すか、あるいは治療していくかということです。この2点にありました。

1点目では、急性期治療病棟の入院患者の追跡調査を行いまして、この結果を見ますと、3か月で85%が退院していて、1年以上に長期化する人は3%ぐらいしかいないのです。これは一般の全国統計に比べると、極めて早い退院速度です。これはいろいろな統計から明らかなことであって、要するに医師や看護師の数が多くて、個室が中心で、一人一人を丁寧に診てくれる入院治療の体制があれば、長期在院を防止できるというエビデンスがはっきりしているのです。これを中心に、長期在院を防止するというために、全国で急性期の治療病棟をはじめとする、急性期型の包括病棟を普及させるべきであるというのが救急学会の主張です。

 これを集約したのが、10月の救急学会で、学会提言として採択された提言があって、これは新たに入院する人々を規格の高い病棟に入院先を限定すべきであるという提言をしています。これをすぐに実現するのは無理ですので、実現するために必要な制度、あるいは施設を整備すべきだという提言になっています。後で具体的にお示しします。こういう考え方に基づいて、急性期の治療をもう少し強化すべきであると。

 それから、3か月を超えて1年の間の回復期の治療に関しても、制度的な設計が何もないものですから、ここにも手当をすべきだと思います。既に長期化してしまった人をどうするかも議論されましたが、1つは、拠点的な病院を地域の中に幾つか作るべきであると。そこで、「重度かつ慢性」の人たちに対して、例えばクロザピンであるとか、m-ECTであるとか、退院のための心理や社会的アプローチを強力に進める拠点的な病院を作るという考え方が1つです。もう1つは、在宅医療に向けて、普遍的なシステムを作っていくということがはっきりしているわけです。

 まとめますと、長期在院を防ぐために、急性期、回復期、慢性期のそれぞれに、しっかりした戦略、戦術を立てて検討していくべきだろうと考えます。

○樋口座長 別に順番でやっているというわけではないので、発言のある方にこちらのほうからお願いしております。また後で発言を。

○本條構成員 資料1-12ページの「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」のイメージ図ですが、これ自体は私もは大変評価しておりますし、是非進めていただきたいと思っております。ただ、先ほど委員の方からもご意見がありましたが、訪問による、アウトリーチによるという視点が少し弱いのではないか、このように思っております。それと家族の立場としては家族支援というところが、もう少し強調されても然るべきではないかと思っております。ピアサポート活動を家族支援と捉えるならば、それにも入らないわけではありませんが、私たちの求めている家族支援というのはそうではなく、多職種の専門職による家族支援。言葉を換えて言えば、家族支援というより家族療法、あくまでも本人の回復、リカバリーを目的というか、射程に入れた家族療法、家族支援ですので、その視点を入れていただきたいと思っております。

 もう1つは、障害というものが心身の個人的な機能の低下といいますか、そういうものを軽減していくばかりではなく、社会的な障壁を除去していくことにもあるわけですから、心のバリアを取り除いていくという視点を入れていかないといけないと。それには啓発、教育ということが大切になってくるのではないかと。この3点を考えていただきたいと思っております。

○市川氏 医師会の市川です。先ほどから話題になっております地域包括ケアシステムは、この絵で左側のほうはいろいろな相談窓口とありますが、特に中心となる、例えば介護保険の場合ですと、地域包括支援センターが中心なので、これはどこか中心となる場所を作られたほうが対応しやすいのではないか。もう1点が右側の介護保険サービス、これは介護保険サービスをそのまま持ってきたと思うのですが、精神の場合には精神疾患を抱えた高齢者の場合が果たしてこのような介護保険に適用する部分に重なって、対応できるかどうか。絵ですから何とも言えないと思うのですが、そこもちょっとお考えいただきたいと。

 もう1点、7ページに「多様な精神疾患等に対応できる医療連携体制」うんぬんとありますが、これはそれぞれ病院機能を明確にしたということで、非常に良いと思います。これはまだ実際にはできていないと思いますが、できましたら利用者に分かりやすいようにアナウンスしていただきたい。

 あと、これが一番問題なのですが、真ん中にあります身体合併症を持った精神患者の方、これは要するに一般の身体症状が悪くなったときに、精神科の方がどこでどう治療を受けるか。受けるほうも、また治療をするほうも、なかなか難しい部分がありますから、なかなか難しいと思いますが、いろいろな1つの指標というか、お考えをまとめていただくとよろしいのではないかと。以上です。

○樋口座長 こちらにまいりまして、伊澤さんのほうからいきましょうか。

○伊澤構成員 資料の論点整理の1.なのですが、「精神障害を地域で支える医療のあり方」、先ほどから包括システムの話が随分出ておりますし、私もその方向で進んでいくことがとても大事だなと思います。一方で、入院医療と地域包括支援システムをどのように連携させるかというところがとても大きな肝だと思っていて、となりますと、やはり押し出す側の入院医療体制、機能分化というところの議論を更にもっと深めていく。その際に、医療従事者の方々と地域で生活支援を支えている、言うならば医療の担い手の方々との間に、少しギャップというか、イメージの違いみたいなものがほの見えるときがありまして、例えば看護の方などの感覚で、要するに退院に向けての流れを作っていくときに、この人にとって今が退院の時期なのかどうかという判断ですよね。状況とか病状も含めてなのですが、その判断を付けていく看護スタッフ、入院医療の方々と、地域でそれを支える看護の方々との間にすごく温度差というか、イメージの差みたいなものが感じられます。訪問看護の担当者とお話などをしますと、その辺の狭間で結構、なかなか話が進まない、進展しないケースというか、事例というのも多々あるのだというお話を聞いたりもしますと、やはりイメージの共有化とか、押し進めていく上での情報交流と言いましょうか、そういったものを押し進めていくような視点はとても大事だなと思います。それが1つです。

 あと、「重度かつ慢性」のことについては再三、私のほうでも述べさせていただいておりますが、表現が持っているイメージのショッキングなところを何とか改善していただけないかと思っています。つまり、名称について、このままでいいのだろうかという思いを持つとともに、不見識で申し訳ありませんが、諸外国でこのようなカテゴリーで、またそれに基づく処遇が何か行われているという例があるのかどうか。その辺はちょっとお聞きしてみたいなと思ったりもしております。それがあるのであるならば、そこは考え方を広げていかなければいけないのかもしれませんし、もしないのであるとするならば、それは我が国固有の風土病のような形に、ややもするとなってしまうような恐ろしさを持ったりもしております。

 資料4ページ3.にある「精神病床の更なる機能分化」の対応の方向性の中で、その記述の中に422日に安西先生を中心とした検討チームの報告がありまして、そこで安西先生がおっしゃっておりました。「重度かつ慢性」の方々は治療密度を上げていく対象者の方々なのですと。ですから、そういう観点から、多様の方向性についても記述が必要ではないか。「重度かつ慢性」の方々への治療密度を上げることを確認するというか、強調していくというか、そのような視点が大事だなと思うのとともに、対応の方向性の○の3つ目には、末尾の所で精神障害者が地域生活できるように、研究を進めるべきであるという記述がありますが、これも前回もお話がありましたが、現状、通院医療で対応できている事例と言いましょうか、方々もいらっしゃるという、その辺の精査も含めて、実証的に研究を進めるべきであるというようにしていく必要があるのではないかと思っております。以上です。

○岩上構成員 岩上でございます。ちょっと違った視点になるかと思うのですが、資料1-218ページ、「医療計画、障害福祉計画におけるアウトカム指標の見直し」がありまして、これは大変賛同したいと言うか、こういう方向で進めていただきたいと思います。医療計画と障害福祉計画と介護支援計画になると思うのですが、その話と精神医療の今後のあり方というのは非常に密着している話だと思うのです。ここでは精神医療のあり方を特に議論すべき検討会だとは思いますが、社会の様々な問題を解決できないことを今まで全て精神科医療にお願いしてきたという歴史がありますので、そういうことを考えますと、現状で起こっている障害福祉の支援のあり方と介護支援のあり方に、きちんとお返しをしなくてはいけないということだと思います。そこが今まで必ずしも連動していたとは言えないと思うのです。

1つは、障害福祉計画の中で退院率等を上げていましたが、退院する人たちの基盤整備として、これだけのサービスが必要だということをきちんと明記してこなかったということがありますので、今回、精神病床の機能分化の中で、基盤整備量を表すということを書いていただいていますので、これをきちんと障害福祉計画に落とし込んでいただくと。これだけのサービスが必要であるということです。

 介護支援計画については、前回の支援計画の際に、通知として長期入院の方が退院してくる割合をサービス量に加えなさいということは出していただいているのですが、そこをまた強化していただく。そういったことが目指すべき精神医療を作っていく上でも重要だと思いますので、きちんと書き加えていただいておりますが、そういったことを論点整理だけ、論点整理すると、多分、前文等が作られると思いますので、前文等にもきちんと明記をしていただけると有り難いと思います。以上です。

○樋口座長 では、江藤構成員、お願いします。

○江藤構成員 論点整理の所で、それぞれ今回、精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築ということで明記されているのですが、例えば介護保険のほうが若干、先行はしているのですが、介護保険のほうで言うと、地域包括ケアシステム、これは何が言いたいかと言うと、介護保険のほうはどちらかと言うと市町村が保険者で、実は積極的な支援をやってこない都道府県が、なかなか進行していないという実態がある。一方、この精神保険医療福祉に関しては、どちらかと言うと、これは都道府県の役割ですよというところが市町村側からあって、こういう書き方をしていただいているので読み取れるとは思うのですが、そこのいわゆる都道府県と市町村、そして医療機関、多職種の連携という、特に行政側のほうで言う都道府県と市町村の連携というところをもっときっちり、絶対重要なのですよというところの表記をしていただくほうが、多分、市町村側は分かりやすいのかなという気がしておりますので、その点だけお願いしたいと思います。

○太田構成員 既に皆さん議論されているところではありますが、ちょっと気になったところとして、まず、圏域設定のあり方そのものの合理性をどのように担保するのかという問題意識は、やはりもう少し示したほうがいいのかなという気はいたしました。それから、資料1-22ページ目のバックアップという形で多層的に整理された地域包括ケアシステムのイメージにつき、それ自体としては私が前回指摘させていただいたことが盛り込まれて、再整理されているとは思うのですが、バックアップという一言の中に、先ほどの江藤構成員の発言にもありましたように、どこがイニシアチブを持つのかとか、どこが中心的な役割を果たすとか、その辺の、ちょっと普通の地域包括ケアシステムは違ういろいろな作業がバックアップという一言の中にあるのではないかと思います。その辺をもうちょっと、できればクリアにしていただいたほうがいいし、始めてみないと分からないということであれば、そこを意識した、それこそ国の側のバックアップを求めたいと思います。

○荻原構成員 荻原でございます。2点あります。今のお話にも関連するのですが、地域包括ケアシステムの構築、イメージ図の中に、地域自立支援協議会の言葉がないのがどうしてなのかなと思います。都道府県、市町村レベルで、それぞれの取り組みが連動していないという現実もあるとは思うのですが、毎回お伝えしているように、市町村の自立支援協議会でやっている所は、かなりいろいろな対応をしておりますので、是非この地域の自立支援協議会というのを噛ませておいたほうがよいのではないかと思います。市町村で、要は部会ができていて、精神障害部会とか、いろいろな対応でケア会議も実際している所はいっぱいありますので、そこが恐らく先ほどから出ている、中原構成員からもありましたが、「協議の場、協議の場」といっぱい書いてあるけれども、これは誰がどのように進めていくのかといったときに、既に市町村はいろいろな形で動いているところがあると。そういうものを持ってきたほうがいいのではないかということです。

 あと、質問なのですが、論点1に「精神障害者に対する包括的支援マネジメントの運用」と書かれていますが、記憶が間違っていなければ、平成14年に厚生労働省から障害者のケアマネジメントのことについて、本も出ていたりします。身体障害、精神障害、知的障害と分かれて、ちゃんとした本で、それも市販されているもの。ああいうものがもう平成14年ぐらいに出ていて、実質15年近くたっているわけですが、それとは違うものを目指すのか、それともその平成14年のものを実績等を調査して、それでなおかつ包括的というようになっているのか、その点を教えていただければと思います。以上です。

○樋口座長 もし今の点、お答えがありましたら、お願いいたしましょう。

○鶴田課長補佐 本日の資料にはお付けしていないのですが、前回の930日、第3回検討会の資料の中で、研究の内容を示した資料を提示しております。第3回検討会資料の資料26ページ目に、「多職種連携による包括的支援マネジメント手法を開発する研究」というものが現状走っていて、この研究の中では既に医療機関などで行われている包括的支援マネジメントの実態を把握し、関係者と協議をしながら、その手法について整理をしていく。そういった研究班が走っておりますので、その中で今既にいろいろな個別マネジメント手法が行われていると思いますので、そういったものを把握しながら、整理していくことを考えているといった状況です。

○荻原構成員 1点気になったのが、せっかく平成14年にやっているので、そこの延長線上で、新たに付け加えるものは付け加えるということなのかということの確認だったのです。

○鶴田課長補佐 ご指摘を踏まえ担当している研究者の方々に情報を提供したいと思います。

○荻原構成員 ありがとうございます。

○籠本構成員 これまでもご意見がありましたが、医療圏はすごい大事だと思います。先ほど田川先生からありましたが、大阪で精神も入れた医療計画を立てるときに、医療圏のことでもめて、結果的にうまく捌けなかったということがあって、それぞれ自治体もいろいろ考えてやっているのですが、国として、厚生労働省として、どこまで強くそれを医療圏をきちんと、例えばここにちょっと書いていますが、「精神医療圏の設定に当たっては、二次医療圏を基本としつつ」うんぬん、障害保健を福祉圏へと、できるだけ理念からすると、医療と福祉や介護、みんな同じ圏域で包括的にやるということであれば、できるだけそれがその地域で同じように圏域が設定できて、そこで一体的にやっていけるというようにするように、もうちょっと強めに書いていただくと有り難いし、自治体の担当している行政の連中も、いろいろ頭を悩ませて、会合を開くと、こんなのは無理だとか、どうとかこうとか、いろいろ出るのですよ。でも、厚生労働省のほうでも一体的にやるのだということを書いているではないかということを、もうちょっと一押ししていただくと理念として、「原則として」と書いているのですが、もうちょっと強めの書き方をしていただくと有り難いなと。地方の行政担当者も進めやすいなということ。

 それと、それを協議する場でも、やはり基本的にこういう方向になっているので、ここをベースに考えてほしいということを強く言えるので、各自治体の行政担当者が頑張りますので、そこをちょっと応援してあげる形で、強めに書いていただくと有り難いなと。

 それと、平田構成員のほうから話がありましたが、精神科救急学会のほうであれを出していただきましたが、自治体病院協議会の精神科部会でも、非自発的入院に関しては、できるだけ高規格の病棟で、きちんと治療をする、早期に退院させるということを一応、方針として打ち出しております。

 これは前々から言われていますが、精神科特例の問題。これも自治体病院協議会はずっと、いつから言い出したのだと思うぐらい昔から言っているのですが、精神科特例はやめて、一般医療と同じように人員体制配置をということ。これを目指すということをきちんと書いて、そういうことをやることで長期入院化が確実に防げる。救急学会のほうでデータも出していただいていますし、そのような書きぶりにしていただくと有り難いなと思っております。以上です。

○樋口座長 柏木構成員、ありますか。

○柏木構成員 籠本構成員の続きの話なのですが、私どもの病院は精神科の救急病棟が2、それから急性期を1つ持っている病院なのですが、少なくとも3か月で退院させないといけないという診療報酬上の縛りがありますので、先生たちがおっしゃっているように、かなり早期に退院ということは獲得できていると思います。ただ、早期退院した方々がずっと入院せずに頑張っていられるかということになると、そこはもうちょっと。平田先生が先ほどおっしゃった調査の中身も教えていただければと思うのですが、3か月以内にまた再発などといった形で、帰ってこられるようなケースも多々あります。ですから、むしろ急性期を出られた方たちの退院後のフォローの体制もかなり必要になってくるのではないかと思うことが1つです。

 それと、急性期から外れてしまって、つまり3か月を超えてしまって、回復期病棟のところに転棟されると、それこそ医師や看護師の人員配置もコメディカルの関わりも非常に希薄な所に入れられてしまって、その人たちが治療が非常に難しい困難事例であるにもかかわらず、人員配置的にもかなり落ちた所に回されてしまうというような診療報酬上のシステムは、非常に問題があるのではないかと思っており、回復期で何とかしたいというのであれば、ここに必ず人員配置と診療報酬上の裏付けを何とか付けていただきたいというのが、これが2つです。

 病床のことだけを続けて申し上げますが、「重度かつ慢性」のデータが出たときに、一度、私どもの病院のケースを当てはめてみましたが、今いらっしゃる長期入院の方のほとんどがそれに対応するというぐらいの基準であったかのように思われます。恐らく入院を継続せざるをえない、とにかく難しいだろうなというケースもたくさんありますが、その「重度かつ慢性」の評価基準の中でも、我々が退院促進をしたい、地域移行促進を掛けたいといったような事例も、たくさん混じっていらっしゃったので、そのことについてはもうちょっと現場の状況に合わせたような形を取っていただきたいと思っております。

 もう1つ、地域包括ケアシステムのことに関してですが、今、厚生労働省は地域包括支援センターを高齢だけではなくて、全世代、全世帯型の地域包括ケアシステムの中核にしようというような構想がもう出てきていると思います。障害の方たちも高齢になりますし、高齢の方であっても障害の問題を抱えてくるということになっていますので、ワンストップの、総合相談センターを中心に、精神障害にも対応できるシステムに絞られたほうがいいと思います。地域包括ケアシステムは中学校区という非常に狭い範囲内を想定してやられているので、精神科の先ほどおっしゃっていただいた医療圏とは若干ずれがあるように感じております。ここはなかなか整理できないのですが、そもそもの地域包括ケアシステムを基盤にしないと、精神障害だけに特化した地域包括ケアシステムというのは、その中で排除の構図になってしまうのではないかという心配もありますので、是非同じようなレベルで語っていただいて、それに加えて特性に応じた医療圏の確保みたいなことを考えていただきたいと思っております。以上です。

○河崎構成員 日精協の河崎です。もう多くの構成員の皆さん方がご指摘されたところと結構重複する部分がありますので、そこは避けたいなと思います。私のほうからは、まず資料1-1の「精神障害者を地域で支える医療のあり方」の現状や課題と対応の方向性のそれぞれ3つ目の○の所です。前回だったと思いますが、私だけではなくて、「未治療者や医療中断者への早期支援」うんぬんという所は、精神科医療機関がそういうことに対応していくのでは、かなり無理がある。やはりここは行政、あるいは保健所等々がかなり積極的に取り組んでいっていただくシステムが必要だということを述べさせていただいたと思いますが、それが対応の方向性の3つ目の○の最後の所です。先ほど説明がありましたが、「この際」うんぬんという所に反映されているのだとすれば、それはそれで結構かなと思います。

 もう1つは、私もやはり圏域のことが非常に気になります。資料1-2の「精神疾患に関連する各都道府県の圏域設定の状況について」です。先ほど長野構成員から、精神医療圏、そして精神科救急医療圏、これを見直すようなことが必要ではないかというご指摘がありました。私もそうは思うのですが、ただ精神科救急医療圏については、各都道府県がそれぞれの県内の精神科医療機関の実態等々に応じて、このような可能な形での精神科救急医療圏を設定されているのかというようにも思ったりするところもあります。ですので、その問題と精神医療圏がこんなにばらつきがあるという問題とは、ここはかなり質が違うのではないかと思います。

 事務局にお聞きしたいのは、今回の資料で、精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムを障害保健福祉圏域ごとに協議の場を設置して、そういう中でこの地域包括ケアシステムを作っていったらどうかという提案だろうと思うのですが、前回は精神医療圏(二次医療圏を基本とする)ごとに、という表現だったと思うのです。それがこのように今回、障害保健福祉圏域ごとにというように変わった経緯というのか、その辺りをもう少し丁寧に説明していただいたほうが、私も含めて皆さん方、理解しやすいのではないかと思うのです。

 確かに今の資料1-23ページの「圏域設定の状況について」という所を見ると、これは精神医療圏が本当にバラバラですよね。二次医療圏と一致している所もあれば、全くそれは関係ないような設定の所もあったりするので、これでは精神医療圏ごとにというのはなかなか難しいという判断でなされたのか、あるいは障害福祉計画との整合性を勘案されてのことなのか、その辺りを教えていただければと思います。

 もう1点ですが、資料1-2の「多様な精神疾患等に対応できる医療連携体制の構築に向けた医療機能の明確化について」なのですが、これも先ほどから籠本先生、田川先生、私も大阪の人間ですので、同じような印象を持って、かつこれは精神医療圏ごとにこういう形のことがうまく全国的にイメージができていけばいいなと思うのですが、これも県によって医療資源がどのように分布しているのか、それによって違ってくると思うのです。そこはかなり自由度を持たせてあげないと、余りガチガチのものを提案していくのは、それぞれの県でこういうことの医療機能の明確化をしていくときには、様々な問題が起こってくるのではないかと思うので、もう少し検討が必要かなと思います。

 同じ6ページで、都道府県拠点機能、地域連携拠点機能、地域精神科医療提供機能というように、医療機能が大きく3つに分けられています。都道府県拠点機能というのは、多分県立病院であるとか、あるいはかなり総合的に精神科医療の様々なことに対応できるような所がイメージされているのでしょうし、地域連携拠点機能は単科の精神科病院等々でもやれるようなものなのかもしれません。そして、地域精神科医療提供機能は、単科の精神科病院も含めて、クリニックの先生方もこういう所に入ってくるのかと思うのです。ただ、それぞれ特に地域連携拠点機能の役割を見ますと、例えば医療連携の地域拠点とか、情報収集発信の地域拠点、人材育成の地域拠点うんぬんというように、その地域の中で拠点として果たさなければいけない機能が随分あるように、これでは見えます。この辺りはどうなのですか。

 手挙げ方式で、私の所は地域連携拠点機能病院として、例えば統合失調症や気分障害、あるいは依存症、てんかんなどをやれますというように手を挙げると、こういう役割をちゃんと義務として果たしていく。そして、それに対しては何ら評価されるところはないのかというようなところは、余りしっかり議論はされないままにこういうものが出てきているように思うのですが、ここは事務局的には何か考えているところがあるのかないのかというところを聞きたいと思います。

 最後ですが、同じ資料1-28ページから9ページにかけての入院需要とか基盤整備量の目標値うんぬんという所ですが、特に9ページに様々な目標値を算出する推計式があります。この中では、「重度かつ慢性」の割合がどうかとか、クロザピン等々も含めて、医療体制の高度化による影響がどうかということを勘案しようとはなっているかと思うのですが、いわゆる身体合併症の方たちですよね。そういう方たちがこの推計式の中で、どのように考慮されていくのかというところは、ある程度お考えがあるならば教えていただきたいと思います。以上です。

○樋口座長 今の時点で、先ほどご質問を頂いている障害保健福祉圏域に変わったこと、それから今の2点のご質問についてお願いします。

○鶴田課長補佐 質問は、大きく圏域の考え方と、推計式の話と、身体合併症の話と、医療機能の明確化の話がありました。圏域に関しては、医療計画と障害福祉計画と2つの計画があり、それぞれの計画の特性を踏まえて対応する必要があります。医療計画は5疾病5事業の1疾病として精神疾患が入っています。医療計画では医療連携を進めていくという文脈の中で、5疾病の1つとして精神疾患が入っています。そういうことを考えると、基本的には医療機関、病院と病院の連携であるとか、病院と診療所の連携であるとか、医療機関同士の連携を医療計画の中でしっかりと位置づける必要があると思います。そういう医療連携を考えるときに、医療計画上の概念としての精神医療圏を活用して医療連携を進めていくことが重要と思います。

 もう1つ、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを考えたときには、医療と福祉の連携を考えないといけない。医療と福祉の連携に関しては、自立支援協議会を含め、障害福祉計画の中には、障害保健福祉圏域というぐらいで、保健と福祉の両方が障害福祉計画の中に入っているわけです。そういう圏域の中で、医療と福祉の連携を推進する場合は、障害福祉圏域を軸にして考えたほうが、障害者総合支援法の中に自立支援協議会であるとか、地域生活支援事業にメニュー事業として協議の場が位置づけられていたり、政策ツールもそろっていますので、医療と福祉の連携は、障害福祉計画に基づき、障害福祉計画の概念である障害保健福祉圏域に沿って進めていく。そのように整理をさせていただきました。

 もう1つの医療機能の明確化に関しては、医療計画の中の精神医療圏の中で、各都道府県が圏域を設定して、病病連携、病診連携を考えていくわけです。そのときに、各都道府県が医療計画を策定しやすいような考え方の整理をしないといけないという問題意識もあります。また、前回の改正精神保健福祉法の中で医療の指針ができ、その中で精神疾患は単一ではなく、多様な精神疾患があるということで、具体的な病名を挙列して、それぞれに合った、医療連携体制を作っていきましょうという方向性が示されています。そういう考え方をしっかりと次の医療計画の中に受け継いでいく必要があると思います。そのときに、県が実際にその計画を作る上で、関係者間と協議をして、計画に落とし込む際には、考え方の整理をきちんとした上で提示をしないと、なかなか作業が進まないという現実問題もありますので、考え方の整理をするという意味で、医療機能の明確化として、こういう整理の仕方があるのではないかということでご提示させていただいてきました。もちろんこの整理をした上で、それぞれの都道府県が県の事業を使って、どういう企画をするかどうか、そういったいろいろな考え方はあると思いますけれども、まずは計画を作る上での基本的な考え方の整理をしっかりする必要があるということで、医療機能の明確化をする上で、どういう整理があり得るのかというのを、事務局案として提示させていただきました。

 推計については、推計式で言うと9ページの所で変数が「重度かつ慢性」の割合の変数と、クロザピンを含めて、そういう医療の高度化による影響としてのαという値と、認知症の施策のこれまでの実績を踏まえたβと3つの変数があるわけです。身体合併症のところをどう勘案するかというのは、「重度かつ慢性」の研究班の中でも議論があったところであると思いますので、この「重度かつ慢性」の割合の所をどうとらまえるかという中で、身体合併症の所の割合もどのように合算して考えるかという中で、当てはめれば計算式上は成り立つと思いますけれども、その辺は皆様方のご意見を踏まえながら整理をしていくことになろうかと思います。

○樋口座長 よろしいでしょうか。

○吉川構成員 私は今の医療圏域そのものではないのですけれども、そこにつながるところで最初に少し申し上げます。論点整理12を明確に切り分けてお伝えできないところと、連動するところもあるかと思います。地域包括ケアシステムの構築の理念と、その必要性というのは、例えば現場の我々看護者の中でも、かなり大きな声が上がってきています。今回このように明確に示されたということで、これらがきちっと実現できるような検討をこれから確実に行ってほしいと思います。

 そういうことも踏まえて、今回医療体制のあり方ということで、論点整理の資料を作っていただいています。その中で私が気になるのは、「障害福祉計画に基づく」とか、先ほどからいろいろ自立支援協議会のことが出てきているところです。そこは医療と福祉の連携とか、お互いに協議の場を確保するという点では非常に大切な視点だと思います。一方で、「医療計画に基づく」というところが、どうも打ち出し方が少し弱いのではないかということを個人的に感じています。

 論点整理2.も、「地域包括ケアシステムの構築に向けて」ということで、医療計画のことが、「また、医療計画に基づき」というように後半に付け足すように書かれています。最後に書かれているのが、結局は「連携の進化を図るべき」というところにとどまっています。ここは、「地域の医療の基盤整備」とか「確保」とか、そういうことをこれからきちっとやっていくのだということを明確に示していただきたいと思います。今回は、前回から比べるとかなり分かりやすい地域包括ケアシステムの構築のイメージ図も作っていただきました。これを見たときに、これから地域の医療がどう変わっていくのか。そこがちゃんと実感できて、これは当事者もそうですけれども、我々支援を提供する側にとっても、そこが期待できるようなものにしていただきたいと思います。

 そういう意味で、今、現場の声として出てきているのは、地域でいろいろ支援を展開するというところで、実際に医療や看護の提供を行う医療機関が動けること、動けないことです。そこに大きく関わってくる制度は診療報酬だと思います。ですから、こういった地域包括ケアシステムの構築に向けて、なかなかそこまでは書けないのかもしれませんが、平成30年度の診療報酬改定に向けて検討を進めていくとか、あとは財源を確保していくとか、そういうことも押さえていただかないと、一応このようなものは書かれたけれども、実際にそれが本当にどれぐらいきちっとこれから作られていくのかというところが分かるようなことをお願いします。

 それから、伊澤構成員からも先ほどありましたが、医療と福祉の連携ということだけではなくて、確かに我々も入院医療と地域、地域と入院部門の連携が本当に大事だと思っていますので、そういうところもきちっと仕組みとして築けるような検討が必要だということにも少し触れていただけたらと思います。

○佐竹構成員 総合病院精神医学会の佐竹です。他の構成員の話とダブるところもあるのですけれども2点です。1点目は医療圏域の話です。将来的に、一般医療と精神医療を分けないで、一本化して、診療報酬に関しても同じレベルでやっていけるようになればいいなと私自身はイメージしています。総合病院精神科は、既に母体自体は一般医療なのです。この後、地域医療構想に向けて、だんだん地域の中でその病院のあり方が整理をされていく。そういう中で総合病院精神科としては、二次医療圏の中で、自分たちの活動リエゾンであったり、急性期医療であったり、あとは自殺対策を含むような、総合病院精神科が得意とするところに関しては、そういうものを二次医療圏ベースで医療計画の中で盛り込んでいただければ、私たちとしては非常に動きやすいし、ある程度地域に二次医療圏の中で、満遍なくサービスを提供できるような構造ができていくのではないかと思っています。

 だから、最終的に精神科はずうっと精神医療圏のままでいくのか。いずれは一本化するその段階的なものなのか、その辺りは厚生労働省のほうはどのように考えているのか、その辺りのご意見を聞ければと思います。

 もう一点は相談支援のことです。資料1-22ページの「地域包括ケアシステム」は、高齢者から一般住民全てを包括した、こういうものに精神科も乗っていくという考え方自体は私も賛成です。ただ、この図の中でちょっとややこしくなったり見えにくいのは、相談支援の部分、これだと相談窓口というのは一時的に困ったことをまず相談する窓口であったりというイメージがあります。

 継続的に当事者に対しての支援を一緒に考えていく役割というのが余り盛り込まれていない。介護保険であれば、それはケアマネージャーという形ではっきり書けるのですが、その辺りが計画相談の人であったり、先ほどの話だと包括的支援マネジメント、恐らくこれは前回の話合いの中では、医療サービスがベースになっている。訪問看護であったり、医療機関、クリニックであったり、病院のワーカーであったり、そういう人たちと、恐らく地域によってはそこに福祉のサービスが相乗りをして包括的にやっていくというイメージなので、書きにくい部分はあるのかもしれません。

 その人たちの位置付けをちゃんと書かないと、誰が一体この人のケアに関して、ある程度のイニシアチブを取っていくというところが、この図の中では見えにくいような感じがします。その地域によって、展開されているサービスのあり方によって、その辺りはこの業種とか、この職種というのは書きにくいかもしれないのですが、それが中心にあることをちゃんと書いていただいて、アウトリーチはそのサービスに付随したもの、そのサービスの中でどうしても本人がサービスにつながらない人のために、こちらから出向いていくというサービス。だから、アウトリーチだけを切り離すというよりは、中心にケアをマネジメントしていく人がいる、ということをちゃんと書いていかなければいけないかなと感じます。

 もう一点は保健所の機能です。自分がサービスを必要です、と言ってお金を払ってくれる方ばかりではなくて、サービスは必要だと周りから思っていても、なかなかそのサービスの必要性が分かっていただけなかったり、治療だったりサービスのベースに乗れない方は、行政でやっていくしかない。その辺りは行政の役割というのもしっかり、ここでは単なる「相談窓口」という形で書いてありますけれども、ある程度継続的に見ていく行政サービスも必要なのではないかと思って、その辺りも書き込んでいただければと考えています。

○澤田構成員 資料1-22ページのイメージ図で、「精神科医療一般医療」とあるのですが、「一般医療」の「一般」ではなくて、「他科」という言い方をしましょうという福祉の人たちもいます。一般ということは、精神科を特殊だということですよね。事実特殊なのですけれども、まず言葉から改めたほうがよいのではないか。精神科がいつまでも特殊なままではないようにしていただきたいと思います。

 それから下のほうで、「社会参加(就労)」とあるのですけれども、これは「就労を含む」という意味だと思いたいのです。そこを明確にしていただきたいと思います。「ピアサポート活動、自治会、ボランティア、NPO等」とあるのですけれども、何だか特殊なものばかりで違和感を覚えます。

○樋口座長 実は、予定時間を20分ぐらいオーバーしています。この後、広田さんからご発言がありますので、特別に1分間。

○長野構成員 資料1-218の包括ケアシステムの進捗の評価のことを言い忘れました。ここの評価指標の研究を進めるべきではないかと思います。1年以上の人がいるか、いないかだけでここは計れない。本人らしく生きる、必要なときに働けるのか、余暇を楽しめるのか、住居はあるのかというような複合的な評価システムをきっちり作っていくことで、次期包括ケアシステムの具体像がもっとはっきり出てくるのではないかと思っています。この指標が1年以上の長期入院者だけというのはちょっとつらいかと思います。

○樋口座長 白川構成員がごく短い追加をしたいそうです。

○白川構成員 ごく短い追加をさせていただきます。医療計画、福祉保健計画のアウトカムの指標についてです。退院と長期入院という形だけだと、地域包括ケアのアウトカムが全然分からない形になってしまうと思うのです。地域でどの程度支えられているのかということに関する指標も含めておいていただければと思います。例えば、現行であれば3か月以内の再入院率は残しておくべきではないかと思います。再入院率が高くなれば、余り地域で支えられていないということになるのでしょうから、その辺りは残していただきたいと思います。

○樋口座長 全体がかなり遅れておりますので、議題1に関してはあと56分のところで一度締めさせていただきます。

○広田構成員 1は何でしたっけ。精神医療の。

○樋口座長 2番、3番が残っています。

○広田構成員 連携というとき、誰のための。「自殺未遂で」警察、消防、救急隊、多人数出動のところ通りかかり、「広田さん」ご本人の話聞いていた若手から依頼されたり、連携ではなく役割分担です。警察は、救急は、消防は、この時は、で「ご本人のため、信頼関係もある」広田さんと呼ばれたりしたこともありましたが、交番の若手「本人が幸せになれば」と日頃から言っていた。依頼されると「今、ご本人、私を信頼できないと思うけど」ご本人の意志をと聞いていました。こういう公の会議の発言聞いていても余りにも現実社会とずれている。障害者部会でも午前中発言しましたが、相談員要らない。生活支援等、スタッフでいいのでは、横浜市の自立アシスタント等、業種名称にすると人数の少ない現場ほど「やりくりできない」と、そして、「ピアサポートみなみ」に月1泊2日で滞在した若者は「薬を飲みたくない」有名大学教授の父親「なんとしても飲ませたい」と前回一部発言。泊めてみて、「月一回、2年ぐらいで卒業かな」と。ところがご本人が「就労センター」使いだし、センターの職員、部会で昨124日発言の元作業所職員、活動理解できず、ややこしくなるだけだから、父親、区役所障害者支援担当同席で「卒業式を」とお祝いの形とったけど、担当、ご本人と2階から降りてこないで、長いこと話を聞いて帰ってしまったのには驚かされた。後日、若者一度尋ねて来て「薬を飲んでいます。」卒業したので、私は意見言わなかった。その後、電車で出会ったけど、ご本人の気持ちがゆらがないように知らんふりを。この若者も、横浜市生活支援センター施設長のM君からの紹介だったが、M君の「広田さんを信頼しています」という意志、元精神科医の理事長理解できなかったようです。なぜか、業界関係者の普遍的偏見、内なる偏見と捉えていました。行政含めた業界人との正式ルートでの連携で、ご本人のため役立ったことほとんどない。相模原市やまゆり園の植松君見るまでもなく、きちんと受けとめることが大事。やたら連携と大騒動で、「どんな患者さん」と聞きたい。2000年、警察から「24条通報、病名により不実施の女性のこと、保健所何もしてくれず」と依頼された。「人格障害」というA子さんにお話伺い、保健所へ行き事実を話したら、「あの人を、警察は24条かけてきたのよ」と激怒した。「一緒に彼女を」ワーカー「やだ。あんたも疲れないようにね。」世帯分離後、生活保護で一人暮らし、保健所へ私が行くと、課長「広田さんが来てくれた。解決してくれたんだ。みんなでケーススタディーやりたい」と提案、蹴ったのはワーカー。これも実態の一つ。「組合が強いから」等とは業界人たち裏表話。01年大阪池田小児童殺傷事件後、アエラの取材にご本人もこたえました。後日、アエラ見たワーカー、「警察は24条かけてない」これも実態のひとつ。彼女がきちんとした人で親しかったので、え~!、あなたも、と驚かされました。厚労省鐘と太鼓鳴らしても、地方自治体現場やることやらず、神奈川県警不祥事騒動報道いいことに、警察悪者、ひどすぎた。何人もの親しい行政管理職、ワーカー等との関係、疎遠になりました。アエラの見出し、校正させてもらった本文と異なり、「警察も病院もたらい回し」という見出しが、患者会事務局のあった県立精神保健福祉センターのFAXで知り、年賀状やりとりしていた部長に電話で「内容はいい記事、見出しが、生活安全部長に会いたい。○○警察守ってもらいたいので」翌日、合いましたが、仲介部長「我々は、広田さんが、いつ本部にあらわれるか待っていたんですよ。応援してくれているから」と言われ、そういうことだったんですかと思いました。以後、「こんなに応援している人がいる」と感じたマスコミの人から本部長紹介され、アエラの件で会った部長が総務部長になって、正式に本部長室へ伺いました。アエラの一件がなければ、生涯もしかしたら入ることなかったかも知れないと思うと、とても不思議な気持ちと同時に、こういう積み重ねが国の委員としてもと、感謝しています。

既存の委員会等ある自治体、自立支援協議会いらない。何もない自治体に当事者入れる条件で設置は大事だけど、名称まかせて。協議会事務担当していた多くの関係者、「負担多すぎる」そして精神部会、横浜市○○区「スタッフより多方面活動」の私から入れるかなと思ったけど、「当事者ですので」と傍聴もお断り。ここでも業界の普遍的偏見、見る思いがした。企業ではなかった。そして昨年124日部会発言の「広田さんはずして」という力量のないPSWたちの本音「支援者である私たちの思い通りにならない当事者は」そんなものコンシューマーのためでない、当事者つぶしてしまう。連携する時も本人不在、連携と重装備にして、そして「重度かつ慢性」というラベリングとんでもない。広田和子ひとりで解決できるものを、と警察も救急も一般の人も思いますよ。共依存のもたれあい終わりにしなければ。

先程の自殺未遂の件で、二人の若い母親から「広田さんが、○○の上の方で、警察、救急の人たちと一緒に居るのを見た。あの人を引っ越しさせるか、精神病院に入院させて下さい」。「明日は我が身よ。何かあったら私に言って」と胸をたたいて終わりです。2人共私を信頼していたから。1988年3月1日医療過誤の注射うたれて、お菓子のように多量の薬、毎食後と寝る前、1日4回飲まないと眠れず、副作用か年内目がさめるとおきあがりこぼしのように歩きまわったり落ち着かず、約2年後、元気に働いていた私に生活保護施設の親しい若手職員「広田さん!あんた、いつまでも薬にたよってないで」と言われ、主治医と話した。後に「フランスへ留学」「やってみたらどうですか」2日間飲まなかったら、一睡もせず、ゲーゲー外出先で吐いて、貧血みたいにフラフラに。3日目から元通り飲んで「先生一生飲まないとやってゆけない体にされちゃったんですね。この病院で」それから読みつづけ、少しづつ減量、アドヒアランスで。フィットネスクラブ、「仕事に没頭して何を言われても俺が受けたつ」と言ってくれた彼との関係もいい作用に。

先日、寝る前にだけ飲んでいる少量の薬、半分ぐらいしかあかったので、今晩いつものように寝られるかな、と思ってたが、よくねられて、翌日、通院したら劇場型の近隣の「ハイハイ作線」等で、振り回され病院中大騒動、警備員さん入れかわったり、医師達うろついて、外来看護師と話していれば、別の人、介入したり「これでは患者暴れさせられる。病院に来ない、とか全部患者のせいにされてきたけど、病院がさせているんだ。仲間たちの言っていたこと、よく理解できました。どうもありがとう。厚労省で発言するわ」前日の予約と二日間にわたり。警備員さんは「お疲れ様です」受付「お疲れ様でした」「有名な広田和子さん」という「知的障害者」のTちゃんが横浜市庁舎7階障害福祉課で大声だしているところ遭遇、一声かけると落ち着き「一緒に帰ろう」と言ったら、かけつけて来た警備員さん「大丈夫ですか」「もちろんよ、信頼関係あるから」一緒にバスに乗り、ご本人途中下車、これも実態。区障害支援のところで、大声の時、管理職「警察呼ぶぞ!」「あなたは何の仕事をしているの」と私。この時も偶然の遭遇で、一緒に区役所出たところで右左、これも実態。行政関係者「広田さん!最近24条通報が多いんですけど」とか聞かされていた時「神奈川県警年間保護カード書くだけでも2000人くらい、通報は3分の1ぐらいじゃない。全体ではものすごい保護よ。子供から、認知症も、あなたたち警察の批判より自らのやることを」と言っていました。Tちゃんご本人が「知的障害者」と自己紹介されましたが、「Tちゃんは、元ヤクザのAさんと、ヤクザ、きちがい、と罵り合っていた」と。そのAさん、Tちゃんとたまたますれ違った人通りの多いところで、挑発くり返し、自らも110番、通りかかった私、Kちゃんの背後から両腕に手を回し手出しできないようにして「Kちゃん!広田さんのこと、信頼しているよね。お母さんのところへ帰りなさい。「うー!」とくやしがっっていましたが、静かに帰りました。ご本人が体調不良か「広田和子!○○警察の中にいないで、出て来い」と大声で連呼の時が、その夜、当直に生活安全課の若手が、後日「○○警察はやさしいです。こないだ警察の向こう側から大声で怒鳴っていたら、車で送ってくれました。「よかったわね」お母さんの愛情、若手警察官の機転ある職務等で、ご本人の可能性開花、見事に自立された。私は信頼関係でお手伝い。

誰もがガセネタに振り回されている時代。電話、メール、スマホ、何が真実か、情報過多すぎて、本日発売週刊誌見出しにトランプ、ヒラリー抜いて勝ったのは、ロシアが「サイバー盗聴やったのか?という時代。ところが一般的に患者が「盗聴されてる」とか言えば、妄想かと捉えられたり、時には強制入院に追い込まれる。週刊誌に載ったアメリカ大統領選だと「これが国際政治の現実か」。スタッフより、発想、力量、知識など、はるかに上回っている仲間たくさんいます。しかし、関係者の根強い固定観念などで「不利益受けぬよう、レベルを落としてスタッフと向き合っている」現実も存在しています。

部長の堀江さん!午前中「午後はいません」と終了時間までいられるの。

○堀江障害保健福祉部長 もうちょっとしたら。

○広田構成員 退室する。午前中、私は厳しく言った。部長として検討会にいなければと、責任感で来たのでしょうが、今日は父の命日で、3年前、ワシントンへ発った日。空港で彼に手紙投函してと朝5時に起きましたが、時間足りず、ださずに出発。22日の帰国日から、下世話で失礼な「ハイハイ作線」等大がかりに展開されています。ここに来るにもしかけありましたが「野村証券」の青年が連れて来てくれた。2001年「アメリカで迷子になり、こういうふうにホテルへ連れて行ってくれたのよ」名刺だして「何か私にお役に立つことありましたら」「いいえ、私にはすてきな彼がいるから、ひとりで海外へも行ったり」「あなたに言っておきたいのは、国際化社会、公明正大フェアな競争力と、言語以上にコミュニケーション能力」と言ったら、「ありがとうございます」これが一流企業のサラリーマン。この業界、同様の話ししても伝わらない。みなさんが社会性も身につけなければ、「患者、障害者の足引っ張っている」ここまでリカバリーした私、彼と一緒に暮らしたら、少量の薬もやがてなくなると思うけど、彼、地方へ転勤、今後、厚労省、交通費払えるかな。大騒動の通院先、芹香病院の蚊帳の外かも知れない主治医に「2カ所で薬受け取れるとして、彼のところと、ここへ来なくてもいいけど、このていたらく、患者仲間「広田和子さん通院しないと、もっと、だめになっちゃう」って県内の人たち言っているとか、残すか」等話しました。

1021日部会で発言したけど、「16日に御神輿大会式典を米軍基地へ見に行った」その時、出会った美人フィリピン女性米軍兵士に「きれいね」と入れ墨ほめたら「日本の公衆浴所に入れない」そこからフィリピン女性とコミュニケーション、くわしい発言午前中の部会で。

10数年前のお風呂屋さんに「迷惑かける泥酔者、精神病者入浴お断りという看板のことも。彼のところから、こちら方面へ私がでて来る時、米軍基地に泊めてもらえば日米友好、私が安全で彼も安心できる。英語も上達して、2人で新しい社会貢献にも役立つ。基地内の海軍病院でも薬もらえるかな、とかアイデア浮かぶけど、これを医療過誤の注射うった女医さんに昔言っていたら妄想。尾久先生、近藤先生、鹿野先生、鶴先生、4人の主治医に出会ったことが広田和子の今日がある大きな要因のひとつ。そして、はからずも謝罪をされた岩城先生、この5人の先生、芹香病院にいれば、本人不在のバカ騒動「ハイハイ作線」等、不祥事みたいなことしてない。

みなさんも「白川先生が倒れそうになった」と聞かされたら、もともとあの人は太りすぎて、倒れそうじゃない、このように考えたり、「聞いた」「え!」「何なの」「大変なの」とドンドコ。「え!」「澤田さんが、そのなの、こうなの」本人不在で騒がずに、みなさん落ちついて、冷静に、大変な状態だったとしても、騒いだからといって好転するわけではない。今の時代「ガセネタ」に振り回されるな。私は記者たちから「大丈夫ですか」と聞かれたり、「マスコミの自業自得」と聞いたり、何やらこの3年間の「ハイハイ作線」等での異変、本人の私が気づかないことも、「犯行声明」だしているらしく「愉快犯」とは刑事さん。一昨年、関東地方の刑事さん「近所の者です」が、という電話で「警察はお手上げです」と言ってたけど、大変な時代です。私は官僚の彼と警察庁でお話を、今後に役立ちますから。被害届は出しません。みなさんもお気をつけて、同じ国の委員ですから、何があるかわかりませんよ。そして、くれぐれもガセネタに振り回されないように。

よく私は警察官とか米軍さん、制服組の人たちに「相手のレベルに落とすな、挑発のるな、誘惑に負けるな、私用されるな」と言ってます。みなさんにもこの言葉おくります。

精神科領域の病気は見えないところが多い。みなさんの判断や対応で症状が悪くされたり、良くもなって充分普通の生活ができる立派な人もいます。

相模原やまゆり園、傷ましい事件障害者の植松君、「神奈川新聞に捕まった時にテレビ映りが良いように整形をした」とでていました。植松君、80年代たのきんトリオで人気者だったけど、娘が生まれた時のセリフで、日本のマスコミに殺されたような田原俊彦に似ている」と発言。精神課長の田原さんは「いや、似てない」と言ったけど、田原さんよりイケメンに写っていたわよ。

私は「個人の人生にかかわらない」支援区分の無認証委員もしていましたが、変動の障害、精神は要らない、コンシューマー、判定医、誰のメリットにもならない。支援法で施設の形態変わり職員増員、「必要ない」と部会ですでに発言しています。

コンシューマーを小さなところへ閉じ込めないで。みなさんの小さな世界で本人の可能性を奪わないで。2000年に2回、韓国の精神病院に、3回目06年に行った時も、保護室で「お手洗いは30分毎にナースが来ます」。3回目「30分たたなくても、行きたいと思ったら」「30分で来ます」私が「この国は政治犯を入れていたんだ」とひとり言言ったら、韓国人女性通訳さん、それも訳したらしく院長「帰ってくれ」日本には政治犯いないけど。強制入院へのプロセス仲間たちから聞いてきて、よく理解できました。考えさせられていますよ。

韓国、「医療はアメリカを」、法律は日本の精神保健法を全文丸写しでしたから、きちんと現実に則したこの時間の論議を。

ここへ連れて来てくれた野村證券の青年に「厚労省の会議に行くのよ」「ああ。今日もテレビで国の赤字、数字だして、言ってました」「納税者のみなさん。見張っていた方がいいわよ。税の行方」顔を洗って、次回来られたらという内容でした。もったいない。

業界の支援者という人たちに依存させられ、おだてられて生きてきたら、私はリカバリーできなかった。警察官、救急救命士、消防士、海上保安庁、自衛隊、米軍さん等制服組の上に成り立った平和とか安全。先程も交番の若手警察官に握手して「あなた達は本当に立派よ」「頑張ります」今時の大阪の若者、機動隊員が「暑い」沖縄で、ハンチョウカとかいう革の長い靴履いて、おそらく罵声もあび戦場のような現状で「土人」「シナ人」と口走ったのかなと思うけど、その言葉だけ取り上げて「国家権力が」と大騒動。叩かれまくって処分もされて。多くの警察官が多忙で寝られず、取り調べたりの職務。仕事増えて、人手足りず、そして逃げた犯人悪いのに「居眠りしていた」と強調。どこに国家権力がと聞きたい。巡査から官僚まで無力だと私は痛感してきまいた。いつ、どこで、誰が、何を、なぜの報道なく、誰にスポットをあてたたきまくる。ものごとの本質を報道してない日本のマスコミ。「電通の過労死」も大騒動とか。査察に入った厚労省、私が夜11時すぎに帰る時も仕事中。

○樋口座長 広田さん、そろそろおまとめください。

○広田構成員 日本社会の過労死、世の中のしわ寄せ、うつとか言って精神科医療に持ち込まず、どうしたら健全な日本社会に。午前中、遅刻して「あっちも、こっちも階段があって」等と発言した。会場入る所も、階段あって出席できなかった委員いらしたとかで、終了後、記者「広田さん、どう思いますか」私は3年ぐらい前から「これ以上、精神医療サバイバーとして有名になりたくない。出なければならない時は彼と一緒に」と決めていたことそっちにおいて、「書かないようにね」日本のマスコミ、起きた現象パッと報道だけだから。ここへ来る予定の記者。今ごろ先輩に言われて記事書いてくるでしょうね。2009年チェコのプラハ、「核なき世界」のスピーチでノーベル平和賞受賞のアメリカ合衆国バラクオバマ大統領の広島訪問は人類史上最重要、そして唯一の被爆国被爆者悲願待望だったのに、5月の来日時、沖縄の軍属男性による殺人事件で大騒動の近視眼的日本のマスコミ。そういうマスコミに合わせず、根幹議論を。

○樋口座長 ありがとうございました。本日は大変多くのご意見を頂きました。本日お示しいただいたご意見を踏まえ、次回はかなりまとめのことに入っていく時期になると思います。本日頂いたご意見を反映させた最終的な取りまとめを次回お示しして、次回は議題2、議題3が中心になっていきます。本日ほどは時間を掛けられませんけれども、その確認をしていただくということで次回はやらせていただきます。

○広田構成員 座長、部会は発言の追加。ペーパーでと。ここでもやりますか。

○樋口座長 事務局のほうにどうぞ。本日時間が十分でなかった部分もありますので、是非お寄せください。残り20分ちょっとですので、2番目の議題の精神保健指定医についてです。ご承知のように指定取消処分がありました。その内容について説明をしていただきます。本件については、これからの入院制度等の議論とも関連すると思いますので、資格審査方法の見直しなどについて、当検討会の議論の対象に追加してはと考えております。事務局から資料2-1と資料2-2の説明をお願いします。

○鶴田課長補佐 事務局です。資料2-1、資料2-2を使ってご説明いたします。資料2-1ですが、こちらは精神保健指定医に対する行政処分等についてということで概要を取りまとめた資料です。次ページは、精神保健指定医制度の概要についてまとめた資料となっています。資料2-21枚目を中心にご説明させていただきます。

 資料2-2、精神保健指定医の資格審査の方法の見直しについて()で、1つ目の○の所です。自らの主体的な関わりのない症例のケースレポートを提出して指定された精神保健指定医及びその同意について、平成281026日に計89名の方々の指定取消を行いました。2つ目の○、同様の事案が二度と起こることのないよう、まずは医療現場において、医師が指定医に課せられた役割の重要性について改めて認識することが必要と考えております。今回の事案を重く受け止めるとともに、事案の再発防止に向けた取り組みが必要と考えております。

3つ目の○は、指定取消の審査を行った医道審議会医師分科会精神保健指定医資格審査部会において、この資料2-21枚めくった所に別添を付けており、別添の形でコメントが出されています。

 また、資格審査部会の場においても、以下のコメントとして、本人が経験した症例を確認するため、例えば、面接による確認も考えてはどうかとか、新規や更新の研修の内容を充実する方向で検討していくべきではないか。また、指導医の位置付けについて、より明確にすべきではないか。こういったご意見を資格審査部会からいただいているところです。

4つ目の○、本検討会において、他の論点の議論に合わせて、指定医の資格審査の方法等の見直しについても論点として追加して議論をしてはどうかという、こちらは事務局からの提案ということになります。説明は以上です。

○樋口座長 事の経緯というのは、ここに資料としても付けられていますし、資料2-1をご覧になれば、大体事実関係が書かれていますし、今の説明にもありましたが、指定医の取消の処分が行われたと。これからは、実際に同じようなことが繰り返されないための方法、対策というものを、しっかりと立てていく必要があるという説明でした。何かご質問はありますか。どうぞ。

○太田構成員 改善の提案としてコメントが出ている資料2-21枚目の3つ目の○の、黒ポツの3つ目の指導医の位置付けですが、指導医がこの指定の指定医の際に、どういう役割を果たしているかをもう少しご説明いただければ。具体的には、ケースレポートに、自分が面倒をみましたよと言ってサインをするだけなのか、何か主体的にこのケースレポートないし指定医の申請者に対するアセスメントを自分で記載するのか等々、今の役割をご説明いただけるとこの後も考えやすいので、お願いできませんでしょうか。

○樋口座長 事務局、お願いします。

○鶴田課長補佐 資料2-12枚目の所でご説明いたします。現在、指導医に関しては、「精神保健指定医の新規申請等に係る事務取扱要領について」で、その役割が規定されています。資料で言うと、1枚目をめくった一番下の枠囲みの所になります。事務取扱要領、こちらは課長通知になります。(1)、指導医は以下の役割を担うものとすること。ア、ケースレポートに係る症例の診断又は治療について申請者を指導すること。イ、ケースレポートの作成に当たり、申請者への適切な指導及びケースレポートの内容の確認を行い、指導の証明を行うこと。こういったことが指導医の役割として通知上、明記されていることが現状です。

○樋口座長 よろしいでしょうか。

○太田構成員 一応、通知は分かりましたけれども、具体的には、結局サイン一つで済むというのが実情ですか。それとも、もうちょっと何か主体的に、指導医は指導医なりに書類を作成したりする義務はあるのですか。

○鶴田課長補佐 書類上の対応ということで言うと、ケースレポートの中で十分にその指導をしたということを証明するということで、サインするという行為になります。○平田構成員 医療現場のほうから実態をご説明しておいたほうが分かりやすいのではないかと思います。ほかの病院が全部同じかどうか分かりませんが、当センターの場合は、入院患者の受持ちに2人の医師が付きます。1人が指定医を目指す研修医というように呼べば、非指定医である研修医の先生が1人付いて、その上に指導的な立場に立つ指定医が1人付くと。こういう2人体制です。あるいは1人体制の場合は指定医のみです。指定医がいなければ実際に入院治療の実務ができませんので、指定医は必ず付くけれども、そのほかに研修医が付くという形で、2名の指導体制というのが原則となっています。その関係が、この指導医と研修医の関係であるというご理解いただければと思います。

○樋口座長 ほかにありますでしょうか。

○広田構成員 昨4月部会で、川崎聖マリアンナの指定医問題のこと発言していますが、今回もおきた背景なんですか。

○鶴田課長補佐 背景、経緯からしますと、昨年、聖マリアンナで提出されたケースレポートに、非常に似通った内容があるということが発見、契機となり、当時は厚生局のほうに提出された資料の中でそういったことが確認され、ほかに同様の事案が起きていないかどうかを確認した結果、最終的には23人の方々が指定医取消処分に至っております。昨年の事案では、聖マリアンナ医科大学だけを対象に調査をしていたわけですが、全国のほかに広がりがないかどうかといったことを確認するため、昨年4月、6月以降、調査を続け、その調査の結果というものが1026日の資格審査部会に諮り、そこの審議を経て、今回こういった取消処分に至ったというのが、これまでの経緯ということになります。

○広田構成員 それは分かるけど、聖マリアンナの時も報道された。取り消されることが分かりながら、医師達はなぜやっていたのか、厚労省どう捉えているのか。指定医のお金もいいわけでしょ。クリニックもとれる。「救急やってもらいたい」「うちは、ひとりなので」いろいろのことがある。

○鶴田課長補佐 その課題を含めてどういう形でその審査の見直しをするかというのは、これからの議論だと思います。正に精神保健指定医制度が、いかに重要な制度であるか、非常に重い責任のある制度なのか、そういったことを我々として、私を含め、ここを改めて再認識をした上で、この制度をどうより良くしていくかということを考えなければいけないと受け止めています。

○広田構成員 とても大事な制度ですよ。これだけの処分者だしている、のん気に構えていないで、時代に即した内容に見直すとかしないと、何より患者の人権をしばるんだから、大きな問題が起きてからでは、あなたたちもたたかれるのよ。疲れているの分かるけど、寝てなかったとは言えない。警察官が完全徹夜だったとしても「居眠りしていた」と見出しつける日本のマスコミ。身体気を付けて。

○樋口座長 少し待ってください。順番にいきます。では、平田構成員。

○平田構成員 厚労省の代わりに答える必要はないのですけれども、この問題の背景は2つあると思います。1つは、指定医の重みが、精神科、一部の精神科医で認識が薄れていたことです。外科医が患者さんの体にメスを入れて、傷害罪に問われないと同じように、医者が患者さんの行動制限したり、市民権を制限したりすることが、監禁罪に問われないのは指定医の資格を持っているからです。それぐらいの重みがあるのだということの認識が医者の間で薄れていた。これが一番大きな問題だと思います。

2つ目は、この審査制度の硬直化です。あるいは形骸化とは言いたくないですが、非常に硬直してしまって、時代に合わなくなっている。

 もう少し具体的に言えば、処分を受けた人たちの中に、かなり多く大学病院の関係者が入っていました。だから、そこに象徴されているのですけれども、大学病院の診療の質が、そこに一端が出ているのですね。要するに重症患者が余り入院していないにもかかわらず、指定医候補生がたくさんいると。このアンバランスの問題があるからグループ診療が横行するわけですね。

 それから、審査制度が非常に硬直化したレポートも10何年も変わらないような、10何年どころではないですね、もっと長いですか。非常に縛りのきついレポートの指定があって、ほとんど定型的な公文書と同じで、その患者さんの個性とか、自分の視点だとか入る余地がないぐらいガチガチなのです。こういう硬直化したシステムがあることが一番の問題ではないかと。3点ほど指摘しましたが、そういう背景があるのではないかと思います。

○樋口座長 太田構成員、どうぞ。

○太田構成員 先ほどの平田構成員のご説明で少し見えてきたのですが、私も正直、論点に追加するべきだと思います。医療保護入院ひとつ取ったって、この判断をする人ですから。論点に追加するべきです。

 ただし、では、改善策を考えてくださいと言われても、現状がどうなっていて何が問題なのか、いきなりで分からないところも多くもうちょっと教えてもらわないといけない。

 私の身近なところで言えば、司法試験で不正行為を働いて、後の二回の試験でも不正行為を働いて、裁判官になった人が逮捕令状を出したようなものであって、とんでもない話なのです。だから論点にするべきですが、論点の出される前提がちょっと今のままでは議論のしようがないというところがありますので、もう少しご説明いただきたいと正直思います。取りあえず、それがそういう状態になっているということとケースレポートと重症患者の問題は分かりましたが、そういうことであれば、もう少し背景も含めて示していただかないと、改善策の議論しようがないと思います。よろしくお願いいたします。

○樋口座長 その辺りはご意見を踏まえて、次回、この議論を本格的にしていただくことにしますので、次のときに、それに資するような資料をそろえていただくということにしましょうか。論点についても。よろしいでしょうか。

○河崎構成員 日精協の河崎です。今回のこの問題を受けて、厚生労働省のほうも今日の検討会に資格審査の方法の見直しについて、論点として議論を追加するという形で、かなり迅速に見直しに向けての議論をしていきたいというのは、私ども実際の医療の現場にいる人間からしても、これは早急に見直しの議論を具体的に早くしていただきたいと思っておりましたので、これはいいことだと思います。

 ただ、そのときに、この検討会で議論をしていくという方向性になるのだろうと思いますが、やはりそれぞれの医療現場のいろいろな声が結構あろうかと思います、今回のことも含めて。ですので、そういうような意見を早く抽出しながら、あるいは、そういう意見を集約するというところも何か方法を考えていっていただかないと、先ほどから太田先生がおっしゃられるように、余りこの検討会のメンバーの全てが、指定医の審査のあり方とか、あるいは実際どういうような形で指定されていくのかということが十分にご理解がまだ進んでいない検討会の構成員もいらっしゃるのだろうと思います。是非、その辺りはいろいろと配慮しながらやっていっていただきたいと思います。

○樋口座長 はい、よろしいでしょうか。そういうことで、次回以降、この検討を重ねていくことにしたいと思います。

 それでは、最後、3番目の議題です。医療保護入院等のあり方についてということで、これについては、前回、これまでの分科会というか、ワーキンググループからの報告があって、少し質疑をいただいたのですが、まだその議論が煮詰まっていないというところもあって、今日の段階でも、前回に報告いただいた以上のところには進んでいないということのようですが、その後の経過も含めて報告していただきたいと思います。

○丸茂課長補佐 事務局から資料3について、時間も限られておりますので、前回の資料からの主な修正点を簡単にご説明させていただきます。

 まず、3ページです。前回のご議論の中で、精神科の入院に関しては、任意入院が大前提であって、非同意入院については減らしていく努力をしていかなければいけないというご意見を頂きました。まず1つ目のポツの所で、精神障害者に対する医療の提供について、できる限り入院治療に頼らない治療的介入を行うことが原則と。そして、入院治療が必要な場合でも、できる限り本人の意思を尊重する形で任意入院を行うことが極めて重要ということを書かせていただいております。

 また、3ポツ目の所で、医療保護入院については、指定医の判断によって入院治療が必要とされる場合で、任意入院につなげる努力をしても本人の同意が得られない場合に選択される手段であるということを、再度明確にすべきではないかということを記載させていただきました。

 最後のポツの所ですが、医師が本人や家族等に丁寧に説明というところに関しては、「文章等により」というような表現を入れています。

6ページ、「家族等同意」については、2ポツ目の所で、本人と家族の利益が相反する場合は、本人と家族が疎遠な場合等について、どのように考えるかということで前回お示ししていましたが、そこに「必ずしも家族の関与を前提としない仕組みについて」という表現を入れています。

 また、4ポツ目ですが、同意者に関して、本人の意向も考慮要素として考え得るというところに関して、「精神疾患により判断能力が低下していることも想定されるのではないか」という表現も追加しています。

8ページ、こちらについては(2)精神医療審査会の記載で、1つ目のポツですが、審査期間等の地域差に関して、そこを平準化して、審査の迅速化を図るため、平均処理日数の共有とか、好取組の紹介といったような取組が必要ではないかという具体的な記載をさせていただいております。

10ページ、3ポツ目の所です。真ん中辺りで、その際、保健と福祉の役割分担や連携のあり方についてどのように考えるかとしていたところ、そこについて地域の実情に合わせて展開されるべきではないかとしているところ。

 それから下から3つ目の所ですが、どのような場合にどのようなアクセス手段を用いるべきかというところを整理する必要があるのではということで記載していましたが、そこを具体的に「研究を進めてはどうか」という書きぶりにしています。

 また、最後のポツですが、医療へのアクセスを確保する体制づくりに関しては、「地域の保健、医療、福祉等の関係者による協議会を中心にして、精神障害医療にも対応した地域包括ケアシステムを構築する中で検討することとしてはどうか」という記載を追加しています。変更点は以上になります。

○樋口座長 時間がほとんどないのですけれども、大変申し訳ありませんが、10分ぐらい延長させていただくことはよろしいでしょうか。

 この議論も次回、本格的に更に検討を加えていただくことになりますが、今の説明に関して、特に追加でご質問、ご意見がありましたら10分間ぐらいで頂きたいと思います。いかがでしょうか。

○平田構成員 参考資料に付け加えていただきましたので、これについて私からご説明したいと思います。

 参考資料1です。今の話の補足ということになります。医療保護入院分科会の論点として5点のご提示がありました。スライドの裏側ですが、2ページ目に5点をまとめています。その中のアンダーラインと*を付けた所です。入院に当たって医師が考慮すべき要素ということ。それから、公的保護者制度の問題。それから医療アクセスを要する状況と手段を整理する必要があるというところです。今日、少し文言が変わりましたけれども、この3点について、主に救急学会とか、あるいは厚労科研の成果に基づきまして参考の意見を述べさせていただきました。1番目は、3枚目のスライドから以降が、入院に対して考慮すべき事項と。入院基準というように余り固くしないで、こういったことを考えるべきであろうという意見です。これは救急学会のガイドラインから少し改変したものです。まずは、非自発入院に必要な要件というものをきちんと把握すべきであるというように考えまして、7項目書いてあります。

 非自発入院というのは、今の日本の医療制度で4種類あるわけですけれども、措置入院系と医療保護入院系のそれぞれ2系統の中で、緊急形態を1つずつ付け加えて4種類です。これは全てに共通するものとして、こういったことが必要ではないかと。実際の救急医療の臨床現場などで非自発入院を考えるときには、頭の中で医者はこういうことを考えているわけですけれども、それぞれ要素化して取り出したものということです。詳しい中身の一つ一つは説明はいたしません。

4ページ目は非自発入院の中でも、措置入院系列の要件を書き出しました。5ページ目は、医療保護入院系統です。こういう書き方で整理しておきました。

 それから、2つ目の公的保護者制度については、これまでも何回もご説明してきたのですが、大きな文字で書き出してみました。スライドの6枚目から9枚目にかけてそれぞれ書いてありますので、後で読んでいただきたいと思います。

3点目は、医療アクセスに関してです。これは先月開かれた日本精神科救急学会のシンポジウムのテーマになっていました。そこで議論されたことの論点を整理したものです。

10枚目のスライドにいろいろな医療アクセス手段というのがあります。ご本人が病院に来る場合と、ご本人のほうにこちらから出向かうと、アウトリーチとベクトル方向が違いますけれども、アクセス手段のいろいろな種類を決定する条件として4点挙げました。1つは、行動障害の切迫度です。特に自傷行為と他害行為が切迫している場合は、やはり手段が変わってきます。それから、治療関係は、精神科医療と医療機関との治療関係です。未受診例、長期の治療中断例と短期の中断例に分けるべきかもしれません。それと通院中のケースであるかどうかです。3番目は、時間帯です。平日の日中か、夜間、休日か。4番目が、家族状況です。こういった4つの要素に組み合わせて事態を整理すると、11枚目のスライドにあるような整理の仕方が現実に行われている移送のあり方なのです。ご本人が受診していただくことが一番分かりやすいのですが、そういうことができないことと、それから、ご家族が連れて行けない。家族がいない。あるいはパワーが足りないということで、ご家族が関与できないということの2条件に絞り込んでお話するとこのようになります。

 他害行為が切迫している場合は、これはもう昼夜問わず、警察にお手伝いしてもらうしか我々はやりようがないと。そこにも行政が関与して移送を行うのだという考え方です。

2番目ですが、自傷行為の場合は警察が出てくる必要はないので、怪我していれば救急車を呼んでいただく。どうしても救急車に乗らない。あるいは刃物を首に当てているような状態であれば、これは警察にお手伝いしていただくかもしれませんが、原則は救急車ということ。

3番目は、そういう行動障害の切迫がない場合は、これは急ぐ必要はないわけですから、受診歴がない。あるいは長期の中断している場合は、これは治療関係、どこの医療機関ともありませんので、行政が主体になってアウトリーチを行うと。

4番目は、治療関係がある。あるいは短期の中断の場合は、これはやはり責任医療機関があるわけですから、そこが中心となってアウトリーチが主体になるだろうと。このような4つの類型を考えています。下位分類はまだ幾つかあると思います。

 最後のスライドは、現行制度への改正案です。アウトリーチに関する改正案ということで4点ほど書いてあります。これについては、また機会があったらご説明いたします。

○樋口座長 ありがとうございました。ほかにありますでしょうか。

○柏木構成員 平田先生とかぶるところがあると思いますが、日本PSW協会は、措置入院制度についての見直しをこの検討会において、皆さんで共有させていただきたいというように考えております。今日、要望書を出させていただきました。要望書の案として2点あります。

 抜本的な改正については、この検討会のタイムスケジュールもあり、厳しいと思いますので、当事者の方たちも含めた関係者で検討チームは作っていただき、法改正に振っていくほどの抜本的な改正は検討していただいたらいいと思います。基本、医療保護入院の要件と非常に近接的な自傷と他害のおそれと言いながらも、非自発的入院のルールにしても、とても曖昧なところがありまして、自治体によっても1つの案件に対して、医療保護にしてしまったり、措置入院になってしまったりというような、それは恐らく手法のほうの考え方も自治体によって違っているのだろうと思いますが、そういうことも含めまして、是非この検討会において、措置入院についての検討をともに非自発入院というところで考えていただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○樋口座長 それでは、太田構成員、どうぞ。

○太田構成員 平田構成員にお伺いしたいのですが、非自発入院に共通の考慮事項というガイドラインをお示しいただいて、これで大分分かりましたが、ただ、少し疑問に思う箇所があります。(6)の入院治療以外に医学的な介入の手段がないという、この部分を判断するためのガイドライン、それを更にブレークダウンしたようなものはないのかという疑問です。医療保護入院などの場合は、むしろここがクリティカルになると思います。(1)(3)(4)は、ある種の治療の必要を説明するものであり、(2)(7)は、相手方の同意能力、つまり同意がなくても治療を必要とするということを基礎付ける要件に私には見えて、とすると(6)だけが結局、入院させないといけないということを基礎付ける要件になってくる。結局、それをどう判断しているのかが外部からは非常に重要に見えます。

 もちろん解釈としては、ほかの手段がないからという、最後の手段であるということで、ほかの手段がないという判断をした結果、残った手段としてはじめて正当化できるというように解釈できるのですけれども、しかし、かえって、ある種の補充的な位置づけのために、ブランケットというか、セービングクローズのようになっていて、ほかが駄目というところをどうやって判断しているかを併せて説明いただかないと理解しにくい。最後の手段ですというだけの正当化では難しいし、若しくは積極的に正当化できるということで考えておられるのであれば、結局何を見ているのかを、よりブレークダウンしていただかないとちょっと分かりましたとは言いにくい。措置入院と違って医療保護入院があるとかということを議論する際には、なお弱いのではないかと思うので、できれば補充していただけませんでしょうか。

○平田構成員 簡単に説明します。この(6)(5)を補足したものです。医学的介入、メディカルインターベンションですが、この介入が必要であるということが15まで書いてあるわけです。医学的介入というのは入院だけではないわけです。入院は最後の手段であって、例えば、外来通院治療がありますし、居住型のクライシスホステルという考え方もあります。それから、訪問診療で入院せずに支えるという方法もありますので、あるいは、ご家族がしっかりしていれば、(1)(4)までは条件が同じでも、入院せずに在宅でできる。介入できるということもありますので、要するに、医学的介入のいろいろなタイプがありますので、そういうものを全部動員しても、それでも、入院以外にはちょっと方法がないというように絞り込むための条項だとお考えください。お分かりですか。

○太田構成員 それは分かります。ご説明いただいた所は一応、理解したつもりですが、そうなると、結局ほかの手段では使えないと。ほかの手段がうまくいかないということをどのように判断していくかという、ブレークダウンした基準はガイドラインとしては示されない。そこは医師に任されているということでしょうか。

○平田構成員 示せと言われれば文言化できます。

○太田構成員 そうですか。

○平田構成員 はい。

○樋口座長 澤田構成員、どうぞ。

○澤田構成員 何度もお聞きしているのですが、自傷他害の恐れがなく、急速も要しないのに、非自発入院をさせなければいけないという根拠をお示しいただきたいのです。私は何度も同じことを申し上げるのは決して好きではないのですが、ここが一番肝心なところだと思いますので、是非お答えいただきたいのです。次回であれば次回ですとか、お答えできないのであれば、できませんと。その理由は何か、はっきりおっしゃっていただきたいと思います。

○平田構成員 3番目のところに関係してくるのですが、病気のために社会生活上、自他に不利益となる事態が生じているというところの評価の問題だと思いますね。この評価を誰がするか。医者が勝手にするだけではないかという問題があると思います。その自他に不利益となる事態の、最も典型的な事態が自傷他害ということだと思いますけれども。全てがそのように集約できないものもあります。

 例えば、昏迷状態という、全く意思発動が低下したような状態で、一人暮らしの場合ですと、身の回りのことが全くできなくなってしまう。これは広く解釈すれば、自傷の恐れというように、自分の利益を害する。あるいは生命的にも問題が出てくる場合があります。体の病気があるのに、精神科の症状のために体の治療を受けられない。薬が飲めない。医者に行けないという場合も自らの生命的な危険を要するということになるかもしれませんが、急ぎかどうかという判断だと、これはやはり個人差はありますね。自傷他害というように絞り込んでしまうと、これは措置入院に引っ張られてしまう議論になりますので、広く自他への不利益になる事態が生じていると広げたわけです。ここは議論があります。評価する人間によって変わります。微妙なところだと思います。だから、医者によっても変わるし、それから、セカンドオピニオン的な立場に当たる者としては、私は公的保護者というのを考えているのですけれども、ここの判定はディスカッションが必要だと思います。急ぎだと思って1人で決めた場合には、すぐに外部審査を入れるというシステムが必要になってくると思います。

○澤田構成員 そうですね。社会生活上、自他に不利益となる事態というのが非常に曖昧だと思います。お医者さんによって判断が違うというのは困ります。たまたま診たお医者さんが判断するというのは、犯罪の被疑者であれば裁判を受ける権利があるのに、精神障害を疑われたら、たまたま出会った1人のお医者さんに、人生が左右されるというのは冤罪より恐ろしいと思っております。入院したために社会生活上、自他に不利益となる事態というのも多大ですので、そこも考えていただきたいと思います。

○平田構成員 それは治療による副作用と同じです。治療による不利益というものも勘案して検討しなければいけない。そういう不当な入院を防ぐためには、1つは、指定医の質を上げること。もう1つは、審査制度をきちんとすること。この2つだと思います。あとは、入院先をきちんと高規格の病院に限定することだと思います。

○樋口座長 この辺りの議論は、次回、引き続きさせていただきたいと思います。

○澤田構成員 次回、必ず根拠をお示しください。

○広田構成員 柏木さんが出した措置入院、神奈川県のソフト救急、本人が入院の意志あっても「家族いない、警察官通報かけて下さい」任意、医療保護、措置、3つの入院制度、きちんと議論を。

○樋口座長 分かりました。次回そういう方向での議論をしていきたいと思います。コメントが本日、時間がなくて言うチャンスがなかったということで、今お気付きのコメントがあれば、先ほどと同じように事務局にFAXなりでお届けいただければと思います。

 それでは、大変時間も押してしまいまして、申し訳ありませんでした。本日の検討会は、これで終了させていただきます。事務局から次回の日程等で連絡がありましたらお願いします。

○鶴田課長補佐 次回の日程について確定次第、ご連絡したいと思います。

 追加意見に関しては、随時お送りいただければ対応させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○樋口座長 それでは、本日はお忙しい中、長時間にわたって議論いただきまして、ありがとうございました。これをもちまして、第4回これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会を閉会させていただきます。ありがとうございました。


(了)

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