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2016年5月25日 第58回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成28年5月25日(水)9:00〜12:10


○場所

ベルサール半蔵門 ホールA


○出席者

遠藤、阿部(代理:井上参考人)、伊藤、井上、岩村、内田、
黒岩(代理:小島参考人)、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐野、鈴木(邦)、
鈴木(隆)、鷲見、陶山、武久、土居、栃本、馬袋、花俣、東、藤原、桝田の各委員
(大西、岡委員は欠席)

○議題

1 地域支援事業・介護予防の推進



○議事

○矢田貝企画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第58回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 報道関係の方、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきますので、御退席をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○矢田貝企画官 それでは、以降の議事進行は、遠藤部会長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 皆様、おはようございます。朝早くから、御出席ありがとうございます。

 まず議事に先立ちまして、本日の出欠状況でございますが、阿部委員、大西委員、岡委員、黒岩委員が御欠席でございます。

 また、阿部委員の代理として、井上参考人が御出席でございますので、お認めいただければと思います。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、議事に入ります。

 本日は、資料1、資料2、資料3と3つの資料が出ております。資料1の「地域支援事業の推進」、資料2の「介護予防の推進」、資料3の「認知症施策の推進」につきまして、事務局から御説明をいただいて、その後、御議論いただきたいと考えております。

 まずは資料1及び資料2について、事務局から一括して御説明をお願いしたいと思います。事務局、よろしくお願いします。

○辺見振興課長 振興課長でございます。

 私から資料1につきまして、御説明をさせていただきたいと思います。

 「地域支援事業の推進」でございますが、参考資料1に関連資料をつけておりますので、あわせてごらんいただければと思います。

 資料1をおめくりいただきまして、1ページ目でございます。資料1にかかわります、地域支援事業の推進のほか、介護予防の推進、認知症施策の推進とございます。介護予防関係、認知症関係は、いずれも広い意味での地域支援事業の施策の中で展開している部分がございますので、資料1、資料2、資料3のそれぞれの関係、全体像をごらんいただけるような形で整理したのが、こちらでございます。

 資料1につきましては、地域支援事業全体について、御説明をさせていただくということでございます。

 2ページをごらんいただきたいと思います。地域支援事業の現状と課題でございます。

 参考資料1の2ページから4ページに、地域支援事業のこれまでの経緯を整理してございますので、必要に応じてごらんいただければと思います。

 「1.地域支援事業」でございます。

 1つ目の○ですが、地域支援事業は、被保険者が要介護状態等となることを予防するとともに、要介護状態等となった場合においても、可能な限り、地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援することを目的として、平成18年度に創設をされたものでございます。

 事業の創設に際しましては、それまでありました、旧老人保健法の事業ですとか、予算事業として実施をしてまいりました、補助事項ですとか、そういったものを再編して、大きく介護予防事業、包括的支援事業、任意事業、この3つの事業の形で展開をしております。大きく3つの事業に分かれているという点においては、現在の形のもととなっております。

 平成26年の改正でございますけれども、地域支援事業、包括的支援事業を充実するということで、マル1在宅医療・介護連携の推進のほか、認知症施策の推進、地域ケア会議の推進、生活支援の体制整備、こういった4つの事業について、充実を図ることとあわせまして、全国一律の予防給付のうち、訪問介護・通所介護の部分について、市町村が取り組む地域支援事業のうち、介護予防・日常生活支援総合事業という形で移行して、多様な事業展開ができるようにしているところでございます。

 4つ目の○ですけれども、介護予防・日常生活支援総合事業でございますが、平成29年4月から実施していただくということで、それまでは、経過的に取り組めるという形になっておりますけれども、平成28年1月時点の調査につきましては、15ページに表の形で整理をしております。平成27年度中に介護予防・日常生活支援総合事業に移行を行った保険者は、総保険者数1,579のうち、283でございます。28年4月ですから、先月ですけれども、先月に移行をするとしているところが222ございますので、これを合わせると、500を少し上回る数になります。保険者数ベースで、おおむね3分の1が移行を行っている状況でございます。

 2ページ目、下のところの「2.地域包括支援センター」でございますけれども、地域包括支援センターは、介護予防ケアマネジメント、一般介護予防事業、包括的支援事業、任意事業の実施を通じて、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことによりまして、保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的として、平成17年の介護保険法改正で創設をされたものでございます。

26年の改正の概要は、参考資料1の23ページにおつけしておりますけれども、先ほどの地域支援事業の充実・強化分とまさに重複をしますが、在宅医療・介護の連携の推進等、4点について、充実・強化をするということで、これらの事業と地域包括支援センターが十分に連携をして、実情に合った地域包括ケアシステムを構築していくことが求められているところでございます。

 2つ目の○ですけれども、この改正におきましては、地域包括支援センターの運営に対する評価を適切に行うため、地域包括支援センター設置者による自己評価と市町村による実施状況の定期的な点検等について、努力規定が設けられたところでございます。

 また、地域包括支援センターは、市町村が直接する実施する場合と、委託を行う場合等がございます。委託型センターにつきましては、市町村が運営方針を定めることとされてきたところでございますけれども、26年の改正時におきましては、厚生労働省令において、運営方針で定めるべき基本的な事項について、規定をしております。あわせて、直営で行う場合についても、この方針を定めていただきたいということをお示ししているところでございます。

 地域包括支援センターにつきましては、地域のネットワーク構築、介護支援専門員への支援といった事業が十分に行われていないところが多いのではないか。もしくは介護予防関係事業に関する業務が大きくなって、総合相談業務や包括的・継続的ケアマネジメントといった業務が、十分に取り組めていないのではないかといった指摘がされているところでございます。

 また、住民の各種相談を幅広く受け付けて、制度横断的な支援を実施する総合相談支援が業務として位置づけられて、被保険者の心身の状況等を把握して、保健医療、公衆衛生、社会福祉等に関する総合的な情報提供を行うことが求められておりますけれども、職員の力量に関して、不足しているのではないかという指摘もなされているところでございます。

 参考資料1の31ページをごらんいただきますと、地域包括支援センターに対して行った調査でございますけれども、54%程度のところが、職員の力量不足を指摘し、8割ぐらいのところが、業務量が過大と答えているところでございます。

 また、同じ資料の32ページをごらんいただきますと、業務量が過大と回答したセンターのうち、総合相談にかかわる業務が過大だというところが7割、介護予防支援にかかわる業務が過大というところは、総合相談と比べると、少し減りますけれども、同じく7割ぐらいある状況でございます。

 資料1の4ページにまいります。一億総活躍等の文脈の中で、介護離職を防止するという観点が強調されているところでございますけれども、働きながら介護に取り組む家族ですとか、今後の仕事と介護の両立に不安を持つ就業者に対しての相談支援の充実・強化が一層求められているところであります。

 一方で、市町村による地域包括支援センターの定期的な点検の実施状況につきましては、地域に差があるところでございます。

 参考資料1の35ページをごらんいただきますと、円グラフが3つありますけれども、左側が市町村によるセンターに対しての評価の状況ですが、6割強という状況でございます。こうした評価が1つの課題となっているところでございます。

 「3.ケアマネジメントに対する地域包括支援センターの関わり」でございます。

 地域包括支援センターは、総合事業にかかる介護予防ケアマネジメントを行うこととあわせて、指定介護予防支援事業所となっておりまして、予防給付にかかるケアマネジメントも行うことになっております。

 この辺の関係をお示ししているのが、参考資料1の40ページでございます。今、説明申し上げた点は、要支援者等に対してのケアマネジメントですが、実施主体は地域包括支援センターで同じでございますけれども、利用するサービスが、給付のみ、もしくは給付と事業を併用する場合は、保険給付である介護予防支援、事業のみの場合は、総合事業による介護予防ケアマネジメント、こういった形になっております。

 要介護者に対してのケアマネジメントですけれども、こちらは、居宅介護支援事業所が介護給付にかかるケアマネジメントを行っているところでございますが、地域包括支援センターは、地域ケア会議の活用などを通じて、包括的・継続的ケアマネジメントの一環として、自立支援型ケアマネジメントの支援を行っております。

 参考資料1の41ページをごらんいただきますと、今、私が申し上げた、地域包括支援センターによるケアマネジメント支援は、41ページの表でいきますと、一番右側の部分になります。大きく申し上げますと、ケアプランの指導ないし点検という観点からは、3つに事業が分けられると思っておりますけれども、1つは、任意事業の給付適正化事業の中で行っておりますケアプラン点検事業、また、市町村の包括的・継続的ケアマネジメント業務の中で行う場合、地域包括支援センターで行う場合と、地域ケア会議によって行う場合がありまして、大きく3つに分けられますが、実際、市町村によっては、これらの事業の一部で行っていたり、今、申し上げた3つの事業を組み合わせて取り組んでいたりするのが実情でございます。

 資料1の5ページでございます。「4.地域ケア会議」でございますが、地域ケア会議は、地域におけるケアマネジメントの適正化の観点から、地域包括支援センター等において、多職種協働による個別事例の検討等を行い、地域のネットワーク構築などを推進するものでございます。

 平成26年の介護保険法改正によりまして、介護保険法にプライバシー保護等の規定を置きまして、個別事案に対しての議論を行う環境を整えたところでございます。地域ケア会議の推進にかかる事業経費については、従来の包括的支援事業とは別枠で計上する枠組みとしております。

 医療との連携など、関係機関が広範囲にわたりまして、個々の介護支援専門員によるケアマネジメントでは、効果的な支援が実現できないケースに関しましては、介護サービス担当者、医療関係者、民生委員などにお集まりいただきまして、地域ケア会議の開催等を通じて、介護支援専門員への自立支援型ケアマネジメントにかかるOJTを実施するなど、こういったことを通じて、さらに支援・指導を積極的に行うべきという指摘もあるところでございます。

 ちなみに、地域ケア会議の開催状況につきましては、参考資料1のページをお戻りいただきまして、37ページになります。37ページは2段になっております。

 上のグラフは、保険者別の開催状況で、100%のところもあれば、50%をちょっと上回るところもあり、差がございます。

 また、開催回数につきましては、37ページの下のグラフをごらんいただきますと、大きく4つ山があるというグラフになっております。月1〜2回というペース、年1回というペース、もしくは半年に1回というペース、一方で、年16回以上のところもございます。統計のとり方で、16回以上はまとめてしまっておりますけれども、16回以上という、頻度が高いケースも1割を上回る程度あるということで、非常にばらつきがある状況でございます。

 続きまして、資料1の5ページの「5.任意事業」でございますけれども、任意事業につきましては、介護給付等費用適正化事業、家族介護支援事業が位置づけられております。ケアプランの点検は、介護給付費等適正化事業の中で位置づけておりまして、実施状況は約6割という状況でございます。

 6ページ、論点でございます。7点の論点を挙げさせていただいております。

 1つ目、地域支援事業は、介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業及び任意事業からなるが、介護給付、介護予防給付と相まって、市町村が保険者機能を発揮して、効果的・効率的に介護保険の事業を実施するためには、どのような事業が必要かということでございます。

 2つ目ですが、介護給付、介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業及び任意事業は、いずれも介護保険の事業ですけれども、実施体制、財源が異なっているところでございますが、総合事業と介護給付や包括的支援事業の関係、また、介護給付と包括的支援事業との関係、こういった事業間のそれぞれの関係ですとか、事業と給付の関係、こういった関係について、全体として、保険者として、適切に実施するためには、どのような仕組みが考えられるかということでございます。

 3つ目ですが、地域における自助や互助の取り組みの促進、多様な主体による多様なサービスの確保、介護予防の推進、保険給付の適正化など、多様な役割が求められている地域支援事業でございますが、その取り組み状況について、どのような指標により、その進捗を図ることができるか。取り組みの進捗状況を図るアウトプットや、取り組みの成果を図るアウトカムに関する指標として、どのようなものが考えられるか。

 4つ目ですが、地域支援事業を効果的・効率的に実施する観点から、地域包括支援センターや地域ケア会議を有効に活用するためには、どのような方策が考えられるか。

 5つ目ですが、地域包括支援センターは、地域支援事業の充実・強化に伴い、その役割が拡大してきているが、総合相談支援業務など、基本的な4つの業務を効果的に実施しつつ、地域の実情に応じて基幹型や機能強化型などの役割を果たすためには、どのような方策が考えられるか。

 ページをおめくりいただきまして、7ページでございますが、市町村が個別のケアプランに関する点検、指導などを行う場合、地域ケア会議における個別ケースの検討として行う場合や、任意事業の給付適正化事業として行う場合などがあることは、先ほど御説明したとおりですが、保険者として、適正なケアマネジメントの実施を支援するために、どのような仕組みが必要か。

 最後ですけれども、要介護者に対するケアマネジメントへの地域包括支援センターの関与のあり方について、どう考えるか。また、要支援者に対するケアマネジメントは、給付である介護予防支援と、総合事業である介護予防ケアマネジメントがあるわけでございますが、このあり方について、どのように考えるか。

 以上の7点を論点として挙げさせていただきました。

 私からは以上です。

○佐原老人保健課長 続きまして、資料2につきまして、老人保健課長ですが、説明をさせていただきます。

 資料2は「介護予防の推進」でございます。

 介護予防につきましては、制度創設時から、介護予防の理念が制度の中に入っておりますが、顧みますと、平成17年の介護保険法の改正で、地域支援事業をつくりまして、その中で、介護予防事業がスタートしております。ただ、そこから9年たったところ、平成26年の介護保険法の改正で、一定の見直しを行っておりまして、昨年度からは、この見直しに基づいて、新しい考え方でやっている状況になります。その辺の経緯を含めて、説明をさせていただきます。

 1枚お開けいただきまして、2ページをお開けいただきたいと思います。

 現状の課題ですが、介護予防の理念、1つ目の○は、皆さん御存じのところです。

 2番目ですが、生活機能の低下した高齢者に対して、単に運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すのではなくて、リハビリテーションの理念を踏まえて、心身機能、活動、参加のそれぞれの要素にバランスよく働きかけ、これによって、日常生活の活動を高めて、家庭や社会への参加を促し、一人一人の生きがいや自己実現のための取り組みを支援して、さらにQOLの向上を目指すものであります。

 平成12年の制度創設のときから、予防給付という形で、下線のところにありますが、いわゆる虚弱老人に対して、寝たきり予防等の観点から、必要なサービスを提供するという目的で、予防給付も設けられているものでございます。

 そして、17年に介護保険法の改正を行っております。このときには、できる限り、要支援・要介護状態にならない、あるいは重度化しないよう、介護予防をより重視したシステムの確立が求められるということで、予防給付の見直し、あるいは地域支援事業の創設が行われておりまして、この中で、介護予防事業が事業としてスタートしております。

 書いていないのですが、このときの基本的な考え方として、1つ、どういう人を対象にするかということについては、要介護状態になるおそれが高い虚弱な状態の方、いわゆるハイリスクな方を対象にしていくということと、どういう内容についてやっていくかというと、運動機能の向上であります。もう一つは、期間なのですが、3〜6カ月ぐらいの短期集中でやっていくということに重点を置いて、スタートしたという経緯がございます。

 平成26年に見直しを行っております。平成26年の介護保険法改正における介護予防の考え方でございますが、1つ目の○ですが、機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなくて、むしろ生活環境の調整や、地域の中に生きがい・役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど、高齢者だけではなくて、高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた、バランスのとれた取り組みが必要であるという考え方に重点をシフトしております。これは一番最初の基本的な考え方、心身機能の向上だけではなくて、活動とか、参加といったことについて、もっとウエートを置いていくべきということであります。

 2つ目の○ですが、高齢者の多くは、要介護状態や要支援状態に至っておらず、地域で社会参加できる機会をふやしていくことが、高齢者の介護予防にもつながっていく。ここで言います、地域で社会参加できる機会というのは、例えばいろんな市町村でやっておりますが、朝の体操でありますとか、皆さんで集まって会食をするとか、趣味の集いとか、そういうものでございます。文章に戻りますが、できる限り多くの高齢者が、地域で支援を必要とする高齢者の支え手となっていくことで、よりよい地域づくりにつながるということでございまして、従前はハイリスクの方を主として考えていたわけですが、新しい考え方では、ハイリスクの者だけではなくて、元気な高齢者も含めてやっていく。また、高齢者はサービスの受け手と考えるだけではなくて、支え手でもあるという形で、新しい事業体系になっております。

 3つ目の○ですが、例えば住民自身が運営する体操の集いなどの活動を地域に展開し、人と人とのつながりを通じて、参加者がふえ、通いの場が普及・拡大していくような地域づくりを推進するという考え方でやっております。

 また、この際の専門職のかかわり方でありますが、それは次の○でございます。地域においてリハビリテーション専門職等を生かした自立支援に資する取り組み、例えば住民主体の通いの場の立ち上げや充実を専門家が支援するといったこともやっていく。従前は、どちらかというと、専門家が主体的にやっていくという形でありましたが、新しい考え方では、高齢者の自主的な取り組みを専門家が後ろから支えるという形になっているところでございます。

 そのような考え方に基づきまして、4ページ目でございますが、新しい地域支援事業ということで、スタートしております。

 1つ目の○は、平成26年の介護保険制度の改正において、事業の再編を行っているということであります。

 2つ目の○は、従来の二次予防事業、特にハイリスクの方に短期集中的にやっていくものでありますが、多くの市町村が、通所型事業の終了者が介護予防を継続する場の不足、これはどういうことなのかといいますと、短期集中的型のサービスをやっても、その後、通う場所がないので、もとの状態に戻ってしまうとか、あるいは長期間利用する、本来、短期集中的なのですが、長期間利用する人がいる、あるいは事業への参加率が低いといったことを課題として感じていたという経緯がございます。

 また、平成27年から新しい総合事業に移行しておりますが、新総合事業を開始済みの市町村においては、一方で、通いの場のサービス・活動の今後の展開に関する方向性の決定に関する対応がおくれている。通いの場をつくっていくことになっているのだけれども、どうやって行っていったらいいかということについて、いろいろ悩んでいる状況がございます。

 3つ目の○ですが、住民主体の通いの場の普及・拡大については、介護予防を住民自身の取り組みとして行う。どういう意味かといいますと、行政にやらされているのではなくて、自分たちのために、自分たちで行うことが重要でありまして、住民が自主的に意欲を持って取り組めるような環境を整える必要がある。

 次の○ですが、住民主体の通いの場が効果的に普及・拡大できるように、国のほうでは、このような事業をやっておりまして、各都道府県でモデル的に取り組む市町村を選んで、この事業に取り組んでいくということをやっております。

 最後の○も課題なのですが、一方で、短期集中的なサービスもやはり重要ですので、これは引き続きやっておりますが、こういったものについては、3行目ですが、保健・医療専門職を確保することが困難である。都市部の場合はいいのですが、地方でありますと、こういった専門家の方を確保することが、難しいという声も聞いているところであります。

 このような課題がありますが、平成27年度から新しい考え方でスタートしております。

 5ページをお開けいただきまして、介護予防・自立支援に向けた取り組みのさらなる強化ということで、2つ目の○ですが、さらに介護予防・自立支援に向けた市町村の取り組みを強化するため、平成28年度予算で、介護予防活動普及展開事業を始めることにしておりまして、先進的な市町村で取り組まれている効果的な介護予防の仕組みを全国展開することにしております。

 下は、右肩に書いてありますが、経済財政諮問会議からも言われていることでございまして、これは保険者機能の文脈の中で、介護予防を全国展開していくという御指摘をいただいております。これは前回の部会でも御議論いただいたところだと思います。

 6ページは、介護予防の事業評価と改善ということで、事業をやっていくに当たっては、評価が非常に重要だと考えておりますので、今の新しい事業では、ここに書かれてありますような、プロセス指標、あるいはアウトカム指標をつくって、評価をしていくことになっております。

 最後7ページ目をお開けください。論点として、4つ挙げております。

 基本的な考え方は、介護予防を進めていくためには、どうしたらよいでしょうかということなのですが、最初の2つは、特に保険者機能の強化との関係で書いておるところでございます。

 介護予防・自立支援の取り組みをより一層推進するためには、それぞれの市町村における取り組み状況等に応じた支援が必要であるが、取り組み状況等を図るプロセスやアウトカムに関する指標として、どのようなものが考えられるか。

 次の○ですが、保険者等が、高齢者の介護予防や自立支援に積極的に取り組んでいくためのインセンティブとして、どのような仕組みが考えられるかということでございます。この論点については、前回の部会でも御紹介させていただいているものでございます。

 3番目は、介護予防・自立支援の推進のため、都道府県による市町村支援のあり方について、制度的な点からも強化を図るべきではないかということで、現行では、法令上、都道府県の位置づけはございませんが、現状としては、技術的な支援をやっております。また、3月の部会で御議論いただきました、例えば在宅医療・介護連携事業というのは、都道府県の役割が法令上も書いてあるわけですが、介護予防について、都道府県の役割をどういうふうに考えていったらよいかということを挙げております。

 最後の○は、住民主体の介護予防活動を地域に展開し、人と人とのつながりを通じて参加者がふえ、通いの場が普及・拡大していくような地域づくりを推進するために、高齢者御自身が積極的に介護予防に取り組む環境の整備や機運の醸成が重要であると考えられるが、これらをどのように進めていくべきかということで、介護予防を進めていくためには、個々人の方の意識を高めることが必要だと思いますが、こういったことについて、どのように進めていったらいいか、アドバイスをいただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 今、資料1と資料2について御説明をいただきましたけれども、とりあえず、資料1と資料2について、皆様方の御意見、御質問等をいただきたいと思います。その後、改めて、認知症の対策について、御審議をいただきたいと思います。

 それでは、資料1、資料2に関しましては、御意見等があれば、挙手をお願いしたいと思います。

 なお、できるだけ多くの方に発言していただきたいと思いますので、発言は、要領よくお願いしたいと思います。御協力のほど、よろしくお願いします。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木(邦)委員 それでは、資料1、地域支援事業の推進の論点がありますので、それに沿って、お話をさせていただきたいと思います。

 6ページです。2つ目の○の地域支援事業の取り組みについては、市町村によって温度差があります。今後、成果を上げていくためには、各市町村が明確で具体的な目標を設定し、実施体制や財源の違いを越えて、組織として一体的に取り組めるようにすることが必要であると思います。

 3つ目の○については、地域支援事業の進捗を測定する指標として、地域の問題・課題を把握した上で、それがどの程度解決されているか、解決される見込みがあるかを図る必要があります。

 4つ目の論点については、特に地域ケア会議を有効に活用するためには、その位置づけ、目的、全体像を明確にしておく必要があり、市町村にそれらを明確に示していただくことが有効であると思います。

 5つ目の○でございます。参考資料1の31ページなどにもありますけれども、総合相談支援の業務量が過大であることや、地域のネットワーク構築に対する力量不足を挙げている地域包括支援センターが多いというデータが示されておりますが、少ない人数で多くの機能を果たすためには、有能な人材を投入し、地域で人脈を築き、住民や医療・介護事業者との連携がとれる体制を構築することが必要です。今は、資格があれば、配置することができますけれども、資格イコール力量ではないために、有資格者でも、能力が余りない人をふやしても、機能を発揮できないと思います。少なくとも、資格要件以外に、経験などを考慮する必要があるのではないでしょうか。市町村が本気になれば、委託先の民間も有能な人を配置すると思います。

 7ページ目の6番目の論点ですが、適正なケアマネジメントの実施を支援するためには、市町村が地域の介護支援専門員の連絡会とか、協会、そういった方々と連携して、協力を得ることが必要です。これは以前にもお話をさせていただいております。

 最後のところですけれども、要支援に対するケアマネジメントは、今後、可能な限り外部に委託して、地域支援事業にかかわる時間を確保する必要があると思います。要介護者に対するケアマネジメントの関与は、困難例の対応、相談、地域ケア会議のケース検討などが多いと思いますけれども、その解決に役立つためには、力量のある地域包括支援センターである必要があり、有能な人材の配置が必要です。すなわち、地域包括支援センターの活性化のためには、まず行政が明確な目標を示すこと、そして、有能な人材を配置すること、それでも業務量が多いということであれば、さらに有能な人材を増員することが必要であると思います。行政の姿勢と有能な人材の確保が重要であると思います。

 次に、介護予防の推進についてでございますが、これも7ページに4つほど論点がありますので、おおむねそれに沿ってお話します。

 1番目の指標としては、介護保険事業計画作成時に行う日常生活圏域ニーズ調査の比較や、身体面だけでなく、閉じこもり、鬱、転倒リスクなど、生活面に関する指標も重要だと思います。さらに介護予防開始時に行う体力測定の結果の比較なども考えられます。

 2つ目の○についてですが、高齢者に介護予防への動機づけを行うためには、1つは、選択できる魅力的なプログラムの設定が必要であると思います。もう一つは、移動支援の充実です。地方では特に重要になると思います。3つ目は、地域のつながりを活用した、自主グループへの移行が必要になると思います。

 3つ目の○は、大分モデルの話だと思いますけれども、それを全国展開する際には、モデル事業をしっかり行って、課題を抽出し、改善をしながら、より普遍性のある内容にしていく必要があると思います。

 4つ目の○につきましては、高齢者が住みやすいまちづくりを行うことが重要です。高齢者が積極的にまちに出て、楽しみながら、おしゃべりや運動などをしながら、食事や買い物など、生活の役に立つことができるような環境を各市町村が整備し、遠方の方でも、公共交通機関を利用して、気軽に来られるようにする必要があると思います。高齢者が住みやすいまちというのは、若年層や障害者、子供にも住みやすいまちだと言えます。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。論点ごとにコメントをいただきました。

 東委員、お願いいたします。

○東委員 ありがとうございます。

地域支援事業における地域包括支援センターにつきましては、資料1および参考資料1に示されているように、有効な活動ができていない実態がございます。そのことについて問題提起をしたいと思います。

 参考資料1「地域支援事業の推進」の22ページをご覧ください。地域包括支援センターの業務についてポンチ絵で示されたものです。いわゆる「総合相談支援業務」、「権利擁護業務」、「包括的・継続的ケアマネジメント支援業務」、そして「介護予防ケアマネジメント」と、大きく4つの業務がございます。

 次に、参考資料1の31ページ「地域包括支援センターの業務・課題マル1」をご覧ください。ここには「センターの8割は業務量が過大と認識しており、そのうち7割が過大な業務の具体的内容として総合相談支援をあげている」と書かれております。さらに参考資料132ページのグラフを見ていただきますと、確かに業務量が過大な具体的な内容として「a.総合相談支援に関わる業務」が69.5%と、一番過大であるという調査結果になっています。しかし、もうひとつ「e.指定介護予防支援に関わる業務(要支援対象者)」についても66.8%と、「a.総合相談支援に関わる業務」とほぼ変わりございません。

 今回、三重県にございます近隣の地域包括支援センターに聞き取りをしてまいりました。そこでは、予防のケアマネジメントのうち、自ら立案しているものが約25%、委託をしているものが約75%と比較的委託が進んでいます。しかしよく聞きますと、プランの作成の委託はしているものの、いわゆる給付管理・介護報酬の請求業務というのは、すべて地域包括支援センターがやらなければならないという実態がありました。つまり、委託をするだけでは、業務の軽減になっていないわけです。自ら立案をしているもの、委託をしていても給付管理や介護報酬の請求業務等をしなければいけないものをあわせると、トータルで自分の業務の何割を占めていますかとお聞きしたところ、予防のケアマネジメント業務で約4割を占めているとの答えでした。一方で、業務量が過大と感じている総合相談支援は、彼らはやりたいのです。やりたいのですが、介護予防のケアマネジメント業務に4割を割かれてしまい、なかなか総合相談支援業務に力を注げないという実態がわかりました。

 そこで提言でございますが、地域包括支援センターにおきましては、今後も様々な役割が期待されております。この際、要支援者に対するケアマネジメント業務を地域包括支援センターの業務とは切り分け、それについては周りの居宅介護支援事業所に担って頂き、地域包括支援センターはその居宅介護支援事業所の業務をチェック、指導するということにしてはいかがでしょうか。そうすることにより地域包括支援センターは、本来の求められている役割を遂行できると考えます。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 それでは、順番として、陶山委員、齋藤訓子委員、佐野委員ということで、お願いいたします。

○陶山委員 ありがとうございます。

 私は地域支援事業の4点目の論点、地域支援事業を効果的・効率的に実施する観点から、地域包括支援センターや地域ケア会議を有効に活用するためには、どのような方策が考えられるか、これについて、意見を述べさせていただきます。

 私が第56回の介護保険部会の中で発言をさせていただきました、アンケートなのですが、せんだって、組織内部で深堀をさせていただきました。その内容を意見として申し上げたいと思います。

 まず地域ケア会議ができたことで助かっているケースということで、これまで事業所だけで抱え込んでいた困難事例を、地域ケア会議の中で、多職種の方々からの幅広い意見で解決に結びついた例が報告されておりまして、事業所の負担を減らしているという観点から、非常に意義があるということで、困難事例を地域で情報共有することが、今後の対応に生かされるという意見がございました。

 また、課題としては、平成26年度の改正で、訪問介護と通所の予防サービスが地域支援事業に変更になったのですが、行政区ごとに、サービスの選択が一層困難になり、「誰でも介護保険サービスを選択できる」という制度の原則に対して、大きな障害となっていることです。特にこれまでのサービスは、地域支援事業で、行政区をまたがった場合、再申請が必要なことや、都心で地価の高い行政区では、採算が合わなくて、事業者の空白地帯になっているところもあり利用者へのサービスが困難になっているようです。

 同じように、行政区ごとにサービスの価格が違うことも利用者の選択肢を狭めています。これによって、包括からの依頼を、採算性が担保できないという理由で、受けない事業者もあると聞いています。特に包括のケアマネは、依頼したものが戻ってきてしまうという意味では、大変なことになるということでございます。先ほどの話と一緒でございます。ただでさえ、事業者は、人材不足ということがよく言われますが、ぎりぎりのところで人を回しているので、介護予防が後回しになるという状況があるのではないかと思います。

 このような事例は、地域包括支援センターの守備範囲を他の行政区と調整する一定の機能が必要ではないかと思います。調整できれば、事業者の地域ケア会議への参加を促進する意味でも、意義があるのではないかと思います。

 さて、日常生活圏域レベルでの個別ケースを扱った地域ケア会議を市町村が開催した実績は29.3%、また、地域包括支援センターが主催した場合が72.4%、こういう数字が第57回の部会で紹介されていましたが、地域包括支援センターでの主催が日常生活圏域レベルでは必要ではないかと思います。そして、できうれば、地域の医師会と地域包括支援センターの共同主催としていただきたいというのが提案であります。

 医師会が主催している地域ケア会議では、医師の方々の出席が非常に多いという意見がございまして、また、医療関係の方々に多く参加いただくことで、介護職の啓発となり、医療・介護の連携としての意味でも、医療関係者と介護職員の意識の差を縮める意味でも、お互いの立ち位置の相互理解に一歩近づけるのではないかと思います。そして地域を、医療・介護関係者が一体となって支えていく姿が、常態として実現できれば、地域ケア会議を活性化することにつながって、地域支援事業のさらなる前進に貢献できるものと考えます。

 さて、地域ケア会議のもう一つの視点ですが、施設関係者の参加促進があげられます。とりわけ施設ケアマネは、施設の中で業務が完結すると考えられるため、必要性を感じていないということも根底にはあるかもしれませんが、地域ケア会議からの声がかからないという意見もございます。どちらにしても、大切なサービス資源という観点から、地域ケア会議への参加の仕組みが必要だと思います。

 また、地域ケア会議を通じて、利用者の環境、特に既往歴等の共有は、サービス資源が変更になってもサービス資源ごとのアセスメントに役立つと思います。個人情報とのかかわりはあるとは思いますが、地域ケア会議の重要性を高める意味では、必要なことだと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 齋藤訓子委員、お待たせいたしました。

○齋藤(訓)委員 私は2つ質問がありまして、地域包括支援センターにつきまして、資料1の6ページの最後の論点に挙がっております、基幹型や機能強化型ですけれども、今、基幹型と称しているところ、あるいは機能強化型に該当するところというのは、全国で7,000あるうち、一体どのぐらいあるのかということをお伺いしたいと思います。つまり26年度の制度改正でセンターの機能強化を打ち出して、ここで構想していったような、センター間の役割分担というのは、進みつつあるのかどうかという判断を、お伺いしたいのが1点です。

 2点目は、参考資料1の31ページ以降に示されている、直営型と委託型で、センターが抱えている課題の違いがあるのかどうか。もしわかれば教えていただきたいですし、今の時点で分析はされていないということであれば、追加でしていただきたいと思います。これからさらに委託型というのはふえると思いますが、抱えている課題に何か違いがあるのか、直営でやっても、委託でやっても、困難は同じなのかどうかということは、1つ見ておかないといけないことだと思っておりますので、この2つの質問について、お願いいたします。

 あと、意見としては、地域包括支援センターの業務が非常にふえているわけですけれども、その割に職員はふえていないというのが、参考資料1の27ページのデータなどでも見えると思います。

 参考資料1の31ページ以降のセンターの業務・課題では、職員の力量不足や業務が過大ということも挙げられておりますけれども、どうしてそう感じるのかという背景には、当然職員数の不足や専門職の確保困難も、理由に挙がると思いますので、ここは看過してはいけないと思います。

 他の委員からも出ておりますように、専門職の確保あるいは職員の資質向上を図る方策を立てる一方で、そういう人材確保等の手だてがないということであれば、東委員が御指摘のように、業務の切り分けも検討すべきではないかと思います。

 従来から、予防プラン作成の業務負担が大きく、ほかの業務に手が回らないという課題は挙がっておりますし、24年度の改正で、給付にかかるケアプランのケアマネ事業所への委託件数の制限は撤廃されておりますけれども、やはりここのあたりの業務負担が大きいということであれば、この際、予防プランのところは、センター業務から切り離して、センターの中核の業務として、包括的・継続的なマネジメント、あるいは連携構築、地域づくりにシフトすることを検討してもいいと思っております。

 どの業務も非常に重要なものではございますが、どちらかというと、個別支援というよりは、地域診断や地区診断に基づいて、今後、包括支援センターならではの全体的な体制整備、あるいは連携調整の仕事に注力できるような体制を組むべきだと考えています。

 それから、介護予防につきましては、近年、フレイル対策というのが、非常に注目をされております。専門職の相談支援に関してのモデル事業等にも予算がついております。介護予防事業も、フレイル対策も、目指す方向は同じだと考えますので、縦割りで進めるということではなく、フレイル対策で得られた成果を介護保険、あるいは介護報酬でも活用する方向で、医療との連携を図っていくべきではないかと思っております。

 企業等がさまざまな調査を行っておりますけれども、先般、要介護の方々100人の体重と身長でBMIを計測したら、4割ぐらいが低栄養であったといったデータも出ておりますので、フレイル対策と一緒に、何か対策を打ち出していくことが重要だと考えます。

 人材につきましても、資料のほうでは、指導、助言ができる専門職の確保は難しいと出ておりますので、これも前回申し上げましたように、大分県の事例で見られるように、都道府県から市町村に講師の派遣であるとか、あるいは関連団体等を通じて、市町村の専門職人材を確保できる、そういった支援をできるスキームが、小規模自治体にとっては大変重要になるのではないかと思います。

 介護予防の推進の資料の7ページの論点の最後で、高齢者自身が積極的に予防に取り組む環境の整備等につきましては、保険者の努力だけでは、なかなか難しいと思います。もともと予防というのは、アセスメントにも非常に時間がかかりますし、生活習慣や本人の価値観にも左右されてきますから、介入がなかなか難しいのですけれども、現場レベルで、草の根で、住民への説明や説得をすることは負担も大きいので、ここは国としても、こういった現場への支援を積極的に行っていただきたいし、それから、高齢者に限らず、もっと早い段階で、介護予防の重要性の啓発を、国を挙げてやっていくべきだと考えます。

○遠藤部会長 それでは、質問が2つ出ておりましたので、振興課長、コメントはございますか。

○辺見振興課長 基幹型と機能強化型の箇所数でございますけれども、統計上、今、把握しておりますのは、それぞれを設置している保険者の数でございます。27年9月時点での調査でございますけれども、基幹型を設置している保険者数が1,579に対して184、基幹型はおおむね保険者は1と想定されますので、大体この数だと思います。一方で、機能強化型に関しましては、1,579に対して51保険者という状態ですが、これが51センターなのかどうかということは、ここの統計からだけではわかりません。

 課題についての御指摘でございます。今回、お示ししている課題等についてですけれども、今の段階では、直営型と委託型でそれぞれの集計はしておりませんので、特別集計をして、課題分析が可能かどうかは、検討してみますが、いずれにしても、アンケート結果からわかるものだけではなくて、委員が御指摘の点からすると、深堀の課題把握が必要だと思います。その際に、要支援者に対してのケアマネジメントというのは、17年度の改正当時は、一般介護予防と関連施策との連携で、戦略的にやっていくという意味もあったかと思いますので、そういう考え方と照らしての検証も必要だと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、お待たせしました。佐野委員、お願いいたします。

○佐野委員 

 地域支援事業に関連して、まず財源のところについて、お話をしたいと思います。今の財源の中で、特に総合事業については、2号保険料、要は現役世代の負担が含まれているということは、重く捉えるべきだと思っております。当然介護予防費用の中には、高齢者も含めて、地域全体で支え合うものも入っておりますし、これらを介護保険の保険料で見るのかどうか。さらにはその中でも、現役世代に負担を求めるのかどうかということについては、より慎重に考えるべきだろうと思っております。地域支援事業の中で、財源を分けて、線を引いているというのも、当然そういう意味合いがあると思っておりますし、この点については、総合事業として、現役世代に負担を求めるという項目については、より明確な判断基準といいますか、なぜ2号被保険者も負担するのかということは、示すべきではないかと思います。少なくとも、なし崩し的に、包括的支援事業等から総合事業に移行すべきではないと思います。いずれにしろ、この部分は、費用対効果を含めて、データを数値で見ていくというのが、前提条件になろうかと思います。

 もう一点は、全体ですが、もちろん各事業について、意義があると思うのですが、やはり費用対効果を考えてやるべきなのは、今さら言うまでもないことだと思います。ただ、その中で、気になる部分として、2点申し上げたいと思います。

 1点は、今、ちょうど総合事業に移行中ということなのですけれども、効果把握がしにくいという部分があろうかと思います。全体が移行しないと、方向性も出せないということになりますと、スピード感において、問題が生じるのではないかと思います。効果があると見込まれるものについては、数値把握も早目に行った上で、早く実施する。要は次の制度改革に盛り込むことを考えるべきではないかと思います。

 もう一点は、前からずっと申し上げていることなのですが、都道府県、市町村の取り組みのばらつきの解消の部分でございます。一定の取り組み差が生じるのは、やむを得ないと思うのですけれども、やはりばらつきが大きくなるというのは、懸念を持ちます。支援センターもそうですし、ケア会議もそうですし、ばらつきが見られている。一般論で考えますと、得てして、内容的に進んでいるところは、スピードも速くて、逆におくれているところは、ぎりぎりまで対応できないという形になりがちなのではないかと思います。そうなると、余計取り組みの格差が拡大する傾向になってしまうのではないかと思います。そういう意味では、取り組みを促進するための仕掛けというか、言葉はちょっとよくないかもしれませんが、ある意味、おくれているところに対するプレッシャーの掛け方なども、検討すべきではないかと思います。

 例えば何人かの委員の方が言われていましたけれども、地域ケア会議は、まさに介護保険制度の保険者機能のコアをなすものだと思っております。したがって、ここでどのような議論が行われて、どのような方向性を持って進められているのかということについては、各市町村単位ではなく、都道府県、国がより関与してもいいのではないかと思います。

 資料を見ていまして、開催頻度は、月1回以上やっているところから、年1回しかやっていないところ、さらには開催もまだしていないところ、こういう差があるというのは、保険者機能をこれで十分に発揮できるのかとなった場合、どう考えても、保険者機能に大きな差が生じるとしか思えない部分だと思っています。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。こちらのほうへいきましょう。それでは、一番向こう側からいきましょう。まず内田委員、井上委員、伊藤委員という順番でやらせてください。

○内田委員 地域包括支援センターについてですが、今後、ますます重要な役割を果たす位置にありながら、非常に多くの課題を抱えていることが見えています。地域包括支援センターの中には、行政から業務を丸投げされているという感じを持っているところもあって、ここは、行政とか、その他いろいろなところと連携しながらやっていけるようにならないといけないのではないか。やはり行政のかかわりが非常に大事なのではないかということがあります。

 それで、仕事量が非常に過大であるといったことが、大きな問題なのだと思います。配置人数を考えるとか、今後、業務の振り分けを考えていく、あるいは職員の育成の方法を考えるといったことをしない限り、今のままでは、仕事が中途半端になってしまうのではないか、それから、認知度の低さがとても気になります。住民から相談をもっと受けるようなところであるべきと思います。

 それと、地域支援事業を進めるに当たっては、今、生活支援コーディネーターという方々の役割がそれなりに期待されておりますが、資格要件がなければならないというものではありませんが、余りにも高度なことを期待されており、相当育成に力を入れないと、単にそういう人がいるというだけでは、役に立たないのではないかと懸念しております。

 もう一つは、介護予防についてですが、介護予防をずっとやってきているのに、うまくいっていないということがあります。なぜうまくいかないのか、もうちょっと掘り下げて考えつつ、ニーズは何なのかということも探っていかないと、なかなかうまくいかないと思います。

 それから、行政などでも縦割りになっていますけれども、もっと地域にあるいろいろな団体と連携しないとうまくいかないと思います。例えば高齢者クラブであるとか、町内会であるとか、あるいは社協であるとか、いろいろあると思いますので、そういうところとうまく連携しながらやっていくことが大事だと思います。

 あと、脳梗塞を起こしてしまって、軽い麻痺がある状態になってから、介護予防と言われても遅いのではないかというのは、確かにそう思いますので、齋藤委員がおっしゃたように、若いうちから、生活習慣とか、食生活とか、そういうものを考えていかないと、本当の意味での効果が出ないのではないかと感じております。

 以上です。

○遠藤部会長 どうもありがとうございました。

 井上委員、お願いいたします。

○井上委員 ありがとうございます。

 地域支援事業に関してですが、鈴木委員、東委員から出ましたように、さまざまな事業が入ってくるだろうと思われます。これからの超高齢社会には総力戦で当たらないと、全部行政がやってくれるなんて思っていると、対応できないでしょう。そういう意味で、行政はチェック機能に徹するとか、入ってきたいろんな事業をサポートする立場であってほしいと思っています。

 私が実際にかかわった事例を簡単に御紹介いたします。

 今までは、自助、互助、共助、公助、4つで考えられておりますが、この中に、商助が入ってくると思います。さるドラッグストアの方に、これからは社会貢献であるという話をしましたら、具体的に何をやるのかと、質問がありまして、そのドラッグストアがカフェをつくりました。それは認知症だけに限らず、子育ても全て集まれるようなスペースをつくって、そこで、相談業務をやってくださいと提案しましたら実現してくださいました。

 そうしたら、全国から見に来るようになり、売り上げも倍増したそうです。商助というのは、これからすごく力強い味方になるだろうと思っています。最初に社会貢献であるということをきちんと押さえていて、これが単なる利益につながらないような歯どめがかけられる、コーディネーターなり、きちんとわかる人がいれば可能だと思います。

 もう一つは、学助というものもあります。研究所とか、大学、そういうところもかかわっております。これは首都圏ではなくて、ちょっと離れたところの中核的な都市なのですけれども、栄養学をやっているところが、地域で栄養学を普及させていきたいということでしたので、地域総合事業でやらないかと声をかけまして、これが動き出しております。みんな地域のために何かをやるということが、これからのある意味では生き残り策でもあるし、地域に貢献したい、生き残り策もやりたいということが商助、学助になっていくだろうと思っています。

 最後に一番言いたいところは、互助です。互助をどうするか。総合事業は、自助、互助、共助、公助なのですけれども、互助にすごく期待をされていると思います。互助も始めたのですが、住民から自分たちでぜひこれをやりたいと言ってきたのです。それには土壌をつくってきた経験があったからだと思います。私は教員時代、私の同僚と合わせて5年ぐらい地域福祉論の授業の中で、地域の課題について、住民を入れてつくり上げていこう、学生に知らせようということでやってきました。

 そうしましたら、地域の住民の方たちも、学生も活性化する授業になりました。地域福祉の中から出てきたものが、今回の総合事業につながるものが住民の側から出てきたのです。やはり急に上から言ってもだめです。耕して初めて成立するものだと、私は思っております。

 そろそろ動き出しましたけれども、準備に1年半かけました。生活支援型の事業にしたものですから、準備に1年半かけて、制服までつくって始めたのですけれども、実は壁があったのです。A型というのは、介護職の仕事の一部、あるいは全部を出していただけます。そういう中で、A型は、うまくいったのですけれども、B型は、ほとんどボランティアで、お金が出ません。

○遠藤部会長 井上委員、ほかの方の意見も聞きたいので、要領よくお願いします。

○井上委員 わかりました。長くなるつもりはなかったのですけれども、ごめんなさい。

 そういう意味で、B型のほうにも、人件費が出せないか、有償ボランティアにしていただけないかということが、私の願いでございます。それはできないものだろうかと思っております。

 長くなって、申しわけございません。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 伊藤委員、お待たせしました。

○伊藤委員 それでは、一遍に意見を言うようにします。

 地域支援事業の推進の資料1ですが、2014年の介護保険法改正について、2ページの3つ目の○に説明がありますが、訪問と通所の予防給付を地域支援事業に移行してきたことについて、多様化を図っていると書いていただいています。多様化になればいいことだと思ってはおりますが、その一方で、資源や財源の差によって、サービスの格差が拡大することを懸念してきたところでありまして、この見直しが目指す、よい意味での多様化が進んでいるのか、今後の検討に使えるように、好事例という形だけでなく、全国の多様化が進んでいる実情を把握して、示していただきたいと思います。

 それから、地域包括支援センターについて、資料にあるとおり、業務量に対する人材不足が指摘されているわけですが、総合相談支援業務に手が回っていない、地域のネットワーク構築に苦労している中で、地域ケア会議も満足に実施できていないというのも無理もないのではないかと思っています。

 私どもでは5月14日に全国集会を開きまして、その中で、地域包括支援センターからも報告をいただいています。人材不足の一方で、相談が複雑化・困難化していて、それに追われているうちに、地域全体に注意が行き届かなくなってしまっているという悩みも報告がありました。金銭管理とか、財産管理に不安があるとか、振り込め詐欺とか、悪徳商法への被害にも、関係機関と連携して対応しているということで、国、地域、両方からの期待が高まっている中で、センターが手いっぱいになっていることはよくわかっております。

 また、その一方で、先ほども指摘がありましたけれども、センターの認知度の低さも課題になっています。これは古い資料で、2011年の資料を見ると、2割から4割ということで、より深刻なのは、65歳から69歳でも3割ですので、この認知度を上げていくと同時に、人員体制の拡充を含めた対応が必要だと考えています。

 あと、任意事業のところについて、4ページの1つ目の○に介護離職のことを書いていただいています。介護離職を防止する観点から、介護に取り組む家族や就業者に対する相談支援の充実・強化が求められる、まさにそのとおりだと思っています。社内制度の整備とか、周知とか、職場環境の整備が重要なのは、言うまでもありませんけれども、それとあわせて、こういった事業主への取り組みの促進も必要ですし、また、働きながらの介護には時間がありませんし、足を運ぶのも非常に困難ということから、働くことに関する相談を含めた、ワンストップ体制が求められていることも、先ほどご紹介した集会で明らかになりました。

 昨年の政府の緊急対策でも、「介護する家族の就労継続への支援に効果的な介護サービスの在り方等を的確に把握するための調査手法の開発及び自治体による調査の実施により、第7期介護保険事業計画策定への活用を図る。」ことが、特に緊急対応ということにもなっていますし、人口減少社会で、仕事と介護の両立は、いずれの地域でも重要な課題になると考えていますので、家族介護支援事業については、必須事業化も含めた検討が必要ではないかと考えております。

 最後ですが、介護予防について参考資料2の15ページを見ますと、参加率には地域差があり、高いところ、低いところはありますが、平均0.9%の参加率です。よく見てみますと、実施率が1年間ですごく上がっている大分県がある一方で、岐阜県は大幅に下がっているようですし、この辺について、どういう事情があったのか、きょうでなくてもいいですから御報告いただきたいと思います。

 あと、きょうの資料を見ますと、参加者像が余り見えてきていません。0.9%の方がどういった男女比で、また、どんな年齢層なのかということ、こういったところを、この場で報告いただく中で、どんな取り組みが重要なのかという議論もしていく必要があると思っておりますので、お願いします。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 伊藤委員、それは宿題という形で、今すぐ御回答ということでなくてよろしいですか。

○伊藤委員 はい。

○遠藤部会長 それでは、そういうふうに、事務局は御対応をお願いします。

 お待たせしました。井上参考人、どうぞ。

○井上参考人 経団連の井上でございます。

 本日、代理でございますけれども、1点、意見を申し上げます。

 資料1の6ページの論点の○の2つ目でございますけれども、介護予防・日常生活支援総合事業と包括的支援事業及び任意事業の適切な実施にかかる仕組みについて、に挙げられております。それぞれの事業の財源構成については、参考資料1の10ページ目の右下にグラフが掲げられています。このグラフにありますとおり、左側には、2号が含まれておりまして、右側には2号がないという仕組みになっております。

 先ほどもご意見がありましたけれども、私どもの意見を明確に申し上げますと、右側に仮に2号を含めるべきであるということであれば、これは明確に反対をさせていただきたいと考えております。今後、高齢者人口は急激に増加していきますし、現役世代は減少していきます。現役の負担、あるいは経済活動とか、消費活動にも、中長期的には悪影響を及ぼすのではないかと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 包括支援センターの活動の重要性というのは、言うまでもありませんが、今、御意見もございましたが、資料の36ページで指摘されているとおり、住民への定着、認知度も不十分という状況ではないかと思っております。自治体によって、かなりのばらつきもあると伺っておりますし、成功事例もたくさんあると伺っておりますので、積極的な横展開を図っていくことが、急務ではないかと考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、こちら側にいきましょう。桝田委員、花俣委員、馬袋委員、栃本委員という形でいきましょう。

 桝田委員、どうぞ。

○桝田委員 地域包括支援センターというのは、介護保険の中で、非常に重要な役割を果たすと思うのですけれども、ずっと課題を提起されていて、しかも、地域包括支援センターが持つ役割というのは、今、どんどんふえてきています。ふえてきた割には、中身でいろんな問題点がある。

 その中で、きょうの参考資料1の24ページで、直営と委託の関係、今、どんどん委託がふえてきています。というのは、直営では、包括的支援事業の予算の枠内から考えると、非常に厳しいから、保険者が委託に出す。委託に出す場合、委託を受ける側から、経費の見積もりをして、それに応じて契約という形は、ほとんどとられません。保険者の側から金額提示をして、職員数はこれだけ配置しなさい、金額はこれだけですという中で、契約が行われているのが大部分になります。

 そうすると、問題提起の中で、職員の問題として、職員の力量不足、業務量の過大、ここらが出てくるのは、予算の枠内で職員配置が決められるので、業務量が過大になる。職員の力量不足というのは、今、介護職員さんの問題で、給与アップの問題は、どんどん上がる方向に向けて動いています。でも、介護現場で働く人は、介護職員さんだけではなくて、周辺部分で働く専門職として、地域包括のケアマネジャーさんなり、保健師さんなり、社会福祉士さんなり、同じ法人の職員であれば、全体として、給与アップというのはされていきます。でも、委託契約の場合、金額はほとんど変わらない。その枠内で運営をしていこうとすると、そこに配置できる職員というのは、ある程度の給与者しか置けない。経験の多い方、職務能力の高い方は、当然給与は高くて当たり前ですので、その方をもっていきたいけれども、予算的に無理だという状況も、今、結構生まれてきていて、悩みの問題として起こってきていると思います。そこの部分をどう予算的に考えるかというのが、一番の課題であって、やはりある程度の予算がなければ、いい職員も配置できないし、職員数もふやせないのが現状です。

 今回、総合事業がスタートする部分の中で、今、現場で起こっていますのは、通所・訪問事業が移った分で、今までの形の分が総合事業にそのまま移行している。その次のメニューですが、参考資料2の3ページに、介護予防マネジメントの新しい形の部分で、例えば訪問型サービスですと、マル1の現行相当からマル5までの種類があります。通所型ですと、マル1〜マル4までの種類が提示されています。実際にマル1〜マル5、マル1〜マル4までの形を各地域でつくっていくというのが非常に重要な役割で、特にマル2、マル3の住民主体によるとか、緩和した基準の費用を抑えた形のサービスを予防の中に組み込んでいくことは、これからの最重要課題になると思います。

 ところが、それを担う介護予防マネジメントで、その方たちに必要なサービス、適切なサービスを上手にマネジメントするというのが、地域包括、介護予防マネジメントの中に入ってくる。そうすると、また能力を問われることが起こってくる。能力を高めていく問題という部分に、地域包括支援センターに投入する予算的な部分を再度考えないと、これはいつまでたっても解決しない問題になるのではないかと思います。

 きょうの一番の問題はそれで、終わらせていただきます。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 花俣委員、お願いいたします。

○花俣委員 ありがとうございます。

 かなり議論は尽くされている気がしまして、地域支援事業の推進については、先ほどの齋藤委員の意見などには、私も大いに賛成したいところでもあります。

 6ページの論点の最後の○のところにもありますように、総合相談支援事業の業務というのは、大変大きな地域づくりの核になると考えています。総合相談窓口が地域のよろず相談所的な役割を果たしてくれれば、例えばいろんな問題がここでたくさん解決される、あるいは解決の糸口が見つかると考えています。

 先ほどの井上委員のお話の中にも、商業ベースのところも取り込んでというお話がありましたけれども、某コーヒーチェーン店の社会貢献の取り組みの中で、コミュニティーコネクションという活動の中で、オレンジカフェをコラボして開催して、そこで地域の方のネットワークができて、それから、包括の方たちも専門職の方たちと大勢つながって、顔と顔がつながる関係づくりが可能になった中で、たまたま徘徊をしていた方に、朝、私が出くわしまして、見事につながって、事なきを得たという経験をつい最近いたしました。こんなことを考えていますと、確かに包括の業務は多岐にわたっていますが、業務の整理であるとか、あるいは人員配置のことであるとか、こういったことをもう一度きちっと検証した上で、総合相談支援業務をもっと大きくクローズアップしていくことで、いろんなことが解決できるのではないかと思っています。また、そういう相談機関の研修も必要になってくると考えます。

 それから、同じように、総合事業のことについても書かれていましたが、これにもたくさんの課題や問題提起があります。現時点で実施している保険者の数が少ないですので、実施内容を検証できるだけのデータがまだないのではないかと思っています。なので、そういう意味では、根拠となるデータがもっとたくさん出てきてから、あるいは総合事業の移行にどんな影響が出るのか、利用者なり、介護者の立場で、大変大きな不安があります。そういうものについては、来年度末まで、完全実施を待って、見直しが必要なのかどうか、検討できるだけのデータがそろってから、テーマとして取り上げていただければと思っております。

 また、介護予防の推進についても、同じように、保険者の先駆的な取り組み、好事例といったものを、残りの1,500以上ある保険者に広げるというのも、なかなか困難があるのではないかと思っています。一般の介護予防事業の今後については、9年間の二次予防事業の実施に取り組んだ全国の保険者から、どのような課題があるのかとか、そういったことをもう少し資料としてお示しいただければと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 いろいろと御要望もあったかと思いますので、事務局として、対応可能なものについては、準備をお願いしたいと思います。

 お待たせしました。馬袋委員、どうぞ。

○馬袋委員 ありがとうございます。

 総合支援事業を含めて、お話を3点申し上げます。包括支援センターのあり方なのですが、さまざまな委員の方から出ています課題とあわせて、意見を申し上げたいと思います。まず支援業務そのものが多岐にわたって、忙しくてできない。それでは、予算はどうなのだろうかということで、参考資料1の10ページに地域支援事業の事業費というものがあります。予算の枠の中でやっていくということですので、そもそもその予算と求められている仕事(業務)の内容が適切に合っているのかという検証はしておかないといけないのではないかと思います。

 それから、包括支援センターが本来あるべき姿としては、包括支援センターに訪れて、相談業務が多忙で対応できないというのは、本来の仕事ではない。まさに総合相談こそが、地域支援センターの主たる仕事ですから、総合相談がしっかりできるということは、総合相談で必要な地域をつなぐというのは、地域を知っていないとつなげないということです。

地域を知っているには、すなわち地域ケア会議の開催などから地域の内容や情報がリンクしているはずなのです。ですから、総合相談事業をしっかりやる、窓口をしっかりやるということは、地域のケア会議そのものをしっかりやれる体制にするということです。これを両方やることで、窓口に来ていただいた方に対して、地域の資源、対応、相談へのレスポンスがよくなるのではないかということで、ここにしっかり注力するために、どのように今の状態を変えるかということだと思います。

 介護の予防プランについては、皆さんから御意見があるように、業務から外すべきというか、それも含めて委託へ出す。他の居宅支援事業者にお願いをして、地域の方々の支援をいただきながら、予防プラン業務を主力業務から外すべきだと思います。なぜかというと、事業運営の中で、介護予防支援の居宅支援事業をやって収入を得ないと、運営ができないという状況になっているのではないかということも危惧されますので、介護予防居宅介護支援を外してでもできるという体制はそこの予算措置をしておかないと、しっかりとした人材を配置できないということになってはいけないので、ここのところは、しっかり整理しておく必要があると思います。

 それから、多様な連携の中で、特に医療連携なのですが、医師会の先生方に御協力いただくというのは、当然お願いしていくのですけれども、前回、前々回の中でも、医療と介護の連携の中で、退院後の支援の内容とか、調整をどうするかといったときに、今後、相談に行くとしたら、包括支援センターが窓口になるというのが、地域住民からすれば、わかりやすいと思います。そうすると、そこに専門職を置くというのは、重要だと思っています。

 例えば高齢者の保健事業というものがありますけれども、こういった事業の部門を地域包括支援センターの中に置くことによって、例えば栄養士であるとか、看護師とか、要するに医療とつなぐ専門の人材を一緒の場所に配置できるのではないかと思います。これは地域包括支援センターの予算の中からではなくて、高齢者医療の関係の予算も含めて、専門メンバーを配置するということも検討が必要ではないかと思います。

 2番目の給付の件なのですけれども、今、市町村の予防給付で、介護予防の部分が、地域の部分に切りかわっているのですが、事業者として、かなり厳しい内容の減額というのでしょうか、場合によっては7割とか、8割は当たり前みたいな話が出てまいりました。しかし、みなし指定の事業者にとって人員体制は崩さず、雇用を守りながら、単価だけが下がって、介護予防から総合事業へ移行について、業務を受けるか、受けないかということを判断しにくいところもあります。これは、本来、そういうことではなかったと思います。

 なぜこのようになるかというと、支援事業の予算の中に、介護予防の事業と地域包括支援センターの運営の費用が一緒に入っているはずなのです。ですから、そういった面で、そこは少し分けないと、結局、予防給付から変わるサービスを提供する側の報酬単価だけをまず低く抑えて費用を削減というところから入ってしまい、そのような計画になっていきそうです。雇用を維持するというのは、最低賃金は当たり前で、専門職としての内容、そして、事業継続をしながら事業が運営できる体制での報酬単価のあり方というのは、検討すべき課題だと思います。

 もう一つ、サービスに参加する人たちに、支援事業は多様な参画と方針を出しているにもかかわらず、地域の中では、非営利のみとし、営利はだめだとか、初めから参画することを拒否されることがあります。そういう区分は、制度のどこにも書かれていないのですが、市町村によっては、非営利と営利で分けて、サービスを区分するようなところがありますので、多様な人材を入れながら、事業者を入れながらやろうとする本来の目的に対して、非営利とか、営利ではなくて、参加する人をふやす、事業者をふやすということの視点に立って、そういった概念を外すべきだということを、ぜひ指導していただきたいと思います。

 最後に予防のかかわりなのですが、やはり県のかかわりというのは、非常に大切だと思います。大分県のケースでありました。参考資料2の26ページなのですけれども、好事例を展開するという内容なのですが、この絵を具体的にやるには、左に和光市、大分県の枠があるのです、次に全国展開のポイントという枠のところは、各県として、県が主力になって計画することが大切です。この図表のプロセスを振興とおっしゃるのですが、事業戦略がないです。事業計画には戦略的方向を書かないと、計画のプロセスもできないと思いますので、全国展開のポイントのところは、県にして、県が事業計画、要するに戦略をちゃんとつくって、リーダーの育成、ノウハウの形成ということをしていく。本来、そういうことに、県に積極的に関与していただくような施策をお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 栃本委員、どうぞ。

○栃本委員 3点ほど述べたいのですけれども、その前に、先ほど予防ケアマネについては、地域包括支援センターの業務から外すという議論が結構あったと思うのですが、私は反対です。これは時間がかかってしまうので、後日にします。

 地域包括支援センターについてですけれども、先ほど事務局からお話がありましたように、今まで老健法の廃止とか、それらを含めて、いろんなものが地域包括支援センターに全部投げ込まれて、そのままの状態で残っているということなのです。それに対して、予算の部分が少ないとか、また、人員が足りないということがありましたけれども、例えば先ほど来、相談が重要だと委員の皆さんおっしゃっていますが、先ほどの事務局の御説明でもありましたけれども、参考資料1の36ページにあるように、あなたの地域の地域包括支援センター、親の住んでいる地域包括支援センターにそもそも相談しましたかというものについて、8.3とか、6.2とか、2.9とか、そういうデータです。これが実態なわけです。それをちゃんと認識した上で、議論しなければいけません。

 今まで地域包括支援センターは何でもかんでもやっていました。市町村、行政が本来やるべきだったことも含めて、全部地域包括支援センターにやらせていたということが、実態としてあるわけです。したがって、地域包括支援センターの業務をもう一度見直して、整理し直すということをしなければ、あれもふえた、これもふえた、地域包括ケアシステムの中で、さらに重要だみたいな議論になって、人材が要るのか、ないしは人が足りないのでないかという議論ばかりになってしまいます。やるべきことは、今まで何でもかんでも入れたので、それをきちっと整理するということが重要だと思います。

 その際に、きょうの資料にもありましたけれども、地域包括支援センターの業務に関する調査をもうちょっと緻密に、設計からして、きちっとした形にしないと、使えないということがあると思います。ケア会議もいろんなレベルがありますけれども、どういうレベルのことで、どういう回数で、どういうふうにしたかということがわからないと、だめだと思います。あとは、委託とそうでない部分もあります。それをえり分けて分析でいるようになっていないと情報価値が無く、形式説明だけに終わる。最低限の項目立てとしては上がっているのだけど、その上での部分の仔細設計がなされていないので、政策判断というレベルでは不十分。もう少し開拓的な調査が重要だから、その部分もぜひ心がけていただきたい。今回、いい資料もありましたけれども、ぜひそれをしていただきたい。

 また、予防ケアマネが4割の業務量になっているということなのだけれども、それらについては、もう少しきちっと分析しないと、単に4割になっているということだけで本来の地域包括支援センターの業務ができないから要支援のケアマネジメントについて外した方が良いというのは短絡すぎます。実は要介護1と要支援2で、認定審査会で行ったり来たりすることがあるのですけれども、具体的にケアマネジメントの質でいうと、要介護1のほうが、場合によっては、御用聞きケアマネみたいになっていて、むしろ要支援2のほうが、かなりきめ細かく、全体的なことを把握しながらやらなければいけないこともあるので、結構いいケアマネジメントになっている。それは非常に重要な部分だと思います。なんでもさせるというのは現実的ではないですが、単純に要支援のケアマネジメント業務が4割だからそれを外せばよいというのはダメで、もっと別の意味もあるのです。それは時間の関係で言いません。

地域包括支援については、何でもさせる、何でもということを盛り込むというのは、そろそろやめて、そのうえで区分けをしたほうがいいということです。

 もう一つ、保険者機能については、前にお話しましたように、市町村が持っている非常に重要なツールというのは、認定審査会です。認定審査会と地域包括支援センターのうちの直営部分だと思います。だから、その両方をうまく使って、保険者機能を強化するというやり方です。そういう戦略に立った上で、基幹型とか、機能強化型とか、そういうものの機能分化と区分けをきちっと整理することが大切だと思います。

 あとは、介護予防についてですけれども、介護予防のプログラムが終わったら、そのままになってしまうというのではなくて、ケアマネジャーがかかわることが大事だと思います。だから、その部分について、それもやるみたいな、どういう形でやるのがいいのかわからないけれども、そこら辺はもっと力を入れていただくべきだと思います。

 最後に介護予防の推進の論点のところで、保険者機能については、先ほどお話したとおりなのですけれども、その上で、インセンティブとして、どのような仕組みが考えられるかということと、都道府県による強化ということでいうと、インセンティブが一番効いてくるのは、係数をかけて、零コンマの話かもしれませんが、多少なりとも財政的プラスにするということを考えることだと思います。

 もう一つは、都道府県が、市町村が行っている介護予防とか、自立支援の取り組みについて、一覧表を示すなりして、それぞれ見える化して、この自治体はちゃんとやっている、やっていないということがよく見えるようにする。そういうものは、お金がかからないのだから、取り組むべきだと思いました。

 以上です。長くなりまして、申しわけありませんでした。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 土居委員、その後、またこちらへ移ろうと思います。

 土居委員、お願いします。

○土居委員 地域支援事業の推進と介護予防の推進について、1つずつ、意見を述べさせていただきたいと思います。

 参考資料1の31ページから33ページにかけて、地域包括支援センターが抱える過大というところで、いい資料が出ているのですが、栃本委員もおっしゃったのですけれども、もう少し深堀した分析が欲しいところであります。地域支援事業の包括的支援事業及び任意事業における効果的な運営に関する調査研究事業は、非常にいいデータが集められていると思います。結局は回答のパーセンテージだけしか、今回は御報告がなかったのですが、同じ調査研究事業では、参考資料1をざっと眺めてみても、配置人数別の統計もとれるし、運営主体の種類もわかるし、それらをクロス集計するとか、回帰分析とか、そういうことができると思います。

 何でもかんでも、老健局にお願いすると大変だというのだったら、個票をいただければ、私も分析ぐらいはすぐにできるのですが、ただ、私は研究者ですから、研究はお茶の子さいさいですが、事務局の方々は大変な労力になってしまうということがあれば、もし必要ならば、お手伝いぐらいはしますが、なぜ職員の力量不足とお答えになっているか。その背景は、職員の配置人数が少ないということなのか、それとも、職種の種類が偏っているからなのかとか、さらには運営主体の種類がどうなのかとか、それがどうこの回答と相関しているかという分析、それから、業務量が過大と答えたところも全く同様ですが、それらがどうかかわり合っているかというところを深堀した分析をしていただければ、ありがたい。

 それとともに、この調査研究事業の中でデータがとれるかわかりませんが、要支援者の数とか、地域包括支援センターの利用者の数とか、ないしは市町村の予算額とか、そういったものがとれると、何が原因でこういう問題を抱えているかということが、だんだん浮き彫りになってくると思っていて、非常にいいデータがとれて、私がざっと見ただけでも、結構宝が埋まっているというか、宝の持ち腐れになっても、もったいないと思う調査だと思いますので、当然きょうでなくていいので、いずれの時期に、分析結果をお示しいただければと思います。

 次に介護予防の推進ですけれども、資料2の7ページの最初の論点のところに、1点だけコメントをさせていただきたいと思います。取り組みの成果を図るアウトカムの指標でありますけれども、前回、私が介護保険部会で資料を提出させていただいたときにお示ししたものと同じものですが、要介護、要支援状態区分別に見た、年間継続受給者数の変化別割合という、介護給付費実態調査に出ている資料で、これが各保険者、市町村ごとにデータがとれるということになれば、結局、重度化がどのぐらいの割合で防げたかということが、具体的に数字で出てくる。

 もちろん何をしたからそうなったかというところまで、深堀できればいいのですけれども、仮にそれまでいかないとしても、アウトカムの指標としては、少なくとも要支援2の方が、1年たった後で、要支援1に下がったとか、非該当になったとか、そういうことがわかれば、ただ、介護給付費実態調査に載っているものは、年間継続受給者ですので、1年前も今も受給者であるということになっていないと、数字の上に載ってこない。つまり引っ越したとか、非該当になったということになれば、ないしは申請しなかったとか、そういうことになれば、数字の中から、その統計では外れてしまうので、できればそのところもうまく保険者が数字を整えられて、重度化が防げるということが、数字になって出てくるということであれば、それはアウトカムに関する指標として取り上げてられても、いいと思います。ただし、そのかわり、前回も言いましたけれども、要介護認定をより客観化することが不可欠だと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 調査の再分析についての御提案もありましたので、事務局として、対応可能なものについては、トライアルをお願いできればと思います。よろしくお願いします。

 こちら側ということで、それでは、齊藤秀樹委員からお願いいたします。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。

 地域包括支援センターのことについて、触れさせていただきたいと思いますが、まずセンター機能を考えますと、利用者や家族から見ますと、頼れる存在でなければならないと思うわけでありますが、栃本委員から御指摘があったように、参考資料1の36ページを見ますと、ここに頼っているというパーセンテージは少ないという印象を受けております。しかし、これが頼られる存在になり、認知度が高まっていくことになっていきますと、今以上に業務が拡大をしていく、職員の負担も大きくなることが予測されるのだろうと思います。

 研究者の委員の方から御指摘があったように、さらに調査をしてみて、深堀をしていただくことは、興味のあることでありますし、それを見ない限りは、軽々な判断はできないと思いますけれども、業務の見直しというのは、当然出てくるでありましょうし、また、業務の切り分けというものも、結果としては出てくるかもしれません。

 もう一つ、限られた専門職をさらにふやしていくことも、非常に難しいという問題があるとすれば、業務の切り分け等々の問題と関連をしながら、専門職の業務を補助していくような人材の養成も、検討の1つに考えていくべきではないかと思っております。全て専門職の方々がかかわらなければいけない事例だけではなくて、初歩的な相談も少なからずあるのではないか。そういったことも考えながら、専門職のフォローアップができるような、そういう人づくりも、1つ考慮していくべきではないかと思っております。

 2つ目は、介護予防の関係で、きょう、アウトカム指標の話があり、また、地域ケア会議でも、同じようにアウトカム指標ということが話題になって、和光市とか、大分県のモデルが紹介されて、資料にありますように、その結果として、要介護認定率が下がった。これは非常に好ましい結果としての資料提供をさせていただいているわけでありますが、要介護認定率の指標は、取り扱いによっては、もろ刃の部分があると思っております。

 志の高いところでやっていただいて、例えばケアプランの適正化でありますとか、多職種の協働で、しっかりとした自立支援につなげて、その結果、認定率が下がるということを目指すわけでありますけれども、単にこれを下げるということを意図して、例えば同じ県内の中で、市町村間の差異を少なくして、何とか人並みの認定率にしたいということになりますと、認定審査会を厳しくすれば、安易な形で達成可能になりますから、この検証なくしては、認定率だけで見ていくということは、難しい問題があるのではないか。これは慎重に考えていかなければいけないと思います。非常に興味のある部分ではありますけれども、慎重でなければいけないということを申し上げておきたいとし思います。

 以上であります。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、鈴木隆雄委員から、こちらの方向でお願いいたします。

○鈴木(隆)委員 ありがとうございます。

 時間の関係もございますので、介護予防の推進のところで、少し発言させていただきたいと思います。

 先ほど老人保健課さんからの御説明もございましたけれども、資料1に書かれておりますように、生活機能の低下した高齢者に対して、心身機能とか、活動とか、参加とか、こういったものの要素にバランスよく働きかけて、今後、総合的に介護予防事業を地域の中で展開するということだろうと思います。この理念等については、全く異存はございませんが、誰に対してやるのかということについては、介護予防を行う際には、適切な対策といいますか、やり方といいますか、戦略が必要ではないかと思っております。

 今、介護予防というのは、65歳以上が1号被保険者ということですので、65歳以上の方を中心とした地域での取り組みが進んでいるのですけれども、御存じのように、高齢者全体は3,500万人という膨大な数が挙がっていて、その中でも、特に前期の高齢者と後期の高齢者という区切りで見ると、被保険者としては、同件なのですが、健康の水準であるとか、あるいは介護予防を実行していくときのサービス対象者としてのサービスの質というのは、やはり違うものだろうと思っております。

 今、後期高齢者というのは、前期の高齢者に比べて、1対1ぐらいですけれども、御存じのように、2030年ぐらいには、1対2ということで、後期高齢者が物すごくふえていきます。前期の高齢者というのは、健康度が高いですし、先ほど御説明もありましたけれども、いわゆる高齢者の支え手となるような、そういった資質をお持ちになっておられる方が非常に多いです。これはきちんとした経年的なデータ、今から30年ぐらい前からの日本人の老化に関するきちんとしたデータがございまして、それを見る限り、今の前期の高齢者というのは、かつての高齢者とは全く違う異質な存在だということです。そういった前期と後期という1つの大きな生活機能を見ても、あるいはコモビディティーというのでしょうか、慢性疾患の併存性の疾患を見ても、かなり違う集団ですので、これを同質に置いて、同じように介護予防施策をしてしまいますと、先ほども余りうまくいっていないという御発言があったようでございますけれども、どうも漠然としてしまっていて、うまく機能しないのではないかと考えております。

 今後、前期の高齢者というのは、同じ介護予防でも、地域の中での支え手としてのあり方をどうしていくかということに重きを置くべきですし、やはり心身の機能の減弱、先ほど齋藤委員からも御発言がございましたけれども、フレイルといったものが、一段と進んでいく後期高齢者には、かつて中心で行われていたハイリスクアプローチといったものも重視した形で、疾病の重度化予防と自立の支援に向けた介護予防の取り組みが必要になってくるのではないかと思っております。

 皆様に、きょう、配付させていただきましたけれども、資料として、昨年度、厚労科研の特別研究で、後期高齢者の保健事業のあり方に関する研究がなされておりまして、ここで、後期高齢者の特性であるとか、その特性を踏まえて、今後どういったことが必要かということを、後期高齢者の保健事業としての視点で見たものがございます。皆様のお手元に参考として配付されております。

 先ほど看護協会の齋藤先生からも御指摘がありました、フレイルというものが、非常に目立ちます。ページをお開けいただきますと、ページのナンバリングでいうと、2ページになりますけれども、フレイルの概念が書かれています。人間というのは、特に高齢者はフレイルの段階を経て、ディスアビリティーへと移行していくものでございます。ディスアビリティーになりますと、回復というのは、あるいはもとに戻るというのは、非常に難しいのですけれども、フレイルの段階は非常にリバーシブルですので、適切な介入、例えば先ほどから出ている低栄養に対する取り組みといったことが、非常に効果的に可能となる集団ということが言えるかと思いますので、こういったフレイル対策というものが、今後、非常に重要になっていくだろうと思われます。

 これも詳しく説明していると、非常に時間がかかってしまいますので、保険者機能として、どういう視点で大事かといったことも、かなり厳密なデータ、エビデンスベーストを中心にして、今回、保健事業のあり方をまとめたものでございますので、後でごらんいただければと思います。いずれにしても、後期高齢者を中心とした中では、医療と介護の分離は非常に難しく、両方の一層の連携が重要だということも、はっきりと出てきたデータがたくさんございますので、御参考にしていただければと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。貴重なデータの御提供、どうもありがとうございました。

 続きまして、鷲見委員、お願いいたします。

○鷲見委員 ありがとうございます。

 私どもは、7ページの最後の2つの○について、お話したいと思います。

 先進的な取り組みを実施している保険者であっても、現場からは課題が挙がっております。例えば介護保険の申請の際に、必要性を保険者が判断していたり、新規ケースや給付除外ケース、または住宅改修の事例などの対象ケース全てを地域ケア会議にかけたりするという手法をとりますと、効率的な運用となる一方、利用制限につながることもあるといったお話を聞くところです。

 ケアプラン点検も、地域ケア会議も、適切なケアマネジメントを目指すという意味では、同じであるとは思いますが、ケアマネジャーがケースへのかかわりが最も深く、地域での生活阻害要因を把握していることを前提とした上で、その支援というものは、専門性の向上にいかに取り組むかという議論と、専門職連携によって、地域の中で、要支援・要介護者をどう支えるかという関係構築が重要だと考えるところです。ですから、地域会議の持ち方や参加者が明確な意識を持つこと、また、会議の結果をフォローするなど、丁寧な仕組みが必要になると思います。こうすることによって、地域に合った社会資源の開発や政策提言につなげられると考えております。

 最後のところでございますが、地域包括支援センターへの関与のあり方です。要介護者に対しては、適切な担当件数が示されているのですが、要支援者に対しては、これが示されていません。また、予防ケアプランは、ケアマネジャー以外の職種でも立てられることになっておりまして、構造的に適切なケアマネジメントを阻害する課題があると認識しています。

 要支援者へのケアマネジメントは、地域包括支援センターにおいて行われ、参考資料1の40ページの真ん中の部分は、非常に負担が大きいというお話が、他の委員からも出ているところです。地域包括支援センターの機能を十分に発揮するためには、介護予防事業所を明確に分け、原則として、三職者は予防支援には従事することなく、介護支援専門員の適切な配置が必要だと考えています。そうすることによって、介護予防マネジメントの充実・強化につながると考えています。

 なお、地域包括支援事業の中にあります、ケアマネジメントCのあり方の再認識について、再度、述べさせていただきます。介護予防マネジメントの新たな形として、ケアマネジメントA、B、Cが示されていますが、特にケアマネジメントCは、専門職によるモニタリングは、原則として不要という考え方になっています。地域の中で、見守りとモニタリングは不可欠であり、状況が変化した場合には、適切に支援につながる支援ネットワークを地域の中で構築することが必要であることを、再認識していただきたいと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長 どうもありがとうございました。

 ほかにございますか。藤原委員、どうぞ。

○藤原委員 介護予防の推進についてですが、資料2の2つ目の論点で、介護予防や自立支援に積極的に取り組んでいくために、インセンティブの仕組みの検討が挙げられております。事業の促進のために、インセンティブを導入するという趣旨は理解できますし、地域に合った新しいアイデアが出てくる可能性もあります。しかし、導入することになるのであれば、その財源については、国の調整財源となっている、調整交付金を充当するのではなくて、別立ての財源をぜひつくっていただきたいと思っております。調整交付金は、75歳以上の高齢者数の割合など、必ずしも市町村の責めに帰するものではない要因に応じて、介護保険財政の不均衡を是正するための交付金でありますので、ぜひ別財源を考えていただきたいと思います。

 今回、国民健康保険制度においては、保険者努力支援制度という、保険者の取り組みに応じて、インセンティブを与える制度が開始されます。平成28年度、29年度の前倒し分の財源については、一時的に特別調整交付金の活用がされるようになっておりますが、本格的に開始される平成30年度以降は、特別調整交付金ではなくて、別立ての財源によって行うこととされております。したがって、介護保険制度においても、もし導入するならば、インセンティブにかかわる財源については、調整交付金で充当するということではなくて、別立ての財源を充てていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 どうもありがとうございます。

 ほかによろしゅうございますか。岩村部会長代理、お願いいたします。

○岩村部会長代理 ありがとうございます。

 1点、事務局に御質問なのですけれども、きょうの参考資料1の27ページのところで、地域包括支援センターの職員配置状況というものがございますが、そこに職種別で、例えば1センター当たりの平均人員数とか、包括的支援業務の平均従事者数があって、職種別に挙がっているのですが、保健師については、準ずる者を含むとか、社会福祉士についても、準ずる者を含むとなっていますけれども、準ずる者というのは、具体的にはどういう人が入っているのかということをお教えいただければと思います。

○遠藤部会長 それでは、事務局、御対応をお願いします。

○辺見振興課長 振興課長でございます。

 準ずる者でございますけれども、保健師に準ずる者として、地域ケア、地域保健等に経験のある看護師、准看護師は含まないということです。

 社会科福祉士に準ずる者としては、福祉事務所の現業等の業務経験が5年以上、または介護支援専門員の業務経験が3年以上あり、かつ高齢者の保健福祉に関する相談援助業務に3年以上従事した経験がある方ということで、一定の経験を含めた要件を課しているところでございます。

 なお、数的には、保健師に準ずる方というのは、ここ数年、4割程度で推移をしています。

 一方、社会福祉士に準ずる方については、23年は1割ぐらいいらっしゃいましたが、27年は5%ぐらいに減っております。

 そのような状況でございます。

○岩村部会長代理 ありがとうございました。

 気になったのは、この資料でも、先ほど来出てきました、31ページ以降の業務・課題のグラフで、例えば32ページですと、総合相談支援にかかわる業務のところで、業務内容が過大であるというのが出ていたり、さらに力量不足というのが、33ページにありますけれども、そこで権利擁護にかかわる業務のところが66.3%、あるいは地域におけるネットワーク構築にかかわる業務のところは、76.7%という数値が出ているので、こういった業務に携わる方の資質の問題が1つあるという気がしました。

 これは一番最初に鈴木委員が御指摘になりましたように、資格を持っていれば、当然にできるという話でもなく、経験が必要でありますけれども、他方で、資格というのは、最低条件だという気がするものですから、特に保健師に準ずる者が4割というのは、どうなのだろうかという気がしました。この辺は、先ほど土居委員が御指摘になりましたように、クロスの集計とか、そういういったものをやっていただいて、もう少し原因の深堀をしていただいた上で、あるべき適切な対応といったものを検討していく必要があると思います。

 あと、人材ということになると、地域差の問題も出てきますので、その辺も含めて、どういう対応ができるかということを考える必要があると思った次第でございます。

 ありがとうございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 皆様、どうもありがとうございました。大変活発な御意見をいただきました。

 したがいまして、若干時間が押してまいりまして、認知症施策という、非常に重要な課題がもう一つ残っておりますので、引き続き、認知症施策についての御議論を進めたいと思います。

 資料3「認知症施策の推進」について、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○水谷認知症施策推進室長 認知症施策推進室長でございます。

 資料3「認知症施策の推進」につきまして、御説明を申し上げたいと思います。

 1ページ目は、きょうの議論の流れの全体像の中での位置づけでございますが、地域支援事業の中で、認知症施策の推進、具体的には認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員に取り組んでおりますが、認知症施策にはこれ以外にもさまざまな切り口がございますので、2ページ以降の資料では、認知症施策全般にかかわるものについて、いろいろな切り口で論点を示させていただいてございます。

 2ページでございますが、まず最初に「1.認知症施策全般を巡る動向」といたしまして、認知症の方の増加への対応ということは、今や世界共通の課題になってございます。

 参考のところに書いてございますが、我が国における認知症の方の数は、2012年で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人ですが、団塊の世代が75歳以上になります2025年には、約700万人、65歳以上高齢者の約5人に1人が、認知症の方になる時代が来るという推計をいたしております。

 こういった中、昨年1月に、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を策定いたしました。これは総理の指示に基づきまして、厚生労働省だけでなく政府一丸となって、認知症の方の生活全体を支えるように策定するということで、厚生労働省を中心に関係12省庁共同で策定をいたしました。

 この中では、特に認知症の方を含む高齢者にやさしい地域づくりという柱立てをして、いわゆる医療・介護等だけではなく、さまざまな課題につきまして、省庁横断的な対策を掲げてございます。

 3ページにお進みいただきますと、総合戦略の7本の柱がございます。普及・啓発、医療・介護、若年性認知症施策、御家族など介護者への支援、地域づくり、研究開発、認知症の方や御家族の視点の重視、これは全体を貫く横串の視点として、あえて最後に持ってきて、掲げさせていただいてございます。

 一方で、新戦略策定以降でございますが、3月には、認知症の方の列車事故についての最高裁判決が出されました。これは参考資料3の9ページにございますが、説明は省略をさせていただきますが、こういった新たな動きも出ておりますので、認知症の方による事故等に社会としてどのように備えるか、そういったことも含めた新たな課題も指摘されているのが現状と認識をしております。

 「2.認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供」といたしまして、1つ目の○でございますが、早期診断・早期対応が重要だと考えてございます。私どもといたしましては、身近なかかりつけ医に認知症に対する対応力を高めていただく、認知症サポート医の支援を受けながら地域で医療・介護等の連携を確保していただく、一方で、鑑別診断や行動・心理症状(BPSD)への対応等につきましては、必要に応じて認知症疾患医療センター等の適切な医療機関に繋いでいただく。こういったさまざまな関係者が連携する体制をつくつていくことが、重要だと考えてございます。

 お進みいただいて、4ページでございますが、今、申し上げたような関係で、認知症施策推進総合戦略の中では、かかりつけ医、認知症サポート医、認知症疾患医療センター、歯科医師、薬剤師など、さまざまな研修を医療の関係で行ってございます。また、介護の関係でも、認知症介護指導者、認知症介護実践リーダー、認知症介護実践者に対する研修のほか、新任の介護職員に幅広く認知症の知識を持っていただく観点から、認知症介護基礎研修を新たに開始することも盛り込んでございます。

 2つ目の○でございますが、認知症の方に行動・心理症状(BPSD)や身体合併症が見られた場合でも、医療機関・介護施設等で適切な治療やリハビリテーションが実施されるとともに、そのときの容態にもっともふさわしい場所で、適切なサービスが提供される仕組みを構築することが重要と考えてございまして、認知症の専門医療に期待される役割や一般医療機関における認知症対応力の向上、院内の体制整備などを進めてございますし、また、看護職員、特に一般病棟等で管理的な業務に就かれておられる看護職員の方を念頭に、今年度から新たに認知症対応力の向上研修も始めることとしてございます。

 5ページにお進みいただきまして、前回の改正におきましては、介護保険法の地域支援事業の中に、認知症総合支援事業として、認知症初期集中支援チームと認知症地域支援推進員の設置ということが、法律上、規定をされてございます。以降、この2つのことにつきましても、分析的に御説明を申し上げたいと存じます。

 認知症初期集中支援チームにつきましては、平成30年度にすべての市町村に配置をするということで、現在、経過措置期間中でございますが、昨年度時点で、306市町村で設置見込みということになってございます。

 初期集中支援チームの活動につきましては、参考資料3の13ページ以降に数値がございます。時間の関係もございますのでポイントだけ御説明差し上げたいと存じますが、適切な支援につながっていない方を、在宅生活を継続しながら、医療・介護等のサービスに繋げる、あるいは御家族の負担を軽減する、そういった効果が見られる一方で、取り組みの推進が必ずしも十分でない地域があるということ、実際の取り組み状況は、今、306市町村でございますので、そういったことですとか、あるいは単にチームを設置するだけではなくて、より効果的にチームを運用していく、そういったことのあり方なども、課題として指摘をされてございます。

 また、認知症初期集中支援チームの支援の対象者でございますが、認知症の方の程度を見ますと、必ずしも初期の認知症の方に限られない、認知症が重度化した方も相当程度含まれているということや、あるいは支援に携わった方の主観によるデータではございますが、困難事例と判断されるようなものへの対応も約半数を占めているという状況が、現時点の状況として見てとれます。

 認知症地域支援推進員につきましては、6ページでございますが、こちらも初期集中支援チームと同じように、平成30年度にすべての市町村に配置するということで、27年度時点で、839の市町村に配置見込みとなってございます。

 地域支援推進員の活動は、大きく3本の柱になってございまして、医療・介護等のネットワークの構築の観点からの地域ケア会議への参加や認知症ケアパスの作成・普及、認知症対応力向上のための認知症サポーター養成講座や認知症カフェ、そして認知症の方やその御家族への相談支援等でございます。

 認知症地域支援推進員につきましては、市町村の期待は高いのですが、実際にその効果が十分に発揮されているかどうかについては、必ずしも十分でないようなアンケート結果が見られておりまして、これも配置をするだけではなくて、その取り組みを実効あるものとしていくことが、課題と認識をしてございます。

 また、相談支援のあり方に関連いたしましては、近年、認知症の方同士が繋がる、集まる、そういった場づくりを通じまして、認知症の方が社会参加、生きがいを持っていく、そういった取り組みを支援することも進められておりまして、そういったこととの関連も議論になってこようかと存じます。

 これら認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員は、市町村に設置をすることになっているわけでございますが、実際、市町村の取り組みに差がある状況でございまして、今年度の予算の中では、こういった取り組みを都道府県に支援していただこうということで、未実施の市町村の課題共有のための会議ですとか、首長さん同士のトップセミナーの開催など、そういったものに利用可能な経費として、新たな予算を計上しているところでございます。

 7ページにお進みいただきまして、御家族をはじめとする「3.認知症の人の介護者への支援」でございます。

 2つ目の○でございますが、具体的な施策といたしまして、今、申し上げた、認知症初期集中支援チームによる早期診断・早期対応のほか、認知症の方や御家族が地域住民、医療・介護の専門職などと交流する、認知症カフェの設置などを進めてございます。

 また、介護離職ゼロに向けた取り組みの一環といたしまして、例えば認知症カフェを発展的に展開するなどして、認知症カフェを通じて顔なじみになったボランティアの方などが、認知症地域支援推進員の企画のもとで、認知症の方の居宅を訪問して一緒に過ごすような取り組み、「認とも」という愛称をつけてございますが、こういった取り組みを進めてございます。

 ただ、認知症の方の介護者、御家族の生活上の課題はさまざまでございますので、これだけで全部支えられるというものではなくて、より重層的な支援体制の構築が必要ではないかという指摘がございます。

 8ページは「4.認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進」でございまして、認知症サポーターの養成を進めてございますが、これまでは、数を養成するということを重視してまいったわけですが、新プランの中では、さまざまな場面で活躍をしていただくということにも重点を置きまして、ステップアップのための講座の例をお示しするですとか、あるいは実際の地域の見守り活動や認知症カフェにボランティアとして参画していただくような取り組みを、地域の実情に応じて進めていただく、こういった取り組みを進めてございます。

 また、近年、独居の方の増加ですとか、認知症の方の行方不明、あるいは高齢者虐待の問題などもございますので、行方不明の認知症の方の捜索活動を行う模擬訓練などの取り組みがございますが、改めて地域での見守り体制の構築が課題だと認識をしてございます。

 新プランの中では、認知症の高齢者等にやさしい地域づくりを副題として掲げてございますが、これは決して認知症の方だけにやさしい地域をつくることが目的ではございませんので、認知症への対応を通じて、コミュニティーの繋がり、地域づくりを通じて地域を再生していく、そういった視点も重要ではないかという指摘があるところでございます。

 9ページでございますが、権利擁護の関係で、成年後見について、取り立てて書いてございます。

 成年後見の利用者につきましては、約20万人弱という状況でございます。その中で、親族後見が約3割、専門職等による第三者後見が約7割でございますが、いわゆる市民後見人というのは、まだ1%にも満たない状況でございます。

 私どもといたしましては、市民後見人の養成について、市町村にお願いをして進めている状況でございますが、すべての市町村では対応が難しいという状況もございます。これも先ほどと同じような発想でございますが、都道府県に市町村の取り組みを支援していただくような観点も含めまして、例えば家庭裁判所の管轄区域などである程度広域的に対応するための会議、そういったものに活用できるような経費も、今年度の予算に計上してございます。

 3つ目の○でございますが、必ずしも後見が必要な段階で初めて支援をするのではなくて、後見の前から、日常生活上の金銭管理等の支援から、判断能力の程度に応じて、切れ目なく一体的に確保されるような取り組みも推進しているところでございます。

 なお、成年後見制度につきましては、議員立法で、成年後見制度の利用の促進に関する法律が成立をいたしてございますので、今後、こういったものにのっとりながら、取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。

10ページは「5.若年性認知症施策の強化と認知症の人やその家族の視点の重視」でございます。

 若年性認知症の方につきましては、都道府県ごとに若年性認知症支援コーディネーターを置いていただきまして、さまざまな取り組みのネットワークを構築していただく、そういったことを進めてございます。

 それから、若年性をはじめ、認知症の初期の段階は、診断を受けてすぐにいわゆる身体的な介護が必要になるわけではございませんので、むしろ本人が求める今後への不安ですとか、そういった対応が十分になされていないのではないかといった指摘もなされてございます。認知症の方、特に初期段階の認知症の方のニーズを把握する、あるいはこれに対応できるような社会資源を整備していくことが課題であると認識をしてございます。

 また、認知症の方や御家族の視点を重視するときに、そういったことを、どのように施策の企画・立案、評価に反映させていくかということにつきまして、昨年度から研究事業をやってございます。1つの方法論といたしまして、認知症の方によるグループディスカッションを行う中で、認知症の方の声を引き出し、これを施策に反映させていくような、そういった方法論の模索も進んでいるところでございます。

 プランの中では、こういったことも含めまして、認知症施策のアウトカム指標も検討すべきであるという指摘がなされてございます。

11ページ以降は、論点として書いてございます。

 認知症施策全般につきましては、分野横断的な施策を推進するために、さらにどのような取り組みが考えられるか。

 2番目の医療・介護につきましては、早期診断・早期対応、あるいはBPSDや身体合併症への対応、こういったことに向けた認知症に関する医療・介護等の連携の推進のために、どういう方策が考えられるか。その際の都道府県の役割や関わり方について、どのように考えるか。

 次の○でございますが、認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員が目指している姿を達成していくために、さらにどのような取り組みが考えられるか。

 その際、認知症初期集中支援チームについては、必ずしも初期でない認知症の方への支援も現実的に行われている。認知症地域支援推進員につきましては、認知症の方の社会参加や生きがいづくりを支援する。こういったことにつきまして、どう考えるか。その際の都道府県の役割や関わり方について、どう考えるかということでございます。

 認知症の方の介護者への支援につきましては、先ほど御説明申し上げたような、さまざまな取り組みを進めてございますが、さらにどのような取り組みが考えられるかということで、御提示をさせていただいてございます。

12ページでございますが、地域づくりの推進につきましては、今、認知症の方の行方不明、列車事故、虐待等、さまざまな問題の中で、改めて地域づくりに焦点が当たってございますが、こういったことについての取り組みについてどう考えるか。

 次の○では、特に成年後見につきまして、市民後見人の育成ですとか、あるいは後見等の実施前から継続的に支援が提供されるための体制整備、その際の都道府県の役割や関わり方について、論点として提示をさせていただいてございます。

 最後は、若年性認知症施策と認知症の方や御家族の視点の重視でございまして、若年性認知症の方には、特有な事情・問題がございます。そういったものに配慮した、ネットワークの構築等のための取り組みですとか、あるいは認知症の初期段階をはじめとして、認知症の方を支える側の視点に偏ることなく、認知症の人やその御家族の視点に立って施策を点検し、これを新たな認知症施策の企画・立案へと繋げていく、こういった好循環を国レベルで、あるいは自治体レベルで確立していくために、どのような取り組みが考えられるか。

 こういったことを、論点として、御議論いただきたいと考えてございます。

 駆け足でございましたが、説明は以上でございます。よろしくお願いします。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 それでは、まず初めに、花俣委員からお願いしたいと思います。花俣委員、土居委員、東委員の順番にしたいと思います。

○花俣委員 ありがとうございます。

 認知症の御本人、当事者を代表して出てきておりますので、一番最初に意見を言わせていただきたいと思います。

 認知症施策の全般については、今、たくさんの御説明をいただきました。多くの資料、データが示されておりますが、こういったものをどのように読み解いて、そして、どう施策を推し進めていくのかが、なかなか具体的には見えないという印象を受けました。この中には、歓迎すべきものがたくさん含まれておりますし、今後、こういったものが推し進められていくことに、大きく期待したいと思います。

 特に初期集中支援チームでありますとか、あるいは認知症地域支援推進員であるとか、そういった方の役割が、本当に充実したものになって、よく言われているリンクワーカーにかわるような、初期集中支援チームがあちこちにできて、そして、御本人や御家族の支援がそこで十分に受けられるようになる、そんなことが実現できれば、うれしいと思っています。

 また、JRの事故についても、一部資料がございました。これについては、家族の会で、その都度、既に4回の見解を出させていただいて、課題の提起もしているところです。きょうは、判決の内容のみが紹介されておりましたが、何にどうつながるのかというところまでは、まだ書かれておりませんでした。資料に取り上げられている以上、こういう対策こそ、オレンジプランの中にある各省庁との連携で、まとまって取り組んでいただきたい内容だと思っております。たくさんの課題もありますし、余りこれを強調し過ぎると、マイナスのラベリングにならないのかという懸念もありますけれども、まずは関心を持っていただくところから入っていく必要があると思っています。

 若年性の施策については、早期診断のためのかかりつけ医ですが、これは勤務先のサポートの充実が望めればいいと常に思っておりますが、一部には、ことしからストレスチェックというのが、企業で始まったと聞いております。産業医の対応力であるとか、経営者の意識の向上なども、方向としてあってもいいのではないかと考えております。

 それから、受診についても同様に、診断した医師が、診断後の福祉とか、保健情報など、生活へのアドバイスも行えるような場面があればよろしいのですが、なかなかそうはいっていなくて、できれば、今後の生活設計であるとか、あるいは必要な手続を相談できるような、ワンストップ窓口の紹介だけでもいいので、こういった場面で、空白の期間と言われるところに、御本人や御家族が絶望のふちに落ちないような、そういった対応もぜひお願いしたいと思います。

 最後は蛇足なのですけれども、当初いただいた資料の議題のところに、地域支援事業、介護予防推進と書いてあって、2.その他と書いてありまして、認知症施策のことが書かれておりませんでした。私たちも一生懸命取り組んでいきますし、その他ではなくて、地域支援事業の推進、あるいは介護予防の推進の中で、認知症の視点というのは、大変大事だと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 土居委員、お願いいたします。

○土居委員 コメントと質問を1つずついたしたいと思います。

 参考資料3の2ページ目にありますけれども、認知症の人の将来推計なのですが、認知症施策がいかに重要かということを、多くの方に実感していただくという意味においても、将来推計を示すことは重要だと思います。ただ、将来推計は、私が知る限りでも、過去に3回ぐらい出ていて、それらがそれぞれどういう手法で推計されていたかということは、必ずしも統一的な手法ではないということであって、かついつ出てくるかというのは、たまたま研究者が着手して、発表して、出てきたということで、散発的で、必ずしも定期的に出てきているわけでもないということなので、今後、将来推計をするときに、何らかの形で、認知症施策の推進と連携してやっていくということであれば、定期的に推計を出すとか、何らかの体系だった将来推計をすることにしたほうがいいのではないか。

 もちろん老健局が手ずからやるというのは大変だと思うので、ここの例もありましたように、厚労科研であるとか、方法はいろいろあると思いますけれども、今までの推計と今回の推計は、何がどう違うのかとか、どういう洗練化をしたのかとか、ないしは前と同じような形で推計したのかというところがわかると、よりいいと思います。

 あと、認知症施策と連動して、どういうふうに将来推計が変化するかということも、今後、認知症施策が進むにつれて、そういう推計もできるようになってくると思います。

 質問なのですけれども、認知症初期集中支援チームに関して、調査の御報告を事務局からいただいて、具体的には、参考資料3の13ページ、14ページあたりに、具体的な数字が載っているということで、これは興味深い調査だと思います。

 ただ、これは先ほど室長からも御説明がありましたけれども、既に設置している306の自治体に対して調査をして、回収率50%で返ってきたものの中の事例で、こういう結果になっているということです。確かに調査の要約は、先ほど室長がおっしゃったとおりだと思います。そのときに、これをどう解釈するかというところが、1つ、ポイントになってくると思います。

 1つは、認知症施策に前向きな、先駆的に取り組もうとしている、初年度から設置した市町村が調査対象になっているということで、いろいろ段階を踏みながら、今年度とか、来年度などに設置しようとしている市町村は、当然調査対象には入っていないわけです。こういう解釈でいいのかどうかということが、質問になります。

 認知症初期集中支援チームをつくった自治体なのだけれども、ほかに認知症の方の相談窓口というか、そういう対応をしてくれるようなチームが、その自治体にないとすると、仮に初期でなくても、それなりに重度化されておられる方でも、このチームに相談されて、対応していただいたということで、参考資料3の回答の数値に出てきているということがあるのかどうなのかというところです。

 単純に、ことしとか、来年とか、新たに設けることになった自治体も含めて、調査を同じようにかけて、同じように出てくるかどうかというところは、今後、初期集中支援チームをどうやって改善していくかということの知恵につなげていく意味でも、初年度でこうだったということが、恐らく次年度もそうなっていくということなのか、それとも、初年度は先駆的な自治体が対象だったから、こういう結果になったのかというところは、解釈をするときには、よりきめ細かく見ていかなければいけない。それがどういう印象かということを、お聞かせいただけますでしょうか。

○遠藤部会長 お願いいたします。

○水谷認知症施策推進室長 認知症施策推進室長でございます。

 御質問どうもありがとうございました。

 参考資料3の13ページで、私もきちんと御説明する時間がなかったのですが、これは委員が御指摘のとおり、昨年度実施予定の306市町村に置かれたチームの1月末の段階での活動実績について、その時点で回収できていたチームの状況であります。26年度は41市町村でございまして、まだまだこれから広がっていく段階でございます。数字としては、こういった数字になります。

 一方で、研究事業の中では、幾つかのチームの状況をヒアリングで回っていただいて、そういったもの等を勘案した上での印象ということで申しますれば、まず認知症初期集中支援チームを設置するということに取り組んでいただいてございますが、一方で、初期段階で必ずしも適切な支援につながっていない方をどのように把握し、吸い上げて、支援に繋げるかといったあたりは、まだまだ手探りの状況があろうかと存じます。そういった中で、必ずしも初期の方をきちんと吸い上げるシステムができていない、あるいは地域の中には、そういった初期の方だけではなくて、認知症の程度は進んでしまっているけれども、適切な支援につながっていない方、そういう方にアウトリーチしていく必要があるなど、地域ごとの課題はさまざまでございますので、そういった現実の課題に認知症初期集中支援チームが対応しているという現状が、この中から見てとれるのではないかと思ってございます。ただ、これはあくまで走り始めた段階でのデータでございますので、今後の動向を引き続き注視していきたいと考えてございます。

○遠藤部会長 よろしくお願いします。

 東委員、どうぞ。

○東委員 ありがとうございます。

 お願いと質問をしたいと思います。

 資料3「認知症施策の推進」の4ページでございますが、「認知症の人に行動・心理症状(BPSD)や身体合併症等が見られた場合にも、医療機関・介護施設等で適切な治療やリハビリテーションが実施されるとともに、当該医療機関・介護施設等での対応が固定化されないように、退院・退所後もそのときの容態にもっともふさわしい場所で適切なサービスが提供される仕組みの構築が求められている」とあります。御存じのように、認知症の短期集中リハビリテーションを一番多く提供しているのは、老健施設でございます。しかし、同ページにある「(参考)関連する主な取組」のなかに、残念ながら、認知症短期集中リハビリテーションを提供している老健施設のことは記載されておらず、地域においても老健施設に関する事項の医療機関への周知がされていないのが現状でございます。従って、医療機関の医師、看護師の方は、老健施設で行っている認知症短期集中リハビリテーションを御存じない方が多いものですから、ここの主な取組の中に加えていただければというお願いを1つしておきます。

 2つ目は、認知症初期集中支援チームについての質問でございます。

 資料3「認知症施策の推進」の5ページに認知症初期集中支援チームの問題点が書かれております。また、資料3「認知所施策の推進」の11ページの「論点」の中で、「認知症の早期診断・早期対応を軸とし」という言葉がございます。さらに、2つ後の○に、「その際、必ずしも初期でない認知症の人への支援も行っている認知症初期集中支援チーム」という文言がございます。

 これらを踏まえまして、参考資料3の12ページをご覧ください。当初は早期診断・早期対応のための体制整備ということで認知症初期集中支援チームが設置されたと書かれております。そして、この認知症初期集中支援チームは、平成25年度に14市町村でモデル事業が始まりました。同ページの●にも「早期に認知症の鑑別診断が行われ」という文言がございますが、参考資料3の15ページを見ますと、認知症初期集中支援チームの支援開始時の対象者の約47%は、困難事例に該当するとなっています。これを見ますと、必ずしも認知症初期集中支援チームが、当初の目的である早期診断・早期対応で活躍しているとは言い難い現状があるわけでございます。しかも、平成26年度に制度化されたわけでございますが、制度化された年度で46市町村、平成27年度の見込みが306市町村でございました。これは決して十分な数字とは言えず、認知症初期集中支援チームの整備が進んでいるとは言えませんし、実施している内容が、当初のものと少しずれているような感じを受けます。今後、認知症初期集中支援チームは、どのような役割を持って全国展開をされていくのか、お聞かせいただきたいと思います。

○遠藤部会長 それでは、質問ですので、認知症施策推進室長、お願いいたします。

○水谷認知症施策推進室長 認知症施策推進室長でございます。

 御質問どうもありがとうございます。

 認知症初期集中支援チームの現状については、今、東委員がおっしゃったとおりでございます。実際、認知症初期集中支援チームは、初期段階の認知症の方を念頭に、早期診断・早期対応するために、適切な支援につながっていない方をきちんと適切な支援に繋げていく、そういった目的でチームを設置しておるわけでございますが、一方で、各地域における、認知症に対応できるような医療・介護等の資源の状況はさまざまであると考えてございます。

 例えば認知症の方への対応がきちんとできている、つまり認知症が重度化したような方への対応がきちんとできているような地域が仮にありますれば、新しい対応は、認知症初期集中支援チームが初期の方をきちんと見つけ出して対応するということで、済むわけでございますが、実際には認知症の程度が進んでいても、適切な支援につながっていない独居の方ですとか、あるいは診断は受けているのだけれども、その後、介護等の適切な支援に繋がっていない方ですとか、そういった方がいらっしゃるところでは、認知症初期集中支援チームがそういったことにも対応しなければいけない現状が、今、起きているのではないかと考えてございます。

 そういった中、今回、議論の論点としても出させていただいたのは、もちろん早期診断・早期対応を念頭に置いているものですが、現実にこういったチームの整備を進めていくと、もちろんまだ走り始めた段階ではございますが、そういった現状が見えてきている。そういった中での認知症初期集中支援チームの位置づけについてどう考えるか。これは認知症初期集中支援チームの位置づけだけではなくて、地域における、それを支える医療・介護等の資源の全体の状況の中での位置づけという意味では、若干地域によって様相が変わってくるのかもしれませんが、そういったトータルの視点で御議論いただきたいと考えてございます。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 医療サイドの話も聞きたいので、鈴木邦彦委員、どうぞ。

○鈴木(邦)委員 今回は論点が多いので、番号で話をさせていただきたいと思います。

 1.のところですけれども、分野横断的というか、市町村、行政の縦割りも改善していただきたいと思います。我々が幾ら高齢者医療と介護は一体化ということで取り組んでも、行政がそうではないことがありますので、それを改善していただきたい。認知症問題に関して、一緒になる必要はありませんけれども、関係部署がすぐに集まれるような体制づくりは必要だと思います。

 2.については、認知症は、糖尿病や高血圧症などとともに、かかりつけ医がまず診るべき疾患の1つになりましたので、身近なかかりつけ医が患者の変化に気づいたり、ご家族の相談に気軽に乗ったりして、早期診断や介護を含む、早期対応につなぐ必要があると思います。

 初期集中支援チーム等の話です。資料にも示されておりますが、重度の方や困難事例、あるいは地域支援推進員が認知症の方の社会参加や生きがいづくりを支援することにも、かかわっているとのことです。これは地域の状況により、必要な場合もあるので、そうした柔軟な対応も必要だろうと思います。

 3つ目の認知症のところです。まず認知症カフェを普及させることが必要であると思いますが、それとともに、かかりつけ医ができるだけかかわって、気軽に相談に乗り、必要な関係機関につなぐことも重要になると思います。

 4.ですけれども、新オレンジプランでは、循環型と言うのですが、脳卒中などは、確かに循環型だと思うのですけれども、認知症の場合、施設とか、入院も含めて、地域の中にいることが重要だと考えています。そのためには、認知症の方にも住みやすいまちづくりが必要だと思います。

 市民後見人の話も出ていますけれども、地域での暮らしができるだけ長く続くように、その方々も支援するという視点が必要だと思います。

 5.の若年性の方ですが、これは現役世代が発症するということですから、さらに積極的な支援が必要だと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。武久委員、齋藤訓子委員の順でお願いします。

○武久委員 認知症は、今、水谷室長がお話したように、非常に広範囲に対応ができていると思います。だから、参考資料3の4ページのように、いろんなサポーターとか、あらゆる研修を行って、重層的に支える仕組みはどんどんできていると思うのですけれども、認知症は、あと9年すると、700万人になると言われています。こういういろんな政策をしても、認知症自身の数を抑えるというのは、なかなか難しいようで、予防の状態で余りひどくならないような程度のことであって、近い将来、国民の10人に1人が認知症になると思っています。糖尿病とか、がんとか、そういうものと並び称されるような、日本の一大困難な政策になるのではないかと心配をしております。

 認知症より、もう少しファンダメンタルなことからいきますと、認知症というのは、何から診るのですか。厚生労働省の方に後でお話を聞きたいと思いますけれども、質問としてさせていただきます。認知症科という科目がない以上、認知症科の先生が診るわけではないのです。私が受ける感じでは、精神科の先生が診るという意識のほうが、強いように思うのですけれども、高齢者の認知症の場合は、身体合併症が多くて、私は総合診療医が診るのが適切だと思っております。精神科のドクターは、精神科病院にほとんどいて、総合病院で精神科があるところはいますけれども、精神科がない病院には、精神科の先生は1人もいません。だけれども、認知症を合併している人はいっぱいいるのです。精神科の先生は、普通の病院に常勤医としていてもいいくらい、BPSDなどでは困っているわけです。

 精神病院と総合診療医的な内科の慢性期病院と両方やっている経験上から言うと、精神科のほうは、認知症の療養病棟とか、認知症の治療病棟とか、いろいろありますけれども、1回入ったら、帰る人は非常に少ないのです。内科系のところは、結構帰ります。特殊な手術をするわけでもなく、ステレオタキシックなことをするわけでもなく、投薬でほとんどやっている。あと、OT的なことなどは、臨床心理士がやっておりますので、別に精神科病院にいなくても、治療はできる可能性があるわけです。

 家族や患者本人は、精神科に行くというと、忌避反応を起こします。できれば行きたくない。むしろそこの入り口を低くしてあげることは、必要だと思いますので、精神科に偏った政策を少しやめて、内科的な総合医が診やすいような環境をつくっていただくほうが、そこが一番ファンダメンタルなところだと、今、思うわけでございます。

 精神科病棟をどんどん減らすという政策は、医政局でも行われております。また、一般病床、療養病床についても、人口が減ってくるし、どんどん減らしていこうという、地域医療の計画が行われておりますけれども、精神科の患者さんは、私のところでも、半分は認知症が入っております。分裂数の古い型は、仕方がないので、援護寮のようなところへ行きますが、最近、いい薬ができて、急性期的なところが、割合早くよくなっていくということですので、1つ提案したいのですが、精神科病棟を削減するのであれば、その分を内科的な慢性期病棟に転換することができるようにしたい。そうすると、そこは、気軽にというか、割合入りやすい、受診しやすい環境の認知症の専門病棟に変えて、精神科の先生がいる。だけれども、病棟の種類は内科だという取り組みもないと、現実にはなかなか動かないのではないかと心配をしているわけです。

 こういうことも含めまして、一番の問題は、認知症の患者さんの権利が守られているかどうか、地域の中で住めるかどうか。厄介払いで、閉じ込めてしまえばいいのではないかという家族がもしいるとしたら、また、地域があるとしたら、文化国家としての恥だと思いますので、認知症政策は、非常によくやっていただいていて、私も評価しておりますけれども、基本的なところをもう少し相談して、大きな大前提として、検討していただけたらと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 御意見として、承りました。ありがとうございました。

 齋藤訓子委員、お待たせしました。

○齋藤(訓)委員 ありがとうございます。

 私は意見と質問がございます。

 課題はさまざま挙げられておりますけれども、まずは今回の国家戦略で定められました、30年度末までに、初期集中支援チームと地域支援推進員を全ての市町村で設置ができるという目標の達成を優先して、これを国や都道府県から支援をしていただきたいと思います。今、医師や看護師も、認知症のケアが適切にできることを目指して、研修を熱心に受講しておりますので、そこは今後も資質向上を図り、また必要な予算もつけていただきたいと思っております。

 一方、認知症のサポーターの養成につきましても、かなり広がっているということは、認識しておりますけれども、こういった方々が、例えば市町村単位でどのぐらいいるのかとか、自分の地域の企業にどのぐらいいるのか、そういった把握はされているのかどうかをお伺いしたいです。

 参考資料3の中で、認知症地域支援推進員の設置に関して、自治体の期待としては、18ページにありますように、認知症の人を支援するお店や企業等がふえるということも期待されているのですけれども、どんな企業がそういったサポーターの研修を受けているのか、推進員の方々にちゃんと情報として入っているのかどうかがわからなかったので、それで、現在までのサポーター養成数、あるいは企業の取り組みについて、市町村単位で把握ができるのかどうかをお聞きいたしました。こういった取り組みは広げていただいて、今年度には養成者を活用してどういう活動ができるのかについて、検討されるようなので、それは進めていただきたいと思います。

 それから、参考資料3の22ページにあります、サポーター養成を受ければもらえるオレンジリング、あるいはステッカーがあるのですけれども、これは世界的に見ても特徴的な取り組みだという御紹介がありましたが、銀行や企業、コンビニエンスストアが、自分のところはサポーター養成研修を受けて、対応ができるということを明示できるような推進活動をしていただきたいと思います。そのことがフレンドリーな地域づくりにも貢献できると思います。こういったステッカー等はあるのですけれども、企業が実際にそれをお店の窓口にはっているのはなかなか見られないように思いますので、そういった推進活動も、何か取り組みができるようにしていただきたいと思います。

○遠藤部会長 推進室長、お願いいたします。

○水谷認知症施策推進室長 認知症施策推進室長でございます。

認知症サポーターの人数につきましては、都道府県あるいは市町村単位で、把握をしてございます。ただ、一方で、個人名の名簿みたいなものがあって、それが認知症地域支援推進員と共有される仕組みになっているかと申しますと、そもそも個人情報のような問題もございまして、また、認知症サポーター自体は、サポーターの方が、日常生活の中でできる範囲のことをしていただく、そういった取り組みとして推進しておる関係上、そもそも個人の名簿は作成しておりません。

 一方で、今、新オレンジプランの中でも、認知症サポーターの方をより地域で活躍できるようにするということを打ち出してございますので、今回、例えばということでお勧めしている方法としては、認知症サポーターの講座を受けられた方、あるいは上級の講座を受けられた方で、地域の見守り活動、あるいは認知症カフェのお手伝いなどに興味がある方は、ここにお名前と御連絡先をお書きください、そうしたら、またアクセスさせていただきます、そういった形で、サポーターの方を地域の活動に巻き込む、そういった方法論について、各地での取り組み事例などを紹介したようなものをつくってございます。そういった形で、認知症サポーターの方を地域に巻き込んでいくことを、進めていきたいと思ってございます。

 それから、認知症サポーターには、シンボルカラーのオレンジであったり、あるいは認知症サポーターキャラバンのロゴマーク等もございますので、そういったものは、ある意味自由に使えるようになってございます。ですから、地域、あるいは企業、商店街等によっては、そういったものを活用したり、ステッカーなどを貼ったりする取り組みを進めてございますし、年に1回、認知症サポーターの優良事例の活動報告会をしておりまして、そういった中で、単に地域だけでなく、企業の取り組みなども含めまして、先進的に取り組んでいただいているところの御紹介などをさせていただいてございます。引き続き、そういった取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。

○遠藤部会長 どうもありがとうございます。

 ほかにございますか。栃本委員、お願いいたします。

○栃本委員 今のお話もそうですけれども、日本の認知症対策というのは、すごく進んでいるというか、世界に対しても、示し得るものがあると思うのですが、何点か気になることをお話したいと思います。

 1つは、諸外国について、御存じの方も多いと思うのですけれども、認知症の改善薬とか、そういうものの使用に当たって問題があります。認知症ケアは薬物療法によるものと、非薬物療法があるわけですが、ヨーロッパ、イタリアとか、オランダの認知症対応方策というのは、非薬物療法によるものを地域で行っていくということ、それをシステマチックにおこなっていくということであって、今、室長がおっしゃったことは、その一端というか、これから進めていく方向の中に入ってはいるのでしょうが、もう少し非薬物療法によるケアをきちっと考えないといけないと思います。

 例えば知能検査の点数がある程度下がってしまったら、そもそも改善薬は使いませんし、また、多剤とか、そういうこともどうなのかということがあります。そこら辺については、薬物療法、非薬物療法についてのことを、もう少し考える必要があると思いますし、特に非薬物療法によるケアというものが、周辺症状をどういうふうに軽減させるかということが重要ですので、ぜひそれを進めていただきたい。

 2番目は、論点の中で、11ページのところに、認知症の人への介護者への支援ということで、先ほど来、認知症の初期集中支援チームなどがありました。また、医師の早期診断などもありました。ただ、医師だけではできないことが大変多いわけでして、特に参考資料3の12ページ、初期集中支援チームの設置という中で、絵が載っているわけですけれども、初期集中支援チームとか、認知症地域支援推進員とか、専門医と書かれているのですが、真ん中の図というのは、本人と家族の部分しか書かれていないのです。だけれども、認知症のケアについて、サービスというものができる人、ないしはかなり力量のある人が、ドイツで言えば、ターゲス・ムッターと言うのですが、そういう人たちが来ることによって、在宅限界も上がります。したがって、この図柄だと、チームとか、専門職の方でという形になっているのですけれども、具体的なサービスを提供してくださる方、家族とともにサポートしてくれるような人の存在というのは全くないわけです。これはおかしく、とても大事なのです。地域社会で認知症について理解しましょうといった今やっている啓蒙的なこととは全く別です。そこら辺について、今後、政策的に検討していただきたいと思います。

 最後に、先日の裁判のこともありましたし、いろいろあるのですけれども、在宅で暮らす方々に対する市民後見であるとか、権利擁護というのは、今、もちろんされておりますが、その一方で、ほかの先生方も御指摘された部分ではあるのですけれども、施設とか、サ高住、いろんな施設並びにそれと類似するもの、居住系サービスですが、そういうところで暮らされている認知症の方々に対する権利擁護、権利の侵害というのは、ないわけではありません。したがって、在宅における認知症の方々に対する権利擁護とともに、目に見えにくくなっている部分、施設や住宅系における権利擁護についても、視点をきちっと持っておかなければいけない、それもぜひお願いしたいということです。

 以上です。

○遠藤部会長 どうもありがとうございます。

 ほかにございますか。内田委員、お願いいたします。

○内田委員 ありがとうございます。

 認知症の方には、人権侵害が起こりやすいということがあると思います。そのためには、周りにいる方々が、そういう認識をきちんと持って、なおかつ、教育され、知識を持っていることが必要だと思います。

 認知症サポーターの方々が盛んに養成されていて、それはすごくすばらしいことだと思いますけれども、養成されっ放しになっていることがあって、私の周りも、要請研修を受けた方がいますが、その後、何もないということではもったいないと思います。御説明にありましたけれども、ステップアップの研修等をどんどん進めていただいて、そういう方々が活躍できる、活用できるといった場があったらいいと思います。

 それから、そういうサポーターが養成されていても、住民の無理解とか、偏見というのは、まだまだ根強く残っていることがありますので、住みやすい町ということであれば、無理解とか、誤解とか、偏見がなくなることだと思います。そういう意味では、サポーターの方の活用であるとか、認知症の地域支援推進員の方々をしっかり育成して、そういう方々が何か活動をして、住民の理解を進めていくといったことも必要だと思います。

 それと、介護をしたり、サービスを提供する側の教育もまだ足りないと思います。私ども日本介護福祉士会や都道府県介護福祉士会では、認知症のケアの研修をやっていますけれども、受講しているのは主に会員になっている人だけで、会員になっていない方々は定期的に研修を受けているのか懸念されます。サービス提供側の教育について、しっかり考えていくことが重要ではないかと思います。

 ありがとうございます。

○遠藤部会長 どうもありがとうございます。

 齊藤委員、どうぞ。

○齊藤(秀)委員 手短にお話をさせていただきます。

 地域づくりの観点でお話をさせていただきたいと思いますが、参考資料3の3ページのローマ数字3のところに2つ書かれておりまして、先ほどサポーター養成の話が出ております。サポーターというから、具体的に支援をする側に回るのが理想なのでありますが、私ども高齢者の団体で、サポーター養成に参加している人たちは、多数おいでになります。年齢が対象年齢になるという不安感もあって、参加される方も多いのでございますが、そこに参加して、目からうろこといいますか、自分の知らなかった知識を得たことは、非常に大きな意味を持っている。非常に短期間の間に、サポーター養成によって、認知症への理解が進んだと評価をしております。ですから、必ずしも支援に結びつかないことがあったとしても、これから偏見をなくすという意味では、内田委員がおっしゃるように、裾野を広げていくことに、さらに力を入れていくことは、大事だと思います。

 しかし、一方で、サポーターを入り口にして、具体的なサポートにつながっていくことも大事な視点でありますから、さらにスキルアップの仕組みというものも、市町村において広めていただくようにお願いしたいと思っております。

 2つ目は、認知症の安全対策の中で、見守りのネットワークのことが書かれておりまして、私はこれに賛同いたしますけれども、認知症に限らず、高齢者で考えましても、判断能力が老化とともに低下をしていくという問題があって、社会的に見守りや支援が必要な人というのは、非常に多くなってまいります。

 その具体例の1つが、ここにある消費者被害につながっておりまして、現在、消費者庁や内閣府では、この問題を中心にして、見守りサポーター養成をしております。福祉の分野だ、こちらの分野だということで、それぞれいろんな仕組みを考えるわけでありますが、現場に行きますと、物事が発生しているのは、同じレベルで複数出てくる問題でありますので、幅広い地域課題を包括的に考えるということから、省庁横断的な取り組みは、今後ますます重要になってくると思います。

 私の印象でありますが、横断的に推進することの必要性はお互いに感じつつも、推進がうまくいかない現実もまたあるような感じがいたしておりますので、現場サイドといいますか、地域サイドでは、見守りサポーター何とかという個別のものよりも、本当は地域サポーター養成という視点で、各省庁間横断的に、こんなことの取り組みを進めていただくように、特に厚労省からも強い働きかけをしていただきますように、お願い申し上げたいと思います。

○遠藤部会長 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。

 予定した時間になっているわけですけれども、何かございますか。鈴木隆雄委員、どうぞ。

○鈴木(隆)委員 ありがとうございます。

 最初に御説明で、JR東海の最高裁判決が9ページに出ておりましたけれども、これに類するデータとして、参考資料3の26ページに、行方不明・身元不明認知症高齢者に関するデータが出ております。私のほうで、たまたまですけれども、厚労科研で、この方々の警察データを厚労省に仲介していただきまして、分析をさせていただいたのですが、結論から申しますと、認知症の高齢者の認知症のタイプであるとか、認知症を発症してからどのぐらいの期間があるかとか、認知症高齢者の個人属性に関するものは、徘徊の要因として、リスクとして全く挙がってきませんでした。ということは、誰にでも起きる。それから、認知症という段階であれば、どの時期でも起こることがあるということです。

 それから、警察のデータで、毎年、1万人ほど、行方不明になりますが、9割ぐらいは御自宅に戻られている。97%です。ただ、300人から400人ぐらいの方がお亡くなりになるのですが、亡くなった方と、幸いにして発見された方との症例対照研究、ケースコントロールスタディーをやりますと、個人の属性ではなくて、いかに早く警察に届けたか、そして、いかに早く初動捜査が行われたか、これが生死の分かれ目になっておりました。

 今後、認知症高齢者というのは当然ふえていきますし、徘徊に伴うさまざまな事故がふえてまいります。中でも、亡くなられた方は、水場の近くで亡くなっているということが、特徴的に1つわかっております。恐らく徘徊して、疲れて、脱水のような状態になっている。ただ、自販機でジュースを買うとか、そういうことはもうできませんので、水場のところで、家の近くの側溝でお亡くなりになった、あるいは川辺で亡くなっているというケースが非常に多いということがございました。

 少しずつ、実態とリスク、あるいはそれに対する予防対策が明らかになっていくと思いますが、現時点では、市町村がいかに早くSOSネットワークを使って、徘徊が発生したことをつかまえるか、そして、できるだけ早く捜査にかかわることが、生存、死亡には非常に大きい要因だということがわかっております。

 参考のためのコメントをさせていただきました。

○遠藤部会長 貴重なお話、どうもありがとうございました。

 ほかに何かございますか。馬袋委員、お願いいたします。

○馬袋委員 ありがとうございます。

 認知症の方々を地域で支えるということは、当然のことだと思います。介護事業者の施設は、地域にかなりできつつあります。例えばデイサービスも、コンビニと同じぐらいあるのではないかと言われるぐらい、地域で事業を実施しています。そういった状況で、当然介護や認知症などを理解しているメンバーもおりますので、そういったメンバーと地域をつないで、地域を支える体制について整備できないでしょうか。例えば子供たちを地域で守る、安全のパトロールがあるように、地域で見守る拠点として、地域の事業者がそういう見守りすることに手挙げをしていくことに対して、積極的に支援し、推進をしていただければと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 どうもありがとうございます。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、予定していた時間を超過しておりますので、これをもちまして、本日の議論は終了したいと思います。

 次回の日程につきまして、事務局から連絡はございますか。

○矢田貝企画官 次回は6月3日金曜日の午前9時から12時まで、場所は、厚生労働省の講堂を予定しております。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の部会は、これにて終了したいと思います。長時間、どうもありがとうございました。


(了)

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