ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会)> 第18回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録(2016年2月12日)




2016年2月12日 第18回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録

大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室

○日時

平成28年2月12日(金)14:00~15:10


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

明石定子委員、石井太委員、井関邦敏委員、宇於崎宏委員、柏井聡委員、
加藤稲子委員、久具宏司委員、小池和彦委員、柴原孝彦委員、鈴木眞理委員、
岡本真一郎委員、土屋了介委員、戸倉新樹委員、名越澄子委員、冨士幸蔵委員、
松原知代委員、松本万夫委員、三島和夫委員、望月一男委員、横田順一朗委員、
鷲見幸彦委員、渡辺賢治委員

○議題

1.WHO-FIC ネットワーク年次会議(2015)の報告及びICD-11改訂の動向について
2.WHO-FIC 分類改正改訂委員会(URC)へのICD-10 改正提案について
3.WHO-FIC ネットワーク年次会議(2016)について
4.その他

○議事

 

○小池委員長

 それでは定刻を過ぎましたので、これより「第18回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」を開催させていただきます。委員長の小池でございます。本日はよろしくお願いいたします。委員の先生方におかれましては、お忙しいところ御出席を賜りまして誠にありがとうございます。

 ではまず事務局から、配布資料について説明をお願いいたします。

 

○事務局

 それではお手元の資料の確認をさせていただきます。まず、議事次第がございまして、座席表、名簿等がございます。

  資料1-1 WHO-FICネットワーク年次会議(2015)の報告

  資料1-2 ICD-11改訂の動向

  資料1-3 2015URC投票結果

  資料2 2016URCへのICD-10改正提案(案)

  資料3 WHO-FICネットワーク年次会議(2016)及びICD-11改訂会議(案)

  資料4 標準病名マスター更新時のICD-10コードの検討について

  資料5 死因選択検討ワーキングループにおける検討状況の報告

  参考資料1 ICD改正・改訂スケジュールの概要

  参考資料2 分類改正改訂委員会(URC)におけるICD-10改正の流れ

  参考資料3 神庭委員提出資料

  机上配付資料1 社会保障審議会運営規則

  机上配付資料2 疾病、傷害及び死因分類に係る委員会の設置について

  机上配付資料3-1 死因選択検討ワーキンググループ運営要綱

  机上配付資料3-2 死因選択検討ワーキンググループ委員名簿

  机上配付資料4 世界保健機関国際統計分類(WHO-FIC)概念図

  机上配布資料5 URC2015年)へのICD-10改正提案(案)について(第17回資料4抜粋)

  机上配布資料6 URC2016年)に係る日本医学会からの提案一覧

  机上配付資料7 標準病名マスター更新時のICD-10コードの検討関連資料

  机上配布資料8 ICDの正しい理解と普及に向けて(ICD-102013年版)準拠)(案)

 以上、お手元の資料につきまして、過不足等がございましたら事務局にお知らせいただければと思います。資料の確認は以上でございます。

 

○小池委員長

 引き続き、事務局から委員の出欠状況について報告をお願いします。

 

○事務局

 本日の御欠席は、神谷委員、嘉山委員、神庭委員、木下委員、小崎委員、小林委員、滝澤委員、玉岡委員、中野委員、中谷委員、針谷委員、森内委員、渡辺重行委員、渡邊祐司委員の14名です。なお、冨士委員、岡本委員におかれましては遅れて御出席される予定です。出席委員が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。

 また、本日は参考人として、東京大学大学院の大江和彦教授、NTT東日本関東病院の秋山剛部長に御出席いただいていますが、秋山部長は遅れていらっしゃいます。

 続いて事務局の人事異動について御報告いたします。統計情報部企画課長が三冨から森川になりました。それでは企画課長の森川よりこの場を借りて挨拶をさせていただきます。

 

○森川企画課長

 御紹介いただきました企画課長の森川でございます。委員の皆様方には、年度末の本当にお忙しい中、全国からお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。私自身はWHOの仕事は初めてでございますが、もう20年以上前になりますか、ILOの国際労働基準を作る、あるいはその普及をするという仕事に携わっておりました。ILOWHOもどちらも本部がジュネーブにありますことから、よく情報交換等をさせていただいたところでございます。国際機関の役割は大きく分けて2つと考えておりまして、こういった国際的な枠組みを作るということ、それから、その普及を図っていくことであろうかと思います。ILOに対してどれぐらい日本が貢献しているかというと、なかなかコメントしづらいのですけれども、少なくともこのWHOICDに関しましては、我が国は大変重要な地位を占めていて、大変な貢献をさせていただいているものと理解しております。これも本日お集まりの委員の皆様方の貢献が非常に大きいものと思っております。この場をお借りして改めまして感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。

 本日の議題につきましては、御案内のとおりICDをめぐる最近の報告が中心になるわけでございますが、今後とも引き続きICDの改善に対する取り組み、あるいはその普及に関する取組につながりますよう、委員の皆様方の忌憚のない御意見を賜りますとともに、有意義な情報交換の場になりますことを期待申し上げまして、大変簡単ではございますけれども、私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○小池委員長

 森川課長、ありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。それでは、事務局から議事に先立ち注意事項等がありましたら、お願いいたします。

 

○事務局

 円滑な議事の進行のため、写真撮影等はここまでとさせていただきます。御協力よろしくお願いいたします。

 

○小池委員長

 それでは、議事の1に入ります。議事1、WHO-FICネットワーク年次会議(2015)の報告及びICD-11改訂の動向について、事務局より報告をお願いします。

 

○事務局

 それでは資料1-1を御覧ください。なお、年次会議、それから改訂・改正の関係で、ICD-10の改正の問題、ICD-11の改訂が並行して走っております。少し複雑ですので、参考資料1に各年次と今回の資料との関係について整理しております。参考資料1の一番右の列に今回の資料の番号を記載しておりますので、併せて御参考としていただければと思います。

 それでは、資料1-1を御覧ください。WHO-FICネットワーク年次会議が昨年の1017日から23日までイギリスのマンチェスターにおいて開催されました。例年、10月の第3週に行っております。主催はWHOであり、各WHO国際統計分類協力センターの面々、そして各国の政府厚生・統計関係部局、NGO、オブザーバー等が参加した会議です。

 主な議論としては、今、話題になっておりますICD-10からICD-11への改訂ということで、議題では、改訂のスケジュールとして2018年5月の世界保健総会(WHA)を目指して行うということが報告されておりました。

 それから組織としては各委員会が幾つもあり、それぞれが報告を行っております。ITC、情報科学用語委員会では東北大学の中谷先生が事務局として指名されました。それから生活機能分類グループ、ICFを検討するグループがありますが、そのグループでは今回、WHO-FIC日本協力センターの新たなメンバーの国立障害者リハビリテーションセンターから井上剛伸先生がISO9999に関するプレゼンテーションを行いました。

 その他ですが、以前からいらした先生方はよく御存じのWHO-FICICDの担当であるBedirhan Ü stun氏が異動になりました。WHO-FICの担当部署自身も合併、統合等があり、組織改編がありました。このÜ stunは改編になった組織には留まらず、新しくData Revolution and Big Dataというセクションができたのですが、そちらの担当になることになりました。現在の組織の後任はまだ決まっておりません。ですので当分の間、後任が決まるまでは部長のTies Boerma氏が兼任することが報告されております。

 毎年公表される今後の会議の日程ですが、今年は日本、そして来年はメキシコと発表されておりました。

 それでは続いて、資料1-2によりICD-11改訂全体の動向について説明申し上げます。前回、平成27年3月の第17ICD専門委員会の時点では、2017年の世界保健総会の承認を目指して分類の改正作業が行われていると説明していたのですが、昨年の4月にWHOICD-11作成プロジェクトに関する外部評価を実施し、それを踏まえて同年5月に、当初予定より承認を遅らせるという計画を公表しており、昨年の7月には2015年から2018年についての新たなプロジェクトプランが示されております。その内容について以下にありますので、簡単に説明いたします。

 まず1番の概要です。主要マイルストーンとありますが、これは飛ばし、その下に優先的成果物というものがあります。この期間中に作成するものとしては、死亡・疾病統計のジョイントリニアライゼーション、JLMMSと呼んでおりますが、こちらを作っていくことに焦点を当てて作業を行っていくとされております。また、このJLMMSに沿ったプライマリーケアや伝統医学コンポーネントの開発ということも記載されておりました。この期間中の重要なプロセスですが、これらのコンテントを開発するプロセス、また、これらについてテストやピアレビューを行うことが記載されております。

 次に、今後の予定です。コンテントの開発プロセスとしては、それぞれ201511月から2016年9月にはテストを行い、ピアレビューも行う。また、大きな行事として201610月に改訂会議を日本で開催する予定となっております。それから更にテストをする予定が示されております。

 次に承認プロセスですが、2016年5月の世界保健総会において、ICD-11改訂プロセスとして2018年5月の世界保健総会での議論・採択を目標とすること及び採択までの段階的手順を提案するとされております。2017年5月の世界保健総会でも、進捗状況、それから2018年の採択を確認するということです。それから2018年5月の世界保健総会において最終成果物を採択することになっております。こちらがWHOで今示されている大まかな内容です。

 これに関連して、ICD-11改訂の内科関係の最近の動きについて簡単に御報告します。内科は8つの専門分野のワーキンググループからなっております。このTAGでは、この1年間も田嶼尚子議長をはじめ、多くの国内の先生方の御尽力を得て、精力的に分類策定の議論が進められてまいりました。JLMMSとしてまとめていくに当たり、分類の詳細さをどうするか、合併症をどのように取り扱うかなどの議論が多くなされ、それらを踏まえてWHOでの一時的なフリーズ版の取りまとめがされ、昨年の9月には厚生労働省の講堂において、WHOの担当者や各国の専門家も交えた内科TAGの会議を行いました。こちらにも御参加いただいた先生がいらっしゃいます。会議においてはコーディングの試行等もされ、今後の課題を共有することができました。また、昨年末には改訂における考え方の文書(ラショナル)の作成がなされています。今後は検証作業が進められていく予定となっております。簡単ですが、以上です。

 

○小池委員長

 ありがとうございました。事務局からの報告以外に、ICD-11の改訂に携わっておられる委員がいらっしゃいますので、簡単に御報告を頂けますでしょうか。御発言いただける委員は挙手をお願いいたします。

 

○柏井委員

 ICD-11の眼科のほうの章を担当しております柏井と申します。昨年の1116日に第18回の眼科の対面会議、そしてちょうど先週の土曜日になりますが、2月6日に第19回の眼科の対面会議を行っております。新しくWHOの体制が変わるということですので、一応、眼科のほうでは、1つはメンバーの交代を現在予定しております。今年の5月の1日~5日の間に、アメリカのシアトルで対面会議を予定していますので、その間に新しいメンバーチェンジをすることと、それからもう1つは、眼科のほうの章に関してレビューを行うと。この場合のレビューもWHOのプラットホームを使うのではなくて、私たちの眼科のほうで作った独自のレビューに基づいて、内容のほうの充実を図るということで、レビュー体制を組むことを、この2回の対面会議で決定しました。以上です。

 

○小池委員長 

 柏井委員、ありがとうございました。

 

○渡辺委員

 日本東洋医学会の渡辺賢治と申します。伝統医学の章ですが、現在、27章に入っております。日中韓を中心に250名、日本から60名のレビューをノミネートし、既にレビュー自体が始まっております。レビューのやり方ですが、WHOのサイトにレビューのプラットホームができており、そこに対して意見を出すという方式でやっております。一応3月いっぱいぐらいで終わらせる予定です。伝統医学にも内科や眼科同様のTAG(トピック・アドバイザリー・グループ)という組織があります。そのTAGが、中身を作る役割から、今度はいよいよレビュアーからの意見を受けて、最終的な決定を行う編集委員会的な役割に変わっておりますが、その編集委員会としてのTAGの会議をいつやるかということを検討中です。

 それからフィールドテストですが、こちらもスタディ1とスタディ2は始まっておりまして、スタディ3というのがインター・レーターというのですが、ある症例について複数の国際的な人たちが同じ診断に至るかという評価者間の比較になります。現在最終的に症例を詰めている段階で、こちらのほうはまだ準備は整い切ってはいないのですが、これもWHOのプラットホームの上でやることになっており、既にWHOHP上にできていると理解しております。以上です。

 

○小池委員長

 渡辺委員、ありがとうございました。

 

○事務局

 本日は御欠席の神庭委員より、精神分野についての資料を頂いております。資料は参考資料3になります。説明は参考人の秋山先生からお願いいたします。

 

○秋山参考人

 緊急入院で遅くなりまして申し訳ございませんでした。日本精神神経学会の秋山と申します。神庭委員と一緒にICDのことをやっているわけですが、精神科領域におきましては、「臨床実地フィールドスタディ」というものが始まる直前になっております。このフィールドスタディは目的が2つあり、1つは今もお話にありましたが、評価者間信頼性の検討で、独立した2人の精神科医が同じ情報をもとに同じ診断に到達するかを検討する。一方、それとは別に、作成された診断ガイドラインが日常臨床において本当に使いやすいのか、役に立つのかという有用性の検討をいたします。臨床医が患者の状態を理解するのに診断カテゴリーは有用であるか、診断ガイドラインが実際の臨床症例と一致しているか、ガイドラインが実際の臨床と掛け離れていないか、日常の臨床現場で診断ガイドラインを使用することが可能か、適切に個々の患者の状態、症状を評価できるのかということを確認いたします。

 

○秋山参考人

 参考資料の2ページ目、対象となる病態です。まず第1番目は精神病症状のある成人患者。2番目は精神病症状のない成人患者で、気分障害や不安障害といわれるものが想定されます。3番目は、精神病症状と明らかな発達障害のない、もう少し一般的な児童思春期の患者。この3つのグループについて、先ほど申し上げた調査を行うことになっております。評価を担当するのは経験年数2年以上、1週間に10時間以上の臨床業務に従事している精神科医となっております。

 方法ですが、当該施設で実施中のプロトコルに適すると思われる患者が見付かった場合には、担当医が本研究について案内する。通常の診療時間枠とは別枠で、担当医でない2名の医師が評価を担当して、同席して面接を実施いたします。上記2名の医師が互いに相談せずに、ICD-11のガイドラインに沿って診断を決定・入力いたします。診断ガイドラインの有用性についても評価・入力を行う。

 解析についてですが、これはほかの科でも同じかもしれないですが、本研究はWHOが主導する国際多施設共同研究であるため、取得される全世界のデータはWHOにより一元管理されております。つまり、データは国外に送られるわけです。ただし、WHOで定められた手続により、申請者に対し個人情報を含まない形式でデータがまた日本に提供されることになっております。本研究では、我が国で実施した研究データをWHOから取得し、WHOが行う全体的な解析とは別に、独自に解析を行う予定としております。報告は以上です。ありがとうございました。

 

○小池委員長

 秋山先生、ありがとうございました。いかがでしょうか。

 

○望月委員

 日本整形外科学会の望月です。筋骨格系TAGの現況について御報告申し上げます。ちょうど2年ぐらい前の話ですが、TAGchairがスウェーデンの方から日本の加藤真介先生に交代しておりまして、それ以後の活動を、まず概略として御報告申し上げます。筋骨格系TAGが既にWHOに提出して、αドラフトからβドラフトになっている事項についての確認作業を2年前から約1年ぐらい前まで行っております。その作業は現在リハビリテーションの分野に至っておりますが、最近6か月から10か月ぐらいまでは、それ以後の動きが余りなく、停滞しているとのことです。以上です。

 

○小池委員長

 ありがとうございました。いかがでしょうか。ほかの委員の先生からは特にありませんか。それでは、続いて事務局から説明をお願いいたします。

 

○事務局

 資料1-3を御覧ください。こちらは2015年のWHO-FIC分類改正改訂委員会(URC)の投票結果についてです。昨年の全提案数は60件でした。対面会議前のウェブ投票による採択が25件、対面会議での審議後の採択が12件、取り下げが1件、継続審議が21件、ICD-11改訂まで保留とされたものが1件です。

 2.として、日本から提案した事項ということで、まとめております。昨年この会議で御審議いただいたものが特に上の3つです。まず1つ目ですが、十二指腸憩室のコーディングを修正する提案がありました。机上配布資料5に昨年の会議の資料がありますので、適宜、御覧いただければと思います。

 十二指腸憩室のコーディングを修正する提案については、K57.1に小腸の憩室性疾患とコードされていたのですが、これをK31.8の「胃及び十二指腸のその他の明示された疾患」としたらどうかという提案でした。これについては、K32に新規のコードを作成する方向で、おおむね合意が得られております。こちらについては、新しいコードを作成するということで、当初の提案から変わっておりますので、3桁分類表など影響がある部分を整理して、再提案することとされておりますので、これはこのようにしていきたいと思っております。

 2つ目です。大腸の血管形成異常の提案ですが、大腸の血管形成異常というコードの名前の中に小腸も入っているというのが、少し分かりにくいということでした。こちらについてはK55.3に「小腸の血管形成異常」というコードを作成する方向で採択されております。単なる「腸の血管形成異常」については、既存の「大腸の血管形成異常」の包含用語とするということで決着がついております。これも提案した方向でまとまっているということです。

 次に3つ目は過敏性腸症候群についてで、Rome分類に従うようにするという方向での提案でした。これはおおむね賛同の方向に傾いておりますが、既存のコードから概念が変わるということで、タイトルの修正ではなく、既存のコードを削除して新規コードを作成する方向で再提案をすることになっております。

 4つ目です。これは今回以前からの継続ですが、ウイルス性肝炎のキャリアについては、Zコードが削除されておりますので、B18に任意に使用可能な細分類を作るという方向で提案しておりますが、こちらは継続審議となっております。

 それから、3.その他の主な内容です。これは出血性脳卒中、Haemorrhagic strokeのコードについて、そのstrokeの概念が海外と日本で少し違うというような議論があったということです。特に何か新しいものができたということではなく、出血性脳卒中はI61.9にコードされるという方向で落ち着いております。

 次のページにリストがあります。4.の1「対面会議で審議された事項」ということで34項目、2「対面会議前のウェブ投票により採択された事項」ということで、大改正、小改正いずれもあります。簡単ですが以上です。

 

○小池委員長

 ありがとうございました。ただいまのところまでで、何か委員の先生方からお聞きになりたいことがありましたら、挙手いただければと思いますが。今回は、日本からのものは1つが修正の上で採択、それから過敏性大腸も採択の方向で継続審議で、ほかの2つはそうでもないということですかね。でも、十二指腸は再提案ですね。

 

○事務局

 日本の意見を聞き入れていただく方向で再提案で整理して出し直すようにと、採択されたもの以外の2つはそういうことです。

 

○小池委員長

 よろしゅうございますか。それでは、議事1については終了させていただきます。

 続いて、議事2に入ります。WHO-FIC分類改正改訂委員会(URC)へのICD-10改正提案について、事務局から説明をお願いします。

 

○事務局

 続きまして、資料2を御覧ください。ICD-10の改正については、昨年6月に日本医学会を通じて、各学会へ改正意見を募らせていただきました。お陰さまで5学会から18の提案を頂きました。その際は、御協力を頂きましてありがとうございました。

 今回、資料としているのは、御提出いただいた御意見や省内からの意見を事務局で取りまとめ、WHOでの合意が得られるかどうか難しそうかどうかというところで整理をし、提出案として作成いたしました。これらを本年2016年の分類改正改訂委員会に提出することについて、御意見をお願いいたします。なお、URCへの提案から投票採択までの流れについては、参考資料2にありますので、適宜御参照いただければ幸いです。

 それでは中身について、御説明いたします。資料2の【提案1】HTLV関連脊髄症です。机上に内容例示表がありますので、適宜御覧いただければと思います。提案1はG04.1「熱帯性痙性対麻痺」についての提案です。現在はHTLV関連脊髄症(HAM)が一般的に使用されているということで、コードタイトルを改正するという御提案を頂きました。

 なお、昨年のURCから、ICD-10の改正提案を行う際はICD-11も意識して提案をすべきであるとのことで、事務局にてICD-11を確認したところ、御意見に近い形でのコード名となっていました。また、ICDは多くの国で使用しており、古い病名も削除せず残すのが慣例となっていますので、包含用語として「熱帯性痙性対麻痺」も残すという提案としています。こちらの提案については以上です。

 続いて【提案2】です。こちらはG25.8の包含用語について、スティフ・マン症候群をスティフ・パーソン症候群に改正するという提案です。男性のみでなく、女性も罹患する疾患であり、Stiff-person syndromeと呼ばれることが一般的であるとのことで、御提案を頂きました。

 次に【提案3】ラクナ梗塞の追加です。こちらはI63.8「その他の脳梗塞」が対象ですが、臨床で一般的に使用されているラクナ梗塞について、どのコードを使用するべきかICD-10には明確に指示がないため、適切にコーディングができるよう、索引用語を追加するという提案です。コードとしてはI63脳梗塞の中の、I63.8「その他の脳梗塞」に分類するという提案で作成をしています。

 続いて【提案4】急性肝不全の分類です。急性肝不全の分類ですが、御意見を頂いたものを、WHOへの提案という形に体裁を整えるという趣旨で、当初の御提案からは少し修正しております。肝臓の専門家の先生や本日の御意見等で、もう少し調整をさせていただきたいと思っています。そのため、最終的な提案の形は異なる可能性もあります。

 急性肝不全の概念、診断基準が確立してきたということで、K72.0急性及び亜急性肝不全の分類範囲を明確にしたいという趣旨の提案としています。具体的には、遅発性肝不全は急性肝不全で肝性昏睡が少し遅れて発現する場合を言いますが、これも急性肝不全に分類されるということ、また急性肝不全で肝性昏睡を伴う場合にもK72.0にコードすることを明確にするという提案で整理しています。第1巻と第3巻の改正案という形で記載をしています。

 続いて【提案5】筋肉減少症(サルコペニア)のコーディングです。近年、傷害予防や治療において対策が重要となってきているサルコペニアについて、包含用語として追加することで適切にコーディングできるようにするという提案です。コードとしては、M62「その他の筋障害」の中の「その他の明示された筋障害」が適切であろうということで、M62.8とする索引と内容例示の提案としています。

 続いて【提案6】M29.8* に対する剣コードの修正です。ICDでは原疾患と症状発現の両方のコードを使用した場合、剣の記号と星の記号を付けて、どのようにセットで使用するかということを示す場合があります。N29.8が「他に分類されるその他の疾患における腎及び尿管のその他の障害」となっていますが、こちらとセットになるには、シスチン症の総称である「シスチン蓄積症」よりも、腎尿路のコードですので、「シスチン尿症」であろうということで、こちらの中身を改正する提案となっています。内容例示表の改正案として示しています。

 続いて【提案7】細菌学的検査により同定された肺結核です。肺結核の分類に関する提案です。現在、肺結核の分類はA15.0からA15.3で、検査方法によって、喀痰鏡検によるもの、培養のみによるもの、組織学的に確認されたもの、手法不明と分かれていますが、A15.0について現在は結核の同定に喀痰鏡検や培養だけでなく、PCR等の核酸増幅検査や様々な検査が利用されていますので、適切にコーディングできるようA15.0のコードタイトルを改正するという提案です。内容例示と併せて索引も改正案としてまとめています。

 続いて【提案8】左室右房交通症のコードの修正です。左室右房交通症について現在ICDQ20.5「房室結合不一致」にコードすることとされていますが、医学的には「心室中隔欠損()」の分類に入れるのが適切であろうという御意見で、索引表のコードをQ21.0に改正する、索引の変更の提案です。

 以上8つの項目を資料として出しました。以上です。

 

○小池委員長

 以上の説明に基づき、資料にある改正提案の()について、委員から御意見をいただければと思います。

 

○名越委員

 提案の4について、一言申し上げます。急性肝不全の分類ですけれども、ちょっと誤解があるかと思います。日本では急性肝不全は、発症から肝性昏睡までの期間に応じて急性型と亜急性型に分類されています。それとは別に、急性肝不全よりもさらに遅れて肝性昏睡にいたる病態を遅発性肝不全、late-onset hepatic failureとしていますが、これらの分類が全世界で認められているというわけではなく他の分類法もあります。K72.0Acute and subacute hepatic failureはそれらを全部含むような形になっていると思います。

 ただ、確かにlate-onset hepatic failureK72.0にコードされることを明確にするべきだと思いますので、索引表の下から2行目、第3(索引表)の改正案の所にlate-onset(acute)とある、acuteは除いた方がいいと思うのですけれども、K72.0に含めるという案には賛成です。

 もう一つの問題点として、「肝性脳症 NOS」というのが、K72.9に分類されるということで第3巻を見たところ、comaと引きますとhepaticというのがあり、それらが全てK72.9に行くような索引になっています。加えてfailureのところを見よとなっていますので、ここに記載されますfailureに戻ってこちらを読みますと、必ずしもacute hepatic failureのときにcomaを伴っているものがK72.0に行かずにK72.9に行ってしまう可能性もありますので、この索引表に関しては改正したいと思います。例えば、上から4番目にacute or subacuteというK72.0がありますけれども、その下にハイフン、ハイフンとしてwith hepatic comaK72.0を入れるという案だと考えています。

 

○小池委員長

 事務局、お分かりになりましたか。私も肝臓なのですが、この話はなかなか難しいですね。ということで、この一番下のところは2か所ということですか。終わりのほうは3行目の後に1つ入れる。

 

○名越委員

 この2行目のwith hepatic coma(acute)(late-onset)(subacute)K72.0となりますと、例えばacuteとかlate-onsetsubacuteはなくてもよいという分類ですので、with hepatic comaが全部K72.0に行くように見えてしまいますので、それはまずいと思います。そうではなくて2行下のacute or subacute K72.0の下として、with hepatic comaの場合にもK72.0だという形で入れるとか。多少ここは御相談させていただいて、改正したらよろしいと思います。

 

○小池委員長

 それで、下から2行目の(acute)は取ったほうが分かりやすい。

 

○名越委員

 取ったほうがよろしいのではないかと思います。

 

○小池委員長

 そうですね、late-onset(acute)は何だか分かりませんね。この件についてはよろしいですか。

 

○事務局

 今頂いた御意見と、索引の流儀も確認しまして、整えて提出したいと思います。

 

○小池委員長

 他の提案についてでも、何か委員の先生から御質問あるいは御意見がございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。ただいま頂いた御意見等を反映して、日本からの意見としていただければと思います。事務局よろしいですね。

 

○事務局

 ありがとうございました。今後、意見の提出ですとか、URCにおける議論の際には、御専門分野の内容についてお尋ねすることがあると思います。その際にはどうぞ御協力をよろしくお願いいたします。

 

○小池委員長

 続いて、議事の3に入ります。WHO-FICネットワーク年次会議(2016)について、事務局から御説明をお願いします。

 

○事務局

 お手元の資料3を御覧ください。WHO-FICネットワーク年次会議(2016)及びICD-11改訂会議についてです。こちらは先ほど会議の報告でもお話した内容です。本年10月に予定されている会議ですが、日時は201610月8日土曜日から14日金曜日が予定されています。場所は日程によりまして、東京慈恵会医科大学や東京国際フォーラムの会場をお借りすることを予定しています。過去3回ほど日本でこの会議の開催実績があります。

 会議の概要ですが、WHO-FICネットワーク年次会議は、国際統計分類を担当する各国担当者が一堂に会し、議論、調整、報告を行う場として、年に1回開催されているものです。今回は、2018年5月の世界保健総会で国際疾病分類が28年ぶりに改正される予定であるということを受け、会期中にWHO加盟国の保健省等を招待する改訂会議(Revision Conference)を開催する予定です。また、並行して、診療情報管理協会国際連盟(IFHIMA)の第18回国際大会及び第42回日本診療情報管理学会学術大会も国際フォーラムで開催され、一部プログラムを合同で行う予定です。

 今回の会議のテーマは、WHOと調整をして、Health Information in a New Era:ICD-11 Revision Conferenceということで、(保健医療情報の新時代:ICD-11改訂会議)となる予定です。以上です。

 

○小池委員長

 ただいまの御説明に関して、御質問がありましたらお願いします。日本では11年ぶりですか、直近が2005年なのですね。久しぶりに日本開催ということです。

 

○事務局

 おおむね10年に1度程度日本で開催しています。

 

○小池委員長

 よろしいでしょうか。それでは続きまして、議事の4「その他」についてですが、事務局から説明をお願いします。

 

○事務局

 「その他」のところでは、事務局から3点ほど御説明します。1点目、資料4を御覧ください。同時に机上配布資料7を関連で配布しています。資料4で説明します。

 前回のICD専門委員会において、病名とICDコードの対応については、厚生労働省標準規格である標準病名マスターが更新される際に、追加などされるものについては病名とICDコードの関連をICD専門委員に御確認いただきたいと考え、皆様に御協力をお願いしました。前回委員会の後、現在までに御協力いただいた内容を御報告します。平成27年5月から開始しまして、10月の公表版より検討が反映されています。開始時より約1,000件の依頼がありまして、そのうち48件ほどについて付与されるコードが当初より変更されました。

 中央にあります図については、前回の会議で出した確認の流れです。スケジュール等については、毎月御依頼しているのですけれども、標準病名マスターのリリースは毎年1、3、6、10月に実施されています。おおむねICD室への確認依頼の2、3、4月分が6月リリース、5、6、7、8月分が10月リリース、9、1011月分が1月リリース、12、1月分が3月リリースとなっておりますが、検討状況によっては確度を下げたリリースとなったり、次回に持ち越されたりということもあります。

 なお、同時にお配りしている机上配布のものは、作業班に御提供いただいたこれまでの状況の細かいものです。こちらは中には御依頼していない先生もいらっしゃると思いますので、こんな感じでやっていますというものです。

 委員の先生方におかれましては、大変御多忙な中、多大な御協力をいただき誠にありがとうございます。この場をお借りして御礼を申し上げます。また今後も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。なお本年4月以降当室からお願いする分については、ICD-102013年版、新しい版に基づいて御検討いただくことになりますので、よろしくお願いいたします。

 なお、本日御出席いただいている大江参考人におかれましては、標準病名マスター更新に係る作業班長をされていますので、追加の御発言をお願いします。

 

○大江参考人

 この資料4の左側にあります表、病名マスター作業班の委員長をしています大江でございます。今、事務局から説明がありましたように、平成27年5月からこの作業班で付与したICD-10コードについて、専門委員の先生方にチェックをいただいて、必要なコメントを頂き、やり取りの結果、ICDを最終的に変更したりというようなことをしています。

 時間的に非常に短い依頼をしている場合もあり、専門委員の先生方には大変多忙な中、御迷惑をおかけしている点もあるかと思いますけれども、年に4回リリースしているこのサイクルを守っていきたいものですから、引き続き御協力をよろしくお願いいたします。大変感謝申し上げます。ありがとうございます。

 先ほど説明がありましたが、平成28年4月以降、ICD-102013年版対応に切り替え、最終的に平成29年1月からは2013年版対応の標準病名マスターをリリースしたいと考えています。併せて、それについても今後是非御協力をよろしくお願いいたします。

 

○事務局

 ありがとうございました。続いて2点目、資料5、死因選択検討ワーキンググループにおける検討状況の報告についてです。昨年の当委員会において、死亡統計における死因の選択に関して、専門的な見地から具体的な事例を踏まえて検討するためのワーキンググループを設置し、委員長に当委員会の横田委員に御就任いただきました。そして複数回にわたり御検討をいただきました。ワーキンググループの検討状況について、横田委員から簡単に御説明をお願いします。

 

○横田委員長代理

 本ワーキンググループの座長を仰せつかりました横田です。まず机上配布資料3-1が本ワーキンググループの運営要綱ですけれども、机上配布資料3-2の先生方にメンバーに入っていただき、このワーキンググループの活動を行ってきました。

 資料5が報告書の概要です。まず、本ワーキンググループの進め方について、IIに書いてあるように、増加してきた人口動態統計における死因の選択に係る以下の事項について検討しました。1つ目として、増加してきた事例や判断に窮した記載例の報告を受けました。この報告事例をもとに、同様の事例を今後処理する方法を決めていくということで検討しました。3つ目として、医学の進歩や国際比較の可能性を考慮した処理の方法を検討することもしました。

 実は、本会の後の3月3日に、第1回目を開いて以降、3回ほどワーキンググループを開きました。その中で、特に今回2013年版のICD-10に準拠した形で、死亡と原死因を選ぶルールを決めていく必要があるということで、優先順位の高いものから検討したという次第です。その結果ですけれども、次のページの資料5の別添のところで、おおむね12項目を検討しましたので、事務局のほうから御説明をお願いします。

 

○事務局

 資料5別添「第1回から第3回までの死因選択検討ワーキンググループ検討結果」を御覧ください。ワーキンググループにおいて、「疾病、傷害及び死因の統計分類」の改正にあたり、優先されるものから12の議題について御検討いただきましたが、これらについて検討の性質から大きく2つに分けて御説明します。

 1つ目は、四角囲みの1、「ICD-10(2013年版)の「総論(インストラクションマニュアル)」の記載への準拠についての検討」です。「疾病、傷害及び死因の統計分類」が2003年版から2013年版に準拠されることに伴い、ICD-10の「総論」に記載されている主要な疾病に関する変更事項にどのように対応するかという観点での検討になっています。

 我が国の死亡票の記載状況や、「総論」に従った場合の影響度等も踏まえて検討を行った結果、これらの項目については「総論」に従った取扱いとするという結果になりました。具体的には8つの議題がありました。少し長くなりますが、1つずつご説明いたします。

 1です。これまでは肺の悪性新生物が転移部位リストにない部位の新生物とともに記載された場合は肺を転移と考えるべきであるという記載が「総論」にありましたので、これまでは「総論」の記載どおりの取扱いを行っていました。ですが2013年版からは、「肺が転移部位リストに記載されていない部位とともにI欄に記載される場合は」というように「総論」の記載に変更がありましたので、2013年版からは、I欄に肺の悪性新生物、II欄に転移部位リストにない悪性新生物が記載された場合、I欄内の肺の悪性新生物を原発性とみなし、原死因とします。

 2つ目です。心不全が他の病態と同一欄内に併記された場合、これまでも他の病態が診断名が明確なものであればそちらを原死因としていましたが、改めて御確認いただいたものです。ただし、R00心拍の異常、R01心雑音及びその他の心音、R57ショック他に分類されないものが心不全の上位にあった場合は、心不全を原死因としていましたが、2013年版以降はこれらの例外をなくすこととします。

 3つ目です。糖尿病の合併症が複数記載された場合、2013年版からは、それぞれの糖尿病コードの4桁目に、「.7多発合併症を伴うもの」というものがありますので、こちらにコーディングを行うこととします。

 4つ目です。肺炎が仮の原死因となった場合には、I欄若しくはII欄に肺炎に先行すると考えられる病態、例えば脳梗塞などが考えられると思いますが、そのような記載があればそちらを原死因とするというルールが「総論」に記載されています。

 「総論」に記載されている肺炎の範囲が2013年版からは拡大されることとなり、それに伴いI欄もしくはII欄の先行すると考えられる病態の範囲を検討する必要がありました。検討するにあたり、IRISというヨーロッパを中心に13の国と地域で導入されている死因のコーディングと原死因選択を行うソフトで使用されている病態のリストを対応させることとしました。

 なお、この対応により、試算では万単位の肺炎の死亡数の減少が見込まれています。そのため人口動態・保健社会統計課としましても、2003年版から2013年版への改正に係る影響について何らかの分析を行い、公表を行う予定です。

 5番目は老衰についてです。これまでは老衰と診断名不明確な病態が記載されてきた場合には、老衰を原死因としてきましたが、2013年版の「総論」には、死亡診断書に記載されている他の全ての病態が「診断名不明確な病態」又は「軽微な病態」である場合は、死因を選び直さないこととすると記載されていますので、2013年版からは死因を選び直すことはしないとする予定です。

 6番目は感染症と新生物が記載された場合の取扱いです。これまでは「総論」に感染症はI欄II欄のどちらにあっても癌による因果関係ありと考えられるという記載がありましたので、例えばI欄に感染症、II欄に新生物が記載された場合には、II欄の新生物を原死因としていました。2013年版では、「I欄II欄のどちらにあっても」という記載が削除されたことから、I欄に感染症、II欄に新生物が記載された場合には、感染症と新生物に因果関係はないものと考え、I欄の感染症を原死因とすることとします。

 7つ目は転移性新生物と記載された場合の取扱いです。転移性、metastaticについては、英語では転移していくという意味と、転移してきたという両方の意味があるということですが、「総論」の中では「これは英語の問題である」と記載されています。我が国においては、どちらかというと転移性と言われた場合は、転移してきたという意味で使われていることが多いと考えられますので、「転移性」と記載された場合には「続発性」と判断することとします。

 8つ目の術後合併症ですが、術後合併症と考えられる疾患、例えば出血、肺炎、敗血症等がありますが、2013年版では、この術後合併症のリストの追加がありましたので、追加になったものも含めて術後合併症と考えることとします。

 続きまして四角囲み2つ目の「現在の死亡票の記載状況に係る対応」です。例えばICDを英語から日本語に翻訳する際に生じる問題、諸外国と我が国との疾病構造の違いによる問題、我が国における記載状況に応じた対応に関する事項について検討を行いました。

 検討結果ですけれども、「総論」の大枠から大きくは外さない範囲内で、なおかつ我が国の死亡票の記載状況を踏まえて、現状に即した対応を行うこととしました。

 1つ目です。C220liver cell carcinomaは、日本語では2003年版では「肝癌」としていましたが、2013年版からは「肝細胞癌」としました。これを受けまして、ひらがなで「肝がん」若しくは「肝臓がん」と書かれてきたもののコーディングについて、これまでは「C229,詳細不明」にコーディングを行っていましたが、2013年版からは「C220肝細胞癌」にコーディングを行うこととします。

 2つ目、栄養性消耗症の取扱いについては、年齢によらず死亡診断書の記載どおり「栄養性消耗症」とすることとします。

 3つ目は、I欄内に複数の良悪不明の腫瘍、例えば肝腫瘍であったり肺腫瘍であったりという書きぶりの死亡票があった場合、複数記載された場合は悪性と考えコーディングすることとします。

 最後に4つ目です。「総論」の中に「死亡診断書のどこかに記載されている場合は~~する」という記載ぶりがあるのですけれども、この書きぶりについては死亡診断書の様式が各国によって異なるため、「どこかに」が一体どの範囲内かということは「総論」の中には具体的に明示されていませんでした。我が国では、「どこかに」の範囲は、死亡診断書のI欄II欄も含めて記載欄全てという解釈とします。

 少し長くなりましたが、以上です。

 

○小池委員長

 ありがとうございました。長くなりましたので、ここで一度切って御質問をお受けしたいと思います。まず事務局より説明のあった2点、標準病名マスターの件、それから死因選択ワーキンググループの件に関して御質問がありましたら、お願いします。いろいろな問題があることがよく分かりました。いかがでしょうか。よろしいですか。ないようでしたら、事務局から引き続き説明をお願いします。

 

○事務局

 ありがとうございます。最後になりますが、その他の3点目、机上配布資料8、2アップの資料になりますけれども御覧ください。ICD、「疾病、傷害及び死因の統計分類の正しい理解と普及に向けて」という冊子を作るための原稿です。前回、2003年版のときには、こうしたものを用意しました。今回2013年版となりますので、これをリバイズした形の原稿を用意しました。委員の皆様におかれましては、これを御一読いただきまして、御意見がある場合には来週19日金曜日までに事務局まで御意見をいただきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。

 

○小池委員長

 ただいまの事務局からの説明に対して、御意見、御質問等はありますか。来週金曜日の何時までですか。

 

○事務局

 19日中であれば構いません。

 

○小池委員長

 御質問はよろしいですか。それではありがとうございました。事務局から今後の予定がどのようになるか、御説明をお願いします。

 

○事務局

 本日はどうもありがとうございました。次回のICD専門委員会に関しましては、事務局より日程調整をさせていただきます。連絡がありましたら御協力をお願いします。なお、本日引き続きこの会議室において、死因選択検討ワーキンググループを開催いたします。死因選択検討ワーキンググループに御参加いただきます、横田委員、石井委員、名越委員、鷲見委員、加藤委員は、この場にお残りいただきますよう、お願いします。

 

○小池委員長

 それでは以上で本日の第18回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会を閉会します。本日はどうもありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室
疾病傷害死因分類係:03-5253-1111 内線7493

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