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2015年12月24日 第5回水道事業基盤強化方策検討会 議事録

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部水道課

○日時

平成27年12月24日(木)16:00〜18:00


○場所

厚生労働省専用第12会議室(中央合同庁舎第5号館12階)


○出席者

構成員(50音順)

浅見構成員 石井構成員 浦上構成員 阪口構成員 佐藤構成員
滝沢座長 友岡構成員 古川構成員 湯谷構成員

都道府県

浅見副課長・梨木主査(埼玉県) 小池課長補佐・小林課長補佐(長野県) 目貫課長(京都府)

厚生労働省

福田部長 樽見審議官 赤澤課長 宮崎課長 高澤室長
久保補佐 安里補佐

○議題

(1)都道府県ヒアリング
(2)水道事業の基盤強化方策に盛り込むべき事項について
(3)その他

○議事

久保補佐

 定刻となりましたので、ただいまから第5回水道事業基盤強化方策検討会を開催したいと思います。構成員の皆様におかれましては、年末のご多用中にもかかわらずお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 開会の前に出席状況をお知らせいたします。本日は有田構成員、鍬田構成員、永井構成員、それから柳川構成員がご都合によりご欠席ということになっております。

 また、今回は都道府県からのヒアリングを行うということで、埼玉県、長野県、それから京都府の方々にもご出席いただいております。本日はどうもありがとうございます。順にご紹介させていただきます。

 まず埼玉県生活衛生課副課長の浅見様でございます。

 同じく埼玉県企業局水道企画課主査の梨木様でございます。

 次に長野県企業局経営推進課課長補佐の小池様でございます。

 同じく長野県環境部水大気環境課課長補佐の小林様です。

 最後に京都府公営企画課長の目貫様でございます。

 本日はよろしくお願いいたします。

 それから、議事の前に資料の確認を行います。本日配付した資料でございます。クリップどめを外していただきますと、一番上が議事次第で、その下が分厚いホッチキスどめの資料1「水道事業の基盤強化方策に盛り込むべき事項(案)」でございます。その次が資料2ということで、横長のA4のホッチキスどめの資料で、「水道事業の基盤強化方策 関連資料」でございます。その後、カラーの資料が3つ続きまして、資料3−1から3−3、それぞれ埼玉県、長野県、京都府の資料でございます。資料はここまでで、この後は参考資料ということで、参考資料1が開催要綱、参考資料2が前回の議事録、参考資料3が関連する条文という形になっております。資料のご不足等ございましたら、お申しつけください。

 毎度のことですが、傍聴の皆様へのお願いでございます。カメラの撮影はここまでとさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以降の議事進行を滝沢座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

滝沢座長

 皆様、年末のお忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。本日は議事を2つ用意しております。都道府県ヒアリングと水道事業基盤強化方策に盛り込むべき事項について、よろしくご審議をお願いしたいと思います。

 水道基盤強化方策に盛り込むべき事項に関しては、議論を一度総括するために、これまでの議論について事務局に中間とりまとめ案を整理していただいております。本案には都道府県に行っていただくことが多く盛り込まれておりますので、本日の議事の1つ目でございますが、中間とりまとめ案についての皆様のご意見をお聞きする前に、本日ご出席いただいております都道府県の方にご発表いただきまして、その後で皆様のご意見をいただくという順番でお願いしたいと思います。

 都道府県のヒアリングに先立ちまして、最初に事務局から中間とりまとめ案、資料1と2をご紹介いただいた後に都道府県ヒアリングという順番で進めさせていただきたいと思います。最後に皆様から自由なご意見をいただくという順番でございます。よろしくお願いします。

 資料1と2に基づきましてご説明をお願いします。

 

安里補佐

 資料1と資料2の説明をさせていただきます。中間とりまとめの案としてつくっていますのが資料1になりまして、資料2は前回の会議でご質問いただいたことなどの資料をまとめております。先に資料2をさっと説明させていただきます。

 資料2をおめくりいただきますと、1枚目が経年化率・更新率の分布図となってございます。こちらは、前回の会議の場で、事業の規模などによって置かれている状況、経年化率ですとか、更新率にいろいろ違いがあるのではないかということでつくったものでございます。3種類つくっておりまして、給水開始後の経過年別にみたもの、職員の数の別、それから給水人口別と、3種類の軸をもって経年化率と更新率の分布をみてみました。

 ざっとみていただいてもわかると思いますが、また相関係数も出してみましたが、いずれの切り方でもってしても、規模が大きければ大丈夫とか、職員がたくさんいれば大丈夫といった様子は全く見受けられませんで、水道事業がどのような規模であっても、どのような古さであっても、老朽化への対応等は課題であるといった様子がみてとれる資料となっております。

 続きまして、水道用水供給事業、給水開始年度別事業体数をつくっております。資料のページでいきますと、12ページ、13ページになります。前回あるいは前々回の会議で、用水供給事業は水道事業と統合していったほうがいいのではないか、役目は終えたのではないかというご議論がありましたので、データを確認してみたものです。事業開始年度別にみていただきますと、山は昭和55年から59年のあたりにありまして、近年、減っていっている。ただ、減っていってはいるけれども、多少ありますので、その創設理由を調べたものが次の13ページになりますので、ご確認いただければと思います。

 駆け足ですみませんが、続いて用意しております資料が市町村経営以外の水道事業一覧となっておりまして、14ページから始まっております。こちらは、水道事業の市町村経営という原則を変えてしまったらいいのではないか、そういう時代に来ているのではないかというお話がありましたので、参考までに、水道事業、水道用水供給事業もあわせて入れておりますが、都道府県などがどれぐらいあるかというのをわかるようにまとめた資料でございます。

 続いて、水道事業広域化への取組についても資料を新しく提出しております。広域化が必要だという話はこれまで何回も出てきましたが、今どれほどの検討状況にあるのかというのを調べました。こちらが17ページになります。都道府県にアンケートをとりまして、色がついているところは何かしら広域化に向けた動きをしています、もしくは把握していますとお答えいただいたところです。赤い丸がついていますのは何らかの会議、協議会などを実際に設置しているものとなっております。

18ページ目は、少し古くて、平成27年3月にまとめたものですが、水道事業体へとったアンケートになっておりますので、そちらもつけてございます。

 最後、19ページ目からは総務省の施策のご紹介です。水道事業は水道法による水道事業をやっている主体であると同時に、地方公営企業でもありますので、地方公営企業について総務省が経営戦略を定めるようにという呼びかけをしておりますので、そちらの資料を参考でつけております。資料2の説明は以上です。

 続きまして、資料1、中間とりまとめの案としてまとめているものでございます。表題はそのままずばりですが、「水道事業の基盤強化方策に盛り込むべき事項(案)」という形にしております。これまで何度か事務局から出させていただいた資料の構成に沿いまして、同じように総論と各論という形でまとめてございます。

 1ページ目からいきます。総論としては、最初に現状をまとめております。これまでいろいろな資料を出してきて説明したことを文章でつないで説明しております。水道事業を取り巻く状況がどうあるか、これまで何をしてきて、その成果はどうであったかということをまとめております。

 水道ビジョン等で推進してきましたが、老朽化の進行、耐震性の不足はまだ問題です。ページをおめくりいただきまして、水道料金の設定水準も赤字基調でありましたり、資産維持費の見積もり不足のおそれがあります。こうした中、さらに職員数の減少や高齢化も進んでおりますと流れておりまして、3ページ目で、新たな方策の必要性と方向性として、早期に対応しなければ、先延ばしにしていては老朽化による漏水事故などを招くのではないか、火災のときの消火活動などに問題が起こるのではないか、人口減少社会ですので、先延ばしにするほどに料金収入が厳しくなって、より対応が困難になるのではないかということで、早目の対応が必要であるという点。それから、人口減少社会ですので、事業の小さなものへのシフトも必要であるだろうという点。3点目として、今まで水道ビジョン等で呼びかけてはきましたが、なかなか進んでいないことを考えると、さらに一歩も二歩も踏み込んだ手法を検討するべきではないかというのをまとめております。

 4ページ目以降が各論になってございます。各論の最初に、これまで文章では事務局の資料等には入れてなかったものでありますが、国と地方の責務の整理というのを入れております。(1)として、国及び都道府県の責務としております。今まで整備を進める段階でありましたが、これからは維持をする段階になっているということを踏まえた上で、水道の持続性の向上に向けた施策をやっていくことも、国または都道府県の責務ではないかというのを書いております。都道府県については国と同じく認可権者であるという点で責務を有するのと同時に、中小規模の水道事業者では職員層が薄いといったことがあることも踏まえて、県下の水道事業全体を見渡してみると、水道事業者間の連携を図るということも必要ではないかというのをうたっております。

 5ページに入りまして、(2)です。国と都道府県の責務だけではなくて、水道事業者の責務も確認的に入れております。まず、国や都道府県が水道の持続について動き出さなければいけないのと同じように、水道事業者についても水道を持続して将来世代に確実に引き継ぐことは責務というべきではないかというのを書いております。

 また、これは確認的ですが、水道の施設基準で既に地震等に対応し得るような状況でなければならないと入っておりますので、老朽化した水道施設の更新や耐震化を進めることは本来的に事業者の義務ですというのを書いております。

 しかしながらということで、これから事業の経営が困難さを増す中、職員数の減少や高齢化も進行していることを考えると、特に中小の事業者においては単独で持続させることが困難になっていることもあるのではないかということを書いております。

 以上で責務を整理した上で、具体的な何をやっていくかの話が5ページ目の下から続いております。1つは経営の基盤強化という点で、広域連携の推進を書いております。今まで「広域連携」ではなくて「広域化」と使っていました。広い意味での広域化ということで、事業統合以外にもいろいろな手法がありますということをよく話しておりましたが、ややこしくなりますので、広い意味での広域化といわずに、今回は広域連携という言葉を使うことと整理をしております。

 1点目、広域連携の必要性ということで、先ほど申したように、中小事業者のほうで、自力で立っていけないようなところも出てくるだろうということを考えると、また事業経営が厳しくなっていく中では、統合して規模が大きくなればいいだけではなくて、そこに将来の課題を考えていける、対応していける人材が必要だろうということを考えると、連携して地域単位で人を確保していくことなどが必要ではないかということを書いております。6ページ目に入りまして、広域連携のあり方として、事業統合はもちろんありますけれども、その際にも、そこにきちんと人がいることを担保していかなければいけないということを入念に書いております。

 それから、都道府県の役割として、6ページ目の下からです。こうした連携を図るために、水道事業者にそこの連携も任せておきますと、置かれている事業環境によって、「うちはまだ困っていないから」といった理由で気持ちを一つにできないところもあるだろうというところで、地方自治法の中で市町村を包括する広域の地方公共団体と位置づけられております都道府県に一肌脱いでいただいて、推進役を担っていただくことが重要ではないかとまとめております。

 7ページにいきまして、国の役割としております。都道府県に任せて終わりではありませんよねということで、国は何をするべきかというのを書いております。好事例や課題をしっかり把握しまして、それを情報提供して、全国的な共有化をして、それによって推進していく。それから、国のほうは認可権者でもありますので、認可している事業者に対して、都道府県と連携しながら働きかけをして連携を推進するということがあるのではないかというので書いています。さらに、都道府県が実際に行われている取組を定期的に把握して、必要な助言を行うというのもやったらよいのではないかということで、7ページ目の上のほうに書いています。

 7ページ真ん中以降は、こういうことをやるために、()ですが、都道府県の機能強化として、こちらはこれまでご意見もいただきました3点を書いております。例えば都道府県が協議会を設置できるようにしてはどうか、財政支援も可能としてはどうか、3点目は、今ある広域的水道整備計画とは別に、独自に都道府県が自発的に何らかの広域的な計画を策定できるとしてはどうかとありましたので、その3点を入れております。

 3点目の計画ですが、この検討会で1回目、2回目で中心的に議論していただきました来年4月施行予定の手挙げ式の都道府県の権限移譲の中で水道事業基盤強化計画を定めましょうとしておりましたので、今回、自発的に定めることができるというのも、いわば水道事業基盤強化計画だろうということで整理しております。手挙げ式のところを希望する場合は、必ずそれが要件としてありますが、権限は別にほしくはないけれども、何らか事業基盤を強化する試みをもっている都道府県におかれては、そういう計画が策定できるという構成を考えております。

 続きまして、8ページ目になりますが、事業統合の方向性という章を立てております。1つとしては用水供給事業と水道事業の統合の推進ということで、かつての役割がありましたけれども、それを終えつつありますということで、水道事業との統合を積極的に推進するべきではないかというのをまとめております。それから、流域単位での事業統合の推進ということで、これは将来的な話かと思いますが、将来、流域単位でまとまっていくということも図るべきであるとしております。

 それから、()官民連携の推進ということで、人材が必要だということをうたっております。人材は民間からもってくる場合もありますよねということと、官民連携のやり方としては従来の業務委託だけではなくてPFIなどもありますよということですとか、IT化などに活用する道もあるということを書いております。それから、官民連携したくても民間事業者の受け皿がないということもありますので、事業者においても積極的かつ柔軟な対応が期待されるという文言を入れております。

()は都道府県水道事業の位置づけの明確化としております。水道事業は市町村経営の原則があります。そうすると、これが一つの足かせになって、都道府県が動いていくときに、本来は市町村がやるべきことだろうということで二の足を踏むところもあるので、ここの原則を見直すべきではないかという議論があったかと思いますが、それを踏まえて書いているところでございます。

 続いて、9ページ真ん中以降が施設関係、水道施設の更新・耐震化、規模の適正化の推進という形になっております。1点目はアセットマネジメントの推進としております。アセットマネジメントの定義みたいなものを中に書いております。アセットマネジメントは長期的視野に立った計画的資産管理の推進というのを書いております。

 ちょっとお戻りいただいて、2ページ目をみていただければと思います。アセットマネジメントといいますと、我々はとっかかりの施設の更新需要の把握を強力に推進していますので、アセットといえば、計算をして更新需要を把握することだろうと思われている方が多いと思います。2ページ目の真ん中の下のほうに※印を引いております。国が出しています「アセットマネジメントの手引き」がございます。これの中では、更新需要・財政収支の見通しを立てるだけではなくて、立てた上で、それを活用することまでを含めてアセットマネジメントとうたっております。この中間とりまとめの中では、その原点に立ち返りまして、アセットマネジメントは試算をするだけではなくて、その試算に基づいてしっかり計画的に更新していくことだと、そこまで含んでアセットマネジメントだという理解をした上で、この中間とりまとめを書いております。

 9ページに戻っていただきまして、そのアセットマネジメントの推進ということです。重要性をうたった上で何をしようかということで、1点目、アセットマネジメントの義務づけをするべきであるというのを書いております。もう一つは、アセットマネジメントによる更新需要等の公表も重要だということを書いております。9ページ目の下の()ですが、効率的な施設投資の推進ということで、ダウンサイジング等、将来の人口変動を見据えた対応をしっかりやっておく必要があるというのを書いてございます。

10ページ目に入りまして、認可権者による働きかけの強化としております。()()でアセットマネジメントの義務づけですとか、効率的な施設投資が重要だというのをうたった上で、実際に具体的にどういうことがあるかということです。まず認可権者による働きかけとして、1点目としては、今もしていることでございますが、水道事業の運営状況に関する情報の公表ということで経年化率ですとか更新率等のデータの公表をしておりますが、そういうものを継続するべきだという話をしております。

 2点目は首長や事業管理者への情報伝達ということで、水道施設の更新は大きな財源を伴いますので、こういったことに理解をしていただいて動いていけるように、既存の会議等を活用して、きちんと情報を伝えていくということを書いております。

 3点目です。適切な施設更新、規模の適正化の促進ということで、1)は先ほど義務づけをしたらどうかといいましたアセットマネジメントの実施を指示などができるようにしたらどうかというものでございます。水道施設の更新等への取組が不十分と認められる場合には認可権者がきちんとやってくださいという指示をできる。水道施設の更新等について財源の確保も見込みながら、数十年先を見据えて計画して、きちんと実施するというのを求められるというのを書いております。

 取組が不十分と認められる例として、前回の会議でも多少出しておりましたが、計画がつくられていない場合ですとか、つくられているけれども、更新需要の把握が一部である、更新時期の設定がきちんと行われていない。財源の裏づけを伴っていない場合も今回、入れさせていただきました。それから、ダウンサイジング等がなされていない。過大な投資である疑いがある場合。それから、計画はきれいなのができているけれども、実際の方針が実施されていない場合。こういう場合が考えられるとしてまとめております。

 2)は、こういった権限ができるようになったとして、立ち入り検査等で事業者と会う機会がありますので、そういう機会をとらえて助言・指導していくのはどうかと書いております。

 それから、先行的に働きかけを行うべき水道事業者としております。国認可の水道事業者については給水人口が大きくて、万一持続性が損なわれた場合の社会的な影響が大きいですとか、同時に職員層が厚いので、事業者単独で改善を見込む余地があるのではないかというところを踏まえまして、国認可の事業者に対する働きかけは先行的に行うべきではないかというのを書き込ませていただきました。

11ページ目の下のほうから(4)になりますが、給水区域の縮小等への対応としております。今の水道法の世界では、給水人口が増加する場合にのみ変更認可が必要としておりますが、これから給水人口が減っていくに当たって事業規模を縮小したいという場合に、水道法の解釈上は認可値以下で経営することはある意味自由だという解釈ではございますが、そうはいっても、給水区域については、一回給水を開始しておりますと事業の廃止などをしないと、なかなか縮小できないといろいろありますので、事業規模を小さくしたいとなった場合に、希望する水道事業者は認可を受けていただいて、規模を小さくした認可値で事業を経営していくという道を切り開いたほうがよいのではないかということをここにまとめております。

12ページ目、真ん中以下からは水道料金の適正化の推進関係です。(1)では水道料金の前提条件の確認としていますが、水道法1条にある「低廉」「豊富」の低廉の中には、必要な経費を見込んだ上でという趣旨があるはずですというのを確認するべきというのを書いております。

 続いて、(2)です。資産維持費に関する公的見解の提示ということで、今の日水協の資料で資産維持費3%を書いておりますが、公的見解ではありませんので、そういうものをしっかり公的見解として示すべきだというのを書いております。もう一つ、水道料金は、おおむね3年を通じて財政の均衡を保つことができるようにというのが規則に書かれておりますが、この年限も3年では短いのではないかということもありますので、そこの検討も必要ではないかというのを盛り込んでおります。

 続いて、(3)です。需要者とのコミュニケーションの充実ということです。水道料金に納得して働いていただくために、需要者との間でコミュニケーションの充実を図っていく必要があるということを書いております。

13ページ目の5です。前回、過疎地域としていたところでございますが、意味を明確にしようということで、管路維持困難地域という名称を設けさせていただきました。人口が減ってきて、管路の維持が経済的に見合わないようなことになってしまった地域についての対応をまとめております。調査をして、課題の明確化を図るべきであるとしております。

 最後、6のその他で、水質の関係です。今まで実現しているところもありますが、水源から給水栓までの統合的なアプローチを推進していきましょうというのを書いております。

 (2)は、今まで資料には入れてなかったのですが、地球温暖化対策という視点も忘れてはいけないだろうと思って入れております。こちらは新水道ビジョン等でもうたっておりますが、水道事業は非常にエネルギーを食う産業でございますので、省エネルギー対策を図ろうということをまとめております。

 (3)は災害時の事業者間連携ということで、日水協を中心とした災害時の連携体制が出ておりますが、今後、事例を積み重ねる中で、必要があれば適宜見直しをしていきましょうとまとめております。

 最後、(4)地下水利用についてです。水循環基本法が制定されて、地下水管理の必要性がいわれておりますので、注視していく必要があるというのと、水道事業については地下水利用の専用水道がふえているという話があります。これについては、専用水道を利用されている大口の需要者でも何かトラブルで地下水が使えないといったようなことがあった場合には、本来の水道を利用していく形になりますので、水道という公共サービスをどうやって維持していくかという観点から、専用水道を利用している大口需要者と十分に意見交換をしていく必要があるのではないかということで、そういうことが重要であるというのをまとめております。

 以下、参考資料がついておりますが、中間とりまとめの案に関係する資料を、これまでの資料からもってくるような形でまとめております。1点だけ、54ページをみていただければと思います。水道料金の話の中でヤードスティックを導入したらどうかといった議論がかなり時間を割いて行われましたので、議論の中では「将来の課題だね」ということで合意を得たのかなと思っておりますが、せっかくですので、将来の検討課題として、54ページにまとめております。

 長くなりましたが、説明は以上です。

 

滝沢座長

 どうもありがとうございます。

 ただいまご説明いただきました資料1と2については、最後に皆様のご意見をいただきたいと思います。

 本日、お越しいただいております都道府県からのヒアリングという形で進めたいと思います。順番としては、埼玉県、長野県、京都府の順でお願いしたいと思います。ちょっと時間が押していることがございまして、1府県当たり15分程度でご説明をいただきまして、3府県にご説明いただいた後に10分程度、全体的なご質問を受けるという形で進めたいと思います。

 最初に埼玉県の浅見様、梨木様からご説明をお願いいたします。

 

埼玉県(浅見副課長)

 埼玉県の浅見です。パワーポイントの最後に2ページほど企業局の取組が入っておりますので、梨木主査に同席をお願いしました。広域化の推進について、埼玉県の取組状況と課題等をお話しさせていただきます。

 初めに埼玉県の水道の体系です。水道用水供給事業は1事業で、埼玉県企業局が行っております。そのうち秩父地域等を除く水道事業者に企業局が用水供給しています。秩父地域は画面の左端のほうを指します。赤色の部分が用水供給されているところです。用水供給されているところの多くは地下水も使用しております。白色の部分がそれぞれの事業者が河川水を取水し事業を行っているところです。これは主に秩父圏域を指します。

 この後は、この順番で構成していますが、時間もありませんので、途中を飛ばして説明させていただきます。

 埼玉県では水道整備基本構想を水道ビジョンと位置づけております。このビジョンでは半世紀先の県内水道一本化を見据えて段階的な広域化に取り組むこととしております。

 県内を青い部分の埼央広域水道圏、緑の部分の秩父広域水道圏に分けています。さらに県内を12ブロック3形態に分けています。秩父圏域を一つのブロックとし、埼央広域水道圏を11ブロックに分けています。そのうち丸数字8のさいたま市は平成の大合併等で既に一つのブロックとして成立しております。企業局の浄水場が位置する丸数字2、丸数字6、丸数字10のブロックについては、企業局とモデル的に垂直統合を進めるブロックです。それ以外のブロックはそれぞれが水平統合を進めるブロックとなっております。

 ずっと飛ばしまして、14ページになります。秩父圏域については平成28年4月1日に事業統合することになりました。当初はソフト統合を経て事業統合する計画でしたが、スタート時点から事業統合してしまったほうがよいとの決断が下されております。

 秩父圏域の広域化が進んだ理由は、定住自立圏構想により水道事業の運営のあり方について検討がされていたということです。広域化を進める上で重要なことは、核となり先導するところがあることと、首長同士の話し合いの場があることだと思いますが、定住自立圏構想にはこの2つの要素が備わっていたことが大きいと考えます。

 また、中山間地域で経営効率が悪く、現状でも水道料金が高額であり、人口減少による収入減、施設更新の課題もあり、一事業体だけでは事業が成り立たなくなるということがアセットマネジメントの実施により明らかになりました。料金格差の課題もありましたが、現状で料金の安いところは施設の更新等がほとんど行われておらず、将来は水道料金がはね上がる結果がみえていました。住民による反対運動もありましたが、予定どおり、1市4町による事業統合をスタートさせることに至ったものです。

 埼央広域水道圏の状況です。企業局との垂直統合を進めるブロックでは、水道施設の再構築の検討、料金システムの共同化の検討、広域化による施設統廃合を踏まえたアセットマネジメントの検討などを始めたところです。水平統合を目指すブロックでは、水道資材の共同購入の検討、緊急時連絡管整備の検討などを始めたところです。

 広域化の課題です。埼玉県水道ビジョンは県内全水道事業者で議論した結果を踏まえて策定したものですが、首長が広域化の方向を向いていないという現実があります。広域化により統合すれば施設整備のために投資が発生し、水道料金の値上げは避けられませんが、料金値上げはしたくないということが根底にあり、イコール、広域化はしたくないということになってしまいます。また、平成の大合併が決裂しているため、水道事業の統合にも影響しているブロックもあるようです。

 水道事業体の職員に県のビジョンが浸透していないという問題もあります。広域化について、県のビジョンに掲げている内容が市町村ビジョンに反映されていないということもあり、これでは職員も広域化に消極的にならざるを得ない状況となっております。

 課題の続きです。ブロックの検討会を活気のあるものにするためには核となる事業体の存在が不可欠ですが、ほとんどの検討会の委員長が毎年度、持ち回りとなっていますので、義務感で検討会を年度末に1回開催するというところも見受けられます。

 経営状況が厳しい事業体においては、すぐにでも統合の話を進めたいと思っていても、現状で困っていない事業体は、そのような事業体とは統合したくないというのが現実です。将来的には統合は必要との声は多く聞きますが、今すぐ統合に向けて動こうという危機感は感じられません。

 結果として、広域化の進捗は県の水道ビジョンで掲げた計画どおりには進んでおらず、現状ではブロック内でできることから始めましょうということで検討が始まったところです。

 課題の解決に向けて、水道事業者にはアセットマネジメントを実施してもらい、その結果を首長に説明し、施設の計画的更新の必要性とその財源確保について理解してもらうよう求めています。また、住民に対してもアセットの実施結果について説明してもらいたいと伝えております。アセットは更新需要と財政の見直しがグラフなどでみえる化できますので、説明資料としても有用なツールであると思っております。ブロックごとに統合した場合を想定した検討については、各事業者の施設状況などが把握できるとともに、これまで接点のなかった職員間の話し合いの場にもなるため、全てのブロックに行ってもらうよう今後も働きかけていきたいと思っています。広域化の進みぐあいは遅いですが、ブロックごとの話し合いの場となる委員会が設けられているという点においては意義が大きいと思っております。

 引き続き、埼玉県企業局による市町村への技術支援の内容について、私から説明させていただきます。計画人口3万人未満のところは9事業体で、職員数は10人以下となっております。そのうち5事業体には技術職員がいない状況です。人材が不足していることで、日常業務以外の業務に手がつけられない、知識不足、更新工事の先送りなどの課題が生じます。このような状況が技術的格差をさらに拡大し、広域化の支障となる懸念もあります。

 企業局では約85%が技術系職員で、水道業務の経験年数も長い職員が多くいます。今回の取組は企業局の専門的な知識を活用し、経営の厳しい事業体への支援を行うもので、その内容は、1.課題に対する技術的な改善提案を行うアドバイザリー支援、2.アセットマネジメントや中長期計画策定への支援、3.浄水場や配水管路の維持管理業務を企業局職員が実施する業務支援、4.工事発注・監督を企業局が実施する施設更新の業務支援となっています。この取組により市町村の事業運営の改善が図れるとともに、企業局職員も支援を経験することにより人材育成が図れるということで、双方に利があると考えられます。その結果として、県民へのサービス向上と水道広域化の推進につなげていこうというものです。

 以上が説明ですが、基盤強化策の意見もここで述べたほうがよろしいですか。

 

滝沢座長

 基盤強化策に関する議論を最後に行いますので、引き続き各府県からのご発表をお願いしたいと思います。

 

埼玉県(浅見副課長)

 埼玉県は、とりあえず以上でございます。

 

滝沢座長

 続きまして、長野県の小池様、小林様から発表をお願いします。

 

長野県(小林課長補佐)

 長野県環境部水大気環境課の小林でございます。私から長野県の水道の概要についてお話しさせていただいた後、県企業局から県企業局の取組ということでお話しをさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 ざっとですけれども、まず長野県の概況です。本州の中央部にありまして、周り8県に囲まれていて海なし県でございます。地形は南北に長く広い県土で、北海道、岩手県、福島県に次ぐ4番目の広さがございます。標高3000m級の高山が四方を囲むとともに、一級河川8水系の水源がある上流県でございます。人口は平成2711月1日現在の推計として2096421人でございます。また77市町村ございまして、内訳として192335村ということでございます。

 次に、水道の概況です。水道普及率が98.9%、給水人口が2084421人。こちらのパワーポイントのデータは全て平成26年3月31日現在のものでございます。

 次に、水道事業については、水道用水供給事業が4事業、うち大臣認可が2、上水道事業が64事業、うち大臣認可が9、簡易水道事業が254事業ございます。公営水道事業者としては82事業者、内訳として、75市町村と7広域水道事業でございます。給水人口が5万人を超える上水道事業者は13、簡易水道事業のみを実施している事業者は32、また上水道規模を下回る人口の町村が全市町村の約3割強ということで、右側の地図の市町村名に丸がつけてございます。こちらの町村人口が上水道規模を下回っている状況でございます。

 県としての取組でございます。長野県は市町村合併が進まなかったこともあり、市町村が多く、また上水道規模を下回る規模の人口の町村が、先ほどもお話しさせていただいた全市町村の3割強を占めて、小規模需要者が多い。また、地下水水源が多くて、山間部への給水のため小規模な水源や施設が点在し、施設配置が非効率とならざるを得ない。小規模事業者にあっては職員数も少なく、技術職員がいない場合もままあります。また、日ごろの業務で手いっぱいでございまして、将来を見据えた検討がなかなか困難であるということでございます。

 その中で県の役割として、こちらに書いてございますが、各種連携策について水道事業者の検討を促し、広域的な視点から調整、特に小規模水道事業者に対し将来に向けた取組の検討を促すということで、平成28年度末の策定予定で長野県水道ビジョンの策定を計画しているところでございます。

 

長野県(小池課長補佐)

 企業局一水道事業体としての取組ということでお時間をいただきまして、ありがとうございます。私、長野県企業局の小池と申しますので、よろしくお願いいたします。

 最初に本県企業局の紹介をさせていただきたいと存じます。私どもは3つの事業を経営しておりまして、末端給水事業、用水供給事業、電気事業ということでございます。末端給水事業については通常、全国的には市町村レベルで取り組まれていると思いますが、都道府県レベルでは全国的に4つと、そのうちの一つとして取り組んでおります。

 現在、本県企業局で経営戦略の策定を進めておりまして、私ども経営審議会という、会長はここにいらっしゃる石井先生にお願いしておるのですけれども、1124日に答申をいただきまして、来年2月をめどに策定するべく作業を進めております。現状と課題は全国共通だと思いますが、特に長野県は(1)、平成12年をピークに全国に先んじて人口減少に転じておりますということです。

 本県における現状と課題。電気事業については飛ばします。水道事業の状況、課題はごらんのとおりです。現在、末端給水事業については3市1町の広域水道として給水人口は約19万人です。課題はごらんのとおりですけれども、右上の丸ですが、地域貢献の拡充といったことを課題に挙げておりまして、この後の話につながっていきます。

 私ども長野県企業局は平成15年に民営化計画を策定しておりまして、店じまいの方向にいっていたわけですが、電気事業については民営化協議を一旦白紙にして、事業継続決定を24年にしております。水道事業も市町への分割移譲の協議をやっておりましたが、それを一旦とりやめて、地域におけるよりよい水道事業のあり方の研究に昨年から着手しております。そういった状況もありまして、新しい企業局の将来像を描く時期が今そのときだということで経営戦略の策定をしております。

 この辺は飛ばします。基本方針として、丸の2つ目、水道事業については安全安心、そして安定的な水道水の供給体制の礎を築くとしております。この経営戦略策定に当たっての3つの視点ということですけれども、国が求めている経営の安定は当然のことながら、2つ目として地域への貢献、それからリスクマネジメントの視点も入れてございます。

 地域への貢献というところですが、末端給水事業のところを抜粋してあります。(1)として、顧客満足度の向上は安全で良質な水道水の供給ということです。(2)は地域との共同・連携。将来の広域化も見据えて供給区域内3市1町との共同・連携を進めるとしております。

 3番目は、先ほど埼玉県も取り組まれているということでしたが、企業局の技術力等を活用した地域貢献ができないかということで、ここで過疎自治体の水道施設整備への支援ができないかということを考えております。

 本県の状況は先ほどご案内のとおりです。過疎町村が多いという事態になっております。企業局は50年余りにわたって水道事業で培った技術力と経験がありますので、これを何とか生かして地方自治法に基づく代替執行制度の活用ができないかということで、総務省のアドバイスもいただきながらモデル事例を創出したいなと思っております。もう一つは、設計コンサルタント業者が策定した設計積算書の妥当性を町村の職員ではなかなか審査できないということがありまして、企業局の技術職員がセカンドオピニオン的に審査支援をやっていこうというものです。

 先ほどの地方自治法の代替執行制度を活用した支援の仕組みのイメージです。これは長野県の天龍村というすごく小さな村の水道管の状況です。このような状況で、天龍村は人口1400人、高齢化率はほぼ6割といったところで、水道設備、インフラの更新が非常に重くのしかかっております。代替執行ということで考えておるのですが、水道事業はお客様からの料金収入により成り立っている以上は、天龍村は給水区域外ですけれども、そこに便益を提供することには多少難しい面もありますが、現状のような状況にかんがみ、これまでの技術力を活用した地域貢献が何とか企業局においてできないかということで、新たな役割であると位置づけて過疎自治体への支援ができないかと考えております。

 具体的には、黄色のところにありますけれども、過疎自治体と企業局で規約の締結を行います。事務の範囲ですとか、費用負担等を規約の中で定めます。そうしましたら、企業局で事務の代替をします。天龍村では事務経費の支払いをします。ここで建設業者が出てきます。工事発注の代行を企業局がやります。建設業者は工事を実施いたします。工事が完了しましたら、検査の代行を企業局がしまして、工事代金の支払いは天龍村からしていただきます。もう一つ、金融機関がありまして、資金調達手続の代行も企業局が行います。金融機関は村に貸し付けをして、企業債の償還をしていくという形。これをイメージとして考えております。

 スライドはこれで終わりですが、現時点で浮かび上がっている課題があります。1つは、規約を締結しなければいけないのですけれども、村と県と双方の議会の議決が必要です。自治法上の制度的なものでありまして、それに若干ハードルがあるということ。それから、事務範囲の明確化。どこまでを企業局が代行するのかということや財政的なメリットですね。村として財政的なインセンティブがあるのかどうか。ないと、村議会もご理解いただけないということがあるかと思います。

 最後に、整備したはいいけれども、その後の維持管理について、例えば整備について県が代行することによって、村においては専門的知識ですとか経験を有する職員が育ってこないという逆効果的なものも挙げられます。

 こうした検討すべき課題も多いものですから、一つのモデル事業として、事例として、天龍村に検討をもちかけているところです。8月7日には石井先生や宮崎水道課長にも天龍村の現地をご視察いただいたところでございます。検討に着手したばかりで、この場で発表するような内容、偉そうなことはないのですけれども、来年度以降、私ども経営戦略でも地域貢献の一つとしてしっかり位置づけて取り組んでまいりたいと考えております。

 以上、ありがとうございました。

 

滝沢座長

 どうもありがとうございます。

 続きまして、京都府の目貫様からご発表をお願いします。

 

京都府(目貫課長)

 本日、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。京都府の水道事業について、広域化と市町村との連携を中心にご説明させてもらいます。

 京都府の水道事業の体制は、平成20年に組織改正がありまして、健康福祉部から水道担当が、かつて企業局にありました私どものセクションと一緒になりまして、現在、副課長1名、担当3名の体制で水資源、水道担当として業務を行っております。

 次に、2ページ目でございます。京都府内の水道事業の状況でございます。京都府には26の市町村がございまして、22の市町で上水道、残り4つの町村で簡易水道を実施してございます。耐震化の状況でございます。基幹管路については全国平均を下回っている。浄水場については、全体では全国平均を上回っている。配水池については、全国平均から低い水準の京都市を除くと全国平均を上回っているという状況でございます。

 都市部は耐震化や老朽化対策を耐震化計画に沿って計画的に実施している傾向がありますけれども、地方部であるとか人口の少ない町村においては、水道担当の職員が1名から2名と、日常業務で精いっぱいだと、耐震化計画の策定まで手が回らないという状況であるとか、予防的な耐震化の実施は水準料金の引き上げにつながるため、漏水や事故の対応にとどまっているという考えをもっている市町村もございます。

 下でございますけれども、地域水道ビジョンの策定については、既に15市町で策定済みでございますが、策定していない理由も先ほどと同様でございます。特に簡水統合を優先して行っているところがあって、そこまで手が回らないという意見が多うございます。

 広域化については、事業統合を検討しているという市町が2つありますけれども、回答の内容をみますと、結論、統合予定は平成24年度以降ということで具体的な検討をされてございません。市町村内の事業統合、15市町が簡水統合の予定の事業者でございます。

 民間委託がなかなか進まない理由は、会議でいろいろお話を聞きますと、委託業者が継続して受託してくれるかどうか不安であるということですとか、委託する業務量が少ないので、コスト面でメリットが少ないのではないかという意見であるとか、委託してしまいますと、技術ノウハウが蓄積されない、非常時の迅速な対応に不安を抱えているという理由が挙げられております。

 続きまして、3ページでございます。私の公営企画課は府営水道の経営を所管してございます。他県でいうところの企業局の仕事をやっておりますけれども、府営水道と供給先の10市町との連携の一つとして、府営水道と市町村施設全体のアセットマネジメントに取組を着手してございます。

 これについては、平成27年4月に料金を改定して一部の給水区域で16年ぶりに料金を引き上げたのですけれども、この料金改定の答申におきまして、府と受水市町の一層の経営効率化が急務であるから、二重投資による過度な設備余剰を避けるために施設全体のトータルでの適正な規模や配置について、双方が共通の課題として取り組むようにという提言を受けて始めたものでございます。実態として、府営水道の給水区域における府営水道の給水割合が56%でございまして、他の同規模同給水人口の用水供給事業者、約70%と聞いておるのですけれども、これに比べて低い状況でございます。

 受水市町の自己水から耐震化が進んでいる府営水道への転換には、まだ能力的には余裕がございます。新たに自己水施設を更新するよりも、府営水へ転換したほうが経済的にお得であるということを受水市町と共同で検討を行っているところでございます。また、近隣する配水池等の施設について、共有化であるとか、使用しなくなった府営水道の管路をさや管として受水市町が活用するという具体的な検討も始まってございます。中長期的な取組ではありますけれども、施設の更新や各受水市町の水道ビジョンの改訂というタイミングに間に合うように協議を進めているところでございます。

 点線のところはこれまでの取組でございます。こちらの検討会の資料でもございました広域化等研究会については、平成2311月に京都府と受水市町で構成します京都府水道事業広域化等研究会を立ち上げまして、各水系の受水市町の幹事市を中心に業務の共同化に向けて具体的な検討を行っているところでございます。

 続きまして、4ページでございます。京都府と市町村との連携を図るために京都府市町村事業連絡会議を開催してございます。これまで年に1回、国の会議が終わった後に府内の担当課長会議を開催する程度でございましたが、今年度から市町村の水道ビジョン等の策定に向けた取組の支援であるとか、個別の水道事業では解決が困難な課題等について検討、先進事例、意見交換、施設見学等を実施してございます。府内の保健所の圏域単位で現在、5回開催してございます。この会議を通じて、京都府のリーダーシップであるとか、京都府の水道ビジョン作成の必要性を痛感してございます。平成28年度は府の水道ビジョン策定に向けた協議の場として開催していこうと考えてございます。

 続きまして、公民パートナーシップ研究会についてご説明いたします。京都府と民間との連携について、本年の10月に研究会を立ち上げました。現在のところ、3回開催してございます。京都府内の水道事業の広域化と人材の確保を目指して、その手法として公民連携の公民共同企業体の設立を視野に入れて、施設運営等の事業性であるとか採算性について、水ingさんと水みらい広島さんの協力を得て調査研究中でございます。研究会で調査研究する事項としては、先ほど申し上げました施設の維持管理と事務系のいろいろなものも含めて、委託を請け負う公民連携企業体の設立の可能性について研究しております。

 それから、私どもは工業用水道も所管してございます。北部の福知山市に所在してございまして、想定しておりますのが京都の北部を中心とした企業展開ということで、その核となる京都府の工業用水道施設の包括委託の導入の可能性について研究をしてございます。

 目指すべき方向としては、複数の市町村水道施設の一体的な管理運営による施設管理の広域化であるとか、事務の共同化による効率化、それから民間ノウハウの活用による経費の抑制、企業体が地域で継続して雇用することにより、地域における人材確保と技術力の継承、また地域創成にも貢献すると考えてございます。

 京都府が実施しました府内の市町村向けのアンケートの結果、全体の3分の2の市町村が公民連携企業体に関心を示しておりまして、そのうち具体的に検討ができる水道事業者と、個別に事業性の調査であるとか、府と共同して企業体を設立することの方向性について調整を行っているところでございます。

 続きまして、5ページでございます。京都府水循環プラットフォームについてご紹介いたします。これについては平成25年度に立ち上げて活動を行っております。主な活動としては人材バンク。これは有識者を登録いたしまして、市町村からの依頼に基づき府が有識者を紹介する。最近の事例としては、市町村がビジョンを策定するであるとか、料金改定審議会の委員に有識者を紹介してほしいという依頼が何件かございます。

 次に、水に関するインフォメーションメールの発信として、毎月、上下水道や水源に関する情報をメルマガとして配信してございます。それから、研修会であるとか、共同研究の実施。今年度の実績としては、総務省の協力を得まして、会計基準の改正に関する研修会であるとか、厚生労働省水道課の協力を得まして、水道施設の耐震化の推進、水道行政の現状と課題についての研修会、それから、日吉ダム施設の見学会、府営水道の浄水場の耐震工事の見学会を実施してございます。

 説明は以上でございます。ありがとうございました。

 

滝沢座長

 ありがとうございます。各府県でさまざまな取組をされているということが理解できました。

10分ぐらい時間をとりまして、ただいまご発表いただきました3つの府県について、構成員の皆様からご質問があればお受けして、その後、本日の主たる議題であります基盤強化方策に盛り込むべき事項について議論を進めてまいりたいと思います。

 構成員の皆様、順不同で結構でございますので、埼玉県、長野県、京都府からのご発表について、何かご質問ございますでしょうか。

 

友岡構成員

 1点、確認をさせていただきます。今回、唯一自治法の代替執行制度を活用したということでご案内いただいた長野県の話です。2014年改正を念頭に、それをイメージして実行に移されているという点は非常に興味深かったのですけれども、他方でよくいわれているのは、この制度としては執行権限をどれくらい譲り渡すかということで、今回ご案内いただいた村から県に譲り渡すと、特に執行方針への関与という点で委託元としての自治体について若干不安が残るのかなという制度上の問題があるかなという気がいたしました。その点に関して、具体的に今回の水道事業にかかわる問題点とか課題について、本日ご説明いただいた点がひょっとしたら関係するかもしれませんが、その点も踏まえてもう少しお教えいただきたいなと思いました。

 以上です。

 

滝沢座長

 よろしくご説明ください。

 

長野県(小池課長補佐)

 事務の代替執行制度ということでご質問いただきましたけれども、平成2611月の自治法改正でできた制度でございますので、まだ全国的にも活用事例がないのではないかと思っておりまして、正直、手探りの状況です。先ほど課題として申し上げたところは、規約の締結が双方の議会の議決が必要だということで、この調整がもしかしたら時間がかかってしまうのかなという懸念が一つあります。

 それから、この制度は自治法の特別な制度ということです。県が市町村の名前と事務処理の基準で事務を行うという特異な制度でございますので、事務処理の権限は市町村長に残ったままになりますね。天龍村村長さんに残ったままになりますので、市町村議会の監視もきちんと及ぶのではないかというメリットはあると思います。ですから、ガバナンスの面とか自主性の尊重の面の双方でメリットが出せる制度であるということは期待をしておるところです。

 以上です。

 

友岡構成員

 さっきいったように執行方針というか、具体的に事業を執行する上での関与の仕方ということは事前に大分詰めてお話しされているのかなという点、ちょっと気になりました。その一点だけです。

 

長野県(小池課長補佐)

 正直、それもこれからのお話です。この場で申し上げていいものかどうかぐらいのスケジュール感ですが、28年度末の村議会、県の議会で規約の締結を議決できればいいかなぐらいの感じで考えております。来年、一年かけてきちんと課題もクリアしていきたいなというところで、済みません、具体的なお話ができなくて申しわけないですけれども、またご指導いただければありがたいと思います。よろしくお願いします。

 

滝沢座長

 よろしいでしょうか。ほかにご質問ございますか。

 湯谷さんから、どうぞ。

 

湯谷構成員

 長野県に2つほどお聞きします。市町村数が75ですか。それに対して簡易水道が254ということで、簡易水道の統合については、国庫補助もあり、結構進んできていると思いますが、同じ市町村内での簡易水道の統合があまり進んでないように思うのですが、これは何か理由があるのかというのが一つです。

 もう一つ、県の取組として、今後、水道ビジョンを策定して広域化の取組を進めていくということですが、これまでに何か具体的な取組をやってきたかどうか。その2点をお聞かせください。

 

長野県(小林課長補佐)

 私からお答えさせていただきます。

 1つの自治体の中に簡易水道、幾つも事業ございまして、28年度末に向けて統合は進めているのですけれども、山の中腹に集落が点在しているような状況で、なかなか統合が進んでいないという状況が実態でございます。

 もう一点、広域に向けての動きです。具体的に動き出しているのは、長野県水道ビジョンの策定に向けて、広域の用水事業とか事業体はあるのですけれども、長野県でも広域化等を検討していきたいというところで、まだまだ端緒についたところでございます。

 

湯谷構成員

 簡易水道の統合は、経営の一体化というのはどうなのでしょうか。

 

長野県(小林課長補佐)

 一部経営の一体化ということで統合しているところはございますが、どうしても数自体が多いので、実態として、254事業ということで残っているという状況でございます。

 

滝沢座長

 佐藤さん、どうぞ。

 

佐藤構成員

 埼玉県と京都府に質問いたします。

 まず埼玉県の説明の中では、スライド番号で14、秩父広域水道圏の状況説明の中で、たしか住民の反対運動があったという話があったかと思います。例えば水道料金かもしれませんけれども、これに対してどのような点が問題となって、誰がどのような役割を果たすことによって水道圏の広域化までこぎつけたのかどうか。需要者とのコミュニケーションの充実との観点から何かあれば、ご紹介いただければと思います。

 それから、京都府に対してはスライド3ページ、府営水道と受水市町の連携になります。歴史的には、全国どこでも用水供給事業と末端給水事業は必ずしも友好的な関係ではなかった。そうした中で、京都府は特に用水供給と末端給水は歴史的にも良好な関係ではなかったような時期もあったように伺っております。そのような歴史的な背景、あるいは最近における都道府県が水道事業をどのように位置づけて末端給水の役割を考えているのか、あるいは今後の将来展開を考えているのかについて、これまでの取組などについてご紹介いただければと思います。

 以上、2点です。

 

滝沢座長

 埼玉県からお願いします。

 

埼玉県(浅見副課長)

 一つの町で料金の安いところがありました。そこについては更新等が進んでいないので将来、料金がはね上がってしまうということがありました。もめた内容ですけれども、今はおいしい水を飲んでいるところで、秩父市から水を送って、いわゆる自分のところの水源はなくしてしまうという話がありました。今後もおいしい水を飲み続けたいので、秩父市からの水ではなくて自分のところで経営を続けてやっていったらいいのではないかという話があって、署名活動も進みました。議会が朝方までかかったのですけれども、賛成の議員が多かったということで、統合しようということにまとまりまして決着がついたというところでございます。

 

滝沢座長

 京都府の目貫さん、いかがでしょうか。

 

京都府(目貫課長)

 佐藤先生からもお話しありましたように、かつて京都府が受水町から裁判で基本水料を下げてほしいという訴訟がありました。勝訴したけれども、決して良好な関係でなかった時代はありました。

 最近といいますか、現状で申し上げますと、京都府の府営水道ビジョンの策定は平成25年3月に佐藤先生のご協力もいただいてとりまとめたのですけれども、受水市町も一緒にビジョンの策定にかかわり、一緒に府営水道の将来像についてとりまとめたというところが一つのきっかけになりました。次にビジョンの中間改訂も予定しておるのですけれども、どちらかというと、協調ムードといいますか、担当部長も管理者も当時からかわっていっていますので、新たに連携していこうという関係を築いております。

 水資源機構のダムから表流水を使っておりますので、どうしても水源費が高い。地下水のほうが割安だということで、自己水から府営水道への転換は進まなかったのですけれども、ちょうど更新のタイミングが来ております。次に同じ受水割合で施設を整備するよりも、府営水の場合は割賦金の支払いも終わりに近づいてきておりますし、料金が下がっていく傾向にございます。ちょうど下がっているのと、新しく施設をつくるのはどちらが受水市町の料金に影響するかというところを、タイミングとしては一番いいタイミングかなと思って、双方が情報を出し合って議論を始めたところでございます。

 用水供給と受水市町との関係、経営統合、垂直統合ということで申し上げますと、料金の改定を平成27年4月にやったのですけれども、答申をまとめるに際し府庁内でも垂直統合についての検討も始めなさいという指示が出ました。一方で、先ほどの論点にもありましたけれども、市町村水道の原則からして、それは府の仕事でないという意見もございました。

 その中で、一般的にいわれている統合のデメリットというよりも、京都府がやるべきかというところで入っていけなかったところもございますし、香川県は非常に熱心だとお伺いしておりますが、首長がどのように考えているかということと、法令上の位置づけをどうしていくかというところで、なかなかそこまで踏み込んで答申には位置づけられなかったという事情でございます。

 以上でございます。

 

滝沢座長

 ありがとうございます。

 ヒアリングはこれまでにいたしまして、本日のメーンテーマでございます基盤強化方策に盛り込むべき事項について、先ほどの資料1、2もございますし、今ご発表いただきました3つの府県の事例も参考にしながら、各構成員の皆様と、本日ご発表いただきました府県からも、もしご意見があれば、限られた時間ではございますけれども、お聞きしたいと思います。

 石井先生が少し早目にご退席とお聞きしていますので、まず石井先生からご意見をいただけますでしょうか。

 

石井構成員

 ありがとうございます。貴重なヒアリングの機会もいただき、また座長のご高配に感謝いたします。

 本日の資料1で水道事業の基盤強化方策に盛り込むべき事項の案でございますが、3府県からもお話がありましたように、共通項は大体出尽くしていると思います。本日はこの案をしっかりおまとめいただいて、基盤強化のために直面している課題はほとんど盛り込まれていると思います。

 ほかの公共事業では、国の責任とか都道府県の責任、あるいは市町村、事業者、利用者の責任ということで、ヨーロッパ方式などでは、公共事業の場合には、特にドイツは早くからそれぞれの責任分担というのを、特に公共事業の中でも鉄道とかそういったところで責任分担を明らかにして、法令によって関係者がそれぞれの責任を負っていきましょうというところを打ち出してきています。2年前の総務省の経営戦略でも、また、昨年度の広域化の報告書でもそれぞれの責任分担を初めて報告書の中で明らかにしていただきました。大変画期的だと思います。

 今回、水道事業の基盤強化の方策の中に、厚生労働省からもこういった形で各論の中で落とし込んでいただいて、それぞれがそれぞれの役割分担をしっかり果たしていく義務がありますよということを明らかにしていただいたのは大変すばらしいことだと思います。

 一方では、広域化の推進とか、今後の料金のあり方、また更新とか耐震化、規模の適正化といったところに関しては、問題点はしっかり把握していただいているのですけれども、もう一歩これを進めるために、国としても、厚生労働省としてもわかっているのですけれども、都道府県や事業体のもっと積極的なかかわりが必要ですよということで、あえて一歩引いたのではないかなというふうに、本日ご説明をいただいて思った次第です。他方、かゆいところに手が届くか、要するにかなり近くまで来ているのだけど、もう少し強制力をもってやっていただいたほうが、例えば埼玉県の場合には秩父の4市町村の中でもなかなか進まないというところ、県央というともっと難しいですよね。ほかのところもそうだと思います。

 ですから、強制力をもつために水道法の改正とか省政令で対応できるところがあれば、そちらのほうでも対応できるのですが、本法に関しても今回初めて市町村経営についても検討すべきだという画期的なところを打ち出していただきました。従って、検討だけですと、都道府県のアクションとしてはなかなか進まないのではないかなと思います。もう一歩、背中を押すような組織、例えば協議会とか、ほかの公益事業の中でも盛んに第三者機関がつくられつつあります。

 そういうところで、国と都道府県、事業体のそれぞれの思いを調整する、あるいは国の思いをもっとプッシュできるような仕組みが必要ではないかと、各都道府県のヒアリングや、いろいろなところでお聞きしています。皆さん同じ問題を抱えていて、もう少し強制力を持たせるとか、天の声を発してくださいという密かな声を我々も聞きます。

 ですから、そういうところで、座長にもお願いしたいのですけれども、そういう方向性をこの検討会でも出していただけると大変ありがたいと思います。よろしくお願いします。

 

滝沢座長

 ありがとうございます。強制力ないし背中を押す仕組みがもう少しあったほうがいいのではないかというご発言でした。

 湯谷さん。

 

湯谷構成員

 前回、突然大雪が降りまして欠席させていただきました。前回お話しできなかった部分も含めて、意見あるいは感じたことをお話しさせていただきたいと思っております。

 まず資料1で総論の部分。前回の検討会では中小事業体対策が論点とされ、議論されていたと思いますが、今回のとりまとめではその視点が欠けているのかなという気がしました。先ほど長野県のお話もありましたが、北海道もそうですけれども、特に簡易水道事業をこれからどうしていくのかというところが結構大きなところかと思います。

 資料の2ページに「水道事業は地方公営企業である」と記載されているのですが、地方公営企業法では必ずしもそうではなくて、簡易水道事業は地方公営企業法の適用を受ける部分もありますし、ならない部分もある。ただ、総務省では全てを適用させるような取組を進めていると聞いていますけれども、現段階で簡易水道事業が上水道事業と一括りにできるとの誤解を与えるのではないかということです。

 それと、広域連携のところです。今までは、新たな概念の広域化とか発展的広域化という言葉を使って理解していましたが、今回のとりまとめで広域連携という表現が出てきて、改めて新水道ビジョンを見てもはっきりした定義もないので、この辺を使うのであればイメージがわかるような説明が要るのかなというのと、ここでは人材確保のことしか書かれていないので、これだけなのかなというのがありました。

 それと、都道府県の機能強化ということで、これまでの検討会の議論でも都道府県の役割の重要性が議論されてきまして非常にわかるのですが、ここも実効性をもたせるためには法的な枠組みですとか財源の確保といったものがないと、例えばご紹介受けた埼玉県のようなところでは、県営水道もあって取組しやすいし、やっているところもあるのですが、先ほどの石井構成員からもありましたけれども、かけ声だけで本当に実効性が上がるのかなということが非常に感じます。

 それと、経営基盤強化のところで、先ほどいった人材確保とか都道府県の機能強化ということが書かれていますが、実際、広域化をどういうふうにやっていくのかというところがちょっと見えないのかなと。広域化が進まない要因は、この検討会でもいろいろ紹介されていますように、施設水準ですとか整備状況の格差あるいは料金の格差、あるいは統合するときの施設整備の財源がないといったことが要因ですから、ここを何とか解消するような方策、施策をやっていかないと、かけ声倒れになるのかなと思います。

 一つの方策としては法的な枠組みがあります。思いつきではありますが、水道法の第41条に合理化の勧告というのがありますが、あるにはあるにしても今まで運用されたことがないのでは。それは、その辺の判断が難しいことも一因ではないかと。一つの例として、合理化勧告の基準をつくるだとか、そういうことをすれば、強制策といいますか、効力はあると思いますので、今回提示のあった垂直統合は、場合によっては適用も可能かと感じております。

 もう一つは誘導策的なもので、例えば人の確保だとか協議会の設置とありますが、施策として、例えば、協議会の設置や人材派遣についてソフト事業として補助していくとか、少しでも取組をしやすくするような施策を打ち出していくといったことも必要かなと考えております。

 ちょっと長くなりましたけれども、以上でございます。

 

滝沢座長

 ありがとうございます。ほかにご意見はいかがでしょうか。

 府県の皆様のほうで、あらかじめご意見を準備されているようでしたら、ぜひともご発言いただきたいと思います。

 

浦上構成員

 今の湯谷構成員の中に人材確保についてお話しがありました。都道府県が旗を振るとか、既存事業者の中に技術、経験、知識が豊富な方がおられて、その方を活用するとか、そういうことも当然、この中に書かれているとおりかと思いますけれども、これから将来に向かって、今まで起こってこなかった不確定な、予測不可能な事態に果敢にアイデアを出して切り込んでいけるような人材がいないと、将来の水道事業をよりよい状態にもっていくことができないのではないかなということが認識としてありますので、広域連携の中に人材確保とか挙げられていますけれども、どこかに人材の育成とか、今までの規模の拡大期にあるような水道事業のあり方で必要とされた人材ではなくて、これからの維持管理とか、先ほどの簡易水道の事業の状況もいろいろご紹介いただきましたけれども、あれをどうしていくのかということを、誰も答えをもっていないような中で、そういったことをきちんと考えていっていただける人材をどう確保するのか。

 そういったところでの問題意識を中に、より課題として認識して、それをどうやって解決していくかという書きぶりにしていただきたいなというのが感想です。このままだと、枠組みとか仕組みというのはありますよということだけで、どうすればいいのというところが全く見えてこないので、どうすればいいのというのをきちんと考えていけるような人の育成といったところをぜひ表に出していただければなと思いました。

 以上です。

 

滝沢座長

 ありがとうございます。

 ほかにご意見はいかがでしょうか。

 古川さん。

 

古川構成員

 先ほど埼玉のお話の中にありましたけれども、ビジョンに掲げた計画どおりに進まないと。首長に説明しないといけないし、あとは事業者が水を使う需要者に説明をしないといけない。そこで詰まってしまっているような状況なので、今後、そこをどのようにするかというところが広域連携の課題だと思います。先ほど石井先生もお話しされましたけれども、厚生労働省なり県が次の事業体の中で進めるようなこと、例えば核となる事業者がいないという話もあったので、そういうところを何とか仕向けて、それが説明して考えてもらうような状況をつくらないと、大きな課題でとまってしまっているので、なかなか先へ進まないなという感想をもちました。

 以上です。

 

滝沢座長

 ありがとうございます。

 本日、皆様のご意見を全体的にお聞きして、もう一回、1月に開催いたしますので、そこで最終的なとりまとめということでございますので、鋭意ご発言をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

 阪口先生。

 

阪口構成員

 私も、これを読ませてもらって、石井先生と一緒で、今まで議論を尽くした内容を書いていただいていると思っています。ただ、これが実効性をどうもたせるのかなというのが一つ気になっています。

 かねてから出ていますように、大阪府の場合は大阪の企業団という中心になるところがありますので、そこにくっついていく事業統合やなしに経営統合。前もいっていましたけど、そこの人材を活用した統合しようと思ったら、そこにお任せです。しっかりしたところに、うちの事業をやってくださいという形で入っていくのが一番しやすいんですよ。事業統合で料金のことなんかいい出したら前へいきませんけど、「面倒みてください」「それなら、うちがみてあげます」という流れで攻めていくのだったら結構やっていけると思います。中心の核となるようなところは、そういう攻め方をしていくのが一番手っとり早いかなと思いますので、そういったものもどんどん進めてくださいよというときに、古川さんがおっしゃったように、中心になりそうなところにもっと頑張ってほしいみたいなことはいっていかないと、なかなかしんどい。

 それと、前もいいましたけど、面倒をみるほうも、負担をかけてまでは面倒みませんのでね。プラス要素は求めませんけど、マイナス要素があると、うちの場合でしたら、企業団であれば、42市町村の株主がおるわけです。「何で、あそこばっかりの企業に投資するの」ということになります。ですから、「うちの持ち出しはないですよ。ただ、交付金がついてくる。企業団の取り分は、うちはとりません。そっちに回します。しかし、ほかの団体にはマイナスにはしません」というたら、「それはしゃあないな」ということになります。そういったもっていきようが大事かなと思っていますので、よろしくお願いします。

 それと1点。都道府県のところで、交付金の手続をするに加えて、独自に水道事業に対しての財政支援を行う枠組みをつくる。これは国がそういった支援をしてあげるような枠をつくろうという話ですか。ここはどんなイメージかなと、聞きたいなと思っていました。

 

安里補佐

 ここは非常に難しいなと思いつつ書いているところです。まず、ここで書いているのは、国が補助事業をもっていますけれども、国だけでなくて県からも独自にお金がいくようなことがあるといいなというので書いています。ただ、それをするに当たって国が更に予算をつけるということは、我々も国の予算は引き続き確保していきたいという意欲はありますが、ここで何かができるといったお約束をすることはできないので、すみません、変な回答になっていますけど。

 

阪口構成員

 都道府県に財源があったら、基準内繰り入れできるような制度ですよと、金がなかったらできませんね。多分どこもしんどいと思いますけど、わかりました。

 

滝沢座長

 ありがとうございます。

 ほかのご意見、いかがでしょうか。

 浅見さん。

 

浅見構成員

 埼玉県は後でご提案があるとおっしゃっていたので、その前に恐縮です。いろいろお話を伺いまして、垂直統合のところもあれば、水平統合が向いているところもあれば、県の中で水質管理だけを応援しているようなところ、例えば奈良県ですとか、幾つかの市のところですとか、そういう事例もお伺いしておりまして、何らかの形で目が行き届くということを徹底できるという仕組みが非常に重要だなと思います。

 本日のお話で、行政的にはこれでもっと進めていただいたり、例えば担当者会議の回数をもっと密にしていただくとか、そういう実際的なところも含めて、どんどん進めていただけるといいなと思います。あと、県知事ですとか、市長のご協力をいただけるような仕組みも同時に考えていただけると、上からも攻めて、横からも攻めて、下からも攻めてという形で考えていただけるといいなと思います。よろしくお願いいたします。

 

滝沢座長

 埼玉県からご発言をお願いします。

 

埼玉県(浅見副課長)

 幾つかあります。7ページの「都道府県が独自に水道事業者に対し財政支援を行える枠組みを設けること」のところです。できる規定というお話も伺っていますが、お金を支出する話となりますので、枠組みの方策等を考える場合には、都道府県の財政部門の意見聴取などをしてみたらいかがでしょうかということです。

 8ページの「水道用水供給事業と水道事業の統合の推進」のところです。財政状況の悪い水道事業を用水供給事業で統合するようなケースは、用水供給側にメリットがあるような制度、補助金などが必要なのではないかと思います。また、水道法41条では2事業以上の合理化といっておりますが、交付金で補助が出る場合は3事業となっていますので、その辺の対策も必要なのではないかと思います。

 9ページの「アセットマネジメントの推進」のところです。アセットの実施とその結果を公表することにより、経営の実態が明らかとなり、料金値上げや広域化の必要性が住民にもみえてくるので、これはぜひともやっていただきたいと思っています。

10ページの「水道事業の運営状況に関する情報の公表」のところです。住民参加の水道事業にするためには基準外の繰り入れなどが必要となっている切迫した財政状況を公表することが必要であると思います。

 同じく10ページの「首長や事業管理者への情報伝達」のところです。県から首長に広域化の必要性について説明してほしいという要望は埼玉県でもあります。県としては、まずは事業者ごとのアセットと事業統合した場合を想定したアセットを実施してもらい、統合のメリットをしっかりと根拠づけした資料を作成し、それをもとに説明していかないと説得力に欠けると考えております。このため各事業者には年度当初からお願いしているところですけれども、実際にはなかなか取り組んでいただけないのが実情です。

 最後、12ページの「水道料金の適正化の促進」というところです。水道事業は独立採算制であるにもかかわらず、逆ざやでも一般会計が負担すれば料金値上げをせずにすんでしまい、内部留保金も確保できない会計の仕組みにも問題があるのではないかと思います。

 以上です。

 

滝沢座長

 ありがとうございます。

 ほかにご意見をいただきたいと思います。

 順番にどうぞ。

 

友岡構成員

 全体的な話で恐縮です。次回が最終段階ということで、あえてこの時点で指摘をしておきます。

 全体の今回の事項ですね、ご提出いただいた資料1に関して、利用者の視点というところがインパクトとして若干弱いかなという気がしました。文言の入れ方はいろいろあると思いますけれども、事業者がどういうふうに統廃合するか、それが広域的な連携という形で実現するか。それはよくわかりますけれども、その具体策がここに書いているという視点ですが、例えば利用者にとって合理的な料金という形で、今回は高過ぎないという表現が、そういう趣旨なのかなというふうに、12ページに出ていますけれども、事業者の立場と利用者の立場はそれぞれ利害関係がどこかで調整しあわないといけないというところがあるから、そういった意味で、もう少し利用者の視点も含めて、それが利用者のためにもなるのですよという全体の目的を、もう少しインパクトのあるように表現を加筆修正等していただければなと思います。

 なお、恐れ入りますが、高過ぎないという表現は主観が入ると思うので、これは何といえるかわかりませんが、利用者にとって合理性のある適正な料金みたいな感じで、そこら辺はもう少し上手にしていただければなと、これは個人的な意見です。

 以上です。

 

滝沢座長

 ありがとうございます。

 ほかにご意見、いかがでしょうか。

 目貫さん、いかがですか。

 

京都府(目貫課長)

 時間もないなので、2点ほどお願いします。

 京都府は、まだおくれておりまして、京都府水道ビジョンを策定していないのですけれども、簡水統合後の京都府の将来像を見据えまして、平成28年度から着手しようと考えております。ただ、京都府庁内での予算であるとか定員要求の査定の中で、ビジョンの必要性であるとか、水道行政における府の役割・実現というものを当局から問われております。そこは法的な部分がありませんので国の水道ビジョンで説明していますけれども、今後、中小の水道事業者を支えていく仕組みづくりということでいけば、一定の都道府県の権限を法的に整理していただけると、仕事がしやすいのかなというのが1点でございます。

 2点目に、余り実害は出ていないのですが、12ページに事業規模が縮小した場合、京都府の用水供給も事業規模、実際の施設能力が減少しておるのですけれども、広域的水道整備計画の認可をいただいた水量にしているのですが、地方公営企業法上で条例で公営企業を設置するときに、事業の規模も条例で規定することになっております。地方公営企業法の逐条を読みますと、各企業の経営方針に当たるものだということで、条例準則で施設規模であるとか給水人口を明記するように総務省が示しています。

 実際には、施設能力が下がっているにもかかわらず、認可の水量が下がっていない。実害が出ているわけではありませんけれども、法の趣旨からすると、企業の経営方針に当たるという点ではちょっとずれているのかなという点がありますので、このあたりは整理が必要かなと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。

 

滝沢座長

 ありがとうございました。

 長野県の小池様、小林様、ご意見いかがでしょうか。

 

長野県(小林課長補佐)

 今回、見させていただいて、これからビジョンを策定して、その後、実際に連携方策等、具体的な議論を進めていったり、実行方法を検討していくに当たって、都道府県の機能強化策として示されている枠組みはありがたい話だと思っております。

 ただ、先ほどもちょっとお話し出たのですけれども、都道府県によります独自の財政支援については、現在、長野県では災害時の国庫補助の対象外の施設に対する県費の単独補助はあるのですけれども、それ以外の補助事業等については、県単独での補助事業は財政状況等を考慮すると、新たな枠組みを設けるのはなかなか難しいなと考えております。

 また、人員の関係です。水道専任職員の都道府県平均が4名であるということで伺っているところですけれども、長野県は3名しかいない状況で、今回の基盤強化策の中で都道府県の権限や機能強化が求められていった際に、どこまで対応できるかというのが心配をしているところでございます。

 以上です。

 

滝沢座長

 ありがとうございます。

 まだご発言されていない先生、いかがですか。

 

佐藤構成員

 本日の基盤強化方策に盛り込むべき事項の資料について、批判したいところもないわけではありませんけれども、歴史的にみると、非常に力強い資料が出てきたなというのが私の印象です。昭和32年の水道法から始まる法令からすると、本日の資料、各論では関係法令の何条をどうするかいうことは明確に書かれておりませんけれども、それが透けてみえるような書きぶりになっている。そうすると、これは非常に力強い転換点が込められた資料ではなかろうかと私は理解しました。

 例えば8ページ、水道用水供給事業と水道事業統合の推進などとして、用水供給事業は役割を終えたという記載があります。これまでにも用水供給事業の位置づけ、広域化の位置づけはいろいろありましたけれども、用水確保型であるということをもって広域化という定義をしてきたと思いますが、この書きぶりをみると、いよいよ日本も経営再編成型の広域化というふうに書かれているように思われる。

 あるいは、9ページでしょうか、市町村経営原則からの都道府県への位置づけの見直しということになります。ここにしましても、この検討会で皆さんから意見がいろいろ出ていたとおり、それを反映しながらも、広く日本の水道事業は公営企業として、一方で独立採算制という企業体でありながら、他方では地方自治の一翼を担うといった観点から、地方自治の本旨を生かした形で、しかも民主的統制を維持する観点から公営水道の位置づけを見直していこうという点も、コメントするに値するような力強い部分が含まれているのではなかろうかと思います。

 そのほか、12ページ、13ページですとか、水道料金にしましても、資産維持費に関する公的見解の提示として、これまでは法的裏づけのない日本水道協会がとりまとめた報告をもって日本では水道料金を算定したわけですが、公的な見解が示されることによって、一層実務上の後押しをする。そして、法的根拠が明確になるという観点からは、従来以上に水道料金の適正化が進むのではなかろうかと思います。

 そのほか幾つかコメントしたいところはありますけれども、いずれにしても、私自身は本日の盛り込むべき資料を前提にしながら、さらにブラッシュアップをしていけば持続可能な水道の展開への途が見えてくるのではなかろうかと思います。

 以上です。

 

滝沢座長

 ありがとうございます。

 時間がかなり迫ってきましたけれども、最後にご発言なさりたい点があれば、お聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 よろしゅうございますか。本日の資料ですけれども、佐藤さんのご発言もありましたが、細かい点にはいろいろあるかと思いますので、本日言い足りなかったこと、あるいはお気づきになった点が追加でございましたら、1月8日の金曜日までに事務局にご連絡をいただきたい。次回の会議に間に合うようにご意見をいただければ、次回の会議の議題とさせていただくということでございますので、1月8日金曜日までに厚生労働省の事務局にご連絡をいただければと思います。

 皆様のご協力で、ほぼ定刻にて終了することができそうでございます。本日の議論を踏まえまして、次回は中間とりまとめの最終案ということでお出しいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 本日の議事はこれにて終了いたしましたので、進行を事務局にお返ししたいと思います。よろしくお願いします。

 

久保補佐

 本日も活発なご議論をありがとうございました。座長の滝沢先生からもお話しありましたとおり、本日もたくさんの貴重なご意見をいただいたところでございますが、まだ言い足りない、そういえば、こんな意見もあったというのがございましたら、年末年始を挟んで恐縮ではございますが、1月の第1週、8日までにメール等でご提出いただければと思います。

 次回の検討会は1月22日、14時からとなっておりますので、またよろしくお願いいたします。次回で中間とりまとめを行っていただきたいと考えております。

 それから、前回までと同様ですが、本日の議事録については出席者の皆様にご確認をいただいた上で、ホームページで公開という運びにしたいと思います。

 以上をもちまして、第5回の検討会を閉会したいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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