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2015年9月11日 第226回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成27年9月11日(金)17:00〜19:00


○場所

東京都千代田区霞が関1−2−2 中央合同庁舎第5号館
職業安定局第1・2会議室(12階)


○出席者

(公益代表)橋本委員、松浦委員、竹内専門委員
(労働者代表)清水委員、新谷委員、柴田オブザーバー
(使用者代表)秋山委員、小林委員、高橋委員、安達オブザーバー、大原オブザーバー

事務局

坂口派遣・有期労働対策部長、富田需給調整事業課長
岩野派遣・請負労働企画官、戸ヶ崎主任指導官
木本需給調整事業課長補佐、綾需給調整事業課長補佐

○議題

(1)労働者派遣法改正法の施行等について

○議事

○橋本部会長代理 ただいまから、第 226 回「労働力需給制度部会」を開催いたします。本日は、鎌田部会長が欠席ですので、部会長代理の私が代わりに議事を進行させていただきます。本日の出欠状況は、公益代表の鎌田部会長と阿部専門委員、労働者代表の石黒委員、宮本オブザーバーが所用により欠席です。

 本日は、「労働者派遣法改正法の施行等について」について、公開で御審議いただきます。議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。御協力をお願いします。議事に先立ち、オブザーバーの交代に関し、事務局から説明をお願いします。

○綾補佐 今回の労働者派遣制度の在り方の審議に際し、労働者と使用者代表のオブザーバーに参加いただくこととしています。今回、人事異動等に伴い、このメンバーについて交代させていただけないかと考えています。具体的には、労働者代表の情報産業労働組合連合会の春木様の後任として同連合会書記長の柴田謙司様に、また使用者代表のランスタッド株式会社の青木様の後任として株式会社ジャパンクリエイトグループ常務取締役の安達信也様を考えています。

○橋本部会長代理 今回の政省令案等の審議に当たっては、ただいまの事務局の説明のとおりとすることでよろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○橋本部会長代理 それでは、柴田様と安達様には席の移動をお願いします。

                           ( 柴田様、安達様席を移動 )

○橋本部会長代理 本日の議事に移ります。まず議題の「労働者派遣法改正法の施行等について」について、坂口部長及び事務局からの説明の後、御質問等を頂きます。坂口部長から説明をお願いします。

○坂口部長 派遣・有期労働対策部長の坂口です。本日の需給制度部会は急遽の御案内になりましたが、このように御参集いただきまして厚く御礼申し上げます。労働者派遣法の改正については、当部会において、昨年来、非常に熱心に御議論いただき、昨年 1 月末には建議をおまとめいただき、その建議に沿って法案要綱を取りまとめて御審議いただいて、 2 月末には労政審のほうで答申を頂戴いたしました。

 私どもとしてはその答申に基づいて、昨年の通常国会に改正法案を提出させていただきましたが廃案、それから秋の臨時国会でも廃案ということで、二度の廃案を経て、今通常国会に再度提出させていただきました。審議経過については後ほど御説明させていただきますが、衆議院、参議院で御審議いただきました。参議院のほうで、施行期日を 9 30 日とするということも含めた修正がなされた上での可決を経て、本日の昼に衆議院の本会議があり、そちらのほうで再度回付がなされ、可決・成立しました。

 また、参議院の審議の過程では、厚生労働委員会において、附帯決議も付されています。こういう審議の過程を経て、本日の昼に改正法案が成立しました。先ほど、部会長代理から本日の部会の議題を御紹介いただきましたように、「労働者派遣法改正法の施行等について」ということで、本日より御審議をお願いするということです。先ほど申し上げたとおり、施行日が 9 30 日ということですので、非常に短期間で集中的な御審議をお願いすることになりますけれども、なにとぞ御理解、御協力をお願い申し上げます。詳細については補佐から御説明させていただきます。

○綾補佐 まず、資料の御確認をお願いいたします。本議題のために、事務局から資料を 3 種類、また参考資料を 8 種類用意しています。過不足等がありましたら、事務局までお申し付けください。

 部長からは、審議経緯等について簡単に報告がありましたけれども、私からは詳細を報告させていただきます。労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律の国会における審議経緯です。この法律については、平成 24 年法改正時における、衆議院、参議院の厚生労働委員会における附帯決議を踏まえ、本部会の審議の上、昨年 1 29 日に取りまとめられた建議「労働者派遣制度の改正について」に基づき策定されたものです。本年 3 月にも、本部会に御報告いたしましたとおり、昨年の通常国会及び臨時国会に提出いたしましたが廃案となり、本年 1 30 日の与党政調会長間の合意を踏まえた修正を行った上で、第 189 回通常国会に、予算費関連法案として 3 13 日に提出されました。

 衆議院厚生労働委員会での質疑及び参考人質疑の後、採決を経て、 6 19 日の衆議院本会議で可決され、参議院に送付されました。参議院厚生労働委員会での趣旨説明の上、質疑、参考人質疑及び地方公聴会を経て、 9 8 日に施行日等の修正が行われた上で可決されました。さらに 9 9 日の参議院本会議で可決されましたけれども、国会法第八三条の規定、すなわち「乙議院において甲議院の送付案を修正したときは、これを甲議院に回付する」という規定があります。この規定に基づき、 9 11 日の衆議院本会議で再度可決・成立いたしました。本日です。

 参考資料 1 は法律の概要等ですけれども、労働者派遣事業の許可基準などは省令や告示に委任されています。

 参考資料 2 は、参議院での修正の概要です。簡単に御説明いたしますと、施行日を「 9 1 日」から「 9 30 日」に修正したほか、 3 点の修正がなされていますので、順に御説明いたします。

 付けているのは修正案の要綱です。内容においては 3 点あります。 1 点目は、事業所単位の派遣可能期間の延長に係る意見聴取に係るものです。意見聴取は誠実に行わなければならず、特に再度の異議あった場合は、当該意見を尊重し、対応策を検討し、丁寧に説明しなければならないということを求めることとされています。 2 点目は、雇用安定措置に係るものです。派遣元の管理台帳に雇用安定措置の実施状況を記載するとされているものです。 3 点目は、労働契約申込みみなし制度に係るものです。派遣元が派遣開始の際、これは派遣先から抵触日の延長の通知を受けたときを含むものですけれども、派遣労働者に明示する抵触日を超えた派遣就業がみなし制度の対象となることについて、併せて明示するよう措置することなどを求めることとされています。

 今の説明で、私は順番を間違えてしまいました。この要綱によると、派遣元管理台帳に係る修正が 1 番目、 2 番目は派遣可能期間を延長しようとする場合の意見聴取等に係る修正、 3 番目は労働契約申込みみなし制度の関連です。就業条件等の明示に係る修正ということです。失礼いたしました。

 参考資料 3 は、参議院厚生労働委員会の附帯決議です。適宜御参照いただければと思います。中身は多岐にわたっていて、運用についての留意点、将来の検討に関する事項などです。いずれもその趣旨を尊重するということですけれども、本日は政省令・告示の制定に向けた御議論をお願いしたいと考えておりますので、関連部分は後ほど御説明いたしますが、資料 2 に抜粋していますので、その中で御説明させていただきます。

 参考資料 4 は、「労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案要綱」で、参考資料 5 はその修正内容です。これについては議員立法として提出され、衆議院での修正を経て、 9 9 日の参議院本会議で可決・成立したものです。

 簡単に御紹介いたします。この法律については、労働者の職務に応じた待遇の確保等を目的としているものです。特に第六条第二項においては、「政府は、派遣労働者の置かれている状況に鑑み、派遣労働者について、派遣元事業主及び派遣先に対し、派遣労働者の賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇についての規制等の措置を講ずることにより、派遣先に雇用される労働者との間においてその業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度その他の事情に応じた均等な待遇及び均衡のとれた待遇の実現を図るものとし、この法律の施行後、 3 年以内に法制上の措置を含む必要な措置を講ずるとともに、当該措置の実施状況を勘案し、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるものとする」とされています。

 参考資料 6 は、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律に係る参議院厚生労働委員会における附帯決議を添付しています。審議経緯等の説明は以上です。本日御議論いただく資料については、木本補佐から説明いたします。

○新谷委員 資料の説明を頂いている途中なのですが、ちょっと早すぎるのです。今初めて見る資料ばかりです。それを参考資料幾つで幾つでと読み上げられても追い着かないです。あわてる気持ちも分かるけれども、十分な審議の時間を取っていただきたいと思うので、もう少し丁寧に説明していただけませんか。

○綾補佐 そのように努めさせていただきます。大変失礼いたしました。

○橋本部会長代理 それではお願いします。

○木本補佐 資料 1 から資料 3 について御説明いたします。資料 1 は、「改正法又は労働政策審議会建議に盛り込まれた省令又は指針事項について」です。こちらの資料は、今回の法改正を受けて、省令又は指針で定める必要のある事項がどの程度あるのかについて、参考として大きく 3 つのカテゴリーに機械的に分類し、一覧にしたものです。

3 つの観点にカテゴライズされています。 1 つ目は、改正法による法律の被改正部分において省令で定めると書かれているものが 26 か所です。 3 ページで 2 つ目のカテゴリーとして、「労働政策審議会の建議で示された事項のうち省令において定めることとされた事項」、 1 番に該当するものを除き、残り 6 項目となります。 3 つ目のカテゴリーは、「労働政策審議の建議で示された事項のうち指針において定めることとされた事項」ということで 9 項目です。こういう 3 つの観点で分類したものですが、時間の都合もありますので、こちらの資料の内容については説明を省略させていただきます。

 資料 2 は、「政省令告示事項について」です。 1 つ目は「労働政策審議会の建議」、 2 つ目は「法案審議における国会の答弁」、 3 つ目は「附帯決議」の 3 つの内容について、政令・省令・告示の改法令で定める必要があるものについて、どのレベルで定めるのかについて項目ごとに整理したものです。内容が多岐にわたりますので、適宜抜粋しながら御説明いたします。

1 ページで、「期間制限総論」です。建議の内容です。期間制限の中で、制度見直しの時点で現に行われている 26 業務への派遣については、経過措置を設けることが適当と書かれています。こちらについては、法律の中で既に規定はありますが、政令においても一定の経過措置を定めることを想定しています。政令の中身は次に御説明いたしますので、今の段階では省略させていただきます。

2 ページは、「個人単位の期間制限」です。個人単位の期間制限の内容として、建議の内容を記載しています。下線を引いた部分が省令や告示で定めなければいけないものと考えています。 1 つ目の「継続して」という所は、クーリング期間というものがありますが、その継続という概念はどういうものなのかを、例えば派遣先の指針の中で定めていく必要があるというものです。

 下のほうで「組織単位」です。「業務のまとまりがあり、かつ、その長が業務の配分及び労務管理上の指揮監督権限を有する単位として派遣契約上明確にしたものとする」とされています。こういう内容を、省令の中できちんと定めていきます。

 加えて下に附帯決議を書いています。附帯決議の中では、「クーリング期間経過後、派遣労働者の意向に反し、再び同一の組織単位の業務に派遣することは派遣労働者のキャリアアップの観点から望ましくない旨を派遣元指針に規定すること」とされています。こういう内容を踏まえ、指針での対応も必要かと考えています。

3 ページは、「雇用安定措置」の関連です。下線の部分ですが、 (3) 雇用安定措置について、派遣元事業主は、 (2) 個人単位の期間制限の上限に達する派遣労働者に対して、派遣労働者が引き続き就業することを希望する場合は、以下の措置のいずれかを講ずるものとするとされています。「措置を講ずる場合」ということで、この下線部の派遣労働者が引き続き就業することを希望する場合などを定めていくことになっています。

 マル4、「その他安定した雇用の継続が確実に図られると認められる措置」ということで、この措置の具体例を省令で定めていくことが考えられるということです。

 下のほうで、国会の政府答弁についても少し触れさせていただきます。例えば「雇用安定措置の 4 つの措置」ということで、大臣が答弁されている内容です。どの措置を講ずるかということで、希望する措置を確認することが望ましいということを指針において規定する旨を、国会で答弁されておりますので、こういうものを踏まえて対応していかないといけないと考えています。

4 ページでもう 1 例説明させていただきます。「雇用安定措置の内容」ということで、山本副大臣の答弁があります。例えば新たな派遣先の提供について、派遣労働者の能力や、またそれ以前の就業状況等に照らして合理的なものでなければならない、という答弁をしています。法律の中で「合理的」というものが規定されておりますが、その内容を省令で定めていくことを考えています。答弁については長くなりますので少し省略させていただきます。

6 ページで、「雇用安定措置」についても附帯決議が 3 つ付いていますので、具体的に御説明いたします。一番上ですが、雇用安定措置のうちいずれの措置を講ずるかについては、派遣労働者の意向を尊重することが重要である旨、特に派遣労働者が派遣先への直接雇用を望んでいる場合には直接雇用につながる措置をとることが望ましい旨、及びキャリア・コンサルティングや労働契約の更新の際の面談等の機会を通じてあらかじめ派遣労働者の意向を確認して、早期に雇用安定措置の履行に着手すべきである旨を派遣元指針に規定する。

2 つ目は、雇用安定措置の真に実効性ある実施により、労働契約法第十八条の無期転換申込権を得ることのできる派遣労働者を拡大することが、派遣労働の中では比較的安定的な無期雇用派遣労働者への転換を望む派遣労働者の希望をかなえることにつながることから、改めて同法第十八条の立法趣旨を派遣元事業主に周知徹底するとともに、その適用を意図的・恣意的に逃れる行為は同法第十八条の観点から脱法行為である旨を派遣元指針に規定する。

3 つ目は、派遣元事業主が繰り返し派遣期間 3 年直前で派遣就業を終了させ、又は意図的に 3 年見込みに達しないように派遣契約を調整することによって、雇用安定措置の義務逃れをするというようなことは、雇用安定措置の立法趣旨に反する旨を派遣元指針に規定する。こういうものが附帯決議として付されています。

7 ページは、期間制限の関連です。派遣先は上記 (2) 、これは個人単位の期間制限ですが、期間制限の上限に達する派遣労働者について、派遣元事業主からマル1、これは雇用安定措置の中の 1 つですが、直接雇用の依頼があった場合であって、当該派遣労働者を受け入れていた事業所で従事させるために労働者を募集するときには、当該情報を当該派遣労働者に周知するものとするとなっています。周知する場合として、下線部のような派遣元事業主から、雇用安定措置として直接雇用の依頼があった場合というものを、省令の中で定めていく形になっています。

 下にあるように、派遣先は、 1 年以上継続して同一の組織単位に派遣された派遣労働者について、派遣元事業主から直接雇用の依頼があった場合であって、当該派遣労働者が従事していた業務と同一の業務に従事させるため労働者を雇用しようとするときは、その派遣労働者に対して労働契約の申込みをするように努めるものとする。こういう努力義務が発生する要件として直接雇用の依頼があった場合を定めていくという内容になっています。

8 ページは「事業所単位の期間制限」に係る建議の内容です。先ほど個人単位のほうでもありましたが、期間制限における「継続」という概念を指針で定めていくことが必要になってくるということです。これについても附帯決議が付いています。派遣可能期間の延長手続を回避することを目的として、クーリング期間を置いて再度派遣労働者の受入れを再開するような、実質的に派遣労働の受入れを継続する行為は、過半数労働組合等からの意見を聴取しなければ 3 年を超えて派遣労働者を受け入れてはならないとした立法趣旨に反する旨を派遣先指針に規定することとされています。

9 ページも、期間制限の関連です。過半数組合等からの意見聴取に当たって、派遣先は当該事業所における派遣労働者の受入開始時からの派遣労働者数と無期雇用労働者数の推移に関する資料等、意見聴取の参考となる資料を過半数組合等に提供することを指針で定めていかなければいけないことになっています。これに関しても附帯決議が付いています。過半数労働組合等からの意見聴取手続の適正かつ効果的な運用が、常用代替防止のために重要な役割を果たすことに鑑み、過半数労働組合等が的確な意見を述べられるよう、事業所全体で受け入れた派遣労働者数の推移のほか、過半数労働組合からの求めに応じ、部署ごとの派遣労働者数及び派遣受入れ期間等の情報が派遣先から提供されることが望ましいという旨を派遣先指針に規定することが付されています。

10 ページも期間制限の関係です。過半数代表者については、管理監督者以外の者とし、投票、挙手等の民主的な方法による手続により選出された者とする。こういう手続の規定を省令で定める必要があるということです。こちらについても附帯決議が付いています。労働者が過半数代表者であること、若しくは過半数代表者になろうとしたこと、又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として、不利益な取扱いをしてはならないことを省令で定めることが付されています。

11 ページも意見聴取の関連です。過半数組合等が、現在の状況を是正すべきとの意見を表明した場合に、派遣先は当該意見への対応を検討して、一定期間内に過半数組合に対して対応方針等を説明することになっています。説明する内容として、対応方針などを省令で定めることになっています。

12 ページに国会での答弁がありますので、例示として 1 つ御説明いたします。大臣の答弁ですが、今回の改正案では、過半数労働組合等からの意見聴取に際し、派遣先に対して反対意見があったときということで、下線部に飛びますが、再度の延長時、これは一度延長した後にもう一度延長する際のことですが、その際にも反対意見があったときの対応については、何らかの方策が考えられないか検討してまいりたいということを答弁されています。

 そういうことを踏まえて附帯決議が 2 つ付いています。意見聴取手続において、過半数労働組合等から反対意見が述べられた場合、派遣先は十分その意見を尊重するよう努めるべきであり、当該意見への対応方針を説明するに際しては、当該意見を勘案し、労働者派遣の役務の提供の受入れについて再検討を加えること等により、過半数労働組合の意見を十分に尊重するよう努めるべき旨を派遣先指針に規定する。 2 回目以降の延長に関する意見聴取において、再度反対意見が述べられた場合については、当該意見を十分に尊重し、受入れ人数の削減等の対応方針をとることを検討し、その結論をより一層丁寧に説明しなければならない旨を派遣先指針に明記するというものです。

13 ページも、意見聴取の手続の部分です。派遣先は、意見聴取及び対応方針等の説明の内容についての記録を一定期間保存するとともに、派遣先の事業所において周知するものとすることになっています。こちらも手続の省令で規定していく必要があるということです。

14 ページは、労働契約申込みみなし制度の関連で国会答弁がありましたので一例を挙げさせていただきます。 1 つ目の「記録の保存の義務違反」については、労働契約申込みみなし制度の対象としない。下のほうで、過半数代表者が適切に選出されていない場合のような、意見聴取を行っていないものと同視し得るような重大な手続違反については、 10 1 日より施行される労働契約申込みみなし制度の適用対象となる。こういう答弁をしています。これを踏まえて附帯決議があり、意見を聴取した過半数代表者が、民主的な方法により選出されたものでない場合については、事実上意見聴取が行われていないものと同視し、労働契約申込みみなし制度の対象とすること、ということが付されています。

15 ページも、意見聴取の手続です。派遣先による過半数代表者への不利益取扱いを禁止する、というものを省令で定める必要がある。続いては、期間制限の対象外になる者です。 60 歳以上の高齢者は法律上規定されておりませんので、それを省令で定める必要があるということです。

16 ページは、派遣元事業主は、無期雇用の派遣労働者を派遣契約の終了のみをもって解雇してはならないことを指針に規定するということが建議にあります。国会での答弁では、無期雇用だけではなく、有期雇用の場合も、派遣切りの場合に労働契約を切ってはいけないと併せて書き込んでいただけるとよろしいですねということに対して、大臣からの答弁は「検討したいと思います」ということです。それを踏まえて附帯決議が 2 つあります。無期雇用派遣労働者を、派遣契約の終了のみを理由として解雇してはならない旨、派遣元指針及び許可基準に規定すること。 2 つ目は、有期雇用派遣労働者についても、派遣契約終了時に労働契約が存続している派遣労働者については、派遣契約の終了のみを理由として解雇してはならない旨を派遣元指針に明記することが付されています。

17 ページは、「派遣先の責任について」という項目の部分で、派遣先が適切かつ迅速な処理を図るべき苦情の内容として、派遣先におけるセクハラ・パワハラ等を指針に例示する。あるいは、派遣先が苦情処理を行うに際しては、派遣先の使用者性に関する代表的な裁判例や、中労委命令に留意することを指針に規定するということが建議に書かれています。これを踏まえて、附帯決議も同内容のものが付されています。

18 ページは、賃金に対する「均衡待遇の推進」の所で、派遣先は派遣元事業主の求めに応じて、派遣元事業主に対して、派遣労働者と同種の業務に従事する労働者の賃金に係る情報提供等の適切な措置を講ずるよう配慮することになっています。この具体的な措置を省令で定めていく必要があります。

19 ページは、賃金に対する均衡待遇の推進の続きです。以下の内容を指針に規定することが適当ということで何個か規定されていますが、 1 つだけ御説明いたします。派遣先は、派遣料金を決定する際に、就業の実態や労働市場の状況等を勘案し、派遣される労働者の賃金水準が、派遣先の同種の業務に従事する労働者の賃金水準と均衡が図られたものとなるよう努めるものとする。こういう内容について、指針に規定していく必要がある。附帯決議についても、同趣旨の内容が書かれています。

20 ページは、教育訓練の均衡待遇ということで、派遣先にも教育訓練の配慮義務が今回規定されています。その場合、「一定の場合を除き」ということになっていて、その具体的な内容を省令で規定していく必要があるということです。下で、福利厚生施設の均衡待遇ということで、派遣先に福利厚生施設の配慮義務が今回課されます。その一定の福利厚生施設は具体的にどういうものかを、省令で定める必要があるというものです。

21 ページは「均衡待遇の推進」で、派遣元事業主の責務です。派遣労働者の均衡を考慮した待遇の確保の際に配慮した内容について、派遣労働者の求めに応じて説明するものとなっています。これに関連して附帯決議が付いています。派遣労働者が、待遇に関する事項等の説明を求めたことを理由として、不利益な取扱いをしないようにしなければならない旨を派遣元指針で規定することとされています。

 下で、「労働・社会保険の適用促進」ということで何個かありますので、一例だけ挙げさせていただきます。派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする者に対し、労働契約の締結の際に、労働・社会保険の加入資格の有無を明示するものとする。こういう内容を省令で定めていく必要があるということです。

22 ページは「キャリアアップ措置」ということで、派遣元事業主に計画的な教育訓練の実施や、キャリア・コンサルティングの実施が義務付けられることになっています。それに関する政府答弁として真ん中です。教育訓練に関しては、有給・無償でなければならない旨を指針に書き込む旨の答弁をしています。教育訓練に関しても附帯決議が 2 つ付いています。 1 つ目は、派遣元事業主に義務付けられる教育訓練の内容について、派遣元事業主は、派遣労働者に周知するよう努めるべき旨を周知し、インターネット等により関係者に対して情報提供することが望ましい旨を派遣元指針に規定する。 2 つ目は、派遣元事業主に義務付けられる教育訓練以外の教育訓練については、派遣労働者のキャリアアップのために自主的に実施すること、また、派遣者の負担は実費程度として受講しやすくすることが望ましいという旨を派遣元指針に規定する、といったものが付されています。

23 ページで建議の内容です。キャリアアップ措置の関連で、労働者派遣事業の許可・更新要件に「派遣労働者へのキャリア形成支援制度を有すること」を追加する。また、キャリア形成支援の具体的な在り方について指針に規定する。こういう内容を踏まえて対応が必要であると考えています。

24 ページは、キャリアアップ措置について、その取組について労働者派遣事業報告により把握することが適当とされています。こういう内容を踏まえて対応することが必要と考えています。真ん中で、国会答弁について御説明いたします。下線部の所ですが、派遣会社において、派遣労働者に関する情報をこれまでよりもより長期間保存し、雇用管理に役立てることが望ましい。そういう旨を派遣元指針に規定する。下で、キャリアアップ措置については、派遣元管理台帳及び事業報告にしっかりと記載するということを国会で答弁しています。

 関連の附帯決議ですが、キャリアアップ措置については、長期的・継続的に行う必要があるため、派遣元事業主が、派遣労働者に関する情報を中長期的に管理する体制を整備することを求めるとされています。

25 ページは「紹介予定派遣の推進」ということで、建議の中で派遣元事業主が紹介事業の許可を申請する際の手続の簡素化を進めるとされています。これを踏まえた対応が必要だと考えています。下で、関係者間でのトラブルの発生を未然に防ぐ観点から、派遣先が派遣契約の終了直後に、今まで受け入れていた派遣労働者を直接雇用しようとする際の取扱いについて契約に定めるものと建議で書かれていますので、こういう対応が必要になってきます。附帯決議についても、それと同趣旨の内容が書かれています。

26 ページは「平成 24 年改正法について」ということで、日雇派遣の原則禁止について、現在の年収要件を見直す。また、教育訓練を十分に受けていない労働者が日雇派遣に従事することによる労働災害の発生を防ぐこと、について対応が必要となっています。これに関連して、健康管理に関して国会での答弁が下にあります。更に連携を充実強化するために、健康診断や面接指導の結果について、しっかりとそれを踏まえて、派遣元が就業上の措置を講ずる場合に、必要に応じて派遣先が協力すべきことなどについて、派遣元、派遣先にしっかりと求めていくと答弁されています。

28 ページは、平成 24 年改正の続きです。日雇派遣の原則禁止の例外である、いわゆる 17.5 業務について、引き続き政令に規定するとされていますので、これを踏まえた政令の対応が必要ということです。

29 ページです。派遣元事業主に関して、派遣元責任者の要件として、派遣元責任者講習の受講を規定するといった対応が必要になるということです。

30 ページ以降は、建議に直接記載はありませんけれども、省令や告示で対応する必要があると考えている項目を記載しています。 1 つ目は「マージン率の公表の在り方について」です。真ん中の国会における政府答弁ですが、今は必ずしもホームページで全部見られるわけではないので、今後インターネットによって公表を原則とすることを派遣元指針に盛り込むと答弁されています。これを踏まえ、附帯決議でも同趣旨の内容のことが付されています。

31 ページは、「無期雇用派遣労働者を募集する際の表現について」の政府答弁です。無期雇用派遣労働者を募集する際は、「無期雇用派遣」という言葉を使用し、「正社員」という言葉を改正法の施行後は使用しないこととする旨を派遣元指針に規定し、指針に基づいた指導を行っていく旨を答弁しています。

 最後は「変更の届出」です。こちらは、平成 25 年の総務省からの勧告として、登記事項証明書を添付書類とする事業に関する変更届について、変更登記の期限を考慮した提出期限とするように検討することという勧告が出されていますので、こういうものを踏まえた対応が必要だということです。長くなりましたが、資料 2 は以上です。

 最後に資料 3 です。こちらは、現時点で考えている政令案の内容についてです。大きく 2 つあります。第一として、施行令の一部改正です。その内容に関しては施行令第五条に規定する業務を削除する。施行令第五条というのは 26 業務のことですので、その規定を削除するということです。

 第二は経過措置です。経過措置は何個かありますが、一は「労働者派遣事業の許可に関する経過措置」です。内容については、施行日よりも前に一般労働者派遣事業の許可の申請をした者の当該申請に係る許可の基準については、なお従前の例によることとする経過措置です。

 二は、「労働者派遣事業の許可の有効期間の更新に関する経過措置」です。 1 として、改正法施行の際、現にされている一般労働者派遣事業の有効期間の更新の申請です。これについては、労働者派遣事法の改正後の更新の申請とみなすものとするという経過措置を置いています。 2 は、その更新に関する基準については、なお従前の例によるものとする。

 三は、「労働者派遣事業の役務の提供を受ける期間等に関する経過措置」です。 1 つ目は、新法第三十条の規定です。新法第三十条は、雇用安定措置の規定ですが、特定有期雇用派遣労働者については、施行日以後に締結される派遣契約に基づいて行われる労働者派遣について適用する。要は、特定有期雇用派遣労働者ということで、一定期間同一の組織単位で就業することが見込まれる人を指しているわけですが、この方々に対する第三十条の規定というのは、あくまで施行日以後の契約に基づいて該当するかどうかを判断していくということです。

2 つ目は、新法第三十四条等の労働者派遣の役務の提供を受ける期間に関する規定です。期間制限に関する規定のことを指しています。改正法附則に規定しているものや、 1 4 に掲げるものを除くということですが、そういう期間制限に関する規定については、施行日以後に締結される労働者派遣契約に基づいて行われる労働者派遣及び派遣就業について適用します。施行日前に締結された派遣契約に基づいて行われる労働者派遣や派遣就業については、なお従前の例による。昔の規定を適用する形になっています。

3 つ目は、施行日前に締結された労働者派遣契約に基づいて行われる派遣については、改正前の第四十条の四、第四十条の五ということで、労働契約申込み義務の規定は、なおその効力を有するものとするという経過措置です。

4 つ目は、新法第四十条の五第二項の規定です。これは、個人単位の上限に達した特定有期雇用派遣労働者に対して派遣先が募集情報を提供する規定です。それについては、施行日以後に締結される労働者派遣契約に基づき行われる派遣について適用するという経過措置を置くこととしています。

 第三は、この政令の施行期日は 9 30 日からの施行とする。その他所要の規定の整備を行うという形になっています。説明は以上です。

○橋本部会長代理 それでは、御質問等ありましたらお願いいたします。

○新谷委員 

具体的な質問に入る前に、久し振りの公開の需給制度部会ですし、数時間前に改正派遣法が成立したということですので、今、たくさん御説明を頂いたのですが、まず、感想めいた話ですが、労働側として意見を申し上げたいと思います。

 今回の派遣法を巡っては、先ほどから資料が出ています昨年の 1 月の建議から始まって、それを受けての法律案要綱と法律案という形で国会に委ねられたわけです。私どもは労政審建議の段階では、報告書の重大な部分について、期間制限の在り方、均等待遇原則が入っていないということについても反対意見を付しておりました。国会での論議では、 2 回廃案になって、今国会への法案提出の際も、自公の政調会長合意によって、内閣提出法案が修正されて出ていくという経緯がありました。その間の審議を我々も注意深く見守っておりましたが、怪文書問題等々もあって、かなり審議が延びたということで、当初の施行日であった 9 1 日をまたがっても、まだ国会での成立の見通しがつかないという中で、施行日の修正が与党の側から出されてきたということです。

 改正の内容が、業務区分に基づく派遣期間制限を廃止するという 1985 年の派遣法制定以来の大改正であるにもかかわらず、 9 30 日という施行日が設けられて、もう今日が 9 11 日ですから、施行日まであまりに時間がない中で成立をしたということで、本当にこの日程感が異常であるということを申し上げざるを得ないと思います。 10 1 日施行の違法派遣における労働契約申込みみなし制度の適用を避けるために、その 1 日前の 9 30 日を施行日とするということが行われたわけで、大改正にもかかわらず施行まで本当に日数がない、その弊害がどこに出てくるのか。今日から実質的な政省令の審議が始まって、指針、要領という形に落ちていって、それが具体的な派遣事業者、派遣労働者、派遣先、それぞれ派遣のルールが決まってくるわけですが、一体どれくらいの期間で周知できるのか。

 これは、はっきり言って大改正です。今の説明をお聞きするだけでもこれだけ時間が掛かるわけです。しかも、参議院の厚労委員会で付けられた 39 項目に上る附帯決議というのは、お聞きしますと、参議院が始まって以来の数とのことですが、これまでになかった数の附帯決議が付けられて、その附帯決議の中身も、通常は附帯決議というと検討事項が多いのですが、今回の措置義務というか、指針に盛り込めということが、正しく立法府から行政府に対して要請があったというものです。それを受けて、本日も資料の中に入っていますが、本当にたくさんの国会での論議を踏まえた内容、あるいは改正自体が大改正であるということを踏まえれば、本当に周知期間が短いということが言えると思います。

 過去に何回か派遣法は改正されてきましたが、成立から施行までこれまでは最短でも 5 か月の期間があったわけです。それで国民、派遣労働者、派遣事業者に対して、周知のための説明会などをやられてきたと思うのですが、今回は関係者への周知を一体いつやるのですか。まだこれから政省令を審議していって、いつまとまるのか分かりませんが、 9 30 日は、もうあと 3 週間あるか、ないかですよね。施行日自体は立法府の意思で決められたわけですから、それをこの審議会で変えられるわけでもありませんから、 30 日施行を与件とすれば、我々としてはこの大改正についても真摯に精力的に論議をしていきたいと思います。

 ただ、申し上げたように、政府与党が 9 30 日というふうに施行日を切ったということ。この短期間の中で周知を行うということの責任は非常に重い。既に有期で専門 26 業務の方で、労働契約に大きな影響を与えられているということが派遣労働者当事者からの訴えもありますし、これらは新聞で報道されています。そういったことは、もう既に起こっているわけです。ですから、この大改正が当事者にとって、特に派遣労働者に不利益を招くようなことがあってはならないし、その責任は政府がきっちりと取るべきだということを、この論議の冒頭に当たって申し上げておきたいと思います。極めて重い責任を政府は負っているということを申し上げておきます。

 それと、やはり国会の審議の中で、申し上げたような附帯決議の多さ、かつ、その内容が検討事項ではないということの重さを、立法府から行政府が要請を受けているわけですので、これは真摯に受け止めて、これを政省令等の行政の運営方針に的確に反映させていくべきであるということを、まず冒頭に申し上げておきたいと思います。以上です。

○橋本部会長代理 御意見と、 1 点、御質問として周知をどうするのかということがあったと思いますので、事務局からお願いいたします。

○富田課長 新谷委員から、今回これだけの大きな改正について、このような 9 30 日という修正がなされ、それで、もう本日が 9 11 日であるということで、非常に周知期間が短いということで、これは厚労省の責任がかなり大きいのではないかという御指摘がありました。確かに私どもが上手に説明できなかった、あるいは、いろいろな不祥事があったということで、その点については率直にお詫びを申し上げたいと思っております。

 一方で、 9 30 日まで時間がない中、周知をどうしていくのかということですが、早速、本日、法律の中身についてまとめたリーフレットを作成しまして、ホームページに公表しておりますし、都道府県労働局を通じて、事業者の皆様にも送付をするという対応をさせていただいております。

 また、今回の政省令・指針・告示が、この労政審で御議論いただいているわけですが、皆様の御協力を頂きながら、できるだけ早期にまとめていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。政省令等がまとまりましたら、速やかに、これを公表するし、説明会も開催していきたい。もちろん、 9 30 日が施行ですが、 9 30 日を回っても、精力的に説明会等は開催させていただきたいと思っています。

 最後にありました、派遣労働者にとって不利益が及ばないようにということは当然のことです。私どもとしては、そういうことが起こらないように、最大限、努力させていただきたいと思いますし、附帯決議は非常にたくさんの項目がありますが、それについては大臣からも、「その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます」と申し上げておりますが、私どもとしても真摯に受け止めて対応させていただきたいと思っております。

○新谷委員 ありがとうございました。私どもも、非常に重要な内容ですし、十分な論議で真摯にこの審議に向かい合いたいと思っておりますので、いたずらに審議を延ばすなどということは全然考えておりません。ただ、内容が非常に重要であるということから、十分な審議をしたいと思う一方、もう施行日は法律上にて決まっているわけなので、この短期間の中でも周知期間を少しでも取るという、この二律背反の中でこの審議会をしないといけないということです。その責任を十分に感じながらこの審議に臨んでいきたいと思います。

 その上で、質問に移らせていただきます。まず、頂いた資料 2 ですが、これも先ほど成立したばかりで、本日、初めて内容を確認したところですから、特に附帯決議との関係や、国会での大臣答弁、政府答弁について漏れはないかというチェックは、これからしていきたいと思います。これは我々も急いで検討を進めたいと思います。

 もう 1 つ資料 3 を、政令案の内容についてということで頂いております。これについては何点か質問をさせていただきたいと思います。この中身については、特に第二の所に「経過措置」が書かれていて、特に三の所が重要な中身だと思います。これは国会での答弁、質疑の中でもあったように、特に 10 1 日から施行される違法派遣における労働契約申込みみなし制度がどういう適用関係になっていくのかということです。 9 30 日と 10 1 日との関係で、随分と附則第七条の関係などのやり取りがあったと議事録で出ていますので、それを受けての内容が、この三の 2 、三の 3 といった所になってくると思います。

 教えていただきたいのは、この三の 2 です。期間制限における三十四条の取扱いについて、施行日前に締結されている労働者派遣契約に基づき行われる派遣あるいは就業については、「なお従前の例によるものとする」ということ。あるいは 3 の所に、この関係については、現行法の四十条の四、四十条の五の規定については、「なおその効力を有する」ということが書かれてあります。これを一体どういうふうに読めばいいのかということ。もう少し詳細な説明を頂きたいと思います。

○木本補佐 御説明いたします。「なお従前の例による」あるいは「なおその効力を有するものとする」というのは、今回の改正によって改正された条項が、改正される前の段階の条項でまだ残っているというようなイメージの趣旨になります。ですので、この 2 3 で御説明申し上げているのは、 2 であれば、「新法第三十四条等」と書いておりますが、これが期間制限関係の規定となっています。この期間制限関係の規定について、施行日より後に結ばれた派遣契約については新法を適用する。一方で、施行日より前に結んでいた派遣契約については、改正後の規定ではなく、改正前の規定を適用するという趣旨になっております。

○新谷委員 そういうことですね。今回、改正法の中に全然遡及的な項目がないので、施行日以降ということだと理解はしておりますが、この 3 の所の四十条の四と四十条の五、これは国会でも大分論議になったようですが、期間制限抵触日以降、当該労働者を雇用しようとする場合の申込義務のところ、見なしではなくて義務のほうの扱いですが、「なおその効力を有する」と書かれてあるのですが、実はこの四十条の四の発動のためには、三十五条の二項での派遣元からの通知義務があってはじめてこれが発動されるということになるのです。「なおその効力を有する」ということですから、これは現行の仕組みが、今ある三十五条の二と、この四十条の四がセットで運用されるということだとは思うのですが、そういう理解でよいかという確認をさせてください。

○木本補佐 その理解で問題ございません。

○新谷委員 そうすると、これがやはり国会の中でも大分論議なされたところで、政府の答弁では、今回の改正は正社員を増やすのだということも繰り返しおっしゃっていたわけですが、もともとこの四十条の四や四十条の五が果たしていた期間制限抵触日以降の同一派遣労働者を使用する場合の雇用申込義務が、今回、法律的に削除をされている。ですから、直接雇用に切り替わる仕組みがなくなっているという中で、今回の法改正論議が行われている。だけども、政府、安倍総理以下みんな、これは正社員化の法律なのだという強弁があって、私は全くそれを理解できなかったのです。

 いずれにしても、これは旧法のものであって、新法ではこの四十条の四と四十条の五は基本的に機能しなくなるということですが、現行法の下での労働者派遣契約で派遣就業されている方には適用され続けるということです。そこで、雇用申込義務の四十条の四と五で義務が果たされなかったときの現行の行政指導の在り方は、いったいどうなっているのかを教えていただきたいのです。

○戸ヶ崎主任 四十条の四と四十条の五を違反しているということであれば、四十九条の二の第一項に基づき、まず指導・助言を行うということで、もしその指導・助言に従わない場合は四十九条の二の第一項に基づき勧告を行う。もし仮に、その勧告でも従わない場合については公表を行うという形になっております。

○新谷委員 参考に教えていただきたいのですが、その指導というのは多分、発表されないと思うのですが、勧告も発表されるのかどうか知りませんが、その勧告に至るレベルというのは、件数はどれくらいあるのか。かつ、先ほど言いました派遣元からの通知義務違反というところですが、これに抵触するようなものが実際に指導の中に入ってきているのかどうかというのも教えていただければと思います。

○戸ヶ崎主任 勧告自体、四十九条の二の第一項に基づく勧告というのは、平成 26 年度 1 件、平成 25 年度 1 件あります。ただ、規定自体は四十条の四ではなくて四十条の二の違反に係る是正という形になっております。

 行政指導については、基本的には四十条の四については平成 26 年度は 1 件のみで、平成 25 年度も 1 件のみです。ちなみに四十条の五については、平成 26 年度、平成 25 年度ともに指導件数はありません。

○新谷委員 なぜ詳しく聞いているかというのは、冒頭にお聞きしましたように、 9 30 日施行で、 10 1 日で違法派遣にかかる労働契約申込みみなし制度が施行されますが、ちょうどその狭間というか、旧法のままで労働契約申込みみなし制度が適用されないという方々が多くおられる。それを救済するためには現行法の四十条の四と五を使うしかないわけですが、実際の行政指導をお聞きすると、 1 件とかゼロという状況なのです。ですから、本当は直接雇用に向けた重要な機能を果たしているはずの四十条の四と四十条の五が、現実的には本当に機能しているのかどうか。私は非常に危うい状況にあったのではないかと思います。いずれにしても、この新しい労働契約申込みみなし制度は、現行法の下での派遣契約で派遣就業されている労働者には適用されないという現状ですので、派遣労働者の保護に向けて、できることは一体何なのかということを十分お考えいただければと思っております。以上です。

○橋本部会長代理 ありがとうございました。

○戸ヶ崎主任 すみません、少し訂正させてください。先ほど、勧告の件数を、平成 25 年度は 1 件、平成 26 年度も 1 件とお答えしたのですが、ともに平成 26 年度でした。ですから、平成 26 年度 2 件、平成 25 年度ゼロ件です。

○橋本部会長代理 回答訂正ということです。ほかに御質問、御意見等ありますか。

○清水委員 私も派遣法の改正が成立した後の部会だということで、感想めいたことなのですが、その前に、ここの部会でずっと我々がいろいろ言って、なかなか法案には盛り込まれませんでしたが、その内容が特に参議院の審議を通じて明らかにされて、言わば、もちろん十分でないにしても、 39 項目といっても、もっとたくさんあるのではないかと思いますが、そういうところに一定の反映があったと理解しています。そういう意味では、この附帯決議の中で、取り分けて派遣労働者の今の方の雇用の維持、保護、それとやはり均衡待遇に関することを、これから審議する中できっちり問題が残らないように規定していくということが非常に大事だと私自身は思います。そういう意味では、そういう観点で今回のこの部会にも臨んでいきたいと思います。

 その上で、今の新谷さんの御質問との関係とも少しかぶる所があるかもしれませんが、附帯決議の中の 5 ページの期間制限の 1 2 行目ですが、期間制限が全部、 26 業務を外して一般化する。その中で、労働契約の更新拒絶の動きがあることに鑑みて、関係団体への要請や転換の支援といった措置を早急に講ずると。それで、今、新谷さんのおっしゃった四十条の四のようなところになるのです。本日の、この早急に講ずるというところとの関係でいくと、先ほど御説明いただいた建議や附帯決議や国会答弁などの中には、これは出てこないわけです。この辺りの扱いというのは、政省令に関わる部分ではないということなのかもしれませんが、どんなふうにこれからやられるつもりなのか。直近のことでもありますし、お聞きしておきたいと思います。

○富田課長  5 ページの、新たに期間制限が掛かるこの 26 業務に係る派遣労働者の方について、これで労働契約法十八条、十九条の趣旨の派遣元事業主への周知であるとか、あるいは不当な更新拒絶を行わないための関係団体への要請というようなところで、これについては、実は過日、関係団体に対して要請文を、国会審議中でしたが既に提出させていただき、御趣旨については、こういうことにならないようにということをお願いしているということです。

 さらに、こういった派遣労働者で、更新拒絶などを不安に感じられている方については、改正法が 9 30 日に施行されましたら、直ちに労働局に相談窓口を設けまして、こういった御不安を抱えている方の相談に応じていくようなことをやっていくことを、現在、検討しており、 9 30 日の後は、必ずそういった相談窓口については設立していくということです。

○橋本部会長代理 清水委員、よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。

○新谷委員 先ほど説明を省略されたこの参考資料 3 の附帯決議の中身なのですが、本日、横書きの資料 2 との対比をしないといけないのですが、非常にたくさんあります。 20 ページあります。それで、何点かお聞きしたいのですが、本日は時間等の関係もありますが、まず、参考資料 3 の一の 2 の正社員化のところです。

 これは先ほども申し上げたように、政府の答弁として、今回の法改正は正社員化を促進する法案であるというのが、安倍総理をはじめ、政府から何度も答弁されておりました。附帯決議の中にも、国として派遣労働者の正社員化を促進するということが書かれているのですが、先ほどの政省令の告示事項の中でいけば、この正社員化に向けた取組というのは一体どこに出ているのか。あれだけ政府としてこれは正社員化をするのだとおっしゃったのですが、法令、法律の中には入っていません。では省令の中にはどこかに入っているのかと思って見たら、私はよく見つけられなかったのです。どこかに書いてあるのだったら教えてください。

○富田課長 今の御質問の点ですが、これは国会答弁でも大臣等から申し上げておりますように、法律には正社員という言葉は登場してきておりません。ただ、資料 2 の目次の所から説明させていただきますと、例えば、「雇用安定措置」という所が 3 番目の項目でありますが、「雇用安定措置」の 1 つ目の項目で、「直接雇用の依頼」というものがあります。そういうものは、直接雇用になると正社員になる可能性が高まるのではないでしょうかというふうなこと。

 それから、 7 番に「キャリアアップ措置」というものがありますが、やはり、正社員になるためには、キャリアアップのための教育訓練やキャリア・コンサルティングなどを通じて能力を高めることが正社員につながっていくのではないだろうかと、そういうことを大臣も御答弁申し上げており、私どもとしては、こういった措置を派遣元、あるいは派遣先も正社員募集情報の提供などというのが法律に書いてありますが、そういった措置を講じていただくことによって正社員の道をつなげていくということを考えているわけです。

○新谷委員 毎回、どこが正社員化の法案なのだという質問に対して、お答えは雇用安定措置だということであります。それも第 1 号の派遣先に対する雇用の申込みなのだとおっしゃるわけです。これは労政審の場でもずっと審議してきて、その実効性は一体どこにあるのだろうということは申し上げてきたとおりです。今、派遣業界と派遣先との力関係を考えれば、まずそんなことを言える環境にあるのかどうか。オブザーバーの方が来られているのでお聞きしてもいいのですが、時間がもったいないのでやめますが。本当にそれが実効性あるものとしてできるのかどうかということです。政府がおっしゃっている内容が絵に描いた餅ではなくて、本当に派遣労働者の雇用の安定につながるかどうかと非常に疑問に思うのです。

 今回、附帯決議や法修正等の中に盛り込まれ、派遣元台帳にその辺りの記録を書くということになりました。もともと、派遣先への雇用申込みは一体どういう形で、いつやって、それをエビデンスとしてどう取るのだというのが問題になっていました。それは電話で言えばいいのか、口頭で面談の中で言えばいいのか、どうやって証拠を残すのかという問題です。これは法律上の義務なので、義務の履行を、証拠がないと取締りもできないのではないかというのが、もともとここで論議してきた内容です。今度は、派遣元の管理台帳にそれを残すということなので、それは一歩前進だと私は思っております。だから、きっちり記録を残していくという一連の流れをきっちり作っていただいて、政府があのように答弁されたものが実効性あるものとして機能していくようにしていただきたい。

 本日は頂いたばかりですから、一体どういう書きぶりになっているのかというのは、ちょっと分からないので、これ以上の追及はしませんが、そういうことをまず申し上げておきたいと思います。

 もう 1 つは、これも重要な内容で、この参考資料 3 5 ページの期間制限の所です。今ちょっと見る限りは、資料 2 16 ページの下の所とも関連するのですが。これがいわゆる派遣切りへの対応ということも労政審で話をして、それで、建議の中にも書いておりますが、国会の論議の中でそれを踏まえて、 16 ページにありますように大臣答弁があって、それを踏まえて附帯決議が 2 つ付いたということです。無期の場合と有期の場合の解雇について記載されています。

 お聞きしたかったのは、資料 2 16 ページの下のほうの附帯決議を踏まえて、派遣元指針に書き込みをしますということが書かれていて、特に上のほうの無期の場合ですが、これについては、派遣元指針及び許可基準で規定すると書かれています。これも突合しないといけないのですが、参考資料 3 5 ページから始まる所が附帯決議の中身なのですが、読んでいくと「さらに」というのが 16 ページにあって、「許可の条件とし」ということがあって、これは許可の取消しを行うことができるようにすると書いてあります。許可基準と取消し基準、取消しの要件というのが 2 つ入っていると思うのですが、 16 ページには、その取消しの関係は入っていないのです。これは、この附帯決議を踏まえて対応されるのだということで認識しておけばいいのかどうかというのを教えてください。

○富田課長 これは大臣からも、検討したいとなっておりますが、この趣旨は有期についても同じように扱うという趣旨で、検討したいと申し上げております。ですから、同様に許可基準にも規定することを検討したいと考えております。

○新谷委員 お聞きしたのは、許可取消しの要件にするかどうかです。

○富田課長 許可条件にも入れることを考えたいと思っております。

○新谷委員 取消しの要件にするということでよろしいのですね。

○富田課長 はい。条件も入れることを考えています。

○新谷委員 分かりました。

○橋本部会長代理 ほかに御質問等よろしいでしょうか。

○新谷委員 よろしいですか。

○橋本部会長代理 はい。

○新谷委員 再三申し上げているように、何も疑問がなくて質問しないわけではないのです。今もらったばかりで、突合も何もできていなくて、気がついた所を今申し上げただけなので、今、質問がないからといって、全く疑問なしということではありませんので、それを改めて申し上げて、次回、徹底的な十分な論議をしたいと思います。本日は取りあえず資料の説明を受けたということで受け止めたいと思います。

○橋本部会長代理 了解しました。次回以降、また引き続き御質問、御意見等を受けて、政省令の規定案について検討していくということにしたいと思います。

○高橋委員 意見ではないのですが、次回以降の進め方において 1 点お願いがあります。本日、机の上に労働総覧を置いていただいたのは大変有り難く、それと関連して、新法の条文も参考に各委員の机上に、配布していただくような工夫をしていただくと大変助かりますので、お願いしたいと思います。

○橋本部会長代理 次回以降、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日出てきた質問だけではなく、もちろんこれから思慮を詰めていく中で、御質問、御意見等を踏まえて、政省令案の審議を進めてまいりたいと思います。

 次回以降の進め方について、事務局から次回の日程と併せまして御提案があると伺っていますので、お願いいたします。

○富田課長 本日の時点では、もう御質問はないという理解でよろしいですか。

○橋本部会長代理 本日の時点では。

○綾補佐 次回の部会につきましては、 9 15 日火曜日 13 時から、本日と同じ職業安定局第 1 ・第 2 会議室で開催いたしますので、よろしくお願いいたします。

 次回以降の進め方ですが、各項目についての規定について、事務局にて規定案を作成し、この規定案をたたき台に御議論を頂きたいと考えております。

○橋本部会長代理 今の事務局の御提案について御意見はありますか。

                                  ( 各委員了承 )

○橋本部会長代理 それでは、事務局の提案どおり、次回から規定案をたたき台として議論を進めていくことにしたいと思います。以上をもちまして第 226 回労働力需給制度部会を終了いたします。なお、本日の議事録の署名委員は、新谷委員と小林委員にお願いいたします。皆様お疲れさまでした。


(了)

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