ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働基準局が実施する検討会等 > 女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会 > 第1回女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会 議事録(2015年12月15日)




2015年12月15日 第1回女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会 議事録

労働基準局

○日時

平成27年12月15日(火)
10:00〜11:37


○場所

中央合同庁舎第5号館18階専用第22会議室


○出席者

委員

阿部座長 安藤委員 戎野委員 大嶋委員 神吉委員

事務局

山越労働基準局長 土屋大臣官房審議官 小林雇用均等政策課長 増田大臣官房参事官(併)賃金時間室長 千谷企画官 東原賃金時間室長補佐

○議題

(1)本検討会の趣旨及び今後のスケジュールについて
(2)配偶者手当を取り巻く現状について
(3)配偶者を対象とした手当に関する見直しが実施された事例について

○議事

○増田大臣官房参事官 それでは、定刻となりましたので、ただ今より第1回「女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。申し遅れましたが、私は賃金時間担当参事官をしております増田と申します。本日、検討会の進行に当たりまして、座長が選出されるまでの間、議事進行を務めさせていただきます。

 まず、本検討会の開催に当たりまして、労働基準局長の山越より一言御挨拶を申し上げます。

○山越労働基準局長 労働基準局長の山越でございます。

 委員の皆様方には、年末の大変お忙しい時期にお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。検討会の開催に当たりまして、まず一言御挨拶を申し上げたいと存じます。

 本年6月30日に閣議決定をされました「日本再興戦略改訂2015」では、女性の活躍の更なる促進に向け、税制、社会保障制度、配偶者手当等の在り方について、女性が働きやすい制度となるように具体化・検討を進めることとされております。このうち、配偶者手当の在り方につきましては、官の見直しの検討と併せて、労使に対して、その在り方の検討を促すとされているところでございます。

 また、先月26日に決定をされました一億総活躍国民会議の緊急対策「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策−成長と分配の好循環の形成に向けて−」におきましても、就労促進の観点から、いわゆる103万円、130万円の壁の原因となっている税・社会保険、配偶者手当の制度の在り方に関し、国民の間の公平性等を踏まえた対応方針を検討するとされているところでございます。

 本検討会におきましては、労使において女性の活躍の更なる促進に向けた配偶者手当の在り方の検討を行うための背景、課題等を整理するということともに、見直しを行う場合の留意事項等を示すことを目的として設置をするものでございます。委員の皆様方には、ぜひ闊達な御意見を賜りますようお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

○増田大臣官房参事官 最初にお断りをさせていただきますけれども、小林課長におかれましては別途公務がございますので、途中退席をさせていただくことを御了承いただければと思います。

 それでは、続きまして、御参集の委員の皆様を御紹介させていただきます。お手元の資料でございますが、資料2をご覧いただけますでしょうか。上から順に委員の皆様方を御紹介させていただきます。

 まず最初に、中央大学経済学部教授、阿部正浩委員でございます。

○阿部委員 阿部です。よろしくお願いします。

○増田大臣官房参事官 続きまして、日本大学総合科学研究所准教授、安藤至大委員でございます。

○安藤委員 よろしくお願いします。

○増田大臣官房参事官 立正大学経済学部教授、戎野淑子委員でございます。

○戎野委員 戎野でございます。よろしくお願いいたします。

○増田大臣官房参事官 みずほ総合研究所主任研究員、大嶋寧子委員でございます。

○大嶋委員 よろしくお願いします。

○増田大臣官房参事官 立教大学法学部国際ビジネス法学科准教授、神吉知郁子委員でございます。

○神吉委員 神吉でございます。よろしくお願いいたします。

○増田大臣官房参事官 一橋大学大学院商学研究科教授、守島基博委員でございます。守島委員におかれましては、本日は御欠席でございます。

 最後でございますが、東京大学大学院法学政治学研究科教授、山川隆一委員でございます。山川委員におかれましても、本日は欠席でございます。

 次に、お配りいたしました資料の御確認をお願いできればと思います。めくっていただきましたけれども、議事次第の後に資料1〜5までがございます。

 まず、資料1が、本検討会の開催要綱でございます。

 資料2といたしまして、先ほど御紹介させていただきました、参集者の方の名簿がございます。

 資料3といたしまして、今後のスケジュール案。

 資料4といたしまして、配偶者手当を取り巻く現状がございます。

 さらにその下に、資料5−1といたしまして、配偶者を対象とした手当に関する見直しが実施・検討された事例の個別企業の事例がございます。

 最後に、資料5−2といたしまして、それらの事例を全体概要という形でまとめたものがございます。

 その他、座席表をお配りしております。何か不足等がございましたら、事務局にお知らせいただければと思います。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、まず、事務局のほうから開催要綱について御説明を申し上げますので、資料1をどうぞご覧下さい。

 趣旨につきましては、先ほど労働基準局長より御説明申し上げたとおりでございますけれども、労使におきまして、配偶者手当の在り方の検討を行うための背景、課題等を整理するとともに、見直しを行う場合の留意事項等を示すというのが本検討会の目的となります。

 検討事項といたしましては、大きく分けまして、配偶者手当の在り方、配偶者手当の見直しを行う場合の留意点等という整理でございます。

 3.の運営といたしましては、本検討会につきましては、厚生労働省労働基準局長が学識経験者の参集を求めて開催するものでございます。

 (2)といたしまして、必要に応じまして、参集者以外の方の学識経験者及び実務経験者等の出席を求めることができるとされております。

 (3)は公開の関係でございますけれども、別に本検討会において申し合わせをした場合を除きまして、公開とするという扱いでございます。

 (4)といたしまして、本検討会の座長につきましては、参集者の互選により選出するとされております。

 最後に、本検討会の庶務でございますけれども、厚生労働省雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課の協力を得て、厚生労働省労働基準局労働条件政策課賃金時間室において行うということでございます。

 次に、今後のスケジュールについて御説明を申し上げます。資料3をご覧いただければと思います。大変タイトなスケジュールでございますけれども、第1回を本日に行った後、第2回を平成28年2月に賃金制度見直しに係る留意事項等を中心に御議論いただき、また、骨子案についても御議論をいただければと思っております。

 第3回といたしまして、報告書案という形で御議論をいただきたいと、このようなスケジュールで考えさせていただいているところでございます。

 こちらにつきましては、座長の選出後、御意見等をいただければと思っております。

 それでは、先ほど御説明申し上げました運営のところで、座長については参集者の互選により選出するとされているところでございますので、座長の選出を行いたいと思います。座長の選出におきましては、事前に事務局より各委員の皆様方に御相談させていただいておりまして、阿部委員にぜひお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○増田大臣官房参事官 よろしゅうございますでしょうか。それでは、御賛同いただきましたので、阿部委員に座長をお願いしたいと思います。

 それでは、座長に御就任いただきます阿部委員より御挨拶をお願いしたいと思います。

○阿部座長 おはようございます。阿部でございます。

 座長に御指名いただきましたので、これから皆様の意見を取りまとめていく役割を果たしていきたいと思います。

 本日は傍聴の方もたくさんおいでになっているようで、この検討会が大変注目されているように思います。皆様の専門的な見地からの意見を取りまとめさせていただいて、今後、労使が配偶者手当あるいは賃金制度の見直しの際に参考となるような、そうした報告書に取りまとめられたらいいなと思っておりますので、皆様方からは大変いろいろな貴重な御意見をいただきたいと思っております。忌憚のない意見をよろしくお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○増田大臣官房参事官 ありがとうございました。

 それでは、カメラ撮りはここまでとさせていただきたいと思いますので、退室をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○増田大臣官房参事官 それでは、これ以降の進行につきましては、阿部座長にお願いいたします。よろしくお願いします。

○阿部座長 では、本日の議題に入っていきたいと思います。

 初めに、本日の進め方ですが、まず、本検討会の趣旨及び今後のスケジュールについて、委員の皆様に御確認いただくとともに、次いで、資料に沿って、配偶者手当を取り巻く現状や配偶者を対象とした手当に関する見直しが実施された事例について、事務局から簡単に紹介いただき、その後、委員の皆様に自由に御議論をいただきたいと考えております。

 まず、本検討会の趣旨及び今後のスケジュールについて、先ほど事務局から開催要項等について御説明がございましたが、これについて特に何かございましたら、御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。特にございませんか。

 では、趣旨は御確認いただいて、今後のスケジュールもこのように進めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、次いで、議題2の「配偶者手当を取り巻く現状」及び議題3の「配偶者を対象とした手当に関する見直しが実施された事例」についての議論に移りたいと思います。まずは事務局から資料の紹介を簡潔にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○千谷賃金時間室企画官 それでは、私から資料4と資料5について、続けて御説明させていただきます。

 まず、資料4「配偶者手当を取り巻く現状」をご覧下さい。

 2ページ、「1.検討会設置の背景」でございます。ここでは、このたび、女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会を開催いたしました背景について簡単に御説明いたします。

 3ページ、「1−1.日本再興戦略改訂2015」の資料がございます。こちらは今年の6月30日に閣議決定されたものでございますが、この中で女性が働きやすい制度等への見直しということで、税制・社会保障制度と並んで、配偶者手当についてもその在り方について、女性が働きやすい制度となるように具体化・検討を進めるとされておりまして、特に配偶者手当については官の見直しの検討とあわせて、労使に対し、その在り方の検討を促すとされております。

 4ページ、一億総活躍国民会議の緊急対策でございます。こちらは1126日に決定されたものでございますが、緊急に実施すべき対策として、就労促進の観点から、いわゆる103万円、130万円の壁の原因の一つとして、配偶者手当制度の在り方に関し、国民の間の公平性等を踏まえた対応方針を検討するとされております。

 5ページ、政労使の取組でございます。こちらは昨年末のものとなっておりますが、経済の好循環の継続に向けた政労使会議における政労使合意において、配偶者手当についても官の見直しの検討とあわせて、労使はその在り方の検討を進めるとされております。

 6ページ、女性活躍推進法の概要でございます。

 女性活躍推進法につきましては、民間事業主関係部分についての概要でございます。この法律は今年8月28日に成立いたしまして、原則として、来年4月1日から施行される事業主行動計画の策定以外の部分については、今年の9月4日から施行されております。この法律によって女性が職業生活において、その希望に応じて十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備するため、国、地方公共団体、301人以上の大企業については、自社の女性の活躍に関する状況把握、課題分析、その課題を解決するにふさわしい数値目標と取組を盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表、自社の女性の活躍に関する情報の公表を行うことが義務づけられました。

 また、行動計画の届出を行い、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良な企業については、申請により厚生労働大臣の認定を受けることができ、認定を受けた企業は厚生労働大臣が定める認定マークを商品などに付することができるようになります。

 7ページ、「2.雇用における女性の現状」でございます。ここでは、我が国の雇用における女性の一般的な現状において概観させていただきます。

 8ページ、日本の人口の推移でございます。ご覧のとおり、日本の人口は人口減少局面を迎えておりまして、2060年には高齢化率が40%近い水準となると推定されており、生産年齢人口割合が減少していくことと予想されております。

 9ページ、こちらは女性の年齢階級別就業率でございます。いわゆるM字カーブのグラフでございますが、昭和50年から10年おき、平成27年の調査結果がまだ出ておりませんので、最新の数値は平成26年のものとなっておりますが、こちらはこの40年ほどの間でM字カーブの底を中心に、就業率が大きく上昇していることが分かります。

10ページ、平成26年における女性の年齢階級別就業率と潜在的労働力率でございます。年齢階級別就業率を見たときに日本の女性はM字カーブを描いておりまして、出産育児期に一旦やめてしまう傾向がまだ続いておりますが、女性の就業希望者は303万人おります。この数字は女性の雇用者数2,436万人と比べると1割を超えておりまして、かなりの人数が就業を希望しながら就業できていないという状況になっております。

11ページ、管理職の女性比率のグラフでございます。左の折れ線グラフをご覧いただくとわかりますとおり、管理職に占める女性割合は長期的には上昇傾向にございますが、右側の棒グラフをご覧いただきますと、国際的に見ると依然その水準は低く、アジア諸国と比べても特に低い水準にあることが分かります。

12ページ、こちらは勤続年数でございます。女性の勤続年数は上昇傾向にありますが、男性よりもいまだ短く、平成26年の平均勤続年数は男性の13.5年に対し、女性は9.3年となっております。

 続きまして、「3.税制・社会保障制度等の状況」でございます。冒頭御説明させていただきましたとおり、再興戦略や緊急対策では、労使による配偶者手当の見直しの検討と並んで、税制や社会保障制度について見直しが求められておりますので、ここでは税制・社会保障制度、官の見直しとして人事院における状況について、簡単に御紹介させていただきます。

 まずは資料の14ページ、税制についてでございます。ここでは、現行の配偶者控除、配偶者特別控除の仕組みを簡単に図にしてございます。配偶者特別控除は昭和62年に創設されておりますが、それまでは配偶者の給与収入が103万を超えると納税者本人の配偶者控除の適用がなくなるため、配偶者の給与収入が増えても世帯で見れば、手取りの逆転減少が生じるという状況が生じており、これがいわゆる103万円の壁と言われているものとなっていました。

 しかし、配偶者特別控除が創設されたことにより、配偶者の給与収入が103万円を超え、141万円までの間は収入に応じて控除額が徐々に減少していく仕組みとなっております。つきまして、現在は税制上の壁は解消されているという状況になってございます。

15ページ、政府税調の第一次レポートの概要でございます。こちらは昨年11月に出されました政府税調の働き方の選択に対して中立的な税制の構築を始めとする個人所得課税改革に関する第一次レポートの概要でございます。このレポートでは「1.配偶者控除創設以来の社会・経済の構造変化と税制上の配慮の見直し」のところにございますとおり、配偶者控除創設時と比べ、現在は非正規雇用や共働き世帯が増加していることなどを受け、結婚し、夫婦ともに働きつつ、子供を生み育てるといった世帯に対する配慮の重要性が高まっているのではないかという観点から、検討事項の一つとして配偶者控除の見直しについての検討を行っております。

 ここでは「2.配偶者控除に関する問題点の指摘」にありますとおり、共働きが増加している中で片働きを一方的に優遇するなど、個々人の働くことへの選択を歪めることは適当ではないとの指摘や、パート世帯においては配偶者だけでなく、納税者本人も配偶者控除の適用を受けているため、片働き世帯が共働き世帯よりも控除額の合計が多く、アンバランスが生じているとの御指摘。今、御説明させていただきました、いわゆる103万円の壁について、税制上は配偶者控除の導入によって解消しているとは言え、103万円の壁が心理的な壁として作用しているのではないか。また、企業の配偶者手当の支給基準として援用されているとの指摘がされてございます。

1618ページまでは、働き方の選択に対して中立的な税制となる選択肢の論点として、大きく分けて3つ、細かく分けて5つの選択肢と論点が示されております。詳細な説明は時間の関係もありますので省かせていただきますが、これらにつきましては、18ページの最後のところ、「4.選択肢を踏まえた今後の検討について」にありますように、上記のいずれの選択肢が望ましいかについては、家族のあり方や働き方に関する国民の価値観に深く関わることから、今後、幅広く丁寧な国民的議論が必要とされており、また、3つ目の○では、配偶者の働き方の選択に対しては社会保険制度や企業の配偶者手当制度による世帯の手取りの逆転現象がより大きな影響を与えているため、こうした制度についても十分検討を進めることを強く求めたいと書かれてございます。

19ページ、こちらは社会保障制度の御説明でございます。まずは就業調整が生じる構造でございますが、いわゆる130万円の壁について簡単に御説明させていただきます。社会保険料については、現在、通常の所定労働時間の4分の3の週30時間以上働いている人は、第2号被保険者として労使折半で社会保険料を負担しております。

 一方、週30時間未満の労働者については、サラリーマン、公務員といった2号被保険者の配偶者であって、年収が130万円未満の人は第3号被保険者として社会保険料を負担せずに被保険者となることができ、それ以外の人は第1号被保険者として、事業主は社会保険料を負担しませんが、本人は社会保険料を負担するというような仕組みとなっております。このため、2号被保険者の配偶者にとっては年収130万円を超えると社会保険料負担が生じてしまうため、ここがいわゆる130万円の壁として就業調整が行われるという構造になっております。

 この問題につきましては、20ページをごらんいただきたいのですけれども、来年10月より短時間労働者の適用が拡大されることによって、一部その問題が解消されることとなっております。この短時間労働者への適用拡大は、非正規労働者へのセーフティーネットの強化、女性の就業意欲の促進などを目的として社会保障・税一体改革の中で成立した年金機能強化法を受けたものでございますが、適用拡大の対象となる条件としては、ここの図の1〜5にございますとおり、週20時間以上、年収106万円以上、勤務期間1年以上の見込み、学生は適用除外、従業員501人以上の企業など、これらの条件を満たした人については、来年10月以降は自らが2号被保険者となることから、事業主、本人ともに社会保険料を納めることとなります。この分岐点につきましては、これまでの130万円ではなく、106万円となることになります。

 なお、この適用拡大の範囲については、現在、年金部会で500人以下の企業への適用拡大について検討が行われているということでございます。

 次のページは、現行と比べて、この適用拡大される範囲を分かりやすくまとめたものになっております。内容は今、御説明させていただいたものとほぼ同様ですので、後ほどご覧いただければと思います。

22ページ、人事院における扶養手当の在り方に関する勉強会についてでございます。こちらは報道発表資料からの紹介でございますが、公務員の配偶者に係る扶養手当に関しては、本年11月9日より人事院において勉強会を開催し、本年度内に3回程度開催する予定とのことでございます。なお、下の事務局注に入れさせていただいておりますが、第2回については先週12月8日に開催済みでございます。

23ページ、こちらは日本商工会議所の提言を御紹介させていただいております。こちらは今年の9月に日本商工会議所から出された提言でございますが、「女性の働きたい意志を尊重した税・社会保険制度に関する提言」ということで、税・社会保険上の阻害要因を最大限解消することに加えて、最後の2行のところにありますが、企業においても女性の復職支援、生涯を通じて男性と格差のない人事制度やキャリア形成を図る企業風土の醸成はもとより、税・社会保険と同様、女性が長く働くことを阻害する扶養手当のあり方を見直すべきであるとされております。

 また、次のページでは、提言の具体的な内容が書かれておりますが、「3.企業による扶養手当の見直し」としては、なだらかな支給とすることや扶養手当を廃止、子育て手当に支給を重点化する等の検討も必要であり、政府はそうした企業の取り組みを後押しするインセンティブを設ける等の検討を行っていくべきであるといったことが書かれてございます。

 続きまして、資料の25ページ、「4.配偶者手当を取り巻く状況」でございます。ここからは配偶者手当を取り巻く状況について、主にデータなどを御紹介させていただきたいと思います。

26ページ、日本企業における配偶者手当導入の経緯等でございます。今、主にデータを御紹介させていただくと申し上げましたが、こちらはまず、どうして日本企業においては配偶者手当を導入している企業が多いのかといった歴史的な経緯等について、阿部座長に御提出いただきました資料を御紹介させていただきます。

 最初のポツでございますが、日本において多くの企業に家族手当が採用される契機となったのは、戦時中、1939年の賃金臨時措置令でございます。同令によって賃金引き上げが凍結された一方で、物価は上昇したため、実質賃金が低下し、扶養家族を有する労働者の生活が厳しさを増したことから、政府が一定収入以下の労働者に対し、扶養家族を対象として家族手当を支給することを許可したというものでございます。

 その後、支給要件を緩和する改正が続きまして、最後に家族手当総額の制限が撤廃されるに至り、家族手当が急速に普及いたしました。

 2つ目のポツ、その後、第2次世界大戦直後のインフレ期には、家族手当の支給や引き上げを要求する労働組合に企業が応える形で、戦時経済体制下での生産活動の円滑な推進が狙われました。

 その後、1950年代に始まる高度経済成長期には、家事・育児に専念する妻の内助の功により、仕事に専念することができる夫という核家族を後押しする仕組みとして、家族手当も正規従業員に対する処遇として定着いたしました。

 その後、次のページでございますが、バブル経済の崩壊、経済のグローバル化の進展などによって、2000年以降、いわゆる成果主義賃金が広がりまして、仕事内容や成果に関連のない属人的な手当である生活手当の縮小が始まりました。

 最後になりますが、このように企業内制度は社会の慣習を色濃く反映して制度化され、何が合理的で何が非合理的かというようなものは、国によって変化し、人々の公正感に合わなくなった制度は廃止・改変していくことになるということが指摘されております。こちらの説明は以上となりますが、阿部座長、資料の提供をどうもありがとうございました。

28ページ、こちらは民間企業における家族手当の支給状況でございます。人事院の職種別民間給与実態調査の平成27年の結果となっておりますが、ここにございますとおり、家族手当制度がある事業所は76.5%、うち配偶者に家族手当を支給する事業所は90.3%となっております。また、配偶者の収入による制限がある事業所はそのうち84.9%、収入制限の額としては103万円が約7割、130万円が約4分の1、その他が約5%となっておりまして、収入制限のない事業所は約15%というような結果になっております。

 企業別規模の結果については、29ページに掲載しておりますので、後ほど御確認いただければと思います。

28ページにもう一度戻っていただきたいのですけれども、下の表について御説明させていただきます。こちらは配偶者に対する家族手当を支給する事業所を100として、配偶者に対する手当の見直し予定について聞いた調査の結果として、見直す予定があるという事業所は約6%というような結果になっております。

30ページ、こちらは扶養親族への家族手当の支給状況でございます。ここにございますとおり、配偶者1人当たり月額1万3,885円、配偶者と子供1人だと1万9,893円、配偶者と子供2人だと合わせて2万5,418円というような結果になってございます。

31ページ、民間企業における家族手当の普及率の推移でございます。一番上の青い折れ線グラフを見ていただければわかりますとおり、家族手当に関しては平成元年から平成11年ごろまでは約9割ほどの事業所に家族手当がございましたが、2000年代に入り、普及率は急速に下がりまして、現在、家族手当がある事業所は全体の76.5%ということになっております。

 なお、家族手当制度を有する事業所の中で、配偶者に家族手当を支給する事業所の割合については、平成21年からしか調査が行われておりませんが、オレンジのグラフにございますとおり、平成21年〜27年までで約7569%まで減少してございます。また、手当の支給要件として配偶者の収入による制限がある事業所についてはグレーのグラフになりますが、おおむね6割弱といった形で推移しております。

32ページ、各種手当に関するアンケート調査結果でございます。こちらはJILPTによる調査で、平成14年、20年と少し古い調査にはなりますが、これは配偶者への手当、子供への手当、住宅手当について、今後の必要性を尋ねた結果となっております。平成20年において全体合計では配偶者の手当は4割強、住宅手当は3割弱となっている一方で、子供への手当は1割を下回っている結果となっておりますが、平成14年の結果と比べると平成20年の結果は全般的に手当を不要と指摘する割合が低下、逆に言えば、今後ともこうした手当が必要であると考える割合が上昇しているというような結果になってございます。

33ページ、パートタイム労働者による就労調整の有無及び就労調整をする理由別割合でございます。こちらは平成23年のパートタイム労働総合実態調査の結果となってございますが、配偶者がいるパート労働者で就業調整をしていると回答した割合は上の表で21%となっておりまして、この方たちに就業調整をする理由を聞いた結果が下の表となっております。複数回答ではございますが、黄色の部分「一定額を超えると配偶者の会社の配偶者手当がもらえなくなるから」と回答した割合が約2割というような結果になってございます。

34ページ、女性の配偶関係、年齢階級別労働力推移でございます。こちらは昭和50年から最新の平成26年まで、未婚率と有配偶女性の労働力率の推移について見たものとなっております。この間、未婚率、有配偶女性の労働力は共に大きく上昇しているということが見てとれます。

35ページ、こちらは男女別の雇用形態別構成割合となっております。昭和60年から平成26年まで、男女ともに正規雇用の割合が減少し、非正規の割合が増加しているということが分かります。

36ページ、こちらは正規雇用者に占める男女割合及び雇用者数の推移でございます。左側の棒グラフは正規雇用者に占める男女割合でございます。昭和60年から平成26年までで余り大きな変化はありませんが、大体男性7割、女性3割、女性の割合が少しずつではありますが、高くなってきているというような状況になっております。

 右の折れ線グラフは正規雇用者の雇用者数の推移となっております。こちらは女性については昭和60年から平成26年まで、おおむね1,000万人強で推移している一方で、男性については平成7年の2,620万人をピークに、平成26年では2,259万人まで減少しております。

37ページ、こちらは男女別生涯未婚率の推移でございます。こちらは国勢調査からデータを取っておりまして、最新のデータが平成22年となっております。昭和25年から平成22年までの間で平成になってから、特に男性の生涯未婚率が急激に増加し、昭和50年で約2%であった生涯未婚率が平成22年には2割を超える結果となっております。

38ページ、こちらは労働力調査の結果や生涯未婚率の数字などを使い、事務局において昭和60年と平成22年における雇用者に占める既婚歴がある男性正規雇用者の割合について推計した結果となっております。こちらは配偶者を対象とした手当を主に受給するのは結婚している男性正規雇用者であろうという観点から、昭和60年と平成22年における雇用者全体に占める割合を推計してみております。

 一番上の表を見ていただきますと、昭和60年には過半数に既婚歴があったわけですが、平成22年には3分の1に低下しております。ただ、既婚歴のある男性の割合は、1枚前のページで説明させていただきました生涯未婚率の数字を100から引いたものとなっておりまして、この数値の算出対象には非正規労働者や自営業者も含まれておりますので、必ずしも正規雇用者における既婚歴のある男性の割合ではないことには御留意いただければと思います。

 この表の下にございます参考1と参考2の表でございます。今、申し上げましたとおり、一番上の表の既婚歴のある男性の割合が必ずしも正規労働者の既婚歴ではないということになりますので、最近は非正規の男性も増えてきておりますので、この推計では正確な推計にはなっていないのではないかというような観点から、平成22年の労働力調査では婚姻歴別男性正規雇用者数や男性世帯主の数などの数字が取れましたので、そちらの数値を参考に掲載させていただいております。

 参考1の表でございますが、こちらは上の段は男性正規雇用者のうち、既婚歴のある人の割合、すなわち上の表に対応する、より正確な数値となっておりますが、こちらは29.9%と上の表の結果よりも低い結果となっております。また、死別、離別した人は、かつては配偶者手当を受給していたかもしれませんが、少なくとも調査時においては受給はしていないということになりますので、調査時点で既婚の男性の割合を見てみますと、28.5%とさらに低下をいたします。

 参考2の表でございますが、配偶者手当の受給者は男性世帯主である可能性が高いのではないかという観点から、世帯主である男性正規雇用者数が雇用者全体に占める割合を算出したものとなっております。こちらの結果は29.0%と、やはり3割を切る結果となっております。なお、資料の※3にもありますとおり、こちらの人数には単身世帯において世帯主である男性正規雇用者数は人数に含まれておりません。

 資料4の最後になりますが、39ページ、こちらは有効求人倍率と完全失業率の推移でございます。このグラフを見ていただければ分かりますとおり、平成26年、27年と有効求人倍率が上昇し、失業率が低下しておりまして、労働力が不足するような状態となっていることが分かります。

 資料4の説明は以上でございます。

 続きまして、資料5「配偶者を対象とした手当に関する見直しが実施・検討された事例」について御紹介させていただきます。

 まず、資料5−1をご覧下さい。こちらは事務局において、配偶者を対象とした手当に関して見直しを実施・検討した企業17社にヒアリングを行った結果につきまして、匿名化の上で御紹介させていただくものとなっております。なお、最初に御注意いただきたいのは、資料5−1の表紙の下の※にもございますとおり、こちらの事例については処遇制度給与体系等を見直す中で、結果として配偶者を対象とした手当についても見直しが実施・検討されたものでございまして、配偶者手当の見直しを目的として見直しが実施・検討された事例ではないということには御留意いただければと思います。

 この資料の構成でございますが、1枚おめくりいただきまして、各社ごとに見直しの背景・経過、見直しのポイント、配偶者手当に係る見直しの内容の3点について、簡単にまとめさせていただいております。また、見直しの結果、配偶者に係る手当が廃止された例、縮小された例、維持された例の順に掲載させていただいておりまして、最初の9社が廃止した例、7社が縮小した例、最後の1社が維持した例となっております。

 まず、A社についてでございます。こちらは従業者規模1万人以上の小売業でございます。成果主義賃金体系へと見直す中で、段階的に配偶者に対する手当の支給を廃止した例となっております。労使合意の上で見直しを実施し、賃金原資の総体は減らさないという考え方に基づいて、社員への報い方、配分の仕方を変更しております。

 次に、B社でございます。こちらは従業員規模1万人以上の金融業となっております。こちらも成果主義賃金体系への見直しの過程で、配偶者を対象とした手当を廃止した事例となっておりまして、削減した手当の原資は基本給部分に組み入れておりまして、労使合意の上で4年間の経過措置を設けた上で廃止しております。

 次に、C社でございます。こちらは従業員規模1,0004,999人の卸売業となっております。こちらも成果主義賃金体系への見直しの過程で家族手当を廃止した例となっております。

 次に、D社でございます。こちらは従業員規模1万人以上の製造業でございます。こちらも成果主義賃金体系への見直しの過程で属人的な手当を廃止し、基本給に一本化した事例となっております。

 続きまして、E社でございます。こちらも従業員規模1万人以上の製造業でございます。こちらも成果主義賃金体系への見直しの過程で手当を廃止した例となっております。

 次に、F社でございます。こちらも従業員規模1万人以上の製造業でございます。こちらは若手から65歳まで成長・活躍し続けるための人事・処遇制度全般の見直しの一環として、社員の子供の教育費、親の介護といった不安を軽減し、安心して仕事に集中できるよう、子育て・介護・障害者等に対する手当へと見直しを行った事例となっております。見直しの前後で原資の増減がないよう見直しを行い、労使での交渉だけでなく、従業員への周知のため、労使合意後に社内イントラへの掲載や上司・組合からの説明等を実施しております。

 続きまして、G社でございます。こちらも従業員規模1万人以上の製造業となっておりますが、こちらは成果主義賃金体系への見直しとあわせ、女性活躍、少子高齢化等の社会的要請等を踏まえ、家族手当は廃止する一方で、子供及び障害者を対象とした養育手当を創設した事例となってございます。

 次のH社も従業者規模1万人以上の製造業でございますが、こちらは仕事と家庭の両立支援や次世代育成支援の観点から配偶者に対する給付を段階的に廃止し、子育て等支援策を導入した例となっております。

 次のI社でございますが、こちらは従業者規模5099人の卸売業となっております。この会社は駐米経験の長かったトップの意向で成果主義賃金体系への見直しを実施した例となっておりまして、基礎能力手当を創設するための原資として家族手当や住宅手当を使用するという見直しを行った事例でございます。この会社は労働組合がないことから、トップが過半数代表者の意見を聞き、就業規則を変更、新制度への移行に関しては特段の異議がなかったことから経過措置も設けなかったという事例でございます。

 続きまして、J社。こちらは配偶者を対象とした手当を縮小した事例でございます。こちらは従業者規模1万人以上の製造業ですが、この会社では成果主義賃金体系への見直しの過程で共働き世帯や独身者の増加等、家族の形態が多様化していることや次世代育成支援の観点から配偶者に対する手当を減額し、子供に対する手当を増額、従前の手当の原資内で再配分を行うといった事例でございます。当初、使用者側は廃止する方針でありましたが、労使交渉の結果、減額するということで落ち着いたとのことでございました。

 次に、K社の事例でございます。こちらも従業員規模1万人以上の製造業となっております。成果主義賃金体系への見直しの過程で、配偶者に手厚く支給していた家族手当について、配偶者か否かの区別なく、扶養家族1人当たり同額を支給するといった事例となってございます。

 次に、L社でございます。こちらも従業員規模1万人以上の製造業でございます。こちらは次世代育成支援の観点等から配偶者に手厚く支給していた家族手当について、配偶者か否かの区別なく、扶養家族1人当たり同額を支給するとした事例になっております。

 次に、M社でございます。こちらも従業員規模1万人以上の製造業でございまして、次世代育成支援の観点から、家族手当を子供に厚く支給する制度へと見直した例でございます。

 続きまして、N社です。こちらは従業員規模5,0009,999人の製造業となっておりまして、家族状況の変化を受けて、扶養家族全体としてバランスがとれるよう改革を実施し、被扶養者1人当たり同額を支給する制度へと見直した事例となっております。

 次のO社でございます。こちらは従業者規模1万人以上の製造業でございます。成果主義賃金体系への見直しの過程で配偶者等に支給される扶養加給を廃止し、育英補助給付金を創設した事例でございます。配偶者については、3歳未満の子供がいる場合にのみ給付金の対象とするよう見直されております。

 次に、P社でございます。こちらは従業者規模1万人以上の金融業でございます。ライフスタイルの多様化や成果主義賃金体系への見直しを受け、管理職や総合職に対する手当を廃止し、支給額を削減するといった見直しがなされた事例となっております。

 最後にQ社でございます。こちらは見直しの結果、配偶者を対象とした手当について維持することとした事例となっております。従業者規模5,0009,999人の小売業となっておりますが、成果主義への転換等を受け、配偶者手当を含む各種手当の廃止について議論を行い、家族手当以外のほとんどの手当は廃止したものの、家族手当については労使交渉の結果、維持することとなった事例でございます。

 ヒアリングを行いました各社のヒアリング結果については以上となっておりますが、この資料の後ろに参考1、2としまして、男女間賃金格差解消ガイドラインが付けてございます。これはヒアリングの中でこのガイドラインも見直しの参考にしたとされている事例がございましたので、参考として、付けさせていただいたものとなります。

 なお、いずれも今回の事例で参考としたのは、平成15年のガイドラインでございますが、平成22年に新しいガイドラインが出ておりますので、参考2として平成22年のガイドラインも付けさせていただいております。

 それでは、最後になりますが、資料5−2をご覧いただければと思います。こちらは今、御説明させていただきました17社のヒアリング結果を受け、事務局で全体概要として、全体の傾向をまとめたものとなっております。

 まず、見直しの背景でございます。多くの場合、人事・処遇制度全体の見直しの中で検討、実施されておりました。具体的には、成果主義賃金体系への見直し、女性の社会進出や従業員のライフスタイルの多様化等を踏まえた処遇の公平性・納得性の観点からの見直し、若手から65歳まで成長・活躍し続けられる制度への見直し、仕事と家庭の両立支援や次世代育成支援の観点からの見直しなどがございました。

 次に、労使交渉等についてでございます。多くの場合、1〜2年程度の期間をかけて丁寧に労使で話し合い、交渉が行われ、労使合意の上で決定されておりました。また、労使の話し合いの結果、制度見直し前に手当が支給されていた者に対して経過措置が講じられているものも多かったです。企業によっては労使交渉のほか、従業員に対して説明会を行うなど、従業員の納得性を高める取組も行われておりました。

 次にこの資料の裏のページでございます。見直しの内容でございます。見直しの具体的な内容は、各企業の置かれている状況、方針、労使の話し合いの結果等により多様であること。賃金の総額の原資が維持されるよう賃金制度の見直しが行われているケースが多いこと。制度見直し前に手当が支給されていたものを対象として、経過措置を講ずることとしたケースが多いということがわかりました。

 長くなりましたが、以上で資料4及び5の説明を終わらせていただきます。

○阿部座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局から説明がありました資料を踏まえまして、これからは皆さんに自由に御議論をいただきたいと思います。まず、資料について御質問等があれば、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。特にないですか。よろしいですか。

 若干、私から資料について、お話しさせていただきたい点があるのですが、資料4の38ページです。これは雇用者に占める既婚歴がある男性正規雇用者の割合ということで、どの程度、既婚の男性がいるかということを調べていただいているわけですけれども、表4−10−1のとおり、昭和60年は非正規の男性の比率が相当に低いので、この数字、つまり雇用者全体に占める既婚歴がある男性正規雇用者の割合が53%で大体こんなものではないかなと思うのです。

 ただ、平成22年になりますと男性の非正規労働者の比率が上がっていますので、多分ここで計算された33.9%は若干、上ぶれしている可能性があるのではないかと。非正規の方が未婚率が高いと言われていますので、正規の方の未婚率は低いですので、もうちょっと少ないかなと。

 それで、参考1で計算していただいたのが大体29.9%とか28.5%ということで、正規の方の中ではこのくらいが妥当なのではないかということでありますので、いずれにしても昭和60年から平成22年にかけて、既婚の男性の正規雇用者は相当少なくなっているということで、家族手当あるいは配偶者手当の対象となるような方々が少なくなっているのではないかということが分かると思います。

 さらにここでは示されていませんが、おおよそ非正規労働者の方への家族手当は多分出ていないだろうということですので、家族手当が出ない方たちが今は増えているということが、ここの資料から分かるのではないかということであります。

 私が提出した資料ですけれども、これからの配偶者手当の導入の経緯ということで、ざっとお示ししているわけですが、最後のところですが、配偶者手当があるというのは世界的にも珍しい例であるそうでして、他にどの国であるかというのは、私は分かっていないのですけれども、少なくとも欧米で配偶者手当は支給されている企業はないだろうと考えられております。

 そういう意味で、国や時代によって、こうした企業内制度、配偶者手当を含めた制度は変わっていくわけですけれども、特に今日出てきた資料5−1では、グローバル企業になっているところでは相当に賃金体系もグローバルに合わせていくという観点からも、こうした手当が見直されてきたのかなということでありまして、そこに書きたかったのは別に今すぐどうのこうのではないですが、制度自体はその時代あるいは国によっての慣習とかに影響をされて、作られているわけですけれども、その慣習といったものは時代や国によって変わってくるので、それに合わせたような形で制度は廃止をされたり、改変されていくのではないかと。それに伴う問題点とかを考えておく必要はあるだろうという意味で、こうした資料を作成させていただいております。長くなりましたが、私から資料について御説明申し上げました。

 それでは、もし御質問等がなければ、今回、配偶者手当でいろいろ資料を出していただきましたので、皆様からそれぞれの観点から御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

 では、戎野委員、お願いします。

○戎野委員 では、私から感想といいますか、今後考えていく上で非常に重要になってくるかなと思うことをお話しさせていただこうかと思います。今、御説明がございましたように、今後この検討会の目的として、配偶者手当の在り方を考えながら、この見直す場合の留意事項も明示していくということを書かれております。そう考えたときに、今たくさんの企業が既にいろいろと先駆的に取り組まれている事例を御紹介いただきまして、座長からもグローバル化の流れの中で、その時代その時代に適した対応が各企業に直面しているのではないかと思います。そういった中で労使共々いろいろ悩みながら、試行錯誤しているところがあるのではないかと考えました。

 その際に今回いろいろ手当の見直しが全賃金体系の中で見直されているというところが非常に重要なところでして、今回こちら側のメッセージを出すに当たっても、全体像の中での位置付けというものをやはり明確にしないと、実際に手がつけられない。絵に描いたもちになってしまうだろうということが1点感じられました。

 2点目ですけれども、この改革された企業がいつの時点でそれぞれやったのかというのが、この27年3月時点にこうなったのかどうなのかですが、やはり効果測定といいますか、この間、移行している中でどういう問題が発生しているのか。スムーズに移行しているのか。配偶者手当は他のこういったものと非常にリンクしているから、こういった対応が必要だと。

 あるいは例えば、非正規との関係も出てくるかもしれませんし、そういったことについて、大体その背景、経過、何が変わったかというところが今の段階で大体明確になっておりますが、この先、この結果、どんなことが発生しているのかというところが出てくると非常に大きなメッセージとして、実際に行動に移すときにはとても有益な視点になるのではないかと感じました。もし今ここで御存知の例があれば、教えていただきたいと思いますが、今後そういったところを議論していくのが重要ではないかと思った次第です。

 以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。

 確かに賃金体系全体像を明確にしながら、この手当をどういうふうに位置付けるかというのは大事な視点だとは思いますし、そうした賃金制度を改めた結果、どういう結果が起こったのかは、企業の労務管理上は結構重要な視点かなと思います。今、若干触れられましたけれども、今日事例として取り上げられたところで、どういう結果、効果があったのか。あるいは問題が生じたのかというのがあれば、今すぐでなくても結構ですので、そういった話があれば、教えていただければと思いますが、今日は無理ですか。

○増田大臣官房参事官 戎野委員から御指摘をいただきました実施時期、効果についてでございますけれども、企業様の取組事例につきましては、先ほど成果主義でございますとか、役割給の流れでございますとか、そういったような処遇全般の見直しが検討されました2000年の前半から、それから最近の事例まで私どもでそういうのが行われたという情報をヒントに企業様にヒアリングをさせていただいていますので、年代については先ほど申し上げたようにここ15年くらいの間になされたものということでお考えいただければと思います。

 そういう意味からすると、先行して早めに取り組まれた事例がございますので、こちらについては今回出したものは、その背景、ポイント、内容という形で整理させていただいていますが、効果についても私どものヒアリング結果をもう一度見直させていただきまして、御紹介できるものがあれば、次回に御紹介をさせていただければと思っておりますが、特にこの見直しによって困っているとか、そういう事例は聞いておらないということだけは御報告をさせていただきます。

○阿部座長 ありがとうございました。

 それでは、その他はいかがでしょうか。安藤委員、お願いします。

○安藤委員 資料の御説明をいただき、ありがとうございました。お話を聞いていて、やはり労働者間の公平性とか納得感ということが鍵になるかなと感じました。そのための仕組み作りというのは、本来は企業の中の労使間で考えるべき問題があって、それに対しての政策的介入は限定的なのだろうとも思います。つまりは別に規制があるから行われているようなものでは現状はないわけでして、当事者間の話し合いがまずはベースとなります。そのために家族の中で、または労使で議論をしていくことが重要かと思いました。

 その際にお手伝いできるとしたら、まさに今日御提示いただいたような今般の流れとか、どういう取り組みがうまくいっているのか、またどういう問題があるのか。こういう情報提供ができることかなと考えました。ただし、社会全体の視点から、先ほどお示しいただいたみたいな人口減少であったり、労働力不足の観点から社会全体としては、女性にもっと働いてほしいというよりも、阻害要因があるのだったら、働きたい人のその意欲を抑制してしまうことはもったいないことだという観点から方向性を示し、企業がそれにどう配慮するのかというのは今後の議論かなと感じております。

 阿部座長から御提示いただきました歴史的経緯はとても勉強になりました。特に出発点はいろいろあったにせよ、やはり高度経済成長期における日本型雇用の影響として、家族手当や配偶者手当が生まれたわけです。日本型雇用では、配置転換や転勤とか残業などを会社側が決めますが、男性の長時間労働や転勤に家族がついていくようなことを考えると女性の雇用が、または女性が世帯主というパターンもあるでしょうけれども、一定程度抑制されてしまうということへの配慮としても機能していたのだろうと感じております。

 そう考えますと、先ほどグローバル企業のお話がありましたが、グローバル企業であったとしても、これまでは国内は日本的雇用慣行に基づいて、しかし、海外では、ちゃんとジョブ・ディスクリプションがある職務記述型の雇用をやっていた会社も多々あるでしょうから、全ての会社がこのグローバル化をしていくというわけでもないわけでありまして、どのような企業にとって、どういう手当が、どういう社内の制度が望ましいのかということも情報提供が必要なのだろうということです。

 例えばグローバル化で成果給だからとは言っても、これまでどおり企業側の命令で配置転換、転勤、残業があるような場合には、もしかしたら労働者間と言っても、これまで配偶者手当とかもらっていなかった人の納得感は上がっても、これまでもらっていた人が本当に納得しているのかどうか。そのためにも経過措置が重要なのでしょうけれども、そういうようなことで、まさに先ほど戎野委員からあったみたいに、実際にどういうところに弊害のようなものの種があるのかないのか。これについて、しっかり調べておくことが今後他の企業がこういう考え方を導入する際に安心材料となるのではないかと感じました。

 以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。

 もともとここの議論が始まっているのが、女性の活躍絡みで出てきているのは事実なのでしょうが、安藤委員がおっしゃるように、この問題はそもそもは労使間での議論を経て、企業の賃金制度あるいは手当制度をどうするかというのがもともと土台になっているのはそのとおりで、配偶者手当をなくしなさいとか、そういった政策的介入はやるべきではないと、それは皆さんも理解しているところではないかと思います。

 ただ、その上でおっしゃったように、企業あるいは組織での背景なり状況があって、その中でどのように賃金体系なり手当の体系をどうしていくかというのは、労使間でよく議論していただきたい。そのための情報提供を我々はできたらなと、私は個人的にはそう思っておりまして、安藤委員の意見には賛同しているところであります。

 もちろんグローバル化企業だからと言っても、その必要性はないという会社もあるでしょうし、手当はないほうがいいだろうという会社も出てくると思います。それは労使にお任せしたほうがいいと思います。ただ、変更するときにどのような問題点があるのか。あるいはどういったところに留意して変更すべきなのかといったところを考えていくのはもちろん大事だし、あるいは変更したときと変更しないときではどんな効果が違いますかというのがもしわかれば、そういったものも出ていけばいいかなとは思うところであります。ありがとうございました。

 それでは、大嶋委員、よろしくお願いします。

○大嶋委員 御説明をありがとうございました。頂いた資料を拝見してまず非常に思ったことは、配偶者手当を見直していくことについての社会的要請と、労使の認識の間にだいぶずれがあるということです。家族手当を見直す意向の企業の割合は現時点では非常に低いですし、労働者へのアンケート調査でも配偶者手当を不要と考える人の割合が減っている。

 一方、社会的要請につきましては、女性の活躍と少子化への歯止めを同時に実現するためには、男性が家庭生活において活躍することが非常に重要であり、そういった意味では、性別役割分業を前提とした制度というものを見直す必要があるというのが1点。

 また、配偶者手当だけが原因ではないですけれども、就業調整は労働時間だけではなくて、賃金面についても行われているということが明らかにされている。こうした賃金面の就業調整が、就業調整型のパートと同じ仕事に就く世帯主のパート労働者、これは205万人くらいいると思いますけれども、そうした方の賃金を抑制している懸念がある。これは格差や貧困問題に関連して大きな問題になっているのではないか。特に大企業で配偶者手当というものがより充実していることから、大企業の正社員の配偶者の就業調整が低所得世帯の収入を抑制する構造というのも1点考えられ得る。そういった点でも、見直しに関する社会的要請は非常に大きいのかなと考えています。

 長くなって恐縮なのですけれども、3点目として賃金上昇に対して、あまり積極的ではない労働者の存在というのは、もしかしたら企業の労働生産性を引き上げるような投資を抑制する影響も長期的には考えられるわけで、そういった意味でも賃金上昇に対して女性が積極的になれるような環境を整えていくことが必要かと考えています。

 こうした社会的要請と労使の認識のずれをどのように埋めていくのかというのが、この検討会でまとめる報告書の役割と考えている。特に納得感、公平性の重要性について、他の委員の方から再三御指摘があったところですけれども、配偶者手当をやめて育児に配慮すればいいのか、これからいろいろな労働者に関して、関わってくる可能性のある介護等についても配慮していく必要はないのかなど、今までの公平性とは何だったのか、今後の公平性とは何なのかというのを丁寧に整理してあげることが、労使がこの問題を前向きに考える上でのヒントになるのではないかと考えます。

 以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。

 社会的要請と労使のずれということで、よく経済学ですと、個人がいいことをしていても社会全体のためにはならないという合成の誤謬とか言われるようなことがありますが、今、大嶋委員がおっしゃられたことは、そういうことなのかなとお聞きしたところであります。特に格差の問題を助長するような制度はどうかというのはおっしゃるとおりかと思います。

 もちろん重要な論点として、制度が賃金上昇を抑制するように労働者に志向させることによって、そういったタイプの人たちに企業は積極的に人的資本投資ができなくて、生産性が落ちてしまうという問題がまさに出てくるというのは確かに大きな問題だろうと思います。

 ただ、ここで言っていいかどうかは分からないのですが、私はだからと言って、もちろん労使でやるというのは重要なのですが、今日も資料で出てきましたけれども、配偶者控除の話ですとか、社会保険制度の見直しですとか、そちらの方からもやらないと、この合成の誤謬の問題は解決しないようには思います。配偶者控除の方は、今はある意味でペンディングの状態になっていますが、追々そうした観点からペンディングになっているところが動き出すのではないかと思っております。そうしたことにもなると、企業も少し考えるのかなと思います。

 もう一つ思ったことは、配偶者手当の見直しをしようとしている企業が少ないのではないかということを大嶋委員がおっしゃいました。少ないのですけれども、それは企業の方に聞くと、政府はやっていない、公務員がやっていないから、うちもやらないという答えをされる方が多いです。公務員側は何を言うかというと、民間がやっていないから、公務員は民間準拠なのでやらないと。そういう意味で、囚人のジレンマ的で、あちらもやらないから、こちらもやらない。だから、こちらもやらない。そういうある種の均衡に陥っている可能性があって、今回こういった問題で公務員側も考えることになっていますので、もしかしたら、それをきっかけに動く可能性はあるかなと思っております。いずれにしても、労使でよく考えていただくというのは大事だけれども、社会的な要請もかなりあるということではないかと思います。ありがとうございました。

 それでは、神吉委員、何かございますか。

○神吉委員 今まで各委員の先生方から御教示いただいたように、女性の活躍を阻害しない,性に中立的な制度を奨励するというのは今後のあるべき方向であると私も考えております。ここでは法的な観点から2点ほど、気になる点を申し上げます。いろいろな例を御提示いただきまして、その多くは配偶者関係の手当を、原資を減らさずに他の手当に振り分ける例が上がってきています。それにもいろいろ濃淡がありまして、基本賃金に組み入れる例と、子供手当等その他のものに振り分ける例とがありました。

 まず、基本給に組み入れるパターンに関しましては、基本給は時間外割増手当や賞与、退職金の算定にも関わってくるので、その振り分けが問題となりえます。基本給に単純に組み入れてしまうと原資を圧迫する可能性がありますので、職務等級でどのようにそれを振り分けていくかといった問題がありまして、単なる上乗せでは済まないというところから、労使でよく話し合うことが必要だと考えます。

 その他の手当に振り分けるパターンでは,特にお示しいただいた例の中で私が非常に関心を持ったのは、次世代育成支援という観点から子供関連の手当に振り分けていく企業です。基本給に組み入れるか、それとも子供手当に振り分けるかは,理論的にかなり大きな違いがあると思います。

 奨励していく方向でいろいろな例を示すならば、どういうふうに重みづけしていくのかが一つの考えどころになるでしょう。基本給の場合、全ての企業内の労働者に関わるものですので、労務の対価として、労務と賃金の交換に関する論理が妥当します。これが子供に振り分けるという話になりますと、ニーズに応じた,分配に関する論理になってきます。どちらを奨励するかという問題は、最終的には労使で話を尽くすという、安藤委員が納得感とおっしゃっていましたけれども、そういった観点での考慮が不可欠になります。

 以上の2点から、いずれにせよ、鍵になるのは労使がきちんと話し合って、その企業に適した賃金体系を構築していくということだと思います。そういった観点から気になる事例が、資料中のI社です。御説明では、この資料はほとんどが大企業の例となっておりますが、このI社に関しては労組がなかったために過半数代表者との間で話し合いをして、それから就業規則を変更したと伺いました。

 大企業では恐らく労組がそれなりにプレゼンスをもち、労使での話し合いがスムーズでしょう。従業者規模1,000人以上の規模だと大体45%くらいの組織率ですが、企業の規模が下がっていくにつれ、100人以上999人以下の企業では、14%くらいに下がってきて、99人未満企業は1%まで下がってきます。そういった現状で、大企業であれば労使協議を尽くしやすいが、そうでなかった企業ではどうするかが問題です。

 I社の例をみると、原資を保ったまま成果主義的なものに振り替えていくということですが、そうでない場合も出てくるでしょう。労使が対等に話し合えなければ、単に配偶者手当を減らす方向もありうるわけです。そのときに労使の話し合いが尽くされていればいいのですが、特に小規模企業の場合は、制度的な担保が薄いことが想定されます。

 配偶者手当はそもそも大企業に厚くて、中小は少ないかと思っていたのですが、資料4の29ページで企業規模の規模別を見ますと、50人以上100人未満の企業の場合でも、かなり家族手当制度を設けています。とすれば,家族手当制度があって配偶者手当があるにも関わらず、うまく労使協議ができないようなところが相当数あると思われるわけです。

 その場合、労働組合がないため過半数代表者という個人を選定して、その個人との間で話し合うことになりますと、過半数代表者には専門性がないので、企業の意見が通りやすくなります。それで原資を保つという担保もないまま純減になった場合、その歯止めとしては、当該就業規則の不利益変更に合理性があるかで判断していかざるを得なくなります。

 そして事後的に合理性があるか否かを見ていったときに、女性の活躍を阻害しない,性に中立的な働き方を奨励する趣旨が強く打ち出されていると、そのことが合理性を基礎づける判断に導くことも考えられます。そうなってくると、きちんとした労使間の話し合いを担保するような制度が特に小規模企業になければ、労働者の権利が侵害される余地を生み出す懸念もあると考えています。

 以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。

 見直し前の配偶者手当も原資をどう配分していくかという問題と、就業規則、配偶者手当が変更になるときの合理性はどこにあるのかといったときに、労使間の話し合いが特に中小企業で担保できるのかという問題を論点として整理していただいたと思いますが、今回の出たところで言えば、基本給に直接組み入れた例は4例で、あと残りは全部手当の中で入り繰りをしたように思うのですが、確かに基本給に入れた会社については、具体的にどのように配分したのかというのは、確かにおもしろい話かなとは思いました。

 2つ目の論点ということになると、ここで言っているI社の例ですけれども、過半数代表者の役割がどういうふうになっているのかということかなという気がしましたけれども、このあたりは次回に詳細に議論をしていただくことになろうかと思いますので、その際にまた御意見をいただければと思います。ありがとうございました。

 安藤委員、どうぞ。

○安藤委員 今、神吉委員から御紹介いただきました考え方として、性に中立的かどうかというところがとても気になるポイントかなと感じました。制度自体は性に中立的です。別に女性がフルタイムで働いていて、男性が家庭でサポートするという場合に恐らくこういう制度を導入している企業では、配偶者手当をもらえるのだと思います。しかし、制度として性に中立的なのか。しかし、実態問題として、どういう役割分担が社会的に多く見られるのかという観点から、神吉委員は性の中立性をとても重視されていたと思います。

 それに加えて、この中立的かどうかという観点からは、まず、家族構成に対して中立的かどうか。働き方に対して中立的なのか。こういう観点からも、こういう仕組みはとても気になるものだと思いました。配偶者、今回は女性の活躍推進というのが表に出ていますので、配偶者のところでは重視されていて、そこの手当が例えば、子育てのほうに向けられるということがあるわけですが、では、今の未婚化、晩婚化、または少子化の時代において、子供が多い人には給料がたくさん払われ、結婚しない、またはできない、子供がいる、いない方に中立的でない形で給料が払われるということに対して、その面での中立性はどの程度担保されるべきなのか。

 これも合わせて、神吉委員から出た、賃金原資を一定とするようなことを重視するという視点というのは、確かに労働条件の不利益変更にならないという観点からは重要なのですが、それをどこに持っていくのが合理的であり、納得性が高いのかというのは、今回の問題と併せて考えないといけないのではないかと感じました。

 感想ですが、以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。

 非常に難しい話かなとお聞きしておりました。確かに子供の有無ですとか、そういったところで考えるのが中立的かどうかというのはなかなか難しいかなという気はいたしますが、今の話で思い出したのは、私が昔、勤めていた会社で同僚の女性が、私は旦那さんと比べたら私のほうが給料が高くて、旦那さんが住宅手当がもらえない。私たちの会社には住宅手当の制度がなくて損したみたいなことを言っていたことを今、思い出しまして、手当はそういうところがあるのでしょうけれども、つまり旦那さんの会社の中で住宅手当をもらえないのは、その旦那さんくらいで、損したみたいなことを言っていたと思うのでけれども、そういう意味で、中立的というのがどういうふうに考えればいいのかは難しいという気がいたしました。でも、重要な論点かと思いました。

 他にはいかがですか。神吉委員、どうぞ。

○神吉委員 今、御提示いただいた点は、間接差別の問題に似ています。転勤要件を課すとか、教科書的には身長体重要件を課すとか、それ自体は性に中立的だけれども、効果として男女で振り分けられて性別役割分業が固定されるようなことがあれば、それは中立的ではないと評価されるべきかと思います。

 子供の手当に振り分けることの問題は、今、配偶者手当の問題が女性の就業調整のほうに効いている事実にあります。これは、配偶者手当を受け取っているのは圧倒的に男性だという社会的状況を意味します。これを子供に振り分けても、子供を扶養しているのも主として男性なので、子供をもつ労働者世帯にとっては、就業調整の背景はそこまで変わらないかもしれません。このように,配偶者手当を変えても、扶養家族への着目が変わらなければ,大局的には状況は変わらない可能性もあり得ます。そういった意味で、家族構成や働き方、どこの点にフォーカスして中立的と言えるかは、議論の余地がある問題だと考えております。

○阿部座長 どうぞ。

○安藤委員 今の点なのですけれども、もし実態が分かれば教えていただきたいのですが、配偶者手当には年収要件が課されている企業がたくさんありました。では、子供の手当に対してはどうなのでしょう。夫婦が共働きで両方の会社に子供の数に応じた扶養手当みたいなものがあったときに、これは子供には年収ということはないですから、どちらかの会社から、他社からもらっていたらもらえないものなのか。それとも両方もらえるものなのか。これについて、もし実態を御存知でしたら、教えていただければと思います。

○増田大臣官房参事官 御指摘の点でございますけれども、ヒアリングの中ではそういうことについて、他社から出ている場合の併給調整みたいな話は伺えておりません。データ的にも私どもが調べている限りでは、そういうデータはなかったのですけれども、あまり御指摘の観点でデータのほうを洗っていなかったものですから、委員の皆様方にも御相談をしながら、そういうものについてはどんな仕組みになっているのかがわかれば、次回の資料として出させていただきたいと思います。

○阿部座長 どうぞ。

○神吉委員 その点ですが、恐らく所得税や住民税の扱いにしたがって子供はどちらか一方につけるのが多いのではないかと思います。配偶者手当に関して企業が103万とか130万という税法あるいは社会保険の扶養を目安にしているのと同様です。統計は分かりませんけれども。

○阿部座長 多分そうだと思います。

○増田大臣官房参事官 そうです。ご指摘のとおり、企業事例でも制度として子供であっても税制上の扶養に入っていることを要件としている事例もありましたので、そういうところでは、どちらの扶養としているかということで出る、出ないが決まると、考え方としてはそういうことだと思います。

○阿部座長 どうぞ。

○安藤委員 よく年末調整か何かの書類のときに、扶養家族は誰がいますかというのをつけるほうで決まってくるということなのでしょうけれども、となると、その場合も男性と女性でどういう状況なのかということは興味があります。まさにどちらの会社のほうが手当が厚いかに応じて振り分けたほうが得なような気も、先ほどの住宅のお話みたいに手当があるほうに寄せたほうがいいような気もするのですが、そういうところの実態はどうなっているかもあわせて気になったので、もし今度わかったら教えてください。

○阿部座長 あまり戦略的にはできなくて、大体が世帯主はどちらかというので判断されているのが多いのではないかと思うのですけれども、もし戦略的にできるような会社があったら、おもしろいなと思います。

 他にはいかがですか。中立的なというのもなかなか難しいですね。

 では、戎野委員、お願いします。

○戎野委員 今、御議論を伺いまして、本当に中立的なというのは難しいと私も思いました。そういったときに考える一つの考え方として、まさに阿部座長が提示してくださった、この歴史を振り返るというのは非常に重要かと思います。その時代的な要請の中での公平感や納得感がやはりあり得ると思うのです。極端な話、戦時中にできた賃金臨時措置令がいろいろ弊害があったり、問題はあったかもしれないけれども、その当時としてはこれが妥当であると判断した、それなりの根拠があり、理由があった。もちろん今は時代が大きく変わっていて、社会背景が変わった中で、どのような中立性、公平性が社会として妥当なのかというのが提示できたらいいのではないかと思います。

 労使の自治の部分が非常に大きいのですけれども、実際に私も労使の調査をいろいろとしますと、先ほど阿部座長からもありましたけれども、よく分かっていなくて、改革をしなければいけないのだけれども、他社さんはどうしていますかとか、そのときのポイントはどこなのでしょうかとか、逆に調査伺うと他社さんのことを非常に質問されます。実際に改革したいろいろな課題を抱えながら、どこから手をつけたらいいのか。そのときの考え方は何なのか。また、そのときの条件となっているのは何なのかというところを明示できるということは非常に有益なのではないかと感じました。

 以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。

 今の話を聞いていて私が思ったのは、賃金の役割は何かということがあって、一つは労働の対価ということもあるでしょうし、もう一つは労働のインセンティブという役割もあると思います。だけれども、もう一つあるのは、生活維持という根本的なお話もあるのだろうと。戦時中ですとか高度経済成長の前夜とかは、生活維持の面でこの家族手当という役割が非常に大きくあったのではないかと思います。ただ、今、家族手当がなかったら生活維持ができないかということを問うと、果たしてどうなのだろうかというのを私は思うところがあります。

 そういう意味で、時代の中での納得感、社会として妥当かどうかというのは問われてもいいかなというところがあるかなと思います。特に先ほどの世帯主の男性の正規雇用者の比率は下がっているところをどう考えるか。先ほど大嶋委員が言われた、正規、非正規の間での格差の問題について、どう考えるかとか、いろいろ考えておくべき点はあるかなということを今、戎野委員のお話をお聞きしながら、思った次第であります。そういったところも併せて考えるべきかと思います。ありがとうございました。

 ほかには大体どうですか。皆さん、ほかに御発言はありませんか。

 それでは、相当に終了予定時間よりも早いのですが、皆さんにとりあえず、ここで言いたいことは言っていただいたと思いますので、もしまた追加で御意見等がありましたら、後ほど事務局へ御連絡いただければ、あるいは私の方でも構いませんが、お伝えいただければと思います。きょう御欠席のお二人の委員には、事務局のほうで御意見をお聞きして、また報告書の取りまとめの際に参考になるようにしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次回以降の進め方については事務局とも相談しながら、私のほうで考えさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○阿部座長 ありがとうございます。

 それでは、最後に次回の日程等について、事務局から御説明をお願いします。

○増田大臣官房参事官 それでは、私から次回の日程の御案内でございます。現在、2月中旬を目途に調整をさせていただいておりますので、確定次第、開催場所と併せて御連絡を差し上げたいと思います。

 以上でございます。

○阿部座長 ありがとうございました。

 それでは、これにて第1回「女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会」を終了したいと思います。

 本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

労働基準局労働条件政策課賃金時間室
政策係(内線:5373)
代表: 03-5253-1111

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働基準局が実施する検討会等 > 女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会 > 第1回女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会 議事録(2015年12月15日)

ページの先頭へ戻る