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2016年1月20日 第20回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成28年1月20日(水)15:30~17:30


○場所

厚生労働省12階 専用第14会議室


○出席者

増田部会長、大山部会長代理、岩瀬委員、金田委員、喜田村委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、椎野委員、西沢委員、西村委員、原委員、安井委員

○議題

(1)特定事由に係る申出等の承認基準について
(2)日本年金機構の中期目標・中期計画の改定及び平成28年度計画の策定について
(3)その他

○議事

○中里年金事業運営推進室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第20回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 まず、委員の出席状況でございますが、本日は石井委員、磯村委員、藤井委員、松山委員及び山口委員が御欠席でございます。

 議事に入る前に、今月、日本年金機構の人事異動がございましたので御紹介をいたします。

まず、清水副理事長でございます。

 

○清水日本年金機構副理事長 この1月に副理事長として採用されました清水でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

○中里年金事業運営推進室長 続きまして、宮本事業企画部門担当理事でございます。

 

○宮本日本年金機構理事 同じく1月1日付で事業企画担当部門理事に採用されました宮本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○中里年金事業運営推進室長 続きまして久島システム部門担当理事でございます。

 

○久島日本年金機構理事 久島です。よろしくお願いいたします。

 

○中里年金事業運営推進室長 続きまして下山特命担当理事でございます。

 

○下山日本年金機構理事 下山でございます。よろしくお願いいたします。

 

○中里年金事業運営推進室長 以上でございます。

 それでは、議事進行につきましては、部会長よりお願いしたいと存じますけれども、恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いいたします。

 

(カメラ退室)

 

○増田部会長 それでは、議事次第に従って本日の議事を進めていきたいと思います。

改めましてでありますが、本年になりまして第1回目でございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

議事の1つ目ですけれども、「特定事由に係る申出等の承認基準」についてということであります。

本日付で、塩崎厚生労働大臣から「特定事由に係る申出等の承認基準(案)」について、社会保障審議会の西村会長宛てに諮問がなされたところでありまして、これについての審議を初めに行いたいと思います。

本件については、当部会の下に「特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会」というものを既に設置をして審議をこれまで行ってきたところがあります。この専門委員会を設置する際にいろいろな経緯等についてお話を申し上げたことがございましたが、そういう委員会で、当部会の喜田村委員に委員長に御就任をしていただいて審議を進めてきていただいておりましたので、これから喜田村委員から内容について御説明をいただきまして、皆さん方から御意見をいただくと、こういうことで行っていきたいと思います。

それでは、喜田村委員、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○喜田村委員 喜田村でございます。承認基準につきましての御説明をさせていただきますけれども、適宜、資料1の3枚目ぐらいから制度の創設についてということで、参考資料がついておりますので、これを御参照いただきながらお聞きいただければと思っております。

 もともと今回、承認基準ということができるようになったきっかけといいますか、制度がどのようなものかということを申し上げますと、平成26年でございますので、今からですと一昨年前ということになりますけれども、一昨年前の6月に成立をいたしました年金事業運営改善法ということで、事務処理誤りについての対象が決められたわけでございます。これを法律上は「特定事由」と呼んでおりますけれども、事務処理誤り等によって国民年金保険料の納付の機会を逸失した場合等につきまして、被保険者等が厚生労働大臣に申し出をするということとなりまして、その申し出が承認されれば事後的に保険料の納付等を可能とする制度、これが新しくできたわけでございます。この制度を本年の4月から実施というふうに聞いております。

それで、その申し出につきまして、どのようなときに承認をするのかということを決めるというのが今回の御下命の趣旨でありましたけれども、法令上申し出の承認基準につきましては、最初に部会長からも御説明ありましたけれども、社会保障審議会への諮問を経て省令で定めるということになっております。

私ども専門委員会では、申し出の承認基準につきまして、昨年の7月から10月、資料1の参考でいきますと、3ページにございますけれども、5回にわたって審議をしてまいりました。その結果、承認基準につきましては、資料1の別紙にございますけれども、「特定事由に係る申出等に係る事実が社会通念に照らして不合理でなく、疎明されたと認められることとする」、こういうことでよろしいのではないかということが専門委員会としての結論でございます。

疎明というのは、法律家はよく使うのですけれども、一応確からしいという推測が可能になる、その程度の証明、挙証ということでございます。裁判のいわゆる証明というように、完全に100%の証明というようなところよりもやや程度は低い、一応確からしいということでございます。

この「社会通念に照らして不合理でなく、疎明されたと認められること」というのは、実は他のところでも使っていることでございまして、年金記録訂正手続も同じような基準を使っております。と申しますのは、この制度は行政機関などの管理運営に起因して、責任がないにも関わらず不利益を被った方々を救済して、もって国民年金制度への信頼に応えることを目的としておりますので、その点におきまして、年金記録訂正手続と共通点があると私ども考えております。その結果、年金記録訂正手続と同様の基準を用いることが相当ではないかというふうに判断をいたしました。したがいまして、社会通念に照らして不合理でなく、疎明されたと認められること、これが承認基準として、私どもの結論でございます。

なお、補足になりますけれども、この基準に基づきまして、これだけだと分かりにくいというのは当然ございましょうから、どのような場合に承認するのか、あるいは証拠としてどういったものが考えられるのかといったような具体的な事務取扱の考え方につきましても、5回の専門委員会の中で議論をしておりまして、その議論の結果を現在事務局においてお取りまとめいただいていると承知をいたしております。それも最終的にはでき上がるものと考えております。

基準についての説明は以上でございます。

 

○増田部会長 ありがとうございました。それでは、今、喜田村委員から御説明ありました内容について、御意見、御質問ありましたらお受けしたいと思いますので、どうぞお願いいたします。どうぞ、岩瀬委員、お願いします。

 

○岩瀬委員 今、御説明ありましたどういうケースが当てはまるのか、どういう基準を適用するのかということについて、喜田村先生の方から、今、事務局でまとめていただいているというお話があったのですが、まとまったものというのは当然部会の方に提出していただけるのでしょうね、という確認なのですけれども。

 

○増田部会長 これは厚生労働省の方で事務局をやっていただいておりますので、そちらの方でお答えありましたら。

 

○高橋事業管理課長 先ほど喜田村委員から御説明いただきましたように、この専門委員会では、この基準案の他にも事務取扱の要領についても取り上げていただいておりまして、その中で、どういう事例について、どういう資料を集めるとか、資料の確認、調査方法、標準処理期間、こういうものについても御審議いただいておりまして、そういうものも踏まえて、今、事務取扱の要領についても作業をさせていただいております。いずれそれができた際には、また委員からの御指摘を踏まえて対応していきたいと思っていますし、部会に報告するということであれば、そのようにさせていただきたいと思います。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○岩瀬委員 ぜひ部会に出していただきたいと思います。

 

○増田部会長 それでは、その点、よろしくお願いいたします。大体、高橋さん、目途はいつ頃になりそうですか。

 

○高橋事業管理課長 できるだけ早くということでやっております。よろしくお願いいたします。

 

○増田部会長 喜田村委員のところは多様な、いろんな事例を取り扱われたというふうに聞いておりますので、現場が困らないように、よろしくお願いします。

 他に何かございませんでしょうか。どうぞ。

 

○西沢委員 これは、基準が決まった後の話なので、気が早いかもしれませんけれども、救済制度ということで、この仕組みができたことを知っていると知らないとでは年金額が変わってくるわけです。どのように皆さんに周知していくのか、何かお考えがあれば。後で、知らなかった、こういう制度があるとは、もっと早く教えてくれればよかったのにということにならないようにしないといけないので、お考えがあれば教えていただきたいと思います。

 

○増田部会長 これは機構の方でも多分やると思うし、法律改正をやって、まもなく施行ということで、多分厚労省の方でもこれまでやられてきたのだと思うのですが、どちらでも周知徹底について、それでは機構の方からお願いします。

 

○深田日本年金機構理事 年金機構の事業管理部門担当の深田でございます。本件については、今日御答申いただきましたら、この基準に沿って、事例を過去のやつを洗い出しをしようと思っております。それを取りまとめた上で、なるべく把握できた分については御本人に事務所を通じてですが、御連絡をして、手続がとれますというものはお知らせをしたいということを考えておりますし、またホームページがございますので、そこに制度の周知を図るような措置も考えていきたいと思っています。

 

○増田部会長 西沢委員の御趣旨は、事例の対象になっている人たちへの今の対応もそうなのですが、あと、広く世の中にお知らせして、こういう潜在的な人たちをより積極的に掘り起こすみたいなことだと思うので、その点についても取り組んでいただきたいということだと思いますが、西沢委員、よろしいですか。

 

○西沢委員 はい。

 

○増田部会長 ぜひ周知徹底方をよろしくお願いいたします。この事例で、時効で本来かかっていたものが、きちんと今回対象になるようなということを積極的にPRしていただく必要があると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

他にはよろしゅうございますか、この関係は。

それでは、ただいまの関係については以上にいたしたいと思いますが、当部会としては、特に承認基準については御異論がないようでありますので、今回の厚生労働省案ということになりますが、こちらを妥当と認めて、その旨を私から西村会長に御報告したいと、こういうふうに思います。よろしゅうございますね。

 

(「はい」と声あり)

 

○増田部会長 それでは、どうぞよろしく。事務局から報告文案を1回配付するのですね。念のため、御確認をしていただきたいと思います。

 

(報告文案の配付)

 

○増田部会長 それでは、事務局から読み上げていただけますか。それでは、お願いします。

 

○中里年金事業運営推進室長 では、読み上げさせていただきます。上の方は省略いたしますが、表題でございますが「特定事由に係る申出等の承認基準について」でございます。

「平成28年1月20日付け厚生労働省発年0120第8号をもって社会保障審議会に諮問のあった標記については、本部会は、審議の結果、妥当と認めたので報告する」。

以上でございます。

 

○増田部会長 それでは、会長宛てに以上の文案によって報告することといたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

 

(「はい」と声あり)

 

○増田部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。

議事(1)は以上にいたしまして、続きまして議事(2)であります。「日本年金機構の中期目標・中期計画の改定及び平成28年度計画の策定について」、こちらに進めていきたいと思います。前回12月8日の当部会で、日本年金機構の「業務改善計画」案について審議をいただきまして、それを受けて、翌9日に厚生労働省に機構から「業務改善計画」の提出がございました。

この「業務改善計画」を踏まえて、平成26年度から30年度までの5年間を対象期間とする中期目標、この中期目標は第2期ということになるのですが、これは既に定まって今進行途上でありますけれども、それと中期計画、こちらについて、遡って内容を見ますと、業務改善計画に照らし合わせて追加すべき事項もあるようであります。また、来年度(平成28年度)計画については、これから作っていくわけですが、その中に反映させていく必要もございますので、この中期目標と中期計画、年度計画、この策定について審議をしていきたいと思います。

まず初めに、事務局と機構から、今の点について、資料で説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

○中里年金事業運営推進室長 まず私の方から、日本年金機構中期目標の改定(案)につきまして御説明をさせていただきます。お手元の資料2-1を御覧いただければと思います。

 中期目標でございますが、これは3年以上5年以下の期間の中で、機構が達成すべき業務運営に関する目標を厚生労働大臣が定めるといったものでございまして、先ほど部会長からありましたように、今、第2期の中期目標となっております。その期間は平成26年度から平成30年度までの5年間ということになってございます。昨年の12月に提出されました業務改善計画におきましては、組織改革ですとか人事改革といったような内容が盛り込まれていたというところでございますけれども、こういった内容につきまして、現行の中期目標には含まれていないといったところでございます。

今後、業務改善計画を踏まえた形で、機構の方で平成28年度の計画を策定していくということになるわけでございますけれども、それとあわせまして、中期目標につきましても所要の改定を行う必要があるのではないかというところで、本日案をお示しするものでございます。

内容を見ていただきますと、資料の下3行あたりでございますけれども、中期目標の前文の中に文言を追加してはどうかというところでございまして、具体的に申し上げますと、業務改善計画(平成2712月9日)を確実に実行するとともに、今般の情報流出のような事案の再発防止に万全を期されたい、こういった文言を追加するといったことでございます。

簡単ではございますが、中期目標の改定につきましては以上でございまして、引き続き、中期計画の改定、28年度計画につきましては、機構の方から御説明をさせていただきます。

 

○増田部会長 それでは、よろしくお願いします。

 

○樋口日本年金機構経営企画G長 それでは、資料2-2以降でございますけれども、日本年金機構経営企画部の樋口から御説明させていただきます。

資料2-2でございますけれども、中期計画の改定案を用意いたしました。この資料、2つ欄がございますが、左側が現行の中期計画、右側が変更箇所のみ書かせていただきました。今回の改定は、業務改善命令を受けて策定した業務改善計画を、この中期計画に反映させていくものでありまして、内容につきましては、御案内のとおり、内部統制に関わるもの、情報公開に関わるもの、情報セキュリティに関わるものでありますので、この中期計画の項目で言いますと、業務運営の公正性、透明性の確保、その他重要事項という項目がございまして、これがページ開いていただきまして16ページでございます。

基本的にはそこに関係する項目でございますので、そこに追記するということにしております。16ページローマ数字3が「業務運営における公正性、透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」ということでございまして、国民の信頼に応えられる組織として機構を再生するため、組織面、人事面及び業務面のすべてにおいて抜本的改革に取り組むことで、組織の一体化、ガバナンスの強化、リーダーシップの確立及びルールの徹底を図っていくということでございます。

大きく分けまして、「組織改革」、「人事改革」、「業務改革」があるということでありまして、このうち「組織改革」につきましては、次の17ページに業務改善計画の内容を入れさせていただいております。

「本部・ブロック本部」でありますと、常勤役員会の設置、また本部組織の再編・効率化、ブロック本部の本部への統合。

「年金事務所」、「事務センター」の再編、集約化についてもここに出ているということでございます。

また、「人事改革」につきましては、その次のページ、19ページでございます。もともと「人事及び人材の育成」という項目がございましたが、ここの中に追記する形で入れております。

職員の採用は人事は本部で一括して行うといったことでありますとか、非正規職員について、無期化を進める。役職と資格の関係の見直し、本部・現場間異動など全国異動ルールの問題点の見直し、給与のあり方の見直しについても取り組むとしております。

また、役職定年制度や早期退職募集制度を導入するなどによって、年功序列を排した能力・実績本位の人材登用を進める。また、業務の専門性の確保・向上にも留意した人事を行うため、明確なキャリアパスを提示する。女性職員の活躍も推進する、としております。

また、人事評価の項目で言いますと、360度アセスメントを活用するなど、意欲・実績ともに低い職員に対しては厳正に対処する、ということを入れております。

人材育成につきましては、外部機関や民間企業における研修など、多様な研修制度を実施していく、としております。

また、業務改革につきましては、それぞれ関連する業務等に関するところに記載しています。例えば年金相談につきましては、予約制を拡充するといったことでありますとか、地域によってはテレビ電話による相談を実施していくといったようなこと。これはページで言うと8ページに「年金相談」のところに追記しておりますし、また11ページ、「ねんきんネット」の機能の拡充につきましては、ここに記載しております。

また、12ページでございますけれども、「業務の合理化・効率化・標準化」の項目が今ありますけれども、この中に業務削減会議を設置し、既存業務の必要性等の検証を行う。また、新規業務開始時にはスクラップアンドビルドを検討していくことにしております。

また、次の14ページ、「人員体制」の項目のところにも追記しております。拠点の人員配置状況や職種ごとの業務量調査を実施し、適正人員の配置を行っていくということでございます。

18ページの内部統制の項目ですけれども、この中に(4)で「ルールの徹底」という項目を立てまして、ルールを徹底すべき重要な指示に限定して「指示・依頼」を発出することで、件数を半減させる。もしくはマニュアルの一元化を行っていくなどのルールの徹底の取り組みを記載しております。

「情報公開」の項目につきましては、ページで言いますと、20ページの右側の欄、「情報公開の推進」のところで、マル2でありますけれども、「事務処理誤り等の公表」という項目がございましたが、情報開示の担当理事、担当部署を設置し、モニタリングシステムの構築と監査機能の活用により、問題を早期に把握し、開示に繋げていくということをやっていくということでございます。

また、「情報セキュリティ」に関しましての業務改善計画については、次の項目「4.個人情報の保護に関する事項」に追記しております。特にインターネットからの攻撃をはじめとする情報セキュリティ上の脅威に対応するためということで、「マル1組織体制の確立」を行う。

また、マル3で追記しておりますけれども、個人情報につきまして、攻撃が及ばないシステムとするため、独立したインターネット環境を構築する等の取り組みを行っていく。

また、組織面、技術面、業務運営面の対策を行うとしておりましたけれども、「業務運営上の対策」としまして、新しくセキュリティポリシーを改正し、必要な手順書を整備していくなどの取り組みを追記しています。

続きまして、資料2-3でございます。「日本年金機構平成28年度計画の骨子(案)」というタイトルの資料を御覧いただければと思います。

業務改善計画の内容につきましては、前回の事業管理部会でも、より具体的な内容、工程を明らかにするべきであるという御指摘をいただいておりました。年度計画等におきまして、具体化していきたいと考えておりまして、本日のところは、28年度計画につきましては、まだ骨子の段階でしかお示しできておりませんけれども、本日の審議も踏まえまして、次回につきましては、年度計画の案を準備した上でお示しして、また御審議いただきたいと考えております。

また、あわせまして、後ほど御説明したいと思いますが、参考資料も用意させていただいておりまして、具体的な工程の詳細を整理いたしましたので、それも後ほど説明したいと思います。

28年度計画の骨子(案)につきましては、この資料、左側が28年度計画の骨子(案)ということでありまして、項目を挙げさせていただいております。右側の欄が、このうち業務改善計画に関連する事項の小項目を記載させていただいております。年度計画の案につきましては、年々の年度計画と項目はそのままベースといたしまして、業務改善計画に関連する項目を追加する、もしくは新しい制度改正の施行に合わせて項目を追記するというような修正をしているものでございます。

簡単に項目だけ御紹介いたしますけれども、ローマ数字1ですが、いわゆる基幹業務の推進に関する事項といたしまして、「1.国民年金の適用・収納対策」、「2.厚生年金等の適用・徴収対策」の項目を挙げております。

また、2ページ目でございますけれども、「3.年金給付」といたしまして、マル1迅速な決定、マル2年金受給にできる限り結びつけていくための取組、マル3障害年金をめぐる諸課題への対応という項目を挙げております。今後につきましては、業務改善計画で障害年金業務の集約一本化に向けた取り組みしていくとしておりまして、右側の欄にそれを記載させていただいております。次の項目は「4.年金の正確な管理と年金記録問題の再発防止のための対応」、「5.事務処理の正確性の確保」といたしまして、事務処理誤りの防止などの取り組みを挙げております。「6.年金相談、情報提供等」、また、3ページ「7.お客様サービスの向上」、「8.ICT化の推進」、「9.年金制度改正等への対応」を挙げております。

続きまして4ページでありますけれども、「ローマ数字2 業務運営の効率化に関する事項」を取り上げる項目でございます。「1.効率的な業務運営体制」、「2.運営経費の抑制等」、「3.外部委託の推進」、「4.契約の競争性・透明性の確保等」としております。

この4.の項目につきましては、マル1~マル5の小項目を挙げておりますけれども、「マル5保有財産の見直し」という項目につきましては、昨年の会計検査院の指摘を踏まえまして、保有財産の見直しをしていくこととしておりまして、新規に項目を立てさせていただいているところであります。

次の項目は「5.社会保険オンラインシステムの運用・開発、見直し」。

そして、5ページのローマ数字3でありますけれども、先ほど中期計画の改正のところでも御紹介させていただきましたけれども、「業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」といたしまして、業務改善計画の内容に取り組んでいくということ。それぞれの項目につきましては、「1.内部統制システムの有効性の確保」、次のページが「2.人事及び人材の育成」、「3.情報公開の推進」、「4.個人情報の保護に関する事項」となっております。

このローマ数字3の事項につきましては、右側の欄に業務改善計画の内容を記載しております。業務改善計画につきましては、3年間の集中的な取組期間としておりますが、来年度ほぼ全ての事項にわたって推進していくことになっておりますので、その項目は一通り載せて、具体的な取り組みに繋げていきたいということでございます。

あわせまして、参考資料の方も御説明させていただきたいと思います。参考資料2という資料を見ていただければと思いますが、1枚めくっていただきまして目次を用意しております。マル1~マル4までありますけれども、「マル1 27年度の取組状況」といたしまして、各種基幹業務の今年度の状況、データ等を整理させていただいております。本日、説明は省略させていただきますので、適宜、御参照いただければと思います。

「マル3 日本年金機構再生プロジェクト工程表(案)」、「マル4 情報セキュリティ対策の強化に係る工程表(案)」、これにつきまして御説明したいと思います。

後ろの方にA3の表をつけておりますので、そちらの方を見ていただければと思いますが、まず、再生プロジェクト工程表(案)でございます。

最初にこの資料に記載しておりませんけれども、業務改善計画を策定以降、その内容を実行していく段階に入ったということで、実行体制を整えるために本年度1月から年金機構に「再生プロジェクト推進室」という室を設けまして、約60人体制で実際の実行を進めていくための体制を確保しているということで、今、さまざまな準備をしながら進めているということでございます。3年間の集中改革期間と申しましたけれども、28年度には形を作っていくことが重要だと考えておりまして、スピーディーに進めていくという決意のもとに取り組んでいきたいと考えております。

項目は非常に多岐にわたっておりますので、ポイントだけ工程を説明させていただきたいと思います。

1番目が「組織改革」といたしまして、まず本部でございますけれども、「常勤役員会の設置」といたしまして、本部の縦割りを解消するなどの趣旨から設置をしているものでございます。昨年に設置規程を作成いたしまして、今年の1月から常勤役員会を設置して議論を始めているものでございます。

また、「本部組織の再編・効率化」でありますけれども、その1つ下でございますが、制度別の縦割り組織を横断的組織に変えていくということでありまして、大きく事業企画部門と事業推進部門に分けていくという作業をしております。これにつきましては、28年4月には新しい部門に組織を変える予定としております。

また、これに合わせまして、事業の推進につきましては、現場管理統括部署を設置すると申してまいりました。それが次の項目でありますが、今年の4月に現場管理統括部署を設置いたしまして、担当理事、地域統括部長(仮称)、地域マネージャー(仮称)という各現場を頻繁に回って、現場の状況を把握し、本部の指示を周知徹底すると、こういう役割を担う者を発令していきたいと考えております。

これにつきましては、ブロック本部の本部への統合とあわせて実施していくとしておりまして、この資料の下、後半の方と関連してきますが、「本部・ブロック本部の統合」につきまして、下半分のところに記載しております。まず28年4月付で組織規程を改正いたしまして、本部とブロック本部を統合するとしております。ただ、ブロック本部、物理的には、場所とそこの機能を担っている人員が各ブロック本部におりますので、それにつきましては順次本部への統合を進めていきたいと考えております。

まず、人事・労務関係業務の統合でございますが、3つ項目を分けておりますけれども、人事・労務関係は一番上でありまして、この1月に既にブロック本部の人事担当者の一部につきまして、先行で本部に異動というのを始めました。また、今年度中に人事担当者を順次異動しまして、今年の4月にはブロック本部の人事・労務関係担当者を本部に全て異動いただくという予定としております。

また、ブロック本部は経理関係業務、調達の業務を一部担っているというのがございまして、これにつきましては、今年の10月を目途に本部に異動いただく予定としております。また、あわせまして、各業務、国民年金、厚生年金、相談等の支援部というのがブロック本部にございますが、これを来年度(28年度)に本部への異動を行いまして、29年4月にはブロック本部機能を本部に完全に統合していきたいということであります。

上の方に少し書いておりますけれども、あわせてブロック本部の人員が本部に来ていただくことと同時に、現場への配付を行うということで、これにつきましても、29年4月には完成させていきたいということでございます。

続きまして、次のページ、「2.業務改革マル1」としておりますが、年金事務所の業務の集約でございます。「年金事務所の業務集約」はフルスペック体制の見直しを行っていくということを申しておりました。事業主を対象とした業務を集約、体制の強化を図ると同時に、お客様に関するチャネルについては拡大していきたいということで、まず、28年度第3四半期、10月から数カ所で事務所機能集約のモデル実施を始めたいということであります。その後、29年度から順次段階的に年金事務所の機能集約を進めてまいりたいと考えております。

また、「事務センターの業務集約」でございますが、現在39の事務センターが存在しているという状況であります。これにつきましては、当面8拠点程度まで集約を進めていきたいということで、3929にして、29から20にすると、そして8にするという工程を示させていただいております。

また、「障害年金センター(仮称)の設置」と書いておりますが、障害年金業務、本部と各事務センターに分かれていた業務につきまして、ばらつきが問題になっていたということがございましたので、この集約につきましては、一部28年度から、そして29年度には障害年金センターという形で一本化をしていきたいということであります。認定医の確保等をその途中の準備過程で行いながら進めたいということであります。記録業務につきましても、本部事務センターの業務について、記録業務センター(仮称)として統合を進めていきたいと考えております。

また、その下の項目でありますけれども、「業務削減会議の設置・運営」でございます。既存の業務、主要な業務につきまして見直しを検討するとともに、新規業務のスクラップアンドビルドにつきましては検討していくということで、外部の有識者等にも参加いただきまして、今年の4月から会議を設置し議論をスタートしたいと考えております。

また、その他業務の外部委託化、事務の簡素化、事務のシステム化につきましても、順次この工程のとおり進めていきたいと考えております。

次のページでありますが、「2.業務改革マル1」の「お客様サービスの向上」の項目であります。年金相談について予約制を拡充していくと申しておりました。これにつきましては、28年度第3四半期から予約制を導入し、そのための相談予約センターを設置していきたいと考えております。

また、「お客様チャネルの拡充」といたしまして、事務所の分室の設置、これは相談を担う分室を事務所の他に設置していきたいということでありまして、そのための要員は、事務所の機能集約をやっていくことによって捻出して、段階的に拡大していきたいと考えております。

また、テレビ電話相談の一部の地域での実施のために、試行的な実施を行っていきたいということ。また、ねんきんネットの機能拡充につきましても、順次行っていきたいということであります。

その下、後半の方でありますけれども、「人員配置の適正化」といたしまして、主に事務センターと年金事務所の業務量の調査を行いまして、順次人員配置を適正化していきたいと考えております。業務の実態調査につきましては、今年度から順次進めまして、実際の配置は29年度までかかると考えておりますが、29年度からは実際の人員の配置に反映させていきたいということであります。

続きまして、「3.業務改革マル2~ルールの設定・徹底」の項目でございます。

まず、「『指示・依頼』発出件数の削減」でありますが、「指示・依頼」につきまして、ルールを徹底すべき「指示・依頼」と業務連絡に当たるようなものとの仕分けを行うことによりまして、「指示・依頼」を「5割」削減していきたいとしております。

また、本部以外での「指示・依頼」発出権限の廃止、現場管理統括部署、また地域統括部というのを設けたいということでありますが、そこにおいて適切な「指示・依頼」ができているかどうか、事前審査を行う。こういったことをあわせまして、今年の4月から実際の取り組みに繋げていきたいということであります。

また、「マニュアルの一元化」でございますけれども、同じ業務につきまして、複数のマニュアルに分かれているものを一元化していきたいということでありますが、これにつきましては、28年度マニュアル一元化を検討するためのPTを設置いたしまして、そのためにマニュアルの内容に精通した職員を今年度から招集いたしまして、PTを設置する。これによってマニュアルを一元化するとともに、マニュアルのメンテナンスも一括に対応していく体制を順次整えていきたいと考えております。

また、これに合わせまして、業務の標準化作業につきましても、28年度から取り組んでいきたいと考えております。

下の方に「ルールの徹底」という項目がございますが、ルール徹底を行う責任部署の明確化としまして、これは現場管理統括部署を設置いたしますが、そこの部署がルール徹底を実際に担っていくとしております。そのために地域マネージャーを設置するという話は、先ほども申し上げましたけれども、地域マネージャーがそれを担っていくという体制にしていきたいということであります。あわせてルールにつきまして、各ルールの指示を受ける側にも、それぞれの課にルールの伝達を行う担当者を設置しまして、ルールが周知徹底される体制にしていきたいと考えております。これにつきましても、今年の4月には設置していきたいということであります。

続きまして、次のページ、「4.人事改革」でございます。

最初に「人事権の本部の一元化」につきましては、先ほどの組織改革のところで御紹介いたしましたので、省略したいと思います。

次の項目、「人事評価」です。意欲・実績ともに低い職員への厳正な対処といたまして、まずは現行の人事制度の中でも実際の運用の厳格化というのを考えていきたい。これは今年度からやっていきたいということであります。あわせまして、降格制度を見直しまして、さらに厳格化した対応をしていきたいということで、今年度降格制度見直しと職員への周知を行いまして、来年度から実際に対象となった方に対して再生プログラムを適用し、経過観察をして、必要な場合は人事異動等をしていくというサイクルを回していきたいということであります。

あわせて360度アセスメントにつきましても、来年度、第3四半期から導入していきたいということです。

続きまして、「人事制度の見直し」としておりますけれども、キャリアパスの提示といたしまして、ゼネラリストと専門職ごとのキャリアパスを提示していきたいというものでありまして、今年度準備をいたしまして職員の周知を行い、来年度から総合コースについて人材の育成を開始する。また、専門コースにつきましな、29年度からコースを設置して、新しいキャリアパスを適用していくということをやっていきたいと考えております。

また、管理職登用ルールの見直しでありますとか、管理職への若手登用の促進、これは28年度から登用制度を見直しまして、さらに29年度からは課長と一般職の間に「課長代理」ないしは「主任」というポストを新設いたしまして、管理職がマネジメント機能に重点化できるような体制をとっていきたいと考えております。

また、役職と資格の関係の見直しもしていくとしておりますけれども、これにつきましては組織の見直しに合わせまして実施をしていきたいと考えております。

続きまして、36ページでありますけれども、「4.人事改革」の中の人材育成等の項目であります。

一番上の項目は、新規採用の職員の人材育成でございますが、「新ジョブローテーション」と書いておりますけれども、今年度仕組みを周知いたしまして、来年度から新規採用の初年度にいわゆる主要4業務と申しておりますけれども、国民年金、厚生年金、相談業務等の主要な業務を初年度に一通り学ぶという新しい人材育成の仕組みを来年度から始めていきたいと考えております。

また、若手・中堅・管理職の研修の充実といたしまして、外部機関の研修の活用でありますとか、外部機関との人事交流もあわせて進めていきたいと考えております。

また、人事評価でありますけれども、メリハリのついた人事評価になるように、人事評価の仕組みを変えていきたいということでありまして、これは来年度の上期の人事評価から実際の実行に当たっていきたいと考えております。

また、若手の登用の推進等のために行っていきます役職定年制度につきましては、28年度の第3四半期から順次やっていく。また早期退職募集制度につきましては、29年度から実施していくということとしたいと考えております。

「給与のあり方の検討」とありますが、管理職と一般職との給与の逆転現象の解消等を進めたいということでありまして、中身の検討を行いまして、29年度から順次見直していきたいということであります。

また、「非正規職員の活性化」でありますが、無期化を進めておりますが、28年度も第2四半期、無期化職員の選考を行いまして、実際の登用をその後進めていきたいと考えております。

また、「女性の活躍推進」でありますが、新しい女性管理職の数値目標の設定でありますとか、女性職員に対する仕事上のサポートを担うような部署もしくはチームを本部に設置すると、こういったことを進めていきたいということであります。

続きまして、「5.情報開示・共有の促進」でありますが、最初の項目で、まず「情報開示の担当部署と担当理事」をこの1月に設置いたしましたが、実際の関連規程の準備を行いまして、今年の4月、第1四半期から情報開示の担当部署を設置いたしまして、モニタリング、監査機能の活用などによりまして情報開示の促進を進めていきたいと考えております。

また、本部と現場間の情報共有、もしくは厚生労働省との情報共有につきましては、できるものから順次既に進めていっているものであります。特に本部と現場の情報共有につきましては、これは今後の予定でありますが、地域マネージャーを設置すると申しておりますが、これとあわせまして、テレビ会議システムにつきましても、29年度から導入いたしまして、意思疎通の円滑化、適切な連携体制を整えていきたいと考えております。

再生プロジェクトの動きにつきまして、この工程で以上でございます。

続きまして、「情報セキュリティ対策の強化に係る工程表(案)」を1枚示しておりますので、これについて説明させていただきます。

「組織面」、「技術面」、「業務運用面」、大きく3つ項目がございました。

まず、「組織面」につきましては、情報管理対策本部を設置する。また、実際の実行部隊としての情報管理対策室を設置する。それが機構のCSIRTを担う。これは御案内のとおり、既に昨年の10月から進めているところであります。

あわせまして、「最高情報セキュリティアドバイザーの設置」といたしまして、高度な外部の専門家、もしくは機関を設置する予定としておりますが、これは予算要求を行いまして、来年度(28年度)4月から設置する予定になっているということであります。

また、「技術面」といたしまして、「基幹システム」、年金個人情報につきましては、専用の共有フォルダを安全性の高い基幹システムに設置して運用していくとしておりまして、これは今年度中には設置をし、セキュリティ機能を順次強化していきたいと考えております。

また、窓口装置(WM)につきましても、生体認証を活用するとか、未知のウィルス検知機能を追加していくといったセキュリティ機能を順次強化していきたいと考えております。

また、「機構LANシステム」におきましては、年金個人情報は保有しないということで、これも今年度から、そうしていくという予定としております。

「インターネット環境」につきましては、機能は、WEB閲覧、インターネットメールのみに限定した上で、今年度から順次再開していきたい。

「ねんきんネット」についても、多重の防御対策を整備していきたいと考えております。

また、「業務運営面」といたしまして、「情報セキュリティポリシーの改正等」につきまして、昨年改正を行い、1月から適用を開始しておりますが、順次必要な改正を続けていきたいと考えております。

また、具体的な、運用に当たって必要な規程がありますので、例えば情報セキュリティインシデントが起きたときの対処手順書の策定や関係規程の改正も順次今年度行いまして、28年4月に適用していきたいと考えております。

「情報セキュリティ研修等」の強化についても取り組んでいくこととしております。

また、「監査体制の整備」でありますが、これは28年4月、今年の4月から内部監査の強化を行う。また、独立した外部の専門家から情報セキュリティ監査をしていただくということも実施する予定でございまして、これは28年度の後半から実施予定で考えているということでございます。

工程に関係するものは以上でございます。

あと1つ、関連事項を厚生労働省から説明をいただきます。

 

○依田事業企画課長 事業企画課長でございます。長くなって恐縮でございますけれども、先ほどございました年度計画の保有財産の見直しの関連でございまして、参考資料の29ページを御覧いただきたいと思いますが、「日本年金機構の宿舎の見直し」の関係でございます。

 これは会計検査院の指摘への対応でございまして、制度面に係る話でございますので、厚生労働省から一括して御説明申し上げたいと思いますが、昨年の10月、会計検査院から2点指摘を受けておりまして、1点は機構の保有財産でございますけれども、その保有財産につきまして、保有する合理的理由が認められない土地・建物について、国庫納付することということでございます。

具体的には(注)に書いてございますけれども、3年以上入居者のいない宿舎等といたしまして8宿舎(幕張寮、東久留米寮等々)の宿舎が具体的に指摘をされております。また4事務所ということで、これら従来、事務センターであったり、事務所で使われていたわけでございますけれども、現在書類の倉庫として利用されているということで、効率性の面からどうかというようなことで指摘をされているということでございます。これら保有財産についての指摘がなされております。

宿舎の現状につきまして、2.に整理しておりますけれども、機構全体で、これは日本年金機構が設立された際に政府から出資がされたものでございますけれども、207棟(2,473戸)ということでございまして、この機構の職員の中で、広域異動、転居を伴う勤務地の異動をしている職員が対象に利用しているという現状でございます。

今後の対応でございますが、おめくりいただきまして、30ページでございますけれども、先ほどございました制度面につきましては、不要財産を処分して国庫納付していくとした場合に、実は独立行政法人につきましては独立行政法人の通則法の改正がなされておりまして、こういう国庫納付をするというふうな法整備がなされておりますけれども、日本年金機構法におきましては、こういう法整備がなされていないということでございまして、こうした国庫納付ができるようにということで法整備をしていくというような方針でございます。

(参考)に、日本年金機構の宿舎の見直しの関係書いておりますけれども、先ほど会計検査院から御指摘がございました8宿舎・4事務所については、処分・国庫納付ということで、これは日本年金機構の方でも方針を固めてやっていくということでございますので、こうした制度整備を踏まえて対応していくということでございます。

それから、その他の宿舎につきましても、耐用年数等を見据えながら、入居率の当然向上を図っていくといったこともやりながら、また、先ほど会計検査院から指摘を受けたものはいずれも老朽化をしていったものでございますけれども、老朽化の状況を見据えながら、したがいまして、今後10年を見据えて耐用年数を越える宿舎については、あらかじめどうしていくかというような有効利用の活用方策をしっかり考えていくということで、例えば宿舎の土地の状況、適地であるかどうかとか、そういうことも見据えながら宿舎の供給体制を考えていくということでございます。

先ほど来、業務改善計画の話ございましたけれども、こうした転居を伴う異動の職員のいわゆる宿舎にとっては需要面でございますけれども、その職員異動に影響を与えますブロック本部の本部への統合でありますとか、事務センターの集約だとか、そういうことが今後改革の中で具体的に進んでいくということでございますので、そういう状況を見据えながら、全体の供給体制のあり方を考えていくということで、こちらについても全体の見直しを考えていくということでございます。

宿舎の関係は以上でございます。

 

○増田部会長 何点か説明していただきました。一番最後の機構の宿舎の関係については、会計検査院からの指摘に対しての対応ということで、別途法律も改正するようでありますので、そういったことについての報告。

それから、前半は中期目標・中期計画、そして、これから作る年度計画、さらには昨年12月にお示しをいただいた業務改善計画の詳細な、今後の四半期ごとに・クォーターでどういうことをやっていくかということです。改革の機運がしぼまないように、きちんとこれで進めていく、こういう趣旨だと思います。

機構で進めていくわけですが、中期目標については厚生労働省で定めるもの、それを受けて機構で中期計画と年度計画をつくる。それから、例の問題があったので業務改善計画も昨年12月に機構が作って、それの工程表をこういう形で進めていきますということの説明があったと、こういうことであります。

これから時間まで、皆さん方の御意見等をいただいて、内容を見ていきたいと思いますが、今あった中期目標・中期計画・年度計画等、いろいろ部会で決めていくということではなくて、できるだけ広く御意見をいただいておいて、機構が年度末に向けて年度計画を策定していくに当たって、さまざまな視点を委員の皆さん方から提供していただければと、こんなふうに思っておりますので、どこからでも結構ですし、最後の宿舎の関係についての御疑問もあれば、それも当然お出しいただいてよろしいかと思いますが、まず初めの中期目標・中期計画、これから作る年度計画について、委員の皆様方から御意見を承っていきたいと思っております。そういった関係についての原案等が今日示されているものが中期目標・中期計画。それから年度計画については項目だけの骨子になっておりましたので、次回までには今日の意見いただいて、中身書いて原案等になっていくのだろうと思いますが、今日は最初の御意見いただく場ということであります。

それでは、委員の皆様方から、どうぞ、よろしくお願いします。まず、岩瀬委員からお願いします。

 

○岩瀬委員 基本的なことをまずお尋ねしたいのですけれども、今、部会長の御説明だと、この中期計画等のここでの審議というのは意見聴取であって、いわゆる審議会に基づく諮問というふうなものではないという位置づけの整理なのでございましょうか。それを教えていただきたいのですが。

 

○増田部会長 初めの点については、私の方と厚生労働省の方からも、その点について補足していただければと思いますが、今日は広くできるだけ意見いただく場ということにしておきたい。恐らく厚生労働省の方で諮問等々の手続があると思いますから。

 

○岩瀬委員 この改正案に関しては機構法の33条の1項に基づいて行うと書かれていますけれども、33条の1項というのは、機構法の52条の1号、これを準用するとなっていて、社会保障審議会の諮問と書かれているわけですね。これは当然諮問ですからここで議論したことというのは意見聴取、単なる意見の言い合いではなくて、事柄の可否について議論した上で採決するという流れだと思うのですけれども、そういう位置づけでやるということであれば、意見聴取というのは、その位置づけの中で意見はいろいろ出るとは思うのですけれども、きちんと枠は決めておいた方がいいかなと思います。

もう一つ、その他の項目で議題設定していただきたいと事前レクでは言ったのですけれども、前回の部会運営に関して、今の52条の3号に関して、これは業務改善命令に関することですけれども、法令上疑義があるということがありますので、それについての御質問というか、それと意見が十分業務改善計画に反映されてないではないかという不満がありまして、それについての議論をしていただきたいのですけれども、そのための時間というのは設けていただいているのでしょうか。

 

○増田部会長 今の点について、それでは少し前回のことと、今日のことの手続的なことも含めてのお話ですので、今の点についてまず厚生労働省から。

 

○中里年金事業運営推進室長 岩瀬委員の御質問でございます。まず中期目標の諮問なのかどうか、これは意見聴取だけなのかということでございましたけれども、機構法上は、厚生労働大臣が中期目標を定める場合、又は変更する場合には厚生労働大臣が諮問をするということになっているという仕組みは委員おっしゃるとおりでございます。

今回につきましては、この部会で丁寧に御意見をいただいた上で議論していただくといったことの位置づけでございまして、言いかえますと、諮問に先立って部会の方で幅広く御意見をいただくといったことだと考えております。本日の御意見を踏まえまして、次回の部会で諮問をさせていただければということで考えておりますけれども、本日はまずは先生方の御意見をいただく場ということで考えておるところでございます。

それから、業務改善計画の関係につきましての御質問でございますけれども、法律上、業務改善計画につきましては、諮問・答申ということにはなっておりませんで、正確な位置づけはないのですけれども、機構の方であくまで作成していただくというものでございます。他方で業務運営に密接に関係するということもございましたので、部会で御意見をいただいた上で、取り入れられるべきところは最大限取り入れた上で、機構の方で業務改善計画を作成させていただいたといったことであると考えております。

以上でございます。

 

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。

 

○岩瀬委員 2つあります。普通は大臣が社会保障審議会の西村会長に諮問書を提出して、その諮問を受けてこの部会に対して審議をしろというのがおりてきて審議するわけですね。そういう正式な手続をとって意見聴取をするのと、それをとらないで意見を出し合うというのがどう違うのか分からないです。後者の方がより広範な意見が出るという根拠は一体何なのですか、それが1点です。

もう一つは、先ほど法律上関係ないみたいな言い方したのだけれども、業務改善計画に関して、これは明確に書かれているのですけれども、機構法の中に、これは違うのですか。業務改善計画というのは、方針や1つの考え方、あるいは改善計画の骨子案、そういうのをここの場で審議をした上で、その方向性でいいということで採決をした後、機構が詳細なプランを作るというのが法律上の趣旨ではないのですか。

 

○中里年金事業運営推進室長 よろしいでしょうか。

 

○増田部会長 厚生労働省、お願いします。

 

○中里年金事業運営推進室長 1点目の中期目標の関係でございますけれども、部会の運営のあり方として、私どもとしましては幅広く御意見をいただきたいと。もちろん委員おっしゃるとおり、諮問した上で、その日に答申というあり方もありましょうし、一端諮問をして御意見をいただいてまた別の日に答申ということもありましょうし、ただ、諮問をしなければ審議できないということでは必ずしもないだろうと思っていまして、今回中期目標と中期計画と年度計画ということを合わせまして、先生方の御意見をいただくということを本日お願いしたいというところでございます。

業務改善計画につきまして、諮問事項ではないのかという御指摘でございますけれども、法律上諮問を必要というふうにされておりますのは、業務改善命令を発する場合には諮問をしなければならないということにはなっておりますので、先般9月に業務改善命令を発する際には諮問させていただいて、その答申をいただいた上で業務改善命令を発したという流れになっております。

ただ、厳密な意味での法律上の枠組みからしますと、業務改善計画自体について諮問をするということには法律上なっておりませんが、これにつきましても、先生方の知見をいただいた上で、機構で作成いただくことが適当だろうというところで、これまで御審議をいただき、機構の方で作成をいただいたということでございます。

 

○増田部会長 年金管理審議官、どうぞ。

 

○福本年金管理審議官 補足的に御説明したいと思います。今日ここに出ておりますのは中期目標・中期計画・年度計画であります。さらにお話としてありましたものとして業務改善計画というのが昨年ございました。

この審議会での法律上のたてつけはどうなっているかを申し上げますと、いわゆる諮問・答申をするものは何かといいますと、今申し上げた中で、中期目標・業務改善の計画ではなくて業務改善命令の方なのです。中期目標は厚生労働大臣が諮問・答申をするものでありまして、中期計画・年度計画は厚生労働大臣が諮問をしこの審議会が答申をするというものにはなっておりません。これは法律上そうなっております。業務改善に関しては、業務改善命令というのを昨年の秋に出していただいたと思いますが、これは諮問・答申事項です。それを受けて作る業務改善計画は諮問・答申事項ではありません。

結局、この法律は、この審議会のコミットメントというのは、厚生労働大臣の諮問機関でありますので、厚生労働大臣が行うことに関しては諮問・答申をする。厚生労働大臣がこの審議会に諮問という形でお尋ねをして、それでいいかどうか答申という形で回答をいただく。

中期目標というのは、厚生労働省から機構に対して投げるものでございます。それから業務改善命令というのも、厚生労働省から機構に対して投げるもの、これは諮問・答申ということになっていまして、中期計画と年度計画、業務改善計画自体はいわゆる諮問・答申事項にはなっていません。もちろん機構が仕事をするときの中核になりますものが中期計画であり、年度計画であり、あるいは業務改善命令を受けた業務改善計画ということでありますから、それについてもこの審議会で御議論はいただきましたし、いただくということには違いがありません。

中期目標について、諮問・答申事項ではありますけれども、今日は諮問ということまでいたしませんでした。日付を諮問書という形にはいたしませんでしたのは、いずれこれはしないといけないことですから、諮問して答申という形で文書でいただくということでありますけれども、それは次回に送りまして、中期目標ですけれども、今日は中期目標(案)という形で示させていただいて御議論いただいて、いずれはこれを諮問・答申という形にしたいと、こういう位置づけでございます。

 

○増田部会長 大体、今の形なので、岩瀬委員に指名しますが、あと、他の委員の皆様方からもその関係で何かあれば出していただきたいのですが、まず、岩瀬委員からどうぞ。

 

○岩瀬委員 確かに法律は、規定による、命令をしようとするときに社会保障審議会の諮問と書いていますね。これは前回、業務改善命令書自体を諮問されてなかったのではないですか、この場で。

 

○増田部会長 9月のときの話ですね、今のは。

 

○中里年金事業運営推進室長 よろしいでしょうか。

 

○増田部会長 はい。

 

○中里年金事業運営推進室長 昨年9月25日の日付でもって、大臣から社会保障審議会会長宛てに業務改善命令につきまして諮問という形でしていただいております。

 

○福本年金管理審議官 この中にございます。

 

○岩瀬委員 採決をとってないのではないでしょうかと聞いている、部会で。私も日付を持ってきてないですけど、あのときの部会長の発言というのは、今回の業務改善命令については特にそういう手続ということでなくて、これは諮問・答申ということですね。手続ということではなく、我々のいわば国民の立場というか、よりこの問題について、常日ごろから業務を見ている、そういう部会の立場で機構の方に案を作るときに、ある種の助言のような形で意見を申し上げたということになります、というふうになっていて、命令書そのものに対する採決はとってないのではないでしょうか。私がもし間違っていたら教えてください。

 

○増田部会長 私の記憶ではそれは12月の計画の方の話ではないですか、多分。12月の話。

 

○岩瀬委員 12月でした。

 

○増田部会長 命令は9月の話なので、そっちはやっているのですよ。

 

○岩瀬委員 すみません、間違いました、申し訳なかったです。

 

○増田部会長 岩瀬委員、整理して申し上げると、途中から入って来られた方もおられる

ので、9月は、先ほど話あったように、厚労省の関係のやつなので、そこは諮問・答申をやっている。

 

○岩瀬委員 それは採決とった。

 

○増田部会長 採決している。

 

○岩瀬委員 分かりました。部会長、長引いて申し訳ないですけれども、この部会長の御指示のあった意見、我々が出した意見が、業務改善命令の中にほとんど生かされていない、これは非常に問題だと思うのですね。

 

○増田部会長 命令というか、業務改善計画。

 

○岩瀬委員 業務改善計画の中にほとんど生かされていない。これは部会の監視強化という立場から言っても、特別作業委員会を作って、もう一度、我々の意見をまとめながら、業務改善計画そのものの進行状況含めてチェックしていく必要があると思いますので、業務改善特別作業部会というのをぜひお作りいただきたい、これはお願いでございます。

 

○増田部会長 今の最後の点については少し検討したいと思いますが、要は今日、先ほどのスケジュールも最後で示されていますので、12月に業務改善計画についての案の段階で、この部会でいろいろ意見いただいて、それを受けて、これは機構の方で主体的に作るものについて、計画を作って、さらにスケジュールをこういう形でやっていきたいということが示されていますので、それをこの場で詳細にまたいろいろ議論して、意見をいただくと、こういうことが一番いいのではないかと思いますので、そういう形で進めていきたいと思います。

 

○岩瀬委員 特別作業委員会を作らないということでしょうか。

 

○増田部会長 いや、それについては少し検討させていただきたい。ここで、先ほどのスケジュールも含めた計画について、委員の皆様方からいろいろ御意見いただいて、その上でまた考えていきたいと思います。

 

○岩瀬委員 1点だけ。年金事業管理部会の設置についてという資料を4月26日にもらっているのです。ここには業務改善についての意見というふうに書いて、審議会の諮問事項と書かれているのですけれども、これは非常に紛らわしいのではないでしょうか。

 

○増田部会長 いつの日付の文章ですか。

 

○岩瀬委員 26年4月26日。

 

○増田部会長 ということは、この部会の名前を前から変えたときの文章だ、そこまでの記憶ないんだけれども、それは後で調べておいてくれますか。

 

○中里年金事業運営推進室長 確認をします。

 

○増田部会長 そこは調べて、また報告してもらいます。

それでは、他の委員、岩瀬委員も内容について御質問あれば出していただきたいと思いますが、他の委員からも、今の示されました目標、計画、そして年度計画、工程表というのがありますので、こちらの方についてぜひ御意見をお願いします。まず初めに大山部会長代理からお願いします。

 

○大山部会長代理 3点ほど確認を含めて教えていただきたいと思いますので、順次質問させていただきます。

まず資料2-2の11ページ、参考資料の方にも同じような場所がございますが、8.の「ICT化の推進」なのですけれども、いろんなことがあって、ここに来て計画等を見直すのであれば、という観点から意見を申し上げたいと思います。

最初に「ICT化の推進」のところに「お客様の利便性の向上と事務の効率化を図る」と書いてあるのですが、ICTの利用をする大きな目的の1つが、年金記録の正確性確保だと思うのですね。やはりこれについては明記なさるほうがよろしいのではないか。もし改定する範囲をちょっと行き過ぎだということであればまた別ですが、そうでなければぜひお考えいただきたい。すなわち事務の効率化とお客様の利便性だけではなくて、年金制度の信頼性確保を揺るがしかねない年金記録問題がありましたから、そこに対しての非常に重要な取り組みなのだということを明確にしていただく必要があるのではないかと思うということです。

それに関係して3番目なのですけれども、まず簡単には2行目に「マイポータル」となっているのですが、これはもう使ってないと思うので直されたほうがいいですね。ただ、マイポータルでいいのですが、「マイポータルによる情報の提供等に積極的に対応する」と書いてあるのですけれども、結構これは言葉としてむなしくなっているかもしれない。実態がどうかというのを反映させないと、せっかく計画に書いても、ましてや年金機構さんが努力なさってもできない状況になってくる可能性もありますので、ここは再確認をこの時点で、年度計画で先のところまで中期だとありますので、整合性をとることをお考えいただく必要があるのではないかと思います。これが2つ目です。

3つ目は参考資料の33ページでA4の横のものです。この中に同じく関係するところとして、人員配置の適正化の1つ上のところに「ねんきんネットの拡充」のところがございます。年度で見ていったときに、平成30年度のところに「ねんきんネット」と書いてあって、そこに「再交付・再発行申請機能」と書いてあるのですね。これが何か唐突に出てきているように私には見えて、これの意味あるいはお考えになられているところが、説明を探したのですけれども、見つからなかったので、ここに関して、ねんきんネットの位置づけとともに、再交付・再発行の申請機能という意味を分かるようにここでは質問として聞かせていただきたいと思います。

以上です。

 

○増田部会長 それでは、順次やっていきましょう。理事長さんから、今の点、お願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 3点目については担当から後ほど御説明いたします。

1点目、2点目、お話を承りまして、そのとおりだと思う面がございますので、この点について次回までに十分検討を行いたいと思います。

 

○増田部会長 3点目の関係、工程表の中の再交付・再発行、今の段階で分かりますか。平成30年から。

 

○樫本日本年金機構再生プロジェクト推進担当 日本年金機構再生プロジェクト推進室の樫本でございます。よろしくお願いいたします。

今、大山先生から御質問ございましたねんきんネットの拡充の部分でございますが、現在ねんきんネットにつきましては、記録の閲覧や届書の作成機能等はございますが、実はまだ申請機能というのはございません。まずは申請機能の手始めといたしまして、例えば控除証明書の再発行ですとか、額改定通知書の再発行、そういったものを申請していただきまして、システム的に一括作成して御送付するといったものを手始めに考えてございます。

 

○大山部会長代理 ありがとうございます。そこで分かりましたが、少なくとも何のぐらいがあるとすごく分かりやすくていいのかと思います。その前の手前にある点線は何なのですか、意味は。すみません、ここの関係で。

 

○増田部会長 どうぞ、御担当の方。

 

○樫本日本年金機構再生プロジェクト推進担当 ねんきんネットの機能を拡充するためにシステム開発、これが必要になりますので、その準備ということで、28年度、29年度の1年間、機能を構築するという意味でシステム開発をさせていただいて、実際に申請機能をやるようにするのが30年度4月からということで考えてございます。

 

○大山部会長代理 そこで、外には見えないけれどという意味で点線だったわけですね。

 

○樫本日本年金機構再生プロジェクト推進担当 そういうことでございます。

 

○大山部会長代理 分かりました。ありがとうございます。

 

○増田部会長 よろしいですか、今の点については。

 

○大山部会長代理 はい。

 

○増田部会長 それでは、1点目、2点目は次回までに、よろしくお願いします。

 他に意見どうぞ、それでは西沢委員、どうぞ。

 

○西沢委員 工程表について非常に野心的な試みだと思っていますが、成果指標をイメージしていただきたいというのがあって、例えば、「障害年金センター」であれば、障害年金の認定が、全国的にばらつきがあるのが、認定センターを作ることによってばらつきが減ったり、あるいは認定医の確保がスムーズにいって精度が上がったりというふうに比較的成果指標が、成果が見やすいと思うのですね。

他方で、ブロック本部を本部に集約するというのは結構大きな目玉になっていますけれども、それがどのように成果になって表れてくるかというのがちょっと見えにくくて、今回の再生プロジェクトは国民の信頼を得ることが大命題になっている中で、そこがどうやって図られるのかというのが気になるところです。一生懸命努力してブロック本部を本部や現場に振り分けて情報伝達のスピードなど速くしたことが果たしてどう表れてくるかというところをあらかじめイメージしておいて、この3年間進めていただきたいので、どんなものがイメージされるかというのを次回以降でもいいので教えていただきたい。

あと、先ほど岩瀬委員の問題提起の中で、私、前回、前々回お休みしていて申し訳なかったのですが、今日の話も少し分かりにくかったのですけれども、一言だけ申し上げさせていただくと、社会保障審議会令とかでこうなっているということよりも、もっと大きく厚生労働省の方には、日本年金機構のガバナンスの問題として捉えていただきたいと思います。私も最近思うのは、審議会として我々が貢献できるのは、各専門分野の専門家として知見を提供するというところにどうしても限られてしまっています。ですからこの場で極力貢献できるように、知見を提供するということで責任を果たそうと思っているわけですけれども、一方で事業体として大きな組織や事業を運営している中で、日本年金機構は、株主にも、金融機関のガバナンスも消費者のガバナンスも受けず、果たして霞が関のこの会議室の審議会でできるのかなという限界を私も感じているのですね。ですから審議会の規則の中では、先ほど私申し上げたような貢献しかできないのですけれども、問題を大きく捉えて、もう少し違ったガバナンスの形があるのではないか。今回その一環として、プロジェクトの中で外部の委員を招かれたりしてやっていると思うのですけれども、そういった問題として捉えていただきたいなという感想を聞いていて思いました。

 

○増田部会長 今の関係の中で、機構の方で御意見ありますか。

 

○水島日本年金機構理事長 御指摘のとおり、これをどういう指標で成果を捉えていくかということは極めて重要だと思っております。個々にはここでは御説明申し上げませんが、基本的にはかなり広範な指標で捉えていきたいと思っておりまして、もちろんブロック本部の目的は組織の一体化でございます。そういう意味で現場がどのような評価をしているかということを定期的にとっていくことは極めて重要だというふうに思っております。

それから、その結果について、お客様がどのように受け取っていらっしゃるかということについても、指標をとっていかなければならないと思っていまして、現在検討いたしておりますが、広範な指標でこの成果について評価をしていくということが必要だというふうに認識しております。これについてはまた御報告いたします。

 

○増田部会長 あと、西沢委員、御指摘あった後半の方については、厚生労働省の受けとめということですけれども、いずれにしても審議会令は審議会令、ここでの前向きな議論はできるだけいろいろと取り入れると、こういうことで、おっしゃっている意味は十分お分かりになると思います。その点ではよろしくお願いします。

 

○福本年金管理審議官 もちろんそういうことでございます。先ほどは法令の構造がこうなっておるということを申し上げたまでで、実際そこだけに限って審議をいただくものでもありませんし、従来からそうだと思いますし、ここでは幅広く御意見いただいて、それを受けて、まさに機構が作るもの、機構がやるべきこと、そのために御意見聞いているというスタンスでございますので、幅広く御意見を賜れればというふうに思っております。これは我々も機構も同じ認識だと思います。

 

○増田部会長 他には、齋藤委員、どうぞ。

 

○齋藤(衛)委員 齋藤です。細かい点で、短く終えたいと思うのですけれども、参考資料2の一番最後のページ、「情報セキュリティ対策の強化に係る工程表(案)」の技術面の一番下のところ、真ん中辺ですが、ねんきんネットに関する部分なのですけれども、ねんきんネット自身は前々からお話があったように、今現在もインターネットからさらされているシステム、唯一のシステムということで、情報セキュリティ、常時この瞬間も気をつけなければいけないシステムだと思うのですけれども、また、その対応の方針として、これも先般から「情報セキュリティの強化を図るため、多重の防御対策を整備」ということは出ていたと思うのですが、右側の線表のところで実施しているかのような線引きになっているのですが、具体的にどういう内容をもって多重の防御というのかということに関しては、今まで議論が出てないような気がするのですが、ここは何をもって実施中ということにされているのでしょうか。

 

○増田部会長 機構で、作成者の方でお願いします。

 

○野上日本年金機構情報管理対策室長 情報管理対策室の野上でございます。実施していると、網かけしているのは、私どもねんきんネットは、今インターネットに繋がっています。繋がっているのですけれども、セキュリティ上は必要なセキュリティは確保されているというのが基本的な認識で、ですから今繋がっているということだと思っています。

その上で、私ども本当にこれで十分なのかということにつきましては、28年度、外部のリスク評価なり脆弱性の診断なりを受けて、その結果を踏まえまして、今後どうまた必要な措置を講じていくかということを考えておりまして、そういう意味で、この網かけの状態で、今からずっと多重防御対策の整備という形で、現在から未来までつながっていますけれども、そういう点では、今のような認識のもとでやっているということでございます。

 

○齋藤(衛)委員 だとすれば、そこは27年度の末で一端切っていただいて、アセスメントのもとに新しい多重防御を検討みたいなことに書き直していただいた方が、後でこれを見たときに状況が分かるのではないかと思うのですけれども。

 

○野上日本年金機構情報管理対策室長 分かりました。表現の仕方は検討させていただきます。

 

○齋藤(衛)委員 よろしくお願いします。

 

○増田部会長 それでは、よろしくお願いします。そうしたら、次、原委員、安井委員。

 

○原委員 まず、業務改善計画、前回の議論に関して部会長のされた仕切り、厚生労働省さんが御説明された制度論は理解した上ででございますけれども、前回の議論を踏まえての業務改善計画に関してはあまりに意見を聞いていただけなかったのではないのかという気がしております。これは前回の議論に御出席されていた方々は御記憶のとおり、あまりに具体性欠くのではないでしょうかという御意見であったり、あるいは3年間かけてこういった取り組みを抽象的にやっていきますということだけではなかなか計画と言えないのではないかといったようなかなり厳しい御意見があって、私もその中で、一方で、これは12月の上旬には出さないといけないという制約がある中でございましたので、例えば具体的な工程をいつまでに作るといったようなことだけでも最低限示されたらどうでしょうかと、そんなかなりハードルの低い妥協案を示したつもりだったのですが、そういったことも含めて入れていただけていなかったということだったと思っています。

これは前回の審議会でお示しをいただいた改善計画と最終的なもので、どこが変わったのかというのを厚生労働省にもマーカーつけていただいたものを見て全てチェックをしたのですけれども、あまりに意見を入れていただけなかったのではないのかなという気がしておりました。

今回、今日の議論でプロジェクトの工程表をお示しいただきまして、相当程度そのときに指摘をしていた問題が解消されてきているというのは、これは全くそのとおりなのですけれども、ただ、一方でプロセス論として見たときに、改善計画について、この審議会の意見を聞いていただいて、ただ、意見は聞かずに出されていたということについては、やはりちょっと不満があるということは申し上げざるを得ないのではないかと思っております。これは諮問・答申ではないので、意見聞かなくてもいいでしょうと、意見聞き置いただけですよということではいけないのではないのかというように思います。それが1点目でございます。

それから、中身に関して、とりあえず1点だけ申し上げたいと思いますが、中期目標の改定案、これは資料2-1でいただいております。修正点に関しては、基本的には前文のところを直しますということになっていて、具体的な内容については、まさに今問題になっている業務改善計画を確実に実行しますということで、中身はこの実行計画の方に丸投げしますというように見えるわけでありますが、ここはちょっと問題ではないかというように思います。業務改善計画については、まさに先ほどの議論もありましたように、私たちから見ても、100%これでオーケーですといったものは決してなくて、いろいろな議論のある中で、機構として出されたというものだと理解をしております。これを厚生労働大臣として、この業務改善計画、ともかく確実に実行していただければそれで結構ですということではないのではないか。むしろ中期目標の中に改善計画で盛り込まれたような事項について、特に厚生労働大臣が、これはしっかりとやるべきではないかと思われる事項についてきちんと盛り込んでいくということがこの中期目標のあり方なのではないかと思います。

とりあえず以上です。

 

○増田部会長 大きな1番目の方は、大分岩瀬委員も含め、いろいろやりとりあったので、さらに工程表とか、こういう関係についての御意見ですとか、今後もっと具体的にこういうところをやらなくちゃいけないということについては、御意見をまた出していただければと思うのですが、今の2点目は非常に大きな議論なので、厚生労働省の方で、この中期目標、今のところ、厚生労働省はこの前文のところを手直しをして、それで一応形式上は機構の方にそれで示すと、こういう形で考えているということなのですが、この点について、厚生労働省からお願いします。

 

○福本年金管理審議官 今回の案は確かにそういうふうになっています。業務改善計画ですけれども、その前提として業務改善命令をここに引っ張っています。9月25日、これはここでまさに諮問・答申いただいた事項ですけれども、業務改善命令においてということで、ここは一部分ですけれども、引きまして、業務改善計画を確実に実行するとともにということで整理をしています。確かにこれはそこだけ引っ張りましたけれども、これをさらにブレークダウンしてというお話であれば、そういうことも考えてみたいと思いますが、具体的に、例えばこういうことということがあれば、どういう点を視点として入れればいいか、また教えていただければ、我々も整理するのに資するかと思います。今日は案でこういう形を示しましたが、こういう形にすればいいという話があればお伺いしておきたいと思います。

 

○増田部会長 原委員、よろしいですか。また具体的にあれば、また考えるということでありますが、少し他の委員の方の御意見いただきながら、また、この点について少し厚生労働省に考えてもらいたいと思います。他には安井委員、斎藤委員。

 

○安井委員 最初のページの「中期目標の改定(案)」という中で、この文章の中で、6行目ですか、「約125万件もの個人情報が流出したことは」、これも過去形なわけですね。「国民の年金制度に対する信頼を損なうものである」。あれ以来6カ月以上経っているわけですけれども、「損なうものである」という体言で止めてあって、責任の所在が一体どこにあるのですか、結果責任はどうなっているのですかということについては明示してないのですね。125万件漏れたことによって、年金制度だけではなくて、マイナンバー制度の施行だって一部遅れてしまうわけですね。あの巨額なマイナンバー制度作成のためのコスト、歴史なんかを考えると、この程度の「信頼を損なうもの」という、あいまいな表現で足りるものなのかどうか。もう少し明確に責任の内容、所在をここでまず打ち出さなければいけないのではないですか。

それから、各改革案が出ているわけですけれども、もう一つ、追加的にお願いがあるのですけれども、業務改善命令の中に出ていますガバナンス、組織風土について、この文章の中で必要だと思いませんけれども、どう認識しているのか、どういうものなのか、機構にとってどういうものなのかということをもう一つ表現していただきたい。これは別の場所で表現していただいて結構だと思うのですけれども、その部分をお願いしたいと思います。

 

○増田部会長 ありがとうございました。そしたら、少し委員の皆さんの御意見を他に聞きたいと思いますので、あと、まとめて厚生労働省の方から少し、この場でのお考えをおっしゃっていただきたいと思いますが、次に斎藤委員、お願いいたします。

 

○斎藤(聖)委員 中期計画・中期目標というのがどういうものなのか、それと年度計画はどういうものなのかというのを考えていたのですが、職員の方がこれを読んで、うちの組織はこういうことを今年は目指しているのだな、3年間かけて、こういうことをしたいのだなというメッセージを送るためのものであるかと思います。しかし、これを拝見していますと、組織として当然やるべきこと、To Do Listが羅列されているような気がいたします。お客様のサービス、分かりやすい文章を作ります。これはもうずっと前から挙げていることで、それをまた計画として書くのだろうかというふうに思いました。

1年経ったときにどのくらいよくやったか、徴収率何%達成したので、これはAです、Bです、というふうに格付けができるように作られている資料のように私には見えます。計画を作るのは、何も審議会で成績を見るためのものではなくて、お客様たちへのこういうことをやりますというメッセージであり、そして働いている職員へのメッセージなのだろうと思います。それには、今年はこういう事件を踏まえて、こういうふうにやっていきます、ここに重点を置きます、リソースもここにかけます、ということを計画に書く。そして、それ以外のものは当然やるべきことで、何もまた中期目標・中期計画に書く必要はないのではないかという印象を持ちました。組織としてやるべきことは確認のために何かに書いておく必要はあるのかもしれません。が、それはここに書くべきものなのだろうかということを疑問に思いました。

細かい点を見ていくといろいろと意見が出てきて、そこにとらわれがちなのですが、もう少し基本に立ち戻って、なぜこれを作っているのかというのを考えておく必要があるのではないかと思いました。

以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。これは厚労省と機構、目標、計画両方についての御意見だと思います。他に委員からありますか、西村委員、どうぞ。

 

○西村委員 これだけのものを、皆さんからはいろいろ御指摘ありましたけれども、作っていただいて、いろいろ分かりやすくなってきたものと思いますと。とはいえというところなのですけれども、今日のところは、案とか資料という形で御提示をいただいていますので、細かいところはまだこれからというところあると思うのですけれども、先ほど大山先生からICT化の推進というお話があって、ちょっと気がついて、いろんなところで、システムという名前で書いてあるところは、先ほどねんきんネットのところで、システム調達手続、システム開発というところは明記されておりまして、それ以外にも幾つかあるのですけれども、システムの方で、例えばシステムというとテレビ会議システムというのもあって、これには調達手続とかあまりちゃんと書いてないとかというのを含めて、きちんとそのための準備期間、必要な施策というものがあると思うのですけれども、今のところまだ記載されていないものも散見されるというところがあると思います。

 その施策を考えられて計画を作って実施をするというところではこのスケジュール成り立つかもしれませんけれども、それを仕組み・システムにはめ込んでやるということになると少し準備の要るものもあるのではないかと。まだ具体化の途中かと思いますので、その準備にどれだけのものがかかるかというものがまだ見極められてないものもあるのかということは想像するのですけれども、ぜひそこら辺、精緻化されてスケジュールを見直すなり、必要な手続とか、あるいは例えば間接業務システムの改修というところあるのですけれども、この後にまた給与の改定とかあるのですけれども、給与をどういうふうに直していくかというところなしに間接業務システムの改定というのはできないのではないかというところもありますので、そこら辺の整合性というのですか、整合性と仕掛けへの反映というものを見極めていただきたいと思って、手を挙げさせていただきました。

 今日のところは、まだどれがどうという話はなくていいと思いますけれども、なるたけ早いうちにそこら辺、具体化、特に28年度に走り始めるものもありますので、そこら辺、見極めていただければと思います。

 以上です。

 

○増田部会長 他に、委員の皆さん、それでは、椎野委員、どうぞお願いします。

 

○椎野委員 多分お考えにはなっているとは思うのですけれども、29年の5月末までの間でマイナンバーを導入するという予定をしていらっしゃると思いますが、そのような重要なポイントが、ここに「マイナンバー」という表現としてどこにもないというのが、私たち実務家にとっては大変気になるというところでございます。

以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。他に、岩瀬委員、どうぞ。

 

○岩瀬委員 このプロジェクト工程表のお客様サービス、33ページの中に「年金相談予約センターの設置」というのがありますが、年金相談予約センターを設置するというのは一体どういうことなのか、もう少し具体的な資料等があれば次回以降で出していただきたいのですけれども、こういう予約センターを作ることで、かえって相談しにくくなる可能性があるのではないか。というのは、今、相談窓口の待ち時間の短縮のためにこういうのを設けるというふうなことを中期計画の中で書いていますけれども、平均待ち時間が11分で、これはあえて予約センターを設置する必要があるのかどうか、非常に疑問なのですね。むしろ予約をしないと相談受けられないということになっちゃうと、ぶらっと訪ねて行って聞くということができなくなる。これは非常にお客様サービスに逆行するのではないか。その辺のことについて資料等をいただきたい。

あともう一つ、「テレビ電話相談の設置」ということですけれども、テレビ電話相談で年金相談というのは果たしてできるのでしょうか。非常に疑問だと思うのです。これは対面で会っていろんな事情を聞きながら、書類も見せてもらいながら相談に乗ってあげないと、幾ら遠隔地であってもテレビ相談ですむということにはなかなかなりにくい。むしろこういうのはシステムだけお金がかかって余り機能しないというのは過去にもあったような気がします。遠隔地の方に対しては、職員が出かけて行く、巡回で回る、そういうことをやった方がむしろ効率的で親切な相談体制を作れることになるのではないか。その辺についての考えを教えていただきたいのですけれども。

 

○増田部会長 それでは、他に委員の方からありますか。答えてもらって、また何かあれば指名しますので。今、各委員の方から幾つか話がありましたので、機構の方で、この場で返せることについてはお話しいただきたいのですが、それでは理事長の方からお願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 まず、大きな観点からの御指摘として、前回のいただいた御意見について反映されてないではないかという御指摘かと思いますが、12月8日に御審議いただいて、その後、業務改善計画を提出したわけでございますけれども、その際に、私どもとしてはそれなりに御意見を踏まえて修正をいたしました。また、今後いただく御意見についても十分にお伺いした上で、私どもとしてはきちんと対応してまいりたいというふうに思います。

特に先般の御指摘の中で、工程表が示されないと具体的なところが分からないのではないかという御指摘が非常に多かったと認識をいたしております。したがいまして、今回この工程表をお示しいたしました。工程表の中身については、今ここに再生プロジェクトチームのリーダーたちも全員出席をいたしておりますが、極めて多岐にわたるものでございますけれども、私どもといたしましては、可能な限り速いスピードで、先ほど部会長からも御指摘がございましたが、機運がしぼまないように進めてまいりたいと考えていまして、可能な限り早くというスケジュールをお示ししておるつもりでございます。ぜひそこの点についてさらに御指摘がございましたら承りたいと思います。

それから、齋藤先生、ねんきんネットに関しましては、先ほど御説明申し上げたとおりでございますが、今のところ、先生、御存じのとおり、セキュリティ措置で、これで十分であるということではないと認識をいたしております。この内容については、さらに外部の専門家の意見、あるいはデータベースの持ち方も含めまして、あるいはどの程度の利便性とセキュリティとの兼ね合いの中で決定すべきかということも含めまして、また御意見を承りながら進めてまいりたいと思っております。

それから、原先生の御指摘に関しましては今お答えしたとおりでございますが、それで御納得いただけるかどうか分かりませんが、私どもといたしましては、一体的な国民の皆様にもう二度と御迷惑をおかけしない信頼される組織を作るために全員が一丸となって努力できる組織というのはどういうものか、それを作るために努力をしているということでございまして、これに関して、まだ足りないところがあるということでございますれば、ぜひ御指摘をいただきたいというふうに私どもとしては考えてまいりたいと思います。

それから、安井先生の御指摘でございますが、責任の所在を明確にしろという御指摘に関しましては、私も極めて胸に刺さるお言葉でございまして、どのように御対応すればいいか悩むところでございますが、何としても今全員が一丸となって努力をいたしておりますので、その過程について、見守っていただければありがたいというふうに思っております。

それから、ガバナンス、組織風土に関しましてでございますが、基本的な考え方といたしましては、中期計画でございますが、中期計画の16ページを御覧いただきますと、今申し上げました基本的な方向感、私どもが目指している方向感といたしましては、国民の信頼に応えられる組織として機構を再生するために、組織面、人事面、業務面全ての面において抜本的に改革に取り組むことで組織の一体化、ガバナンスの強化、リーダーシップの確立、ルールの確立を図るガバナンス、組織風土を含む内部統制システムの有効性を確保するということが基本的な方針だということでございます。それに沿ってそれぞれの施策をお示ししておりますということでございます。

組織風土でございますが、18ページにお示しをしてございますけれども、右側(6)でございますが、左側の組織風土改革の推進に関しまして、「内部統制の仕組みを有効に機能させるため、組織風土改革の取組を推進、浸透させ、風通しの良い組織の実現を目指す」ということでございますが、これも踏まえまして、「自ら考え、自ら改革し、公的年金制度を執行するという緊張感、責任感、使命感にあふれ、職員が一丸となって国民の信頼に応えられる組織の実現を目指す」のが組織風土改革の目的だということでございます。御理解をいただければありがたいというふうに思います。

それから、斎藤先生のTo Do Listであって、本来どのような組織を作る、あるいはどのような人たちを作っていくかということについて、目的を書くべきであって、To Do Listについては、それぞれ機構として持って、これでやっていけばいいのではないかという御指摘ではないかと思いますが、確かにそうだと思います。理念としては今お話申し上げたとおりでございますけれども、そもそも中期計画あるいは年度計画がそのような作りでございますので、果たしてそのような作りではなく、総論的なものであるべきだということでございますれば、中期目標も踏まえまして検討をすることになるかというふうに思います。

それから、西村先生の御指摘でございますが、確かに内容の相互の再生プロジェクトのそれぞれの項目の相互間の整合性と申しますか、これについてはまだまだ取っていかなければいけない面はたくさんあると思いますし、中身を詰めていく過程で相互に関連性というのをさらに詰めていかなければならないということがあると思います。御指摘のとおり、間接業務システムといっても、かなり広い範囲をカバーいたしておりますので、そもそも要件定義なしにはできないではないかということについてはおっしゃるとおりでございます。それも踏まえながら間接業務システムも、現状の間接業務システムについて問題点があるということも事実でございますので、これについて、より使いやすさという点も含めて検討を進めたいと思います。

それから、椎野先生のマインバーにつきまして、私、今、全部チェックしておりませんが、マイナンバーについては、先ほど安井先生からも御指摘がございましたが、そのような事態に立ち至っていることについての責任は強く認識をいたしております。その中で、現在まだ具体的な時期が決まっていないということも踏まえまして、十分に書き込んでないという面があるかもわかりません。この点については見直しをしてみます。次回までに何らかの結論を得たいと思います。

岩瀬先生の御指摘に関しまして、いろいろな面があると思います。1つの施策をやった場合に、一方でその弊害というのはあるかと思います。いかにその弊害、マイナス面というのをカバーしてよりいいものを作っていくかということだというふうに思います。今の御指摘も踏まえまして、よりいいものを作るべく努力をいたしたいと思います。

私どもからは以上でございます。

 

○増田部会長 引き続き検討をお願いしたいと思います。後ろの方で何か。

 

○樋口日本年金機構経営企画G長 すみません、マイナンバーの御指摘いただいている点につきまして御説明したいと思いますけれども、中期計画で、資料2-2、後ほどでも御覧いただければと思いますけれども、現行の中期計画11ページの「ICT化の推進」のところに「社会保障・税番号制度の活用」という項目が入っておりまして、また、12ページ、これは「年金制度改正等への対応」という項目の「(2)社会保障・税番号制度への対応」という項目を立てております。スケジュールが遅れてしまった点は非常に申し訳ない点でございますので、引き続き新しいスケジュールにしっかり対応できるように取り組んでいきたいと考えております。

以上です。

 

○増田部会長 それでは、よろしくお願いします。あと厚生労働省から、年金管理審議官お願いします。

 

○福本年金管理審議官 幾つか御指摘があったと思います。斎藤委員からは、この中期目標・中期計画・年度計画、今回3つあわせて出ているわけですけれども、それの位置づけ、あるいはそれに沿った整理になっているか、実際今日お出ししたものがという話だと思います。中期目標、これは御案内のとおりだと思いますけれども、中期目標は5カ年間の目標であり、厚生労働省が定めるものというのは、ある意味で機構に対するミッションを5年間与えると、こういうものでございます。

今日、後で申し上げますが、目標の改定というのはこの部分だけですけれども、参考資料1に中期目標が書いてありますが、ここに実際、今現に動いております5カ年間の中期目標が出ておりますが、これは例えば国民年金の納付率でありますれば、これを現年度納付率から伸び率を従来以上の確保をする、そういうことをすること、こういうことで、それは5年間というスパンをかけてやるべき事柄、これは平たく言えば課題である、あるいは力を入れてやるべきこと、達成しなければならないミッションというのが何であるかということを整理し、機構の方ではそれを受けて中期計画という中で、5年間かけてそれを達成していくということを整理をし、各年度の年度計画に落とすという位置づけのものでございますが、そういう意味では、今回お出しをした我々の中期目標、あるいは機構の作っております案である中期計画というのはそういうふうに位置づけられて読めるようなものなのかという具体的なお話だろうと思います。ここはよく、今案でお出ししたものをどうするかということ、あるいは整理して、もう少し表現として工夫すべき点がないかどうか考えてみたいと思います。

その上で、中期目標のところについては、この資料2-1でありますが、これは安井委員の方から厳しい御意見をいただいたと思います。この情報流出について「信頼を損なう」という表現で書いていますけれども、実際、この情報流出というのは、昨年起こった非常に大きな事件でありまして、それを踏まえてのミッションでありますとか、それを踏まえての計画、年度計画という意味では、ここに情報流出についての責任でありますとか、所在でありますとか、原因の分析でありますとか、そういうものがあり、それを踏まえて機構で計画を立てていくということが必要ではないかというお話だと思います。少しここはあっさり書きすぎているところがございます。

昨年の9月18日にこの分厚い資料の中にも入っていますが、情報セキュリティ強化等に向けた組織業務改革、厚生労働省で9月18日に出して、ここでも御報告したものがあると思います。そこで反省点、問題がどこにあったかみたいなことも整理をしています。これを実際にこれはそのときに整理したものですけれども、これはまさに法律にのっとった機構の枠組みであるとすれば、おっしゃるとおり、中期目標とか、中期計画というところにもう少し反映しないといけないということはそのとおりだと思いますから、この情報セキュリティの関係、確かに今回大きな事件があって、それを踏まえてやり直さなければならない、そのとおりだと思います。少し表現が薄いところあると思いますし、各論でも専門の先生からいろいろ御意見いただきました。ここは工夫させていただきたいと思っております。

 

○増田部会長 原委員から御指摘あった点については、引き続き、検討ということで、前文だけでなくて、本文の方にももう少しきちんとした考え方があって、それで機構に示すと、そういう御意見だったと思うのですが、その点について、原委員の方から少し追加で趣旨をお願いします。

 

○原委員 ということでしたので、ちょっとだけ補足をさせていただきますと、一例を挙げれば、本部とブロック本部の統合というのは、これはまさに大転換、大きな改革だと思うのですが、これが中期目標の中には出てこなくて、機構が改善計画を自分で作って、そのもとでやっているだけなのですというのは、これは大変違和感があると思います。むしろこれを大臣が示される中期目標の中できちんと示されることによって、機構で理事長以下が進められていく上でも、むしろそれが後押しになるということなのではないかと思いますので、これはそういった主要項目をぜひ入れていっていただけるといいのではないかと思います。

以上です。

 

○増田部会長 今の点も踏まえて、少し検討を次回までお願いしたいと思います。それでは、西沢委員、どうぞ。

 

○西沢委員 工程表で申し残したことがあったので、1つは業務削減会議というのは重要だと思うのですけれども、時には人の仕事を削減することにもなりかねないので、進まない懸念もなきにしもあらずだと思うのです。ですので、どういう推進力を業務削減会議に持たせるかを次に教えていただきたいですし、これが賛同得るには機構内外で、そうだよね、という賛同を得ていくことが必要だと思いますので、業務削減会議はなるべくオープンにして、むだを削減していくという推進力をどう持たせるか教えていただきたいです。

あと、工程表の中でチャネルの話がありますけれども、これも何度か申し上げていますけれども、市町村を抜きにしては考えられないと思いますので、市町村とどのように連携をとるのかを踏まえながら、このチャネルのところも書いていただきたいなというのがあります。

以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。他に委員の皆様方、大山部会長代理。

 

○大山部会長代理 もう時間がないので簡単に申し上げたいと思いますが、先ほど斎藤委員が言った、やるべきこと、To Do List以外のものということの観点から申し上げたいと思います。特に年金機構の方にも新しい方がお入りになられているので、あえてもう一回申し上げたいと思います。既に10年来申し上げてきたことなのですが、先ほどの発言に関係する正確性の確保ということであります。これは人手をかけて紙で出てきているものを入力したら確実にエラーを0%にすることはほぼ不可能、必ずどこかでエラーが出る。ましてや標準報酬額を含めて御本人に見ていただいて確認するというのが、20年、30年たった後の話なんて無理な話で、何を申し上げたいかというと、言うまでもなく年金記録問題が終わったように感じてはいけないということを申し上げたい。あれほど大きな問題を起こしたことに対して抜本的な対策をまだ明確に示していない。

この方法が、私が申し上げたいのはICTの利活用なのです。これをやれば電子媒体を出してもらい、なおかつそれを安全性の面はありますが、早く御本人に確認いただく、この仕掛けをつくることで記録問題は起こさないという明確なメッセージを出すべきだと思っています。それに伴ったセキュリティの今回の議論であり、セキュリティはまた大きな課題を今回不幸にして出てきたわけですけれども、ただ、これはまたきっかけとして、その次のステップを考えるためのいい機会になっていますので、やはりこういう苦労が今いろんな問題が残念なことに起こっているわけでありますが、1つ1つをその先に向けた年金の持続的、安定的な運用のための本来の制度に立ち返ったところにどう資するのかというのは明確にする必要があるのではないかと思います。その意味でメッセージとしてどこにも出てないので忘れないでいただきたいということを申し上げたいと思います。

以上です。

 

○増田部会長 他に委員の皆様方ございますか。よろしいですか。

それでは、今日議論をしたこと、順番からすると、目標、計画、そして年度計画と、こういう形になっていくと思いますし、改善計画の工程表も含めて、改善計画の方については、ここでの意見を今後もいろいろ必要なものは取り入れるといったお話もありましたのですが、総じてそれぞれ厚生労働省、機構の方でよくお考えいただいた上で、次回のこの場にいろいろお示しをいただきたいと思います。それから、各委員の方から、資料等の要望もございましたので、それについてもいろいろお答えいただきたいと思います。

最後に、私、一言だけ申し上げておきますと、いずれにしても大変残念な事件ではあったのですが、それを乗り越えてよりいい仕組みにしていこうという、そういう決意でこういった問題スタートしたはずでありますので、今、部会長代理が御指摘したことも同じ趣旨かと思うのですが、とにかく物事をプラスになるように切りかえるということと、その機運がしぼまない、その機運がきちんと繋がっていくようにしていかなければいけないと思いますので、特に後ろの方に再生チームのリーダーの皆様方もおられると思うのですが、皆さん方に中心になってやっていただかなければいかんと、ぜひそういう趣旨を踏まえた上で、機構で取り組んでいただきたいということを最後に申し上げておきたいと思います。

それでは、本日の議題は以上で終了といたしたいと思いますが、次回日程について事務局からお願いします。

 

○中里年金事業運営推進室長 次回の日程につきましては、改めて御連絡をさせていただきます。

 

○増田部会長 それでは、本日の会議はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

 


(了)

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