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2015年7月13日 第4回政策評価に関する有識者会議医療・衛生WG 議事録

○日時

平成27年7月13日(月)15:27~17:25


○場所

厚生労働省共用第9会議室(19階)


○出席者

森田座長、井部委員、河北委員、篠原委員

○議事

(以下、議事録)


○森田座長

 ただいまから、第4回政策評価に関する有識者会議医療・衛生WGを開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は本田委員が御欠席です。本日は議事次第にありますように、5つのテーマの実績評価書()について、委員の皆様に御議論いただきたいと思います。

 それでは配布資料及び「平成27年度に実施する政策評価について」の進め方について、事務局より御説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐(今宮)

 議事に入る前に、本年4月以降、事務局に異動がありましたので紹介いたします。まず政策評価官の大地です。

 

○政策評価官

 政策評価官の大地でございます。41日付けで着任いたしました。よろしく御指導のほど、お願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐(今宮)

 続いて、政策評価官室長補佐の生沼です。 

 

○政策評価官室長補佐(生沼)

 生沼でございます。本年41日付けで政策評価官室長補佐を拝命いたしました。よろしくお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐(今宮)

 まず、資料の確認をさせていただきます。配布資料は、上から「議事次第」、「座席表」、「有識者会議参集者名簿」です。

 続いて本体の資料です。資料1-1から資料5-2まで、それぞれ枝番12というのが5種類あります。資料15の「1」がそれぞれの評価書、枝番の「2」となっているのがそれぞれの添付資料です。結構な量がありますけれども、抜け落ち等はありませんか。

 続いて参考資料ですが、参考資料1が「政策評価実施予定表」、参考資料2が「平成27年度実績評価書に新設された項目」、参考資料3が「有識者会議開催要項」、参考資料4が「厚生労働省第3期基本計画」、参考資料5が昨年3月の有識者会議における御意見を踏まえて作成した「資料15に関する事前分析表」となっております。

 なお、本日はそれらの資料に加え、別途、カラーのパンフレットを配布させていただいております。こちらは「社会保障と税の一体改革」という名前のパンフレットで、内閣官房、内閣府、総務省、財務省、そして我々厚生労働省が協力して作成し、内閣府の政府広報室が発行したものでありまして、政府全体で取り組んでいる一体改革の背景や趣旨、内容等を分かりやすくまとめたものとなっております。委員の皆様方におかれましては、内容的には既に御承知かと存じますが、取組内容の御紹介として参考配布させていただきましたので、よろしくお願いいたします。

 なお、資料を事前に送付させていただいておりましたけれども、一部変更が4点ありますので、簡単に御紹介させていただきます。1点目が資料1-1の指標2の選定理由、平成26年度実績及び達成欄について修正・追記をするとともに、裏面の総合判定、施策の分析欄についても、若干修正しております。2点目が資料1-2、つまり資料1-1の添付資料ですが、1113ページまでを追加しております。3点目が資料3-1について、指標3と指標4の平成26年度の実績値の集計が終了しましたので、数値を記載しております。最後、4点目ですが、添付資料の資料4-2について、16ページを追加しております。資料に不足等がありましたら、事務局までお知らせください。よろしいでしょうか。

 それでは議事の進め方について御説明いたします。議事次第を御覧ください。本日は議事の2の1~5の順番で、テーマごとに担当課を入れ替えて御議論いただきます。時間については1テーマごとに約20分程度ということで、担当課から5分程度で説明を行い、その後、15分程度で御議論いただくという流れで進めていただければと思っております。

 続きまして、参考資料1の「政策評価実施予定表」を御覧ください。これは厚生労働省の70の施策目標を、どのWGで御議論していただくかを示したものです。赤枠の中の赤字で「○」が記載されているものが、本年度各WGで意見聴取をする施策目標となっております。そのうち、本日の医療・衛生WGの対象となるのは、黒字の太枠で囲われている5テーマとなっております。

 続きまして、参考資料2「平成27年度実績評価書に新設された項目」を御覧ください。こちらは今年3月に開催しました有識者会議において、委員の皆様に対して事務局から御説明しました内容のとおりとなっております。事務局からは以上です。

 

○森田座長

 資料等はよろしいでしょうか。それでは施策番号1-3-1「医療情報化の体制整備の普及を推進すること」について、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。御説明される方は、所属と名前をおっしゃってから御説明をお願いいたします。

 

○医政局研究開発振興課医療技術情報推進室長

 医政局研究開発振興課医療技術情報推進室長の片岡でございます。本件については、私ども医政局情報推進室と情報政策担当参事官室の両者で説明させていただきたいと思います。

 それでは資料1-1「実績評価書」を御確認いただければと思います。「医療情報化の体制整備の普及を推進すること」という、施策番号1-3-1です。こちらは施策の概要にもありますように、医療のIT化、医療の情報連携を可能とするための環境整備として、データの形式等の標準化を推進することが目標の柱となっております。

 施策の背景と枠組みですけれども、もともとは平成181月の高度情報通進ネットワーク社会推進戦略本部で取りまとめられた「IT新改革戦略」で、具体的な政策として掲げられていました。その後、種々の戦略等が設定されております。直近では「世界最先端IT国家創造宣言」というのが平成256月に出て、毎年改定等がされております。閣議決定を踏まえ、目標として2018年度(平成30年度)までにITを活用した医療情報連携ネットワークの全国への普及・展開を図ることが定められたことを踏まえ、更なる施策の推進を図るという形で取り組んでいます。

 近年における予算額や執行額等の推移については、表の数字のとおりです。

 「世界最先端IT国家創造宣言」というのは、当初、平成256月に閣議決定されたものです。この中でも、項目としては「適切な地域医療・介護等の提供、健康増進等を通じた健康長寿社会の実現」という形で記載されています。これについては毎年の改定で内容が充実されておりますが、記述の位置付けとして変わっているものではありません。

 この点については測定指標として2つ掲げております。1つが統合系医療情報システムです。これはいわゆる病院のオーダリングシステムとか、統合的電子カルテの普及率です。それから指標2ということで、もう1つが電子処方箋です。これは紙媒体ではなく、電子処方箋で処方情報をやり取りするという形です。この必要な法令等の検討・見直しに向けた実証作業ということで、指標を2つ掲げております。私ども医政局が所掌しているのは、指標1の医療情報連携ネットワークです。地域において病院や診療所、慢性・急性期、医療機関のみならず薬局や介護施設等との情報連携という形でネットワークを構築し、互いに患者の情報を参照したり、やり取りをしたりするネットワークです。

 その基盤となる医療情報システムの普及率という形で、そもそも医療情報連携ネットワークに参加する前提となる、基盤となる統合系医療情報システムの普及率ということで指標を掲げております。平成23年度で39.3%です。これは3年に1回実施しています「医療施設静態調査」の数値です。直近では平成26年度に調査をしており、恐らく今年度の後半には集計がなされるのではないかと考えております。それを平成23年度の39.3%と比較して、達成状況等を考えることにしております。

 指標2については、平成24年度から実証事業等を実施しているということで、それぞれ実証事業の実施、ガイドラインの検討等を記載しております。こういったところで達成状況を把握していくということです。

 参考として「指標3」と書いてありますが、こちらは指標1の参考として一般病院の400床以上、要するに大規模な、その地域の中核となり得る病院における実績値ということです。病院全体で言うと指標139.3ですけれども、400床以上に限定しますと86.6%と、もともと非常に高い率です。

 次のページが評価結果です。総合判定は「B」とさせていただいております。医療施設静態調査が3年に一度でして、平成26年度の結果が恐らく今年度中、今年度の後半には取りまとめられるのではないかと考えております。ですから数値はまだ出ていないという制限はありますが、状況から申し上げますと、医療情報連携ネットワークの構築数というものが、平成24年度には日本全体に160あったものが、平成26年度には約200と、最近特に増えてきているところから、これに並行して、各病院における医療情報システムの普及率も向上していることが推測されると考えています。指標2の電子処方箋についても、実証の過程において、これまで有識者等の意見をお伺いしながら、ガイドラインの検討等を進めてきました。こういった実績を踏まえて「B」ということで、「達成に向けて進展あり」とさせていただいたところです。

 施策の分析については、指標1と指標2のそれぞれに有効性・効率性を記載しております。指標1は先ほど申し上げたとおり、医療情報連携ネットワークの構築数が増加傾向にあることから、一定の有効性があると考えています。指標2についても実証事業の結果を踏まえ、薬局への患者情報の的確な伝達、電子処方箋のメリットが示されていることから、有効であると考えております。

 効率性について指標1では、特に医療の情報化について平成24年度と比較して、当初予算で12億円削減としております。こちらの中身も毎年度精査しており、必要な見直しを行っているという形で、効率的な取組が行われているとさせていただいております。指標2も平成24年度から始まっておりますから、平成24年、25年と実施された実証事業の成果を踏まえ、その後に検討会の場でガイドラインに関する議論を行うという段階に移行しており、こちらも効率的な取組が行われていると評価できるものと考えております。

 現状分析として、まとめて書いております。総合系医療情報システムの普及が進んでいると考えられることから、地域医療情報連携は着実に実施されてきているものと考えられるものの、医療機関間の情報の共有については、標準的な規格の普及がいまだ不十分であり、今後もより一層効果的・効率的な実施を目指して、施策の見直しが必要であると分析しているところです。

 その下の部分、「次期目標等への反映の方向性」ですが、引き続き次年度に向けて、医療情報連携ネットワークの構築に関する取組を強化することとしております。説明は以上です。

 

○森田座長

 それでは、ただいまの御説明について御意見、御質問等がありましたらどうぞ。

 

○篠原委員

 情報化ではいろいろと進めておられるのですが、素直に言うと、もうちょっとスピードを上げてもいいのではないかという気がするのです。いろいろなシンポジウムなどを受けると、日本のIT化は先進国で遅れているし、事務系の生産性も遅れているのです。いろいろと考えると、少子化、少子化と騒いでいるけれども、結局有力なツールは、私はITだと思うのです。そうすると、ここの部分で医療費を少なくするという政治的な問題を抜きにして、いわゆる事務レベルで、もうちょっと努力をすると。全体から言えば大した効果はないかもしれないけれども、やはりその部分が。

 例えばカルテの問題です。45年前の事業仕分けで、私もいろいろとガヤガヤやられたのを見ていました。それから見ると、こんなに進まないのかなと。1つの疑問は、なぜ進まないのかということです。というのは、メリットは言われていますよね。ただ、病院にとってのメリットがないのか、だからやらないのかなと。その辺が、もしあれなら補助金を出してもやるべきではないかと、個人的にはそういう気がするのです。

 ここに病院の統計が出ていますが、この中にクリニックは入っているのですか。入っていないのですか。いわゆる200床未満とか、統計が出ていますよね。そこで、いわゆるお医者さんというか、我々が掛かる所全体でどうなのかと。私は普段、習慣病というか痛風なので個人のクリニックに行っているのです。見ると医師が1人でものすごく働いているから、ああいうのもどうにかならないのかという気もしないでもないのです。そこでお伺いしたいのは、レセプトはすごく電子化されているけれども、電子カルテやオーダリングシステムなどができていないのは何なのか。私も監査法人にいて、病院の赤字などのコンサルティングをやっているのですが、今私が言っている部分が合理化されてきているのではないかと。ただ、こういう全体の統計を見ていると、今一かなと思います。ぼやっとした質問で申し訳ないけれども、その辺を。

 

○森田座長

 続けて御質問していただけますか。

 

○河北委員

 いっぱいあるのですが、まず、18億円あるいは8億円に削られた予算についてです。具体的にはどういうように使われているのか、どこにどういうお金になって行っているのか、教えていただきたいというのが第1点です。

 それから、もうちょっと大きいのですが、指標1と指標2にも「適切な地域医療・介護等の提供、健康増進等を通じた健康長寿社会の実現」と書いてあるのですが、電子化するということが、具体的にそれにどう作用するのか教えていただきたいのです。というのは、今の篠原さんの説明にもありましたように、オンラインのレセプト請求というのは、医療機関と支払い基金につながっているだけですよね。しかし地域の中で診療情報が共有されているというのが、先ほどの160200床の中に一体どのぐらいあるのか。これは病院や医療機関だけでなくて、薬局というのは、実は株式会社や有限会社がすごく多いので、そういう所まで含めての情報の共有なのか。また、情報の共有ということで、更に1か所にその情報が集まって、データウェアハウスになって分析して、具体的に大きな意味での社会的政策評価につながっているかどうかが、全く見えないと思います。

 それから、先ほど国際比較の話が出たのですが、厚労省は国際比較として、現状の日本のIT化をどう思っているのか。

 それからたまたま今日、私は坂村先生という方にお会いしてきたのです。49日にユビキタス・ネットワーキング研究所のIoTのことを、坂村先生が『経済教室』に書いていらっしゃるけれども、こういうことを厚労省として、一体どう思っているのか。そこを教えていただきたいと思います。

 

○森田座長

 では、取りあえずお答えください。

 

○医政局研究開発振興課医療技術情報推進室長

 まず、医政局のほうから御説明いたします。最初に篠原委員から御質問のあったスピード感というところです。それは御指摘のとおりで、特に最近で申し上げますと、内閣官房の健康医療戦略室、要するに健康医療戦略の体系において、次世代医療ICT基盤の協議会というものが、今年度から開始されました。こちらでは特に医療分野等も含め、こうした情報を連携させて、先生が言われたような加速化をしていこうということで、協議会で議論が開始になったところです。先生も言われたように、特に国全体の中でも医療のICT分野については、今後加速化していくものではないかと考えております。

 それから、電子カルテの普及状況の中で、診療情報が含まれているのか、要するにクリニックが含まれているのかという御質問についてです。クリニックのほうはまた別の数字での統計があります。資料1-25ページですが、電子カルテシステムのほうで申し上げますと、一般病院全体で21.9%ですが、診療所では21.2%です。平成20年は診療所が14.7%、平成17年は診療所が7.6%ということで、実績ということで申し上げれば、一般病院全体の数値と同じくらいのパーセンテージと考えていただければよろしいのではないかと思います。というところです。

 それから、予算の内訳についてです。私ども医政局のほうで、特に医療の分野でやっているものと、情報政策担当のほうでやっているものがあります。まず、医政局のほうで実施し得る予算の内容で申し上げますと、医療情報連携ネットワークの予算以外にも、例えば遠方との画像診断や病理診断などの遠隔医療の機器に対する整備事業とか、従事者の研修事業、医療情報ネットワークの参加に必要な認証基盤ということで、HPKI、電子的な公開鍵基盤、本人性等を確認するための認証カードの整備事業、いわゆるガイドライン等のEBMに基づいたガイドラインの作成や普及、こういったEBM関係の事業を全て含めて、医療分野のIT化の推進ということで、特に医療に限った部分で言えば今のようなところです。

 

○河北委員

EBMというのは、評価機構からもらっているお金も、そこに入っているのですか。

 

○医政局研究開発振興課医療技術情報推進室長

 そうです。

 

○河北委員

 あれがこの中に入っていると。

 

○医政局研究開発振興課医療技術情報推進室長

 はい。要するにITとは別に、医療情報や遠隔も含めた予算の額です。

 

○河北委員

MEDIS-DCには行っていますか。あそこの財団は風前の灯火ですよ。あれは1974年にできた財団だけれども、何もできないで終わってしまう。御存じですか。

 

○森田座長

 個別的な話はまた。

 

○河北委員

 通産省と厚労省がつくった財団で、ものすごく大事な財団だけれども、結局40年間、何もできていないのです。 

 

○医政局研究開発振興課医療技術情報推進室長

MEDISについては電子カルテ等の情報のやり取りの中で、必要な標準マスターの整備の関係で予算を入れております。あとは先ほどのHPKI、医療従事者の認証のカードの事業で、一部の医療従事者に対してMEDISに委託している部分がありますので、こちらにも入っております。

 

○河北委員

 理事をやっているけれど大失敗です。

 

○情報政策担当参事官室長補佐

 情報政策担当参事官室長補佐の佐藤と申します。先ほど言われた中で、情報化の関係ですと、日本の医療分野のIT化がどのようになっているかということだと思うのです。多分個々に見ていけば、それぞれの病院や診療所というのは、かなりIT化されていると認識しています。世界レベルで見たときに、電子化が遅れているという表現はありますけれども、それは調査する対象の尺度が違うというところがあって、必ずしもうまく日本の情報化が反映されているということではないという認識をしています。

 例えば、先ほど先生が言われた、クリニックなどが遅れているのではないかというところはありますし、確かに遅れているような気もしないことはないと思いますが、実際問題として、今、大学病院から巣立たれたお医者さんが開業していくときに、大学病院のときに使われていた電子カルテなどをかなり使われていると伺っております。開業される際にそれを導入していくと伺っておりますので、これからはある程度進んでいくのではないかと考えております。

 ユビキタス研究のIoTに関しては、全てのデバイスなり何なりがインターネットにつながっていくという考えだと思うのですけれども、これから医療や介護といったいろいろな所で、いろいろなデバイスが使われていき、センサーというものも、これからどんどん開発されていく中で、そういったものからどういうように情報を取っていくかということがあるわけです。それが単純に個々人の方が健康のために取っているただの情報なのか、心拍数とかいろいろなものの正確度、精度と言いますか、医療分野の情報として足りるのか足りないのか、いろいろなことがあります。どこまでをどうするかというのは、まだはっきり明確としたものはないのですけれども、これから取り組んでいかなければいけない分野だという認識をしております。

 

○井部委員

 繰り返しになるかもしれませんが、このデータを指標から見ますと、400床以上の病院は比較的電子化が進んでいるけれども、そうでない所の普及率が低いというように読み取れるのです。【参考】指標3の平成26年度が集計中なので、ここの数値がよく分かりませんけれども、少なくとも平成23年度は9割近くが統合系医療情報システムの普及をしているという点からすると、中小の病院の普及率が低いように見えるのです。そういう所がなぜ進まないのかという調査は、この予算の範囲でやられているのでしょうか。

 

○医政局研究開発振興課医療技術情報推進室長

 こちらの数字、特に指標3では400床以上ということで、正に先生が御指摘のとおり、400床以上の病院ですから、中小の所は低いレベルにあると。全体で言えば39.3%ですから、400床以上が86.6%ということを考えましても、それ以下であるということです。例えば、オーダリングシステムで申し上げれば、資料1-25ページにありますように、200床未満では27.4%の普及率です。

 小規模な医療機関における電子化をいかに進めていくかというところにおいては、先ほど篠原委員からも、補助金等で整備してはどうかという御提案もありましたが、個々の医療機関の整備そのものに対しての補助事業というのは、予算の性格上、なかなか難しいところもあります。しかし、それを側面支援という形で、例えば標準マスターの整備により、いろいろな各社メーカー等の電子システム等もありますが、こういったものの標準化を進めていくところで、機器等の価格を低いほうに誘導していくという、間接的な形での取組が1つあります。

 それから、地域医療情報連携ネットワークを推進していくことで、電子化することのメリットを導き出した上で、それを普及させていくと。その過程において、小規模な医療機関であっても電子化のメリットを享受できるような先例を構築していくことで、導入を促していくと。こういったものは直接的な構築策ではないのですけれども、側面支援という形でさせていただいているところです。

 

○井部委員

 標準化をしても、中小の病院は導入するのに非常に労力が掛かるわけです。負担を少なくして導入できるといいのではないかと思うのですが、そこがなかなか進まないのではないかと思いますので、各社メーカーの標準化という点で、是非イニシアチブを取っていただくといいのではないかと思います。

 

○河北委員

 今のに関連しますが、私の病院だけでも、電子カルテのバージョンアップと保守管理の費用は、合わせて年間約3億円掛かります。この3億円というのはものすごく大きな負担なのです。実は医療の消費税と一緒にして、それが病院の赤字の問題なのです。うちの病院で約3億円、バージョンアップに11億か12億円掛かるのです。それを67年で償却しなくてはいけないですよね。大体78年ぐらいのサイクルで変えていかないと、OSそのものが変わってしまう。保守管理費も、年間8,000万~9,000万円ぐらい掛かるのです。また、うちのシステム人員は今8名いるので、そういう給料なども合わせると、ものすごく大きな負担なのです。

 それから先日、私も厚労省に言ったけれども、去年、森田先生にも聞いていただいたのですが、澤憲明君という方にイギリスの家庭医の話を聞いてみると、ますますイギリスのプライマリーケアに関する電子カルテのネットワークが、ものすごく充実してきているのです。NICEという所が全部それを統合して管理し、本当にパフォーマンス指標が出て、それによって支払いが変わってくるということが、実際に今イギリスで動いているのです。日本は全くそれができていない。あるいは韓国のHIRAも、日本よりも10年以上前にレセプトのオンライン化は完全に100%できています。ですから今年も森田先生の海外視察、私は厚労省こそ、そういうものに行くべきではないかと思うのです。やはりものすごく遅れているという認識を、まずしていただきたいと思います。

 

○森田座長

 予定した時間を過ぎておりますので。医療のIT化をどうやって進めるかという話ならば今のような議論をしていただいてもいいのですけれども、ここはあくまでも政策評価の場です。私から申し上げたいのは、要するに普及を進める必要があって、どれくらい普及したかというのは、最終的に社会的な結果や変化が起こったということの、いわゆるアウトカム指標なのです。そのアウトカムを作り出すために、行政として何をしたのか、それがどういう結果になったのか、そこが評価の対象になるわけです。これだと更なる施策の推進を図るとか、今も補助金を出すとか、標準化をするというお話がありましたけれども、それが具体的にどういう形で、どういう内容を持っていて、どれくらいのコストが掛かって、それでどれくらいの結果が生まれてきたのかというのが、評価の対象になるかと思います。

 と申しますのは、今はコストが掛かりますし、400床以上の病院は特にそうかもしれませんが、どんどんこちらの方向でそれぞれの病院が無理をしても投資をされているわけです。もしかしたら厚労省が何もしなくてもとは言いませんが、しなくてもどんどん普及率が上がっていく可能性もあるわけです。それに対して厚労省の施策、あるいは補助金でもいいですし、規制でもいいですし、診療報酬上の手当でもいいですし、もっと推進しましょうという啓蒙でもいいでしょうし、インフラとしてのベースを作る、標準化を行うということでもいいのですが、それによってどれくらい変わったのかというのが、ここの評価の対象になると御理解いただきたいと思います。そこら辺はよろしいですか。

 多分これを受けて、また調整されると思いますので、その辺をもう少し明確にしていただきたいということです。ですから補正も含めて、予算が18億円からだんだん減ったり増えたりしておりますけれども、これが一体何に使われたのか、使われたものが実際にIT化の推進のためにどういう貢献をしているのか、効果を生み出しているのか、コントリビューションがあるのか、そこがここでは評価の対象、関心事だということです。

 時間がないのでよろしいでしょうか。それでは、どうもありがとうございました。

 

(メインテーブル交替)

 

○森田座長

 続きまして施策番号1-5-4「原子爆弾被爆者等を援護すること」について、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。先ほどと同様に、まず所属と名前をおっしゃってから御説明をお願いしたいと思います。今申し上げましたように、そちらの課としてどういう施策を目的達成のためにやったのか、それについて自己評価としてどうされるのかを中心にお話いただければと思います。ではどうぞ。

 

○健康局総務課原子爆弾被爆者援護対策室長

 原子爆弾被爆者援護対策室長をしています伊澤と申します。本日は貴重な機会を頂きましてありがとうございます。

 お手元の施策目標1-5-4です。「原子爆弾被爆者等を援護すること」ということで、私どもの「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」という法律がございまして、この法律に基づきまして、広島・長崎の原爆被爆者の方々に対しまして、健康診断をまずさせていただきまして、その後、医療費の支給とか、予算事業ですが介護費の支給といったことをさせていただいております。その他、手当も払っておりまして、そうした形での総合的な被爆者に対する援護対策をしております。

 近年の予算の状況ですが、基本的には新たな被爆者の認定はそんなに多くはないので、相対的には減少傾向です。一昨年に20万人を初めて切りましたけれども、毎年9,000人ぐらい自然にお亡くなりになっていきますので、今最新の数字ですと、183,000人余の方が被爆者です。

 測定指標として設けさせていただきましたのが健診です。これは歴史的な経緯がありまして、援護施策として最初に作ったときに、まず健診からスタートしたということが1つあります。健診は先生方に申すまでもなく、疾病の早期発見と早期治療、健康の保持・増進というのが私どもの第一目標ですので、これを果たす重要な指標だということで指標を立てさせていただいています。また、ほかの援護施策、手当とか医療費の助成。助成というのは1割負担の部分を私ども助成したりするのですが、こういうものはなかなか指標になじまないということもありまして、この健康診断を指標として立てさせていただいています。

 指標の作り方については、先ほど申し上げましたように御高齢で、平均年齢は実はもう80を超えていらっしゃいますので、なかなか新たに率が上がることは通常考えにくくて、むしろこの施策の内容からすると、我々としては前年度並みを維持し続けたいというのを施策目標にしています。集計中となっています平成26年度につきましては、都道府県に委託している事務ですので、集計結果がやっと最近挙がってきまして、口頭で恐縮ですが、68.2%となっています。ですので、残念ながら70%という目標に対しては、率で単純割して97.4%ということで、なお97%を超えるぐらいの目標達成度ではありますが、全体の達成度としてはルールに従いまして「△」とさせていただいております。

 健診は先ほど申しましたように、御高齢になられているので、医療を必要とされている方が多いですので、健診で全く医療がない状況を確認するのはなかなか難しいのですが、さはさりとて、特にがんに対する御心配が多かったりする方々ですので、やはり早期発見がなお重要ということで、がん健診も含めて出していただいていますので、健診率は高いほうがいいだろうということで、重要な指標であるということで「○」を付けさせていただいています。

2枚目になります。私どもの自己評価ですが、「△」ではありますが、97を超えるという、ある程度の率は達成していますし、現行の取組をなお引き続きしっかりやらせていただきまして、この健診の目標は達成できるのではないかと。もちろん長期的にはどうしてもお亡くなりになっている方が多いですし、要介護状態になりますと、例えば特別養護老人ホームに入られたりして、そうした方々が健診会場へ出掛けてというのはなかなか難しいとは承知していますけれども、我々としてはできるだけ前年度並みの実績を1つの目標にして達成していきたいということで、その達成自体は今でも7割前後で推移していますので、できるだろうということで、評価は「A」にさせていただいています。

 下のほうの有効性に関しましては、繰り返しになりますが、減少傾向にありますが、前年度並みで極端には下がっていませんので、有効性はなおあるだろうということで、この指標で引き続きやっていきたいと思っております。

 効率性につきましては、やはり減少分は自然減という形ですけれども、削減させていただいていますし、健診自体はこのようにしっかりした内容でやらさせていただいていますので、効率的にはできているかと。あと、被爆したときは広島・長崎にいらっしゃいましたけれども、今のお住まいは当然各都道府県にいらっしゃいますので、全国の都道府県を通じてお願いしていますので、被爆者の便宜にも配慮したような形で十分やらしていただいていますので、効率性はあるのではないかなと思っています。

 現状分析に関しましては、繰り返しになりますけれども、やはり若干の低下傾向は見られますけれども、そうした中でも、健康診断でまずしっかり御自身の体の状態を確認していただいて、医療については繰り返しになりますけれども無料ですので、御心配なく掛かっていただけますので、しっかり治療していただいて長生きしていただくことを目標にしていますので、そういう意味では、こういった形でこの健診を引き続きしっかりやっていくことが大事なことだろうと分析しています。

 次期の目標に関しては、そういった形ですので、我々としても容易ではないのですが、少なくとも減少傾向の中でも、前年度並み、あるいはだんだんと御高齢になってきまして、後期高齢者どころか80歳以上の方が増えていますので、なかなか難しいところではありますが、指標としてはこれを引き続き実施して、我々的に都道府県と共に努力をしていきたいと思っているところです。すみません、ちょっと長くなったかもしれませんが、以上です。よろしくお願いします。

 

○森田座長

 ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御質問をお願いいたします。

 

○河北委員

 この施策目標は援護ということなので、これはこれで私はいいと思いますけれども、援護とは全然違う意味で、不幸にして被爆された方たちが被爆をしていない人たちと比べてみて、例えばどのぐらいの年齢で亡くなっていったかとか、生活が幸せであったかどうか、そのような指標が取れているのかを是非考えてみていただきたい。

 それから、昔ABCCという団体があって、そこでいろいろな被爆の研究がされたと思うのですが、そういうことが例えば福島の原発等に研究としてつながっているのかどうかということは、是非、今後とも検討していただきたいと思います。

 

○健康局総務課原子爆弾被爆者援護対策室長

 ありがとうございます。2点頂きました。まず1点目の、他の一般の健康な方と比べて死亡率が高いかどうかというのは、ちょっとすみませんが取ったこともないので、ありません。取れるかどうか考えてみたいと思いますけれども、過去のデータもないので難しいかなと正直思っています。

 他方、幸福と言いますか、言葉が悪いといけないのですけれども、どういう思いでいらっしゃったかということに関しましては、10年に一度実態調査をさせていただいています。今年も70周年の節目の年なので、記述式も含めて調査を取らせていただいていまして、定期的には行っています。10年に一度ですし、被爆者の方の手間暇も考えて、簡易な内容の調査ですので、必ずしも、あなたは平均の人と比べてどう思いますかというところまでは、また、そういう聞き方は非常にデリケートな問題ですから、聞けないではいるのですが、「どういったことに不安を感じていらっしゃいますか」というようなことは取らせていただいていて、それはその時々の施策に反映させていただいています。指標には難しいと思いますが、そういう努力はさせていただいています。

ABCCに関しましては、今、公益社団法人の放射線影響研究所という形で広島市と長崎市に拠点を設けておりまして、これは日米の共管になっていまして、私どもですと20億弱ぐらいですけれども、私どももアメリカ政府も研究資金として出させていただいて、継続調査をしています。その中で福島の件で放射線と人体の影響に関しては、放影研の被爆者のデータが世界の財産と言いますか、標準データになっていますので、もちろん放影研の研究者などが福島に。福島は今、福島県立大学を中心にいろいろスキームされていますので、そちらのスキームの中で研究と言いますか、協力できることは協力していますし、何よりも今回、放影研が受託しまして、福島の労働者の研究を今年度から始めることにしていますので、こちらのほうで御協力できるかなと思っているところです。

 

○篠原委員

 河北先生と同じ質問で、被爆者に対する援護というのですか、それはすごく立派というかきちんとやっているなと、やりすぎではないかという気もありますが。そうすると、せっかくの健康診断などのデータを分析する費用とか部門がないのではないのと。3.11の後にずっと騒がれましたよね。この辺のデータも、マスコミを見ていると使われているような気もしますけれども、何となくもう少しきちんと分析したほうが、せっかく世界で唯一の被爆国が、そのデータをうまく活用できないというのは変だなというか、宝の持ち腐れというか、活用のしようがないのかなと言ったら悪いのですが、かなり今回は3.11の後の作業者の被爆のデータもよちよち歩きかなという感じで、うまく活用できるのかなという気もしています。いわゆる、せっかくのデータを活用するほうも、この中に含めるべきではないのかなという気がしますが、どうなのでしょうか。

 

○健康局総務課原子爆弾被爆者援護対策室長

2点御説明しておきたいと思います。1つ目は先ほど冒頭に申し上げましたように、法に基づきまして、広島と長崎の被爆者の方だけを対象にして援護施策を行っておりまして、福島の関係は他省庁のほうがやっておりますので、私どもの持っている政策の枠組みでは、委員の御指摘にお答えすることができないことを御了承いただければと思います。

 他方、繰り返しになりますが、こちらでやっています援護のスキームの中で言いますと、今日御報告申し上げていますこの健診は、どちらかというと全ての被爆者の方を対象とし、その方々の、若い時は不安に対してお答えするということでしたけれども、最近はもう御高齢になっているので、実際に有病の方も増えていますので、病気発見という要素が強くなっていると思いますが、そういった形でお答えするという約束でしていますので、ここのデータを使うというのは、正直個人情報保護と言いますか、個人情報の問題もありますので、これはなかなか難しいところがあります。

 他方、放影研がずっと継続して一定の人数を、万人単位で御本人の同意を得た上で、もっと細かい健診をしまして、かつ、生物学的な資料保存まで同意を得た人には頂いて、その方々については被爆データみたいなものが全部クロスできるような状態で持っておりまして、これは御本人同意の上ですので、ICRPというのですが、国連の組織とか、そのような所にも、解析結果などは全て提供したり論文化して、それがいろいろな放射線防護学の基本になっていて活かされています。これも被爆者の方々とABCC依頼ですが、放影研が長年対話をする中で、皆様方のそうした貴重な御協力によって得たデータを勝手に使うことなく、御納得いただいた上で、人類のために役立てるという、御納得いただいた上でやっているスキームです。

 健診のほうは純粋に、被爆者の御不安や健康保持のためにということでやらせていただいていますので、これとそれとは分けて、今行っているということに御理解を賜れればと思います。

 

○井部委員

 今の伊澤さんの説明で、いろいろな貢献をしていらっしゃるのがよく分かりました。そうだとすれば、指標1だけでこの施策が評価されるということは、ちょっと残念かと思います。健康診断受診率だけでの指標しかないのかどうかということを少し考えました。

 それと河北委員の指摘でありますように、原爆病院というのがあって、そこで看護師が早くから原爆被爆者の看護に当たっているわけで、援護の中に看護というのは結構重要な位置付けではないかと思いますので、そういうところの研究なども注目して、指標をもっと増やすということを考えられたらいいのではないかなと思いました。

 

○健康局総務課原子爆弾被爆者援護対策室長

 御意見ありがとうございます。そういったことを私どもとしては意識していきたいと思います。ただ、こういう形のマスの指標としては、援護施策そのものは原爆被爆者に対してやるという形のもので、委員からいろいろ御指摘頂いたのは、どちらかというと被爆者そのものというよりかは、もう少し広い視点でのものですので、私どもとしてはそういう御意見があったことを十分受け止めさせていただいた上で、被爆者に対する援護施策の指標としては、この形でやらせていただくのも1つの考えかと。そうしないと被爆者にしてみると、どうしてもどこかで自分たちのいろいろ苦労したこととか、大変なことをどのように思い受け止めてもらっているのかという考えもありますので、援護施策としては被爆者に寄り添った形での施策指標のほうがいいのかなと。今の看護のお話も含めまして、研究機関や原爆病院などいろいろな所がありますので、その辺につきましては、私どもとしても十分受け止めながら、指標化はちょっとなじまないかもしれませんが、どういうことができているのかを、きちんとフォローしながら考えていきたいと思います。

 

○森田座長

 よろしいでしょうか。

 

○河北委員

 健康診断というのは、あくまでも身体的なことだけですか。今年の12月からストレスチェックが始まりますが、そういった意味で、心のケアに関する幾つかの指標は、やはり持っていたほうが良かったのではないかなと思います。

 

○健康局総務課原子爆弾被爆者援護対策室長

 事実関係だけで申しますと、心の関係は入っておりません。純粋にどちらかというと身体的な、いわゆる血液検査や、御希望があればがん健診など、そういったものをやっております。

 

○森田座長 

 よろしいですか。

 

○篠原委員

 私の直接ではないですが、知り合いの知り合いで、被爆者手帳を持っているのを、みんな周りの人が知らない。というのは、いじめられていたと。そういうのは、精神的な部分をチェックしないとということが強いと思います。ずっと隠していたという話ですから。

 

○森田座長

 ありがとうございます。施策としては法律で決められていますし、被爆者という特殊な方を対象にしたことですので、いろいろとやっていらっしゃることについてどうこうというのは、なかなか難しいところがありますけれども、この70%という目標の健診率もずっとある意味でコンスタントですし。ただ、政策評価という観点から言いますと、いろいろな基準があるのですが、なかったときに比べてどれぐらい、もちろん健診が受けられているかという話もありますし、あるいは理論的な値に対してどれぐらい達成しているのか、あるいは変化率ですね、過去とどうなのか、類似事例とどうなのか、そうした対比指標がありますと、効率性にしても有効性にしても、もう少し説得力があるという言い方はよくないかもしれませんが、評価としては、高い評価が得られるような形での説明が可能かなと思いますので、御検討いただければと思います。

 よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

 

○健康局総務課原子爆弾被爆者援護対策室長

 どうもありがとうございました。

 

(メインテーブル交替)

 

○森田座長

 続きまして施策番号1-7-1「健康な献血者の確保を図り、血液製剤の国内自給、使用適正化を推進し、安全性の向上を図ること」について、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。先ほどからお願いしておりますけれども、所属とお名前をおっしゃっていただきたいと思いますし、行政の施策として何をされて、それがどのような効果等を生んでいるのか、という観点から御説明いただきたいと思います。では、よろしくお願いいたします。

 

○医薬食品局血液対策課長

 医薬食品局血液対策課長の浅沼と申します。どうぞよろしくお願いします。

 それでは資料3-1に基づいて説明します。私どもの施策の目標ですが、「健康な献血者の確保を図り、血液製剤の国内自給、使用適正化を推進し、安全性の向上を図ること」ということです。

 施策の概要ですが、2つの施策からなっています。1つは健康な献血者の確保を図り、血液製剤の国内自給、使用適正化を推進し、血液製剤の安全性の向上を図るための施策。もう1つがHIV訴訟和解確認書に基づき、血液製剤によるHIV感染者やエイズ患者の方々に対し、調査研究事業や健康管理支援事業を行っています。

 平成25年度から予算額が約1億円増額していますが、この施策目標に前者1つ目の施策が平成25年度より計上された関係によるものです。

 測定の指標ですが、指標1に血液の確保量。指標2に原料血漿の確保量となっています。この評価書の下段です。指標の目標の達成のためには、まず献血者の確保が必要ですので、採血事業者と法律上言っていますが、日本赤十字社が献血推進をやり、献血事業もやっておりますが、この日本赤十字社と協力して、年2回の献血推進月間キャンペーンとして、今月ですが、7月に「愛の血液助け合い運動」を、また、1月~2月ですが、「はたちの献血キャンペーン」をやっております。その他として、全国の高校生に献血啓発資料の配布、又は、全国の中学校に献血啓発ポスターの配布などの若年層対策、また、国、都道府県、日本赤十字社、採血事業者ですが、この三者で現在行っている献血推進活動の評価や意見交換を行うための会議として、中央連絡協議会、また、日本を大きなブロックに分けたブロック会議を開催するなどを行っております。

 指標1、血液量の確保については、一部目標に届いていない部分がありますが、指標2、原料血漿量の確保としては、目標を達成しております。

 施策の分析としては、現時点では、原料血漿は必要量を確保し、血液製剤不足は生じていないのですが、今後、少子高齢化が進み、献血者が減少し、あるいは高齢者は手術、がんなどの病気、血液疾患にかかる方もいらっしゃるので、その方々の需要が非常に多くなり、血液不足が予想されることに鑑みて、近年は少子高齢化もあるのですけれども、減少傾向にある2030歳代という若い世代に対する献血推進などの血液確保対策を更に進めていく必要があると考えております。

 また後ほど、質問を受けながら資料で説明させていただきます。また、次期の目標等への反映の方向性としても、今お話しました2030歳代に対する献血推進対策や、「献血の推進に関する計画」、「血液製剤の安定供給に関する計画」の見直しを必要に応じて行い、将来の献血基盤となる若年層を確保するための取組の強化を図っていきたいと考えている次第です。簡単ですが、説明は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○森田座長

 ありがとうございました。今の2つ目のHIVのほうは、全くお話がなかったのですけれども、これからですか。

 

○医薬局総務課医薬品副作用被害対策室課長補佐

 こちらの指標のほうが参考になっており、和解に基づく恒久対策ということでやっているものですから、ここではあえて説明は差し控えさせていただいております。

 

○森田座長

 これはよろしいわけですか。一応、目標として施策の中に入っているものですから、評価対象かなと思ったのですけれども。分かりました。では、質問どうぞ。

○篠原委員

 この目標値を見ると、輸血と血液製剤が必要ですよね。現状では足りないのかどうかがよく見えないのですけれども。目標値に対してどうのこうのと言っているけれど、正直言って分からない。

 僕はロータリーで街頭に立ったことがあるのですね。そうすると意外と効果があるのですね。若い連中というのは、やると、「ああ、じゃあ、やろうか」ってね。そうすると、今いろいろな対策を立てるって若い人に言って、よく大学とか若手のいる企業に行って、お願いしますとやれば結構やるのではないかなという気もしているのですけれども。よく、ここのところしか知らないけれど、若い人は血を採ったほうが健康にいいとかいう人がいるぐらいだから、もしそうなら、若い者が多い、血の気の多い連中のいる池袋とかに行って、やれと言ったら結構やるのではないかという気がする。そういう末端のはどうなのですか。

 

○医薬食品局血液対策課長

 御質問にお答えしますと、若い方に対しては、今、篠原委員がおっしゃるように、大学のボランティアグループが全国におりまして、今は彼らを中心に、献血のお願いというのはさせていただいております。また、池袋という個別地名も出ておりますが、例えば人口の多い東京周辺、又は大阪周辺、あとは名古屋、福岡、札幌といったような都市部には献血ルームというものを設けておりまして、そこで日々献血の推進を図っているところでございます。

 私は献血マニアで、今の時点で126回行きましたけれども、最近の献血ルームは随分きれいになっていまして、一見ちょっとカフェみたいな雰囲気だとか、漫画や本などをいっぱい用意していたりだとか、例えば秋葉原のような所ですと、やはり若者が集いやすいような環境を作ることによって、献血の推進を図っているという実情もございます。

 また、フリーペーパーで申し訳ないのですが、こういうものを献血ルームなどにも置いております。これは今回、「はたちの献血キャンペーン」でキャラクターをお願いしています羽生結弦選手で、こういった若い方々に人気のある方も起用しまして、献血を呼び掛けたり、年に一度、日本武道館で献血推進のための「LOVE in Action」というイベントをやって、若い方に人気のあるアーティストをお呼びして、献血の重要性を訴えるとともに、抽選で当たった方はこちらのほうのライブを見ていただいて、献血の重要性を広めています。これは、ただ歌を聞くだけですと何かおかしいなと思われるかもしれませんけれども、この場に、いわゆる献血を勧めてくれるさっきの若い大学生の方々や、あるいは受血者といって患者さんで、子供のときに輸血を受けたことによって、今、健康になっている同じ世代で、「皆さんありがとう」というようなメッセージを言ってくださるような方を出すことによって、この世代の方々に対して献血の重要性をアピールしているということになっております。

 

○河北委員

 せっかく献血をしてくださる人たちに対してのメリットというかインセンティブとして、今、健康診断みたいなことを、血液で確かやっていましたよね。例えばHIV感染の有無とかを匿名でやりたいという人もいるし、それから健康管理の一環として、取りあえず献血すれば、ある程度、1年に1回はそういう情報を得られるのではないかと思う人もいると思うのですけれども、その辺の状態はどうなのでしょうか。

 

○医薬食品局血液対策課長

 献血をされた方には、もちろん血液の基本的なデータ、Hb値、要するに血液の濃さと言ったほうがよろしいですね。血液の濃さ、赤血球の数、白血球の数、そういったものはもちろん、例えば肝臓のデータだとか、いわゆる血糖値ではないのですけれども、グリコアルブミンという血糖を反映するようなデータだとかをお知らせする形になっています。もし、先ほどお話に出てきたような、例えばHBVHCVなどの抗体もプラスであれば、もちろん献血時に同意を得た上ですが、御報告はします。

 ただ、HIVだけはどうしても今の日本の現状ですと、患者さんのために検査をしているのですが、献血者のほうにすぐ情報を開示すると、検査代わりに使われてしまう。どうしてもウインドウ・ピリオドといって、抗体検査や、個別NATといって、個別のウイルス抗原を検出する、かなり鋭敏な検査をして、かなりギリギリまでやってはいるのですけれども、どうしてもウインドウ期というものがあって、その血液で場合によってはHIVに感染するおそれがあります。実際、一昨年にそういった事例があったのです。ですので、申し訳ないのですけれども、やはり検査の結果をHIVについて教えるというのは、今の時点ではやっておりません。その代わりに先ほど申し上げた、いわゆる健康に関する情報、例えばコレステロール値などは情報として提供させていただいているところでございます。

 

○河北委員

 この年代別の推移を見ると、なかなか厳しいですよね。

 

○医薬食品局血液対策課長

 そうなんです。

 

○河北委員

 ですから本当に40代、50代、あるいは60代は増えていても、若い人たちが激減しているような状況なので、この辺はやはりみんなで考えていきましょうよ。

 

○医薬食品局血液対策課長

 ありがとうございます。

 

○河北委員

 いや、本当に。

 

○医薬食品局血液対策課長

 資料3-25ページの右のグラフだと思いますが、ちょうど私たちの世代、4050代は頑張っているのですけれども、ただ、30代と20代が激減しているのですね。10代はちょっと下げ止まり状態になっています。もちろんこれは人数で出している折れ線グラフでございますので、やはり少子高齢化を反映しますと、僅かながら10代の方々の献血率は上がってきております。

 ところが20代、30代、特に今の急激な下がり方は30代なのですね。どうしても仕事がお忙しかったり、家庭を持って小さいお子さんがいると献血ができない、家族でどうしても手間が掛かるようなこともあって、私どもも、例えば、お子さんがいる方が献血しやすいように、献血ルームにキッズコーナー、あるいはキッズルームみたいなものを設けて対応をお願いしたりするなど、いろいろ施策は打っているところなのです。あとはアピールをいっぱいしていって、時間が取れるときに年に1回でいいので献血してくださいということを徹底すれば、何とか今の状況を最低でも維持できるのかなと思っております。

 

○井部委員

 あと、この血液製剤の安全性というのが一つ問われると思うのです。しかし、指標にはそのような指標がないように思うのですけれども、そこはいかがお考えでしょうか。

 

○医薬食品局血液対策課長

 血液の安全性につきましては、例えば、HBVHCVHIVの抗体検査はもちろんなのですけれども、今、NATという核酸増幅検査というものもやっております。これまでは、献血された方20人の検体をまとめて20プールでNATをやっていて、これは世界的にも割といいほうなのですけれども、去年から思い切って個別のNAT、お一人お一人にNAT検査を導入するということで、更なる安全性のための対策は打たせていただきました。

 お陰様でその結果、今の血液製剤の安全性は随分良くはなってきています。もちろん未知なるウイルスだとか、ギリギリ言えば、何年か何十年かに1回は感染が起こるかもしれませんけれども、やはり世界的に見ても、血液を人工的に作る状況ではございませんから、いろいろな方々から献血をお願いして作る製剤とすれば、今できる科学技術の中では、かなりのレベルで安全性を確保させていただいているところでございます。

 

○森田座長

 よろしいですか。それでは、私もちょっと伺いたいのですけれども、2つあって、1つは年度ごとの目標値というのは、毎年微妙に上がったり下がったりしているような気もするのですけれども、これ自体はきちんとした根拠があって、この数字が出ているということですね。

 

○医薬食品局血液対策課長

 特に原料血漿のほうは日本赤十字社、国内製造メーカーでありますJBと言っています日本血液製剤機構、化血研、日本製薬さんと話し合って、大体これぐらいの量があれば日本の血液製剤は安定供給できるなと。もちろん輸入される血液製剤なども加味した上でこの数字を出しておりますので、これだけあれば、まず間違いなく大丈夫だという形で調整してやっています。それを、また我々のほうも血液法という法律に基づいて需給計画を作成し、厚生労働大臣の名の下において、きちんと提出させていただいている数値でございます。

 

○森田座長

 では、毎年少なくとも血漿量に関しては、少しずつ下がってきているということですね。

 

○医薬食品局血液対策課長

 そうですね。これは河北先生とか井部先生の前でちょっと申し上げるのは何ですが、医療現場も随分御尽力いただきまして、昔でしたら、例えばお腹の病気をすると、お腹を開けてではないと手術はできなくなる。そのためにはたくさん輸血をしなければいけない。それはなぜかというと、出血が多くなるからです。今は、内視鏡で手術することによって出血量を抑えてもらう。そうすると、輸血する血液製剤量も減ると。そうなると、自ずから供給のほうも少なくて済むという、医療現場の皆さん、先生方、あるいは医療関係者の皆さんの努力もあって、こういう数字として、少子高齢化なのですが、いい感じで数値を抑えてきてもらっているということもございます。

 

○森田座長

 もう1点は、2番目のHIVですけれども、要するに「原告団との和解に伴う恒久対策として実施している事業であり、目標の設定は困難である」と。分かるような気もするのですが、ちょっと、どうしてこんな。

 

○医薬食品局血液対策課長

 これは副作用被害対策室から。

 

○森田座長

 これは評価ですので、そう言われてしまうと。

 

○医薬局総務課医薬品副作用被害対策室課長補佐

 こちら指標3、指標4で数字は示しているのですけれども、この数字の目標につきましては、これは該当者の数を挙げているだけですので、目標自体を立てることが非常に困難でありまして、指標として出すのには適さないのかなということで、あくまでも参考資料として挙げさせていただいているところでございます。

 

○森田座長

 いや、そうすると次にちょっとお話したくなりますのは、それでもそちらの課としては、このためにHIVの患者さんを支援するとか、研究をされているわけですから、確かに該当者数は目標値に取ってしまうと変わらないと思うのですけれども、そちらでされているお仕事について、こういう努力をしているとか、それが表れるような目標値というのはないのでしょうかということなのですけれども。

 

○医薬局総務課医薬品副作用被害対策室課長補佐

 数字的なものだと人数を出すことしか、ちょっと思い浮かぶものがなかったものですから、なかなか指標として挙げることが困難でありまして、今後そういうものが挙げられるかどうかというのは検討させていただきたいとは思っております。

 

○森田座長

 例えば、健康管理手当を支給しているということですけれども、これは全員に対して確実に毎年支給されているということですか。

 

○医薬局総務課医薬品副作用被害対策室課長補佐

 そうですね、現況報告に基づいて、当然出しているということになると思います。

 

○森田座長

 それはこの該当者数に合致するわけですね、対象者数に。

 

○医薬局総務課医薬品副作用被害対策室課長補佐

 そうですね。

 

○森田座長

 分かりました。では、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

 

 

 

(メインテーブル交替)

 

○森田座長

 続きまして、1-8-1「革新的な医療技術の実用化を促進するとともに、医薬品産業等の振興を図ること」について、5分程度で御説明をお願いいたします。所属とお名前からお願いいたします。

 

○医政局研究開発振興課長

 研究開発振興課長の神ノ田でございます。資料4-1に沿って御説明いたします。

 施策目標名は、今、座長からお話のあったとおり、「新医薬品・医療機器の開発を促進するとともに、医薬品産業等の振興を図ること」となっております。

 施策の背景・枠組みの所ですが、下から4行目に記載していますとおり、「日本再興戦略」あるいは「健康医療戦略」に位置付け、政府を挙げて取り組んでおります。

 測定指標の達成状況について御説明いたします。指標1です。治験届出件数のうち医師主導治験の数は、平成26年度の実績が22件で、平成27年度末の目標値の20件を既に超えておりますので、達成状況については「○」としております。

 指標2です。国際共同治験に係るものの割合は、平成26年度の実績が29.6%で、前年度の28.1%を超えておりますので、達成状況は「○」としております。

 指標3です。先進医療Bの件数は、平成26年度の実績が17件で、前年度の10件を上回っておりますので、達成状況は「○」としております。

 指標4です。新たに承認されたヒト幹細胞臨床研究の件数は、平成26年度の実績は17件となっておりますが、これは昨年、再生医療新法が施行された関係で、11月までの8か月分の実績です。前年度の18件を下回っておりますが、達成状況については「△」あるいは「○」としてもいいのではないかと我々は考えております。

 指標5です。後発医薬品の数量シェアの率は、薬価調査における数値を指標にしておりまして、2年に1回の実施となっております。平成26年度の実績値はないということで「-」になっております。達成状況についても「-」にしております。ただ、参考数値として、参考資料の9ページを御覧ください。調剤レセプトのデータを基に分析したデータをお示ししております。右のグラフは月別推移ということで、平成261月の49.4%から平成271月の58.4%まで、1年間で9ポイント増えているという状況からしますと、十分達成したと言えるのではないかと考えております。

 お戻りいただきまして、指標6です。医療機関で研修を行う者ということですが、平成26年度実績が1,660ということで、目標を大幅に上回っております。達成状況については「○」ということで、これは初年度ということでしたので、来年度以降は1,660を基準に、また更に増やしていこうということで取り組んでいきたいと考えております。

 指標7です。臨床研究登録情報の検索、ポータルサイトの閲覧数ということで、平成26年度の実績が111万余となっており、前年度を大幅に上回っております。ポータルサイトの改修をして検索機能の向上を図っております。その関係もあって閲覧数が増えたものと考えております。達成状況は「○」としております。

 指標8です。協力関係の樹立や協力案件を進める国の数ということで、平成26年度の実績は20件で目標を上回っているということで、達成状況は「○」としております。

 目標達成度合いの測定結果です。達成の「×」がなく「△」が1つ、「-」が1つで、全てが「○」ではないということで3としております。ただ、総合判定については、「△」となりましたヒト幹細胞臨床研究、また、「-」となった後発医薬品シェア率をどのように評価するかということかと思います。先ほどの御説明のとおり、十分目標を達成しているのではないかと我々は考えており、判定結果としては「A」としております。説明は以上です。

 

○森田座長

 ありがとうございました。

 

○篠原委員

 まず、ジェネリックなのですが、最近、新聞報道を見ると80%とか出ていて、これには書いていない。まだ内閣府で決まっていないのですか。

 

○医政局研究開発振興課長

80%。

 

○篠原委員

 とかって、結構高めだという感じはしているけれども、資料で、統計の取り方が変わって2種類出ていましたよね。海外はどちらを取っているのですか。

 

○医政局研究開発振興課長

80というのは、後発医薬品のあるものに限って分母を取っています。

 

○篠原委員

 海外はいろいろなデータが出ていますよね。

 

○森田座長

 海外も大体そうです。

 

○篠原委員

 同じような形でやっている。今までの日本はちょっと違ったということですよね。

 

○医政局研究開発振興課長

 これまでは全ての医薬品を分母にしていたということで、ちょっと過小評価されていたということです。

 

○篠原委員

2番目で医療機器の開発ということで、私、最先端の所の内部評価に関わっているのですが、そうすると理学部や工学系とか、医者以外にもものすごく関わりますよね。大学院でそういう講座を設けないと無理なのかなと。大体、病院を見学するとすごく高度なものは海外のものではないですか。まだまだ負けているなという印象があります。まねされない機械というのは、この辺の最先端の機関がやれば周りの国よりはまねされないものが出来るかなと。そういう意味でも、この辺もかなり力を入れるということは大切で、何となくできるかな。どうだろう。まだ打つ手があるかな。

 

○医政局研究開発振興課長

 医療機器については力を入れていきたいと思っており、産学連携の中で、やはり企業側としては医学的なところ、臨床的なところの治験が乏しいということで、1,660というのも企業の開発担当者あるいは研究者に参画してもらうことで、臨床の分野についてよく理解してもらった上で医療機器を開発してもらうということで、そういう産学連携の取組をどんどん推進していくという中で、この業界を大きくしていきたいと思います。また、大学の中での連携ももちろん重要になってくるかと思っております。

 

○河北委員

 治験の在り方なのですが、以前から私の知っている幾つかの病院は、余り臨床能力の高くないドクターで、そろそろこの人は暇になったから治験でも担当していろという担当医が結構いました。今、現状はどうなのか。というのは、治験というのは本来、確立されている医療はやらないで、新しいものをやっていくということがあるわけですから、臨床的に体に変化があったときにきちんとそれを発見して、元に戻す力のあるドクターでないと、治験の担当はやってはいけないと私は思っています。

 そういう意味では、やはり治験を本来業務以外でやっているのではなくて、治験を本来業務にする医療機関がもっと増えてもいいような気がするのです。例えば、大学病院の本院みたいな所に100ベッドとか200ベッド、治験専用のベッドを置くということを設定していく。これは治験のフェーズにもよりますが、そういうことが施策としてあってもいいのかなという感じがします。

 それから、新しい役に立つ薬、あるいは医療機器を開発していくということは非常にいいことなのですが、医療技術というのは、新しいものが出てくると医療費が非常に高くなるということがありますので、是非、これからコストベネフィットも真剣に考えて、例えば今、薬でも16万円とか12万円という薬がありますけれども、それでも将来に関わる治療がそこで終結するということであれば、3週間とか何週間使えば、一生涯それを引きずることはないということを考えたときに、そういう意味での、単価は高くても、実際に医療費全体として生涯医療費は増えないというものについては是非、徹底して医薬品の開発を行っていただきたいと思うのです。

 

○医政局研究開発振興課長

 御指摘ありがとうございます。1点目の臨床研究の基盤整備については御指摘のとおりで、日本が一番弱かったのは臨床研究を行う基盤が整備できていないということで、基礎研究で国際的にも高い評価を受けられるようないいシーズを見つけても、それを実用化に結び付けることができていませんでした。それを何とかしなければいけないということで、平成23年度以降、臨床研究の基盤を整備しようということで、予算事業として基盤整備事業をやってまいりました。また、今年度から臨床研究中核病院を医療法上位置付けまして、法律上に位置付けられた中核になる病院ということで、その拠点だけではなくて、その他の病院も含めて、しっかりと底上げを図ってもらうということで取り組んでおりますので、こちらは成長戦略にも位置付けておりますが、画期的な医薬品医療機器の開発につなげていきたいと思っております。

2点目の医療機器との関係については、中医協でも費用対効果についてしっかりと評価していこうと、それは診療報酬にも反映させていこうという取組が進められておりますので、開発段階でもそういうことを意識しながら、費用が高くなるということであれば、画期的な効果が上がるようなものを目指してもらいたいと思います。また、効果がそれほど高くならないのであれば、コストが下がる形での開発もあっていいと思っています。大分、座長のお陰もあって、そういう方向に進んでいくのではないかと思っております。

 

○河北委員

 今の1点目なのですが、臨床研究中核病院というのですか、そういうものが承認されたときに、例えば今、特定機能病院に関しては、DPCの支払いが非常にかさんでいるのですが、その部分は治験であれば外してしまう。私は100ベッドとか200ベッドは外してもいいと思います。そういう工夫は是非していただきたいと思います。

 

○医政局研究開発振興課長

 そこは、中医協マターになってくるので、なかなかお答えは難しいと思うのですが。

 

○河北委員

 それはもう治験のお金だけにすると。通常の患者さんの臨床ではありませんから、それは完全に外してしまうということです。

 

○医政局研究開発振興課長

 今、課題だと思っているのは、医療法上の承認を受けても名称独占だけだという点です。名乗れるだけで、かなり承認要件を高く設定しているものですから、人をいっぱい張り付けなければいけないとか、そのコストをどのように見ていくかというところが課題になってくるかと思います。いろいろ聞いている話ですと、中核病院の承認を受けると企業治験を取りやすくなるとか、いろいろな所から依頼が来るようになるということも聞いておりますので、そういうことでの運営と、あと、これは中医協での議論になってくるかと思いますが、その中で臨床研究中核病院に関係するものが認められるかどうか。それは、中医協での今後の議論かと思っています。

 

○井部委員

 そうしますと、臨床研究中核病院のことを反映させて、医師主導型の治験の数を指標1としたのでしょうか。私は、医師主導型の治験はもっと多いのではないかと思っていましたが、これくらいしかなかったのですね。

2つの意味がありまして、臨床研究拠点病院を作ったので指標11番として出てきたのであろうかということと、医師主導型の治験というのは、この程度のものなのでしょうか。

 

○医政局研究開発振興課長

 これは予算事業の対象になっている15拠点の病院に限っての実績です。ですから、全体では50万件ぐらいあります。もうちょっと多い数字です。

 中核病院の承認要件との関係なのですが、中核病院としては法律上、自ら主導的に治験なり臨床研究ができるというのが承認要件に入ってきますので、企業治験ということになると企業側で企画したものということになりますから、それでは承認要件として入れるのはふさわしくないのではないかと。「自ら企画し」というところでの評価ということで、臨床研究中核病院についても医師主導治験を承認要件の1つに入れております。

 

○井部委員

 医師主導というのは、臨床にいる医師ですよね。臨床医が治験を計画するわけでありまして、そうするとプロトコールを作成するのに、かなりの時間と能力を必要とする。そういう体制ができていないと、なかなか医師主導の治験を始められないのではないかと思います。

 

○医政局研究開発振興課長

 医師が個人的にプロトコールを作成するということではなくて、病院として臨床研究の支援部門を整備していただいて、そこがスタッフとなって、例えば、生物統計家を配置するとか、医師の持っているアイディアをプロトコールにする所を支援するような体制を、臨床研究中核病院として整えてもらうということになっています。

 

○篠原委員

 直接は関係ないかもしれないのですが、医療機器の開発のコスト回収には関係するかなというので、ある報告は最先端の医療機器で、今言われている医療ツアー、海外の人を呼んでいる所ですが、かなり来ているのです。医療費は幾らかといったら国内と同じなのです。すごく変だなというのは、当然、最先端医療は高くできないから安めにやっています。そうすると税金を投入しているから、海外はもっともらってもいいのではないかと。その辺で検討しますと言っていましたが、安倍内閣ではその辺を海外の方法でいくと、コストを高くしても、明らかに最先端で税金を投入しているからいいのではないか。その辺はなかなか難しいのですか。というのは、よくもらえば税金の回収になるという気があるので、ちょっと関係するかなと。

 

○医政局研究開発振興課長

 海外の人ですので保険外診療になると思うので、値付けは自由だと思います。病院の判断で安くしている所もあると思いますが、病院によってはコストをきちんと回収できるように、又はプラスアルファーの部分も乗せて高く設定している所もあるかと思うので、そこは、あくまでも病院の判断になってくると思います。

 

○森田座長

 費用対効果や治験など、お話したいことはいっぱいあるのですが、やめておきますが、政策評価でいいますと、最終的に治験の数を増やしていく、ジェネリックを増やす、さらに、開発拠点を増やすなどありますが、これは医政局の研究開発振興課だけではなくて、ほかの要因も重なっているわけですよね。ここで評価をするのは、正に研究開発振興課なり何なりがやっていらっしゃることが適切に政策効果に結び付いているかということなので、その辺りの、正に医政局でやっていらっしゃることは何なのかというところを、もう少し明確にしていただく必要があるという気がしました。

 多分、ジェネリックにしても、診療報酬の設定の仕方によって、DPC病院などは厳しくなると増えるのではないかという気もしますし、そちらのほうが、多分この比率だと効果が大きいのではないかと。そうすると、これは保険局の業績になってしまう話かなということですね。そこは少し分けませんと、どちらの効果だという話が1つです。

 もう1つは、指標67です。目標値に対して成果が非常に大きいというのですが、正直に申し上げまして、こういう目標値の設定の仕方だったら、目標値の設定自体に少し問題があるのではないかと言いたくなるものですから。それこそ薬価の市場拡大再算定みたいな話で、売れすぎてしまったから価格を下げるではないですけれども、そういう意味で少し目標値の設定の仕方そのものの問題点があるので、これは上のヒト幹細胞もそうですが、前提条件が変わったのを比較して、達成度が「△」とか「○」というのは、評価のほうもそうだと思うのですが別扱いにしませんと、これで総合評価で「○」とか「△」というのは、やや不適切な評価になるという気がいたします。これは感想です。いずれにしても、この分野はこれから非常に大変だと思いますので、頑張ってください。

 

○医政局研究開発振興課長

2点目の件ですが、今回、平成26年度分については、こういう形で目標と実績が乖離する形になったのですが、来年度以降は前年度以上を目指そうということで目標を定めておりますので、来年度以降の評価においては、こういう形で御評価いただければと思っております。

 

○森田座長

 そうだとしますと、今年度は評価から外すとか、そのほうがいいのかなというのと、前年度以上というのも正直に申し上げまして、右肩上がり的な発想ですので、先ほどの献血ではありませんけれど、達成率を上げていくというのならば目標になるかもしれませんが、現実の問題としてベースが増えるかどうかによって評価が変わってくると思います。その辺は評価官のほうで、きめ細かく相談に乗ってあげてください。よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 

(メインテーブル交替)

 

○森田座長

 お待たせいたしました。続きまして施策番号2-2-1「安全で質が高く災害に強い持続的な水道を確保すること」について、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。先ほどと同様に、所属、お名前をよろしくお願いいたします。

 

○健康局水道課長

 健康局水道課長の宮崎でございます。よろしくお願いします。資料5-1に基づいて、施策の評価について御説明いたします。

 施策目標は、「安全で質が高く災害に強い持続的な水道を確保すること」です。安全というのは、安全な水ということです。災害に強いというのは、最近は強靭という言葉を使っておりますが、地震が起こったとしても大丈夫な水道サービスを将来にわたって維持していきたいという思いです。

 具体的な施策は、予算の執行と、いろいろな基準を作ったり、あるいは、そのマニュアルやガイドラインの普及でやっております。具体的な予算ですが、事前の御質問にもありましたが、平成24年度と平成26年度を比較すると、予算の減りが大きいのではないかという御質問があったようですが、平成24年度は特別な事情がありました。これは、東日本大震災の次の年の予算です。この年は、全国防災という特別な予算を東日本大震災の枠で入れておいてよいということでした。ただし、その後、全然違う所で使っているではないかという批判もあって、そのように組んでよいというのが、それきりになってしまいました。

 水道課としては、そのときに耐震の予算をここに結構積んだのですが、それ以降、駄目になってしまって、本予算で要求しようとしたら、そこに十分戻してくれなかったという経緯があり、極端に厳しくなってしまったということがありました。ただ、一番下の欄にありますように、執行額としては、それなりに確保はしてきているのですが、平成27年度は、昨年度の補正が小さかったこともあって、また急に厳しくなったという状況です。

 水道事業は、水道事業体という市町村経営の水道が主ですので、私どもはそこに国として必要な範囲で耐震化や公益化を推進するために補助しているという理解です。例えば、建設当初は全国の予算が9,500億円程度ですが、水道課の補助は、この500数十億円というレベルにとどまっております。

 これによって、支援をしているわけですが、指標1、水道事業ビジョン策定状況を指標としております。水道は施設ものですので、数十年にわたって建設をずっとやっていって、やっと効果を発揮するということも多いものですから、数十年先を見ながら、それぞれの水道事業にどういう水道が将来必要かということを考えてくださいということをお願いして、それを「水道ビジョン」という形で作ってくださいと言っているものですから、それを指標としています。要するに、こういうように作っている人は、長期的にちゃんと考えているということになります。

 指標2は、水質基準適合率です。これは水質基準に適合した水を給水するということですので、ほとんど100%達成しております。まれに達成できないのは、例えば臭気物質など健康上はそれほど関係ないのですが、気になるというもので達成できない場合があります。

3番目は耐震化計画の策定率です。耐震化計画も計画的に整備しない限り、こういうものを作っていない人はどうなるかというと、壊れた所からやりますというようになってしまいます。そうすると、どこもかしこも水道管から水が吹くような状況になってしまって、もうどうにもならないものですから、こういう計画をきちんと作ってやってくださいと。それを指標にしております。これも大体、順調にきているのではないかと思っておりますが、残念ながら水道事業の規模によって、先ほどの水道ビジョンや耐震化計画にしても、小さな所はなかなかこういうところまで手が回らないというのも現実としてあります。私どもとしては、大きな水道にまとまってほしいと。今は全国の水道が1,400ぐらいありますが、簡易水道は小さいものが6,000ぐらいあります。こういうものはまとまってもらわないと、計画的な対応は難しい、あるいは人も用意できないということが明らかですので、そういう施策もやっております。説明は以上です。

 

○篠原委員

 指標13が、一応30年度は100%となっているのですが、特に3は、まだ50%いっていない。最後になってくると、これは非常にいかないかなと。現実的な部分でお尻をたたいているのか、この辺はどのような見解なのですか。

 

○健康局水道課長

 耐震化計画も作るのがなかなか難しいという意見もあったものですから、先ほどの水質の計画もそうなのですが、なるべく簡単なツールを用意して、電卓をポンポンたたけばできる類のものを用意して是非やってくださいと。アセットマネジメントというものも別途やっているのですが、まず、みんな簡便な方法でやってくださいということをやっております。

 ただ、そうは言っても、小さくなればなるほど策定率は低くなって、それは、私どもがいろいろなものを用意してあげても、やはり難しいのかなということを最近思っており、そのためにはもっとまとまった大きな水道になっていただくしかないのかなとも思っております。そういう施策とセットで今やっております。確かに進捗率としては、今一歩というところではありますが、頑張っているところです。

 

○篠原委員

 東京だと直下型とか、地震が来る割合が高い所を重点にして指導するとか。例えば、私は船橋に住んでいるのですが、3.11のときは40か所ぐらいで水が漏れたのです。今、耐震化をやっています。もう1つは、ここには出てきませんが、私は先週、地方創生とかという1日のシンポジウムを聞いて、今、いわれているのはコンパクト化です。そうすると、確か船橋も50%いっていないのです。半分ぐらいは、田舎ではまだ引いていないというか。私は、そんな計画はもうやめてしまったほうがいいという気がします。水道にするかどこかにしたほうがいい。現実的にいろいろな話を聞くと、かなり奥はもう水道はやめるという方向にいるとかね。そういうものもこの計画には入るのですか。

 

○健康局水道課長

 おっしゃっているところが、今一理解し難いですが、都市部は大体、水道事業ということでやっております。山間部に行くと簡易水道になりがちです。どうしても居住されている方が少ないので、点々と水道施設があるというタイプのものが多くあります。今まではそこを1人で担当していますという体制だったのですが、それだと、水道技術を理解している人もなかなか少なくなってきているものですから、まとめて面倒を見てくださいと。それを簡易水道の統合という形で進めてきております。

 ただ、事業をやめてしまうわけにはなかなかいかなくて、そこに人が住んでおられる限り、やはり水は供給しないといけないという義務もありますので、先生がおっしゃっているような周辺はもうやめてしまうとか、なかなかそこまでは踏ん切りがまだついていないというところですが、限界集落という言葉もありましたし、山間部では人がだんだん少なくなっていると。そういう所に、例えば100年も持つパイプが必要ですかという議論は当然ありますので、人口の少ない所の水道供給をどのようにしていったらいいのかというのは、別途検討しているところです。

 

○河北委員

 私も関連することなのですが、人口状態を考えて、今の限界集落的な所には、例えば、飲料水と生活用水みたいなものを分けてもいいのではないかという感じがします。ですから、飲料水に関しては宅配をするということも含めて考えていかなければいけないと思うのです。

 もう1つは、水道は多くの事業者は民間ですか。

 

○健康局水道課長

 水道は公営です。

 

○河北委員

 簡易水道も含めて公営ですか。

 

○健康局水道課長

 そうです。

 

○河北委員

 私は、これを民営化できるのではないかという感じがするのです。例えば、サントリーやキリンがもっと水事業に参加してもいいのではないかと思います。

 

○健康局水道課長

 民営化の動きは、ないわけではないです。ただし、民間の方はもうかる所だけやりたがるわけです。非常に人口が集中していて、例えば、東京都のようなことをイメージしていただいたらいいのですが、非常に効率がいい所はやりたい、だけど周りは公営でお願いしますよと。そうすると、逆に公営は経営の苦しい所だけやってくださいと言われても非常に厳しいわけです。

 今、投資が少なくなってきており、管路の更新率も昔に比べて非常に悪くなっています。今、全国的に平均すると年間0.79%しか更新できなくなっていて、パイプを更新するのに今は120130年掛かるレベルになってしまっているのです。10年ぐらい前は60年サイクルぐらいでできていたのが、投資が少なくなっていてそこまで落ちている。120130年というと、明治の近代水道が始まった頃の話なものですから、とてもばかげた投資の水準になってしまっているのです。

 それをもし民間にやってくださいと言うと、ますます遅れるかもしれませんし、あるいは先ほど悪い例で出しましたが、どうしてもお金が掛かる話ですので、壊れたら直せばいいやというふうになりがちではないかと。そういうことをすると、将来の水道が非常に厳しいことになるのではないかということを心配しています。ですから、民間の人にお願いしなければいけないような地域も出てきているのですが、みんながみんなそれでやってしまうと、大変なことになるのではないかということを心配しています。

 

○河北委員

 参考にね、小倉さんという人が宅急便を始めて、今は宅配便が一般名になっていますが、あのようなことだって民間でできるわけですから。

 

○健康局水道課長

 宅急便の技術というのは確かにあるのですが、水道はパイプで供給しない限り、生活用水は不可能だと思います。

 

○河北委員

 生活用水はそうだと思います。

 

○健康局水道課長

 生活用水を供給するためにパイプのシステムを造っておりますので、それを切り分けて飲料水だけ特別にやるという必要はもともとないのだと思っています。

 

○河北委員

 参考に。

 

○健康局水道課長

 先ほど申しましたが、限界集落で人口が減ってきている所は、確かにパイプでつないでやっていくというシステムがなかなか厳しい、お金が掛かりすぎるということがあります。そういう所は近くに大きなタンクを造って、そこに給水車で給水して、それを使っていただくということも将来的には考える必要があるという気はしていますが、まだ、そこまで踏ん切れていません。

 宅配で配っているのは、せいぜい20L程度の飲む水だけですので、200L以上の生活に必要な水は、相変わらずパイプでないと今のところは配る手段がないと思っています。もし、マンションの上の階に宅配で配るとすると、配る人も大変ですし、200Lを運ぶというのは不可能だと思います。

 

○井部委員

 私は別の会で、水道課長の宮崎さんの講演を聞きまして、熱い思いを語っていただいたので、水道課のファンになっているのですけれども、高齢化によって水道を使う人が減ってきていて収入が減っていると。水道料金が減っていて、ここにも出ています管路の更新が進まないというのは、大変大きな問題だと思って伺っておりました。したがって、公共事業の一環の上水道・下水道の予算をもう少しきちんと取るというのが重要ではないかと。水道課長、応援しております。

 

○健康局水道課長

 正にそう思っていまして、昨年来、自民党の国会議員の先生ですとか、公明党の先生方も水道に非常に熱心な先生方がおられて、国会質問でたくさん出るようになりましたし、実は明後日、自民党の水道議連主催で決起集会なるものもやっていただくということになって、水道が今、厳しいことになっているということが先生方にも少しずつ理解が進んできたと思っております。

 さっき、先生、130年も掛かるのですよと言ったら、それは大変だという話にやっとなってきたかな。今まで、私たちがそういう話を余りしてこなかったというのは反省すべき点なのかもしれません。

 

○篠原委員

 住宅街で30万都市の部長が、水道の耐震化をすると700億掛かると。そのような金はどこにもないと。ということは逆に言うと、びっくりするから耐震計画を作らない所もあるのかという気もしないでもないですが、どうですか。

 

○健康局水道課長

 アセットマネジメントといっておるのですが、将来の水道事業をするためにどれぐらいの資産を用意していかなければいけないのか、そのためには、今からどこを変えていかなければいけないのか、という計画を作ってくださいと言うのですが、それはやりましたと。将来、大変たくさんの投資が必要だということは分かりましたと。だけど料金値上げもできないし、取りあえずそれはさて置きになっていますという残念な話を聞くことがあります。

 選挙がありますと、「水道料金を下げます」と公約に掲げて出られる方がいらっしゃるのですが、我々としては、必要な投資を全てパーフェクトにやっていただいていて、将来万全ですという水道であれば下げるのもいいと思うのですが、今の水道はどうもそういうことにはなっていなくて、だんだん悪くなっていっているような気がしてしょうがない。それなのに料金まで下げて投資を減らすというのは、どういうことでしょうかというのは、私たち理解しにくいことは間々あります。

 

○森田座長

 これは指標が3つありますが、真ん中は安全性ですからほぼ100%で達成だと思いますし、0.0何%達成しないから「△」にするのは誤差のうちか知りませんが、13に関して言いますと、要するに計画を作ったか、ビジョンを作ったかというのが指標になっていますよね。大体、先ほどの話ですと年間9,500億ぐらい使っていて、そのうちに国の予算が500600億というと、国はある意味で言いますとささやかな補助金を出すか、いろいろな指導、その他情報提供とか、そういうことしか実質的にできないというわけですよね。

 

○健康局水道課長

 全部をサポートすることはできなくて。それでも簡易水道には手厚くやっているつもりですが、なかなか厳しいです。

 

○森田座長

 何を申し上げたいかというと、要するに計画は、まだパーセンテージは低いですが、上げるというので目標を立てられると思いますが、仮に計画が出来たとしても、実際の水道のクオリティーが高くなるという話では必ずしもないわけですか。

 

○健康局水道課長

 はい。それは国の補助金以外の、水道事業体自らが投資する部分のほうが大きいものですから、私たちとしては必要だと、もっと投資してほしいということをいろいろアピールして、お金を払っていただけるユーザーの方々にも、水道が今厳しい状況だということを理解していただいて、しょうがないよねと。1 3 200円の世界ですから。ペットボトルの水は500mL100円しますよね。1Lで200円ですよね。1 3 200円でお届けして飲める水をと。その水道サービスのすばらしさを将来とも維持するために、多少の料金はお願いしたいですということを、是非、広めていきたいと思っています。

 

○森田座長

 ありがとうございました。余計なことですが、実質的にはかなり難しいでしょうね。同じことは多分道路もそうだし、ほかのライフライン系はみんなあるわけですから、最終的には、余り言ってはいけないかもしれないけど、山から下りてきてもらわないと。余計なことを言いましたが、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

 それでは、本年度、当WGで議論を行う実績評価書については以上のとおりです。ただいまの御議論を踏まえ、それぞれ実績評価書へ反映をお願いしているところです。

 本日予定しておりました議事は全て終了いたしました。誠に熱心かつ有意義な御審議をいただきましてありがとうございます。

 それでは、事務局より、本日の議論の取扱いについて一言説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐(今宮)

 本日頂きました御意見等につきましては、今、座長からもお話がありましたように、今後、担当課においてしっかりと実績評価書の内容に反映させるとともに、実績評価書の中に「学識経験を有する者の知見の活用」という欄がありますので、そちらに記入したものを、政策評価官室で取りまとめの上、総務省へ通知、そして公表ということで進めさせていただきます。また、併せて、委員の皆様にも最終版を送付させていただきます。

 事務局からは以上ですが、本WGの閉会に当たりまして、情報政策・政策評価審議官の安藤より御挨拶をさせていただきます。安藤情報政策・政策評価審議官、よろしくお願いいたします。

 

○情報政策・政策評価審議官

 大変お忙しい中、長時間にわたり御審議いただきまして誠にありがとうございました。今日の御意見をきちんと踏まえながら、私ども厚生労働行政のPDCAをしっかり回してまいりたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

 

○森田座長

 どうもありがとうございました。それでは、本日の会議は終了とさせていただきます。


(了)

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