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2015年6月25日 第21回社会保障審議会統計分科会 議事録

大臣官房統計情報部企画課統計企画調整室

○日時

平成27年6月25日(木)15:00~17:00


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省17階 専用21会議室(1709)


○出席者

委員

西郷分科会長
石川委員
大久保委員
小杉委員
佐藤委員
土屋委員
津谷委員
永瀬委員
野口委員

事務局

中村統計企画調整室長
瀧原審査解析室長
渡国際分類情報管理室長
中村世帯統計室長

○議題

1.分科会長代理の指名について
2.平成28年国民生活基礎調査の調査計画案について
3.その他

○議事

○中村統計企画調整室長

 ただいまから、「第21回社会保障審議会統計分科会」を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、誠にありがとうございます。私は、この4月から統計企画調整室長に着任しました中村です。よろしくお願いいたします。

 また、本日出席を予定していた統計情報部長の姉崎、企画課長の三富については、急遽国会関係の業務で欠席させていただくことになりましたので、お詫び申し上げます。

 審議に入る前に、社会保障審議会統計分科会委員の再任及び新規任命について御報告させていただきます。社会保障審議会統計分科会の各委員におかれましては、昨年9月と今年の1月に任期満了になった委員がいらっしゃいます。白波瀬佐和子委員が御退任され、西郷浩委員、小杉礼子委員、津谷典子委員及び永井良三委員におかれましては、改めて御就任いただいております。また、野口晴子委員におかれましては、新たに御就任いただいております。

 前回の開催から期間が空きましたので、委員の方々を御紹介させていただきます。分科会長をはじめ、委員名簿に従い御紹介いたしますので、簡単に一言ずつ御挨拶を賜りたいと思います。

 早稲田大学政治経済学術院教授の西郷分科会長です。


○西郷分科会長

 早稲田大学の西郷と申します。よろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

 公益社団法人日本医師会常任理事の石川委員です。


○石川委員

 日本医師会の石川と言います。よろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

 筑波大学医学医療系保健医療政策学・医療経済学分野教授の大久保委員です。


○大久保委員

 筑波大学の大久保です。よろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

 独立行政法人労働政策研究・研修機構特任フェローの小杉委員です。


○小杉委員

 労働政策研究・研修機構の小杉です。よろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

 東京大学社会科学研究所社会調査・データアーカイブ研究センター教授の佐藤委員です。


○佐藤委員

 東京大学の佐藤でございます。よろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

 地方独立行政法人神奈川県立病院機構理事長の土屋委員です。


○土屋委員

 神奈川県立病院機構の土屋です。よろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

 慶應義塾大学経済学部教授の津谷委員です。


○津谷委員

 慶応義塾大学の津谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

 お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授の永瀬委員です。


○永瀬委員

 お茶の水女子大学の永瀬でございます。よろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

 早稲田大学政治経済学術院教授の野口委員です。


○野口委員

 早稲田大学の野口でございます。よろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

 また、前回の分科会以降、私以外にも事務局に異動がありましたので、紹介させていただきます。

 審査解析室長の瀧原です。


○瀧原審査解析室長

 瀧原です。よろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

 世帯統計室長の中村です。


○中村世帯統計室長

 中村です。よろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

国際分類情報管理室長の渡です。


○渡国際分類情報管理室長

 渡です。よろしくお願いいたします。


○中村統計企画調整室長

 続きまして、本日の出席状況でございますが、永井委員及び樋田委員が御欠席でございます。なお、出席委員が3分の1を超えておりますので、会議は成立していることを御報告申し上げます。

 以降の進行につきましては、西郷分科会長にお願いいたします。


○西郷分科会長

 それでは、議事に入ります。本日は皆さん、お暑い中どうもありがとうございます。

 議事は議事次第にあるように、「その他」を含めて、3つあります。最初は「分科会長代理の指名について」、2番目が「平成28年国民生活基礎調査の調査計画案について」、3番目が「その他」で報告事項が2件ございます。

 まず、最初の議題である「分科会長代理の指名について」です。先ほど御案内がありましたように、これまで分科会長代理に御就任いただいていた白波瀬委員が御退任ということで、改めて分科会長代理を指名させていただくことになります。社会保障審議会令第5条第5項に定めるところにより、「分科会長に事故があるときは、当該分科会に属する委員又は臨時委員のうちから分科会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する。」ということで、私から指名させていただくことになっております。

 そこで、津谷委員にお願いしたいと考えておりますので、津谷委員、よろしくお願いいたします。


○津谷委員

 津谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。


○西郷分科会長

 これで1番目の議題は終了いたします。2番目の議題、「平成28年国民生活基礎調査の調査計画案について」の審議を始めます。まず、事務局から今回の調査計画案について御説明いただきます。よろしくお願いいたします。


○中村世帯統計室長

 資料2を御覧ください。「平成28年の国民生活基礎調査の概要(案)」です。

この調査の目的は、大きく2つあります。1つは、保健、医療、福祉、年金、所得等の国民生活の基礎的事項を把握し、厚生労働行政の企画立案の資料とすることです。もう1つは、厚生労働省の中で本調査の後続の調査として、各局が様々な調査を行っておりますが、その客体抽出のための親標本になるという目的です。

 「2 調査の対象及び客体」についてですが、この調査は3年に1回は大規模、間の2年は小規模の調査を実施しております。平成28年は3年に1回の大規模調査年ということで、調査票は5種類を使います。世帯票、健康票は、平成22年の国勢調査区から無作為に抽出した5,530地区の全ての世帯及び世帯員を対象とします。介護票については、この5,530地区から無作為に抽出した2,500地区の要介護者及び要支援者を対象とします。所得票及び貯蓄票については、5,530地区に設定された単位区の中から無作為に抽出した2,000単位区の全ての世帯及び世帯員ということになっております。この規模については、前回の大規模調査年である平成25年と同様です。

 次に「3 調査の時期」ですが、世帯票、健康票、介護票は6月、所得票と貯蓄票は7月に実施いたします。基本的には調査日現在ということで質問するわけですが、所得については、平成27年1月から12月末までの1年間の所得を調査するとしております。

 「4 調査事項」については、後ほど御説明いたします。

 「5 調査の方法」ですが、調査員があらかじめ世帯にお願いに行き、調査票を配り、世帯の方々に御記入いただき、後日、調査員が回収するという、いわゆる留置自計方式を採用しております。ただし書がありますが、貯蓄票については密封回収方式、健康票と所得票はやむを得ない場合に密封回収にしております。健康票については、平成22年までは密封回収にしていたのですが、高齢の方を中心に調査項目の不詳が非常に多く、分析に影響が出てくるので、平成25年の調査からは基本的に、回収のときに調査員が無記入等を確認します。どうしても見られたくないという方に限っては、密封という形に変更しております。所得票は、平成21年の調査までは調査員の聞き取りという形で実施しておりました。回収率が7割を切るぐらいになってきたということで、平成20年に試験調査を行い、その結果、聞き取りではなく自計方式でも精度に特に問題ないことが分かりましたので、平成22年の調査から自計方式にし、基本的には調査員の方々に内容の確認をしていただきます。どうしても見られたくない方に限っては、密封回収にしております。この関係で、所得票については、平成22年の調査以降、おおむね7580%の回収率となっております。

 次に「6 調査の系統」です。御覧のとおり、保健所及び福祉事務所の2つのルートを使うことにしております。資料2についての説明は以上です。

 資料3、「平成28年調査の体系(案)」について説明させていただきます。先ほど申し上げましたように、国勢調査区から後置番号の1と8について、5,530地区を抽出します。世帯票と健康票は5,530地区、介護票は2,500地区、所得票と貯蓄票は2,000単位区となっております。本調査を親標本とした後続調査は、資料3の真ん中から下側にある7月実施の人口移動調査、右側の社会保障制度企画調査、10月実施の公的年金加入状況等調査、一番下の11月実施の国民健康・栄養調査で、本調査はこれら各局が実施している調査のフレームになっているということです。調査内容はローテーションで行ったり、国民健康・栄養調査のように毎年実施するものもございます。資料3の説明は以上です。

 次に、実際の調査票の中身について説明させていただきます。資料4の調査票、資料5の新旧対照表を比べながら御覧ください。

 まず、世帯票ですが、資料5-1の新旧対照表の一番始めの項目については、単純に調査日の変更です。

 次に、調査票の1ページ目の質問2についてです。この質問は、単身赴任等で世帯を離れている方の状況ということです。今回の改正は選択肢4で、新旧対照表の平成25年を御覧ください。従前は「社会福祉施設(老人福祉施設を除く。)に入所している者がいる」という項目の中に、障害者支援施設に入所されている方もいたわけですが、これを左側の平成28年の調査票では4番に新しく、「障害者支援施設に入所している者がいる」という項目を別立てで作りました。この関係で、3の「老人福祉施設」は従前どおりなのですが、4に「障害者支援施設」、5に「3、4以外の社会福祉施設に入所している者がいる」という形に変更するということです。

 次に、調査票は大きな世帯票の質問7についてです。新旧対照表の変更理由欄を御覧ください。被用者年金制度の一元化を図る法律が平成2710月から施行されることになります。この関係で、共済年金の部分が全て厚生年金に統一されることになります。そのための経過措置があり、選択肢4として、「基礎年金と厚生年金と共済年金」という3つの組合せで受給される方が出てくるということです。基礎年金というのは、いわゆる1階の部分で共通の部分です。厚生年金というのは、従前は共済年金であった部分が厚生年金に変わる部分で、いわゆる2階建ての部分です。共済年金の部分は、いわゆる従前の3階建ての職域に当たる部分です。ここは従前の形で支給される方が出てくるということです。この関係で、選択肢4を設けるということです。

 次に、新旧対照表の裏面です。調査票だと質問8で、乳幼児の保育の状況についてです。今回の改正では、6に「認定こども園」という項目を立てるということです。子ども・子育て支援新制度が今年の4月から施行されており、認定こども園が今後も増えてくるだろうということで、特出しをするということです。従前は、親の施設が認可の保育所ですと3を選択してください、親の施設が幼稚園だと5を選択してくださいという形だったものを、特出しするということです。

 次に、補問の9-2、ここは日常生活の自立の状況の期間を聞いているもので、実質的な選択肢の変更ではなく、言葉だけの変更です。平成25年の調査票で、例えば選択肢の2を見ていただきますと、「1~3月未満」という言葉があります。これが平成28年では選択肢の2で、「1月以上3月未満」と言葉を分かりやすくしたというだけです。

 次に、質問の10、調査票は裏面の一番上の「教育」の項目です。ここは最終学歴を聞いている項目です。今回の改正につきましては、特別支援学校・特別支援学級に在学中又は卒業した者の就業状況を把握したいということで、小学校、中学校、高等学校、旧制中学から下に降りて、特別支援学校・特別支援学級に在学中又は卒業した方は、1にマルを付けていただくということです。

 次に、新旧対照表の3ページ目、質問11の公的年金の加入状況です。1点目は言葉の変更です。「加入している」の説明書きに、従前の平成25年の調査票では「20歳以上、60歳未満」となっていたのですが、この読点を取るというだけです。

 2点目は選択肢の括弧書きの改正です。先ほど被用者年金制度の一元化の法律で、共済年金が厚生年金に統一されるという説明をいたしましたが、その関係で、選択肢の2の「国民年金第2号被保険者」の括弧書きで、従前は「厚生年金・共済年金の加入者」となっていたのですが、これを平たく「会社員や公務員等」に改めます。それと、3の「国民年金第3号被保険者」の括弧書きの説明ですが、「第2号被保険者の配偶者」となっていましたが、「会社員や公務員等の配偶者」に改めるということです。

 世帯票の最後の項目は、質問14の「1週間の就業日数等」です。これについては、説明書きの調査日の更新だけです。以上が世帯票の改正点です。

 続いて、調査票は資料4-2、新旧対照表は資料5-2を御覧ください。健康票の改正です。調査票は6ページ、質問12で、飲酒の状況を聞いています。ここは質問項目そのものの変更ではなく、点線書きのアルコール量の換算の説明を、公益社団法人アルコール健康医学協会がアルコール度数等が入った詳細なものを新しく出したので、それに置き換えるということで、実質的な変更ではありません。先行の調査としては中高年者縦断調査で同じような飲酒の状況を取っています。そちらでも、新しい換算方法に変えたということで、今回の国民生活基礎調査も同様に変えるということです。

 次に、調査票の7ページ、補問15-1です。この項目は、過去1年間の健診等の受診状況を聞いており、補問15-1は、「どのような機会に健診等を受けたか」という項目です。この補問15-1は、平成16年、平成19年、平成22年と3回取っております。平成25年の調査票の改正のときに、「健康日本21」の項目を幾つか入れるということで、一旦落としました。それを復活させるということです。その理由は、「日本再興戦略 中短期工程表」の中で、健診の受診率を80%にするという目標を立てており、この達成に向け、実効ある対策を講じるために、受診機会の傾向をしっかりと把握したいということです。

 次に、新旧対照表の裏面を御覧ください。調査票は最後の8ページ目、質問16です。この項目は、がん検診の受診状況ということで、質問の中で右側に矢印が飛んでおります。受けたという方が、従前の平成25年では「勤め先からのお知らせで受けたか」に対して「はい」「いいえ」という形で答えていたのを、今回は勤め先以外の「市区町村からのお知らせ」か「その他」の自主的なものかといった項目を設け、受診機会を包括的に把握したいということです。健康票の改正は以上です。

 続いて、調査票は資料4-3、新旧対照表は資料5-3の介護票です。新旧対照表の質問3ですが、括弧書きで現在と1年前の年月が入っていますが、これを新しく更新するというだけです。

 次に、新旧対照表の2つ目の質問8、調査票は3ページです。新旧対照表の「変更理由」に書かれていますが、介護保険制度の改正があり、平成27年度から平成29年度の3年間の間に、平成25年の調査票の選択肢の1の訪問系の介護サービスの括弧書きの中にある「介護予防訪問介護」と、2の通所系サービスの括弧書きの中にある「介護予防通所介護」の2つの給付が、「介護予防・日常生活支援総合事業」に移行することになります。平成28年の調査の際には、移行期間中ということで、既に移行しているところもあれば、これから移行するというところもあって、新しい調査票には、両方の言葉を載せることにしています。

 次に、新旧対照表の裏面を御覧ください。調査票は最後の4ページの質問12です。これも実質的な中身の変更ではありません。質問の説明の部分で、従前は「当てはまる番号に」となっていたので、「1つに」を入れて「当てはまる番号1つに」と明確にしております。介護票は以上です。

 次に、調査票は資料4-4、新旧対照表は資料5-4で、所得票です。調査票は2ページの質問2です。新旧対照表の一番始めは、単純に調査年次の更新です。

 新旧対照表の2つ目は雇用者所得の説明のところで、回答欄の右側の「参考書類」に「源泉徴収票」「給与明細書」「確定申告書」という3つの言葉がありますが、従前は上の2つしかありませんでした。この調査票は見開きで見るようになっており、右側には確定申告書の例が大きく載っているのですが、それにも関わらず参考の所には確定申告書という言葉がなかったので、それを書いたほうがいいだろうということです。

 次に、調査票の4ページでは、所得の種類を聞いております。上から3つ目に「児童手当等」という項目があります。回答欄右側に説明書きがありますが、従前は「子ども手当」という言葉があったのですが、この言葉が法改正により「児童手当」という言葉に変わったということで、それを「児童手当」に置き換えます。この改正については、平成26年の簡易調査からそのような変更を行っております。

 次に、調査票は6ページ、質問3です。所得税を聞いているのですが、調査年次の変更だけです。あとは、新旧対照表で幾つか改正がありますが、全て調査年の変更となっております。

 最後に貯蓄票です。こちらも実質的な調査内容の変更はありません。全て調査年次の変更だけです。説明は以上です。よろしくお願いいたします。


○西郷分科会長

 それでは審議に入りたいと思います。調査票の種類が非常にたくさんありますので、質問は順番に受け付けたいと思います。まず資料4-1、新旧対照表で申しますと資料5-1です。世帯票に関して御意見、御質問等があったら伺いたいと思います。


○石川委員

 世帯票でもそうですし、介護票でもお聞きしたかったのですが、最初に調査員が準備調査ということで、受持ち調査地区を巡回し、調査地区要図及び調査世帯名簿を作成するということですね。そうすると、大きい世帯票に1、2、3と世帯員番号が振られていますが、5、6人いる場合には、横に書くことになるのですか。


○中村世帯統計室長

 この大きい紙に2枚目が付き、世帯員番号の所は調査員に書き直していただきます。


○石川委員

 そのようなことが準備調査で分かって、調査票を配布するわけですね。


○中村世帯統計室長

 そうです。世帯の人数が分かりますので。


○石川委員

 では、調査の中で介護票は、その世帯に介護されている方が2人いたら2枚ですか。


○中村世帯統計室長

 そうです。


○石川委員

 1人1枚ということが、調査票には書いてありませんね。私はパッと見ただけなのですが、要介護者1人につき1枚というのは、ここに記入していないと思うのです。分かりにくくないですか。


○中村世帯統計室長

 実際に調査員が世帯を訪問して、介護票の対象になる方がいらっしゃれば、その人数分の調査票をお配りします。例えば、所得票も個票になっていて、所得がある方の人数分をお配りするということを、各自治体や調査員に周知しています。


○石川委員

 所得票の一番上に、この調査票は何らかの所得があった方が1人1冊と書いてあるのです。介護票には書いていません。それが分かりにくくないかということです。


○中村世帯統計室長

 調査のお願いに行くときに、併せて「介護票の記入の仕方」という冊子をお配りします。その中で、介護票については世帯員のうち、介護保険法の要介護又は要支援と認定された方1人につき、1枚の調査票に記入してくださいという形でお願いに行きます。


○石川委員

 では、本来は「記入上の注意」に載せるべきですね。


○中村世帯統計室長

 調査票の中にですか。


○石川委員

 調査票にそのようなものがないから、どうするのかと思ったのです。


○中村世帯統計室長

 分かりました。検討させていただきます。


○西郷分科会長

 オペレーションとしては、介護が必要な方の分だけ配られているということですが、所得票にはそれが明記してあるにも関わらず、介護票には、それが明記されていないので、その点を御検討いただくということで承ります。他にありますか。


○大久保委員

 もしかして3年前の調査のときにもお聞きしたかもしれないのですが、世帯票の質問2で、介護老人保健施設に入っている方はどこに記入するのですか。

 その前に、今回の改正とは関係ありませんが、資料3に「層化無作為抽出」と書いてありますが、層化というのは具体的にどのように層化をされているのでしょうか。


○中村世帯統計室長

 介護老人保健施設の場合は住所をその施設に移していなくて、ある程度短期間を想定しているので、それは在宅の通常の調査の中で取られるのだろうと思います。


○大久保委員

 介護老人保健施設に入っている方は書かなくてもいい、ここにマルを付けなくてもいいということですか。


○中村世帯統計室長

 介護老人保健施設に入っている方は、世帯票のほうでカウントするということです。質問2には入ってきません。


○西郷分科会長

 もう1つ、層別がどのように行われているのかという御質問がありましたけれども。


○中村世帯統計室長

 層については人口集中地区やそうでない地区で、全部で3435ぐらいの層に分けております。これは大規模年も中間年も関係なくそのような形で層化しておりますが、細かい資料は今は持っていないので、詳細なところはお答えしかねます。


○西郷分科会長

 かなり複雑になっておりますので、もし細かい御説明が必要であれば、後で詳しくお願いします。他にありますか。


○永瀬委員

 世帯票の労働時間について、現在は質問14で、1週間の仕事をした日数と1週間の残業も含めた総時間を聞いています。労働力調査では2013年に改正があり、これに加えて当月1か月間に仕事をした日数も聞くようになりました。どうしてこのような改正をしたかというと、高齢者の就業が増えてきて、1週間の月末週の労働時間と日数だけでは、その人の就業している時間が余り分からないためでしょう。労働力調査では、高齢者の就業に関して、年金給付年齢をあげ、かつ高齢者が60代でも働けるようにという政策を導入している中で、多様な労働時間を捉える新しい質問が加わったものと私は理解しています。国民生活基礎調査についても同じように、当月1か月間に仕事をした日数を入れますと、フルタイムではない働き方をしている人たちの実態がより分かり、非常に有益ではないかというのが意見の1つ目です。

 意見のもう1つは、以前別の会議で申し上げて、御検討いただいたものだとは思うのですが、もう一度繰り返し申し上げたいと思います。この世帯票には、所得に関する情報が1つもありません。それに関しては所得票というもので非常に詳細な調査をしますので、所得票の回収率が下がってしまうので、世帯票の中に入れるのはなかなか難しいというお考えは十分理解できます。しかし、世帯票対象世帯の半数に関しては所得票調査の対象となっていないので、対象者でない部分については階級値でもいいので1人ずつの所得が分かると、この調査の意義を非常に高めるのではないかという意見を申し上げたいと思います。


○西郷分科会長

 現時点で何かお答えできることがあればどうぞ。


○中村世帯統計室長

 まず1点目の、1か月間に仕事をした日数を追加するということですが、労働力調査を調べたところ、今回そのように改正したのはILOの決議を受けて、年間の総労働時間を把握するためです。国民生活基礎調査では月末に1週間働いた日と1週間の労働時間は、今までも同じように取っていたわけです。労働力調査は、それに加えて、1か月働いた日を入れたということです。1週間の労働時間を1週間の日数で割って1日の労働時間を出し、それに1か月の労働日数を掛けると1か月の総労働時間が出ます。労働力調査はそれを毎月調査しておりますので、積み上げると1年間が出るという形だと思います。

 私どもの調査は年1回で、実際には5月の労働日数と労働時間を聞いております。5月というのはゴールデンウイークもあり、変則的な月ですので、その1か月だけでは年間労働時間は取れないのです。先生がおっしゃるように、高齢者の就業では正社員でない働き方が出てくるというのは分かるのですが、その辺りをどこまでこの調査で調べるかということだろうと思っております。

 2つ目は、世帯票に所得の項目を入れるということですが、ここは先生からも言っていただきましたように、世帯票の回収率の低下と、もう1つは所得票が1か月後に配布されるので、所得票の対象となった方については二重の負担感があるというのが、非常に大きい問題です。ですから両方の調査票の回収率への影響が出てくるというのが、一番危惧しているところです。半数ぐらいは所得票が当たらないのでそちらで所得の階級値を取ってはどうかということですが、調査票の使い分けという現場での混乱も考慮すると、そこはなかなかしづらいのだろうと思います。


○西郷分科会長

 永瀬委員のほうから今の点について、何かありますか。


○永瀬委員

 最初の問題に対して、5月は連休があるというのは、なるほど重要な点と思いました。ただ所得票で他の統計と比べられないほど詳細に所得を取っていますが、例えば所得が低い方がいるとして、所得が低いのは年間の労働時間が少ないから低いのか、労働時間が長いのに低いのかということは重要な点です。つまりフルタイムで働いていて低い場合と、年間の労働時間数をかなり減らしていて低い場合とでは、意味が違います。高齢化社会に入る中で、多様な働き方をする人々が大変増えていますから、年間の労働時間数をなるべくきちんと把握できるような質問を追加することが、私としては有益だと考えております。


○西郷分科会長

 もう既に調査票の質問がかなり多い状態で、そこに新しい質問を入れるとすると削らなければならないものが出てくるという中で、御検討いただいているところです。例えば支出に関する項目であれば、家計支出総額のように、現在の世帯票に入っている項目もあり、全くないわけではない。ただ、所得を世帯員全員に聞いているわけではありませんので、かなり大まかな情報しか入ってこないということではあります。


○石川委員

 今の議論に関連してですが、永瀬委員がおっしゃったように、これからは高齢化社会で、年齢を重ねても様々な形でお仕事をされている方が出てくるわけです。そして、そのような方で世帯を構成していることがあるわけです。そうすると、この質問の項目ですと「仕事あり」の方で日にちで区切った場合に、0日や0時間というようになってしまうわけです。そうなると、それは正しい統計にはなりません。

 例えば5月で実施したいのであれば、5月で1週間仕事をされたときというように、日にちを定めないで取ったらどうでしょうか。そうしたら、別に質問項目を増やさなくてもできると思いますし、仕事をされた週で何時間ということで取れば、バラバラに仕事をしている方の実態も把握することができるのではないかと思うのです。そのほうが今後の高齢者世帯の方に対しても、いいのではないかと思うのです。

 あるいは週間を2つ設定してみる。後のほうで取るとか前のほうで取るという傾向があるのであれば、どちらかを選ばせて記入するのはどうでしょうか。


○中村世帯統計室長

 総務省の就業構造基本調査は、ユージュアル(普段)という形で取っていて、過去にも国民生活基礎調査の調査計画案の統計審議会における議論の中で、どちらがいいかという議論があって、結局、今の形に落ち着いているわけです。その辺りをどう考えるかということだろうと思います。もう1点申し上げたいのは、この調査は年1回しか実施しませんので、年間の労働時間を取るには無理があるのではないかということです。


○永瀬委員

 労働力調査についても同じ住戸を4回は訪問いたしますが、年間の労働時間を算出するのにその4回を平均して出しているわけではないと思います。私が年間の労働時間を把握するための質問が加わるといいのではないかと思う最大の理由は、実は就業構造基本調査も労働力調査も、所得については階級値で非常に大雑把な数字しか分からないのに対して、国民生活基礎調査は非常に苦労して詳細な所得を取っています。非常に苦労して取っている割に、働き方が様々変わってきている時代において労働時間が十分に調査されていないということが、残念であるということです。

 ちなみに、労働力調査の改正によって、高齢者の労働時間あるいは賃金の推計は非常に改善されました。もちろん、それは労働力調査の結果として公表しているレベルというよりは、二次利用申請をして個票データを利用した場合、あるいは原局等が実際にそのようなことを把握しようと思ったときに把握できるようになったということであって、報告書に明確に結果が出ているわけではありません。ただ、非常に改善された改正であったとは、労働経済学を専門としている私としては思っております。


○西郷分科会長

 先ほど石川委員のほうから、5月で1週間仕事をされたときを取るような工夫もあるのではないかという御意見がありましたが、御検討の余地はあるでしょうか。今回、平成28年でそれを実現するかどうかはともかくとして、かなり先になってしまいますが、次回、年間労働時間を国民生活基礎調査で捉えるということに関して、御検討いただくということでよろしいですか。


○津谷委員

 この就業時間の調査の方法ですが、先ほどの御説明にもあったように、通常1週間に何時間働いているかという質問の仕方と、例えば調査が行われたその前の月の最後の週を取るなど特定の時期を決めて尋ねるという2つの方法があります。

 先ほど、特定の時期を指定しないで5月のどこかということで情報を取ればよいのではないかというご意見もありましたが、時期を特定しないで情報を収集するというのは、統計調査として適切ではないのではないでしょうか。費用対効果を考えますと、回答者によっていつの時期について答えているのか分からないというのでは、かえってデータの使いようがなくなります。年次や月といった時間のポイントをある程度絞る、あるいは全く時点を絞らず、通常はという取り方をする。どちらかの方法を用いるべきだと思います。回答者の利便性については分かりませんが、個人的には、このどちらかにするほうが、統計データとしての有用性が確保・担保できるのではないかと思います。


○西郷分科会長

 確か私の記憶では、従前の国民生活基礎調査というのは、どちらかと言うとユージュアル方式に近い聞き方をしていたのですが、それだといつの時点のことを聞いているのかがはっきりしないということもありました。1週間というのも、恐らく労働力調査に合わせて決められた期間だと思います。いわゆる労働力調査で取られているような、アクチュアル方式で統一するという整理が行われていたと思います。どちらがいいかというのは一長一短あり、なかなか難しい面はあるのですが、現時点の整理としてはアクチュアル方式で、特定の1週間で就業日数なり就業時間なりを捉えるという整理が行われています。それで今後の日本の就業状態を捉える、特に国民生活基礎調査の中でそれを捉えるといったときに、統計的な整理はきちんとされているとはいえ、この方法でいいかどうかというのは検討の余地があるのかもしれません。
 ですから今回の平成28年の調査に関しては、前回どおりアクチュアル方式で取っていただくことにして、今回、何人かの委員から出された今後の高齢化社会を見据えて、特に高齢者の就業日数なり就業時間なりをどう捉えたらいいかというのは宿題として検討していただくということでよろしいでしょうか。


○永瀬委員

 私も津谷委員がおっしゃったように、ユージュアルかアクチュアルのどちらかのほうがいいと思います。ただ、労働力調査の場合は月末週にある地域でどれだけの失業があったのかという地域別の失業の計算ですので、そのためにアクチュアルな必要があるのです。国民生活基礎調査でどのような聞き方をすべきかというのは再度検討すべき点ですが、これだけしっかりした所得に関する個人の調査を取っていますので、労働時間についても是非よろしくお願いしたいと思います。


○西郷分科会長

 よろしいでしょうか。


○大久保委員

 変更事項ではないのですが、教えてください。健康寿命を伸ばすことが今、大変大きなテーマになっていますが、健康寿命を計算する際に補問9-1、9-2が使用されると考えてよろしいのですか。


○西郷分科会長

 今回の変更事項ではなかったのですが、補問9-1と9-2をどのような形で使い得るのかという御質問です。


○中村世帯統計室長

 後ほど確認してお答えいたします。


○西郷分科会長

 世帯票に関して、他に御質問や御意見等はありますか。
 それでは、世帯票については一旦終わりまして、その次の健康票の変更に関して、御意見がありましたら伺いたいと思います。いかがでしょうか。

 特にないということであれば、その次の介護票の変更についてです。先ほど、要介護者一人一人に配布されることが調査票のほうには明示されていないので、それを明示するようにしてはいかがかという御意見を頂いております。そのほかに何かありますか。


○野口委員

 介護票と所得票で取るサンプルが異なるということで、介護されている方が世帯内にいらっしゃる場合は、所得票が存在しないということになると思います。それについては介護票も非常に記入者の御負担が重いし、所得票も非常に御負担が重いということで、やはり両方の調査をしてしまうと非常に記入者の負担が重くなるし、回収率に影響があるという御説明は、本当に理解できるものです。これだけ調査が世にあふれている中では、調査対象者の御負担も配慮しなければいけないことは非常に理解できます。

 ただ、あえて今一度意見として申し上げたいと思います。先ほどから議論になっていますように、高齢者あるいは要介護者のいる世帯の所得や経済状況を把握することは、今後の社会保障施策、医療施策、介護施策の在り方を考える上で非常に重要だと思います。もし、今後試験調査をする機会がありましたら、介護票と所得票を同時に実施する場合に、どのぐらい回収率に影響があるかということを是非、調査をしていただきたいのです。仮に余り影響がないとすると、介護票と所得票が両方そろった調査対象者、調査対象世帯が必要だと思いますので、その点について是非、御検討いただければと思います。


○西郷分科会長

 ありがとうございます。今は設計上、回答者の負担をなるべく少なくするという観点から、介護票が配られた世帯には所得票は配布されないという設計になっているので、両方の情報が取れないという状態になっているのですが、これに関してはいかがでしょうか。


○中村世帯統計室長

 介護票ができたのが平成13年頃、ちょうど介護保険法ができたときに新しく調査票を起こしたわけで、そのタイミングのときに従前の統計審議会の御議論の結論として、そこは負担軽減の観点から対象を分けるべきという形になって今に至っているということです。


○西郷分科会長

 検討の余地はないのかという御質問だったわけですけれども。


○中村世帯統計室長

 今後試験調査を実施するタイミングがあれば検討して、影響がなければ介護票と所得票を同時に実施するというのはあり得るだろうとは思います。


○西郷分科会長

 私の知る限りでは、社会生活基本調査で所得と介護の状況が同時に調査されています。ただ、社会生活基本調査は余暇についての調査が基本ですから、その中に含まれている介護の情報というのは、国民生活基礎調査で取られている介護の情報ほどは詳しくないということで、今後、介護が大きな事業として国民生活の上からも重要性を増すということなので、何らかの試験調査等をされる機会があれば御検討いただくということで、よろしいでしょうか。


○佐藤委員

 介護票と所得票、両方回答していただくのは負担が大きいと思いますが、介護をしている世帯での収入状況というのは重要になってくると思います。かなり簡略にしたものでもいいので、介護票の中に1つ、例えば世帯年収を尋ねる項目を入れるとか、そうした工夫について、今回でなくても、次回でも御検討いただければと思います。


○西郷分科会長

 ありがとうございます。介護票に関して他の観点からの御意見等はございますか。


○石川委員

 教えていただきたいのですが、例えば要支援1、要支援2の方で、全く介護サービスを利用していない方も中にはいらっしゃるのだと思います。調査の概要の介護票の調査事項の所を見ますと、介護が必要な者を対象にしているわけですから、判定委員会で要支援1、要支援2となったときに、実際には介護を利用していない方にも調査票を配るわけですよね。恐らく役所のほうで要支援1、要支援2の方がいるというのを前もって調査して、その世帯に持っていくのだと思います。ところが、現実に介護サービスを利用していない方というのは、私の経験でも随分いると思うのです。そのような方は記入する所が全くないのです。今、調査票をじっくり見たのですがないのです。それはそれでもいいのでしょうか。


○中村世帯統計室長

 まず調査票の1ページ目の質問3で、現在の要介護度の状況と1年前という形で、ここは要支援も含めてどこかにマルがつきます。2ページ以降、介護サービスを利用したかどうかを聞いて、最後のページの質問11で、「質問8の1~5の介護サービスを1つも利用していない方がお答えください。」とし、その理由を聞くような形にしています。ですから利用していない方というのは、当然、いらっしゃるということです。


○石川委員

 それが分かった上での話です。


○西郷分科会長

 それでいいのかという御質問になると思います。


○石川委員

 見ていくと、どの項目にも当てはまらないのです。調査票では確かにいるけれどもサービスを全く利用していない方が、調査結果としてどう出てくるのかということです。要するに私が言いたいのは、軽い方たちの中には、サービスを利用できる資格があっても、そのサービスが自分に必要ないと思って利用していない方も、結構いるのです。ですから、それはこの調査票で記入するところがないということなので、それはそれでいいのかということです。


○中村世帯統計室長

 利用していない方については、質問11の選択肢の該当するところにマルを付けていただくということで、例えば「家族介護でなんとかやっていける」、「どのようなサービスがあるかわからない」、「利用者負担が払えない」等、設問項目を設けているということです。


○石川委員

 質問8の1~5のサービスを利用していない理由でしょう。6~8は介護サービスでないのですか。


○中村世帯統計室長

 質問8の1~5が、いわゆる介護サービスの部分です。


○石川委員

 6~8は違うのですね。


○中村世帯統計室長

 市町村で実施している事業ということです。


○石川委員

 分かりました。


○西郷分科会長

 そのような漏れはないという理解で、よろしいですか。


○中村世帯統計室長

 利用していない方については、質問11でその利用していない理由を聞いているということです。


○西郷分科会長

 分かりました。ありがとうございます。他に介護票に関して何か御意見等ございますか。

 もしないようでしたら次の所得票のほうに移らせていただきます。意見等がございましたら伺いたいと思います。いかがでしょうか。


○石川委員

 参考に教えてもらいたいのですが、恐らく普通の世帯の方で、所得票について疑問なく書ける方というのはそんなにいないと思います。2,000単位区内の全ての世帯と書いてありますが、嫌がられて提出されなかったというのはあるのでしょうか。


○中村世帯統計室長

 今の所得票の回収率は、初めの御説明で申し上げましたように大体7580%ぐらいの回収率になっています。調査を7月に実施しているのは、源泉徴収票が各世帯に届くのが5月の終わりや6月になるので、それを調査のお願いに行ったときに、あらかじめ確定申告書や源泉徴収票を御用意くださいという形でアナウンスした上で、調査に行っているということです。そして本人に書いていただき、差し支えなければ中身を確認させてもらいますということで調査員が確認しているということです。


○石川委員

 教えてもらいたいのですが、5月に源泉徴収票が届くのですか。


○中村世帯統計室長

 大体、そのぐらいに送られて来たり、各職場で配られるということです。


○石川委員

 それは普通、5月でなくて12月だと思うのですけれども。おっしゃってるのは源泉徴収票でないですね。


○中村世帯統計室長

 市町村の課税の徴収額等の通知書ですね。


○石川委員 

 分かりました。


○西郷分科会長

 その次の貯蓄票についても御意見等がございましたら伺いたいと思います。いかがでしょうか。なければ、貯蓄票まで御意見を頂いたという形になります。

 一応、私のほうで今まで頂いた意見をピックアップしますと、まずは世帯票での労働日数や仕事をした時間との関係について、現状はアクチュアル方式で調べているけれども、今後の労働時間の捉え方という観点から現状のままでいいかどうかを、今回の平成28年の調査で変更してくださいということではないけれども、少し広い観点から見直すべきではないかという御意見が幾つかありました。それから所得の調査項目に関して、今は所得票のみで所得の調査をしている形ですけれども、世帯票でざっくりとした情報でも構わないので、取ることができないか検討してほしいという御意見がありました。それから介護票に関しては2つあって、1つは、今の調査票だと要介護者一人一人に配布されるべきということが明示されていないけれども、それを明示するべきではないかといったこと。もう1つは、所得票と介護票とが現在では異なる世帯に配られているけれども、所得と介護と両方合わせたような分析が是非できるような形で、例えば両方とも調査される世帯に関しては、負担が軽くなるような調査票を工夫することも検討してほしいという御意見を頂きました。他にございますか。どうぞ。


○小杉委員

 最初に永瀬委員がおっしゃったように、収入と労働時間のリンクというのは非常に大事なので、場合によっては所得票のほうに給与所得のある人のみについてアクチュアルでなく、ユージュアルベースで労働状況を聞くという可能性もあるのではないか。幅広く考えていただきたいということで、所得票に追加する手もあるということです。


○永瀬委員

 なるほどそうですね。またもし世帯票にユージュアルを入れる場合には、月間の労働日数を聞くのでここの小さなスペースを多少入れ替えれば済むというわけではありません。今の小杉委員の御意見も一つの選択肢と思います。また世帯票をじっと見ていると、労働時間に比べるとさほど重要ではない項目がスペースをとっているようにも思いました。労働時間は働いている人全て関係する調査項目と思いますけれども、例えば年金等に関して、どういった種類の年金なのか、すなわち厚生年金と基礎年金か、基礎年金と共済年金なのか、厚生年金のみなのか、国民年金か、といった年金の種類についての回答は、それだけでは職業履歴を多少推測できる程度にすぎません。後ろの所得票の年金の受給額とつなげてみて初めて意味が出てくる項目かと思います。他の質問を含め、もう少しどこか削れないかなと思います。また世帯票の質問17の勤めか自営かの別で0104までとあり、今までこのような区分は見たことがなかったのですが、これはいつ頃から加わったのか教えていただけますか。


○中村世帯統計室長

 もともと国民生活基礎調査は、平成10年ぐらいまで労働関係の項目が余りなく、省庁を統合した後で労働関係の充実を図ってきたので、13年か16年辺りではないかと思います。はっきりしたことを申し上げられませんが、そのぐらいではないかと思います。


○永瀬委員

 質問170104というのは、従来でしたら雇用されているという区分で1つになっていたものではないかと思います。もちろん、契約期間を詳しく聞くことで分かることもありますが、補問171があるのであれば1か月の労働日数を聞いたほうが、労働の実態を把握するという意味では、より意味があるのかなと思うところです。というのは、01の一般常雇者というのは正社員とかなり近いですし、0204については契約期間の長さが非常に重要かというと、これからそうなるかもしれませんが、今のところは補問17-1の呼称の2~6辺りのほうが労働特性を把握する度合いとしての重要性が高かったからです。これだけ詳細な賃金、年収のデータがあるので、もう少し労働時間が分かったら有り難いなということです。


○西郷分科会長

 ありがとうございます。労働時間に関しては検討の余地がありそうだということで、様々な意見が出たということで伺っておきたいと思います。

 そのほか全般的に何かございますか。よろしいでしょうか。

 それでは、議事の2番目にある「平成28年国民生活基礎調査の調査計画案について」は、これで審議を終わらせていただいたということにいたします。

 議事の3の「その他」に移ります。こちらは報告事項ということで参考資料1、2に関する御報告です。よろしくお願いいたします。


○渡国際分類情報管理室長

 お手元の参考資料1を御覧ください。既に統計分科会の先生方には情報提供させていたただいていますが、疾病、傷害及び死因の統計分類の改正について、本年2月13日に総務省告示第三十五号として、この新しい分類が官報に掲載されています。参考資料1はその抜粋です。こちらは、平成25年8月の「第20回社会保障審議会統計分科会」におきまして、疾病、傷害及び死因分類の改正のため、統計分科会の下に設置されていました「疾病、傷害及び死因分類部会」の再開を御了解いただきましたが、統計分科会の委員である永井良三委員に部会長となっていただいて、同部会において一部改正の適用に関する厚生労働大臣からの諮問を受けた審議を行ったものです。また、この「疾病、傷害及び死因分類部会」におきまして、統計分科会の委員であります土屋了介委員にも参画いただいております、「疾病、傷害及び死因分類専門委員会」での検討も依頼され、同専門委員会においてもこの分類の改正について検討いたしました。

 部会と専門委員会ですが、合わせて7回の会議を開催していただき、昨年9月の部会において、WHOICD分類の2013年時点のものをベースにした分類の改正案を取りまとめていただきました。その後、内閣府の統計委員会での御審議を経て、総務省より本年2月に新たな分類を告示したという流れになっています。

 今回の告示では、参考資料の裏面に一覧表がございますが、分類の概要の一覧表を掲載するなど、若干、以前の告示の掲載内容と違うところがございます。以下、分類の詳細については省略させていただいています。

 次に参考資料2を御覧ください。「疾病、傷害及び死因に関する分類に係る部会審議の際に出された意見に基づく報告」ですが、今回、ICD-102003年版準拠のものから2013年版準拠のものに改正するに当たって、御議論いただいた「疾病、傷害及び死因分類部会」において、本分類に関連する様々な観点からの幅広い御意見があったことを受け、その御意見を取りまとめたものです。

 こちらも詳細は割愛させていただきますが、分類そのものについてや人口動態統計における死因について、また統計データの利活用について幾つかの課題を挙げていただきました。現在、案件に応じて専門委員会で御検討いただいたり、厚生労働科学研究において関連する研究が開始されたりしているところです。今後、本報告に対する進捗等がございましたら別途御報告させていただきたいと考えています。以上、簡単ですが、報告とさせていただきます。


○西郷分科会長

 ありがとうございます。報告事項ということですけれども、何か御質問等がございましたら伺いたいと思います。いかがですか。よろしいでしょうか。

 それでは、全体を通して、何かございますでしょうか。


○小杉委員

 1つ、先ほどの議事2に戻っていただいて、資料6ですが、結果表一覧(案)が提出されていたのですが、それについては全く議論がなかったのですが、今回はしないということでしょうか。


○西郷分科会長

 分かりました。結果表一覧ということで資料が6-1から6-5までございます。先ほど御審議いただいた調査票に合わせて、これだけの結果表が公表されることになるわけです。


○小杉委員

 これについて意見があります。この中で、35歳未満のパート・アルバイトを希望している者を含むパート・アルバイト就労者について、いわゆるフリーター問題のために非常に苦労して作っていただいている結果表があるのですが、このフリーターの話が90年代初めに出てきたときに、その当時の労働白書で若者の意識問題としてこのフリーターを取り上げて、そのために単なるパート・アルバイトの労働者ではなく、パート・アルバイトに就きたいと思っている若い人を含めて分析することが始まったわけです。現状は、むしろ非正規雇用というような捉え方が中心になり、意識の問題としてのフリーターというよりは、雇用形態の変化の中で若い人たちも非正規雇用に就くようになったという実態の認識が、かなり進んでいます。これは今回の話ではないですけれども、今後、このためにわざわざ作った分類ですが、一体、どこまでそれが必要とされているか、あるいはサンセットも考えていいのではないかということです。

 それに合わせてもう1つ、今、国際的な比較で出てくるのが、むしろ無業の若年者に対する関心が広まっていて、無業者に対してどこまで社会保障の枠に届いているか。若い無業者についてはなかなか保護的なものが届いていない。あるいは、その背景にある親の貧困の問題があるのではないかなど、そのようなことが議論になっているのですが、現代の問題状況に合わせて表章の仕方を少し考えてみることも大事かと思います。1回作ったものをサンセットするのは非常に難しいですが、当初は、このように分析して分かるようにしてもらったのは大変有り難いと思っていたのですが、少し使用状況を確認しながらサンセットを考えてもいいのではないか。そのようなことが言いたかったのです。


○西郷分科会長

 ありがとうございます。国民生活基礎調査だけではないのですが、「厚生労働統計の整備に関する検討会」という検討会において、どのような表が、どのように使えるのかという一覧表を今度作っていただけるということで、必要なものを探すという観点からは、大分改善が図られていると思います。確かに表章しているものの改廃というのはなかなか難しいところがあります。誰がどのように使っているのかを全部把握するのはなかなか難しい。ただ、その一方で必要な情報と不要になっていく情報というのは確かにあると思います。今のお話で、具体的にどの辺の表になりますか。


○中村世帯統計室長

 恐らく資料6-1の7ページ、一番下の所からだと思います。


○小杉委員

 35歳未満のパート・アルバイトで、パート・アルバイトをしている者及び希望している者というのが、いわゆるフリーターの定義なので、これに合わせて他の調査票でも作ってもらっているのです。それはそれで有り難かったのですが、例えば次の健康票の結果表も最後のページで今の話が入っているというのは、この議論が盛り上がった当時は大変良かったのですが、今はむしろ全く無業の若者層のほうが国際比較でもよく使われる事態になっています。統計も厳しい環境の中で実施していますから、新しいものを取ってくださいと言うには何か1つサンセットしなければいけないという思いもあって、今、そう申し上げた次第です。


○西郷分科会長

 ありがとうございます。何か御意見はありますか。


○中村世帯統計室長

 今日でなくても結構ですので、例えばこのような表は今は大分ターゲットから外れているとか、逆に今はこのようなクロス表が要るという話がありましたら、また改めて御連絡いただければ検討させていただきます。


○西郷分科会長

 ありがとうございます。他に何か御意見はございますか。

 ないようでしたら、事務局のほうにバトンを返したいと思います。


○中村統計企画調整室長

 皆様、長時間にわたり御審議いただき、貴重な御意見を賜りありがとうございました。これをもちまして、「第21回社会保障審議会統計分科会」を閉会させていただきます。本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。


(了)
<照会先>

大臣官房統計情報部 企画課
統計企画調整室 統計企画係

電話: 03-5253-1111(内線7373)

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