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2014年12月11日 平成26年度第6回化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成26年12月11日(木) 10:00~


○場所

厚生労働省専用第14会議室(12階)


○議事

○高村化学物質情報管理官 ただいまより第6回化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会を開催いたします。本日は、保利委員から所用のため御欠席という御連絡を頂いております。

 それでは、菅野先生に座長をお願いしておりますので、以下の議事進行につきましては、菅野先生、お願いいたします。

○菅野座長 おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。議事に入る前に、事務局から議事次第と資料の確認をお願いいたします。

○高村化学物質情報管理官 本日、お手元に「議事次第」を一番上にして一つづりで、クリップ留めで資料を御用意しております。1枚目は「議事次第」で、議題1はナフタレンの措置の検討について。議議題2は、リフラクトリーセラミックファイバーの措置の検討についてということで御議論いただく予定です。

 裏面に「配付資料一覧」を用意しております。本日は企業の情報等も一部入っており、非公開委員限りとして、資料1-3、資料2-32つがあります。それ以外につきましては、傍聴者も含め皆さんにお配りしているものです。

 資料につきましては、資料1-1、資料1-21つにしたものが1部。委員の先生方には資料1-3ということで一つづりにしたものが1つ、ナフタレンに関する資料です。資料2-1、資料2-2を一つづりにしたものが1部。資料2-3が委員限り非公開のものですので、委員の先生方には2枚物を一つづり御用意しております。資料3は、セラミックファイバー工業会様から御提出をいただいている資料が1部。資料3は白黒のスライドが2つずつ印刷したものですが、机上にはカラーで印刷したものをセラミックファイバー工業様から頂いておりますので、別途お配りしております。資料4は「今後の予定」です。

 先生方のお手元には、ファイルでとじてあります前回の同様の参考資料を御用意しております。内容は規則の抜粋、ばく露実態調査の結果、リスク評価報告書です。

○菅野座長 皆様、おそろいでしょうか。それでは、本日の議題に入りたいと思います。まず、ナフタレンの措置の検討ですが、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○高村化学物質情報管理官 本日のナフタレンに関しては、資料1-1、資料1-2、資料1-3ということで資料を準備しております。資料1-2につきましては、前々回も出している「関係事業者・団体への意見照会結果」ということで、資料の内容の変更はありませんので、御検討の際に参考にしていただきたいということで付けております。

 事務局からの説明としましては、検討シートの内容について更新した部分、それを更新するに当たっての考え方として資料1-3で「ナフタレン含有製品の用途・数量実績及び蒸留試験データ等」ということで、ナフタレン含有の溶剤を製造・販売しているメーカーから頂いたデータについて、少し御説明をさせていただきたいと思います。

 ナフタレンの措置検討シートです。前回以降、更新した内容を中心にということですが、まず資料1-15ページです。資料1-1には、ナフタレンによる健康障害を防止するための措置の内容について、事務局原案ということで示しております。

 「対象物質」はナフタレン、対象となる「作業」は製造・取扱作業ということで考えております。「適用除外作業」は、現在の事務局原案としては、液体状のナフタレンを取り扱う作業及び混合溶剤に溶けている状態のナフタレンを取り扱う作業(吹きつけ塗装作業)については、現在データを収集中ですので、検討中ということで保留にさせていただきたいと思います。

 措置内容は、ナフタレンについては特定第二類物質かつ特別管理物質という形で位置付けるということで、これについての特定第二類物質かつ特別管理物質に求められる措置を全て求めるといった内容が必要ではないかということで、提案をさせていただきたいと思います。

6ページ目です。業界団体等からのヒアリングで技術的課題ということで頂いております課題について、措置導入の可能性についてということで、発散源の密閉化、全体換気装置等について、設備の特性上、錠剤搬送、包装機の完全密閉は困難という御意見、課題があるということ。作業場が完全に空調化されておらず、冬季の作業に関しては排気装置を停止するなどの条件面の課題等があるということで頂いております。

 発散抑制措置については、密閉か、若しくは発散源を密閉する設備、局排の整備、プシュプル等のいずれかでしっかり発散を抑制していただくということで、義務付ける方向ですので、現実的な発散抑制措置の導入で対応いただくということで、措置導入については可能ではないかということで御提案しております。

(3)の規制化の必要性です。ナフタレンを製造し、又は取扱いを行う事業場においては、当該物質の蒸気等へのばく露をする可能性があることから、発散抑制措置が必要であるとともに、作業環境の管理のための作業環境測定、特殊健康診断の規制化を検討する必要があるということで、提案をしたいと思います。措置内容のいずれのものについても、総合評価として規制が必要ということで、提案をしたいと思います。

 続きまして7ページ、4「対策オプション」です。オプション1としては、原則、密閉化、作業管理、健康診断等を規制措置として導入ということです。オプション2については、例をそのまま入れておりますが、オプション1と同様の内容と考えております。オプション3としましては、こうした内容について、行政指導により普及徹底となりますが、それについての健康障害防止の効率性、技術的な実現可能性、産業活動への影響、措置の継続性への確保、遵守状況の把握等の容易性について、オプション1、オプション3について、それぞれ整理をしております。

 オプション1については、丸数字1健康障害防止の効率性については、効率性が高いとしております。オプション3については、効率性は低いということで整理しております。

 また丸数字2技術的な実現可能性については、事務局案として出しておりますが、実現不可能な問題は認められないということで整理をしております。

 丸数字3産業活動への影響です。オプション1については、局排等の設置、保護具の備え付け、健診の義務付けに伴うコスト増から影響は大きいということで整理をしております。オプション3については、影響は小さいということで、基本的に自主的改善は産業活動に影響を与えない範囲に限定されるということで、こういった形で整理をしております。

 丸数字4措置の継続性の確保です。オプション1については、義務化することで措置の継続性については確保されるということで整理をしております。オプション3については、指導が遵守されない可能性がある。経営トップの意向や景気動向に左右され、措置が確保されない可能性があるということで整理をしております。

 丸数字5遵守状況の把握等の容易性ですが、オプション1については義務化をするということで、指導が容易であることから「容易」ということです。オプション3については、多岐にわたる事業場での取組について把握をすることは困難ということで、「困難」という整理をしております。

(2)最適な対策です。措置内要について、それぞれ規制化の要否については、全て要ということで、「要」ということで入れております。

8ページの(3)留意事項です。丸数字1リスクが低いとされた作業にかかる規制の考慮ということで、2つ作業の内容を提示しております。1つ目は「液体状のナフタレンを取り扱う作業」です。作業の概要としては、ナフタレンの製造及び液体状のナフタレンを原料とする製剤の製造等の作業で、リスク評価の結果の概要として、液状のナフタレンについては、高温状態で取り扱う必要があることから、密閉設備での取扱いとなり、こうした作業の性質上、ばく露リスクは低いと考えられるという整理をしております。これが1つ目のリスクが低いという形で、今、事務局で考えている作業です。

 もう1つの作業は、「混合有機溶剤に溶けている状態のナフタレンを取り扱う作業」です。この中には吹きつけ塗装という作業も含まれておりますが、これについては先ほども説明しましたが、実際のばく露濃度等を現場で測定中ですので、保留という提案をしたいと思います。この作業の概要ですが、ナフタレン含有の混合溶剤等で塗料を調整する作業及び当該塗料を用いて行う塗装等の作業ということで考えております。これについてのリスク評価として、ナフタレンは蒸気圧が十分低いため、混合有機溶剤等に溶けているナフタレンについては、常温では蒸発しないと考えられるため、当該溶剤等を用いる作業については、ナフタレンのばく露リスクは低いと考えられるということで、提案したいと思います。

 ナフタレンについて、十分なデータではないとは思いますが、御紹介しましたメーカーから頂いている資料1-3の御説明をしたいと思います。こちらは委員限りの非公開の資料ですので、内容については御覧くださいという形での御説明になるかと思いますが、御容赦いただければと思います。

 一番上は、2013年度のこの会社におけるナフタレン含有製品の用途と数量実績です。塗料用溶剤、塗料希釈剤という形で出荷している製品の数量は、こちらにお示ししている分量になります。その隣に、そのうちのナフタレン量ということで、含有率の異なる製品が2種類ほどあるということですので、その含有率をそれぞれ掛けたものということで、右側にお示ししている量となっています。また、塗料用溶剤、塗料希釈剤ということで、これは国内向けのものです。その下に輸出用ということで、輸出量についてもデータを頂いております。

 資料1-3の右下の17ページ目から、この会社で出しているSDSを頂いておりますので、それを添付しております。SDSについては2製品あるということで、17ページ目からが1つ目、24ページ目からが2つ目の製品のSDSになっております。1つ目の製品のナフタレン含有量は、18ページ目の「組成及び成分情報」でナフタレンの含有量が記載されています。こちらについては5%未満です。24ページ目からのもう1つの製品のナフタレン含有量は、25ページ目に「組成及び成分情報」を示しています。こちらについては10%を超える含有量です。

 この資料の31ページ目に、今回、SDSを頂いている2製品についての蒸留試験データを頂いております。一番左側が初留点で、それぞれの温度が載っております。右端に載っている数字が終点、最終の所の温度ということでデータを頂いております。表の下にこれをグラフ化したものを御提供いただいておりますので、御参照ください。

32ページは「石油製品の蒸留試験」です。ちらはインターネット上で入手できるもので、自動車ガソリン、航空タービン燃料油、灯油、軽油、A重油等についての蒸留試験の測定データです。参考情報ということで資料の中に入れております。

33ページ目は参考資料として、それぞれナフタレンの25℃における蒸気圧、その他の製品の常温2025℃の蒸気圧等を、インターネット上で入手できるものですが参考として並べて記載をしております。

 こういったデータから、先ほどのリスク評価のところを推測しておりますが、こういった推測で十分かどうかも含めて御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 資料1-1に戻って、8ページの(4)規制の影響分析です。選択肢1は、規制の導入ということで提案をさせていただいております。選択肢3は、国の通達等に基づき指導という選択肢を置いて、期待される効果等について整理したものが丸数字1の期待される効果(望ましい影響)です。

 一つひとつ説明しますと、「労働者の便益」です。選択肢1の規制を導入した場合、ナフタレンのばく露の防止により、がん、呼吸器疾患等の発症による健康障害の未然防止を図ることができる、という整理をしております。選択肢3の場合については、行政指導である場合は、財政基盤が十分ではない中小企業等をはじめとした多くの企業で的確な対策が十分に普及しない恐れがあり、その状況を網羅的に把握することは難しいということで、選択肢3を選んだ場合については、労働者にがん、呼吸器疾患等の発症する恐れがある、という整理をしております。

 「関連事業者の便益」です。選択肢1の場合、ナフタレンによるがん、呼吸器疾患等の発症を防止することにより、事業者としての労働者の健康確保対策に資するとともに、将来の労災発生の補償リスクを低減することができる、という整理をしております。選択肢3の場合は、労働者の便益と同様に、労働者にがん、呼吸器疾患等の発症する恐れがあるということで、そういったリスクがまだ残るということで整理をしております。

 「社会的便益」です。選択肢1については、疾患等の発症を防止することにより、労災保険財政に寄与する等、社会全体の健康障害防止に資するものということで整理をしております。選択肢3については、恐れが残るということで、引き続きリスクが残るという整理をしております。

9ページの丸数字2想定される負担です。「実施により生ずる負担」ということで、選択肢1の場合は、規制を導入することによって事業者に新たな措置を義務付けることで、実際に発生する費用負担ということで整理をしております。まず、作業主任者の選任について、局排等の設置、作業環境測定の実施、特殊健康診断の実施について義務付けられるということで、相応の負担が発生するという整理をしております。選択肢3の行政指導による場合については、同じようにそれぞれ負担が想定されるわけですが、行政指導の範囲であれば、作業活導に影響を与えない範囲に限定されるということで、選択肢1よりも少ない負担になるだろうという整理をしております。

 「実施に要する負担」です。選択肢1の場合は、対象となる事業場の所が誤りですので、修正をさせていただきたいと思います。基本的にはナフタレンを取り扱っている事業場については、製造業が主ということで、各指導は既にしているところですので、本規制の新設により、国において費用、人員等の増減はないということで整理をしております。選択肢3についても同様で、特に国における費用、人員等の増減はないという整理をしております。

 「その他の負担」は社会的コストですが、選択肢1の場合は、労働者災害補償保険法による保険給付を抑えることができるということで、負担というよりも負担が軽減されるということで整理をしております。選択肢3については、引き続きこうした恐れが残るということで、労災保険の給付については、対策を取っていない現状と同様に生じることが予想されるという整理をしております。

 その結果として、丸数字3便益と費用の関係の分析結果です。選択肢1を取った場合は、労働者の保護のため、ベンゼン等ほかの発がん性物質に対しても既に規制を課し、健康障害の防止を図っており、今般のナフタレンについても、放置した場合に多数の労働者を健康障害のリスクにさらすことになるため、従来と同様の規制を課し、事業者の費用負担の増を考慮しても、本ばく露防止対策の実施は必要なものと判断する、ということで整理をしております。また、選択肢3については、国による行政指導では、財政基盤が十分でない中小企業等をはじめとした多くの企業で的確な対策が十分に普及しているか否かを網羅的に把握することは難しく、改善効果は限定される。そのため、がん、呼吸器疾患等の発症を防止すること及び労災保険法による保険給付を抑えることができないと考えられる、という整理をしております。

 こうした考え方から、先ほど御提案しました措置内容の導入を提案させていただき、その上でリスクが低いと考えられる作業について、適用除外するということで、2つの作業を提案させていただいております。以上です。

○菅野座長 ナフタレンの措置内容について、適用除外は後に回し、措置内容について御検討いただきます。御意見のある方はよろしくお願いいたします。

○唐沢委員 5ページの健康障害防止措置の(1)の適用除外作業です。一番上の表の右側の摘要の所に、「液体状のナフタレンを取り扱う作業」と書いてあります。これは、8ページの(3)留意事項の丸数字1「リスクが低いとされた作業にかかる規制の考慮(事務局提案)」の件で、液体状のナフタレンを取り扱う作業、リスク評価結果の概要と書いてあるので、それと整合性をとった表現にしたほうがいいように思います。

5ページに戻り、(1)の対象物質の作業の適用除外作業については、例えば「高温の液体状のナフタレンを密閉状態で取り扱う作業」ぐらいにしておいていただいたほうがいいのではないでしょうか。5ページの案だと裸すぎるのでということがあります。それと、最終的には5ページの(1)の措置の内容の適用除外作業は、8ページの事務局提案で2つ書いていただいているものと、整合性のある表現にしていただいたほうがいいかと思います。

○高村化学物質情報管理官 本日の御議論も踏まえ、次回にはそういう形で整理をさせていただきます。

○小野委員 8ページの(3)の丸数字1の箱の下の段です。これは、現在検討中ということですので、その結果なりを見てということになると思うのです。右の箱のリスク評価結果の概要の下の段の3行目に、「常温では蒸発しない」と限定的に書いてあるのですが、吹きつけ塗装になるとミストになって、粒径がうんと小さくなっています。その場合にナフタレン発生のリスクが低いと言えるかどうかは、ここまではっきり書くのは、データを見てからになりますけれども、ちょっと心配なところがあります。

○菅野座長 「蒸発しない」というのは言いすぎだと思いますので、修正をお願いします。

○高村化学物質情報管理官 はい。

○菅野座長 適用除外の話になってしまいますが、5ページの対策内容について、御異論はないということでよろしいですか。取りあえず措置内容については、このままでよろしいということにいたします。

 次に、適用除外とする業務です。8ページの(3)留意事項の所に2つ挙げてあります。2つ目は、現在環境測定を実施中ですので、結論は次回になります。1つ目の点については、この使用法を適用除外にしてよろしいかどうかについて御意見がありましたらお願いします。先ほど唐沢先生から御指摘がありましたけれども、上に書いてある「液状のナフタレン」というのは、閉鎖系で熱媒体として取り扱う場合ということでよろしいのですね。

○高村化学物質情報管理官 それも含まれますが、もう1つはナフタレンの製造過程において、できてきたナフタレンが液状でまず出てくるということ。その製品については、密閉系で基本的には取り扱われて次の製造工程に移る、若しくは次の製剤の原料とする場合は、別の工場等に密閉系で運ばれて、タンクからホース等でつないで、そのまま液状で移すということが想定されます。そういうもの全般を、基本的には密閉系で取り扱うということで、リスクの低い作業ということで位置付けられるのではないかということで書いております。

○菅野座長 そうすると、付随するサンプリング作業というようなものは、一時的に密閉系ではなくなるわけですけれども、そういうのも除外してよろしいということですか。確かに頻度が低いという御指摘は前に頂いておりました。

○高村化学物質情報管理官 はい。

○名古屋委員 これに関しては、要するに現場のリスク評価をちゃんとしないのだけれども、状況とそういう性質を考えて除外しますということですから、今までとはちょっと違いますね。ここの所の除外というのは、今までは必ずリスク評価でばく露濃度を測ったという形で出てきていました。今回は違って、要するにそれはやっていないのだけれども、現状を考えてみると、ばく露が低いからいいという形で、要するに測定は何もしていないけれども、これは判断しましょうという形でいいのですね。そういう判断ですよね。

 前回はデータが出てきていなかったので、結果的にこれはペンディングにしましょうという話になっていたのだけれども、データとしてこのように出てきたところを考えてみると、ばく露は測定しなくても低いから、その中で除外しましょうという形の判断ですよね。今までなかった判断なので、そこはいいのだと思うのですけれども、そういうことですねと確認しているだけです。

○菅野座長 そういうことで皆様よろしいですか。

○角田化学物質評価室長 製造の部分については、測定した結果低いという結果が出ておりますので、そこの部分はそのデータも反映した対応と。

○名古屋委員 要因分析した中で、データは少ないのだけれどもちょっとありましたということですね。

○角田化学物質評価室長 はい。

○高村化学物質情報管理官 お手元のファイルの中にあるばく露実態調査結果の所で、例えばDの事業場とか、Eの事業場では、高温の液体状のナフタレンを取り扱っている業務ということで考えられると思います。そうした状況も踏まえて、かつ想定される工程等を考えて、こういう形で御提案させていただいております。

○菅野座長 分かりました。それでは、表現は修正の必要があるかもしれませんが、液体状のナフタレンを取り扱う作業については、適用除外とするということにしたいと思いますが、よろしいですか。

○小野委員 少し気になるのは、液体ナフタレンを取り扱うというのが、今回調査以外の使用はないのかという心配があります。今回お聞きした業界ではそういうお答えだったのですけれども、「密閉化して使用する」とか何かそういうのを付けるわけにはいかないのですか。そこまでのくくりでは普通は書かないということですよね。何かコメントのほうに、「密閉して使っている場合には適用除外とする」というようなコメントを付けておかないと、もしかするとそうではない取扱いをする方がいた場合に、そこでのばく露が生じるのではないかという懸念があります。

○高村化学物質情報管理官 その辺りについては、ばく露作業報告のデータ等も含め、もう一度精査した上で、表現の仕方については次回までに案を作り御提案させていただきます。

○名古屋委員 1点お願いしたいのは、ばく露小検討委員会の資料の中で、届出のものが全部掲載してあって、その次に作業が列記してある。今回新しい様式になりました。あれがあると、今の話は分かるようになります。要するにどういう届出があって、その作業はどのぐらいありますという届出の様式が変わりましたね、委員会資料として。あれが付いてくると、今の話は分かるのではないかと思います。是非、今度はそれを付けていただければと思います。

○高村化学物質情報管理官 はい。

○菅野座長 先ほどの割合等のデータも、次回までにお願いします。

○高村化学物質情報管理官 はい。

○菅野座長 測定データは次回までということなのですけれども、2番目の項目について何か御意見はありますか。実はこのSDSを読ませていただいたのですが、SDSの中に既に設備対策として、「空気中の濃度をばく露濃度限界以下に保つために排気用の換気を行う」と書いてあります。あるいは「局所排気装置を設置する」ということが、設備対策の所に書いてあります。21ページの一番上です。室内での取扱いの場合ということで。最終的な判断は次回ということです。余り読んだことがないものですから、SDSについては定形的にこのようなことが書かれているのかもしれないので判断はできませんけれども。

○高村化学物質情報管理官 厚生労働省でも、モデルSDSということで、できるだけ多くの内容を含んだモデルSDSを御提示しておりますので、そうしたものを参考に事業者のほうで作られているものと考えております。

○岸化学物質評価室長補佐 これは混合溶剤全体のばく露防止ということなので、ナフタレンに限って書いているということではないと思います。

○菅野座長 判断は次回に回すということで、適用除外についてはデータが出てくるのを待って判断することにしたいと思います。

○大前委員 質問します。資料1-3は非公開の資料なのですが、これは今回のナフタレンを考える場合にはどこを見たら参考になるのですか。単純にナフタレン含有製品の蒸留試験のデータが載っているだけで、この資料はどういう意味があるのかが分からないのです。

○高村化学物質情報管理官 申し訳ありません。現時点で入手できるナフタレン含有の製品ついての、そうした蒸気圧、それから蒸留試験のデータということで、これから外挿されることとして、先ほどの「蒸発しない」というのは言いすぎですが、「しにくい」という、それほど高い蒸発する濃度はないと想定されるということで御提案させていただいたわけです。このデータとして不十分という御意見ということでしたら、そのように承ります。

○大前委員 31ページの図がありますけれども、これはこの製品全体の話ですよね。

○高村化学物質情報管理官 そうです、成分全体の話です。おっしゃるように、例えば5%のところでの成分、ナフタレンがどれだけ含まれるのかといったデータがもしあればということでは聞いたのですけれども、やはりそこは持ち合わせがないということで、現時点では入手できておりません。

○名古屋委員 21ページの施設の対策の所を見ると、先ほどは「出ない」と書いてありました。このSDSを見ると、空気中の濃度をばく露濃度以下に保つためには換気しなさいと書いてあります。高熱工程でミストが発生するときにはと書いてある。ここには発生しますと書いてあります。そうすると、こっちとは違います。

○菅野座長 御指摘は一般的な記述であって。

○名古屋委員 それは分かるのです。

○菅野座長 この場合に該当するかどうか分からないということです。

○名古屋委員 小野さんが言うように、いっぱい特定したらいいのではないかという気がします。あるということで。

○菅野座長 御指摘のように、この蒸留のデータがどういう意味を持つのか私にも理解できませんでした。SDSが出ているナフタレンを含む溶剤については、他の成分がアルキルベンゼンと書いてありますので、大体分子量が同じぐらいだと仮定すると、蒸気圧が純品では100ppm分解だと思いましたが、それの10分の1ぐらいになると思います。ただ、塗装の場合は蒸発しますので、液体として槽に溜めておく場合はそんな感じということになると思います。

 次はリフラクトリーセラミックファイバーの措置の検討に移ります。本日は、セラミックファイバー工業界で行った試験結果の説明を頂くということですので、事務局から御紹介をお願いします。

○高村化学物質情報管理官 本日、セラミックファイバー工業会から戸塚様、藤井様、竹中様にお越しいただいております。資料3を用いて御説明を頂けるということですので、よろしくお願いいたします。机の上にお配りしているカラーのものが資料3と同様のものになりますので、先生方はそちらを御覧いただければと思います。

○菅野座長 よろしくお願いいたします。

○セラミックファイバー工業会 RCF工業会の本年度の理事長をやっております藤井と申します。本日、追加の説明の時間を設けていただき、誠にありがとうございます。お手元の資料3を私どもの環境委員長の戸塚から説明させていただきます。内容は、発じんリスクの非常に低い製品を中心にした御説明になります。あとサンプルを持参しておりますので、委員の先生方に御覧いただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○セラミックファイバー工業会 お手元の資料で説明させていただきます。セラミックファイバーの製品については、代表的な製品6種類を掲載しております。製品には、ばく露のあるもの、ばく露の恐れの少ないものがございますので、それについてお話をさせていただきます。

3枚目の「製品種類と使用原材料と発じんリスク」という横長の表があります。この中で、バインダー等で固めていない製品は、取り扱うことで、セラミックファイバーを発じんさせるかと思います。一方、右から5番目の「フェルト、ボード、成形品、ペーパー」については、前々回ボードの取り扱いについてお話をさせていただいたのですが、切断・加工を伴わない単純取扱いの場合には、発じんリスクが低い製品です。今回、セラミックファイバーボードを使用し、模擬試験を実施し、発じん量のデータを取らせていただきました。今回は作業場も狭いく、換気もまったくないという、厳しい条件でやった結果をお出しいたします。

 そのほかに「発じんリスクの低い製品」として、右側の2つ、ウェットフェルト、ペーストがございます。これは第2回の検討会で櫻井先生から「湿潤化した製品はできないの」というお話があったのですが、当工業会が扱う製品の中でも湿潤化した製品はありますので、そちらについては発じんがないと思われます。今回、湿潤化した製品として、ペースト状のものと、フェルトを含浸したものがございますので、これを回覧させていただきます。

 この湿潤化した製品ですが、ペーストについては、セラミックファイバーが1030%で、水分が3080%入っております。ウェットフェルトもセラミックファイバーが1030%、水分が3070%ということで、湿潤化した製品で、これを現場ではそのまま使用し、施工いたします。

 次に、ボードです。今回は、前回は普通のボードを使ったのですが、発じん防止処理を行ったセラミックファイバーボードで実験しています。参考までに未処理のボードについて実験を行いました。発じん防止処理品は、ボード製造後に無機若しくは有機バインダーで表面硬化処理を行ったものです。

 発じん防止処理品取扱時に作業環境濃度と作業個人ばく露濃度を両方とも測らせていただきました。作業場としては、2m×2m×2.8mという非常に小さな居室で実施し、そのときのリフラクトリーセラミックファイバーをPCM法で確認しております。

 次のページに測定図面を示しております。箱に詰めてあるボードを、机の上に並べるという作業を繰り返し実施しました。次のページに写真がありますが、通常はボードの施工は壁面にするため、ボード同士を重ね合わせることがないので、まずは縦方向に15枚置き、これを20分の間に2回繰り返して行うという作業を行いました。

さらに、ボードとボードがこすれた場合には発じんが多くなるだろうと想定し、ボードとボードを重ねて置くという作業を行い、発じん量を確認しました。

 その結果を次のページに示しております。測定結果としては、作業者の個人ばく露濃度で、1点だけ0.02f/ccとなりましたが、他のすべてのデータで定量下限を0.014f/ccを下回る結果でした。参考までに、発じん防止をしていない製品については、下のような値です。

 今回は、セラミックファイバーボード取扱い時の発じん試験しか実施ませんでしたが、それ以外に、最終ユーザーで切断加工をせずに組付けだけを行うような製品が、何種類かございますので、ご紹介します。これがセラミックファイバーのペーパーです。最終ユーザーではこのように打ち抜いたものを何かの機器に入れ込むというだけの作業を行います。 

こちらは、成形品のコーンと言われるものです。本製品は、この形で成形し、最終ユーザーは加工もせずに使うという形になっております。このコーンについては、硬化処理等も全くせずに成形しただけの形になっています。ほかにスリーブと言われるものがありますが、こちらは硬化処理を行ったものになっております。これも回覧いたします。

 セラミックファイバーはこのように工業会で取り扱っているものだけでなく、広くいろいろな市場で使っていただいております。当工業会の取扱品目でないものもありますが、「その他のセラミックファイバー含有製品」ということで、5種類御紹介させていただきます。

 まず、断熱布団と言われるもので、このようなシリコンコーティングしたガラスクロス、単なるガラスクロス、その他の紡織品を外被として使い中にセラミックファイバーを包み、縫製加工したものです。

続いて、セラミックファイバーを原料にしガスケット類を作っているものがあります。写真しかないのですが、メタルジャケットガスケットと申し、セラミックファイバーを原料とする素材を中芯として、金属薄板で被覆したセミメタリックガスケットです。これは全く表面にセラミックファイバーは露出しておりません。

 それから、織布ガスケットと言い、今度はセラミックファイバーで作った織布にゴムコンパウンドを塗布し、写真に示したようにマンホール形状に縫い合わせ、エンドレス加工したガスケットです。円形状ではないのですが、こちらがセラミックファイバーを使ったガスケット、これを打ち抜いて作る形になります。そのほか、こういうパッキン状のものもセラミックファイバーは使用されております。

 最後にハニカムフィルタというものにもセラミックファイバーが使用されています。用途は様々ですが、オゾン、VOC等を除去するフィルタとして利用されています。基材にセラミックファイバーペーパーを使用しています。本製品も最終ユーザーで製品をそのまま機器に取り付けることになります。

 このようなラインナップがありますが、今ご紹介した製品については、ばく露の恐れが少ないものと考えておりますので、この法律が適用されるのかどうかということを御検討いただきたいと思っております。

○菅野座長 御説明ありがとうございます。ただいまの御説明について、御質問等がありましたらお願いいたします。

 「製品の種類と使用原材料と発じんリスク」という表ですが、この各製品の出荷の割合はどのぐらいなのでしょうか。

○セラミックファイバー工業会 詳しいデータは、本日は持って来ていませんが

○菅野座長 概略でも結構です。

○セラミックファイバー工業会 トン数で申し上げますと、フェルトですと5%、ボードで10%、成形品が10%、ペーパーが10%というところだと思います。

○菅野座長 赤枠で囲ったものの全体に対する割合はどのぐらいでしょうか。半分ぐらいですか。

○セラミックファイバー工業会 はい。

○藤間委員 湿潤化した製品というのは、多分パテのような形で使われると思うのですが、それは結局、その装置なり何なりの熱上げすることにより、水を飛ばすと、そういう使い方が多いのでしょうか。

○セラミックファイバー工業会 基本的にはそうです。

○藤間委員 直接、熱を当てて水を飛ばして使うという、そういう使い方は想定していないですかね。

○セラミックファイバー工業会 使う過程において、結果的に水分が飛び、固くなるものなのですが。

○小野委員 発じん防止品とそれ以外のものとの出荷量が、ほぼ同じぐらいだろうというお話だったと思うのですが、重さベースでしょうか。

○セラミックファイバー工業会 重量ベースです。

○小野委員 となると、RCFの分としては3分の1からもっと少ない状態ということで、実質としてはやはり。

○セラミックファイバー工業会 RCFは水分が入っていますので、私が先ほど「半分」と申し上げたのは、製品重量ですから、その中で水分が5割入っていますので、全体のセラミックファイバーの量から計算しますと、半分より少ない、恐らく3割ぐらいになると思います。

○小野委員 価格的にもお高くなってしまうのでしょうか。

○セラミックファイバー工業会 そうですね。水分が入って、ほかに有機バインダー、無機バインダーが入っていますので、製品単価から判断しますと、汎用品のバルクとかブランケットなどよりも、製品単価は高いものになっています。

○名古屋委員 でも、この目的というのは、これを作っている所の製造、加工の所は除外してほしいというわけではなくて、施工するときに発じん性の少ないものを適用除外にしてほしいという趣旨と考えてよろしいのですか。

○セラミックファイバー工業会 そうです。例えば先ほどお回ししたペーパーの打抜品などの場合には、炉で施工するというよりは、家電、自動車メーカーで使用されています。これらの取り扱い作業者は多数ある部品の一つとしてセラミックファイバー製品を取扱うため、それだけを専属で扱っているということではありません。したがって、取扱い上で、ばく露は少ないでであろうということでお話をさせていただきました。

○菅野座長 もう1点ですが、「測定位置」という図があります。測定点というのは、角の2つの位置ということですか。

○セラミックファイバー工業会そうです。大体1m強ぐらい離れた箇所です。実験はは換気も全くない状況で、密閉した空間でやっております。測定時間は20分間のため、セラミックファイバーが発じんしていれば滞留している時間であろうと考えております。

○菅野座長 ほかに御質問はいかがでしょうか。

○藤間委員 バインダーが入ったものはいろいろあると思うのですが、例えば有機のバインダーのものを加熱した後、バインダーが変質したり、飛んだりして、飛散を防ぐような働きが落ちているという可能性はないのでしょうか。

○セラミックファイバー工業会 それはあると思います。加熱そのものは、機器に組み込まれている段階になると思います。加熱をした後に取扱いがあるかどうかだと思います。

○藤間委員 具体的には、例えば解体であったり。

○セラミックファイバー工業会 当然解体のときは、湿潤化した製品でも水分は飛んでいますし、有機バインダーのものでもバインダーは飛んでおりますので、しかも解体のときに丁寧に取り扱うということは考えられませんので、そこで発じんがないとは、とても私からは申し上げられません。

○菅野座長 ほかにいかがでしょうか。それでは、セラミックファイバー工業会の皆様、御説明ありがとうございました。

 続いて措置の検討に入ります。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○高村化学物質情報管理官 セラミックファイバーについての資料は資料2-1、資料2-2、資料2-3ですが、資料2-2、資料2-3は、前回までに御提出している事業者団体等への意見照会結果、工業炉の施工、補修、解体作業の状況ということで、前回お出ししている資料ですので、こちらについては御検討の際の参考として御覧いただければと思います。私からは資料2-1の更新部分について説明させていただきます。

 資料2-14ページ、3「健康障害防止措置」です。こちらについて、前回までの議論いただいた内容を踏まえ、事務局提案ということで更新しております。

1つ目の「対象物質と作業」の所です。適用除外作業として、先ほど工業会さんからもお話がありましたが、バインダー等で処理された成形加工品等の発じんの恐れのない製品を取り扱う作業ということで、こうしたものについて考えられないかということで、ここで書かせていただいております。これについては、ナフタレント同様ですが、7ページの丸数字1「リスクが低いとされた作業にかかる規制の考慮」ということで、こちらにも提案内容を書いております。これについては後ほど御議論いただければと思います。

 措置内容です。前回、こうした製品を製造、加工する現場、そうした製品を用いて、具体的には炉の施工、炉の補修、炉の解体といったところについて、それぞれ作業に係る性質が違うのではないかということで、それぞれについて御議論いただいたところです。その結果を踏まえ、今回措置内容について、「○」「-」という形で、整理しております。

 まず「情報提供」ですが、これは文書の交付についてはSDS対象物質ということで措置されているということ、表示については、取扱う際に十分に有害性、取扱いの留意事項等を理解いただく必要がありますので、こちらについては作業ごとというよりも、ものについての規制ですので、「○」ということにしております。

 「労働衛生教育」は、雇入時等の労働衛生教育については対象とするほか、特に、施工、補修、解体については、後ほど出てきますが、呼吸用保護具の使用を義務付ける必要があるだろうと考えておりますので、労働者に対する特別教育は必要ではないかということで、「○」を付けています。

 次に「発散抑制措置」です。まず、製造・加工については、当然、製造の工場等で製造・加工されるということで、それについては密閉化等の工学的な措置について、いずれかを義務付けるという形にさせていただきたいと考えております。

 また、施工、補修、解体のところですが、業会団体、実際にこういった作業をされている若しくはそういった現場を管理されている業会からの御意見の中では、一律に工学的措置をするというのは、「現場ごとで違うのではないか」という御意見を頂いておりますが、一方で工業炉協会さんのほうで前回以降にお調べいただいた、ヨーロッパで10年ぐらいの間でばく露濃度が下がってきた理由をお調べいただいたもので、先生方には事前にお知らせしておりますが、その理由の1つとして、NIOSH等のガイドラインで示している工学的な対策を講じてきたことが、ばく露濃度が測定されている結果が落ちている理由ということで御回答いただいておりますので、やはりこうした現場についても、まずは原則的に工学的措置を講じて、作業環境における発じんを抑えることを義務付け、一方でそうしたことが困難な、例えば臨時的作業等、そうした工学的措置が難しい作業については、別途マスクの着用を義務付けるという形で補完するといった措置内容にさせていただきたいということで、施工、補修、解体も含めて、工学的措置は措置内容ということで義務付けたいと考えており、こうした内容で御提案させていただいております。

 また、こうした発散抑制措置等についての計画の届出、定期自主検査についても、セットで措置内容とさせていただきたいと考えております。

 続いて、作業の湿潤化ということで、前回、解体等については現場を湿潤化し作業をすることで発じんを抑えるということで、施工、補修については、なかなか炉の性質上難しいということですが、解体においては可能ということですので、その現場の発じん防止という観点で作業の湿潤化というところを、解体については措置内容ということで御提案させていただきたいと思います。

 また、こちらの資料に掲載を損ねておりますが、もう1つ解体作業については、湿潤化と似たようなところではありますが、解体においては発じんがかなりあるだろうということで、作業場所以外への発じんされたものの漏えい防止という観点で、囲い等を設けるという、作業場所以外への漏えい防止のための措置を義務付けるということで、項目として提案させていただき、そこに解体について「○」を付けるということで御提案させていただきたいと考えております。

 続いて、「漏洩防止措置」です。特定化学設備については、このリフラクトリーセラミックファイバーの製品等を保存若しくはそれを使って実際の現場で、加工等で大きく発じんするようなものはないということで整理し、特定化学設備に関する措置内容は義務付けない、措置は措置内容としないということで提案させていただきます。

 一方で、不浸透性の床の整備ですが、不浸透性の床というのは、再発じん等を防止するために、清掃がしやすいということを求めておりますので、そう考えると、こうした施工、補修、解体を行う現場においても、コンクリートの床等については、その程度の床であれば可能ということで、これについては再発じん防止ということで、全ての作業について措置内容ということで御提案させていただきたいと考えております。

 続いて「作業環境の改善」です。休憩室の設置については、なかなか施工、補修、解体の現場は、客先での作業ということで、一律に用意することは難しいのでということでしたが、作業をする場所のほかに、別途居場所を作るということは必要な内容だと考えておりますので、これについても全ての作業について措置内容ということで、提案させていただきたいと思います。

 洗浄設備ですが、シャワー等の設備だけではなく、うがいができるような設備も含めて洗浄設備ということになっておりますので、その程度であれば、施工現場等でも十分に用意できるだろうということで、これについても全ての現場についての措置内容ということで、提案させていただきたいと考えています。

 設備の改善等の作業時の措置については、施工、補修、解体については、そうしたことは想定されませんので、「-」という形にしております。

 清掃については、特化則の管理第二類物質には、特段そういった措置内容は含まれておりませんが、再発じん防止ということで、清掃については措置内容ということで提案させていただきたいと考えております。

 「作業管理」です。基本的には作業主任者の選任ということで、いろいろ御議論はありましたが、現場を管理するという観点で、全ての現場についても作業主任者を選任いただくということで、御提案させていただいております。

 そのほかについては、基本的には管理第二類物質かつ特別管理物質に関する措置内容を全て盛り込ませていただいております。

 そのほかに、呼吸用保護具の使用です。こちらは、先ほどの発散抑制措置との関係もございますが、なかなか施工、補修、解体の作業においては、発散抑制の工学的措置を講じることが難しい現場も多いということで、これまでのヒアリングで把握しておりますので、少なくとも施工、補修、解体の現場においては、こうした呼吸用保護具の使用を義務付けるということで、提案させていただきたいと思います。

 一方で、この資料においては製造・加工の所についても「○」を付けさせていただいているのですが、製造・加工の現場においては、基本的には工学的措置で現場の発じんを抑えていただくということで、作業環境の管理ができることを前提にしておりますので、今「○」と付けさせていただいておりますが、ここは「-」ということで修正させていただいて、その上で提案させていただきたいと思います。

 その下の発じん防止対策です。保護衣の着用及びその適切な処理ということで、保護衣を着用いただくことと、その周りに付いたRCFが再発じんしないようにということで、適切な処理についても、施工、補修、解体のところについて義務付けをさせていただきたいと、そういった措置内容にさせていただきたいということで考えております。一方で、呼吸用保護具と同じ理由で、製造・加工のところについては、基本的には現場の管理、作業環境の管理ということで、こちらについては「-」ということで、外した形で提案し直させていただきたいと考えています。

 続いて「作業環境の測定」です。原則、作業環境は把握していただくということで、ただ、臨時の作業については作業環境測定できませんので、その場合の補完として、作業中のリフラクトリーセラミックファイバーの濃度の把握ということで、作業環境測定とは別に作業中の濃度の把握を別途規定するような形で求めたいということで、別枠で御提案させていただきたいと考えております。作業環境の測定については、全ての所が対象で、やれる所はやっていただく。かつそれに基づく改善措置についても、対象となる作業場所についてはやっていただくということで、義務付けをさせていただきたいと考えています。

 なお、「健康診断」については、別途検討ということですので、別の検討会での検討になります。

 続いて、5ページです。(2)技術的課題及び措置導入の可能性です。こちらに挙げられている技術的課題、こちらは製造・加工のほうで、1つ目、2つ目の「密閉化」「発散抑制措置」については、製造・加工の現場の業会団体さんから頂いた御意見です。いずれも困難な理由ということで挙げられておりますが、発散抑制措置については、いずれかの対応ということで選択肢がございますので、実際には現実的な発散抑制措置を導入していただくということで、措置導入の可能性は十分にあるということで整理をさせていただいております。

 また、「湿潤化」ということで挙げておりますが、こちらについては前回の際にお出ししたアンケート結果等から、リフラクトリーセラミックファイバーを断熱材として用いる炉の施工・補修等において、作業場所等を湿潤化することは炉の安全性を確保する観点から技術的に困難ということで、この炉の施工、補修においては、作業場所の湿潤化の措置を導入する可能性は難しいということで整理をしております。

 続いて、(3)規制化の必要性です。リフラクトリーセラミックファイバーを製造し、又は取扱いを行う事業場においては、当該物質へのばく露がみられることから、作業工程全般に発散抑制措置が必要であるとともに、作業環境の管理のための作業環境測定、特殊健康診断の規制化を検討する必要がある。なお、RCFを断熱材等として用いた炉の施工等発散抑制措置が困難な作業場にあっては、呼吸用保護具の着用を義務付けるなど、別途ばく露防止措置の規制化を検討する必要があるということで、先ほどの措置内容で説明させていただいたような内容を書かせていただいております。それぞれ、措置内容についての必要性等についての総合評価については、全て規制が必要ということで整理させていただいております。

6ページの「対策オプション」です。この内容については、基本的には先ほどナフタレンの所で説明した内容とほぼ同じ考え方で整理をしていますので、説明はその部分については割愛いたします。

1つ、丸数字2の「技術的な実現可能性」ということで、炉の施工等の一部のリフラクトリーセラミックファイバーの取扱作業については、作業場所や作業の性質などにより、局排等の発散抑制措置の導入が困難である場合があるが、製造加工現場において実現不可能な問題は認められないということで、先ほどの技術的課題等も含めて、そうした形で整理をさせていただいております。

 次に、(2)最適な対策です。規制化の要否については、基本的には全て「要」ということで整理をしております。括弧を付けている部分については、1つにはヒアリング等でそうした措置が難しい現場があるということを把握しているということで、そうした状況を踏まえた括弧付けということで、基本的には「要」ということで整理させていただております。

 また、導入に当たって考慮すべき事項ということで、先ほどの措置内容の説明と重複しますが、全体的に読み上げさせていただきます。

 「労働衛生教育」につきましては、炉の施工等の作業については保護具の着用が義務付けられると。そういった場合については特別教育の実施が望まれるということで、導入に当たって考慮するべき事項ということで、提案させていただきます。

 また、「発散抑制措置」につきましては、密閉化と局排の設置のところについてまとめており、炉の施工等、発散抑制措置の導入が技術的に困難と考えられる作業場所については、呼吸用保護具等の着用などを義務化し、ばく露防止対策を講ずる必要があるということで、整理をしております。

 「漏洩防止」については、特定化学設備は含まないということで、その他の漏えい防止、作業場所以外への発散防止というところについては必要ということで、ただし特定化学設備は含まないということで整理しております。

 「作業環境改善」ですが、ここは一部矛盾があります。ここについては特になし、義務化は困難ということで示しておりますが、この部分については削除いただければと思います。申し訳ありません。

 続いて、「作業管理」です。作業主任者の選任要件、作業主任者の選任について必要ということで提案させていただいておりますが、選任要件については、リフラクトリーセラミックファイバーの性状等を勘案し、例えば石綿等の作業主任者の講習修了者とするなど、取り扱う作業の性質に応じた選任要件を考えるべきということで、考慮すべき事項を整理しております。

 「作業管理」です。発散抑制措置が困難な作業場所については、呼吸用保護具等の着用を義務付けるということで、整理をしております。

 「作業環境測定」ですが、炉の施工等の短期間の作業については、作業環境測定の対象とならないケースが多いですが、作業条件の記録のため、作業実施中に作業環境中のRCF濃度を測定、把握することを義務付ける必要があるということで、整理をしております。

 続いて7ページ、(3)留意事項丸数字1として、リスクが低いとされた作業にかかる規制の考慮ということで、2つほど事務局提案ということで書いております。1つ目は「成形品の取扱作業」ということで、成形品等を部品の1つとして機械等に組み込む作業ということで、形を変えず、かつもの自体の発じんの可能性が低いようなものについて、そうしたものを機械等に組み込む作業については、リスクが低い作業の1つと考えられるということで提案させていただいております。

 一方、先ほどのファイバー工業会からの資料にもありましたが、こうした成形品等が幾つもある中で、実際の発じん等の状況について模擬試験をしたのは1製品だけという状況ですので、その中で判断できる部分、もう少しデータが必要ではないかということで求める部分があるかと存じますので、ここについては模擬試験により判断ということで書かせていただいております。

 次に「ペースト状等の湿潤化された製品の取扱作業」ということで、炉等で使用される断熱材の補修等の作業。そうしたところでペースト状のものを使っているケースがあるということで、前回のアンケート結果にもございましたので、こうした作業についてはペースト状のもののみを取り扱うということであれば、発じんの恐れがない作業ということであれば、発じんの恐れがない作業と整理できるのではないかということで、事務局提案ということで書いております。

 そのほかの(4)規制の影響分析等については、先ほどナフタレンの所で整理させていただいた内容とほぼ同じ考え方で整理をしておりますので、説明は割愛させていただきます。以上です。

○菅野座長 まず、リスクが低い作業というのは後にしまして、措置シートの措置の内容について、御意見がありましたら頂きたいと思います。

○名古屋委員 6ページでもいいのですが、作業環境測定を義務付けようと、前確かに作業場の記録のための作業実態調査で、どういう把握をするということを義務付けしてやりましょうと書いているのです。前はそれが要るのかなと思ったのですが、ここの措置を見てくると、例えば4ページで、まず湿潤化しますよね。防じんマスクを義務付けていますね。要するにマスクしていますよねそれでも測定しなくてはいけないのかなということは、どうなのでしょうか。あれだけ厳しいアスベストだって測定してないのです。それから粉じん則だって、別表1と別表3で、確か別表2にはないはずなのです、解体作業は。

 そうすると、法律の整合性から考えても、ここを測定すること自体がおかしいのではないかな。要するに、現場の状況を把握するということではなくてやはりそれは、例えば作業現場から屋外に飛散させないために養生したとき、囲い等で対策をしたときに養生や囲いを外すときに、外に出てこないかなというのを確認するにはいいかもしれませんが、作業環境測定をここに義務付けるのは、余りにも過剰な規制ではないかな。だったらアスベストも測定してよという話になってくる。粉じん則だって測定してよという話になる。要するに、法律の整合性がとれないのではないかなと。ここのところは、書いてあるところは、測定の義務というのはおかしいのではないかなと思うのですよ。湿潤化して、マスクをして、それでかつ測定しろよというのは、ちょっと違うのではないかと。

○菅野座長 その点について、いかがでしょうか。インジウムのときには測定をしていると思うのですけれど。

○名古屋委員 それは多分マスクをするための基準がないから、測定をしてマスクを選びなさいということですよね。

○菅野座長 ええ、大体でも別のものと。

○名古屋委員 当然、解体のときも別に構わないのでしょう。要するに、それだったら電動ファン付き呼吸保護しなさいとすればいいのだけれど、測定する意味が分からないですよね。解体のところで測定する義務がよく分からない。現状把握して、そのときの作業というのは、では次にやるときにその作業に応用できますよとこの前言われて、確かにそうかなと思ったのです。でも、炉の解体って全部違うわけですね。大きい炉から小さい炉ありますね。それを全部測定すること自体は余り意味がないということは言いませんが、現場にとってすごい負荷になります。ましてこの場合、測定するのだとしたら、リフラクトリーセラミックの例えば解体するときって、クリストバライトが出ますね。だったらリフラクトリーセラミックをこの前学会で発表しましたが、解体したときって、リフラクトリーセラミックの中から30%ぐらいクリストバライトが出るわけです。そしたら、クリストバライトも測らなくてはいけないことになってくると、二重の測定が要るわけですね。それはきついのではないかな。

 それは湿潤化させて、かつ養生してあって、そこでマスクするという中で測定するのはあまりにも厳しいのではないですか。もし、測定をするのだとしたら、例えば作業中の濃度把握するのではなくて、作業が終了し、囲いなどの隔離を外したときに外に出ないことを確認するための測定は要りますよという形にしてあげたほうがいい、作業時の測定は現実的ではないかと思うのですね。

 施工のときもどうなのでしょうかね。本当に作業環境測定するのですか。要するに、作業環境測定するのはいいのですが、出たときにはもう結果終わっていますね、と。よほど大きい所で、1週間、2週間かかった。では測定しましょうよ。PCMで測定しましたよ。その結果が出たとき、その作業終わってますね。では、それをどこに応用しますかということは、多分マスクを義務付けているわけですよね。要するに、対策ができないからこそマスクを義務付けているという思想にもかかわらず、対策をして、マスクをしているにもかかわらず測定するということは、要するに今までの流れと反する流れなので、ここのところはきちんとしたほうがいいのではないかと思うのです。

○唐沢委員 ただいまの名古屋委員の御意見に、私もそうだと思うのですね。もし規則化するとすれば、やはり事業者の方々に理解して守っていただくことが求められると思いますので、ちょっと過重になるのも。そういうデータがあったほうが望ましいことは確かですけれどね。

○高村化学物質情報管理官 ありがとうございます。前回の御議論を踏まえて、提案をさせていただいております。ただ、御意見のとおりの部分もあるかと思いますが、一方で、呼吸用保護具の使用を義務付けるということで提案させていただいているのですが、呼吸用保護具の内容として、1つとして考えられるのは電動ファン付きのものを、要は非常に防護係数の高いものに対する保護具ということで、そうしたものを一律に義務付けるのか。それとも、適切な保護具とした上で類似の作業場所の濃度、それまでに把握している濃度に基づいて、それに対応する防護係数の保護具をすることを通達上等で示すのか、というところで、いろいろオプションがあるのかなとは考えておりまして。そういった呼吸用保護具の義務付けのところと、あと適切な保護具を選定する上での情報として、そういったものを活用できるようにするというようなところとのセットかとは考えているところです。

○名古屋委員 それでしたら、作業中のところの濃度の把握でいいわけですよね。作業測定は要らないわけですよね。

○高村化学物質情報管理官 作業環境測定なのですが、現在も、例えば臨時の作業、要は6月以上の作業が継続しない現場については適用から外れるという形で、解釈が示されております。そういう意味では、仮に6月以上の現場がある場合はやっていただく。それ以外については、現状の規制も外れるような形になっております。そういう意味では、多くの施工、補修、解体の現場においては、その上のリフラクトリーセラミックファイバー濃度の把握というところが義務付けられる。実際、実効上はそういったことで考えております。

○菅野座長 ほかに、この件について御意見あるでしょうか。

○名古屋委員 ということは、作業環境の測定のところは、要するに施工、補修、解体については、一部「×」という形にして。「○」で付くと、全部義務付けられているという形になりますよ。模様は変えますということ。

○高村化学物質情報管理官 そうですね。臨時の作業については、当然、除かれるという前提がありますので、現行の規定の中に載せていくとなると、6月以内の臨時の作業は除かれていきますので、それをどう表現するかというところだとは思うのです。

○名古屋委員 例えば、作業中のリフラクトリー濃度を把握しますよと要するに、この作業場では濃度が低かったから、その測った時点で、マスクを2区分から1区分に変更したと言うように選定しますという形になりますよ。

 次の作業に行ったときには、そこの作業現場は前の現場と同じ作業だから、では前の現場と同じマスクにするということは。多分、粉じんは、同じ様に見えるよな作業でも全然違うことが多々あるので、作業は測ったからといって、見た目の作業でマスクを選定できるという生易しいものではないと思います。ガスだったらある程度できるけれど、粉じんは作業の強度とかによって違うのです。やはりそこのところは濃度を測ったから緩くできるとしたら、作業している途中できちんとそれを測って、それによって濃度が低かったらマスクを軽減する。要するに2つのマスクを持っていってやるという形になってしまいますね。それは今までのやり方と違って、どうなのですか。

 インジウムのように、もともとものすごく発がん性の高いものは、初めからやって厳しくいきますよ、測ったときに緩めていきますよという形になると思うのです。もしかしたら、ここのところも比較的1クラスが大きいものでやっておいて、測定の結果に応じて低くしていくという段階ならいいけれど、前の作業がこうだったから、ではここのところは80%でよくて、では次も80%でいいということには絶対ならない。粉じんは、絶対そうにはならないと思うのです。作業によって全然違いますから、発じんの仕方が。そこのところで、その辺のことをきちんと書いてあげないと、難しいのではないかと私は思うのです。

○高村化学物質情報管理官 先生おっしゃるとおり、同じというか類似の作業場所ということで丸めた形で、先ほどは説明させていただいたのですが、正にほぼ同じような作業、繰返しの作業ですね。補修等の作業については、前回の応用が効くのかなというところでは考えております。基本的には、なかなか全く同じ条件でということはないだろうというのは、そのとおりだとは思っております。濃度の把握というところが非常に厳しいのではないか、という御意見を頂いたと思うのです。そうすると、今度は呼吸用保護具のところで、どういったものまでを義務付けるのかが検討が必要になるかと思うのですが、その点については。

○田中委員 名古屋委員と同じ意見なのですけれども、作業やりながら環境測定を行って、マスクのグレードを判断するのは、現実的に難しいし、ときとしてはばく露しているマスクを選択してしまったということでの問題点も出てくることを考えますと、ある程度その作業の種類なり安全係数も含めて、電動ファンのレベルなのか、あるいは防じんマスクのレベルなのかを含めた形での指導が必要と考えます。例えば通達を通じて、という指導が1つ選択肢にあるよということでありますが、その辺を少し現場に提示しないと対応できないのではないかと思います。そういう意味では、作業環境測定は少し事前にいろいろな例等で、協会等を通じながらまた協力してもらいながら、何か基準を設ける。そして指定防護係数なり防護係数を考慮しながら、呼吸用保護具の選定をする形になるのではないかと。

○名古屋委員 前のときは、解体に湿式が義務付けられてなかったので、電動ファンという話をしたのです。解体に湿式が義務付けられているので、そうするとそれほど高くなくても大丈夫だろう。でも、やはり区分3の99%は要るだろうと。要するに低いのではなく、そこは義務付けても大して負荷に、電動ファンをかけるよりはいいと思う。逆に言うと、測定してマスクを決めるのであれば、測定をしているお金に比べたらマスクのほうがはるかに安いわけですから、最初から高いマスクでもいいわけですね。だから、やはりそういう形で区分3ぐらいは義務付けておいたほうがいいのかな。

 要するに、後々のことを考えてという形でいく。もともと解体のときは電動ファンがいいかなと思ったのですが、それは湿潤化していることが義務付けられて、かつ、マスクをするのです。そうしたら多分、区分1クラスで大丈夫と思うのです。施工だとか補修だったら、もっと低くてもいいのだと思うのです。でも、そうはいってもなかなか選択できなかったら、電動ファンより1つ下の区分3くらいのクラスのマスクを義務付けておいてあげれば、多分クリアしてくるので、その辺のところは全部解決するのではないかと私は思うのです。

○櫻井委員 施工とか補修とか解体を専門にやるような業者だと、連続してそれに関わるわけなので、ほかとの整合性という点からいくと、やはり作業環境の測定が要るのではないかという気がするのですが。

○名古屋委員 例えば、アスベストの解体は。

○櫻井委員 それはなってない。

○名古屋委員 ないですね。

○櫻井委員 というのが、実は意外なのですね。

○__ アスベストはないという感じですかね。

○名古屋委員 あれだけ有害性が高いという形でも、測定を義務付けない。要するに、養生し、解体作業時は厳しい基準の防じんマスクで作業者の健康を守っていて、解体が終了し、養生を外すときに養生内部を測定して、それである基準、1ファイバーとかそういう基準以下であった。その基準をクリアしたら養生を外しても良いですよ、もし駄目だったらもう一度、養生内のアスベスト濃度を低くする対策を実施し直しなさいという形になっている。石綿と合わせて考えても、リフラクトリーセラミックに対して石綿に比べたらはるかに厳しいと思います。濃度としては近いのですが、石綿以上の厳しい規制をここに課けるということ。石綿は限られた作業でありますね。でも、ここは作業現場がたくさんあるわけですよね。そこに対して課けるというのは、やはり事業者に対して余りにも過剰な負担ではないかと、私は思うのです。

○菅野座長 前提として、解体作業についてはこの対策等が全くできないという前提に立っていると思うのですけれども。マキシムという人の論文では、リムーバルというのが多分書いてあると思うのです。確かに、ほかの作業についてよりも高いことは高いのですが、平均が数f/mL TWAです。ですので、先ほど名古屋先生が、解体の場所によって濃度が大幅に異なるというお話でしたが、それですと初めから対策は決めようが全くありません。

 その測定をする趣旨は、その工事期間中の対策方法を決めるというよりは、先ほど櫻井先生からも御指摘ありましたが、解体の業者さんはずっと解体をされているということですと、経験によってこのくらいの濃度になるというのが、測定をしてデータがあれば分かるでしょうから、そうすると適切なマスクが付けられるようになる。逆に、測定を一切しないでといいますか、ここで全く義務付けがないとしますと、測定はこれからもされないのではないかと思いますので、その点について考慮する必要があると思います。

 それから先ほどの協会からの御説明のときに、解体は余り丁寧にやられないというようなお話がありましたが、解体作業であっても、丁寧にやらない限りその危険性は増すわけですから。工具等でも、工具等に直接付けるような局排装置というのも市販されております。解体であってもそういうようなことを考慮して、実際にやるべきではないかと、私は思います。

○名古屋委員 でも、義務付けると、11回の解体で、全部測定しなくてはいけないわけですよね。

○菅野座長 ええ。ですから、それは現実にほとんどデータがないわけですよね。ですから、その法律は改正が可能なわけですから、そのデータが出て安全性がある程度確保されているとなったら、その規制を緩めることも可能だと思いますが。

○名古屋委員 それでは作業環境測定って、要するに65条のA測でやるのですか。

○菅野座長 いや、それとは違うという御説明でしたね。測定をどうするのかについて、細部は詰めてないと思いますけれども、作業環境測定とは別と先ほど説明があったと思います。

○名古屋委員 作業環境の測定で書いてあるのは、65ではないのですか。普通作業環境の測定って、そう思いますよね。普通65条の測定だと思いますよね。

○小野委員 作業環境測定と書くと、やはり法律に従った測定になりますよね。ですから、作業環境を把握するというふうに、ずっと読んでいくとそういうふうになっていますので、何らかのことは。前回からの議論の続きとして全く測定がない。ただ、それを業者さん、下請けの業者さんというか、別な業者さんになりますよね。ですから、そこの人たちに毎回の測定を義務付けるかというのは、現実的にどうかなとは思うのですけれども。誰かが濃度を把握していないと、結局、対策が有効だったかどうかということを担保できなくなります。作業環境測定という言葉が、全ての人というか、この業界の人の頭の中ではA測定ですか、B測定ですかということになりますので、ちょっと書きぶりなり説明が必要だと思います。

○唐沢委員 先ほど櫻井先生が、解体とか補修専門の事業者の方の労働者は、現場はそれぞれ恐らく6が月も継続してやる現場というのは少ないので、短期間に現場を移動して作業される。その場合、作業に従事する方は一貫して解体とか補修作業をされている。大変悩ましいところなのですね。ただ、RCFの作業環境濃度の測定が、簡便法が確立されていれば作業ごとに測定をしていただくというのもあり得るとは思うのですが、現在のところはやはりカウンティングメソッドでしょう。位相差顕微鏡でやらなくてはいけない、大変手間暇かかる。だから、それを法令上義務付けるというのは、フィージビリティーを考えますと、なかなか難しい面があるだろうと。

 だから、例えば業界団体で標準的な作業は、名古屋先生、現場で違うぞということあるのですが、ある程度共通項みたいな現場について、業界団体の方の自主的な測定とか、そういったものをやっていただいて。大体こういうような作業になれば、どの程度のばく露があるということを把握していただく。それはひいては、余りよくない話ですが、労災補償の対象になった場合、業務上外の判断にも非常に寄与する話だろうと思うのです。ただ、このRCFの健康障害防止のための措置を今検討しているわけですけれど、個別の解体とか補修現場で、その濃度測定をさせるのはなかなか無理があると、現実にはと思います。

○櫻井委員 今の御意見に賛成です。何か考えられる方法があるような気がしますね、今おっしゃったような何らかの形で。

○菅野座長 デジタル粉じん計のようなもので測れれば、非常に負担が少なくなるということです。

○名古屋委員 FAMが使えるようにはできるのですけれども。ただ、業界さんが買ってくれて使えばいいのですが、今のところ300万近くする。それは簡易測定ではあるのだけれども、機器としては高い。FAMが使えるという形のものは今やっていて、それは導入したいと思う。何かというと、製造業のところの中で使いたいと思った。それがうまくいければ持ってこられるのですけれどねただ、PCMで測っていると結構かかりますよね、値段も高いので。そうすると、やはり業界さんの中で指導してもらって、きちっと対策するとこうですよとなっているものを周知徹底する形の中で、それだからこそマスクのグレードの3ぐらいのところでお願いします、という形にしたほうがいいのではないかなと思うのです。

○小野委員 マスクについては、例えば鉛とか石綿とかダイオキシンという場合にはこれこれ以上という決まりを出しているケースもありますので、そういう形でRCFについてはこれ以上という分類の仕方があるかとは思います。

 今、解体の話ばかりが中心になっているのですが、例えば施工の場合にカッティングですとか、そういうものが入ると、そこがどうしても低減できないという海外のデータとかもあります。ですから、やはり重点的に見るべきところという、逆に適用除外というほうばかりが中心になるのですが、どこが重要なポイントかというところは押さえてなければいけないなと思うのです。すみません、適用除外の話です。

○菅野座長 適用除外について。

○高村化学物質情報管理官 先生おっしゃるとおり、施工、補修というのは非常にリスクの高い作業だということで、これについてはやはりマスク等の解体等に準ずるというか、そういったことを義務付けるということで、提案をさせていただいております。

 今の御意見を参考にさせていただいて、次回の措置内容等、また今回のものから修正をさせていただいて、そのときには呼吸用保護具のある程度レベルを指定した形で、一方で作業中の濃度、個人ばく露濃度等も想定をしておりますが、そういったものについては不必要というわけではないけれども、義務付けるほどのことはかなり厳しいのではないかというような御意見を踏まえまして、次回提案をさせていただきたいと思います。

○菅野座長 すみません、もう1点。除外可能な作業というものの御意見を承ってないのですが。7ページに、成形品の取扱いで「ペースト状の湿潤化された製品の取扱作業」について、御意見がありましたらお願いいたします。

○小野委員 7ページのほうは、「ペースト状の湿潤化された製品の取扱作業」という書き方で、4ページのほうですと、「バインダー等で処理された」ということになっていて、かなり違いまして。

○高村化学物質情報管理官 はい。

○小野委員 先ほども製品見せていただいて、バインダー処理だと、やはりカッティングとかをしたときには発じんがある可能性もあります。ですから、対策されたものについてどれを除外するかについては、もう一度御検討いただいたほうがよいかと思います。

○高村化学物質情報管理官 はい、整理をした上で、また提案をさせていただきます。この成形品の取扱作業とペースト状、やはり真空成形と、それからその上でのりを表面につけるという幾つかの処理のやり方が、段階もあるというお話も聞いております。その辺幾つか、もう少しもし模擬実験をやっていただけるのであればやっていただいて、その上でまた提案ということでさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○菅野座長 ペースト状の製品というのがあって、先ほど拝見しましたが、あれからの発じんはないと考えてもいいだろうと私は思いますけれども。実際にその補修をされるときに、それのみを使ってされるのかどうかという点が明らかではない。

○高村化学物質情報管理官 多分、考えられるものとしては、補修等のときに簡便な補修として穴を埋めるとか、そういったものまでも、先ほどのマスクだとか何だとかというところまで含めるのか。そういったところを想定すると、ペースト状のみを取り扱うような作業ももしかしたらあるのではないか。そこの辺りを考慮しての今回の提案です。

 それから成形品については先ほど申し上げたように、いろいろな加工の仕方があって、かつ、全く切ったりとかそういう作業がなく、ただ取り付けるだけの作業ということで、その辺りについてどこまで規制の対象にするのかというところで、やはり過剰な部分は取り除きたいという観点で、少し御議論いただきたいということで提案させていただきました。次回、御議論いただくように、もう少しデータをそろえたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○櫻井委員 呼吸用保護具の着用記録の保存というのは、まだ義務化されて、特にないですよね。一応、検討していただきたいなと思って。

○高村化学物質情報管理官 分かりました。ちょっとほかのものとも見比べて、次回までに整理をしたいと思います。ありがとうございます。

○菅野座長 ほかにはいかがでしょうか。司会者が不手際なものでちょっと時間を過ぎてしまいましたが、最後にもう1つ次回の予定について御説明をお願いいたします。

○高村化学物質情報管理官 次回の日程ですが、年末押し迫まってで申し訳ありませんが、1225日、午後3時半から5時半ということで、この同じ12階の専用12会議室を予定しております。よろしくお願いいたします。できれば、次回のときに措置のシートについて、取りまとめる方向で御議論いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○菅野座長 12会議室ですね。

○高村化学物質情報管理官 12階の12、ここは14です。御案内を出させていただきます。

○菅野座長 どうもありがとうございます。よろしくお願いします。


(了)
<照会先>

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室
(電話番号)03(5253)1111(内線5511)

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