ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 統計情報部が実施する検討会等 > 厚生労働統計の整備に関する検討会 > 第13回厚生労働統計の整備に関する検討会 議事録(2015年3月26日)




2015年3月26日 第13回厚生労働統計の整備に関する検討会 議事録

大臣官房統計情報部企画課統計企画調整室

○日時

平成27年3月26日(木)13:00〜15:00


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省19階 共用第8会議室(1908)


○出席者

委員(五十音順、敬称略、◎:座長)

◎阿藤 誠
  阿部 正浩
  石川 広己
  今田 幸子
  大江 和彦
  柏女 霊峰
  玄田 有史
  齋藤 英彦
  土屋 了介
  樋田 勉
  永井 暁子
  永瀬 伸子
  野口 晴子
  原 ひろみ

構成員以外の関係者

  西郷 浩 (早稲田大学政治経済学術院教授)
  津谷 典子 (慶應義塾大学経済学部教授)
  廣松 毅 (情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科特任教授)

事務局

  姉崎統計情報部長
  三富企画課長
  武隈統計企画調整室長
  手計統計企画調整室長補佐
  秋山統計企画調整室技術調査官
  田中審査解析室長
  田邉世帯統計室長
  越路世帯統計室縦断調査管理官
  竹沢国立社会保障・人口問題研究所企画部第三室長

○議題

1 「公的統計の整備に関する基本的な計画」別表の検討状況等について
 (1) 社会保障費用統計の公表時期の早期化等
 (2) 医療、福祉及び介護に関連する統計の統計体系
 (3) 国民生活基礎調査(基幹統計調査)の標本規模の拡大
 (4) 21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の今後の調査の方向性等
2 その他

○議事

 

○三富企画課長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「第13回厚生労働統計の整備に関する検討会」を開会させていただきます。委員の皆様方におかれましては、年度末のお忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は、加藤委員が御欠席でございます。また、柏女委員と永井委員につきましては、遅れて御出席されるとの御連絡をいただいております。また、土屋委員におかれましては2時30分に、大江委員におかれましては2時40分にそれぞれ御退席されるということでございます。

 それでは、早速でございますが、以後の進行については阿藤座長にお願いいたします。


○阿藤座長

 皆様、本日は年度末のお忙しい中、お集まりいただき大変ありがとうございます。

 それでは、議事を進めてまいりたいと思います。

 本日の議題でございますが、「「公的統計の整備に関する基本的な計画」別表の検討状況等について」ということでございますので、これを事務局から御説明していただいた上で、皆様に御議論いただくことになっております。

 まずは、「公的統計の整備に関する基本的な計画」別表及び事務の流れについて、事務局より御説明をお願いいたします。


○武隈統計企画調整室長

 統計企画調整室長の武隈と申します。私から、資料1の「公的統計の整備に関する基本的な計画」別表について説明させていただきます。

 その前に、一連の事務の流れについて説明をさせていただきます。

 御案内のように、平成26年3月25日に第期基本計画が閣議決定されました。各府省は、この別表等で掲げられた具体的な課題に対して改善のための検討・実施を行い、その結果を毎年、総務省に報告することとなっております。

 その後、総務省において各府省から報告された個別課題や府省横断的な課題への対策状況を取りまとめた、「統計法施行状況報告」が6月頃に統計委員会へ報告されます。その後、6月から9月にかけて、その報告書に記載された各府省における進捗状況について統計委員会にて審議が行われ、9月下旬頃に審議結果報告書が取りまとめられるという運びになろうかと存じます。

 本日の検討会におきましては、別表の課題の進捗状況につきまして総務省へ報告する前に、委員の皆様の専門的見地から御意見・御助言を賜るため、御議論いただきたいと存じます。

 それでは、資料1を御覧ください。資料1は、第期基本計画別表から厚生労働省が取り組む課題を中心に抜粋したものでございます。

 この中で、厚生労働省単独の課題は4つございます。

 1つ目は、「社会保障費用統計の公表時期の早期化、ILO基準に基づいた制度間移転のクロス集計の充実及び集計項目の細分化に努める」でございます。

 2つ目は、「医療、福祉及び介護に関連する統計について、統計の利便性、有用性等の向上を図るため、これらの分野における統計体系の全体像を整理し、公表する」でございます。

 3つ目は、「国民生活基礎調査(基幹統計調査)の所得票及び貯蓄票を用いた調査結果において、都道府県別表章が可能となるよう標本規模を拡大することについて、試験調査等を実施し、その結果を踏まえて検討する」でございます。

 最後に4つ目ですけれども、「21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の調査対象者が平成25年度に中学生になったことを勘案し、関係府省との調整を含め、今後の調査の方向性や調査内容について検討する」となっております。

 以上でございます。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 それでは、議事次第にございます議事の1の「(1)社会保障費用統計の公表時期の早期化等」について、事務局より御説明をお願いいたします。


○竹沢国立社会保障・人口問題研究所企画部第三室長

国立社会保障・人口問題研究所の竹沢と申します。社会保障費用統計の検討状況について御説明いたします。

 資料2と資料2−別紙1を御覧ください。今年度は、指摘事項につきまして有識者ヒアリングと研究会を開催し検討を進めてまいりました。

 進捗状況の説明に入ります前に、簡単に社会保障費用統計の概要を御説明させていただきます。別紙1を御覧ください。社会保障費用統計は、我が国の社会保障制度に係る1年間の支出とその財源収入を集計し、制度全体の収支規模や政策分野ごとの構成を明らかにするものでございます。

 集計内容としましては、社会保障支出に係る統計(OECD基準表)と社会保障給付に係る統計(ILO基準表)の2つございます。OECD基準表は、支出に関する集計でありまして、ILO基準は、支出に加えまして財源の集計もしているという点が違います。このOECDILOの2つの基準表が基幹統計の指定を受けている表でございまして、第期基本計画で指摘を受けておりますのも、この2表についてでございます。

 最後に、公表時期でございますが、翌々年度の秋、毎年10月から12月と幅がありますが、その間に公表しております。

 では、進捗状況について御説明いたします。

 別紙2の「公表の早期化」を御覧ください。今年度ですが、関係部局の協力を得まして、昨年度に比べまして公表を1か月前倒しいたしました。3年度分を並べて記載しておりますが、一番上の25年度実績を御覧ください。OECD基準の「保健」は、厚生労働省の国民医療費のうち、患者負担を除く額を使用しております。例年、この国民医療費は9月上旬に公表前の暫定値の提供を受けておりますが、一昨年はこの提供が10月にずれ込みました。その影響で、社会保障費用統計のほうも公表が12月と、遅くなりました。

 今年度の対策としましては、年度の初めに同統計の作成部局に提供の早期化を要請いたしまして、昨年より早く、8月末に提供を受けることができました。その結果としまして、社会保障費用統計も昨年度よりは1か月早く11月に公表することが可能となりました。別紙2の中段の26年度実績というところでございます。

 来年度以降ですが、更なる早期化に向けて検討を進めているところでございまして、暫定値としてまとまる前の元データの段階で提供を受けることが可能かどうかなどを含めまして、国民医療費の作成部局との間で更に早期化が可能かどうか検討を進めているところでございます。

 2点目の「制度間移転のクロス集計の充実」の説明に移ります。資料2−別紙3を併せて御覧ください。

 この「制度間移転のクロス集計の充実」につきまして、統計委員会の委員から、医療の財政調整のように制度から制度へ財源が移転するようなものに関して、現状のILO基準表ではそのお金の流れがよく分からない、更に分かりやすく示した表があると良いのではないかという趣旨で御発言をいただきました。今年度につきましては、有識者の御意見を踏まえまして、医療、年金、介護の部門ごとにILO基準表の参考表としてクロス集計を作成する方針を固めました。その上で、今年度は介護の試案を作成いたしました。

 まず、資料2−別紙3に示しておりますのは、現状のILO基準表における介護の部分のお金の流れの示し方であります。介護保険の第2号被保険者の保険料は、まずそれぞれの医療保険、全国健康保険協会から各種共済までの間ですけれども、医療保険料と一緒に介護保険料の被保険者拠出及び事業主拠出が集められております。その介護分につきまして、各医療保険制度から一旦支出として出ていきまして、介護納付金という形で社会保険診療報酬支払基金に納められます。その支払基金から各市町村の介護保険制度に支払基金交付金としてお金が流れていくことになっておりまして、この支払基金交付金は「他制度からの移転」というところに計上されております。

 こうした形になっておりますので、現状のILO基準表の介護保険におきましては、収入の部分では被保険者拠出として計上されているのは第1号被保険者分のみでありまして、第2号分につきましては、この収入の被保険者、事業主のところではなく、「他制度からの移転」に計上される記載になっております。

 こうした介護保険の財源の記載方法につきまして、有識者の方より、介護保険の財源は被保険者と事業主がそれぞれ負担しているはずであるのに、なぜここには事業主拠出の計上がないのかという疑問が出されまして、介護保険の第2号被保険者保険料についても、被保険者、事業主、それぞれ負担があることが分かるような形で示したほうが良いのではないかという御意見をいただきました。

 御意見を踏まえ作成しましたのが資料2−別紙4で、介護の参考表案になります。

 こちらは、各医療保険の介護分を、介護保険制度の第2号分として付け替える形で記載いたします。そして、介護納付金から支払基金に行き、また支払基金交付金として介護保険に入ってくる流れは削除する形になります。来年度、この参考表はホームページ上に掲載する予定でございます。

 また、医療、年金につきましても試案の作成を順次進めてまいりまして、来年度以降、作成が整い次第、掲載していく方向でございます。

 最後の3点目、「集計項目の細分化」について御説明いたします。資料2−別紙5を御覧ください。

OECD基準表は、公表資料に掲載しているものとは別に、ホームページに政策分野別に制度レベルまで細分化した表を参考として掲載しているところでございます。ですが、有識者の方より、OECD基準「保健」につきまして、更に細分化して公表すべきという御指摘をいただきました。そこで、今年度は「保健」を中心に精査を進めまして、来年度は制度レベルに細かくして公表する予定でございます。

 別紙5に示してございますが、左側が現状のホームページに掲載している表の保健の記載でありまして、現物の「国民医療費」と「その他」という2つの区分しかございません。

 今後の細分化の案としましては、右側ですが、現物の中を更に細かく制度別レベルまで分けて公表するということでございます。ただ、国民医療費の内訳が分かる形として残してほしいというリクエストもございますので、再掲として国民医療費の部分の金額が分かる形で示す予定でございます。

 もう一点、「集計項目の細分化」の御指摘への対応としまして、OECD基準「家族」の部分の細分化がございます。別紙6を御覧ください。「家族」につきましては、制度レベルに分けて示しているところでございますけれども、それよりも保育や児童手当といった中身を細かく示してほしいといった要望が関係府省からも多く寄せられておりまして、来年度以降、制度レベルよりも細分化して公表する方向でございます。

 別紙6に示してございますが、左側が現状でありまして、制度のレベルまでを示しております。右側は細分化の案でございまして、各制度の更にその下の細かい支出の内訳を示している形になっております。来年度以降、この細分化したものをホームページ上に掲載していく予定でございます。

 以上でございます。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局の御説明について、御質問も含めて委員の皆様方、何かございますか。

 特にございませんか。

 それでは、この項目につきましては、事務局からの御報告に対し、当検討会として修正を求める意見はないと整理させていただきたいと思います。

 事務局から特に追加はございませんか。


○竹沢国立社会保障・人口問題研究所企画部第三室長

 ございません。


○阿藤座長

 それでは、2つ目の課題に進みたいと思います。議事次第にございます議事の1の「(2)医療、福祉及び介護に関連する統計の統計体系」について、事務局より御説明をお願いいたします。


○武隈統計企画調整室長

 それでは、資料3を御覧ください。資料に基づきまして説明させていただきます。

 具体的な課題としましては、「具体的な措置、方策等」の欄に書いておりますが、多数の統計調査及び行政記録情報に基づき作成及び提供されている医療、福祉及び介護に関連する統計について、統計の利便性、有用性等の向上を図るため、これらの分野における統計体系の全体像を整理し、公表するという課題が挙げられております。これにつきましては、当時の統計委員会との議論におきまして、ホームページ上に載っている資料を整理するということで了解をいただいております。

 その対策の基本的な考え方につきましては、下の欄の1を御覧いただければと思いますけれども、まず、医療、福祉及び介護関係に限らず、厚生労働統計全体について検討することが適当と考えました。これらの統計の体系図である、既存の資料3−別紙1を御覧ください。これが現行のものですけれども、これを改善することを考えました。

 これまでの体系図におきましては、調査統計と加工統計を含めて作成してきたところですけれども、統計委員会より、業務統計も含めて整理していくべきという御指摘をいただきまして、それらも含めて整理を考えました。今、考えている案は資料3−別紙2になります。煩雑ですけれども、合わせて対比しながら話をお聞きいただければと思います。

 体系図の作成に当たりましては、分野別に区分する等、専門家の方々はヘビーユーザーで、大分熟知していただいているかと思いますが、どちらかといいますと、一般の利用者の方にとって分かりやすい全体像を示すという観点から検討を行ってきたところです。

 現在の統計一覧は、別紙1ですけれども、これにつきましては、私どもとしましても次のような課題があると考えておりました。

 まず、分野によって含まれる統計の数が異なり、分野によっては多くの統計が掲載されている。また、統計の数に比して、13分野がありますが、区分が大括りで、大雑把であると考えました。

 それから、としまして、似たようなテーマの統計が分散して掲載されている。大きな区分の中に、区分の違うテーマの統計が医療や社会保険の分野、保健衛生の中では混在しているという課題があると考えます。

 それから、としましては、業務統計が十分に掲載されていないというところが課題と考えております。

 課題に対する改善策ということで、既存の別紙1というのは約100本の統計が載っているところですけれども、統計委員会からの御指摘を踏まえて、業務統計(約70本)を追加し、分野を更に細分化することによって整理することとしました。基本的には、今まで1階層だったものを、大分野と中分野の2階層としました。更に統計が多くある、別紙2の3.3.辺りにつきましては、小分野まで設けて整理することとしました。

 これにより、利用したい統計が明らかでない場合は、これまでは利用者が分野によっては多くの統計がある中でしらみ潰しに統計を当たらなければならなかったところですけれども、細かく分野を整理したことによりまして、細分化された分野名が言わばメニューとなりまして、これを手がかりにして、より狭い範囲である中・小分野の中を確認すればよくなり、簡単に得たい統計にたどり着けるようになるのではないかと考えております。それから、全体的にどういう分野の統計があるのか、これも今よりは分かりやすくなるものと考えております。

 「4 今後の予定」としましては、別紙2の改善案を年度末までにウェブサイトに掲載することとしております。

 続きまして、別紙3、4を御覧いただければと思います。

 別紙3というのは、厚生労働統計一覧ということで、統計について2行ぐらいで調査内容や概要を示した一覧が今もありますが、特に「保健衛生」のところ、1枚目から2枚目の裏面までを御覧いただければと思います。統計が各部局ごとの整理となっておりまして、分野が異なるものが混在している状況になっております。これにつきましても、別紙2の分野に基づきまして、別紙4のとおり、中分野を設けて、今までより見やすくしようと考えております。これにつきましては、4月中をめどに改正しようと考えております。

 統計委員会からの御指摘に対しては、最低限のことは果たした上で、27年度以降の取組としましては、追加的に、分野内において多く統計がある中で、各統計の特徴や違いをより分かりやすくした説明資料の掲載を検討することとしております。飛び飛びで恐縮ですけれども、資料3−別紙5を御覧いただければと思います。まだイメージの段階で、違いを分かりやすくというところまで行っていないのですが、その分野内の統計について、一般の方から見てどのような違いがあるのか、どのような特徴があるのか、分かりやすい資料を来年度以降、検討していきたいと考えております。

 私からの説明は以上です。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局の御説明について、御質問等ございましたら、お願いします。
 どうぞ。


○土屋委員

 教えていただきたいのですが、この資料3−別紙5というのは、ウェブサイトにこのような形で載ると解釈してよろしいですか。


○武隈統計企画調整室長

 今後、作成しましたら掲載する予定で考えております。


○土屋委員

 これに検索機能というか、全部覚えるのは大変なので、このようなものを見たいというものは引っ張り出せると考えてよろしいですか。


○武隈統計企画調整室長

 このような統計はありませんかというのを作るのが理想だと考えておりますけれども、そこに検索機能が付いていくかということについては、まだ検討中でございます。


○阿藤座長

 他にございますか。
 どうぞ、永瀬委員。


○永瀬委員

 資料3−別紙2の改善案ですけれども、一般市民や学生などが調べたいことがどの調査から分かるのか、調査を探すためにこの表を使うと思うのですが、例えば「年金保険」というところを見ますと、「国民生活基礎調査」が「5.4.介護保険」のほうには載っているのですけれども、「5.3.年金保険」のほうには載っておりません。ここにも入っていたほうが使いやすいのではないかと考えます。このように、分野によって入っていたほうが良いと思われるもので抜けているものは、入れたほうが良いと思います。

 それから、とても大きな話ですけれども、雇用関係の欄をみますと、総務省の『労働力調査』や『就業構造基本調査』は世帯を対象とした調査としてありますが、厚生労働省の様々な調査はそのほとんどが雇用者を対象として企業を通じて行う調査です。つまり世帯・個人を対象として調査票を配る類の調査が余り実施されていないということでございます。現在では非正規雇用者が雇用者の4割ぐらいになっていまして、このタイプの雇用では無職化したり、有業化したりという労働市場の出入りが正社員に比べますと非常に多いです。またそこが今の日本の大きな雇用問題になっています。ですので、このような人たちについては、事業所を通じて調査をしても、離職しているなどして、十分に調査ができないことも少なくない。つまり世帯に聞くという形での労働関係の調査が充実する必要があるのではないかというのを、調査の整理をいただいた表から感じます。


○武隈統計企画調整室長

 1点目の御指摘につきましては、先生と御相談させていただいて、載せたほうが良いところを個別に教えていただければと思います。

 それから、2点目の労働関係の調査の充実についてですけれども、このように体系図を整理すると、今、先生がおっしゃったように、他にも分野によっては、調査が厚いところと薄いところもありますので、そこにつきましては、直ちに今すぐどうこうできるわけではないのですけれども、これを見た結果として、そのような大きな観点からの統計の在り方というのも、私どもとしても検討していく必要があると考えております。

 それから、少し補足させていただきたいのですけれども、別紙2の一番右側に「関連資料」としまして、厚生労働省の統計だけではなく、関連しているもので、例えば「国勢調査」や「人口推計」、「将来推計人口・世帯数」、それから永瀬委員が今、おっしゃった「労働力調査」や「就業構造基本調査」等、掲載の問合せ等もあり、関連して載せておいたほうが利用者にとって便利だろうというものについては、載せてあります。検索機能までは、なかなか難しいかもしれませんが、理想としましては、例えば「毎月勤労統計調査」と「賃金構造基本統計調査」の違いは何ですかなどについて説明したFAQのようなものを作っていければ良いと、事務局では考えているところです。


○阿藤座長

 永瀬委員、よろしいですか。

 どうぞ、阿部委員。


○阿部委員

 これに直接関係ないのですが、ここまできれいに整理されているので、かえって言いたくなってしまったのですが、実はここから実際のデータをとりに行こうとすると、最終的にはe-Statに行きますが、e-Statが見にくいのです。厚生労働省のホームページをきれいに整理されてしまうと、e-Statがとても煩雑というか、ユーザーフレンドリーではない。何をこれでとれるのだろうかという、よく分からない表題が付いていたりするときがあるので、e-Statまでそのうち整理していただきたい。要望ですので、別にお答えいただかなくても結構です。


○武隈統計企画調整室長

 e-Statは総務省の所管ですので、今の阿部委員の御意見を伝えてまいりたいと思います。


○阿藤座長

 他にございますか。
 どうぞ、玄田委員。


○玄田委員

 御質問申し上げます。2つあります。

 1つは、斜体は業務統計と書いてありますが、私など、大分年をとっている人間には、斜体なのか、斜体ではないのか、少し分かりにくい。特に、これぐらいフォントが小さくなりますと、非常に見づらいという不便をお感じの方もいらっしゃるかもしれませんので、斜体がいいのか、色分けがいいのかという表現の仕方については、今一度御検討いただけないかというのが1点であります。

 もう一点は、質問でございます。拝見しておりますと、年報、月報、報告と細かく入っております。これは、統計の定義の問題で、統計調査、業務統計、そして報告というものの関係について、今一度教えていただけませんでしょうか。報告ということであれば、総務省に就業構造基本調査報告というのもございまして、賃金構造基本統計調査も賃金センサスという報告もございます。この辺りについて、どういう理解でこのように整理されて年報、月報、報告等を掲載されているかということを確認させていただければと思います。


○武隈統計企画調整室長

 最初の斜体か色分けかというところで、色分けまでは検討しなかったのですけれども、業務統計について統計名の後ろに※印や星印を付けようかという議論があり、現時点で調査統計が約100本と業務統計が約70本ございまして、100本に対して5本ぐらいでしたら目立つように何かを付けても良いかと考えたところです。100本と70本ですと全部に色分けや星印を付けると、見ていて煩雑かなという議論もございましたが、先生の御意見を踏まえまして、もう少し見やすい方法を検討したいと思います。

 それから、基本的に報告や調査というところにつきましては、基幹統計は調査とするというのが原則になっておりまして、行政記録等で報告と名乗っているものは、そのまま報告としております。


○西郷先生

 関連することなので、私もオブザーバーですが伺いたいのですけれども。基幹統計に関しては統計を作る手段として調査があるというのが今の統計法の整理です。一般統計のときにそれをどのように呼ぶのかというのは決まりがないので、一覧表にしたときにどのように調査と統計を使い分けたら良いかというのは、何か方針を決めて整理したほうが良いのではないかと思います。玄田先生の質問のときにそのように感じて、今の御説明でも、またそう感じましたので、御検討いただければと思います。


○阿藤座長

 それは、統計委員会の役割でもないのですか。


○西郷先生

 統計法では統計を作る手段として調査があるのだという位置付けは揺るぎないものです。ただ、それをユーザーの側にどのように分かりやすく表章したら良いのかというところは、省庁にある程度自由が認められているような状態です。

 特に厚生労働省の統計は非常に多岐にわたるものですから、統一するのはなかなか難しいかもしれないですけれども、あるところでは調査と呼んで、あるところでは統計となっているというのが混在していると、とても分かりにくいという面はあると思いますので、その辺も、原則として調査名ないしは統計名で表して、必ずしもそれがユーザーにとって分かりやすくないときには、少し変則的な処理もしているという原則を考えていただくと良いのかなと思いました。


○阿藤座長

 津谷先生、どうぞ。


○津谷先生

 私もオブザーバーですが、意見を述べさせていただきます。西郷先生がおっしゃったように、基幹統計については基幹統計調査と、その調査の結果得られる統計というものをきちんと区別するということは法的な根拠があって行っているわけです。ですので、例えば就業構造基本調査という基幹統計調査がありますが、その調査の結果得られた統計は就業構造基本統計と呼ばれています。

 先ほどの玄田先生のお尋ねですが、例えば国勢調査を実施したときに、その国勢調査の結果を出す場合、その報告書を国勢調査報告と呼んでいます。それに対して、各種の行政記録をまとめて出す場合も行政記録報告と呼ばれている場合が多いので、同じ「報告」といってもその区別が分かりにくい。したがって、どういう基準で「報告」という名称を使っているのか、どのようなルールがあるのかというお尋ねでしょうか。


○玄田委員

 そうです。


○津谷先生

 統一された基準やルールを説明することはなかなか難しいと思います。例えば、労働力調査の報告は月報があり、その一年間の平均を年報として出しています。このような名称は、ある意味固有名詞化しています。確か以前に統計委員会でもこれについてのお話が出たことがあり、基準を統一するのか、統一するとするなら、どのような基準を設けるのかという意見と質問が出たことがあります。

 とはいえ、長い間使われてきた名称を変更するとなるととても大変で、どこまで踏み込むべきなのかということについて合意を得ることは短期的には難しいという懸念があると思います。

 ですので、個人的な意見ですが、中・長期的には、統計と報告がどう違うのかということをきちんと定義し、それを明文化する際の基準を設けて、変更後の名称について根気よく説明と広報をしていくしかないのではないかと思います。例えば、今すぐに国勢調査報告という名前を変えるということは難しいように思います。もし私の記憶に間違いがあるようでしたら、西郷先生、廣松先生、お教え願えればと思います。

 以上です。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 事務局から今の御意見に対して何かございますか。


○武隈統計企画調整室長

 確かに、今、津谷先生がおっしゃられたように、この一覧表だけ名前を変えても、リンク先に元の名前があるので、そこから変える必要が出てくる面もあるので、西郷先生の御指摘もごもっともかと思いましたけれども、元の名前を変えるというのもなかなか難しいかなと、今、聞いていて感じたところです。ただ、もし何か改善できる余地があれば、再度考えてみたいと思います。


○阿藤座長

 他にございますか。
 どうぞ、樋田委員。


○樋田委員

 これらの統計については,都道府県別の比較に利用したいという利用ニーズが高いと予想されます。資料3−別紙5の表で、どの統計で都道府県別の比較ができるのかが分かるような形になっていると利用しやすいのではないでしょうか。


○武隈統計企画調整室長

 御指摘を踏まえまして検討したいと思います。直ちにできないとしても、ホームページに掲載した後に、再度よく調べて、どういう区分の仕方が良いのかというのを検討したいと思います。


○阿藤座長

 他にございますか。よろしいでしょうか。

 それでは、様々な御意見が出ましたが、既にお答えいただいたものもございますけれども、全体として事務局でもう一回整理していただいて、それを踏まえて追加するものは追加し、整理していただきたい。新しい提案もございましたけれども、これは大きな話ですので、また別途、御検討いただき、e-Statの改善等の問題につきましては統計局に伝えるなど、整理された上で御検討し、現在の改善案をより良いものにして総務省へ提示いただきたいと思います。それでよろしいでしょうか。


○武隈統計企画調整室長

 はい。


○阿藤座長

 それでは、3つ目の課題に進みたいと思います。議事次第にございます議事の1の「(3)国民生活基礎調査(基幹統計調査)の標本規模の拡大」について、事務局より御説明をお願いいたします。


○田邉世帯統計室長

 世帯統計室の田邉でございます。当室の関係で基本計画の課題になっておりますものが2本ございますけれども、その1本目、今、御紹介のありました国民生活基礎調査関係から御説明させていただきたいと思います。資料4を御覧ください。

 国民生活基礎調査に関しまして、所得票及び貯蓄票を用いた調査結果において、都道府県別表章が可能となるよう標本規模を拡大することについて検討してくださいという課題でございます。

 この件につきましては、前回、12月に開催していただきました、本検討会で御議論いただいた課題でございます。これは、本来であれば試験調査を実施し、検証するということで準備をしていたわけでございますけれども、残念ながら実行するための経費が認められなかったということで実施できませんでした。そこで私どもとしましては、これに代わる方法として、全国の自治体等を対象としたアンケート調査、調査協力機関へのヒアリング、それと過去に行った試験調査の結果等を参考にしながら検討させていただいたというところでございます。

 資料4の別紙1と2を御覧いただきたいと思います。こちらは、今、申し上げましたアンケート結果を取りまとめた報告書でございます。前回、この内容につきまして報告させていただきましたけれども、その際、様々な御意見をいただいたところです。ここにお示ししているものは、いただいた御意見を反映した取りまとめの最終案でございます。新旧対照表と合わせまして、本日、改めて御確認いただきたいと思います。

 早速ですけれども、本編1ページを御覧いただきたいと思います。1の「経緯と主旨」の中段ぐらいになりますけれども、「また」以降の統計委員会関連の文章でございます。ここにつきましては、今回の検討結果が平成25年の大規模調査を実施する際に、統計委員会からいただいた答申の指摘事項に結果的にお答えしていくという部分もございますので、その背景の一つとして冒頭に明記させていただいたところでございます。1ページは、これだけでございます。

 今回、最も大きく補強させていただいた部分が23ページからのまとめの部分でございます。

 まず、タイトルを前回、御提案時は「まとめ」という形にしておりましたけれども、これを「今後の対応の方向性」というタイトルに改めました。そして、前文に、昨年開催いただきました「第12回厚生労働統計の整備に関する検討会」の場で有識者の皆様に御意見をいただいた経過を追加させていただいております。

 次に、調査計画の見直しについてということで、「(1)新調査票案について」でございます。具体的には、負担軽減の観点で、現在、大規模調査は5つの調査票で実施しておりますけれども、これを2つの調査票にまとめる。

 さらに、約3割の調査事項を削減することを我々は考えたわけですけれども、これにつきましては、アンケート結果による地方公共団体のみならず、本検討会の多くの委員の皆様から、その実現性への懸念が示されたということを明記いたしました。また、「特に整備検討会の有識者からは、削減される調査事項の中には、厚生労働行政の根幹に関わるものも多く、失われる情報が得られる新たな情報との見合いで妥当かどうか疑問であり、調査計画の変更に際しては、標本規模の拡大に伴う事務や調査対象者の負担なども含んだコストとベネフィットの視点が必要との指摘と強い懸念が示された」ということで、先生方からいただいた意見の趣旨を盛り込んだところでございます。

 次に、24ページを御覧いただきたいと思います。「(3)評価についての判断」でございます。

 ここでは、検討結果を3つに整理させていただきました。

 まず第1に、大幅な調査事項削減によっても、調査対象者及び地方公共団体等の負担は必ずしも軽減されないこと。これは、今回のアンケートの結果をそのまま反映したものでございます。

 第2に、削減される調査事項の中には厚生労働行政の根幹に関わるものが多く、失われる情報と得られる新たな情報との見合いで妥当とは言えないとの指摘があること。

 第3に、調査時期の統一及び調査ルート一元化によっても、増加する業務に支障なく対応することについて地方公共団体の組織体制により実情に大きな差があることでございます。以上のことから、調査実施者、すなわち厚生労働省としては、この所得票及び貯蓄票の標本規模の拡大につきましては、事実上困難であると判断するということを明記させていただいたところでございます。

 それから、「2 推進すべき調査計画の変更等について」というところでございます。

 まず、統計委員会の答申への対応ということでございますけれども、この答申の中で具体的に指摘されているものとして、非標本誤差の縮小というものがございます。具体的には、都市部における若年の単独世帯が対象としてつかみ切れていないのではないかという御指摘でございます。この課題に関しまして、今回のアンケート結果等の検討で、調査票の回収方法について、郵送調査やコールセンターの導入がある程度効果的ではないかといった方向性が見えてまいりました。

 ただし、郵送調査を導入する際は、調査票の審査等ができなくなることによって、記入率あるいは正確性の低下といったことがございますので、その点に留意しながら、あくまでも現行の調査員による調査方法を補完するための手段として、例えば調査対象者にどうしても面接できない場合に限定するといった活用が適当ではないかといった、なお書きを追記しております。

 最後に、「(2)国民生活基礎調査の改善に関する検討」というところでございます。これは、前回のこの検討会で主たる議題以外に、国民生活基礎調査の在り方そのものに関する御意見も多くいただいたところでございます。それらの御意見につきまして、あえてここでまとめさせていただいて、今後の中長期的な課題として記録させていただきたいという趣旨でございます。

 まず、「(ア)国民生活基礎調査の有用性を高めるために必要な調査計画の検討」ということでございますが、地方公共団体の負担軽減を図るための方法として、特に調査票の回収方法について、オンライン化を含めた検討の必要性が指摘されたところでございます。

 また、把握情報の相互クロス分析等の充実を可能とする標本設計ということで、具体的に現行調査におきましては、所得と介護の状況がクロスできない設計になっております。

これらの点について御指摘いただいたことを踏まえた課題としてリストアップしました。

 次に、「(イ)国民生活基礎調査に求められる調査事項の検討」ということでございますが、世帯票等の調査事項の充実等という表現にしております。これは、この調査が昭和61年に開始してから30年たち、大規模調査も10回を数えているという現状から、そろそろ調査体系の見直しを考える時期に来ているのではないか。時代にマッチした調査事項の棚卸しもそろそろ必要ではないかといった基本的な御意見、あるいは、所得情報について、階級でも良いので、もっと全体的なクロス分析が可能とならないかといった御意見もいただき、これを踏まえた事項でございます。

 そして、今回のアンケートにおきまして、全国の調査員さんを対象に行った結果に注目いただいた御意見も多く出されました。例えば、オンラインやコールセンターに対する調査員さんの認識の違いとか、調査の質を維持していくために必要な調査員の実態把握といったことは必要でしょうという御意見でございまして、これも今後、重要な課題として明記させていただいたところでございます。

 以上が本報告書につきまして、いただいた御意見の反映版としてまとめさせていただいたものでございます。

 これを前提に、この報告書を基に、資料4に戻っていただきたいと思います。基本計画の検討状況につきまして、御覧のとおりの書きぶりをさせていただいております。26年度に試験調査を実施して検討することを予定しておりましたけれども、これを実施することができなかったために、それに代わる方法として、アンケート、ヒアリング、過去の試験調査の結果の3つを取りまとめて、有識者の皆様に御意見をいただいたといった検討経過を踏まえて、先ほど報告書のまとめとして整理させていただいた3つの事項をここに明記し、調査実施者といたしましては、事実上、この課題の実施は困難であると判断するという言い方にさせていただいております。

 以上でございます。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 この課題は前回の検討会で十分な御議論をいただいて、それを反映した資料4−別紙1を作っていただき、それに基づいて今回の答申案を作成したという御報告でございました。

 それでは、委員の皆様方からの御意見をお願いします。
 原委員、どうぞ。


○原委員

 1点質問です。もしかしたら前回の検討会で質問すべきだったのかもしれません。資料4−別紙1、本編の24ページの2の(1)の1行目、「非標本誤差(都市部における単独世帯の若年層の未捕捉)の縮小等に向けた取組としても、郵送調査とコールセンターの導入の方策が重要」であるとあり、これが有効であるという方向性が調査の中から見えてきたという御説明が今、事務局からなされたかと思うのですが、報告書のどの部分を見れば良いのか、もう一度教えていただきたいです。

 というのは、私も調査を実施していて、単独世帯、特に男性若年層の未捕捉が非常に難しいことは存じているわけですけれども、調査員さんが何回行ってもなかなか調査できない。その人たちに対して、郵送調査やコールセンターを導入することには効果があるのか、つまり調査員さんが行ってもなかなか答えてくれないような方たちにこういうことをして、本当に効果があるか。この調査の中でどこを見れば良いのか、あるいはこの中にはなくても、実はそういう知見があるのだということがあれば教えていただけないでしょうか。


○田邉世帯統計室長

 ありがとうございます。

 統計委員会の答申の中で指摘があった非標本誤差というのは、先生方御承知のとおり、標本設計から派生する誤差ではなく、調査の実施上、調査票が回収できなかった、あるいは調査票の内容に不備があるなどの、こぼれ落ちるデータから生じる誤差のことと受けとめております。それを改善するための一つの方法として、なぜ郵送調査とコールセンターなのかということでございますが、はっきり申し上げて回収率の維持・向上がポイントだったわけでございます。

 今回のアンケート調査の結果の中で、様々な立場の方々から御意見いただいた結果として、国民生活基礎調査は原則として、調査員が世帯に赴いて回収するという調査員調査の方法をとってまいりましたけれども、その方法に一定の限界があるため、それを補完する方法として、オンラインもあれば、郵送もあるということで、全体としては回収方法の複合化というのでしょうか、回答者が調査票に回答する方法を選べるような条件を拡大していくところが、大変求められているという結果が得られました。

 そういう中で、回収率そのものを維持し、更に高めるために、このようなことが有効なのではないかと考えた次第でございます。

 コールセンターにつきましても非常に要望が多く、今回のアンケート結果から見えた負担軽減なり回収率の維持・向上といったバックグラウンドを支えていくための効果的な方法として、検討を一定程度していく価値があるのではないかと私どもとしては認識したという趣旨でございます。


○阿藤座長

 いかがでしょうか。よろしいですか。

 西郷先生、どうぞ。


○西郷先生

 多分誤解があると思うのですけれども、調査員調査を全部郵送調査に切り替えますと言っているわけではなくて、例えば調査員調査でなかなか接触できない人たち、若年単独世帯というものに対しては、調査員調査が不可能だったときには、例えば留め置きの形で調査票を置いてきて、郵送で返送することも可能ですということも今後は検討していきたいという趣旨だと私は受け取ったのです。全部切り替えるのが良い方法だと主張しているわけではないと思います。


○原委員

 もちろんそのような誤解はしておりません。面接で何度か調査員の方が訪問した方に、更に郵送でお願いしたときに、本当にそれが回収につながるのかというところで、もし何か知見があったら教えてくださいという質問でした。


○阿藤座長

 どうぞ、津谷先生。


○津谷先生

 私の解釈を申し上げますと、都市部に居住する単独世帯の若年層の回収率・回答率が非常に悪いということへの対策にテーマを絞ってアンケートを実施されたわけではないと思います。

 この修正版の報告書の資料4−別紙1の9ページの下部に、アンケートの結果として、最も望ましい回収方法への回答の分布が出ております。その表を見ますと、回答のパーセンテージが最も高いのは、「調査員回収と郵送回収を併用」です。次が「調査員回収、郵送回収及びオンライン回収を併用」ということです。現在は調査員だけで調査していますけれども、「併用」というこの2つ回答者の割合を足すと相当なパーセンテージになりますので、非標本誤差を改善していくために調査方法を併用することは有効ではないかと解釈されて、厚生労働省はそうおっしゃったのだと思います。

 コールセンターについては、報告書の11ページに示されているように、回答する際に疑問・質問がある場合に、調査員さんが訪問した時に尋ねるのではなく、コールセンターに何らかの形でコンタクトすると回答した割合が3分の2くらいありますので、回答者からの問合せがあった場合にコールセンターを使う、若しくは他の方法とコールセンターを併用するなど、様々な手段を組み合わせることで、なかなかアウトリーチできないサブサンプルの回答率をもう少し上げていくことができるのではないかというお考えであると私は解釈いたしました。


○田邉世帯統計室長

 ありがとうございます。趣旨としては、今、御説明いただいた趣旨でございます。あくまでも調査員調査を原則として、それを補完する方法でございます。調査員が訪問しても、どうしても会えない状況が非常に多い方に、お願いの手紙を付けるなどして、郵送での回答をお願いする場合、これまではゼロ回答であったものが、そのうちの1つでも2つでも返ってくる可能性があるということを期待しているところでございます。


○原委員

 ありがとうございました。会えない方を放っておくというのではなくて、プラスαの取組をしていくということと理解いたしました。


○阿藤座長

 どうぞ、津谷先生。


○津谷先生

 オブザーバーが発言を繰り返しまして、申し訳ございません。

 今のお話を伺っていて、少し混乱を招くのではないかと思ったことが1つあります。報告書の24ページの一番下の「(2)国民生活基礎調査の改善に関する検討」の(ア)の「地方公共団体等の負担軽減を図るために必要な方法」の括弧書きについてです。ここに「オンライン調査含む」と書いてあるのですが、その前の22ページに「(1)オンライン調査の検討」というサブセクセョンがあります。国勢調査では2015年からオンライン調査を全国展開しますので、オンライン調査というと、ここでいうオンライン調査とは別のイメージができてしまっている可能性があると思います。恐らく24ページの「オンライン調査」とは調査票のオンライン回収のことかと思います。

 調査票のオンライン回収ができれば、地方自治体の担当者の負担が軽減されるという意味ではないかと思いました。その前のサブセクションにも「オンライン調査」という文言がありますので、もし私の解釈が正しければ、混乱のないように、この表現は直されたほうがよろしいのではないかと思います。いかがでしょうか。


○阿藤座長

 田邉世帯統計室長、どうぞ。


○田邉世帯統計室長

 御指摘の点については、今、先生の解釈いただいたとおりでございます。したがって、ここにつきましては誤解のないような表記に改めたいと思います。


○阿藤座長

 他にございますか。
 どうぞ、西郷先生。


○西郷先生

 前回欠席しておりましたので、もしかしたらその議論があったかと思うのですけれども、基本計画に対して、とても強い結論を出しているということから、少し確認させていただきたいのですけれども、実施することができなかった試験調査の内容について、どのようなことを計画していたのかということです。試験調査ができなかったということ自体、非常に重みを持つ事実なわけですけれども、その試験調査が実施できなかったがためにアンケートを実施して、そのアンケートの結果から、このように強い結論が出るようになったということです。

 ですので、私としては、試験調査でどのようなことを確かめるつもりであったのか。標本の拡大が可能であるかということについての試験調査ということですので、イメージがなかなか湧きにくい面もあるので、もしよろしければ、そこのところだけ簡単に御説明いただきたいと思います。


○阿藤座長

 田邉世帯統計室長、どうぞ。


○田邉世帯統計室長

 ありがとうございます。

 今のお手元の資料4の別紙1を御覧いただきたいのですが、1ページの「2 調査計画の見直し内容について」というところでございます。私どもとしては、所得票と貯蓄票の都道府県別表章を実現しようとした場合、どれぐらいの標本規模の拡大が必要かということを見込みました。そこにありますとおり、現行5万世帯のものを277,000世帯まで拡大する必要がある。それに伴って、当然それを立証していくために必要な調査員さんの確保も、現行2,000人から1万1,000人が必要になるということを見込みました。

 これに伴うコストも含めた全体の負担ということを考えまして、当然、この負担増に見合うための負担軽減を考える必要があるだろうということで、私どもとして調査計画の見直しを考えました。それが2ページの(1)から、順次(2)、(3)と、調査票の今の形式を見直したり、調査事項を削減したり、調査ルートは、これまで保健所と福祉事務所の2系統でありましたけれども、そこを一本化する。あるいは、調査時期も6月と7月の2回であったものを1回にする。そういったもろもろのこれまでの方法を変更することによって、各都道府県の調査員さんの負担軽減を図った上で、所得票のサンプルを拡大する。言ってみれば、そこでバランスをとって帳尻を合わせて実現できないかということを考えたわけです。その内容について、そのまま試験調査を実施しようと考えておりました。この方法については、25年の統計委員会の答申でも、同様な観点で試験調査を検討してくださいということで、一応了解されている事項でございます。

 したがって、試験調査をすれば、当然、回収率や記入内容の精度が分かってまいります。あるいは、既にお願いしていた自治体が10箇所以上あったのですけれども、実際にその試験調査をしていただいた自治体の調査員さんの感想や現場の実際の経過というのが把握できるだろうということも期待しながら、様々な判断材料を集める準備はしてあったところでございます。


○阿藤座長

 よろしいですか。

 他にございますか。

 それでは、事務局からの御報告に対して、当検討会として、先ほどの津谷先生の文言の訂正が若干あるかと思いますけれども、それを除けば大きな修正はございませんでした。ということで、その点だけ御考慮いただいて答申にしたいと思いますので、よろしいですか。

 それでは、4つ目の課題に進みたいと思います。議事次第にございます議事の1の「(4)21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の今後の調査の方向性等」について、事務局より御説明をお願いします。


○田邉世帯統計室長

 引き続き御説明させていただきます。資料5を御覧いただきたいと思います。これは、平成13年に誕生したお子さんと、その親を対象に毎年、継続的に追跡調査をしてきた21世紀出生児縦断調査につきまして、平成25年度に対象児童が中学生になるということを踏まえまして、今後のこの調査の方向性や調査内容について、どうしていくのかということが問われたものでございます。

 もとより縦断調査は、一般的な横断調査と違いまして、単年度の結果で行政施策に生かすといったものではなくて、特定グループを継続的に追跡することによって、初めて判明する因果関係ということから施策の効果を測定したり、検証するという目的を持ったものでございます。したがって、可能な限り続けていくことに意義があるということについては、私どもも十分認識しているところでございます。

 しかし、一方で単年度決算で成り立っている役所の公的統計というものの背景の中で、厚生労働省として年々、この調査結果を具体的にどのような施策にどう活用していくのか。また、増大する業務量とかコストに見合った成果について、厳しく問われてきているということも事実でございます。公的統計としてはユニークな縦断調査でございますので、これを継続していくことで、その先に得られる大きな成果については、まだまだ財政あるいは統計審査当局に十分理解を得にくいのが現状でございます。

 そうした状況の中で、厚生労働省としては、以下の3点の理由で平成28年度、すなわち対象児童が中学を卒業するまでを一つの区切りとして中止する方向で検討せざるを得ないと考えているところでございます。

 その理由としては、まず、この調査の主たる目的は少子化対策の基礎資料を得るということでございますが、これにつきましてはおおむね必要な結果は得られたと考えている。

 2つ目に、平成22年生まれの出生児とその親を対象とした、別の新たな縦断調査をスタートさせているということ。

 3つ目に、中学・高校生を対象とした調査結果については、どうしても厚生労働省の具体的な施策との関連が薄く、行政上の必要性が乏しいということでございます。

 しかしながら、一方で、基本計画の中では、別途、文部科学省の課題として、学校教育から就業へのライフコースを的確に捉える縦断調査の実施ということについて検討が求められております。私どもといたしましては、基本計画の中で関係府省との調整を含めてという記載がございまして、これを踏まえまして、この間、文部科学省における検討の場にオブザーバーとして積極的に参加し、情報交換や議論を継続してまいりました。

 そして、その経過の中で、当方の出生児縦断調査の調査対象が、これまで十数回を数えるに至っているわけでございますけれども、いまだ7割近くの方々が調査に協力していただいているという現状については、非常に貴重なことだと考えているところもございまして、これを何とか生かす方法として、現行の我々の調査票に学校生活や学力といった文科省の施策に必要な調査項目を追加するということで、文科省の新たな縦断調査として、引き続き同じ調査対象者に継続実施していくことはできないかという可能性について協議してまいりました。すなわち、今年度末までに報告できる内容としましては、御覧の記載のとおり、文科省もそうした方向で検討していくことを確認できたという段階でございます。

 今後、必要な予算や体制面の検討も含めて、私どもといたしましては、この方向で実現できるように、何とか引き続き両省庁間で検討していきたいと考えているということでございます。

 以上でございます。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局の御説明について、御質問等ございましたら。 
 どうぞ、永井委員。


○永井委員

 質問というよりは要望ということになるかと思うのですけれども、今、おっしゃっていただいたように、継続の方向で御検討中ということ、非常に喜ばしく感じております。

 その理由としては何点かあるのですけれども、まず、子どもが中学に入っても子育てが終わったわけではなくて、子育ての大変さというのはその後も延々と続くものでもありますし、そういった意味で言えば、少子化対策、なぜ日本で子どもを育てるのがこれだけ大変なのかといったことは、この調査を続けることによって明らかになる部分もあるのではないかと思います。ただ、子どもが大きくなるに従って、家庭だけの関わりではなくて、学校との関わりということもございますので、文部科学省と共に継続していただければ、意義のあるものになると思います。

 また、文部科学省との関連で言いますと、学歴達成とか、そういったことが調査項目に入ってくる可能性があるのかなと考えますが、それは貧困との問題となるかと思うのですけれども、子どもがどのような育ち方をして、どのような状況の親の子がどのような育ち方をしていくのかというのは、極めて厚生労働省が扱うべきテーマであると思います。

 3点目ですけれども、これは重要な必要なデータ結果を多く得られると思うのですけれども、歴史的な資料としても非常に有効であって、例えば単年度で会計は終わると思うのですけれども、単年度ごとに分析結果が必要となるということももちろん分かるのですけれども、これが10年後、20年後に大きな結果になると考えております。

 また、これは遡って調査することは決してできないものですので、一旦やめてしまうと、その時代というものを把握するすべがなくなってしまいますので、新しいパネルが始まったとしても、そちらのほうも是非合わせて続けていただければと思います。特に、回収率等を拝見いたしますと、初期に行われたものであるということもあると思うのですけれども、回収率、残存率が非常に高くて、改めてパネル調査を始めて、この残存率が維持できるかというのは保障できないのではないかと私は考えておりますので、そういったことも合わせて継続ということ、非常にうれしく思っておりますので、御尽力をお願いしたいと思います。

 以上です。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 他にございますか。
 今田委員、どうぞ。


○今田委員

 今の御意見、大変よく理解できるのですが、他方、この調査の枠組みというのは、親をサンプリングして、子育てを追跡しているという調査で、この枠組みをずっと続けるというのは少し難しいのかなと思います。

 中学生や高校生について、親を対象に追跡して子育て環境を調査しデータを収集するという枠組みそのものが、余り効率が良くないのではないか。中学はまだしも高校生になったら、学校生活等が重要になる。もちろん子育ても重要ですけれども、学校をサンプルにとって、学校を拠点にしながら子どもたちを追いかけていくというのが通常の調査方法としてある。

 そういうことから言えば、子どもが中学・高校生になっていく過程の調査は、成人調査において子育てデータの追跡が行われている。更に高齢期は高齢者調査で追跡するという、縦断調査としては役割分担の形で追跡が行われている。子ども調査ということを考えた場合、この辺りが区切りかなと考えます。有効なデータとしては、時代が変わっていくわけですから、更に新しいウェーブ調査で追いかけていく。そのほうがデータとして意味がある方法ではないかと考えます。

 追跡率が今の7割というのは本当に高い比率ですけれども、これは地域の保健所を拠点にしながら親御さんを追跡しているからだと思われます。親御さんには、この調査は子どもの成長のために必要な子育てのデータの収集であり、そうした了解の下で協力していただいている。そこで、そのような従来の枠組みと、文科省が調査する学校を拠点にする方法とどう調整するかが難しい議論になると考えます。

 そういう点で、この調査については、今後も継続すべきだという議論と、私が言うようにそれは非効率になるのではないか、新たに考え直したほうが良いのではないかという議論があって、これらを突き合わせて体系的に議論して新たな展開を考えることが必要かと思います。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 他の御意見ございますか。

 どうぞ、玄田委員。


○玄田委員

 今田委員の意見に反対いたします。私は、この調査は断固、できる限り長期に継続すべきだという意見を強く申し上げたいと思います。

 この調査の目的が少子化対策である。なぜ少子化になるのか、その本質は、子どもを産み、育てることによって、その子が将来にわたって幸福な人生を歩めるのかどうかということについて、多くの方々が不安を抱えているからではないか。そして、このように子育てをすることができれば、実際に将来にわたって幸福な人生が得られるという明確で客観的な情報を誰も日本国内で持ち得ていないということから、その不安が払拭できないと考えます。

 1ページ目に書いてある、少子化対策の基礎資料を得ることは、おおむね必要な結果が得られたというのは、大変傲慢な意見のように私には映ります。子どもの健全育成をどのように評価するかというのは、恐らく人によって考えが変わると思いますが、健やかな子ども時代を過ごすことによって、その子ども期のみならず、青少年期及びその後の人生が非常に有意義で、本人及び社会にとって価値のある生活ができるということが、恐らく子どもの健全育成の意味であって、子ども期のみを対象として健全育成を評価するというのは、社会の規範からすると大変逸脱していると私は感じます。

 加えて、今、この調査をできる限り継続するほうが良いというのは、日本にはないけれども、海外の同様な研究結果を見ると、どのような子ども期の育ち方をするかによって、学力及び賃金を代表するような職業人生に対して、大変大きな影響があるのではないかという見解が非常に蓄積されつつある。簡単に言えば、子ども時代の体重等、子ども時代にどのような教育を受けるかによって、その後の人生が大きく左右されていそうだ。それは翻って言えば、学校のみならず、その前段階の幼少期において、必要な家庭に対して必要な資源投下をしなければ、生まれた子どもが長期にわたって不幸な人生を歩みかねないという重要なメッセージが提唱されているわけです。

 それに対して日本はどうかというと、明確なデータがない。これが果たして日本にとって望ましい状況かというと、絶対そうではないと思います。もちろん、子どもが学校に入るわけですから、文科省と必要な調整はするべきだと思います。ただ、そこで調査を終わるべきではない。学校を卒業した後にどのような人生を送るのか。成人後、どのような人生を送るのか。特に職業人生についてどのように送るのかというと、これは改めて厚生労働省の出番なわけです。

 ただ、今田委員がおっしゃったことに私が同感するのは、今と同じ調査内容、調査事項ではないだろう。当然、子どもが親から離れて暮らす場合には、その子をどう追跡するかという新しい段階に入ってくるけれども、同一の個人を追跡することによってしか分からない将来にわたる影響というのは、今、ここでやめてはいけません。これは、政府全体として取り組む問題であって、この調査をやめることは絶対に大きな禍根を残すということを明確に申し上げたいと思います。

 以上です。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 他の委員の方いかがでしょうか。

 どうぞ、野口委員。


○野口委員

 今、永井委員と玄田委員がおっしゃったことに強く賛成いたします。私もこの21世紀出生児縦断調査というのは、3つの縦断調査の中でも国宝級の価値があると思っております。確かに今田委員がおっしゃるように、調査方法等については検討する必要があると思います。しかし、今、少年法や、選挙でどこまで年齢を下げるか等々の議論がされておりますが、今、調査対象とされている親の持っていらっしゃる子どもを調査対象に切り替えても、私はこの調査は残すべき価値があるものだと思います。今、永井委員と玄田委員が理由をおっしゃっていただいたとおりだと思います。

 デンマークでもスウェーデンでも、欧米を中心に世界的に見て、科学的根拠に基づく政策決定あるいは判断あるいは政策評価と言われて等しいわけですけれども、そういった科学的な根拠に基づく政策決定に、こうした1人の個人を一生涯追っていくというパネル調査が大きく寄与していることは間違いない。その中で、日本が科学的根拠をなかなか出せないと言われる理由として、一つは本当に貴重なこうしたデータが欠如しているということが挙げられると思います。これは先生方がおっしゃったとおりです。

 また、これは非常に良い機会だと思います。例えば少子化対策にしろ、パートあるいは契約社員という労働者政策にしろ、人的資本との関係が非常に問題になっておりますけれども、そうしたものがいかに青年期・少年期の育ち、人的資源の形成過程に影響を受けているかということを確かめる意味でも、本来であれば、文部科学省と厚生労働省は強くタッグを組んでいかないといけない省庁です。

 ですので、そうした意味で初めて省庁間の縦割りというものが壊されて、インタラクティブな関係が調査を中心として始まる。そこから、両者がインタラクティブに政策決定あるいは政策を決めていく可能性の一つの種になるかもしれないことであって、そういった意味でも省庁間の協力体制が初めて実質的な意味で築いていける、構築できる一つのきっかけになるかもしれない話であるので、断固として、この調査をやめてしまうというのは反対であり、継続していただきたいというのが私の要望であります。

 ありがとうございます。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 他の方、いかがでしょうか。
 どうぞ、永瀬委員。


○永瀬委員

 私も継続ということに賛成でございます。特に永井委員がおっしゃっていた、学力だけではなくて、暮らしということも子どもの育ちに非常に大事だということを申し上げたいと思います。文科省に移ってしまったときに、学力といった学校生活中心になって良いのかというと、そうではなくて、家庭生活と学校生活との関係が、あるいは親の職業生活、親子の関係性がとても重要なのではないかと考えております。

 実は、私どもの大学で学校を通じてパネル調査をしたことがございます。私が担当していたわけではございませんが、そのときの困難は、学校を通じて、お子さんの学力は測りやすいのですけれども、親御さんの情報をとるのはとても難しいのですね。それは、お子さんを通して、親御さんにも調査票を配ってくださいとお願いしますと、親御さんの回収率はとても低くなってしまいますからです。学力、学校生活、子どもの非行や子どもの自信や意欲が分かるデータで、かつ、父親や母親の職業情報や労働時間、収入等との関連を分析できるデータは意外とないと私は感じております。

 また厚生労働省が今まで調査する中で、これだけ良い回収ができてきたわけなので、今後も両省で協力して調査していただけるとよろしいのではないかと思います。

 あと、パネル調査の有効性ですが、小規模なパネル調査を用いた高校生の発達分析等は私も大学で幾つか見ておりますけれども、前年の親子関係と翌年の子どもの行動との関係はかなり強く出ますので、パネル調査をする意義は高いのではないかと思います。

 以上です。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 津谷先生、どうぞ。


○津谷先生

繰り返しになりますので、余り何度も申し上げることは避けたいのですが、結論を申しますと、この調査はパネルAと呼ばれているものですが、厚生労働省だけではなく、できる限りのリソースとマンパワーを結集してこれを続けていく努力をするべきであると私も思います。

 ただ、この調査の実施は予算的にも非常に厳しいという現実があることもまた事実です。そのため、試験調査の概算要求を2回行いましたが、2回とも蹴られています。さらに、予算だけでなく、調査実施のためのマンパワー、つまり調査員の確保も非常に厳しいという現実があります。今まで府省間の壁もあり難しい状況だったのですけれども、今回、文部科学省と連携して調査を続けようという努力をなさっていますので、それを何とか突破口として調査を続けていく努力をすることを応援したいと思います。その一助として、専門家の集団であるこの検討会の委員の方々が、様々な機会を捉えて調査を継続することを後押しする発言をしていただくということが、大変重要なことであると思います。

 なお、少し誤解があるようですので一言述べさせていただきます。私の理解ですと、これは、実は親御さんの調査ではありません。お子さんが生まれると親御さんが出生届を出されます。この調査は同年次の7月に出された出生届の中から調査客体を無作為に選んで実施している調査ではないでしょうか。ただ、出生児は赤ちゃんですので、赤ちゃんは調査には答えられませんので、赤ちゃんが小さいときは親御さんが答えているということかと思います。だんだんお子さんが成長されると、親御さんに加えて、お子さん御当人も回答者となっており、今は両方を対象に調査していると理解しております。

 ただ、これからお子さんがもっと成長して、将来、社会に出ていくときまで追跡するとなると、今後のライフステージ、ライスコースで様々なことが変わってきますので、今は文科省との協力・連携が考えられていますが、就業を始めると、また厚生労働省に帰ってくるのかな、今度は経済産業省と協力が必要になるのかななど、様々なことがございます。とにかく、この調査に限らず、政府の統計調査を実施していく上で、府省間でできる限り協力して、限られたリソースとマンパワーを有効に利用しなければならないと考えます。先ほどから先生方の御意見を聞いて、この長年続いたこのパネルの重要性を高く評価されていることを大変うれしく思いました。そういう御意見を、この検討会のみならずいろいろなところで発言していっていただければと思います。私もそうしたいと思います。

 ありがとうございました。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 皆さんの御意見を総括するのも変ですけれども、是非ともこの縦断調査を継続してほしいというか、すべきだという大変強い御意見の委員の方が多いように思います。
 どうぞ、今田委員。


○今田委員

 もちろん、ずっと私もこの調査に関わってきた人間なので、この調査の重要性というのを理解しているつもりですけれども、先生方が調査の継続を援護してくださるのは大変ありがたいことですが、私が申し上げたような懸念材料というか、問題点もあるわけですから、そういった問題関心を捉えていくために、この調査について検討していただきたい。

 ただやみくもに継続するというだけでは、先生方の問題関心から明らかに外れると思いますので、その問題関心に合うように、この調査をどう継続させていくのかということについて、継続するなら継続する、やめるならやめる、どうするかということについて、この際、文科省も必要かもしれませんけれども、まずは厚労省でこのデータについて検討して、しかるべく委員会を設けるなど、そのような努力をしていただきたいと思います。私の意見が少数派であるということは、大変ありがたいことだと思います。


○阿藤座長

 石川委員、どうぞ。


○石川委員

 私も続けることは大賛成で、是非とも続けていただきたいと思っております。しかし、私は小児科医で、エコチル調査や学校保健などにも関係しております。この調査でアウトラインをずっと見せていただいておりますが、すごい回収率ですね。熱心な親御さんから回答していただいていると思うのですけれども、それだけバイアスが掛かったデータが出てくることは間違いない。私たちが小児科医として現場で子どもたちを見ていると、様々な問題が出てきます。学校保健でもたくさん出てきます。この原因などを表出させるためには、もちろんこれだけではだめなので、これも一生懸命調査していただく。それから、更に別の方面からのものも必要だということをつけ加えていただきたいと思います。


○阿藤座長

 阿部委員、どうぞ。


○阿部委員

 皆さんの御意見に賛成するのですが、皆さんは継続してくださいと言っているだけなのです。しかし、この資料5の一番上の部分を見ますと、継続すると書いてある。継続実施していく意思について、文科省が実施する意思は確認できたと書いてあるので、多分継続しないことはないだろう。ただ、問題は、これを読んでいきますと、「文部科学省の行政施策に資する新たな縦断調査として文部科学省において、継続実施していく意思が確認できた」と書いてあるわけで、つまり、厚生労働省の手から離れると、ここには記載されているように理解するのですね。

 ただ、先ほど永瀬委員がおっしゃったように、暮らしといった点も恐らく大事だと思いますし、今なら体力や肉体的なこと、あるいは健康面といったところも恐らく大事になるのではないかと思います。そういう意味で、単に文部科学省においてと書くべきなのかというのは、少し検討していただきたい。厚生労働省が関わる部分というのは、あっても良いのではないかと私は思っております。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 更に追加で御意見が出ましたけれども、一応基本的に継続という文章になっている。ただ、阿部委員からも御意見があったように、文科省において、文部科学省の主題を中心にというニュアンスが大変強いことは確かです。ただ、これはもし本当に更に長期に継続することになると、1つは学校教育期間を超えて、就労、成人していくという、それこそ100年のタイムスパンで考えれば、更には高齢者というところまで行くのでしょうけれども、そういうことを考えると、また再び厚労省に戻ってくることも想定されるわけですね。

 それこそ、共同所管という案も当然考えられるのではないかと思うのです。様々な御意見をいただきましたけれども、その場合、この答申案のままでよろしいのかということが余りはっきり出ていないのですけれども、どなたかご意見はありますでしょうか。

 どうぞ、永瀬委員。


○永瀬委員

 私は、厚生労働省との共同所管のほうがよろしいのではないかと思います。

 あと、石川委員がおっしゃっていた点ですけれども、残存率が3割落ちていますので、その3割分とは言いませんけれども、調査対象として脱落しやすい、少し生活が不安定な家庭にやや重点を置いて、新たに調査対象を補充するということもあるのではないかと思います。


○阿藤座長

 どうぞ、柏女委員。


○柏女委員

 最後の「なお」以下のところに、「なお、予算や定員、所管の在り方などの面も含めて」としたらいいのではないでしょうか。私も共管に賛成しております。


○阿藤座長

 どうぞ、石川委員。


○石川委員

 今まで根幹になっている調査というものは、デザインを大幅に変えてしまうと、前のものも使えなくなったりしますので、今まで使ってきた調査の根幹はそのままにしながら、文部科学省と調査する、また別の意味があると思いますし、最初は、ワーク・ライフ・バランスのことで調査しているわけですね。親が子育てをしていく間に生活や労働がどうなったかということも一番主眼にあったと思うのです。それから、子育ての時間がどうだったとか、スタイルがどうだったか、そのようなことだと思うのです。

 そのような最初のものと、それから今後、文科省と一緒に調査していくのであれば、新たに付け加えるものを加えて、もう一回新しくデザインするという形で良いのではないかと思います。そのほうが、より発展的でよろしいのではないかと思います。

 それから、先ほどの回収できなくなった方のところに多くの問題があって、そこの中で子どもさんたちがどうなっているのか、家庭がどうなっているのかというのは、大変興味深いところがあります。しかし、それを調査するのはまず不可能になってくるので、なかなか難しい。別の切り口で調査をしないとだめだということになると思います。


○阿藤座長

 この段階で事務局のほうで何かありますか。


○田邉世帯統計室長

 ありがとうございます。

 我々も継続することの意義は十分承知していますし、したいと思っています。生かす道として、文科省とのコラボということに今、一つの望みを持っているということなので、我々としても共管の形が一番理想的なのかなと考えています。それで、これまで厚生労働省として把握していた事項も当然残しつつ、全部は無理かもしれませんけれども、重要なものは継続的に残しつつ、それに文科省で必要なものを載せていく。新たな調査票を作り、これまでの枠組みの中で継続していくというのが一番理想的かなと考えています。それを我々としては目指したいというスタンスで行きたいと思っています。


○阿藤座長

 様々な御意見が出たので、それをどのような形で最終文案に織り込むのかは、もちろん事務局にお任せいたしますけれども、この調査の意義が大変重要なのだということが大変強く主張されたというニュアンスを何とか盛り込みながら、継続実施の方向で努力するという形になるよう、御検討いただければと思います。

 検討会でそういう強い要望があったということを踏まえて、更に文案を御検討いただいて総務省に御提出いただきたいと思います。

 それでは、全ての議題が終わりましたので、事務局にお返しします。


○三富企画課長

 皆様、長時間にわたり御議論いただき、貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。本日いただきました御意見につきましては、関係者間で十分踏まえつつ、引き続き検討を進めさせていただきたいと存じます。

 これをもちまして、「第13回厚生労働統計の整備に関する検討会」は閉会させていただきます。

 次回、第14回の検討会開催につきましては、事務局より改めて御連絡をさせていただきますので、委員の皆様方におかれましては、日程調整等に御協力くださいますよう、お願いいたします。

 それでは、本日は年度末のお忙しい中、誠にありがとうございました。


(了)
<照会先>

大臣官房統計情報部 企画課
統計企画調整室 統計企画係
TEL03-5253-1111(内線7373)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 統計情報部が実施する検討会等 > 厚生労働統計の整備に関する検討会 > 第13回厚生労働統計の整備に関する検討会 議事録(2015年3月26日)

ページの先頭へ戻る