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2015年1月16日 歯科医師の資質向上等に関する検討会(第1回)

医政局 歯科保健課

○日時

平成27年1月16日(金)10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第14会議室 (12階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

○検討会で議論する事項及び論点について
○その他

○議事

○鳥山歯科保健課長
 それでは、ただいまより歯科医師の資質向上等に関する検討会(第1回)を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まり頂きましてありがとうございます。
 座長が決まるまでの間、事務局の方で進行させていただきます。本日は第1回目ですので、はじめに本検討会の構成員を名簿順にご紹介いたします。
  医療法人伊東会伊東歯科口腔病院理事長の伊東隆利構成員です。
  前愛知県津島市長の伊藤文郎構成員です。
  日本歯科医学会総務理事の井上構成員です。 
  医療系大学間共用試験実施評価機構副理事長の江藤構成員です。
  大阪歯科大学理事長・学長の川添構成員です。
  日本医師会常任理事の小森構成員です。
  九州大学名誉教授・福岡歯科大学常務理事の水田構成員です。
  高梨滋雄法律事務所の高梨構成員です。
  日本歯科医師会副会長の富野構成員です。
  九州歯科大学学長の西原構成員です。
  国立保健医療科学院国際協力研究部部長の三浦構成員です。
  日本歯科医師会副会長の三塚構成員です。
  読売新聞東京本社取締役の南構成員です。
  国立社会保障・人口問題研究所所長の森田構成員です。
 なお、山口構成員は所用により欠席とのご連絡をいただいております。また、本検討会ではオブザーバーとして文部科学省医学教育課の寺門課長にご出席いただく予定ですが、今回は所用でご出席できないため代理として島居課長補佐にご出席いただいております。
続きまして事務局の紹介をいたします。
  二川医政局長です。
  福島大臣官房審議官です。
  医政局総務課田中医療政策企画官です。
  歯科保健課課長補佐の大島です。
  歯科保健課歯科医療専門官の和田です。
 最後になりましたが、私、歯科保健課長の鳥山と申します。
 それでは事務局を代表いたしまして二川医政局長よりご挨拶を申し上げます。


○二川医政局長
 それでは、歯科医師の資質向上等に関する検討会を始めさせていただきます。本日はお忙しい中、検討会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。また、平素より歯科医療行政全般にあたりましての格別の御理解、御協力、御支援を賜っているところでございまして、この場をお借りして厚く御礼申し上げたいとおもいます。
 さて、現在、日本は多様化するライフスタイル、人口の急速な高齢化、医療技術の進展により、国民の求める歯科医療サービスも高度化・多様化してきています。平成26年6月に成立した医療介護総合確保推進法の一環として地域包括ケアの構築が掲げられ、また、近年は、口腔ケアによって誤嚥性肺炎が低下する等の口腔と全身との関係について着目されていること等を踏まえ、今後、高齢化が一層進展する中で、医科の医療機関や地域包括支援センター等との連携を含めた歯科医療の提供体制を構築することが求められています。
 また、一方で歯科医療を取り巻く状況は、むし歯の罹患率の低下や8020(ハチマルニイマル)達成者の増加等に伴い、歯科医療機関を受診する患者は高齢化しております。その結果、歯科医師や歯科医療に求められる内容が変化し、また高度化しているという状況になっております。
 そこで、本検討会におきましては、諸々の状況を捉えまして、歯科医師の需給問題、女性歯科医師の問題、歯科医療の専門性、この3点について根本のところから議論していただければと思っております。特に歯科医師の需給問題に関しては長年にわたる懸案事項でございます。御承知かと思いますけれども、歯科医師数につきましては、平成18年に文部科学大臣と厚生労働大臣の方で取り交わされました、歯科医師の養成数の削減等に関する確認書というものがございます。これを踏まえまして、歯科医師国家試験の合格基準の引き上げ等の対応を行い、その結果、直近の歯科医師国家試験の合格率は約63%となっております。
他方で、超高齢者社会に対応するために医科の医療機関、あるいは介護保険施設等の他分野との連携、あるいは全身疾患を有する高齢者に対して安全安心な歯科医療を提供していく歯科医師の養成あるいは質の確保についても、歯科医師数とあわせて、根本的な議論が必要であると考えております。
 各構成員の皆様におかれましては、既存の考えにとらわれることなく、歯科医師の資質向上等にあたっての貴重なご意見を賜りますことをお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私からの挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。


○鳥山歯科保健課長
 なお、局長は、公務のため、途中で退席させていただきますので事前に御了承いただきますようお願いいたします。今回の検討は公開となっておりますが、カメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。それでは資料の確認をさせていただきます。お手元に議事次第、座席表、構成員名簿、また、資料は1から6まで、さらに参考資料として1~5までをお配りしてございます。乱丁、落丁などはございませんでしょうか。それでは、本検討会の座長についてお諮りしたいと思います。資料1が開催要項でございます。第三条第二項におきまして座長は構成員の互選により選出するとされております。どなたか御推薦いただけますでしょうか。三塚構成員お願いいたします。


○三塚構成員
 先ほどの御紹介にありましたように臨床試験系の教養試験の研究機構における副理事長であられますし、私も参加しておりますが、文部科学省の方の歯学教育の改善に関する調査研究協力者会議の座長もされており、入口の学生のルール、今回検討する歯科医師の資質向上等に関する全体を連続してよくみていらっしゃいます、江藤先生に座長をお願いしたいと思います。


○鳥山歯科保健課長
 ただいま、三塚構成員より、江藤座長を御推薦すると言う御意見がございましたがいかがでしょうか。それでは、皆様方からご賛同頂きましたので、江藤座長に座長をお願いしたいと思います。江藤座長に置かれましては座長席にお移り頂き、以降の議事進行宜しくお願いします。


○江藤座長
 江藤でございます宜しくお願いいたします。本日からの検討会でございますが、既に医政局長から話がありましたとおり、需給問題、女性歯科医師の活躍の場の問題、それから歯科の専門性に関する問題でございます。需給の問題について局長から話がありましたとおり、平成18年に大臣合意があり、厚生労働省側からの参考資料1にございます。文部科学省の方は歯科医療の改善充実に関する調査研究協力者会議の第1次報告が平成21年に、それからさらに26年には提言が出ております。それから日本歯科医師会のほうからは平成15年、24年、26年、26年は参考資料5となっておりますが、このように非常に多岐にわたり報告書、提言等が出ております。それから、専門性につきましては、医科の方は平成29年から新たな制度が施行される、女性歯科医師の問題については、女性医師の方では更なる活躍を応援する懇談会が厚労省で立ち上がっております。この3つの点についてすでに報告書等、議論等が進んでおりますので、こういったことを踏まえて、特に需給問題につきましては、既に10数年に渡り、懸案事項となっておりますので、これも局長の話もありました通り、抜本的な観点から議論を進めていただきたいと思います。それでは議事に入ります前に、開催要項第3条第4項では座長はあらかじめ、座長代理を指名することとなっております。ここで座長代理を指名させていただきます。座長代理としまして、三浦構成員にお願いしたいと思います。よろしゅうございますか。ありがとうございました。それでは議事に移らせていただきます。本日はまず事務局資料に基づき、議論を行いたいと考えております。それでは事務局から資料の説明をお願いします。


○和田歯科医療専門官
 歯科医療専門官の和田でございます。座らせてご説明させていただきます。お手元に配布しております資料につきまして順次説明させていただきたいと思います。資料3から5中心にご説明させていただきます。まず、資料3につきましてご覧頂きたいと思います。横形式の1枚紙のものでございます。本資料につきましては、本検討会で議論する主な事項について整理した資料でございます。本検討会が開催するに至った主な経緯について、囲みの上段のところに主に3点記載してございます。まず1点目は小児のう蝕の有するものの低下、8020達成者の増加がみられるなど、高齢者のQOLの維持・向上を念頭に置きつつ、各ライフステージに対して切れ目なく歯科医療を提供していくことが求められるという点でございます。2点目は平成23年8月に公布・施行されました「歯科口腔保健の推進に関する法律」の条文におきまして、口腔の健康が、質の高い生活を営む上で、基礎的かつ重要な役割を担っていると、いうことが謳われてございまして、口腔の健康と全身の健康の関係に鑑み、医療や介護との他分野との連携が求められている点。3点目でございますが、高齢化の進展に伴い、歯科医療機関を受診する患者像も高齢化多様化してございまして、これらに対応するための歯科医療の提供のあり方、歯科医師の資質の検討が求められているという点を列挙してございます。さらに真ん中の図におきまして、横軸に歯科医療や歯科医師に関する事、また縦軸に需要や供給に関することとして、ここに掲げられている項目がそれぞれどこに該当するのか、それぞれ細かく記載してございます。本検討会におきましては、さまざまな観点から議論を行う必要があると考えておりますが、より関連性の深い内容をまとめまして、矢印の下に記載されております、歯科医師需給に関すること、女性歯科医師に関すること、歯科医療の専門性に関すること、この3点を中心に御議論頂く予定としております。
 続きまして、資料4をご覧いただきたいと思います。1枚目の裏のスライド3,4をご覧いただきたいと思います。昨年の通常国会で成立しました、医療介護総合確保推進法の中で地域包括ケアシステムの整備についても書かれてございまして、このなかで、赤字で示されております歯科医療についても位置づけられてございます。その下、スライド4ですが、歯科医療の提供体制に特化して資料を作成しておりまして、その変化と今後の展望を示した資料でございます。1番左の囲みでございますけれども、1980年頃はう蝕あるいは補綴といった、歯の形態回復を主体としていわゆる歯科医療機関完結型の歯科医療の提供といったものが主体となっておりましたけれども、その後、歯科疾患の疾病構造の変化あるいは高齢化進展に伴いまして、一番右にお示ししております、2025年には住民を主体として、その周りに位置をします歯科医療機関が医科の医療機関あるいは介護保険施設、地域包括支援センター等々との連携を図ります、地域完結型医療の中の歯科医療の提供体制の構築といったものが予想されることをイメージとしてお示ししたものでございます。
 続きまして、2ページの資料でスライド5、6でございます。スライド5の資料は上段になりますけれども平成23年8月に施行いたしました「歯科口腔保健の推進に関する法律」と基本的事項についてまとめた資料でございます。本法律の象徴的なところでございますのが、上の基本的事項において書かれているのですけれども、第1条におきまして、口腔の健康は国民の健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を担っているということが法律に謳われております。口腔の健康と全身の健康に鑑みましてさきほどのスライド4でお示ししたように歯科医療機関のみで完結することではなく、医科の医療機関などのほかの機関との有機的な連携を図っていくということが必要とれているというふうに思います。その下のスライド6の資料でございますが、第二次の健康日本21の歯・口腔の健康に特化した一覧表でございます。他の項目との比較としましても、順調に推移改善してきておりまして、国民の歯や口腔の健康状態は関係者の方々のご尽力もあり著しく改善をしてきております。
 おめくりいただきまして、スライド7、8の資料でございます。スライド7の資料でございますが、3歳児の一人平均むし歯数等の年次推移を示したものでございます。折れ線グラフがむし歯の有病者率、棒グラフがむし歯の本数でございます。一番左の平成元年からの推移を見ていただきますと、直近の平成24年までで、むし歯の本数は約4分の1程度、また、むし歯の有病率にあっても、3分の1程度まで減少しているという現状がお分かりいただけると思います。続きまして、下のグラフでございます。スライド8は20歯以上の歯を有する者の割合の推移でございます。こちらは縦軸が20歯以上ある者の割合、横軸が年齢階級となってございます。このグラフは6年に1回当課で実施しております、歯科疾患実態調査に基づいてグラフを作成してございます。一番色が濃いところが、直近の平成23年のデータになるのですが、8020達成者については現状、40.2%となってございます。
 続きまして、スライド9の資料をご覧いただきたいと思います。スライド9は推計患者数の割合の年次推移でございます。3年ごとに実施している患者調査のデータを基に算出してございますが、一番右が直近の平成23年で一番色の濃い65歳以上の患者さんの割合が、35.9%で増加してきてございまして、高齢者の患者さんが増えることに伴いまして、どのように歯科医療あるいは歯科医師が対応していくのか、ということが重要な論点になるのではないかなと考えてございます。
 つづきまして、スライド11と12の資料をご覧いただきたいと思います。スライド11の資料でございますが、こちらは要介護者に対するいわゆる口腔ケアの効果をまとめたグラフ、スライド12は口腔機能の管理による在院日数に対する削減効果を示した資料になります。近年口腔と全身との関係に着目した知見が集積されつつございまして、今後は高齢者、あるいは全身疾患を有する患者の増加に伴いまして、先ほどご説明しました、むし歯治療などの形態回復を主体とした歯科治療に加えて口腔機能の維持回復を主体とした歯科治療が提供されるケースといったものが増加されるのではないかなと考えてございます。
 続きましてスライド13、14のスライドをご覧いただきたいとおもいます。上のスライド13は過去に中医協でも示した歯科治療の需要の将来予想でございます。さきほどスライド4で示したのは地域における歯科医療の提供体制といったものをイメージしつつお示しさせていただきましたが、この資料はどちらかというと患者に焦点を当てて、その歯科治療の需要がどうなっていくのかと言うことをイメージしたものでございます。左上の青の実線で囲われた部分がいわゆる健常者型、赤の点線で囲われた部分が歯科治療上何らかのリスクを伴うであろういわゆる高齢者型というイメージを示してございます。高齢化の進展に伴いまして健常者型に対する歯科治療は減少することが予想され、他方、高齢者型と呼ばれる治療の難度の高い患者さん、あるいはハイリスクな患者さんに対する歯科治療の需要は増加することが予想されることを示したイメージでございます。形態回復にこれまで主眼がおかれていた診療報酬の項目については機能回復という視点も取り入れまして、例えば平成24年度診療報酬改定ではスライド14で示しているような対応が行われたということでございます。
 続きまして、スライド17、18をご覧いただきたいと思います。ここからは、歯科医師に特化した資料をいくつか示したいと思います。スライド17は医療施設数の年次推移を示してございます。歯科診療所は上から3つ目の折れ線グラフでございまして、平成25年で約68,700件でございます。下のスライド18は歯科医師数の年次推移でございまして、2年ごとに実施されております、医師・歯科医師・薬剤師調査で、直近の平成24年末で歯科医師の総数は約10万人となってございます。
 続きまして、1枚おめくりいただきましてスライド19、20のスライドをご覧いただきたいと思います。上のスライド19は人口10万対歯科医師の数でございます。一方、下のスライド20は人口10万人対の医師の数でございます。特に上のスライド19のグラフで御説明させていただきたいと思いますけれども、グラフの中で濃い色で示しているところが歯学部を設置している都道府県でございます。これらの都道府県は相対的に人口10万人対歯科医師数が多い状況になってございます。
 続きまして、スライド21、22を説明させていただきます。スライド21の資料は歯科大学、歯学部数及び入学定員でございます。棒グラフが、歯科大学の数、折れ線グラフが入学定員の数を示しております。棒グラフに関しましてはそれぞれ私立、公立、国立で色分けをしております。昭和40年から50年前半にかけまして、歯科大学の新設に伴い入学定員は増加してきてございますが、昭和60年以降は需給に関する検討会等々で新規歯科医師参入に関する提言などがなされる等の報告を踏まえ、現在に至っているという状況でございます。その下のスライド22でございますけれども、これまでの歯科医師の需給対策に関する主な対応を示してございます。資料の上段の囲みにございます、平成18年に文部科学大臣、厚生労働大臣両大臣で取り交わされた歯科医師の養成数の削減等に関する確認書を示しております。この確認書は2点ございまして、1点目が歯学部定員については各大学に対してさらに一層の定員減を要請する、2点目が歯科医師国家試験の合格基準を引き上げるという点でございます。この確認書を踏まえまして、後ほど文部科学省からも御説明いただくと思いますが、(1)の歯学部定員に関しては「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」の中でもご検討いただきまして、(2)の歯科医師国家試験につきましては、4年ごとに開催されております、歯科医師国家試験制度改善検討部会いう場におきまして、国家試験の合格基準などの御検討いただいているところでございます。国家試験につきましては、先ほど局長からの挨拶でも触れられましたが、直近の平成26年試験の合格率は63.3%となってございます。
 続きまして、1枚おめくりいただきまして、スライド23、24の資料をご覧いただいきたいと思います。ここからは、女性歯科医師の状況を中心に資料をまとめてございます。スライド23の資料でございますが、女性歯科医師の推移でございます。棒グラフは女性歯科医師の数、折れ線グラフは歯科医師総数に占める女性歯科医師の割合でございます。近年、女性歯科医師の割合が増加してございまして、全体で2割を超えているという状況になってございます。その下のスライド24でございますが、年齢階級別の女性歯科医師の割合をまとめたものでございます。一番左が平成4年、真ん中が平成14年、右が平成24年のデータでございまして、直近の調査結果をみてみますと、特に30代を中心に増加率が顕著になっているという状況でございます。
 続きまして、スライド25、26をご覧ください。スライド25のは歯学部入学者に占める、女性の数、割合の推移でございます。一番左が昭和40年から50年代にかけては約10%台で推移していたものが、近年約40%台で推移しているという状況でございます。その下のスライド26でございますが、勤務先別の歯科医師の割合を示したものでございます。左のグラフが平成14年、右のグラフが平成24年でございます。それぞれのグラフ左から医師、歯科医師総数、男性歯科医師、女性歯科医師の4つのグラフに分けてございます。医師の場合は上から4つ目の病院勤務者が多い状況でございますが、一方、歯科医師を見てみますと一番下の診療所の開設者が最も多くなってございます。男女別をみてみますと、男性歯科医師は診療所の開設者が多いという状況に対しまして、女性歯科医師の場合は診療所の勤務者が多いという状況でございます。
 続きまして、スライド27、28をご確認いただきたいと思います。ここからは歯科医療の専門性についてまとめたものでございます。スライド27の資料は一般的な歯科治療の例を示してございます。歯科が医科と大きく異なる点は、主に臓器、部位ということで分けられているということではなく、治療内容によって治療体系や学問体系が細分化されているという点でございます。つづいてスライド28でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、高齢者の増加あるいは障害者の増加に伴いまして、訪問歯科診療、あるいは障害者歯科治療といったようなものも徐々に定着しつつあるということをお示ししたものでございます。
 続きましてスライド29、30でございます。まずはスライド29でございますが、歯科医療の専門性を考える際に参考例としまして、現在、日本歯科医学会に所属する、上が専門分科会、下が認定分科会の一覧をお示ししてございます。臨床系の学会でないものがいくつか入ってございますけれども、専門分科会及び認定分科合わせて多数の学会がございまして、大部分が学会独自の専門医制度というものを設けてございます。国民の目線から、どういった歯科医療の専門性がもとめられているかという点につきまして、重要な論点であると考えてございます。最後、スライド30でございますが、いわゆる広告が出来る専門医でございまして、歯科の分野を示したものでございます。現在、歯科のほうは口腔外科、歯周病、歯科麻酔、小児歯科、歯科放射線という5分野にわたって広告が可能でございます。グラフはその人数をお示ししております。資料4につきましては以上でございます。続きまして資料5につきまして御説明させていただきたいと思います。本検討会で検討する事項及び論点についてのたたき台でございます。1に付いては先ほどご説明させていただきましたので割愛させていただきたいと思います。主に2以降で、それぞれ、歯科医師の需給、女性歯科医師、歯科医療の専門性について、論点のたたき台をお示ししてございます。
 まず歯科医師の需給でございますけれども、1枚目から2枚目にかけまして、4点お示ししております。まず1つ目は歯科医師を取り巻く状況を踏まえて、国民や患者が求める歯科医師像はどのようなものか、2点目は歯科医師の養成過程において、コミュニケーション能力や一定の学力等の基本的資質を有さない学生や歯科医師国家試験を繰り返し受験し、歯科医師臨床研修やその後の歯科診療に支障をきたすものについて、どのような対応が考えられるか。3点目ですが、歯科医師又は歯科大学在学時の知識や技術を活用し、他職種での活用などの対応が考えられるか。最後4点目ですが、その他、他職種や他分野での需給に関する取り組み等を参考として、どのような対応が考えられるか、という4点をお示ししております。
 女性歯科医師については、2点論点をお示ししております。1つ目は女性歯科医師の増加に伴い、歯科医師の働き方やキャリアパスについて、どのようなことが考えられるか。2点目は結婚・出産などに伴う離職や復職を想定しつつ、女性歯科医師が活躍する場について、どのようなことが考えられるか。
 3つ目の歯科医療の専門性につきましては2点お示ししております。まず1点目でございますが、国民の求める歯科医療の多様化に対応しつつ、安全・安心な歯科医療を提供するために歯科医療の専門性についてどのように考えるか。2点目はその上で、歯科医療の中で、既に位置づけられている専門医についてどう考えるか、という論点をお示ししております。
 資料の説明につきましては以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。それでは、本日お配りしております、資料6については、歯学教育の改善・充実に関する文部科学省のこれまでの取り組みを中心にまとめた資料でございます。この資料につきまして、文部科学省医学教育課の島居様からご説明をいただきます。よろしくお願いいたします。


○島居文部科学省医学教育課長補佐
 それでは、お配りしております資料6について、これまで文部科学省の取り組みについてご説明させていただきたいと思います。まず1枚目にございますように、先ほども紹介がございましたが、歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議においてご議論いただいておりますけれども、ここの委員のところにございますように、座長をはじめ、ここにご参加いただいている委員の先生方、複数の方にご協力いただいて検討を進めていただいているという状況でございます。1枚おめくりいただいて、2番目のスライドでございます。今、申し上げました調査研究協力者会議でございますが、その1つの審議事項、重要な事項として1つ、1番上にございますように、平成21年にまとめられた、協力者会議の第1次報告というのがございます。それを踏まえて、これまで2回のフォローアップと、これも参考資料の3でお配りさせていただいておりますけれども、平成26年2月には提言・要望という形でまとめているところでございます。3枚目に移らせていただきますけれども、第一次報告の概要でございます。これにつきましては、各大学における臨床実習の時間数の減少とか、臨床能力の格差、あるいは入学者の資質能力の低下等というのが問題ということを踏まえて、その課題と改善方策ということで、4つの大きな課題、それに対する改善方策ということは示されました。1つ目が臨床能力の確保ということで、卒業時の到達目標等の明確化等が示されております。まず2つ目の体系的な歯学教育の実施につきましては、成績評価の厳格な実施、あるいは第三者評価の導入等、それと3つ目の入学者確保につきましては、入試関連情報の公開ですとか、歯科医師国家試験合格率の低い大学等の入学定員の見直し。また、4つ目としては研究者の要請として学部教育の中での研究に携わる機会の拡充ですとか、大学の枠を超えた連携の必要性。これらが盛り込まれたわけでございます。それを踏まえて1枚おめくりいただきますと、4枚目、5枚目でございますが、これがこまで行った2回のフォローアップということで、4枚目は平成22年度に実施したフォローアップの状況ということでございますが、フォローアップで見られた課題としては、診療参加型臨床実習の改善・充実ですとか、優れた入学者の確保等について課題があるということで、さらに改善が必要な大学が散見されたということで、各大学には猛省を促すということでまとめていただいております。5枚目でございますが、同じく平成24年度に行われまして、ここにおいてもなかなか第一次報告への対応が極めて不十分な歯学部もあるということから、定員の超過ですとか、学生の学力の向上、留年の低減、留年率の低減等がまとめられたところでございます。また1枚おめくりいただきたいと思いますが、6枚目でございます。これらの平成26年2月にまとめられた提言・要望ということでございます。これもいくつか論点ございますけど、1つ目でございますが、診療参加型臨床実習の充実ということで、これは文科省の委託事業でコアカリキュラムの、臨床実習に関わるコアカリキュラムの事例集ですとか、参加型の臨床実習と、卒後の臨床研修の連携するための手帳というものを作成して大学にお示ししたりですとか、24年度のフォローアップ調査をまとめておりますので、これらを踏まえて、さらに取り組みを推進してほしいということが1つ目でございます。7枚目でございますけれども、2つ目として多様な歯科医療ニーズに対応した歯科医師養成という観点から、歯学教育に関する社会の理解、信頼の確保、あるいは歯科医師の活躍の場の拡大を図っていくために、これ、そこの一番下に書いておりますけれども、求められるニーズというのが多様化しておりますので、これらに対応した歯科医師の養成等についての積極的な取り組みをお願いしているところです。また1枚おめくりいただければと思いますが、8枚目でございます。これは大学における教育活動の情報の公開ということで、各大学のホームページに掲載するなどの方法で広く公表することによって、社会的な評価を踏まえた適切な対応をお願いするということで、教育活動の例としては、授業料、入学料に加えて、留年率とか国試合格率、教育の内部質保証、これらの情報が考えられるのではないかということでございます。9枚目でございます。これは歯学教育の認証評価の導入ということでございまして、これは平成24年度から文部科学省のほうで補助事業として歯学教育認証制度の実施に関する調査研究というのを始めておりまして、これらの取り組みに対する協力をお願いするというものでございます。また1枚、おめくりいただければと思います。5つ目の観点として、26年度以降のフォローアップ。これがまさに今、昨年から動いている協力者会議で審議していただいている事項でございますけれども、そこで方向性を示されておりまして、今まさに作業をしているというところでございます。それと6点目でございます。これは歯学部の入学定員ということでございまして、その入学定員の充足率の極端な超過校、あるいは低下校がございますので、それらについては適正な入学定員の設定や、入学者選抜の改善等、優れた入学者の確保に取り組みをお願いするということでございます。最後、11枚目でございまして、これが先ほど資料4にも具体的なこれまでの推移が示されておりましたけれども、現在の入学定員の削減状況ということでございます。これまで昭和61年には当時、厚生省の検討委員会で最終意見を踏まえて、20%の削減。さらに平成10年にはその10%の削減ということを2段階について定員削減の要請を行ってきておりまして、その一番左側でございますけれども今年度、平成26年度におきましては、ピーク時の昭和60年度に比べて27.2%、全体でございますが、定員が削減されてきているという状況でございます。以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。それでは、続きまして参考資料の5でございますが、日本歯科医師会から文部科学省宛てに出された見解でございます。この点について、日本歯科医師会の三塚構成員より見解についてご説明をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。


○三塚構成員
 それでは、日本歯科医師会のほうから出しております歯科医師需給問題の経緯と今後への見解、これは昨年の10月に取りまとめたものでございます。これは関係省庁とか、そして今日いらっしゃっております、川添会長の私立歯科大学協会等にもお送りしております。簡単に中の内容について説明をさせていただきます。めくっていただきまして2ページになりますが、需給問題は私どもも取り組み始めましてもう30年ぐらいたっておりますので、今までの経緯と今後の見解という形のもので書かせていただきました。昭和40年代から人口10万人あたり歯科医師数50名というものを作るために、新設の大学が非常に増えまして、現在のように29大学になりました。それで、新設の大学がいくつかできたことで、あっという間にこれが一気に過剰問題になってしまいまして、当時は私どもは歯科医師の数が多すぎるという認識で数の問題で需給を取り上げていたんですが、変わってきておりまして、今は質の問題になってきているんです。で、質の問題でも、めくっていただきまして2ページぐらいのほうにもいろいろ書いてありますが、質の問題が、間接的なものから直接的なものにどんどんどんどん変わってきて、要はその質の高い歯科医師をつくっていかないと今後どうにもならないという、その数を減らすという論点からはだいぶ離れてきました。これはご存じのとおり、一時、コンビニよりも歯科診療所数が増えてどうのこうのということがありまして、そのときに歯科大学・歯学部を受験する学生が一気に減りました。定員をなかなか確保できない大学がありまして、質の担保ができないという状況があります。そういったものから質の問題を取り上げてきているということで、それについてルールを書いてございます。特に私どもはやはり、医療は歯科医療と医療の2つしかありませんので、そういった意味から言って、やはり歯科の役割っていうものは非常に大きいだろうということが1番大事なことで、これからの少子高齢化の中で私たちが各ライフステージに、どのように歯科が取り組んでいくかっていうことが国民の健康寿命の延伸につながってくるという観点で、私どもこの、今回の需給問題の見解を取りまとめております。3ページ目のところには需給問題に対する日本歯科医師会の取り組みの経緯。今までの経緯について書かれておりますので、これは後ほど見ていただければ結構なんですけども、昭和61年、当時の「将来の歯科医師需給に関する検討委員会の最終意見で歯科大学・歯学部の入学定員の20%削減目標が示され、昭和62年、これは守られたんですね。それから、そのあとさらに厚労省のほうから当時、厚生省ですけれども、平成10年の5月にさらなる10%削減が出ております。ただ、完全に達成をされていないのが現状であるということを書いております。そういったことから言って、先程来、申しましているように、歯科大学・歯学部の学生の質がもうとにかく担保できない。ですから、そういった局面にもう来ているということで、従来の数の削減と一緒に質の確保といったものを今までずっと私ども、平成の22年から23年、25年、26年と、改善を求めてきたことについて書いております。そこで5ページのほう見ていただきますと、歯科医師の養成と歯科医師数について訂正してありますが、基本的に歯科医療の質をどのように確保、充実させていくか。間接的な質の問題と、直接的な質の問題について書いております。今まで説明したとおりのことがありますので、読んでいただければ結構だと思います。これは文科省のほうともいろいろ検討しながらやっておるところでございます。めくっていただきまして6ページ、歯科医師の養成における課題、いわゆる国家試験の問題等に触れております。これはここの場で検討すべき事項とはちょっと離れていくところを書いているんですけれども、いわゆる国家試験というのは、日本歯科医師会としてはこれは資格試験だという位置付けでおりますので、その中で絶対的な基準と、相対的な基準の2つの基準がありますから、やはりその辺のところのほうが問題があるんじゃないかということを書かせていただいております。それから、7ページのほうには国家試験の在り方についての今言った絶対評価と相対評価の問題点等がございますけども、それ以外にやはり教育体制を見直して、未習熟学生をなんとか増やさないように。先ほど文科省のほうから説明がありましたとおりでございまして、そういった共用試験等についても、例えば、共用試験のところで不合格の学生は、その段階で違う方向も、考えてあげなければいけないんではないか。ですから、出口の部分の前段のところの学生のときの共用試験のところで、やはりこの学生は歯科医師に適していないというものがあった場合にはそこから方向転換を図っていかなきゃいけないっていうことを書かせていただきました。それから、歯科医師国家試験の在り方、7ページから8ページにわたって書いておりまして、こちらのほうに1から4番目でいくつかの問題点について列挙させていただいております。今後、需給問題を解決していくときにはどういったことから解決していかなきゃいけないかという観点から、その以降は書かせていただいておりますが、こういった少子高齢化の中で在宅とか介護を含めてライフステージでの歯科医師の対応の仕方がもう昔とだいぶ変わってきているわけですから、そういった医療提供の中で実際、今後、歯科医師の数というものがどのくらい必要なのかということを示しています。これはあくまで歯科医師会としての試算でございまして、最終的には厚労省と文科省の行政判断で歯科医師の適正数というのは決めていただきますが、この論点を整理していくときには将来にわたってどのくらいの数がやはり望ましいかっていうところを、私ども日本歯科医師会として具体的な数値として挙げさせていただいております。結論から言いますと、現在の歯科医師数とか、現在の1日当たりの患者数、それから、国家試験に合格している方々の数とか、そういったものを踏まえて、将来的にはどのくらいの数が必要になるかということを、これは数値的で割り出してみました。そうしますと、バランスが取れた歯科医師の数というのは81,641名という数値が出てまいりました。これはまた、2,000名前後という形の国家試験の合格者と、日本の人口の推移等を考え、人口10万人当たり、20年後にはどのくらいの歯科医師数が必要なのかっていうことを私どもが出した時に、80,409名という数値が出てまいりまして、最終的には人口10万対、だいたい70名程度ということから割り出していきますと、上限が82,000人ぐらいか望ましいだろう。ですから、あるべき適正歯科医師数の81,641人。それから、新規参入歯科医師、それから日本の人口推移等から出してきたのが80,409人であり、82,000人だと人口10万対71名になります。和田歯科医療専門官専門官のほうからお話がありましたように今、10万人当たり80人を超えております。ですから、これを70人ぐらいにやっていくぐらいが一番私どもとして見れば適正の数ではないかというふうに書いております。ただ、開業医の感覚から見たところで言いますと、やはり75,000人程度ということを今まで主張してきたんですけれども、その75,000人という主張の論拠がなかなかなかったんですね。今回、その論拠をどうやって、私ども歯科医師会として割り出していったらいいかということで、時間の関係上、非常にざっくりとした説明の仕方をしましたが、やっぱり20年後、82,000人ぐらいが適正数であろう。ただ、やはり私どもはいつも言っていますように、だいたい75,000人ぐらいがいいんではないかっていうふうに思っております。15ページ最後の所で書いておりますけども、やはりこの歯科医師の過剰問題というのは、国家的な問題というふうに考えていただかなければこれはいけないというふうに思っております。従いまして今回の厚労省のこういった歯科医師のあるべき姿の検討会、そして今までやっております文科省の中での、いわゆる学生の教育の中での歯科医師の、歯科学生のあるべき姿、こういったものをうまく両方がマッチさせながら、将来の歯科医師というものを検討していく必要があるということで、ぜひこの検討会が有意義なものであってほしいというのが私ども日本歯科医師会の切なる願いであります。以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。歯科医師の資質向上につきましてはさまざまな視点から検討を行うということが必要でございます。それでは資料3、および資料5に示されましたように、論点をある程度、絞っていこうというようなことです。事務局から示されております資料3につきましては、本検討会で議論する事項として3点。資料5につきましては、歯科医師の需給、それから女性歯科医師、歯科医療の専門性の3つについて論点が示されています。この論点はあくまでたたき台でございます。これらは関連しておりますが、より議論のポイントを絞るために、それぞれ個別に議論をしていきたいと思っております。ここに示された論点、たたき台以外でも今後、議論が必要なことがあれば、さらに追加、訂正をさせていただこうと思っております。まず需給問題について、ご意見をいただきたいと思います。いかがでございますか。それでは、多少時間が押しておりますので、これは歯科以外と言いますか、外からのご発言をまずいただきたいと思います。そういうことで、伊藤文郎先生、ご意見いただけますか。


○伊藤構成員
 伊藤でございます。私は3月まで愛知県津島市の市長をしておりました。大変歯科医師の先生方に期待をするところが多く、先ほど局長からもごあいさつがありましたように、地域包括ケアというのが地域の中で直近の課題となってきております。そんな中で特に三師会、それから介護従事者、そうした中に自治体も加えながら、地域の中で進めていくわけでありますが、いくつかのネットワークを作っていく中でも、どうしても歯科医師の先生方の参加が非常に少なくなってきている。また、その現場がなかなかまだお互いに連携が取れていないといいますか、その辺りがうまく機能していかないというのが非常に大きな問題があります。一方、需要の面でありますけども、障害を持つ方、それからまた高齢になりますと実はこちらの資料3にもありますように、口腔の清潔さを保っていくというのは回復に非常に強い、大変効果が、ページ12でありますかね、丹沢先生が出された資料なんかは衝撃が走りました。これかなんかも実は治すということより、ひょっとしましたら健康を保っていく、健康をまさに増進をしていく、増進までは言いすぎかもしれませんが、そのような力がある。ところが実は歯科にかかれない方々が劇的に健康状態が悪くなっていくという事実もあるわけです。障害者の方々がなかなか口腔に、歯科のほうに通うことができなく、そんな例もいくつか私は間近に見てきておりますので、その辺りのところをぜひ、この検討会の中で、これも資質の向上に当たるのかもしれませんけれども、ぜひそんな教育も積極的に進めていただければ。また一方、私どもも期待しておりますので、この小児のう蝕率の低下ですとか、8020運動の体制等々、大変いわゆる社会に大きな影響を与えていただいたというのは、まさに実は先ほど三塚先生のほうからは、数が多すぎるのではないかというお話もありましたんですが、その数のパワーを持って当たっていただけたという事実はあるわけでありますので、これも実は大きな期待をしていくところであります。どちらに対しましても私ども、ライフステージがだいぶ人生の中で戦後の当初から変わって来たわけでありますのでこれに対処していくために、ぜひそんな観点、地域の中でせっかく根ざした歯科医師のネットワークが他の医療関係者、また介護関係者とも密接につながっていただけることを私ども切望しておるわけでありまして、これが実は一番、医療にとりましても大変、医療費の削減ということが叫ばれておりますけども、ひょっとしたら一番遠くから注射を打つような形になるのかもしれません。一番近道もしれないなということを思っているので、できれば病院の関係者の中にも、このせっかく丹沢先生の出された、この口腔外科が口腔の歯科があるところの病院の、例えば在院日数が劇的に変化をしていくとか、そうした効果が表れれば、それをまた医療の面、歯科の面、診療報酬の面から評価をできるような形になれば、また違った展開があるのかなと思って、大変、外野の期待は大きいということで、ぜひその辺りのところは発言していきたいという具合に思っております。以上であります。


○江藤座長
 ありがとうございます。すでに資料4で13枚目におきまして、健常者型から高齢者型に移行している、そのいわば教育の中身の問題、それから歯科医療の体制の問題を含めてのご意見でした。それでは、どなたかございますか。失礼しました。それじゃあ、森田先生、いかがでございますか。


○森田構成員
 はい。国立社会保障・人口問題研究所の森田でございます。私自身は専門は社会科学でございますけれども、現在、この社人研の所長と同時に中医協の会長も務めておりますので、ちょっとその観点から述べさせていただきます。1点目はまさに社会保障・人口問題研究所の観点ですけれども、現在話題になっておりますけれども、わが国の人口減少というのは相当厳しいものがありまして、これからどんどん減っていくということです。地方創生その他でできるだけ減り方を抑制して維持レベルに持っていこうという議論がされておりますけど、現実の問題といたしましては、相当長期に渡ってまだ人口は減り続けるであろうと。で、このことは、もちろん人口がそのまま需要に結び付くというわけではございませんけれども、相当、人口の減り方が激しいとしますと、やはり医療に対する需要というものも相当減ってくるということを想定していかなければいけないというふうに思います。これは高齢者が増えてくることによって人口構成の内容が変わってきております。従いまして、高齢者の需要というのは増えるのではないかというふうにも考えられるわけですけれども、高齢者そのものがもう減り始めております。そういった意味で言いますと、右肩下がりのカーブ。これは、これまで日本はあまり経験したことはないんですけれども、それを前提にして、これからのサプライの在り方あってものを考えていかなければいけないということだと思います。さらに申し上げますと日本全体としてそういう人口の減少がありますけれども、これ、医師もそうですけれども、いわゆる地域別の需要の分布って言いましょうか、減り方というのはかなりばらつきがございます。そうしたものも考えていかなければいけないわけでございまして、特に農村部の人口の減り方が非常に著しいと。他面におきましては、首都圏を中心とする都市部における高齢者の増加というのは、これはまた、これまで経験したことがないほどの規模で起こってまいります。そうしたいわば需要の発生、その需要の形態に応じた形でどのような医療サービスを供給していくことができるのか。それについてもちろん、一番中心になります、医師、歯科医師の在り方、養成の在り方というのを考えていかなければいけないのではないかと思っております。実際問題として医療のほうで申し上げますと、よく県民1人当たりの医療費が県によってかなりばらつきがあると。それを調整しようと。厚労省であんまりこういうこと言っていいのかどうか知りませんけど、そういう話が出ておりますけれども、あれはベッド数と、いわゆる人口の減り方の関係を調べますと、逆相関がかなりきれいに出るような分野ではないかと思っております。それが人口の観点から見た私の需給の問題についてなんですけど、もう1点申し上げますと、中医協の観点から言いますと、これもここであまり私が明確に申し上げるっていうのはちょっと問題があるのかもしれませんけども、医療保険財政というものが相当厳しくなってきておりまして、2025年問題ということも言われておりますけれども、これまでのような素晴らしい医療の質、そしてユニバーサリティを持ったような形での介護保険制度をいつまで維持することができるのかなと。それをそろそろ真剣に考えなければいけないときにきているかと思います。もちろん、それにつきましては保険外併用の話とかいろいろ出てきておりますが。
 課題におきましては、介護保険制度を維持する限りは、医療費の単価というものを維持していくということが難しくなってくるかもしれない。そうした情勢の中でまさにサービスといいますか、経済的なサービスの提供としての医療をどういう形で維持していくのか。医師会も含めてでございますけれども。それについても考えていかなければいけない。需要が減ってきたことに対しまして、質を高めるという形で医療費を上げていくことができるならば、それはそれとして国民にとって非常にいいことなんですけど、そちらのほうも制約もあるということも頭に入れておく必要があるのかなというふうに思っております。ちょっと資料を拝見して感じたところでございます。以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。人口減への対応、それから保険医療の対応でございました。それでは、この需給調整等につきまして、高梨構成員、よろしくお願いします。


○高梨構成員
 すいません。弁護士の高梨でございます。われわれの世界もまさにそこの需給調整に失敗した、ある種、先輩の世界からやってまいりまして、ただわれわれのほうも今、合格者の数を減らすという話をしております。3,000人を目標にしていたのを、今、1,500人でなんとか止める方向で今、お話し合いが進んでいるところです。ただ、この話をすると絶対に、強い批判を受けます。それは何かと言うと、資格を持った人間がギルド的な、要するに既得権益を守るために供給を減らそうとしているんだと。現実に経済系の方はそういうことを、経済学者の方々が、自由競争によって質が向上するんだから数を増やすことの何が悪いんだ、ということをよく簡単におっしゃられます。現実に先日も、昨年の弁護士会も合格者の数をどうするかっていうシンポジウムにおきましても、ある経済学者の方は歯医者さんの例を引き合いに出して、歯医者の数が増えたから虫歯の人が減ったと。歯医者の数だって増やして良くなったんだから、弁護士の数を増やして何が悪いんだというふうにおっしゃられたそうです。非常にこの点についての理解を得ないと、やはりこの批判を乗り越えていかないと数を減らすことによって質の向上を図るという議論は国民的な理解を得にくいのではないかと思います。まさにそれはわれわれが今、苦しんでいるところです。私が理解するところの自由競争によって質の向上を図るということは、少なくとも弁護士と歯科医については、以下の2点において誤りがあるんではないかと思います。1つは自由競争によってと言っても、それはOJTのシステム等が確立、臨床経験、歯科医の方で言えば臨床研修なり臨床経験で考えなければいけないんですが、数を増やすことによって、そのOJTなり臨床経験の数が減らせば、数を増やしたことによって質が上がるということは、ちょっと考えにくい。あともう1個は、自由競争によって淘汰されるとおっしゃるんだけど、じゃあ、自由競争ってマーケットがちゃんと判断力があるってことが前提です。でも、われわれ弁護士も誰が優秀なのか、トラブルで被害を受けた方、絶対おっしゃいます。あの先生は見た目は優秀そうに見えた。弁護士のバッジを着けているんだから、弁護士としての能力が十分あると思って頼んだ、と。やはりマーケットから見たときに、誰が適切な能力があって、適切な能力がないのかの判断ができないところで自由競争で質が上がるというのは、それは経済学、マクロ経済学の本ではそうなるのかもしれないけど、現場ではそうはならないと思います。あと、もう1点が、そこでじゃあ、質の悪い人が淘汰されるときに、じゃあ、質の悪い人に当たった依頼者はどうなるのか。弁護士で言えば依頼者で、歯科医療であれば患者です。その人たちが犠牲になることによって質の向上を図るという考え方が果たして妥当なのか。私は今申し上げた観点から自由競争による質の向上、数を増やすことによって自由競争による質の向上ということは、少なくとも弁護士と歯科医の世界についてはあり得ない話だろうと思います。この点について国民の理解を得ないと、供給を減らすことによって質の向上があると、絶対に、いや、あいつらはギルド的に既得権益を守りたいからこういう議論をしているんだというあらぬ誤解や中傷を受ける結果になるので、その点についても留意しながら議論を進めていく必要があるのではないかと考えております。以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。富野先生、三塚先生、今のご意見に対して、今のご意見じゃなくてもいいんですが、参考資料5の歯科医師会の見解に対する補足的なご発言でも結構ですけれども、お願いします。


○富野構成員
 私が発言すると歯科医師会から少し外れるかなという感じはいたしますけれども、まず医療が不確実性が高いということが前提ですよね。ですから、どれだけの歯科医師が必要かということになると、これはまた不確実が高いということなんですが、適正数というのははっきり分かりませんけれども、私はこの需給問題というのは、これは過剰問題でしかあり得ませんので、国がきちっとしたライフステージを設定できて、シームレスなものをやるんでしたら需給ということで考えますけれども、そういうことはありませんので。あくまでも社会がどれだけ歯科医療を必要としてるかが、需要がどの程度あるのかということと、それから公の、国の経済がどうなのかということと、それから、歯科医師になった者の生活がどうなのかということで、私は適正数が決まってくると思います。というのは、緊急性が非常に低い、緊急性が比較的低い歯科医療の場合は、どうしても歯科と経済がリンクして動いていくというのがありますので、そういう面では歯科医師というのは経済を背景として数というものが調整されていくべきではないかと。そういうふうに基本的には考えてございます。あと、報告書にも書かれておりますけれども、未習熟の学生がどうする、こうするっていうことなんですけれども、厳しい言い方をするとそれは個人の勝手なことなんで、なぜここまで考えなきゃならないんだろう。それは入り口の問題ですから、大学、文科省が個別に考えるべきことではないかと思っております。それから、合格率の高いところ、低いところ。高いところは学力の高い学生が入っているから国試の合格率が高いわけなんで、はっきり言いまして。そうしますと大学の定員というものは一律に120人いるから120人入れるということではなくて、例えば、5年間の国試の合格率を基にして、この大学が国試を通せる能力というもの、大学としての能力は30人しか合格できないということであれば、30人にすればいいだけの話なんですよ。そうやってやっぱり大学の、特に私立の自立ということを、これは競争社会でございますので、やっぱり自ずからその大学の持っている能力に合わせて入学定員が設定されていくべきと、そのように考えております。そういうことが私の気持ちとしてはございます。以上です。


○江藤座長
 はい、ありがとうございます。三塚先生、何かご追加、よろしいですか。それでは、はい。じゃあ、水田先生。


○水田構成員
 ちょっとピントが外れるかもしれないですけど、私は本当に歯科医師が過剰なのかということに対して疑問を持っているわけなんですね。確かに数は増えているかもしれないけど、昔のままの感覚で歯医者さんが多くなったっていうんじゃなくて、今、歯科医師に求められている仕事の量っていうのは、ずいぶんいろんな仕事が増えてると思うんですね。高齢者の人にしてもそうなんです。例えば高齢者が増えてるっていうだけで、じゃあ、本当にその人たちが全員診てもらえるのかって言うと、なんにも治療してもらえない、こんなもんだっていう観念の下に歯医者さんに行ったことない人たくさんいると思うんですね。ですから、そういうふうなことを考えると本当に過剰なのかと思うし、それからもう1つは保健所には医師が必ずいなきゃいけないっていう規則があるんですけど、なぜそれだったら歯科医師も常駐にしないのかと。これだけ、なんて言いますかね、在宅とかいろいろ言っていながら、いつも歯科医師はちょっとこっちにやられているように私は感じてますんで、その人たちの、チーム医療の中で一緒にするならするでいいし、それから保健所の方で地域の医療事務と、義務としてそういうようなことを置くっていうふうなことをしていけば、私は歯科医師の方が決して過剰とは思えないんですけどもね。私は今、MDとしてそういうふうに考えてます。


○江藤座長
 ありがとうございます。小森先生、どうぞ。


○小森構成員
 はい。地域医療の歯科医療の現場をミクロとして見る視点と、マクロとして見る視点と両方要るんだと思うんですね。今、水田先生おっしゃること、私まったく事実だと思うんですが、歯科医師全体の職場のシフトということが診療所を中心として待つ医療ではなくて、町に出る医療に変化をしていくという視点がやはりそこでは大事なんだと思うんですね。ですから、今、在宅医療等で極めて歯科医師のお仕事が多い。だから多いっていうことでは、やはりない部分があるんだと思うんですね。日本医師会もまた、まったく別のことで最近、全国医学部長病院長会議とともにあるべき医師の姿についてプレス発表をしたばかりなんですが、その中で1976年には、437人に1人が医師になってるんですね、国民の。3年前には、162人に1人が医師になっています。このままの状況ですと2030年には132人に1人が医師になるんですね。当然、国家ですので1次産業に携わる方々、農業・林業・水産業。あるいはまた2次産業に関わられる製造業、そのほかの方々。また今、ここにお集まりのさまざまな職種の方々、小売業、運送業等々、国家としてのバランスっていうことはやっぱり大事なんだと思うんですね。132人に1人が医師になる世界って本当にどうなんだろうか。日本国全体のマクロとしての視点ということもやっぱり考えていかないといけないと思います。例えが適切ではないのかもしれませんが、つい先日、国立公文書館の館長をしていらっしゃる方のお話を聞いて、わが国において国立公文書館に携わる職員の方がアメリカの数10分の1であると。従って多くしないといけない。いや、確かにそうなんだと思うんですね。ただ、少ないところは「少ない、少ない」とおっしゃるんだけど、そういう形のミクロの視点だけで増やしていっちゃって果たしていいのかなということもあると思いますので、そこはバランスの取れた観点が必要と思います。それから、歯学教育の自由度に関しては私も先日、文科省の会議で指摘させていただきましたが、最少年限である6年間で国家試験を通っている数が極端に少ないということは、国民の方々はおそらくほとんどご存じない。各大学のホームページに関連事項を記すことになっておりますが、当該大学のホームページに行きますと、そこのことを見ようという強い意思がなければ、非常に深い階層にあって見ることはできませんし、見てもよく分からないような記載にしかなっておりません。だから、そういったこともやっぱり改善する必要がありますね、ということを申し上げましたけど、そういう意味ではやはり歯学教育の自由度ということは大切にしつつも、今、歯科医師会の富野先生がおっしゃったような、やはり各大学の社会的な使命ということを十分に考えて歯学教育、定員の在り方というのはやっぱり考えていくべきなんだろうなということで、これからの世界で、社会で必要な歯科医療の現場、その推定数と、う歯等の減少によるシフトの状況というミクロの視点と、歯学教育の自由度の在り方、社会的使命の問題と、国家の在り方というマクロの視点とをやっぱりバランスよく議論することが必要なんだろうなと思います。


○江藤座長
 ありがとうございました。では、三塚先生。


○三塚構成員
 先ほど水田委員の歯科医師の過剰の問題と、それから実際、在宅での歯医者さんがなかなかいない、だからこれは過剰ではないっていう話なんですが、過剰という問題とその問題とはちょっと違いまして、私どもの考え方とすると、そこは在宅医療等に取り組む歯科医師の方が、先生おっしゃいましたように現在、非常に少ないという現状があるんですね。私たち歯医者さんっていうのはもともと小森先生たちみたいなお医者さんと違って、お医者さんたちは外に出て往診という。で、私どもは長い間、自分の診療室で患者さんが来るのを診ている。そういう人たちが非常に多かった。ところが今、おっしゃったように高齢者がどんどん増えてきて、在宅で私ども、医療連携等含めながら口腔ケアもやっていかなきゃいけない。治療もやってかなきゃいけない。そのときになかなか踏み込んでいく歯科医師が少ないっていう現状があるんですね。で、在宅療養支援歯科診療所というのがあるんですけども、歯科診療所の数の10%までまだ届いていないという現状があるんです。歯科医師会としては、やはりそこをなんとかしなきゃいけないので、医療連携室事業とか、それから厚労省のほうから在宅とか、それから医療連携のほうに26年度から出ております基金というのがあるんですけれども、そういったものを活用しながら、在宅に取り組む歯科医師を増やしていくというのをやっています。ですから、過剰の問題と、在宅に取り組んでいる歯医者さんが少ないのよっていう話とはまた別物であります。この検討会の中でそこのところをしっかりとした形にし、歯科医師はこうあるべきだっていうものを出して、それに私ども一緒になってそういった歯科医師を育てていく。これがこれから一番必要なことなのではないかと思います。


○江藤座長
 分かりました。


○水田構成員
 ちょっといいですかね。すいません。仕事をね、今までずっと口開けてぼーっと虫歯の患者さん来るの待ってるんじゃなくて、どんどん出ていくようにすれば、私やっぱり、歯医者さん足りないと思いますけどね。


○三塚構成員
 はい。ですから今お話ししましたように、そういった意識改革を私ども、一生懸命やっています。ですからこの会議での協議結果を、もっとしっかりした制度の中に取り込んでいき、それからみんなでそういったものを考えていけば、もっと歯科医師が在宅に取り組んでいけば、健康寿命の延伸につながるというふうに考えております。


○江藤座長
 健常者対応型の歯科医は多くて、高齢者対応型の歯科医は少ないという議論ですね。これは、論点の中に入れさせていただきます。それじゃあ、最後に、これも歯科界の外からということで、南構成員、何かございますか。


○南構成員
 はい。読売新聞の南でございます。久しぶりに歯科医療に関する検討会に参加いたしましたが、以前、文科省の協力者会議に参加させていただきましたときに伺っていた状況を思い起こしました。やはりこの問題は国全体として、質の向上を重視しつつ需給や専門性を幅広く議論しないと解決しないことが多い、という印象をあらためて持ちました。今のお話にも通じることなんですが、必要数の議論は、先に、医師需給の会議も、直近の最終報告で医師にどこまで何を求めるのか、どういう役割を期待するのか、によって異なるので一概に数は出せない、という結論に至っており、これは、歯科医師でもまったく同じなんだろうと思います。30年前、20年前と今とでは歯科医師に求められている役割がそもそも違いますし、社会の状況も違うわけで、そこを十分に考慮してどのような役割の歯科医が現在の日本で求められているかということを十分に考えないと数の議論はできないだろうと思います。 そこで全体のことを申し上げてよろしいですか。少し後の議論かもしれませんが、専門性の議論のところです。日本歯科医学会が専門医、認定医として認めている学会が、40以上もあるような状況です。さらに小さなものも含めると、数え切れないほどの専門の学会があるということで、正直なところ違和感を持ちました。社会が求めている歯科医の役割ということに照らして一緒に議論しませんと。専門家ですから、専門性をどこまでも追求するのは必要なことですし、結構なんですが、一方で、社会に求められている役割というところを、十分に考慮をしていただく必要があり、この論点も是非していただきたいと思います。


○江藤座長
 はい。ありがとうございました。それでは、需給につきましては以上にさせていただきます。それでは次の議題でございますが、女性歯科医師の活躍の場所をどうするかと、そういったことでございます。必ずしも女性の構成員のご発言でなくても結構なんですが、三浦構成員いかがでございますか。


○三浦構成員
 人口減社会、かつ超高齢社会においてニーズの変化が起こってきているというのは既にご説明のあったとおりです。それで、このニーズ変化というのはやはり、歯科医師のキャリアパスにも非常に影響を与えるところでして、実は今回、3つの柱、出されているもの、互いに相互に関連し合っているかというふうに思います。最終的に今後の歯科医療を考えると、国民の皆さま方に質の高い安心・安全な医療、歯科医療を提供していくというところに尽きるわけで、そのためにどういう方策が良いのかという観点で考えますと、やはりこれからの歯科医療を担っていく若手の歯科医師、特に女性が4割を占めるという現状を踏まえ、その方たちにどうやって魅力的な将来像を描いてもらうか。ここは非常に重要なところで、これがないと優秀な学生さんを集めることはできません。そうなりますと、歯科医療の質も下がってくるということになるので、ここの部分は非常に重要かなと思っています。
 それで、ただ現状を鑑みますと、私どもの厚労科研で行った研究事業において、歯科有識者の皆さま方と臨床研修医の方々への調査をした結果、有識者の方々は当然、高齢者歯科医療、そして摂食・嚥下のニーズが高まってくるというふうにご回答されている方が非常に多く、臨床研修医もその認識とほとんど一緒でした。ところが、臨床研修歯科医が将来取り組みたい部分は旧来型の歯科医療に取り組みたいと回答する者が高率でした。この若手の歯科医師の自分自身が、将来ニーズが伸びるというふうに思っている部分と、実際の行動体系のずれっていうのは、私どもは非常に気になっているところでございます。これはたぶん、現状は理解しているのだけれども、マインドが変わっていないんだろうというふうに思っているところです。
そのことを踏まえますと、女性歯科医師の今後の活躍もニーズの変化を捉えた、キャリアパスをどのように考えていくか。そこに尽きるかなと思っています。正直なところいいロールモデルが今、不足しているところなので、その大枠の道筋の提示っていうのは今後の歯科医療の発展のために不可欠かなというふうに思っています。


○江藤座長
 ありがとうございます。女性歯科医師に特化した問題というのはなかなか難しい問題でございます。医師のほうも女性医師の問題ございますし、要するに免許を持っている職種の女性の在り方と言いますか、活躍ができるような方法で、なおかつ歯科に特化した問題ということをワーキングでもやっていただこうと思っております。女性ということで水田先生、何か一言。


○水田構成員
 いや、今一番そういうことがちょくちょく話題になっていると思うんですけども、ちょっとでも、私、データのことでちょっとお聞きしたいんですけど、資料の4のスライドの23番目ですね。女性歯科医師数の推移となってますけども、これは合格者の数なのか、実態なんですか、これは。今実際に例えば免許持ってても働いてない人、たくさんいるんですよね。医者の場合でも4割方が女性なんですよ。だけど、実数は2割ですね。働いている人はね。だから、そこのとこのデータが一番欲しいんですよね。といいますのは免許持ってても家庭に入ると子供を産むと働けないとか、そういうことがたくさんありますね。私は歯科医師の場合はそんな急患とか当直とかがないと思うんで、非常に女性医師としては仕事がしやすいと。結婚していても、子供を持っていてもできる領域だと思ってるんですけども、うちの大学でアンケートを採って、卒業生全員にやったんですけどやっぱり少ないですね。結婚したら辞めちゃうとかね。そこの問題は何かっていうことをやはりつかまないと、女性歯科医師の働く環境の整備ということにはやはり問題が多くなってくるんじゃないかなと思うんです。本人がしたくないと言えばそれまでですけど、そうじゃない場合です。


○江藤座長
 ありがとうございました。南さん、いかがですか。


○南構成員
 いえ、特にございません。


○江藤座長
 分かりました。男性の構成員、もしご意見がございましたら。何か事例等。


○三浦構成員
 男性の先生方に問いかけがあったのに、すいません。私が発言させていただきます。歯科の場合は、先ほどご説明があったように勤務先がクリニックの勤務医ということで、女性が結婚して出産して、そのあと離職している期間から復職する際のバックアップ体制がどうしても弱いというところが根源的にある問題でして、ここのところが意外とベースなって効いてくるかなというふうに思っています。これはたぶん、日本の産業全体に共通する課題でして、ある程度大きな組織、大きな病院だと復職の社会体制があるのですが、クリニックにおいては、非常に今、経済的な過当な競争もあるところで、その中でなかなか就労ベースになっていく部分、すなわち働き方へのバックアップまで現状は行き着いていないというところが多いかと思います。歯科の場合は、例えば開業医と結婚された歯科の女性の歯科医師の場合は、一応、登録だけはしていても、実働はあまりしていない事例もありますので、おっしゃるとおり、実働数は女性の場合はかなり、それほどの数ではないかなというふうに思われます。この辺りも含めて、やはり女性の歯科医師のキャリアパスの提示みたいなところは、考えていかなければいけないかなと思っています。


○江藤座長
 ありがとうございました。女性歯科医師は男性に比べると勤務者が多いという、先ほどデータがございました。もう1つは医科と違うのは、医科はだいたい病院主体ですが、歯科は個人開業主体でその院長先生、衛生士2人、そこに勤務する場合、病院に勤務するのとは条件が違ってくると、そこら辺が特殊性だというのは三浦先生のご発言の要旨です。


○鳥山歯科保健課長
 座長、恐れ入ります。


○江藤座長
 どうぞ。


○鳥山歯科保健課長
 先ほど、水田委員のほうから私どもの資料4の、パワーポイントの資料23、24についてご質問がありましたので、まず、この数字、例えば23の棒グラフの平成24年の数字22,295という数字は、これは2年に1回の医師・歯科医師・薬剤師調査、歯科医師の届け出をした女性歯科医師の総数でございます。ただ、この22,290のうち、相当数は実際に医療機関に従事をされている方の数でございますので、この数より若干数字は小さくなりますが、なんらかの形で診療に従事されている方と数字そのものはそれほど大きくは違っておりません。以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。


○水田構成員
 じゃあ実数と考えてよろしいですね。


○江藤座長
 それでは最後の議題に入らせていただきます。まず歯科医療に求められる専門性についてのご意見でございますが、この歯科の内部の方と、外からの方と、両方の方々にご意見をいただきたいと思っております。まず井上先生いかがですか。先ほど、南さんのほうから専門医につきましては、この資料4の29ページ、29枚目のパワーポイントのところに認定分科会と専門分科会、これ、多すぎるんじゃないかと。その辺に関しましてご意見ございましたら。


○井上構成員
 現在、歯科医学会では専門分科会と認定分科会を作っておりますが、このほかにもおおよそ40以上の学会があります。それらの学会は、日本歯科医師学会が認めていないと言うとちょっと語弊がありますが、把握しきれないような専門医を、認定医を出しているものがたくさんあります。先ほど、南委員のほうから言われたように、本当に社会が求める国民が必要としているものとその専門性というものが必ずしも一致しない専門医がたくさんございます。この専門分科会、ないしは認定分科会を見ていただいても、この科は何をやる科なんだろうか。それから例えば患者さんが見られて、日本接着認定医という専門分科会があるんですけれども、これを見て患者さんが、接着って何をするのだろうと、思うような専門医もあり、これらも真剣に考えていかなければいけないと思います。技術専門医という考え方ならまだしもあり得るのかと思いますが。また、われわれが認めている学会の中で医療を本当にやっているのはどれかといったようなこともございます。例えばスポーツ歯科医学というのは、医療なのだろうかということですね。それから、審美というのもございますが、これは機能を治した上で患者さんのご満足を得る上では医療と言ってもいいのかもしれませんが、非常に患者さんに分かりにくいといったものも多いという形になっております。その辺をやはり考え方として、国民が分かりやすい専門医というものをつくらなきゃいけないのかなというふうに思っております。以上です。


○江藤座長
 ありがとうございました。それでは、南さん、さらに御追加等ございましたら。


○南構成員
 すみません。さきほどは、そういうことを考えたうえで需給っていうことを考えていかないといけないということで、ちょっとここまで踏み込んでしまって申し訳なかったんですけれども、さきほども申し上げましたように、専門家ですから専門的にいろいろ極めようということは結構なことだと思うんですけれども、医師についても言えることですけれど、医学と医療っていうところに、本当は医学も医療も社会に必要とされているものな訳ですけれども、そこのところに繋がりというんでしょうか、それは大きな国の課題として、なかなかそこのところが、うまく医学的な専門性が必ずしも診療科でいうところの何なのかというところに通じないというような部分は、歯科医学の問題だけではないと思うんですね。ですけど、歯科医療の、歯科医師の資質向上で、歯科医療の話な訳なので、歯科医療側から見たときには、歯科医学会の現状はどうかな、という風に率直に思ったというところでございます。


○江藤座長
 歯科医学会、井上先生いらっしゃるんですけれども、歯科医学と歯科医療は、専門性、専門医性ということでは、乖離しているんではないかと、そういうご指摘でございます。外からのご意見を頂いた方がいいと思うんでございますが。


○小森構成員
 日本医師会の小森でございます。歯科の先生方、また、それから、それ以外の方も、既によくご承知のことだと思いますが、医科におきましては、専門医制度の在り方について、この近年、大変大きな変化がございました。2011年から13年にかけまして17回、厚生労働省におきまして「専門医の在り方に関する検討会」が開催をされ、一昨年の4月22日に報告書が公表されたところでございます。たった9ページと9行の報告書ですが、そこにはですね、基本的に専門医像については、「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」と定義をする、というふうにいたしました。つまり、スーパードクターのことを指すわけではない。医科という広い分野の中で、基本的に18、ここにも色んな議論がございましたけれども、内科、外科等、18の領域を基本診療領域とする。ただ、今後の病態像の変化、人口構成等を考えると、より総合的な診療能力を持つ医師を養成をしていく、ということが必要であるという観点から、総合診療専門医をこれから、しっかり養成をしていく。急激な数を求めるのではなく、他の領域の専門医と同等の、つまり、ダブルボードは基本的に認めない、という哲学のもとで総合診療医の養成をしていこうということです。
 たった9ページと9行なんですが、実は「プロフェッショナルオートノミー」という言葉が5回もでてまいります。それは、専門医の在り方、そしてその養成、認定、更新等については、基本的に国家管理は認めない、医療者の自律的な行為によって、これを行うのである。したがって、第三者機関たる日本専門医機構、という名前に最終的になりましたが、についての本体の運営費等については、国家の予算はいらないと、医療者みずから、支弁するということで最終的な合意に至ったということがございます。もちろん、その中のサブスペシャリティの領域、これをどう考えるかについては、まだ、十分な議論は出来ておりませんが、まず18の基本領域そして総合診療専門医が取得するにあたって、どういったプログラムを少なくとも履修しなければいけないか、ということを、今、議論している、ということであります。
 そういった意味から考えますと、歯科の領域で、今、21プラス21というお話がございましたけれども、医科から見ますと、これは、すべて、いわゆるサブスペシャリティ、医科からみるとですね、というところに入るのかな、という気がいたします。 医科におきましても、サブスペシャリティと、あるいはまた、技術認定といったようなところまで含めますと、あるいは、また、自ら学会、研究会を名乗っているものまで含めますと、1,000近くあるとも言われていますが、日本医学会という団体の中で、先生方においては、釈迦に説法ございますが、日本医学会に加盟を認められている分科会は122でございます。毎年、相当数の学会から申請がございますが、かなり厳しい選考をしておりまして、毎年1つ、多いときで3学会を認めるというようなペースで、いま122という数になっております。いま、こう、拝見しますと、21プラス21の中に委員からのご指摘がありましたけれども、国民から見て、歯科の領域の、私ども歯科のことをよくわかりませんが、この学会ってどうしても要るよねっていうのと、技術認定あるいは審美的なものまで、色んなものが並列で一緒になっているような印象を、歯科以外の人間としては感じます。そういったものを国民の目から見て、何のための専門領域あるいは専門性なのか、ということを国民の目から見て何が必要であるのかという視点と、いわゆる歯学の発展のために必要であるという観点と、そういったことで、一度整理をなさる必要があるのではないかな、という印象を強く受けました。と同時に、9ページと9行の中にですね、実は「国」という言葉は2回しか出てまいりません。それはそういった哲学でやっていこうと、そのことを含めて、将来の医師偏在等についても医療者全体が責任を持とうということで合意をされたということから、国民の方々、大変これに注目をしているということで、医療者としてその責任に応えることが出来なければ、我々は国民からも見放され、国家管理にその身を委ねることになるんだろうと、思っておりますので、何とかこう、頑張って踏みとどまってですね、医師数の調整、また、各地域医療をしっかりつくって、評価をしていくために診療科並びに専門科、専門医さらに医師数の偏在にも努力していく、その一歩を踏み出そうという動きをしておりますので、色んなかたちでご参考にしていただける点があると思いますので、そういう意味でも発言を出来る場があるといいと思いますが、この数を見て、この羅列を見ますと、いま、申し上げたようなことを感じましたので、ちょっと、お話をさせていただきました。


○江藤座長
 ありがとうございました。日本専門医機構によって、新しい専門医になっていきますのは、平成29年ですね、先生。


○小森構成員
 確定ではなくて、最も早いペースでそれを目指して、そのスピード感でやろうということでございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。


○小森構成員
 おおよそ、そういうふうなかたちに出来るだろうということでございます。 


○江藤座長
 それでは、出来るだけ外の先生からのご意見を頂きたいと思っておりますが、 伊藤文郎先生いかがですか。


○伊藤(文)
 私も、29ページの、この図を見せていただきまして、何がなにやら、さっぱり分かりません。これは、どこの方にかかればいいのか、患者は間違いなく的確に選ぶことは出来ないというふうに思っています。一方、また、もう1つありますのは、歯科の先生方の、中医協の私、委員もさせて頂いておりましたので、そちらでもお話が出て参りましたが、疾病の難しいこと、漢字はまず書けません。病名もですね。非常に専門性が高すぎるのか分かりませんが、非常に分かりにくいものになっているということがひとつの構造であります。もう少し、在野に降りて頂きまして、先程、三塚先生も問題意識を持って頂いておりますけれども、例えば在宅が今、喫緊の課題になっておりますが、そうしたものが本当にお出かけ頂けるのか、なかなか、お出かけ頂ける先生が見えないというのも現状でございますし、また、たいへん注目いたしておりますけれども、資料4の12枚目のスライドにあります、口腔管理による在院日数の削減効果という、こうしたことが、たぶん、実は、医療者には大変衝撃的だったようでありますけれども、歯科医師の世界でも、こうした12ページのこの図がですね、共通認識としてあるのか、いくつか、こういうことがあれば、歯科医師の先生方の方向性も変わってくるのかと思います。まさに連携という点では、私ども一般の国民は、健康でいたいという願望は、みんな強いわけでありますので、こうしたことを医療者、歯科医療者が協力を頂きながら国民の健康を保って頂けると、そんな一助になっていただければと思っております。専門性も大変大事だという風に思いますけれども、もう少し一般的な必要とされているところに詳しくしていただくことも必要かな、という風に思っております。私からは以上です。


○江藤座長
 ありがとうございました。はい。


○富野構成員
 歯科では各学会が専門医、認定医を行っておりますけれども、国民にとっては全然分からないレベルの話ですので、私、基本的には、各学会が認めるのは、学会内部にいる人間はいいですけれども、国民目線からすると、あんまり評価に値するものではないと基本的には考えています。あと、もう一点は、これから、在宅のこともありましたけれど、歯科そのものが、かかりつけ歯科医なんですよね、そういう面ではジェネラルに扱っていける歯科医師を専門医制度の中に導入していくことが、これからは必要になるんじゃないかと思うんですよね。そのように考えます。


○江藤座長
 はい、ありがとうございます。それらの総合医の問題につきましては、医科はすでに方向を出しておられますので、また、ワーキンググループで、そういった議論をしていただきたいと思っております。


○三塚構成員
 専門性のところは、さきほど伊藤先生もおっしゃったとおりだと、僕も。あと、もう1点。先程、伊藤先生のところで在宅について話があったんで、そこに関連するところなんですが、事務局の資料4のところの方に、ずっと後ろの方にいきますと、将来像、需要の将来予想、高齢者型等で口腔機能を取り上げているにもかかわらず、4ページのところの3と4のところにいくと、そこのところが外れている。ちょっとこれ、気になっていたんで、先程、伊藤先生のおっしゃったところと関連するんですが、どうも、下の方のところとあまりリンクされていないんですね、3と4のところ。だから、ここで言うと、やっぱり、高齢者のところを踏まえたうえで、そういったものをイメージの中に入れて頂きたい。そうしないと、後ろの方で言っている事と、ここと、だいぶずれてくるんじゃないかな、というところがあるのと、もう1点、すごく気になっている部分が、スライドの4のところで歯科診療所の括弧内のところで、歯学部附属病院等と連携って書いてあるんですが、これ、むしろ、病院歯科との連携という風に書いておいていただかないと、やはり病院歯科がこれから、実際問題、歯科を標榜する病院は約1,000しかないんですけれども、病院歯科のところで、患者さんのところを、しっかり診ていくシステムになりますから、ここは変えて頂かないのかな、というふうに思っております。それから、ちょっと戻ってしまうんですけども、さきほど、司法試験のところで高梨先生がお話していただいたところに関連してくるんですが、専門家の高梨先生とか森田先生がいらっしゃいますが、司法試験が5年に3回っていうやつは無くなったんだけど、でも、5年のうちに合格しなかった場合には、もう一度評価をし直すシステムがありますよね、だから、歯科医師国家試験の在り方を検討していくにあたって、法科大学院や司法予備試験のシステムが、非常に僕らには参考になるので、厚労省の方はそういった資料を是非、今度、ワーキンググループのところには、いろんな資料を提供していただいて、議論できるようなかたちをつくって頂ければありがたい、というところです。この2点ですね。


○江藤座長
 ありがとうございました。専門性について、高梨先生、何か。


○高梨構成員
 2点ほど、お話したいことがありまして、1点はまずやはり、先程、いろんな先生からご発言が出ている、国民から見て分かるものでなければ意味が無いし、かえって有害であるというふうに思っています。私は医療事件を多く扱っている弁護士なんですけれども、インプラントに関するトラブルに関しては、メーカーさんに認定されている、要するに認定医、専門医ということの名乗り方が、いったいそれは本当にクオリティを保っている歯科医なのかどうか、まさに素人や一般市民に分からないんですね。だけど、某メーカーさんの私は認定医です、とか、何件やってますとか、そういうかたちで、自分はあたかもスペシャリティがあるかのように偽ってというと言い過ぎかもしれないですけれども、そういう風に称して、顧客誘引を図ってトラブルを起こしている方が非常に多い。そうなるとやはり、専門医というものの在り方を考えるときにクオリティを確保すること、そして、クオリティがある人と無い人を、無くても名乗る人は絶対に出てくるんですよ、それがちゃんと一般国民から見えるかたちに整理をする必要があるんじゃないか、ということがまず1点ございます。あと、もう1点が、ちょっとこれ、我々の世界の話なんですけれども、我々の世界も実は専門弁護士制度というのを導入しようとして、日弁連もずっと苦労しているのに、なかなか実現しません。実は、この専門弁護士制度を導入しようとしているのは、一方、市民からのスペシャリティのある事件に対するアクセスを確保するというのもあるんですが、実はもう一方、弁護士のキャリア形成を、そこで図れるようにしようという意図もあります。それは具体的に、どういうことかというと、専門性を高める道筋それはOJTのシステムなり、なんなりをつくっていくことによって、「あなたはこのスペシャリティをもって、プロフェッションとしてやっていきたいんだったら、この道筋なりキャリアパス、OJTのシステムっいうもので研鑽を積めば、あなたは、このスペシャリティなりプロフェッションとしてやっていけますよ」という道を作りたいという意図があります。現実にアメリカの弁護士の世界は、ある程度できるような仕組みになっていて、若手の優位のある、いろんな地縁、血縁に生まれていなくても、意欲のある人がスペシャリティを目指して頑張っていくと自立できるというふうな仕組みがアメリカではある程度できています。ですので、専門医制というのは、先ほどもあったキャリアパスの問題にも関わる問題ではないか、ということを申し上げたい。以上です。


○江藤座長
 ありがとうございました。専門医制につきましては、資料4の29ページの学会でつくった専門医はご破算にして、国民の視点にたったかたちで議論をしてほしいというご意見が多い。これは、ワーキングの方で具体的に検討をしていただこうと思っております。それでは、一応、この3項目につきましては、ご意見をいただきましたものを入れて、論点の整理を事務局の方でいたしまして、再度、各先生方にご覧頂きまして、修正等ありましたら修正をいただいて、あとは最終的には座長一任というかたちで取りまとめたいと思いますが、よろしゅうございますか。 本検討会の座長は開催要綱の第4条第3項というのがございまして、「検討会の座長は、作業部会の座長をあらかじめ指名する」となってございますので、作業部会の座長につきましては、私から指名させていただきます。まず、需給に関する作業部会につきましては森田先生、それから女性歯科医師に関する作業部会については三浦先生、それから専門性に関する作業部会については西原先生に、それぞれお願いをしたいと思います。それでは、事務局の方からお願いします。


○和田歯科医療専門官
 本日はご審議をいただきありがとうございました。今後の作業部会の進め方につきましては、それぞれ、各作業部会の座長の先生方と相談をさせていただきたいと思います。また、各構成員の皆様におかれましては、必要に応じて、各作業部会の委員としても別途ご参画いただくこととしておりますので、よろしくお願いをいたします。事務局の方からは以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。それでは、本日の検討会は、これで閉会にさせていただきます。構成員の先生方、貴重なご意見を多々、ありがとうございました。


(了)

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