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2014年12月19日 第12回厚生労働統計の整備に関する検討会 議事録

大臣官房統計情報部企画課統計企画調整室

○日時

平成26年12月19日(金)15:00〜17:00


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省12階 専用第14会議室(1201)


○出席者

委員(五十音順、敬称略、◎:座長)

◎阿藤 誠
阿部 正浩
石川 広己
今田 幸子
柏女 霊峰
加藤 久和
玄田 有史
齋藤 英彦
土屋 了介
永井 暁子
永瀬 伸子
野口 晴子
原 ひろみ

構成員以外の関係者

津谷 典子 (慶應義塾大学経済学部教授)
廣松 毅 (情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科特任教授)

事務局

姉崎統計情報部長
三富企画課長
武隈統計企画調整室長
手計統計企画調整室長補佐
田中審査解析室長
田邉世帯統計室長
武井世帯統計室長補佐
岸世帯統計室専門官

○議題

1 検討会開催要綱の改定について
2 座長の互選及び座長代理の指名について
3 国民生活基礎調査見直しに係るアンケート等の結果について
4 その他

○議事

 

○三富企画課長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「第12回厚生労働統計の整備に関する検討会」を開会させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 私は、統計情報部企画課長の三富でございます。本日は委員の改選後、第1回目の開会となりますことから、新座長が選出されるまでの間、司会を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 また、事務局メンバーについても御紹介させていただきます。

 まず、統計情報部長の姉崎でございます。


○姉崎統計情報部長

 姉崎です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 統計企画調整室長の武隈でございます。


○武隈統計企画調整室長

 武隈です。よろしくお願いいたします。

○三富企画課長

 審査解析室長の田中でございます。


○田中審査解析室長

 田中です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 世帯統計室長の田邉でございます。


○田邉世帯統計室長

 田邉です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 それでは、検討会の開催に当たりまして、統計情報部長の姉崎より御挨拶を申し上げます。


○姉崎統計情報部長

 姉崎です。

 本日は、年末の大変お忙しいところをお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。

 本検討会は今年の3月まで、第11回目まで開催をさせていただきまして、前回3月の第11回目の検討会のときにこれまで議論してきたことを整理いたしまして、「厚生労働統計調査の現状と改善方策について」という報告書を取りまとめていただきました。

 本日は第12回の検討会となっておりますけれども、今、申しましたように3月で一区切りをつけておりますので、実質的には第1回目の検討会、新たなスタートということにさせていただいております。

 今回、委員の改選もあったということでございまして、これまで委員を務めていただいた先生方には、引き続き、どうかよろしくお願いをしたいと考えますし、また、今回新たに委員をお引き受けいただいた先生方、大変ありがとうございました。これからどうかよろしくお願いいたします。

 皆様も御案内のとおり、公的統計につきましては、統計法に基づいた5か年計画、基本計画というものが策定をされて、それに基づいて整備、改善というのが図られているところですが、本検討会は、平成21年3月に第いち期基本計画というものが策定をされ、その中で厚生労働統計について様々な課題が盛り込まれまして、それを審議するために平成22年に設置をしたということでございます。

 私どもの部では、社会保障審議会の中に統計分科会という分科会がありまして、そこで実は統計の議論はできるのですけれども、そこでは社会保障に関する統計の議論だけしかできないということで、厚生統計と労働統計の両方とも議論できる場が必要になり、有識者の皆さんから意見を伺う場を設けるということで、この検討会ができたという経緯でございます。

 これまで11回にわたり開催をさせていただいたのですけれども、これもまた皆様にも御案内のとおり、今年の3月に新たな第に期の5か年の基本計画というのが閣議決定をされまして、また後ほど御紹介いたしますが、その中で厚生労働統計につきましても、様々な課題が盛り込まれました。そうした課題以外にも厚生労働統計は多く数がございますので、その改善等に向けて、先生方から忌憚のない御意見を賜りたいと考えているところであります。

 本日はテーマが国民生活基礎調査の見直しということで、基本計画の課題として盛り込まれた事項ということになっております。本日はこの内容について説明をさせていただいて、御意見を賜れればと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 本日の出席状況でございますが、大江委員及び樋田委員が御欠席でございます。永瀬委員につきましては、遅れて御出席との御連絡をいただいております。また、齋藤委員が途中退席され、土屋委員におかれましても途中で離席されるということで、あらかじめお知らせさせていただきます。

 さて、本日は委員の改選後、第1回目の開催となりますので、お手元にお配りしております資料1の2枚目の別紙にございますとおり、各委員の皆様方の御紹介をさせていただきます。一言ずつ、御挨拶いただければと存じます。

 まず、早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員の阿藤委員です。


○阿藤委員

 阿藤です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 中央大学経済学部教授の阿部委員です。


○阿部委員

 阿部です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 公益社団法人日本医師会常任理事の石川委員です。


○石川委員

 石川です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 元独立行政法人労働政策研究・研修機構統括研究員の今田委員です。


○今田委員

 今田です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 淑徳大学総合福祉学部教授の柏女委員です。


○柏女委員

 柏女です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 明治大学政治経済学部教授の加藤委員です。


○加藤委員

 加藤です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 東京大学社会科学研究所教授の玄田委員です。


○玄田委員

 玄田です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 国立病院機構名古屋医療センター名誉院長の齋藤委員です。


○齋藤委員

 齋藤です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 地方独立行政法人神奈川県立病院機構理事長の土屋委員です。


○土屋委員

 土屋です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 日本女子大学人間社会学部社会福祉学科准教授の永井委員です。


○永井委員

 永井です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 早稲田大学政治経済学術院教授の野口委員です。


○野口委員

 野口です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 日本女子大学家政学部家政経済学科准教授の原委員です。


○原委員

 原です。よろしくお願いいたします。


○三富企画課長

 ありがとうございました。

 また、本日は審議協力者として、前委員の廣松先生及び津谷先生をお招きしております。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、本日1つ目の議題でございます「検討会開催要綱の改定について」、事務局より御説明申し上げます。


○武隈統計企画調整室長

 統計企画調整室長の武隈です。

 それでは、資料1に基づきまして、説明させていただきます。

 本検討会の目的、検討事項につきまして、本年11月1日付けで開催要綱を改定いたしましたので、簡単に御説明いたします。

 お手元の資料1と、クリップを外していただいて、その下に付いております資料1−参考1の改正前の開催要綱も合わせて御覧いただきますよう、お願いいたします。

 開催要綱のポイントは、まず1番目の「目的」についてですが、改定のポイントは2点あります。

 1点目は、先ほど部長の挨拶にもありましたように、基本計画につきまして、第いち期基本計画から第に期基本計画に改定されておりますので、それに合わせて改定しております。具体的な検討事項は後ほど見ていただければと思いますが、厚生労働省関係の検討事項につきましては、資料1−参考2の1枚目に付けております。これは次回以降、より具体的に検討していくこととなるかと考えております。

 その次に目的の2点目ですが、従前の要綱では、そのほか「厚生労働省統計調査の省内事業仕分け報告書」の提言につきまして、本検討会で検討するということが目的とされていたところですが、先ほど部長の挨拶にもありましたように、この検討につきましては、本年3月に報告書を取りまとめていただきまして、一区切りついたことから、この関係の記述を削除して、一般的な統計の改善、個々の統計の改善、統計体系の整備について、御意見をいただくことを目的として改定しております。

 2番目の「主な検討事項」につきましては、今、申し上げました「目的」の改定に合わせて、それぞれ改定しております。

 3番目に「構成員」ですけれども、構成員は先ほど御覧いただいた別紙のとおりでございますが、今回の改定に当たり、構成員の任期を2年以内として、再任されることができるということにしております。

 4番目の「運営等」につきましては、座長の互選等も含めて、特段の変更点はございません。

 簡単な説明ですが、以上でございます。


○三富企画課長

 ただいまの説明について、何か御質問はございますでしょうか。

 それでは、本検討会の開催につきましては、資料1の開催要綱に基づいて運営させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 次に、本日2つ目の議題の「座長の互選及び座長代理の指名について」でございます。

 ただいまの御説明のとおり、本検討会では構成員の互選により座長を選出し、また、座長が座長代理を指名することとなっております。

 まず、座長につきまして互選ということですので、どなたか御推薦などありましたらお願いいたします。


○土屋委員

 土屋でございますが、以前の会の流れをよく酌んでいらっしゃる阿藤委員にお願いしたらいかがかと思います。


○三富企画課長

 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。

 玄田委員、どうぞ。


○玄田委員

 私も土屋委員の御提案に賛成いたします。


○三富企画課長

 ありがとうございます。

 ただいまお2人の委員から阿藤委員の御推薦がございましたが、他の皆様方はいかがでしょうか。


(「異議なし」と声あり)


○三富企画課長

 ありがとうございます。

 それでは、座長の選出について御賛同いただきましたので、本検討会の座長は阿藤委員にお願い申し上げます。

 以後の進行につきまして、阿藤座長、お願いいたします。


○阿藤座長

 御指名でございますので、座長を務めさせていただきます。皆様、円滑な運営ができますよう何とぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事を進めてまいりたいと思います。

 先ほど、事務局より御説明のありましたとおり、引き続き、座長代理の指名に移らせていただきます。

 座長代理につきましては、座長である私が指名するということでございますので、阿部委員にお願いしたいと考えますが、いかがでしょうか。


(「異議なし」と声あり)


○阿藤座長

 ありがとうございます。

 座長代理については、阿部委員にお願いしたいと存じます。阿部委員、よろしくお願いいたします。

 議題3「国民生活基礎調査見直しに係るアンケート等の結果について」に移らせていただきます。

 こちらについては、平成21年3月13日に閣議決定されました「公的統計の整備に関する基本的な計画」いわゆる第いち期基本計画、及び本年3月25日に閣議決定されました第に期基本計画において、国民生活基礎調査、これは基幹統計調査でございますが、所得票及び貯蓄票を用いた調査結果において、都道府県別表章が可能となるよう標本規模を拡大することについて、試験調査等を実施し、その結果を踏まえて検討するなどとされましたが、本年2月から5月にかけて、都道府県別表章が可能となるような標本規模を拡大しようとする場合の国民生活基礎調査の見直し案について、都道府県等自治体と調査員を対象にアンケート等を実施していただいたところです。今般、その結果について取りまとめられたことから御報告をいただき、委員の皆様方からの率直な御意見等をいただきたいということでございます。

 それでは、早速資料の御説明をお願いいたします。


○田邉世帯統計室長

 世帯統計室の田邉でございます。

 私のほうから説明させていただきます。

 本編資料2ということで「国民生活基礎調査見直しに係るアンケート等の結果について(案)」ということでございます。もう一つ、席上配付資料1がございますが、まず今回の趣旨と経緯について御説明いたしますので、この概要を御覧いただきながら聞いていただきたいと思います。

 ただいま座長からお話がありましたように「公的統計の整備に関する基本的な計画」いわゆる基本計画というものが今年3月に第に期基本計画として新たに閣議決定をされたわけでございますが、国民生活基礎調査につきましては、第いち期から継続して、所得票と貯蓄票を用いた調査結果の都道府県別表章を可能とする標本規模の拡大というのが引き続き課題として指摘されています。

 これを実現するためには、端的に申し上げて、所得票と貯蓄票の標本規模を大規模調査の現行5万世帯から5倍以上の277,000世帯、これは既に都道府県別表章をしております世帯票と同規模まで拡大するということでございまして、更にその調査を実施する調査員の数も現行約2,000人でございますけれども、これを1万1,000人に増やさなければならないということを意味しているわけでございます。

 しかし、標本規模の拡大は必要な予算や調査員の確保という点で非常に難しいということが考えられますので、方法といたしましては調査員の実査事務の負担を極力軽減して、1人当たりの受持ち世帯数を増やすということをお願いせざるを得ません。また、本調査の実施協力機関である都道府県、市の自治体を始め、保健所、福祉事務所においても、調査票の審査、取りまとめや照会対応業務などがございますので、こういった業務量がやはり増えるということも見込まれるわけでございます。

 当然、その負担軽減を合わせて考えなければなりません。つまり、所得票と貯蓄票の標本拡大のためには予算の確保もさることながら、被調査者を含む調査体制全般にわたる、かなり大きな負担増に対し、何らかの工夫でこれに見合った負担軽減を図ってバランスを取るということを考えなければならないことになるわけです。

 そこで、私どもとしては、幾つかの負担軽減のポイントを踏まえまして、それらを反映した試験調査を実施し、その結果を検証する準備をずっと進めてきたわけでございますけれども、平成23年度に続き、平成26年度の予算要求においても、財政当局からこの試験調査の必要性を認めていただけなかったということでございました。

 我々としては、試験調査に代わる検証方法はなかなか難しいと考えつつも、やはりたとえお金があっても、全国の自治体、保健所、福祉事務所、あるいは調査員の皆様、こういった方々の理解と協力がなければ、この調査の実施は成り立たないという観点から、この際、試験調査で実施しようとした考え方を率直に、関係者の皆さんにお示しをして御意見をいただきたいという考え方で、アンケート及びヒアリングをさせていただいたということでございます。

 資料では、アンケートは今年の2月から5月にわたりお願いをし、集約はおおむね秋頃となりましたけれども、いずれの皆様からもかなり高い回収率で、自由記載欄も含めまして回答をいただきました。また、これに先駆けまして、昨年と今年の1月から2月にわたって、直接私どもが現地にお邪魔をして、じかに御担当の皆様にお話を伺うという形で、計22県市の自治体及び保健所、福祉事務所の御担当の皆さんのお考えをヒアリングさせていただきました。この度、ヒアリングの結果がまとまりましたので、この場をお借りして、先生方の客観的な評価、あるいは御意見をいただきたいと考えている次第でございます。

 それでは、試験調査で行おうと考えた調査計画案について御説明をしたいと思います。本編資料2のアンケート等の結果について、まず2ページを御覧ください。

 「(1)調査票の変更」というところから、負担軽減をしていく上でのポイントでございますけれども、国民生活基礎調査の大規模調査年は現在5種類の調査票で実施をしております。5種類の調査票を世帯全体で1票に記入をいただく世帯部票、世帯員一人一人に記入をいただく個人部票の2つにまとめたということです。

 さらに、3ページの「(2)調査事項の削減」でございます。

 平成25年に大規模調査を実施した際に、統計委員会で御審議をいただいたわけでございますが、その答申の中で、この基本計画の課題への対応についても言及をされました。その際、所得票の標本規模拡大の実現に必要な負担軽減、あるいは回収率の維持のためにはより大胆な調査事項の削減や、記入のしやすさの向上が必要といった指摘がございました。我々としては指摘も受けまして、施策上の必要性、あるいはこれまでの利用頻度といったことを踏まえ、省内関係局とも協議をして、もうこれが限界というマックスで、全体の34%程度の項目を削除いたしました。結果的に項目数にすると、125項目のうち43項目ということになりました。

 これによりまとめた調査票が、資料2―参考資料の3ページから26ページにわたる調査票でございます。御覧のとおり、A4裏表の1枚の「【世帯部票】」と、A422ページにわたる「【世帯員票】」という構成になっております。また、削除した具体的な調査項目につきましては、参考資料の27ページでございますが、ここに項目一覧がございますけれども、これの網掛けの部分に該当する項目を削除したということでございます。

 それでは改めて、本編資料2の3ページに戻っていただきたいと思いますけれども、引き続き新調査計画案のポイントでございますが「(3)調査方法の変更」でございます。

 従来から、国民生活基礎調査は6月に各自治体から保健所ルートを通して、世帯や健康情報、介護の情報といったことを把握し、翌月7月に福祉事務所ルートで所得や貯蓄を把握するということで、調査時期を2回に分けて2系統で実施をしておりました。これを1時期1系統にする。そして、現在調査票は調査員による配付・回収のみの形で行っておりますけれども、これに郵送調査の方法も取り入れる。調査内容の照会や苦情対応を一元的に外部に委託する、いわゆるコールセンターの導入を検討する。こういった考え方で新たな調査計画案を立てたということでございます。

 こうした内容の全てをお示しした上で、同じ資料で次の4ページからはアンケート自体の内容でございます。

 「(ウ)調査内容」では、どんな内容を伺ったのかということを列記しております。実際のアンケート様式は資料2−参考資料の29ページを御覧いただきたいのですけれども、まず調査票をまとめて調査項目を削減し、調査日、調査系統を一本化した場合、調査対象者の皆さんの負担感はどう変わるでしょうか。それから、調査項目をかなり削除したわけですけれども、削除することによって支障があるとお考えになる調査項目はありますでしょうか。さらに、調査員さんの業務上の負担についてはいかがでしょうか。

 それから、調査系統を一本化した場合、対応が可能でしょうか。最も望ましい回収方法としてはどのような方法でしょうか。そして、仮に郵送回収を導入した場合、何か問題はあるでしょうか。最も望ましい調査時期はいつでしょうか。コールセンターを導入するとしたら、留意することは何かあるでしょうか。

 そもそも、所得票及び貯蓄票の都道府県別データを仮に把握するとしたら、各自治体ではそのデータは有用でしょうか。必要とする分野があるとすれば、どのような行政分野で活用が期待できるでしょうかといったことも聞いております。

 そういった前提を踏まえまして、最後に今回、厚生労働省として考えた新たな調査計画案について、目的とする所得票、貯蓄票の標本を5倍に拡大して実施することが可能かどうかということを率直に伺いました。このような事項について、アンケートを実施したわけでございます。

 資料2−参考資料の31ページ以降は、調査員さんに対するアンケートの様式、33ページ以降につきましては、かなり膨大ではありますけれども、そのアンケートの中に回答いただいた自由記載の内容を付けさせていただいております。

 また、冒頭申し上げましたヒアリングにつきましては、このアンケートの内容とほぼ同様の内容につきまして、直接御意見を伺い、その結果の主な内容につきましては、同じ参考資料の50ページ以降にまとめているところでございます。

 以上、ここまで経緯などにつきまして、説明をさせていただきました。


○阿藤座長

 ただいま、国民生活基礎調査の見直しに係るアンケートの実施の経緯等の説明がございましたが、ここまでの内容で御質問がございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、早速内容のほうに入っていただきたいと思います。


○田邉世帯統計室長

 それでは、引き続きアンケートの結果とその評価について、御説明をさせていただきたいと思います。

 本編資料2の7ページを御覧いただきたいと思います。

 始めに、各自治体及び保健所、福祉事務所の御担当に伺った結果でございます。まず、新たな調査票案の導入による調査対象者の負担感について伺った結果、負担が「大きくなる」と答えた回答、それから「軽くなる」と答えた回答が37%でほぼ同割合となりました。

 この回答の傾向としましては、保健所ルートの担当者は負担が「大きくなる」と答え、福祉事務所ルートの担当者は逆に負担が「軽くなる」と答えております。これは自由記載などを見ますと、先行して実施をする保健所ルートでは1回当たりの調査項目、記入量が一遍に増えるということが懸念され、一方で1カ月後に2回目の調査を行う福祉事務所ルートでは、2回の記入が1回で済むことで負担が軽くなるのではないかという評価をされておりました。

 表4の結果は、今回3割以上の調査項目を削除した調査票案をお示ししたわけですけれども、各担当者のお立場でこの項目がなくなったら、業務上、支障があると考えられる項目があれば具体的に書いてくださいと伺った結果でございます。具体的に書かれていたものは全体の4%ということでございました。

 次に8ページの「(2)調査ルートの一元化について」でございます。

 保健所、福祉事務所、いずれのルートの御担当も一本化することで、従来の所掌に加えて新たな業務が追加をされるということについて「対応不可能」という回答が当然多くなってきておりました。特に福祉事務所において抵抗感が最も大きかったということですが、一方で「分からない」という回答も多く、全国の自治体の業務体制が千差万別という状況がございます。そういった中で一気に一本化するというのは、なかなか難しいのかなという状況もかいま見られるところでございました。

 また、9ページの表7でございますが、こちらは調査員業務の対応について伺った結果でございますけれども、こちらでも「対応不可能」ではないかという回答が43.6%と最も多く、特に福祉事務所では61%を超えて、困難さが強調されていたということでございました。

 次に「(3)回収方法について」でございます。

 回収方法として最も望ましいのは「調査員回収と郵送回収を併用」するという回答が28.1%と最も多かったということですが、これに更にオンライン回収の方法を加えて、複数の回収方法を取り入れることが望ましいといった回答が、全体の約7割を占めたということでございます。

 次に10ページでございます。

 「(4)郵送回収の導入について」でございますけれども、ここでは郵送回収の方法を取り入れることによって、記入率や記入の正確性について影響があるかどうかをお尋ねいたしました。その結果、44.9%の方が「悪化する」という懸念を示されたということでございます。

 ただ、ここでお手数ですけれども、資料20ページを御覧いただきたいと思います。

 この20ページの内容は、平成20年に国民生活基礎調査の試験調査を一度実施しております。この試験調査は平成19年に財務省が実施した予算執行調査におきまして、国民生活基礎調査の調査経路と実施時期を一本化することで、回収率の向上やコスト削減が図れるのではないかという財務省の指摘を受けて行ったものでございます。

 「(エ)調査方法」といたしましては、大規模年の5種類の調査票をそのまま7月に同時に行い、調査系統については保健所、福祉事務所のいずれでも自治体の選択に任せるということで行いました。

 「(ウ)調査対象」は、当時の本体調査が簡易年ということでございまして、この対象となっていない全国の1,250世帯、約3,750人を対象とし、調査票の回収の際にいらっしゃらなかったような世帯につきましては、郵送で回収することも可能という仕方をさせていただきました。

 その結果は21ページでございます。

 「調査拒否」が17.7%、「面接不能」が8.8%といったことで、回収率は全体で67.9%、通常の大規模調査年は8割程度の回収率がありますので、かなり低下をいたしました。さらに、回収した所得票の34.8%が、他の調査票とのクロス集計に必要なマッチングキーになる、性と出生年月といった基本的な属性情報の記入不備がありまして、結果的には使えないデータであったという状況、あるいは12.5%が全て空欄で集計できなかった結果であったということでございます。

 この結果を受けまして、当時の評価としては、直ちに5種類の調査票を同時に実施するのは、適当ではないのではないかという判断がされたということでございます。ただ、郵送回収の実現可能性ということで、回収した所得票の未記入率を見ますと、数は少ないのですけれども、郵送回収した所得票の未記入率は調査員回収よりもむしろ低かったという結果も出ておりまして、回収時、面接できなかった世帯の場合、郵送回収の方法はある程度有効ではないかといった評価を得たところでございます。

 ここでまた恐縮でございますが、資料2の10ページに戻っていただきたいと思います。

 自治体等の担当者の皆さんからは、郵送方法の導入について、回収率や調査精度に一定の悪影響が生じるのではないかという懸念も示されたわけですけれども、一方でこうした試験調査の結果などもありますので、我々としては、何らかの形で郵送方法を導入することは検討に値するのではないかと考えているところでございます。

 次に「最も望ましい調査時期」ということでございますが、7月実施を望む回答が44.4%ということで最も多くなっております。これは4月の人事異動を踏まえまして、調査に必要な準備期間を十分に確保する必要性、あるいは市町村民税などの書類が各住民に通知されるのが、通常6月に発行されるところが多いという事情も反映しての回答ではないかと考えています。

 また、コールセンターの設置については、調査関係のあらゆる照会事項、苦情について、外部委託のコールセンターでの対応は可能ですという認識が示されておりまして、これはある面、コールセンター設置の期待と要望の表れといったことが考えられます。

 次に12ページの(7)でございますが、そもそも所得票及び貯蓄票の都道府県別データは、各自治体において必要かどうか、また、どのような行政分野で必要かという点について伺った結果でございます。結果としましては、必要であるという回答と、必要ないという回答がいずれも44%台で2つに分かれたということでございます。ただ、内訳を見ますと、必要であると回答されたのが都道府県では70.1%、指定都市では41.9%、中核市では24.4%と、それぞれ自治体の立場で全く違った結果になっているということでございました。

 また、どのような行政分野で利用が期待されるのかという質問につきましては、特に「低所得者(貧困)対策に活用」という回答が44.3%と突出して多くなっておりました。

 そして、最後に13ページでございますけれども、これらの前提を踏まえまして、今回厚生労働省として考えた新たな調査計画案によって、目的とする所得票の標本規模の拡大は可能かどうかを伺いました。結果としては「かなり厳しい」、「不可能」というのを合わせて7割を超えるという結果でございました。

 以上が、都道府県と各自治体、保健所、福祉事務所の御担当に伺ったアンケート結果でございます。

14ページからは、調査員を対象にした結果でございます。

 まず、調査員の基本的な属性としては、全体の半数以上が60歳以上で、女性が7割を占めております。また、ふだんの職業は「勤め人」が35.2%、「家事(専業)」が32.4%と多くなっており、勤めている方の50.7%が「パート・アルバイト」ということでございました。

 さらに、全体の75.5%、4人のうち3人が登録調査員ということでございまして、総務省の基幹統計などの経験もあるということが考えられ、次の16ページの結果を見ても、9割の方が調査員経験をお持ちであり、国民生活基礎調査についても2回以上経験されているという方が6割近くということでございました。したがって、経験も豊富で、調査員業務に責任と使命感を持って取り組んでいただいているベテランの方が多いということが推察されます。

 そういったこともあってか、以降のアンケート結果も、自治体の担当者に伺った結果と微妙に異なっているというところが興味深い点でございます。例えば「(5)回収方法について」でございますが、調査員による直接手渡しの回収方法が45.9%と、最も要望が多いとの回答でした。ただ、3割以上の方が郵送なりオンラインを含む、複数の回収方法を要望されているという側面も同時にあったということでございます。

 さらに、今回我々がお示しした新たな調査計画案で、特に業務の負担増が伴う幾つかのポイントをまるいちからまるよんの4つに分けて、対応は可能でしょうかというところを伺った結果が「(6)調査計画への対応について」でございます。その結果、全ての項目について「対応不可能」という回答よりも「対応可能」と答えていただいた割合が多かったということでございました。ただ、全体としては「不詳・未記入」の割合も非常に多く、特に受持ち地区・世帯数の増加への対応については、その実現性に慎重な回答が多数を占めたということがうかがわれます。

 また、18ページの「コールセンターの設置希望」についての回答でも「設置希望が特にない」という回答が67.1%で最も多かったという結果でございました。

 以上が、調査員に対するアンケート結果でございます。

19ページからは、私ども世帯統計室の職員が直接自治体にお邪魔をして、直接担当者の皆さんに新たな調査計画案を説明した上で、率直な御意見をヒアリングさせていただいた主な結果をまとめたものであります。

 平成24年度、平成25年度に分けて、計22県市で実施をさせていただきましたが、いずれの結果もおおむねアンケート結果と同様の傾向となっておりました。ただ、都道府県別のデータのニーズにつきましては、ヒアリングの際にはほとんど「ニーズはない」あるいは「分からない」という回答が多数を占めていたという違いが若干あったということでございます。

 以上が、アンケート、ヒアリング及び過去の試験調査の結果でございますけれども、これらを踏まえまして、23ページにまとめとして整理をさせていただいております。

 まず「(1)新調査票案について」厚生労働省として検討した新たな調査計画案については、調査票をまとめ、かなり大幅に調査項目を減らしたものの、必ずしも決定的な負担軽減になるといった評価は得られませんでした。また、調査項目を削除することで時系列情報が失われることの影響は、かなり大きいものがあるということが懸念されるところでございます。

 次に「(2)調査方法の変更」としまして、調査時期、調査系統の一本化は一定の効果は期待されるものの、特に調査系統については各自治体の実情に大きな差があって、業務体制の状況を踏まえる必要があることが考えられます。その他、所得票の県別データのニーズは、都道府県では一定の分野で必要とされているけれども、指定都市、中核市でのニーズは多くございません。また、調査対象者、地方公共団体への負担軽減策を含めた調査計画の実行可能性については「かなり厳しい」と「不可能」が7割を超えたという結果でございました。

 こうした結果を踏まえまして「(3)評価についての判断」ということで「以上の結果を踏まえると、今回の調査計画の見直しによって、目的とする所得票及び貯蓄票の標本規模の拡大を実行することが可能かどうかについては、さらに充分な客観的分析と評価が必要と考えられる」と書かせていただいております。

 なお、次の24ページでございますけれども、来るべき平成28年度実施を予定している大規模調査において、推進すべき調査計画の変更ポイントということで、郵送調査及びコールセンターの導入を検討することを明記いたしました。

 以上、アンケート等の結果とまとめの案について、説明をさせていただきました。

 よろしくお願いします。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 それでは、先ほど最初に経緯の御説明がございましたけれども、今、全体を御説明いただいた資料の内容について、御質問も含めて議論をお願いしたいと存じます。

 なるべく皆様方から御意見をいただきたいのと、人数が相当多いということもあって、御意見をコンパクトにお願いできればと思います。

 齋藤委員、どうぞ。


○齋藤委員

 少し確認したいのは、都道府県別に表章するということはどうしてもそういう方向で実施しなければいけないのかです。

 それに関連して、結局項目は随分削減をするわけですね。それで、私は特に介護や健康の項目を削減したときに、ますます人口が高齢化して今までとの継続性が失われていいのか、あるいは削減してもその部分は他の統計で補完できるのかどうか心配します。

 今お話があったのは、調査員に様々なアンケートやヒアリングをされていますけれども、例えば7ページの表4で調査員に削減すると支障があると感じた調査項目というのは、ほとんどが記載はないですね。でも、これはそもそも調査員にこんなことを聞くのがおかしいのであって、統計を活用する人たちに聞かなければいけないわけで、調査員にこれを聞いても別に意見は余りないと思います。

 いかがでしょうか。


○田邉世帯統計室長

 2つ御質問があったかと思いますけれども、2つ目の削除すると困るという項目についてなのですが、私の説明が不足していたかもしれませんけれども、一応その質問は、都道府県、保健所、福祉事務所の御担当の方に向けたアンケートの中で聞いた項目でございます。

 ただ、そういう項目があったら具体的に書いてくださいという聞き方をしましたので、調査項目だけを見てそれを判断するのはなかなか難しかったところもございますし、当然そのデータというのは、様々なクロスをとってその必要性というのが分かる部分もございます。したがって、こういう聞き方をして果たしてどれぐらいそういう回答があったのかという疑問、後から考えると、少し聞き方が不十分だったのかなと感じるところもございます。

 ただ、伺った相手は都道府県、指定都市、中核市の御担当と、保健所、福祉事務所の御担当ですので、行政上必要か否かということを一応お伺いしたという目的でございました。

 それから、この基本計画の課題ということでございますけれども、今、我々が抱えている課題については冒頭で申し上げましたとおり、平成21年の第いち期基本計画からずっと宿題になっております。それで、過去試験調査を前提としてその検証をするということになっておりましたけれども、一度ならず二度までも試験調査ができなかったということがございまして、なかなか白黒をつけられないというところがございます。本当にできるのかできないのか、そういったことで我々もなかなかその課題に対する対応方針を明確に打ち出せなかったというところが、今でもあるかと考えます。

 ただ、当時の計画が出来上がった状況から5年、6年たっておりますので、状況もやはり変化があるでしょうし、ただ、第に期の計画の中で引き続き課題となっていることは事実でございますので、今後5年間をかけてどうするかを我々なりに検討していかなければならない状況があるということでございます。


○阿藤座長

 よろしいですか。

 それでは、加藤委員、どうぞ。


○加藤委員

 初めてなので教えていただきたいのですが、この基本計画の中に記載された都道府県別表章を可能とすることによるメリットというのは、どこまで検討された結果こういった内容になっているのでしょうか。

 個人的には失うものの多さを考えると、どれだけのメリットがあるのかなというような気がしてならないことと、もちろん都道府県の御担当者が必要だというのは、それは自分のことになりますからポジティブな意見になるとは思うのですが、これを客観的に見たときに、都道府県別表章自体のメリットというのはどこまで御検討されたのかについて教えていただければと思います。


○田邉世帯統計室長

 平成21年に第いち期基本計画が決められた際の議論は、平成19年から20年ぐらいのところで議論されたのですけれども、その際の関係部会、関係ワーキング等の議事録を確認させていただきますと、当時は政府の方針として、地方分権の政治的な議論が活発であったようです。そういった中で、特に国の実施する統計の地域別のデータが不十分で、なかなか都道府県のほうで使えませんでした。必要なデータを必要なところに提供できていないという問題意識が議論の中で出てまいりまして、同時に社会保障の分野では所得を中心にした格差というのも議論がされていたということもあって、特に所得を中心にして、把握のできる国民生活基礎調査の所得票の地域別データの必要性ということが課題として掲げられたということが経緯としてあったと推察されます。


○阿藤座長

 では、他にございますでしょうか。

 あるいは廣松先生か津谷先生、今の点で統計委員会側の、現在の流れ、若しくは御意見はございますか。御意見又は情報を持っていらっしゃれば提供願います。


○廣松先生

この国民生活基礎調査の所得票、貯蓄票に関して、第いち期基本計画、第に期基本計画作成時の議論の大まかな経緯は今、事務局から御説明があったとおりです。

 実は、この国民生活基礎調査に限らず、地域表章というのが今、統計委員会での議論の一つの大きなポイントになっています。すでに御存じかもしれませんが国民生活基礎調査以外に、例えばCPIとか労働力調査で完全失業率とかも都道府県別表章できないかという意見もあります。確かにそういう意味で、地域表章に関する政策ニーズ、更に学術的な立場からの御意見が大変強いと思います。それに対する対応はなかなか難しいところで、都道府県別表章をするとなると当然、標本調査の場合に必要な標本数がかなり大きくなります。そこが特に調査実施者側の立場からすると、大変難しい点だと思います。

 この国民生活基礎調査に関しては、試験調査を実際に行ってから最終的な判断を下してはどうかということになっていますが、今、試験調査の説明を伺っていて、2回予算要求をして残念ながら2回とも認められなかったというのは大変大きな障害で、それは現実として認めざるを得ないと思います。

に期基本計画で明示されている以上、何らかの結論を出さなければいけないわけですが、確かに、一般的な意味で都道府県別表章があれば望ましい。ただし、その精度がどこまで確保できるかということに関しては、なかなか皆さん御理解いただけないところがある。今回こういうアンケート及びヒアリングの結果になりましたけれども、私は、調査実施者の立場として精度を確保するためには、先ほど表にもありましたとおり、調査項目数を減らさなければならない、それでも地方では調査実施は困難であるという結果であると解釈しました。実施者側の判断として、この段階で、率直に困難であるということを表明してもいいのではないかと思います。

 ただ当然、統計委員会の席では、また別の意見が出てくると思います。ただ、これは別の調査でもそうですが、特に都道府県レベルで自分の地域の情報が必要であると判断される場合、国が行う調査の附帯調査として、自分の都道府県内のサンプルを追加して調査をしているものもあります。それはどちらかというと経済統計に多いのですが、この人口・社会統計の場合にも、そういう形の方法もあり得るということは言ってもいいのではないかなという気がいたします。

 これは私の個人的な意見で、委員会としての結論はどうなるかは分かりませんが。

 あるいは、津谷先生は、また別の御意見をお持ちかもしれません。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 それでは、津谷先生。


○津谷先生

 御指名がありましたので、少し考えを申し述べさせていただきます。これはあくまでも私の個人的な意見です。

 この統計委員会の改正統計法の下での第いち期基本計画の策定には、私は関わっておりませんので、そのときの細かい状況は、具体的には分かりません。

 特に、なぜ所得票と貯蓄票について都道府県別表章が可能になるようにサンプル規模を大きく拡大するということが課題になったのかはよく分りません。ただ、所得や貯蓄の情報を都道府県別に表章することによる効果はもちろん大きく、情報はないよりもあったほうがよく、サンプル規模が今の5、6倍になったほうが統計的にはよいわけですが、それには当然多くのコストが掛かってくるわけです。

 これは調査にかかる実際の金銭的なコストもそうですけれども、先ほどの田邉室長のお話にありましたようにマンパワーのコスト、特に調査員の確保が大変になります。皆様よく御存じかと思いますが、所得票と貯蓄票は自計になっており、記入が大変です。それを考えると、記入を助ける調査員さんも大変ですが、回答者の方々にとっても負担が大きくなります。都道府県別表章をするためには、調査員と回答者の数を大幅に増やす必要があるわけですが、調査員にふさわしい人材が十分に確保できるのかという心配があることは、私も第に期基本計画の策定に関わってよく分かっております。ただ、第いち期基本計画が策定された段階で、これらの人的コストについての認識がどこまであったのかということについては、よく分かりません。

 現在、第に期基本計画が有効なわけですけれども、この策定に関し、私はこの問題を取り扱ったワーキング・グループの座長であり、また人口・社会統計部会の部会長も務めておりましたので、ある意味責任者と言って差し支えないかと思うのですが、率直に申しまして、所得票と貯蓄票の都道府県別表章がどうして第に期基本計画の課題として残ってしまったのかということについてはいまいちはっきりせず、先ほど齋藤委員から、都道府県別表章はしなければいけないのかとの御意見もありましたように、この必然性については明確な意見を申し上げることができません。

 実はこの第に期基本計画を策定した際に、まず第いち期基本計画に示された全ての課題の各々について、担当府省に当該課題は実施済みなのか、実施予定なのか、実施不可能なのかを答えてもらいました。その結果、府省によっては実施不可能といういわば「ゼロ回答」が出たこともあったのですが、厚生労働省さんは大変誠実にできる限りの対応をしようという姿勢を示されました。田邉現室長もそうですが、その前任者の室長も、ワーキング・グループの会合に出席され、とても丁寧な対応をしていただきました。

 そこで合意されたことは、まず試験調査をしてみる必要があるということです。なぜならこの変更は、単に変更と言うには余りにも大きな変更で、加藤委員がおっしゃったように、国民生活基礎調査という名前は同じですが、この大きな変更を経た後には実質別の調査になってしまうほどのものだからです。

 その結果、調査データの時系列性が失われるのはもちろんですけれども、変更した後ではこの調査は実質的には別の調査になってしまうと個人的には思いました。ただ、私は座長を務めておりましたので、余り個人的なことを言えなかったという事情はございます。

 ですので、これだけの大きな変更をするのならば、まず試験調査を実施することが絶対に必要であるので、まず試験調査実施に向けて努力するということで合意があったということです。

 しかし、試験調査実施のために必要な予算の概算要求を2回提出したけれども通りませんでした。この配布資料に示されている以前の試験調査の結果ですが、この調査をおやりになったときは、財務省から試験調査の実施を要請されたもので、財務省が言い出したことですので予算がついたのではないかと思うのですが、今は大変予算が厳しくなっております。ですので、もう一回概算要求をしても、それが通ることはほぼ不可能であろうと、個人的には思います。

 何が言いたいかと言いますと、状況を考えると今後の試験調査はおそらく実施不可能ではないかということです。ただ、もしこのことを報告書ではっきりと言いづらいのならば、最後の23ページのまとめの部分、ペンディングの(P)がついている箇所ですが、この部分を修正して、都道府県別表章のためのサンプル規模の大幅な拡大は大変難しいということをもう少しはっきりと述べられるべきではないでしょうか。このような判断を当事者たる厚生労働省はなかなか言い出しにくかったのではないかと思います。しかし、先ほど廣松先生からも御指摘がありましたが、できる限りの様々な聞き取りやアンケートを実施してみたけれども、情勢は大変厳しいということを、ここはもう少し明確にお書きになったほうがよろしいのではないかと思います。

 とにかく、ここで何らかの結論に近いものを得ておかないと、また次の基本計画にこれが何らか形で残ってしまうと、永遠に課題として残るのかということになります。ご説明によると、都道府県別表章をするために質問項目を約34%削って調査票を一本化して行うということですが、都道府県別表章を実施することの是非については、どれだけ話合いがなされたのかよく分かりません。ただ、基本計画に書かれると、それは実施しなくてはいけなくなります。ですので、私も経験で学びましたが、基本計画の課題として記載することについては非常に慎重にしないといけないと思います。

 基本計画の課題には様々な波及効果があり、削除対象となる調査項目の中には、厚生労働行政の根幹に関わってくるようなものもあるわけですので、委員の皆様がそれについて慎重にお考えになって下さい。この報告書の最後に示されている結論は、まだこれから先があるかのような言い回しではなく、せっかくここで、できる限りのことをおやりになったのですから、もう一回概算要求をしても予算が付くという可能性は非常に低いのではないかと思いますので、非常に難しいということをもう少しはっきり書かれてもよろしいのではないかと思います。

 これについては、統計委員会やその部会その他、及びワーキング・グループで審議対象として今後上がってくることがありましたら、そしてもし私がその審議の場におりましたら、私の意見も含めてここで伺ったことの要約はさせていただきたいと思います。

 以上でございます。


○阿藤座長

 どうも、ありがとうございました。

 まだ様々な御意見、御質問があると思うのですが、途中で統計委員会の、これは別に公式見解ではなくて、あくまでも現メンバーということで個人的な見解をいただきました。

 廣松先生、どうぞ。


○廣松先生

私もこの基本計画に書かれた項目に対する対応としては、今、津谷先生がおっしゃったような対応でいいのではないかと思うのです。ただ、もう少し大きなことを言うと、この国民生活基礎調査自体、昭和61年から始まった調査です。それまで4つあった調査を現在の形のように一つにまとめたわけです。その意味で言うと、先ほど田邉室長のほうからも説明がありましたとおり、当時の社会経済状況と比べると、現在の状況はかなり変わっています。そうすると、この国民生活基礎調査そのものの体系に関しても、ある程度、考える時期に来ているのかもしれません。その点はこの基本計画での指摘事項とは別の論点として、この検討会なり別の場なりで御議論いただくような機会があってもいいのではないかと思います。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 先ほどの話に戻しますけれども、現統計委員会のメンバーではありますが、あくまでも個人的な見解、ここのオブザーバーとしての御意見ということでございます。

 さらに、委員の方から御意見、御質問をいただきたいと思います。

 玄田委員、どうぞ。


○玄田委員

 貴重なアンケート調査及びヒアリングをありがとうございました。大変深く考えるべき点が多々あろうと思っております。

 私は、1点要望と、もう1点は質問でございます。

 まず、1点目の要望につきましては、この多くの図表のうち、13ページの表15の実現の可能性について大変重く受け止めなければならないだろうと思っております。7割が「かなり厳しい」若しくは「不可能」というのは、相当大きな数字であるとは思うのですが、一方で是非要望として申し上げたいのは、110件ということですので、どれだけ細かい分析ができるかという問題はありますが、特にこの実施が困難であるとお考えである地域というのは、どういう特徴があるのかということはもう少し掘り下げたほうがよろしいのではないでしょうか。

 最後のペンディングとなるまとめのところにも、比較的地域間での地方公共団体での差があるとか、実施できるところとできないところのばらつきが非常にあるのではないかという記述が目につきます。

 これをもし、都道府県別表章をする場合に重要なことは、あらゆる都道府県について信頼性の高い結果を出すということが極めて大事であって、一部の、それこそ3割の都道府県については信頼性がある結果になっても、一部の自治体に対しては非常に厳しいとなったら、それは都道府県別で出す必要を根本的に検討しなければならないわけですから、一体どういう地域が困難なのか、例えば、人口が非常に少ないところなのか、低所得者層が多いところなのか、もう少しこの辺りを掘り下げて、この結果というのを是非考えることが客観的な評価ということになるのではないかなと思っての要望です。

 もう1点の質問は、時間的に本日は御説明をなさらなかったですけれども、資料後半にある自由記述に対する回答をざっと拝見していると、大変切実かつ率直な声が多々上がっているという印象を受けます。先ほどお話があった、所得を聞くことの取扱いなどについて、かなり現場の切実な厳しさの声を受け止めております。是非、この辺りについて私たちは全体を見る余裕がなかなかありませんので、もしヒアリング及び自由記述から、特に我々が知っておくべきことがあれば少し教えていただきたいというのが御質問です。

 以上です。


○阿藤座長

 岸世帯統計室専門官、どうぞ。


○岸世帯統計室専門官

 お答えさせていただきます。

 地域差についてですが、2系統ある経路については、保健所と福祉事務所経路で実施しておりますが、その経路について特に都道府県の実施体制によって違いが千差万別だというような実状が、ヒアリングやアンケート調査結果から特に目立ったところであります。

 その要因は、特に人口規模や地域の、例えば東北地方がとか特定地域ではなくて、各自治体の組織体制が理由です。今は保健所や福祉事務所について、そもそもセンターといった形で組織体制を既に統一しているようなケースがございます。そういった地方自治体については、既にルートが当然一本化されていますので、業務の一本化については既になされている状況にあります。ただ、当然自治体間によっては、組織上の様々な御事情があるのだと思いますが、一本化していないケースもありますので、そういったことでまだまだ統一が図られていなくて、その辺りの違いが大きいというところが一つあります。

 それから、特に現場や調査員さんからの御意見ということですと、ほとんど誠実に回答をしていただいているのですが、多い意見を分けますとやはり苦情的なところが多く、そもそも都道府県に大分負担をかけている調査なので、それに対する御不満という点がやはり多いです。

 そういったところで、実現の可能性のところでもペンディングがついているというふうに考えるのが一つと、あとは調査計画案に検討の余地があるかもしれないということで、その実現可能性については検討の余地があれば教えてくださいという聞き方もしております。今回の調査計画自体については国がこれしかないと考えてアンケート等を実施しておりますが、何かもっと良い意見があれば教えてくださいということでお聞きしたのですが、それについて特に多かった意見が、更なる調査事項を削減してほしいということです。現行の調査計画案における調査事項の削減については限界まで削減しておりまして、これがそのまま削減できるとは考えておりませんし、当然、仮にそういう方向になったとしても復活があり得るだろうと思ってはいたのですが、実際の現場からはまだまだこれでは足りないというようなことで、より一層の削減を求める声がありました。

 それと、そもそも基幹統計でこんなに削減するのかという御意見もあると考えますし、本当の行政施策の現場はどうなのかというお話もあるかと思いますが、この削減については試験調査を実際に行おうとしまして、今より1年以上前に、調査票も作って総務省に申請する段階で政策担当部局に確認したというところもありますので、担当者の切実感のようなものもあります。実際の調査票の変更というのは諮問・答申の時で調査の実施の1年前ですので、その時点でも、また改めて聞くという形を通常は採っておりますので、政策担当部局の担当者からは、その時点で再度意見を言うことは可能ですよねということも言われております。

 行政的な必要性についても、目一杯できるというところまで調査事項を減らしたということと、担当者が直に御意見はなかったけれども、そういった調査事項の削減への懸念も少しあるということです。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 どうぞ、土屋委員。


○土屋委員

 このアンケートの結果だけ見ますと、8ページの表5、表6、9ページの表7を見るといずれも「対応不可能」が多い。「分からない」も入れると4分の3から8割方で、「対応可能」というのは10%台、多くて20%というところからいくと、これでは恐らく、信頼のできるデータ回収はできないのではないかと考えるのが一般的ではないかと思うのです。しかも、これが12ページの表14で、主な利用法が低所得者対策の44%以外は非常に低いので、都道府県別表章を利用するよりは、低所得者の対策について他の方法で考えるというのが、このアンケート結果の数値の素直な理解ではないかと考えます。

 したがって、先ほど津谷先生がおっしゃったように、これはかなり厳しい結果であると考えます。まず、「できない」という結論を書いてもいいアンケートの数値と私は考えます。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 他には。

 どうぞ、柏女委員。


○柏女委員

23ページの1の「(3)評価についての判断」については、土屋委員の御意見に賛成です。

 私は24ページの2のところについて、少し意見を述べたいのですけれどもよろしいでしょうか。

 ここのところで「郵送調査及びコールセンターの導入等の方策は重要であり、アンケート結果等における要望も多いことから、予算措置に配慮した上で、早急な具体化を推進したい」と書かれているのですが、本当にそれでいいのだろうかという思いを私は持ちます。

 一つは、郵送調査の要望が高いという結果は出ていなくて、郵送調査を補完的に使うことについては望ましい。つまり、最終的に督促として郵送調査を併用するという仕方についてのニーズが高いわけで、郵送調査そのもののニーズについては3割ぐらいしかないわけで、それを私はここに書くと誤解を招くのではないかと思います。

 したがって、2行目のところは、補完的に郵送調査を併用することについては、ニーズはあると言えると思いますけれども、それは書いてもいいのではないかとは思います。

 それから、コールセンターの導入については、これも自治体のほうでは郵送調査にする場合ということも入っているわけですので、コールセンターは、郵送回収の場合は必要だろうという意見が高くなるのは当然のことでありまして、もしも郵送調査を最終的な補完の部分だけで実施するとして、調査員が回収するということになれば、調査員はほとんどコールセンターが必要だと言っていないわけです。ほとんどではないですけれども、6割以上が必要ないと回答しているわけですので、調査員回収の方法を採るならば、コールセンターの導入等は必要ないのではないかとも思います。

 いずれにしても、私自身は子供家庭福祉を専門にしていて、国民生活基礎調査は本当に時系列で使っていて、テキストなどにも必ず引用をさせていただいているわけですけれども、調査方法が変更されるということについては、時系列性が失われる一番の要因だと思っています。特に郵送調査の場合は回収率が落ちるとか、あるいは正確性が損なわれるといったような御回答もありますので、そちらに変更するということは避けてもらいたいと思っています。

 それから、23ページの1の「(1)新調査票案について」の土屋委員がおっしゃった評価については判断のところはそのとおりなのですけれども、先ほど加藤委員もおっしゃられたのですが、そこには明確に失うものと得られるものを比較衡量しながらというようなことを文言として入れていく必要はあるのではないかなと思いました。

 私からは以上でございます。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 今田委員、どうぞ。


○今田委員

 今回の件に関して、委員の先生方の御意見が出尽くしたのかなということで、付け加えることとして申し上げたいのは、国民生活基礎調査というのは皆さんがおっしゃっているように、日本のベーシックな調査の中でも代表的な調査で、様々な施策だけではなく研究者も含めて広く使用されており、60何年ですか、トレンドデータとしても非常に貴重なデータです。それは皆さん認識されていることと思います。

 そういうデータを変えるというのは大変なことです。トレンドデータというのは時代的な変遷があって、初期だけの問題関心だけではなくて、だんだんと時代とともにその関心が薄れたり、変化したり、争点がずれたりとかすることがあるので、そういうデータはトレンドとして非常に重要だという側面と、時代にどう適応させて改善させていくかという、2つのアンビバレントな特性を持っており、トレンドデータというのはこの難題にずっとさらされているわけです。

 そういうことからいえば、所得というのは非常に重要で所得格差の問題も指摘されて、行政的にも研究的にも入れたいデータであるのは確かだと思うのです。

 だとすると、この国民生活基礎調査を今後どうするかという根本的な改革の検討会というか、そうした検討の場で、所得を入れていいかどうかとか、大きな改善がいいのか、部分的な改善なのか、あるいは別の調査で把握するべきかとか、この調査をどうするかということをまず検討する会を開いた上で、こういう改革が実施されるというのが手順なのではないかと考えます。

 改善したいという意欲も、私どものように研究している人間としても痛いほどよく分かるし、変えてはいけないという意欲も痛いほどよく分かります。そういうのをこの場に出されたときに、非常に困る事案だなというのが率直な意見です。

 ということで、どう対応していいかということについてはほぼ意見が出されたのではないかなという判断です。

 以上です。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 津谷先生、どうぞ。


○津谷先生

 審議協力者として出席しておりますのに、何度も発言して申し訳ございません。

 ただ、今の今田委員の御意見ですが、統計法の下で基本計画に課題として記されてしまいますと、厚生労働省としても対応せざるを得ないわけです。

 ですので、この検討会が、厚生労働省側ではなく、厚生労働統計を使う側として御意見を出されることが必要だと思います。所得や貯蓄の情報は当然取りますが、問題はサンプル数を大幅に増やしてくださいということです。その理由は何かというと、所得や貯蓄の都道府県別の表章が望ましいからというわけです。

 少し論点が外れてしまいますが、匿名データ部会という部会が統計委員会の中にありまして、私はその委員も務めております。加藤委員もこの部会のメンバーですけれども、国民生活基礎調査データの匿名データ化について本日開催された部会で話し合いました。御承知かと思いますが、匿名データ化の対象として2つのデータを、この国民生活基礎調査から御提供いただいております。

 一つはデータAといいまして、世帯票データを中心とした大きなデータです。これは主に人口統計や社会統計及び公衆衛生などを専門とされる研究者の方々に使っていただくためのものです。もう一つのデータBは、主に貯蓄票と所得票、そして当然そこには世帯票を付け加えないと基本的な世帯情報がないと使えませんので世帯情報を付け加えたものです。このように、分析の目的を考慮して、用途により2種類の匿名化データを出していただいております。ただ、このような措置は例外的なもので、他の調査の匿名化データはこういうふうに分かれておらず、一本化されています。

 そこで、以前にも要望があったのですが、地域別の分析をしたい研究者向けに、もう一つ別の匿名データを作成してはどうかという意見があります。いわばデータCを新しく作成してはどうだという意見です。本日の審議を拝聴しておりますと、無理ではないかという意見が多かったように感じましたけれども、もともと4つの調査であったものを一つにした調査ですので、匿名データ化についても様々な御意見があるわけです。ですので、この点につきましては、所得票と貯蓄票のデータ規模を格段に拡大することに伴うコストとベネフィットを考え、その上で都道府県別表章が実現可能なのかということについての意見を取りまとめることがまず必要ではないかなと思います。

 その後、この付加的な情報について、今後どういう対応をして行くのかということについては、この検討会でまた話し合われるべきことであるかと思います。

 以上です。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 阿部委員、どうぞ。


○阿部委員

 時間もないところで大変済みません。

 このアンケートの結果そのものについて今からお話するわけではなくて、私がこれを読んで興味を持つようになったのは調査員のアンケート結果のほうでして、これを見ると特に14ページの(1)の「(イ)評価」のところで、そこに書いてあることはそのとおりで、高齢化が進んでいます。新たに調査員をリクルートすることが難しいというようなことが書いてあると思うのです。この流れというのは今後も続くだろうと思います。とすると、オンライン調査だとかコールセンターの導入ということが議論になって、先ほど柏女委員も御発言なさいましたけれども、今の段階では併用だということになっています。

 ただ、今後どうなのでしょうかと考えたときに、せっかく実施した調査をもう少し分析を進めていただいて、例えばコールセンターが必要だとか、ネット調査が必要だと回答されている調査員の方たちというのはどういった属性の人たちなのかとか、そういったことも少し掘り下げて分析されると、今後のネット調査ですとかコールセンターの導入といったところに何か示唆するものが出てくるのではないかと思った次第です。

 調査結果そのものについては、どうこうというのはございませんが、その辺りで少しアンケート調査の分析を進めていただければと思いました。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 他の委員の方はいかがですか。

 永瀬委員、どうぞ。


○永瀬委員

 先ほど、今田委員が国民生活基礎調査のあり方というのを少し考えたらどうかということをおっしゃいました。

 まず、これだけ拡大するのが可能かということについての皆様の御意見については私も同意し、そうなのかなと思っております。

 ただ、この調査をもしも個票レベルで活用しようと思ったときには、今の質問紙の形ですと所得は一部の世帯についてしか聞いていないため、健康状態や就業状態のデータはあるが収入については情報が全くない世帯の調査が多数あるわけです。現状は極めて詳細な所得の調査となっており、その意義は大いにありますが、ここまで詳細でなくていいので、全部の世帯について所得の項目があったほうが何かと分析がよくなるだろうということはあると思うということを申し上げたいと思います。

 つまり現状のようにここまで詳しい所得をサンプル数を広げて把握するのは非常に大変で困難と思いますが、一方で階級値程度の所得があったとしたら、健康状態ですとかあるいは介護そのほか、所得には非常に深く関わっている調査項目がありますので、分析を深める上でそういう質問の追加を検討することはしてもいいのかなと思います。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 永井委員、どうぞ。


○永井委員

 阿部委員のおっしゃったことと関連しているのですが、やはり量を拡大するということよりも、データの質を維持していくということの重要性のほうが高いように思いました。

 その質を維持するために、先ほどおっしゃったように高齢の調査員の方が増えていく中で、どういった形で調査票を回収していくのかといったことを、今後更に検討していく必要があるのかなと思いました。年齢の高い調査員の方が、もしかするとオンライン回収ということに余り関心がないのかもしれないとも思いましたので、その辺りの分析がやはり必要かとも思います。今後、直ちにオンラインということに至るかどうかは分からないのですけれども、他の調査でもオンライン調査というものが徐々に入ってきてまいりますので、そういったことも念頭に入れてはいかがかと思いました。

 以上です。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 原委員、いかがですか。


○原委員

 ありがとうございます。

 これまで皆さんの意見を伺って、それに同意いたします。特段付け加えることはございません。

 ありがとうございます。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 野口委員、いかがですか。


○野口委員

 ありがとうございます。

 皆さんの御意見を伺っていて、私ももっともだと思います。

 特に、この国民生活基礎調査というのは非常に重要な調査だと思っております。緊急という面はもちろんですけれども、政策上非常に重要な調査だと思っておりますので、是非できるだけ今の状態あるいはトレンドで見られるような状態を続けていくということが非常に重要だと思います。

 先ほど皆さんから御指摘があるように、調査員の高齢化あるいは非常に負担が掛かっているというところは、これから検討していかなければいけない点だと考えます。

 全く関係ない話なのですけれども、私は結構国民生活基礎調査はヘビーユーザーでして、本当にこれは行政上もそうですし、一研究者として必要だなと思うことは、もちろん調査される方の負担ということを考えられてそうなっているのですけれども、所得票と介護票のマッチングが難しいわけです。というのは、調査対象者の御負担を考えて、介護票の対象者には所得を聞いていないという現状があります。ただ、高齢者が経済的に非常に厳しくなっている、あるいは健康状態に非常に問題がある高齢者の方々の経済資源が、この国民生活基礎調査の今の形態では見られないということがありますので、将来的なことを含めて、負担を減らしてくださいと言っているときに何なのですが、是非介護票の対象者の一部でも結構ですので、高齢者の経済資源を知るという意味で所得票若しくは貯蓄票を、要介護者の世帯に聞いていただくチャンスがあればいいなと個人的には思っております。

 どうもありがとうございました。


○阿藤座長

 どうもありがとうございました。

 石川委員、どうぞ。


○石川委員

 私は、こういう統計は直接使ったりはしないわけなのですけれども、私の立場からいいますと、今は2025年問題だとかそういうことで、新しく社会保障を日本の中で組み立てて行かなければいけないというときに、こうやって長く基礎統計で実施してきたものが途絶えるということは、私たちにとって大変マイナスになるのではないかと思うのです。

 やはり、社会保障のちょうど過渡期的なところで、どこでどういうふうになったのか後の人たちにもきちんとデータとして残すべきだと思うので、いろいろと困難な状況というのも書いてありますけれども、私は強い意志を持って続けるべきだと思っています。だから、皆さんの意見と大体同じだと思います。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 大体一通り伺いましたけれども、なお追加でありますか。

 野口委員の話とも関係するのですけれども、先ほど永瀬委員から、こういう全面的な改定をするのではなくて、所得の質問を介護票とマッチングできるような形で、簡単な形の所得項目を入れてはどうかという御提案などもあったようですけれども、これについては何か御意見はございますか。

 事務局のほうは、何かございますか。


○田邉世帯統計室長

 様々な御意見をいただきまして、ありがとうございます。

 今に始まったことではない、かねてからの課題というのでしょうか、事あるごとに先生方からリクエストをいただいているお話であることは十分我々も認識をしておりまして、特に所得の情報の扱いは、時代とともに様々な形で要請が変化している。

 例えば、介護票と所得票のクロスにしても、この調査ができた当時は記入者負担ということで、サンプルを介護票の対象となったところは所得票を取らないという標本設計にしております。当初から、介護票と所得票のクロスは取らないという一つの割り切りでスタートしているというところがございます。

 したがって、介護票と所得票のクロスを取るとなると、当然標本設計全体を見直しすることになるというお話になるかと考えますし、永瀬先生がおっしゃった、もう少し階級でもシンプルな形で、総収入のような形で取れないかということになりますと、今の所得票ではなくて、例えば世帯票のほうにその項目を含めるとか、具体的にはそういうことになってくるのかもしれませんけれども、そうなってくると、所得票との重複の問題あるいは世帯票の記入しやすさ、被調査者の皆さんが世帯票をどう受け止めるかといったようなことの中での世帯票の回収率への影響などを我々実施者としては考えてしまうというところがございます。

 ただ、国民生活基礎調査は調査を開始して30年になりますけれども、今後の30年も今のままで続けるとは到底考えられませんので、今後やはり時代の要請とともに変わっていく必要があるのだろうと思います。それは本日の課題ではございませんけれども、また別途集中的に先生方から御意見をいただくときもあるのではないかと思っております。

 それから、先ほど柏女委員からお話のあった郵送方法の件でございますけれども、このペーパー上で不十分な点があったとおわびしたいと思います。

 先生の御指摘はそのとおりでございまして、我々も従来の調査員調査から、まるきり郵送調査に転換をするということは全く考えておりません。あくまでも補完的な位置付け、あるいは併用していく、これにオンラインを加えた、もっと複合的な回答方法というものを追求していくのだろうと考えているところでございます。

 失礼しました。


○阿藤座長

 ありがとうございました。

 他にございますでしょうか。

 特に御意見がこれ以上ないようでしたら、事務局のほうはよろしいですか。


○田邉世帯統計室長

 様々な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。

 今回、皆様からいただいた御意見をこの報告書に反映させていただきまして、最終的な報告書としてまとめさせていただきたいと考えております。

 次回、来年3月になるかと思いますけれども、その場におきまして、また引き続き確認をいただくというような形になるかと思いますので、よろしくお願いいたします。


○阿藤座長

 どうも、ありがとうございました。

 本日予定しておりました議題は以上でございますので、ここからは事務局へお返しします。


○三富企画課長

 皆様、長時間にわたり御議論いただき、ありがとうございました。

 これをもちまして、「第12回厚生労働統計の整備に関する検討会」を閉会させていただきます。

 次回、第13回の検討会の開催に当たりましては、来年3月頃を予定しております。議題等については、事務局より改めて御連絡をさせていただきますが、国民生活基礎調査を始め、第に期基本計画に掲げられた課題の進捗状況の報告を中心に考えております。

 委員の皆様方におかれましては、日程調整等に御協力くださいますよう、お願いいたします。

 それでは、本日は大変お忙しい中、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

大臣官房統計情報部 企画課
統計企画調整室 統計企画係
TEL03-5253-1111(内線7373)

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