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2014年9月9日 歯科診療情報の標準化に関する検討会(第3回)議事録

医政局 歯科保健課

○日時

平成26年9月9日(火) 15:00~17:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 省議室(9階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

○大島課長補佐 
 定刻となりましたので、ただいまより、歯科診療情報の標準化に関する検討会(第3回)を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただき誠にありがとうございます。
 本年度、新たに委員になられた方を御紹介いたします。日本歯科医師会常務理事の村岡委員です。
 また、本日はオブザーバーとして、警察庁刑事局より田中課長補佐、門井課長補佐に御出席いただいております。
 事務局ですが、先の人事異動により、竹内補佐の後任として中祖補佐が、小椋の後任として和田専門官が、小畑の後任として私、大島が着任いたしました。皆様どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、関口委員におかれましては、欠席の御連絡を頂戴しております。
 それでは、歯科保健課長の鳥山から御挨拶を申し上げます。

○鳥山歯科保健課長 
 歯科保健課長です。本日は、委員の皆様方には御多忙にもかかわらず、第3回の歯科診療情報の標準化に関する検討会に御参集いただき、厚く御礼申し上げます。
 後ほど事務局から御説明させていただきますが、前回の会議以降、本年6月には、「死因究明等推進計画」が閣議決定され、また、先の通常国会においては、死因究明法の後継法案となる「死因究明等推進基本法案」が議員立法で提出され、継続審議の扱いになっております。その中で、正に本検討会の議題でもある歯型による身元確認も記されていますので、今回の会議で十分に御議論いただければと思います。
 歯型による身元確認については、歯科医師の先生方の任意の御協力、あるいは技術的な課題の整理など、まだまだ克服すべき宿題が多数ありますが、何とか従来よりも少しスピードアップし、全国に私どもが進めようとする事業が広がるようお願いを申し上げて、私の冒頭の御挨拶とさせていただきます。本日は2時間ほどの会議ですが、何とぞよろしくお願いいたします。

○大島課長補佐 
 今回の検討会については公開となっていますが、カメラ撮りについてはここまでとさせていただきます。
 続いて、資料の確認です。議事次第に続いて座席表となっています。続いて資料一覧。右上に資料番号を振っています。資料1は、設置要綱及び委員名簿です。資料2は、歯科診療情報の標準化に関する実証事業について1枚にまとめたものです。参考資料1は、「死因究明等の推進に関する法律」、参考資料2は、「死因究明等推進計画」、参考資料3は、「死因究明等推進基本法案」となっております。参考資料4は、「医療情報データベース基盤整備事業のあり方に関する検討会報告書」です。不備や落丁等がありましたらお知らせください。
 では、座長の住友先生、よろしくお願いいたします。

○住友座長 
 座長をあずかっております、日本歯科医学会会長の住友雅人です。どうぞよろしくお願いいたします。
 平成25年度の検討内容に基づいて、本年度は実用化に向け、より具体的な実証事業を行うことになります。先ほど、鳥山課長からお話がありましたが、目標に対して法的バックボーンができたということは、これのスピードアップが図れると確信しております。本日の討議内容でも、実証事業がスタートできるというところまで詰めておきたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは、事務局から本日の資料の説明をお願いします。

○大島課長補佐 
 資料1を御覧ください。「歯科診療情報の標準化に関する検討会」の設置要綱です。委員の皆様におかれましては、既に御存じの部分もあろうかと思いますが、改めて一読させていただきます。
 目的ですが、先の東日本大震災における身元不明遺体の身元確認において、身元不明遺体が有する歯科所見と歯科医療機関が所有する生前の歯科診療情報を照合・鑑定することによる身元確認の有効性が改めて示された一方で、歯科医療機関が保有する電子カルテについて身元確認に資する歯科診療情報の標準化が図られていないことが明らかになったため、モデル事業を通じて標準化の在り方について検討することになりました。
 想定される主な検討内容としては、歯の部位情報の標準化等、処置コードの標準化等、個人情報の保護に関する方策等、その他となります。
 構成ですが、座長は、検討委員会の中から互選により決定するということで、住友委員に座長をお願いしております。検討会の委員は、検討会の座長の意見を踏まえて、追加することができることになっております。
 検討会の運営等については、1番、検討会の審議の必要に応じ、適当と認める有識者を参考人として招致することができる。2番、検討会の議事は公開とする。ただし、特段の事情がある場合には、座長の判断により会議、議事録及び資料を非公開とすることができる。3番、検討会の庶務は、医政局歯科保健課において総括し、及び処理することになっております。
 裏面ですが、本年度から村岡委員に新たに委員として加わっていただいております。
 横長の資料2です。歯科診療情報の標準化に関する実証事業について、概要をまとめたものです。
 目的に関しては先ほど申し上げたとおりです。
 今後、本事業を進めることによって、歯科所見を用いた身元確認時の迅速なスクリーニングに資するデータの集積、データバックアップ体制の構築等が期待されるかと思います。
 平成25年度のモデル事業の結果概要についてですが、まず、電子カルテ等の既存データの有効性に関して検証しました。歯科診療所が持つ電子カルテ等の歯科情報は身元確認に有効かどうかということで、本来登録されているべき歯(28本以上)の情報がある者の割合は、約8%という結果が出ています。実際にモデル事業の中でレセコンデータを活用したところ、約65.7%の対象者について、検索リストの上位1%の絞り込みが可能になったということで、この約65%をどのように見るかということはありますが、現状としては、このような結果が出ています。
 また、歯科診療情報の電子化に対する支援とその検証ということで、患者さんの口腔内からマークシートで収集した歯科診療情報は身元確認に有効かを確認しました。マークシートは電子カルテよりも情報量が多く、絞り込みに関しては有効な結果が得られるということが分かりましたが、マークシートに入力する方式ですので、情報収集には手間と時間を要することが課題として上げられます。
 こうした平成25年度のモデル事業及び検討会の内容を踏まえて、平成26年度は、標準化のモデル事業として、昨年度の検討会で仕様書をお示ししたかと思いますが、企画競争入札により、新潟県歯科医師会様が委託先として決定しました。
 内容としては、新潟県歯科医師会様にて「歯科診療情報の標準化(案)の策定」ということで、昨年度に実施した事業の結果を踏まえて、データの保存様式(フォーマット)やその内容(マスター)の在り方について検討することとしています。
 なお、資料には記載していませんが、平成27年度も引き続いて、1,481万5,000円にて予算概算要求をしています。

○住友座長 
 まずは参考資料が1~4まであります。参考資料の説明を事務局にお願いし、その後に協議を行うことでよろしいでしょうか。では、参考資料の説明をお願いします。

○大島課長補佐 
 参考資料1は、「死因究明等の推進に関する法律」についてです。委員の皆様は既に御存じかと思いますが、平成24年6月22日に公布され、平成24年9月21日に施行されております。2年間の時限法ですので、今月の9月20日には失効の予定になっています。
 1ページ目の下のほうですが、法律第6条に「死因究明等の推進に関して、重点的に検討され、及び実施されるべき施策は、次に掲げるとおりとする」ということで、第6条第1項第7号に、「遺伝子構造の検査、歯牙の調査その他身元確認のための科学的な調査の充実及び身元確認に係るデータベースの整備」と規定されています。
 そのほか、第7条において、死因究明等推進計画に関して規定されています。また、附則の第2条に、「この法律は、施行の日から起算して2年を経過した日に、その効力を失う」ということで、今月の20日に失効となる予定です。
 続いて、参考資料2です。「死因究明等推進計画」については、全部で18回の会議を経て、平成26年6月13日に閣議決定され、策定されたものです。本計画は、先ほど申し上げましたように、法律第7条第1項の規定に基づいております。全ての内容に関する説明は省かせていただきますが、計画の17ページを御覧ください。
 ページの中ほどに7「遺伝子構造の検査、歯牙の調査その他身元確認のための科学的な調査の充実及び身元確認に係るデータベースの整備」ということで、一番下の○に「厚生労働省において、歯科診療情報が有効活用されるよう、歯科医療機関が電子カルテ等で保有する身元確認に資する歯科診療情報の標準化のための事業を実施し、全国の歯科医療機関で使用されている電子カルテ等に、必要な情報提供機能を搭載できるよう、周知及び支援に努める。また、災害時に歯科診療情報が消失した際に備えるためのバックアップを推進する方策の在り方について検討する。これらにより身元確認に資する歯科診療情報を提供する環境の整備を進めていく」と記載されています。
 同じく、20ページは、計画の推進体制に関することです。1番の「推進体制の整備」の下のほうに、「また、地方についても、政府から地方に対し、死因究明等推進協議会(仮称)の設置や死因究明等に係る専門的機能を有する体制の整備に向けて努力すること等を積極的に働き掛けるとともに、関係する情報の提供等適切な支援を行うことにより、地方における自主的な取組を促す。さらに、政府及び地方公共団体における死因究明等の推進に係る施策の実効性を高めるため、死因究明等の実施に当たって重要な役割を担う大学、医療機関、関係団体、医師、歯科医師等の協力の確保にも努める」と記述されています。
 このことを受けて、今回、資料ではお示ししていませんが、9月2日付けで内閣府より、協力依頼に関する文書が発出されました。
 参考資料3は、「死因究明等推進基本法案」に関してです。先ほど課長の鳥山より話がありましたが、現行法は9月20日で失効するため、その後継法として、先の国会、第186回の国会に提出され、今は閉会中審査となっています。おおむねの趣旨は変わりませんので、詳細な説明は省かせていただきますが、資料3ページを御覧ください。「身元確認のための死体の科学調査の充実及び身元確認に係るデータベースの整備」ということで、第16条に、「国及び地方公共団体は、身元確認のための死体の科学調査(身元を明らかにするため死体に対して行う遺伝子構造の検査、歯牙の調査その他の科学的な調査をいう。)が大規模な災害時はもとより平時においても極めて重要であることに鑑み、その充実を図るとともに、歯科診療に関する情報の標準化の促進並びに当該標準化されたデータの複製の作成、蓄積及び管理その他の身元確認に係るデータベースの整備に必要な施策を講ずるものとする」というように記述されています。
 また参考ですが、資料の6ページの中ほどに「施行期日」ということで、今、予定として、「この法律は、平成26年9月21日から施行する」という旨の記述があります。また、その下のほうに「死因究明等の推進に関する法律の失効に伴う経過措置」として、第4条に、6月に推進計画が策定されておりますが、今後もこの計画に関しては、この法律の中でも同様の計画としてみなすことが記述されております。
 参考資料4は、歯科診療情報の標準化に関する実証事業を行うに当たり、1つの参考として資料の形で出させていただきました。
 この事業については、参考資料4の1ページに、「はじめに」という所に記載してありますが、「電子化された医療情報を基に、薬剤疫学的手法によりデータを抽出・分析し、医薬品等のリスクやベネフィットの評価を行うなど、安全対策に活用するため、厚生労働省と独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)において、10の拠点となる医療機関等にデータベースを構築するとともにPMDAに情報分析システムを設置する」というものです。今後、1,000万人規模の情報収集を目指し、平成23年度から5年計画で整備を進めています。
 同ページの中段の「このように本事業は」という所ですが、平成25年6月21日に実施された厚生労働省の行政事業レビュー公開プロセスの対象事業となり、外部有識者のコメントの結果として「事業全体の抜本的改善」が必要という評価を受け、このことを踏まえて、平成25年12月から平成26年6月にかけて、この検討会を行って報告書としてまとめたものです。
 こちらの全ての説明は割愛させていただきますが、例えば、資料5ページを御覧ください。(1)「ナショナルデータベースとの関係性」ということで、そもそも、ナショナルレセプトデータとの関係性がよく分からないといった指摘を受け、「行政事業レビューの指摘と本事業の有用性について」ということで、「本事業は、ナショナルレセプトデータの構築を目指したものではなく、現在の副作用の自発報告等の限界を補い、医薬品等の安全対策を推進することを目的とした」という記載がされています。
 6ページの上段には、「具体的な利活用事例を示していくことが、当初目標として設定した1,000万人規模のデータベースを構築していくことの意義やメリットを導き出すことにつながる」や、その下に、「将来的には、データベースの規模拡大も必要であるが、現時点では、平成28年度以降の本格運用に向けて、まずは現行の10拠点における基盤整備を着実に進めることが重要」といった旨が記載されています。
 12ページの中段ですが、(5)「本事業の将来的な方向性について」ということで、やはり同じく行政事業レビュー公開プロセスにおいて、将来的な方向性のロードマップが不明確である旨が指摘されたということです。このため、右側13ページの3ポツ目には、「現行事業から一定の成果が示されることにより、莫大な公費を投入して施設数を増やし、データ数を増すという拡充の在り方だけではなく、我が国において生じている医療情報をうまく活用していくというスキームの可能性が出てくる」等の旨の記載がされています。
 この資料に関しては、今後の方向性の参考になるかと思い提出させていただいた次第です。参考資料の説明は以上です。

○住友座長 
 全体を通して何か御質問、御意見がありましたら、挙手をして御発言をお願いいたします。議事録の関係で、委員名を先にお願いいたします。どなたかいらっしゃいますか。
 それでは、資料は御理解いただいたとして、これまで2回の会議をやっておりました。今回、資料1から3で方向性が絞られたといいますか、よく見えてくるところがあったと思いますが、前回の会議の内容から、もう少し確認をしておきたいことがありましたら、御発言をお願いいたします。
 事務局に確認ですが、参考資料3は9月20日発出ですね。これは、現段階では一応、今審議中と考えてよろしいのでしょうか。

○鳥山歯科保健課長 
 早ければ、秋に予定されている臨時国会で、議員立法として御審議をいただくことになるかと思いますが、現段階ではまだ未定です。したがって、法律の公布・施行がいつになるかも未定です。

○住友座長 
 分かりました。どなたか御発言はありますか。

○小室委員 
 ちょっとお願いしたいことがあるのですが、今年度の事業の進め方について、新潟県のことだと思うのですが、これを少し詳しくお話いただければ有り難いと思います。今、厚生労働省からお話がありました電子カルテの医療情報データベースの話ですが、これは玉川先生、もし電算化をするに当たって診療の中での電算化の話と、この身元確認の話がどこかでミックスになってくる可能性は大きいと思うのですが、現時点でどうかとか、あるいは将来はどうなるのかというお話を頂ければと思います。といいますのは、私どもの大学も新病院を建築する計画があり、医療情報部から、どの程度進んでいるのですかという話を聞かれるようになりましたものですから、もし参考になることがあればと思いお聞きしたいのですが。

○住友座長 
 私が発言いたします。協議の中で玉川委員から、今の質問に関することも踏まえて等御提案を頂こうと思っております。そのときでよろしければ、そのようにさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

○小室委員 
 新潟県歯の進め方みたいなものも併せてお願いします。

○住友座長 
 それも含めて提案いただけることになっております。事務局、そのような流れでよろしいですよね。今、小室先生からもお話がありましたので、協議に入りますが、よろしいでしょうか。第2回の検討会で、具体的な実証事業の基本案について発言を頂きました玉川委員に、改めて今回の提案といいますか、方向性、展望などについてお話を頂ければと思います。このお話を聞いていただき、また議論に入ります。玉川先生、よろしいでしょうか。

○玉川委員 
 前回の検討会の終わりのほうで、そういうことを考えてみてはどうかということを示唆していただき、考えたところを申し上げます。現在、標準的に電子化されている医療機関が外にデータを出すことができているのは、歯の部位の情報と歯科の病名の情報、それから診療行為に関する情報の3つです。それらを組み合わせることで、災害の後に身元確認に使おうと思うと、いわゆるレセプトコンピュータの持っている情報だけでは、月単位で行為しか出てまいりませんので、なかなか難しかろうという議論が前回あったかと思います。では、電子診療録になっているとどうかという話になりますと、電子診療録もレセプトコンピュータも大きな違いはなく、電子診療録だからといって外に出せる標準のフォーマットがあるかといいますと、今申し上げました3つの形式しか今のところはありません。もしも今回の目的で、災害時というようなことになりますと、青木先生の所で作られた死後の情報を集めるフォーマットと、現在、診療所の中にあります生前の情報との間で、ちょうど整合性が取れるような形のデータ形式をつくる必要があるのではないかと思いました。前回もそのような発言をしたと思います。
 そうなりますと、どういう情報が必要かといいますと、1つは、初診のときに患者の口の中を見ることに療担規則上はなっておりますので、その情報をうまく活かせないかということです。これは、レセプトコンピュータによっては、常にデータを入力できるような仕組みを持っている所もあると思いますし、そうでない所もあると思うのですが、そのデータ形式と、青木先生の所で作られているフォーマットとの間にどのような差があり、出せるのか出せないのかということを実際に確認していく必要があると思います。
 それから、初診のときのデータに対して、毎回の診療内容を追加していくことによって、歯の有無や人工物の情報は変化していくはずですので、それらを追加したときにデータがどのように変わっていくのか、これはシステム的に調べられると思いますので、それも実証実験の中で確認をしたいと思っております。
 それらをした上で、初診の情報がありました、毎月変化していく情報がありました、そして、直近の患者の情報がありますという状態で、認識率が上がるのかどうかを確認できればと思っております。最後の認識率が上がるかどうかですが、具体的にどうやるかを今後考えていかなければいけないと思いますが、最初にお話した共通のフォーマットを作ると、それに対して毎回の診療ごとにどのように状態が変化していくのかは分かると思いますので、これは昨年度小室先生がされた研究の中で、最初の状態と後の状態と比べておられ、どのぐらい認識率がアップするかはおおよそ推定できますので、3つ目の部分は最終的にはその推定だけで終わってしまうかもしれないと考えております。1つ目と2つ目は、多分、実証実験でできると思っております。概要としては以上ですが、いかがでしょうか。

○住友座長 
 小室先生、先ほどの質問にまだ足りない部分があれば。

○小室委員 
 ありがとうございました。診療フォーマットを新たにつくることになりますと、今、新潟県歯で進められているフォーマットがあるわけですが、それとはまた別物になる可能性がある。あるいは、当然互換性はあるようにつくるのでしょうが、その辺りがもし厄介になるといけないなと思います。

○玉川委員 
 診療フォーマット自体は、初診のときの患者の口の中の状態を記録しようとしております。現在足りないのは、例えば根管充填してあるかどうかとか、レントゲンの所見を追加しようとしたときに書けないものとか、そういう部分になってくると思っております。それから、例えば大臼歯にインレーが入っているという情報だけでなく、インレーの色や咬合面だけなのか、遠心も含むのか、そういう人工物の形も初診情報として先ほど申し上げた3つの標準には入っておりませんので、その部分を追加していくことになると思います。

○小室委員 
 青木先生、26項目の中に根充していない区分けはありますか。

○青木委員 
 今、小室先生がおっしゃったとおり、根管充填するしないや、いわゆる失活歯かどうかなどの情報は、ありません。新潟の結果ですと26項目で、窩洞の情報は入っております。ただ、金属の種類など、まだ想定していない部分があります。今、小室先生がおっしゃったような歯内治療の情報、根の情報は、まだ想定がない状態です。今の議論の中では、新潟のプロジェクトでやった26項目は、かなり整合していると思います。ただ、それでも玉川先生と小室先生の議論で、1号用紙の初診時の部分は少し足りない部分が当然ありますので、そういった部分は少し増やしていかないといけないのだろうと感じております。
 もう1点は、先ほどの玉川先生の話で、新潟の実験の結果を補足いたします。新潟県の実験のうち、幾つか行っている中の最後のもの、レセプト電算データを集めて、そのデータを標準プロファイル、前回26項目と報告がありましたが、に変換を行い、検索を行った実験があります。それは、正に玉川先生がおっしゃったような部分に非常に接続する話なのです。おっしゃるように実は初診時の情報というのは、通常の歯科医院では入っていないことが多い状況になります。つまり、初診時の情報はかなり不足したような状態で検索実験をやってみた結果があります。その初診時の情報があまりないような状態で、いわゆる治療した歯の部分だけ、あるいは保険適用した部分だけ情報があるということですと、先ほど事務局からお答えいただいたような、大体6割から7割ぐらいの患者が1%の絞り込みが可能です。1%というのは、1,000人いますと10人ぐらいが検索で出てくることになりますので、それがちょっと予備的には考察としてあると。ただ、初診時の情報が入りますと、非常に効果が出てまいります。技術的にはおっしゃるとおりで、ただ、それを今度はいかに運用で歯科医師にどのように入力していただくかは、別問題として出てくると思うのです。今は初診時の情報を手書きされているケースが多いと思いますので、そういった部分も検討項目としてはあるのではないかと思います。
 端的に言いますと、初診時の情報からあり、それから情報が追加されていくと精度が極めて上がることは間違いないとは思います。

○住友座長 
 先ほど、途中で患者の口腔を見て追加するといいますか、口腔、歯の変化に対応していくということは、間違いなく認識率は上がっていくと思いますね。そういう意味では、今回玉川先生、皆様方には資料としてお出ししていませんので、言葉で、頭の中で御理解いただいていることですので、ひょっとしたらまだ理解が違うところがあるかもしません。ですから、今、玉川先生に対してもう少し質問があればお受けいたしますので、御発言をお願いいたします。

○小室委員 
 身元確認に有益な歯科所見情報と、歯科診療に有益な診療情報とは違うのかもしれませんが、電子カルテが進んできますとと、治療内容を入力したときに、1号用紙の歯型図の辺りが自動的に変わるようになりますと、所見に変化があったとしても、1号用紙のみの情報で済んでしまう可能性が出てまいります。そのような考え方は、先生がおっしゃった中に含まれておりますか。

○玉川委員 
 1号用紙は、もともと紙のときは初診のときに書かれた内容のままです。いわゆる再初診で来られたときはその時の状態に書き換えるという考えですので、電子でも同じように考えております。例えば、1月10日に初診で来られたときの情報はこれ、それから変化していって治療が終わりました、半年たって来られた新たな初診のときはこれ、というように時間の情報をもって蓄積しておくべきだと考えておりますので、紙とは少し運用が異なってくると思います。

○小室委員 
 電子カルテそのものは普及率が3割程度とお伺いしたことがあったような気がします。なおかつその中で、診療内容を組み込んでいったときに1号用紙の歯型図が自動的に変わってくるというソフトを入れている先生は、そんなにいらっしゃらないと思いますね。

○玉川委員 
 1号用紙の歯型図はそう変わりませんが、その日にその歯がどういう状態であったか、例えば根充されているのか、クラウンをかぶっているのかを持っているレセプトコンピュータは、たくさんあると思います。電子診療録でなかったとしても持っています。それを持っていないと、保険請求をするときのチェックができないからです。わりとたくさん持っていますよね。

○多貝委員 
 今、玉川先生がおっしゃったように、もともとは保険の請求のチェックを掛けるためにという意味合いが大きかったのですが、過去に行った病名や処置を基に、次のチェックを掛けるためにデータを保存しており、それを画面上、今どういう状態にあるかを表示できるようにしているレセコンが多いかと思います。ただ、やはり問題は、初診時の入力がされているのかどうかです。1号用紙には書く場所はあるのですが、記載要領上は「必要に応じて書く」ということが書かれており、緩やかな規定ですので、それほど書かれていないのではないかと思います。ですので、書かれる先生はレセコンにも入力されているかもしれませんが、そうでない先生は、その月その月に入力された診療内容を基にしたデータしか記録されていないだろうと思います。

○青木委員 
 補足ですが、正に小室先生がおっしゃったイメージそのもので、いわゆる初診時の状態から歯に、例えば状態を色で表現したとして、レセプトコンピュータでも、多くの歯科医師の所ですと、治療した内容によって色分けされたりするのもあるでしょう。そういった、あるスナップショットが初診時に入っていますと、それに保険適用する治療が入っていくと、それがどんどん変わっていき、スナップショットのように出てくるというのが、多分、小室先生がおっしゃっているようなイメージだと思います。現在のレセプトコンピュータは、かなりの部分で歯科医師にビジュアライズして、可視化してお見せする機能はあると思います。ところが、初診時の情報は地域によって違うと思うのですが、デジタル的に入力していない状況になるとどうなるかといいますと、大変失礼な言い方をしますが「歯抜け」のような状態で、当然治療した部分については表示があるというような形になっているのが現状だと認識しております。
 先ほど新潟で申し上げたのは、そういう「歯抜け」のようなデータであっても、6、7割方は有効であるということです。実際にそれを全部埋めますと、先生の研究でもありますように、かなり有効性が高まってくるということです。基本的には現在6割ぐらいのところをもう少し上げていくという意味で、そういう準備も行っていく必要があるのではないかと。そういうことに対応するようなフォーマットを、この委員会で少し議論して考えていく必要があるのではないかと思います。それは、玉川先生と全く同じ意見です。

○住友座長 
 ほかに、どなたかありますか。玉川先生、マークシートと、今回先生が考えられているものの認識率の違いですね。新潟で出したものは、まだやっていないわけですから何とも言えないのですが、それにより近いと理解してよろしいでしょうか。

○玉川委員 
 多分、青木先生が言われたように、認識率は上がっていくと思います。マークシートに書かれている内容で、多分、多くのレセプトコンピュータでは各社形式で持っておられると思うのですが、それを共通に出力する先、あるいは逆にマークシートの状況を読み込んで自分の所のレセコンの中で探しにいこうとしたときに、変換する共通部分がないのです。その変換するデータのフォーマットを作りましょうというのが、提案している骨子です。では、歯科医師の先生方が全員そこに入力できるようにしましょうということではなく、そこまでは今回のスコープは難しいと思いますので、データの形はこういうものですと提案することは考えております。

○住友座長 
 私の理解が足りないのですが、例えばいろいろなメーカーのレセコンのシステムがあるとします。その中の最大公約数的なものを使うと理解しております。先ほどの1から3の項目の中の1、2番は、どういう形でそれに付加していくのでしょうか。部位と病名。

○玉川委員 
 部位と病名と診療行為については、現在電子レセプト請求をしておられる所では使われておりまして、この歯の部位のこういう状態、例えば支台歯になっているときはこういう番号にしましょうと。それから、病名もあります。それと、毎回の行為、インレーを入れたとか歯を抜いたという行為がありますので、この部分はシステム的に追加したり削除したりできる情報です。

○住友座長 
 様式1号にそのように記載しているような内容ではないのではないかという思いがあるのですが。

○玉川委員 
 そうです。1号用紙に書いてある、例えば右上6番にインレーが入っているという状態を標準的に記述するコード、あるいはフォーマットが現在ありませんので、それを作ろうと。それに対して、各ベンダーがそのフォーマットに合わせて各社で持たれているデータを変換していただくということです。

○住友座長 
 それを、各メーカーに共通のものとしてお願いするという方向ですね。

○玉川委員 
 そうです。

○住友座長 
 分かりました。ほかに、どなたかありますか。柳川委員、何かありますか。

○柳川委員 
 もともとこの事業を始めるときに、先ほど玉川先生がおっしゃった、3つに整理されましたが、共通フォーマットというおっしゃり方でしたが、そこまで当然視野に入れた事業だと思います。平成25年度の新潟の事業で、私の認識ではかなりのところまで行っているのだと思いましたが、やはりその先の技術的な部分というか、出力するときの問題がこれからあるということですので、後ほどお話が出るかもしれませんが、新潟の成果をいかして今後どうやっていくかという道筋を、今日方向付ければいいと思います。

○住友座長 
 ほかに提案をしているわけではないですから、玉川先生のモデル事業案をここで承認を頂いて進めていくというように、座長として提案をしたいのですが、いかがでしょうか。

○小室委員 
 確認をしたいのですが、日本で使われている電子カルテのソフトは、日本で作られているものだけですか。いわゆる、外国のものを使っている先生はいるのでしょうか。といいますのは、今先生がおっしゃった、こういう形で各業者にお願いしたいとなったときに、うちではできないという業者さんがあったりしますと、足並みがそろいませんよね。そういうことはあるのでしょうか。

○玉川委員 
 海外製の電子診療録は、多分、使っておられる所はないと思います。想定しているのは、レセプトコンピュータのメーカーでして、レセプトコンピュータが入っている何社かに対して、こういうフォーマットでデータを出せますかということを詰めていくことになると思います。根管充填のデータの持ち方もそれぞれ違うと思いますので、それぞれのメーカーが変換して、きちんとこの形式で出せますかということを確認するステップになると思います。

○住友座長 
 要するに、国内といいますか、公的医療保険制度の下でやる場合は国内のものに限ると思いますし、例えば自費診療に関しては入らないのですよね。

○玉川委員 
 特に補綴物の場合に自費がたくさんあると思うのですが、私の考えでは、技工装置に関するものは別のコード体系を持たせておくべきであり、初診のときに、そこの歯にインレーが入っているという情報は災害時のために必要ですけれども、では、そのインレーがゴールドインレーなのか、あるいはパラのインレーなのか、レジンのインレーなのか、セラミックなのかということは、実は別の大きな体系が必要になると思いますので、今回の検討の中では、すぐには考えにくいのではないかと思っています。ですので、右上6番にインレーが入っているという状態を、きちんと標準的な形で流通させるところまでが必要であり、その先はちょっと別かなと思っております。

○住友座長 
 今お話をしたのは、保険診療の診療録と自費の診療録が存在するとしたときに、保険診療のほうは今の形でいけるけれども、自費の診療録に対しては、今のところは考えておかないということになりますか。

○玉川委員 
 診療録という意味で申し上げますと、初診の情報を自費のときに入力しておられる、しておられないは置いておいて、こういう形で、ここにこのような人工のものが入っています、あるいはこの歯は健全です、という情報を出す器を用意しておくことが、今回のターゲットと考えております。

○青木委員 
 補足いたします。全くおっしゃるとおりで、レセプトコンピュータで1号用紙以外の所は保険適用の部分しか入ってこないわけですが、実際には、入れ物としては用意しておいて、電子カルテのメーカーのオプテックもそうだったと思いますが、ある程度入れ物としては用意しておくことがまず大事です。そこに、レセプトコンピュータで、そこの情報を埋められるかどうかは各社で違うのですが、ある程度広いものを用意しておくのが私はいいと思うのです。ただ、おっしゃるように、いろいろな材料があったり、技工装置の部分についてはかなり詰めていくと複雑になってくるというのが、玉川先生のおっしゃる観点だと思います。そこは、恐らく拡張可能なように想定をしておくと。ですから、入れ物としてはここだけに限って、もう後はやりませんというのではなくて、当然、将来に向けてある程度拡張の可能性を入れながらやっていくのが、基本的には一番いいのではないかと。私が勝手に想定して恐縮なのですが、そういった部分もある程度検討していけるのではないかと。全てを埋める状況にまではならないかもしれませんが、そういったところもやっていけるのではないかと思っております。

○住友座長 
 協会の意見はいかがですか。

○多貝委員 
 今おっしゃっていただいたことに特に異論はありません。付け加えさせていただきますと、レセコンあるいはカルテのコンピュータについては、今お話がありましたように、その月に入力した分だけしか入っていないということがあるのですが、最近、患者説明用のシステムが、まだ普及途上ですが広まってきております。そちらの場合ですと、まず口腔審査をした内容を入力し、現在の歯の状態はこうですよという説明をした上で、治療をしたらこういう形になりますという説明をするようなツールがあります。そちらの場合は、レセコンよりも初診時の口腔審査の内容を入力されている可能性が高いかと思います。

○住友座長 
 工藤委員、何かありますか。

○工藤委員 
 若干引っ掛かっていたのは、自由診療についてもそうなのですが、根充等もそれほど細かく規定しなくてもいいような気はするのです。というのは、結局そこまでくると、絞り込みが終わって画像データになりますので、そうなるとコンピュータの範疇ではなくて、我々の範疇になってまいりますので、飽くまでもスクリーニングという観点から考えた場合は、余り山を絞り込み過ぎてもうまく使えない可能性があるのではないかと思います。意見です。

○住友座長 
 玉川委員、いかがですか。

○玉川委員 
 そのとおりだと思っております。初診時の情報ですので、口腔内を見たときに分かる内容をとりあえず標準的なフォーマットとして決めると。青木先生が言われたように、その後、例えば技工装置に関しては、これは技工装置として別途標準コードが必要だと思いますので、口腔情報として、これはインレーが入っているというところまで、あるいはインレーの色までをやりますが、そのインレーの素材は別だと考えております。ただ、技工装置に関しては、日本技工士会がある程度標準のものを出しておられますので、それが参考になると考えております。

○住友座長 
 工藤委員、よろしいですか。

○工藤委員 
 はい。

○青木委員 
 今の件で補足させていただきます。イメージとしては、恐らくデジタルの世界ですと、逆に、何か可能性を絞っておく必要は余りなくて、例えば項目を埋めていくときに、先生のおっしゃる必須項目というのがあるでしょうと。ですが、先ほど多貝さんが言われた、インフォームドコンセントツールなどにはもう少し入っていますといったときに、そういう情報にもある程度収容可能な入れ物を用意しておくという方法があります。それが、実際の歯科医師が見て、「いや、これは要る、要らない」という議論よりは、そういう入れ物を用意しておいて、必須項目はこういうところですよと指定します。よく入力するときに、星印が付いていると思うのですが、そのようなイメージで捉えていただいて、それ以外については、あまり使用者のところまで関知しないような形でも十分運用できるのではないかと思います。ですから、拡張性だけはある程度、玉川先生のおっしゃるような部分まで考えておいて、それが必要なフェーズで拡張していく、あるいは、すぐにできればもちろんそういうものからやっていくということでよいのではないかと思います。
 もう1点、実は、これは最後に議論すべきだと思うのですが、画像についても、将来、画像データをどのように残すべきなのかというのは、議論が必要なところはあると思います。つまり、岩手県のように7割ものカルテが全部なくなってしまったということが当然想定されますので、南海トラフ、あるいは日本海の地震でもあると思いますので、そういったときにある程度画像も含めて情報を残しておく、バックアップをしておくことは、将来に向けて検討しておく必要があると思います。

○小室委員 
 私どもはデンタルチャートを書くときに、根充がある歯については歯根の中に黒丸を入れるというようなことをして書いていたこともありますね。ですから、工藤先生がおっしゃったように、確かに根充関係については私たちがレントゲン写真を見て判断することになるのでしょうが、スクリーニング的にも何か使えるのかもしれないということがありますね。
 もう1つは、この度の震災のときには保険診療用のカルテも自費用のカルテも集めてきていますよね。ところが、診療の関係だけで言いますと、自費用カルテは別になってしまっています。そうすると、保険診療だけのカルテでチェックされてくるわけですが、その部分について先ほどおっしゃったのは、1つのカルテに自費も集めて一緒のカルテにするわけにはいかないのでしょうが、それを追加でできるようにするには組み合わせをすればいいという話だったのですか。それでよろしいのですか。

○玉川委員 
 診療録の自費、保険によらず、その方の口の中の情報を溜めておくフォーマット、青木先生のおっしゃっている入れ物ですね。例えば、幕の内弁当のようなもので、右の下はご飯、真ん中は漬け物で、右上にはキャベツ、一番大事なカツは左下ですよと、そういうものを決めていくことが必要で、カツの入る所にトンカツが入るか、ビーフカツが入るかは、拡張性として残しておくべきだというのが、今お話している内容です。入れ物はあると。

○工藤委員 
 そうなると、部位ごとの入れ物ですか。それとも、例えば特記事項のような、インプラントであると部位が不明な部分があるので、その場合はどうすればよろしいですか。

○玉川委員 
 インプラントに関しては、インプラント学会とも相談をしているのですが、歯の部位情報をもたせるときに、ここはインプラントが入っていますよという記号を付けることになっております。国際的には、ImplantのIの逆さを向いたビックリマークを付けるということで、一応ISOは決まりつつありますので、そういう記号を使うという話で進められると考えております。ただ、スリープインプラントや、入っている場所が3と4の間とか、細かいところが出てくるとは思いますが、その部分は実際に検討が必要になってくると思います。

○小室委員 
 あれは、インプラントを埋め込む所の位置ではなくて、上物がどうかによって何番かと書いたほうがいいのではないでしょうか。私は、そう思っています。

○玉川委員 
 多分、そうなると思います。

○小室委員 
 そうでないと、チャートでは書けませんからね。

○玉川委員 
 そもそも、口腔情報ですから、インプラントが入っているかどうかは初診のときには多分分からないと思いますので、その後、追加をしていく情報の中にインプラントが入ってくると思いますから、最初に入れ物を作ろうという考えです。

○住友座長 
 村岡委員、どうぞ。

○村岡委員 
 玉川先生からの御提案の、共通の変換ソフトを作ることに関しては、早急にやっていかないことには、この標準化に当たっての工程を考えると難しいと思いますので、是非そうしていただきたいと思います。
 それから、今議論になっておりますが、個々に何が入っているのかは、身元確認というようなことで言えば、新潟の実証事業から推察すると、そんなに大きな障害にはならない。上位にヒットしてくるもの絞り込みがかなりできますので、そんなに大きな問題ではなくて、今一番しなければいけないことは、多分ベンダー関係の違いの中で、共通で引き出せるものをいかに早くするかということ、それから診療中に診療した者が1号カルテに書き込んでいけるようなものをこれから考えなければいけないことが1点です。
 そして、自費の問題に関しては、未来永劫1初診でずっと掛かるわけではありませんので、次の初診のときに、また1号カルテの一番上を書き換えれば、自費が入っているか、何が入っているかはある程度変換できるわけですので、そういう問題についてはそんなに大きな問題ではなくて、やはり最初の共通のフォーマットをつくることに早くに着手し、また、方向性を付けることが一番いいのではないかと、私は議論をお聞きしていて思った次第です。

○住友座長 
 ありがとうございました。それでは、新潟県のほうの受入れというか、今のモデル事業で受け入れていただいて実行できるか。もし問題があるとすれば、どういう問題があるか、発言を頂きたいと思います。

○新潟県歯科医師会瀬賀参考人 
 新潟県歯科医師会の瀬賀です。本日冒頭で御説明いただいたとおり、私どもは昨年度、平成25年度ですが、厚生労働省標準化の実証事業ということで、会員の先生に御協力いただき、こういった結果が出ております。それを踏まえて、今年度の実証事業を行っていくわけですが、本日御説明いただいたものに、今回、私どもは応札しました。
 その際の企画書に記載していますが、大きな内容としては、まず、昨年度の結果を踏まえて、本日も御議論いただき、玉川先生からも御発言いただきましたが、いわゆる標準化情報といったものを活用するためのレセコンの機能の検証、まずそういったものを1つ大きなテーマとして掲げております。今、御議論いただいた中で、玉川先生並びに検討会の委員の皆さんからいろいろな御意見を頂いていますが、是非そういったものを盛り込んで、村岡先生からもお話があったとおり、特に共通のフォーマットの部分に早急に取り組んでまいりたいと思っております。それが1つです。
 もう1つとして、本日またお話が出ていますが、こういった歯科情報の中で、死後のフォーマットと生前との整合性の部分についても、共通の形でフォーマットを定めるべきというお話も出ていますので、私どもはこれについても、今年度事業企画の中で御提案しておりますが、生前と死後を含めた歯科情報の包括的な標準化に向けて検討してまいりたいと思います。これについては、また、皆様方からの御意見を聞きながら、例えば警察庁の方から、そういった死後のフォーマットなどのお話をいろいろお聞きすることもあるかもしれませんが、そういった形で、本日、意見を頂いて、私ども進めてまいりたいと思います。

○住友座長 
 事務局に聞きたいのですが、例えば、本日の意見を踏まえて、玉川委員にペーパー出しというか、情報出しをしていただいて、そして、ここの委員に回すと。ここでは最終的な承認を取っておきたいのですが、それを基にして、事業を推進するという形でいいですか。

○鳥山歯科保健課長 
 はい。まず、昨年度は初年度ということもあり、2回の開催でしたが、先生方の御都合を聞きながら、できれば次回、11月ぐらいをめどに開催させていただこうと思っております。できればそれまでに玉川先生と、今年度のモデル事業をお願いしている新潟県の歯科医師会さん、座長に御相談させていただいて、次回の会議までに委員の先生方の意見を集約して、その結果を次回の会議にでも御報告させていただければと思っております。

○住友座長 
 今、村岡委員も言われたように、これは早く着手したほうがいいので、次回までに、ある程度のデータなどが出てきたほうがいいのではないか。ですから、フォーマットをある程度、ここで議論したものを取り入れて作って、それを、こういうことがここでいいのかどうか、メール会議的にして、もうそれをスタートしてしまったらどうなのだろうという提案なのですが。

○鳥山歯科保健課長 
 私の説明が言葉足らずで失礼しました。少なくとも、対面形式の会議は、今年度は11月ぐらいに第2回を開催させていただこうと思っております。それまでに、座長から御提案がありましたように、私どもから各委員にメールなどで、あるいは対面で個別に御相談はさせていただこうと考えております。

○住友座長 
 可及的に、言わばこの実証事業をスタートさせるということでよろしいですよね。

○鳥山歯科保健課長 
 はい。

○住友座長 
 そういう意見の下に、玉川先生から本日提案いただいたものに、皆さん方の意見を入れてスタートしたいということ。そして、新潟県歯科医師会がこれに対して手を挙げていただいたということですので、その形で進めてよろしいでしょうか。もしよろしければ挙手で確認したいと思います。

○玉川委員 
 提案の中に含めてお考えいただきたいのですが、これまで、先ほどお話した歯の部位や病名などの標準化をしてきたグループがありまして、医療情報学会を中心としたグループなのですが、その人たちとも、私を中心に議論を交換した上で、ここにものを提案させていただくというふうに考えます。それも含めて、今回の提案をお認めいただくかどうかお諮りいただきたいと思います。

○住友座長 
 事務局的には、これはどう考えますか。

○鳥山歯科保健課長 
 玉川先生が委員のお立場で、専門的知識をお持ちの方に御相談をしていただくということで、私どもとしては、むしろ、歓迎です。

○住友座長 
 結局、玉川委員が提案をするということで、こちらの話は関わりがないという言い方は変ですが、好きなようにやってくれということで、玉川委員が実際に出してくださる。それに対しては、ここの委員が意見を述べるという形でいいと思います。ですから、いろいろな方の知恵を頂いても、もちろん構わないと理解をしました。

○玉川委員 
 ありがとうございます。了解しました。

○小室委員 
 玉川先生、今のような話は、医療情報学会でシンポジウムなどを組まれていて、もうかなり進んでいるのですか。

○玉川委員 
 そうですね。特に歯の部位を、今ある以外にきっちりと表現しましょうと。それは進んでいます。

○小室委員 
 先生のおっしゃるお話が、29校全ての意見としても上がってくるような感じでもありますよね。そうしますと、もっと大学が含まれてきますと、かなり進めやすくなるということですか。

○玉川委員 
 実は、そこまで広くはありませんが、これまでの、いわゆる厚生労働省としての標準規格を作るに当たって参画してきたメンバーですし、去年、先生もお会いいただいたと思いますが、あの人たちの間で検討は進めています。ですので、こういうことになったらよろしくお願いしますということは、あらかじめお断りはしてここへ来ております。

○住友座長 
 それでは決を採ってよろしいでしょうか。では、玉川提案に対して、この形でモデル事業をやっていただくということです。我々全ての委員の責任の下にやることになります。もし御賛同いただけるようであれば挙手をお願いいたします。

(全員挙手)

○住友座長 
 ありがとうございました。全会一致ということにいたします。事務局のほうで、何か発言がありますでしょうか。

○鳥山歯科保健課長 
 先ほど私が申し上げたことと一部重複いたしますが、今後の会の運営などに通じて、また、座長の御了解を頂きながら個別に御相談、あるいはメールなどで御意見を頂く、あるいは情報提供させていただくことがあるかと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

○住友座長 
 まだ、予定の時間を45分残しておりますが。

○柳川委員 
 時間があるようですので、少し確認をさせていただきます。玉川先生に教えていただきたいのですが、本日の議論の中で、かなり各論の部分が多かったのですが、どうも我々は少し勘違いというか、誤解があったのは、これからやらなければいけない議論や作業は、かつて歯科のレセプトの電算化のときに、先生も関わっていらっしゃったと思うのですが、標準化のフォーマットや、電子コードを作るなどという作業をされたわけですが、それと類似の仕事になってくるのでしょうか。それとも、今回は全く違うのか。

○玉川委員 
 作業としては類似の作業になると思います。医科ともコラボレーションしなければいけない部分も、きっと出てくると思いますし、粘膜を触るとか、舌を触るなどということになると関係が出てきます。作業としては同じことになります。

○住友座長 
 大変失礼しました。本日、オブザーバーで来ていただいている警察庁のほうから何か御質問等があればお受けいたします。

○警察庁刑事局捜査第一課田中課長補佐 
 特にございません。

○青木委員 
 何かITの専門の人間がひたすら検討するような感じですが、実際はこういう専門の玉川先生や多貝さんや、ほかにもいろいろな人が入ってくると思うのです。そのときに、あくまでITというのはツールですので、これをどう運用するのだというのが、歯科医師会、あるいは法歯科医学会といったところの非常に重要なポイントではないかと思います。
 当然、運用というのは、村岡先生にも議論を差し上げているところではありますが、出だしとしては、何かものすごい巨大なデータベース機関を予算要求してやるというのもあるのかもしれませんが、そういうことではなく、まず、現行の、当然、歯科医療機関できちんと責任を持ってデータを管理していくのだというビジョンです。そういうものがあって、医療機関ごとに、レセプトコンピュータがあって、それである程度共通のフォーマットのデータが蓄積できたり、検索ができたりという格好になってきて、あと、データセンター型のカルテがまた普及してくると、自然に、例えば私の歯科医院のデータはデータセンターに、標準フォーマットで取っておくことができるという状態がすぐやってくると思います。そういったものが、バックアップということにつながってくる。バックアップもデータベースの一種だと思うのですが。
 そういう時代がやってきて、警察に、例えばデータを検索して、自分で探したデータをお出しするとか、お出ししないというのは、当然院長の判断になってくるのだろうと思うのです。そういうところからスタートしていって、あと、どういう形で国として、そういう歯科医師さんの社会貢献活動を支援できるのだろうかと。国が全部データを吸い上げてという議論よりは、やはり、まず歯科医師さんの社会貢献というものが前提にあって、その貢献をどうやって国が支援していけるのかということから出だしになってくる。
 ただ、それをもう少し進めるか、進めないかという議論は、是非、これは歯科医師の職域でないとできないことだと思います。これはIT屋では、ツールは用意できるのですが、先ほど言った、幕の内弁当の入れ物は用意できるのですが、これにどんな弁当を詰めるとか、その弁当をどこに持っていくかというのは、なかなか検討できないところでもあります。そういった意味で、歯科医師会、あるいは小室先生がお出になっているような学会との議論が大事ではないかと感じます。

○柳川委員 
 もう1つ、今、青木先生のおっしゃったことと全く同感で、若しくは、ここで標準化が進んで、活用されるのは、主に警察からの依頼で歯科医療機関が提供するという形が最も想定できるわけです。そうすると、今回の死因究明の推進計画の中にも、警察庁は照会要領を定めるとの書き方になっていますが、この標準化がされると、歯科医療機関では、多分、出力するときに共通のものになるのです。院内で、例えば3,000名とか5,000名の患者さんの情報を我々は所有していますので、その中から抽出するというか、院内検索ができるような状態になるので、そこと、警察からの照会依頼とが連動するような形になるように、厚生労働省と警察庁で連携して、その辺りの話も是非していただきたいという要望です。

○住友座長 
 参考資料4のように、ロードマップに問題ありというようにはならなくて、非常に順調に話が進みそうです。先ほど青木委員からもあったように、これを現場に持っていくスピードをアップしておきたいと思います。皆さん方の引き続きの協力をお願い申し上げます。
 では、事務局にお返しします。

○大島課長補佐 
 皆様、本日は御審議いただきありがとうございました。先ほど御議論いただいた内容にて、本年度のモデル事業を進めていきたいと思います。
 なお、次回の検討会ですが、先ほど申し上げましたように、11月頃を予定しておりますので、委員の皆様におかれましては、お忙しいところを恐縮ですが、何とぞよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

○住友座長 
 これをもって第3回歯科診療情報の標準化に関する検討会を終了いたします。御協力ありがとうございました。

(了)

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