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2014年10月1日 第6回 臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会 議事録

医政局

○日時

平成26年10月1日(水)16:00〜19:00


○場所

主婦会館プラザエフ 7階 カトレア


○出席者

委員

遠藤座長 桐野座長代理 児玉委員 楠岡委員 大門委員
武藤(徹)委員 望月委員 山口委員 山本委員

事務局

二川局長 (厚生労働省医政局)
福島審議官 (厚生労働省大臣官房)
飯田審議官 (厚生労働省大臣官房)
土生課長 (厚生労働省医政局総務課)
神ノ田課長 (厚生労働省医政局研究開発振興課)
城課長 (厚生労働省医政局経済課)
赤川課長 (厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課)
河野治験推進室長 (厚生労働省医政局研究開発振興課)
上野安全使用推進室長 (厚生労働省医薬食品局安全対策課)

○議題

1.透明性確保等に関する製薬業界の取組み状況等について
2.その他

○配布資料

資料1−1 製薬企業等による臨床研究支援に関する透明性確保について
資料1−2 日本製薬工業協会提出資料
資料2 薬事法における広告規制
参考資料1 第5回臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会議事録

○議事

○神ノ田課長 それでは定刻となりましたので、ただいまより第6回臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会を始めます。委員の皆様方においては、大変お忙しい中、本検討会に御出席いただき、誠にありがとうございます。

 本日は、近藤委員と武藤香織委員から御欠席の旨の御連絡をいただいております。また、本日の議事において、日本製薬工業協会よりヒアリングを行いますので、参考人としてお招きしている方を御紹介します。お手元の参考人名簿にも記載しておりますが、日本製薬工業協会常務理事の田中徳雄参考人です。

 続いて、配布資料の確認をします。1枚紙の議事次第に配布資料の一覧を記載しておりますので、併せて御確認ください。議事次第の次に、それぞれ1枚紙で座席表と委員名簿があります。その後、資料1-1から資料1-2、資料2と参考資料1があります。不足、落丁等がありましたら、事務局までお知らせください。よろしいでしょうか。

 それでは、これより議事に入ります。審議の円滑な実施のため、撮影はここまでとさせていただきます。

 それでは遠藤座長、よろしくお願いします。

○遠藤座長 それでは早速、議事に移ります。議題1「透明性確保等に関する製薬業界の取組み状況等について」を行います。事務局から資料1-1「製薬企業等による臨床研究支援に関する透明性確保について」という資料が出されておりますので、まず、これについて説明をお願いします。

○須賀補佐 本日は、「製薬企業等による臨床研究支援に関する透明性確保について」ということになります。まず、これまでの経緯と今日主に御議論いただきたい論点について説明いたします。

3ページを御覧ください。3ページに、今回の検討会の開催要綱を改めてお示ししています。2番の検討事項の(3)製薬企業等の資金提供・労務提供にあたっての透明性の確保及び臨床研究の実施機関における利益相反管理ということで、これまでは(1)(2)が御議論の多かったところなのですが、本日はここについて御議論いただきたいと思っています。

4ページは、後ほど出てくる製薬企業のガイドラインの公表状況をまとめたものです。2012年度の資金提供の総額については約4,765億円で、その内の半分が研究費用という形で、日本において民間企業の資金提供が一定の割合を占めているということを御説明しているものです。

5ページは、411日にまとめられた「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」の報告書の関係部分を抜粋しております。こちらについて、(3)研究支援に係る製薬企業の透明性確保及び管理体制並びに製薬企業のガバナンス等というところの、対応が必要な主な事実関係の1点目として、製薬企業から研究機関への資金提供及び労務提供等の透明性が図られていないことについて、対応が必要という形で整理されております。そのほかが2つあります。

 さらに下へ行きまして、具体的に、○1研究支援に係る製薬企業の透明性確保というところです。ここにおいては、今後の製薬企業からの奨学寄附金や労務提供の在り方に関し、奨学寄附金や労務提供を一律に廃止することは困難であるということが取りまとめられております。

 その上で、製薬企業においては、奨学寄附金等の資金提供及び労務提供、専門的知識提供(以下、労務提供という)を行う場合、透明性確保の観点から以下の諸点、下のア〜エについて対応すべきということが提言されております。全部で4点あります。アについては、医療用医薬品の取引に付随する寄附についての考え方を既に定めている「医療用医薬品製造販売業公正競争規約に基づく「寄附に関する基準」」を遵守することが求められています。

2点目のイは、日本製薬工業協会が発表した「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン(20111月策定・20133月改訂)」を早急に実施し、奨学寄附金を含めた学術研究助成費等の個別状況を公開すること。また、同ガイドラインにおいては、製薬企業の労務提供等に関する事項が含まれていないことから、これに関する行動指針を策定し、透明性を図ることが挙げられています。

3点目のウは、臨床研究の実施機関に対して資金提供を実施する場合、可能な限り委託契約に基づく資金提供を検討すること。奨学寄附金を寄附する場合には、学術研究や教育の充実発展との本来の趣旨に沿うよう、講座単位ではなく、可能な限り学部単位又は大学単位で行うことが述べられています。

 最後に4点目です。4点目については、奨学寄附金等の資金提供又は労務提供を行うに当たっては、営業部門から独立した組織により、利益相反上の問題がないかについて十分確認の上、決定すること。また、奨学寄附を行うに至った経緯など、企画立案から意思決定に至るまでの記録を作成し保管することが挙げられています。ここの段については、製薬企業のガバナンスの徹底についても、この報告書では謳われています。

6ページについては、第2回のこちらの検討会において、今日と同じように製薬協からヒアリングという形で、既にこの検討会において今まで行ってきた発表の内容を改めて整理、掲載したものです。20131023日に理事長通達があって、その上で2014422日に製薬企業による臨床研究支援の在り方に関する基本的考え方という形で、大きな項目として基本的考え方と奨学寄附金の提供の在り方について整理しているものが既にあります。この検討会で、これまでの取組を製薬協に発表していただいていますので、今日のヒアリングにおいては、ここで発表していただいた以降の取組について発表していただけることとなっています。

 次のページです。先ほどから出てきている「企業活動と医療機関等の関係の透明性のガイドライン」ですが、こちらは資金についての透明性のガイドラインです。こちらについては、一連のディオバン関係、近年の臨床研究の問題の以前のところから既に始まっている動きの流れになっています。一番上の策定の経緯にありますように、2000年以降、製薬企業と医療機関の利益相反関係への認識の高まりにより、欧米を中心に透明性を確保するためのルール作りが活発となっていたという背景があります。その上で、我が国においては、20094月から製薬協において内部検討を開始し、2011119日に製薬協の自主基準として定められたものが、いわゆる透明性ガイドラインです。

 こちらの透明性ガイドラインの内容については、3つ目にありますように、一番下の(4)公開内容は、研究開発費等、学術研究助成費のみならず、原稿執筆料や情報提供関連費、その他費用についても開示の対象となっています。

8ページです。この医療機関と製薬企業との資金提供の透明性に関しては、日本のみならず諸外国においても同様の取組がされています。ここで今、日本とアメリカとEUという形で箱にして整理してお示ししています。まず、2段目の規制の性質ですが、日本については、先ほどから御説明していますように、業界による自主規制になっております。一方、アメリカについては現在、法的規制を設けています。EUは、EUとしてのルールは業界の自主規制となっていますが、備考にもあるように、EU各国、例えばフランスなどについては法的規制を設けています。イギリスなどについては法的規制がありませんので、日本と同じように業界による自主規制という形で、諸外国によって規制の性質は異なっています。

 次に、箱の3つ目の開示内容です。開示内容について、日本については先ほど御説明しましたが、アメリカについては、こちらの対象範囲は幅広く取っているのですが、10ドル以上という形で、額についての一定の要件を設けています。

 次に、4つ目の規定の制定と公開開始の時期です。日本は、20113月にガイドラインを発表した上で、既に2013年から公開開始を行っています。アメリカは、法律の成立は20103月で、今、こちらの資料で、2013年度から公開予定だったが延期(20138月〜12月分を2014年秋に公開予定)となっているのですが、こちらについては、今日改めてアメリカのCMSのサイトを確認したところ、昨日の930日付けで公開されていることを確認いたしました。そういった意味で、資料について、ここの反映が間に合っていなくて申し訳ありません。昨日の930日付けで公開されていることを今確認をしております。諸外国の比較については以上です。

 次の9ページです。こちらについては、先ほど「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」報告書において、製薬企業で対応を求められていることを左にまとめ、その対応するものについて、右側に対応状況という形で、現時点のものについて関連するものを並べて整理しております。一番上の○1のアは「寄附に関する基準」の遵守。こちらについては、20131023日理事長通達において、会員各社に対して改めて徹底を呼び掛けているとなっています。

2段目です。2段目の透明性ガイドラインの早急実施、奨学寄附金を含めた学術研究助成費等の個別状況の公開については、2013年の支払状況から、学術研究助成費の個別状況を含めて、現在公開を開始しています。こちらは、930日午前の時点において30社が公表済みになっています。

3点目です。労務提供に関する行動指針を策定することが、報告書において求められています。こちらに関連する内容として、今の時点においては「基本的考え方」において、以下のように2点整理されております。1点目はデータ解析業務等研究結果や研究の中立性に疑念を抱かせるような労務提供は行わないものとする。2点目は、臨床研究における客観性と信頼性を担保するためには、研究者の独立性が極めて重要であることを認識し、利益相反関係に十分留意の上、支援を行うこと、というように現時点において整理されています。

 次に4点目。臨床研究実施機関への資金提供について、可能な限り委託契約に基づき行う。こちらについては「基本的考え方」において既に対応されているとなっています。

 下の5点目です。奨学寄附金を寄附する場合には、講座単位でなく、可能な限り学部単位又は大学単位で行うということの関連で言いますと、奨学寄附金に関しては「基本的考え方」において、本来の趣旨に則り適切に提供することとし、今後自社製品に関する臨床研究に対する資金提供の支援方法としては用いないことと整理されています。

 最後の6点目です。○1のエ、奨学寄附金等の資金提供又は労務提供に当たっては、営業部門から独立した組織により決定、また記録を作成し保管する。こちらについても「基本的考え方」において対応となっています。ここまでが議論のこれまでの経緯について整理したものです。

 その上で、本日御議論いただきたい論点について事務局から説明させていただきます。まず11ページの、製薬企業による臨床研究支援に関する透明性確保の必要性について、透明性の確保の必要性を整理するとすれば、以下のとおりと考えられるのではないかという形でお示ししています。1ポツ目については、先ほども御紹介した「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」報告書において「今後の製薬企業からの奨学寄附金や労務提供のあり方に関し、奨学寄附金や労務提供を一律に廃止することは困難であると考えられる」とされています。こちらについて、我が国の研究費の過半を占める製薬企業からの資金提供が滞ることは、臨床研究を行う環境のみならず、新薬の開発や医療現場に対して影響を与えることになる。産学連携の中で必然的に生じる利益相反の問題を透明性を持って管理することが必要であり、資金提供を受けること自体が問題だとすると、産学連携という形では研究推進は困難。製薬企業による臨床研究支援に関する透明性確保の取組は、ディオバン事案等、昨今明らかになった様々な臨床研究に関する不適正事案を受けた社会的要請も踏まえて対応を行うことが必要という形で整理をしております。

 次のページが論点なのですが、論点1と論点2という形で大きく2つに分けて示しています。論点1は資金提供の透明性の確保です。こちらについて「企業活動と医療機関等の関係の透明性のガイドライン」、資金の透明性のガイドラインに基づき、現在資金提供についての公開が進められています。しかしながら、企業によっては、この詳細の内容については来社閲覧方式、Webで概略を載せており、個別のところについては企業の指定する場所に訪問を求めて公開するという開示方法についてどうかという課題を指摘されているということがこれまでにありました。

 その上で2点目です。資金提供の透明性確保の実効性を担保するために、どのような措置が必要かといった点について御議論いただければと思っています。ここの下にはポツで、大体考えられるものとしてこういうものがあるのではないかという形で何点かお示ししています。1つ目として、今行われているのは業界の自主的取組があります。2点目として、例えば法的規制、法的規制といった場合にもいろいろな対応はもちろん考えられると思うのですが、法的に何らかの規定を設けるということが考えられます。3点目は、行政による働きかけという形で示しています。こちらについては、平成267月に、当時の田村厚生労働大臣が日本製薬工業協会の会長と面会しまして、こちらの臨床研究の信頼回復のため、こちらの開示方法について対応を依頼したということが念頭にあり、こういったことも書いております。

 最後になりましたが、2つ目の論点です。労務提供の透明性確保については、「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」報告書において、製薬企業は行動指針を策定し透明性を図ることが求められていますが、今の時点の日本製薬工業協会の示した「基本的考え方」についてどのように考えるかというところが論点としてあると考えております。事務局からの説明は以上です。

○遠藤座長 ありがとうございました。これまでに提案されていた課題、あるいは現在の論点について事務局から説明がありました。

 続いて、それに対して現状、製薬工業協会がどういう対応をされているのかということで、日本製薬工業協会の方に参考人として御参加いただいておりますので、取組の状況をお聞きしたいと思います。資料1-2に基づき、日本製薬工業協会の田中参考人から御説明をお願いします。また、日本製薬工業協会より、医薬品評価委員会の委員長でおられる稲垣様にもお越しいただいております。後ほど質疑応答の際に御発言をお願いするかもしれませんので、よろしくお願いいたします。それでは、大体15分くらいでよろしくお願いします。

○田中参考人 日本製薬工業協会の田中徳雄です。このような場で発言の機会をいただいたことを感謝申し上げます。製薬協は、この検討会では5月にヒアリングを受けさせていただきました。その際には、隣におられます製薬協の医薬品評価委員会の稲垣委員長から、「臨床研究に関する支援の在り方」、「臨床研究に関する透明性の確保」について御説明をいたしました。本日は、同じ透明性の確保でも、製薬協が自主的に取り組んでいます「透明性ガイドラインの取組」について、お手元の資料で説明いたします。また、資料の最後2枚は、918日の製薬協の「会長声明」に関する資料です。説明の中で後ほど使用いたします。

1枚おめくりください。透明性ガイドラインの策定までの背景を示しています。何もいきなり医療機関との金銭の支払を情報公開したというわけではありません。検討は今から5年以上も前から始めていました。アメリカのゲルシンガー事件に端を発したサンシャイン条項の動き、それに追随する国際的な動向も考えました。また、日本医学会によるCOIマネジメントガイドラインの策定も大きな要因でした。そのような状況から、今後日本においても社会からの要請は避けられないという認識をもちました。また、何よりも、円滑な産学連携のためには透明性の確保と情報公開が必要と考えた次第です。情報公開をした結果として、より透明性の高いより信頼される新薬を世の中に送り出し、人々の健康と医療の未来に貢献できるという判断の結果です。

 次に、「透明性ガイドラインの目的」です。一番上の所を少し読ませていただきます。「会員会社の活動における医療機関等との関係の透明性を確保することにより、製薬産業が医学薬学を始めとするライフサイエンスの発展に寄与していること及び企業活動は高い倫理性を担保した上で行われていることについて、広く理解を得ることを目的としています」。また、会員会社は、本ガイドラインを参考に「自社の透明性に関する指針」を策定し自社における行動基準としています。

 次に、これが、2012年度支払い分を2013年度に公開した透明性ガイドラインの根幹部分です。左の公開対象、AE5つの対象と、更には、各対象ごとにいくつかの項目に分かれており、公開方法、内容も少しずつ違っています。A項目の研究費開発費等の総額とは、年間に全ての医療機関にいくら払ったかの合計金額を公開しています。内容もここに書かれている、共同研究費、委託研究費、臨床試験費等です。臨床試験費は、いわゆる新薬の臨床開発治験費です。A項目の75%がこの費用です。さらには、BC項目の個別とは、例えばB項目であれば、○○大学の○○教室に年間○○件○○円と具体的に公開をしています。さらに、対象Cの項目では、本年より更に踏み込んだ個人の医師名の件数、金額まで公開をしています。

 ただ、ここに至るまでには、製薬協だけで決めたわけでもなく、日本医師会、日本医学会、全国医学部長病院長会議、関係省庁にも意見をお聞きし、説明をし進めてきました。最終的には、COI問題協議会を数回開催していただくなど、関係団体と意見を調整してきました。やはり、透明性ガイドラインの実施には、日本医師会、日本医学会等の関係団体の御理解と御協力が必要ということを感じた次第です。

 次の資料は先ほどの事務局の資料と重なります。製薬協は任意団体です。したがって、製薬協の透明性ガイドラインには強制力も罰則規定もありません。しかしながら、当時の70社の会員会社は昨年度分は全社情報公開をしていただきました。本年度、会員会社は72社に増えています。72社全て公開の予定です。製薬協としては、会員企業の取りまとめというのは行っていませんが、私が勝手に各社のホームページから荒々に計算したのがその円グラフです。トータルは、4,700億程度でした。一番大きなA項目は全体の52%を占めています。その中でも、先ほど申し上げたように、いわゆる新薬の臨床治験という使い途の決まっている費用がその75%を占めています。公開された金額の大半が、「まだまだ有効な治療薬がなくて困っている患者さんのための新薬開発に使われている」ことを是非御理解いただければ幸いです。また、B項目は、全体の11%で、そのB項目に含まれる奨学寄附金はB項目の3分の2です。全体から見ると7%という数字です。

 次に、製薬協は今年より3つの新しい取組を始めました。本年度よりC項目、いわゆる原稿執筆料等については、従来の「施設名、個人名」の公開に加えて、次の段階では「件数・金額」を閲覧希望者に公開しています。公開方法は、第1段階のWEBに引き続きWEB方式を採用する企業と、来社場所を指定する来社閲覧方式を採用する企業とに分かれています。この取組については後ほど説明しますが、来年度以降、会員企業全体で統一感のある取組を考えています。

2つ目は、2年目になりました本年は、会員企業の公開ページのURLを製薬協のトップページからアクセスできるようにしました。このことで、閲覧者が各企業ごとにホームページのどこにあるのかと探す手間が節約できるようになったということです。

3つ目の新しい取組は、本年より「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」にのっとり資金提供を公開している、この3つです。

 次に、このパワーポイントは製薬協のホームページです。少し見にくいですが、真ん中から左と右で2つに分かれていますが、左側が製薬協のトップページです。この左下、「企業活動と医療機関等とガイドライン」と書いていますが、ここをクリックしていただくと、右側にある各社の公開されたURLページの一覧に飛んで行きます。閲覧希望者はこの企業のURLをクリックすると公開ページに辿り着くということです。

 次に、「今後の取組」です。先ほど説明したように、本年度から始まったC項目の詳細公開については、現時点ではWEB方式と来社閲覧方式があります。基本的には、どちらの方式を採用されても閲覧希望者には同じ情報が提供されます。同じ情報が提供されるのであれば、来社閲覧方式よりもWEB方式のほうがより透明性が高く、より便利ではないかという考えから、来年以降は、会員会社は全てWEB方式を採用し、製薬協全体としてアクセス方法を統一していくところです。

2つ目は、A項目の詳細公開です。この件は、既に透明性ガイドラインの検討が始まったところから、日本医師会、日本医学会より項目の詳細公開の要望があり随時検討を進めていました。A項目は、透明性ガイドラインの公開金額の中で一番大きな部分を占めているだけに、しっかりとより詳細に公開することで、更なる産学連携の発展につながると考えています。最終的な詳細はまだ決まっていませんが、各団体との周知徹底期間と各社のシステム変更等の準備期間を1年余りと考えています。早ければ2016年度の支払い分を2017年に公開したいと考えています。

 次に、C項目の二段階の公開方法を図にしました。口頭で数字を申し上げます。製薬協の会員会社は現在72社です。昨夜の時点では、既に39社が公開をしています。C項目の詳細公開については、二段階方式採用の会社は予定では68社ですが、そのうち35社が公開をしています。また、二段階方式を採らずに一段階で全てを公開した、我々は原則方式と呼んでいますが、原則方式の会社は4社が予定で4社とも公開をしています。二段階方式を予定の68社のうちWEB方式を予定している会社は58社で、そのうち32社が公開をしました。来社閲覧方式を予定している会社は9社で、そのうち3社は公開をしています。「その他」と1社ありますが、この「その他」というのは、二段階のところを今のところ郵送を予定している会社です。今の数字は、あくまで予定の数字と昨日までの数字です。御理解のほどよろしくお願いします。先ほど申し上げたのは、来年以降は、この下のグリーンの点線で囲っている部分の二段階方式を会員会社全てWEB方式で実施しようという話です。

 次に、521日の通知文です。この資料は、右に書かれているように、日本医学会利益相反委員会より、二段階方式よりも一段階で全て公開する原則方式のほうが透明性が高いのではないかということ、さらには、来社方式よりもWEB方式にすべきだと、さらには、来社閲覧方式を採用する場合でも閲覧制限をかけない等の要望を頂きました。その要望を受けて、コード委員会の委員長が会員会社に通知を出した抜粋です。1WEB上の公開に当たっては、アクセスのしやすさ、過度な閲覧制限をかけない等、閲覧者の便宜にも配慮すること。2、来場による閲覧方式を採用する場合においても、閲覧者の希望する情報入手の便宜に制限をかけないことです。ただ、会員会社にはこの時点で既に来社閲覧方式を採用することを決めていた会社もあります。当然会場の確保、会場の警備等様々な準備をしていました。更には、C項目の公開に当たっての個々の先生方の同意書の中には、来社閲覧方式等で公開する旨を記載している所もありました。そういう意味では、通知を出したのですが来社閲覧方式もまだ残っているところです。

 次に、しかしながら、この透明性ガイドラインを実施すると決めた数年前から、私たち製薬業界の置かれている状況は一変をしています。そのような社会情勢を鑑みて、78日に、「より一般社会からの納得性の高い公開方法の採用」との会長通知を出しています。更には、先ほど事務局の説明にもありましたが、724日の当時の田村厚生労働大臣と製薬協の会長、理事長との面会を受けて、728日に「改めて業界全体の意思統一を図り、社会の納得性の高い形で整然と実施をしていく必要がある」旨の通知を再度発出しています。更には、これにとどまらず、918日の製薬協の理事会において会長声明を出しています。全文はお手元の資料の最後の2枚です。併せて御覧いただくようお願いします。会員会社に「制度の趣旨に沿って可能な限り改善の努力を」との会長声明を出したわけです。私たちは、業界の自主規制であっても、これからもより透明性の高い倫理感あふれる取組を展開してまいります。

 次に、透明性ガイドラインの話は以上ですが、前回、5月のヒアリングの際に質問を受けました労務提供について少し説明いたします。資料の真ん中ほど、「なお」と書かれている所です。「臨床研究に係る労務提供については、データ解析業務等、研究結果や研究の中立性に疑念を抱かされるような労務提供を行わないものとする」ということについて質問を受け、QAを作成するなどして対応をいたします、とお答えしました。そのQAが次です。

 次に、まず大前提は、研究者主導臨床研究に関わる労務提供については営業部門に属する者は関わるべきではない、ということです。その大前提の元、疑念を抱かせる労務提供として、既にこのQAの前に一度QAを出していますが、その前に出したQAの内容がここに書かれている「データマネジメント業務、データ評価・解析業務、プロトコール策定、省令登録、割付作業」です。その後の協会内の検討により、更に追加として「各種書類作成、症例報告書の記入、各種検討会・委員会の事務局作業、論文作成等」も考えられる。としております。なお、労務提供の定義は、少し見づらいですが下の欄外「*6」の所に書かれているものです。「労務提供とは本来研究者が行わなければならない業務を肩代わりとして労働を提供することであり、成果物の有無を問わない」としています。また、臨床研究以外の労務提供については関係団体である医薬品公取協と連絡を密に取りながら検討を進めているところです。

 最後のページです。最後になりましたが、皆様御承知のとおり、新薬の開発には産学連携、臨床試験は欠かせません。製薬企業だけではどうにもならないのです。透明性ガイドラインはあくまでもツールであります。私たちは、透明性ガイドラインを通じて更なる産学連携の透明性を確保し、公開することで患者様に求められる新薬を世に出したい、まだまだ有効な治療薬がなくて困っておられる患者さんの治療に貢献したいと考えています。ただ、製薬協が様々なガイドライン、指針、ルールを策定しても、最終的にはそれを運用します各社の倫理感、これが一番重要です。更に倫理感あふれる取組、更に透明性の高い取組を目指して活動をしてまいります。引き続きまして、皆様方からの御意見、御批判を頂戴いただければと思います。説明は以上です。ありがとうございました。

○遠藤座長 どうもありがとうございました。それでは、先に事務局から報告があって、その後、日本製薬工業協会からただいまのお話がありました。これについて議論を進めていきたいと考えます。事務局からは、12ページにあるように論点が2つ出されています。もちろん、この論点に限定されるということではありませんが、論点として2つあると。1つは、「資金提供の透明性確保について」ということで、特にC項目について御議論がありましたが、その具体的な方法についての話と、また、もう1つは、実効性を担保する上でどういうような措置が必要かということが問い掛けの形で論点となっていました。論点の2については、「労務提供の透明性の確保」ということで、これは、日本製薬工業協会御報告の中の13ページにあった内容についてこの論点から見てどう考えるかということになるかと思います。ほかにも様々な視点からの御議論があるかと思いますので、多少時間は多めに取っていますので、質疑、あるいは御議論をいただきたいと思います。いかがでしょうか。山口委員どうぞ。

○山口委員 御説明ありがとうございました。今、製薬協挙げて加入している会社全社が前向きに取り組んでおられるという御説明をいただきました。1つには、事務局の12ページの論点の中に、自主的な取組だけでいいのかということが書いてありますが、質問として、製薬協の中で全体的に足並をそろえている取り組みというお話なのですが、それでもやはり会社によって差があるものなのか。もし、まだ課題があるとしたら、始めてはいるけれどももう少しここの所が意識差があるという部分があるのか確認させていただきたいと思います。それから、労務提供のことについて、今、御説明いただいた13ページの所でQAを書いていただいているのですが、これは大事だと思う一方で、どうやってチェック機能を働かせるのでしょうか。書いてあったらやっているということになれば一番いいと思うのですが、やはりどこかがチェックしていかないといけないと思うのです。その辺りのことをお聞かせいただければと思います。

○田中参考人 ありがとうございます。各会社の取組に差があるかという御質問ですが、昨年が初めての公開でした。各社の透明性ガイドラインの窓口責任者を対象に3か月に1回製薬協で研修をしています。その中でも、各社良い事例を積極的に発表いただき、ここまでやれるのだとか、ここまで公開できる、そのような事例研修を定期的に実施しています。そのような中から、例えば各社の窓口責任者の方たちは、他社の昨年公開したホームページを、ほとんど見ています。あそこの会社は透明性が高かったとか、より入りやすかった、という話も含めて、まだまだ自分たちの会社で取り組む余地があるという認識を持っていただいています。更には、例えば昨年は項目を少し間違えて公開したケースがありました。そこで昨年運用モデルを作って各社でそれほど大きく齟齬がないように示しました。運用モデルを示すことによってぶれは少なくなってきていると思います。更に運用モデルについては、今後どんどん精査をしていき統一感のある運用をしていきたいと考えています。

2点目の労務提供です。チェック機能は一番は相互監視です。各社が何をやっているかということを現場でよく見ていますので、自社がそれをやっても本当に大丈夫かというところが一番のチェック機能です。ただ、御指摘のように、本当に相互監視だけで大丈夫かというところについては、製薬協としてしっかりと目を光らせていきたいと思っています。相互監視という意味では、苦情申立てとか製薬協に対する投書、問い合わせはあります。

○山口委員 特にディオバンの問題などはこの労務提供のところに問題があったのではないかと思っていまして、問題ないと思ってやってきたことが、いつしか馴れ合いにになり、行き過ぎていたというところがあったと思うのです。その辺りが、こういうことを決めている部署と、実際に関係している部署は異なる場合もあると思うのですが、今までの問題点の洗い出しみたいなものがあった上で、こういう流れになってきているのか、それの共有を図る努力がどういうふうにされているのかということと、何か、製薬協の中で、今までになかったけれど、製薬会社でも製薬協でもいいのですが、こういうチェック機能を働かせるために何か新たに設けられたものとか、そういうものはないのでしょうか。

○田中参考人 お答えさせていただきます。ディオバン問題は、労務提供について、いわゆるMRでない部署でデータ解析までお手伝いをしていました。今まで業界の中では、プロモーションコードと言いまして、医療機関との接点がある営業担当者、営業部門の方に対してのコードはあったのですが、昨年の4月、製薬協コード・オブ・プラクティスを制定しました。これもディオバン問題があったからできたわけではなくて、世の中の大きな流れIFPMAで、営業部門だけではなくて役職員全員に関わるコード・オブ・プラクティスを制定しています。製薬協でも、昨年の4月に営業部門だけではなく、全ての役職員に関わるコードを制定しました。そういう意味でいけば、今回の問題も開発部門で関わろうが、若しくは営業部門以外の、最近ではメディカルアフェアーズとかメディカルサイエンスリエゾンという部署も先生方の所にお伺いすると聞いていますが、全員に関わるコードです。ちょっと答えになっていないですが。

○稲垣参考人 あと1点、第2回目の検討会でのヒアリングのときにも少し申し上げたところですが、今回の反省点の中で一番大きかったところは、会社の中のガバナンスの欠如で、現場に誰が行っているか会社で把握していなかった点が大きな問題でああったわけです。ですから、会社同士で相互にチェックしあう前に、まず、それぞれの会社の中でガバナンスとして誰がどういう働きをしているかをきちんと見て、そしてその中で、指針としてこれとこれはやっていけませんと示すことによって、会社の中で社員の動きをチェックし、問題となる行動は行わないという指導を行ってくださいというのが、まず今の段階で我々がお願いしているところです。それで十分かどうか、それは確かにおっしゃるとおりの問題はありますが、その先は相互で見るしかない。ただ、今までは現場の独自の判断で動いていたところでも、会社のガバナンスとして指示する形で、今回その際の判断基準は何だということを示させていただいたところです。

○山口委員 ありがとうございました。

○遠藤座長 よろしいですか。

○山口委員 はい。

○遠藤座長 他にございますか。

○大門委員 山口委員の御指摘とも関連するのですが、少し具体的にお教えいただきたい点がございます。1つは、基本的考え方において、労務提供は、今後契約に基づいてなされていくことになりそうなのかという点と、もう1点は、公開方式を拝見させていただくと、二段階方式と原則方式が併存している状況になっているようで、ここは統一できない理由は何かあるのかなと思いまして、その点を教えていただければと思います。

○田中参考人 基本的な考えの労務提供で御質問いただきました。ありがとうございます。契約によって労務提供も行われるのかという質問だったと思います。ここにも書かせていただいたのですが、先ほど説明しませんでした。13ページの「なお、当該企業でしか測定、あるいは入手不可能な試験等の支援は可能である」というふうに、当該の企業でしか研究が進まないというようなものについては契約でございます。労務について、あの人ではないとどうしても駄目だというようなものが本当にあるのであれば、例えば測定の特殊な技術を持っていて、その人に頼まないと研究が進まない、そういう説明がしっかりできるようなものについては契約をした上で提供は可能だということです。一般に、契約をして研究の支援をさせていただく中では、例えば人件費等も捻出いただいてやっていただくのが本当は透明性が高いのかもしれません。それが1点です。

 それと、2つ目の質問は、二段階と原則方式、これが1つにならないかという話です。これは、少し背景のところで省略してしまったのでこのような質問をいただいたと思うのです。そもそも、製薬協は、原則方式でやろうという意見ではあったのですが、やはり先生方の大事な情報を扱います。本当に一段階で全て公開することがいいのか、いろいろな公的機関で情報開示に至っては、開示請求を受けた上で情報公開をするというのが、何年か前にこの検討をしたときの世の中の流れでしたから、やはり二段階できっちりと開示請求を受けた上で、施設と氏名だけではなくて金額、件数を知りたいと思われた方のみに提供する二段階方式の採用を考えたわけです。ただし、そのときと現段階になってみて情報公開の透明性はますます加速、進んでいるということです。今後そういう意味では見直す対象には十分なり得るのだとは思っています。

○大門委員 ありがとうございます。

○遠藤座長 他にございますか。

○楠岡委員 透明性ガイドラインで、B項目、C項目の個別の部分ですが、アメリカのサンシャイン・アクトの場合は10ドル以上ということで使途は問わない、10ドルを超えたものは全部ということになっているのですが、B項目、C項目に関しては、何かそういう限度額というか、一定以上を超えるものだけを公開をするのか、それとも例え1円からでも講演料という項目であれば全部公開するのか、どちらでしょうか。

○田中参考人 全く設定していません。提供させていただいたものは全て公開対象です。

○楠岡委員 あと、その関連なのですが、もともと、サンシャイン・アクトも透明性ガイドラインも、臨床研究に関するお金のやりとりの透明化を直接の目的として作ったものではなくて、医療機関と製薬企業の間に癒着がないことをきっちり出していこうということだったと思うのです。たまたま今回、臨床研究においてこういう問題が起こってきて、特にこの部分がクローズアップされていると思うのですが、今回の透明性ガイドラインがほぼ徹底されれば、今回起こっているような問題に関してはある程度抑止力と言いますか、再発をかなり予防できると製薬協のほうは考えておられるのか、それとも、やはり製薬協としては余り望ましくないけれども、自主規制では少し頼りないので場合によっては法的規制に一部したほうがいいと考えているのか、業界としては実効性から客観的に見てその辺はいかがなのでしょうか。

○田中参考人 御質問ありがとうございます。何年か早くから透明性ガイドラインを始めていれば、今回のようなディオバン問題は起こらなかったと、それは本当に強く思います。さらに製薬協では、先ほど申し上げたとおり、昨年コード・オブ・プラクティスも制定しています。営業部門だけではなしに開発部門ですとか、臨床研究に携われる部門のところまで、手を広げていますから、これも以前からやっていれば、ああいった問題は起こり得なかったのではないかと思っています。そういう意味では、先ほど申し上げたとおり、まだまだC項目ですとか、A項目について詳細公開をしていく用意もありますし、我々がこれをしっかりと進めて会員会社がしっかりと守っていけば、自主規制で十分やっていけると堅く思っています。

○遠藤座長 ありがとうございます。

○桐野座長代理 ある程度説明されたのかもしれませんが、製薬協はもちろん全部の製薬企業が加入しているわけではありません。ただ、大所はもうほとんど加盟しておられるのだろうとは思いますが、開発研究をして、その後治験を行う可能性のあるような会社で、何らかの考えで加盟していない会社においては、このようなルールを、ガイドラインですか、を守らなくても特段の問題はないと言えばない。社会的に相当な問題があるとは思いますが。そのようなことが多々起こるのであれば少し問題かなと思いますが、まず、開発研究を行い、治験から承認申請にいくような会社であればカバーしていると考えてよろしいですか。

○田中参考人 ありがとうございます。実は、この3年間のPMDAの製造承認の資料をいろいろ調べてみたのですが、400品目ぐらいありました。製薬協加盟会社でない会社からの申請が11社、16品目ありました。そのうち、CROと言われる会社もいくつかありました。そういう意味では、御指摘の全てカバーできているかと言いますと、やはりできていない所もあるというのも事実ですが、全体から見ると4%程度、品目数でいくと、これが将来売り上げのどれだけになるかは今、計算も何もできていませんが、今の段階では製薬協の透明性ガイドラインをしっかり72社が守れば、そういう意味では大きな問題にはなってこないのではないかと思っています。さらに、製薬協だけではなしに関連の団体、例えば医療機器、医機連と言いますが、医療機器なども製薬協の透明性ガイドラインを参考に自主のガイドラインを作成して公開していますし、日薬連傘下では、日本漢方薬協会、ジェネリック協会、OTC協会という所もガイドラインを作成して公開しています。そういう意味では、大手の所は随分カバーできるのだろうと思っていますし、先ほど申し上げたCRO協会についても、こういう状況だからということで、ガイドラインを策定するようなことも勧める、話をすることも必要かとは思っています。 

○遠藤座長 ありがとうございます。他に。

○武藤()委員 今回の事件はまだ訴訟の途中ですから、真相は分からないので、あくまでもメディアからの話によるのですが。労務提供をやられた方が、結局、データを捏造して自社に有利になるように企んだことに犯罪性があるわけです。労務提供をやったこと自体が罪なのではない。ただ、労務提供をすれば、不正が起こりやすいのでそれは止めたほうがいいということなのです。日本の将来を考えますと、統計学者も少ないし、各大学でも十分にそろえられない、依然としてその状況は続くと思うのです。そうすると、やはり中心部において、特に製薬会社はそういう力がありますから、そういう所で専門家をきちんと揃えして、そういう仕事をやってもらうということは必要になるのではないかと思います。ですから、自社のものではなければ労務提供はできるということにしておかないと、自縄自縛になってしまうのではないかと、そのような気がします。先ほど少しそういう話もありましたが。結局、製薬会社の方と、その受け側の医者のほうにも倫理の欠如があって、両方に倫理感のない人がたまたま集まってしまったものだからこういう事件が起こったのであって、そこがきちんとしていれば、このようなことは起こらないはずなのです。ただ、それはあくまでも理想論でして、そういうことが起こらないように仕組みを作ることが非常に大切ですが、ただそれを余りぎちぎちに作ってしまうと自縄自縛になって動きが取れなくなる。そこら辺のことは十分考えておく必要があると思います。

○稲垣参考人 ありがとうございます。武藤先生のおっしゃるとおりで、どうやれば臨床研究の質の確保に必要な統計の方とか、製薬企業勤務の人たちのお手伝いを可能にできるかというのは大きな問題だろうと我々も認識しています。ただ、その一方で、その企業勤務の人たちの活動について外から見たときにどう思われるかという基準で考えることも重要でして、そうすると、今回の労務提供で線を引かせていただいたように、データについては関わらない、特に、客観的な中立的な形で行う研究に対しては、企業としては例え自社品がなくても関わらないという形が本来は望ましいのではないかと考えているところです。

 また、先ほどの施設の統計家等の話についても、幸い今、厚労省、あるいは文科省とも臨床研究拠点の整備事業を進めていただいていて、その中でデータセンターの拡充、あるいはデータセンターにおける統計学者の雇用等を進められているとうかがっており、公的な制度でデータ周りを整備した拠点ができていくことについて我々としても非常に期待しているところです。

○遠藤座長 ありがとうございます。望月委員どうぞ。

○望月委員 今のお話で、労務を提供する代わりに、人材のために何か協力するという立場で、むしろ製薬協のもとで、製薬会社がまとまった資金を出し合って人材バンクをサポートするような形が非常に望ましいと思います。

 もう1つは、奨学寄附金というのが結構問題だったと思います。奨学寄附金というのは、目的を付けないで御自由にお使いなさいと言うことですが、それが何億という額になりますと、どうしても頂いたほうに遠慮があるということになってしまうので、各講座単位の奨学寄附金というのは難しい。では、学部単位か、大学単位ならいいのかというと、それもその先は見えない。薬学とか医学の進展というのは製薬会社にとって、非常に役立つことです。まとめて製薬協で各企業から、年間で大体300億円ぐらい集めて、それをプールして、医学、薬学の何らかの進展に使えるような新しい研究助成のようなシステムというのは考えられないでしょうか。

○田中参考人 考え方としては、1つあるのかも分かりません。ただし、実現可能性がどうかとなってきますと、プールしたときに、製薬協の加盟会社にも、例えば眼科用専門のメーカーがあります。プールした先で、自分たちの関わる領域のない所に優先的に研究費が使われるとなったときに、果たして率先して、基金に寄付できるかどうかということも踏まえて考えなければなりません。海外で行われている、寄付行為みたいなものであれば可能かもしれませんが、その先でそのお金を、どなたが、どこで仕分けするのかとか、また新たな問題が出てくるのかも分かりません。ネガティブなことを言うつもりは全くないないのですが、本当にそういうことがきちんと担保できれば考えてみるのも1つだと思っております。今のところはまだ検討も何もできていません。

○望月委員 バイオサイエンスの発展のために製薬企業としては出すのは、そんなに滅茶滅茶なことではないと思います。

○田中参考人 ありがとうございました。御意見として伺わせて頂きます。

○遠藤座長 御意見として、当検討会のミッションとしましては、基本的に臨床研究の規制の在り方をどうするかという話ですが、類似の御提案は学術会議からも民間資金を一旦プールして配分をしたらという議論もありましたので、貴重な御意見として承ります。

○望月委員 臨床研究や臨床試験は、クリアにしていくことで相当程度きれいになるのですが、奨学寄附金というのはどうしても見えない所があるので、その辺りも考えなければいけないかと私は思いました。

○遠藤座長 そうですね。この論点には入っておりませんが、奨学寄附金については、製薬協としての対応案が出ているわけで、あの対応案で良いのかどうかも1つの議論になるわけです。ただ、我々の議論としてみると、お金を流れをどうするかというのは1つのアイディアの提供という形で止まらざるを得なくて、我々はそれを何らかの形で正しく使われているかどうかの担保をする仕組みについてどう考えるかという視点で議論する必要があるかと思いますので、そういう議論があれば、是非承りたいと思います。山本委員どうぞ。

○山本委員 2つほどあります。1つは、基本的考え方の中で、今、話が出ましたが、奨学寄附金の提供の在り方に関して、提供するに当たっては社内の営業部門から独立した組織で利益相反を十分確認の上、決定するとうたわれていますが、これは具体的にはどのような組織の体制を採って行われているのかを伺いたいと思います。

2つ目は、今日いただいた資料の13ページで、臨床研究に当たっては、臨床研究に関わる労務提供について、公正性・中立性を疑われないようにするということがうたわれているわけですが、この点についても具体的な組織としてどのようにチェックする体制が採られているかを伺いたいと思います。

○田中参考人 山本先生、ありがとうございます。2つ御質問を頂きました。基本的な考え方の中の奨学寄附金の提供を営業部門から独立した組織にする点です。既に多くの製薬企業の中では、営業部門から奨学寄附金を提供する部門が独立しています。例えば、開発部門が担当していたり、メディカルフェアーズやメディカルサイエンスディエゾンといった部署が担当している所が多いです。更に、この流れはどんどん加速していくと思います。

 確かに一部営業部門が全てやっていた会社もあるのですが、この通知以降、社内体制を見直していただいている会社が大半です。ただ、社内の人事の関係もありますので、タイミングがいつになるかは、私がすべて承知しているわけではありません。

 それと、労務提供のチェックのところですが、大前提として、研究者指導臨床研究に関わる労務提供については、営業部門に属する者が関わるべきではないとしております。そういう意味では、営業部門が関わっていれば、各社のチェックが入って、労務提供を実施している会社はすぐに出てくると思います。

 それと先ほど申し上げたメディカルアフェアーズやメディカルサイエンスリエゾンの活動について、情報提供にあたるのか、労務提供になるかどうかの境目がまだまだ十分決めきれていないところもあります。また学会速報が情報提供になるのか、プロモーションになるのか、更にはプロトコールの掲載されている文献を持っていけば情報提供になるのか、労務提供になるのか、少し整理する所は残っております。そこについては課題と考えています。十分にお答えできておりませんが、今のところはそんな考えでおります。

○遠藤座長 山本委員、よろしいですか。山本委員が御質問された御趣旨がどういう所にあったのかを、もう少し御説明いただきたいと思います。

○山本委員 ルールとして決められていたとしても、それが具体的に実施されているかどうかを、どのように組織の中でチェックされているのか。具体的な組織の在り方を伺いました。

 それから、基準自体がまだはっきりしないところがあるとすれば、どうするのかということを、今後もっと詰めて考えていただかなければいけないわけで、それを具体的に誰が、あるいはどのような組織が行う体制になっているのかということを伺いたかったのです。

○遠藤座長 そういうことでした。何か付け加えることはありますか。

○稲垣参考人 まず後半の「基準自体にまだはっきりしないところがある」とのご指摘ですが、臨床研究ではいろいろな事態が考えられるだけに、今の段階でこの線まではOKと具体的に全てを示すのは難しく、そのために422日に出した基本的な考え方に対するQA、さらにはQAの解説という形で、いろいろ問合せに対する回答として考えを示してきました。今後もこの形で、具体的な事例を基に考えを示していきたいと思っております。

 あと前半のチェック機能です。これは山口委員からの質問と同じ回答になってしまいますが、まず会社のガバナンスがないというところから今回の問題が起こっており、会社として誰が何をやっているかを把握する仕組みを作ってくださいということで動いております。各社の中ではその仕組みができて、その上で、たとえば営業の方々が臨床試験に不適切に関わったようなとき、それはいろいろな形で会社の中でも他の会社でも分かりますので、そういった不適切な関わり合いについて話が入ってきて、それはちょっとどうかなという形で互いにチェックするということになるかと思っています。もともと自主規制ですので、外から監査を入れるとか、そういうタイプのものではありません。あくまでも自社ガバナンスの中でやってください、ただし、他の会社から話が来たときは何か申し上げますよというイメージになるのかなと思っております。

○遠藤座長 関連して何かありますか。

○桐野座長代理 そのほかでいいですか。

○遠藤座長 1つだけ確認させていただきたいと思います。労務提供に関する行動指針を策定したということですが、13ページにある臨床研究に関わる労務提供については、データ解析業務等の研究結果や研究中に疑念を抱かせる労務提供については行わない。その疑問を抱かせるというのは、下に書いてある内容ということになるわけですが、これ以外のことであって、担当者が営業部門に属さなければ臨床研究に関与してもよいという意味ですか。つまりどういう形でこの行動指針はまとめられるのでしょうか。それがよく分からなかったのです。質問の意図が分かりますか。

○稲垣参考人 ここのところで我々として一番重要だと思っていますのは、研究者主導の臨床研究、特に中立性を保つべき臨床研究に対して、どのような形なら中立性を保てる形で関われるかというところです。それにはデータ周りについては関わってはいけない。データ周りについては部門によらず会社として関わらない。前半の、本来ならば研究者が行わなければならない業務を肩代わりして労働を提供するというのが労務提供ですが、その労務提供については営業部門が関わってはいけないとしていますが、現実的には、研究に関するその周りの仕事は多分できないということになるわけです。

臨床研究の支援の形はいろいろありますが、共同開発等の形もありますので、支援の必要な試験については、その都度その都度、好ましい支援形態を考える部分はあるのかと思っております。

○遠藤座長 チェックの問題と同時に、どこまでがいいのか悪いのかを判別する基準は、具体性がないのではないか。そこが課題の1つになっているのだと思います。チェック機能と両方ですが。それでは桐野委員お待たせしました。

○桐野座長代理 今の問題ですが、労務提供という言葉がいいのかどうか、少し疑問に思うのは、実際に産学連携というのは非常に難しい問題を含んでいて、例えば知財が全て製薬企業側にあるような治験においては話はそう難しくない。これはここに書いてあるとおりで大体理解できると思うのですが、知財を大学側が持っているような開発をしようとした場合、あるいはこの場合は関係がないかもしれませんが、特に医療機器の場合は、大学の研究者と企業側の研究者がサイド・バイ・サイドでやらないとうまくいかないのです。そこまで含めて「実はこれはいけないのだ」ということを言い出すと、昔の大学における産学連携のような感じになってしまい、それだったら、もうやるなということになってしまうので、そこがクリアに分かるような説明をしておかないと、ここは場合によっては相当問題を起こす説明ではないかと思います。

○遠藤座長 ただいまの御発言に対して、何かコメントはありますか。

○稲垣参考人 正にそこのところは非常に重要だと思っております。先ほどから私のほうで言っております研究の中立性を保つべき試験かどうかという話になるかと思います。新たにものを作るような場合、たとえば医薬品を開発するような試験は、効果を確認し、プロジェクトを前へ持っていくためのものなので、そのような場合は産学連携で一緒になってやっていくということはあり得えるのかなと考えています。

 今回の問題は製品を作り出した後の試験で起こっており、出した結果が正しかったかどうか、あるいは他の医薬品と比べたときにどうなるかという別の見方で中立的に結果を見たいという試験に対しては、企業は関わらないということです。逆に言えば開発前半の、何かものを作っていくための試験については、いわゆる治験と同じような枠組みで考えられるのではないかと思っております。

○須賀補佐 事務局から1点補足です。今、機器の話について御指摘いただいたところですが、機器の話については第4回の検討会において、日本医療機器産業連合会のヒアリングをしました。その際に、機器については、正に今、御指摘いただいたように、共同でやる部分が重要になってくるので、そこの部分は医薬品と違うというか、そこの部分については配慮すべきではないかという議論があったとなっていました。そこの部分については既に第4回でありましたので、今日は薬について御議論いただければと思っています。

○児玉委員 いろいろ貴重な御報告ありがとうございました。桐野先生が質問されている中身と重複する部分が多いのですが、まず、製薬企業の労務提供や資金提供そのものが問題だという立場には立てませんので、どのように社会に理解していただくような整備をしていくかという課題なのだろうとお聞きしているところです。

 医薬品の開発、承認、市販後とそれぞれ段階を追っていくと、例えば開発段階、承認段階で、企業が資金提供をされ、労務提供をされている典型として治験があげられますが、そこでは良いガバナンスが効いていて、今回ディオバンの問題で顕在化したような問題は、相対的にはうんと起こりにくい状況ではないかと思っています。

 今回のディオバンの問題の特殊性は、市販後の研究であったということで、市販後の医薬品に関して、製薬企業は労務提供や資金提供をした際に、研究活動と営業活動の線引きが問題になっていたのだろうと思います。その辺について、今どのようなルールを作るかという手掛かりは資料の13ページです。本来は研究者が行わなければならない業務という言葉で表現されているのですが、医薬品のメーカーの方も実際には研究者として活動されている方、あるいは今回もそうでしたが、非常勤の形の研究者として勤務されている方という形で、研究活動を担われている方も多々おられるわけで、いろいろ難しい課題とは思いますが、研究者として活動されている方の行動そのものは、いわゆる労務提供、肩代わりをさせられている労務提供とは少し違うのではないかと思います。市販後の医薬品に関しての研究活動と営業活動の峻別という課題と、医薬品メーカーの社員の研究活動をどのように捉えるかという問題と、多分2つ課題があるように思うのですが、何かお考えがあったら、せっかくの機会なので聞かせていただきたいと思います。

○稲垣参考人 非常に難しい課題かと思っております。1つの線引きとして考えなければいけないところとして、自社製品の研究に、社の人が製造販売後の試験に純粋に研究者として加わったとしても、それについて世の中はどのような目で見るのかという点があります。

 今回の場合は、データに実際に手を加えたという話で、それは問題外ですが、データに触れる場にいること自体についても現時点では望ましくないと考えるべきではないかと思っております。自社品の製販後の研究、特に中立性を保たなければいけない試験に対しては、関わり合いということで労務提供という言葉が適切だったかどうかは判りませんが、データの中立性に疑念を抱かせるような行為に対して、当該企業の者が関わることは、今回は避けるべきという考え方で13ページのスライドは作っております。

○児玉委員 例えば治験で労務を提供し、資金を提供してもガバナンスが、ルールがはっきりしていれば、きちんとした対応ができてきたはずで、またそういうことを想定した制度設計になっています。

 例えば市販後あるいは治験の枠組みに入らない臨床研究について、何となく労務提供が疑念を抱かせるという形で萎縮してしまうとすると、更にのは資金提供が中立性を疑わせるということでの萎縮にも波及するのではないかと懸念します。労務提供性悪説、資金提供性悪説に立つのではなく、どんなルールかという点が大事なのではないか。難しい問題ですが、そのようなルール作りの課題があるのではないかという感想を少し持ちました。

○遠藤座長 私から児玉委員にお聞きします。そのルールは正に重要ですが、製薬協が13ページに示しているようなルールでは必ずしも適切ではないということですか。

○児玉委員 例えば、全部が全部治験並みとは言いませんが、多分治験と同じような中立性を必要とされるような場面でルールづくりが問われているのではないか。それがたとえ市販後であったとしても、労務提供を自粛したり、更には資金提供を自粛したりすることにつながっていくようなニュアンスは、少し違和感があって、費用が掛かっても中立公正性をきちんと明らかにするための手順を踏んで治験というシステムは設計されているので、ある範囲のものについては、経費を掛けてでも中立公正性に関する情報生産をやらなければいけない局面と、そうではない局面をどうやって分けたらいいのだろうか。難しい問題を言ってしまって、大変恐縮なのですが、それを抜きにして労務提供や資金提供に関するスリッパリースロープがどんどん萎縮の方向へ進んでしまうような議論だと実効性のあるものになりにくいのではないかという懸念を持っています。

○遠藤座長 ただいまのことに関して、何かありますか。武藤委員の次に楠岡委員お願いします。

○武藤()委員 私も今の御意見に全く賛成です。以前にも同じような趣旨で申し上げたつもりです。現実にそういう治験に対するお金がもう出なくなっているということを、現場の人がぼやいていたことがあります。恐らくこのような形で自主規制が行われると、日本の臨床研究というのは、ずっと萎縮してしまって、そういう現象が起こるのではないかと危惧いたします。

 ここに書いてある、これもやらない、あれもやらないということは、逆にいうと、大きな大学とか、そういう所は人員がそろっているから違うかもしれませんが、小さな所では結構MRの人たちが手伝ってやっているのが現状ではないかと思います。だから、これにこんなにたくさん書いてあるのです。それが全然やられなくなってしまうと、小さな組織では治験に参加できないというのが現実になるのではないかと思います。全体的に人員不足ですので、余り厳しくすると、自縄自縛になって、臨床研究の数が少なくなる。医者も製薬会社も、何と言っても患者さんが困るのです。

○楠岡委員 武藤委員がおっしゃったこととも多少関連するのですが、実際に診療を担当している医師の側から見ると、今回のような市販後の大規模臨床試験で、特にプローブ法を使っているようなものと、いわゆる製造販売後調査が非常に見分けが付きにくいというか、本来は全然違うものであって、当然見分けが付かなければいけないのですが、現場だと何となく製造販売後調査の乗りでやってしまったり、その逆だったりするところがあるようです。これは製薬協に求めるべきものではないかもしれませんが、そこがもう少し現場でもはっきり分かるようにするべきだと思います。

 例えば先ほど武藤先生がおっしゃったように、CRCが関与するとなると、もちろん製造販売後調査にCRCがこれから絡んでいくこともあるとは思いますが、そこは従来の枠組みとは違うというのが見えやすいところですし、当然同意書を取るというプロセスがありますから、そこではっきり分かってくるのですが、そういうところに何か違うシステムであることが明らかにできるようなものがあると、もう少しはっきりしてくるのではないか。

 逆に現場からすると、ついつい製造販売後調査と同じ乗りでMRに頼んだりみたいなことが起こってしまって、それを今度はMRのほうがちゃんと説明できないと、またごちゃごちゃになっているということで、これはどちらかというと会社の中のガバナンスの問題になるのかもしれませんが、そういうところをどのように明確にしていくかというのも、今後、より厳格にやっていこうとするときに、1つの大きなネックというか、注意して取り組まなければいけない問題ではないかと思います。

○遠藤座長 余り厳しくするなという意見が少し続いたのですが、そうではないお立場で何かありますか。具体的に示されている製薬協の案について、直接的に問題があるということではなくて、これが運用上、どういう展開をするかということで危惧を抱いておられるという理解ですが、具体的に指針として、このような形がいいのではないかということがおありになる方はいらっしゃいますか。製薬協さんとしては、こういう問題が起きたので、安全を取って、この問題にはタッチしないというのが一番確実であるというスタンスをとっておられるということですね。何かコメントはありますか。

 分かりました。労務提供については、後ほど議論があれば続けたいと思います。それでは、お金のほうはいかがですか。最初は少し議論されましたが、事務局の論点としては、1という形で、資金提供の詳細内容についての透明性のガイドラインをつくるということ。日本製薬工業協会としては、先ほど来、説明がありましたように、例えば項目Cについては、2段階方式は取り続けるが、現在の来社閲覧や郵送などを全てWeb方式に統一するという方向で、ほぼ会員企業の合意が形成されているということです。そういう御回答でよろしいかどうか。更には、それを担保する上での何らかの制度は必要かどうか、法的規性が要るのか、あるいは自種規制だけでいいのかどうか。この辺をセットで御議論いただきたいと思います。何かコメントはありますか。

 現状を確認させていただきたいのですが、原則方式が4社あるという話でしたが、これはネットで見ると、最初から個別の研究者に対して幾ら払われたかというのが分かるという意味でよろしいわけですか。

○田中参考人 お答えいたします。原則方式と言いましても、実は最初公開した会社は普通に件数、氏名のところまでで、なおかつ1項目ずつクリックしていくと詳しい情報が出るようになっています。また、支払件数の少ない会社では公開件数自体があまりありませんので、一段階で開けたときに出てくるという会社もあります。4社全てが最初の画面で全部見られるわけではありません。ただし、2段階をWebで実施する会社は基本的には閲覧希望の申込みを送って、ID、パスワードが送り返されてくる、そういう意味で2段階です。原則方式で最初からすべて出ている会社は今のところ1社ぐらいです。

○遠藤座長 そうですね。こちらの名前と最低限メールアドレスぐらいでよい会社もあれば、会社によってはその所属機関などを聞いてくる所もあったり、そこは非常にばらつきが大きいわけですが、要するに何者かというのを明らかにさせて、そうでなければ情報は出さないというのが2段階方式というやり方ですね。

 その2段階方式の中でもネットで全て処理できるものと、会社まで来なさいという所があるというのを、ネットで対応できるように統一したいというのが、今回の対応ということですが、これについて何かありますか。

○桐野座長代理 それはできるだけ簡素な統一方式を是非お願いしたいと思います。

○山口委員 先ほどの御説明の中で、来社方式というのは、今までドクターたちに来社方式で公開しますと言っているから、来社方式が残っているというように聞こえたのですが、それは今後、契約の時点でWeb方式を採用しますということに変えていくことによって、なくなっていく方向だと考えてよろしいのですか。

○田中参考人 正におっしゃったとおりです。全ての会社が来社方式で公開しますと先生方とやり取りをしていたわけではないのでしょうが、公開方法を決めたときには来社方式を採用すると決めていても、決めた時から見ると、現在の製薬企業の置かれている状況が違うのです。既に何年も前から会場の準備をしたり警備の準備をしています。今年についてはやむを得ず来社方式でしたが、来年以降は、来社方式を採用された会社もホームページのどこかに来年以降はWeb方式でやりますということも書かれています。御指摘のとおりです。

○山口委員 だとしたら、パスワードが送られてくるというのがあるのですが、それはきちんと決められたことさえ書けば、みんな送られてくるものと考えると、そこの必要性が果たしてあるのかなと。原則公開としてしまったほうが透明性が担保されているように私は思うのですが。

○田中参考人 C項目の詳細公開については、今年が初めてですので、各社どこまでやれるかは正直不安なところもあって、昨年より大事なデータを扱うので厳重にいろいろセキュリティーを考えた、というのが正直なところです。ただ、今年いろいろやってみて、来年以降、Webでやるが、やはりパスワード、IDを求めなければ駄目という会社も残るでしょうし、ID、パスワードが必要でないことが世の中で当たり前のようになってくれば、どんどん原則方式になっていくでしょう。そうなれば製薬協としても方式を統一したいということを会員会社に申し出ると考えています。

○山口委員 だとすれば、公開していない所が「なんで」という空気になってくると、自主的な取組に任せるということで、ある程度世の中の監視ということにもなるのかなと、資金提供については思いました。

○遠藤座長 2段階方式を採っているというのは、そういう意味でまだ過渡期であるからということで、2段階方式を採れば、メールアドレスが送られてくるということで、そのアドレスが偽物ではなかったということの確証ですから、少なくても要請している人間がどういう人かということが分からないまでも、あとから追跡できるという意味合いもあってということだと思います。これも流れとしては一般的に原則方式というか、そちらの方向になっていくことが望ましいという御意見だったと思いますし、多分そういう方向になっていくのではないでしょうか。謝金を出すときに、最初からそのように言っておけばいいわけですよね。「公開してしまいますよ」と言っておけばよろしいわけで、むしろそれに対して研究者のほうが嫌だという意見は多いかもしれませんが、いずれにしてもそういう流れだということです。

 そういう意味では、取りあえず今後2段階方式ではあるが、Web方式に統一するという御提案については、取りあえずは様子を見るというお考えでよろしいですか。

 それともう1つ、課題の中にありましたように、それが担保されるかどうかということの仕組みとして、法制化をするかどうかということです。サンシャイン法などでは、既に法制化されていますし、ヨーロッパに至りましても、基本は説ーガイドラインではあるけれども、国によっては法制化している所もあるということで、法制化をすると何か問題があったときに行政の立入りができるとか、そのような問題があるわけです。そういう意味では非常に強い牽制力になるということですが、これについてはどうお考えになりますか。

○楠岡委員 サンシャイン・アクトの目的は、臨床研究の不正防止というか、透明性確保とは全然別で、製薬会社が、個々の医師にプロモーション活動をどれだけやっているかを開示するということです。法律に基づいていますが、資料にありましたように、メディケアを担当している公的医療を提供している役所の法律によっており、要は無駄な薬の処方で医療費が上がったりするのを防止するみたいなものがもともとベースにあって出てきているようなものと理解しております。研究不正防止という話でできてきた法制化の話ではないので、必ずしもそれが参考になるかというと、そうではないと思います。

 日本の透明性ガイドラインも、元は同じということですが、今の仕組みを考えると、研究の点に関しては、むしろ日本のほうがある意味で向いているというか、個別の製薬会社がスポンサーとなって行う医師主導型の臨床研究に対して、どこにお金が出ているかということが、個別に明らかになるという点では、自主的規制ですが、逆に進んでいる所はあるかと思います。

1点確認は、A項目を今後もう少し明確にするとおっしゃっていましたが、今だと受託研究費が一括なのが、もう少し細分というか、どの研究に幾ら出しているというところまで開示するという方向と考えてよろしいのでしょうか。

○遠藤座長 私もそれをお聞きしたかったのです。金額が大きいだけにどういうことを考えていますか。

○田中参考人 実はこの月の半ばに総会がありますので、詳細説明は差し控えさせていただきますが、今、考えているのは、研究のテーマまでは公開はいたしません。施設名、ここに契約ベースと書いてありますが、契約していただいたベース、もちろん契約ですから、それがイコールで同意書になるというイメージで契約ベースでの踏み込んだ公開をする予定です。今の年間総額よりはかなり施設名が出てまいります。我々から見ますと、企業がどこの施設と産学連携をしっかりやっているのだということの現れにもなるとも思っております。

○楠岡委員 その中で臨床試験の場合、介入試験の場合は登録義務があって、何らかの登録の番号がありますので、それも一緒に公開情報などで出していただければ、逆にいうと、どのような内容の研究に関しては、どこがスポンサーになってもらえるかが分かるので、より透明性が確保されるのではないか。もちろん受け取っている方の名前が分かれば、検索をかければ分かりますが、どうせ公開情報で誰かが調べればすぐ分かることなので、登録番号ぐらいまでも公表できれば、いいのではないかと思います。

○田中参考人 御意見として承らせていただきます。

○遠藤座長 ほかにいかがですか。

○山本委員 結論的に言えば、現段階で法的規制を導入するのはまだ難しいのではないかという気がしています。資金提供について、資金の流れ、どのようにお金を使ったかということについて、例えば国、自治体、独立行政法人、特殊法人については、請求があれば情報を公開するように法的に義務付けられていますし、民間企業でも株主等との関係では、もちろんそういう情報の開示が義務付けられているわけですが、民間企業に対して、国民一般に対する関係で情報公開を法的に義務付けるには、かなり強い理由が必要だろうと思います。

 そう考えますと、まずは具体的な問題を解決するための直接的な手段を考える。これは正に臨床研究に関して法的にもう少し枠組みを整備すべきではないかと、ここで中心的に議論している事柄であるわけですが、そういうところについては直接的に具体的な問題を解決するための手段として法的な規制を考えることになるかと思います。

 それから自主的な取組をしっかりとやっていただきたいということはあるわけですが、さらに進んで法的な規制を、今すぐ導入するということになると、やはり少し難しいのではないかと思います。例えば臨床研究等に関して、法的な仕組みをある程度整えて、それがうまくいくかどうかを見る。あるいは自主的な取組が、今、正に行われている最中ですので、それが本当に今後、原則方式のほうに行くのかどうかを見る。それでなお問題が解決されないということであれば、そのときには更に踏み込んで法的な情報公開の義務付けも考えなくてはいけないステージになるのではないかと思います。現段階ですぐにそこまでするだけの根拠があるかというと、私は少し難しいのではないかという気がしています。

 資料に行政による働き掛けという記述がありますが、ここでやっていることもある意味で行政による働き掛けでして、自主的な取組と世間で言われているものの中で、行政が何も言わないで、本当に自主的な取組だけというのは、かなり例外的なのではないかと思いますので、自主的な取組と、行政による働き掛けの組み合わせが、まずは取りあえずのやり方ではないかと思います。

 法的に何か考えるとすれば、義務付けまでは行きませんが、努力義務と言いますか、何とかをするように努めるものとするとか、そういった規定の入れ方はありますので、強い義務付けではなくて、一種の目標の設定と申しますか、努力をするように求めるといった形で法的な規定をすることは考えられるかと思います。以上です。

○遠藤座長 法律家のおっしゃることなので、非常に説得力があるわけです。ただいまのことについて、何かありますか。いや、そうではないという意見もあるかもしれませんが。よろしいですか、仮に法的な規制をするとしても、努力義務という形でやるのが適切ではなかろうかというお話です。

 関連して論点2の労務提供の話、先ほどの話ですが、これについては製薬協提案については、いろいろ御意見が出たところですが、これも実効性を担保するために、どのような手段があり得るかということは、当然議論としてもいいわけですが、これについて、何か御意見はありますか。そもそも提供してはいけない労務の内容についても、まだいろいろ御意見があるという段階ですから、なかなか突っ込んだことは言えないかもしれませんが、現行は、業界の自主規制が提案になっているわけですが、これも当面はその状況を見るということでよろしいですか。

 ありがとうございます。それでは、論点の1あるいはそうではない所でも結構ですが、何か総合的に製薬企業にお聞きしたいこと、あるいはおっしゃりたいことがあればお聞きしたいと思います。

○山本委員 論点2についてですが、結論として、遠藤座長が言われたことに私は賛成です。付け加えますと、先ほどからお話がありますように、研究活動の自由に非常に関わっているところがあるので、この問題について法的な規制を入れる場合には、かなり慎重にやらなくてはいけないだろう。それをやるには、現段階で一律なルールを作るだけの材料がないのではないかと思いますし、かなり個別に検討しなければいけない事柄が多いのではないかと思いますので、現時点では、ここのところももちろん自主的な取組をしていただいて、先ほどチェック体制の整備や、どのように運用していくかということについて、今後さらに経験を積み重ねて検討していただくことは、是非必要だと思いますが、やはり現時点で一律の法的なルールを定めるということになると、やはり困難なのではないかという気がしています。

○遠藤座長 ありがとうございます。大体御意見はよろしいですか。そういう意見ですので、製薬協さんとしても今後いろいろと議論をしていかなければいけないことが多々あるかと思います。その内容あるいはその議論の過程等もできるだけオープンにしていただいて、こういう形でまたお話を承る機会があるかどうかは分かりませんが、そうでなくても、社会にこのように決めたのだということを公表していただけるようにしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○武藤()委員 1つ伺いたいのですが、製薬協として、こういう不祥事件を起こした会社に対して何らかの勧告なりをやられたのか、あるいはそういうルールがおありなのかを伺いたいのです。

 というのは、この事件は単なる個人あるいは単なる1つの会社あるいは医者サイドの問題ではなくて、一般国民に対して、医療あるいは治験などに対する不信感を生んだということが一番大きな影響だと思います。その影響でいろいろなことがやりにくくなっています。それは放っておいてはいけないことで、私はペナルティーを課すべきだと前から主張ているのですが、まだそれは決まっていません。製薬協としてはそういうことはどのようにお考えですか。

○田中参考人 昨年この問題が出た時点で、製薬協の会員資格を停止という形にしております。「会員資格停止」というのは、言葉だけ聞くと、何か軽いイメージを持たれますが、処分の中では、除名に次いで重いものです。除名にすると当該会社の日本国内における活動には製薬協は全く手が出せなくなってしまいます。あくまで製薬協の会員にとどまっていただいて、製薬協のルールを守っていただきます。年会費は頂戴しますが、製薬協内でのすべての会員活動を停止しています。ただし、コンブライアンス研修とか、ガイドラインの研修には積極的に出てきていただいています。その意味では考えられる中の一番厳しい処分を行っています。

○武藤()委員 期限付きですか。

○田中参考人 今のところ、期限はございません。

○遠藤座長 よろしいですか、そのぐらいのことしかできないということですね。ほかによろしいですか。

 それでは、田中参考人、長時間貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございました。次の議題に移りたいと思います。

 続きまして、事務局から資料2「薬事法における広告規制」が提出されております。御説明をお願いしたいと思います。

○赤川課長 それでは、医薬食品局監視指導・麻薬対策課長の赤川から説明させていただきます。資料2に基づいて、薬事法における広告規制についてご説明いたします。

 参考で末尾に薬事法の規制条文をご紹介しておりますので、適宜、御参照ください。

 まず、2ページ、薬事法の第66条の虚偽・誇大広告等の禁止についてです。この条文は、医薬品等に関する虚偽又は誇大な広告を禁止する規定です。具体的には医薬品等の名称、製造方法、効能・効果、性能に関する虚偽・誇大な記事の広告や記述、流布を禁止するものです。本条については、何人に対しても適用されます。必ずしも医薬品等の製造販売業者等に限定されません。また、虚偽又は誇大であるかどうかの具体的な判断については、個々の事例について行われ、この判断の基準として3ページでご紹介している、医薬品等適正広告基準があります。

 この適正広告基準は、医薬品等による保健衛生上の危害を防止するため、医薬品等の広告が、虚偽・誇大にわたらないようにするとともに、その適正化を図ることを目的とし、広告を行う者の責務として、正確な情報の伝達に努めることを定めております。

 主な基準としては、虚偽・誇大なおそれがある広告の禁止などがありますが、医療用医薬品等については、一般人向けの広告を制限することとしています。2ページに戻ります。

 薬事法第67条の関係ですが、特定疾病用医薬品の広告の制限があります。使用に当たり高度な専門性が要求される、がん、肉腫及び白血病の医薬品の医薬関係者以外の一般人を対象とする広告の制限を設けています。

 また、第68条については、承認前医薬品等の広告の禁止ですが、承認又は認証前の医薬品又は医療機器について、名称、製造方法、効能・効果、又は性能に関する広告を禁止する規定です。承認前、あるいは認証前において、申請内容がそのとおり承認(又は認証)されるか否かは不明ですので、承認や認証前の広告は承認や認証の内容の如何により、虚偽又は誇大な広告などになるおそれがあるため、これを未然に防止するために設けられています。また、臨床研究の試験成績については、論文等に発表することは何ら妨げるものではありませんが、この試験成績を利用して、既に承認を受けた効能・効果の範囲外の効能・効果について、製造販売承認を受けずに広告することはできないとなっています。

4ページは、薬事法における医薬品等の広告の該当性についてです。これは通知により広告の該当要件を示しています。要件は3つあり、1つ目は、顧客を誘因する(顧客の購入意欲を昴進させる)意図が明確であること。2つ目は、特定医薬品等の商品名が明らかにされていること。3つ目は、一般人が認知できる状態であること。この3つのいずれの要件も満たす場合に、これを広告に該当するものと判断しています。なお、3つ目の要件にある一般人については、医療関係者も含まれます。また、これらの要件については、あくまで広告の該当性を判断するためのものであって、更に法令や適正広告基準などに照らして、指導・取締りが行われます。具体的には、5ページの4.広告監視をご覧ください。

 広告監視は、厚生労働省及び都道府県等によって、薬事監視業務として実施しております。先ほどの法令、基準に照らして、薬事法違反等に該当する広告を行った者に対して、指導・取締りを行っています。簡単ですが以上です。

○遠藤座長 ここで広告規制の話が出てきましたが、これまでの議論の中で、広告として臨床研究データを使用した場合にはどうするかという議論がありましたので、現行の医薬品の広告規制について説明いただきました。何か御意見、御質問ありますでしょうか。

○楠岡委員 本日、お話いただいた広告は、一般の人向けの広告で、今回、特に医療者や医師に向けて特定の情報発信をして、ミスリードさせたというような場合とは少し異なるのではないか。学会や研究会とかも、会場費を払えば誰でも入れるということになるのかもしれませんが、特定の狭い範囲を対象に、情報提供した場合は、いわゆる広告には当たらないことになるのか。もしその場合には、特に医療者向けの特定の情報提供に関して、何か別枠で考えなければいけないのか、それとも、薬事法の広告と規制の概念で、全部、一応絡め取ることができるのか、その辺はどのような判断になっていますか。

○赤川課長 非常に難しい御質問ですが、一般的には先ほど説明しました広告の該当性の3要件の解釈という問題になると思います。一般人が認知できるということを先ほど申し上げましたが、これは医療用医薬品であれば、当然のことながら医療関係者や医療従事者が対象になって、その方々が認知できる状態にあるかが関係しますので、これらの要件を総合的に勘案して判断する必要があります。更に、広告の該当性について最近問題になっているのは、製薬企業側から言うと、編集権が与えられているのか、与えられていないのかということもあります。記事体広告を作成するにあたっての、製薬企業側の編集権の有無や、製薬企業側からの資金提供の有無、また具体的には記事として書かれている媒体での記述の方法です。そのようなことを総合的に判断し、まず広告に該当するのか、更に法令上の虚偽・誇大広告にあたるかどうかとか、未承認薬の効能の範囲にあたるのではないかなど、このような観点で最終的に法令に照らして違反の有無を判断させていただき、必要な指導を行っております。

○楠岡委員 今回、大きな問題になっているのは、結果として、論文のデータの改竄などがあって、論文そのものが信頼できないということがあったことです。実際にあるのは、少しぎりぎりのところというか、海外で出ている論文を引用し、よく見ると、下のほうにこれは海外文献であって、日本では適応が取れていませんというような言い訳のようなものが載っていて、しかも結構大きく、医師向けの新聞などにそのようなものが出ていいます。これは、ここで言う、広告に当たるのかどうかということと、今回の問題で、そういう方向で論文を使う場合には、論文の質を保障してもらう、別立てのものがいるのか、それとも、雑誌に出ているような論文であれば、それはクリアされたと考えるのかというのが、この検討会の一番の関心事になっているところですので、その辺りがどうなのか、現状をお聞きしたいところです。

○赤川課長 私どもの立場からは、広告監視の業務の中で論文の適切性について、逐一、判断することはなかなか難しいことだと考えています。したがって、広告の基になる試験のエビデンスの質については、今、御議論いただいていますが、例えば、臨床研究の監査やモニタリングの必要性など、いずれにしても何らかの担保を保障するものが必要と考えます。私どもはそれに立脚して、論文なりの記述に基づいて適切に反映された内容で広告等に仮に利用できる範囲のものであれば、先ほども申しましたが、効能・効果が承認の範囲外であると、また、そこは別の問題が発生しますが、承認された効能・効果の範囲で、何か広告を作成するのであれば、そこはその前提として、やはり臨床研究などで確かなエビデンスを持ち得るような方策を講じていただく必要があると考えています。

○遠藤座長 山口委員、どうぞ。

○山口委員 私も同じ所に疑問を感じていました。例えば、論文の内容が誤っていたとか、今、誤っていることの問題も出ていますが、操作されたり、誤っている場合、現状として広告監視をするとしたら、どこかが指摘して始めて動かれるのでしょうか。現状として、この広告監視で監視仕切れないという、今、お話だったと思いますが、そこから監視に至るとすれば、これはちょっと、この論文に問題があるという指摘があって、その確認作業から始まっているのが現状なのでしょうか。

○赤川課長 まず、監視仕切れない問題については、私どもは監視業務をやっていて、そういうことは申し上げたくはないのですが、現実問題として、医療用医薬品については、私どもが直接把握することは基本的にはできない部分があります。やはりそこは、医療従事者に対して、直接、製薬企業等から提供されているものですので、それを御覧になった医療従事者の方々から、このような広告が適切なのかといった御指摘を受けることが少なからず私どもに対してありますので、そのことをきっかけとしてこれは適切なのだろうかという確認作業を行っております。まず、その違法性の話と、先ほど誤りがないかどうかということは、逆に言うと、原著が本当にあるのかどうか、そこまで遡っていくと大変なので、ご指摘の点については、私どもとしては基本的には広告の発出者に事情を聞くところから始めて、監視指導しているのが現状です。

○遠藤座長 ほかにありますでしょうか。非常に今、重要な所のお話ですが、研究内容そのものが何らかの形で歪められていた場合に、事実上、それを広告に使われたときにどのようにするのかという話です。何かほかに。今回のディオバンのケースでは、虚偽というところが引っ掛かるわけですか。

○赤川課長 これは今、検察当局で動いていることですので。

○遠藤座長 提訴中の話なので、言えない。

○赤川課長 起訴されている事実とすれば、虚偽の記事の流布という点が問題と聞いています。

○遠藤座長 なるほど。結構です。武藤委員、どうぞ。

○武藤() 今までに、これに類するような事例はありましたか。虚偽のデータに基づいて広告したことが。

○赤川課長 これまで何らかの薬事法の広告のみの規制の規定に照らして、違反であることをもって行政処分を行った事例は、これまでございません。未承認医薬品等の流通があり、それに伴って処分した事例はありますが、広告の規定のみで処分した事例は、これまでありません。

○遠藤座長 ほかに何かありますか。よろしいでしょうか。それでは、広告についてはこのようになっているという御説明です。今後の議論の中でまた必要になるときは、この資料が役に立つと思いますので、また、よろしくお願いいたします。

 では、議題2に移ります。議題2は、その他ですが、事務局から、その他で何かありますか。

○神ノ田課長 特にございません。

○遠藤座長 皆さんから何かございますか。よろしいでしょうか。

 それでは本日、予定していた案件は以上ですが、特になければ、事務局から連絡事項等をお願いします。

○神ノ田課長 次回は、1022日水曜日、16時から予定しております。場所等詳細については、事務局から追って御連絡させていただきます。また、本日の議事録については、作成次第、委員の皆様に御確認をお願いし、その後、公開させていただきます。併せてよろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。

○遠藤座長 それではこれにて、会議を終了させていただきます。長時間、どうもありがとうございました。


(了)

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