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2014年7月28日 独立行政法人評価委員会労働部会(第88回) 議事録

政策統括官付政策評価官室

○日時

平成26年7月28日(月)10:02~11:54


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○出席者

今村部会長、高田部会長代理、小西委員、志藤委員、柴田委員、関口委員、松浦委員、宮崎委員

○議事

(以下、議事録)

○高田部会長代理

 ただいまから第88回厚生労働省独立行政法人評価委員会労働部会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。

 本日は、松尾委員が御欠席であります。それから今村部会長が少し遅れておりますので、私、高田が議事進行を務めさせていただきます。それでは、本日の議事等について、事務局から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 それでは、本日の議事について御説明いたします。本日の議事は、お手元の議事次第のとおり、労働政策研究・研修機構の平成25年度業務実績に係る個別評価についてです。なお、個別評価につきましては、前回同様、委員の皆様方には評定記入用紙(資料1-4)に評定と評定理由を記入しながら議事を進めていただくことになりますが、会議時間内に記入が終わらない場合につきましては、資料をお持ち帰りいただいて御記入いただくか、本日、評定記入用紙の電子媒体をメールにて御送付させていただきますので、電子媒体に御記入の上、御提出いただければと思います。その場合には、大変恐縮ですが、731()までに事務局まで御提出いただきますようよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○高田部会長代理

 議事に入ります。最初に、理事長から御挨拶と平成25年度における業務実績のポイントをお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構理事長

 菅野でございます。評価委員会の皆様方には業務実績の評価を初め、当機構の業務運営に対し御指導いただいておりますことに感謝申し上げます。本日は、私ども機構の平成25年度の業務実績について個別評価を行っていただくことになっております。平成25年度は、第3期中期目標期間の2年目であり、中期目標及び中期計画に沿って、1年目の取組を継続・発展させつつ、本委員会での御指摘事項等を踏まえて、新たな取組を始めました。各業務の実績等については、後ほど理事から詳しく御説明いたしますので、私からは3点ほど、平成25年度の特徴的な取組について御紹介いたします。

1つ目は、研究テーマの設定などについて厚労省との連携を強化し、政策ニーズを十分把握した上で、適切なテーマを選んで研究を行うことにしたことであります。厚生労働省との意見交換を通じた政策ニーズの把握、連携については、第3期より厚生労働省幹部に対する「研究報告会」を開催するなど、新たな取組を開始しましたが、平成25年度には更に4回にわたり、厚生労働省事務次官を含む厚労省幹部と当機構の理事長・幹部が直接会合し、今後の中長期的な政策課題についての要望を聴取しました。

 また、昨年度に本委員会で御指摘をいただきました企業等の実務者から御意見・御要望を伺う機会を充実させるために、新たに経済団体実務者懇談会を開催し、従来の労使団体との調査研究に関する懇談会と合わせて、多面的かつ詳細に労使の個別ニーズを把握する取組を開始しました。こうした取組の結果、政府の成長戦略を支える重要性の高い政策課題と関連するものとして、26年度のプロジェクト研究については、これからの人材育成の仕組みや外部労働市場の在り方など、研究内容の充実を図りましたし、調査研究については諸外国の公的職業紹介の状況、グローバル人材の雇用管理などの研究テーマの追加を行いました。

2つ目は、海外労働情報の収集・整理、海外研究機関とのネットワークの強化であります。この分野の活動につきましては、本委員会において、第2期より委員の皆様方から、特に、アジア諸国の情報収集やネットワークの強化についての御指摘をいただいております。そこで、政策研究の基盤整備と海外進出企業への情報提供のために、アジアの国別の法制度や政策、労使関係、企業の人事管理、裁判事例などの労働関係情報の収集・提供を強化することとし、インドネシアへの調査団の派遣や、マレーシア、インドの労働関係基礎情報に関する報告書の取りまとめとホームページへの公開などに重点的に取り組んでおります。

 また、海外研究機関とのネットワークの強化については、従来の韓国や中国の研究機関とのワークショップの共催を通じ、共通の政策課題に関する共同研究を引き続き推進するとともに、25年度よりイタリアの労働法・労使関係の国際比較研究協会との共催による国際セミナーの実施やILO知的ネットワークへの参画など、新たなネットワーク構築にも積極的に努めております。

3つ目は、研究成果発信の強化と政策提言の充実であります。研究成果につきましては、これまで以上に積極的に新聞発表を行うとともに、当機構の広報媒体の複数の組合せ、メディアミックスや外部研究機関との連携などによって、より効率的で効果的な情報発信に取り組みました。

 まず、労働政策フォーラムの開催については、喫緊の課題である「改正労働契約法への対応」や「仕事と介護の両立支援」などのテーマで開催しました。また、成果普及対象者の拡大、東京以外の地域での開催という、本委員会の御指摘を踏まえ、前年度の大阪に続き、福岡での開催を行いました。

 なお、ただいま述べた仕事と介護の両立支援のフォーラムは、「仕事と介護の両立支援のための新たな課題-介護疲労への対応を-」という当機構の研究成果を活用して開催したものでありますが、その開催報告を当機構発行の月刊誌「ビジネス・レーバー・トレンド」に掲載したこともあって、その内容につき、本年4月衆議院厚生労働委員会における「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」、いわゆる「地域包括ケアシステム」の審議に招請されまして、私自身が研究成果に関する御質問にお答えいたしました。これは、メディアミックスの効果の良い事例であったと考えております。

 また、従来の日本学術会議とのフォーラムの共催に加え、成長戦略の中核テーマである「女性の活躍推進に関するセミナー」を内閣府経済社会総合研究所、独立行政法人経済産業研究所及び当機構の3つの研究機関で初めて共同開催いたしました。研究成果を活用した政策提言としては、内閣府の規制改革会議の雇用ワーキンググループにおいて、労使関係研究部門の統轄研究員が有識者として研究成果等を3回ほど報告し、ワーキンググループ報告に反映されるなどしております。

 以上が、平成25年度の業務実績の特徴的な取組ですが、私としては、政策貢献度の高い調査研究を、よりいっそう推進するとともに、効果的な労働行政職員研修を充実・実施するためにも、調査研究テーマの適切な設定、機動的な遂行、成果発信の強化につき、まだまだやるべきことがあると考えております。委員の皆様方から忌たんのない御意見を頂戴できれば幸いでございます。ありがとうございました。

 

○高田部会長代理

 それでは、2つのグループごとに労働政策研究・研修機構の個別評価を行っていきます。まずグループ1、評価項目の38について評価いたします。所要時間は法人の説明30分、質疑と評定の記入に30分、合計60分です。法人から、平成25年度の業務実績と自己評定について説明をお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 理事の山越でございます。私から平成25年度の業務実績について御説明をさせていただきます。

 資料1-13ページです。実績に入る前に、私ども労働政策研究・研修機構の全体の事業の概要です。最大の任務は、1にあるように労働政策に関する研究を行うことです。それとともに、5にあるように、厚生労働省の職員に対する研修を行っております。その他、そこにあるような事業を実施しています。

4ページ、評価シート3です。初めに申しました労働政策研究の実施体制、研究項目の選定を厚生労働省と連携して行い、的確に実施していくことの評価です。

 平成25年度の実績は5ページ以下です。左上ですが、研究テーマを政策ニーズに対応して設定するということで、厚生労働省とハイレベル会合などを中期計画に従って実施しました。右側にあるように、平成25年度にはプロジェクト研究18テーマなどを実施したところです。冒頭に理事長からも申し上げましたように、この平成25年度の研究テーマについては、特に厚生労働省と十分に意見交換を実施して選定に努めたところであります。6ページ、労働政策研究のテーマ設定ですが、左側の流れ図にあるようにトップによる定期協議ということで、理事長と厚生労働省の所管の政策統括官の協議、一番下にあるように、年度末の3月にハイレベル会合ということで、私どもの理事長と厚生労働省の次官以下の協議で選定をしていくわけです。平成25年度は、大きな政策の方向の転換点にありましたので、特に新たな取組として2つの事柄を初めて実施したところです。

1つ目は、厚生労働省の幹部(次官・局長級)と労働政策についての意見交換を局ごとに4回、7月に新たに開催しました。その中で、理事長から直接、今後の厚生労働省の政策の方向性と、私どもJILPTに対する政策研究のテーマについての要望を局ごとに聴取させていただいております。その上で、年が明けて本年1月から2月にかけて、厚生労働省の幹部(局長・課長)から、私どもJILPTの研究テーマについての具体的な要望を個別に聴くことを、平成25年度は特に行っています。

 こうしたヒアリングを踏まえまして、人材力の強化や雇用制度の改革に向けた新たな労働政策が検討されつつあるわけですが、こうした政策の検討のために必要なテーマについて再検討を行ったところです。

7ページ、その成果ですが、平成26年度の研究テーマとして、例えば労働力需給のミスマッチ、特に最近問題となっている外部労働市場といった問題、外部労働市場を通じた能力評価、キャリア・コンサルティング、人材育成の仕組み、あるいはプロジェクト研究の内容追加として、日本の雇用システムと今後の法制度を見通した在り方についてなども、これまでの研究に追加して行うこととしたところです。

6ページに戻ります。右側、これも理事長から先ほど若干御説明させていただきましたが、労使との関係で、例年労働部会、経営部会ということで、それぞれ研究についての要望を聞きながら実施をしているわけですが、より実情に近い意見交換をするということで、今年は経済団体の実務者の懇談会を1月に新たに開いております。これを踏まえ、労使の雇用管理の改善に資するような、実情に即した調査研究を行えるように措置したところです。7ページです。この懇談会における要請を踏まえ、中小企業の雇用管理、人材の定着、グローバル人材の雇用管理の問題について、新たに取り組むこととしたところです。

5ページに戻ります。こういうような、新たな厚生労働省の意見交換、労使からの意見聴取を踏まえ、研究を実施するようにしたわけです。

 もう1つ、5ページの右側の真ん中に赤字で書いていますが、平成25年度に意を用いた事項として、厚生労働省の要請に対応した課題研究を的確にすることを進めさせていただきました。これは年4回、緊急的に調査する事項について、厚生労働省から調査事項を聴取しているわけですが、平成25年度においてはこれらの対応を特に積極的に進めたところです。例えば右側の例にあるように、労働契約法あるいは高齢者雇用安定法、平成254月に施行されたものですが、その改正直後の施行状況について、厚生労働省の要請に応じて調査をしております。そのほか、介護人材、裁量労働制、欧州の解雇規制など、政策検討上非常にホットな問題につきまして、厚生労働省の要請に応じて緊急的に調査をしたということです。

5ページの左下です。今、申しましたように、高いレベルでもいろいろと意見交換をしておりますが、担当者レベルでの意見交換も、政策研究会、政策担当者の勉強会など、頻繁に実施をしているところです。特に、平成24年度から研究テーマごとに厚生労働省に担当者を置いていただいています。この担当者の方との連絡を密にしながら、具体的な研究を進めるように行っているところです。

5ページの右側です。外部研究者との連携ということで、これも冒頭に理事長から御説明いたしましたように、経済社会総合研究所などとの共同セミナーを平成25年度に実施しております。また、より専門的な調査研究をするということで、外部の大学教授の研究への参画あるいは報告書の執筆などにつきましても、従来に増して強化しているところです。以上が評価シート3についてです。

 この政策研究テーマの設定については、従来にも増して厚生労働省との連携を深めて、厚生労働省の政策ニーズに応じた研究を進めるようにしたところです。このことは、私どもの外部評価委員会の総合評価諮問会議からも高く評価を頂いているところでございまして、こうしたことからこの項目についての自己評定は「S」とさせていただいております。

 続いて8ページ、評価シート4です。「労働政策研究の成果の取りまとめ及び評価」という項目です。これについては数値目標が幾つか定められており、特に2つ目の○で、厚生労働省から、毎年度、政策的インプリケーションに富む高い評価を受けるという数値目標が設定されております。

9ページ、そこで平成25年度の状況です。平成25年度の研究については、計画どおり実施をしてまいりまして、48件の報告書等を作成しております。その際、評価を厚生労働省などから受けるわけですが、その際には分かりやすい指標を設けて評価をしていただいておりますし、結果をホームページに掲載しています。

9ページの右側です。研究については、厳格な評価についても十分に注意しております。評価の流れとしては、まず所内研究発表会ということで、原案の状況で、内部の発表会でいろいろな討議をしております。その上で、内部研究者による査読を実施しております。報告書が出来た後には内部評価ということで、評価者2名による内部評価を行っております。そして、外部評価です。これも専門の先生方2名に、それぞれ評価を頂いておりまして、最終的にはリサーチアドバイザー部会において、個々の研究成果を評価するという仕組みを取っているところです。

10ページです。これもこの部会で先に御指示があった点ですが、こうした評価については、事後の評価をするだけではなく研究計画の策定段階での評価、5年間のプロジェクト研究を行うわけですので、その各年における中間的な評価も実施しております。

 具体的には10ページの1の2と3です。個別の研究テーマの設定については、リサーチアドバイザー部会と総合評価諮問会議、これは労使と外部有識者の会議で、ここによって行っていただいております。事業全体の年度計画についての評価も、総合評価諮問会議で行っていただいています。こういった形で、最終的な研究報告の評価だけではなく、事業計画についての事前評価も実施しているところです。

11ページ、目標にある評価の達成状況です。まずは厚生労働省からの評価です。これは数値目標では、政策的インプリケーションに富んでいるという評価を、「そう思う」「非常にそう思う」、その割合を80%以上確保するということになっておりますが、平成25年度は48件中46件について、「そう思う」以上の評価を受けたところです。非常に高い評価を頂いているところです。

 2は外部評価ということで、リサーチアドバイザー部会による評価です。これも数値目標として、A以上の評価が3分の2以上というのが目標になっております。ここについては、外部評価をリサーチアドバイザー部会で受けた10件の研究については、全てがA以上の評価になっているということです。

3つ目として、有識者に対するアンケートを行っております。これも年度目標として、3分の2以上の方から「有益である」という回答を頂くことが目標になっております。実際は96.5%の方から機構の調査研究は「有益である」という御回答を頂いておりまして、これも非常に高い評価を受けているところです。

 ちなみに12ページ以下に、平成25年度に行った私どもの研究の具体例を幾つかピックアップして載せております。幾つか御紹介させていただきますと、1番目が、壮年非正規についての研究です。これは就職氷河期から10年たちましたので、非常に就職が厳しい時期にあった方が35歳代の壮年に達しているわけですが、その実情を包括的に調べたものです。この報告については右側にありますように、厚生労働省雇用政策研究会に資料として配布され、討議の素材とされたところです。

 もう1つは、例えば3番です。労働力需給の推計の研究を行っていまして、そこにあるような結果になっています。これも厚生労働省だけではなく、内閣府の「選択する未来」委員会の検討資料あるいは年金推移のための材料にも用いられているところです。15ページまでありますが、私どもの25年度に行われた研究は政府のいろいろな審議会等で活用されているところです。

 評価シート4の自己評価は、今、申しましたように、私どもの成果物については、厚生労働省あるいは外部の有識者などから非常に高い評価を受けております。こういったことから、自己評価は「A」としております。

16ページ、評価シート5「国内労働事情、各種統計データ等の収集・整理」です。上にあるように、毎年度、延べ100件以上の情報を収集・整理し、ホームページ等を通じて提供することになっています。また、下の箱にあるように、「収集・整理した情報が、労働政策研究に資するものになっているか」等の評価の視点が定められているところです。

17ページ、評価シート5の実施状況です。数値目標については、国内労働事情については、平成25年度は139件の情報を「ビジネス・レーバー・トレンド」など様々な形で提供しており、数値目標を大きく上回る件数を提供できているところです。その内容も、例えば、1の定点観測調査ということで、労働契約をめぐる実態に関する調査です。今回は、例えば過半数代表制、出向・配転など、企業の中の労働条件の設定と変更についての調査を行いましたが、この調査は10年前に同じものをやっており、同じ質問項目で改めて調査をしています。こういった調査は、変化を捉えるという意味で、労働政策の研究に資する内容であるわけです。ほかの機関では行えないような様々な調査を平成25年度も行ったところです。

 右側です。評価の視点として、情報の適切な提供が示されています。私どもが収集した情報については、例えば急ぐものはメールマガジンといった形で、インターネット上で迅速に公表を行います。少し解説が必要となるようなものについては、紙媒体である「ビジネス・レーバー・トレンド」で解説を載せるなど、いろいろな方法により情報の提供を行っているところです。情報の内容も、できるだけ人事労務管理に当たっている方に必要となるようなホットな情報を提供するように努めており、例えば「人材育成」「ものづくり」「賃金」「高齢者雇用」と、企業でも国の政策に対応して労務管理を改善しなければいけないような問題についてピックアップし、提供しているところです。

 例えば下のほうの緑の箱ですが、昨今は景気の好循環実現に向けた賃金上昇が政府からも要請されていますが、こういった賃金の労使交渉に必須となるようなデータについても、BLTなどの中で提供しているところです。具体的には、18ページに取り上げた課題をお示ししています。政策に密着したテーマであるとともに、企業の雇用管理の改善にも有益となる情報をテーマとしてピックアップし、いろいろな媒体で提供しているところです。

19ページです。この項目では、各種統計データの整理が評価の視点として定められています。平成25年度ですが、各種データを継続的に収集・整理をしているところですが、新しい取組として、「統計トピックス」「JILPTアンケート調査リスト」を新規に始めることとしました。2と3ですが、いろいろな資料集を作っております。1つは国際的な比較資料で、『データブック国際労働比較』『ユースフル労働統計』ということで、様々な国の統計を加工したもの、こういった資料集を作っております。この内容についても、できるだけ政策あるいは労使に使っていただけるように工夫しているところで、その結果として、『データブック国際労働比較』については、ものづくり白書などでその資料が引用されておりますし、『ユースフル労働統計』の均衡失業率のデータは、雇用政策研究会の資料とされたところです。

 そうしたことを踏まえまして、何よりもコンテンツを充実することに努力を重ねてきた結果、統計情報などについて、ホームページのアクセス件数が右肩上がりで上昇しています。平成25年度は168万件となったところです。

 御説明しましたように、評価シート5については、数値目標を大幅にクリアする情報提供をするとともに、その内容も労働政策あるいは労使に役立つというものを提供できるよう、勢力的に取り組んでいるところですので、自己評価は「A」とさせていただいております。

20ページ、評価シート6「海外情報の収集・整理、海外とのネットワーク」の形成です。数値目標として、情報提供件数が100件以上、評価の視点にあるように海外主要国(アジア諸国を含む)の情報収集をするということが定められています。

21ページが、海外情報についての平成25年度の実施状況です。数値目標との関係は、ホームページで122件、「ビジネス・レーバー・トレンド」で97件の海外情報を提供しており、数値目標を大幅に上回る情報提供を実施できていると考えております。

2つ目は、21ページの左側の真ん中、労働政策研究への貢献です。平成25年度においては厚生労働省の要請を踏まえ、特にアジア諸国(中・韓)などの情報収集の充実に努めたところです。その結果、中国25件、韓国27件の情報を公表しているところです。

 右側、海外とのネットワークです。海外の研究者との人材交流、知見の交換についても、非常に意を用いているところです。平成25年度は日韓ワークショップということで若年者の問題を取り上げて議論をしています。日中韓でもワークショップを実施し、女性雇用問題を取り上げています。こうしたことに加えて、イタリアとの間で新たに国際セミナーを開催することとし、テーマは「自然及び環境災害の労働市場への影響」ということで、仙台でイタリアとの国際セミナーを開催しているところです。

4番目ですが、国際比較法ということで平成25年度に取組を行っています。東京で「従業員の個人情報保護とプライバシー」というテーマでセミナーを開催しています。欧米主要国、中韓など、多くの国からの参加を得まして、それぞれの国の個人情報保護についての法律の状況について討論をしたものです。様々な形で海外の研究者、研究機関との連携も従来以上に充実するように取組を行っているところです。

22ページですが、先ほど申しましたように、厚生労働省からの要請もあり、特にアジア諸国の情報収集を強化するということで、1つは中韓の情報収集です。平成25年度に新たに取り組んだのは、マレーシア、インドネシアの法律並びに実情の調査です。マレーシアについては労働政策の実情をホームページで公開するとともに、JILPT海外労働情報として、右側にあるような資料を発行しているところです。

 評価シート6については、説明しましたように数値目標を大幅にクリアする情報提供を行っています。また、新たに厚生労働省の要望に対応し、アジア諸国の情報収集に精力的に取り組む、あるいはネットワークの構築に取り組んでいるところで、自己評価は「A」であると考えております。

24ページ、評価シート7「労働政策研究の成果の普及」です。○にあるように、幾つかの数値目標が定められています。平成25年度の実施状況は25ページです。目標が6つ定められており、いずれもこれを上回る達成をしています。メルマガの発行回数週2回、読者数31,500人、有益度80%、ニュースレターの発行を月1回、数値目標は80%、研究雑誌の発行。これらの目標はいずれも達成しているところです。特に、読者の方からの有益度の評価が非常に高く、メールマガジンについては95%、ニュースレターも95.9%の「有益である」との評価を頂いているところです。

 成果の普及については、ホームページの改善に取り組んでおりまして、アクセシビリティーに配慮したホームページの改善を進めています。その結果として、ページビュー数も前年680万件の増ということで、大幅な増加をしています。

 まず、メールマガジンについて御説明いたします。これは週2回、労働問題についての情報を発信するものです。法律の情報だけではなく、実態を含んだ労働についての幅広い情報を週2回提供するということで、読者数は、政策もののメールマガジンとしては非常に大きな規模の読者数となっています。ニュースレターについては、先ほども御説明しましたが、政策に密着し、かつ労使の労務管理の実行に資するようなテーマを選定し、発刊するようにしています。さらに、26ページ、平成25年度の取組として、できるだけマスコミを利用して情報を広めることについても、努力しております。10回の公式の記者発表を行っています。その結果、私どもの様々な研究成果がマスメディアに登載する回数が258件ということで、非常に増えてきています。フォーマルの新聞発表だけでなく、取材対応なども増えてきているところで、マスメディアも介する形で、私どもの調査研究の成果を普及することに意を用いているところです。

 評価シート7については、6つの数値目標を上回っており、特に有益度の評価では非常に高い評価を利用者から頂いております。情報の提供の仕方も、いろいろな形をミックスする形で取り組んでおり、積極的な取組をしているところですので、自己評価は「A」としているところです。

27ページ、評価シート8「政策論議の場の提供及び政策提言」です。これについても、労働政策フォーラムについて、開催回数、有益度の数値目標が定められているところです。

28ページ、その実施状況です。労働政策フォーラムは計画どおり6回開催しています。参加者からアンケートを頂いた結果、全てのフォーラムで90%以上、目標は80%でしたが、これを大きく上回る有益であるという評価を頂いています。労働政策フォーラムについては回数を開催するということではなく、その内容もできるだけ直近の政策に密着したものとなるように努力しているところで、例えばその表の一番下ですが、平成24年度改正の労働契約法、これは平成254月に施行されたものですが、それの対応をどうするかについて、理事長自ら司会をしていただき、開催しました。

 もう1つは、この表の一番上で、介護疲労問題について取り上げ、フォーラムの後で紙媒体での情報提供もしております。それが、右側の「仕事と介護の両立相関図」という資料です。こういったテーマについては、衆議院厚生労働委員会の介護関係法の審議において、具体的に委員会資料として活用され、理事長が答弁することになっています。いずれにしましても、こういったフォーラムについては、その内容が今、課題となっている政策に密着し、また労使の方にお使いいただけるようなものになるように努力してきたところで、こういった活用がされるのもその表れだと考えているところです。

29ページ、政策論議との関係です。私どものいろいろな政策研究は厚生労働省で使われる場面が多かったわけですが、平成25年度においては、内閣府の規制改革の中でも、3回にわたり私どもの研究員が研究内容についてヒアリングを受けております。1つが、ジョブ型正社員、労働時間法制、労働局の労働紛争のあっせんについての、私どもの研究について、内閣府のヒアリングを受けています。その結果は、このワーキンググループの報告書に反映されています。

 厚生労働省との間では、右上のハですが、厚生労働省の次官・局長、あるいは課長と政策論議を行っています。これは局ごとに4回開催されまして、非常に政策の中身に入り込んだ議論を厚生労働省との間でもしているということで、こういった形で政策論議に資するような研究あるいは提言を行っているということです。さらにはホですが、内閣府の経済社会総合研究所などとの共同セミナーを開催し、政策議論をするなど、様々な形で政策の議論を実施してきたところです。

 したがいまして、評価シート8については、2つの数値目標を上回っているとともに、政府の政策形成に資するような厚生労働省あるいは規制改革会議等での議論を積極的に行ってきたところですので、自己評価は「A」と考えているところです。評価シート8までは以上です。

 

○高田部会長代理

 ありがとうございました。今村部会長が到着されましたので、以後の議事進行は部会長にお願いしたいと思います。

 

○今村部会長

 高田部会長代理、どうもありがとうございました。

 それでは、委員の皆様は、評定記入用紙の評価項目38に評定結果及び評定理由の記入をお願いいたします。御質問等ございましたら、適宜、御発言をお願いします。

 

○志藤委員

 一番最初の所になるのか、それとも最後にお話をくださった8になるのか、その辺は私も区分がよく分からないのですが、「他の研究団体などとの連携あるいは役所との連携」という所で、厚生労働省で言えば、社会保障・人口問題研究所という研究機関があります。それで日本という国全体の政策を考える上では、特に私は自分の仕事の関係もありますので、これからの高齢者というのは、社会保障の対象として考えるよりは、むしろ就労の対象として考えるというのが、国として大きな流れになっていると思うのです。その辺りのことを考えたときに、社会保障・人口問題研究所との連携、あるいはお互いに情報交換し合う機会というのはお持ちでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 社人研との間では、例えば、平成25年度においても私どものいろいろな委員会を設け、その学会のサークルみたいなものがあるわけですが、そういった場で交流をさせていただいております。御指摘のように、平成25年度はそういう状況でありますけれども、これからますます重要な課題になってくると思いますので、積極的にそういった課題には取り組んでいきたいと考えておりますし、現時点ではそういう取組が進もうとしている状況です。

 

○志藤委員

 もう1ついいですか。海外との情報のやり取り、あるいはネットワークということで、海外との情報を、これで言いますと事項の4番になると思いますが、「海外情報の収集整理、海外ネットワーク」という所がありまして、海外の情報をたくさんお取りになっておられること、あるいは海外のいろいろな事例を日本に紹介するということで、積極的に関わっておられるのはよく分かりました。

 また自分の仕事の関係になりますが、日本というのは、特に高齢者の雇用などに関しては非常に先駆的な取組をしておりますし、あるいは国としても、これからそういう動きで行こうとしている。そうすると、これから財源が厳しくなってくる中で国を活性化し支えていくためには、それこそ高齢者を活用しなければならないということで、非常に日本の舵取りを注意深く見ているというのは、先進国の大きな流れだと思います。

 ドイツ、オランダ、イギリスなどの方と話をすると、世界的にも財政がこれだけ厳しい中では社会保障にばかりお金を使わないで、もっと高齢者をきちんと活用して活性化するという流れが重要だということをよく言われるのです。加えて、日本からの情報の出がすごく少ないということを皆さんよくおっしゃいます。だから、長寿最先進国の日本が、今何を考えてどういう政策を、特に高齢者の就労・雇用に関してはどういう政策を採ろうとしているかというのを検索すると、国の政策全体の情報が非常に少ないと言って皆さん御苦労なさっている様子を、私はしょっちゅう耳にします。

 もう少し海外への発信ということを、つまり、全ての報告書が全部英訳されていいかどうかは、ここでは分かりませんが、とにかく海外に向けて発信するということにも、もう少しお力をお入れになったほうがよろしいのではないかなと。もう日本が海外から学ぶことがないとは申し上げませんが、それだけでなく、日本から発信することももう少し考えていかないといけない時代を迎えていると、私は思っております。その辺りはいかがでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 御指摘ありがとうございます。私どもは、その点についても熱心に取り組んできたつもりでありまして、年4回、英文の研究報告を1刊当たり56本載せている「Japan Labor Review」という英語の研究雑誌を発刊しております。過去においては、高齢者の問題を含めて、そういう中で様々な研究成果を英訳する形で海外にも提供してきました。御指摘のとおり、海外への情報発信は大きな課題であると考えております。また、ホームページに、英文の形で様々な情報を載せております。例えば日本の法制などの英語の解説や統計資料も、英文の冊子にしておりまして、これもホームページに載せております。

 ですから、今までも相当、英語による情報提供は幅広くいろいろなことをやってきております。さらに、こういう時代ですので、先生がおっしゃったことは高齢者を含め大きな課題だと思っておりますので、更に充実した取組をしてまいりたいと思っております。最近には理事長にも自ら英語で書いていただきました。先進的な内容をできるだけ英語でも提供するように、これから取り組んでまいりたいと思います。

 

○高田部会長代理

 お話の中で新しい取組も幾つかされていて、着々と成果を上げられているようです。後ろのほうの予算の所を拝見しますと、人件費も業務経費も節減されている。そういう中で、業務の質、量の拡大を図っていらっしゃるというのは大変な御努力があるかと思うのですが、何か38に関して、費用との関係で工夫をされている点がありましたら紹介していただけると幸いです。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 後半部分でも御説明することになるかと思いますが、費用が段々減る中で、やはり研究や調査の質と量をできるだけ落とさないようにするというのが、私どもの1つの内なる目標です。そういう中で、どうするかということですが、例えば研究をするときでもアンケート調査を実施するとか、成果物を印刷するとか、様々な外注に関する経費がありますが、こういったものは、できるだけ、まず一般競争入札の形でできるものは全部しておりますし、そういう中でも、できるだけ多くの入札者に参加してもらえるような形を工夫するなどして、できるだけそういった外注費を押さえる努力をしております。そういう中で、研究に必要な費用は確保するということで取り組んでいます。やることは同じですが、いろいろ契約の仕方などを工夫することによって、何とか賄えるようにしているということです。

 

○今村部会長

 今の問題も含めて、先ほどからの志藤委員との問題もあるのですが、コアとなる人の継続的な維持や養成は結構重要かなと思うのですね。実は今回の学会は社会的医療とかサードセクターに関する会議で、私はあなたたちの話を聞いていると、別の天体の話を聞いているようで羨ましいと言ったのですが、横の移動が非常にスムーズに行われるのですね。組織の中でも、組織を越えてもですね。だから情報共有が意外にしっかりとしていると。例えば、その29ページにある内閣府の経済社会総合研究所や経済産業研究所に、今言った社人研など、そういう所で組織を越えて情報を共有したり人の移動をすることで、かなり知識の効率的な共有は多分図れると思います。もちろん組織の中でもタスクフォース的に柔軟に組織をやられていく等、多分やっていらっしゃると思うのですが、そういうことで、かなり横の移動というのですか、一言で申し上げて横の移動をもっとスムーズに、組織の中でも組織の外でもされれば、多分、もっと頑張れとは申し上げませんけれども、かなり柔軟に、可能性があるのかなとは少し感じております。

 ただ、問題は、逆に今、部会長代理から御指摘があったように、あまり厳しくて人が外に出ていってしまうのでは困るので、そういったコアとなる人材は、きちんと組織の中に維持できるという工夫は同時にしなければいけないと思います。是非、人の面でしっかりいろいろとノウハウを御活用いただければと思います。これはお願いです。

 

○関口委員

 いろいろと評価というか、研究の御報告をされていらっしゃると思うのですが、たまたま昨日の日経新聞の書評で拝見したのですが、7ページのところにありますメンバーシップ型とジョブ型に関する、統括研究員の方が出された本の書評が載っていまして、まだ詳読しておりませんが、非常に面白い観点だなと思いました。いろいろ機構としての御見解と統括研究員個人としての見解では難しいかとは思うのですが、やはり広く一般にこういったいろいろな研究成果を報告するということでは、そういった新書版などを活用されるのもいいのかなと思っています。

 その辺は、やはり機構としてはなかなか推進することはできないのか、それとも今後はそういったことも検討して、非常に多方面にわたる御研究をされていらっしゃると思うので、広く一般に政策への提言、基礎データとは別にお伝えするようなことをお考えでいらっしゃるのか、現時点での御見解、個人的な御見解でも結構なのですが、御披露いただけたらと思っております。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 ありがとうございます。これは後ほど少し出てきますが、私どもは、やはり基本は政策研究で、今御説明したようなものを厚生労働省に提出するとか、労使その他関係者の方に提供するということが任務です。他方で、研究者ですから、そういった仕事とは別に、一旦仕事とは離れるのだとは思うのですが、様々な形で学会活動をされていることは、非常に私どもにとっても間接的に有益なことだと思っております。

1つは後で出てきますが、45ページの研究員の学会誌や投稿ですけれども、これは私どもの業務上実績の評価には直接入らないものですが、それとは別に、こういったものは私どもにとっても間接的に有益なことでありますので、是非やってほしいと思っておりまして推奨しています。

 それから、それを越えて、さらに書籍を自ら執筆するということも、これは一旦業績とは離れるわけですけれども、そういった成果が広まるという意味では、非常に有難いことだと思っております。業務にはならないわけですけれども、そういったことができれば有難いことだと思っています。

 ちなみに、プロジェクト研究を5年間でやるわけですが、その中で個人ではなくて組織としていろいろなテーマについて知見が積み上がるわけですが、その成果については、私ども自身としても、出版活動も併せて行っております。こういった業務との関係をどう切り分けてやっていくかというのはやや難しい面はあるわけですが、できるだけ意欲的な研究が行われますように、これから工夫をしていきたいと思っています。

 

○松浦委員

 御説明ありがとうございました。質問というより要望に近いのかもしれないのですが、活動の評価をする上ではアクセス件数も非常に重要ですが、アクセス件数を重視し過ぎると、直近の政策対応等、民間企業等の政策研究機関が実施しているような研究テーマと類似してしまう懸念も出てくるかと思います。

 そういう中で、民間企業等の政策研究機関では実施しにくい研究テーマとして、例えば法改正がなされた直後だけではなくて、中長期的な法改正の効果、あるいは今は日が当たらないけれど、中長期的に非常に重要になってくる課題など、JILPTさんだからこそ実施できる研究テーマも、これからは大事にして頂きたいと思います。

 

○柴田委員

 厚労省との連携や経済団体との懇親会みたいなことで、いろんな所からニーズを酌み取るという形で、研究の内容を深めていらっしゃるのはとても素晴らしいことだと思います。

 実は、私は厚労省のいろいろな研究会に出させていただいて、いつも感じることなのですが、例えば、労働基準監督署でいろいろな問題が起こっていて、業務停止命令が出たり、こんな問題が出たりという生々しい話はたくさんあります。そのときに厚労省はそういった基準監督署で起こっていることを全部吸い上げて事例研究をして、本当に一体何が問題になっているかということの研究はされていないのですね。民間企業だと苦情係や相談窓口があって、そういったものを全部吸い上げて新しい商品を作っていくということがあるのですが、厚労省の場合は、取りあえずおとがめをして、それで終わって、もちろんその後に法律が変わる場合もありますし、そうではない場合もあります。

 実際には厚労省と連携が密になって、今、上の方たちもやっていますが、実際にいろいろな現場でいろいろなことが生々しく起こっています。

しかし、JILPTは、どちらかというと、やはり社会調査というか実態を詳しく御覧になっていますけれども、その後観察すべきものが、実は労働基準監督署などにたくさんごろごろ転がっていると思うのです。それを連携することによって、もう少し内部のドロドロしたところの調査ができると、もっと肉厚な政策提言ができるのではないかなと思っています。

 というのは、人事制度の事例研究などは、皆大きな企業のことばかりで、問題が起こっているのは中小企業だったり、労働者が余りいろいろなことが分からなかったり、外国人労働者で請負まがいの派遣労働が起こっていたりなど、そんなことがたくさん、ぐじゃぐじゃしたのが起こっていて、きちんとできているところもあるのに、影を落としている。そういった調査を、JILPTならできるのではないかという期待を持っています。せっかく現場を持っている所との連携があるので、やっていかれたらいいなと思っているのです。

 それでこの前、高障求機構も、いわゆるメンタルヘルスのフォローや就業計測もされているところまで見ていますが、研究はあそこでもなさっていないのですね。だから、メンタルヘルスをやっている所もフォローしているような機関があるので、そこに少し入り込んで調査ができたら、もっと弱っている労働者を保護できるような政策に結び付けられるのではないかなと淡い期待を持っているので、今後も長い道のりだと思いますが、是非よろしくお願いします。

 

○今村部会長

 よろしいですか。御記入はほぼ私が見る限り皆さん済んでいるようですので、次にグループ2に行きたいと思います。評価項目の12と、913についてです。所要時間は、法人の説明が20分、質疑と評定の記入に20分の合計40分を予定しております。

 それでは、法人から平成25年度の業務実績と自己評定について説明をお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 評価シート9「労働関係事務担当職員等に対する研修」についてです。資料は30ページです。この評価シート9につきましても、30ページにありますような数値目標で、研修生並びに所属長の事後調査により評価を得ることが、数値目標として定められています。また、この研修につきましては評価の視点の2にありますけれども、まずは「研修実施計画」に基づき研修を実施しているか等々のことが定められています。

 そこで平成25年度の実施状況ですが、31ページです。平成25年度に行った研修ですが、計画75コースに対し、実際に1コース増えて76コース、これは社会保険庁からの転任職員の研修を追加して実施していますので、計画を上回る研修を実施しているところです。

 その評価ですが、31ページの箱にありますように研修生の評価は97.9%、所属長の事後調査、これは6か月後に行っていますが、評価は96.4%ということで数値目標の85%を大幅に上回る高い評価を受けています。

 研修につきましては、内容を見直して充実を図ることが視点として定められているわけですが、31ページの左下が平成25年度の見直し内容です。(1)はコースの新設で、「公共職業安定所係長・上席職業指導官研修」、これは今まで全国レベルで実施できていなかったものですが、厚労省等の要望を踏まえてこれを新たに実施しています。もう1つは「雇用均等行政職員研修」と「新任雇用均等室職員研修」で、雇用均等関係の研修を大きく充実させて取組をしたところです。

 既存の研修についても、(2)研修科目の見直しを進めていて、例えば、公共職業安定所長研修で「所長マネジメントテキスト」に基づく研修ということで、これはハローワークの所長のマネジメントのグッドプラクティスをテキスト化したものですけれども、こういったグッドプラクティスのマネジメントの研修を新たに導入しています。もう1つは、2つ目のポツにありますように、「発達障害等配慮を要する者への就職支援」に関する科目の新設です。これをハローワークの職業指導、あるいは若年者指導をする職員の研修に科目として追加しています。これも現場の職員の要望を踏まえて科目として追加したものです。

 右上の(3)ですが、研修手法及び教材の改善等に継続的に努めていて、平成25年度においては「職業相談・職業紹介逐語記録作成・解析システム」というツールを新たに開発し、これで職員が自己の職業紹介をしているときの会話を分析できるプログラムを開発しています。こういったプログラムを活用した研修にも取り組むようにしているところです。

 研修については、研究部門との連携がひとつの重要なテーマであると考えていて、31ページの右下ですが、平成25年度には研究員が研修を行うコマ数も前年より増えて81コマになっていますし、イブニングセッションということで午後6時以降ですが、最新の研究成果を研修生に説明して討議をする機会も数多く設けているところです。併せて職業指導・キャリアガイダンスツールも、私どもの研究部門で数多く開発していますので、こういったことの有効な活用法についても積極的に講習等を実施しているところです。

 研修につきましては、今、御説明しましたように非常に高い評価を、研修生、その所属長からも頂いているところです。新たなコースの新設など先進的な取組もしているところですので、この評価シート9についての自己評価は「A」とさせていただいているところです。

32ページをお願いします。評価シート10「労働教育講座事業の実施」についてです。これは附帯事業として実施しているものですが、その実施状況は33ページを御覧いただきたいと思います。労働教育講座は2つあって、1つは総合講座です。東京労働大学講座ということで、内容としては「労働法部門」「人事管理・労働経済部門」の2部門の講座を、東京大学で実施しているところです。平成25年度においては受講者満足度が93.7%でした。もう1つが下にある専門講座で、これは9月~12月にかけて、「労働法コース」「人事管理・労働経済コース」の2つに分けて実施しています。これも受講者満足度が94.6%です。

 これについての参加者の反響を33ページの右側に掲げています。5つ目で「現場に即した内容で、現業務に役に立つ」、6つ目で「これほどの講師陣での講義を一度に聞ける機会は他にない」、7つ目で「人事部門初任者なので、業務に必要な知識が習得できて良かった」等、内容的にも非常に高い評価を頂いているところです。

 このように、この事業については非常に満足度の高い講座を実施できていると考えていますので、自己評価は「A」とさせていただいているところです。

34ページをお願いします。評価シート1「業務運営の効率化」です。これについては34ページにありますように、数値目標が平成28年度までの目標ですけれども、ここにあるような経費の節減に取り組むことが目標として定められています。また、評価の視点として幾つかのことが定められているところです。

35ページが、業務運営の効率化の実績です。予算面で3つありますけれども、一般管理費の平成25年度の実績は、対前年度1.9%削減の予算としているところです。業務経費についても1.3%の削減でした。人件費については震災関係の給与の見直しもありましたので、12.3%の削減という予算になっているところです。いずれも中期目標に定められた経費の削減を十分実施できているものです。

36ページをお願いします。左上ですが、業務運営の関係で1.組織規律の強化です。1つは情報セキュリティー対策、もう1つは内部統制の強化です。内部統制については、従来から監事監査や監査法人の監査もあり厳正に統制しているところですが、平成26年度の新たな取組として、左上にありますようにリスク管理規程を新たに策定し、これに基づいて4月からリスク管理委員会を発足させることにしました。これに加えて月1回、理事長の主催の経営会議を開いていますし、コンプライアンス委員会を年に4回開いています。こういった経営会議あるいはコンプライアンス委員会により、内部の組織規律が維持されるようにモニタリングを十分しているところです。もう1つは情報セキュリティーの関係ですが、この点については職員の研修が非常に重要であると認識していて、平成25年度においては特にマネジメント層ということで、課長クラス以上の情報セキュリティー研修を実施したところです。

 次は、2.効率的かつ効果的な業務運営体制の整備ですが、これは組織体制の整備です。平成25年度は私ども独法の組織をどうするかが大きな課題で、従前の閣議決定では、ここにありますように労働安全衛生総合研究所と統合する予定になっていたわけですが、年末の閣議決定で、JILPT単独として中期目標管理型の法人として存続となったところです。労働大学校も研修と研究が高い相乗効果を発揮しているということで、引き続きJILPTが実施することになったわけですが、これを踏まえ、効率的な組織を作ることについては平成25年度冬以降の課題となっているわけで、平成25年度はまずその検討に着手したという現状です。

 もう1つの課題が契約の適正化です。これも私どもは非常に厳正に契約管理を行っています。これは3段階で行っていて、契約の決裁時に牽制関係を十分構築するということで、経理部だけでなく、総務部総務課でもこの契約の審査を行っています。それから、随意契約等審査委員会を設けて四半期ごとに審査を実施するとともに、一番下ですけれども、外部の契約監視委員会により、随契については全件をこの契約監視委員会で御審議いただいていますが、契約は適正に行われているという評価を頂いているところです。私ども経費節減という意味もあり、できるだけ随契は減らして一般競争入札に移行することに努めているところです。36ページの下の表にありますように、平成25年度は対前年度比3.5ポイント、随契を減らしたということです。

 以上が評価シート1についてです。評価シート1については目標に対応した経費節減を実現していますし、またリスク管理、内部統制をより的確に行っています。契約についても、その適正化をより積極的に進めているところで、一般競争入札の比率も上がっているところですので、この点についての自己評価は「A」であると考えています。

 次が37ページで、評価シート2「業績評価制度の運用」です。これは全事業を対象とした業績評価の制度が機能しているか等の視点が定められているところです。38ページが平成25年度の実施状況です。全体的な業績の評価ですが、38ページの左側の流れ図にありますように、年度初めに年度計画を立てて、これに基づいて事業を実施しているわけです。業務進行管理のところに書いていますように、毎月、理事長の下での経営会議で進捗状況を報告することにしていて、これで進捗をチェックあるいは情報共有をするということです。

 また、この業務進行の関係では有識者の声を広く集めることをやっています。具体的には38ページの右側ですが、有識者アンケートということで、この業務全般について役に立ったかどうか、外部の有識者に対して調査を行っているところです。これは部門ごとの業務についても聞いていて、これを業務にも反映させるようにしているところです。

 その上で、1年が終わると内部評価と外部評価をするわけですが、これは規程に基づき内部の評価、それから外部評価ということで、これは総合評価諮問会議とリサーチアドバイザー部会により5段階の評価をしているところです。なお、先ほども御説明しましたように内部評価は経営会議で行うわけですが、1年の周期だけでなく四半期ごとに進捗状況を評価することも行っています。こういった評価システムの中でただ評価をするだけでなく、PDCAで業務の改善を図れるように努力しているところです。また、評価結果についてはホームページで公表して透明性を確保しているところです。

39ページに、もう少し詳しくJILPTの事業評価の仕組みを説明しています。内部評価ですが、特に研究については所内での発表会に加え、最終的には内部評価委員会ということで個々の研究成果についてのチェックをします。右側が外部評価の仕組みですが、これは4つの仕組みがあります。1つは厚生労働省から個別の研究についての成果の評価を頂く。2つ目はリサーチアドバイザー部会ということで、学識経験者による専門的観点からの個別研究の評価も頂いています。3つ目は有識者ということで、外部の労使関係者あるいは有識者から事業活動全般についての評価を頂いているところです。4つ目に、こうした評価を最終的に総合評価諮問会議ということで、これは学識経験者と労使(連合の事務局長と日経連の常務)に入っていただき、業務全般についての評価を頂きます。こういう何重にもわたるいろいろな視点からの外部評価をしているのが私どもの特徴です。

 なお、この労働部会で御指摘がありましたので、真ん中の下のブルーの所に書いていますが、第3期からは、事後の評価だけでなく事前の評価ということで研修計画の評価、あるいは中間ということで5年間の途中経過としてのプロジェクト研究の評価も、このリサーチアドバイザー部会で実施し、より一層厳格な評価に努めているところです。

40ページで、こういった評価の実効性の問題ですけれども、この評価を踏まえ、PDCAとしてここにあるような改善をいろいろ図っているわけです。かいつまんで申しますと、左側の真ん中にありますけれども、この労働部会、総合評価諮問会議から、アジア諸国の情報収集の強化の指摘を何度か受けています。これを踏まえ、平成25年度からアジア諸国の法制度あるいは実態についての網羅的な情報収集に着手したところです。平成25年度は取掛りとしてマレーシアについて、この総合的な調査を実施したところです。左側の下ですが、成果普及の方法として、フォーラムを東京以外で開催すべきではないかという御意見を頂いています。これについては今年度、福岡でフォーラムを開催したところです。

41ページで、研修についてのPDCAの仕組みです。研修については、厚労省との間で研修計画を作って実施するわけですが、行った研修については研修最終日に研修生から評価を頂いています。その研修生の所属長(ハローワークの所長や監督署長)に、6か月後にこれが役立ったかどうかを聞いています。こういった評価は数値評価もありますし中身についての指摘もありますので、こういった指摘をできるだけ次回以降の研修の見直しに生かせるように努めているところです。研修の評価については右側です。研修事業有識者懇談会ということで外部の有識者からも研修の善し悪しについて意見を頂いていて、こういったことも踏まえて研修の見直しを実施しているところです。

 もう1つは、政策研究と研修の連携です。41ページの下にありますように、できるだけ研究の成果を研修に生かすとともに、私どもの研究員は研修に行っていろいろ現場の状況を吸い上げることもありますから、そういったことを研修にまた戻すということで、フィードバック体制の連携を構築するようにしているところです。例えば職業相談技法ということで、先ほど若干触れましたけれども、最近ですと障害はないけれども発達障害が少しあるという方がかなりハローワークに来ていて、そういう方に対して適切な職業指導をすることが現場での大きな課題になっているわけです。例えばそういった現場の課題を吸い上げ、その手法を私どもの研究部門で研究します。そしてまた、それを次の研修に生かすということで、こういうフィードバック型のPDCA仕組みを作り上げているところです。業績評価についての説明は以上です。

 この評価については、今、御説明しましたように1つだけでなく、いろいろな視点からの評価の仕組みを設けています。厚生労働省だけでなく、労使、有識者、大学校のほうであれば研修生だけでなく上司の方からも評価を受けています。また、その評価が次の事業に生かせるように努力しているところですので、この点についての私どもの自己評価は「A」と考えているところです。

 次は、評価シート11「予算、収支計画及び資金計画」についてです。43ページですが、平成25年度予算の措置状況ですけれども、運営費交付金が23億円余り、交付金債務が13,000万円余りという状況です、いずれにしても43ページの右肩に示していますが、年度途中においても業務の進行状況を逐次チェックし、経営会議にも報告しています。予算の執行状況を毎月把握し、適宜見直しを行って執行しているわけです。その結果として43ページの右下ですが、十分経費の節減を図ってきたということで、例えば一般管理費については、予算が45,000万円であるところを、執行ベースでは41,000万円余りと、9.7%の予算費での削減を図ったところです。同様に業務経費、人件費についても2.8%、6.4%の削減をしているところです。

 この評価シート11について、予算に基づく収支の執行については適切に実施し、かつ経費の節減をこのように効果的に上げていると考えますので、自己評定としては「A」であると考えています。

44ページをお願いします。評価シート12「人事に関する計画」です。これについては評価の視点として、優秀な研究員等を確保・育成するための適切な措置を講じているか等が定められているところです。

45ページが平成25年度の実施状況です。私どもは研究機関ですので優秀な研究員の確保が非常に重要だと思っていて計画的に実施しています。平成25年度においても、産業社会学・経済学の研究員の1名の採用を行っています。

 人事制度についてですが、左下にありますように業績評価と能力評価の2本立てによる人事評価を実施していて、これは緑の流れ図のような形で人事評価を実施しています。期首に目標管理ということで目標を設定し、中間段階で進捗をチェックします。期末に5段階評価をして、最終的には評価調整会議で評価を確定する。これを手当等に反映するということで適切な評価制度の運用を実施しているところです。

 もう1つは、私どもには研究員、調査員、一般職員といるわけですが、こういったポートフォリオをどうするか検討することも重要だと考えています。私どもはアーカイブ・データを持っているわけですが、このアーカイブ・データの業務を調査員に行わせるかどうかの検討を継続的に行っていて、結果として平成25年度において、これは一般の職員で対応可能だという判断をしています。そういう観点で、このアーカイブの整備事業を調査員の業務としては廃止し、調査員の数を平成25年度において1名削減したということです。

45ページの右下が職員の専門的な資質の向上です。これも研究機関として非常に重要な課題だと考えています。1つは所内の研究会を非常に盛んに行っていて、内部のそういった研究会によって質の向上に日頃より努めていますけれども、このほかに部門別にいろいろな業務の研修会を実施していて、これに対しての積極的な参加を奨励しています。研究成果については先ほどちょっと説明しましたが、研究員の意欲の向上の観点から、学会誌等への論文掲載を推奨していて、平成25年度の実績は36件となっているところです。人員については、常勤の職員数が計画では114名となっていますが、実人員は年度末で111名でした。

 以上、人事についてですが、平成25年度においては何よりも優秀な人材の確保に努めてきたところですし、評価制度あるいは能力開発にも十分力を注いできたところです。そうしたことから、この人事に関する計画についての自己評価は「A」であると考えています。

 最後に、評価シート13「施設・設備に関する計画」です。47ページですが、平成25年度においては労働大学校の空調設備の整備を実施することになりました。この実施に当たっては、できるだけ多くの入札者に参加いただけるように仕様書の工夫を行ったところです。その結果として参加者数が13社と非常に多い参加を得ることができ、その結果、ここにありますように、予算費22.6%減の4,000万円の経費削減を実現できたところです。

 したがって、この施設整備についての自己評定は「A」とさせていただいているところです。以上です。

 

○今村部会長

 ありがとうございました。それでは委員の皆様は評定記入用紙の評価項目12913に評定結果及び評定理由の記入をお願いします。この間、御質問等ございましたら、適宜、御発言をお願いいたします。

(評定の記入)

 

○柴田委員

 人事制度についてお聞きします。一応、目標管理制度で業績評価をしておられますが、裁量労働は取られているのですか。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 研究者については裁量労働を導入しています。

 

○宮崎委員

 ちょっと教えていただきたいのですが、資料の35ページの経費予算の削減状況で、人件費の推移が予算ベースで、平成24年度から平成25年度にかけて12.3%の削減と記載があります。43ページにおいては予算と実績比において、人件費が今度は予算比で更に6.4%削減となっています。かなり大きな割合で減っているように見受けられたのですが、何か特殊な要因があるのか。あるいは、この数字というのは年度ごとに増減する退職者の退職金みたいなものが入っている関係で動いているのか。あるいは先ほど少し御説明がありましたが、定員の不補充のような形で人員をより効率化されたのか。経年推移で見ると少し削減額が目標を上回って大きすぎるようにも思えたものですから、どのような要因があるのか分かれば御説明いただきたいと思います。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 今、御指摘いただいた点について、35ページの人件費ですけれども、これは予算額の推移です。これが12.3%減になっているわけですが、その大きな要因として、東日本大震災の関係で独立行政法人も、7.数パーセントの賃金削減をするという政府の要請に従って対応しているところです。これが平成25年度予算に反映される形で予算が編成されましたので、大きく10%以上減っているということです。したがって、平成26年度はその要素が剥落しますので、平成26年度の人件費予算は平成25年度よりも大幅に増えることになり、実際にそういう予算編成をしているところです。基準年に戻るということですが、ただ、その一方で、それとは別に毎年1%ずつ人件費削減というのが私どもの予算の目標ですので、それは十分クリアするように努めているところです。

 

 

○高田部会長代理

 細かい点ですが、36ページに一般競争入札の割合というのがあります。この計算はどういう計算の仕方でこの数字が出ているのでしょうか。件数分の件数という形ですか。

 

○労働政策研究・研修機構経理部長

 経理部長の大崎です。算定方式は入札の件数プラス随意契約の件数で全体の件数が出ています。そのうち一般競争入札の件数がどのぐらいの割合かということです。

 

○宮崎委員

 もう1点、最後の47ページの施設・設備計画の実績報告の中で、労働大学校の電気工事等の契約を工夫することによって、入札参加者を増やして経費節減に取り組まれたということですが、今、工事などはなかなか業者さんが集まりづらい中で、非常によい成果を挙げられたのだと認識しているところです。特に仕様書作成の上で何か工夫されたことがありますか。例えば設計と施工を一緒にしたとか、参加者を増加できたところの工夫で良い点があれば差し支えない範囲で結構ですので、御説明いただければと思います。

 

○労働政策研究・研修機構経理部長

 工事関係につきましては、経験則上、労働者の確保が震災以降は大変に困難な状況ということで、なかなか参加する業者さんも手を挙げていただけない状況でしたので、予算が決定した時点で早急にそういう仕様を検討し、なるべくスケジュール的にきつくないように、事業に当たる方々を確保できるような形で研修日程等を合わせ、よく調整して仕様書を作ったことで結構、業者さんの参加が得られたということです。

 

○小西委員

 この資料の33ページで労働教育講座事業の実施というところですが、受講者満足度が総合講座、専門講座ともに90%を超えていて、非常に高い印象を持っています。この労働教育講座事業を東京以外の所で行うことは御検討なさっているのでしょうか。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 今、御指摘がありました33ページの労働教育講座ですが、第62回ということで非常に長い歴史を持つものでございます。講師の方も第一線の先生方に多くお集まりいただいています。それとともに、この事業は私どもの本体事業でなく附帯事業だということもあり、そういった質の高い事業を確保できるような講師陣を、東京だけでなく、地方で複数回行った場合に確保できるかとか、附帯事業であることの関係で費用面の問題もありますので、今後においても、これを同じような形で開くことはなかなか難しい面もあるのではないかと思っています。

 

○今村部会長

1つだけお聞きしたいのは、これからのことにも関係するのでドキュメンテーションのことについてお伺いします。41ページの研修と研究のリンクというのは大変結構なことですけれども、例えば研究成果のドキュメントを研修で使うとか、そういうダイレクトな方法というのも考えられると思います。例えば研究成果を研修のテキストとして使いやすいようにドキュメンテーション、ライティングを分かりやすく工夫するとか、もう1点は、組織の中でデジタルなドキュメントのシェアリングシステムというか、そういうのが検討されているかどうか。それを最後に聞かせていただければと思います。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 ありがとうございます。この点についてはいろいろな方法を工夫してやってきていて、先ほど御説明しましたが、イブニングセッションという形で、研究成果自体を夜に集まっていただいて報告することをやっています。そういう中で、もちろん要約の文書は作りますけれども、より報告書に近い、かなり専門的なもので研修をしています。

 一方、例えばハローワークでの職業紹介技法なども私どもの専門研究分野で、これは報告書自体というよりも中身はもっと実践的なものです。さらに、受講生の方からの視点で言うと、初任者の方もおられますけれども経験を積んだ方も多くて、研修に来て知りたいのは、実践的にどういうことをやれば仕事がうまくいくかということが、私どもの研修として一番要望されていることですので、そういったことの関係では、むしろ研究を噛み砕いて、より実践に近い形で編成し直さないと講義で使えないということもあります。いずれにしても、ものによっていろいろな工夫をしてやっています。これからもそこで頑張っていかなければいけないと思っています。御指摘は、データをデジタルの形で提供するということですね。

 

○今村部会長

 外部から非常にアクセスしやすくて調べやすいのですが、内部のほうではシェアされているのかどうか。

 

○労働政策研究・研修機構理事

 それはもちろん、いろいろな形でネット環境なども十分整備するように努力していますし、それは特に支障がないレベルまでちゃんとできていると思います。CDの形などで教室で配り、それを使って講義することも実施していて、基本的にはできていると思います。

 

○今村部会長

 ありがとうございます。よろしいでしょうか。それでは、以上で労働政策研究・研修機構の個別評価を終了させていただきます。事務局から今後の流れと次回の開催等について御連絡をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 今後の流れについて御説明いたします。会議の冒頭でも御説明させていただきましたが、全ての評価項目について評定等の記入が終わっている場合につきましては、評定記入用紙を部会終了後に回収いたしますので、机上にそのままにして御退席いただくよう、よろしくお願いいたします。一方、記入が終わっていない場合につきましては、評定記入用紙をお持ち帰りいただいて御記入いただくか、本日、評定記入用紙の電子媒体をメールにて御送付させていただきますので、その電子媒体にご記入の上、731()までに事務局へ御提出いただきますよう、よろしくお願いたします。

 次回の開催につきましては、730()1330分からを予定しています。場所は本日と同様、こちらの専用第12会議室を予定しています。議題としましては、勤労者退職金共済機構の平成25年度業務実績に係る個別評価を行うこととしています。

 最後に、本日、配布しました資料の送付を御希望される場合につきましては、事務局より御送付いたしますので、机上にそのままにして御退席いただきますよう、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○今村部会長

 それでは、本日は以上とさせていただきます。皆様、暑い中、熱心な議論を本当にありがとうございました。


(了)

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