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2013年3月25日 第13回新水道ビジョン策定検討会議事録

健康局水道課

○日時

平成25年3月25日(月)13:30~15:30


○場所

厚生労働省専用第18・19・20会議室


○出席者

出席構成員

滝沢座長 浅見構成員 永井構成員 岡部構成員 尾崎構成員
木暮構成員 佐藤構成員 長岡構成員 服部構成員 平田構成員
吉岡構成員

○議題

(1) 第12回検討会議事録(案)について
(2) シンポジウムの結果報告
(3) パブリックコメントの結果概要について
(4) パブリックコメント等を踏まえた「新水道ビジョン(案)」について
(5) その他

○議事

○ 日置課長補佐
定刻となりましたので、ただいまから第13回新水道ビジョン策定検討会を開催させていただきます。構成員の皆様にはご多忙にもかかわらず、ご参集いただきましてまことにありがとうございます。まず構成員の出席状況でございますが、本日11名すべての構成員にご出席いただいております。

○ 水野係長
それでは、議事に入ります前に事務局より配付資料の確認をさせていただきます。まずお手元に議事次第がございます。議事次第の裏面、添付—1、座席表が添付—2、最後、添付—3、検討会のスケジュールとなっております。次が資料—1といたしまして、新水道ビジョン策定検討会、前回、12回の議事録でございます。続きまして、新水道ビジョンのシンポジウムが資料—2—1から、2—2、2—3、2—4、2—5ということで、それぞれがとめられております。続きまして、資料—3といたしまして、A4の一枚紙でパブリックコメントの結果概要というものがございます。そのすぐ下に、ホチキスどめで別表ということで、A3を折りたたんだものが3枚ついてございます。資料—4といたしまして、新水道ビジョン(案)【パブコメ対応後】というものがございます。その後ろに参考資料といたしまして、新水道ビジョン(案)、同じものでございますが、朱書きで訂正したものがございます。
資料は以上でございます。何か不足等ございましたら、事務局までお申し出いただきたいと思います。よろしいでしょうか。

○ 滝沢座長
それでは、本日、第13回、最終の新水道ビジョン策定検討会となります。年度末の大変お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。本日、主な議題は、新水道ビジョン(案)について最後の検討をするということでございます。よろしくお願い申し上げます。
それでは早速ですが、議事に沿って進めてまいります。
まず1番目の議事ですが、第12回の検討会の議事録(案)についてご説明ください。これは検討済みということで、皆さんにご検討いただいたということで……。

○ 日水コン(榊原)
ご確認いただいておりますので、よろしければご承認をお願いします。

○ 滝沢座長
 本日、特にご意見がなければ、これでご承認させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 続きまして、議事の2番目でございますが、シンポジウムの結果報告につきまして、資料—2—1から2—5に沿ってご説明ください。

○ 日水コン(榊原)
それでは、資料—2—1についてご説明いたします。資料—2—1はシンポジウムの結果報告となっております。
3月1日金曜日の午後、新宿区の牛込箪笥区民ホールにおきまして、新水道ビジョンシンポジウムを開催いたしました。プログラムはごらんのとおりでありまして、主催者あいさつに続きまして、基調講演として滝沢先生から「今後の水道が目指すべき方向性」ということでご講演をいただきました。休憩を挟みまして、パネルディスカッションを行いました。まず「安全な水の供給は保証されているか」ということで、浅見構成員から話題提供をいただきました。続きまして、「危機管理への対応は徹底されているか」と題して、岡部構成員から話題提供をいただきました。そして、「水道サービスの持続性は確保されているか」というテーマで、吉岡構成員からご説明をいただきました。この話題提供の後にパネルディスカッションということで、フロアからの質疑も含めて行ったということであります。
ページをめくっていただきまして、2ページをごらんいただければと思います。こちらに参加者をお示ししておりまして、水道事業体、関係団体、民間企業、座長・構成員、関係省庁、合わせて366名という大勢の方にご参加をいただきました。定員を大幅に超える方々からご応募いただきまして、まことに不本意ではあったのですが、各団体ごとに人数制限をかけさせていただきました。関係各者の皆様には、その節は大変ご迷惑をおかけしましたことをおわび申し上げたいと思います。
主催者あいさつといたしまして、石飛課長からお話をいただきました。滝沢先生の基調講演ですけれども、概要を箇条書きでお示ししております。なお、この基調講演のときに使ったパワーポイントのスライドですけれども、添付の資料—2—2にそのまま載せております。ですので、今回の新水道ビジョンとあわせて、このスライドも後ほどごらんいただければと思います。このスライドにつきましては、水道課のホームページにもアップロードされております。
パネルディスカッションですけれども、コーディネーターは滝沢座長、パネリストが浅見構成員、岡部構成員、吉岡構成員にやっていただきました。浅見先生からは「安全な水の供給は保証されているか」ということで、資料—2—3にスライドをお示ししております。その概要を箇条書きで記載いたしました。続きまして、岡部構成員の「危機管理への対応は徹底されているか」ということで、資料—2—4にスライドをお示ししております。概要は箇条書きでお示ししております。そして、吉岡構成員、「水道サービスの持続性は確保されているか」ということで、資料—2—5にスライドと、あと箇条書きで概要をお示ししております。
この話題提供の後、パネルディスカッションということで、滝沢座長から、幾つかテーマに沿ってパネルディスカッションを行いました。3ページの下にございますけれども、まず新水道ビジョンのポイントについてということで、特に今回のビジョンがどういったところにポイントがあるかということを、各パネラーの皆様のお考えを述べていただいたということです。続きまして4ページですけれども、東日本大震災の経験についてということで、震災の経験がこのビジョンにどのように反映されたのかといったことでお考えを述べていただきました。もう1つのポイントでありますけれども、人口減少下における水道事業運営についてということで討議を行いました。5ページですけれども、環境と国際ということで、これも今回のビジョンの中で扱いが現行のビジョンとちょっと変わったテーマですので、これについてもお考えを述べていただいたところであります。
そして、フロアからの質問ということで、水団連の坂本専務理事と広島市水道局の方からコメント等をいただいたということであります。
一番最後のページ、6ページになりますが、最も強調したい点についてということで、お三方のお考えを述べていただいたということです。
最後に、今回、浅見構成員、岡部構成員、吉岡構成員に、この検討会の構成員を代表して出ていただいたのですけれども、そのほかの構成員の皆さんに最前列で聴講していただきまして、皆様のご紹介を滝沢先生からされたということで、以上でシンポジウムを締めたということになります。
概略になりますけれども、シンポジウムの結果報告は以上でございます。

○ 滝沢座長
どうもありがとうございます。多くの構成員の皆様にご参加いただいたわけでございますが、ただいまのご説明につきまして、何か補足するようなことはございますでしょうか。あるいは、ご参加いただけなかった構成員の皆様については、質問でも結構でございます。いかがでしょうか。
特にご質問ないということでよろしいですか。詳しくは、もしご参加いただけなかった方については、添付のスライドをごらんいただければと思います。
続きまして、本日のメインのテーマでございますが、議題の3番目です。パブリックコメントを踏まえた新水道ビジョン(案)の修正について、事務局からご説明をお願いいたします。

○ 日置課長補佐
説明申し上げます。資料につきましては、資料—3及びその別表、資料—4、またその参考資料ということで、2種類、資料をご用意しておりまして、全部通して説明させていただきたいと思います。
まず資料—3でございますが、パブリックコメントの結果概要ということで、パワーポイントのスライド打ち出し、2枚を1枚にまとめた形にした資料でございます。こちらはパブリックコメントの結果をまとめたものでございまして、第12回新水道ビジョン策定検討会で審議されました新水道ビジョン(案)につきまして、平成25年2月21日から3月15日の間、意見募集を行いました。その間、66通の意見をいただきました。また、その中身を確認いたしますと、ご意見として365件の内容があると確認いたしました。提出者別件数というところで書いておりますけれども、地方公共団体の方、水道関連団体の方、民間企業の方、労働組合、大学・研究機関、その他、未記載という形で、提出者の方々の属性を整理させていただいております。
下側ですけれども、パブリックコメントの結果概要というところでございますが、365件の意見を10項目に分類いたしまして、1つ目は水道行政全般に対するあり方ですとか提言、また、連携・広域化、水資源対策・保全、制度や権限、人材、危機管理、料金、国際、その他、また字句修正という形で整理いたしまして、その整理した表が意見の分類というところ、スライドの右下にあるような形でまとめさせていただいたところでございます。
別表が3枚ほどついているのですけれども、それがその詳細になりまして、365件を半分程度に集約した形で記したものでございます。左側が意見の趣旨ということでまとめさせていただいた内容、それに対する考え方ということで、右側に事務局の考え方を書いているということでございます。いただいた意見の内容によっては、案の修正を行ったということもあらわしているというものでございます。A3の資料を逐次説明していくと時間がかかりますものですから、この内容を踏まえた新水道ビジョン(案)がどうなったかということで、資料—4及び参考資料から説明させていただきたいと思います。
資料—4は新水道ビジョン(案)ということで、パブコメ対応後ということでありまして、それを直した形で整理したものでございます。行番号もとっておりまして、これがほとんど完成のイメージということでございます。先ほどのパブコメ等を受けて、一体どのような内容を修正したのかというのが参考資料に書いております。参考資料を中心に、今からどういう形で直したのかというのを簡単に説明させていただきたいと考えております。
まず、A4で、1ページに2ページ入っている形になっていますけれども、1枚おめくりいただきまして、第1章「はじめに」というところでございます。修正点を赤字で書いておりますが、「はじめに」では字句修正を行っているということでございます。
第2章「新水道ビジョンの基本理念」、こちらも若干の語句を補う等、字句修正を行っています。さらに4ページには図を差し入れて、概念をわかりやすいように足しました。
次の5ページ、6ページに関しましても、字句の修正ですとか、6ページにはクリプト対策等の必要性を若干書き加えさせていだいております。
次、7ページは字句修正、8ページは放射性物質に関する記述がないのかというようなご指摘がありましたので、水道水中の放射性物質の管理目標値が設定され、モニタリングが実施されているということで、記述を若干膨らませております。14行目でございます。
9ページ、20、21行目などは、最低限のサービスが継続できるような事業継続計画(BCP)の策定の話などをパブコメでいただきましたので盛り込んだり、また、26行目、テロ等、またサイバーテロ、こういった事項についても対応したらどうかという意見をいただいたところもありまして、盛り込んでいるところでございます。下のほうには図を差し込んで、概念をわかりやすくしているところであります。
10ページにつきましても、21行目ぐらいから23行目にかけて、再構築の考え方を若干追記しているところでございます。
11ページは語句の修正、「取り組み」を修正したところでございます。
13ページ、14ページに参りまして、こちらも字句の修正ですとか、14ページの上から4つ目の●ですけれども、放射性物質に関してのパブコメを受けまして、放射性物質の混入のおそれに対しても、適切な広報によりリスクを軽減できる体制を求めるということで追記いたしました。
続きまして、15ページ、16ページにつきましても字句の修正のほか、16ページの25、26行目になりますが、水道水の原水として、河川表流水や地下水以外にも工業用水、雨水、下水処理水などさまざまな種類が可能性として考えられるということで書いております。こちらの案につきましては、さかのぼりますけれども、3月19日、厚生科学審議会の生活環境水道部会でこのパブコメ案を説明いたしまして、そこでいただいた意見もあわせて盛り込むことといたしておりまして、そういった中で、このようなさまざまな水資源の活用というものもご指摘いただいたところもあります。また、パブコメにも同様の意見がございまして、そういう形で取り組みをさせていただきました。
続きまして、17ページでございます。こちらは強靱の確保のところ、21、22行目、26~28行目、38~40行目、若干追記を詳しくして、いいたいことをよりわかりやすくしたというような対応をしております。
18ページ目に関しましても、字句の修正ですとか追記を行っているところでございます。
19、20ページに関しましても、同様の字句の修正、追記を行っておりまして、20ページに関しましても17行目から19行目にかけまして、危機管理の際の国際的な連携体制の必要性などを追記いたしております。
続きまして、22ページでございます。こちらも同様の若干の追記ということになっていますけれども、1点、字の修正がありまして、27行目、「地域の需要者の信頼を得て水を供給し続けるためには、これまでの右肩上がりの常識を拝し」の「拝」を「排」に修正をしていただきたいと思います。どうも失礼いたしました。
続きまして、23ページ、24ページも同様の修正を行っております。
25、26ページにつきましても、パブコメ等を受けまして、言葉を補うということが続いております。
27ページでございますが、23行目から24行目にかけての枠囲い、?「職員教育の充実化」という中で、「給水装置工事に関する指定工事業者のレベルアップと人材育成を」ということがございまして、給水装置に関しましてもさまざまな意見をいただいておりまして、適正に行うことが需要者との信頼関係を築くですとか、そこでトラブル等が起こらないようにするというようなご意見をいただきましたので、給水装置に関しての記述を追加したというところでございます。29、30行目には若干説明を加えているというものでございます。
28ページに参りまして、14行目から15行目の枠囲い、「水源事故対策」のところの一番下ですが、地震による津波を想定した基幹施設の対応策ということでございまして、津波に対する対応も必要だというご意見をいただきまして、そういう内容を追記しております。23~25行目はその説明という形でございます。29、30行目についても若干の語句の修正ですとか、文意を通りやすいように修正したというものがございまして、31ページも同様でございます。
32ページに参りまして、1点、修正をお願いしたいと思っております。15~17行目の修正点がありますが、「住民にとって興味深い内容」とありますが、「関心が高い内容」という形で修正していただければと思います。こちらも申しわけございませんでした。例えば放射性物質などについて、リスクをわかりやすく説明できるようにしておくということでございますので、「関心が高い内容」ということで修正をしていただければと思います。22~23行目の枠囲いの中にも給水装置に関する記述を追記いたしております。
33ページにも給水装置の記述が9~12行目にございます。33ページの31~32行目、「飲料水へのニーズの多様化に対する活動」の中に、「蛇口の水を飲むことができる水道」ということで、こういったご意見をいただいたところもありますので、内容を明確化するために書き加えているところでございます。その説明に関しましては、34ページの5行目と6行目にも追記しているところでございます。
続きまして、36ページでございます。19行目の「官民連携の推進」という項目の中、28行目以降になりますけれども、当初の案ですと、結構長い文章を書いたのですが、ほかの項目の分量とのバランスを考えまして、修正している赤字の内容にまで整理いたしまして、書き直したというところでございます。37ページの3行目まで続きますが、分量を考えて、事務局で若干短くさせていただいたということでございます。
38ページに移りまして、こちらも7~8行目に地方自治体の方々の人材育成、支援体制が必要というパブコメをいただきましたので、追記しているところでございます。同じく27行目でありますけれども、事故事例に学ぶところも多いだろうというパブコメをいただきまして、そのような修正を加えております。
以降、39、40ページも字句等の修正を行いまして、このような修正がずっと続きます。
47ページまで飛んでいただきまして、こちらも国の役割分担というところで、いろいろと追記をさせていただいております。こういう中で、19~20行目、また、国の役割、制度的対応として、水源を良好な環境に保つため、流域単位で広域的に保全を図る取り組みを推進するというような話、また、技術的支援ということで、30~32行目、水道事業の企画、経営、管理に関する総合的な助言などによる支援、また、水に関する国際展開の支援といったようなことを国の役割として追記いたしているところであります。
48ページの都道府県という役割の中に、28行目でございますけれども、水循環、水資源の有効活用といったところの支援についてもお願いしたいということで書かせていただいております。市町村などにおきましては、40行目でございますけれども、上流の他市町村との環境行政の連携も必要になるのではないかということで書き加えさせていただいているところでございます。
続きまして、52ページでございます。51ページのところから大学・研究機関の続きの話になるのですが、大学教育のグローバル化も念頭に、水道の発展のため、確実に先進的役割を担うということ、こちらも先日の審議会でご指摘いただいた内容でございまして、大学・研究機関にこのような役割を求めていきたいということで書かせていただいたところでございます。8の住民に関しましても、語句の修正等、文意が通るような形の修正を行っているということでございます。
最後、9章「フォローアップ」でございますが、こちらに関しましても字句の修正のほか、16、17行目でございますが、国としても関係者との連携、意見交換、推進方策の検討の場を持ち、積極的な施策の推進を図りますといったところで、国の今後の行い方、対応のあり方をここに明記させていただきました。
最後、今回の新水道ビジョン策定検討会の委員名簿と検討の経緯ということで追記したということでございます。
大まかな修正は以上でございます。
個別具体的なところの修正につきましては、先ほどA3の資料の中、または事務局のほうで文章が通りやすく、読みやすくするように、また趣旨がわかりやすくするように直しているというものでございまして、この修正や内容についてご確認いただければと考えているところでございます。また、資料—4はそのような修正を行った完成版のイメージということでございますので、できれば資料—4の中について改めてみていただいて、足りない点とか修正すべき点、こういったものをご指摘していただければと考えているところでございます。
資料—3、資料—4に関する説明は以上でございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。それでは、ただいまご説明いただきました案、パブコメ対応後の修正案につきまして、皆様のご意見をお聞きしたいと思います。資料は都合3つございますけれども、資料—4の修正済み新水道ビジョン(案)、A3の縦長の別表、それから、修正箇所が見える見え消し版の参考資料、この3種類がございます。ご意見は主に資料—4の何ページのどこというような形でご指摘をいただけますと、事務局のほうで対応がしやすいということでございます。これらの資料をもとに、十分な修正ができているかどうか、あるいは追加の修正がないかどうかといった点につきまして、構成員の皆様のご意見をお聞きしたいと思います。いかがでございましょうか。どうぞ。

○ 佐藤構成員
まず要望と質問です。最初に、別表として「新水道ビジョン(案)パブリックコメント結果概要まとめ(案)」とございます。これについて、具体的に今後の対応、公表等についてはどのようになっているのかということです。これだけ実際に多くの意見をいただいたわけですので、本来であれば、この検討会で非常に時間を尽くして、場合によっては追加開催なども含めて対応すべきことではないのかなという気がしております。とはいえ、現実的にいうならば、時間の制約などから追加開催も無理だとは思いますけれども、これは要望として少しコメントをしておきたいと思います。
続いて2つ目、質問です。資料—4、見え消し版として実際に表紙にございますけれども、「パブコメ対応後」という形で、資料を提示いただいております。確かにパブリックコメントで出されたさまざまな意見がいろいろ反映されているようにも思いますけれども、一方で、例えばビジョンの骨格にかかわるような意見、水道法改正にかかわるような部分などについては、一覧した限りでは必ずしも明確に反映されているようにも思えない部分があります。したがって、少し批判的な見方をするならば、もともとあったビジョンの案をもとに、加筆修正しやすいような部分を中心に反映したようにもみえないわけではない。ここで事務局に質問なわけですけれども、今回、全体としてパブリックコメントをビジョンへの反映という形で進めた基本的な方針とか考え方、あるいは、どういうことについては反映したのか、反映しないのかというようなところの大まかな整理の仕方を、議論の最初に伺っておきたいと思います。

○ 滝沢座長
よろしいでしょうか。2件ありますけれども、パブコメに対する今後の対応の方針と、修正案を出していただいたわけですが、それを修正するに当たっての基本的な考え方についてご説明くださいということです。

○ 日置課長補佐
申し上げます。今後の対応というところでございますけれども、事務局としては、まずはこのビジョンはビジョンとして1つこのような形で整理をしたいと考えております。と申しますのは、前々から申し上げてきたところもあるのですけれども、今後の中身については、また場を別に改めまして、その中で具体的な中身等々を議論していく、また関係者と連携調整しながらやっていくということもございまして、フォローアップのところに今回、国としても関係者と連携、意見交換、推進方策の検討の場をもつということも明記いたしまして、今後、細かいことについては具体的に決めていくという姿勢をこの中で示したというところでございます。したがいまして、パブコメでいただいた中をすべて受けて、もう一度、事務局で、すべてのビジョンを盛り込む形での検討というのは、今のところ予定していないというところでございます。
また、第2点目でございますけれども、パブリックコメントの整理の方針というところでございます。基本的な考え方としては、先ほど申し上げたように、今後の対応ですとか、ビジョンの中にその根っこがあって、そこを普遍するような形の意見というのは、ビジョンの根っこをもって事務局としてお答えしたことにできたらと考えております。また、記述の面で弱かった面がある、例えば給水装置工事の話ですとか、あと放射性物質の話、こういった点については、我々としても若干根っこをもたす意味でビジョンの中に盛り込んで、今後の対応を水道界全体で図っていこうということで明記したということでございます。その他、字句修正等につきましては積極的にいただく形で修正しているというような形が基本的なスタンスでございます。

○ 滝沢座長
最初のご質問の点につきましては、恐らくパブリックコメントをたくさんいただいているのですけれども、パブリックコメント一つ一つを挙げるということは多分ないと思いますが、このようなパブリックコメントをいただきました、それに対してどう対応しましたみたいなことは、これから公表していくような予定はあるのでしょうか。

○ 日置課長補佐
パブリックコメントとして、予定はございます。検討会資料としてはこういう形ですけれども、それはそれで別に行うルールだと承知していますので、その対応は図ってまいります。

○ 滝沢座長
主な意見とか、概要とか、そのような形ですか。

○ 日置課長補佐
まとめ方としては別表のイメージですけれども、これを再度見直す形で、パブリックコメントの対応ということで公表すると考えているところでございます。

○ 滝沢座長
1件目はそういうことでよろしいですか。2件目についてはいかがでしょうか。

○ 佐藤構成員
2点目につきましては、きょうこれから実際に最終的な報告書をとりまとめするに当たって、基本的な方針を伺っておきたかったということですので、大体概略については了解いたしました。また個別にこの後、議論していきたいと思っています。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかにご意見ございますでしょうか。どうぞ。

○ 木暮構成員
事務局に修正をするに至ったお考えを個別にお伺いしたいと思います。関係者との役割分担で、パブコメ対応後の資料だと48ページ、8.1.2「都道府県」のところです。役割分担の書きぶりとしては、多くは「期待される」とか、「求めていきます」というような表現にまとめていただいていますが、8.1.2「都道府県」の2段落目ですが、修正前ですと、自家用水道の設置者等の取り組みを「期待されます」という表現であったところを、「役割を強く求めていきます」と修正されています。ここのところに「強く」という言葉も入れてあるのです。これについては、都道府県は基本的には人材等の問題もあり、温度差があって、パブコメでもいろいろな意見が寄せられたのかと思いますけれども、どのような考えで、このような表現に直されたのでしょうか。

○ 日置課長補佐
48ページの11行目でございますけれども、そういう温度差を統一するために、強く求めていくことで一定のレベルを確保したいということで修正をしているというものでございます。

○ 木暮構成員
わかりました。

○ 滝沢座長
ほかにご意見ございますでしょうか。長岡さん。

○ 長岡構成員
細かい点なのですが、16ページです。先ほど水源のところで詳しくご説明いただいた、水源として工業用水とか下水処理水もあるよということなのですが、私の考えでは、下水処理水そのものが水道水源となるというのは日本ではちょっと考えられないと思っています。ですので、ここに殊さら書くのはどうかなという気が私はします。それから、工業用水にしても、もちろんあり得るのですが、工業用水と水道の、ある意味、二重システムになるのをどうするか、水道と工業用水で考えていく、そういうことは重要だと思うのですが、工業用水を殊さら水道水源として位置づけるということをここで書くのは、私としてはちょっと違和感があります。

○ 滝沢座長
ご意見があったのだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○ 日置課長補佐
この点に関しては、安全の確保という中に書いておりますが、さまざまな事態でどんな水を使うかというところ、今後の水供給のあり方にもいろいろとかかわってくる問題かと思っておりまして、例えば渇水とか、従来の水道が使えなくなった状態のときに、このような水源を代替として使う場合にどうかというような観点もございますものですから、あえてこういう形で明記したということでございます。

○ 滝沢座長
いかがでしょう。

○ 長岡構成員
雑用水とか、そういうものならあるとは思うのですが、水道水源としてはどうかなという意見です。まあ、わかりました。

○ 滝沢座長
今、ご説明されたような非常時に使うというイメージですかね。通常原水になるという。

○ 日置課長補佐
通常、こういう水を常時というわけではないのですけれども、今後の非常時、渇水も含めて、そういうときの水源というようなイメージもあろうかということで、このような形で書いたところでございます。

○ 滝沢座長
16ページの今のところの「水道水の原水として」という前に、「渇水などの非常時には」と一言入れると、よりすっきりしますか。

○ 日置課長補佐
そういう形で修正します。

○ 滝沢座長
長岡先生、いかがでしょうか。

○ 長岡構成員
まあ、はい。

○ 滝沢座長
ほかにご意見、お気づきの点ございますでしょうか。

○ 長岡構成員
続けてよろしいですか。これも、私の勘違いかもしれないのですが、6章「方策の推進要素」で、「挑戦」と「連携」というのがあるのですが、「連携」のところで住民との連携が全くないのは何でかなという気がしました。7章では住民との連携というのがいろいろな項目で書かれているのですけれども、ここでないのが、私の勘違いかもしれませんが、理由を教えてほしい。
あと、25ページ、これも細かいことなのですが、後にも出てきますが、図があって、環境対策が(?)と(?)となっています。(?)とか(?)というのはちょっとわかりにくいので、もう少し一目でわかるような書き方のほうがいいのではないかなと。片方がCO2とかで、片方が水源だったと思うのですけれども、そのように一目でわかるような形にして、(?)とか(?)と使わないほうがいいかなという気がしました。

○ 滝沢座長
2点ご指摘ですけれども、最初、23ページはいかがですか。住民との連携が書かれていないという。

○ 日置課長補佐
こちらに関しましては、確かに関係者の中に住民というのはこのビジョンの中でも位置づけは大きなものがございますので、住民というニュアンスを含めた形に修正をさせていただきたいと思います。

○ 滝沢座長
「それぞれの主体が」の中に少し込めたつもりだったかもしれないですね。少しご検討ください。「住民」という言葉が入ったほうがいいというご意見です。
それから、25ページですが、環境(?)、環境(?)と書いてありますけれども、これが具体的に何を示すのか、ちょっとよくわからないので、温暖化対策なのか、何か具体的なことを書いたほうがいいのではないかというご意見だったと思います。どこかで環境(?)、環境(?)というのを使われているのですよね。31ページ、環境(?)がエネルギー・資源関係ですね。環境(?)が水源・環境保全ですね。括弧の中にこのような書き方をすることも可能ですか。

○ 日置課長補佐
もちろん、それは可能でございます。

○ 滝沢座長
では、(?)、(?)を具体的に書くということでお願いします。ありがとうございます。
ほかにお気づきの点ございますか。吉岡さん。

○ 吉岡構成員
25ページ以降の第7章に関係するところですが、重点的な実現方策というところで、それぞれの取り組み方針を、「○○を」で、わざととめていると思うのですが、その理由を教えていただきたいと思います。

○ 日置課長補佐
できるだけわかりやすく、印象に残るような書き方ということで、あえてこのような書き方をさせていただいたというところでございます。

○ 吉岡構成員
印象に残るというところを……。

○ 日置課長補佐
みて、パッと頭に……。

○ 吉岡構成員
わかりました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかにご意見ございますでしょうか。どうぞ。

○ 岡部構成員
最後のほうのページでいいますと49ページですが、項目としては「関係者の役割分担」についてです。いわゆるステークホルダーといわれている関係なのですが、首長とか議会とかが重要な関係だという話がたしかあったと思うのです。この中で水道事業体の中に入っているのかもしれませんが、どこかに含まれているのか、あえて抜いているのかご説明いただきたい。
あと、細かい話ですけれども、一番最後の52ページの8.8「住民」のところで、3リットルを3日分というのは、たしか6リットルから訂正ということでパブコメにもありましたが、単なる間違いなのか、何か思いがあって書いたのか、このあたりが東日本大震災を受けてもやはり3リッターでいいと判断されたのかもしもわかりましたら、教えていただきたいと思います。

○ 滝沢座長
2点です。お願いします。49ページから。

○ 日置課長補佐
49ページの首長の話に関しましては、殊さらトーンを下げるというわけではなく、首長も含めた意思決定が重要だというようなことを書いているつもりでございますけれども、もうちょっと具体的におっしゃっていただければ、答え方もできるかと思いますが、首長のところの話をもう一度お願いできますでしょうか。もう一度ご質問、最初の……。

○ 岡部構成員
住民と同じように、これから水道事業をやっていくのに、やはり首長さん、また議会、議員さんの人たちに理解が必要だと考えているのですけれども、そういった位置づけでの表現が必要ないのかなということです。

○ 日置課長補佐
そちらに関しましては、7章で人材の育成ですとか料金の話、そういったところで首長との関係をいろいろ書いているところもございまして、そういう中で、8の中で足りないというところがあるかもしれませんが、7のところで基本的に書いているという整理でまとめたところでございます。

○ 滝沢座長
例えば7のどの辺になりますか。

○ 日置課長補佐
7で申し上げますと……ちょっと探します。8でもいろいろな形で対応はいたします。

○ 滝沢座長
今、岡部構成員のご指摘の点ですが、49ページのところではあるのですが、首長さん、いわゆる市町村長さんのことですと、48ページの下の「市町村」という欄もございますね。それから、49ページに行きますと「水道事業者・水道用水供給事業者」ですから、こちらは管理者ということになるのでしょうか。その辺、両方とももう少し具体的な記述があったほうがいいというご意見ですか。

○ 岡部構成員
はい。

○ 滝沢座長
どうぞ。

○ 浅見構成員
今のに関連しまして、特に8.1.3と8.2の首長さん、もしくは事業管理者の役割として、経営なり、アセットマネジメントなり、全体のバランスをとって事業をしっかりと推進するというところの責務が一番重要な部分だと思いますので、そこの自覚をもってチェックして、改善を進めるというようなものがもう少し読み取れるといいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○ 滝沢座長
経営感覚ということで、どちらかというと8.2のほうですかね。今のアセットとか、経営とか。

○ 浅見構成員
実際には8.2かもしれないのですけれども、仕組み上は首長さんが最大の責任者ということになりますので、そこの経営という点からいきますと、8.1.3の後ろのほうも十分な連携をとって事業の内容を把握し、一般的な市の業務とともにといいますか、それ以上に水道事業の持続性についても注意を払っていただきたいというようなことかと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。いかがでしょうか。48ページ、49ページ、市町村長、首長の役割を明記するということと、水道事業管理者の役割、責務を明記するというようなこと、一言ずつ出てきましたけれども。

○ 日置課長補佐
対応させていただきます。

○ 熊谷室長
基本的な認識として、市町村長さんの役割というのは、あくまでも地方公共団体のトップであって、いわゆる市町村の中の1部局としての首長さんと対峙構造でとらえるというのは、ちょっと違うのではないかなというところがあります。組織運営の中身や地方公共団体の運営そのものの問題というよりは、組織全体のマネジメントであったり、組織体全体としてどういう形で外と対峙するかという範囲内で、いただいたような意見の範囲内で修正の仕方を考えさせていただければと思います。1つの組織の中で、実業部隊と例えば社長さんの意見調整をきちんとやるべきみたいな話というのは、ビジョンとしてはかなり違和感のある書き方ではないかと思います。地方公務員と、いわゆる政治の部類、選挙を経てこられるようなところのいろいろな問題があることは、運用部分で全くないわけではないでしょうけれども、それを特出しして書くかどうかということについては、少し検討させていただければと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。「市町村は」という中に、当然、そのトップである市町村長も含むという考え方ですね。

○ 熊谷室長
そうです。水道事業者の中に含まれる概念で、そのトップの意思決定権者という範囲内で考えさせていただければと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
では、順番にお願いします。吉岡さんから。

○ 吉岡構成員
今の8.1.3「市町村」と、その次の8.2「水道事業者・水道用水供給事業者」の書きぶりの問題ですが、私も熊谷室長の意見に全く同感です。今までの議論の中では、首長に正しい意見が伝わっていないと言ったような、組織の中で起きている個別の問題点が取り上げられてきました。だからと言って、これに対応するような具体的な役割を付すような事は賛成できません。そもそも地方自治法では、首長の役割はその当該自治体を統括することと規定されています。そういう規定を越えて個別事業の中で具体的な役割をビジョンで示すのには違和感を覚えます。

○ 滝沢座長
佐藤構成員、お願いします。

○ 佐藤構成員
私も同じく、「関係者の役割分担」で、首長もしくは議会の話が出ておりますけれども、もう1つの観点、すなわちチェック機能としての監査機能、水道事業に対する監査の充実強化という観点から、ここに追加整理ができないかと思っています。現状、監査委員監査、あるいは外部監査制度の導入などが行われておりますけれども、こうしたことが不特定多数の住民の立場から水道事業の経営を監視するという観点からは、利害関係者として重要な役割をもっているのではなかろうかと思います。そういった点からの視点をここで織り込めないだろうかということで、提案、意見としてお伝えしておきます。

○ 滝沢座長
少し具体的にご指摘いただけると、多分、事務局としては修正も考えやすいと思うのですが、もう少し具体的に、例えばここのところをこうというようなご意見としてお伺いできますか。

○ 構成員
もし入れるとすれば、48ページ前後に新たに監査と切り出す方法が1つ考えられます。それとともに、具体的には48ページ、8.1.3「市町村」という項目がありますので、水道事業の経営体における監査の問題なので、文章化して、ここの位置にチェック体制の強化というような形を織り込んではどうかと考えております。

○ 滝沢座長
いかがでしょうか。

○ 熊谷室長
基本的に地方公営企業法適用、上水道事業に限りますけれども、やられているものの本来的なチェック機能というのは、私は議会だと思っていますし、監査とかなんとかという部分について、例えばもうちょっと積極的に住民に対して開示すべきとか、そういうものは、どちらかというと監査機能というよりは、水道事業者側の事業状況の開示の積極性を求めるというほうが、私はより積極的な書き方ではないかと思います。本来的にチェックするべきところがきちんとチェックしていれば、複雑に監査機構やチェック機能を二重化、三重化する必要もないわけで、いわれているような、例えば今やられているいろいろな水道事業の情報開示も含めて、そこについての消極性や弱さというところは、まさにご指摘のとおりだと思いますので、先ほどの首長問題と実務者の関係であるとかと同じように、本来もつべき機能との関係を考えさせていただいて、記述を工夫させていただければと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかにご指摘の点、お気づきの点ございますでしょうか。
1日3リットルのところ、ご回答を忘れているかもしれません。

○ 日置課長補佐
3リットルのところ、当初2リットルと書いたりしていたのですけれども、今後の検討でいろいろと適切な数字が出てくるのではないかということで、こちらはこれまでの厚労省が出したマニュアルの中の1日3リットル、3日分ということで例示をさせていただいているということでございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかにお気づきの点ございますか。

○ 熊谷室長
今の点、1点だけ。この辺の最低限の水量をどのように考えるかというのは、いろいろな地震対応やそういった中でなされてきたところで、反省もあり、どうするべきかというので非常に困っている部分です。具体的には、例えばそのように計画を立てても、給水車が回れば、やはりもっと量が欲しいというのが現実で、もともと立てた計画に無理があるというような判断で計画を変えられている事業体もありますし、ぎりぎりのところで、このぐらいの数字で運用せざるを得ないというところで考えられているところもあろうかと思います。緊急時の対応の具体的な数字については、今後いろいろ検討しながら、最終的な相場観の数字を考えていくというようなことが、今後、ビジョンを受けて考えていかなければならない内容ではないかなという問題意識でおります。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。ここでは最低限飲用に必要な量を蓄えてくださいというメッセージが重要で、例えばとして、1日3リットルという例を挙げているということですね。
ほかにお気づきの点ございますか。平田さん、どうぞ。

○ 平田構成員
今のお話に関連してですが、飲用の部分で、最低限の飲用に必要な量ということで明記されているのですが、これはあくまでも飲用であって、震災で一番大変だったのは生活用水だったということもこちらで議論されてきましたので、飲用に必要な量と生活に必要な備蓄の仕方ですとか、そういったところも少し明記されたほうがいいのではないかなと思います。

○ 滝沢座長
いかがでしょうか。

○ 日置課長補佐
生活用水となりますと、かなりの量になるかと思いまして、そこまでを住民の責務として確保するのはというところもあって、生活用水等を災害時にやるという役割については、水道事業者のほうに書かせていただいて、給水に住民も連携して対応するというような構造でまとめたところでございまして、もちろん生活用水の確保というのは非常に重要ということでこのビジョンの中にも位置づけておりますが、そういう考えで特に住民の役割としてはあえて明記していないというところでございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかにご意見ございますでしょうか。永井さん、どうぞ。

○ 永井構成員
パブコメだとか、そういうことではなくて、前回あたりにお話ししておけばよかったと思うのですけれども、44ページに「多様な手法による水供給」という項目がございまして、次の45ページ目には、水道法に定める「水道」以外の手法による水の供給という項目がございます。これはまだ検討と入っていますから、それで意見をいうのはどうかなと思ったのですけれども、例えば水道法3条に水道の定義がある。一方では、水道法によらない水の供給で、なおかつ水質基準については水道法で定める基準をクリアしなければだめですよということですから、その意味では、例えば市町村からすれば、監督官庁はどこなのだろうということだとか、水道法の適用を受けない水道にしたら、一部水道法の適用を受けているということで、いろいろな水の供給のあり方が考えられるとしても、この辺の明確な考え方があればお聞かせ願いたい。
特に集落とか、そうしたところですから、コストの面その他を含めれば、こういった考え方もやむを得ないのかと思いますけれども、実際に市町村の立場になった場合、いろいろ考えるに当たって、もう少し踏み込んだ記述といいますか、やむを得ないというより、どうしても積極的に進めるとまではいいませんけれども、一定の物差しみたいなものがあって、そうすると市町村としてはこの手法をとろうかということも考えられると思いますので、この辺をどのように受けとめたらいいのだろうかということで、率直な疑問として申し上げておきたいと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。44ページ、45ページ、「多様な手法による水供給」でございますけれども、いかがでしょうか。もう少し具体的な記述があると、市町村としてはどういう場合にこういった方法を考えるのか判断がしやすいというご意見ですけれども、いかがでしょうか。

○ 熊谷室長
まさにご指摘いただいたところで、私どもの熟度が足りないことがこういうことになっていて、そこの部分については大変申しわけないと思います。今後の社会構造の変化だとか、末端のところの集落状況などを考えますと、なかなか今までどおりの水道で水供給サービスを継続するというのは、かなり難しくなっていること自体は確かだと思いますし、共通の認識ではないかと思います。ここで記述していますのは、今後、住民サービスとしてみたときに、具体的な手法を縛るのではなくて、まさに検討しながら、どのようなシステムがあり得るのかということを今後考えていきたい。まさにそのくらいの熟度しか私どもがまだもっていない。こういう部分について、正直なところ、研究開発をやっているわけでもないですし、そういうものを今後、経済的、技術的に見合うようなものがあるかどうかも含めて、そういう道を探っていきたいというところの方針決定の部分だと理解していただけると大変ありがたいと思います。今年度の委託調査の中でも、若干そういうものを始めているわけですけれども、具体的な経済性や技術性の評価ができましたら、何らかガイドラインなりマニュアルなり、そういう形で具体に市町村に提示していきたいと思います。若干お時間をいただければというのが事務局の考えでございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。多様な手法による水供給は考えられますというような結びになっています。
どうぞ。

○ 浅見構成員
シンポジウムでもちょっとご質問があったので、ここの記述なのですけれども、これは現行の水道法に定める水道という記述という意味でしょうか。それとも、今後とも、今の法律のままで適用の例がふえていくというか、バリエーションをつけようというような感じか、そのあたりぐらいはもう少しわかるかなと思うのですが。

○ 熊谷室長
当面は水道の定義をいじるということは考えていないので、今の導管その他、施設の総体という定義の中で読み切れないものも含めて、技術的や経済的な評価をやっていて、例えば実現段階に至ったときにどういう置き場に置けば最も推進ができるかという意味で、その時点で検討することになろうかと思います。まだ具体的なものがない中で、水道法でいっています水道の定義そのものを議論するというのは時期尚早かなという感想でおります。

○ 浅見構成員
それはガイドライン等が出た後で、ここに出てくるような選択肢については認められるというような感じでよろしいのでしょうか。

○ 熊谷室長
そういうものを水道法の範囲内でやるかどうかも含めて考えることではないかと思います。一般的な行政の中でも、水道事業、水道行政、衛生行政みたいな言葉が現場で使われていて、運用されているのはよくご存じだと思うのですけれども、いわゆる水供給サービスというのは、例えばそれにプラス食品管理の、食品衛生法などのボトル水のコントロールだとか、そういったものまで含めて、どういうところでどのように管理していけばいいかというのは、具体のものをみて置き場所を考えていくという検討のステップになろうかと思っています。

○ 滝沢座長
ほかにご意見。服部さん、どうぞ。

○ 服部構成員
パブコメをみていますと、水資源と広域化というようなことで、都道府県の役割についてのコメントが大分出ているものと思います。例えば48ページの都道府県の役割について、?で「広域的な事業間調整機能」、?で「流域単位の連携推進機能」というのが書かれていまして、この辺のところをフォローするような形で文章が述べられているとは思いますけれども、この先を考えるときに、例えばパブコメで指摘されているような水道行政を担う都道府県に対して、その作成を強制的に行わせる必要があるだとか、都道府県の水道行政担当者の育成、能力アップについて、ますます今後求められますみたいな話がパブコメの中に出ています。先を読んだときに、具体的に今、既につくられている水道ビジョン、あるいはつくっていない都道府県の水道ビジョン、つくっている県については、改めてこの新水道ビジョンに基づいてつくり直してください、あるいはつくっていないところについては、この新水道ビジョンに基づいて、ここにある役割を考えながら初めからつくってくださいというような形で進んでいくものなのかどうかということについてお伺いしたいと思います。

○ 熊谷室長
都道府県の役割については、水道事業そのものが市町村の実業としてなされている中、住民との距離感を考えますと、まさに広域行政を担われている都道府県に期待する部分は大きいと思っておりますし、そこをここの部分に記述した内容になっているかと思います。まさに育成の部分であるとか役割の部分、旧の水道ビジョンで求めてきた都道府県の水道ビジョンについても、策定の状況は正直芳しくない状況で、私ども実務的にいろいろ接触しますと、新水道ビジョンができてから都道府県で考えたいとおっしゃるところもたくさんあって、そういう意味では、新たな仕切り直しをした中で、役割を明確化しましたので、こういうものを背景に、より積極的な対応に出ていただければという期待をしているところです。ただし、もともとこういうビジョンというものは共通概念であったり、何か法律で強制するようなものでもありませんので、問題意識を都道府県なり、国なり、各事業をやっていらっしゃる市町村なりで共通化していきながら、こういうものをつくっていくように、まさに行政として努力していきたいと考えております。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
今まで出ましたご意見以外に、何かお気づきの点ございますか。吉岡さん。

○ 吉岡構成員
これまでの議論の経過を踏まえてということですが、49ページの8.2「水道事業者・水道用水供給事業者」の役割のところです。今、熊谷室長のお話の中で、ビジョンとは強制するものではないということで発言がありました。確かにそのとおりですが、私はこの新水道ビジョンの言葉の使い方においてはもっと強い言葉にした方が良いと思っています。例えば「期待します」という表現です。これまでの議論でも特に中小水道事業者が抱える問題点が多く指摘されてきました。それらの問題に対応するためには、もはや猶予はないと実感しています。「期待する」ではなく、「必要だ」と言い切ってしまってもいいと思いますが、いかがでしょうか。

○ 滝沢座長
49ページのところですね。いかがでしょうか。

○ 熊谷室長
まさに皆様方がそこまではっきり言い切るべきとおっしゃっていただければ、そういう文末表現として、最後、整理をさせていただければと思います。

○ 滝沢座長
このようなご意見ですが、いかがでしょうか。

○ 佐藤構成員
今のように、ぜひ積極的に書き込みをお願いしたいと思います。特に今回の新ビジョンの中の柱の1つに、広域化の推進というような方向性が示されていると思います。これまでそれぞれの水道事業者に対する期待というか、自主性に任せていた一方で、だからこそ、なかなか進まなかったという事実もあるのではなかろうかと思います。そうしたことを考えると、全体としてこのビジョンの表現は、しっかりと言い切るような形で全体的にも見直していただきたいということをお願いとしてコメントしておきます。

○ 滝沢座長
ご検討をお願いいたします。
ほかにご意見いかがでしょうか。岡部さん、どうぞ。

○ 岡部構成員
書き方というか、目次ですけれども、最終目次がこんな感じと考えていいのでしょうか。

○ 日置課長補佐
これが仕上がりのイメージでございます。

○ 岡部構成員
今回のものが、事業環境にしても、「外部環境の変化」「内部環境の変化」とか、7章ですと「関係者の内部方策」とか「関係者間の連携方策」と、目次をみても、どこに何が書いてあるか非常にわかりにくいような感じがします。これは第2段階までの目次で、第3、7.1.1と、もう1段示すとたくさんになってしまうというのはわかるのですけれども、もう少しわかりやすくできないでしょうか。目次をみても自分がみたいところがわかりにくいので、工夫のしようがあれば工夫をお願いしたいと思います。かなり中を読み込んでいる方でないと、パッとみられないような気がします。例えば住民とのことについてどこに書いてあるのかといったときに、一番下の「関係者の役割分担」のところに書いてあるのですが、実際の中身的には関係者間の連携とか、その辺に一番重要なところが書いてあったりとか、何かちょっと工夫ができないかなという意見です。

○ 滝沢座長
何かキーワード、例えば住民との連携というキーワードがあったら、それがどこに書いてあるかがパッとみえるような形が好ましいというようなことですか。

○ 岡部構成員
そうですね。私が感じたのは、初めてこの目次をみた人はわかりにくいというイメージがあります。

○ 滝沢座長
外部環境、内部環境とか、関係者の内部、外部というようなことで、直接水道に使われる言葉ではない言葉が目次に上がってしまっているわけですけれども、何か具体的にこうしていただければわかりやすくなるとか、そのようなアイデアはございますでしょうか。

○ 岡部構成員
3章などですと、少し文章化されていますけれども、こんなことが書いてあるのだろうなとわかりやすいのですが、4章以下はわかりにくいので、どうにかならないかなと。

○ 熊谷室長
最終的に文章的にでき上がりましたら、表題も含めて、いわれるような、内容がわかりやすい表題に、括弧づけや副題みたいな形で、できるところで工夫をしてみたいと思います。

○ 滝沢座長
少しご検討ください。ありがとうございます。
木暮さん、どうぞ。

○ 木暮構成員
今の事に関連してなのですが、一般的な索引ですと短いワードになってしまうのですが、今、座長が言われたようなキーワード的なものでの索引とか、こういうものがどこに書いてあるとか、そういうものを巻末がいいのか、目次の後ろがいいかは考えていただき設けていただければと思います。例えば住民の連携というのも、いろいろな視点があり何カ所かに記載されていますが、何ページに書いてあるかわかるようなそんなキーワードでの索引みたいなものをご検討してみてもいいのかなと、今、話を聞いていて感じました。

○ 滝沢座長
わかりやすくということですが、いかがでしょう。

○ 日置課長補佐
先ほど室長が申し上げた点も含めて、みえやすい、アクセスしやすいような工夫をしてみたいと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。より多くの方が、水道の専門で長く携わっていない方でもなじみやすい、わかりやすいというのがもう1つ重要な点ですので、ご検討ください。
ほかにご意見ございますでしょうか。長岡先生。

○ 長岡構成員
8章のところなのですが、46ページです。何となく、ふだんの論文をみる癖で、図表が重要だなと思って図表をみているのですが、図—8の関係者の役割分担、確かにこのとおりなのかもしれないのですが、多分、強弱というか、アクセントがあるのかなという気がするのです。例えば先ほどの都道府県とか、行政機関のことは随分出たし、住民とか、もちろん事業者もそうですし、かなり強調するようなところと、一段下がるといってはあれですけれども、ちょっと濃淡があるのではないかなと。そういうものを明確に示したほうが一目でわかりやすいのではないか。今みると、全部が並列的過ぎて、余りアクセントがないような気がするのですけれども、いかがですか。

○ 滝沢座長
図—8の図のことですね。例えばこの図、どのように変えたらもう少しわかりやすくなりますか。

○ 長岡構成員
強調する4つとかがあって、もうちょっと離れたところに、全体を支えるようなもう少しサブ的なところはちょっと遠くするとか、そういうほうがわかりやすいのではないかと。

○ 滝沢座長
図ですので、余り複雑になってしまうとかえってわかりにくくなりますけれども、いかがでしょうか。

○ 熊谷室長
パブコメの意見内容をみていただくとおり、各者各様で、今おっしゃっていること自体には全く異論はないのですけれども、強調したい部分が本当に共通的にうまく拾い出せるかというところが多分一番難しいところではないかと思います。最終的なでき上がりのところで少し工夫をするというぐらいで考えさせていただければと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかにお気づきの点ございますでしょうか。いかがでしょうか。本日、最終回になりますので、構成員の皆様、お一言ずつ……。

○ 長岡構成員
最後、図—1なのですが、基本理念は「地域とともに」云々で、その下に「トップランナーのバトンを未来へつなぎ」というのがあって、ちょっと小さくなっているので、これは基本理念ではないのかなと思うのですが、何となく旧水道ビジョンとつなぐためには非常に重要なキーワード、言葉のような気がするのですが、これは今後も生かしていくのでしょうか。これがあって、何となく全体の流れがよくなったなという気がするのですが。

○ 滝沢座長
旧ビジョンといいますか、現行ビジョンから新ビジョンへのつなぎの言葉が重要ではないかというご指摘ですが、この図全体のイメージからして、この言葉の取り扱いについて何か事務局からご発言いただけますか。

○ 日置課長補佐
おっしゃられたとおりの趣旨で、この言葉を書いたところでありまして、今のところ、バトンをつなぐというところを切り出して使うというようなことは考えてはおりませんでしたが、基本理念「地域とともに、信頼を未来につなぐ日本の水道」というものとセットで使うようなことでいろいろと今後、工夫していきたいと考えます。

○ 滝沢座長
シンポジウムのときもこの考え方を説明する中で、「世界のトップランナーのバトンを未来へつなぎ、水道を次の世代に継承」というようなことで説明させていただきました。基本理念を補うものとして、ビジョンの説明などでこういった考え方を使っていただく機会がこれからいろいろあるのではないかなという気がいたしております。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○ 浅見構成員
パブコメの概要の3—8のご意見にあわせてのところなのですけれども、水道水源特別措置法、水道水源事業保全法の適用徹底など、汚染源対応の重要性について強調してほしいということだったのですが、これをどのように修正されたかを教えていただきたいのです。12ページと書いてあるのですが、12ページでうまくみつけられないのですが。

○ 日置課長補佐
12ページというのは、パブコメ案として出した12ページでありまして、今回出したところとは図表が差し込まれていたりして若干ずれておりまして、場所的には、今、確認いたします。10ページの30行目、4.1.3「水源の汚染」というところでありまして、33行目、「様々なリスクを想定した」というところで対応させていただければと考えているところでございます。

○ 浅見構成員
ありがとうございます。ただ、今回の水道水源特別措置法と事業保全法に関しましては、ここにあるものへの対応がかなり難しいので、ご質問の意図と、ここに書かれている水源の汚染への対応というのが合っているのかどうか、若干不安があります。汚染源の対応につきましては、水源2法の運用徹底だけではなく、ほかにもいろいろな手段があると思いますので、そういうことのほうがむしろページ10に書いてあると思うのですけれども、もしこのご質問者の指摘がもうちょっと別のことであれば、もう一度ご確認いただければと思います。

○ 日置課長補佐
わかりました。

○ 滝沢座長
よろしくお願いします。
どうぞ、佐藤さん。

○ 佐藤構成員
では、記載内容の質問です。ビジョン(案)の41ページになります。?の「料金格差の是正」の下の修正の部分ですが、「全国平均と最高の水道事業で約2倍の格差があります」ということで、ここで内々価格差の問題を切り出している。私はこの問題は非常に重要だと思っているのです。ここで質問ですが、パブリックコメントの前は、最高と最低の水道事業で約10倍の格差というような記載であったかと思います。それが今回、全国平均と最高の水道事業で約2倍という形で修正されていて、この表記だと、水道料金をめぐる内々価格差の問題を矮小化している表記に変わっているのではないかと思います。もし内々価格差問題を重要な問題と認識しているのであれば、以前の記載のほうがよかったのではないかと思い、この点についての見解を質問いたします。

○ 熊谷室長
最低、最高の表現自体は事実としては正しいのですけれども、むしろ国内の水道料金の価格差問題に対して大きな誤解を与える可能性があるのではないかということで、一部修正をさせていただきました。多分、水道料金の価格差の問題は、高いところをどうするかという問題であって、極端に安いところをどうするかという問題ではないと思います。8倍とか10倍という価格差を考えたときに、普通に表現すれば、平均はちょうど真ん中にあって、それより5分の1ぐらいの料金から5倍ぐらいまでの料金というように、真ん中あたりに数字があると認識するのが一般的な読み方ではないかと思います。実際の水道料金の格差問題というのは、地理的、地形的に、水源問題等々で有利な地域で、非常に安い料金でできているというところと、かなり後発開発の地の土地開発によって料金が高くなっている部分ということで、安いところを特に問題視する問題ではないという認識で、平均よりも高いところはどのくらいの位置にあるのか、それをどのように考えていくかという意味で、今回のような記述にさせていただきました。

○ 滝沢座長
よろしいですか。
ほかにご意見いかがでしょうか。全体を通してでも結構でございますけれども、何かご意見あれば、最後の機会ですので、お伺いしておきたいと思います。どうぞ、永井さん。

○ 永井構成員
27ページ目の下段に、水道事業管理者と技術管理者の適切配置という記述がございます。28ページにかけて書いているのですけれども、このような表現にならざるを得ないのかどうか考えたのですが、ちょっと遠回し的な表現ではないかなと。ビジョンが強制力をもたないというところですから、反面、やむを得ないのかなと思っていますけれども、この間、私のいろいろな経験を踏まえれば、今こそ、それこそ能力だとか経験だとか、事業に精通した人がこういうところに座ってもらわなければ、このビジョンの受けとめ方だって変わると考えますから、そんな意味で、赤字で「水道事業管理者や水道技術管理者の重要な責務に応じた」ということで、この責務にかんがみ、経験と能力を有する人材の配置がぜひ必要だと思いますので、修正までは求めないとしながら、もうちょっと厳しいといいますか、もう少し直接的な表現の仕方があってもよいのではないかなという気がしますから、この辺、質問させていただきます。

○ 滝沢座長
具体的に、27ページの一番下の四角囲いのところを修正してはというご提案ですか。それから、28ページに行きますと、一番最初の段落の下から3行目に「水道事業管理者や水道技術管理者の重要な責務に応じた経験と能力を有する」というようなことが書かれておりますけれども……。

○ 永井構成員
後半のほうです。

○ 滝沢座長
いかがでしょうか。

○ 日置課長補佐
ご指摘のニュアンスを若干強められるような検討を事務局で考えさせていただきたいと思います。

○ 滝沢座長
それでは、若干、予定時間よりも早いようですが……どうぞ。

○ 尾?構成員
今までお話をうかがっていますと、この委員会で皆さんが議論した内容は、こうした文書になると、十分には書き尽くせないということなのかと思うのです。平成20年の改訂に際しても、委員長あるいは座長、水道課長が、議論されてきた委員の思いを伝え、内容をフォローするような冊子を公表したように思います。このような形で、改訂の思いをより多くの方々に伝えてはいかがでしょうか。

○ 滝沢座長
私もその「座長とか」という中に入っていましたので、私自身は異議ございませんけれども、事務局はいかがお考えでしょうか。

○ 日置課長補佐
ビジョンに書き切れなかったことをもっと違う形で皆様方にわかっていただけるような資料なり解説した書き物について、検討させていただきたいと思います。

○ 滝沢座長
ご指摘ありがとうございます。
今まで13回にわたりまして皆様と議論してきたわけですけれども、水道事業というのは世の中の隅々まで行き渡っていて、さまざまな方が水道事業に関与しています。いろいろな重要な点がございますが、それをすべてビジョンの中に書いてしまうと、逆にビジョン自体が、方針がみえにくくなってしまったり、読みにくくなってしまったりということがございます。今、尾?さんがご指摘のとおり、ここでたくさんの議論をさせていただきましたけれども、それらをすべて小さな冊子の中に盛り込むことは残念ながらできません。そういう意味では、その中でも特に重要だと思う点を抽出しながらビジョン(案)を作成してきたわけですけれども、そこに書かれていなかった、あるいは残念ながら書くことができなかったことが重要ではないということではないということでございますので、ぜひともいろいろな機会を通じて、ここで議論したさまざまな点を皆様に伝えていくといったことをこれから進めてまいりたいと思います。ご指摘ありがとうございます。
それでは、最後になりましたが、構成員の皆様からもしご発言がございましたら、いかがでしょうか。
少しお時間がございますので、もしよろしければ、最後に構成員の皆様方から短く一言ずつご発言をいただければと思いますが、よろしいでしょうか。大変恐縮ですけれども、吉岡さんから一言ずつご発言いただければと思います。

○ 吉岡構成員
これまでの13回の検討会の議論を通じて、水道事業がこれからどのような環境に置かれていくのかという事を、この新水道ビジョンの中で十分に書きあらわすことができたのではないかなと思っています。今までは右肩上がりだったわけですが、これから縮小していく中でどのようにしていくべきなのか、まさに水道事業体のパラダイムシフトのきっかけになるビジョンになったのではないかなと思っています。今後は新水道ビジョンをしっかり受けて、水道界全体であるべき姿を達成していくための具体的な取り組み、執行のあり方という事が重要になってくると思います。ぜひそういうところまで踏まえて取り組みを続けてほしいと思いますし、自分自身も現場で、安全で強靭そして持続する水道の構築に挑戦していきたいと思います。これまで本当にありがとうございました。

○ 平田構成員
今回、私は専門家の皆様の中で1人だけ、市民の代表という形で参加させていただきました。わからないことばかりで、的外れな質問をしてしまったかと思うのですが、滝沢座長を始め皆様、構成員の方が、私が発言しやすいようにアシストしてくださって、応援してくださったので、最後まで務めることができました。本当にどうもありがとうございました。
私は横浜市水道局の水のマイスターという市民活動がきっかけで今回、このような検討会に参加させていただいたのですが、これからはこの検討会の経験を水のマイスターとして伝えていくという活動をしていきたいと思います。本当にどうもありがとうございました。

○ 服部構成員
13回の議論に参加させていただきまして、本当にありがとうございました。個人的には大変成長させていただいたと思っています。吉岡さんがパラダイムシフトという言葉を使われていますけれども、まさにこういう大きく変わる時代、特に人口が減るとか、何百年に一度の広域的な大災害に遭ったみたいな話の中で、経験則が役に立たない、あるいは今までの施策を抜きにして、新しいことをやらなければいけないというようなことで、ある意味では既得権を多少なりとも侵害しながら全体益をとっていくような施策が求められるのではないかなと思います。そういう意味で、民間も改めて気を取り直して、新水道ビジョンに描かれたような絵の中で具体的な施策を打っていきたいなと思いました。まさにこれからスタートラインだなという気持ちで頑張ってみたいと思います。どうもありがとうございました。

○ 長岡構成員
先ほどちょっと申し上げた基本理念の下の短い文章、「世界のトップランナーのバトンを未来へ」というのは非常に重要だと思います。魅力ある水道事業であり続けて、若い人が水道界にどんどん入ってくる、そういう環境づくりが必要だと思います。ぜひトップランナーのバトンを未来に続けるよう、私も努力したいと思います。ありがとうございました。

○ 永井構成員
9月4日の第8回目からの会議に出席させていただいております。その意味では、前段の議論をかばっていなかったということもありまして、認識不足の点も多少あったかと思います。その意味では、事務局の方にもご迷惑をおかけしたのではなかろうかと思っています。
私の感想としましては、5年後、10年後たったときに、それぞれの事業体がさまざまな事情を抱えているという中で、あれもこれもということは一遍にできませんが、少なくともこのビジョンに沿って、自分たちの事業体において何を優先課題にして取り組んでいけばいいのだろうかということをしっかり考えていただきまして、未来永劫、蛇口からがぶ飲みできる日本の水道の文化をずっと引き継いでもらいたいなと思っています。

○ 佐藤構成員
私は特に水道の運営基盤の強化の観点から、独自資料等を持ち込んで発言もさせていただきました。その中では、例えば水道法の制度改正に絡むような提案もさせていただきましたけれども、最終的にこのビジョンに反映された部分もあれば、そうでない部分もある。まずこのビジョンにつきましては、水道関係者が当面やらなければいけない指針が出てきたということで、すべての水道関係者の教科書として使っていただきたいということが1つの私の思いです。
それとともに、例えば今回、明文化してビジョンに取り込めなかったパブリックコメント、あるいはこの検討会に付されたそれぞれの資料の中には、今後の水道界を展望するのに非常に重要な示唆がある資料がたくさんある。こうしたことも、今回、ビジョンの検討会が終わった後でも活用できるよう、資料の整理と、今後に積み残した取り組み課題や指針として活用していただきたいということを、私からの最後のコメントとしたいと思います。

○ 木暮構成員
まずは1年ちょっとですけれども、この検討会に参加させていただきまして、私自身もいい勉強になったと思って感謝しております。また、人口動態が変わる、あるいは東日本大震災以降、いろいろな危機管理対応が求められている中で、このような形で新しい水道ビジョンができました。これを4月から実行していくことになりますが、当然、冒頭でお話もありましたけれど、やはり都道府県の役割が大きいと思います。やはり都道府県と国との連携が大切になってくると思います。今までは個人的なネットワークとかをもっていらっしゃる方はそれなりに情報交換もできていましたが、なかなか十分でないところもあると思いますので、これからはそのような事に関して国にも期待いたしますので、よろしくお願いしたいと思います。

○ 浅見構成員
1年間、本当にありがとうございました。東日本大震災があり、その復興もまだ途中である中で、こうやってビジョンを整理しないといけないという状況であったと思うのですけれども、その間にも利根川のホルムアルデヒドの事故があったり、放射能の汚泥の問題がなかなか解決しなかったりというような、安全面の課題もまだまだ残っているかなと思います。今回のビジョンの中では、そういう課題に対しても積極的にこれからも取り組んでいこうということで示していただいたのは非常によかったと思っております。
 また今回、今まで私はどちらかというと安全面のほうをみていたのですけれども、経営ですとか、広域化とか、事業全体の労働力の確保とか、全体をみていかなければいけないという時代がかなり近いところに迫っているなということをひしひしと感じました。ぜひこういう感覚を皆さんで共有して、今後の課題に取り組んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○ 岡部構成員
今回は水団連として参加させていただきましたけれども、私自身も水道施設のまさに強靱化というか、耐震化とともに歩んできました。今回、このビジョンに参加させていただいて本当に勉強になりよかったと思っています。また、事務局は日水コンさんも含めて、かなりいろいろご苦労なさったと思います。
あと、50年後は生きているかどうかわかりませんけれども、この水道ビジョンをもとに、50年後、まさに強靱な日本の水道が、世界に冠たるトップランナーの技術といいながら、今のままでは、熊谷室長も危惧されていましたが、下手すると朽ちてしまう日本の水道があるというストーリーも片やあります。私の思いとしては、先ほど尾?構成員からも、行間を読むような説明資料もあったほうがいいという話もありましたけれども、もう1つ、小さな水道事業体の方、皆さんが知るためには、逆に要約したような、シンプルな冊子も必要なのかなと考えていますので、可能であれば考えていただき、それを全国の水道事業体の方に周知していただければありがたいなと思います。ありがとうございました。

○ 尾?構成員
1年間という長い期間にわたって、すばらしいディスカッションの上にでき上がったビジョンですから、これを絵に描いた餅にしないように、努力せねばならないと思います。そのためには、フォローアップが非常に重要だと認識しています。フォローアップの項目では、ロードマップを定める旨が記載されていますので、ただ今、50年後はわからないという旨の話もありましたが、我々も頑張って、ビジョンに則した水道システムにしていこうと思います。水道界は今や、たいへん元気がありますので、皆さんの力を結集すれば実現できると確信しています。日水協も一生懸命に努めて参りますので、ご協力よろしくお願いいたします。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。さまざまなご意見をちょうだいし、本日、水道ビジョン(案)、幾つか残ったご意見はございますけれども、これにつきましては、私のほうからいってよろしいでしょうか、私、座長と事務局で預からせていただいて、最終的に修正案をもちまして、皆様にご案内しながら、最終案とするというような取り扱いでよろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。
それでは、本日、予定いたしました議事はすべて終了いたしました。これをもちまして、議事進行を事務局にお返ししたいと思います。よろしくお願いいたします。

○ 日置課長補佐
本日の議事録に関しましては、皆様方にご確認いただいた上で公開するということにさせていただきます。
また、先ほど滝沢座長からもおっしゃっていただきましたけれども、本日のご意見を踏まえまして最終版を作成し、座長預かりの形ということでとりまとめをさせていただけたらと考えています。また、新水道ビジョンの公表は年度内を目標に進めていきたいと考えているところでございます。
1年間にわたり、貴重なご意見をいただきまして、まことにありがとうございました。最後に健康局長の矢島より一言あいさつをさせていただきます。

○ 矢島健康局長
 健康局長の矢島でございます。滝沢座長を初め構成員の先生方には活発なご議論、大変ありがとうございました。
昨年2月から13回にわたりまして検討会を行わせていただきました。皆さん方のご議論を踏まえて、新水道ビジョンの形ができてきたと思っております。いろいろな意味で、先生方のご意見が全部反映できなかった点もあるかと思いますけれども、本日もいろいろな意味でご意見をいただきました。極力、先生方のご意見を反映させていただいた形で、座長とも相談の上、修正をさせていただくとともに、新水道ビジョンの中に反映できなかった部分につきましては、この検討会のご議論だということでいろいろ形で関係者のところに周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
ビジョンをつくるのが仕事ではございませんので、この新水道ビジョンをいかにこれから実行していくか、達成していくかということがこれから我々に求められていると思いますし、関係者の皆様方にもご協力をいただかなければいけないと思っています。そういう意味で、これから我々も関係者と連携をしながら頑張っていきたいと思っていますので、先生方におかれましては、引き続きご支援、ご協力をいただければありがたいと思っています。水道行政の推進につきまして、これからも引き続きご指導、ご協力をお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

○ 日置課長補佐
これをもちまして、新水道ビジョン策定検討会を閉会します。1年間にわたり、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局水道課

(代 表) 03(5253)1111 内線4028
(直 通) 03(3595)2368

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