ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(科学技術部会疫学研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会・臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会) > 第2回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議 議事録(2013年3月14日)




2013年3月14日 第2回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議 議事録

医政局研究開発振興課

○日時

平成25年3月14日(木)10:00〜12:30


○場所

三田共用会議所 講堂


○出席者

【委員】

福井座長 楠岡座長代理 中村座長代理 跡見委員 磯部委員
位田委員 門脇委員 川村委員 久保委員 真田委員
新保委員 田代委員 玉腰委員 津金委員 土屋委員
直江委員 永水委員 花井委員 藤原委員 丸山委員
宮田委員 山縣委員 渡邉委員

【事務局】

森本審議官 (文部科学省研究振興局)
菱山振興企画課長 (文部科学省研究振興局)
板倉ライフサイエンス課長 (文部科学省研究振興局)
伊藤安全対策官 (文部科学省研究振興局生命倫理・安全対策室)
宮脇室長補佐 (文部科学省研究振興局生命倫理・安全対策室)
三浦技術総括審議官 (厚生労働省)
福島課長 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
尾崎研究企画官 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
吉田課長補佐 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
佐原課長 (厚生労働省医政局研究開発振興課)
高江課長補佐 (厚生労働省医政局研究開発振興課)

○議題

1 前回会議までの議論を踏まえた追加情報
2 両指針に対する各委員からの意見陳述
3 その他

○配布資料

議事次第 議事次第
座席表 座席表
委員名簿 疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議委員名簿
資料1 前回会議までの議論
資料2 国内外での研究状況について(山縣委員、津金委員作成資料)
資料3 日本疫学会、日本公衆衛生学会における倫理審査の取組(山縣委員作成資料)
資料4 個票データのアーカイブ(玉腰委員作成資料)
資料5 人文・社会科学分野における人を対象とする研究の規制と倫理(田代委員作成資料)
資料6 個人情報保護法制について(磯部委員作成資料)
資料7 臨床試験の管理に関するOECD勧告の概要
資料8 平成24年度臨床研究に関する倫理指針適合性調査総括報告書
資料9 各委員からの提出資料
参考資料1 疫学研究に関する倫理指針の見直しに関する専門委員会(第1回)議事録
参考資料2 第1回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議議事録

○議事

【宮脇室長補佐】  おはようございます。定刻となりましたので、第2回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議を開始させていただきたいと存じます。
 本日は、お忙しい中御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 本件に関しましては、文部科学省及び厚生労働省が三つの会議体を設けて回次を重ねてございますが、本日は両省庁合同によります2回目の会合ということでございまして、この合同会合に本日初めて御出席いただく委員もいらっしゃいますので、冒頭に御紹介をさせていただきたいと存じます。
 杏林大学学長の跡見裕委員でございます。
【跡見委員】  よろしくお願いします。
【宮脇室長補佐】  続きまして、慶應義塾大学大学院法務研究科准教授の磯部哲委員でございます。
【磯部委員】  どうぞよろしくお願いいたします。
【宮脇室長補佐】  続きまして、社団法人日本看護協会副会長の真田弘美委員でございます。
【真田委員】  よろしくお願いいたします。
【宮脇室長補佐】  続きまして、自治医科大学公衆衛生学教室教授の中村好一委員でございます。
【中村座長代理】  よろしくお願いいたします。
【宮脇室長補佐】  日経BP社特命編集委員の宮田満委員でございます。
【宮田委員】  宮田です。どうぞよろしくお願いします。
【宮脇室長補佐】  続きまして、浜松医科大学臨床薬理学教授の渡邉裕司委員でございます。
【渡邉委員】  渡邉です。よろしくお願いします。
【宮脇室長補佐】  どうぞよろしくお願い申し上げます。
 なお、本日は今村委員、児玉委員、後藤委員、祖父江委員、知野委員、中島委員の各位から御欠席の御連絡を頂いてございます。
 引き続きまして、配付資料の確認をさせていただきたいと存じます。まず、お手元、1枚紙で本日の議事次第でございます。続きまして、本日の座席配置表でございます。引き続きまして、資料、右肩に資料番号を付与してございますが、資料1番から9番までの資料がございます。参考資料といたしまして、これまでの議事録でございますが、2種類、参考資料1及び参考資料2がございます。それからメーンテーブルのみでございますが、紙ファイルでとじました参考資料といたしまして机上資料がございます。
 なお、前回までの本会合の資料につきましては、私の机上にございますが、事務局席に、こちらの方にございますので、必要に応じて御参照あるいはお申しつけいただけたらと存じます。
 配付資料につきましては以上でございますが、不備等ございましたら事務局の方までお願いしたいと思います。
 なお、円滑な審議のため、報道関係者の方々におきましては、撮影はここまでさせていただけたらと存じます。よろしくお願いいたします。
 事務局からの連絡事項は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【福井座長】  それでは、本日も2時間半、予定されておりますけれども、できるだけ簡潔に終わることができればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初に、お手元の資料の議事次第の議題1、前回会議までの議論を踏まえた追加情報についてでございます。前回までの議論について事務局から、そして国内外での研究状況について山縣委員と津金委員から御説明をお願いしたいと思います。
 最初に、事務局より御説明お願いいたします。
【伊藤安全対策官】  資料の1をごらんいただけますでしょうか。こちらは文部科学省及び厚生労働省が単独でそれぞれ開いた委員会、それから前回の合同委員会で出てきた議論を取りまとめたものです。
 前回、出てきた意見を中心に再整理したものについて御説明申し上げます。まず1ページですけれども、疫学指針と臨床指針の適用関係ということでございまして、前回の会議におきましては、二つ目の丸で、例えば研究と診療行為との違い、あるいは九つ目のデータバンクの構築、こういったところにつきまして御意見が出ておりました。
 また2ページ目をお開き願えますでしょうか。疫学指針と臨床指針の統合ということでございまして、疫学研究に関して、その指針を一本化した場合に厳格になり過ぎないようにしてほしい。あるいは三つ目で、もし一本化するとした場合には共通の部分を設けて観察研究と介入研究に分けるのがいいのではないか。あるいは四つ目の部分で、医科学分野における人を対象とする研究の総則的な指針にしていくのがいいのではないかといったような意見が出ております。
 また3番目の個人情報の取扱いにつきまして、対応表の管理に関する意見も出ております。
 3ページ目でございます。インフォームド・コンセントにつきまして、二つ目、インフォームド・コンセントの内容をもう少し具体的に記載すべきではないか。あるいは七つ目から八つ目にかけては、既存の検体の利用の在り方に関する意見も出ております。
 それから4ページ目ですけれども、六つ目の倫理審査委員会の関係につきまして、分担研究者の取扱い、あるいは委員に対する教育。
 八つ目の用語や表現につきまして、その章の構成をゲノム指針との関係も考慮すべきという意見とか、あるいは用語の定義の中で介入あるいは資料と試料の違い、こういった意見も出ております。
 それから5ページ目ですけれども、10番の治験制度に対応した制度の整備ということで迅速審査の在り方。
 その他といたしまして、二つ目の丸ですけれども、研究承認後の指針の遵守状況、あるいは八つ目で研究対象者と研究者の関係、最後の部分で研究情報の公開の在り方、こういったような意見が出ておりました。
 以上です。
【福井座長】  ありがとうございます。
 それでは続きまして、山縣委員より御説明をお願いできますでしょうか。
【山縣委員】  では、資料2をごらんください。国内外の疫学研究の状況ということでありますが、今回の倫理指針に関しての御報告等でありますが、前回、藤原委員から、アメリカや、それからヨーロッパにおける倫理委員会等のことについて御説明がありましたので、むしろ今回は、この疫学研究はどういうふうに今、行われているのかということについて簡単に御案内したいと思います。
 疫学研究の潮流として、下に挙げた五つぐらいのことが現在進んでいて、これがこれまでの伝統的な疫学研究と少し趣を異にしているというようなことであります。
 まず、大規模で多施設共同で、縦断、コホート研究だったり介入研究だったりというのが一つキーワードになっている研究が多くなってきて、数万人を対象としますので、当然、多施設共同になってくると、しかも長期にわたる研究、介入研究というのが行われるようになったというのが一つであります。
 それから二つ目に、疫学研究ではありますが、従来は調査票、それから既に検査されているデータを利用した研究が多かったわけですが、最近では独自に生体試料を採取して、各種の検査をその研究プロジェクトの中で測定をすると。当然その中にはゲノム遺伝子解析も含まれてくるということが二つ目にあります。
 三つ目に、出生コホート研究、これはもうヨーロッパだけでも、小さいのも入れると本当に30、40ということも超えているぐらいの研究でありますし、我が国でもかなりたくさんの出生コホート研究がございますが、いわゆる胎児期からのコホート研究で、特に胎児期の環境というのが生後の発育・発達、それから健康状態にどういう影響を与えているのかということも明らかにする研究で、いわゆるバーカー先生の言うバーカー説、DOHaDとも言いますし、もう少しモレキュラーのレベルで言えばエピジェネティクス、こういった概念に基づく研究というのが疫学研究として行われるようになりました。
 我が国では、これ世界でも今、規模、それから進捗状況ともにトップを走りつつありますが、環境省が行っていますエコチル調査、10万人の妊婦を対象とした研究といったものがこの中に含まれます。
 4番目に社会疫学研究、いわゆる社会経済的要因と健康との関係というのが注目されています。ただ、こういった研究をやる際には、非常に大規模な、数万人、数十万人を対象としたデータを必要とするということが特徴でありまして、さらに、その属性や繰り返しデータの解析のために、これまでの、いわゆるマルチバリアブルの多変量解析に加えてレベルを異にした解析、マルチレベル解析といった手法がとられるようになったということであります。
 最後に、これ世の中でよく言われているキーワードでありますが、ビッグデータの活用ということで、この中には診療録、これは非常に詳細な臨床記録、それからレセプトデータ、それから健診のデータ、それから介護のデータ、それからヒトゲノムのデータ、そういった大量データを活用して、これまで見えてこなかった事象を明らかにしようというような研究が疫学研究としても行われるようになってきております。それから更にGIS、地理情報システムを用いて、その地域における健康状態などを図示していこうというような多くのデータ、それから他の領域のデータと健康データをリンケージして行われる研究等が、解析が行われるようになったということであります。
 ここで共通していますのは、いずれも個人のデータを縦断的に追いかけていく、それから大量なデータであるということ、それから多施設で多くは行われているということが共通になってきたということであります。
 2番目に、欧米と日本の疫学研究の環境の違いということでありますが、いわゆる疾病登録、こういう制度があるかないかというのが疫学研究のアウトカム、いわゆる死亡だとかり患といったものについての精度や、それから情報入手の経費等に影響を与えているということでありまして、まず、米国におけるNDI、National Death Index、こういったものというのは氏名、性、生年月日、住所、社会保障番号などを指標とする死亡ファイルでありますが、これを記録照合によって追跡調査が容易に可能であると。このシステムを利用する場合に、利用申請書のフォーマットやそれを作成するための詳細なマニュアル等が整備されていて、申請処理期間は約2か月、多くの医学研究はこのシステムを用いて行われていて、非常に大きな成果を上げているということであります。
 2番目に、疾病登録システムですが、北米を中心に各国で疾病登録の仕組みがありまして、これを用いて疫学研究が行われていると。一方、我が国では、地域がん登録以外にはそういった疾病登録の制度がありませんので、現状では追跡していくために対象者本人の申告をもとに、これは例えば半年に1回や1年に1回の調査を行って、疾病のり患の状況を聞き、それをもとに医療機関に問い合わせて疾病の有無を判断しているという膨大な労力のかかることでありますが、ただ本人からの申告がありませんとできませんので、過小評価になっている可能性があるというデータと考えております。
 それから3番目に、マイナンバー制度というのがある国がございますが、特にエストニアでは、これを用いて、国民が自ら診療録を閲覧することができる仕組みがあって、同時にこれは研究にも活用されているということがございます。
 3点目に、海外との共同研究の際に倫理的側面で問題となる点があるかという点でありますが、疫学研究においては率直に言って特に大きな今、支障があるというふうには私、経験的にも、それからほかのところからの情報からもありませんが、それは理由としては連結不可能匿名化したデータセットというものを共有するということを基本にしているからだと思います。
 ただ一方で、こういった共同研究をやる際に、一番問題になる点はむしろ測定方法の標準化でして、各国が同じような信頼と妥当性のある測定方法が行われているかということの方がむしろ問題であります。
 ただ、一方で全ゲノム解析、こういったデータを使うということに関しては、まだ議論は未成熟ということと考えております。
 以上です。
【福井座長】  ありがとうございます。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何かご質問なり、つけ加えることなりございませんでしょうか。公衆衛生の分野の先生方から何かございませんか。よろしいですか。
 それでは、とりあえず津金委員より同じ資料2を用いて説明をお願いしたいと思います。
【津金委員】  前回も藤原委員や何か欧米の状況とかそういうものはよく、情報はよく出てくるのですけれども、アジアの情報というものが余り出てこないというようなことで、事務局の方から依頼されまして、私どもちょっとアジア・コホート・コンソーシアムというものに関わっていますので、いろいろ、日本以外のアジアの情報というものを少し集めさせていただきました。ただ、時間が十分なかったので、いろいろきちっと系統的には網羅できていない、それから研究者ベースから情報聞き取りとか、そういうようなものが含まれているので、少し偏っている可能性もあるということをお含みおきの上、見ていただければと思います。
 この表が、今、日本、中国、台湾、韓国、シンガポール、インド、バングラデシュでコホート研究をやっているグループで、オンゴーイングのコホートのデータを持ち寄って統合解析をする。それから新たな国際的なコホートの標準プロトコルをつくろうというようなことも含めて動いているコンソーシアムなのですけれども、ここでは個人情報に関する法律があるか、倫理指針などの存在、それから、ちなみに本体研究計画の倫理審査承認があるのかとか書面のIC、それから実際データをお互いに、個人レベルのデータを匿名化した形で持ち寄って合わせて解析するので、そこの統合解析に伴う新たなIRBの承認とかがあるのかどうかというようなことを問い合わせてみました。
 個人情報に関する法律というのは、どこの国も大体ある。バングラデシュとか、ちょっとわからないというところもありますけれども。それから倫理指針などの存在に関しましては、基本的に大体倫理指針はあるのですけれども、どの国も基本的には指針は1本というようなことで、いわゆるEthical guidelines for human biomedical researchというような形で、人を対象とした研究とか医学研究の指針というのが1本であると。それから多くの、確認しているところでは、みんな法律に必ずひもづけられているというようなことが、必ずではないですけれども、幾つかの国では法律にひもづけられているという点があります。
 それから、中国に関しては、倫理指針というのは2007年に、最近の情報では衛生部から出ていて、というようなことを聞いています。その2009年というのはレギュレーションになっていて、いわゆるEthical Reviewに関するレギュレーションというようなことであります。
 それでコホート研究、昔のコホート研究というのは書面ICというのは必ずしもとっていないのですけれども、最近はとる傾向にあるというようなことです。ほかの国は比較的新しいので、最初から書面のICをとっているというようなことがある。
 それから、統合解析にデータを持ち出すときには、基本的には連結可能匿名化で対応表を提供しないというような形で提供することによって、倫理審査を、承認を経ることなしに、基本的にはデータを出して集計しているということです。韓国なんかは一応、そこでもIRBの承認が必要というのもあります。
 それで、いろいろなガイドライン、例えばシンガポールのガイドラインとかインドのガイドラインとかをちょっと見た限りにおいては、例えばインフォームド・コンセントはもちろん原則とるということなのですけれども、必ずウェーバー・オブ・コンセントというようなことで、免除できるような状況ということで、現実的じゃないということとか、いろいろな、比較的シンプルに除外の場合の列挙をしながら記しているというようなことが現状のようです。
 それから、ちなみに今、山縣委員が言った資料で、欧米と日本の疫学研究環境の違いということを説明しましたけれども、実は、これはアジアといってもいいぐらいで、例えば台湾とかシンガポールとか韓国はもう完全に欧米並みの、要するに研究環境になっているので、明らかにこのまま行くと、これから10年後、20年後、いわゆるアジア人のデータは全て韓国とか台湾とかシンガポールから出てきて、日本は完全におくれをとるのはちょっと目に見えている状況であるということを御説明申し上げます。
【福井座長】  ありがとうございます。
 ただいまの山縣委員、津金委員の御説明につきまして、何かご質問なり御意見ございませんでしょうか。
 すみません、もうちょっと先生、最後のところでおっしゃった、このままだと完全に台湾、韓国、シンガポールからおくれをとるというところの間の、何か説明をもうちょっとお願いできないでしょうか。
【津金委員】  だから基本的にみんなどの国でも、いわゆる国民の共通番号というのがあって、死亡に関するデータベースがあったりとか、がん登録のデータベースがあったりというようなことによって、疫学研究をやるための追跡に関しては、がちゃんこということであっという間にできると。日本の場合は住民票照会をいろいろな自治体にお願いして、断られながらやらなきゃいけない現状であるというのと、研究環境はもう全然違っていて、それから、みんな100万とか50万とかのコホート研究によって、そういうリンケージ、リンケージでやってきますので、たくさんデータが。例えば糖尿病の人ががんになりやすいというのが糖尿病の処方薬とがん登録とのデータをリンクして、どんどんそういうデータが台湾から発信されたりとか、そういうような状況になっていて、日本からは何もそういう情報は発信できない。非常に日本は真面目に倫理とか、個人情報保護というのは非常に真面目にやっているがために、そこら辺で完全におくれをとっているのが今の現状だろうと我々は認識していて、我々の世代の疫学の研究者は、ある意味ではアジアをリードする立場でこれたのですけれども、次の世代の疫学の研究者は完全におくれちゃうのじゃないかなということをすごく心配しています。
【福井座長】  ありがとうございます。先生、それで今おっしゃった、例えば日本では非常に個人情報保護とか、保護の面で心配しているために、そういう疫学研究に便利なシステムが整っていないのですけれども、そのような、例えば台湾、韓国、シンガポールなどでは、日本で心配されているようなことというのは全然起こっていないということでしょうか。
【津金委員】  そこら辺、必ずしも詳しくはないのですけれども、特にやはりそういう有用性というか、国民の、要するに公衆衛生のためにとても有用であるということの、そっちの方のメリットの方が大きくて、それによって要するにリスク、個人個人のリスクというのはほとんどないような状態で、メリットが大きいというようなことの現状なので、大きな問題にはなっていないのじゃないかと認識しています。
【福井座長】  ほかには、何かございませんでしょうか。
 楠岡委員、どうぞ。
【楠岡座長代理】  山縣先生、津金先生、両方、どちらでもということなのですが、個別研究の場合には、死亡のデータベースとかとマイナンバーのようなものがあれば、すぐにデータとして生存確認とか死亡確認ができる。今度それを統合データにする場合に、個別データを持っているところで匿名化してしまった場合に、重複データ、要するに二つのところで登録されていて、亡くなっている方は1人なのだけれども二重にカウントされるというような問題もあると思うのですが、そういうところは、マイナンバーとかそういうデータベースを使っておられるところ、何か特別の回避策を持っておられるのか、そのリスクは承知の上で、各セクションでも匿名化して統合するという形になっているのか、その辺の技術的なことがもしわかれば教えていただきたいのですが。
【津金委員】  いわゆる、アメリカで言えばソーシャルセキュリティーナンバーとか、いろいろな要するに個人ナンバーは一つですから、ユニークですから、基本的にもうそれで重複というのは起こらないということですね。例えば日本ではがん登録やなんかやるときには、その重複を避けるために、個人の名前とか住所とか生年月日をそのまま集めないと、その重複を排除できませんけれども、もしこれに、要するに個人ナンバーが一つあれば、そういうことはしなくてもいいということになりますよね。
【楠岡座長代理】  そうしますと統合時には個人ナンバーもくっつけて統合する、個人ナンバーというのはいわゆる個人情報の一部ではありながら、少し別扱いというように考えられていると言ってよろしいですか。
【津金委員】  そうですね。やっぱり氏名、名前、生年月日をそのまま扱うよりは、やっぱり個人番号という番号になった方が、当然いろいろな意味で、個人情報の保護という意味においても、まあ一歩間違えると大きな問題にもちろんなり得ますけれども、そういう意味においては非常に、何というか、匿名性が守られているのだろうと考えています。
【楠岡座長代理】  ありがとうございます。
【福井座長】  位田委員、どうぞ。
【位田委員】  津金先生と山縣先生お二人に質問なのですけれども、いろいろな疾病登録の制度でありますとか、マイナンバー制度であるとか、そういうふうに全国民のデータなりナンバーなり登録なり、つまり一つを探せば全部に使えるという、そこはよくわかるのですが、恐らくそのもとは法律でできているのだろうと思うのですね。それぞれの国で疫学研究にそういったデータを使う、疾病登録なりマイナンバーなりを使うというときの根拠、これも法律で認められているのか、そうではなくて基本的にパブリックヘルスの観点からそういうことは一般的に認められているのかということがちょっと知りたいのですが。というのは、我々の議論しているこの疫学指針にしろ臨床指針にしろ、法律には必ずしも直接の根拠がない。確かに行政指針ですから、行政法のもちろん基盤はあるのですけれども、これらの指針は基本的に法律に基づく指針ではないという点で、諸外国と制度上、何か違いがあるかなと思うのですが、いかがでしょうか。
【津金先生】  正しくないかもしれないのですけれども、基本的に、みんなガイドラインや何かに関しても全て法律とひもづけられていますから、基本的に全てやはりある意味では法律というものがベースになっているのじゃないかと考えるのですが、山縣先生がもし補足していただければ。
【山縣委員】  私の認識ではヨーロッパでは、いわゆる研究に参加する被験者保護に関する法律というものと、それと別に個人情報の保護というのがあって、実はこれは一体化ではないために、むしろ研究をやるときに、個人情報保護の方に確かに規制があって、そこのところで縛られると。特に最近EUでは個人情報の取扱いに対して少し厳しい方向性が出されつつあって、それに対してつい最近も国際疫学会の会に向けて、こういう問題に対してきちんと対応する必要があるのじゃないかというような呼びかけがあったというのも実態としてはございます。
【福井座長】  ありがとうございます。
 外国の状況につきまして、藤原委員、何かコメントございますか。前回、外国の状況について御説明いただきましたので。
【藤原委員】  いや、今のところまだないです。
【福井座長】  どうもすみません。
 それでは、次に進めて……。
【渡邉委員】  よろしいでしょうか。
【福井座長】  はい、どうぞ。
【渡邉委員】  山縣先生に伺いたいのですが、疾病登録システムについて先ほどご説明いただきましたが、日本では特定疾患治療研究事業として公費負担制度が整備されています。その手続きには、臨床調査個人票という医師の診断書が毎年必要となり、そこには臨床情報が記載されています。しかし、この事業の主体は都道府県のため、せっかく記載された有用な臨床情報も一元化されず、レジストリとして活用されていないと思っているのですが、この点についていかがなのでしょうか。
【山縣委員】  先生おっしゃるとおりで活用されていないと思います。ここは中村先生が川崎病等でされているので、少し御意見伺えればと思います。
【中村座長代理】  川崎病はちょっと違うのですけれども、いわゆる一般的な難病について、おっしゃるように主治医が臨床調査個人票というのを提出して、それを都道府県ですべて電子化して、研究班に配って研究に活用するということにはなっているのですけれども、現実問題としては、各都道府県で入力状況に随分差がございまして、なかなか活用できていないというのが現状でございます。
 それから、いろいろと問題がございまして、例えば患者番号がそこでつくわけなのですけれども、それが例えば都道府県を越えて転居すると、移った先の都道府県で新たな番号がつけられて、前のデータとリンクできないといった状況ができておりまして、そういう意味では完全な登録システムにはなっていないというのが現状だと私自身は認識しております。
【渡邉委員】  臨床調査個人票を毎年医師が記入し、そこには大きな労力をかけており、また本来、特定疾患治療研究事業は公費負担の方法をとらないと原因の究明、治療方法の開発等に困難をきたすおそれのある疾患を対象にしているわけで、患者さんご自身も申請データが新規治療の開発に活用されているのを期待されているのではないかと思います。それがなかなかしっかりしたデータとして活用できないというのは非常に大きな問題だと臨床研究の側から考えております。
【中村座長代理】  すみません、よろしいですか。
【福井座長】  どうぞ。
【中村座長代理】  若干追加いたしますと、私が関係しておりますプリオン病の研究班では、臨床調査個人票を研究班で情報としていただきますと、再度、主治医に連絡をとって、患者の情報ということで研究班員が新たに情報収集というようなことを行って、今サーベランスと称しておりますけれども、実際にはもう疾病登録みたいな形を研究班としてつくり上げているというところは幾つか、プリオン病だけではなくてほかにも若干ないわけではないというのが状況でございます。
【福井座長】  ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 それでは、とりあえず次に進みたいと思います。日本疫学会及び日本公衆衛生学会における倫理指針の取り組みにつきまして山縣委員から、国内のデータアーカイブの状況や問題点につきまして玉腰委員と田代委員から、そして人文・社会系における疫学研究、臨床研究の手法を用いた研究について田代委員から、それぞれ御説明をお願いしたいと思います。
 まず最初に、山縣委員より御説明をお願いします。
【山縣委員】  資料3をごらんください。日本疫学会と日本公衆衛生学会に私、属しておりまして、それについて少し御報告をいたします。
 まず、日本疫学会での取り組みですが、2002年の1月に「疫学研究を実施するに当たっての倫理宣言」というのを示しまして、同年10月には「疫学研究を実施するに当たっての倫理指針」及び「日本疫学会倫理審査委員会設置要項」というものに基づいて倫理審査委員会が設置されました。これは日本疫学会の会員から申請された研究結果について審査をするというものでございまして、独自に倫理指針に基づいておりましたが、現在では国の指針に基づいた審査をするということになっております。倫理審査委員会は東日本、西日本に2か所に設置されておりまして、各5名の委員、外部委員2名を含みますが、で構成されております。2003年以降、30件の審査が行われておりまして、申請者は学会員で、所属する機関に倫理審査委員会が設置されていない研究機関、それから保健所からの申請でありました。経費は1件当たり3万円を請求しております。これに関しましては、審査状況それから申請者テーマにつきまして、疫学会のホームページに掲載しております。
 2番目に、日本公衆衛生学会の取り組みですが、倫理に関する委員会として、「会員の倫理・行動規範に関する委員会」と「研究倫理審査委員会」を設置しております。研究倫理審査委員会は2007年の10月に設置され、委員会規定、委員会運営要領に基づいて開催されております。2011年度には2件、それから2012年度には、これまで5件の申請がございます。現在委員は7名、外部委員3名を含んでおります。申請者はやはり学会員で、過去2年の申請者の所属は保健所、それから文科系の大学、市町村からのものでありまして、これも経費3万円というところでございます。
 参考といたしまして、疫学研究を実施するに当たっての倫理宣言、日本疫学会から出されておりますものを添付しております。
 それから最後のページには、日本公衆衛生学会の研究倫理審査委員会規定の目的のところを出しておりまして、いわゆる、これに対しては、倫理審査委員会が設置されていないとか、やむを得ない理由で研究倫理審査を受けることができない場合に、学会として、その対応をしようというためにできているということを添付しておきました。
 以上です。
【福井座長】  ありがとうございます。
 続きまして、玉腰委員より御説明お願いします。
【玉腰委員】  資料の4をごらんください。疫学の研究で集められた個々のデータを、その先どうしていくかということで、一つアーカイブで集約していこうという構想があるわけですけれども、これは、ある程度研究が進んで、あるいは終了した段階で、それぞれの研究者が持っているデータを集めることで、きちんとデータを蓄積し、それから研究者が異動していった、あるいは退官していった後にもばらばらになるのを防ごうというのが一つの目的になるかと思います。
 また、こうやって集められたデータを2次的に利用することで、新しい研究に用いたり、あるいは既存データをもう一度見ることで次の新しいテーマが出てくるというようなことや、なかなか大きなデータにアクセスできない若手の教育に使う、あるいは実際に行われた疫学の研究というのはなかなかそれを検証するとか、データデータに基づいて行われますので、再度同じ結果を導くと、その研究が確かに正しいということを確認することがなかなか難しい面があるわけですけれども、そういったことがデータを公開することで行えるようになるということがありまして、今このデータのアーカイブというのを進めたらどうだろう、あるいは進めていく方向で考えられているというのが現状かと思います。
 現実的には社会科学の研究分野では既に幾つか行われているようですけれども、ネットで検索するといろいろヒットはしますが、具体的にどのようになっているかということに関しては少し分野が違うものですから、申し訳ありません、御説明は避けさせていただきます。
 また、ライフサイエンスの分野でも、なかなか私たちが聞く範囲ではないわけですけれども、調べましたところ労働政策研究・研修機構が、そこで実施した調査について公開しているというのが出てまいりました。
 現実に、それ以外にどうなっているかということなのですけれども、1枚はねていただきますと、2ページ目に、現在、研究費の公募の中でどのように書かれているかというところを一部拾ってまいりました。上が文部科研、下が厚生労働科研になりますけれども、いずれもバイオサイエンスデータベースセンターへの協力ということがうたわれております。たしかこれは今回、平成25年度の申請で初めて入った部分だと思いますけれども、この中で、このセンターに研究のデータを入れていくようにということが求められています。これは、下の厚労科研のところの四角の後段に書いてありますけれども、NBDCバイオサイエンスデータベースセンターということで、JSTに設置されているものになります。
 現在、ライフサイエンスの個票については、まだどのような形で受け入れるかということを検討中ということで、現時点ですぐに受け入れるということにはならないようですけれども、来年度には受け入れられるようなことを考えていると関係の方からお聞きしておりますので、今後、疫学の研究についても、このような科研費を得て行われたものについて、データベースを入れていくという方向になっていくことは間違いがないだろうと思います。
 戻っていただいて、それなら全ての集めたデータが全てのところにオープンになるのかというと、それはそういうことではありませんで、利用の目的、あるいは利用者、あるいは利用の項目によって制限をかけるということは当然あるわけで、そのあたりの仕組みについても、例えば学術目的なら認めるだとか、大学に所属している研究者なら認めるとか、あるいは項目について幾つまでなら認めるというような制限をかけながら公表していく形になるのであろうと思われます。
 一方で、このような形でデータアーカイブが進んでいく方向にあるということが現状なわけですけれども、考えなければならない課題というのは幾つか存在します。例えば頻度の低い事象、これはいろいろな要因への暴露であったり、生活習慣であったりということもありますし、発生してくる疾病という問題もありますが、頻度の低い事象については匿名化をしていても情報を組み合わせることによって対象者が特定されるのではないかということがあり、これに関してはどのようなところまで出していくのかという対応策が検討される必要がありますし、最近の新しい研究であっても、インフォームド・コンセントがどこまでの範囲でとられているかということが出てくるかと思います。恐らく倫理審査委員会での検討で、ある程度のオープン化を可能にするという方向が考えられると思いますけれども、ここも検討が必要な課題になるかと思います。
 それから実際研究データを扱われていると感覚的に理解しやすいと思うのですけれども、同じような項目が数字で並んでいても、実際にはそのデータが得られた背景というのがいろいろありまして、その解釈を間違えると、確かに集計上はそのとおりなのだけれども、全然意味が違っているというようなことが出てくることがあります。これは利用者側の問題になりますけれども、そのような、単にオープンにしたものをそのまま使って集計して、その結果が正しいかどうかということに関する問題がありますので、誤用防止対策というのも必要になってくるかと思います。
 それから、ここが指針というか法律との関係で特に検討が必要になってくると思いますが、統計法の現在の規定では、統計調査から得られた情報を使うに当たっては幾つかの規定項目が設けられております。その中に、公的な研究費を得ていることであるとか、あるいは原則として1年間の単位での更新が必要であるとか、あるいは利用者に関して全て届けなければならないというような項目がありますが、このような制限がかかっていますと、これは非常にこのデータをオープンにするに当たって足かせになってくるということで、どのような場合に例外的にといいますか、認めるような形に持っていけるのかというのも今後の検討課題ではないかと考えております。
 一番最後の資料につきましては、平成19年度に日本疫学会の将来構想検討委員会というのが、幾つかの疫学会のことに関して検討している中の一つでデータアーカイブを検討しましたので、まとめられていました資料をおつけしております。
 以上です。
【福井座長】  ありがとうございました。
 ただいまの御発言、御説明に何か個別の御質問……。
 位田委員、どうぞ。
【位田委員】  若干細かいことなのですけれども、まず山縣先生の日本疫学会それから公衆衛生学会で、それぞれ倫理審査委員会が設けられていて、そこで審査をする。疫学会の方は所属する機関に倫理委員会がない場合ということなのですが、公衆衛生学会も同じなのでしょうか。
【山縣先生】  はい、そうです。
【位田委員】  そうすると、疫学会、公衆衛生学会、それぞれ法人格をお持ちの団体と考えてよろしいですか。人文・社会系では法人格を持っている学会というのはほとんどないと思うので。つまり、本来であれば機関がつくっている倫理委員会というのは法人の中に、法的なベースは法人格ですが、学会の場合には、もし法人格がないとすると、この倫理委員会の権限とか責任とかという話が出てくると思うのでお聞きするのですけれども。
【山縣先生】  日本疫学会も、それから日本公衆衛生学会も法人格ではないですね。任意団体だと思います。
【位田委員】  であれば基本的にそういう任意団体がつくっている倫理委員会を、例えば疫学なり臨床研究なりの指針で求めている倫理委員会として考えていいかどうかという問題が出てくると思います。
 それから、すみません、もう一点、玉腰委員なのですけれども、この個票データの場合には連結されたデータも含まれると考えるのか、それとも研究が終わってしまうと全部、対応表を捨ててしまって連結不可能にしてしまうか、その辺はいかがでしょうか。
【玉腰委員】  基本的には連結不可能にした状態で使うようにするということになると思います。
【位田委員】  ありがとうございます。
【福井座長】  それでは田代委員より、国内のデータアーカイブの状況や問題点、人文・社会系における疫学研究、臨床研究の手法を用いた研究について、まとめて御説明をお願いしたいと思います。
【田代委員】  資料の5をごらんください。私の方からは、少し範囲が広い話になりますけれども、人文・社会科学分野における人を対象とする研究の規制と倫理ということで、私のわかる範囲での各種学会の取り組みですとか国際的な動向、あと先ほど玉腰委員からもお話があったのですけれども、この人文・社会科学分野におけるデータアーカイブの取り組みについて、これもあくまでも私が知る範囲で少し御説明させていただきます。
 スライドの2ページ目なのですけれども、対象となっている学問分野がかなり広いので、少し皆さんにイメージを持っていただこうと思ってこれをつくっています。基本的にはその質問、いわゆるアンケートやインタビュー、あるいは観察ですね。ある集団に入っていて、そこで起きていることを観察し、記述していくといったような、いわゆる社会調査の技法を用いる学問分野が主な対象となります。人類学ですとか地理学、歴史学、政治学、社会学などが含まれるわけです。しばしば英語圏の研究倫理の文脈ですと、これらの分野をまとめて、「social science」と呼ぶことがあります。
 しばしば少し議論になるのが、心理学の扱いをここに入れるべきかどうかということです。というのも、心理学の場合、実験研究が含まれますので、こういったものと少し違うのではないかという議論もあります。その一方で、両者を包括して「行動科学」と呼んだ方がいいのではないか。あるいは「社会・行動・教育研究(SBER)」というような用語が使用されることもあって、必ずしも一致した名称があるわけではありません。
 次のページに行きたいと思います。国内の動向ということで、スライドの4枚目ですけれども、概要ですが、主に2000年以降に各学会で倫理綱領の策定と倫理委員会の設立が始まっています。基本的にはこれ不正行為の問題が中心なのですけれども、その過程で、いわゆる調査対象者の保護ということについても規定が盛り込まれるようになってきました。2000年代後半になってきますと、一部のいわゆる文系の学部にも倫理委員会が設置されるようになっていまして、これはいろいろな形態があって、例えば学部横断的な組織となっているところも幾つかあります。文系中心の大学でも幾つかの学部を横断して、研究機関ごとにかなり詳細なガイドラインを設けているところもあるようです。ただ、その倫理委員会がどのぐらいの研究機関にあるのかとか、年間どのぐらい審査しているのかというようなことはちょっとわかっていないという現状があります。
 次のページの5枚目のスライドですけれども、これは一つの例ですが、たまたま手元にあった本の中に実験系の心理学者対象の調査がありまして、日本基礎心理学会のメーリングリストを通じた調査結果では、これは余り回答者の方も多くないので、どのぐらい実態を反映しているのかというのは難しいのですが、例えば所属する機関に心理実験を行う際にどのぐらい倫理審査というのはできるのかということを聞くと、例えば教員が6割ぐらい答えていたり、ない場合にいろいろ困っているとか、あるいはある場合にもいろいろトラブルが起きているといったようなことが報告されています。
 6枚目のスライドに行きまして、各学会の取り組みに移りますけれども、私の知る限りでは、この分野で比較的早くから取り組んでいるのが日本心理学会と文化人類学会だと思います。どちらも1988年から取り組みを開始されていて、心理学会の方は非常に詳細な倫理規定を持っていらっしゃって、関連の書籍なんかもたくさん出ていますので、議論は盛んなのだろうなと思います。文化人類学会の方は、ここにも書いてありますけれども、いわゆる少数民族研究の問題が出発点になっていまして、いわゆる弱者保護というかそういう観点から議論が始まったのが経緯だと伺っています。
 次のページに行きまして、7枚目のスライドですが、私自身も会員である日本社会学会の方では、若干おくれて2005年ぐらいに倫理綱領及び倫理委員会が制定されています。社会的な背景としましては、この時期に日本社会学会以外に幾つかの社会学関連の学会で、社会調査士の資格認定機構というのをつくり、社会調査の専門家を育成するというようなことを始めたということですとか、もろもろ、ほかの学会からの影響ですとか、そういったことが関係しています。
 8枚目のスライドですが、倫理審査についての見解ですが、これは学会員の中でも余り活発な議論は行われていないのですが、必要だという立場から、余り必要性を感じないという立場まで、幾つかの議論が出ています。主な論点としては、要はこういった社会調査に関して、医学・生命科学系の分野と同じような審査基準で判断すべきなのか、あるいは同じ委員会で議論すべきかどうかといったことですとか、調査や研究の実施によるリスクというのが、そんなに深刻なものなのかどうかといった議論。もう一つは、やはり研究計画書の事前審査という形式が、こういった研究の場合に十分機能するのかどうかということが議論になっていると思います。
 次のページ、9枚目のスライドですが、特に質的な研究、いわゆるフィールドワークみたいなものですけれども、ちょっと誤解を恐れずに言いますと、例えばある村ですとかある町とかに、住み込みのような形で入っていって、しばらくいろいろな人と関係をつくりながらその町で起こっていることを理解していくといったような、そういう極めて探索的な手法をとる場合に、なかなか研究計画書どおりに物事を進めていくということが難しく、研究計画の事前審査ということになじみにくいということがしばしば指摘されています。
 あともう一点は、特にこういう記述的な研究の場合には、どちらかというと事前審査といっても公表の際の記述ですね、どういうふうにその対象地であったり、対象者を描くのかといったことが問題になることが多く、むしろこれは倫理審査後の問題になってくるわけで、実際こういう研究をしている方の間では、例えばインタビュー・データを文字に起こした段階で削除してほしいところを確認する。あるいは、公表する際にも本人確認を求めるといったような、むしろここに力点を置いた取り組みがされている場合が多いのではないかと考えています。
 次に国外の動向ということで、11枚目のスライドに移りたいと思います。ここの話は前回、藤原委員からお話があった研究班での調査結果の内容を踏まえたものになっています。概要ですが、人を対象とする研究の規制枠組みに、人文・社会科学系の調査研究を入れるべきかどうかということについては、極めて多様でして、全く結論が出ていないというか国によって様々です。全く入っていないところもあれば、完全に入っているところもあるという状況です。1990年以降、主にそれまで医学系を中心とする規制枠組みにこういう人文・社会科学の分野を取り込もうという動きがアメリカを中心に強くなってきたのですが、近年では、むしろそれを進めていった結果いろいろ問題が起きてきて、外そうという話も出てきているというのが現状です。
 12枚目のスライドですが、各国の規制枠組みで、これも前回、藤原委員から報告があったとおりなのですけれども、イギリスですが、社会調査の手法を使った研究であっても、NHSの患者さん対象の場合には、公的な倫理委員会の倫理審査が絶対に必要だと。ただ、迅速審査対象であって、一応審査はかけるということになっているので、倫理審査委員会委員向けの教材には、こういう研究手法について、どういうふうな問題点や特徴があるのかということも盛り込まれています。
 フランスでは2012年の法改正から一部の人文・社会科学系の研究も対象になるようになりました。ただし、医科学分野に限るということで言いますと、実は今の日本の指針とほとんど類似の形になっていると思います。
 右側に行きまして、13枚目のスライドですが、アメリカでは1990年代までは社会科学系の調査研究というのが、いわゆるコモン・ルールの規制に含まれるのかどうかということは極めて曖昧だったわけです。その後、研究管理の体制というのが全国的に強められる中で、各機関がかなり積極的に社会科学系の研究を倫理審査の中に入れていくということが起こりました。これに対して2000年代になって、現状について関連学会や専門家からいろいろ批判が出てくるようになって、現在のコモン・ルール改正の動きの中では、こういうインタビューや質問調査というのを全て研究者自身の判断による審査免除とする案も出ております。
 一体何が問題だったかということを少し振り返りますと、一つは、こういう非常に広い領域に網をかけたことによって、倫理審査が非効率化してしまったということがあります。ほとんど対象者にリスクのない研究の審査に貴重な審査リソースが浪費されてしまい、ハイリスクの研究に充てる審査リソースが侵食されてしまって、結果として重大な見落としが生じているのではないかという声が一つ出てきたということ。もう一つは、ルールの制定手続に関する不満です。それは規制を定める際に、社会科学の専門家が全く参加しないままにルールが定められ、その結果医学系で決めたルールを押しつけられているという不満が各種の学会から出てきたということがあるようです。
 最後に、少し短めですけれども、データアーカイブの動向についてお話をしたいと思います。スライドの16枚目ですが、人文・社会科学分野の動向としましては、社会調査データの2次利用を進めようという動きがここ数年で進んでおります。一つには、既に行われている社会調査のデータを保管するというものと、あるいは最初から2次利用を前提としてデータを収集し、第三者が2次的に利用していくというものが二つあると思います。既に稼働しているデータアーカイブとしましては、ここに挙げたようなものがありますけれども、私の方では、自分自身も会員ですし、関わりのあるディペックス・ジャパンの取り組みについて、少し御説明したいと思います。
 17枚目のスライドですけれども、ディペックス・ジャパンというのは、患者さんの体験談を映像データ、音声データ、テキストデータの三つの形式で収録して一般公開するというような取り組みをしているところで、2001年にオックスフォード大学の研究グループが開始した活動をモデルに、日本でも2006年に開始されたものです。質的データアーカイブとしての研究利用が前提になっていますので、当初から2次利用のための同意を得るとともに、適切な使用のための仕組みというものを整備してきたと伺っております。
 18枚目ですけれども、2次利用の手続は具体的には、まずはディペックス・ジャパン倫理委員会による研究計画の審査を義務づけるということと、その後、データの取扱いに関する契約を結び、研究利用についてウエブサイトで情報公開をしていて、研究の進捗情報について、最初のインタビュー調査を行った方が必ず入って、報告を聞いて、余りにも文脈を離れたような解釈にならないような形で内容を少しコントロールするというようなことをしているそうです。
 19ページ目に行きたいと思いますけれども、データアーカイブの意義ですが、これも基本的にはこの三つぐらいのことがしばしば言われています。再分析によって新しい知見が得られるとか、研究の質の維持・向上につながるといったことに加えて、様々な社会調査が行われるようになったこともあり、調査対象者の負担減につながるということが挙げられております。倫理的な観点から、特に最後の点は重要でして、例えばこれは教育にも応用していくということがしばしば言われますけれども、こういった取り組みの意義としては重要かなと思っています。
 最後、20枚目のまとめですけれども、国内においては人文・社会科学分野における人を対象とする研究の倫理について、2000年代以降、各種学会・各機関で対応が進んでいますが、全国調査がないのでちょっと実体が不明だという点が一つ問題だろうと思います。
 国外においては1990年代以降にこれらの研究を医学系と同様に規制対象とする動きがあったのですけれども、近年ではむしろ外していこうという動きもあって、国際的にもまだ結論が出ていない領域だと思っています。
 最近の新しい取り組みとしては、社会調査の2次利用を促進する仕組みづくりが進んでいまして、調査対象者の負担減という点では、これは倫理的にも非常に重要だと考えています。
 21枚目、これ最後のスライドですけれども、今後取り組みが期待される点としては、一つには、やはり現状調査ということで、全国的にどうなっているのかということを一度調べておく必要があろうと。あと現状では、やはり臨床指針とか疫学指針という名称ですと、人文・社会科学系の分野にとっては全く参照するべきものとは思われないので、そういうことについて、規制の中に含めるかどうかということは別にしても、こういう指針があるということについて情報提供していくということは重要だろうと思っています。
 もう一つは、この臨床指針や疫学指針の関連規定の中に、余りインタビューとか質問紙などの社会調査の技法を用いたものが想定されていないところが多くあるので、そこを少し入れ込んでいく。というのも、実は既に医療系でも当然こういう研究というのはたくさん行われているので、実際の判断に困るということもあるかとは思っています。
 私の方からは以上です。
【福井座長】  ありがとうございました。
 山縣委員から、人文・社会系について何か補足的な御説明がありますでしょうか。
【山縣委員】  いや、特にはないのですが、先ほど玉腰委員から出されました疫学会におけますデータアーカイブの取り組みについてということに関わっておりまして、その際に、最も参考になりましたのが、この東京大学のアーカイブでありまして、今、田代委員がお話になったように、本当に私たちとしては、特に疫学研究、実験研究であれば必ずそれを再現して確認できるわけですが、疫学研究の場合にはなかなかそれが難しいと。ましてや大規模になってくると、それを別のところで同じような形でやることすらできないような研究になってきたときに、研究の質の担保という点で、この2次利用というのはもう今後、科学的な妥当性を見る上で必須だろうと思っております。以上です。
【福井座長】  ありがとうございます。
 データアーカイブの関係で、バイオバンクジャパンは、何か現在の状況を御説明いただければと思うのですが。久保委員、どうぞ。
【久保委員】  久保です。バイオバンクジャパンでは、集めたサンプルのSNP解析データを集計データとしてJSNPデータベースに登録をしております。先ほど玉腰委員から御紹介がありましたように、現在NBDCの方にデータのアーカイブを置くということになりましたので、現在NBDCの方にデータのアーカイブをリンクさせる形で置いております。今後もゲノム解析データを、現在のところは集計データをデポジットしていく予定で、今後、個人別のデータのデポジットも検討しております。
 ついでに申し上げますとアメリカの方では、ゲノム解析データはNIHがファンドした研究は全てdbGapというところにデポジットするように義務づけられております。
 以上です。
【福井座長】  ありがとうございます。
 これまでの御説明につきまして、何かご質問なり御意見……。
 山縣委員、どうぞ。
【山縣委員】  データアーカイブに関しまして、実際に私ども、JSTの研究でバースコホートをやって研究が終わる際の評価で、広くやっぱりほかの研究者も活用できるようにということで、そのデータアーカイブの仕組みをつくるということをしました。
 だた、その際に、やはり問題になったのが、当初の同意の問題、それから個人がわかるようなデータを外すとなってくると、その研究の場合は行動のビデオを撮るというのがあって、これは全部外さなければいけなくなってくるとか、いろいろな問題があって、このデータアーカイブを考えるときに、これからは、例えば最初から2次利用ということを明記してインフォームド・コンセントをとるということで対応はできると思うのですが、これまでの過去の貴重な大規模であろうが、いろいろなデータに関して、それをデータアーカイブ化するときに、そのあたりのところをどこかでコンセンサスを得て、データアーカイブができるかどうかということを決めておく必要があると思います。
【福井座長】  ありがとうございます。
 玉腰委員が説明された最後のページで、日本疫学会での平成19年度報告書で、これ日本疫学会データアーカイブを立ち上げるというふうになっておりますが、ちょっと聞き逃したかわかりませんが、この報告書に対して、実際にどういうふうなアクションが学会としてとられているのでしょうか。
【山縣委員】  すみません、私がこれ、当時担当しておりましたので回答させていただきますが、やはり今の一つは、本当にデータアーカイブというのは可能なのかどうなのかと、インフォームド・コンセントの問題、それから何よりもこれ事務局作業がとても大変でして、それをつくるための経費等々の問題がまだ解決していなかったために、当時の予定が実行されているというところではありませんが、ただ、昨年から、これについては積極的に取り組むということになりまして、今、ほかのところと連携しながら、これを立ち上げていくという方向で話を進めることになっております。
【福井座長】  ありがとうございます。
 位田委員、どうぞ。
【位田委員】  田代委員に御質問なのですが、三つほどあります。一つはスライドの4ですかね、概要、1ページ目の裏側の下なのですが、倫理委員会が設置されているというのは、恐らくトレンドとしてはあるのでしょうけれども、これらがみんな事前の倫理審査をやる委員会なのか、若しくはいわゆる研究の不正ですね、それについて検討する委員会なのか、多分両方あり得ると思うのですが、いかがでしょうか。
【田代委員】  基本的にはここで書いているのは、いわゆる事前審査を行っているところです。ちょっと私も、どこがどういうふうに審査を行っているのか、というのははっきりわからないのですけれども、それこそ先生の同志社大学とか、あと立命館大学とか、幾つかの大学ではホームページでかなり詳細な情報、例えばどういう研究を審査して承認しているかについてもオープンにしているようです。ですので、内容としては実際に医療系でやっているのと同じような形での研究計画の審査だと思います。
【位田委員】  二つ目の御質問なのですが、スライドの14のところで、問題の所在で、ルールの制定手続に対する不満というところがありますが、これは要するに社会科学もいわゆる自然科学というか、ここではライフサイエンスですけれども、一緒に一つのルールで言っているから問題なのだろうと思うのですね。私、前回、申し上げたかどうか忘れましたが、カナダのケベック州では自然科学系と人文・社会科学系と、カウンシルという名前なのですけれども、それぞれ別のカウンシルが国にあって、したがって別に動いていると思うのですね。だからルールをつくるときに別につくっておけば、あんまり問題がなくなると私は思っています。いかがでしょうか。
【田代委員】  全くそのとおりだと思います。特に、これアメリカの文脈なのですけれども、先ほどの、最初にsocial scienceとbehavioral scienceという言葉の定義でいろいろ揺れるという話があったのですが、実はアメリカの場合、最初から入っていたのは心理学だけなのですね。心理学と医学系だけで全部ルールが決まってしまったものが、後から急に政治学だとか社会学に適用が拡大されて、それで非常に大きな問題になったのです。ですので、先生が言われたように、ルールを決める段階から各分野の専門家が集まって合意のもとにルールを決めていけば、この問題は回避できると思います。
【位田委員】  ありがとうございます。
 最後なのですが、データアーカイブの問題で16で、先ほども少し問題になったのですが、社会調査データの2次利用というときに、やっぱりインフォームド・コンセントがとられているのかどうか。社会科学の調査なんかの場合には、恐らくそういうことはほとんどやっていないのじゃないかと思うのですけれども、そのあたりいかがですか。
【田代委員】  そう思います。特に昔やられたものを入れるという場合については、ここにも書いてあるのは、先ほど来言及のあるSSJデータアーカイブとか、私は余り中身のことを詳しく知らないのですけれども、どちらかというと私が知っているのはこれからやるときに、もう既に2次利用を前提につくっていくものしか知らなくて、当然やはり過去のものを収録していくということは非常に重要だと思うのですね。ただ、その際に、いわゆるアンケート調査みたいになってくると、そもそも無記名なので、そういうものに関しては、ある意味で言うと再同意も得ようがないところがありますので、だからそのあたりに関しては、多分、無記名の質問紙調査なんかというものに関しては、特に同意の問題ということを考えることなくデータアーカイブに入れていって構わないということで動いているのだと思います。特に問題になるのは先ほどあったような映像とか、そういうことは多分かなりいろいろ難しい面が出てくると思います。実際ディペックス・ジャパンでも、映像に関してはまだ2次利用には回していなくて、現時点ではあくまでもテキストデータだけにとどめているようですので、やはりそのあたりは、前向きに進むにしても結構難しい問題が少し出てくるかもしれないとは思っています。
【福井座長】  ありがとうございます。
 楠岡委員、どうぞ。
【楠岡座長代理】  これは厚生労働省の方に確認というかお伺いしたいのですが、玉腰委員の資料の2ページ目で厚生科学研究費の中にバイオサイエンスデータベースへの協力というところ、これ文部科学省も同じだと思うのですが、あるのですが、この中に、2行目のところで「人体に由来するデータを取り扱う研究は除く」となっているのです。この人体に由来するデータというのはどのあたりまでを想定して考えておられるのかということですが。いわゆる疾患データベース的なものは、多分関係すると思うのですが、それ以外どのあたりまでを想定されているのかというのを。
【尾崎研究企画官】  ここの記載は、総合科学技術会議の平成24年4月のタスクフォースの報告書に記載されていることをそのままここに記載したものだと思います。基本的には遺伝情報など、いわゆる三指針で関係することを頭に置いているところです。細かくここまでとか、先生が言われているようなはっきりとした線引きなど議論はまだしていません。
【楠岡座長代理】  そうしますと、今検討している倫理指針の中で、こういうデータベースへアーカイブをつくっていくかどうかということも、同意のとり方に盛り込むことも考えていかなければいけないという解釈でよろしいのでしょうか。
【尾崎研究企画官】  いわゆる医療に関しての個人情報保護法の個別法など成立したとき以降に本格的に検討が始まるのではないかと考えているところです。
【福井座長】  ありがとうございます。
 それでは続きまして、個人情報保護法との関係につきまして磯部委員から、OECD臨床試験指針及び臨床指針に係る適合性調査を事務局から御説明をお願いしたいと思います。
 最初に、磯部委員より御説明をお願いいたします。
【磯部委員】  慶應義塾大学のロースクールで行政法という科目を担当しております磯部と申します。資料6に基づいて、ここでは個人情報保護3法についてのごく簡単な説明と指針との関係などを5分程度でということでありますが、どうしても舌足らずにならざるを得ないだろうと思います。しかも釈迦に説法だろうとも思いますので、要点を思い出す程度にお話をし、必要なことは、また今後の審議の中で補わせていただければと思います。
 まず、1のはじめに。改めて個人情報保護法制の意義として一般的に語られることは、そこにあるように現代情報化社会において本人が自発的に提供したデータも含めてですが、個人情報がいろいろなところに蓄積されて、少なからずプロファイルがつくられる。それは社会においては本人の実像よりも、そうしたものが大きな意味を持つことがあるので、そうしたプロファイルないしそれを構成する個人情報に本人が影響を与えることができなければ、もはや人格を保持できないということから、消極的に私生活を暴露されないというだけではなく、他者が保有している自己についての情報をコントロールする権利を確立する必要が出てきたということでございます。
 その意味においては、要点としては三つほどあるわけで、黒丸になっていますが、一つは流通している個人情報に対して本人の権利を請求権という形で実定化するということにしたわけであります。開示、訂正、削除、利用停止等の各請求権であります。
 しかし、現実には日々の個人情報の処理を全て本人が把握し、コントロールするということは不可能で、その範囲は限られるわけでありますので、本人が逐一、自己情報をコントロールしないとしても、本人のコントロールが及んでいると言い得るように個人情報の取扱いのルールを定めようということで、二つ目の丸で、個人情報を取り扱う者に遵守を義務づける一定のルールを課すこととしたわけであります。それも個人情報の収集、保有、利用、提供の各場面で、それぞれが規律されるということになります。
 三つ目には個人情報の適正管理、漏えい、毀損などがないようにという安全確保のための措置をとるということになりまして、要点としてはこれに尽きるのだろうと思います。
 二つ目、2番でありますが、改めて、時系列などについては既に第1回の合同会議の資料にありますけれども、法体系のイメージということで、この資料で8ページ目に3法の比較ということが、ごく簡単な表はつけてあります。
 そしてその次、ページ番号ございませんが、三角の個人情報保護に関する法体系のイメージというのはしばしば出てくるものでありまして、いわゆる個人情報保護法、平成15年に施行されたものは基本法と言われる部分と、民間の個人情報取扱い事業者に対して種々の義務を課す部分とがあると。それとは別に行政機関、そして独立行政法人及び各地方公共団体における個人情報保護条例、こうしたものがそれぞれの公的部門、セクターごとに規律が及ぶということになっています。
 なお、しかし、この中には、しかも条例ですので、全国千幾つの個人情報保護条例、これ100%制定されているところであります。個人情報保護法や行政機関法などにおいて、例えばですが、センシティブ情報の取得などについて特に厳格な規制を行うという立場をとらないのに対して、一種の特別な措置を講ずる必要性がある場合を否定する趣旨ではないですが、そういう立場は原則とらないのに対して、条例の中ではセンシティブ情報の原則取得禁止といった独自の規定を置くということはありまして、規律の内容は、この点では一様ではないということは言えるだろうと思います。
 そして、左の下に主務大臣制というところで、事業分野ごとに様々なガイドラインが定められているということになりまして、これが一番最後になりますが、ちょっと平成23年段階の、これ消費者庁のホームページから持ってきたものでありますが、いろいろ事業者に対しての適切な取扱いを求めるガイドラインというものがつくられており、その中で、個人情報の取扱いについてというタイトルではございませんが、ここでのゲノム指針であるとか疫学、臨床研究指針も一応この中に掲げられております。改正が反映されていない年限になっておりますが。
 さて、1ページ目に戻っていただきますと、個人情報の定義などがそこに書いてあります。そして2ページ目からまたいろいろ、ごくごく概要が書いてございますけれども、先ほど申しましたように2.4のところ、ちょっと飛ばしていきたいと思いますが、法のポイントとしては2.4.2から先、幾つかの個人情報の取扱いのルールが定まっているということ、そして戻りますが2.4.1のところにありますように法の目的というところでありますが、個人情報の有用性に配慮しながら個人の権利利益を保護するということで、保護と有効な利活用という、この両方が車の両輪であるという立場をとっているものであります。
 そして2ページから3ページにかけてでありますが、これは収集時に利用目的の明示、特定といったものもありますけれども、第三者提供、目的外利用も場合によってはできるということになっているという話でありますが、3ページ目の一番最初に、そういう意味では本人の同意がなければならないということではないということは改めて確認をしておこうかと思います。そして、これは条例の仕組みの中では、類型的に審議会がよいと言えば使えるという仕組みを置いていることはよくございます。がん登録であるとか一部の研究利用などについて、類型的に承認しておくという方法がとられます。
 そして3番目は、本人関与の仕組みについてということで、幾つか請求権の行使がありますと、不開示情報を除いて開示する義務があるとか、請求に理由があるときは、一定の範囲では提出する義務があるといったことに応じるようにということが求められているというのがそこの話です。
 4ページ目に行きますと、4番は疫学指針における個人情報保護関連の仕組みということで、先ほどの個人情報保護は平成15年、そして行政機関法を含めて平成17年に関連法は全面施行されますけれども、それに合わせて倫理指針の改正の論議、医学研究における個人情報取扱いについての議論というのがなされ、位田先生などもその中でやられていたと思いますが、その議論を受けまして、この四角で囲ってあるのは疫学研究についてでありますが、個人情報の取扱いの在り方ということで、ゲノム研究などと比較して個人情報の保護の観点から問題を招く可能性は相対的には低いというようなこと、もちろんそういうものもあろうかと思いますが、物にもよるのだろうというような気はいたします。しかし、しっかりした対応を講じる必要はあるのだけれども、場合によってはインフォームド・コンセントを必須としないままの研究というのもあるわけでありまして、そこの辺の規定を見直しするべきだという話になり、そして5ページに、ちょっとずらっと倫理指針に出てくるテーマと、個人情報保護法との関連、対応といったことを並べてありますが、要するに個人情報の定義から、しかるべき取扱いのルールといったことについて、法の規定に照らした倫理指針の規定というものを比較的正確に、詳細に定めたというものであろうかと思います。
 そして既に今日の資料でも、後で、9のところにもありましたと思いますが、祖父江先生、津金先生、山縣先生などが、法律の規定をそのまま倫理指針に持ち込むということ、これは切り離して考える方がリーズナブルではないかというような趣旨の御指摘が既にされていると思いますが、そういった今後の議論になりそうなことを見越して、6ページの5番のところで少し、私は憲法ではないのですけれども、公法学の観点から、自己情報コントロール権というのはどこまで及ぶのかといったことについてのお話をしておこうかと思います。
 確かに情報プライバシー権という言葉は憲法学でも語られるのであります。その一環でコントロール権といった請求権的な面も必要だという話は出てくるのですが、5.2に書いてありますように、これは芦部先生ですけれども、この請求権、原則法令の裏づけがあって初めて具体的権利となるものだと考え、憲法から直接これが導かれるものではないと考えるのが常識的な考え方ではないかと思います。
 5.3ですが、最高裁もそういう意味での自己情報コントロール権を正面から承認するものではございませんで、住基ネット訴訟において、注の3に引用はしてありますけれども、要するにみだりに個人情報を第三者に開示・公表されない自由というのは保護されるが、本人が口を出すというところまでが憲法上の保護の範囲だということは、正面からは認められてはきていないということになります。
 まとめれば7ページの5.4でありますが、そういう自由権的な側面、開示・公表されない自由というのは、法律がどう規定しようと、あるいはどう適用除外にしていようと、憲法学上これは必要だということになるでしょうが、請求権的な側面については憲法からは特段何も出てこないということになります。したがって請求権的な側面、開示・訂正などをどうするかは法律による具体化を必要とするところ、5.5にありますように、個人情報保護法の方では学術研究の用に供する目的での利用については適用除外ということになります。
 そして10条の3項において、むしろそれは自律的な規範を形成して対応するべきであって、国は、5.5.2に書きましたが、むしろそういうものを支援するために指針といったものをつくるという関係に立つはずであるということでありまして、研究の自由に配慮した個人情報の取扱いといったことをむしろ法は求めているのであって、そのために今、何が必要か、倫理指針にはそのために何を書くべきかという立場から考えれば十分であるということだけ簡単に申し上げて、差し当たり私からの御説明とさせていただきたいと思います。
【福井座長】  ありがとうございます。
 続きまして、事務局より説明をお願いいたします。資料7、8と思いますが。
【高江課長補佐】  それでは資料7と8について、事務局より御説明いたします。
 資料7でございますが、2012年12月のOECD理事会におきまして、臨床試験の管理に関するOECD勧告というものが採択されてございますので、内容について概要を御説明いたします。
 まずスライド下の2枚目、背景・目的と範囲でございます。背景といたしましては、臨床試験に関しまして、規制の仕組みが国によって、またその試験の性格によって異なるということがございます。
 一方で、行政手続が煩雑であることによりまして、臨床試験がなかなか実施できなかったり遅延するという状況がございます。
 また、その背景といたしまして、新薬の試験に対応した既存の規制はリスクが低いアカデミアの臨床試験には余り適さないのではないかということがあると指摘されています。
 また近年、国際共同研究等で、国際間での規制の調和を図るということが具体視されておりまして、新たな枠組みというものも検討はされてございますが、幾つかの重要課題に関するコンセンサスがまだないということで、このOECDのグローバル・サイエンス・フォーラムという場の下にワーキンググループを立ち上げまして、臨床試験の管理に関する共通枠組みについて検討の方が行われて、このたび理事会で承認されたものです。
 目的と範囲でございますけれども、国内規制とその解釈の一貫性を高めると、またその各試験に適応した規制アプローチを採用するということによりまして、臨床試験の手続を簡素化すると、また同時に参加者の保護体制は強化するということを目的にしてございます。
 またもう一つ、アカデミアが行います非営利目的、いわゆる日本で言うところの臨床研究でございますけれども、そこをきちんと協力促進するというもとで、臨床試験を行う枠組みについて各加盟国が、それを一貫して行うということを考えているものでございます。
 この勧告の原則でございますが、一つ目は医薬品の承認状況等に着目いたしまして層別化アプローチと、また二つ目といたしまして対象母集団の類型ですとか、インフォームド・コンセントをどこまで行うかという、ほかの点も考慮する試験固有アプローチというものを併用してはどうかという勧告の内容になってございます。
 次のページ、スライド3でございますけれども、まず層別化アプローチについての概要を御紹介いたします。これは今現在、主要先進国で普通にとられている規制手法でございまして、リスクカテゴリーといたしまして、承認されている、されていないという形でカテゴリーA、B、Cのこの三つに分けます。カテゴリーAは承認済みの医薬品を適用の中で行う試験。カテゴリーBに関しましても、これはいわゆる適用外の使用でございまして、その中でまた更に細かく丸1としてエビデンスがあるもの、丸2としてまたエビデンスがない適用外という形でカテゴリー化されております。カテゴリーのCは未承認の医薬品の臨床試験となります。
 A3のところでございますが、リスク区分が臨床試験の管理・監督に及ぼす影響といたしまして、まず倫理審査とインフォームド・コンセントに関しましては、これはリスクカテゴリーに関わらず全ての試験が必要であるとされております。また規制機関による承認につきましては、未承認と適用外であるカテゴリーBとCに関しては承認を得る必要があると。適用内のものに関しては、事前承認は義務づけは要らないという形になっております。また安全性報告もリスクカテゴリーに関わらず、重篤な有害事象の緊急報告と定期報告は必要とされております。
 またスライド4、補償と保険でございますが、これに関してはリスクカテゴリーを考慮して、カテゴリーA、Bに関しましては、全て特定の試験の保険で賄うのではなく、ほかの手段も使えるようにという配慮がなされております。
 また医薬品の管理におきましても、カテゴリーA、若しくはBの丸1、エビデンスがある適用外使用に関しましては、同じ薬品を臨床の場で使っているときに負担する負担者が、そのコストを負担すること。またその治験薬の表示であったり、医薬品の再包装、再表示に関しましても、ある程度、このリスクカテゴリーに応じて柔軟に対応ができること等が定められてございます。
 右側のページ、試験固有アプローチでございますが、これ実はまだ、現在、どの国でも導入はされていない試みでございまして、勧告上は、この層別化アプローチに加えて、この試験固有アプローチも補完的に導入すべきではないかとされてございます。
 こちらの個々の試験の内容に鑑み、各試験のリスク評価に使用する共通のリスク評価ツールというものを開発して、多国間研究で使用できるようにすることというのがコンセプトでございまして、各試験固有のリスク決定因子といたしまして、大きく1、2、3とございますが、患者の権利に関するリスク、あと患者の侵襲性・安全性に関するリスク、あとデータの保全と公衆衛生に関するリスク、この三つを勘案してリスクを評価するツールの方をつくっていくべきではないかということとされております。
 また一つ、大きな層別化アプローチと異なる点に関しましては、この臨床試験におけるリスク評価は動的プロセスと、時間がたつにつれて副作用の発現状況ですとか、種々の状況によってリスクが変わり得るというスタンスに立ち、試験実施期間中は継続的にレビュー、更新すべきというところが新しい概念かと思います。
 あとB、下の6ページの方でございますが、リスク評価の方法ですけれども、試験実施計画書の作成と並行して行いつつ、リスクレベルの方を評価することとされております。
 B3のリスク適応とリスク軽減でございますが、これ先ほど層別化アプローチのところで述べたそれぞれの内容につきまして、試験固有のリスクに鑑み、それぞれ適切な対応がとられることと、一言で申し上げるとそういった規定の方がなされているところでございます。
 続きまして、資料8でございますけれども、平成24年度の臨床研究に関する倫理指針の適合性調査の公表用の要約版でございます。
 ページ、お開きいただきまして、2ページ目でございますが、目的といたしまして、こちら臨床研究に関する倫理指針の確認と、あと周知・啓発を行うということを目的としてございまして、厚生労働省が公益財団法人の先端医療振興財団の方に委託して実施してございます。
 3.調査対象機関でございますが、本年度は早期・探索的臨床試験拠点と臨床研究中核病院、合わせて10施設、調査対象機関のところ、1から10のこの以下の病院についての調査を行わせていただいております。
 調査の方法でございますが、関連文書、倫理指針の方で規定されてございます各項目について、関連文書の名称、あと記載の内容につきまして、チェック方式で、まず書面の審査を行ってございます。例えば文書はまずあるかないか。またその文書があった場合に、どのような内容が書かれているか。こういった項目についてはありますか、ないですかという一連のチェックリストを用いまして、また書面調査を行い、その後、実地調査といたしまして、実際今やられている臨床研究で具体的にどのような対応がなされているか等について調査を行いました。
 5が調査結果でございますけれども、これ丸1から丸10の機関に関しまして、3ページから5ページにわたりまして、臨床研究機関の文書の整備状況、あと運用状況、追加調査。4ページの上から6行目のカラム、追加調査でございますが、臨床研究を指導・管理・支援する体制ということで文書のみならず体制の方の調査を行ってございます。また中ほど上から倫理審査委員会に関しての文書整備状況、運用状況、また追加調査で体制の調査、また調査対象研究といたしまして、現に今、行われている臨床研究についての調査が行われたところでございます。
 5ページ下側の調査結果の概要でございますが、再調査となった8機関がございますが、この事業は平成20年から行ってございまして、その中で重複があった機関が8機関ございますが、それについて改善が見られているということでございます。
 倫理審査委員への教育について、ポツの三つ目で、実施はしているのですが、明確な教育計画が立てられている機関は少なかったという指摘がございます。また試料等の保存についても統一的な保管方法を定めていない機関が散見された。健康被害の補償措置についても加入スキームが確立されていた。また年1回の厚労大臣への報告についても全ての機関が対応済みであった。また個々の臨床研究についても指針に沿った対応が行われていたとされてございます。
 最後、6ページ目でございますけれども、全ての施設でおおむね指針に沿った体制整備と運用がなされており、体制について一定の整備がなされていたという報告が出されておりますので、御紹介でございます。
 なお、この調査結果、一部不十分である、不十分であるという結果が出ている施設がございますけれども、その対象機関に関しましては指摘事項への対応を速やかに行うよう注意喚起を行いまして、また不十分である、これは具体的には文書がきちんと明確化されていないということがございましたので、それにつきましては対応状況についても、併せて報告を求める予定としてございます。
 以上でございます。
【福井座長】  ありがとうございます。
 本件につきまして、何かご質問、御意見ございませんでしょうか。
 川村委員、どうぞ。
【川村委員】  法律の方に2点ほどちょっと確認させていただきたいのですが、資料6の下の方にあります個人情報とはというあたり、1ページから2ページにかけてですが、個人情報が個人を同定する情報で、いわゆる個人同定情報だと思いますし、またここで書かれている個人情報と個人に関する情報を総称して個人情報というように世の中では使っているように思うのですが、法律的にきちんとどこまで切り分け、正しく使う必要があるかということが1点目。
 それから、もう一点は、死者に関する情報は、どこまでこの法律の効力が及ぶのか。
 2点について確認させていただきたいと思います。
【磯部委員】  御質問ありがとうございます。2.3.1に書いた個人情報という4文字の言葉は、これは(1)で生存する個人に関する情報であるということです。この個人に関する情報とは何を意味するであろうかということの例示が2.3.2に書いてある話ですので、この個人に関する情報というのは、したがって個人情報の一部分であるということになろうかと思います。
 そして、個人情報は法律上、これ生存する個人に関する情報になっているというのはそのとおりでありまして、これはやはり自分の情報を本人がコントロールするというための仕組みなので、したがってそれは生きている人しかできないだろうという意味で生存情報でございます。その意味においては死者の情報というのは扱いが別である。ただし、もちろん亡くなった方の情報であっても、それは同時に遺族の方の情報であるとかいうようなケースであれば、それは遺族の方の本人情報ということで保護の対象にはなりますが、一応そのように概念的には切り分けられていると御理解ください。
【福井座長】  ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 位田委員、どうぞ。
【位田委員】  事務局の方の御報告の方でちょっと質問したいのですが、OECDの勧告なのですけれども、これは基本的に、ここで議論している臨床研究ではなくて、medical products and devicesについてのclinical trialに限定されているのじゃないのでしょうか。つまり日本風に言えば薬事法の範囲と、それからこの指針でやっている、英語で言えば恐らくclinical trialというよりはclinical studyとよく言われる範囲とは少し違うと思うのですね。OECDだけじゃなくてEUでもclinical trialという言葉を使うときにはしばしばmedical devices、medical productsとかpharmaceutical products and devicesというようなのが後ろについてきますので、このOECDの勧告の対象範囲が、そのままここで議論をする臨床研究には必ずしも当たらないのじゃないかなと思うのですが、そのあたりいかがでしょうか。
【高江課長補佐】  申し訳ございません。位田先生御指摘のとおりで、これは臨床研究の倫理指針の適用範囲よりかかなり狭い範囲でございまして、かつ医薬品だけに関するものでございまして、スコープとしては医療機器とか、そういったものも外れている指針ですので、かなり狭い範囲のものでございます。
【位田委員】  もう一点よろしいでしょうか。
【福井座長】  どうぞ。
【位田委員】  もう一つ、例の適合性調査なのですが、これ公表用の要約版なので、必ずしも細かいことはわからないのですが、総括報告書全体としてはどこかでアクセスができるかということ。それから今回の調査そのものは、調査対象機関10機関ですが、ある意味では非常に大手、大手というのかな、何というのがわかりませんけれども、設備も人も、それから経費も、ある意味ではそろっているところで、どの程度十分に適合性があるかという話だと思うのですが、これ以外についての調査が行われているかどうかという質問です。それからもう一点、これは多分、総括報告書の本体全部を見ればわかるのかもしれませんけれども、先ほどの「十分である、不十分なところがある」等々の表なのですが、どの程度の基準でもって十分、不十分ということを判断されているのか。これは報告書を見れば、よくわかるものなのでしょうか。つまりA、B、Cの根拠というか基準というか、そのあたりはいかがでしょうか。
【高江課長補佐】  まず、こちらの総括報告書の本体に関しましては、厚生労働省の委託業務でございますが、こちらは全て公表する形では現時点では考えてございません。
 A、B、Cの判断の根拠でございますけれども、特にCとされた部分に関しましては、そもそもSOP、標準手順書等で文書が規定されていないなど、文書が存在しない場合や、文書は存在するものの運用状況からみて対応がなされていない、不十分であった事項をCとしてございます。Bに関しましては、文書が存在するけれども、その運用について、更に倫理指針の目的からして改善する余地があるような場合に関してはBとしてございます。問題点が見られない場合にはAという形での判断をしてございます。
 また、この適合性調査、平成20年から、先ほど行っていると申し上げましたけれども、ちょっと予算の関係上もございまして、年間大体10施設程度でやってございまして、10施設程度という制約の中でございますと、やはり国としてお金をかけて整備を進めている機関について、この倫理指針の適合性の観点からもきちんと整備が進んでいるかどうかという観点で調査を行っているものでございます。そういった観点で、来年度に関しましても、ちょっと地域の偏在等もございますので、そういった点も加味しながら、比較的国からお金が投じられている機関に関して調査を行っていくことを考えてございます。
 また、追加といたしましては、例えば倫理指針の違反があって、厚生労働省にその報告をしていただいた機関に関しましても、その後の対応状況、きちんと報告は頂いてございますが、それが現にされているかどうかの調査を行うとか、そういった形で考えていきたいと思っております。
【福井座長】  ありがとうございます。
 どうぞ、田代委員。
【田代委員】  すみません、今の適合性調査の話について、追加で少し伺いたいのですけれども、今回の内容で追加調査の話が入っていて、これは指針の適合性というよりはむしろ早期・探索とか、臨床研究中核みたいな、だからちょっと何か調査の中身というか、そもそもの趣旨がちょっと変わってきているような気もしています。こういう形だと恐らく、先ほど少し御説明のあったような、一度何か大きな問題が起きて、そこが本当に対応できているかどうかというときには、この追加項目を外すという形で行うのですかね。
【高江課長補佐】  はい。
【田代委員】  わかりました。
 あと、もう一点は、ちょっとわかりませんけれども、行政指導に基づく指針の適合性調査というので、いろいろ手探りでやられているところが多いと思うのですが、例えば、今までいろいろな形で調査を受けられたところから、無記名でアンケートのようなものをいただいて、本当にこの調査というのが、きちんと実態を捉えられているのかどうかとか、この手法とか、そういったことが本当に、この調査のやり方が望ましいものであるのかどうかということについて少し情報収集していただくと、もうちょっと受ける側とやる側、双方にとって納得がいくような調査になるのではないかなと思っています。ですので、できればそういう、個人的にはいろいろとやはり、手探りでやっている中で、受けた側から、本当にこれできちんとものが見えているのかというようなことを聞くこともあるので、そのあたりというのを少し考えていただけると有り難いかなと思います。
【高江課長補佐】  大変貴重な御意見をありがとうございます。先生の御意見を参考にして、今後よりよい調査にしていきます。
【福井座長】  ありがとうございます。
 どうぞ、直江委員。
【直江委員】  直江です。資料6で、磯部先生にお聞きしたいのですけれども、個人情報保護法というのを改めて見ると、例えば研究目的等に関しては、かなりフレキシブルな書き方がしてあるわけですね。それで、本人の同意がなければ目的外提供ができないというような制度ではないというように書いてございますけれども、一方で、この疫学指針の方を読みますと、本人の同意を得ないで第三者に提供してはならないと書いてございますね。このギャップがどうしてきているのかなと思って見ていたら、4ページのところに、この四角の括弧で書いてあるところを見ますと、先生がアンダーラインを引いてみえる下から3行目なのですけれども、「必要に応じて、個人情報保護法に上乗せした規制を盛り込むべきと考えている」というようなことがありまして、どうしてこのギャップが出るのかというのは、これは疫学指針と個人情報というのは、多分、この会の大きなテーマであろうと思うのですが、ここら辺の議論というのは、どうしてこういうふうな話になってきたのか、ちょっと教えていただければと思うのですけれども。
【磯部委員】  いや、私も今回からなので、なぜこのときそうされたのかということはちょっと正直申し上げられない、つまびらかにできないということで、位田先生は理由、覚えていらっしゃいますか。
【位田委員】  先ほど4ページとおっしゃいましたが、7ページの方で、個人情報保護法適用除外で、何年前ですか、個人情報保護法が施行される直前に、ゲノム指針、それから臨床指針、疫学研究指針について、個人情報保護法ができるから個人情報について関連する部分をきちっとつくりましょうというので改定をしたわけですね。そのときに議論があったのは、「上積み、横出し」という表現でしたでしょうか。要するに個人情報保護法のカバーしない部分についても、それぞれの指針で適切に、その指針の対象に合うように個人情報の保護をしましょうということがまず議論されたという点が一つ。それから他方で、先生が先ほどおっしゃった、相対的に低いという話が、いろいろな問題について考えていかないといけないと思います。例えば研究目的についてきちっと同意を得ていなければいけないというのが、個人情報の保護なり取扱いについて、どの程度の重要性若しくは優先度があるかということを考えた上で、この臨床研究指針にしても疫学研究にしても書き込まれていると思います。それからもっと元へさかのぼって、基本的に医学研究をするときには個人の同意が要ると、いわゆるインフォームド・コンセントが要るというときに、インフォームド・コンセントは、これこれこういうことを具体的に説明し、目的もはっきり説明をして、そして同意をとるという、これはある意味で大原則だと思いますので、そこから出てきている話なのだろうと思うのです。
 したがって、先生が今おっしゃったことは個人情報保護法から出てきている話ではなくて、医学研究の大原則ということの方が先にあっただろうと思いますね。改正のときにした個人情報保護法の議論は、むしろ安全管理措置をどうするかというのが中心だったと記憶しているのですが。したがってものすごく細かい安全管理措置が、その指針の中に入ってしまった。どの指針を見てもそうですけれども、同じような形で入ってしまったということだろうと思います。
【直江委員】  ありがとうございます。それで、要するにこの最後の第三者に渡してはいけないというところが、非常に厳密過ぎる場合がありますよね。先ほども話をしましたように、医学の情報とか中身に応じて、つまりリスクとベネフィットが一度も議論されずに、この条文がすごく拡大解釈されているというのが一つ問題ではないかというのが私の意見です。ありがとうございます。
【福井座長】  それでは宮田委員、どうぞ。
【宮田委員】  これもまた素人の質問を磯部先生とか位田先生にお願いしたいと思っているのですけれども、個人情報保護法、つまり何が重要かというと、今回このいろいろな倫理指針を改定するときに、根拠となる法律とか根拠となる考えが何かというのを今考えているところなのですね。個人情報保護法というのも非常に重要な根拠になると考えるのですけれども、磯部先生の御説明だと、他者が保有している自己についての情報をコントロールする権利を持っているというところがポイントだと思ったのですが、そうすると遺伝情報って自分でコントロールできるのかなと思うわけです。つまり自分の息子にも関係してしまいますし、うちの両親にも祖母にも関係してしまう。そうなると個人情報保護法を機械的にゲノムの取扱いに当てはめることは、あんまりよろしくないのではないかと考えているのですけれども、いかがでしょうか。
【磯部先生】  全くそのとおりだろうと思います。遺伝情報の特質としては、しばしば共有性ということは言われ、それは家族にとっての情報という側面もあるとするならば、およそ本人の同意だけで自由に利用できるという仕組みで説明するには、ちょっと反りが合わないということになるのじゃないかということは、私も全くそのように考えております。
【福井座長】  位田先生。
【位田先生】  個人が、遺伝情報にしろ何にしろ、コントロールするということの意味をどう捉えるかということで変わってくるのじゃないかなと思います。個人情報保護法が言っているコントロールと宮田さんがおっしゃっているコントロールというのは内容的に少しずれがあると思うので、そこはコントロールという言葉の定義をきちっとして使わないと、なかなか議論ができないかなと思います。
【宮田委員】  多分そこが一つの焦点になると思いますが、例えば自分の息子がいきなりはげの遺伝子を公開したときに、私にも及びますので、それは個人情報保護的な意味でも、やはりちょっとコントロールというところの範囲が法で考えている範囲を逸脱しているなと考えていますので、今後指針を考えるときには、個人情報があるからというような言い方では済まないなと思っております。
【位田先生】  ちょっと補足させていただくと、恐らくコントロールうんぬんの問題も重要ですし、他方で情報の内容、若しくは情報の性質、特質ですね。それによって取扱いがやはり変わってくる。宮田さんがおっしゃっている、要するに個人遺伝情報というのは、個人遺伝情報と言いますけれども共有している部分が血縁者の場合は極めて多いですし、そういう場合、そういう特質を持っている情報をコントロールするということがどういうことなのかということをきちっと枠を決めて議論をしないと、ただ単に個人情報とかコントロールという議論ではうまくいかないかなと思います。
【宮田委員】  よろしいですか。
【福井座長】  どうぞ。
【宮田委員】  そうするとやっぱり知りたくない権利というものも遺伝情報にありますので、勝手に研究されて、知りたくもないことを伝えられるという、ちょっと個人情報保護法が想定しているのとは違う事態も私たちは議論しなければいけないということですね。了解しました。
【福井座長】  大変重要なテーマでの議論ですけれども、ちょっと時間が押しておりますので、議題の2に移りたいと思います。両指針に対する各委員からの意見陳述についてでございます。各委員の皆様には、事前に事務局から意見発表の有無の確認と資料の提出の依頼をさせていただいたところです。前回、会議で発表された委員以外の方で、意見発表の申出を頂いた委員の方に御説明をお願いしたいと思いますが、まず発表のやり方につきまして、事務局より説明をお願いします。
【宮脇室長補佐】  事務局でございます。お手元の資料の9、各委員からの提出資料という白表紙の資料を御参照いただきたいと存じます。こちらの方は各委員から事前にお送りいただきました御意見、50音順でとじ込んでございます。前回までに既に御説明いただきました委員を除きまして、この資料の順番に、本日は跡見委員、位田委員、山縣委員の順番で御発表、御発言をお願いしたいと存じます。なお、祖父江委員は本日あいにく御欠席ということでございますので、恐縮でございますが事務局の方から御紹介する形で対応させていただきたいと思います。
【福井座長】  ありがとうございます。
 それでは、ただいま事務局から御説明のあった順に、お一人5分以内くらいでお願いしたいと思います。なお、質疑応答は全ての委員からの発表が終わった後にまとめて行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、跡見委員からお願いいたします。
【跡見委員】  上の二つはほとんど同じでありまして、指針を実際、研究で運用する場合に、まず、これは調査だから疫学を読んで、途中で、あれっ、遺伝子があるから、これはじゃあゲノムの方かと思うと、ゲノムの方を読むと、これは除外されるというようなことで、また、どこに戻ったらいいのだろうという。実際問題としても現場は大変なのですね。これは津金先生もおっしゃっていましたように、ほとんど今、いろいろな疫学調査もそうですし、遺伝情報をかなり取り扱っているということから言うと、これは一つの体系として示して、途中で枝分かれしていくようなものがいいのではないかと思います。
 そこはもう同様に、その次の代諾者、ここにある同席同意者なんて私どもが使っている言葉が書いてありますが、これも指針ごとに少し違っている、濃淡があるようです。一つの指針となれば、これはきちんと明記されるだろうと思います。それを統一すると、かなり大部なものになって、持ち歩くのも大変かもしれません。ということもありますし、倫理審査委員会というのがしっかりさえしていれば、実際はこういう指針というのは本当に大まかのものでいいだろうと思うのですね。ただ、倫理審査委員会の質保証、それから例えば共同研究等で主任研究者の倫理審査の結果が添付されていることがありますけれども、次の私たちが見ると、かなり不十分なものであるというようなことも少なくありません。そうした場合に、これかなりしっかりした大きな施設から出ておりましても、そういうことがあります。
 それから、また先ほど法人の有無で、審査委員会を設けている施設が法人の有無という話もありましたけれども、今御存じのように法人はほとんど届出だけで認められるということもありますし、かなりこういう倫理審査委員会の質保証、それから各共同研究などにおける倫理審査委員会の共同の取扱いとか、様々な倫理審査委員会には大きな問題があろうかと思います。私の提案としては倫理審査委員会、これ受ける法の疫学指針、臨床指針と、それから審査する方の指針というのはやっぱり別にあっていいのじゃないかということで、倫理審査委員会というのは、別に大きく内容や質保証や様々なことを示した指針をつくってはどうかというのが提言でございます。先ほどの言葉や様々なものに関しては、わかりやすい言葉で直していただきたいと思います。
 それからもう一つ、これは本委員会で扱うものではないかもしれませんけれども、宮田先生がこの間おっしゃったようにインフォームド・コンセントを得ることが形式的になっているのじゃないかというような御指摘がございました。確かに今そういう側面もあるのですね。ICをとるということが非常に重要な作業でありますので、この委員会と別のところでも結構ですから、少なくとも患者さんや試料提供者にわかりやすいガイドラインというものを公的なところから示していただきたい。今のところは各研究施設、それから各個別の案件で、皆さんに、これは倫理審査委員会で認められていますからと言うのですけれども、その倫理審査委員会の在り方がどうかとか、それがどういう質保証が担保されているかということは一切患者さんや試料提供者の方には示されていないですね。そういったことがわかりやすく、国民の方にも示されるようなものがあると、ICをとる労力もかなり少なくなるでしょうし、両方の納得がいきやすいのじゃないかと思います。
 以上です。
【福井座長】  ありがとうございます。
 それでは位田委員、よろしくお願いします。
【位田委員】  ありがとうございます。私の意見は2月5日に意見募集についていただいたメールで、特にこういうところを見直しする必要があるのじゃないかということを挙げておられたので、それにこたえる形で意見を書かせていただきました。
 順番に、ごく簡単に申し上げていきたいと思います。まず、疫学研究と臨床研究指針、合同で見直しをするということなのですけれども、どちらが本則でどちらが例外則に当たるか、もう少し大きく言えば、共通部分が何で、臨床研究に特有のところと疫学研究に特有なところということをきちっと切り分けて議論をし、そして規定をしていけば、一本化することもできると思っています。
 ただ、手立てとしてはやっぱり臨床研究の方が私のイメージでは本則になって、疫学研究はその外側、プラスアルファの部分がつくんだろうと私は思っていますので、臨床研究をまず議論をして、それから疫学研究に特有な部分を追加していくという方法がいいのじゃないかということでございます。
 それから2番目、国際的な用語の使い方と書いているのは、先ほど申し上げたように、clinical trialとclinical research、clinical study、いろいろな英語がありますし、それから一つの英語の単語が日本で言っている言葉と定義・概念が一緒かどうかということを常に留意しながら議論をしておかないと、日本ではこういうルールがありますと外国に説明したときに、かなり齟齬が起こって、多数国間の共同研究というのが非常にやりにくくなるのじゃないかと思います。
 3番目は、研究現場で指針の解釈に誤解があるのじゃないかという話なので、これは現場でやっていただければと思いますし、それから4番目の現行指針の改正うんぬんの話は先ほど質問の中で申し上げました。
 それから5番目ですが、バンク化の点も考慮に入れて対応すべきだという点です。やはり研究の中で、連結可能匿名化でバイオバンクをつくって、若しくは遺伝情報などのデータベースをつくってという話がかなり大きくなっておりますので、やはり指針の中にきちっと、その概念なり手法なりを書き込む必要があるのじゃないかと思います。
 それから倫理委員会については、私は、この指針の中で倫理委員会うんぬんを議論するというよりは、むしろ倫理委員会とは何かということを外に出して議論をして、倫理委員会に関する指針をつくっておいて、その指針でゲノムにしろ、遺伝子にしろ、あらゆる指針での倫理審査に適用できる体制をとるべきではないかと思っています。
 それから7番目、研究である以上、やはり補償は考慮する必要があるので、今、保険会社も臨床研究の保険というのをかなり考えていますから、これはやはり指針の中に明記するべきであると思います。必要であれば国がそういうことを保険会社に要請をするべきだということです。
 それから8番目、これは重要なのですが、研究計画は今までは倫理審査で承認されれば、後はそのまま放っておかれるので、むしろ承認された後で研究が研究計画どおりに行われているかどうかというフォローアップとかモニタリングを考える必要があるのではないかということでございます。
 それから、臨床研究と治験の一貫性という問題なのですが、私はやはり、一方は行政指針で他方は法律という、根拠が違いますので、どちらも患者さんを対象にしたものですから、やはり何らかの形でレベルを統一し、内容ももし統一できるところがあれば統一をして、それでそれぞれの部分の研究をするという方がいいのではないかと思っています。
 それから1点、補足させていただきたいのですが、この指針の改正の議論をするとき、今の指針で具体的にどこがどのように困難があるのか。それから、前に指針をつくったとき、若しくは改正したときと比べて、研究がどこでどのように発展をし、若しくは研究手法がどこで、何がどういうふうに進展してきたかということを具体的に御説明を頂いて、それに対応して指針のここの部分はこう変えようという形で議論をしないと、今までずっとやってきた臨床研究の指針の議論がもう一度蒸し返してやらないといけませんので、それはかなり時間もかかりますし、無駄な部分が多くなるかなと思います。
 以上です。
【福井座長】  ありがとうございます。
 それでは山縣委員、お願いします。
【山縣委員】  一番最後のページでございます。今日お話ししたことと重複するところがございますので、簡単に。
 まず、出生コホートというのが多く行われるようになった場合に、未成年の同意、それからアセントについて、現状では16歳というのを臨床研究も疫学研究も一つの基準としていて、それ以前であったとしても、それよりも年の若い子供たちに関しても「理解を求める」と書いてあるのですが、こういうアセントという言葉が最近使われてきたので、そういうことを中に入れる必要がないかという、ゲノム指針では入ったわけですが、そういうこと。
 あと具体的なものというのが、実際、実際にはなくて、そこをどうするかということも課題ではないかと思います。
 それから2番目に、侵襲の問題、今後、観察研究、介入研究、介入研究の場合でも侵襲の度合いということが出てくるときに、採血というのは最も軽い侵襲と考えられるわけですが、ただ対象によって、それは異なるのではないか。特に出生コホート研究の場合であると、健康な子供に対しての採血ということが行われるわけですが、それについてどういうふうに考えたらいいのかということが一つあると思います。
 それから三つ目としては、我が国でも検討されつつあるマイナンバーが使用されるようになったときに、当然プロジェクト独自でとったインフォームド・コンセントに基づいたデータと、このマイナンバー法というか医療に関する情報を突合したときに、そのデータセットというのはどういう枠組みで規制を受けるのかということは、今議論すべきかどうかわかりませんが課題としてあるだろうということ。
 4番目には、先ほどからありますように、個人情報保護法という法律とも研究の倫理というのは、切離しは可能なのかどうなのかという点。
 それから5番目に、データアーカイブの話であります。これにつきましては、これまで議論のあったところであります。
 それから、その他1、2に挙げましたが、いわゆる医療情報を含めてこういう健康情報というのの、個人のサービスに対する個益と、一方で同じような病気、健康状態を有する人、将来の人類にとって有益な情報であると、その公益というところを、やはり国民が共通の認識を持たないと、いつまでたっても既存の情報というのを研究に活用する際に大きな問題が出てくるだろうということで、研究者としてもそういった理解を求める努力が必要ではあろうとは思うのですが、ここが適正に活用できるような指針というものを考えていく必要があるだろうと思います。
 それから、その他の2番目としては、先ほどもお話ししましたように大規模で縦断的なコホートというものが各研究で行われているのですが、データアーカイブのところでも田代委員がお話になりましたが、いろいろな研究があちこちで立ち上がることによって、対象者は重複した研究に参加しなければいけないようなことがあると。それから多くの研究費が同じような研究をやるということがないように、やはり、例えばイギリスを例にとると、国で行う縦断研究のようなものというのはやはりきちんと研究、それから政策の基盤としてこういったものをつくっていくということも想定しながら、そういうことができる倫理指針というのも考えていかなければいけないのではないかと思っております。
 最後に1点、書いておりませんが、最近、個人的に困っているのは、倫理指針に関してジャーナル側が結構注文をつけてきます。いわゆる連結不可能匿名化にしたようなデータセットを使った研究に対しても、同意をとったのかというようなことを聞いてきて、それに対して何回もやりとりをして、私の場合はやっと理解してもらったのですが、ほかの研究ではなかなか理解してもらえず、ジャーナルの倫理基準に適合しないということで、まだペンディングになっているようなものもあるというふうに、少しこれに対してジャーナル側の要求というものが変わってきているような気もいたしております。
 以上です。
【福井座長】  先生、そのジャーナルは外国のジャーナルですか。それとも日本の。
【山縣委員】  明確に言うとオープンジャーナルのオープンアクセスの例えば『PLoS ONE』というところでございます。
【福井座長】  ありがとうございます。
 それでは事務局より、祖父江委員から御提出のあった資料を読み上げていただきたいと思います。
【宮脇室長補佐】  資料9の13ページでございます。祖父江委員から御提出いただきました意見を御紹介申し上げます。
 まず第1でございますが、疫学・臨床研究倫理指針を合体させた後の指針の構成としては、「基本共通部分、観察研究部分、介入研究」として、「疫学・臨床」という枠組みは廃止した方がよいと思うということ。
 第2といたしまして、公的統計やがん登録など既存資料を個人単位レコードで利用する場合、公的統計やがん登録側の審査がある場合が多いが、これと研究者側の倫理審査との関係を整理した方がよいという意見。
 第3といたしまして、研究倫理審査の適用範囲外と判断される研究について、適用範囲外と判断する書面を求められる場合があるので、これに対応する仕組みがあると助かるということでございます。
 それから第4といたしまして、研究倫理指針の利用者(研究者、倫理審査委員)からのフィードバックが必要(わかりにくい点、判断に困る点など)ということでございます。
 第5、個人情報保護法との関係で、保有する個人情報について対象者からの訂正要求に応じることになっているが、法律の内容をそのまま倫理指針に盛り込む必要はないのではないかということでございます。
 最後、第6でございますが、CIOMSのInternational Ethical Guidelines for Epidemiological StudiesのBackgroundを読むと、この作成に当たって、医学研究全般のガイドラインと疫学研究のガイドラインとの関係ついて、疫学研究者から異論があったように記載されています。関係者の中に日本人の先生のお名前があるので、この先生に過程を確認できるとよいのではないかと思いますという御意見でございます。
 以上でございます。
【福井座長】  ありがとうございました。
 ただいま、委員の方々から御説明いただいた内容に対する御質問や御意見、また先ほど議論のあった個別事項への御意見でも結構ですので、御自由に討論していただければと思いますが、時間が大分押しておりますので、10分程度でお願いできればと思います。何かございませんでしょうか。
【玉腰委員】  すみません、よろしいでしょうか。
【福井座長】  はい。玉腰委員、どうぞ。
【玉腰委員】  位田先生が、先ほど臨床指針の方が基準になった方がいいとおっしゃったのですけれども、その何か理由があれば教えていただけないでしょうか。
【位田委員】  私はサイエンティストではないので、これまで指針をつくるのに携わった、ある意味では感覚的な問題なのです。基本的にヘルシンキ宣言なんかとも考え合わせてみると、要するに患者さんに介入して研究をするということがまず中心になって、それにプラスその他の研究手法として疫学というのがあるのではないかというのが私のイメージでしたので、本則は臨床研究で、それにプラスして疫学研究という形にした方がいいのではないかという考え方なのです。特に学術的な根拠あるとかという話ではありません。したがって疫学研究が本則になるということに大きな異を唱えるわけではありませんけれども、ただ、研究の現場で考えた場合には臨床研究の方が数も多いでしょうし、規模も大小様々あるので、そこをまず捉えるということの方が重要なのではないかなと思っている次第です。
【福井座長】  ありがとうございます。
 丸山委員、どうぞ。
【丸山委員】  最初の指針をつくったときの経緯からしても、臨床研究倫理指針はヘルシンキ宣言の重要なところを踏まえてというところがありましたので、医学研究を念頭に置くのであれば、今、位田先生がおっしゃったように臨床研究倫理指針をベースというかアンブレラにして、あと疫学指針の方、そこからプラスする、あるいは差し引く、あるいは変更を加えるというような方が望ましいかなと私も考えるところです。
【福井座長】  ありがとうございます。
 山縣委員。
【山縣委員】  これはどういうふうに考えるかということではあると思うのですが、例えば経緯として、じゃあどうして疫学指針の方が、例えば我が国では先にできたのかとかっていうような経緯も踏まえて考えると、こういう倫理的な問題になるというのは、実は僕は疫学研究の方が大きいと思っています。それは同意の在り方に非常にバリエーションがあるからで、むしろ臨床研究の方がヘルシンキ宣言に書いてある、いわゆるインフォームド・コンセントというのをいかにしっかりやるか、あと侵襲に対してどうするかということはむしろその中の一部で、人を対象とする研究というふうに考えたときには、先ほど私もお話ししましたが、健康な人たちをやっぱり追いかける研究というのは非常にこれから重要になってくる。つまり死亡だとか治療だけではなくてり患ということが非常に大きな問題で、我が国でも、いわゆるこの第1情報というのを基盤とした健康政策が行われているときに、病気になった人を研究することはもちろん大切なのですが、り患するということをアウトカムにした研究ということを考えていくと、そういった研究はこれからどんどん行われていかなければいけない。そう考えたときに、という視点から見るとやはり疫学研究の指針というのは非常に重要な、根底になる指針だと思います。
 以上です。
【福井座長】  花井委員、どうぞ。
【花井委員】  これ位田先生に教えていただいたらいいのかもしれませんが、2次利用とバンカーという話なのですけれども、ある種これ、今、例えば献血血液を利用しようとかいろいろな動きがあるのですが、包括的な同意、ある種2次利用というのは包括同意ということになると思うのですけれども、そうすると包括同意という概念と、それから最初にデータ化することについての利用に対する同意というものの関係というのは、何か法律上、何らかの、その論点について議論があるのかというのがちょっと聞きたかったのですけれども。
【位田委員】  この点は、恐らく私より丸山先生の方がお詳しいと思いますし、丸山先生にお願いいたします。
【福井座長】  丸山先生、いかがでしょうか。
【丸山委員】  前回、少し説明させていただいたところなのですが、2次利用を試料なり情報なりについて行うやり方の一つとして包括同意があり、また包括同意は2次利用だけじゃなくて、それ以外のバンクのための試料収集とか、そういうものもあるので、かなり重なっているというのは御指摘のとおりだと思います。
【花井委員】  述べてよろしいでしょうか。
【福井座長】  花井委員、よろしいですか。今の御説明で。
【花井委員】  ありがとうございます。ということは今後議論するときに、やはり同意の中身についてやっぱり具体的でないと、多分一般の人は、じゃあそれ、そこでこういう役に立つことに、データベース化するといろいろな役に立つのよという説明をされても、実際その研究がどういう形の研究が具体的に起こるのかということはやっぱり予想しにくいと思うのですね。そのいわゆる予想しにくさについて、やっぱり理解を得て同意をとるというのは、かなり論理としては困難なことだと思うのですけれども、しかしそれを言っちゃうと、そういう研究というのは非常に阻害されるので、やはりそこはオープンな形で合意というものを、国民と合意できるような形というのが必要じゃないかと思いました。以上です。
【福井座長】  ありがとうございます。
 位田委員、どうぞ。
【位田委員】  簡単に補足なのですけれども、包括同意といったときに、みんなが同じイメージで包括同意という言葉なり概念を使っておられるわけではどうもなさそうです。例えば、有名なのは国立がん研究センターの包括的同意とか若しくは包括同意といわれる方法ですけれども、あれはかなりきちっとした制度だと私は評価しています。しかし、包括同意という方法で同意をとるときに、一緒に医学研究にも使わせてくださいねと言っておけば、全部同意がとれるというふうに非常に安易な形で使われているケースもあり得ます。やはりここでも、何が包括同意という言葉で意味するのか、それがどこまでだったら可能で、どこからは駄目なのかということはきちっと議論をしておく必要はあると思います。
【福井座長】  門脇委員。
【門脇委員】  先ほどの臨床研究と疫学研究の指針の関係の問題なのですけれども、これまでのこの会の議論の中で、疫学研究と臨床研究を画然と分けることは現実的でないことが明らかになってきたと認識しています
。例えば臨床研究の中にも介入研究もあれば観察研究もあるという議論があったと思います。したがって、津金委員あるいは祖父江委員あるいは直江委員の意見でもあると思いますけれども、人を対象とした研究という形で土台部分をつくった上で、観察研究と介入研究、それぞれについて土台に加える部分として策定すべきものがあればそれを策定するということが現時点ではよいのではないかと思います。
【福井座長】  ありがとうございます。
 ほかに。丸山委員、先にどうぞ。
【丸山委員】  一つこれから検討に入れていただきたい問題として、同意文書を電子的に保存して構わないかということを考えております。一つのやり方は、これまで得られた同意書をスキャナーで電磁化して、それを保存することが許されるかということと、それからもう一つが、当初から電子的に同意書に電子証明するのでしょうかね、そういうものを入れるというようなことが許容されるかどうかという問題について。この関係では、治験については、既に俗に言うe文書法に基づく制度で電子保存が許されております。それから手術に対する同意書についても、診療録の一部となるような場合ですと、やはりe文書法に基づく厚生省の省令の中の別表に含まれていてできるのですね。ですから診療の同意書と治験の同意書はできるのだけれども、それ以外の研究の同意書については、規制するものが両方とも法令に基づくものなのですが、こちらは、先ほども指摘がありましたように、ガイドラインで行政的な指針によっておりますので、ちょっと性格が違う、そのあたりで、これまでルールが設けられてこなかったかと思うのですが、大規模研究が多くなってきて、同意文書の山に、置き場所なんかに困っておられるところもあるのじゃないかと思われますので、このあたり、検討の対象に含めていただければとお願いしたいのです。
【福井座長】  わかりました。是非その方向で行いたいと思います。
 津金委員。
【津金委員】  やはりハードルの高いところからある程度低いようなところというふうに落っこっていく、ある程度そこら辺のを緩めていくと、非常にハードルの高いところにやっぱり引きずられがちというような傾向がやっぱりあるのですね。それで日本の場合は、ゲノム指針というのが一番上、何回も言っていますけれども、ゲノム指針というのが一番最初に来ていて、疫学研究でも臨床研究でもゲノムを扱う瞬間に適用除外になってしまって、ゲノム指針に引きずられるというようなことが、ゲノム指針で疫学研究、臨床研究をやらざるを得ないという状況が続いてきたわけなのですね。先ほど、個人情報を余りにも過剰に適用すると、もう完全にアジアから取り残されていくというようなお話をしましたけれども、ゲノムや何かにおいても、いわゆる『ネイチャー』、『サイエンス』に出るような、いわゆる生物学的な研究においては、日本はそんな遜色はなかったと思うのですが、いわゆる臨床研究であれ、疫学研究であれ、『ニューイングランド』とか『ランセット』に出るような、本当に国民生活とか公衆衛生とか臨床にインパクトを与える研究においては、日本は本当に、完全に後じんをもう拝しているわけですね。それは、一つにはやっぱりゲノム指針で疫学研究、臨床研究をやらざるを得なかったという、この何十年か十数年というようなことがあって、そういう意味で本当に、ある意味で日本は悲劇を生んでいるわけで、先ほどのアジアのコホートコンソーシアムという話があったのですけれども、実はもうゲノムのコホートコンソーシアムというのはもう10年以上前からアメリカや何か、欧米を中心にやられていまして、当然今まで、当然ゲノムとしてきちっとインフォームド・コンセントをとっていないような試料や何かをものすごく有効に活用してきて、要するにERゲノムの情報プラス一般的な生活習慣の情報とリンクさせた研究というのは『ニューイングランド』とか『ランセット』にいっぱい出ているわけですね。そこに日本は、全くそこら辺には参加できないという状況になっているということです。そういうことはもう二度とやはり繰り返すべきじゃないと考えています。
【福井座長】  ありがとうございました。
 山縣委員、どうぞ。
【山縣委員】  津金先生が言われるとおりで、私もその点に関しては。つまりゲノムに関して特別扱いする、まだ時代なのかどうなのかということも含めて、恐らくそれはここで話すのかどうなのかわかりませんが、当たり前の情報として研究として使われているということだと思います。その際に、前回、丸山先生から出たのですが、今日も包括同意という、まず包括同意というのはどういう言葉なのかということも含めて、これから議論になっていくと思うので、それについてどなたかに御解説を是非お願いしたい。
 といいますのも、今、東京大学の医科学研究所の井上悠輔先生がスウェーデンに留学されているのですが、そこの情報ですと、ゲノムの情報を、バイオバンク計画をカロリンスカ大学がやるときに、研究所がするときに、これについて倫理審査はうまくいっているのだけれども、いわゆる個人情報保護当局の方がそれに対してストップをかけていて、うまくそれが進んでいないというようなことがあって、その問題になっているのがその包括同意というどうも言葉らしく、こういうこと含めて、少し現状、それからその言葉の使い方等について、是非共通の認識を持っておく必要があるかなと思います。
 以上です。
【福井座長】  ありがとうございました。問題点が随分明らかになってきていると思いますが、それでは最後に宮田委員、どうぞ。
【宮田委員】  みなさんが重いくびきを課せられて研究が進まなかったという御不満はよくわかりますけれども、そういった指針が導入されてしまった社会的な背景というのが十数年前に存在した。つまりいいかげんな臨床研究が行われていた、疫学研究が行われていたということは心にとめなければいけないし、それをそれじゃ今、倫理、こういった指針が整備されてきたからといって一般国民が理解しているかというと、そうではないと私はまだ思っております。
 ですから皆さんは研究の都合だけをここで御主張なさることは、私は得策ではないと思います。今回の指針は何をやるのだ。最初は、やはり国民の保護だろう。それをしながら臨床研究とか疫学研究、ゲノム研究をどうやって進めていくのかという工夫に、この審議はあるべきだと思っています。
 ですから、そういう意味では確かにおくれちゃったということは事実ですし、私も科学ジャーナリストとして隔靴そうようですけれども、そういったことを前面に出すということは、私は間違いだと。今こういった科学研究や社会の情勢、IT、インターネットの状況が変わってきたときに、どうやったら被験者保護ができて、皆さんがやりたいような研究をやり、日本は国際的な臨床研究や疫学研究、ゲノム研究で国際的な貢献ができるのかという立論の順番だと私は思っています。
 そのために、ここでの議論を是非皆さんにお願いしたいのは、何の目的でこれをちゃんとやるのかというのを、少なくとも新しくできる倫理指針の前文では明確にしていただきたいということは一つあります。
 それから、その前に是非議論していただきたいのは、治験者の、あるいは臨床研究に関する保護法、被験者の保護法をつくらなくていいのかどうか、あるいは指針だけで対応できるのか、あるいは指針とほかの法律の組合せで対応できるのかという議論をまずやるべきだと私は思っています。個人的な意見から言わせると、そろそろ法律をつくらなければいけないのではないかと認識をしております。
 以上です。
【福井座長】  ありがとうございます。
 様々な立場からの御意見を頂きまして、できるだけ対応できるような見直しをしたいと考えております。
 本日は大分時間も過ぎてしまいましたので、それでは議題の3、その他につきまして、事務局より何かございますでしょうか。特にございませんか。
 それでは、本日予定していた議事は以上です。
 最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。
【宮脇室長補佐】  事務局でございます。次回の日程でございますが、4月25日木曜日、午前10時からの開催を予定してございます。会議場所あるいは出欠等の確認につきましては後日改めて事務局より御連絡差し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、本日の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様方に御確認をお願いしたいと存じます。その後に公開の段取りという形でございます。併せてよろしくお願い申し上げます。
 机上配付資料は常備資料ということでございますので、そのままでお願いしたいと思います。
 事務局からの連絡事項は以上でございます。
【福井座長】  ありがとうございました。
 以上にて閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。


(了)
<問い合わせ先>

医政局研究開発振興課
担当:本間、吉岡

電話: 03−5253−1111(内線4165、4163)

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