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2013年1月23日 第12回新水道ビジョン策定検討会議事録

健康局水道課

○日時

平成25年1月23日(水)14:00~17:00


○場所

厚生労働省専用第18・19・20会議室


○出席者

出席構成員

滝沢座長 浅見構成員 永井構成員 岡部構成員 尾崎構成員
木暮構成員 佐藤構成員 長岡構成員 服部構成員 平田構成員
吉岡構成員

○議題

(1) 第11回検討会議事録(案)について
(2) 新水道ビジョン(案)について
(3) ワークショップについて(結果報告)
(4) シンポジウムの開催(案)について
(5) その他

○議事

○ 日置課長補佐
定刻より若干早いですけれども、ただいまから第12回新水道ビジョン策定検討会を開催させていただきたいと思います。構成員の皆様にはご多忙にもかかわらず、ご参集いただきましてまことにありがとうございます。まず構成員の出席状況でございますが、本日、11名すべての構成員に出席をいただいているところでございます。

○ 水野係長
それでは、議事に入ります前に事務局より配付資料の確認をさせていただきます。まず一番上に議事次第がございます。裏面に添付—1として検討会名簿、次のペーパーの座席表、それから、検討会の実施スケジュールが添付—3でございます。次の資料—1のホチキスどめ、A4でございますが、第11回検討会の議事録(案)でございます。続きまして、資料—2が12月22日に行いました新水道ビジョンワークショップ結果報告(案)というものでございます。次が資料—3、新水道ビジョン(案)でございます。その下に参考1とありますが、ホチキスどめ二枚紙で、目指すべき方向性と重点的な実現方策の関係というA4の資料がございます。一番下に資料—4としまして、新水道ビジョン策定検討会シンポジウムの開催(案)という一枚紙がございます。
資料としては以上でございます。もし足りないもの等ございましたら、事務局にお申しつけいただければと思いますが、よろしいでしょうか。
議事次第のところの右側ですが、資料—1、資料—3、資料—2、資料—4と、資料—2と3が逆になっておりますので、資料—3と書いてあるところを資料—2に、新水道ビジョン(案)についての資料—2となっているところを資料—3にご修正いただきたいと思います。よろしいでしょうか。

○ 滝沢座長
それでは、年も改まりまして、構成員の皆様方、これまで長期間にわたりましてさまざまなご検討をいただいたところではございますが、本日いよいよ新水道ビジョン(案)についてご検討をいただくという予定でございます。限られた時間でございますけれども、どうぞ闊達なるご意見をいただきたいと思います。
早速でございますが、議事を進めさせていただきたいと思います。
まず議事の(1)ですが、検討会の議事録(案)につきまして、これは既にメール等で配付いたしまして、ご意見をいただいているところだと思います。特にご意見なければ、「(案)」をとりまして承認させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。どうぞ。

○ 木暮構成員
私のほうで修正したものを送るのを忘れておりまして、事務局には一昨日送ってあります。大まかな内容は変わらないのですが、表現上の修正が少し入りますので、ちょっと変るということでよろしくお願いしたいと思います。

○ 滝沢座長
承知しました。その点、ご修正いただけますでしょうか。
ほかに何かお気づきの点ございますか。よろしいですか。ありがとうございます。そこを修正していただいて、ご承認いただくということにしたいと思います。
続きまして、ワークショップについてご報告をお願いしたいと思います。

○ 日水コン(榊原)
それでは、資料—2についてご説明いたします。資料—2は新水道ビジョンワークショップ結果報告(案)となっております。
新水道ビジョン策定検討会では、毎回の検討会の開催のほかに、これまで関係者のご意見を伺う機会を幾つかやってまいりました。例えば関係団体、15団体の意見を伺いましたし、東日本大震災の被災事業体の方々の意見も伺ってまいりました。今回は住民の方の声を聞くという観点から、ワークショップという形式で開催したものであります。
概要をご報告いたしますと、平成24年12月22日土曜日の午後、水道協会の会議室をお借りしまして開催いたしました。出席者ですけれども、一般参加者の方が、各地区の水道モニターということで、矢巾町、神戸市、四日市市のモニターの方にご参画いただきました。それから、東京大学、東京都市大学の学生さんにも来ていただきました。それから、一般公募ということで、水にかかわるコンサルタントの代表の方にもご参加をいただきました。構成員は滝沢座長、長岡構成員、平田構成員、吉岡構成員にご出席をいただいたところであります。
4ページをごらんいただきたいのですが、ページ番号を振ってございませんが、A4横のカラーになったものがございます。4ページ目が左上にA班、5ページ目が左上にB班と書いてありますけれども、参加の方がA班とB班、2つの班に分かれてテーブルを囲みましてワークショップを行ったものであります。水色とピンクと黄色の付せん紙が書いてありますけれども、水色が日本の水道のよいイメージについて書いていただいたものです。ピンクの付せん紙が日本の水道の悪いイメージを挙げていただいたものです。黄色がその課題に対しての解決策、アイデアを書いていただいたということでありまして、おのおの参加者の方々にピンクと水色と黄色の紙にご意見を書いていただきまして、それぞれテーブルを囲んで、模造紙の上に張っていく。張っていきながら自分の意見を発言していただくというような形で進めていきました。
模造紙の上にキーワードの付せん紙がたくさん並んできましたので、キーワードごとに幾つかグルーピングを行いました。例えばA班でごらんいただきますと、左上から「水がおいしい」、その下に行きまして「水処理技術が高い」「耐震性の高さ」「自治体協力体制」、また上のほうに行きまして「料金」「水が豊富」「水の利便性」「料金の地域格差」「水質間格差」「災害対策」「情報広報」「その他」といった形でグルーピングを行っていただきました。A班は左半分のほうに水色のよいイメージを並べていただきまして、右側のほうが悪いイメージということであります。それぞれその下のほうに黄色の解決策、アイデアを並べていただいたというような形でした。
一方、B班ですけれども、次のページをごらんいただきたいのですが、水色とピンクがそれぞれグループごとに一緒に入っているような並べ方をしていただきまして、キーワードをみてみますと、左上から行きまして「リーダーシップ」「国際」「水質」「人材」「インフラ」「災害」「情報」「情報(受け手)」「技術」「行政」「教育」「経営」といったまとめをしていただいたということです。
このまとめをしていただきまして、それぞれ各班の代表の方に発表をしていただきました。その発表を聞いて、お互いの反応、並べたものをみて、意見交換などを行ったというような形で進めていきました。
また1ページに戻っていただきたいのですけれども、3番、ワークショップで得られた主な意見ということで、まず日本の水道のよいイメージですが、水道水がおいしい、直接飲用できる、水質基準が守られている、利便性が高い、水が豊富、高い水処理技術、インフラとして充実、あとは災害のときにも給水できるなどが挙げられました。一方、悪いイメージということで、次の2ページにございますけれども、水道事業者から住民への情報・広報が不足している、経営状況が不明確、地域間で料金格差、地域間で水道水質に違いがある、災害対策のおくれ、老朽化、人材の不足などが挙げられました。アイデアですけれども、水道事業者からの積極的な情報提供、マスコミの活用、利き水の実施、民間との連携、広域化、住民の意見を反映した水道施設整備、家庭における生活用水の備蓄などであります。
以上のワークショップの結果を踏まえて、この水道ビジョンへの反映の部分でありますけれども、3ページをごらんいただきたいと思います。冒頭でご説明いたしましたけれども、皆様の関係者のご意見を伺うということで、特に今回は住民の方にご参画いただきましたので、住民との連携、情報提供に関する提案をまとめたものであります。ここに書いてあるものはすべて逐一ではありませんけれども、この後、ご説明いたしますビジョン(案)のほうに考え方といいますか、理念は反映されたものになっております。
この箇条書きを見ていただきますと、1番目ですけれども、日本の水道は、水質、利便性、断水の少なさ等、国際的にも進んでいる。ただ、それが住民にとって当たり前のことで、悪いイメージばかりが先行する傾向があるということです。ですので、水道事業者から住民への情報提供によって、改めて日本の水道のよいところがわかる。それから、東日本大震災の経験も日本の水道のよいところがわかるきっかけになったということです。それから、現状の水道事業からの情報提供は、その多くが専門用語が多用されているということですので、住民の欲しい情報と行政が発する情報に温度差がある。水道事業と住民が交流し、住民の欲しい情報は何かを明らかにすることが重要。それから、利き水等のイベントなどが可能である。なかなか人が集まらないので、別のイベントと連携するような発想が必要ということです。利き水を行っても、水道水とボトルウォーターの区別がつかないということで、水道水がおいしくないというようなイメージが先行しているということです。あとは口コミが有効だという話ですとか、水道職員の人事異動、リーダーシップの欠如などが住民との交流においてうまく機能していない理由として挙げられていました。あとは一番下ですけれども、「情報提供→情報交流→関係者間の理解」といった形でコミュニケーションが進むことで、水道にとって困難な課題に取り組むことも可能となるということであります。このようなワークショップにおいて、水道ビジョンへの反映といいますか、意見が出されたということでご報告いたします。
今回、住民を対象としたワークショップの報告でありましたけれども、この後、2月から3月にかけまして、国民全体が対象ということになりますが、広くご意見を伺うということで、パブリックコメントが控えているということであります。
資料—2につきましては以上です。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。これにつきまして、ワークショップにご参加いただきました構成員の皆様、あるいはご参加いただかなかった方も含めて、追加のご意見等があればと思います。まずはご参加いただいた長岡構成員、平田構成員、吉岡構成員、こんな形でまとめていますけれども、何か追加でお気づきの点とかありますか。

○ 吉岡構成員
当日の内容をうまくまとめていただいているのではないのかなと思いました。特に住民にとって水道はあって当たり前ということで、どちらかというと水道の悪いイメージばかりが先行するというのはそのとおりのことだと思います。やはり広報などを通じて、これからここの部分についてどのような策を講じながら連携を図っていくかというのが課題なのかなと、ワークショップを通して改めて感じたところでした。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
平田さん、どうぞ。

○ 平田構成員
このワークショップに参加させていただいて、さまざまな地域に在住している幅広い年齢層の方と意見を述べ合って感じたことは、皆さん一人一人が水道についてしっかりとした考えをもっていらっしゃるということと、よいイメージ、悪いイメージが、A班、B班ともに共通点が多かったということがとても印象的でした。特に情報の発信、提供、公開といった言葉が多く書き出されていまして、水質や耐震性、料金に関しての情報をもっとマスコミ、ITを利用して、積極的に広報していくべきだという意見、これも共通していました。また滝沢先生のゼミの生徒さんからは、「水道局同士の広報の共有化も必要ではないか」ということで、やはり連携というところはとても大事なのではないかという鋭い指摘がありました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。情報の提供の仕方ということで、3ページにもまとめていただきましたけれども、情報提供が専門用語が使われているとか、数字が多いとか、住民の欲しい情報と行政が発信する情報にギャップがあるというようなこととか、ほかのイベントとのタイアップが有効だというようなご提案もありました。いろいろな形でのご提案をいただきましたので、ぜひ反映できるところは反映したいと思いますけれども、ご参加いただかなかった皆さんも含めて、当日の様子等も含めて、何かご質問があればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
私自身の印象としては、当日参加された方が皆さん、非常に知識も豊富で、私が思っていた以上にいろいろなことをよくご存じで、なおかつ非常に積極的に市民目線からのご意見を発信されていたなというような印象をもちました。
長岡先生。

○ 長岡構成員
当日の雰囲気は非常によくまとめられているのですが、今、滝沢座長がおっしゃったように、一般の方ではあるのですが、やはり相当知識のある方が多いという気がしました。出てきた意見は非常に参考になって、広報とか情報発信のあり方、その辺は非常に参考になったので、その辺はぜひビジョンに入れたいと思ったのですけれども、やはりもう少し普通——普通といってはなんですが、もう少し普通の人の意見を聞く機会があったらいいかなという気も逆にしました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。パブリックコメント等もいたしますので、ぜひご意見をいただければと思いますが、ほかに何かご質問等ございますか。どうぞ。

○ 佐藤構成員
当日の参加者のイメージで、特に資料4ページ、5ページで実際に出た意見がきれいにまとまっています。例えば4ページで、これは質問なのですけれども、A班の中で例えば「水がおいしい」とか「耐震性の高さ」、あるいは「水が豊富」など、受けている便益を非常に高く評価してもらっているようにも見受けられます。一方で、A班の右上の、「料金の格差」では、水道料金が高いなどというコメントがあって、どうやらこれを比較すると、受けている便益と、それに実際に支払っている料金の意識のギャップとがあります。この辺について当日の参加者の皆さんから、受けている便益と料金との関係からのコメントなどがなかったのかどうか伺いたいと思います。あるいはなかったとすれば、今後、こうしたところを改善していくことが必要であり、今後将来の耐震化を推進していく場合には、直接的に直ちに水道利用者が便益を感じられるようなものではないことに積極的に取り組まなければいけない状況にあります。こうしたことからすると、料金と信頼性にかかわるようなギャップが大きくなるので、そこを解消するような観点から今回のビジョンに反映してはいかがかということで、質問と意見とあわせてコメントさせていただきました。

○ 滝沢座長
これはA班ですけれども、平田さん、何かご記憶ございますか。料金の議論のところですけれども。

○ 平田構成員
料金に関しては、なぜ高いのか、なぜ格差があるのかというような情報が欲しいとおっしゃっていました。神戸は傾斜がないのでしょうか、ポンプの電力で料金が高いというようなお話があって、周りの方も状況が全然違うということを納得されていたので、総合的にも部分的にも情報が欲しいというようなことをおっしゃっていたと思います。

○ 滝沢座長
全般的に情報の伝達というところの議論が非常に多かったのですが、今、平田さんがご説明いただいたとおり、料金が高いからだめだということではなくて、料金格差というのもありますが、なぜ料金が違うのかということが一般の市民ではなかなか理解できない。同じ水道で蛇口をひねって水が出てきて、市民の方が利用するのは同じ水なのに、どうして地域でそんなに値段が違うような形で設定しなければいけないのかというようなご質問の中で、料金が高いところはどういうところでしょうということがあって、今、平田さんがいわれたように、例えば自然流下で水が配れるような、水源が上のほうにあって地形的に有利なところと、平たい土地で水をポンプで押しながらやらないといけないようなところでは、例えばそういうところでも料金に反映しますよねというようなご説明があって、よくわかりましたというようなことなのです。ですから、そういった説明が市民にわかるような形の情報を発信してほしいというところが全体的なご意見だったのではないかなということだと思います。逆にいうと、説明をきちんとしていただければ、皆さん納得されるというようなところかもしれません。
ほかに何かご質問ございますか。どうぞ。

○ 木暮構成員
質問というより感想なのですけれど、利用者に対する説明、あるいは情報提供は重要だと思うのですが、3ページの上から4つ目にもありますように、我々が説明したり、情報提供をすると、どうしても日ごろ使っている専門用語であったり、数字になったり、固有の言葉であったりということで、相手にとってなかなか理解しにくいのではないかと、私も最近、そのようなことを感じております。過去においては小学生達の見学案内を、私もさせていただいたこともあったのですけれど、資料についてはそれなりの子供がわかるような言葉、あるいは漢字で作成してあったのですが、どうしても説明するときには日ごろ業務で使用している言葉がでたり、気をつけていても、なかなか意識しないと相手の立場になって説明ができていなかったな、ということを最近、反省しているような次第です。先ほど長岡構成員からも話がありましたが、レベルということではないのですけれども、相手の知見とかに合わせていろいろな情報提供なり説明をしていかないと、なかなか理解はしていただけないのかなというのは感じたところではございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
吉岡さん。

○ 吉岡構成員
今回、参加していただいた住民の方々は、おっしゃるとおり、知識的にもかなり水道のことを知っているなという実感を受けたのですが、矢巾町のサポーター2名は、水道のスの字も関心がなかった。たまたま応募してサポーターになったという方で、最初、出ていた意見というのは、水道料金が高い、水道がまずい、そんな意見ばかりでした。できることなら水道料金を安くしてほしいというような意見をさんざんいっていたのですが、回を重ねるたびに、理解を深め、自分たちの水道なんだという認識を持つようになった結果が今回のワークショップだったと思います。これは、矢巾町だからそうだったのではなくて、どこの事業体でもきちんとプロセスを踏めば、住民は理解してくれるということだと思うので、今回、ワークショップで出た意見は特別なことではないと思います。こうした意識の変化を考えれば、これから私たちにできる策はたくさんあるのだろうなと感じています。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかにご意見、コメントございますか。よろしいでしょうか。
それでは、ワークショップの結果につきましては、可能なところは今後のビジョンの中に反映していくということで進めさせていただきたいと思います。
続きまして、議題の3つ目になりますが、新水道ビジョン(案)につきまして、事務局からまたご説明をお願いしたいと思います。

○ 日置課長補佐
それでは、資料—3でございます。新水道ビジョン(案)について説明させていただきたいと思います。前回、提示させていただきました素案がございまして、その方針におおむね沿った形で肉づけをして、この文書ということで提示しているものでございます。
まずページをおめくりいただきまして、1ページでございます。目次でございます。目次の構成といたしましては、「はじめに」というところで導入部分がございまして、次に「新水道ビジョンの基本理念」、続きまして「水道の現状評価と課題」、4番として「将来の事業環境」、5といたしまして「取組の目指すべき方向性」ということでございます。その中で「水道の理想像」「取組の方向性と当面の目標点」「取組に必要な姿勢」というものをまとめております。6といたしまして「重点的な実現方策」ということで、「関係者の内部方策」「関係者間の連携方策」、(3)といたしまして「新たな発想で取り組むべき方策」ということでまとめています。7といたしまして「関係者の役割分担」として、「行政機関」「水道事業者・水道用水供給事業者」「自家用水道の設置者」「水道法に基づく登録検査機関」「水道関連団体」「民間企業」「大学・研究機関」「住民」という形で役割分担を記載しております。最後8番、「フォローアップ」ということで、この新水道ビジョンのフォローアップについて考え方をまとめたというものでございます。
では、内容について説明させていただきたいと思います。
2ページでございます。「はじめに」ということで、新しい水道ビジョンの導入部分ということでございます。この中で、なぜ水道ビジョンを新たにつくるということに至ったのかという経緯をまとめているところでございまして、その理由の1つといたしまして、左に行を振っていますけれども、10行目、日本の総人口の減少ということでございます。統計データによりますと、日本の総人口は今の水道ビジョンが改訂された平成20年ごろ、1億2,810万人という最大値を記録いたしまして、以後、減少に転じているということであります。このことは、今の年齢別の人口構成、出生率、こういうものを踏まえますと、もう上がることはないということが確定しています。こういったことは、水道にとっては給水人口、給水量が減るということを意味するということでございます。今までの水道というのは拡張を前提に施策を講じてきましたが、これからはそういうパラメーターが減っていくという中での事業を考えていくという、これは我々がいまだ経験したことがない時代がやってきたということが1つの理由でございます。
もう1つ大きな変化、19行目からですけれども、東日本大震災の経験というものがございました。そこに書いておりますとおり、21行目ですけれども、19都道県において264事業者が被災いたしまして、257万戸が断水したという未曾有の規模の経験を日本はしたわけでございます。その被害状況ですけれども、今なお完全復旧には至っていないという状況でございます。
さらに28行目ですけれども、東日本大震災を引き起こしたこの地震ですが、歴史的周期で発生するといわれておりますが、他方で東海地震、東南海・南海地震、首都直下地震、こういったものの発生も非常に現実味を帯びているということがいわれております。こういったところから危機管理対策の見直しが必要であるということがもう1つの理由であるということをまとめております。
34行目からでございますけれども、これらをまとめまして、今までの水道ビジョンは中長期的な対応に向けての施策の進捗状況を適宜公表しつつ、適切な時期に行うこととされておりましたが、今のような水道を取り巻く状況の大きな変化を踏まえまして、今般、再改訂ではなく、我々の心の中を切りかえるということで、人心の一新ということで、また来るべき時代に求められる課題に挑戦していくということも踏まえまして、新しいビジョン、これを新水道ビジョンと呼びますけれども、これを公表することとしたというようにまとめさせていただきました。
3ページに至りまして、この水道ビジョンの中では、今後、当面の間にかけて我々が取り組むべき事項、方策について提示するということでございまして、方策の実施にはさまざまな関係者がかかわるということでございます。そのさまざまな関係者が水道の理想像を共有し、役割分担に応じた取り組みに挑戦できるよう、それらの内容を示すということで、導入をまとめたところでございます。
続きまして、基本理念導出というところでございます。4ページでございます。「新水道ビジョンの基本理念」ということでございまして、2行目から23行目にかけては、これまでの日本の水道の発展というのを書いています。明治20年に初めて日本の水道が創設されて、その後、高度経済成長期に拡張を続けて、さらに水質管理ですとか、いろいろな高度な課題に対応しつつ、今の水道のあり方があるというところが23行目まで書いてあるところでございます。21行目のところですけれども、130年間、水道が続いた事実は、これまでの水道の仕組みに一定の合理性があるということでございまして、水の供給者側である市町村、水道事業者とその需要者である住民、この間に一定の信頼関係が構築されている。この信頼のもとに130年間続いたのだろうと理解したいと考えています。
24行目以降はこれからの時代のことを書いておりますが、水道につきましては今後、事業の規模の大小を問わず、給水人口や料金収入の減少、施設の更新需要の増大、東日本大震災を踏まえた危機管理対策の抜本的な見直しと、非常に厳しい事業環境の変化に確実に直面するということがございます。こういった厳しい時代の中、水道関係者というのは一丸となって対応していかなければならないというのが以下書いております。
35行目でございますが、こういう状況を踏まえまして、新水道ビジョンでは、水道が原則として給水の対象としてきた市町村たる「地域」とその「地域」の需要者との間において築き上げてきた信頼、この概念を重要視いたしまして、その関係者が共有する概念を「地域とともに、信頼を未来につなぐ日本の水道」として、関係者それぞれが取り組みに挑戦するということで、これを基本理念にしたいというようにまとめた次第でございます。
続きまして5ページでございます。「水道の現状評価と課題」というところでございます。この項目につきましては、前回の素案のほうであらかたまとめたものがございまして、若干、文章を肉づけしたというところでございます。この後、ビジョンの本文は長いものでございますので、説明は項目だけで割愛させていただきたいと思いますが、1つ目、「水道サービスの持続性は確保されているか」として、現状評価と課題についてまとめました。
5ページの33行目、「安全な水の供給は保証されているか」という観点についても、現状評価と課題をまとめたということでございます。
7ページに移りまして、「危機管理への対応は徹底されているか」ということで、東日本大震災にかかわる危機管理とその他の危機管理、6行目と35行目ですけれども、それぞれ項目を分けて現状と課題ということで整理をしているところでございます。
9ページでございます。「将来の事業環境」という4番でございます。こちらも素案であらかたの内容は示しておりますので、ここでの説明は3と同じく割愛させていただきますが、(1)として「外部環境の変化」、この内容といたしまして、社会構造、人口分布、需要減、収入減少といった内容についてまとめております。また、25行目、水源汚染、32行目、気候変動、38行目、様々な危機管理といった内容についてまとめています。
10ページは「内部環境の変化」ということで、こちらは水道の内部環境の変化ということでございますが、施設の老朽化、職員数、人的資源の減少ということで項目を立てて整理をしているところでございます。
11ページにまいりたいと思います。5といたしまして「取組の目指すべき方向性」でございます。6にまた「重点的な実現方策」ということでまとめておりますが、そことをつなぐ役割を果たす章と位置づけておりますが、まず(1)といたしまして水道の理想像を共有したいということで、1つ項目を起こしています。私たちにとってあるべき水道とは何かと考えた場合、時代や環境の変化にも的確に対応しつつ、水質基準に適合した水が必要な量、いつでも、どこでも、だれでも、合理的な対価をもって持続的に受け取ることが可能な水道、こうまとめられるのではないかということでございます。これらの要件を整理しますと、水道水の安全の確保、確実な給水の確保、供給体制の持続性の確保、この3つの観点に集約できると考えました。このことから、新水道ビジョンでは水道水の安全の確保を「安全」、確実な給水の確保を「強靱」、供給体制の持続性の確保を「持続」、このように文字で表現いたしまして、この3つの観点から50年後、100年後の水道の理想像といったものを具体的に示し、関係者間で共有したいということを考えております。
1つ目、11行目、?の安全でございます。安全の観点からみた水道の理想像は、水道原水の水質保全ですとか、適切な浄水処理、管路内の水質保持、飲用井戸等の衛生対策、こういったものが徹底されるということで、すべての国民がいつでもどこでも水をおいしく飲める環境が実現している。こういったものが理想像ではないかということでございまして、具体的には以下に示す状況が実現しているということで、4項目ほど書いております。これは前回、岡部構成員からいただいた項目を踏まえて、具体例を記載したところでございます。
続きまして、27行目、?の強靱というところでございます。強靱という観点からみた水道の理想像につきましては、水道施設の耐震化やバックアップ体制、近隣水道事業者のネットワーク、こういうものが構築されるということ。自然災害による被災を最小限にとどめる強いしなやかな水道というものが実現されているのではないかということでございます。たとえ水道施設が被災した場合であっても、迅速に復旧できるしなやかな水道が構築されているというのが理想像と考えました。具体例につきましても同様に5点ばかり例示させていただいたところでございます。
12ページにまいりまして、持続という観点でございます。持続の観点からみた水道の理想像、こちらは給水人口や給水量が減少した状況においても、料金収入による健全かつ安定的な事業運営がなされる——ちょっと言葉が足りませんが、申しわけございません。いつでも安全な水道水を安定的に供給できる。また、地域に信頼され続けている隣接する事業者が連携して、水道施設の共用や統廃合を行い、広域化や官民連携による新たな事業形態のもと、水道が実現しているという状況が持続のあるべき姿であり、理想の姿ではないかということで考えているところでございます。具体的な状況については、そこに10点ほど項目を挙げて例示させていただいているところでございます。
後で申し上げますけれども、環境対策、また国際展開、こういったものも持続という中に入るのではないかということで、例示した最後の2つの○は、環境ですとか持続というところで理想像でいただいた内容を盛り込ませていただいているところでございます。
13ページに移ります。(2)といたしまして「取組の方向性と当面の目標点」というものを整理したいということでございます。先ほど水道の理想像をまとめまして、あるべき水道に備わる概念、「安全」「強靱」「持続」、こういったものを整理いたしましたが、この理想像を具現化するということで、関係者の取組の方向性と当面の目標点について、これまで水道の現状評価の課題ですとか、将来の事業環境、こういったものを踏まえつつ整理を行ったということでございます。
基本的に3点ということで、「安全」「強靱」「持続」を軸にまとめさせていただくということでございまして、まず?といたしまして安全の確保というものでございます。取組の方向性ということで整理をいたしました。1つ目の段落、8行目から12行目ですけれども、こちらにつきましては浄水処理の徹底を行うということを記載しているところでございます。2つ目の段落、13行目から17行目でございますけれども、ここは施設管理、更新を適切に実施する必要があるということを書いております。18行目から21行目の段落につきましては、流域的な視点での連携、広域的な水源監視、水源保全、こういった重要性を書いているところでございます。次の段落、22行目から25行目につきましては、水質等の情報を需要者に適切に広報・周知できる体制をつくっていく必要があるのではないかということでございます。最後の段落、26行目から34行目については、小規模水道、飲用井戸等の設置者に対しても適切な指導体制を構築する必要があるというようなことをもちまして、今申し上げたようなことを今後行うということで、方向性として整理したところでございます。
36行目、当面の目標点ということで設定しています。取組の方向性ということで内容を整理いたしましたが、このビジョンの中で特に目標点という1つの到達点を示したいということで、ポイントを絞ってまとめたものがこの目標点ということでございまして、水道水の安全の確保のため、今後の水道法に基づく制度の適切な運用・改善、こういったものは当然必要なのですけれども、新水道ビジョンでは当面の目標点として、小規模水道、飲用井戸等、こういったものも含めまして、すべての水道において、いつでもどこでも安全な水の確保がなされる状態を達成する。こういうことを当面の目標点にしたいと考えています。こういった状況が実現すれば、たとえ水道未普及地域というものがわずかに存在したとしても、実質的な意味での国民皆水道が実現する。97.5%という水道普及率ではありますが、水質管理という面から考えれば、100%の普及率が実現するのではないかと考えるわけでございます。
次、14ページ目、?の強靱の確保ということで、3行目でございます。こちらにつきましては、最初の行に関しましては、災害対応力の強化ということを取組の方向性の中で書いているということでございます。その中で13行目ですけれども、例えば既存の水道施設が震災で機能しないというような状況の中、被災者に少しでも多くの生活用水を供給するには、容器入りの水道水での対応という話、また、他の用途の水については、水道水質基準を満足しないまでも、供給できる方策というのが今後必要ではないか。東日本大震災で断水が長期化した場合には、このような対応も今後求められるのではないかということで、1つ方向性の中に入れさせていただいたということでございます。
また、27行目からは強靱の確保の観点から、人の確保という点について書いているところでございます。水道事業者はそもそも平常時に行う多岐にわたる業務がございまして、大規模震災、水源事故、緊急時には危機管理体制の構築も必要となる中、東日本大震災では全国から多くの水道事業者や水道工事業者の方が被災地に急行されて、被災事業者の支援を行っていただいたという経緯がございました。他方で、地方公共団体の水道従事職員はどんどん減少しているということでございまして、こういった傾向がどんどん続くということであれば、将来の発生が懸念される東海地震、東南海・南海地震、首都直下地震、こういったより広域な影響が及ぶような震災が発生した場合、全国の水道事業者がみずからの平常時の事業を継続しつつ、こういった被災地に対して迅速かつ適切な支援を行えるかどうかというのは、非常に大きな懸念を抱かざるを得ないという状況があるかと考えます。こういった内容については、地方公共団体が水道従事職員を合理化する際、勘案すべき重要な事項ではないかということで、ここに書きとめておきたいということで、書かせていただいたところでございます。
36行目以降は耐震化の推進ということでございまして、平成23年度時点の我が国の水道基幹施設の耐震化はおおむね3割程度ということでございます。こういった施設をすべて耐震化するというのは、経費と時間を要するということでございますが、少なくとも今後、災害時に最も重要な給水拠点については耐震化を進めていくという重点化した取り組みが必要ではないかということで、15ページにかけてまとめさせていただいたところでございます。
3行目でございます。当面の目標点という項目が抜けておりますけれども、以上を踏まえまして、新水道ビジョンでは、確実な給水の確保という観点から、当面の目標点として、すべての水道事業者において、みずからの給水区域内で最も重要な給水拠点を設定し、当該拠点を連絡する管路、配水池、浄水場の耐震化を完了したいということを当面の目標に設定したいと考えるところでございます。
続きまして、7行目、持続の確保というところでございます。持続の確保というところで、前回お出しした素案の段階では、環境と国際というものが別のカテゴリーで書いていたところでございますが、まとめるに当たりまして、このビジョンでは事務局といたしましては、「安全」「強靱」「持続」といった3本柱の中でまとめていきたいと最終的に判断いたしまして、さはさりながらも、環境対策、国際展開というのは重要な事項でございますので、水道事業を持続する上での重要な取り組みということで、その中で、1つ目が水の供給基盤の確保に関する取り組みという話、もう1つが環境対策という話、3つ目が国際展開ということで、持続の確保の中の重要な柱の1つということで位置づけて、案をまとめたところでございます。
まず1つ目、8行目でございます。水の供給基盤の確保に関する取組の方向性ということでございまして、水道システムが成り立つためにはさまざまな主体がかかわって成り立っているということを書いておりまして、その中で、どの1つの主体が欠けても水道の持続性は達成されないということが書いている趣旨でございまして、9行目から水道による水の供給体制、水道事業者、専用水道、簡易専用水道の設置者のほか、登録検査機関ですとか、水道工事業者等の民間事業者、関係行政機関が密接に関与して成立しているということでございます。
13行目、民間事業者は特に規制改革ですとか市場原理の影響を受けやすいということでございますが、まず水道の設置者や需要者の立場からみた場合、水の供給の安全性、確実性を確保するために、いつでもどこでも迅速な対応が可能かというような観点からも、持続的な関係性を保つ意義は大きいのではないかと考えるところでございます。さらに行政機関に関しましても、水道行政の指導監督は一定の専門的知識が要求されるということでございます。また、通常業務はもとより、災害や事故時の緊急時の対応なども考慮しますと、水道の健全な供給基盤の確保においては、担当職員の専門性、人数についても一定の配慮が要るのではないかということが、持続性の確保という点で大事なのではないかと考えるわけでございます。
19行目以降は水道事業者について書いておりますが、もちろん水道事業者は水の供給体制の中核的存在でございまして、水道事業者の持続性の確保が供給体制の持続性の確保に大きく影響するということでございます。
そういった中で、水道事業者の持続性の確保という観点で、24行目、施設管理の重要性というものを書いているところでございます。水道施設の管理・運営における最大の課題は老朽化施設への対応ということで、その段落はまとめているところでございますが、今後、更新需要が増大する中、人口規模、給水量が減っていくということで、余剰する施設が発生する。こういったものを廃止して新しくつくるのか、あるいはまた別の意味をもたせて更新していくのか、非常に難しい判断を続けながら事業を運営していかなければならないという状況が待っているということでございます。また、人口が減ってしまって、小規模な集落が遠隔地に残るというようなことになった場合、そこへの給水をどうするかという話がある。そういう場合に、果たして管路をつないで供給するのか、あるいは管路という方式を一たん離れて、別の方法で供給するのか、そういった新しい考え方における水道のあり方というのも考える必要があるのではないかということが方向性としてあるということでございます。
34行目は資金に関することでございまして、事業運営に対する水道料金が充てられるということでございますけれども、将来の人口や給水量の減少に伴う料金収入の減少というのは必ずやってくるわけで、こういったときにも必要な資金を確保できるように、料金金額の見直しですとか、料金体系の見直し、また、料金の中の基本料金、従量料金、こういった関係を見直す等、料金体系全般に対する改善を図っていくというのも大事なのではないかということでございます。
39行目は人ということで、人材確保の観点から整理しているところでございますが、先ほどまで何回も出てきていますが、水道事業従事職員は地方自治体職員全体の削減割合に比べて削減率が高いという状況があります。水道事業部局を越えた頻繁な人事異動が行われると、専門性の低下も懸念されるということでございます。16ページに移りますけれども、こういった職員の数のみならず、個人の資質・能力の確保も配慮が必要ではないかということでございます。今後の水道事業の経営環境は非常に難しい状況が予想される中、少なくとも基幹的な業務については専門性を持った職員が担当できるような組織づくりが必要なのではないかということでございます。
5行目から8行目については、水道事業の民間委託、第三者委託、こういったもので対応していくようなことをまとめたものでございます。
9行目から15行目は、住民の方との対応を考えているところでございますけれども、住民の方とのコミュニケーションを十分に図っていきながら、水道は水道事業者だけではなく、地域の需要者の財産である。また、その需要者が水道の経営者であるという意識の醸成に努めていくというような取り組みが要るのではないかということでまとめさせていただいたところでございます。
(?)といたしまして、2つ目の重要な柱であります環境対策の取組に係る方向性というのを17行目にまとめさせていただきました。まず水道につきましては、循環資源である水資源を利用しているということでございます。今後も引き続き良質な水資源を十分入手するということは、供給体制の持続性の確保については特に重要であるということでございまして、水道事業者はこの循環の健全性を常に意識して、環境への負荷をふやさないよう、水源保全を初めさまざまな環境対策を積極的に実施することが重要だという方向性があるのではないかということでございます。また、施設の省エネ・再エネ対策というのは、経営効率の改善にもつながるということでございますので、この意味でも積極的な対応が必要と考えるところでございます。
(?)としては国際展開の取組に係る方向性というものでございます。水道による水の供給は、我が国だけでなく世界じゅうで普遍的に行われているものでありまして、我が国の水道も英国からの技術移転で発祥したという経緯がございます。また、水質管理の基本的な考え方も世界保健機関を中心に検討されているということでございます。現在の我が国の水道は世界的にも高い水準にありまして、この水準を維持しつつ、供給体制の持続性を確保するという必要がある中、水道に関する我が国の国際的な地位ですとか影響力、こういうものを確保・向上するためには、水質管理等の考え方に我が国の事情を反映させやすくするとともに、我が国の水道産業の国際展開の推進に寄与するという、さまざまな多面的な要素が含まれているというものでございます。ODAによる水道分野の国際協力、これは経済協力の一環ですけれども、水道事業者の立場からみれば、国際協力への参画というのは職員の資質向上の好機と考えることができるわけです。このように供給体制の持続性の確保においては、それぞれの主体が国際社会との関係を意識して、積極的な取り組みを今後とも図っていく必要があるということで、1つまとめさせていただきました。
38行目、持続に関する当面の目標点ということでございます。供給体制の持続性の確保は、さまざまな取り組みの成果が相まって実現すると考えられますが、この新水道ビジョンでは、これらのさまざまな取り組みのうち、やはり水道事業者の方に頑張っていただきたいということで、その体制の中核的存在ということもございますので、当面の目標点として、すべての水道事業者において資産管理がなされ、将来の更新計画や財政収支の見込みを明らかにするということ、さらに需要者に対する情報提供体制、需要者の意見を経営に取り入れる体制、こういったものが整備されるということをまず1つの目標にしたいと考えているところでございます。
(3)として「方策の推進要素」ということでございます。新水道ビジョンは、これまで申し上げてきたところでありますけれども、「安全」「強靱」「持続」、この確保に向けて取り組むことを申し上げてきましたが、「安全」「強靱」「持続」はこれまでも同様に重要な概念ということでございました。ただ、これからの水道、外部環境、内部環境を踏まえますと、これまでと全く異なる状況下で取り組んでいかなければならないということで、その実現というのは水道関係者にとっていずれも容易ではないということがいえるのではないかと思うところでございます。
したがいまして、15行目からですけれども、50年後から100年後、我が国の総人口が半数程度まで減少した時代に、水道が理想の姿をもって地域の需要者の信頼を得つつ、水を供給できるというためには、関係者が挑戦の意識をもって取り組みを進める必要があるということを示したいと考えております。さらに取り組みを推進する際には、特に小規模な水道事業者などは単独での対応に限界があるという話、また、大規模な水道事業者でも、効率的な推進においては民間事業者、関係行政機関との連携が必要ということも考えられます。
23行目ですけれども、既に水道を取り巻く環境は右肩下がりの状況にありますけれども、このビジョンを発表する平成25年時点は、まだまだピーク時に近い値を維持しているということでございます。特に水道事業者は水道施設や料金収入、職員数、その専門性において、まだ対応余力を残している今のうちに適切な方向を定め、将来の水道の理想像の実現に向けた取り組みを開始しなければならないと考えるわけでございます。
したがいまして、この新水道ビジョンにおきまして、関係者は連携という手段を方策の主要な推進要素と位置づけまして、挑戦の意識をもって水道の理想像の具現化に取り組むということを示したいということで、(3)をまとめさせていただきました。
18ページ以降は重点的な実現方策ということになりますので、こちらは係長の水野から説明させていただきます。

○ 水野係長
18ページ、6「重点的な実現方策」というところからですが、18ページの前に参考資料でA4のペーパーをお配りしております。参考1というのが最初のペーパーで、次が参考2になってございますが、まず参考2をみていただきまして、新水道ビジョンにおける実現方策の設定方針についてとあります。18ページから31ページまでにわたって実現方策が記載してありますが、この設定方針ということでございまして、関係者が取り組むべき方策として当面の間に実施すべきものということで、加えまして、その到達点が新水道ビジョンで示す「安全」「強靱」「持続」に係る方向性のいずれかに合致したものであって、これまでの検討会でお示ししてきたこと、あるいは被災事業体との意見交換会とか、ワークショップなども含めまして示されてきた課題の解決に資するものというような考え方でございます。
それから、方策に取り組む主体に着目し、従来から推進してきた取り組みであって、関係者によってさらに取り組みを推進すべき方策のうち、当該主体の内部的な調整を経て実施できる方策というのが、下にあります関係者の内部方策ということでございます。対外的な調整を経て他者と連携して実施できる方策というところが、関係者間の連携方策というところでございます。従来の取り組みにとらわれることなく、新たな発想で取り組むべき方策というところが、一番下のところに書いてあります新たな発想で取り組むべき方策という区分けをしてございます。
さらに、新水道ビジョンで示す方策の推進要素、先ほど17ページの(3)でお示ししましたことがございますが、それにかんがみまして、連携、挑戦というようなところを取り組むべき方策の重点的な方策という考え方で具体的に設定しております。
考え方としてこういうことでございまして、参考1に戻っていただきますと、項目出しをしてございます。一番左が大項目で、順番に右のほうへ行くほど細かくなっていまして、目指すべき方向性、「安全」「強靱」「持続」との関連づけをしているというところでございます。俯瞰的にみるとこのような形になってございます。
それでは、18ページに戻っていただきまして、「重点的な実現方策」でございます。
(1)「関係者の内部方策」、水道施設のレベルアップと続いていきます。これは8回目の検討会、運営基盤の強化の検討のときに検討した内容に関連してございます。目指すべき方向性としては「強靱」、あるいは「持続」に関連するようなところです。内容は細かくなりますので、16行目をみていただきますと、ダウンサイジングを踏まえた施設の再構築が必要ですとか、21行目からでございますが、既に開発した水資源施設を有効活用しつつ、相互融通可能な管路を整備するなどしてというところがポイントでございまして、広域での水道システムの検討ですとか、一番下の既存の枠にとらわれない方策の必要性を記載してございます。
続きまして、(?)の施設の長寿命化、情報の電子化というところ、これも「強靱」に関係するところでございますが、施設の老朽化が課題になっているということは先ほどからお話ししているところですが、施設の点検・保守による施設寿命をマネジメントというようなところで、長寿命化が可能なケースとか、情報の電子化というようなことで、さらなる長寿命化の期待というところを記載しております。
?が資産管理の活用というところで、これはアセットマネジメントの実践というところが関連しまして、これは「持続」が関係してまいります。37行目のところ、中長期的視野でのアプローチを行う必要がありまして、現在も推進しておりますアセットマネジメントの取り組みを加速していく。まだ中小事業体を中心にアセットマネジメントの取り組みがなかなか進んでいないという現状は、検討会の資料でもご報告させていただいたところでございます。
ページをめくっていただきまして19ページからは、アセットマネジメントの関連ということですが、地方公営企業会計の新しい会計基準についても触れております。
?人材育成・組織力強化というところで、これも「強靱」ですとか「持続」に関係するところでございます。(?)の職員教育が内部的取組としてございますが、人的資源の確保とか、レベル向上を目指すには、職員の配置、教育を計画的に行う必要性を記載しております。
(?)水道事業管理者・水道技術管理者の適切配置というところで、24行目から27行目は適正配置というところでございますが、27行目の「また」以降、水道事業管理者、技術管理者は、水道法に運営上の責任を位置づけていることから、職責と経験のバランスを考慮したというところに踏み込んでおります。
?危機管理対策というところですが、これはおおむね「強靱」に関係しますが、一部「安全」にも関係するところです。(?)の34行目、水源事故対策というところで、ソフト・ハード、水安全計画というところでございます。水安全計画については、浅見構成員などからも安全のところのお話をいただいたところでございますが、一番下の行から、原水から給水に至るまで一貫した水質管理の徹底が必要で、引き続き統合的アプローチによる水安全計画の推進を図りますということで、20ページにわたっております。
20ページの(?)施設耐震化対策というところで、これは耐震化というところで、大きなところではあるのですが、優先的に行う必要があるところを重点的に書いています。9行目、給水区域内の重要な給水施設、病院、避難所などをあらかじめ設定の上、当該施設への供給ラインの優先的な着手により、早期の耐震化を図るなど、耐震化の手法というところに入っていっております。
(?)事前の応急対策、ここではBCP(事業継続計画)について触れています。
(?)資機材の確保、サプライチェーンの把握というところで、21行目、通信手段の確保、燃料や食料の備蓄、復旧用資機材、浄水薬品の確保、冬タイヤの整備、具体例をここで挙げております。これは東日本大震災の教訓で、具体的に書いているところでございます。
28行目、応急給水の事前の準備というところで、被災した場合の応急給水の手法をあらかじめ準備というところで、30行目には住民や住民団体との訓練ですとか、31行目から連携ですとか、応急給水の設置場所を住民の方に周知するというところで、後で出てきます住民との連携というところにも少しかかわってきますが、応急給水のあらかじめの準備の必要性を示しています。
37行目、水道事業における危機管理体制の整備、これはマニュアルが主なのですが、さまざまな危機管理がございます。自然災害、テロ、設備・管路・水質事故、渇水といったところの具体的手法として、ソフト対策としてのマニュアル整備のことをここで示しています。
21ページにまいります。7行目からエネルギー確保、ここはその次の環境対策とも若干かかわるのですが、危機管理のところで示しています。これは東日本大震災の原発事故を受けまして、計画停電などがありまして、電力をあらかじめ確保しておくようなところも必要性がいわれているところでございます。12行目の最後のほうから、再生可能エネルギー等の導入による代替エネルギーの確保にも期待というところで、そこのところまでここで踏み込んでおります。
15行目からは?環境対策、ここは(?)となっておりますが、後でもう一度、環境対策(?)が出てまいりますので、ここでは(?)としてあります。16行目の(?)省エネ・再エネの促進ということで、環境対策は「持続」に関係してくるところで整理しておりますが、22行目から省エネ対策、高効率機器、ポンプインバータなどの具体的なところを例示していましたり、新エネルギー・再エネルギーとしても小水力、太陽光というところを具体的に書いております。最後、26行目のところに、河川表流水を取水する事業者において、取水場所の上流化というようなところ、長岡構成員からご意見をいただいたところでございまして、ここが環境対策のところで踏み込んでおります。
29行目、浄水発生土と建設発生土の有効利用というところでして、再資源化が図られているところですが、リサイクルですとか、有効活用について、今後も取り組む必要があるというところで結んでおります。
36行目、ここから大項目の2つ目、「関係者間の連携方策」でございます。住民との連携の促進というところで、第3回の検討会のときに住民との連携をテーマに取り上げたものが主に入っております。あとはワークショップでの意見も反映しているところでございまして、22ページ、水道事業が直面する課題に関しても積極的に住民に理解を得ていく取り組みが必要ということで、先ほどワークショップの意見にもあったと思いますが、積極的な情報提供をしていく、課題をどんどん住民の方にうまくお示ししていくというような取り組みが必要だという趣旨でございます。
13行目の水道水に対する信頼性向上の取り組みというところで、ここは多様な媒体による発信とか、最新ツールの活用というところで、26行目の最後のところ、地域情報紙を用いる従来の手法に加え、ホームページですとか広報誌など、今、既に多くみられますが、事例の紹介にもありましたように、地上デジタル放送のデータ放送の活用とか、さまざまなメディアの発達でバリエーションが広がっている状況があります。こういったものを多彩に利用したところが求められますよというようなところでございます。
35行目、環境学習、社会学習ということで、学校現場との連携を積極的にというようなことで、次の23ページの上のところで、教育委員会等との連携を図るということまで踏み込んでいます。
9行目、飲料水へのニーズの多様化というところで、水のおいしさのPR、ボトル水の活用ということを括弧書きしていますが、16行目、水道水をボトル水で活用したり、災害用に配ったり、一般向け販売、いろいろされている事例も紹介いたしましたが、前段のところで、データとして蛇口の水を飲まない人口が一定数いるということもあります。ボトル水を活用してのPRも、ニーズの多様化への方策の1つというように示しています。
22行目、地震等災害時の住民との連携というところで、これは発災時に成果を発揮する体制づくりとしてありますが、28行目、災害時における住民との連携意識の啓発、ここもいざというときのために連携を深めておくという姿勢を示しています。
31行目、広報の組織体制ということで、発信元に応じた戦略的広報ということで、ワークショップでもわかりやすい広報ということが先ほど説明があったと思います。そうしたことを受けまして、出す側の戦略的な広報が必要だということを書いております。
次に24ページ、発展的広域化としてあります。発展的広域化という言葉自体、前回の検討会で活字としてはお示ししておりません。まだ議論されておりませんが、今の水道ビジョンの中でも新たな概念の広域化というようなことがございますが、それをさらに発展的にとらえたものという意味合いでございます。(?)の近隣水道事業者との広域化検討というところで、第一段階の方策と書いてあります。広域化については佐藤構成員や木暮構成員からの事例発表等もいただいております。そうしたところも参考にしておりますが、16行目から、これまで新たな広域化の概念においても、検討すら行われていない地域がありまして、近隣の事業者との検討の場をもつことが第一段階だよとはいっております。
19行目の新たな広域化の次の展開というところで、第二段階ということで、ここではほかの行政部門、消防であったり、廃棄物処理であったり、下水であったりというようなところも含めての連携による枠組みの検討。31行目からですが、施設の共同整備や人事交流、遠い将来も含めた着実な検討というところで、次の段階を、新たな広域化の次の展開としております。
さらに35行目、発展的広域化の枠組みというところで、連携形態にとらわれない多様な連携の実現というところで、39行目、地域の特性を考慮して設定をしつつ、施設の共同化、人材育成等というところ。一定の規模というよりは、地域の特性を考慮した設定というところを示していまして、25ページに行きまして、連携形態にとらわれない多様な形態の広域連携を検討の上、実現に向けた枠組みの設定というところで進めていくものと示しています。
6行目、都道府県又は中核的市町村の調整機能というところで、佐藤構成員からも調整機能の必要性をお話しいただいたところです。18行目、一番最後のところ、広域化の形態を導き出す役回りを期待するというところで、都道府県だけではなくて、地域の中核の市町村についても、そういったところを期待するということが書いてございます。
21行目、?官民連携の推進、これも7回目の運営基盤強化に係る検討の中で議論がありました。27行目、水道事業の第三者委託でございます。持続可能な運営形態の選択というところで、事例として会津若松市などが紹介されておりましたが、32行目、水道事業者の技術力の確保と人材育成を考慮した上で、持続可能な運営形態を選択する必要があります。選択して使っていくということを表現しております。
38行目、PFIでございます。これは運営基盤強化のための有効な選択肢ということで、26ページに行きまして、9行目、質の高い公共サービスの調達、事業コストの削減、官民パートナーシップの形成などを考慮した、水道事業者と民間事業者のマッチングによる効果的なPFIの導入については今後も選択肢の1つということで、可能性を引き出す必要はありますねというスタンスでございます。
PPPの多様化というところが14行目からでございます。適切な運営形態を検討することにより、多様なPPPということで、推進の方向性を書いてあります。経営分野以外のPPPですとか、経営分野を含む事業全体のPPPですとか、共同事業展開型という種類を示しているところです。
33行目、人事交流です。人材育成ですとか、人に関することは結構盛り込んでいるところなのですが、ここでは官民連携でいうところの人事交流で、38行目、官民双方のレベルアップにつなげることで、取り組みの効果も高まるというような趣旨で入れてございます。
27ページ、技術開発、調査のところですが、技術力の確保というところで、技術開発の推進、地域を挙げての水道教育ということで、地域ごとでの能力開発とか、技術力確保というのを、中心的なところだけではなくて、ブロック的に必要ではないかというところでございます。15行目にそういった方策が必要ですということを記してあります。
17行目、技術開発、新たな技術提案が可能な相互協力の推進というところで、産官学がより一層の連携対策を構築し、効果的に研究開発を進める努力が必要ですというようにしています。
26行目、調査・研究というところで、水処理技術の多様化、IT技術の高性能化を踏まえ、さまざまな課題に対しての検討が必要というところです。あと、水道技術の発展への貢献というところの必要性を示しています。
27ページの下のほう、国際展開に入ります。これは持続に関連してくるところでありますが、海外への展開の視点ですとか、職員の研修による人材育成、今後の水ビジネスというように小項目を入れておりますが、海外への展開の視点では案件発掘の推進ですとか、(?)の10行目以降のところでは国際展開することによる人材の育成の観点ですとか、水ビジネスのところではアジア諸国への貢献の部分というところが入っております。
29行目、環境対策(?)で、ここでは連携方策をしておりますので、先ほどの環境対策(?)、内部方策とは分けております。ここでは水源等の環境保全対策ということで、34行目、水源に関する情報交換とか共有を図るとか、37行目、水源保全に係る取り組みの推進というようなことで入っております。
最後の「新たな発想で取組むべき方策」、29ページでございまして、?料金制度の最適化というところで、これは持続というところに関連してくるのですが、逓増型料金制度の検証としてありますが、23行目まで行きます。新たな料金システムの導入に積極的に取り組み、将来の事業収入の実情を踏まえた料金体系の適正化を図る方策が必要としております。その前段のところで、地下水利用の専用水道のようなイメージで、企業の地下水源への切りかえの抑止というところも少し触れております。
27行目、格差の是正というところですが、34行目、条件悪化による料金高騰を招かない方策でありますとか、他方で、事業運営の実情にふさわしくない安価な料金設定は収支バランスを欠き、事業破綻状態を招くことも想定、ちょっと踏み込んだ書き方になっております。周辺自治体との協調を図って、広域的なガバナンスにより人材、施設、資金を安定させて、戦略的に対応、これは面的な地域間での格差のことでありますが、ページをめくりまして、30ページからは世代間の負担の格差ということで、将来的な負担のことも考慮した適正な料金が必要です。これは佐藤構成員からいただいた意見の中にも入っていたというところでございます。
?、4行目の小規模水道対策というところで、7行目、日々の業務に忙殺されがち、小規模水道事業は人材が不足していることがありまして、なかなか事業計画の立案とかいうことができないといわれておりました。そういうところの対策として、近隣市町村との連携、官民連携、弱点を補う連携ツールの活用というようなところが11行目から入っています。
16行目、大規模な市が経営する簡易水道というところで、簡易水道の種類にも、小規模な5,000人や1万人といったような町村のようなところが簡易水道をやっている場合と、市町村合併によって数十万人規模の市などが上水道をもちながら、一方で簡易水道を抱えているというようなケースもあります。そういったところでは、20行目にありますように、専門性が発揮できる相応の人材を確保することで、適正な維持管理、脆弱な運営基盤の強化が期待できますということで、若干性格が異なるというところで、戦略的な整備を進めるということが23行目に入っております。
27行目、小規模自家用水道対策というところで、ここは安全というところに関連してくるのですが、簡易専用水道、飲料水供給施設の管理強化というところで、36行目から具体的方策としてありますが、水道の行政が行うきめ細かい指導・監督、持続的に専門性の高い指導力が発揮される体制ということで、行政部局についても人材を育成していかなければいけないようなご意見もございました。平成25年4月からすべての市に権限が移譲されるというような法改正もございまして、そういったところも踏まえて、行政のほうの体制も強化していく必要があるというような趣旨があります。
39行目、飲用井戸等の小規模水道のことでございます。次の31ページに行っていただきまして、この事務の受け皿として、水道の水質管理のノウハウを有する水道部局がこれを担っていくことも望ましいとかが入っています。あと、7行目以降は専用水道についても適正管理、指導・監督の継続が求められるとしています。
給水形態の見直し、11行目でございます。これは直結給水への必要性ということで、これで水の安全性を確保する上で検討が必要だというようなことが16行目あたりに記載してあります。
最後に多様な手法による水供給ということで、小集落であっても飲料水などの生活用水確保は必要不可欠です。ただ、水道の布設にこだわるということではなく、多様な水供給の形があるのではないかということは事例紹介などでも検討会で議論されたところでございます。35行目の最後のところ、小規模集落や水道未普及地域への水道の布設にこだわらない対応の検討によって、宅配による給水を実施したり、地域住民との連携に基づく、その他、多様な手法による水供給も考えられるというところで結んでおります。
ちょっと長かったのですが、重点的な実現方策は以上でございます。

○ 日置課長補佐
引き続きまして32ページからでございます。7として「関係者の役割分担」ということをまとめております。先ほど6でも申し上げましたが、さまざまな方策を実施していくに当たりまして、どういう役割分担を行っていくかというのを大まかにまとめたのが7でございます。5行目ですけれども、新水道ビジョンでは関係者の役割について、地域の水行政、水道行政の企画立案、運用・指導・監督を行う行政機関が1つ。水道による水の主要な供給主体である水道事業者、水道用水供給事業者、自家用水道及び飲用井戸の設置者、水道法に基づく登録検査機関、水道関連団体、民間事業者、大学・研究機関、住民、こういった主体についてそれぞれ示すということでまとめたものでございます。
まず(1)として「行政機関」でございます。最初に国というものを挙げております。国における役割というのは、制度的対応、財政支援、技術支援、こういったものがあるのではないかということでございます。また、新水道ビジョンを反映した新たな都道府県ビジョンですとか水道事業ビジョンを策定できるような支援というのもあるということでございます。項目立てして制度的対応と改めて書いていますけれども、水道事業の計画策定手法の提示ですとか、事業の事後審査制度を導入するとか、そういうものがある。また、生活用水の供給のためのさまざまな方策を提示するというようなものを、制度的対応に絡めて示すことが役割としてあるのかなということでございます。
(?)の財政支援については、国庫補助事業を継続展開するということでございます。
(?)の技術支援でございますけれども、衛生確保の徹底のためということで、それぞれの方策を示すということですとか、耐震化計画の策定推進ですとか、アセットマネジメントの推進、こういった技術的な内容を支援していく。国はこういう内容の役割が期待されるというものでございます。
?の都道府県でございますけれども、都道府県におきましても、この新水道ビジョンを踏まえた都道府県ビジョンをまずつくる役割があるのではないかということでございます。33ページにまいりまして、管内の水道事業者が策定した水道ビジョンにつきましても、事業経営がそのビジョンに沿って行えるように必要な指導をする役割が期待されるということでございます。また、都道府県というエリアの大きさに着目して、複数の水道事業者間の広域的な調整を図る役割も期待されるというものがあると考えるところでございます。
続きまして8行目、?市町村でございます。市町村としては基礎自治体として当該地域の実情に応じて住民が安全な水を確保・利用できるような公衆衛生の向上に努める役割があるのではないかということでございます。また、水道法上、市においては専用水道、簡専水、飲用井戸の対策を行うという役割があります。それに当たっては、市の中にある水道事業者と連携して推進するというような役割があるのではないかということでございます。市町村のうちの町村については、水道法による専用水道等の権限が移譲していないこともありますので、都道府県なり当該町村の水道事業部局と連携して対策を講じるという役割があると考えるところでございます。
18行目、(2)といたしまして「水道事業者・水道用水供給事業者」の役割についてでございます。このような水道事業者・水道用水供給事業者につきましては、新水道ビジョンの中で書かれた水道の理想像を具現化するために、積極的な取り組みを期待したいというものでございまして、みずからも事業ビジョンを定めて、その実現に向けた取り組みを進めていくという役割が期待されるということでございます。特に水道用水供給事業者につきましては、都道府県ですとか一部事務組合が経営しているということでございまして、高い技術力を有するということ、また、広いエリアを対象とするということでございますので、大規模な水道事業者と同様に、都道府県の担う役割への支援ですとか、受水団体である水道事業者、また近隣水道事業者の支援役が期待されるというものでございます。
(3)としては「自家用水道の設置者」ということでございまして、こちらについてはそれぞれ?として専用水道、?として簡専水、小規模貯水槽水道、?として、34ページにまいりますけれども、飲用井戸等の小規模自家用水道となっておりますが、水道法を遵守するなり、都道府県なり衛生部局と協力することで、安全な水の確保に協力するというような役割があるのではないかということでまとめております。
34ページの7行目、「水道法に基づく登録検査機関」につきましては、水道事業者が行う水質検査を代行する機関と簡専水の維持管理状況を検査する機関と2種類ほどございますが、こういう機関については、万が一の際、迅速な水質検査ができたり、施設をチェックできたり、そういうことができる。緊急的な対応が図れる利点を生かして、単なる検査だけでなく、きめ細かい水質管理のノウハウを提供できるということで、地域の安全な水の供給を支える役割が期待されるのではないかということでございます。
(5)といたしまして「水道関連団体」、水道事業者や民間事業者、さまざまな組織される団体がございますが、団体の構成員の資質向上のための取り組みですとか、水道に関する調査研究などが鋭意行われている。こういう取り組みを積極的に推進することで、新水道ビジョンで示される理想の水道像の具現化に寄与する役割が期待されるということでございます。さらに大規模震災時、こういう緊急事態にあっては、水道事業を支えるセーフティーネットとしての人材、資機材の調達を初め、さまざまな支援体制を構築、支援する役割が期待されるというものでございます。
「民間事業者」に関しましては、28行目でございますけれども、さまざまな技術開発によって水道システムの合理性の向上に寄与する。水道事業の運営基盤強化、住民サービスの向上につながるような、牽引役としての役割が期待される。また、官民連携の牽引役としての役割も期待されるというところでございます。
「大学・研究機関」に関しましては、水道分野の専門的知識を修めた人材の輩出ですとか、水道に関する先進的な知見、新しい技術の検証、実用化、水道事業者等への技術面・経営面の助言、こういう役割が期待されるというものでございます。
(8)の「住民」というところでございます。住民に関しましては、35ページの5行目からですけれども、水道事業者とのコミュニケーションを図りつつ、水道は地域の住民の財産である、また、みずからが水道の経営者であるという認識をもってもらうことをお願いしたいというものがこのビジョンで示している内容でございます。
最後、36ページでございます。「フォローアップ」についてまとめた8番でございます。新水道ビジョンについては、これまで申し上げてきましたが、幅広い関係者が今後の水道の理想像を共有し、役割分担に応じた取り組みに挑戦できるよう、その事項、方策を示したものということでございます。水道ビジョンで示された方策の推進には、関係者がそれぞれの方策において到達点を設定してもらい、いつまでにどういう状態になれば到達点に達したとみなせるのかということを意識して臨んでもらいたいということがいえると思います。この到達点、ビジョンで示した取り組みの目指すべき方向性にもちろん合致しているということでございます。当然、一部は当面の目標点として示していただいた3点にも資するものであるということでございますが、それぞれ方策の到達点が相まって、水道の「安全」「強靱」「持続」で表現される姿が実現するということで、水道の理想像が具現化するという形になるのではないかというものでございます。
関係者におきましては、この方策の推進において、それぞれの事項の関係性を留意していただきまして、計画性をもった取り組みを行う、可能な限り客観的にその達成状況を把握・評価する、次の取り組みにつなげる努力を繰り返すというのが重要ではないかということでございます。
この水道ビジョンにおいても、取り組みの方向性における当面の目標点の達成状況を踏まえつつ、また、関係者の意見を聴取しつつ、当該取り組みの方向性の確認ですとか、重点的な実現方策の追加や見直し、こういったものを期間を定めてフォローアップを行っていきたいということでまとめたものでございます。
ちょっと長くなりましたが、新水道ビジョン(案)としての説明は以上になります。

○ 滝沢座長
どうもありがとうございます。非常に大量な中身でございますので、短時間ですべてご説明いただくことはなかなか難しい点がございましたけれども、ここで10分ほど休憩をさせていただきまして、皆さんいろいろなご意見があると思いますので、少し休憩時間も目を通していただきながら、その後、ご意見をいただきたいと思います。
あちらの時計で40分から質疑を再開したいと思いますので、よろしくご協力ください。

     (暫時休憩)

○ 滝沢座長
それでは、お約束の時間がまいりましたので、よろしいでしょうか。
細かい点、特に「てにをは」といわれるようなところは、恐らくここで議論している時間はないと思いますので、本日、審議終了した後、事務局のほうに時間を区切ってご連絡、ご意見をいただければと思います。本日ここでは、まず全体の構成、それから、主な内容についてご意見がございましたら、残りの時間いっぱいまでご意見をちょうだいしたいと考えております。
初めに1枚開いていただきまして、目次の構成、これはご説明をいただいたとおりですが、このような構成になっております。「はじめに」から、特に重要な点といたしましては、4ページ目の下のところ2行ですけれども、基本理念ということで、「地域とともに、信頼を未来につなぐ日本の水道」というようなことが書かれております。初めに目次構成と基本理念あたりのところまでにつきまして、ご意見がございましたらちょうだいして、あとは全般的なご意見をちょうだいするという形で進めさせていただけたらと思います。全体構成を先にご意見いただきます。これまで議論してきたような構成、中身を、私のみたところ、できる限り拾い上げたような構成になっているような形ですけれども、初めに全体構成につきまして……どうぞ。

○ 木暮構成員
全体構成としては、今までの議論をうまくまとめていただいて、3つの方向性とその達成レベルまで示していただき、時間がない中でよくまとめていただいたのかなとは思っております。
事務局に確認させていただきたいことが何点かあります。従来であると図表とかもあったのですけれども、その辺の扱いと、後でまた説明があるかと思いますが、シンポジウムも予定されています。この後、この案をパブコメにかけるかと思うのですけれども、パブコメの期間も国の取り扱いの細かいところはわかりませんが、3週間なり4週間なりということで決まっていると思います。その辺の時間の関係ですが、最後の検討会が3月下旬ということになっていますので、時間も限られています。この案を、このままパブコメにかけるのか、その辺も含めてお答えいただければと思うのですけれども。

○ 日置課長補佐
お答え申し上げます。まず図表につきましては、当然、必要と考えておりまして、必要なものについては理解を得やすいように準備した上でパブコメにかけるという手続に入りたいと考えております。パブコメの時期につきましては、4週間ほどを見込んでおります。したがいまして、3月末に最後の検討会をお願いしているタイミングと、パブコメが1ヵ月と、後で説明を申し上げますけれども、シンポジウムが3月1日ということでございますので、パブコメ期間中にシンポジウムを行うような形で、パブコメを開始したいということでございます。そういう意味で、2月中旬ぐらいにはパブコメを開始したいと考えているところでございます。また、パブコメの内容につきましては、本日、この案をお示しさせていただきまして、その後、ご意見をいただきながら若干の微修正をさせていただきまして、それをもって、最終的に電子メールか何かで構成員の先生方にご確認いただいた上で、パブコメにかけたいなと考えているところでございます。

○ 木暮構成員
ありがとうございました。

○ 滝沢座長
いかがでしょうか。佐藤さん、どうぞ。

○ 佐藤構成員
では、私からも新水道ビジョンの目次、もしくは全体のフレームに関する質問ですけれども、ここに示された目次とともに、これまでの何回かの議論の中では、たしか時間軸として短期、中期、長期とかのロードマップなどについても必要ではないのかという意見が出ていたと思います。そういったことについては、この新水道ビジョンを受けた後に、実際に何か作業に着手される予定があるのか、あるいは、これをもって全体の新水道ビジョンのフレームとして我々は受けとめたほうがいいのか、その辺についてコメントいただければと思います。

○ 日置課長補佐
お答え申し上げます。今、私どもが考えていますのは、ビジョンでは高いレベルの大まかなことをまず示したいと考えておりまして、その後、国の役割等々があります。その中で必要なガイドラインを整備するですとか、制度改正に着手するとか、そういったところを今後、このビジョンを受けて取り組む中で推進していきたい、そういう構造を今考えているところでございます。

○ 佐藤構成員
ありがとうございました。

○ 滝沢座長
ほかに全体的な構成につきまして、岡部さん。

○ 岡部構成員
目次と中の構成についてですが、3の現状評価は「安全」「強靱」「持続」ということで、取り組みの方向性と同じ形で分けられていますが、実現方策のところで、関係者とか挑戦的なところはいいかもしれませんけれども、関係者の内部方策は、水質のことだったり、災害のことだったりと書いてあり、3つの軸に分けていないので分けたほうがわかりやすいと思うのですけれども、いかがでしょうか。整理できればですけれども。

○ 日置課長補佐
参考1という資料の中で、重点的な実現方策と目指すべき方向性の関係を整理したものをご用意しておりまして、こういったものを理解の参考として、今後、図表の1つとして、ビジョンの中に入れて成案していくというようなことを考えているところでございます。

○ 岡部構成員
どうしてもクロスするからうまく整理はしにくいということなのですかね。

○ 日置課長補佐
今のところ、そう考えています。

○ 岡部構成員
3つの軸で整理してきて、最後に実現方策というところで、3つの軸がなくなってしまうのです。具体的には、読まれる方とかがちょっとわかりにくくなるのではないかなという心配をしました。
それともう1つ、数値的なものについては余り今回のものは出てこないのですけれども、数値目標的なものについては余り示さないという方向だと考えていいのですか。

○ 日置課長補佐
先ほど佐藤構成員からお話しされた内容で、ビジョンとしては高いレベルの内容を示して、その下に今後取り組んでいく中で、今後の具体的な達成目標等々を示していくのかなと考えているところでございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。最初にご指摘いただいたところは、18ページの上の重点的な実現方策のイントロのところで、3つの観点からということで、ただ、これが複雑に関係する場合があることから、方策を取り組む主体に着目し、整理しましたということが書いてあるのですが、確かに岡部構成員のご指摘のとおりではあると思いますので、こういった表形式にするのか、これを取り組むことによって、いかにこの3つの目標が達成できるのかという、どこか簡単な文言を加えるとか、そこら辺、少し工夫をしていただければと思います。よろしくお願いします。
ほかにいかがでしょうか。長岡構成員。

○ 長岡構成員
印象に近いので恐縮なのですが、3つの軸にしたのですが、実現方策のところに行くと、いろいろな要素を「持続」に押し込んでしまっているような印象があって、もちろん最終的には「持続」なのでしょうけれども、国際とか、環境とか、住民連携、それも「持続」といえば「持続」なのかもしれないのですが、どうも実現方策のときにいろいろなものを「持続」に入れ過ぎているような気がして……。例えば住民との連携というのも随分ここで議論したし、年末のワークショップでも議論したのですけれども、もうちょっと今までやってきたことがみえるようにしたほうがいいのかなという印象はちょっとあります。印象で恐縮なのですけれども。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかに全体的なところでご意見ございますでしょうか。どうぞ。

○ 服部構成員
会社のことを考えながら文章を読んでいたのですけれども、会社で中長期計画を立てるときに、合宿をやったり、取締役会でいろいろな議論をしたりしながら、経営企画部なるものがこういった文章をまとめて、各自がいっていることをまとめるというような話になって、まとまってきたというような話だと思うのですが、一番気になるのは、例えば1番、2番、3番、4番、5番あたりの方向性みたいなところはいいのですけれども、要は経営者からみたときに、会社の実力に照らして、これはみんなできるのか、一体、優先度はどれなのかというような話は出てくるのかなという気がしながら読ませていただいていたのです。
例えば15ページの持続の確保というところで、今、話題になっているトンネル事故がこの間ありましたね。笹子トンネルの事故があって、維持管理、あるいは点検するようなことが緊急の課題であるみたいなことが世の中で非常に認識されたということがあって、24行目、水道施設の管理・運営における最大の課題は老朽化施設への対応ですみたいな話がここに書いてあるのですけれども、要はほかのいろいろな課題と比べて、限られた事業体の技術者、あるいは人数、企画する人たちの職員さんの能力から照らして、本当に幅広く一つ一つができるわけではなくて、何を優先してやっていかなければいけないのかというようなところが1つ大きく考えなければいけないことなのではないのかなと思いながらみていたのです。一つ一つ本当は考えていかなければいけないのだけれども、一番考えなければいけないことは、3つ挙げたら何なのかみたいな……。モットーもいい、理念もいい、外部認識も内部認識もいいのだけれども、間違っていないのだけれども、限られた人的資源の中で、どれを一体優先しながら施策を展開していくのかという話になってくると、これは会社でもそうですが、限られていて、社員もどんどん少なくなって、固定費も下げなければいけないというようなところで、本当にこんなにたくさんの施策ができるのかというのが、我々の民間企業の中でも必ず話題になるところなのです。では、限られた人数で何を先にしなければいけないのかみたいなところがきちんとないと、相当難しいに話になる。要するに、広域化を先にやるのか、それとも官民連携を先にやるのかみたいな話というのは一概に決められませんけれども、やはりあるのではないのかなということを、これをみながら感じた次第です。

○ 滝沢座長
優先度も重要ではないかというご指摘だと思います。自治体によって、事業体によって、状況が違いますから、それぞれ優先度は違うでしょうし、余り細かいことをここで書き込むという趣旨ではないと思うのですが、事務局からいかがでしょうか。

○ 日置課長補佐
お答え申し上げます。このビジョンの中の5の方向性と目標点というところ、それぞれ「安全」「強靱」「持続」という中で3つにまとめさせていただいています。最後の目標点に書いていること、これが我々として最低限やってほしいということでございます。そういう意味で、あえて新水道ビジョンの中で目標めいた書き方をして示しているということでございまして、最低限、この意識を関係者がもって、当面の間、頑張ってほしいという気持ちでございます。

○ 滝沢座長
具体的には13ページからということですかね。

○ 日置課長補佐
そうです。「強靱」については、行が1つ抜けていますけれども、15ページの3行目、「持続」については16ページの38行目というところでございます。

○ 滝沢座長
ちょっとごらんいただければと思いますが、ここが優先度が高いところだという趣旨で書かれたということなのですが、もしそこがわかりにくければ、イントロの部分の書き方を少し工夫して、ここが方向性であり、なおかつ優先的に取り組むべき課題だというような文言を少し加えていただくとか、そういう工夫の仕方はあるかもしれません。ちょっとごらんいただいて、さらに追加のコメントがあればいただきたいと思います。
ほかにいかがでしょうか。

○ 岡部構成員
今回、何で新水道ビジョンかという議論は少しあったと思うのですが、私の認識としては大きく2つあって、今まで水道ビジョンがあったけれども、なかなか水道ビジョンの中身が実現できてこなかったというのを見直して、それを本当に実現にもっていくという観点が1つあるのと、もう1つは、厚労省からも説明がありましたが、大きくしてきた水道がこれからシュリンクしていくとか、人口はもちろん減っていくとか、過去100年とこれからの100年の大きな変化点であるということが、何か大きな水道ビジョンをつくる理由なのかなと思っているのです。その中で、先ほどの6番のこれからの具体策ということで書いてはあるのですけれども、おのおのの項目については今まで議論したことを整理していただいていいと思うのですが、できなかったことがどうやったらできるのかなというところが重要だと思います。
6番の(2)「関係者間の連携方策」ということで、新水道ビジョンの検討会で議論したり、厚労省の方々のいろいろな説明を聞いている中で、私の認識としては、今まで耐震化すべきだ、老朽化も更新すべきだという施策としてやってきたものが、人もいない、お金もないでできなくなってきたという中で、これから何をすべきかというと、関係者間の連携ということで、特に水道利用者である市民の方々に情報を公開したり、一緒になって考えたり、まさに吉岡さんのところがやっているようなことではないかと私は認識しているのです。そのような水道施策を実施するために、解決する方策の大きな方向として、住民との連携みたいなものが非常に重要になるのかなと。そういったことをやることによって解決していくのがいいのか、6番の「重点的な実現方策」というところで、何行か書いていただいているのですが、先ほども出しましたけれども、どうやってできていないところをやっていくのかというところの方向性みたいなものを、できればこのあたりに書けないのかなという質問です。

○ 滝沢座長
例えばそれは、個別の方策についてはここにリストアップされていますけれども、先ほどと同様ですが、6の「重点的な実現方策」のイントロのところにそういったことを書くとか、そういうことですか。

○ 岡部構成員
そうですね。ビジョンですから、あるべき論でいいとは思うのですけれども、耐震化すべき、老朽化の更新すべき、料金もいろいろやり方を変えていくべきですよと書いていますよね。どうやってやるのかというところで多分とまっているのが、今のビジョンも同じだと思うので、新水道ビジョンであれば、何かそこに、すぐ解決しなくても、こういった方向性で解決していくべきではないですかぐらいは書けないのかなということです。

○ 滝沢座長
取り組むべきことと、それをいかにしたら実現できるかというようなことも少し踏み込んで書いてほしいということですかね。住民との連携はあらゆることに関係してくるような気がしますけれども、そこら辺、少し盛り込んでいただくようなことはできますか。いかがでしょうか。個別に住民との連携というのは既に書いてあるのですけれども、それによって実現できていくことがあるということですかね。

○ 岡部構成員
もしくは、関係者との連携方策というのが、私の中ではどちらかというと結構重要な位置づけにあるのかなと思っているので、例えば順番を、これを先にもってきて、今後、これを重点にやっていきながら、2番目の具体的な施設のレベルアップとか、こういったものをやっていく。構成の問題だけかもしれませんけれども。

○ 滝沢座長
どうぞ。

○ 石飛課長
ご指摘ありがとうございました。今の点も随分、ワークショップでも、情報提供、住民との連携が大事だということを我々も非常に重要視いたしまして、今、ごらんいただきたいのは、取組の方向性と当面の目標点というのが13ページからありまして、先ほどご説明があったとおり、「安全」「強靱」、そして「持続」の確保というのがあるわけでありますけれども、17ページに、それに加えて今回、方策の推進要素というのを独立させて設けたというのが1つのポイントになっております。この中に、先ほど説明いたしましたように挑戦と連携、挑戦については先ほど説明があったところですけれども、まさしく連携というところが重要だということを示しております。今の岡部構成員のご指摘も、ここにもう少し肉づけをして、これがその後の重点的な実現方策につながっていくという位置づけをより明確にしていきたいと思います。

○ 滝沢座長
お願いします。5から6へのつながりも、そうするとよくなるかもしれないですね。
ほかに全般的なところでご意見ございますか。佐藤さん、どうぞ。

○ 佐藤構成員
先ほど服部構成員が質問されたところに戻ると、事務局の回答ですと、例えば13ページ、優先順位で、当面の目標で書いているところが必ずやってほしいことなんだということでした。これを理解すると、例えば「安全」の確保については14ページ、実質的な国民皆水道であったり、あるいは15ページ、「強靱」の部分ですと耐震化の完了であり、「持続」に関しては17ページ上段、資産管理がなされてなど、いろいろ書いてある。これまでの意見を事業経営に取り入れる体制が整備されるとこのようになりますが、2050年までのビジョンを展望して、ここが優先順位が高いといわれると、少し違和感があるというか、これはもっと喫緊性があって、もっと早くやらなければいけない話でしょう。当面といっているから当面は確かにそのとおりなのですけれども、この新水道ビジョンをやり続けた後の将来に、さらにどのような水道事業の姿があるのかどうかというところが少しわかりにくいというイメージをもちました。ここについてもう少し、書き込みの問題なのかもしれませんが、当面の目標があればその目標とともに、さらにそれを越えた取り組み、先ほど挑戦という話で石飛課長からもコメントをいただきましたが、そこら辺の関連について記載を充実するといいのではないかということを、要望としてお伝えしておきます。

○ 滝沢座長
取組の方向性というところと当面の目標点ということで分けて書いてあって、取組の方向性というのが少し長期的な視野に立ったものを記述して、その中でも当面はここをやりますというような二段構えで書いてあるのかなと思ったのですが、そんな趣旨でよろしいですか。

○ 日置課長補佐
はい、そういう趣旨でまとめさせていただきました。

○ 滝沢座長
そうすると、取組の方向性の中で、50年ぐらいを視野に入れてやるべきことがここに記述されているということですよね。

○ 日置課長補佐
はい、そういうつもりです。

○ 滝沢座長
その視点でみていただいて、ちょっと十分でないと思われることがあったら少しご指摘いただければと思います。あるいは、取組の方向性という表現をもう少し変えたほうがわかりやすいですか。私はそういう趣旨だと理解したのですけれども。

○ 佐藤構成員
もしそういうことであれば、取組の方向性のところというのが、もう少し長期的に2050年までというようなことでわかるように書いていただいたほうがよろしいかと思います。先ほどの事務局側の説明ですと、最低限やってほしいところ、優先度が高いところがここだといわれると、それ以外のところにどの程度力を入れて、一所懸命、水道関係者が取り組むのかどうかというところが、私自身はちょっと読み取りにくかったものですから、コメントしておきます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
少し具体的な記述のほうに入ってまいりましたので、全体的な記述に限らず、個々の記述につきましてもお気づきの点、質問点ございましたら、ご発言いただければと思います。どうぞ。

○ 吉岡構成員
私は検討会の構成員としてこれまで議論してきたので、よくまとまったなという感じで読ませていただきました。もう一方で、これまでの水道ビジョンで、地域水道ビジョンにつながらず、なかなか進展してこなかったという現状があります。職員が早いサイクルで異動している状況で新しく配属された職員がこの新水道ビジョンを手にとったときに、どのように読むことができるのかイメージしながら、第三者的な見方をしながらも読ませていただきました。私的には、現状の課題と評価が整理されていて、外の環境がどうで、中の環境がどうで、どういうことを取り組まなければいけないのかなというのがうまくまとまったのではないかなという感じを受けています。当面のやるべき目標、事業体の中においては、さまざまな部署があるので、そこの部署においてプライオリティーが若干異なってくることもありますが、そこも平たく読みこなせるような内容になっていると思います。意見といたしましては、広報のことがうたわれている23ページ、31行のところで、広報の組織体制、発信元に応じた戦略的広報というところがあります。今回のビジョンというのは、水道事業者がやるべきこと、あと、住民においても役割分担を初めてもたせたというようなところで、すごく意味があると思うのですが、そういったものをつなげていくのが戦略的広報になるのだろうと思います。最終的に水道事業者からみた望ましい姿を、水道事業者とのコミュニケーションを図りつつ、水道は地域の住民の財産であり、みずからが水道の経営者であることの認識をもつことが重要とし、これを住民の役割としています。私も全くそのとおりだと思いますが、だとするならば、連携のあり方の中で、もう少しその望ましい状況にするための何か記述があったほうがいいのかなと感じます。まさに連携のところだけを読み込んでいくと、広報というのはこんな手法がありますよという感じで、戦略的広報ではなく、広報戦略が書いてあるように思います。もっと大局にみた形で、住民がどのように変化してほしいのかという連携のところを書いたら、いいのではないかなという感じを受けました。

○ 滝沢座長
コメントとしていただいておきます。
平田さん。

○ 平田構成員
今の吉岡構成員と全く同じ部分で感じたことなのですけれども、25ページの21行目の?官民連携の推進とありますが、こちらは恐らく技術の連携のところを触れていると思うのですが、先日のワークショップで、情報の公開や広報についての官民連携の重要性も取り上げられていました。そのときにどなたがおっしゃったか、ちょっと忘れてしまったのですけれども、印象的な言葉が、「このままでいくと水道一家だけになってしまう」というようなご発言がありまして、幅広い業界が水道について携わるべきだと。住民のニーズもありますので、企業が取り入れていくことで、自治体だけでは発信し切れない情報ですとか、対応できない部分を補って、住民の理解を得ていくことで、水道事業体を取り巻く問題の解決に近づいていくのではないかというようなお話になりました。そこの部分で、23ページの広報の組織体制というところでこういったことを書いているのだと思うのですが、書き方として、言葉の問題ですが、ステークホルダーのところにもう少し官民連携の部分の言葉を盛り込んでいただけるとわかりやすいのではないかなと思いました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。コメントとしていただいておきます。
ほかにお気づきの点ございますか。どうぞ。

○ 浅見構成員
今のに関連して、住民に関する記述なのですけれども、何ヵ所か需要者が水道の経営者という言葉が出てきまして、吉岡さんのほうで今、これは納得されるような感じのニュアンスだったのですが、私としては、水道の経営者なのかなというのはまだちょっと疑問に残っているところであります。経営的なバランスをしっかりみて、お客様のニーズと、何を投資してどういうサービスをしていくかというのを考えるのは、やはり事業を経営する側なのかなと思うのですが、水道の経営者としての自覚を住民の方にもってもらうというのは、かなり飛躍があるような気がいたしました。利用者の方々の意識を取り入れて、何が必要かというところを踏まえるというのが重要なのと、むしろそういう人たちに広報したりとか、啓発したりしてという、一方的に水道側から何かを与えて返してもらうみたいな感じではなくて、住民の方々に参加してもらって今後のことを決めていくというようなことなのかなと思うのですが、何ヵ所か、そういう意味で表現的に以前からの水道の考え方みたいな、広報をしてわかってもらうという雰囲気を感じているところがあるので、その辺は住民の方々の参加をもうちょっと促進できるような文章にしていただくといいかなと思います。
全体の文章がですます調になったということもありまして、住民とか一般的に利用されている方々にも少しでもわかっていただけるようにということを目指されたのかなということで、ほかの大きな枠の点では非常によくなったと思っております。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
吉岡さん。

○ 吉岡構成員
先ほど私、言い忘れたのですけれども、水道は地域の住民の財産であり、みずからが水道のオーナーであるというほうがしっくり来ると思います。私も浅見先生が思っている認識と一緒で、ここは、オーナーという言葉が適切なのかなという気がしています。オーナーだからこそ口を出せるし、自分のものとして考えるということだと思います。今後、どのように地域の水道があるべきかというように政策立案にはどんどん参加していただくほうがいいと思います。

○ 浅見構成員
今のに関連して、需要者とか、利用者とか、住民とか、いろいろな言葉が出てくるのですけれども、どれが一番しっくりするというのはありますか。

○ 滝沢座長
いかがでしょうか。需要者と……

○ 浅見構成員
オーナーという感じなのかもしれないのですけれども、住民と需要者はかなり似たようなところで使われているような感じもするのですが、利用者というと単にサービスを利用する人みたいな感じもするので、その辺は書き分けられていらっしゃるのか、意図がどうなのかわからないのですけれども、全体的にみて、需要者は余りなじみのない言葉かなという感じもいたしました。

○ 滝沢座長
いかがでしょう。用語の統一の問題かもしれません。

○ 日置課長補佐
水道水の供給を受ける人は、水道法にあるような需要者という形で記述をしておりまして、いろいろ書いていく中で、利用者ですとか、住民とか、出てくる言葉がありまして、その辺はこの段階で整理が必要かなと我々も考えておりまして、もしどれがいいというようなご意見をいただけたら、それを参考に整理したいなと考えております。

○ 熊谷室長
全体の中で本当にそれで統一できているかどうか精査したいと思いますけれども、利用者とか需要者というのは、その事業単位で物をみたときに、直接サービスと負担の関係のある者を指すというところで使っているつもりで整理をしています。住民に関しては、事業の費用負担、サービスという関係ではなく、その地域全体を支える広義の水供給サービスであったり、そういうものを意識する場合について住民という言葉を一応使っているつもりですが、今のご意見をあわせさせていただいて、精査したいと思います。特に今みたいな認識で留意すべき点がありましたら、ぜひともご指摘いただければと思います。

○ 滝沢座長
私から1つ、よろしいでしょうか。先ほど議論した点なのですが、13ページから16、17ページあたりの当面の目標点というところです。「強靱」と「持続」の当面の目標点を改めてみますと、「強靱」のほうは15ページのところで、3行目に(?)と書いて当面の目標点を入れるのですか。

○ 日置課長補佐
そのとおりでございます。

○ 滝沢座長
中身をみますと、当面の目標として全水道事業者において、みずからの区域内で最も重要な給水拠点を設定し、当該拠点を連絡する管路、どちらかというとハードウエアのことが書かれているのですけれども、先ほど来の議論の中で、連携とか、もう少しソフトの面の重要性も指摘されていたような気がします。ですから、この内容自体は重要だとは思うのですが、もう少し連携して取り組むべきこととか、ソフト面で取り組むべきことも、ここら辺にあるのではないかという気がしますので、その中でも最も重要なものだけを選び出して記述していただけたらと思います。「強靱」と「持続」のところについて特にですね。その前のところは、安全性の確保はこれでよろしいのかなという気がします。

○ 日置課長補佐
かしこまりました。

○ 滝沢座長
ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○ 岡部構成員
6番の重点的な実現方策についてなのですけれども、まだ十分読み込めてはいないと思うのですが、従来からいわれている旧水道ビジョンでもいろいろ出てきたものと、今回、大きな変化点ということで、新水道ビジョンで新たに出てきたものというのが、多分、初めて読まれる方はかなりわからないのかなということ。あと、おのおのの項目のところが、説明から入って最後に結論を書いてあったりするのですけれども、よく設計指針とかだったら、コラムか何かでポイントみたいなものが前にあって、そこの下に解説が書いてあります。これは書き方だけの問題かもしれませんけれども、そういった工夫もしていただくと、読まれる方はかなり読みやすくなるのではないかという気がしました。

○ 滝沢座長
特に新ビジョンになってからの新しい取り組みがもう少し明示的になるような記述の仕方のほうがいいのではないかというご提案だと思いますけれども、いかがでしょうか。その辺、少し工夫できそうですか。

○ 日置課長補佐
ポイントを箇条書きにするですとか、小見出しをつくって項目を整理するといった作業は必要だと考えていますので、可能な限り対応したいと考えています。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかにご意見いかがでしょうか。

○ 尾?構成員
一生懸命に作成してくださったという感想です。しかし、模式図を追加する等の工夫がないので、初めて読む人には読みづらいかもしれません。岡部構成員の話にもありましたが、読み進めるにあたって疲れることなく、内容がしっかりと伝わるような工夫が必要だと思います。
また、今までのビジョンに比べて新しくなった点は、必ずしも管で給水しなくても良い事や、一般部局でも水道事業に配慮した人員配置や教育を進めて欲しい事など、幾つかありますが、これらを箇条書きにして、明確に示すことについても、検討して頂ければと思います。
なお、フォローアップについてですが、実務的なフォローアップをどのように考えているかを、新ビジョンに具体的に記載できると良いと思います。人口減少と震災対策の2つの課題がありますが、例えば人口減少の中でいかに持続するかという大きな課題について、どのような筋道で解決するのかが、ある程度理解できるようなフォローアップが必要と思います。岡部構成員の言われた震災対策の課題についても、これまでとどのように変わっているかを表現するとともに、行政としてインセンティブをつけるような方法が記載できると、より良いものとなると思います。期待しています。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。いずれも重要なご指摘だと思いますが、まず読みやすいものにするという工夫が必要だということで、それについては今の段階で図も何も入っておりませんので、文章がざーっと流し込んであるだけですので、そういう意味でも現段階では決してみやすいものにはなっていないということで、図等については冒頭、日置さんからご説明いただいたとおり、できるだけ早くつけてごらんいただくという予定だと理解しておりますが、それ以外の点につきましても、今のところ中身を一生懸命精査しているという段階ですので、読みやすさ、わかりやすさということの視点から、もう一度、少し検討していただくことが必要かなと思います。
それから、旧ビジョンとの違いについてももう少しわかりやすくということで、これは岡部構成員からもご意見をいただきましたけれども、このビジョンになって何が新しいのか。もちろん旧ビジョンから継続して取り組むべき点はたくさんあると思うのですが、そうだとしても、新ビジョンの中で何を新規に取り組むのかというところがもうちょっとわかりやすく書かれていたらいいのかなという気がしました。1つの工夫としては、四角囲いのコラムみたいな形を、たくさんは要らないと思いますけれども、どこかに工夫して、ここをみれば、新旧でここが新しいんだという目玉といいますか、そういうところがわかるというものが適宜配置されていたほうが、読むほうにとっては目の休めというか、わかりやすくなるという感じはいたします。
それから、フォローアップについてはいかがでしょうか。

○ 日置課長補佐
フォローアップを最後に書かせていただいておりまして、ここでは明示はしておりませんが、当面の間、我々行政の文書として10年ぐらいかなというところを考えておりまして、その中での何回のフォローアップということで、数年置きに達成度を見直して、そのための重点的な施策ですとか、目標点をその都度変えていきながら進めていくのかなと。そういうイメージでこれをまとめたところでございます。長期のロードマップとか具体的な方策を、このビジョンの中、かなりの数のやるべきことを書いている中で、それを位置づけるのはなかなか難しいかなと考えていまして、個別の対策をこれに基づいてつくる中で示していくのかなというイメージで今いるところでございます。

○ 滝沢座長
震災対策につきましても、これまで従来取り組んできた耐震化等の震災対策もありますし、特に今回の新水道ビジョンは、冒頭にありましたけれども、背景として2つの大きな変化ということで、1つは人口がいよいよ減少期に入ったということ、もう1つは東日本大震災を経験したということだと冒頭に書かれております。そうだとすると、尾?構成員からご指摘いただいた地震対策につきましても、やはり東日本大震災での教訓、経験は一番何だったのかというところが少しどこかに反映されているといいのかなと思いまして、「強靱」のところに一番関連すると思うので、先ほども指摘させていただきましたけれども、非常に大きな規模で、広範で起こってしまって、燃料その他の資源も確保がままならないとか、通信等も困難であるとか、いろいろな経験があったと思います。それを乗り越えていくためには、冒頭に書いてあります東南海とか大きな規模がもう一回起こったとしたら、何をしていくべきなのかというところが少し書かれていると、東日本大震災を経験した後での新ビジョンという感じになるかもしれませんね。恐らく鍵は連携というところで、今までも連携は当然してきましたけれども、さらに資源が不足したり、制約がかかったときに、どういう形で連携していくべきなのかということをもう一回考えるということかもしれません。そこら辺、今まで検討会の中でさんざん議論してきた部分もございますけれども、そこの中から新しい点をもう一回みていただいて、ぜひとも盛り込んでいただくという工夫をしていただければと思います。よろしくお願いします。

○ 日置課長補佐
わかりました。

○ 滝沢座長
どうぞ。

○ 岡部構成員
震災対策で気になることがあるのですけれども、私も東日本大震災の直後に向こうに行って、いろいろ復旧のお手伝いなどをしたのですが、今回、東海・東南海とか、やはり広域を考えていくのであれば、正直、なかなか他からの応援というのは余り期待できないと思います。住民に対してもですね。もちろん水道事業体同士の日本のよさである連携とかは必要だと思うのですけれども、余り広域連携でどうにかしましょうという話ばかりをしてしまうと、だれか助けてくれるんだねという話になって、人にしても、備蓄にしても、すべてどちらかというと薄くなってしまって、逆にいざというときに困るのではないか。他の大阪とか九州とか遠くからの応援は今回ありましたけれども、東北全体をみても、ほとんど中での隣同士の応援というのはできない状態だったのです。だから、広域災害を考えるのであれば、自分のところでどうにかしなければいけないぐらいでやっていって初めてほかも助けられるのかなという気がしているので、そこのところは書き方も難しいところがありますけれども、「自助」に重点を置く観点が必要だと思います。よろしくお願いします。

○ 滝沢座長
書き方かなと思います。

○ 尾?構成員
先ほど座長がおっしゃったように、人口減少と震災という2つの視点があり、これらの視点から考えると、ただ今の岡部構成員のご指摘になるのだと思います。会議に間に合わせるために一生懸命に作業を進めて下さったのは理解できますが、その点までは十分に煮詰められておらず、ある面で、はじめに書き込んだ時のイメージが途中で切れてしまっている様に感じられます。現段階では、最初の発想が最後まで続いている流れには、なっていないような気がするので、先ほどのお願いをしました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。冒頭に書かれている2つの事象が重要だというところの趣旨が最後まで反映されているかどうかというところの視点で、もう一回みていただければと思います。個別のところを書いていると、なかなかそういった視点が十分書き切れないというところもあるかと思いますけれども、もう一回みていただければと思います。
ほかにご指摘の点。どうぞ。

○ 長岡構成員
連携が重要な推進要素ということで、それは私も賛成なのですが、外からこれをみたときに、3つの方向性とキャッチフレーズ、それが外からみると非常によくみえると思うのですけれども、連携というのがちょっとみえないので、わかりやすく、外からみてもすぐ連携というのがみえるような形で何か工夫をしたほうがいいのかなと思います。
それから、重点的な実現方策なのですが、ちょっと総花的で多いような気がして、例えば官民連携でもPFIとか、手段に特化したようなところもありますので、もうちょっと整理をしたほうがいいのかなと。私は、今は多いような気がして、逆に重要な施策が薄まってしまっているような気もします。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。連携ということ、本文の中ではもちろん書いてありますし、全体の趣旨としては連携ということが書いてあるのですが、キャッチフレーズと3つの方向性ということで、盛り込んだほうがいいという言葉はたくさんあるのですけれども、すべてを盛り込んでしまうと、逆に一個一個が薄まってしまうという難しいバランスなのだろうと思います。そういう意味では、これまで議論させていただいた基本理念のところで、これは何回か議論してきたところでございますが、「地域とともに」ということで、「ともに」なのは地域だけではなくて、民間企業の方もそうかもしれませんし、あるいは事業体同士もそうかもしれません。ただ、それを全部書き込んでしまうと、やたらと長くなってしまって、よくわからないということで、できれば「ともに」という言葉、それから、「つなぐ」ということで、世代間も含めて連携していくというような趣旨が、明示的ではないかもしれませんけれども、ここに少し盛り込んだということで、その辺、読み取っていただけると大変ありがたいなという気がしますが、ご意見いかがでしょうか。

○ 岡部構成員
前回の水道ビジョンは解説本みたいなものがあったような気もするのですけれども、私もいろいろ書き込んでいただいて、これでも結構長いかなという感じもあって、コンパクトなものと解説、別冊などに、少し分けられるものがあれば分けたほうがいいような気もします。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
平田さん、どうぞ。

○ 平田構成員
先ほどの長岡先生の連携というところで、連携をどうするかという具体例を入れるというのは難しいのかどうかというところをお伺いしたいのですけれども、例えば横浜市では、水道局パートナーシップデスクというのがありまして、水道局と企業、NPO法人、大学、自治会などが連携して、お互いの強みを生かしていくという取り組みがあるのですが、そういった実際にある取り組みの具体例などを明記することで、わかりやすくなったりするのではないかなと思いました。

○ 滝沢座長
読みやすさの工夫だろうと思います。いろいろな本でも、半分ぐらいコラム書きで事例みたいなことが書いてあると、読む側としてはイメージがわきやすいということかもしれません。ちょっとご検討いただければと思います。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○ 尾?構成員
少し詳細な話になりますが、役割分担の中で市町村の役割を記載している箇所は、「持続」をもっと意識した記載にしていただきたいと思います。現在の案では、今回のテーマの「持続」が充分に表現できていない様に感じます。人や技術が足りないなど、持続を危ぶむ状況が存在している場合、市町村の担当者レベルではある程度、問題点の把握がなされていると思います。しかし、市町村総体として水道ビジョンを作るなどして、状況を正しく分析する機会を持てば良いのですが、こうした機会を持たない場合には、トップに対して状況が充分に伝わらず、結果として、持続できるかが非常に怪しくなってくる。こうした市町村も多くあるのではないでしょうか。
新水道ビジョンが、市町村の意識改革のきっかけとなれば、策定の意義は大きくなると思いますので、「持続」をターゲットとした記載を検討して頂けないでしょうか。

○ 滝沢座長
ご指摘のとおりではないかと思います。国については比較的詳しく書いてあるのですが、都道府県、それから、特に大事な市町村について、ざっともう一回みましたら、どちらかというと「安全」にかかわるようなことは書いてあるのですが、それだけではなくて、「持続」「強靱」と3つ掲げているわけですから、それぞれの視点からどんなことを考えたらいいということを記載していただければと思います。ありがとうございます。
ほかにご指摘いかがでしょうか。

○ 木暮構成員
今の役割分担のところなのですけれども、今回のビジョンで1つの目玉といったらおかしいですが、7番の役割分担を各ステークホルダーについて記載したというところがいいのかなと思います。中身については、今、尾?構成員や座長がいわれたように、いろいろ議論はあると思います。例えば私が思った中では、34ページの登録検査機関についても、去年、省令改正もあったことですし、ここには検査のみではなく、水質管理のノウハウを提供するということで、さらっと書いてありますけれども、もうちょっと重く書いてもいいのかなという気もします。
あともう1点、気がついたところでお聞きしたかったのが、浄水発生土のところです。前のビジョンでも、環境のところで有効利用について取組を進めていくということがありまして、多くの事業体では、ほぼ100%有効利用ができてきたと思います。しかし、東日本大震災で今は100%有効利用できていないというような逆転のところが出てきているのですけれども、その辺の放射性物質の関連について何も入れていないというのは、あえて入れなかったのかどうか、お聞きしたいなと思います。

○ 日置課長補佐
今後の利用促進ということも、あえて入れなかったというのが正直なところでございます。今後、そういった処理というのが進むような筋道も一応ありますものですから、放射性物質に特化したところはあえて書かなかったというところです。

○ 滝沢座長
どうぞ。

○ 吉岡構成員
尾?構成員のご指摘の追加みたいなものなのですが、私も全くそのとおりだと思っています。よく首長さんがなかなか理解しないとか、さまざま言い訳をする事業体があるのですが、首長は大きな決定権の裏に大きな責任を負っている人です。そういう人たちが正しい情報を知ったときに、間違った決断、住民にマイナスになるような決断というのはなかなかしないと思うのです。そういう立場の人にきちんと情報が行っていないというのが、政策が進展しない要因の1つだと思います。そういう視点では事前配付資料の市町村の役割のほうが責任を明記しているので書き直しも検討していただいたらと思いました。

○ 滝沢座長
ご検討ください。
どうぞ、浅見さん。

○ 浅見構成員
私も同じように、今回配られたものをみて、市長さんとか町長さんが自分が経営している会社といいますか、何千万、何億という単位でお金が動くべき水道事業というものの経営をしっかりやらなければということを認識して、その経営について、お客さんの満足する、かつ強靱なものをつくるということを再認識していただくという資料にするのはなかなか難しいかなと。確かに原案にいただきましたところのほうがいろいろ書き込んでいただいていますし、また、今後もちょっとブラッシュアップしていく中で、そういった経営感覚をしっかりもっていただきたいというのを、今回のビジョンのポイントの1つだと思っていますので、ぜひ入れていただきたいと思います。
実現方策のところで、資産管理の活用とか、アセットマネジメントの実現というのを入れていただいているのですが、ちょっとこれだけだと、やはり何か薄まってしまっているかなという感じがありまして、ここでの用語ですとか、これに付随して、どのような経営的な感覚をもっていただくかという具体的なものも一緒にセットにして、一層、対策を考えていく必要があるのかなというのがポイントの1つかと思います。
全部で3つ思っているのですけれども、2つ目は、広域化のプロジェクトで、広域化に関して今回書き込んでいただいているのですが、これを結局やらなくても済んでしまう事業体とか、手をつけなくても異動までの期間が来てしまうような方に、どうやってタイムスケジュールを組んで取り組んでいただくかというところがもう少し具体的に進めていけるような、例えばチェックを定期的に行って推進するとか、継続的な委員会をつくってウォッチアップするとか、助言をしていくとか、コンサルに相談できないというようなところも、相談できるような窓口を設置して何とか推進するとか、そういう具体なところとセットにして広域化をもっと進めないと、なかなか主体性をもって進めていただくのは難しいかなと思います。
3つ目は災害対応なのですけれども、あるべき姿のところで拝見していて、もう少し書き込んでいただくといいかなと思うのは、資材とか、技術とか、通信とか、情報共有の共通化とか標準化というところがもう少し進むと、同じような資材を使って融通するとか、工事のやり方とかもある程度一緒のもので共通化していくというところも、もっと技術的にも進むと、災害時の対応とかもやりやすいかなと思いますのと、あと強靱なというか、余裕をもって施設をつくることで、しっかりと災害対応するというところが、安全と持続と両方かかると思うのですけれども、そういう姿が入るといいなと思っております。
あと、研究機関の役割とかはもうちょっといろいろやれることがあるかなと思うので、後でもう少し考えて提案させていただきたいと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかに。永井さん、どうぞ。

○ 永井構成員
今、研究機関というところの話がありましたので、ふと思ったといいますか、少し前からも実は思っていたことを申し上げたいと思います。ちょうど29ページ、タイトルには料金制度の最適化ということで、13行目のところに、社会環境の変化に伴い、経営の安定に向けた料金体系の見直しを検討する、その料金見直しの方向性も、以下それぞれ示されています。これはいいのですが、実は料金体系の見直しというのは、相当な努力というのですか、決断というのですか、勇気というのですか、これが求められると思っています。いろいろな角度から、本当に持続可能な水道の視点に立てといったところで、意識改革を求めていても、現実としては相当高いハードルだろうと思います。そこで、この間、全国の水道事業体を掌握している日水協とか国、そうしたところにプラス、幾つかの識者の方が集まって、何かの研究機関というのですか、組織というのですか、そこをつくって、そのもとにどこどこの水道事業体の成熟度がどうなっているのか、あなたのところはこれではだめですよ、必要な料金体系についてはこうですよ、そういったいろいろな意味でアドバイスというのですか、答申をもらう。その答申をもらって、どこどこの事業体としてはこのような必要がありますよ、専門的な見地からはこうですよといったところを後押ししてもらえれば、大分インパクトが違うのかなという気がします。せっかく新水道ビジョンを議論している間で、今ここで設置してくれというのは無理でありますから、そうしたことがこれから先に、余り長期でもだめなのですが、視点の中での意見として1つ申し上げておきたいと思います。
それから、32ページ目に国の役割としての財政支援が記載されております。これは水道法2条の2の2、これに基づいての記述だと思いますが、この間のいろいろな議論の背景の中では、技術的な人材不足と給水収益の低下に伴う、人口の低下に伴う料金収入の減だというところが大きなポイントだとするならば、国の財政支援のあり方は余りにもこの2行で終わっているということで、国の人を前にしていいづらい話ですけれども、事業体からすればもう少しインパクトがあるというのですか、そうなのかと思えるような記述をしていただければなということを、2点ほど申し上げておきたいと思います。

○ 滝沢座長
ご検討いただければと思います。
いかがでしょうか。ほかに。木暮さん。

○ 木暮構成員
先ほど吉岡構成員もちょっとおっしゃっていたのですが、私も、きのう配布された事前資料をみたときに、関係者の役割分担についてもよく書いてあるな、と思っていました。しかし、本日配布されたものは多少修正されていまして、特に都道府県と市町村のところは、かなり短く詰めて記載されています。これはただ長いから詰めたのか、逆に詰めたからわかりにくくなっているような気もしますので、このことについては事前資料のほうがよかったかと思います。例えば都道府県であれば、広域的調整機能と流域単位の連携推進ということで分けて書いてあったのですけれども、やはり見せ方の問題もあると思いますので、文章だけで書いてあるとどうしても読みづらくなりますので、ちょっと工夫をしていただけたらなと感じました。

○ 滝沢座長
そういう意見が複数出ましたので、ご検討ください。
いかがでしょうか。大体ご意見をちょうだいしたということでよろしいでしょうか。
細かいところにつきましては、時間が限られておりましたので、お持ち帰りいただきまして、事務局のほうにいつまででよろしいですか。

○ 日置課長補佐
今後、パブコメ案として整理して、一たんご了解を得たいと考えていますので、週明け、月曜か火曜ぐらいまでには事務局に届くような形でしていただければ大変助かります。

○ 滝沢座長
そのときに皆さん、ファイルがあったほうがいいですか。もしあれでしたら、きょう配付していただいたもののファイルをもう一回お配りいただくことは可能ですか。それに直接コメントを書いて返事をするという……。

○ 日置課長補佐
それは可能でございます。

○ 滝沢座長
では、お送りください。
こんな形で討議を進めてまいりましたが、事務局から追加で何かご発言ございますか。

○ 日置課長補佐
先ほど申し上げましたけれども、今後、基本的にはこの内容をもって、週明け、構成員の先生方から意見をいただきまして、それをできるだけ反映させた形で、最後、滝沢先生とも相談して、皆さんのご了解を得るということで、パブコメ案として、2月の半ばぐらいにはホームページでパブコメをしたいと考えているところでございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。今後の進め方ですが、何かご質問ございますか。よろしいですか。
それでは、議題の(3)が終了したということで、議題の(4)、最後の議題ですが、シンポジウムの開催(案)についてご説明ください。

○ 水野係長
資料—4をごらんください。A4の一枚紙でございます。新水道ビジョン策定検討会シンポジウムの開催(案)というものでございます。
日時を3月1日金曜日、午後1時半から4時ごろまでということで設定をさせていただいております。場所も決めております。新宿区役所牛込箪笥区民ホール、駅でいうと牛込神楽坂、都営ですけれども、飯田橋の近くです。ホームページ等で公開したいと思いますので、またそういうところでもごらんいただければと思っております。
開催概要といたしまして、目的として、新水道ビジョンの検討経過を一般または水道関係者に広く伝えるとともに、パブコメ期間中に開催することで、幅広く意見の募集を図りたいというものでございます。
次第としてはこのような形で、新水道ビジョン改訂の説明、それから、滝沢座長に基調講演をお願いしたいというように予定しております。あとパネルディスカッションで、ここに記載させていただきましたとおり、コーディネーターとして滝沢座長、パネリストの予定で吉岡構成員、浅見構成員、岡部構成員に事前にご了解いただきまして、このような予定で考えたいと思っております。関係の皆様にはよろしくお願いしたいと思っております。「持続」「安全」「強靱」というそれぞれの観点で、ビジョンのかかわり方等、その折にパネルディスカッションを進めたいと思っております。質疑等も受けるなど考えております。
この案がこれでご異論がなければ、速やかにホームページ等で募集するように進めたいと思っております。ここの会場が200~400人程度の収容ということですので、そういったことを意識して募集を進めたいと思っております。
以上でございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。3月1日だと、まだ新水道ビジョンが確定版にはなっていない時期ということですね。

○ 日置課長補佐
この期間はパブコメ中ということでございまして、パブコメ案について知ってもらうということで考えているところでございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。こういった形で一般市民の方も参加を募ってシンポジウムを開催し、広めていきたいという趣旨でございますが、何かご質問ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、ご了解いただいたということで、事務局案に沿って進めていただきたいと思います。
本日の議題4件すべて終了いたしました。その他、何かございますでしょうか。

○ 日置課長補佐
本日の議事録につきましてですけれども、皆様にご確認いただいた上で公開させていただきたいと考えています。
また、今後、検討会の開催日時でございますけれども、最終回となります。第13回でございますが、3月25日月曜日、午後を予定しております。また場所等につきましては改めてご連絡をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○ 滝沢座長
それでは、本日も長時間にわたりましてありがとうございました。これにて閉会したいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局水道課

(代 表) 03(5253)1111 内線4028
(直 通) 03(3595)2368

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