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2012年10月31日 第9回新水道ビジョン策定検討会議事録

健康局水道課

○日時

平成24年10月31日(水)14:00~17:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○出席者

出席構成員

滝沢座長 浅見構成員 永井構成員 岡部構成員 尾崎構成員
木暮構成員 佐藤構成員 長岡構成員 服部構成員 平田構成員
吉岡構成員

○議題

(1) 第8回検討会議事録(案)について
(2) これまでの議論の内容について(中間とりまとめ)
(3) その他

○議事

○ 日置課長補佐
定刻となりましたので、ただいまから第9回新水道ビジョン策定検討会を開催させていただきたいと思います。本日、吉岡構成員が若干おくれるというご連絡をいただいておりますが、1時間ほどおくれるということですので、始めさせていただきたいと考えております。まず構成員の出席状況でございますが、本日11名の構成員の先生方、お忙しい中にもかかわらず、ご参集いただきましてまことにありがとうございます。現在、10名の構成員の方々に出席していただいている状況でございます。
また、事務局におきまして人事異動がございまして、9月10日付で矢島健康局長、9月11日付で高島大臣官房審議官が着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
開会に当たりまして、矢島健康局長よりごあいさつを申し上げたいと思います。

○ 矢島健康局長
健康局長の矢島でございます。本日、構成員の先生方には大変お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。日ごろ、水道行政を初め、厚生労働行政にいろいろな意味で多大なご支援、ご協力をいただいております。この場をおかりいたしまして、厚くお礼を申し上げさせていただきたいと思います。
今回が第9回目の検討会ということでございますが、前回の第8回の9月4日まで、今後の論点でありますそれぞれの特定テーマについてご議論いただいたと聞いております。水道界におきましては、人口の減少による水需要の減少ですとか、東日本大震災を踏まえた震災対応など、解決すべき課題が山積みであると聞いております。今回は、これまでご議論いただいた内容を中間とりまとめとして整理するとともに、新水道ビジョンの策定に向け、さらに深く検討を重ねていけるよう、前回までに引き続き、どうか闊達なご議論をいただけるとありがたいと思います。
簡単ですが、私のあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○ 水野係長
それでは、議事に入ります前に事務局より配付資料の確認をさせていただきます。まず議事次第でございます。ホチキスどめになってございます。検討会名簿、座席表、検討会の実施スケジュール(案)がついております。続きまして、資料—1が第8回検討会の議事録でございます。続きまして、資料—2が「これまでの議論の内容について(中間とりまとめ)」となっております。これもホチキスどめでございます。続きまして、参考資料—1となっております。これは第2回検討会のときの「今後の論点整理(案)」というものがついてございます。続きまして、参考資料—2があります。「第2回検討会における今後の論点(案)と新水道ビジョン構成イメージとの対応」ということで、参考資料—2になっております。最後が参考資料—3、A4一枚紙です。現行水道ビジョンのイメージ図がついております。
資料は以上でございます。何か足りないもの等ございましたら、事務局にお申しつけいただきたいと思います。よろしいでしょうか。

○ 滝沢座長
それでは、議事に入りたいと思います。
まず議事の(1)でございますが、「第8回検討会議事録(案)について」でございます。これにつきましては事前に構成員の皆様にごらんいただきまして、チェックを受けているとお聞きしております。特に修正等のご意見がなければ、「(案)」をとりまして、これで確定版とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
引き続きまして、本日の議事(2)「これまでの議論の内容について(中間とりまとめ)」でございますが、この中間とりまとめといたしましては、2つに分けて議論を進めさせていただきたいと思います。まず前半部分で、第1回から第8回までのこれまでの議論をとりまとめた上で、後半に新水道ビジョンの構成イメージについて集中的に議論を行うという形で進めさせていただきたいと考えております。
まず前半部分でございますが、資料—2の「これまでの議論の内容について(中間とりまとめ)」、ここにありますこれまでの議論のとりまとめの部分につきまして、事務局からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○ 日水コン(榊原)
それでは、資料—2の前半部分についてご説明いたします。この資料—2は「これまでの議論の内容について(中間とりまとめ)」ということで、時間は20分程度を予定しております。
まず1番、検討会での議論の経緯でございますが、第1回検討会では、平成20年7月改訂の現行の水道ビジョンにおける5つの主要施策、すなわち、水道の運営基盤の強化、安心・快適な給水の確保、災害対策等の充実、環境・エネルギー対策の強化、国際協力等を通じた水道分野の国際貢献についてレビューを行いました。
第2回では、この1回目のレビューをさらに詳細に実施しまして、今後の論点整理(案)を整理いたしました。参考資料—1をごらんいただければと思います。参考資料—1ですけれども、第2回検討会の資料—5と同じものでございますが、第1回の審議を踏まえて、今後の論点としまして6つ、0も入れますと全部で7つですけれども、分類をいたしました。0が将来の事業環境、1が水道サービスの持続性の確保(水道の運営基盤の強化)としまして、1—1が施設整備及び技術基盤の強化です。
ページをめくっていただきまして、2ページですけれども、1—2、特に経営面から見た持続可能な事業運営のあり方、2番目、安全な水の確保、3番目、危機管理の徹底ということで、3—1が東日本大震災を踏まえた震災対応、3—2がその他の危機管理としまして、震災以外のものであります。
4ページですけれども、4つ目としまして、住民等との連携、5番目が国際展開の推進、6番目が国・都道府県・水道事業者等の役割分担と連携であります。
以上が第2回のときに整理した論点でございまして、また資料—2に戻っていただきたいのですけれども、資料—2の箇条書きの3番目ですが、この論点整理を受けまして、第3回から第8回で特定テーマを設定し、おのおの議論を行っていただいたところでございます。その特定テーマの内容につきましては、1ページ目の真ん中より下に書いてありますけれども、ごらんの内容であります。
さらに、関係団体からの意見聴取、これは全部で11団体からヒアリングを行いました。また、東日本大震災での被災水道事業からのヒアリングということで、陸前高田市、仙台市、登米市、石巻広域水道企業団、そして、福島県にはおととい行ってまいりましたけれども、郡山市、二本松市、双葉地方水道企業団、こちらのヒアリングを行ったということであります。
以上の議論とヒアリング等を踏まえまして、今回は中間とりまとめという会議の趣旨でございますので、おのおのの特定テーマにつきまして、課題、解決策、そして解決策に関係する概念(キーワード)を整理いたしました。これが別添1のA3の表でございます。本日の検討会の前半は、これまでの議論でいろいろと出てきたキーワードを整理しましたが、改めてここで振り返っていただきますとともに、ご発言の内容がまだこの中に入っていないとか、情報の過不足という観点からご確認をいただきたいと思います。ですので、キーワードを読み上げるような形になりますけれども、あと残り15分ぐらいでこのA3のご説明をいたしたいと思います。
では、まず特定テーマの1番、将来の事業環境であります。左から2列目に通し番号を振ってありますけれども、1番と2番が人口構造の変化であります。具体的には、人口減少ですとか、職員数の減少、技術力、災害時対応力等の低下。それから、節水などもありまして、給水量の減少といった課題が挙げられました。あとは、余剰施設の増加、給水収益の減少、事業経営の悪化、地下水専用水道の普及などがキーワードとして挙げられたわけであります。これに対しての解決策としましては、人材・技術力の確保、広域化、地域間の連携、健全な施設・機能の確保などであります。
続きまして、?3、施設の老朽化ですけれども、更新需要の増加、施設再構築の必要性といった課題であります。解決策としましては、資金・経営力の確保ということで、アセットマネジメントによる中長期的視野でのアプローチであります。
4番から6番ですけれども、気候変動ということで、降水量の変化、気温の上昇、海面水位の上昇といったことでありまして、具体的には、洪水発生頻度の増加、植物プランクトンの増殖、残留塩素の消費、トリハロメタン、あとは地下水の塩水化などが挙げられました。解決策としましては、適切な水源計画、住民への情報提供、水質検査体制の強化、浄水処理の高度化、あとは研究開発の推進などであります。
続きまして、特定テーマの2、住民等との連携であります。7番と8番ですけれども、水道事業に対する住民等の認識・理解不足といった分類ですが、具体的には、水道料金の値上げに対する理解が得られない、あるいは、首長や議会にうまく説明できない。それから、水道料金の決定における首長・議会・一般会計の過度な関与といった指摘がありました。解決先としましては、住民への適切な情報提供、あとはコミュニケーションの充実、あらゆるステークホルダーとの協調・連携、あとは適正な水道料金、また、国や都道府県の指導、逓増型料金体系の見直しなどであります。
?9の水道水に対する信頼性の低下ということで、需要者とのコミュニケーション不足といった課題が挙げられました。これに対しては、信頼性の向上ということで、直接飲用ですとか、学校での水道教育といった解決策。あとは、災害時を想定したリスクコミュニケーションなどといった解決策が挙げられました。
続きまして、特定テーマの3、安全な水の確保です。10番から12番が有害物質、有害生物による水道水の汚染のおそれということで、耐塩素性病原微生物ですとか、消毒副生成物、未規制化学物質といった課題が挙げられました。解決策としましては、耐塩素性病原微生物対策、水安全計画、水道水源保全、関係部局との連携、流域協議会、上下流連携、あとは水源監視、排出事業者に対する働きかけなどであります。
13番、長距離輸送や老朽管による管路内での水質変化ということで、残留塩素の低下ですとか、生物学的安全性の低下といった課題であります。対策としては、管路内における水質保持ということです。
14番、水道の未普及地域・未普及者の解消といったテーマもありました。解決策としましては、安全な水へのアクセスの確保ということで、運搬給水なども含めまして、未普及を解消する手法の多様化ということも、この会議の中で話題となったというところであります。
ページをめくっていただきまして、安全な水の確保の続きですけれども、15番、未規制小規模・専用水道・飲用井戸の水質管理ということで、管理手法と管理主体(監督権限)の技術水準といった課題に対しましては、衛生管理強化、井戸台帳の整備、保健衛生行政や保健所との連携、住民への周知、指導・制度上の厳格な取り扱い、あとは貯水槽水道のランキング制度の促進などといった解決策が挙げられました。
16番が給水装置、17番が鉛給水管、18番が地方分権による衛生指導担当の変更、19番が人口減少が水道水質に及ぼす影響でありますけれども、解決策としましては、工事業者、給水装置工事主任技術者への指導強化、優良業者制度、あとは住民への適切な情報提供、技術的な指針を策定する、それから、都道府県の水道行政と衛生行政との人事交流、連携、あとは人口減少下においても水質を確保するということを踏まえた水道システムの構築などであります。
続きまして、4—1、危機管理の徹底(東日本大震災を踏まえて)ということで、20番ですけれども、水道施設・管路の耐震化の遅れということで、解決策としましては、耐震化計画などであります。
21番から24番ですけれども、広域的な被災への対応、応援体制の強化による初動及び復旧の迅速化、資機材の不足による復旧の遅れ、応急給水の確保ですが、これもいろいろと解決策を挙げていただきました。関係部局との連携、事業継続計画(BCP)、通信手段の確保、広域的な支援体制、受け入れ体制、災害対策の想定範囲の見直し、あとは災害対策マニュアル、サプライチェーンの把握ということで、電力ですとか、水道用薬品の調達などであります。あとは平常時の効率性と非常時を想定した備蓄とのバランスの確保についてもご意見が出されました。それから、各家庭で水を確保するということについての情報提供が必要だというようなご意見もありました。
25番、原子力災害ですけれども、こちらにつきましては、基本的には災害対策基本法に基づくということで整理をいたしております。
地震以外ということで4—2ですけれども、危機管理の徹底ですが、中小事業体における危機管理等のマニュアル整備の遅れということで、事故事例集ですとか、民間の工場での作業標準などが活用できるのではないかといったご意見もありました。
エネルギー問題ですけれども、短期的な話としては、非常用の発電設備ですとか、燃料の備蓄の話なのですが、中長期的にみた場合に、電力の安定供給の確保を考慮した事業への転換、自然流下の活用とか、そのような考え方の整理も意見として出されたところであります。
28番、住民への説明・啓発、29番、貯水槽水道、地下水利用専用水道、30番、事業環境の変化に伴う災害時の対応力の低下ということで、情報提供、ハザードマップ、あとは給水拠点としての民間施設の有効活用などの解決策が挙げられました。
最後、3ページ目ですけれども、国際展開ですが、まず31番、国際協力と水ビジネスの位置づけについてもいろいろと議論があったかと思います。これにつきましては、職員の海外経験によって技術力を確保するという側面もあるということですし、そもそも水を確保する必要のある人がまだ世界にはいる、そういったことを再認識する必要もあるといったようなご意見であります。また、そのことを通して日本の考え方を世界に発信していくことも求められるといったようなご意見もありました。
水ビジネスにつきましては、海外で事業化するための支援、枠組みの整備、あとは国家間の競争という意識、水道業界全体に及ぼす影響も考慮する。あとは技術力を評価する仕組みを整備するといった解決策が挙げられたところであります。
6—1に行きまして、水道サービスの持続性の確保ということで、運営基盤の強化のその1ですけれども、ここでは特に施設整備面、技術の基盤の強化といった観点です。34番、中小規模事業体の脆弱な運営基盤ということで、人口減少を見据えた施設の再編、地域で核となる水道事業体への支援、官民連携、省電力、創エネ、取水の上流化などです。
35番と36番、広域化の関係ですけれども、アセットマネジメントですとか、広域的な再構築、あるいは上下水道の一体化などといったキーワードも挙げられました。
37番、民間委託化ですけれども、これにつきましては、民間技術者の段階的な育成、適切な委託を遂行できる体制などが挙げられました。
38番の水道職員の人事、39番の団塊世代の退職ですけれども、人事管理に関しての情報発信ですとか、国や都道府県による助言など、人材育成を念頭に置いた人事サイクル、大規模事業体と小規模事業体の職員の人事交流、そして、水道技術管理者の処遇などであります。団塊世代につきましては、人事交流の話ですとか、外郭団体、NPOなどとの協働、そういったことも挙げられております。
最後、6—2ですけれども、特に経営面から見た持続可能な事業運営ということで、水道料金のあり方ですが、合理的な料金設定がなされていないということで、資産維持費の所要額の検証と必要性、新たな算定方法、長期的なスパンを踏まえる、あとは経営面の指導の強化、第三者がチェックする仕組み、アドバイザーなどであります。
最後、42番ですけれども、マーケットとしての水道産業の魅力の低下ということで、水ビジネス、技術継承といったキーワードであります。
このように多種多様な観点からご議論をいただきまして、一応、中間とりまとめということで、キーワードベースでまとめさせていただきました。本日はこの内容の情報の過不足を改めて確認させていただいた上で、おおむねのご承認をいただいた後に骨子に進みたいと考えております。
資料の前半部分につきましては以上です。

○ 滝沢座長
 どうもありがとうございます。過去8回にわたりまして、いろいろな形でご議論いただいた内容を議事録等から拾い上げて、それぞれの課題の細目並びにそれに対応すると思われる解決策をキーワード形式で表にまとめました。ごらんいただきまして、適正な課題とそれに対する解決策、あるいはキーワードというような並びになっているかどうか、まずここでご確認をいただいて、これをベースに後半の議論を進めてまいりたいと思います。たくさんございますので、順番に少し進めさせていただいて、最後に全体のご意見をお聞きしたいと思います。
初めに資料1/3でございますが、一番冒頭にございます1番目の将来の事業環境ということで、1番目から6番目までの6項目、4、5、6は気候変動ということで同じ内容でございますけれども、掲げてございます。この課題の細目の内容と、それに対する解決策ということで、これまでご議論いただいた、あるいはご意見をお聞きしたような項目がきちんとここに含まれているかどうかも含めて、ご確認をいただければと思います。将来の事業環境につきまして、何かお気づきの点がございましたら、どなたからでも結構でございますので、ご発言をいただければと思います。いかがでございましょうか。どうぞ、岡部さん。

○ 岡部構成員
事業環境の変化ということで、前回の水道ビジョンがつくられたときの事業環境と、現在、今の事業環境と、多分変わっていると思うのですけれども、そういったところがどのように変わったから、ビジョンもどのように変わるという関係があると思いますので、一体、何がどう変わったかみたいなところも必要なのかなということが1つ。
あと、実際に人口減少も含めて、前回はそうなるだろうなという世界から、もう実際に、本当に現実として減り始めている。また、小さな事業体とか、よくある限界集落ではないですけれども、実際、将来の日本の姿になっているようなところもあると思うので、そのあたりのところをしっかり押さえてほしいなと。
あと、もう1つお願いですけれども、事業環境というのはこれから先のビジョンをつくるに当たっての前提条件となると思うので、非常に難しいとは思うのですが、将来、人口減少も、人口問題研究所のものとかいろいろありますけれども、検討会として将来の前提条件をどう考えるのか。例えば職員にしても、減っていきますよねというのはあるのですけれども、減ると想定するのか、減ってはいけないと想定するのかとか、いろいろな事業環境の想定というようなところをもうちょっときっちり押さえないと、次の議論が発散するのではないかと思うので、そのあたりをお願いしたいと思います。

○ 滝沢座長
ご意見ありがとうございます。ここだけではなくて、運営基盤の強化のところにも少し関連するようなご提言だったと思いますけれども、前半はご意見ということで、前回からの変化が、どこが変わったのかといったことを背景として少し明らかにしていただきたい。例えていうならば、前回のビジョンでは人口が減るだろうと予想されていたのが、今回のビジョンでは実際に人口が減る局面に入ってきた、というようなことがあります。それから、職員数につきましても、このまま放っておくと減るだろうけれども、それを仕方がないことととらえるのか、それに対して何かアプローチをしないといけない、改善をしなければいけない、といった立場で臨んでいくのかということですね。そんなことも含めてご提言いただきました。これは後ろのほうの運営基盤とも関連しますので、少しまた後でご議論いただければと思います。ありがとうございます。
事業環境につきまして、ほかに何かお気づきの点ございますか。どうぞ、浅見さん。

○ 浅見構成員
まず最初は、事業環境の項というのは前提条件かなと思いますので、ここで解決策まで示してしまうかどうかというのがちょっとあるかなと思うのです。
もう1つは、今までお話に出ていたかどうかがわからないのですが、ことしも雨の降り方が非常に偏っておりまして、渇水ですとか、水利権上の問題で、農業利用と現在の生活用水の利用等の再配分というようなことが、もう少しスムーズにいけば解決しているかもしれないことというのはまだあるかなと思いますので、そういった水利用と水源の確保というところが前提の中に1つあるのかなと思います。
もう1つは、富栄養化ですとか、下水の畜産の負荷によりまして、まだまだ水源の問題が解決していないというところがあります。解決策のほうには、下水道とか畜産業に関しての解決策が入っていないような感じがいたしますので、そこも加えていただければと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。ここは気候変動という形で、課題の分類で少し大き目に書いてありますけれども、今、浅見先生がご指摘のように、必ずしも気候変動でなくても、降雨パターンの変化とか、渇水とか、偏りといったことがあるというご指摘ですので、ここら辺の書き方、今後、まとめていくところで、それらのことも含んでいただければと思います。
ほかにお気づきの点ございますか。木暮さん、どうぞ。

○ 木暮構成員
今、浅見構成員がいわれたとおり、前提条件だと思いますので、細かいところはまた後の施策とか解決策で出てくるかと思うのですが、一番大きな人口減少と施設の老朽化、それを背景として、老朽化更新等を進めていかなければならないというところが大きいところなのかなとは感じております。そういった意味では、施設の再構築というよりも、将来、更新するのにダウンサイジングしていくのでしょうけれども、緩やかに人口が下がっていく中では、当然、一気に小さくはできないわけで、そういったところでいろいろな知恵を使いながら更新をしていくというところでは、大きな意味で、背景とすれば施設の老朽化と人口構造といいますか、人口減少社会を迎えるというところだと思います。今、ちょっとお話が出ていましたけれども、当然、水道だけではなくて、農水ですとか、そういう利水に関しても、将来的にはいろいろな影響が出てくると思いますので、そういった意味では横断的な取り組みも必要なのかなと思いますが、前提条件とすれば、やはり人口構造、将来、人が少なくなるよという中で、施設の更新をどうやって進めていくのかなというところが一番大きな将来の事業環境なのかなとは感じています。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。人口構造の変化、施設の老朽化等が非常に重要な前提条件だということです。
ほかに何かお気づきの点ございますか。どうぞ。

○ 尾?構成員
直下型地震や南海地震、東海地震など、30年のうちに大きな地震が来る確率が4—1に書いてありますが、将来の事業環境の中にも、こうした地震の確率を前提条件として入れる構成も、検討していただきたいと思います。

○ 滝沢座長
この段階では、まだこれまでの議論の整理ということですけれども、今後、最終的にはビジョンの骨子から、最終的なビジョン(案)に進んでいきますけれども、その段階で、将来、地震が起こり得る確率が最新の情報では高まっているというようなこともいわれておりますので、そういったことも前提条件として含んではいかがかというご提案だったと思います。ありがとうございます。
どうぞ。

○ 永井構成員
人口構造の変化で、1番目に少子高齢化に伴う人口減少という記述があるのですが、少子化に伴う人口減少だったらわかるのですが、高齢化となれば、日本は世界のトップレベルの高齢化ですから、間もなく65歳以上の人口が4分の1に達するといわれていますので、少子化、高齢化に伴う人口減少といったら、どのように理解したらいいのか教えていただければと思います。
2番目に、ここでは新たに人口減少や人口の高齢化、そして節水等による給水量の減少といったほうが、私、現場にいた人間としましては、何かピンとくるのです。すなわち、年齢が上がれば上がるほど、簡単にいえば生産性が落ちるし、食べるものも水も含めて、いってみれば口に入れるものが減少するという傾向があると思いますので、この辺、ご検討願えないかなと思いましたので、発言させていただきました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。少子化と高齢化、よく一緒に少子高齢化といわれるのですが、人口減少の直接的な原因は高齢化よりもむしろ少子化であるというご指摘だったと思いますので、その点も踏まえて、今後、表現を検討していただけますか。ありがとうございます。
どうぞ。

○ 浅見構成員
申しわけありません。先ほど1つ、言い漏らしたのですけれども、ここで人口構造の変化とありますが、これは人口全体の数だと思うのですが、住んでいらっしゃる場所の過疎化ですとか、偏在していくとか、都市自体が縮小するといったようなことが、ここに明確にはみえないので、それがわかるような形で考慮していく必要もあるのかなと思いました。

○ 滝沢座長
人口分布という言葉でよろしいですか。

○ 浅見構成員
そうですね。特に人口の密度の低いところで、給水の効率が非常に下がっているところもふえてくることが懸念されますし、水道だけではなくて、医療面ですとか、ほかの福祉の面でも山間地域の過疎の部分で、今までと同じようなことを維持するというのがだんだん難しくなっているということは、事業環境として非常に重要なポイントかなと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
よろしければ、2のほうに進みたいと思いますが、住民との連携というテーマです。3課題を掲げてございますが、7、8は同じですね。ここにつきまして何かお気づきの点ございますでしょうか。どうぞ。

○ 岡部構成員
最近、この住民との連携というのがよく出てくるのですけれども、ここに書いてあるのも、どちらかというと水道事業者から住民とコミュニケーションをとらなければいけないとか、そういう目線が強いと思うのですが、将来のビジョンを考えるに当たって、よくいう利用者の視点というか、利用者側のニーズというのですか、水道事業者としてこのようにしなければいけないというのはあるのですけれども、将来の利用者がどのようなことをしてほしいとか、そちらのほうもよく考えておかないと、一方的にこちらからやってもいけないので、利用者の視点というものをこの中で挙げるべきではないかなと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかに。どうぞ。

○ 長岡構成員
今の岡部さんの指摘に近いと思うのですが、9番の水道水に対する信頼性の低下という課題があって、解決策として直接飲用とか、水道教育ということがあるのですが、私の感覚ですと、水道水に対する信頼性が低下しているというよりも、文化的に水道水を飲まないとか、そのような方向になっていると思うのです。それがいいかどうかというのは議論のあるところなのですが、単純に信頼性の低下ということではなくて、文化とか、生活とか、消費者の視点からという岡部さんの言葉に集約されていると思うのですが、そういう視点が必要ではないかと私は思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。岡部構成員のご発言とちょっと関連したところだと思いますけれども、消費者、水の利用者の立場からということです。
平田さん、住民等との連携で何かコメントありますか。よろしいですか。
どうぞ。

○ 木暮構成員
8番のところなのですけれども、当然、水道料金を決定するに当たって、地方の議会の議決ということで、このような書き方になっているのかなと思うのですが、「過度な関与」と書きますと、みる人がみるとちょっと問題のある表現だと思います。水道料金を、事業者として携わる者としては適切な料金にもっていきたいというところなのですが、その辺の説明を議会とか首長のほうにできないといいますか、当然、1回、2回、説明しただけではなかなか理解していただけないので、ねちっこくやるということが必要だと思うのです。そういった意味では、過度の関与というよりは、もうちょっと違う表現があるのかなということで、後ほど検討していただければと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。表現もちょっと工夫していただければと思います。
どうぞ。

○ 佐藤構成員
今、出ております議会等の過度の関与ですけれども、ここについては、表現はやはり私も見直したほうがいいとは思うのですが、とはいえ、住民等との連携の中に潜っていいレベルなのかどうかというのも、個人的には少し疑問を感じています。民主的統制の観点からは議会等の関与というのは当然重要なのですけれども、今までのところ、これが必要以上にゆがめていたのではないかという事実があるとすると、ここの部分については、表現は見直しますが、しっかりとした形で切り出しだけはお願いしたいという意見をもっています。

○ 滝沢座長
どこか適当に動かしたほうがいいという場所はございますか。運営のほうですか。

○ 佐藤構成員
位置としてはまだ明確に答えをもっていないのですが、ここの部分については、住民等との連携という切り出しになっていて、それ以外の水道の利害関係者との連携とかという項目が漏れているので、それを住民等の連携の中に含めるのか、あるいは、利害関係者は議会等以外にもあると思いますので、再整備するのかというところを少し検討してみたいと思っています。

○ 滝沢座長
「住民等」の「等」の中に含んだつもりではあると思うのですが。それから、料金の話は一番最後の6—2の水道サービスの持続性のところに、料金のあり方ということでもう一度出ているということですね。
どうぞ、平田さん。

○ 平田構成員
先ほどお話が漏れてしまったのですけれども、住民との連携のところで、コミュニケーション不足というような書き方があったのですが、もう少し具体的に広報の仕方ですとか、情報提供の方法ですとか、そのような形でこちらに表記していただければなと思いました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
それでは、2はよろしいですか。どうぞ。

○ 浅見構成員
今、お伺いしておりまして、住民等との連携の位置なのですけれども、ここはどちらかというと解決策の1つに入るのかなという感じもしますので、その辺は後で精査をするときにもう一回、みていただければと思うのです。
もう1つ、連携の中に、ここに挙げられているものは水道事業に対して余り理解してもらえないとか、一生懸命やっているのに信頼してもらえないという、水道事業の立場からどちらかというとみている感じがするのですけれども、実際は、災害が起こったときもそうですし、非常時もそうですし、ふだんのときも、住民の方々といいますか、我々自身もいろいろなことに備えていかなければいけない。自助ですとか、共助といったところの備えというのも重要なのかなと思いますし、また、利害関係者との連携という点でも、他府省との連携とか、いろいろな業界さんとの連携とか、いろいろな面での連携というのもここに含めるつもりで最初はいたのかなという感じもいたします。もしこのままでここの位置にあるのであれば、前提条件みたいなことがここに書かれて、後に解決策として漏れがないように、連携がいろいろな面で書かれる必要があると思いますし、逆にここにいろいろな連携を先に出すのであれば、もう少し項目がふえたほうがいいかなと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
どうぞ。

○ 宮澤室長
オブザーバーの総務省でございます。先ほどの木暮構成員と同じ意見なのですけれども、8番の水道料金の決定における首長・議会・一般会計の過度な関与というのは、やはりちょっと刺激的な表現かなと思いますし、議会なり首長の決定というのは非常に重いものですので、余り軽々に扱う、あるいは、ほとんどの団体でこのようなことが行われているんだというような印象になってはいけないと思っています。
それから、それに対する解決策のほうで、国や都道府県の指導ということがありますけれども、これは指導ということではなくて、当該市町村が県や国にアドバイスを求める、助言というようなことかなと思いますので、また表現について、全体的にご一考いただければと思っております。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
これまでの検討内容について、今、議論していただいて、ご意見をいただいているものは、このままの構成で今後、中間とりまとめ等に行くというわけではなくて、むしろこの順番は、これまで議論してきた各回の、この回でこういう議論がありましたねということをまとめているだけでございますので、いずれにせよ中間とりまとめの段階で再構成をします。後ほど説明いただけると思いますが、そんな形にはなっております。文言につきましては、ただいまご意見もいただきましたので、ここから少し適切な表現に修正をしていただければと思います。よろしくお願いします。

○ 日水コン(榊原)
事務局ですが、いろいろとご意見いただきましてありがとうございます。今、滝沢先生からもご説明いただきましたように、このA3の表そのものが新水道ビジョンの構成になるわけではないということは1つ申し上げたいと思います。
あと、この資料の位置づけですが、今、伺ったようなご意見も改めて踏まえて、このA3を更新して、これは傍らに置きながら、今後、ビジョンの構成案、目次と、だんだんブレークダウンしてつくっていくに当たって、抜け落ちがないかというときの目安として、このA3の表をチェックするために扱っていきたいと考えております。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
それでは、少し時間も押してまいりましたので、3番、安全な水の確保をごらんいただきたいと思います。10番から19番まで項目がございますけれども、この中で、これまで議論をしてきた中で抜け落ちがあった、あるいは表現として余りふさわしくないというようなところがございましたら、ご指摘をいただきたいと思います。

○ 浅見構成員
いろいろ網羅していただいたと思うのですけれども、やはり安全な水というので、質ですとか、水質基準との整合というところは非常に重要ではあると思うのですが、それ以前の問題で、水をちゃんと供給するということが結構大変でして、災害時だけではなく、ただ普通の状況でも間違いなく水を安全な形で届けるというのが重要な任務だと思いますので、全体の項目を拝見しておりますと、ちょっと二の次みたいになってしまっているような感じがしますので、安全な水の中に、単なる質だけではなくて、量のことも入るようにしていただけるといいなと思いました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかにお気づきの点はございますか。どうぞ。

○ 木暮構成員
何点かお願いしたいと思っています。まず1つは、10、11、12のところで、有害物質、有害生物ということで、書きぶりからすると、自然由来のものと廃棄物関係というところで、水源の汚染というところでちょっと分けて整理したほうがいいのかなと感じました。そんな中で、解決策のところでは、関係部局との連携というのがあると思いますけれども、これは水道だけではなくて、当然、河川管理者なり、環境行政サイドなりということで、先だっての水質事故の関係でも再認識されたところであると思うので、この辺をもうちょっと強調していったほうがいいのかなと思っております。
あともう1点ですけれども、18のところですが、地方分権によって、各市のほうに小規模水道、貯水槽水道の権限が来年度からおりるというところで、各市においては今、四苦八苦しているところで、県にもいろいろ相談が来ているところであります。行政の指導力の低下という書き方になっておりまして、これも低下というと、もともとあったものが下がってきたというようなイメージがあるのですが、もともと市ではそういう指導力がないというところもありますし、都道府県もそれほど盤石なものではないので、単に行政の指導力というところにとどめてもらったほうがいいのかなと思います。
それに伴う解決策とすると、行政の人間だけで技術的な知見をそろえるというのはなかなか難しいので、ここに書いてありますけれども、都道府県で事業をやっていれば都道府県、あるいは都道府県管下の大きな水道事業体との人事交流、あるいは技術交流みたいなものが、やはり今後、重要になってくるのかなと思っていますので、その辺も、ここに書いてありますが、もうちょっと強調して記載していただければなと思っております。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
水質に関しまして、ほかに何かお気づきの点ございますか。どうぞ。

○ 長岡構成員
私もそういうことをいったかどうか、ちょっと覚えていないのですが、長期的になのですが、水源の再編というのですか、水源をつけかえて上流化するという動きは多分出てくると思うのです。広域化とあわせてなのですけれども。どこにそういうのがあるかなと探したのですが、なかなか見当たらないので、最終的にはそれが安全な水にもつながるので、水源の上流化という項目もどこかにあったほうがいいのかなという気がします。場所はここかどうか、ちょっとわからないのですけれども。

○ 滝沢座長
水源の上流化ということですね。水質管理では、できるだけきれいなところから水をとるということですかね。
 どうぞ。

○ 木暮構成員
今、長岡構成員のご指摘の件は、36番のところで……

○ 長岡構成員
ここにあるのかな。

○ 木暮構成員
いや、入っていないのですけれども、広域的な水道施設の再構築とか、広域化のところで、水源の集約とか上流化というのが、解決策とすればあるのかなと思います。

○ 滝沢座長
よろしいですか。それでは、4—1と2がございますけれども、危機管理の徹底という項目です。20番から33番までまとめてご議論いただきたいと思います。危機管理関連で何かお気づきの点はございますでしょうか。どうぞ。

○ 岡部構成員
ほかにあるかもしれませんけれども、危機管理というか、今回の震災でもどちらかというとバックアップというような言葉がよく出てきたと思うのです。いろいろな施設のバックアップとか、管路のバックアップとか。どこかに入っているのかもしれませんけれども、バックアップというのはこれから結構重要だと思いますので、その言葉をどこかに入れていただけたらなと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。資材、資機材よりも施設ですかね。

○ 岡部構成員
水道施設全体において、電源のバックアップに始まって、管路などのバックアップもありますし、最近、計装系でもバックアップという話も聞いていますので。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかに危機管理の徹底につきまして何か。どうぞ。

○ 服部構成員
前に申し上げたかもしれないのですけれども、21番、広域的な被災時への対応ということで、官官、官民、民民、多重のケアが必要なのではないかなということを1つ入れてもらえればなと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。21番、官官、官民、民民、いろいろな形での連携を強化するということを入れていただきたいということです。よろしくお願いします。
吉岡さん、おみえになりまして、済みません、先に進めておりますけれども、今、4—1の危機管理の徹底のところで、こういう形でこれまでの議論を整理してみたのですが、これまでの議論を振り返って、何か抜け落ちている点、あるいは記述内容としてちょっとこれは違うかなといったような点がございましたらご指摘いただきたいということで議論をしております。何かお気づきの点ございますか。今、4ですけれども、もしお気づきの点があれば、前のところでも結構でございます。

○ 吉岡構成員
きょうは、新幹線が止まってしまい遅れてしまいました。大変申しわけございませんでした。事前に資料をみてきたので、4のところですが、28番、よろしいでしょうか。住民への説明・啓発のあり方ですが、情報提供の手法というところがありますが、平常時と非常時では説明であるとか、啓発のあり方というのは違ってくると思うので、そういったところを記述していただければと思っております。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。情報提供は、平常時と非常時で提供の仕方、内容も変わってくるのではないかというご指摘ですね。
どうぞ。

○ 木暮構成員
1点だけ、29番のところで、これは貯水槽水道だけではないと思うのですけれども、実際に災害があったときに給水拠点が多ければ多いほどいいと思うのですが、数が多ければ、それだけ人材がたくさん要るというところで、水道事業者並びに行政がそこに対応しなければいけないというところです。括弧の中で、行政が協定を結び施設整備を支援、とありますが、これはこれでいいと思うのですけれども、給水活動は行政側で対応、これも基本的にはそのような形がいいかと思うのですが、地域のルールといいますか、地域によっては、自治会とか、そういう組合等と日ごろから災害訓練などをすれば、特に行政が立ち会わなくても給水拠点からの給水ができるといった実績もあります。そういったところも、最近、いろいろな人と情報交換をしながら感じているところでありますので、特に資料を直すということではないのですけれども、そのようなことを最近、感じました。

○ 滝沢座長
ご指摘ありがとうございます。
浅見さん、どうぞ。

○ 浅見構成員
25番の原子力災害への対応なのですけれども、解決策としては、災害対策基本法に基づく計画策定しか、ここでは触れられていないのですが、現状で、東日本大震災の被害で、いまだに汚泥の問題もそうですし、給水区域の人口が大幅に減少しているところですとか、それだけではなくて、住民の不安がなかなか払拭できないというようなところもあります。どのくらい書いたらいいのかなというのが、完全に答えがあるわけではないのですけれども、今後、起こるかもしれない計画に関してのことだけではなくて、もう少し丁寧に現状の課題と、どのようにすべきかというところを考えたほうがいいのかなと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。福島でヒアリングをした中でも、さまざまな課題に直面されているというようなことを踏まえてというご発言だったと思います。
ほかに何かお気づきの点ございますか。危機管理関係ですね。よろしいですか。
もしお気づきの点があれば、また戻りたいと思いますが、少し先に進めさせていただきたいと思います。5番目の国際展開の推進でございます。この点につきまして、3項目ですけれども、何かお気づきの点ございますでしょうか。

○ 木暮構成員
国際展開の推進ということで、私が思っていることを意見として述べたいと思います。水道事業をこれから持続させるに当たって、民間企業との連携、あるいは民間企業の技術力の持続というのか、維持というのか、その辺、非常に重要だと思っています。しかし、冒頭でありましたように、将来の事業環境からすると、水道事業のボリュームも将来的には、50年、100年というスパンでみれば半分ぐらいになってしまう。そういった中で、やはり民間企業がどうしてもなかなか事業的にはつらくなってくるのかなと思います。そういったことからすると、グローバルな目で海外に視野といいますか、事業を展開して、技術力の維持、そういったところが出てくるのかなと思います。例えば、韓国ですと、今、人口は4,000~5,000万くらいだと思うのですけれども、将来、日本も100年後ぐらいにはそのくらいになるのかなというような予想ですが、韓国では国を挙げて水道事業の海外展開をバックアップしている。そういった中、日本では、今、官民連携で水ビジネスというところでやっているところがあると思いますけれども、民間企業にとっては、国内ではなく、海外も視野に入れた中で事業展開をしていくといったところが将来は必要になってくる中で、国、あるいは水道事業者としても、そういったところでも連携が必要になってくるのかなと思っています。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。この分野でも連携が必要だということですね。
どうぞ。

○ 浅見構成員
これまでお話に出ていなかったかもしれないのですけれども、これは海外に出ていくというほうが主に書いてあるのですが、入ってくる部分ですとか、海外では当然使われているような技術で、国内にまだ入ってきていない技術ですとか、国際規格への対応といったことに関しては、まだ触れられていないかなと思いますので、それに対してどのように国として臨んでいくかというところが入ったほうがいいのではないかと思います。

○ 滝沢座長
入ってくるというのは、何か研修生みたいなものですか。そうではなくて、海外のいろいろな情報、技術なりを日本が取り込む可能性もあるというようなことですか。

○ 浅見構成員
そうですね。あと、最近、勢いが以前よりは少ないかもしれないのですけれども、海外の企業が日本に入ってきているようなこともありますし、逆に日本で、こういう技術を海外で使っているので、使いたいと思っているのだけれども、前例がないのでなかなか入らないとか、そういった技術がまだあるのではないかというところ。あと、国際規格への参加ということで、TC224ですとか、ISOですとか、PIといったものを日本として推進するものもあれば、逆に標準化したことで海外の企業が目を向けることも可能性としては考えられますので、そういうことについて日本はどのようにしていくのかというところはどうかと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。水ビジネスだけではなくて、海外関係、国際関係で、いろいろな国際規格のことも含めて、少し幅広に記述していただければということでございます。
ほかに何かございますか。どうぞ。

○ 永井構成員
32番ですが、課題の細目に、安価で不適切な水道料金を設定している国の水道の現状とございますね。主たるところのビジョンの検討会では、国内の水道事業が抱えているさまざまな問題をどう解決していくのか、一言でいえば、持続的な水道のあり方という議論をしている中で、特に「安価で不適切な水道料金」という表現がどうも外国のところまで詮索しているというのですか、国際協力とするならば、その精神はいいとしても、この表現はいかがなものかなと。すなわち、日本の国だって低廉という水道法1条があるのですよね。よその国で安価で不適切なとなれば、安くてはだめなのかというような受けとめ方もできると思うのです。この辺の課題の細目の表現として、ちょっと考えたほうがいいのかなという気がします。解決策としては、水道に対する日本の考え方を発信しますよと。今いったように、日本の考え方は水道法1条の精神が大前提になっていますよと。ですから、安易に水道料金を値上げできないというところが、各自治体も今、苦しんでいるところなのです。ですから、その辺を私の意見として申し上げさせていただきます。

○ 滝沢座長
表現方法だと思いますけれども、何かございますか。

○ 日水コン(榊原)
ご指摘の件を修正いたします。これは日本の水道事業が民間と一緒になって海外へ行くときに、日本のレベルが高過ぎるといっては語弊があるかもしれませんけれども、海外ではもう少しグレードの低いところでやっているとすれば、競争力としてはなかなか厳しいものがあるといったような観点から書いた文章なのですが、表現については見直しを行いたいと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
佐藤さん、どうぞ。

○ 佐藤構成員
今の32番のところ、確かに永井構成員がご指摘のとおり、安価で不適切な水道料金の設定という表現は、少し難しい問題を含んでいると思うのです。確かに現在進んでいる国際展開は、水道の技術を海外にもっていこうという話ではあります。けれども私は、それにあわせて、水道事業の経営管理の技術というものも、日本には優位性があって、そういったものも今後、海外に通用する部分がある、あるいは広く海外に知ってもらう必要があるのではなかろうかと思います。そういう観点からすると、ここは安価で不適切というよりは、合理的な水道事業の経営管理がなされていないところについては、日本の水道管理の手法などをもっていこうという表現に置きかえていけば、国際展開のあり方としては生きるテーマではなかろうかと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。
それでは、最後ですが、6—1と6—2で、水道サービスの持続性の確保ということで、2回に分けて議論をしてまいりました。34番から42番ですけれども、これにつきましてお気づきの点があれば、ご指摘をいただきたいと思います。よろしくお願いします。どうぞ。

○ 服部構成員
37番、民間委託化の推進ということで、解決策として、民間技術者の段階的な育成、適切な委託を遂行できる体制というような形で書かれていますけれども、例えば民間技術者の段階的な育成というのは一体何のことなのかという話になりますよね。それは関連資格の有効な活用だとか、そういったことにつながるのではないかと思っています。それと、適正な委託を遂行できる体制、これは例えば発注方式であるとか、業務評価方法の最適化といいますか、そういったことにつながるのではないかと思っています。現実の発注の仕方も、水道においては非常に期間の長い委託を考えていますので、ずっと面倒をみなければという意味で、例えば地方自治法に規定されているような、いわゆる一般公募入札みたいなやり方は、箱物、あるいは建設、材料の発注、こういったものに実は向いていまして、10年、20年というような水道管理を民間が努力しながらいいものを作り上げていくというような形には向いていないというところで、ここに解決策で指導監督強化ということが書かれてはいますけれども、現行の法運用、この辺の工夫がさらに必要なのではないかと思っております。

○ 滝沢座長
段階的な育成という意味ですけれども、こういうご発言がもしかしたらこれまでの中であったかもしれませんが、これはどういう意味ですか。

○ 日水コン(榊原)
これは受け皿として民間もやる用意が当然あるわけですけれども、やはり経験という観点からすると、どうしてもまだ足りない、経験が少ない部分も民間にはあると思います。そういったときに、職員がいなくなったときに、すぐにそれだけの人的な用意ができない、受け皿として機能しない可能性があるので、今のうちから発注方式なども含めて、徐々に参入していって、民間の技術者の育成もしながら、段階的に入っていきたい、そのようなご趣旨だったと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかに。長岡さん。

○ 長岡構成員
今のところなのですけれども、37番、民間技術者の育成というよりも、企業の育成というのですかね、海外に進出したときに、長期契約に耐えるような経験を積むという意味があると思うのです。ですので、この辺は海外水ビジネスのあり方の解決策、このあたりとは多分リンクするだろうなという気がいたします。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
吉岡さん、どうぞ。

○ 吉岡構成員
34番の中小規模事業体の脆弱な運営基盤の解決策で検討していただきたいのですけれども、私どもでやっています広域の勉強会のような団体が、例えば仙台市の南側の仙南地域であるとか、八戸を中心とした八戸圏域であるとか、ほかにもそういう勉強会がたくさんあります。こうした事業体間の連携という部分も、脆弱な基盤の運営の強化にはつながるのではないかと思うので、官民連携の推進とありますが、官官連携といった横のつながりを強化していくというものも、検討していただければと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。追記していただけますでしょうか。
ほかに。どうぞ。

○ 岡部構成員
水道サービスの持続性の確保ということで、よくいわれるヒト・モノ・カネというのがあると思うのですけれども、34番ですと、運営基盤ということですが、ちょっと技術的なことが書いてあったりとか、老朽施設の更新のところで、資金・経営力とか、アセットマネジメントとか、さらにその下ですと広域化という話があったり、民間委託とか、手法とヒト・モノ・カネみたいなものをもうちょっと整理したほうがいいのかなというか、わかりやすくなるのではないかなと思うのが1つあります。
あともう1つ、ここのところに入るかどうかわからないのですけれども、これから国際展開にもちょっと絡んできますが、日本の水道の持続性の確保ということからすると、技術というか、開発というか、そういったものが1つ大きなキーワードになってくるのかなと思うので、ここに入れていいのかどうかなのですけれども、技術開発というか、研究開発というか、そういったものもビジョンの中でうたうべきではないか。それが大きく抜けているような気がしますので、どこかに入れていただければと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。前半は手法と資源のようなものですかね、そういったものが混同して書かれているので、少し内容を整理していただきたいというご意見と、技術開発というキーワードが見当たらないので、やはりどこかに入るべきではないかというご意見だったと思います。よろしくお願いします。
どうぞ。

○ 木暮構成員
38番の水道職員の人事のところなのですけれども、特に課題ということは書いていなくて、解決策のところに5行書いてあるのですが、一番上と一番下のことについて、どういった意味合いで書いてあるのかをお聞きしたいと思います。
適切な人事管理に関する情報発信ということで、この人事管理というのは、真ん中にあるような人事異動サイクルのことをいっているのかどうなのか。その辺が今までの議論から出てきた中で、人事管理というのは何のことをいっているのかなというのがわからないので、説明していただければと思います。
あと、一番下の水道技術管理者の処遇は、私が思っているのは、組織の中で水道の経験があって、それなりの役職の方がつかなければいけないんだよという理解をしているのですけれども、そういったことでよろしいのかどうか。その辺をお伺いしたいのですけれども。

○ 滝沢座長
文言を短くしているので、本来のご発言と言葉が必ずしもつながらない部分もあるかもしれませんけれども、いかがでしょうか。一番上の人事管理に関する情報発信と、水道技術管理者の処遇ということですけれども。

○ 日水コン(榊原)
上のほうの人事管理は、3年とか、短いサイクルで職員が異動されるということだったと思いますが、キーワードとうまく合っていないので、ここは表現を修正したいと思います。
それから、水道技術管理者につきましては、こちらも立場上の権限と実際上の権限といいますか、その辺にギャップがあるというようなご指摘もありましたので、その辺のことを踏まえたキーワードだったのですが、これもあわせて表現は修正したいと思います。

○ 滝沢座長
そうですね。処遇というと、ちょっとよくわからない面もありますので、少し検討して修正してください。
ほかにございますか。6—1と6—2です。どうぞ。

○ 尾?構成員
小規模の水道事業体や簡易水道の将来を考えたとき、広域化や民間への委託だけで本当に持続できるのか、充分に検討してきませんでした。また、簡易水道について、これまで、どちらかといえば補助金で運営してきたものを、公営企業法にのっとって独立採算で運営できるのか、議論がなかったような気がします。今後は、こうした内容にも踏み込んで議論をせねばならないと、反省も込めて申し上げたいと思います。

○ 滝沢座長
広域化だけで解決できるのかというご意見といいますか、問題提起ということだと思いますけれども、特にそこに突っ込んだ議論はこれまでしてこなかったような気がしますが、課題ということですかね。いかがでしょうか。中小事業体、34番に関連したようなことかもしれませんけれども、課題の細目、空欄で細かいことは書いていないのですが、そういったところに掲げていただけますか。

○ 日水コン(榊原)
わかりました。

○ 滝沢座長
どうぞ。

○ 木暮構成員
今、尾?構成員が意見されたことについてですが、概ね、簡易水道は今まで補助金行政でやってきて、水道料金も上水道に比べれば安いようなところがかなり見受けられます。そんな中で、埼玉県でも上水道への統合をしています。そういったところでは、水道料金に関しては、簡易水道の料金が上がる、下手すると1.5倍から倍ぐらいになるような料金設定をしないと、経営としては成り立たない、そのような状況です。かといって、そういうところですと、冒頭にもありました人口減少、高齢化というような状況が進んでおりまして、水量ももう減少に一途というところです。その中で今後、持続させていくには、今のままの統合だけでやっていけるのかどうかというところは、短期的にみれば、簡水を同じ行政管内の上水へ統合がされていますけれども、将来的にみたときには、もうちょっと広げた議論してもいいのかなとは思います。

○ 佐藤構成員
今、簡水の問題が出ておりますが、やはり非常に重要なテーマで、私自身は基本的にはこれまでずっと広域化、もしくは民間連携との観点から、新しい水道事業の展開を描いてきています。一方で、やはりここで配慮しなければいけないのは、自主性に委ねたままでは、持続に懸念が残るような地域、もしくは水道事業体が残ってしまうことも視野に入れなければいけない、あるいは想定しなければいけない。そうした場合に、過去これまでも水道事業というのは、自主独立、自立という道を歩んではきましたけれども、さらに一層、公的関与が必要になる事業体についてもやはり考えなければいけないのかと思っています。ここについては、また皆さんと一緒に意見の交換をしたいと思っています。

○ 滝沢座長
本件について何かご意見ございますか。吉岡さん。

○ 吉岡構成員
尾?構成員からお話がありまして、確かによく考えると、話が煮詰まらないまま、いつもどこかでとまっていたなという感じがしております。小規模事業体の仲間内で意見交換などをすると、実は広域化も官民連携も、抜本的な解決策にはならないと思っている人が多くいます。その理由というのが、官民連携にしても、広域化にしても、それが実現したとしても、水道を営んでいる環境というのは、その特性は一切変わらないというところにあります。大きくなったから都会になるだとか、官民連携をしたから飛躍的に何か条件がよくなるということではなくて、例えば岩手なら岩手、矢巾なら矢巾という地域の特性は変わりません。広域化も官民連携も手段としてこれに期待している部分があっても、事業体の職員はその事を実感しています。問題は、その手段をもって解決できないような所であり、それが佐藤構成員がいったように、今後、公的関与が出てくる可能性も議論しなければいけないという部分だと思うので、こういうところについては今後も議論を深めていく必要性があると思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
どうぞ。

○ 岡部構成員
私もそれに関係するのですけれども、水道は事業といいますし、公営企業法とか、先ほど市との関係とか、料金の関係とかあるのですけれども、水道というのはやはり事業で、私たち民間からみると、事業であれば当然、そうやって人もころころ変えてはいけないし、適正な収入がなければやっていけないわけで、そのあたりをもう少し発信するというのですかね、ビジョンの中でも位置づけていくというか、そういったこともしっかりやっていかないといけない。その中で、確かに今までみたいに補助金とか、先ほど佐藤構成員がおっしゃったみたいに、本当にやっていけないのであれば、公的なものが入ってくるとか、あると思うのですけれども、そのあたりを議論しないと、ここに挙げられていること、官民連携も含めて、どうあるべきかというのが出てこないのではないか。水道というのは一体何なのだろうというところをもう少ししっかり……。事業なのだから、こうしなければいけないんだよ、こうするべきだよというのをビジョンの中でも少し打ち出したらどうかなと思います。

○ 滝沢座長
重要なご指摘ありがとうございます。これからも中間とりまとめ、骨子へと進んでまいりますけれども、その中でも少し議論ができたらなと思います。

○ 浅見構成員
今のお話を伺いまして、おとといの福島の件も思い起こされるのですけれども、今後30年で人口が約4割、県全体としても減るだろうと見込みもありますし、ビジョン全体をなかなか描きにくいという状況のお話がありました。その中で特に双葉地域におかれましては、原発の影響もあって、収入が95%減っていらして、今後3年間にかなり厳しい、内部留保をすべて取り崩すような状況で、このままであると、もう破綻するしかないというような状況が、もう秒読みのところが既に出てきているというようなことも伺いまして、そういう点からも、このままでいいのかという思いは非常に強くもっております。済みません、解決にはなっていないのですけれども。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
少し時間が押してきている状況でございますけれども、全体を通して何かお気づきの点、あるいは前に戻ってでも結構ですから、これまでの議論の整理につきまして何かございますでしょうか。どうぞ。

○ 岡部構成員
今まで各項目をみていろいろ議論させていただいたのですけれども、今回の新水道ビジョンというのが、事業体の方などとお話をすると心配しているのですが、今までのビジョンの追加というか、補完なのか、全く新たなビジョンが出てくるのかとか、そのあたり、皆さん気にされていますし、正直、私どももそのあたりは余り明確になっていないので、そのあたりも今後、議論していただければ……。中身が決まれば決まるのかもしれませんけれども、方向として、そのあたりの位置づけというのか、そのあたりも明確にしたほうが、今後の議論がしやすいのかなと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。この点についてはこれからとりまとめ、それから骨子という中で少し議論をさせていただけることもあると思いますので、よろしくお願いします。
平田さん、どうぞ。

○ 平田構成員
先ほどの発言の訂正になるのですけれども、2番のところなのですが、先ほど課題の細目のところからコミュニケーション不足というところで発言させていただいたのですけれども、よく考えてみまして、むしろこれは課題の分類のところで広報の仕方、情報提供の方法というところを取り上げたほうがいいのかなと思いましたので、訂正させていただきます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。佐藤さん、どうぞ。

○ 佐藤構成員
36番の広域的な水道施設の再構築・広域化、ここは先ほどから少し議論していました簡易水道の問題等も含めてなのですけれども、箇条書きの3つ目、広域化の検討手順、現状評価等に係る手法の明示、ここに実は目指すべき広域化の経営規模というような視点が入っていないので、先ほどのような問題が残されていたのかなと思います。そうした場合に、目指すべき広域化の規模みたいなところを、今回のビジョンの中でどう扱うのかということを考えてみたいと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。長岡さん、どうぞ。

○ 長岡構成員
先走って次のイメージのところをみて、環境エネルギー対策というのがあって、前のビジョンでも環境というのがあったはずなのですけれども、今回の整理のところは、改めてみるとないなと思ったのです。もちろん非常用電源の確保とか、そういうところはあったのですけれども、環境という切り口は、改めてみるとないような気がしたのですが。

○ 滝沢座長
前半、今、議論しているのは、これまでの議論の整理ということでございますので、また後半、ちょっと休憩をとりますので、後半でご意見を聞かせていただければと思います。
よろしければ、ここで一たん休憩をとりたいと思います。10分ほど休憩をとらせていただきまして、35分から再開したいと思いますので、35分までには席にお戻りいただくようにお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

     (暫時休憩)

○ 滝沢座長
それでは、後半の議論に入りたいと思いますが、資料—2の後半に、中間とりまとめを踏まえまして、新水道ビジョンの構成イメージということで、事務局のほうでたたき台を作成していただきましたので、これについてご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○ 日置課長補佐
それでは、新水道ビジョン(仮称)のイメージということでございまして、ここから、会議前半にご確認いただきましたこれまでの議論の整理を受けまして、これから新水道ビジョンをどのように構築していくかという段階で、関係者間のイメージ合わせのたたき台ということで考えていただければと考えております。資料—2の後ろから2枚目でございます。新水道ビジョンのイメージ図を書いておりますが、こちらから説明させていただきたいと思います。
先ほど資料—2の別添1におきましては、これまで特定のテーマに対応した課題とその解決策、さらに課題解決策を代表するキーワードについて抽出したところでございます。ここからも、別添1で整理したキーワードにつきまして、課題や解決策を端的に表現する語句として用いながら説明したいと考えております。
今般お示ししているイメージ図でございますけれども、これまでの議論から導出される水道界の関係者が共有すべき水道の基本理念を「信頼され続ける日本の水道」ということで、枠囲いの青字で示しておりますが、こういったものを事務局から提案させていただきました。先ほど話がありました現在の水道ビジョンの基本理念ですけれども、「世界のトップランナーを目指してチャレンジし続ける水道」というものでございますけれども、これまで日本の水道を振り返りますと、高度経済成長時代の水道施設の拡張ですとか、水資源の確保、また、水質管理の高度化に伴いまして、水質基準を大幅に改正したり、高度浄水処理の積極的な導入といった取り組みをしてまいりました。また、水道施設の耐震化も鋭意行いまして、社会の重要インフラの1つとしての位置づけを獲得してきたのかなと考える次第でございます。
ただ、本検討会で議論していただいている論点でもありますけれども、これからの水道におきましては、水道施設の老朽化や更新需要の増大ですとか、あと、人口減少に伴う料金収入の減少、水道技術の継承に必要な職員が減少するなどの問題が山積しておりまして、水道事業の将来的な存続自体が危ぶまれる状況がみえてきたと考えているわけであります。
他方で、水道が災害等で断水したりしますと、さきの東日本大震災もそうですけれども、水道がいつ復旧するのかというのが真っ先に関心事となりますが、これは常に正常な水があってほしい、また、あって当たり前だという水道に対する住民の方々との信頼関係が存在しているというものだといえるのではないかと考えるところであります。
そこで、新水道ビジョンの検討に当たりましては、これまでの「世界のトップランナーを目指してチャレンジし続ける水道」、こういう取り組みはそのまま続けるということで、いま一度、そうはいいますが、水道界がこれまで脈々と培ってきた住民からの信頼、こちらにも目を向けまして、向こう100年先においてもこの信頼を大事にすべきではないかということと、また、そういった住民からの信頼があれば、50年先であろうが、100年先であろうが、制度や料金負担が今と変わったとしても、水道界が住民の方々に対する安全な水の供給という使命におこたえできるのではないか、こう考えて、基本理念として「信頼され続ける日本の水道」ということで提案している次第でございます。
その次でございます。基本理念の下でございますけれども、目指すべき方向性とその実現方策を示しております。これからの水道に関しまして、さきに申し上げた新水道ビジョンの基本理念と合致したものとするために、?といたしまして安全な水の確保、?といたしまして水道の持続性確保、?といたしまして強靱な水道の構築ということの3点、これを関係者が目指すべきものとして提案しているというところでございます。特に方向性を示す概念につきましては、それぞれ赤字で、?では「安全」、?では「持続」、?では「強靱」ということで強調しているところでございます。これら3つに関しまして、それぞれ住民の方々が利用する、いいかえれば水道事業者が供給する水質の観点、また、事業経営主体の持続性の観点、災害時等、非常時においても水の供給が途絶えないという観点から、この3つを提案したものでありまして、これらの取り組みをバランスよく行うことで、基本理念にかなう水道を実現しようと考えているところでございます。
ここで、さきの別添1で整理したキーワードがございましたけれども、赤字で示しました3つの概念、「安全」「持続」「強靱」ですが、これら複数に共通する取り組みもございまして、これらがその下に書いています横断的な実現方策として、広域連携、官民連携、住民との連携、アセットマネジメント、指導監督体制の強化、人材育成、環境エネルギー対策、国際展開ということで、これらを横断的な実現方策として位置づけたということでございます。
次に、その下でございます。枠囲いの下半分でございますけれども、こちらにイメージ図を用意いたしました。今、申し上げたことを図として整理したものでございまして、最上位に基本理念である「信頼され続ける日本の水道」というものを位置づけております。その直下、基本理念に通じる目指すべき方向性として、「安全」「強靱」「持続」を位置づけているところであります。
他方で、これまでの議論、別添1で抽出してまいりましたキーワードに関しまして、水道界に山積する課題というものをイメージ図の下のほうに配置しているところでありまして、左から耐震化、水源保全、意識低下、危機管理、施設更新、経営改善、水安全、料金制度、貯水槽管理、事業再編、人口減少、こういったものがあるのではないかということで整理しております。
それらを解決する具体的な方策として、横断的なものをその課題の上に配置いたしまして、さきに申し上げましたが、広域連携、官民連携、住民との連携、アセットマネジメント、指導監督強化、人材育成、環境エネルギー対策、国際展開というものがあるのかなというところでございます。これらの取り組みが、3つの概念でもある安全な水の確保、水道の持続性の確保、強靱な水道の構築、こういったものにつながる取り組みと相まって、最上位の「信頼され続ける日本の水道」という基本理念の具現化につながる、そういうことをイメージした図でございます。
イメージ図については今の感じで提案させていただいているところでございますが、その下、新水道ビジョンの基本的な考え方として、点線で枠囲いした文章がございますが、こちら、新水道ビジョンの検討の最初に整理いたしました策定の趣旨、こういったものを確認的にお示ししているものでございます。
次、ページをおめくりいただきまして、別添2でございます。新水道ビジョンの構成イメージとして、こちらも事務局から一例として提示したものでございまして、まず一番上、「はじめに」というところに関しましては、新水道ビジョンの基本理念についてまとめたいと考えているところでございます。次の1の「水道ビジョン」でございますけれども、こちらにつきましては、新水道ビジョンの目的ですとか、都道府県水道ビジョン、事業体の水道ビジョン、こういったものに触れまして、対応する横の黄色の枠囲いに記載しておりますが、国や都道府県、水道事業体等の役割分担について記載する部分が必要なのかなと考えているところでございます。
次に、2の「水道の現状と課題」というところでございます。さきの別添1で整理した内容に基づきまして、「安全な水の確保は保証されているか?」「水道サービスの持続性は確保されているか?」「危機管理への対応は徹底されているか?」という点について記載する部分かなということでございます。具体的な方針につきましては、黄色の枠囲いにございます?新水道ビジョンの3つの観点、「安全」「持続」「強靱」について、現状、課題等についてまとめる。?といたしまして、この2章はあくまでも現状と課題を体系的に整理したいと考えています。?でございますが、水道における課題を連想させるメッセージ性を盛り込む観点でまとめたいということを考えているところでございます。
続きまして、3「将来の事業環境」、こちらに関しましては、同じくさきの別添1で整理いたしました内容に基づきまして、「水道をとりまく外部環境の変化」「水道における事業環境の変化」について記載するところかなと考えています。具体的な方針は、横の同じく黄色の枠囲いでございますが、?として、3—1と書いているところは水道事業の外部、3—2は水道事業の内部の環境変化を整理したいということでございます。?といたしまして、2章で書いた現状と4章の方向性・実現方策をつなぐ役割として整理できたらとイメージしております。
次に、4の「今後の水道の方向性とその実現方策」というところでございまして、この部分が新水道ビジョンの具体的な内容ということになるのかなと考えているところでございます。ここにつきましては、「信頼され続ける水道」といたしまして、基本理念を再度確認したいと考えております。次の「目指すべき方向性とその実現方策」、さらに「横断的な実現方策」ということについて列挙して記載したいと考えているところでございます。
そして、最後に「おわりに」という結びがあるのかなという構成イメージをしているところでございまして、あくまでもこれは一例としての位置づけでございまして、いろいろなご意見を踏まえながら、今後の骨子、素案の検討につなげられればと考えているところでございます。
説明は以上でございます。

○ 滝沢座長
どうもありがとうございます。現行の水道ビジョン、「世界のトップランナーを目指してチャレンジし続ける水道」ということで力を注いできたわけでございますが、現在の日本の水道の状況をどうみるかというのは、いろいろな見方があるかもしれませんけれども、ある面では世界のトップランナー、あるいは、少なくとも世界の中でトップのレベルの水道を維持している国の1つに既になっているのではないかと考えております。その目標が、ある種、すべてが達成されたかどうかは別として、そこに近いところに来たときに、それに続く目標として次に何を掲げるのかといったところが、新水道ビジョン(仮称)イメージの一番上に書いてあります基本の理念というところになるわけでございまして、将来にわたって信頼され続ける日本の水道をつくりましょうといったような仮の理念がここに書いてあるわけでございます。これを含めまして、その次に、安全な水の確保、水道の持続性確保、強靱な水道の構築という、この3つの目指すべき方向性、また、横断的な実現方策といったものが書かれておりまして、その構成として、その下に絵のイメージが描かれているということでございます。
これはあくまでも案でございますので、構成員の皆様方、これまで8回の議論の中でいろいろなイメージをもたれたのではないかと思います。この案をもとにすると、このような構成の新水道ビジョンが考えられます。これもイメージということで出させていただきましたけれども、これにこだわる必要はございませんので、ぜひともさまざまなご意見をお聞かせいただければと思います。2枚紙でございますので、どちらについてでも結構でございますので、今、ごらんいただきまして、ご意見をお聞かせいただければと思います。いかがでございましょうか。どうぞ。

○ 浅見構成員
先ほど長岡先生からもちょっとご発言があったのですけれども、環境に関しては、今回、横断的な実現方策の中では、環境とかエネルギー対策ということになるのかと思うのですが、1枚目のほうでは環境エネルギー対策となっているのですが、2枚目のほうではエネルギー対策になっておりますので、この辺が入ってくるのかなと思います。ひょっとすると、もう少し現状の環境の課題を、外部環境とか事業環境のところで書いていくということもあり得るのかなと思います。

○ 滝沢座長
2枚目は環境が抜けてしまったという感じですね。そこは修正してください。お願いします。
長岡先生、いかがでしょうか。このようなところに書いてありますが、この段階で、ご意見……。

○ 長岡構成員
私がいいたかったのは、余りここで議論しなかったなということです。位置づけは、ここにあるのはわかっているのですけれども、体系立てて皆さんで余り議論しなかったなと。それだけです。

○ 滝沢座長
ご指摘のとおりだと思いますので、これから内容について、きょうも含めて今後、議論していく中で、少しご意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
ほかに。佐藤さん、いかがですか。

○ 佐藤構成員
まず新水道ビジョン(仮称)のイメージ図ですが、理念として「信頼され続ける日本の水道」、悪くはないなという感じなのですけれども、ここでいいたいことは、「信頼される」というのが非常に貴重なキーワードになっていると思います。当然、国内、海外、あるいは水道事業者、もしくは民間企業、住民などからの信頼ということが含まれるはずです。暫定ですけれども、「信頼される」ということを少しキーワードとして考えると、私がいいたいのは、ここには経営基盤、運営基盤の強化というのがやはり避けて通れなくて、概念図として下に書いてありますね。具体的な実現方策、横断的な取り組みとして、一番左側に広域連携から始まって、国際展開まで横並びで8項目が並んでおりますけれども、この概念図について、できれば一番左にある広域連携を基盤として、官民連携から国際展開の下に描きます。今回のビジョンは、運営基盤の強化に強く視点を置いているということを表す意味で、具体的な展開方策の1つとして、広域化があるというような概念図にしてみたいと思っています。
前回、9月4日のときに私自身が、広域化の規模として、少なくとも都道府県1つの水道という提案をしてみました。今回の水道ビジョンでどこまで皆さんと一緒に書き込めるかどうかわかりませんけれども、やはり広域連携を基礎としながらも、できれば目指すべき規模を示すことによって、今後の展開を展望してみたいということを意見として申し上げておきます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。具体的な記述を今後議論していくと思いますので、そこでも少しご意見をいただければと思います。
いかがでしょうか。吉岡さん。

○ 吉岡構成員
感想ですが、基本理念の「信頼され続ける日本の水道」、私も佐藤構成員と一緒で、「信頼」という言葉が非常にいいなという感じを受けました。なぜかというと、今後将来、この「信頼」というのが水道を語る上でキーワードになってくるのではないかなと思っています。従来の水道ビジョンが経営基盤の強化というところにかなり力点を置いてきて、今回はそれを踏襲しつつ、「強靱」というキーワードをあげています。今までは、水道事業は内部要因としての経営基盤の強化で強い水道というイメージだったと思いますが、新水道ビジョンではさまざまなステークホルダーとの信頼関係という外部要因に対し、「しなやかさ」をもっていく必要があります。私はこれをみて、このイメージは非常にいいなという気がしました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。感想でももちろん結構でございます。
岡部さん、どうぞ。

○ 岡部構成員
私も「信頼され続ける日本の水道」というと、いいなとも思ったのですけれども、やはり水道事業体の立場で書いているのかなという感じで、水道事業体が、このままではだめだから、信頼され続けたいなみたいな、ちょっと苦しいような感じにも聞こえてくるのかなという気がちょっとしました。
あと、まとめ方なのですけれども、新しい水道ビジョンというのは、よく話題に出ている中小という言い方がどうかわかりませんが、簡水を含んだ小さな水道というか、そういうところもこれからみんなで持続可能にしようというところもありますし、以前、吉岡さんが矢巾町などで、ビジョンもやはりわかりやすくとか、住民の方にも読んでもらいたいということでいろいろやったと思うのです。多分、1枚目というのは、水道ビジョンの一番最初に来るような概念図になってくるのではないかと思うのですが、逆に吉岡構成員とか平田構成員に聞きたいのですが、私がパッと最初にみたときに、「安全」「持続」「強靱」というのはなるほどなんですけれども、例えばその下にある横断的な実現方策ということで、今まで出てきたキーワードなのですが、それが「安全」と「持続」と「強靱」とどう結びつくのかと考えてみると、非常にわかりにくい感じもしました。
実際にさっきもいいましたけれども、水道施設というのは、ヒト・モノ・カネがあってできていて、将来、どんな施設にして、広域なのか、技術能力がある人なのか、ない人なのかわからないですが、どういう人がどうやって運転していくのか。そのために必要なお金をどうやって確保してやっていくかというのが大きなビジョンのイメージかなと思っていまして、そういう観点でみると、どんな施設を目指すのかというのも、「安全」「持続」「強靱」というのもわかるのですけれども、ちょっと概念過ぎるのかなという感じもある。そのあたり、私もずっと水道をやってきているので、割と当たり前に受け入れてしまうのですけれども、例えば平田構成員とかが、これが国の水道ビジョンですと、この1枚をみせられたとき、ああ、そうなんだと思えるかどうか、そういうご意見を聞きたいなと思います。

○ 滝沢座長
ご質問ですけれども、「安全」「強靱」「持続」というようなイメージをもったキーワードと、その下にある広域連携とか、アセットマネジメントといった具体的な施策との間にちょっとギャップがあるという感じなのでしょうかね。平田さんに行く前に、吉岡さんから。

○ 吉岡構成員
私どもで地域水道ビジョンの策定を住民参加でやってきた4年の経験からいうと、恐らくすべてを網羅的に読もうと思っている国民の方、町民の方というのはいないと思います。国民向けにするのであれば分かりやすくするのが一番だと思います。事業を棚卸しすると、政策、施策、事務事業、具体的な業務といった具合にその体系を階層性で示すことができます。大きな目標があって、それがだんだん具体化していくイメージですが、どんな事務事業が行われているか或いはその具体的手法といった部分については、住民の方は正直いって、余り関心を示していないのです。ですから、知らしめるために、広く読んでもらうためにというのであれば、「信頼され続ける日本の水道」と、あと目指すべき方向性の実現方策というところからわかりやすく伝えるという工夫が必要なのかなという気がします。
ただ、新水道ビジョンは企業の方であったり、住民目線とは違うステークホルダーも読みます。そういう意味では伝える相手であるとか読む者が誰なのかとういう部分で双方が満足できるというのはとても難しいと思います。

○ 滝沢座長
この絵ですと、上のほうが大事だということですね。
平田さん、いかがでしょうか。これをパッとみた印象でも結構ですけれども。

○ 平田構成員
うまいコメントというか、思いがうまく伝えられないと思うのですが、もしこれだけを住民の方がごらんになったら、具体的なことは浮かんでこないのかなと思うのですが、私が今、9回までいろいろ勉強させていただいて、この実現方策ですとかをみますと、少しイメージはわいてくるのですが……。住民の方は、先ほど吉岡さんがおっしゃられたように、細かい部分というのはわからなくて、求めているところは、安全性ですとか、そういう部分だと思いますので、そういったところをもう少し具体的にわかりやすく伝えられる表現があればなと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。少しほかの方にコメントいただいている間にまた……。

○ 吉岡構成員
情報をもっている事業体の職員や専門家がみると、どうしても欲張りになってしまいますが、目指すべき方向性といった中で、ステークホルダーに関係性を求めていくのであれば、情報を持ち得ていない人に対するわかりやすさというのはとても重要だと思います。

○ 滝沢座長
詳し過ぎてもいけないということですか。

○ 吉岡構成員
どこまで読み込めるかというのは、その人たちの関心によるところだと思いますが、伝えるべきことは少なくとも最大公約数的にしっかりしておく必要があると思います。難しい作業になると思うのですが、国民に広くわかってもらいたいという部分のダイジェスト版をつくったらいいのではないでしょうか。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
尾?構成員。

○ 尾?構成員
まず基本理念からお話ししたいと思います。「信頼」というキーワードは非常に大事です。しかし、現在、日本の水道はどの程度、どの様に信頼されているのか、「信頼されていない」と言う人もいるかもしれない事を考えると、どの程度ならば「信頼され続ける」と言えるのかが、イメージ的にはわかっても、具体的には少しわかりにくい部分です。
次に、「信頼され続ける」と言うと「将来、信頼されなくなるかもしれないから、それを何とか皆で防ごう」と言うニュアンスが出ます。これは、後ろ向きのメッセージとして伝わり、どちらかと言えば、「本当に困っている段階で、切羽詰まった中で出したビジョン」とのイメージも浮かびます。このように「信頼」というキーワードに関しても、なかなか難しい部分もあるように思います。事務局では、このほかにどのようなことを基本理念として検討したのか、教えていただけないでしょうか。

○ 滝沢座長
「信頼」という言葉はすばらしいけれども、やや守りに入っているようなイメージがあるということですけれども、ほかに何か代案について検討された経緯はございますか。

○ 日置課長補佐
これまでの議論を踏まえたら、こういうものかなということですので、幾つも出してそれをもんだというところまでの作業というのはしていないというのが事実でございます。

○ 滝沢座長
木暮さん、どうぞ。

○ 木暮構成員
今まで議論を重ねてきて、議論の中身とすれば、このようなキーワードでまとめられるのかなとは思います。ただ、守りといっては変ですが、余り夢がないのかなということも、ちょっと感じるところです。確かに事業体とか、水道にかかわっている人間からすれば、現況からすれば、持続させるということがまず第一であり、現在、信頼されているか、されていないかは別にしても、現状を持続させるという意味では、目指すべき方向性としては持続性確保というのが、まさしく信頼され続けるということでありまして、その中で安全だとか、強靱だということが出てくるのかなと思うのです。その中で、休憩の前に長岡構成員がお話しされていましたけれども、日本人が水をもう飲まなくなったのではないかという話もありましたが、そういった意味で、過去を振り返れば、蛇口からおいしい水が飲める水道というものを目指してきたと思います。そういった意味では、安全というのもありますし、安心というところもあるので、その辺、一般的な受けからすれば、もうちょっとそういうところも出していかないと、一般の利用者からしてみればわかりにくいのかなと思います。真ん中の絵だけをみても、何となくよくわからないなと思われる感じは受けました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
長岡先生。

○ 長岡構成員
木暮さんが夢がないといわれたのですが、私もそんな感じで、前のビジョンは環境と国際というのがあって、トップランナーとか、チャレンジという言葉があって、もちろん小さい事業体で、国際とかできないだろうという批判もあったと思うのですが、例えば我々が大学で学生をみている立場からいうと、やはり夢のある水道事業であってほしいという気持ちはすごくあるのです。だから、学生が例えばこれをみたときに、水道で国際貢献ができる、国際ビジネスができる、あるいは環境に貢献できるというのは非常に大きかったと私は思うのです。それがすっぽりなくなってしまった——すっぽりはなくなっていないのですけれども、残っているのですが、その辺の強弱からいうとかなり弱くなってしまったというのは、ちょっと残念な感じがします。
それから、下の施策で幾つかあって、官民とか、住民とかあるのですけれども、やはり住民との連携というのはちょっとレベルの違う話で、もう少し強調してもいいのではないか。住民というのはエンドユーザーですので、これからの水道事業はエンドユーザー、住民の理解を得て、場合によっては料金値上げをして、インフラ整備をしていく、そういう戦略もあるので、住民との連携というのは、絵の上ですけれども、もうちょっと工夫するようなイラストでもいいのかなと。もうちょっと上の位置づけでもいいのかなという気が私はしました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
永井さん、どうぞ。

○ 永井構成員
新水道ビジョンが、だれに、どこに向けて発信するメッセージかということを考えるとするならば、例えば「信頼され続ける日本の水道」となれば、これは水道事業者に向けた発信でもとれる。あるいは、この間、議論されていますように、いろいろな課題、問題が山積しているということで、これから先の持続可能な水道をどうつくるべきか、そのためにどんな施策、いろいろなやり方があるのかということを考えるとするならば、これは持続可能な水道の構築に向けてということでも、どっちでも私はとれると思うのです。ですから、その辺、だれに、どこに向けたメッセージかによって、この表現が変わるのではないかと思っています。私の思いとしては、国民にもメッセージとして送りたいのですが、やはり大前提になるのは、これから事業者がいろいろな大変な事情のもとで事業運営に当たって、大きな困難、課題が山積していますから、事業者により強いメッセージで送るべきではないかと思っています。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
服部さん、どうぞ。

○ 服部構成員
我々も民間企業としては、インベスターリレーションズというものをやるのですけれども、これはストックホルダーに対して企業の成長戦略というものを毎年というか、毎期、みせるのです。そのときに、例えば「信頼され続ける日本の水道」、さきの発言にあったように、例えば英文に訳すと受動態になりますよね。「by」がついて、非常に住民を意識したような形になっているのだろうと思うのですけれども、企業ではそれがストックホルダーになって、株を買ってくださいというような話になるのだろうと思うのです。「信頼され続ける」というのは、今までのお話の中にもあったように、例えば2007年をピークに水道界が下降線をたどりつつあるので、それを何とかキープしましょうみたいな話にしか聞こえないという一面はやはりあろうかなと思います。例えばこれを「成長し続ける日本の水道」という形にしたら、中身の施策をみて、水道に投資しようという人が多分出てくるのだろうと思うのです。例えば企業がIRを書くときにはそのようなことを考えるのです。だから、そういう視点でもう一回、考え直してみてもいいのかなという気はします。
ただ、「信頼される」というのは非常にいい言葉で、自分は世界を廻っているほうだと思いますけれども、日本の水道というのはどこへ行っても飲めて、どこへ行ってもすばらしくきれいだということはありまして、当然、これは文化として続けていかなければいけないという認識では全く同感です。ただ、それにこれだけのコストをかけているんだとか、そういう話になってくると、企業ではないですけれども、バリュー・フォー・マネーではないのですが、費用対効果という意味で考えると、ほとんどグローバルスタンダードから外れているような話でもあって、それを何とかしていきましょうと。特に先進国に行って、水道料金の格差が10倍を超えるような国は恐らくないだろうと思います。特殊なケースを除いて、1つの国の中にですね。そんなこともあって、日本の文化はすごくいいのだけれども、いびつな面も相当あって、それを是正していくような施策というのは散りばめられなければいけないのではないかなという気がしています。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。このイメージといいますか、基本理念に対するご意見と、幾つか具体的なご提案をいただきましたけれども、「信頼」という言葉は皆さん、非常にいい言葉で大事だというご意見が多かったように思いますが、その一方で、どちらかというと守りに入ったようなイメージがあるとか、夢がない、あるいは将来の成長をイメージさせないというようなご意見も出てきたような気がします。
ご発言、いかがですか。浅見さん。

○ 浅見構成員
今までの議論ですとか、後ろのほうとのつながりも考えますと、何か副題で、今後の広域連携ですとか、地域の事情だけを乗り越えてどのように考えていくべきかというようなところをみんなで考えるというようなニュアンスを、何とかわかりやすく入れられるといいのかなということで、例えば副題とかで、「みんなで支えよう水道の安心」とか、「水道の信頼」とか、そのような用語を入れられると、将来、何とかみんなで支えていこうというようなものを喚起できるのではないかという気がいたしました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
木暮さん、どうぞ。

○ 木暮構成員
先ほども意見させていただいたのですが、持続とか、信頼、いいのですけれども、それに向かっていくというか、立ち向かっていく、チャレンジしていくとか、頑張っていくような、今、浅見構成員がいわれたような副題でもいいのですが、元気が出るようなキャッチフレーズがいいのかなとは思います。

○ 滝沢座長
吉岡さん、どうぞ。

○ 吉岡構成員
「信頼」、いいなと私はいったのですけれども、さまざまお話を聞いて、確かにそういう面もあるなと思いながら聞いていました。ただ、私、4年間、住民参加でビジョンをつくってきて、本当に信頼されているのかなとちょっと疑問に思ったところがあります。安全な水とわかっているから或いはそれが当たり前だから多分飲んでいる。事業体を信頼しているわけではきっとないと思うのです。例えば水道料金の値上げをしたいと答申した途端に大反対。そこに出てくるのは、もっと経営努力をしたらいいのではないかとか、もっとリストラしたらいいのではないかなどという言葉が平気で出てきます。それはある意味、役所に対する信頼が置かれていないのではないかなというところもあるのかもしれません。そういった中で、さまざまなステークホルダーとの関係性、特に住民との連携というところをキーワードに置いて、「信頼」を新たに基本理念に据えるということは、実は凄いチャレンジだと思います。信頼され、水道政策を理解してもらっているからこそ、今後予想される厳しい事業環境の中で水道が持続的となるわけで、確かに後ろ向きにとらえることもできるかもしれませんが、4年間、そういう経験をして、実はこれはとても難しい課題である事、事業体としては凄いチャレンジになると私は思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
どうぞ。

○ 尾?構成員
いろいろな基本理念があり、少し変えただけでも、イメージが変わってくると思います。具体的には検討の必要がありますが、良い印象を与える言葉として例をあげれば、「信頼され、世界を引っ張る日本の水道」といえば夢があると思います。「信頼され、開かれた日本の水道」も良い印象を与えると思います。「信頼」を使ったとしても、後ろ向きのニュアンスになってしまう場合もあるし、前向きのニュアンスになる場合もあるという事だと思います。先ほど浅見さんが言われた「みんなで守ろう安心水道」の様に「信頼」を使わない場合もあろうかと思います。色々と案を出してもらって、それを基に議論を進めてはいかがでしょうか。

○ 滝沢座長
ご意見ありがとうございます。いろいろなご意見をいただきまして、最後、尾?さんからいわれた、「信頼」というのを残しつつも、少し表現を変えるだけでも、もっと前向きなといいますか、受け身でないようなイメージをその中に盛り込むことができるのではないかというご提案でしたので、事務局ともご相談ですけれども、いかがしましょうか。こういうご意見をちょうだいして、次回、もう一度、今の尾?さんのご提案も踏まえて、幾つかの案を入れるということもできますけれども、日程的にはどんな感じですか。

○ 日置課長補佐
ぜひここはじっくり納得いくものにしたいなと考えています。

○ 滝沢座長
この基本理念のところは非常に大事ですので、ぜひともきょうこの場でご提案、ご意見をいただいて、事務局に持ち帰らせていただいて、今度、複数案も含めてご提案させていただきたいと思いますが、何か理念について追加でご意見、ご発言がありましたら、お願いしたいと思います。理念以外のところについても、この後、残りの時間が限られていますけれども、ご意見をいただきたいと思います。

○ 岡部構成員
言葉の問題なのですけれども、前回は安心して飲めるという「安心」を使って、今回は「安全」になっていて、前回も私、「安定」と「持続」、何が違うのかとか、水道の方々の中では共通の言葉になっているかもしれませんが、安全、持続とかいってしまうと、何のことをいっているのかが、意外とそれだけではわからないという感じもあるので、そのあたり、少し考えられるときに言葉遣いとか……。例えば、安全な水の確保といっても、当然、安全だと思っていますし、安心して飲める水道水の確保とかいうとわかりやすくなるのですけれども、言葉遣いについてちょっと考えながらつくっていただきたいなと思います。それだけです。

○ 滝沢座長
これは目指すべき方向性のキーワードにも関連していますけれども、ここも「安心」と「安全」、どう違うかというご意見がありましたので、言葉の定義も含めてご検討いただければと思います。
ほかにご意見ございますでしょうか。どうぞ。

○ 浅見構成員
今のに関連するのですけれども、「強靱」という言葉が割と新しい言葉といいますか、こういう書き物の中では新しい言葉かなと思うのですけれども、これもやはり受け取る方によって何を意味するかというところはいろいろあるかなと思います。例えば、恐らくですけれども、地震に負けないとか、災害にも強いということと、施設的に丈夫だとか、そういうことも入っていると思うのですけれども、あと持続というのはどの辺で切り分けるのかとか、特に経営的なところは持続に入ってくるのかなと思いますので、その辺、イメージを教えていただけるとありがたいのですが。

○ 日置課長補佐
浅見構成員のおっしゃられたとおりでして、?の強靱というのは、災害が起こっても何としても水が届くというようなイメージでございまして、?の持続性というのは、経営の持続性というのをメインにイメージしておりまして、きちんと更新をしながら施設が維持していける、経営を維持していくということをイメージした概念で考えております。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ほかに何かお気づきの点ございますか。基本理念だけではなくて、その下の絵、あるいは横断的な方策、新水道ビジョンの基本的な考え方、次のページにあります構成イメージもございますので、ここら辺全般につきまして、お気づきの点があればご意見をちょうだいしたいと思います。いかがでしょうか。

○ 尾?構成員
さきほど、水道事業における諸課題解決については、水道事業以外の様々な人からの応援が不可欠である旨の意見がありました。こうした意見を、別添2の構成イメージにどのように反映するのか、教えていただけないでしょうか。

○ 滝沢座長
どうぞ。

○ 日置課長補佐
そこの部分は連携というような観点の中で書くのかなということでありまして、確かに他省庁を含めた施策の連携、こういったところがこれまで明示的に出てきていませんでしたけれども、そういうところも含めて書いていきたいなとは考えているところですので、ご指摘を踏まえて対応したいと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。ほかにお気づきの点ございますか。どうぞ。

○ 浅見構成員
今の横断的な実現方策の中で、指導監督強化というのがあるのですけれども、これは先ほどちょっと総務省さんからもご発言がありましたように、いわゆる指導監督だけではなくて、いろいろな意味での助言ですとか、経営的なことのサポートですとか、助言のサポートですとか、いろいろな意味で、その事業に対していろいろな目を入れてサポートできるような体制の強化というところが入ってくるのかなと思いますので、少し文言を考えていければなと思います。

○ 日置課長補佐
わかりました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。前回のビジョンですと、同じようなやり方をする必要があるかというのは多少議論があると思いますが、参考資料—3ですと、「安心」「安定」というような項目が出た下に、短い言葉で、例えば「安心」と「安全」という先ほど質問がありましたけれども、「安心」の意味は、「すべての国民が安心しておいしく飲める水道水の供給」というような形で、少し説明書きがくっついているのです。そういうことを踏まえますと、きょうの資料では、?、?、?で安全な水の確保というような形ですけれども、少しこういう説明書きをくっつけて、わかりやすくするという手はあるかもしれないですね。

○ 日置課長補佐
検討します。

○ 尾?構成員
服部さんのIRに関する意見にもありましたが、PRの視点が大切だと思います。例えば私は、外国の人に対する日本人の説明は、課題ばかりをあげて、日本の水道の良さを十分PRしていないと感じることがあります。これでは、日本の水道はこれほどすばらしいのに、それが外国の人に十分に伝わらず、課題だけ取り立てて、まだ日本の水道はこんなもんじゃないかという印象で、帰国してしまうおそれがあります。私が前のポストのときには、これを改善して、PRを中心にプレゼンテーションを行うようにしました。水道ビジョンも同様に、世界も注目している中ですので、世界に冠たる日本の水道をPRしながら、まだ解決すべき課題もある旨が伝わる作り方をしていただきたいと思います。

○ 滝沢座長
どうぞ。

○ 日置課長補佐
見せ方、書き方について、今まで水道の培ってきた実績なり、よさというものを出す面も考えたいと思います。

○ 滝沢座長
今のご指摘は、例えば別添2の構成イメージの2のあたりとかに関連するかと思うのですが、安全な水は確保されているのかとか、持続性は確保されているのかとか、そのような現状の認識の中で、問題点だけを挙げていくのではなくて、ここまで達成しているとか、いい面も、それはそれなりに正当に評価して記述してはどうかということだと思います。

○ 日置課長補佐
わかりました。

○ 滝沢座長
平田さん。

○ 平田構成員
質問なのですけれども、横断的な実現方策のところで、国際展開とありますが、現行の水道ビジョンでは国際貢献という形で言葉が違っていて、私のイメージでも、ビジネスという形ではなくて、あくまでも発展途上国に貢献するという形でビジョンを組まれていると認識しているのですが、今回の方策としては展開という形で、先ほどの課題のところでも、貢献というよりも、やはりビジネスというようなところで課題として挙げられているのですが、これはやはり現行と今回を改訂するということでよろしいのでしょうか。

○ 日置課長補佐
現行のビジョンについては国際貢献ということで、その中にはたしか国際協力という専門家の派遣ですとか、研修生の受け入れみたいな開発途上国の支援と、あと水道の産業が海外に出ていくという概念も書いていまして、今回もそのイメージは踏襲している形で、ただ、今のような国際展開という言葉でそういう内容のことを置きかえて事業を進めていますので、こういう言葉を書いているということで、言葉の定義、書き方の問題になって、こういう混乱が出たかと思いますので、そこはきっちりわかるように整理したいと考えております。基本的に、内容的には発展しているという形で、特に意識して変えているということではないということでございます。

○ 滝沢座長
国際貢献も含むということですか。

○ 日置課長補佐
もちろん、その発展系として現在があるということですので。

○ 滝沢座長
いかがですか。やはり国際貢献のほうがいいと。

○ 平田構成員
今回の課題としてみると、すごく利益を追求したビジネスというような書き方、イメージが強いような感じがしまして、現行のものと内容的には変わりはないということでよろしいのですね。現行もビジネスという形でやっているということでよろしいのでしょうか。

○ 日置課長補佐
同じ概念、現行も水道産業が海外に展開していくということをうたっていますので、今の取り組みもそういうことを推進しながら、水道界の活性化、元気になっていくような、あと、事業体の人材の育成ですとか、そういういろいろな波及的な効果というのも期待しているということで、横断的な取り組みということで位置づけているようなものでございます。

○ 平田構成員
わかりました。ありがとうございました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。貢献という言葉も非常にすばらしい言葉なのですけれども、どちらかというと、一方的に何かしてあげるというイメージもなくはないかもしれないですよね。そこは、今までの議論の中で、例えば海外に日本の技術者なり水道の関連の方が行って、そこでいろいろなことを学んで帰ってくることが、自分たちの役にも立つというような議論も中に含まれていたのではないかなと記憶しております。熊谷さん、どうぞ。

○ 熊谷室長
まさにおっしゃっていただいたとおりかと思います。国際貢献というものをどのようにとらえるかというところだと思うのですけれども、まさにおっしゃっていただいたとおり、負担的なものを考えると、日本側が負担して、全面的に支援してあげる。それは基本的に、相手国に対しての自立支援というものだと思うのです。今、一方で国際水ビジネスみたいな、極端な利益を前提にしたようなものまでいってしまって、そこの間のところの議論が薄いというのが非常に残念だと思っていまして、そういうところを含めたものをあらわす言葉として、国際貢献という言葉を使ってみたということで、意味するところをどのように伝えるかというのは、また今後、考えたいと思いますけれども、どうしても永続的な関係を国際的に考えますと、双方、応分の負担をもった形でやらないと、一方的に日本側だけがもつというのは、どうしても自立支援であとは切れてしまって、あとは相手国側の問題。それも非常に残念だと思います。負担の関係を、応分の負担で永続的に考えていくということで、国際貢献という言葉を使ってみたということで、意図したものをあらわしているかどうかは、またご意見をいただければと思います。

○ 滝沢座長
そういう意味では、中身がだんだん変わってきているというようなことだろうと思います。
岡部さん、どうぞ。

○ 岡部構成員
構成イメージなのですけれども、私も尾?さんに賛成で、私も読んだときに非常に課題ばかり挙げられて、これだと暗いビジョンになってしまうのではないかと思って、やはりビジョンですから、ぜひこういったことを目指すということを表に出していただいて、その中で例えばこういう課題があって、それをここまで引き上げるんだとか、そういう書き方はいいと思うので、ぜひこの構成についてはくれぐれもよろしくお願いしたいということで、発言を……。
あと、今の平田さんの言葉ですけれども、構成イメージの中で、広域連携というのも、連携、連携と、よく今回出てきているのですが、私のイメージだと、連携というと弱いイメージ。広域化と広域連携と、この辺も意味が違ってきているのか、私は広域化はある意味で必須かなという気もちょっとしているので、そのあたり、お聞きしたいと思うのです。

○ 日置課長補佐
もちろん、広域化、さまざまな連携を含めて広域的なということであらわしているものでございまして、これまでに施設の統合ですとか、経営の統合ですとか、そういうところも含めて広域化、広域的な連携というところであらわしたいと考えております。ここのところも中身をどう書くかというところになるのかなと考えていまして、将来、目指すべき連携、既存の概念にとらわれずに、いろいろなメッセージを盛り込めたらと考えておりますので、ここは柔軟に対応していきたいと考えています。

○ 滝沢座長
課題ばかり挙げないというご意見が続きましたけれども、ほかに何かお気づきの点ございますか。佐藤さん、どうぞ。

○ 佐藤構成員
質問です。今、広域化という話が出ておりますけれども、今回の新ビジョンについて、これからさらに中身を深めていきますが、実際に過去これまでにも広域化を推進しましょうというのは長くいってきているわけです。そうした中で、今日、こういう状況にあって、さらに今後厳しい経営状況とならざるを得ない水道も想定せざるを得ない。そうした場合に、再編成としての水道を、今のところ事務局としてどのような形でまとめようと思っているのか、少し手がかりをいただけるとありがたいのですが。

○ 熊谷室長
今、佐藤さんのご質問もあったのですけれども、今までいただいた意見の感想をお話しさせていただくと、各論のときに出てくる問題は現実性であったり、課題解決であり、多分、皆さんの発言の中にもおのおのの立場としてという枕言葉をつけて議論されていた内容が非常に多かったと思うのです。そういうものを中間とりまとめでやりますと、若干、いいわけになりますが、こういうとりまとめになるのだと思うのです。そういう各論だとか、現実だとか、課題解決という目で議論してきたものを、最終的に今いわれたような夢のあるものにしようというところには、かなりのギャップがあって、そこをどのように埋めていくかということを考えていかなければならないかなと思います。ぜひとも構成員の皆様方のご指導を仰ぎたいと考えます。
広域化に関しては、今までの広域化というのは、一つ一つの事業の中の理想像として語られてきたもの。ですから、具体的な障害を取り除く方法がない限り、なかなか進まないというのが今までの現状だったと思います。これから先の事業環境の変化を考えますと、現実的なところを考えざるを得ないというところで、今までが進まなかったから、これから先が進まないとは考えていなくて、これから切迫した水道の事業環境の中で、もう一度、広域化の意味合いなり、現実性を考えて、今後、対応していくというのがこれからではないかなと思います。
事務局の意見といっていただいたので、これから先の議論を縛らない範囲で聞いていただければと思うのですけれども、これだけ日本の中の国土の地形的なものとか、流域的なものとか、そういう物理環境としても非常にさまざまですし、関係者が非常に複雑な中で、なかなか一律的な目標だとか、先ほど佐藤さんがいわれているような規模の問題というのは、私は提示しにくい問題ではないかなと思います。そこを乗り越えてなお、そういうものを提示すべきだという議論であれば、どういう前提でそういうものを立てていくのかということをぜひともご議論いただければと思います。

○ 滝沢座長
どうぞ。

○ 尾?構成員
こうしたビジョンの作り方としては、現状分析から始める場合と、将来こうあるべきだという理想像から描き始める場合とがあります。今まではレビューですから、現状分析から始まっていまして、中間まとめとしては良いと思います。しかし、最終のまとめとしては、もう少し理想を掲げた夢のある内容にしたいという、本日の皆さんの意見もありますので、今後は、双方のバランスをどのように取っていくかの議論も、進めていけないでしょうか。

○ 日置課長補佐
ありがとうございます。ぜひそういう形で。

○ 滝沢座長
手順として、これまで8回、今後の論点というところから始まりまして、論点をずっと議論してきたという経緯がございますので、論点、すなわちいろいろな課題について議論してきたという経緯がありますので、全体を通して、あるいは俯瞰的に今後の水道をどのようにしたいかというような議論は、残念ながらご指摘のとおり、これまでできていない部分がありましたので、今回、とりまとめというようなことで、1つの案ですけれども、基本理念というようなことで提示させていただいた段階で、全体の議論が必要だというご指摘だろうと思います。今後、この理念も含めて議論していく中で、課題は課題としてしっかりととらえつつも、水道を将来どういうところに持っていきたいのかといった全体的な議論を進めていただければと。事務局から回答いただいたとおりですけれども、そんな時間も考えたいと思います。
どうぞ。

○ 岡部構成員
イメージ図のところなのですけれども、例えばアセットマネジメントとか広域連携というのも1つの課題を解決する手法だと思うのです。人材を確保するとか、効率化を図るためとか。ここにはエネルギー対策とか人材育成とありますけれども、やはり水道技術者を確保するとか、エネルギーを減らしていく、削減していくんだとか、具体的な言葉が余りなくて、手法が解決策みたいになっているところがあるので、このあたりももう少し整理が必要かなと思います。アセットマネジメントそのものをやるというよりは、長期的な施設計画、資金計画、そういうものを立てるのが目的でしょうけれども、アセットマネジメントをすれば解決するのかといったら、何か違う気がしますよね。そのあたりで、最終的な目標と、実現方策ですから、手法をいっているのかもしれないのですけれども、もう1つ、そこに埋まっていない、最初もいいましたが、つながりがみえていない感じがするのです。だから、手法をもうちょっと分けてもいいのかなという気もちょっとしていますので、そのあたりも整理をしていただけるとありがたいと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
長岡先生。

○ 長岡構成員
先ほど永井さんからもお話があったのですが、どういった読み手を想定するかということは、ちょっとまだ整理され切れていないような気がするのです。水道事業体の方を主なターゲットとするのか、あるいはそうではなくて、もっと普通の住民、民間の技術者の方とか、そういうものも含めて、水道に携わる全体なのか。その辺がこの中でまだ統一されていないような気がしますので、その辺もちょっと考えてから、いろいろメニューを考えて……。

○ 滝沢座長
私の理解では、これは国の水道ビジョンですので、国がこのようにします、それが目標ですということを書くのが水道ビジョンだと思いますが、それをだれに一生懸命読んでもらいたいかというのはまたあろうかと思います。もちろん国がこういうメッセージを発信するということですけれども、それは事業体であったり、いろいろあると思います。事務局から何かご回答ございますか。

○ 熊谷室長
特に制限するものではないと思いますけれども、やはり一義的には水道関係者、その主体はやはり、まさに住民と直接対峙する水道事業者、そこを中心に、その人たちが目指すべき目標というものをどのように国として認識しているかというのを関係者合意でつくるというのが、私は水道ビジョンだと思っております。

○ 滝沢座長
よろしいですか。
木暮さん、どうぞ。

○ 木暮構成員
今、新水道ビジョンに対していろいろな意見が出ていたかと思うのですけれども、今の段階とすれば、中間とりまとめというところで、まだ充分に整理ができていない部分もあると思います。現行の水道ビジョンは表に出てくるキーワードとかがシンプルで、そういった意味からすると、もうちょっと整理されてほうがいいと感じます。資料の後ろから2枚目に書いてあるポンチ絵などだと、まだちょっと言葉が多過ぎるから、結局、先ほど岡部構成員から意見があったように、アセットはツールですし、これが方策なのかなといったように感じてしまいすが、これからまだ整理されてくると思いますので、そういった意味では、またその中で検討会等で議論していけばいいのかなと思っております。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
まだ少しお時間がありますけれども、いかがでしょうか。どうぞ。

○ 浅見構成員
次回以降に関してのお願いなのですけれども、今までの水道ビジョンのときも、それぞれの項目についてマイルストーンといいますか、大体の目標のようなものがあって、それにどのくらい達成できているかというようなことをチェックするようなシートといいますか、具体的にわかりやすいものがあって、それが今後どうなるのかというのは、割と事業体さんの関心事でもあるのかなと思うのですが、それとの対応がつきそうなのか、つかなそうなのかというところも含めて、今後どういう対応になっていくかというところも資料でみせていただけるとありがたいと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。先ほど読み手の話が少し出ましたけれども、これはあくまで日本の中の水道がこれからどういう方向に行くかということですが、先ほどの国際化というようなことも踏まえて考えますと、もちろんこれは日本語で書いて、日本に向けて発信するものですけれども、ある面では海外、特に日本語が読めるような国々、日本の水道はどういう方向に向かっているのかということに対して、いろいろな関心を寄せているということもあろうかと思います。そういう意味では、しっかりしたものを書いておくということが、日本はしっかりとした考え方をもって水道に取り組んでいますといったメッセージになって、それが直接ではないかもしれませんけれども、ある種の国際化、あるいは国際貢献というイメージもあるのかもしれません。それは直接的な目的ではないかもしれませんけれども。
いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、若干時間は残っておりますけれども、十分なご議論をいただきました。これを踏まえて、今後どうするかということについて、事務局からご説明をいただけますか。今後の日程につきまして、いかがでしょうか。

○ 日水コン(榊原)
添付—3をごらんいただきたいのですけれども、議事次第の資料の一番後ろにございます。検討会の実施スケジュール(案)ということで、本日、第9回検討会におきまして中間とりまとめを行い、さまざまな議論をいただきました。これをもとにしまして、次回、11月ですけれども、新水道ビジョン策定骨子ということで、骨子をまとめていきますので、またご議論いただければと思います。
もう1つ、被災事業体との意見交換会ということで、先日、福島県に行ってきましたので、その報告を次回あわせていたします。
もう1つ、ワークショップ(シンポジウム)の開催とございますけれども、一般の方を対象に新水道ビジョンのご意見を伺う機会としてはパブリックコメントがございますが、それだけではなく、もう少し小規模な中で自由に意見を交換するようなワークショップ、あるいは大々的なシンポジウムというものも計画しております。その方法につきまして、次回の検討会でご報告したいと考えております。
以上でございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
ご出席の構成員の皆様方、あるいは事務局から何か追加のご発言ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、最後、まとめをお願いします。

○ 日置課長補佐
きょうはどうもありがとうございました。本日の議事録につきましては、皆様にご確認いただいた上で公開することとさせていただきたいと思います。
今後の検討会の開催日時でございますけれども、先ほど添付—3の中でもお示ししておりますが、第10回が11月26日月曜日の14時から17時、第11回が12月18日火曜日の13時から16時ということで日にちが決定しております。場所等につきましては、決まりましたら改めてご案内をさせていただきたいと考えております。
また、もう1点でございます。第10回の検討会を開催した以降に、厚生科学審議会の生活環境水道部会の中で、本検討会の検討状況などを報告したいと考えておりますので、こちらについてもお知りおきいただければと考えております。
以上でございます。

○ 滝沢座長
それでは、以上で終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)
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