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2012年4月26日 平成24年度化学物質のリスク評価検討会(第2回ばく露評価小検討会)

労働基準局安全衛生部

○日時

2012年4月26日(木)14:00~16:00


○場所

経済産業省別館 8階 825号会議室


○議事

○寺島化学物質情報管理官 定刻より5分ほど早いのですが、皆様お集まりいただきましたので、ただいまから「化学物質のリスク評価検討会『2回ばく露評価小検討会』」を開催させていただきます。本日は、内山委員が所用によりご欠席です。
 以降の議事進行は名古屋座長にお願いいたします。
○名古屋座長 議事に入る前に、議事次第と資料の確認を事務局からお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 議事(1)「平成24年度ばく露実態調査対象物質の測定分析法について」は公開、議事(2)「平成23年度リスク評価対象物質のばく露評価について」は個別企業の情報を取り扱うため、非公開とさせていただきます。
 資料1-1「リフラクトリー・セラミックファイバーの測定手法検討結果」、資料1-2「一酸化二窒素等2物質の直接捕集方法について」。参考1「平成23年度リスク評価の進捗状況」、参考2「平成23年度リスク評価対象物質に係る有害性評価の評価値」、参考3は机上配付のみとさせていただいておりますが、「労働者の有害物によるばく露評価ガイドライン」、参考4「平成23年度ばく露実態調査における測定分析法」として、本日ばく露実態調査の結果をご審議いただく物質の測定分析法です。机上配付の非公開資料で資料2-1ばく露実態調査結果「酸化チタン(ナノ以外)」、資料2-2「1,3-ジクロロプロペン」、資料2-3「パラ-ジクロロベンゼン」、資料2-4「ジメチル-2,2-ジクロロビニルホスフェイト」、資料2-5「4-ビニル-1-シクロヘキセン」、資料3「MDIに係る労災認定状況」。参考5「メチレンビス(4,1-フェニレン)=ジイソシアネート(MDI)のばく露実態調査結果概要」、これは前回提出させていただいた資料と同様のものです。以上です。
○名古屋座長 議事(1)「平成24年度ばく露実態調査対象物質の測定分析法について」の説明を、事務局からお願いいたします。
○荒木氏(中災防) 資料1-1「リフラクトリー・セラミックファイバーの測定手法検討結果」をご説明させていただきます。1頁は、平成22年度の測定手法検討分科会の検討結果です。分散染色法による方法が、感度が細い繊維を数え落とす危険があるということと、環境省のガイドラインから外れたということで、総繊維数を計測する方法として、新たに検討する方針となっております。それに基づいて、セラミックファイバーの測定手法を検討いたしました。捕集方法と分析方法ですが、現行の作業環境測定法の、石綿の分析方法に従った方法を検討しております。
 まず捕集方法ですが、フィルターとしてメンブランフィルター、繊維状の計測に平均孔が0.8μmで、直径25?の白い円形セルロースエステル・メンブランフィルターを用いる方法を採用しております。これは、作業環境測定法で使われているフィルターと同じものです。
 注意事項として、フィルターを透明化した後、灰化しますが、フィルター自体の測定に対する品質管理が必要になることを考慮しております。繊維状物質を計測するのに、印刷されたグリッドの入ったものがあるのですが、細かい繊維が格子と重なると見にくいなどの欠点があるので、こういうものは避ける方向で考えております。 フィルターホルダーは、通常使われている石綿の捕集用のもので、カウル付のものです。
 吸引流量と測定時間です。浮遊粉じんの繊維状物質のフィルターでの捕捉面速が4.0~5.0cm/sになるように、流量を設定する方向で考えております。これは、石綿の捕集と同じ形になります。直径25mmのものを使って、採じん面が20~23mmの場合には、1L/min程度になります。なお、空気中に、繊維状物質以外に粒子状物質が飛散していることが考えられますが、こういうものも捕集される可能性があるということです。粒子数が多い場合には、位相差顕微鏡による繊維状物質の計数が困難になる場合がありますが、こういう場合には、粉じん量のおおよその確認等が必要になるだろうと考えております。著しく粉じん量や繊維数が多いと判断される場合には、1枚のろ紙にサンプリングするのではなくて、サンプリング時間を分割してサンプリングする必要があります。
 標本の作製です。採じん面を下にした状態で、アセトン蒸気を用いて、フィルターを透明化、固定いたします。下側を向けるのは、この後の低温灰化処理の関係です。この低温灰化処理をすることにより、無機質繊維以外の有機物の繊維については、ここで灰化処理することができます。装置としては、ここに示してあるようなものです。灰化処理条件は、出力電力が150-200W、酸素流量は出力値の1/3程度、処理時間は4時間以上です。灰化処理後、フィルターの中央にトリアセチンを2~3滴落として、カバーグラスをかけて固定いたします。
 計数の仕方は、長さ5μm以上、長さと幅の比が3:1のアスペクト比のものを一応「セラミックファイバー」とみなして、計数の対象といたします。
 計測視野は、アイピースグレーティクルの300μmの直径の中の繊維を計数する方法で行っています。これは、作業環境測定の基準と同じです。繊維数200本以上、あるいは検鏡した視野が50視野になるまで実施いたします。繊維が多い場合は、アイピースグレーティクルの内側にもう1つ100μm直径の円がありますので、そこの中の繊維数を計数いたします。200本以上、あるいは視野が100視野になるまで実施いたします。
 繊維数の判定の仕方は、現行の石綿の計数の仕方に従っております。したがって、環境省の出している、繊維に粒子が付着している場合に計数するというものではなくて、現行のやり方でそれは数えないというやり方になっております。具体例については、4頁の図と計数の部分について書かれております。
 ブランクですが、ブランク用として、用意したフィルターを採じんしたフィルターと同様の手順で実施して、ブランク値を求める方法をとります。
 5頁、繊維数の算出は、下記の式のとおり、CF=A×(N-Nb)で、このNbがブランク値になります。Nが実際の計測繊維数の総数になります。それを顕微鏡で計数した1視野の面積×計数視野数×吸引流量×103、これは立方センチメートルに直す数値ですが、これで計算した値を用います。
 定量の下限は、下限式をガイドブックに従って同様に計算します。S=(2.645×A)÷(a×n×Q)という形で示されます。
 参考資料等についてはガイドブック、「人造鉱物繊維 繊維数濃度測定マニュアル」、これはセラミックファイバー工業会、ロックウール工業会等が出したものです。「工事現場等における人造鉱物繊維ばく露環境濃度測定マニュアル」、硝子繊維協会、ロックウール工業会。「アスベストモニタリングマニュアル(第4版)」、これは環境省水・大気環境局のものです。「分散染色法による環境空気中のアスベスト測定に係るフィルターの前処理方法についての検討」を参考にさせていただきました。
 まとめとして、7頁に概要をまとめております。ここで適用になるのですが、いちばん下の枠3段になっておりますが、「適用」として、リフラクトリー・セラミックファイバー繊維のみを適用するものではなく、この方法については石綿でも使われている方法ですので、総繊維数濃度として繊維状の粒子を測定するための方法として適用は可能だということです。リフラクトリー・セラミックファイバーの繊維を特定する場合は、平成22年度に検討された分散染色法、環境省のマニュアルにあるような電子顕微鏡法による分散型の分析を行うことによって同定することができると考えております。
 「妨害」ですが、非繊維状の粒子が多く含まれている場合、繊維数が多い場合ですが、重なって数えられない、数え落としがある場合には、マイナスの誤差になります。計数規則に従って計数するために、セラミックファイバー以外の鉱物性の繊維が入っている場合には、その繊維も計数することになりますので、プラスの誤差になります。ただ、先ほど言いましたように、前段にありますような分析法を併用することによって分けることは可能だと考えております。リフラクトリー・セラミックファイバーについては以上です。
○名古屋座長 ただいまの説明についてご質問等がありましたらお願いいたします。
○鷹屋委員 このセラミックファイバーが、どのように飛んでいるかがわからないので教えてほしいのです。絡まっているものを数えなくていいということですが、無視して大丈夫な飛び方をしていると理解してよろしいのでしょうか。だからあまりない。それとで減るわけですよね。それを無視するぐらいで、基本的にはばらばらに飛んでいるものだということでよろしいのでしょうか。
○荒木氏 セラミックファイバーの形状から考えると、たぶん絡まっているものは少ないのではないかと思っています。
○名古屋座長 これまでセラミックファイバーの測定をしていますけれども、ほとんど直線繊維でわかりやすいので、それはたぶんないと思います。
○花井委員 教えてほしいのですけれども、最初のリフラクトリー・セラミックファイバーの測定手法ということでまとまっているのはいいと思うのです。これがどういうものに適用できるか、言い方を換えればRCFという定義とか、それでどんなものが含まれるかが最初に書いてあったほうがわかりやすいと思うのです。定義としてはどういうことになるのですか。
○荒木氏 セラミックファイバーの中に種類はいくつかあるのですが、リフラクトリー・セラミックファイバーはアルミナケイ酸の繊維です。中には成分として、7頁の別紙にあるように、ジルコニウムみたいなものが入っているものもあります。この比率はアルミナが30~60ぐらいで、ケイ酸が40~60ぐらいのもの、この非晶質のものをセラミックスファイバーという定義で呼ばれています。
○花井委員 アルミナ系にかなり限られるのですか。
○荒木氏 はい。
○名古屋座長 耐火物とかそういうのに使うので、かなり温度が高くないといけないので、アルミナを使っています。
○花井委員 長さとか幅とか、このアスペクト比は数えるときにかなり限定されていますよね。
○荒木氏 はい。
○花井委員 そうすると、それより大きいのはどうするかということもあるし、この適用範囲はもうちょっと書いておいてくださったほうが、後でほかの分野でも使えるかといったことを検討するときに役に立つのではないかと思うのです。
○名古屋座長 逆に言うと、アスベストの測定を応用しているから、アスベストの測定基準ができているので、それを応用しているだけということですね。
○荒木氏 はい。
○名古屋座長 一般的にアスベストを測定している方は皆さんわかっています。
○花井委員 そうすると、不溶性の繊維状物質だったらできるとか、そこまで広げられるのか。
○荒木氏 はい、一応普通はできます。
○花井委員 アルミナ系に限定するのか、それによって議論も随分違ってくると思うのです。
○荒木氏 一応繊維状のものについての一般的な計測の仕方としてPCM法というやり方で、このやり方自体は一応推奨されております。
○花井委員 最初に「リフラクトリー」という言葉を付ける必要があるのですか。
○名古屋座長 業界では分けています。
○荒木氏 業界では一応分けていて、セラミックスファイバーの中の種類で、このアルミナケイ酸の量によって分けています。
○花井委員 そういうことがあるのであれば、ますます最初に定義ぐらいは書いてくださらないと。お願いします。
○名古屋座長 ほかにはよろしいですか。
○圓藤委員 ほかの繊維が混じったときは、やはり分散染色というのを使わないといけないということですか。そういうことはあまりないのですか。
○荒木氏 ないです。
○圓藤委員 現場としてはこれしか使っていない。
○名古屋座長 これを製造したり、これを使って製品を作っている現場では他の繊維が混入することはほとんどないと思います。あと聞きたかったのは、低温灰化を使う方法が入っているますが、これは逆に言うと過剰ではないかと思うのです。濃度が決まって、総繊維数を測ったときに、その濃度以下だったらもう総繊維数でいいと思います。低温灰化を使うと、下手な所は逆にメンブランフィルターを完全に透明化できなくて、繊維を数えるときに間違えることが起きます。低温灰化はかなり難しい方法ですので、技術がないとできない方法なので、逆にこれは削除してもらいたいです。要するに、決められた濃度の中で総繊維数を超えなかったらいいけれども、超えた場合は、有機繊維がある可能性があるので、そのときに低温灰化を使うという形にしないと、間違った計測をするので、低温灰化はないほうがいいのかと思います。
 現場に行くと、ほとんどセラミック繊維が多くて、有機繊維は作業着以外では飛んでいないのです。ほとんどがセラミック繊維なので、それでいいのかなと思うので、ここでは低温灰化はなくしたほうがいいかと思っています。もしあるのだとしたら、決められた濃度があって、一時的にはその濃度範囲で計測し、それより超えているときに確認するために低温灰化を使って、確認しなさいのほうが、精度は上がるのかと思います。
○原委員 わからないのですが、セラミックファイバーとリフラクトリー・セラミックファイバーというのは、この分析法ではっきりと区別できるものなのですか。
○荒木氏 これは電子線を当てて分析して組成を見ないとわからないです。
○原委員 そうすると、混合使用というところではある意味で使えないと、限定せざるを得ないと考えてよろしいのですか。
○荒木氏 限定せざるを得ないです。
○名古屋座長 一緒に使っている工場はなくて、必ず分けて使っているのです。要するに、ロックウールはロックウールの工場で隔離しているし、セラミックはセラミックで隔離しているから、混合することはないです。製品の精度が落ちてしまいますので隔離します。必ず同じ工場で1つしか使っていなくて、分けて測定していますので、混合することはたぶんないと思います。
○原委員 現場を知らないので、そういう現状があるのであればこれでいいと思うのです。混合して使われるようで、何を測定しているのかわからないようでは困るかと思いまして。
○荒木氏 平成22年度の検討会のときにそういうご意見がありましたが、混合で使っていることはケースとしてはないだろうということでした。いちばん問題になるのが、たぶん有機繊維だろうということで開発をさせていただきました。
○名古屋座長 粒子については、本来的には行政が行う事だと思いますが、ガイドブックに関しては、行政の監修がなくなりましたので、日測協さんの方で行えばいいということになっています。一応お願いしているのは、石綿クロスの委員会がもう一度ありますから、そこで検討して頂きガイドブックの修正を行い、、たぶん粒子の付いた繊維を計数する様になると思います。
 ガイドブックの修正が何故出来ないかというと、環境省はWHOのほうから来ているので、繊維に粒子が付いたときには1本と数えましょうとなっているのだけれども、厚生労働省はILOから来ているのですが、ILOはまだ外していないのです。そうすると、どちらを採用するかということでまだ決まっていないのだけれども、リスクを考えると計数した方がいいのかと思っています。他に何かありますか。
○圓藤委員 取扱上の規定みたいなものはないのですか。いまは製造工程のことでこれしかないとおっしゃっていました。実際にこの製品はどのような所で。
○名古屋座長 製鉄所の溶解炉等です。あまり知られていないのですけれども、RCFは、溶解炉の耐熱用の炉材として使用するときは、繊維状で使用するのですが、これは長期間高温の熱にされられているとクリストバライトに変わります。要するに石英、結晶性シリカに変わるのです。だから、RCFを溶解炉の炉材として使用するときには、たぶん繊維として測定するけれども、解体するときや修理するときは、逆に言うと、粉じんのクリストバライトとして測定しなくてはいけないということは、できたら周知徹底してほしいのです。
 その辺は、あまり認識されていないのだと思います。なぜかというと、これはセラミックス協会が当研究室に委託して、研究した成果ですから、そういう結果はたぶんわかっていないのだと思います。
 あとは、吸引流量の調整はやめたほうがいいと逆に思います。2頁の中で、時間ができなかったときに、吸引流量を調整しましょうと書いてあります。吸引流量は、面速がちゃんと決められているので、ここは変えられないので、ここはやめたほうがいいのかなと、時間の調整だけにしてほしいと思います。なぜかというと、管理濃度委員会で決めたときも、毎分2Lで引くことによって定量下限を満足できるという理由で、管理濃度を通したのですけれども、もともと面速が決まっているので、本来毎分2Lでは引けないのですよということなのです。そういうことで、管理濃度を担保するためには、1Lで引いて測定時間を20分にするか、視野数で対応しなさいと教えているわけです。ただ、2Lにしないと0.15が通らなかったので、一応そういう話にはしてあるのですけれども、実際の指導はそうではなくて1Lで決めているので、面速で決めているので、あとは視野数と時間で対応しなさいとしているので、そこも合わせてもらうとよいと思います。
 ほかによろしければ、次に資料1-2の説明をお願いいたします。
○荒木氏 資料1-2「一酸化二窒素等2物質の直接捕集方法について」です。これは第1回検討会で既に、分析方法としては、直接捕集法で分析するというのは認めていただきました。実際にこれを個人ばく露の測定に応用する段階で、現時点でバッグを使うことについての問題点を挙げてあります。
 資料1-2の最初の頁の2「捕集バッグを使用することの現時点における問題点」として、これまでクロロメタン(塩化メチル)についてテドラーバッグで検討を行ったのですが、バッグ自体のテドラーの素材のものがいまは入手困難になっているということで、少し考慮する必要があるだろうということです。
 捕集バッグはポンプで引き入れる形になりますので、最低4時間引こうとすると、かなり容量の大きな物を使わないといけないだろうということです。大きな物を作業者が付けた場合に、作業施設等に引っかかる可能性があるということで、場合によっては作業者に装着を断られるようなことが懸念されます。捕集バッグを、装着可能な形にするということで、密閉加工等が必要になるだろうと考えております。
 そういうことを勘案すると、海外等で実際に直接捕集の個人ばく露用に使われているキャニスター缶が、次の頁の下のほうの図3にあります。形状はいろいろな形の物があって、キャニスター缶というのは、金属缶もしくはガラス缶の内部を不活化処理したもので、場合によっては金属缶の中がガラスで覆われているようなものもあります。キャピラリー管や圧力ゲージで流量を調整します。中の圧力が変わってきても、一定流量で引けるような工夫がされております。一般的に、8時間ぐらいは軽くサンプリングができるものです。大きさも0.4~6Lぐらいまでの大きさがあります。個人ばく露用としては、通常0.4~1.0Lぐらいの物が使われています。装着装置も付いておりますので、比較的安全に装着することができるということです。
 現状で使われているような直接捕集法だと、上に書いてある図1と図2は逆になっていますが、2番目が真空採気ビンで8Lのものです。これだと、作業者に装着するのは非常に難しいということと、流量調整がなかなかできないという欠点があります。図1のテドラーバッグ、捕集バッグのほうでいくと、このように中にバッグを入れて、外側の空気を抜いて、袋を膨らませるような形で、ポンプを通さない状態でガスを捕集したいということがあります。ですから、こういうわりと大き目の容器が必要になってきます。これも背中に背負う方法もあるのですが、できればキャニスター缶の使用ができるかどうかを検討させていただきたいということのお願いです。もしキャニスター缶を使って中の濃度の低下がなければ、直接捕集法のバッグを使う代わりに、キャニスター缶での使用を考えたいということです。
 3番の方針としては、以上を考慮し、前述2物質の一酸化二窒素とクロロメタン(塩化メチル)については、調査が開始される前に、キャニスター缶を使って実際に分析・保持できるのかどうかを検討させていただければと考えております。検討した結果、可能であるということであれば、バッグに変えたいと考えております。ただ、これがうまくいかないようであれば、何らかの工夫をして、テドラーバッグを使う方法でやらざるを得ないかと考えております。
○名古屋座長 ただいまの説明に対して何かありますか。
○花井委員 形式的なことですみません。これの上から2行目に「分析測定手法検討会」という言葉があります。それから、先ほどの資料の表紙に「測定手法検討分科会」というのがあります。これは全く別のものとしてあるのですか。この分科会との関係はどうなっているのでしょうか。
○寺島化学物質情報管理官 これは中災防の委託事業のもので、両委員会一緒です。
○山田氏(中災防) これは間違いで、報告書に書いてある「測定手法検討分科会」が正しい名称です。資料1-2のほうは間違っているので訂正をお願いいたします。
○花井委員 正しい検討分科会というのは、中災防の中における組織ですか。
○山田氏 はい、そうです。
○名古屋座長 これを見る限り、キャニスター法しかないのでしょうね。ただ、これは高くないのですか。
○荒木氏 調圧バルブのところがいちばん高いです。
○名古屋座長 そうでしょうね。向こうではこれを使ってやっているのだから大丈夫だと思うのですが、これはクリーニングも大変でしょう。
○荒木氏 ですから、その物質専用という形になります。
○名古屋座長 専用になってしまいますし、そこをしないと無理だし、ましてや真空ビンでは無理だし、8時間引けないし、テドラーバッグでは当然無理だしということになると、結局ここしかなくなってしまうのかな。でも0.4Lで8時間で、3.2Lをきちんと引ければ使えると思います。ただ、これが測定義務化されたときには、これを買ってやらなければいけないから大変でしょうね。
○圓藤委員 でも、減圧してあるわけですよね。
○荒木氏 はい。
○圓藤委員 常圧になるまで止められないということですか。
○荒木氏 いいえ、途中で止めても圧力がかかりますので、その分だけを後で窒素なりでバージして圧力を戻してやることになります。その濃度を換算し直すということです。
○圓藤委員 そこからガスを抜くのですね。
○荒木氏 はい。
○名古屋座長 大気汚染などは、みんなキャニスターを使っているから、大して難しい方法ではないのです。ただ、容器の小ささを考えると、それをクリーニングするのと、要するにアダプターが高いという、かなり高価なものになります。いままでの測定よりも高価なものになるということで、それさえクリアされれば、技術的にはそんなに難しいことではないと思います。これしかないならしようがないですね。
○圓藤委員 採ったガスは置いておけるのですか。
○荒木氏 保持時間としてどれぐらいもつのか、それを検討しないと使えないということです。
○名古屋座長 これでOKですと言ったときに、その後に再度、本当にできるかどうかを検討して、それがOKだったら実証のところで使えますということです。ほかのところは使えないから、ここしかないのかと思います。
○圓藤委員 これを見ていると、1カ所しか流れなくなっている。
○荒木氏 そうです。
○圓藤委員 2カ所にあるわけではないですよね。出口と入口みたいな。
○荒木氏 これは1カ所口の物で、上のほうのところを繋ぎ換えすることによって、いろいろなゲージを付けたり、サンプリング用のバルブを付けたりが可能だというものです。ちょっと良い物になると、後ろ側にもう1つ窒素のバージするような物が付いています。
○圓藤委員 そういう物もあるのですか。日本製ではないですよね。
○荒木氏 はい、海外製です。もともと個人ばく露を主体にしている所で考えられた物です。テドラーバッグは直接法で、すぐ分析するという、普通の環境測定にはいいのですけれども、個人ばく露にはちょっと使いにくいということで、海外ではこれが使われています。
○圓藤委員 実際に使っているのですか。
○荒木氏 海外では使われているのですが、いまのところ国内では実績がないのではないかと思います。
○原委員 前に聞いたかもしれませんけれども、テドラーバッグ相当品というのがあることはあるのですか。
○荒木氏 はい。そうすると、またもう一回保持できるかどうかというのを一応見ないといけないので、結局同じようなことかなと思います。
○原委員 つまり、その検討に関しては同じということですか。
○荒木氏 はい。ただ、まだテドラーバッグは残っているので、今年ぐらいまではたぶん大丈夫だろうと思います。
○圓藤委員 背負わなければいけないのですよね。
○名古屋座長 8時間をテドラーバッグで採ると、結構大変でしょう。
○原委員 そうなのです。キャリアーバッグを背負わなければいけないというイメージなのですけれども、これが数万円で済むとも思えないのです。だから、普通の所で10万円、20万円するサンプリングを買わないといけないとは思うのですけれども、ちょっと高価になりすぎるのかなと思うのです。
○名古屋座長 リスク評価してみて、そこで詳細評価までいって、やらなくていいということになればそれはいいのだけれども、ただ、なったときには、測定機関はそれなりの料金を取らないとできないということだと思うのです。
○原委員 そうですね。
○鷹屋委員 キャニスターは、物によっては自分の所では洗えないですから、結局専門の業者に依頼することになります。
○荒木氏 洗えないから、そこがいちばん。
○鷹屋委員 最初が高いだけでは済まないのです。
○荒木氏 そうです。
○名古屋座長 あとずっとやらなければいけないから大変だと思います。クリーニングが大変だと思います。
○鷹屋委員 最初の検討のときに、バッグでは10Lで検討されていたということなのですけれども、いまのキャニスターの大きさでやって、もつかどうかの試験はするということなのですけれども、感度的には捕集が小さくなっても大丈夫なのですか。
○荒木氏 テドラーバッグの場合、直接打つ方法をとっていますので、そういう意味では同じだと思います。
○鷹屋委員 濃度は同じだということですか。
○荒木氏 はい、濃度は同じということです。濃縮をかけているわけではないです。
○名古屋座長 よろしいでしょうか。たぶん、これしかないだろうと思いますので、検討してくださいということになります。
○寺島化学物質情報管理官 ここまでが公開になりますので、傍聴の方はご退室をお願いいたします。

(傍聴者退室)

○寺島化学物質情報管理官 次回の予定ですが、議事次第のいちばん下に書いてありますように、連休明けの5月10日に早速、リスク評価検討会(合同)が予定されていますので、よろしくお願いいたします。
○名古屋座長 以上、本日の「ばく露評価小検討会」を閉会します。本日はお疲れさまでした。ありがとうございました。


(了)

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