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2012年6月5日 第175回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成24年6月5日


○場所

厚生労働省専用第13会議室


○出席者

委員

大橋委員、柴田委員、橋本委員 (公益代表)
石黒委員、新谷委員、宮本委員 (労働者代表)
秋山委員、小林委員、高橋委員 (使用者代表)

事務局

生田派遣・有期労働対策部長、田畑需給調整事業課長、三上派遣・請負労働企画官
鈴木主任中央需給調整事業指導官、佐藤需給調整課長補佐

○議題

労働者派遣法改正法の施行等について(公開)

○議事

○大橋部会長 ただいまから、第175回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会を開催いたします。本日は公開で、「労働者派遣法改正法の施行等について」です。
 それでは、議事に入ります。本日は、前回の議論の続きをご議論いただきますが、資料の説明はすでにしていただいていますので、このまま議論に移ります。なお、前回ご議論いただいた論点について、発言が十分にできなかったという委員もいらっしゃるかと思いますが、まずは積み残しとなっている論点について一通りご議論いただいた上で、その後前回の論点について再度ご議論いただく際にご発言いただければと思います。
 本日も前回と同様に、資料の項目ごとにご議論いただくという方法で進めていきたいと思います。資料6頁の「離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れられることの禁止」について、ご質問、ご意見がありましたらお願いします。
○石黒委員 離職した労働者が受入禁止となるのは、当該企業が受け入れた場合という理解で良いでしょうか。例えば、事業所が何箇所もあって、ほかの事業所で受け入れた場合、同一企業内であれば受入禁止だが、グループ会社の他の会社で受け入れた場合は良い、つまり、受入制限の判断は企業単位で考えればよいという理解で良いかどうかを確認したいと思います。
○田畑課長 派遣法上、派遣先は事業者として解釈しておりますので、受入制限については会社単位と考えております。このため、同一事業所以外に派遣・就業する場合でも禁止の対象になるということです。
 なお、グループ会社というご意見がありましたが、会社単位で見るということです。
○石黒委員 わかりました。たらい回しではありませんが、同じような仕事をしながら、会社が違うからということで、極めて密着性の強いグループ会社で受け入れるようなことなどが起こらないかと、少し懸念しております。
 もう1つ、離職後1年以内の派遣が発覚した場合ですが、もちろん行政指導は行われるのでしょうが、指導の内容として、直接雇用にしなさいとか、ほかの派遣先を提供しなさいとか、そういうところまで指導しなければ、派遣することに対する措置ができたとしても、当該労働者に対する保護ができないのではないでしょうか。
○田畑課長 当然、違法があったときの是正のための指導については、働いている派遣労働者の雇用の安定を念頭に指導しておりますので、石黒委員からご指摘があったような他の会社への就業のあっせんとか直接雇用の推進といったことをお願いしつつ、指導していくことになろうかと考えております。
○高橋委員 質問ですが、離職後1年以内かどうかの確認はどのように行うのでしょうか。例えば、派遣元として、その方が派遣先に1年以内に働いていたかどうかをどうやって確認するのでしょうか。
○佐藤補佐 最終的には、労働者ご本人にご確認をいただいて、ご本人からこの会社、あるいはこの事業所で働いていたかどうかということをご申告いただく形で、最終的には担保していくことになるかと考えております。
○高橋委員 自己申告が基本だということですか。
○佐藤補佐 最終的にはそういう形になろうかと思います。
○高橋委員 派遣先としても、その方が1年以内に就職しているかどうかは当然チェックすると思います。1つの例ですが、結婚などによって姓が変わるようなことも想定し得ると思います。そうすると、その方が1年以内に働いていたかどうかのチェックが難しくなるかと思いますが、派遣先としては何をどの程度求められるのかについて教えていただければと思います。
○佐藤補佐 いま高橋委員からご指摘がありましたように、当然派遣先でも人事管理等々でその方の就業履歴を確認してこられると思いますが、確認できる範囲内で確認していただければ、例えば結婚によって10年前や20年前に氏名が変わったといった場合まで追い切れない場合もあろうかと思いますので、そこについては合理的な範囲内でということになろうかと考えております。
○高橋委員 さらに定年退職者についてですが、もちろん自己申告ベースでということですが、その方が定年退職者かどうか、要するに元正社員だったかどうかを確認するのは、自己申告でいいということであれば、その方が申告したことをベースに判断すればいいでしょうけれども、それが、定年退職したかどうかをギリギリと問われることになると、その確認は実務上、非常に難しいのではないかと考えます。高齢者の雇用は大変厳しい状況にありますので、「60歳以上の定年退職者」とするのではなくて、「60歳以上の高齢者」を対象外とするという考え方も成り立ち得るのではないかと考えます。
 というのは、ご承知のとおり、我が国の企業では定年制を持たない会社も存在します。あるいは、定年年齢が60歳ではない、60歳を超えた形の定年制を敷いている会社もあろうかと思います。とりわけ定年制を持っていない企業の場合は、自己都合退職か会社都合の退職しかないのです。定年退職ということがないわけです。そういう企業にお勤めの方は、この適用を考えると、たとえ、円満に退職をされて退職金なども受け取られた方でも、1年以内は元いた会社での派遣就業という選択肢を奪うことにもなり兼ねないと思いますが、その辺りをどのように考えたらいいのか、その点についてはいかがでしょうか。
○田畑課長 まず定年退職者を除くということについては、平成20年9月の建議でこういった形で取りまとめられたということで、事務局としてご提案しております。定年退職者を除外する趣旨については、定年退職者の雇用機会の確保ということで、定年前の早期退職を助長するような運用が必ずしも趣旨に合致するかどうかということもありますので、各社でそれぞれ設定している定年年齢が違うケースもあるでしょうし、定年制を廃止している企業もあろうかと思いますが、今般の離職後1年の規定の除外については、定年退職者の雇用機会の確保という趣旨に鑑みて、60歳以上の定年退職者としたいと事務局としては考えております。
○高橋委員 何回説明を聞いてもよくわからないのですが、なぜ定年退職者でなければならないのでしょうか。就業機会が大変厳しい高齢者を除くというのはわかりますが、なぜ定年退職者だけを除くのかという理由が、何回説明を聞いてもいまひとつわからないのです。
○大橋部会長 定年ということは、年齢で強制的に退職ということなので、そこが効いているのではないでしょうか。例えば、いまおっしゃったように自発的に何らかの理由で退職された方は、それは自発的に退職された方ですから、したがってそこで再度派遣で来るというのは非常に考えにくい状況ではないかと思うのです。つまり、年齢で強制的に退職された方以外は、再度派遣で来られるというところが、どうも合理的に考えられないのです。
○高橋委員 元いらっしゃった職場に、勝手知ったる職場に行くということも考えられると。
○大橋部会長 ただ、それが企業側の理由であれば、企業はもう辞めていただいたのだから、派遣としてでも採用しないというのが合理的な判断になりますね。逆に、自発的に辞められた方であれば、それは当然再度わざわざ派遣で行くというのは考えられないですよね。そのように考えていいのではないでしょうか。
○高橋委員 定年を迎えた方は行くことは考えられるのですか。
○大橋部会長 年齢で強制的に辞めさせられた方ですから、それは十分派遣で行かれることはあると思います。
○高橋委員 定年制がない企業もありますので、そういう方が一定の年齢を超えたときに、自分は正社員としてではなく、だけど、まだ週何日か働きたいとか、そういうご要望はあると思います。
○田畑課長 いまの話でいくと、定年制がないと、引き続き勤務ができるということですので、1回離職をさせるということが、いま部会長からもお話がありましたが、どれぐらい想定されるかということと、1回離職をして、また受入れを認めるとなると、そういった形での、いわば首切りみたいなことが行われる可能性もあり、離職後の者を受け入れることを禁止するという法律の趣旨からすれば、定年制がない会社の退職者について受入れを除外することを認める必要性はないのではないかと考えております。
○新谷委員 我々は労働組合ですから、いろいろな企業のリストラに際して労使協議を重ねることがよくあります。
 その中では、このようなケースがありました。正社員をリストラして、同じ従業員の賃金を引き下げて、再雇用みたいな形でそのまま有期雇用で雇い直すというケースです。仕事に慣れているといえば慣れているのですが、雇用の質がかなり劣化してしまったということです。そのようなケースもあれば、まさしくこの禁止の中身と全く同じですが、正社員を一旦全員解雇して、同じ従業員を派遣会社で再雇用し、同じ事業所に派遣をするというケースもあります。
 高橋委員は、なぜ定年退職者だけなのかとおっしゃいますが、たぶん経団連加盟企業では、そのようなことをされる企業は少ないと思いますが、世の中にはいろいろなことを考える企業があるのです。受入れ禁止とした意図を鑑みるとともに、先ほど事務局から説明があったように、定年退職者以外はこの類型は大丈夫だという判断がなかなかつきにくいところもあるという点も踏まえ、ここは、平成20年に論議を尽くし、括弧書きにあるように「定年退職者を除く」としてまとまった建議を尊重し、この類型以外は基本的には例外を認めるべきではないと考えております。
○高橋委員 60歳という年齢を超えた方々については、定年退職者に限ることなく、60歳以上の高齢者は除くという考え方は合理的なのではないかと思うのですが、それがなぜいけないのかが、説明を聞いてもどうしてもよくわからないのです。
○大橋部会長 いま新谷委員からご指摘がありましたが、かつてリストラが盛んに行われた時期に、リストラしすぎて、あとでパートとしてリストラした人をまた雇うという状況があったのです。そういう状況があり得るのを阻止したいというのが趣旨だと思うのです。つまり、既存の働いている方を解雇なり辞めていただいて、もっと賃金が安い形で働くような仕組みを作らないようにするのが趣旨ではないかと思うのです。
○高橋委員 先ほど新谷委員がおっしゃったリストラの話ですが、これは現役世代、60歳未満の段階での話ですよね。
○新谷委員 はい。高橋委員からご指摘のあったとおり、もし仮に定年退職以外に有期雇用でも受け入れ禁止の対象にならないということを認めれば、企業の行動として、たぶん悪徳な企業は正社員を有期に切り替えて、そのまま60歳を迎えて派遣に切り替えさせるということを思いつきますので、ここは定年退職で円満に雇用契約が終了した方だけを例外とするべきだと思います。悪いことを考える会社はいくらでも出てきますので、そこを非常に懸念しています。
○大橋部会長 これを派遣でやるのはよしましょうということですね。
○新谷委員 そうです。ここは平成20年の建議の際も、定年退職者のみを除くとして、論議を尽くしてまとめたわけですから、ここが今回の検討の出発点であり、これが最終的ではないかと思います。
○大橋部会長 よろしいでしょうか。
○高橋委員 良いと言うわけにはいきません。出発点であることは私もわかりますし、平成20年の建議を重く受け止めて、そこから議論するということはとても大事な考えだと思います。それはすべてにおいて原点なのですけれども、それをベースにいろいろ議論を尽くしていくべきだと思います。いまこの段階で60歳の定年退職者のみという皆さんのご主張がどうしても理解ができないのです。
○大橋部会長 60歳を過ぎた方で、定年制がない企業で働いておられて、企業が労務コストを削減しようと考えたときに、新谷委員がおっしゃったような由々しきことが起こり得ると。それを排除したいという趣旨でいいかと思うのですが。
○柴田委員 定年制度がない企業においては、定年と同等の労使の合意によって退職した者とか、退職制度がないことをいちばんご懸念になっているのですよね。
○高橋委員 定年制度でなければ、自己都合で辞めるか会社都合で辞めるかのどちらかしかないですよね。
○柴田委員 だから、定年退職と同等の辞め方みたいな、ゆるゆるなものを入れておいても大丈夫ですかね。それは駄目ですか。
○高橋委員 要は選択の問題であり、選択肢を狭める規制ですよね。
○柴田委員 高橋さんのおっしゃることはよくわかるのです。その会社が、例えば60を過ぎてから短時間勤務とか、5日ではなくて3日とか2日といったフレックスな感じの働き方のメニューがある会社だったら60歳以降でも勤められるけれども、会社にそういう体力がないような場合には、そういう制度を利用して人事制度を活用できないと。本人は働きたいけれども、フルタイムは嫌だといった方がいらしたときに、個人の希望として派遣という道を取っておきたいという、本人の意思がある人をどうするかという話で、一方でこちらはそんなことをしたら悪用されるではないかという話があって、だから本人の意思がどこで確かめられるかといったときにどうするのかがすごく難しいと、確かに思います。
○田畑課長 基本的には、離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者で受け入れることが、ある意味労働条件の切下げとして悪用されるということでこの規定が設けられたということです。ただ、定年退職で一定の線が引かれていてやむを得ず辞める場合に、その定年退職者の雇用機会の確保ということで、これを例外にしましょうというのが平成20年議論だと思います。定年制がないということは、そういった一定のルールの下に辞めさせられることがない方ですので、そういった方々にまで例外として認める必要があるかどうかということは慎重にご議論いただく必要があると思いますし、本人の意思とかそういう話は実際の運用の場面で、例えば会社の整理解雇か自己都合かといったことで、ハローワークの現場でいろいろ議論になりますが、この確認も実際難しいことからすれば、こういった例外規定については厳格にというか、抑制的に運用すべきではないかと。また、それが建議のときのご議論の結果としてこういう形が出てきたということではないかと、事務局としては受け止めております。
○柴田委員 この下の、先ほど言った派遣先はどうやってその人が以前働いていたかどうかを確認するかということについてですが、確かにここは気になります。派遣元は大体履歴書をもらっているので、本人がA社に勤めて退職したことがわかっていると思うのです。だから、もちろん派遣先に対して確認したり照会することはできるので、それはされたらいいと思いますが、事業所をいっぱい持っているような所で、派遣は事業所単位で、A事業所で派遣をやりますといったことになると、派遣先は人事データを持っていないわけで、かつ派遣を受け入れたときには、派遣社員の履歴はもらわないことが原則ですから、その人が同じ会社のB事業所の社員だったということは派遣先ではわかりようがないのです。派遣元事業所に通知することは、たまたまわかったらやるかもしれないけれども、現実にはあまり効果がないかなと思っています。
○田畑課長 当然可能な範囲で人事記録等に照らし合せて調べていただいて、通知をしていただくと。最後は本人にきちんと確認をして、たぶん本人がいちばんよく知っていますので、そこで担保を取っていただくということです。なかなか難しい面があるということはご意見としてあろうかと思いますが、その中でこういった法律の趣旨をご理解いただいて、しっかりと法令遵守で取り組んでいただくということだろうと思っております。
○大橋部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、次に移ります。資料8頁の「一定の有期雇用派遣労働者の無期雇用への転換推進措置」と9頁の「均衡待遇の確保」について、ご質問、ご意見等がありましたらお願いします。
○新谷委員 9頁の「均衡待遇の確保」について申し上げます。今回の法改正の中で、法律の名称に「労働者の保護」という部分が入り、均衡待遇の確保が派遣法の中に盛り込まれたことは非常に意義深いことだと思います。派遣元が配慮すべき事項として、派遣労働者の処遇に関して「一般の労働者の賃金水準等を勘案するように努めること」と書かれていますが、私どもとしては、その「賃金」の中には、通勤手当や災害補償企業付加、安全衛生など、広い意味での賃金に当たる部分、要するに企業から支払われる人件費コストに当たる部分を含んで考えるべきではないかと考えております。今後、これらの内容が指針として書かれる際に、賃金水準に当たるものは一体どこまでを範囲とするのか、取扱いを明確に記述すべきであると考えております。
○田畑課長 賃金と言っても、狭義の賃金と、いまおっしゃったような幅広い意味の賃金があります。均衡配慮するにあたっては、いま新谷委員からご指摘いただいたような数字があることがより望ましいと思いますが、事業所に対する負担も勘案する必要はあるかもしれませんので、いまご指摘のあった趣旨を踏まえて、どういった形でそれを指針にまとめていくかを検討したいと考えております。
○高橋委員 8頁に戻って、前回の会議でも使用者側委員からご質問したかと思いますが、通算して1年以上あるという無期雇用への転換推進措置の対象者の2番目ですが、通算して1年というのはどこまでも遡るということで本当にいいのでしょうか。例えば10年前とか20年前とか、そこに一時期登録して働いて、また久々に登録される方までも含めるということですか。
○田畑課長 実際に人事記録等で確認ができないケースもあろうかと思いますので、そういった場合は会社が保有している範囲で確認ができる場合ということになろうかと思いますが、ご本人がかつて働いていたことがあるということでお願いをしたいということであれば、努力義務規定でもありますので、会社としてそういった方に対する配慮をしていただいてもいいのかなと考えております。法律では過去どの時点までという制限がないので、基本的には過去で1年以上あれば努力義務の対象になるということだろうと思いますが、そういった規定の趣旨にもご配慮いただいて、会社としてできる努力を果たしていただきたいと考えております。
○高橋委員 続いて9頁ですが、均衡待遇の確保のうち派遣先が努めるべき事項の派遣先指針に明記する事項として、2つあります。1つは最初の1行半ですが、「派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準、教育訓練等に関する情報の提供に努めるよう努力すること」の規定ですが、そもそも派遣先として同種の労働者がいるのかどうかという判断、あるいは仮に同種の労働者が存在するとした場合でも、どの程度の情報を提供するのかについては、完全に派遣先の判断に委ねられるという理解でよろしいかどうかということを確認したいと思います。
○田畑課長 最終的には、同種の労働者がいるかどうかといったことの判断は派遣先が行うべきものだろうと思います。こういった指針に沿って、最終的には派遣先でご判断いただいて、同種の方がいるかいないか、あるいは情報としてどういうものを提供するかをご判断いただくことになるものと考えております。
○高橋委員 もう1点、「また」以下の文章ですが、とりわけ最後の部分「派遣元事業主からの求めに応じ、派遣労働者の職務の評価等に協力するよう努めるもの」とあります。もともと労働者派遣は雇用と指揮命令が分離している労働形態なわけですが、雇用主ではない派遣先が派遣労働者の職務評価を行うということについて、これは使用者性の問題とも絡んでくると思いますが、法律的な観点も含めると、どのように解釈をすべきなのか非常に難しいと思うのです。その辺りはどのように考えていらっしゃるかということをお聞きしたいと思います。
○田畑課長 法律上の構成として、派遣労働者の賃金を決めるのは派遣元事業者です。ですので、もともとの法律を今回改正して、派遣元事業主の努力義務として職務の評価等に応じて賃金を決定するように配慮しなければいけないという趣旨の規定が盛り込まれております。それに資するような形で、派遣先においてもできる範囲で一定の協力ができればということで、具体的には例えば出勤の状況、あるいは業務の内容はどういうことをやっているのかということを定期的に派遣元にお知らせするなど、最終的に派遣元できちんと決められるよう、可能な範囲で派遣先でご協力いただくということを考えております。
○高橋委員 派遣先としては、当然企業として自社独自の評価制度を持っていますが、ここの派遣労働者の職務の評価というのは、派遣元の事業主の評価制度に基づいて評価するということですか。それとも、いまおっしゃったように非常に基本的な事項についてお答えをするということでしょうか。
○田畑課長 必ずしも派遣元の人事評価体系を派遣先ですべて把握できるかというと、現実的には難しいところもあろうかと思いますので、そういうことができれば望ましいとは思いますが、最低限として業務の勤怠の状況などは派遣先でなければ把握できないので、そういうところは派遣元に定期的にお知らせするとか、可能な限りでの配慮をしていただくことが派遣先には求められるのではないかと考えております。
○大橋部会長 いかがですか。私がこれを読んでこういう趣旨ではないかと思ったことは、派遣元がいろいろなことで問題意識を持って、派遣先に職務の評価とか賃金や処遇について尋ねるときに、派遣先はできるだけ丁寧に情報を提供してくださいという趣旨ではないかと思ったのです。そういう意味では、派遣元のほうに問題意識がないと質問も出てこないので、派遣元が問題意識を持ったときに情報提供してくださいという趣旨ですので、それほど厳しい指針ではないと思うのです。
○新谷委員 私の出身の産業でも、派遣会社が労働組合を結成しており、そこの組合の人たちとも話をしますが、派遣労働者の成果やスキルは派遣料金にかかわってくるので、派遣先・派遣元ともに派遣労働者をきちんと把握・管理しているようです。もちろん、派遣労働は雇用と使用が分離されていますが、指揮命令権のある派遣先は、労働者の持っている能力や成果を当然把握しているので、それをどういう形で聞くのか、派遣元の処遇制度に従って把握するのか、派遣先に従って把握するのかという違いはありますが、派遣先は労働者の能力を必ず把握できていると思います。高橋委員がご懸念のようなことはあまりないのではないかと思っております。
○柴田委員 これ自体がどうのこうのというのではなくて、現実的ではないと思うのは、派遣先の管理者はもともとその人が例えばエクセルはこれだけできて、これだけのことができてということに対してお金を払っていて、社内のエクセルができる人との均衡ということではなくて、この値段だったらこれだけのものを出しますという派遣元の能力評価と金額の、いわゆる能力と報酬額、あるいは派遣額を見ながら、Aさんはこれだけできると言って、この前受けてすごくよかったけれども、Bさんは同じ値段なのにできませんでしたね、という評価はすると思うし、突然休んだりするとか、そういう勤怠の情報はわかるのですが、それとうちの社内の誰々との均衡というのは、たぶん評価の対象にはしていないと思うのです。だから、ここで均衡は難しいし、派遣のYさんという人がいたとして、その人は複数の派遣先に行っているとして、A社とB社で値段が違うかというと、たぶん派遣元はYさんは時給2,000円でお願いしますとA社に言って、B社にも2,000円でお願いしますと言っているはずだから、A社とB社の社員の賃金水準はどうかといったときに、それは同じではないので、外部労働市場の価格設定と内部労働市場の価格設定をどうやって均衡させるかは意外と難しいのです。派遣元が能力と金額を外部労働市場の価格設定の中で見ていくときに、均衡はどうするのかというのは、理想としてはいいのだけれども、現実的には難しいなという素朴な疑問を持っています。
○大橋部会長 たぶん、いまおっしゃった話ですと、結局派遣元がいろいろな情報を持っていて、同時に職場で派遣労働者がいろいろなことを覚えたりして、次第に成長していくこともあるのです。そういう情報を派遣元が把握して、均衡待遇に合うような労働条件を決めるという発想ではないかと思ったのです。だから、そういう均衡待遇の機能を派遣先だけが持つのではなくて、同時に派遣元も相場はわかっているわけですから、それを見て均衡待遇に向かうということだと思うのです。
○秋山委員 均衡待遇の確保が盛り込まれたのは、同じ仕事をしているのに、正社員と派遣社員で賃金が違うのはおかしいので、待遇の均衡を保とうという考えからではないですか。ですから、柴田さんがおっしゃったように、その人の能力の云々ではなくて、派遣先の正社員との賃金の均衡を図ろうというのが趣旨だったと思います。
○大橋部会長 情報提供の趣旨はですね。
○秋山委員 一方で、派遣される人が非常に優秀であっても、派遣先企業の社員の賃金がそれほど高くなかったら、賃金はそんなには払ってもらえないということが起こると思います。
○大橋部会長 そういうことを含めての情報提供をしてほしいという趣旨ですね。
だから、これはそれほど派遣先にとって大きな負担ではなくて、派遣元がいろいろなことを質問してきたら、応じてくださいという趣旨だと思うのです。
○新谷委員 派遣先の努めるべき事項、努力義務だと思いますが、例えば派遣先が我が社の企業秘密に該当するから、処遇の中身について協力できないと言った場合には、行政指導がどういう形でなされるのか確認したいと思います。
○田畑課長 企業秘密だということですが、個人の情報であれば、例えばマスキングをして、その企業秘密が外に出ないような形での情報提供ができませんかとか、できる限りの努力をしていただいているかどうかを派遣先に確認して、会社の言っていることが理解できるということであれば、それ以上の指導は難しいかと思いますが、そうではなくていろいろな工夫をできる余地があるということであれば、そういった工夫をしていただけないかということを求めていくということだろうと思っています。
○高橋委員 その部分で行政指導をすることがあり得るのですか。
○田畑課長 努力義務ですので、そういった努力をしているかどうかを確認して。
○高橋委員 もし、仮にどうしてもやらなければいけないとすれば、協力を仰ぐことであって、指導するという、そういう話ではないのではないですか。
○大橋部会長 いま、行政指導をするとおっしゃったのですか。
○田畑課長 いいえ、そこは訂正します。
○新谷委員 契約の現場を見ると、派遣元が営業をかけ、派遣先がお客さんになることから、相対的に力関係で派遣元のほうが弱い立場になる可能性が高いと思います。その状態で派遣先に協力を求めても、先ほど申し上げたように、協力できないと断られる事も多く、折角この法律ができたのに、情報提供がないことによって均衡考慮が実現しないという事になりかねません。先ほど私が質問した趣旨は、実効性をどうやって確保するのか、どのように考えているのかとういうことであり、質問を変えて、お答えいただければと思います。
○田畑課長 情報提供が機能しないということであれば、法律の趣旨に鑑みて必要な協力をお願いしていくということで、まずはその実効性を確保していくよう努力をしていくということになろうかと思います。
○高橋委員 機能する、機能しないについて、どうやって判断するのですか。
○田畑課長 例えば、派遣元がいろいろ協力を求めたときの一定の協力をこういった形で指針に規定することにより、協力が行われるだろうということを期待していますが、そういったことがもしほとんど果たされていないということであれば、指針の趣旨に基づいて協力をお願いするということになるのではないかと考えております。
○大橋委員 それでは、均衡待遇の確保と無期雇用への転換についてはよろしいですか。
 次に、資料10頁の「マージン率等の情報公開」についてご質問、ご意見がありましたらお願いします。
○新谷委員 今回、「マージン率等の情報公開」が入ったことによって、派遣労働者がよりよい派遣会社を選択できるツールが出来たと思います。情報公開事項の説明を見ると、「マージン率、教育訓練に関する事項のほか、以下の事項を定めること」とあって、具体的事項の一つとして「その他必要な事項」が書かれています。これは省令で定められるということですが、「その他必要な事項」というのは一体何を想定しているのでしょうか。私どもとしては、ここにも「教育訓練」などと書かれていますが、例えば、社会労働保険の加入状況といったことも、その会社のコンプライアンス度を測るという意味では開示すべき事項の一つだと思いますので、確認させていただきたいと思います。
 2つ目に、情報公開の方法についてですが、「インターネットの利用その他適切な方法により行うこと」と書かれていますが、インターネットの利用というのは、例えば派遣会社がホームページを持っているときに、自企業のホームページだけに、この情報を公開すれば良いということなのでしょうか。例えば、インターネットを利用した情報公開の一つとして、厚生労働省の人材サービス総合サイトの活用が考えられると思います。このサイトには、都道府県別に全派遣会社の情報が掲載されていますが、ここに是非、開示を求められている各社ごとの情報を掲載していただきたいと思います。ポータルサイトといいますか、一覧性のあるサイトの中で、これら公開すべき情報を収録していただくことにより、自分の地元の派遣先がどういうマージン率となっているのか、教育訓練についてはどうなのかといったところが、派遣労働者に一覧でわかるようになると思います。是非、厚労省の人材サービス総合サイトの中に、これらのデータを収録して公開するということも含めて考えてほしいと思います。
 3つ目ですが、マージン率の算定方法の項目に、事業所ごとの開示の例外としてただし書きがあって、「事業所ごとの独立性が弱い場合には、一体的に経営を行っている範囲で算定することを妨げない」と書かれています。そもそも派遣事業は事業所ごとに許可を受けているはずですが、独立性が弱く経営の単位ではないといった事業所がでてくることと、先ほどの許可要件の基準との関係は、どのように整理すれば良いのでしょうか。仮に、一体的に経営を行っている範囲が、「全社で1本です」と申告されたら、事業所ごとに情報開示する必要がなくなると思いますので、一体的に経営を行っている範囲は誰がどういう基準で判断するのか、ただし書きの意味を確認させていただきたいと思います。
○佐藤補佐 まずは1点目の「その他必要な事項」についてお答えいたします。まず情報公開の趣旨ですが、「その他必要な事項」と書きましたのは、積極的に情報公開をしたほうが実態をより適切に表すことができると、それぞれの派遣元事業主さんのほうでお考えになる事項について情報公開をしていただければいいと思っております。例えば事業主さんのほうで福利厚生を充実させているということで、積極的に情報公開していくことが派遣労働者へのPRとか、あるいは実態を積極的に開示していく上では望ましいということであれば、そういうことを公表していくことを考えております。
○田畑課長 人材サービス総合サイトの活用についてですが、マージン率等の公開手段の1つとしてこういった総合サイトの積極的な活用も検討していく必要があると考えております。ただ、マージン率の大小だけで派遣元事業主の評価を行うということになると、数字が高いほうがいい、低いほうが悪いということは一概に言えませんので、そういったことが総合的に判断できるような仕組み作りを考えていく必要があろうかと思います。今後、派遣労働者、派遣先をミスリードしないような仕組みとしてどのような形で掲載するのが適当かということも踏まえて検討してまいりたいと思っております。
 ただし書きの事業所ごとの開示について「事業所ごとの独立性が弱い場合、一体的に経営を行っている範囲内で算定することを妨げない」という規定です。許可は、確かに事業所ごとに行っているものですが、運営の実態となりますと、事業所ごとにすべて、経費を按分して行っているケースばかりではなくて、例えば、エリア内とかブロック内で経費を共通化して運営を行っているケースもあるだろうと考えております。そういった場合にこれを事業所ごとにあえて分割して示させることについては、マージン率が正しい数字ということで示されることにはならない、逆にマージン率を見て派遣労働者なり派遣先が判断をするのに誤った判断をすることにもつながるということで、より正確な数字を公表していただくという観点からこういったただし書きを設けることが適当と考えたものです。どういう形で一体的に経営を行っているかということについては、会社、それぞれが共通経費の処理等を決めていることですので、それについては、それぞれの派遣元、事業主でご判断いただいて、当然、そういった範囲で公開していることについて派遣元事業主が説明責任を負うことになりますが、公開していただくことになろうかと考えております。
○新谷委員 情報公開のマージン率ですが、確かに、マージン率は低ければ低いほどいいというものではないと思います。社会保険料の事業主負担や年次有給休暇の事業主負担の引当分は、当然考えなければいけませんし、教育訓練に対する費用もマージンの中に入ってくるというのは、当然承知しています。そういった意味で、情報公開事項にある「教育訓練に関する事項」とは、マージン率との関係で、どんな形で何を開示するのかということを教えていただきたいと思います。
 それと、「事業所ごとの独立性が弱い場合」と許可要件で経営の単位が違うことについて伺います。我々は毎月、非公開の場で事業許可について審議していますが、そこでは事業所単位で派遣労働者の数などが全て記載されており、事業所は経営の単位としてきちんと管理されています。その「事業所ごとの独立性が弱い」という判断は、一体誰がどんな基準で判断するのでしょうか。おそらくこれはハローワーク、労働局で判断されるのでしょうが、「うちは独立性が弱い」という申告があったような場合、逆に、本当に事業所ごとに労務管理がきちんとできているのか、本当に事業を許可して良いのかなど心配になります。ここは非常に微妙な運用になりますので、「独立性が弱い場合」の要件についてはどのような基準を考えているのか、あるいは、「一体的に経営を行っている範囲」というのはどこまで考えているのか、明確にしていただきたいと思います。
○佐藤補佐 まず、1点目の教育訓練の関係です。いま、例えば教育訓練の関係でいえば、毎年毎年、派遣会社さんには事業報告というものを提出していただいております。その事業報告の中では、例えば教育訓練の種類あるいは対象人数、OJTなのかOff-JTなのか、あるいは実施期間がどれぐらいなのかなどを記載していただいております。そういったことを公表していただくことも考えられますし、あるいは、もっと教育訓練に力を入れておられるという会社さんであれば、もっと充実した内容を公表していただいて、派遣労働者の方々の選択に資するような形で公表していただくことも考えられるかと思っております。
○田畑課長 あとは一体的に経営を行っているかどうかの判断基準ですが、一定のエリア内で共通経費の処理を行っており、経費の按分がなされていないような場合が一体的に経営を行っているということで判断できるものと考えております。一方、例えば事業所が1カ所しかない場合とか、人事、労務管理、営業活動、経理等が各事業所で独立して事業所間の融通がないような場合、これは一体的に経営を行っているとは言いがたいと考えております。最終的に一体的に経営を行っているかどうか、これはマージン率の公開ということで派遣元事業主が行うものですが、当然、どういった範囲でただし書きについて、これを使って公開をするということであれば、それぞれの派遣元事業主がきちんとした説明責任を負うべきものというように考えております。
○新谷委員 最後のところが、理解できません。許可の申請は事業所単位であり、資産など少なくとも事業所ごとに経営の単位としてまとめられたものが、派遣会社から申請されてきます。ところが、このマージン率の開示になると、独立性は弱いということで、その事業所が申請をまた出してくるわけです。許可の単位である事業所が、経営の単位として運営されていないようなところを、本当に許可してしまって良いのか、労務管理の単位として事業所をとらえ許可してしまって良いのか、非常に疑問に思います。
○田畑課長 許可は当然、一定の要件を定めてそういった事業を実施できる能力があるかどうか、労働者の保護が図られないといったことに陥らないかどうかということで、毎月、審査をしていただいているものです。ただ、事業が不適切に行われてはいけないということは当然ですが、適切に行われるとして、より適切に行われるかどうかというところまで許可のところで判断しているわけではありません。
 一方、こういった事業運営の現状についてマージン率という形で公開をする。その実態として経費については、一定エリアで共通経費の処理を行っているケースが相当あるのではないかと思っております。そういった中でこれを事業所単位ということで分割をして示させるということが、マージン率の公開という趣旨に鑑みてどうなのかというようなこともあろうかと思いますので、私どもとしては、事業主の一体的に経営を行っているようなケースについては、その一体的に経営を行っている範囲でマージン率を公開させるほうが、よりマージン率が正確に示されるということで適切ではないかと考えているものです。
○柴田委員 最初に課長がおっしゃった、マージン率と経営のサービスの質を総合的に判断しなければいけないということはまさにとても大切なことで、私が是非ここではお願いしたいことだったのです。マージン率が高いから悪いというのではなくて、高いのだけれどもちゃんとサービスをしてくれて、かつ、マッチング率も高くて、能力もどんどん高まって、派遣社員としての生活が成り立つというような会社をどうやって評価していくかというところは大変難しいのですが、「是非是非よろしくお願いします」と申し上げたいと思います。
○石黒委員 マージン率の公開は、優良な派遣会社が選別され、きちんと残されていくためのものであり、そのことが派遣先や派遣労働者の利益にもなります。その趣旨からすると、先ほどおっしゃったように、マージン率が高い、低いだけで評価することは危険だと思います。やはり、初めに新谷からも申し上げたように、「その他必要な事項」としてこういうものもちゃんとあるということをきちんと明示しないと、マージン率を公開してもあまり意味がなかったということになりかねず、省令の中でどのようなものを開示するかきちんと決めていく必要があると思います。さき程ご回答がありましたように、派遣労働者に教育訓練がきちんとなされているとか、そういうところも含めたことがマージン率の公開でわかるようにしておかないと、マージン率を公開する意義が薄れてしまいます。逆に派遣会社は、マージン率の公開を非常に嫌がっていますので、それがきちんと有効な情報公開になるようお願いしたいと思います。
○田畑課長 マージン率の公開は、いま石黒委員がおっしゃったように、優良な事業主にとっては優良でない事業主を淘汰できるといったことで、選んでもらうときの1つの武器になると考えている企業も多いかと思います。そういったことでは、法律でいろいろな事項も定めておりますし、省令でもいくつかの事項を定めますが、企業がこういった制度をうまく利用して自分たちで積極的に公開をし、うまくPRをしていただく。また、能力のないところはそういったPRが逆にできないということで、同じマージン率の公開でも、いろいろな情報が公開されているものとそうでないものとを見比べることによって、こっちのほうがしっかり取り組んでいるということがわかるのだろうと思います。
 いろいろな必要な事項は法律なり省令なりで規制していこうと思いますが、いま佐藤からも「その他必要な事項」ということで福利厚生などを説明しましたが、それに限らず、自分がPRしたいということを積極的に入れていただくことで一種差別化を図っていただくというのも工夫のしどころかと思います。規則で何でもかんでも書き切るというのがいいかということもあろうかと思いますので、こういった書きぶりにさせていただいたということもご理解いただければと思います。
○高橋委員 すみません、既にご意見が出ておりますが、マージン率の意味合いについては、やはり誤解のないようにしていく必要があると思います。その辺りは、公表していく以上は、行政としてもマージン率というのはどういうものなのかということが誰が読んでも、あるいは見てもわかるように周知の工夫を是非していただきたいとお願いしたいと思います。
 また、先ほどからマージン率は何か優良な事業主を残すというような議論もありますが、私としては、事業仕分けの対象となってしまいましたが、優良事業主のガイドラインのようなものを作っていく、そういう中で今回もあるような「その他必要な事項」といったようなこともガイドラインの中で十分評価をするような取組を通じて、市場で優良な事業主に力を発揮していただく方向性のほうが正しいのではないか、と思っております。マージン率をもって評価するという議論には私は賛同しかねるということです。
○新谷委員 いま、マージン率等の公開について、かなりプラス方向に評価する論議になっていますが、私はプラス面だけではないと思っています。任意項目ですが、毎月の許可申請を見ると、マージン率が5割を超える事業所がときどき出てきます。1日の派遣料金である3万円に対して、「1万6,000円がマージンです」という会社も出てくるわけです。それが本当に説明できるマージンであれば、それに越したことはないのですが、そうでない会社もやはりあると思います。この情報公開を、会社の経営戦略として派遣会社の競争力強化に使うのか、悪徳業者の淘汰に使うのか、我々としては非常に注目しておりますので、是非、行政の指導を適切にしてほしいと思います。以上です。
○大橋部会長 時間も詰まってきておりますが。この前の情報提供の義務とか、現在のマージン率の情報公開、こういった試みは、あるいはこういった規制は、規制といいますか。要するに、派遣労働市場はまだ未成熟です。したがって、そういう労働市場をきちんと機能させるために、やはり情報提供あるいは情報公開はマーケット・メカニズムの基本だと思うのです。そういう意味ではどういう意味があるかと。それは、個々人によって情報提供の意味は違ってくると思うのですが、一応市場全体から見れば、情報はできるだけ流通したほうがいいわけです。そういう点では、派遣労働市場のメカニズムを円滑に機能させるという観点から見ていただいたらいいかと思います。
 時間も少し詰まってきておりますので次に移りたいと思います。次は、4の待遇に関する事項等の説明、5とその他、施行期日等々です。これらについてご意見がありましたらよろしくお願いいたします。
○石黒委員 まず、4の待遇に関する事項等の説明についてです。ここでは、賃金の額の見込み等がいろいろ示されていますが、ある程度派遣可能期間等が決まっている業種もありますので、その他の待遇に関する事項の1つとして、派遣期間の見込みについても説明すべき事項として入れるべきではないかと思います。
 それから、私もずっと認可に関わってきたのでわかりますが、できれば社会保険とか労働保険などの見込みも含めて、それが「その他の待遇に関する事項」に入るのかどうかわかりませんが、説明に加えるべきではないかと思います。
○佐藤補佐 この待遇に関する事項等の説明は雇用契約を結ぶ前の、雇入れ前の説明の話です。法律に「賃金の見込み、その他の待遇に関する事項」と書いてありますので、事務局としてこういう形でご提案申し上げたのです。具体的には、石黒委員がおっしゃったように、例えば想定される就業時間あるいは就業日、就業場所がわかるのであれば想定されるもの。あとは、教育訓練とか福利厚生とか、想定されるものを可能な限り説明していただくことが当然望ましいことだとは考えております。
○石黒委員 望ましいことだとは考えているけれども、そこまで規定はしない、ということですか。
○佐藤補佐 雇入れ前ですので、どこまでできるかということだと思うのですよね。その雇用契約、雇用保険のほうはまた別でしょうけれども社会保険のほうは、例えば1年以上の見込みなのかあるいは2カ月以上の見込みなのかによって介入の有無等々が変わってくると思います。雇用契約見込みがわかるかどうかというところによっても、また変わってくると思いますので、その時点で想定されることについてご説明いただくことが適当ではないかと考えております。
○新谷委員 特定派遣の届出をした派遣会社が、雇用見込み1年以内で派遣元と派遣労働者との労働契約の打切りをしていたケースは、いままで行政指導の事例としてあったのか、教えていただけますか。
○鈴木主任 そういう事例はありました。要するに、実態的には一般の登録型みたいな派遣をやっていたのですが、特定の届出しかしていませんでしたから、行政処分を行った事例はあります。
○新谷委員 いま、石黒委員から確認させていただいたのは、やはりその心配からくるものであり、特定派遣会社なのに1年以内の雇用実態しかないといったことをどう防止していくのでしょうか。防止のためには、書面か何かで明示し、エビデンスを取れればいちばんいいと思っていまして、そういう形にならないかなという趣旨で申し上げたところです。そういう違反事例のあったことも踏まえて、是非対応をお願いしたいと思います。
○鈴木主任 ご指摘のとおり、特定の届出の業者は毎月増加しておりまして、一般からの無許可から資産要件の関係で特定になると、そういう事例もあるように聞いています。各労働局ではそういった事業所を中心に、本当に期間の制限のない常用労働者でやっているのか、定期指導でその辺りを確認するようにしております。今年度は特にまた力を入れてやっていきたいと思っています。
○大橋部会長 よろしいですか。
○石黒委員 そのような違反が起きないように、両面できちんと対応していくべきだと思います。
○田畑課長 「その他待遇に関する事項」ということで就業時間、就業日、就業場所などがありますので、もし決まっているのであれば、説明の中でやっていただくのだろうと思っています。確定していない場合は確定していないということでしか説明できないこともあるかと思いますが、決まっているのであれば、説明すべきだろうと思っております。
 それから、新谷委員から書面でということのお話がございました。実は、前回の説明のときに、「説明の方法として、書面の交付、ファックス、電子メール等の方法により行うこと」ということで「等」が入っておりますが、書面で行ったほうが紛れがないということであれば、この審議会でご議論いただき、説明の方法を、審議会の議論を踏まえて考えたいと思っています。
○石黒委員 ここの説明の方法について、審議会の中で書面が望ましいという議論になれば書面にするというように受け取ってよろしいのでしょうか。今も、ほかの労働契約を含めて、書面でないと非常に齟齬が起こりやすいので、書面で行うという形にしていただければと思います。よろしくお願いします。
○田畑課長 ファックス、電子メールを含めて「書面の交付、ファックス、電子メール」ということで考えたいと思っています。「等」ということで、口頭もあり得るのかなということもたしかご説明申し上げていたと思いますが、できればそこの口頭の取扱いについてどうするかということでご議論いただければと思っています。
○新谷委員 いま、石黒委員から申し上げたとおりですが、説明すべき事項として賃金の額の見込みや事業運営、派遣制度の概要とかがありますが、特に賃金については、労働基準法でも書面による説明が求められており、トラブルを防止する意味からも、申し込み段階から書面で説明することを徹底していただければ、紛争予防になるのではないかと思います。賃金の額は、労働契約が成立すれば、当然、書面による労働条件の通知がされると思いますが、未然に紛争を予防するためにも、よろしくお願いしたいと思います。
○小林委員 今の説明事項というのは事前の件ですよね。ですから、あらゆることが想定されるので、賃金の額についてはあくまでも見込み額になったりするわけですから、書面で書くのであれば、いくらからいくらというような表示になるのかもしれないです。でも、最終的には労働契約として書面で結ばれるわけです。説明事項を見てみますと、労働諸条件と事業運営に関する事項、たぶん会社の概要についての説明というような話になるのでしょうし、労働者派遣に関する制度の概要というのも労働派遣法を含めたいろいろな制度の説明ということになるわけです。これをすべて書面でという話になるのもちょっと難しい面があるのかなと、あらゆる方法があるのではないのかなと、その中から口頭で説明する部分も当然出てくるのでしょう。説明の方法は、「書面の交付、ファックス、電子メール等」というような形でいいのではないのかと私は思います。
○新谷委員 私が申し上げたのは、労働基準法第15条との関係で、どっちみち、労働契約が成立すれば、労働条件通知書は書面で出さなければなりません。いちばん紛争が起こるのは、やはり賃金の額が、言った・言わない、聞いた・聞かないということだと思いますので、いま小林委員がおっしゃったような事業の運営や労働者派遣に対する制度の概要などはここに記載されている方法でいいと思うのですが、少なくとも賃金については書面での説明によるべきではないかというのが私の意見です。
○大橋部会長 それについては、小林委員もご発言の中で同意されましたよね。
○小林委員 はい、同意というわけではないのですが。これは事前の説明ですからね。事前の説明での行為と実際の契約の行為というのはやっぱり違いはあるかと感じます。
○高橋委員 あくまでも見込み額なので、トラブルが生じる可能性もありますよね。見込みで出した場合でも、それが見込みではなくて、この金額をもらえるというように誤解が生じ得る可能性が否定され得ないですね。いずれにしても、雇用契約を結ぶときに時給等がはっきりと明示されるわけですから、雇入れの前の段階の説明としては、必ず書面でなくてはならないとしなくてもよろしいのではないかと思います。
○新谷委員 労働契約の申し込みと承諾という合意のプロセスの中で、申し込み段階でこういう契約でどうだろうかということを開示するわけです。例えば、求人票などだと、賃金の額などが書面でハローワークに掲示されるわけです。後々、賃金の額などが見込みと違ったことにより紛争が起こるケースと、もともと書面によって開示されないことによって紛争が起こるケースを考えたときに、やはり書面で開示されていたほうが、紛争が少ないのではないかと思います。逆に言えば、なぜ書面で説明できないのかということに疑問に感じています。私は、必ず出せるのではないかと思います。
○大橋部会長 その辺はどうですか、実際の運用は難しいと思いますが。
○田畑課長 いま、両方の意見があったと思います。「等」ということでご議論をいただいていますが、いずれにしても、示すものですから、口頭であろうが何であろうが、見込みということできちんとしたものを示していただかないといけない。
 今後、こういった説明事項をきちんと説明していただくという形からすれば、書面の交付、ファックス、電子メールに限るということのほうがより望ましいのかなと。どうしても口頭でないといけないという理由があれば別ですが、書面の交付、ファックス、電子メールといった形のほうが紛れがなくていいのかなと考えているところです。
○大橋部会長 契約を結ぶ際の書類に、一応見込みのようなものも書くという形でよろしいのですか。
○佐藤補佐 実際の契約を結ぶ際にはきちんと文書の形でやるのですが、これはその前の段階です。例えば、派遣会社さんのほうに「私は労働者派遣で仕事をしたいのです」という形で説明に伺ったとき、雇用契約を結ぶ場合に、実際に御社で働いた場合には大体どれくらいの賃金がもらえる見込みなのか、あるいは、御社の概要はどういうものなのか等々について事前の説明をいただく際の説明の事項あるいは説明の方法ですので、雇用契約のときとはまた別の話になります。
○大橋部会長 別ですか。
○佐藤補佐 はい。
○大橋部会長 備考欄にちょっと書くとか、そういう形では駄目ですね。
○佐藤補佐 そうですね、実際に契約を結ぶ際には、それは当然、今でも文書でやっていただいているのですが、その前の段階ですので。
○鈴木主任 ご参考までに申し上げますが、新谷委員がハローワークに求人票で賃金の額をと、おっしゃいましたが、ハローワークに行かれるとおわかりになると思いますが、賃金は10〜20万円とか結構幅があります。職業相談のときに低いほうと高いほうで、どういう場合に高いのかとか、いろいろ聞かれたりするというのがあります。ハローワークでの実態はそういう感じです。
○高橋委員 いまご説明がありましたが、実際に雇用契約を結ぶときは、はっきりと労働条件を明示してお渡しするわけですから、事前の段階まで必ず書面でというのはいかがなものかと考えます。いろいろな選択肢があっても別に構わないのではないでしょうか。誤解が生じる可能性がありますし。
○大橋部会長 ただいま発言がありましたように、求人票程度のものでいいのではないかということです。
○高橋委員 ものすごい幅がある場合はどうでしょうか、時給1,000〜5,000円みたいに。
○大橋部会長 それは見込みになりませんよね。
○高橋委員 でも、それを見込みと言えるのはないですか。
○田畑課長 そういったものでも、このレンジだとか、こういった予定だということを、雇用契約の前の段階で示すべきではないかというのが法31条の2の趣旨ですし、口頭でという方法も考えられないわけではないのですが、いろいろご意見もありましたように、今後のことを考えれば、きちんと書面で示したほうが、より望ましいことは間違いがないのだろうと思っています。そこを、望ましいということではあるのですが、それを義務づけして書面でということとするか、望ましいのだが、義務づけまではしない形にするかというのは、ご判断だろうと思います。私どもとしてはこういうことも考えられるということで提案をさせていただきましたが、よりきちんとこういった条項を担保すべきだということであれば、そこは口頭による説明は認めないという選択肢もあるのかと考えております。
○石黒委員 望ましいという整理だと、たぶん口頭での説明に流れていくかと思いますので、きちんとしたものを作っておいたほうが、良いと思います。
○柴田委員 具体的には、そんなにきちんとしたものではなくても、例えば何と何と何ができるような、こういう派遣の場合には大体いくら、単純作業だったらいくら、何とかだというメニューがあって「あなたがどれに当たるかは、うちの会社で登録するたびにあるいは雇用する前に、ちょっとしたテストをして、どれに当たるかはそのあと決めます」という程度のものも入っているのだと思います。逆に派遣元が派遣労働者から誤解されないようにするために紙でちょっと渡しておいたほうが、お互いにあらぬ誤解が生じない。たぶんその人特別のものではなくて、求人票みたいなものですから、こういう場合はこうだとかという自分たちがやっているものを、私たちが審査するときと同じような感じで、何々派遣だったら平均いくらみたいな感じのものを出して、評価によって違いますぐらいなのかなという感じがしています。そういう意味ではお互いに書面になっていたほうが、後々楽なのではないかと思います。
○大橋部会長 ということでいかがでしょうか。求人票程度の非常に簡便なもので、なおかつ繰り返し使えるものを用意していただいて、それを労働者にお渡しすることにさせていただきたいと思います。
○高橋委員 でも、当然雇用契約でしっかり労働条件を定めるとともに、今回は12頁にあるように、派遣料金の額の明示もするのですよね。そういうこともあるのですから、どうして雇入れの段階までは書面でなければならないとしなければいけないのかというのが、よくわからないのです。
○大橋部会長 いま言ったのは、書面というよりは、派遣元が資料を揃えておいて、例えば事業運営に関する事項とか、うちはこういうことになっていますという、資料をできるだけ書面で渡すということではないでしょうか。
○高橋委員 書面が望ましいという考え方は理解しますが、口頭を排除しなければならないというのはなぜですか。
○大橋部会長 排除するわけではないと思います。
○高橋委員 であれば、「等」ということで、よろしいのではないかと。
○田畑課長 もともと口頭でもやらなければいけない話ですから、口で言うのを紙に書くだけという考え方もたぶんあろうかと思います。そこが事業主のどの程度の負担かという話もあるのだろうと思いますが、いま部会長が言われたように、待遇の説明ということで、例えば登録型派遣の登録を希望する方に説明するときは、ちゃんと紙を準備してやるのが通例だと思いますし、さほど事業主の負担にもならないのかなと考えています。
 また賃金の額ということで書いていますが、当然賃金もレンジで構わないということになろうかと思います。そういった観点からすれば口頭でなければ駄目だという必然性がどの程度あるのかとも事務方としては考えています。
○高橋委員 理解できないのですが、別に口頭でなければいけないと言っているわけでもないし、口頭というオプションを残したほうがいいのではないかと言っているのです。最初から否定しているような感じがします。
○小林委員 私も高橋委員と同じような考え方です。前提は契約前の待遇に関する事前の説明ということで、3つの項目があるので、すべて書面でというのは難しい部分もありますし、そういう意味では説明方法を省令で定めるのであれば、何々等という口頭でも含めて説明をするということでよろしいのではないかと思います。これは実際に労働契約という形で契約して、勤めることになれば賃金も明確になるでしょうし、労働条件通知書の中に、いろいろな諸条件も書かれるわけですし、逆に勤めたあとでも、労働者派遣に関する制度の概要についても違った意味でペーパーも渡すのだと思います。
 なおかつ、次の頁の「明示すべき派遣料金」についても実際に、該当する労働者派遣事業所における1日当たりの派遣料金の平均額等も聞くわけですから、事前の段階、契約段階、契約以降の段階は明確にしておいたほうがいいのかという意味で言ったわけです。
○新谷委員 あまりこだわるところではないと思いますが、なぜ使用者側委員が、口頭というオプションを残したいのかという理由が全くわかりません。小林委員も12頁の話をされましたが、フェーズが全く違うわけです。おっしゃるとおりです。フェーズが全く違う話を持ち出してきて、ここでやるから、これでいいのではないかという理由も全然わかりません。いちばん想定されるのは登録派遣の際に、こういう労働条件でうちはやっていますというのを示すケースが多いと思いますが、なぜ書面で説明できないのでしょうか。
 「あのとき口頭で聞いたけど、いくらと言ったよね」という、言った・言わないという紛争を考えれば、書面で説明したほうが、明らかに紛争防止につながります。どこの会社でもそうですが、「うちの会社で働きませんか」と言うときに、労働条件のコアになるのは賃金です。「うちの会社の会社概要はこうなっています」というのを、なぜ書面で説明できないのか、口頭でなければなぜいけないのかというのが私は全くわかりません。
○大橋部会長 すみません。時間の問題もありますので整理させていただきますと、説明事項というのは非常にラフな形で書かれており、事細かにこれとこれとこれは書面でなければならないということは書いてないのです。そういう意味では、「電子メール等」はあってもなくても、極端なことを言えば、何か書面らしきものを渡しておけば一応クリアしたことになりそうなのです。という程度のものですので、「等」が入っても入らなくても、あまり大きな実質的な差はないと思います。
○生田部長 議論がだいぶ混乱しているようなので整理させていただきたいと思います。まず法律の31条の2という条文は、確かに契約締結段階ではなくて、その前段階での義務事項として法律上明記されたということです。法律上明記されたので、なんらかの形で説明しなければいけないのですが、その説明の方法として書面でやるやり方と、口頭でやるやり方がありますし、説明事項の内容によって、場合によってはこういう事項に書面を限定するというやり方もあるということで、議論の最初は賃金の額の見込みについては、さすがにトラブルが起きる可能性もあるので書面という考え方もあるかなということで、わりと議論がされていたようですが、途中から全体について書面という議論になっていって、だいぶ混乱していると思います。
 事務局の考え方としては、もちろん最終的にはこの部会で仕切っていただければいいと思いますが、31条の2の条文でも、いちばんの典型例として書いているのが「賃金の額の見込み」で、これは非常に大事だという考え方だと思います。
 それから、私どもの担当から申しましたように、職業紹介に当たっても、賃金が大体このぐらいだということで、ある程度幅があったとしても、それを目安にして紹介を受けるかどうかを決めるので、そういうのは一切なしで判断するのはなかなか難しいということも考えますと、ある程度の幅があることを前提にして、賃金の額の見込みということも、はっきり我々としても周知をしたいと思います。
 それを前提に、この部分については書面ということが考え方としてあり得るのではないかと思いますが、それで仮に皆さんの合意が得られるのであれば、ここは書面ということで書面、ファックス、電子メールに限定して、それ以外はたくさんありますので、労働者派遣に関する制度の概要、事業運営といったら、会社の概要みたいな話になりますから、全部書面できっちり説明するのは難しいかもしれませんので、そのあたりについては口頭を交えてやるのも構わないという整理の仕方で、よろしければ是非、そうさせていただければと思います。
○大橋部会長 では、次回ぐらいまでにその辺を整理して、出してください。あと施行期日についてはよろしいですか。
○新谷委員 12頁がまだ残っていまして、これは意見として聞いていただきたいのですが、もともと建議の段階あるいは閣法で出ていた段階では、明示すべき派遣料金の額は、当該派遣労働者に係る1日当たりの派遣料金だけだったわけです。自分の派遣料金が一体いくらなのかを、当該派遣労働者が知るということが、派遣会社の選択あるいはモチベーションという意味では非常に重要だと思っていたのですが、参考に書いてありますように、国会での論議の中で、平均額でも構わないということで選択制になったということについて、非常に残念だということを申し上げておきたいと思います。
 もう1つ、明示の方法について、先ほど電子メールというのが出てきたのですが、電子メールというのはどこまで信頼できるものなのでしょうか。法律とか省令とか施行規則の中で、電子メールが一体どういう位置づけで扱われているのか、書面と同等に扱われているのか、どういう扱いとなっているかを、事務局でわかれば教えてほしいと思います。
○佐藤補佐 現状の整理についてご説明します。いま派遣元事業主の講ずべき措置ということでは就業条件の明示等々の義務が課されています。その場合の方法として、まずは書面の交付、派遣労働者が希望した場合にはファックスあるいは電子メールでの対応でもいいということになっておりますので、いわゆる文字になっているということで書面と同じ位置づけというか、書面とファックス、あるいはメールが同じではないかという整理をして運用しております。
○新谷委員 仮に紛争になったときに、電子メールに証拠能力はあるのでしょうか。
○三上企画官 一般論ですが、例えば裁判等において、打ち出された電子メールが提出された場合には一応裁判上の証拠として、それを信用できるかどうかについて裁判所が最終的に判断します。打ち出されたもの、電子媒体が提出された場合については、証拠として認定される可能性があると聞いております。
○大橋部会長 その他よろしいでしょうか。次に前回の議論を踏まえて、日雇派遣の原則禁止とグループ企業内派遣の8割規制についての資料を、事務局に整理していただいておりますので、事務局から説明をお願いします。
○佐藤補佐 右肩に「追加配布資料」と資料番号の振ってあるものに即してご説明します。1頁は日雇派遣について整理をした資料です。今回の派遣法改正によって日雇派遣は原則として禁止されることになりますが、ここで言う日雇派遣というのは、雇用期間が日々、あるいは30日以内である労働者を派遣するということです。イメージ図の例1にあるように、労働契約は30日以下であれば、今回の日雇派遣の原則禁止に抵触することになります。一方、労働契約が31日以上であれば、ここでは???という形で複数の派遣契約が締結されて、それぞれの派遣契約期間が30日以下であったとしても、今回の日雇派遣の原則禁止には抵触しないということです。あくまでも派遣元事業主と派遣労働者との間の労働契約の期間が今回は問題となるわけですので、派遣元事業主と派遣先との間の派遣契約期間が制限されるということではありません。
 2頁は前回説明した標準生計費の資料です。具体的な説明は前回しましたので、今回は割愛しますが、この資料についてご説明した際に、部会長より2〜4人世帯の標準生計費の加重平均を出してほしいというご指示がありましたので、事務局としてその点について整理をしたのが資料の3頁です。
 3頁の上の段に世帯構成の状況ということで国勢調査の結果を付けています。一般世帯総数約5,184万ありますが、そのうち世帯人員が2人世帯は1,412.6万、3人の世帯数は942.2万、4人の世帯数は746.0万です。加重平均を取るために2〜4人世帯の割合を計算した結果が、割合という太い黒枠で囲っている部分で、2人世帯が45.6%、3人世帯が30.4%、4人世帯が24.1%です。
 この結果を用いて、2〜4人世帯の分布を考慮した標準生計費の加重平均を算定すると、?の表で、年間算額は平成23年4月の標準生計で270.0万円で、これを掛ける2倍すると539.9万円という結果になっています。なお、参考に書いてありますが、求職者支援制度の給付金の収入要件の議論の際に議論の材料とした、平成22年4月の標準生計費に基づく加重平均を計算すると年間算額で288.1万円となっています。こういった数字をご参考にしつつ、数字について引き続きご議論いただければと考えています。
 4頁は家計調査の調査対象となる勤労者世帯の所得分布です。人事院で標準生計費の算定をする際に、家計調査における平成23年4月の費目別平均支出金額を基に算出していますので、そこでの標本世帯の所得分布を整理したのが下のグラフです。いちばん下は年収で、調査月を含む過去1年間の収入で、世帯数の平均年収の分布です。いちばん多いのが800〜900万円、次が450〜500万円、その次が1,000〜1,550万円という分布になっています。
 5頁は日雇労働者の就労支援についてということで、今回の派遣法改正によって、日雇派遣が原則として禁止されることになりますが、さまざまな支援策を講じることによって日雇い等での就労を希望する労働者の就労機会を確保していきたいと考えています。
 具体的にはイメージ図があります。日雇労働者が仕事を探す際に、仕事情報ネットを通じて日雇いの求人検索をしやすくして、そういうことを活用しながら日雇求人を紹介していく。これはハローワークでの紹介、相談は可能な限り長期で安定雇用を支援していくということですが、こういうことできめ細かい相談あるいは支援を行っていく。
 派遣元事業主に対しては、派遣事業者が職業紹介事業との兼業をする、あるいは職業紹介事業への移行支援に向けての取組を円滑に進められるように、さまざまな先行事例などを集めた事例集を作成しておりますので、こういったものを普及させていき、こういったことによって日雇労働者の継続的な就労確保へつなげていきたいと考えています。
 5頁までが日雇いの関係の資料で、6頁以降がグループ派遣の関係です。関係派遣先のイメージということで、6頁目の資料を用意しております。前回もご議論いただきましたが、平成20年9月の建議では、グループ企業が「親会社及び連結子会社」と整理されていましたので、今回の建議を尊重する形で、改めて整理して、事務局として資料をまとめました。
 ここでグループ企業の範囲を以下のように整理してはどうかということで、連結決算を導入している場合、連結決算を導入していない場合と分けて整理しています。連結決算を導入している場合は?に親会社等とありますが、派遣元事業主が連結子会社である場合の派遣元事業主の親会社等ということで、通常の親会社です。イで親会社等の子会社等とありますが、親会社等の連結子会社(会計上の連結子会社)にしてはどうかと考えております。
 ?は連結決算を導入していない場合です。前回提案したとおり、親会社の概念は、派遣元事業主の議決権の過半数を所有している、資本金の過半数を出資あるいはこれらと同等以上の支配力を有する者。親会社等の子会社等ということですが、これも同じように派遣元事業主の親会社等が議決権の過半数あるいは資本金の過半数、これらと同等以上という形で整理をしてはどうかということで、改めて整理しました。
 イメージ図を7頁、8頁で付けています。7頁は連結決算を導入している場合の図です。上のほうに親会社があって、派遣元事業主は議決権の過半数を持っている場合に、グループ内派遣が8割以下でなければいけないという制限を図るわけですが、(注1)に書いてあるように親会社と子会社が一体となって他の会社を支配している場合、あるいは子会社1社で他の会社を支配している場合などには、その他の会社(孫会社)も親会社の子会社とみなされる。(注2)に書いてありますが、連結子会社の範囲は実質的な支配力があるかどうかで判断をするということです。
 8頁は連結決算を導入していない場合ですので、こちらも外形的な基準による判断をしていくという形で対応していけばどうかと考えています。
 9頁は前回の部会で海外派遣の議論がありましたので、参考までに資料を用意しました。海外派遣というのは、派遣労働者が日本以外の地域に所在する事業所等において就業させるための労働者派遣のことを派遣法上では言っています。その場合に派遣元事業主にはいくつか義務がかかっています。まず海外派遣をしようとする際には事前に届出書を作成して提出しなければいけない。派遣元事業主が派遣契約を締結する際には、海外派遣に係る派遣先が派遣先責任者を選任する、あるいは派遣先管理台帳の作成・記載等の処置を講ずべき旨を派遣契約の中できちんと決めなければいけないという形で、現在派遣法の中でも、既に一定の規制があります。説明は以上です。
○大橋部会長 それでは、順番に行きたいと思います。最初に1頁の日雇派遣についてですが、これについてご意見がありましたらお願いします。柴田委員、これでよろしいですか。
○柴田委員 うちの子たちが言っていたのは、派遣会社の社員がやって来て「お宅には週2日の派遣はできません」と言っているらしいのです。派遣法の改正があったときに、そうではないという説明は、私は担当者たちには言っています。これでわかるのですが、短期の派遣先との契約は、いわゆる日雇労働派遣契約とは違うのだということがわかるような書き方が注にあったらいいかなというぐらいの感じはしています。相変わらず派遣会社の営業の人が誤解しておられる感じなのです。もちろんこんなことをやる能力がないと、始めから短期派遣を辞めてしまうということがあると思います。派遣先との短期派遣契約を制限するものではないという感じのものが、注にあればいいかなと思います。
○三上企画官 本日の資料については、この場の議論のための資料ということですので、こういう書き方にしてありますが、今後、周知する場合は、その点についてきちんと周知してまりいたいと思います。
○柴田委員 Q&Aみたいなところで、どこかでわかるようにするという方法もあると思うのでお任せします。
○大橋部会長 よろしいですか。
○高橋委員 前回の日雇派遣の続きの議論をしたいと思います。なぜ2倍なのかという、掛ける2倍というのは。
○大橋部会長 それはまたあとでお願いします。その問題は次回にもやりますが、もう1つ片を付けておきたいのは、関係派遣先のイメージです。これは高橋委員がご指摘されたところですが、これはいかがですか。
○高橋委員 これは問題がある案だと思います。と申しますのは、6頁に書かれたように、連結決算を導入しているかしていないかで扱いが違うのです。それによって関係先の範囲が異なってしまいます。こういうことで果たして規制のあり方としていかがなものかということです。
 前回の議論のおさらいになってしまいますが、たとえ連結決算を導入している場合でも、国際会計基準に基づく開示か、日本基準による開示かによって関係先が異なってしまう。あるいは同じ基準で導入したが、監査人の意見によって関係先が異なり得ると。このように財務に準拠して、労働規制がその企業や企業グループごとに異なり得る規制を設けるという提案に、なぜ急に変わったのか理解できません。どのような会社であっても、どのような企業グループであっても平等な規制を講じる必要があるのではないかという主張を繰り返させていただきたい。そういう意味では前回出された案を維持すべきではないかという主張です。
○田畑課長 そもそも派遣事業は、労働力の需給システムとして行われるものです。そういった趣旨で労働力の需給システム機能を持たない労働者派遣は、派遣法の立法趣旨にそぐわないということで、専ら派遣が禁止されているわけですが、それ以外にもグループ内で派遣会社を設立して、第2人事部的に活用することを制限しようということで、このような派遣法の趣旨にそぐわない派遣形態を制限することで、平成20年の建議がまとめられたと理解しております。
 そういう経緯を踏まえて、平成20年の建議では、グループ企業の範囲が親会社及び連結子会社とされたものと理解しており、こういった形の提案にしたものです。連結決算を導入していない企業とのバランスの話がありましたが、連結子会社という概念を連結決算を導入しない企業にも当てはめるとなると、連結範囲の確定など、実務的になかなか難しい面もあります。
 そういうことで連結決算を導入している会社の場合は、会計上で連結子会社の範囲が確定しているということで、その連結子会社の範囲をそのまま使うことにして、それ以外の会社、会社ではない場合もありますので、そういった場合においては、前回の部会で提案したような範囲で親会社、子会社を考えていくことが建議の趣旨にも沿いつつ、かつ、実務上の観点からも適当ではないかと考えて提案したものです。
○高橋委員 私が問題にしているのは、労働規制を講じる際に、日本の企業あるいは企業グループごとに関係先の範囲が異なっていいのですかということを質問しているのです。いまの説明は全く答えになっていないです。その点をきちんと説明していただきたい。
○大橋部会長 専門家の話を聞いたところ、まず国際会計基準と日本の基準で、現在、日本の基準は国際会計基準に近づきつつある。日本の会計基準は子会社について実質的な経営支配権があるかないかというところで決めているということです。そうすると、あと実質的な支配権がどうのこうので、それがはっきりしないと言われると大変困るので、これは運用の問題として評価してもらったらいいと思います。
 ただ、アメリカ基準というのは、日本で有名な、非常に数少ない企業がアメリカの基準で、非常に形式的な持殊比率でやっているということなので、そういう意味では経営的支配権がある、ないということでいいのではないでしょうか。
○高橋委員 先生がおっしゃるように、日本基準も国際会計基準も実質基準であることには間違いありません。それは同じです。ただし、日本の基準と国際会計基準で微妙に違うのです。前回もお話したように、日本基準の場合は、一時的な所有といったようなものを除くということがありますが、国際会計基準はそういうものがなく、概念がより広いのです。
○大橋部会長 次第に近づきつつある状態。
○高橋委員 それがまだ移行期であって、国際会計基準に基づく開示というのはまだ数社にとどまっています。これからたぶん国際会計基準に基づく開示は増えてくると思いますが、この規制は今年の10月から施行する規制で、そういう移行過程における規制のあり方ということとも関係してくると思います。
 今回示されたのは上場しているか、していないかによって、関係の派遣先が明らかに異なるということです。連結決算を導入していない場合は形式基準で、連結決算を導入している場合は実質基準ですから、労働規制のあり方として、それはいかがなものですかということを私は問うているわけです。
○大橋部会長 ただ会計基準も実質的な支配権があるか、ないかによって連結かどうかを決めているわけですから、元のところは同じではないかということです。
○高橋委員 非上場だったら連結決算で開示する必要はありませんから。
○大橋部会長 開示する必要はありませんが、この案を見ますと、連結決算を導入していない場合、実質的な議決権過半数と書いてあるから同じではないかと思うのです。
○高橋委員 違います。そうではありません。
○新谷委員 前回も申し上げたのですが、平成20年の建議には、連結子会社と書いてあります。高橋委員にお聞きしたいのは、このときも使用者側委員に高橋委員も入っておられたと思いますが、この建議をまとめたときに、そういう論議があったのかどうかです。建議としてまとめた中身を覆すということになると、禁反言とか信義則の問題になると思います。あるいは、事情の変更の原則に従って、この4年間に連結決算の範囲で考えるべきではないという、大きく覆す事情について説明してもらわないと、卓袱台をひっくり返すような話になります。「連結決算ではない」と唐突に言われましても、それでは、この建議は一体何だったのだということになると思います。
 もう1つは、実際の運用のことを考えると、グループ企業の子会社の範囲を連結財務諸表に書いてある子会社とすることは、たぶんエビデンスとしていちばん使いやすいと思います。もし仮に、それ以外のものを、運用で使うとなったときに、ハローワークや労働局はどのような資料で、子会社の範囲を特定させるのでしょうか。高橋委員がおっしゃるようなものを、新たに派遣会社に確認資料として提出させるとなると、ものすごい事務量になる可能性があります。その辺の運用をどう考えているのでしょうか。財務以外の人事の指標を作るべきだというのはご指摘のとおりですが、運用として実務が回るかどうかということもよく考えなければいけないと私は思います。
○高橋委員 平成20年9月の建議以降に起きた事象として、平成22年3月期決算で初めて我が国において国際会計基準と開示がなされたということは大きな違いなのです。要するに日本基準から国際会計基準にこれから移行しつつあり、国際会計基準の開示はまだ数社にとどまっており、アメリカ基準も存在します。そのような事情の変更も考慮する必要があるのではないかと思います。
 では、連結子会社ではなく、どのように決めるのかと言ったら、前回の事務局の案にあるように、議決権の過半数ないしは資本金の過半数を出資していると明確に定義をすれば、すべての企業及び企業グループに対して平等な関係派遣先の確定ができるということで、運用上も何ら問題はない。親会社に議決権の過半数ないしは資本金の過半数を出資している会社はどこですかと派遣元会社は聞けばいいわけで、何の問題もないと思います。
○新谷委員 私がお聞きしているのは連結子会社の話であり、IFRSの話をしているわけではありません。建議には連結子会社と書いてあるにもかかわらず、原案は「連結」を外して書かれており、その原案どおりにすべきだとおっしゃっているわけですよね。この4年間に連結会社というのはなくなったのですか。この4年間の変化として、IFRSは確かに加わりましたが、連結子会社という概念は財務諸表の中にもともとあったわけですから、この4年間で何ら変化していないのです。それをなぜ連結を外せと言うのか、そこの説明が全くできていないと思います。
○高橋委員 そうではなくて、私も全く理解ができないのです。これはいま関係派遣先をどのように確定するかという議論なのです。
○石黒委員 それで、平成20年のときに連結子会社でやりましょうということで確認されたわけで、なぜ、この4年間で連結を外さなければならないのかという理由が、説明されていないと思います。
○高橋委員 関係派遣先の確定が企業グループによって異なっていいのですかということです。
○新谷委員 それで確認資料を出せというのはできますか。
○高橋委員 できます。「議決権の過半数ないしは資本金の過半数を出資している所はどこですか」と親会社に聞けばいいのです。何の問題もないですよ。
○柴田委員 そうすると、7頁の図だと連結子会社Bは当たらなくなるということですね。
○高橋委員 そうですね。
○柴田委員 そこがいちばん大きい。あとは次の頁の議決権過半数と出資割合過半数が両方入っていますから、連結子会社Bの扱いだけがちょっと不平等ではないかという感じですね。
○新谷委員 政省令については、平成20年の建議がベースになるべきだと考えています。これが出発点で、これ以外にありません。高橋委員がおっしゃる、「連結子会社」から「連結」を外すべき理由についての説明では、この4年間に何が起こったのか、全く説明になっていないと私は思います。
○大橋部会長 時間も迫ってきました。この問題については、建議もありますし、法律も国会で通っていますから、その辺も踏まえて、次回に少し議論を整理させていただきたいと思います。柴田委員のご指摘のように、議決権が50%以上なら同じですね。
○高橋委員 50%以上にすればいいわけですから。
○大橋部会長 だから、これを50%以上にすべきだという意味ですね。
○高橋委員 そうですね。前回事務局にお出しした案でいいのではないかということです。
○大橋部会長 わかりました。事務局のほうで整理していただきます。
○新谷委員 確認ですが、今日いただいている資料の7頁の連結の意味は、企業グループとして一体的にこの事業の運営をやっているかどうか、そこに派遣するかどうかが基準になると思います。そのときに(注1)で書かれていますが、子会社1社で孫会社を支配するケース、まさしく実質支配を有している場合ですが、いわゆる第3世代というか、第4世代もそうですが、1社で100%持っているという所は子会社等に含まれるという解釈が入っています。一体でのグループ経営を指向しており、そこに派遣するかどうかが問題ですので、ここも子会社等の範囲として検討の中に入れていくべきだと思います。
○大橋部会長 時間がありませんが、問題点を高橋委員から指摘したいということですので、収入制限について、ご意見があればお願いします。
○高橋委員 前回も私は質問も兼ねて意見を申し上げたのですが、なぜ2倍なのか。掛ける2倍ということの合理的な根拠を、事務局として案を出している以上は説明責任があろうかと思いますので、次回はなぜ2倍ということに基づいて議論していただきたいと説明しているのかです。
○大橋部会長 2倍というのは、例えば標準生計費が270万円で、550万円ぐらいですが、550万円以上の家計は何パーセントぐらいでしたか。500万円以上だと67%、年収が600万円以上だと52%です。
○高橋委員 それはどの数字ですか。
○大橋部会長 この分布から計算したものです。
○高橋委員 これはあくまでも家計調査のサンプル世帯の所得分布であって、ご承知のとおり、家計調査は、非常に記入者負担が重くて、公務員世帯が多いと一般的には言われていて、日本の全体の世帯の勤労者世帯の所得分布として用いるのは不適当であると私は感じています。
○大橋部会長 大まかな目安にはなると思います。
○高橋委員 この前も私はご紹介しましたが、国税庁の民間企業の実態と給与所得をベースに稼得されている方を全体で取れる統計がありますので、こうした狭いサンプル、偏ったサンプルで議論するのではなくて、もっと大規模な調査を参考にすることもでます。
○大橋部会長 分布についてはともかくとしてこういう表から、大体550万円とか600万円とか500万円といった数値が、どういう意味を持っているかを探ってやっていくのがいいかと思います。事務局のほうはこだわっておられますが、2倍というのは、そういう数値を見たときに、そんなに変な数値ではないなというのが私の印象です。
 それともう1つ、次回考えていただきたいのは、今度は低いほうをどのように考えるかということですが、低いほうのいちばんの問題は、日雇派遣で働いている方が家計の収入の中で非常に多くを占めている場合に、日雇派遣というのは非常に不安定ですから、それがなくなったときに標準生計費が確保できるかどうかが視点になるのです。ですから、非常に多くを日雇派遣の収入に依存している家計は、非常に収入が不安定ですから、それがなくなった場合に直ちに標準生計費を割るということになると、多いに困るということで、その辺も考え方の基準になると思っています。したがって、いろいろな手掛かりを求めながら、少し調整してみたいと思います。
○高橋委員 所得分布を見ながら考えるというのは、とても好ましい考え方だと思いますので、サンプル調査の所得分布ではなくて、国税庁の統計に基づく所得水準統計など、収入がわかる統計を併せて提出していただきながら、議論を進めていただきたいと思います。
○大橋部会長 2倍というのは、そういうのを見たところでは、そんなに変な数値ではないので、全く根拠がないと言われると困るかと思います。
○高橋委員 既に何度も申し上げておりますが、国税庁の統計で見ると、2倍はとても違和感のある数値です。
○大橋部会長 これは日雇労働者含めた家計全体の収入ですね。だいぶ時間も過ぎましたので、いろいろなご意見がまだあるかと思いますが、次回に議論をさせていただくことにして、本日はここまでとさせていただきます。
 事務局には政省令等の改正のとりまとめに向け、本日の議論を踏まえ、必要な資料をご準備していただきたいと思います。事務局から連絡事項がありますか。
○佐藤補佐 次回の部会は6月18日を予定しております。詳細については、追ってご連絡いたします。以上です。
○大橋部会長 それでは、次回の部会については、追って事務局からご連絡が行くとのことですので、委員の皆様よろしくお願いします。
 それでは、以上をもちまして、第175回労働力需給制度部会を終了いたします。本日の署名委員は、使用者側代表高橋委員、労働者側代表新谷委員にお願いいたします。委員の皆様、どうもありがとうございました。


(了)

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