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2012年2月24日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会議事録

医薬食品局食品安全部企画情報課

○日時

平成24年2月24日(金) 9:30〜12:30


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)17階専用第18〜20会議室(国会側)〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2


○出席者

(委員)

阿 南    久 安 藤 言 枝 大 澤 真木子
大 野  泰 雄 大 前  和 幸 春 日 雅 人
岸    玲 子 栗 山 真理子 鈴 木    豊
徳 留 信 寛
西 島 正 弘 山 内 明 子 山 本 茂 貴
若 林 敬 二 渡 邉 治 雄 明 石 真 言
浅 見 真 理 角 美 奈 子 高 橋  知 之
田 上  恵 子 松 田 り え 子 山 口  一 郎

事務局)

三浦食品安全部長 篠田大臣官房審議官 木村大臣官房参事官
吉岡企画情報課長 森口基準審査課長 滝本監視安全課長
道野輸入食品安全対策室長 温泉川食中毒被害情報管理室長 山内国際食品室長
山本課長補佐

○議題

議題

(1)審議事項
?食品中の放射性物質に係る規格基準(案)について
?食品添加物の指定等について
  ・サッカリンカルシウム(新規指定)
  ・サッカリンナトリウム(使用基準改正)
  
(2)報告品目
?農薬
  ・アルジカルブ及びアルドキシカルブ(暫定基準の見直し)
  ・カルボキシン(暫定基準の見直し)
・チジアズロン(暫定基準の見直し)
・プリミスルフロンメチル(暫定基準の見直し)
・ベンフルラリン(暫定基準の見直し)
 ?動物用医薬品
  ・セファロニウム(暫定基準の見直し)

(3)文書による報告品目
 ?農薬
  ・クロラントラニリプロール(適用拡大+インポートトレランス申請)
  ・シアゾファミド(適用拡大)
・シエノピラフェン(適用拡大)
・シフルフェナミド(インポートトレランス申請)
・ピリダリル(魚介類) 
  ・ミクロブタニル(適用拡大)
・メタラキシル及びメフェノキサム(インポートトレランス申請+魚介類)
 
?農薬及び動物用医薬品
  ・オキソリニック酸(適用拡大)

報告事項
 (1)平成24年度輸入食品監視指導計画(案)
(2)食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について

○議事

○山本補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会放射性物質対策部会合同会議」を開催させていただきます。
 本日は御多忙のところ、御参集いただき、誠にありがとうございました。
 本日の議事につきましては、議題「?食品中の放射性物質に係る規格基準(案)について」は分科会と部会の合同会議とさせていただいております。
 それでは、本日の出欠状況について、御報告いたします。
 本日は、石川委員、伊藤委員、寺本委員、西内委員、毛利委員、青野委員から御欠席との御連絡をいただいております。
 そのほか、安藤委員、渡邉委員は遅れて御出席との御連絡をいただいております。
 現在の分科会総数20名のうち、現時点で13名の御出席をいただいており、出席委員が過半数に達しております。
 また、放射性物質対策部会委員総数11名のうち、9名の御出席をいただいており、こちらも出席委員が過半数に達しております。
 よって、本日の合同会議が成立しておりますことを御報告申し上げます。
 続きまして、本日の議題につきまして、お手元の議事次第にございますように「?食品中の放射性物質に係る規格基準(案)について」「?食品添加物の指定等について」の2題について御審議いただき、その後、何点か事務局から御報告を申し上げます。
 なお「(1)審議事項」の?以降につきましては、合同会議ではなく、食品衛生分科会として審議をお願いいたします。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 資料1といたしまして「審議事項に関する資料」。
 資料2といたしまして「報告品目に関する資料」。
 資料3といたしまして「文書による報告品目に関する資料」。
 資料4といたしまして「報告事項に関する資料」。
 そのほか、参考資料1〜6のハードファイル、分科会の先生方には分科会の基礎資料のハードファイルをお配りしております。
 資料の不足や落丁等がございましたら、事務局までお申し付けいただきますようお願いいたします。
 それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)
○山本補佐 以降の進行につきましては、岸分科会長にお願いいたします。
○岸分科会長 それでは「?食品中の放射性物質に係る規格基準(案)について」審議を行います。
 まず最初に事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○鈴木補佐 それでは、説明をさせていただきます。
 資料1の「審議事項に関する資料」の最初のページからごらんください。
 1ページ目でございますけれども、こちらは「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会放射性物質対策部会報告について」でございます。
 平成23年10月28日付で薬事・食品衛生審議会に食品中の放射性物質の規格基準に関して諮問させていただいたところでございますが、こちらにつきまして、昨年12月22日に放射性物質対策部会で規格基準(案)をとりまとめていただきました。
 この内容につきましては、1〜44ページまでが報告書及び別冊となっております。内容につきましては、大変大部なものになっておりますので、45ページ以降ですけれども、こちらの報告書の概要のスライドの資料で御説明させていただきます。
 それでは、45ページをお願いいたします。「食品中の放射性物質の新たな基準値(案)について」という資料でございます。
 食品中の放射性物質の基準値につきましては、現在、暫定規制値というものが置かれておりますけれども、まずこちらの考え方について、もう一度、御説明をさせていただきます。
 今般の原発事故が起こる前には、食品中の放射性物質に関して、基準値、規制値というものは国内向けにはございませんでした。そこで、今回の原子力発電所事故を受けまして、原子力安全委員会が定めておりました「原子力施設等の防災対策について」に掲げられております、「飲食物摂取制限に関する指標」を準用する形で、暫定規制値としたところでございました。
 暫定規制値の考え方は、許容線量を放射性セシウムで年間5mSvと設定いたしまして、5mSvを5つの食品区分に1mSvずつ割り当てまして、これを成人、幼児、乳児の3つの年齢区分別にそれぞれの摂取量と線量係数を考慮しまして、限度値を算出。その限度値のうち、最も厳しいものを全年齢区分の規制値とするといった形のものでございます。
 46ページをごらんください。今般、部会の方でおまとめいただきました、新たな基準値の概要につきまして、こちらの資料で説明いたします。
 「1.見直しの考え方」ですけれども、現在の暫定規制値に適合している食品は、自然放射性物質等の比較検討結果からも、一般的には安全性は確保されていると評価されております。しかしながら、より一層食品の安全と安心を確保していくという観点から、現在の暫定規制値で許容している年間線量5mSvを1mSvへ引き下げていくこととされました。
 なぜ年間1mSvとするのかというところでありますけれども、食品の国際規格を作成していますコーデックス委員会が、現在の指標で年間1mSvを超えないようなガイドラインを示しているということが1点目でございます。
 続いて、放射性物質につきましては、内閣府の食品安全委員会の食品健康影響評価で、生涯累積およそ100mSvで、健康影響が見出されるという見解が示されておりますが、その値は閾値ではないと示されているところであります。したがいまして、線量としては、合理的に達成可能な限り低く保つということが基本となると考えられますけれども、その水準を下げていった場合、どういった影響があるかということを考えたときに、モニタリング検査の結果では、多くの食品から検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向にあり、基準を引き下げることは妥当性があると考えられたところでございます。
 こうした考えの下、基準を設定した場合の基準値の案が右下の表にあります。飲料水は基準値が10Bq/kg、牛乳は50Bq/kg、一般食品は100Bq/kg、乳児用食品が50Bq/kgというものとされました。
 「食品区分の範囲について」ですけれども、飲料水については、設定理由として、すべての方にすべからく摂取されるものである、摂取量が大変に多いということ、WHO、世界保健機関が飲料水中の放射性物質の指標値として、放射性セシウムで10Bq/kgという値を示しているということ、運用上の問題としましても、水道水中の放射性物質は厳格な管理が可能であるといったこと。こういったことから、飲料水は1つの独立した区分としてはどうかということでございます。
 この中に含まれる食品の範囲ですけれども、直接飲用する水、調理等に使用するお水、水との代替関係が特に特に強い飲用茶とされているところでございます。飲用茶につきましては、パブリック・コメントにおいて、飲用茶の範囲を明確にしてほしいという御意見等がございました。こうしたところ、飲用茶について摂取量、水との代替関係等を考慮しまして、飲用茶の範囲としましては、煎茶とこれに類するものなどの緑茶類、すなわち茶の木を原料として茶葉を発酵させていないものといった形で整理をしたいと考えております。
 乳児用食品及び牛乳ですけれども、こちらは食品安全委員会が小児の期間につきまして、感受性が成人より高い可能性があるということを指摘していることを踏まえ、設ける食品区分でございます。すなわち、乳児用食品は乳児だけが食べる食品であるということで、独立させた区分とする。
 牛乳については、顕著に子どもの期間での摂取量が多いということでありますので、特別な区分とするとされたところであります。
 最後に一般食品ですけれども、基本的には先に述べた食品以外のものは一般食品として一括して1つの区分とするという考え方でございます。この理由としましては、個人の食習慣の違い、お米を多く食べる方、パンを多く食べる方、そういったことによる線量への影響を最小限にすることが可能であるということ、非常に単純明快でありまして、消費者の方々にとって大変わかりやすい規制になるということ、コーデックス委員会などの国際的な考え方とも斉一が図られることから、一般食品という一括したくくりとするとされました。
 47ページでございます。「規制対象とする放射性核種の考え方について」であります。
 「規制の対象とする核種」は、福島原発事故により放出されました放射性核種のうち、原子力安全委員会がその放出量の試算値リストに掲載した核種のうち、半減期が1年以上の放射性核種の全体とするとされました。すなわち、セシウム134、セシウム137、ストロンチウム90、プルトニウム、ルテニウム106でございます。
 一方、半減期が短く、既に検出が認められなくなっております放射性ヨウ素でありますとか、原発の敷地内においても、天然の存在レベルと変わらないことが確認されているウランにつきましては、基準値は設定しないこととされました。
 「規制値の設定の考え方」ですけれども、放射性セシウム以外のストロンチウムであるとか、プルトニウム、ルテニウムといった核種につきましては、ゲルマニウム半導体検出器での検査ができないことがありまして、測定に大変時間がかかりますので、こちらにつきましては、移行経路ごとに各放射性核種の移行濃度を解析しまして、産物・年齢区分に応じた放射性セシウムの寄与率を算出しまして、これらすべてを合計して、一括する形で1mSvを超えないように、放射性セシウムの基準値を設定する形といたしました。これによりまして、基準値自体は放射性セシウムのみを設けるわけでありますけれども、それ以外の規制対象とする核種についても、管理が行えるという工夫をしております。
 これについては、例示としまして、放射性セシウム以外の核種の線量は、19歳以上の成人の方で最大で12%程度見積っておる。この範囲内に収まっている限りは、介入線量に対して問題がないという考え方でございます。
 「『一般食品』の基準値の考え方」でありますけれども、先ほど申し上げましたとおり、介入線量レベルは1mSvとされました。1mSvから飲料水分の線量である0.1mSv、これはWHOのガイドラインが示している10 Bq/kgに対して、飲料水の摂取量をかけ合わせた分になりますけれども、この線量を最初に引きます。そうしますと、一般食品に割り当てる線量はおよそ0.9mSv程度となりますが、年齢区分別の摂取量と線量換算係数を考慮しまして、年齢区分別に限度値として算出するということをしております。
 この際、暫定規制値で考慮しておりました成人、幼児、乳児の3区分だけではなく、部会の検討において、よりきめ細かい年齢区分であるとか、性別を考慮して検討を行うべきとされまして、10区分で検討をされております。また、この中には胎児の防護という観点も含めて、胎児につきましては、妊婦を防護すれば安全性が保たれるという検討がございまして、妊婦についても、限度値を算出しております。
 この結果、最も厳しい限度値となりましたのが、13歳から18歳の男性の120Bq/kgでしたので、これを安全側に20Bq/kg切り捨てまして、100Bq/kgの基準値案とされたところでございます。流通する食品の汚染されている割合は、50%という形で計算がなされております。
 「『乳児用食品』の範囲について」ですけれども、乳児用食品は健康増進法第26条第1項の規定に基づく特別用途表示食品のうち、乳児用に適する旨の表示許可を受けたもの、事実上は乳児用調製粉乳、粉ミルクがこちらに該当しております。
 更に乳児の飲食に供することを目的として販売するもの、すなわち消費者が表示内容等で乳児向けの商品であると認識する可能性が高いものを、乳児用食品の範囲に含めるとされました。
 なお、乳児用食品につきましては、消費者庁において、表示の基準等についての検討がなされている状況でございます。
 「『牛乳』の範囲及び『乳児用食品』『牛乳』の基準値について」です。
 「『牛乳』の区分に含める食品」は、乳及び乳飲料とするとされました。乳等省令におきましては、乳及び乳製品という区分がございますけれども、牛乳の区分に含める食品は、牛乳、低脂肪乳、加工乳等いった乳及び乳製品のうちの乳飲料とされたところであります。乳飲料につきましては、カルシウムを添加したもので、原料としては牛乳と変わらないもの、消費者の方々からは事実上牛乳と同等の商品と判別されているものが乳飲料の中には含まれておりますので、これらは牛乳の区分に含めるとされたものであります。
 一方、乳製品のうち、乳酸菌飲料であるとか、発酵乳、チーズといったものは、子どもでの摂取量が顕著に多いといったことも確認できなかったこと等から、牛乳の区分には含めない食品とされたところであります。
 乳児用食品及び牛乳につきましては、子どもへの配慮の観点で設ける食品区分であるという考え方から、実際にこれらの食品のほとんどが国産食品であるということも考慮しまして、流通する食品のすべてが汚染されていた場合でも、影響がないようにという計算をし、一般食品の半分の基準値である50Bq/kgを採用することにされました。
 部会の中の議論としましては、粉ミルクについては、50Bq/kgではなく10Bq/kgの基準値を当てるのがよいのではないかといった御議論もございましたが、粉ミルクについては、粉の状態で基準値を適用する形になりますので、通常の希釈倍率である7倍等の倍率で希釈されて、飲食に供されることを考えますと、粉の状態で50Bq/kgの基準を適用することが、結果としてより厳しい規制になるということで、そのような取扱いをすることになりました。
 「製造、加工食品の基準値適用の考え方」です。
 「基本的な考え」としまして、製造食品、加工食品につきましては、原材料だけでなく、製造、加工された製品の状態でも一般食品の基準値を満たすことを原則とするとされました。
 ただし、次の??の食品については、実際に食べる状態の安全を確保する観点から、実際に食べる状態を考慮して基準値を適用することとされました。
 ?乾燥キノコ類、乾燥海藻類、乾燥魚介類、乾燥野菜など原材料を乾燥させ、水戻しを行い食べる食品については、食用の実態を踏まえまして、原材料の状態と食べる状態において、一般食品の基準値を適用することとされました。
 一方、ノリであるとか、煮干し、スルメ、干しブドウなどの原材料を乾燥させた状態で、そのまま摂食されるような食品については、原材料の状態、製造、加工された状態、それぞれで一般食品の基準値を適用するという考え方であります。
 ?茶、米油など原料から抽出して飲むまたは使用する食品については、原材料の状態と飲用、使用する状態で食品形態が大きく異なることから、原材料の状態では基準値の適用対象としないとされました。一方、茶は、製造、加工後、飲む状態で飲料水の基準値を、米ぬかや菜種などを原料とする油につきましては、油の状態で一般食品の基準値を適用するという考え方でございます。
 その他の製造、加工食品については、原則としまして、製造、加工の製品状態で検査をする形になります。
 「経過措置の設定について」ですが、新たな基準値への移行に際しましては、先ほど御説明したとおり、現在の暫定規制値も安全性が確保されていると考えられていますので、市場に無用な混乱を起こさないよう、準備期間が必要な食品、具体的には米、牛肉、大豆については、一定の範囲で経過措置期間を設定するとされました。
 この趣旨でありますけれども、米、大豆につきましては、1年1作の作物でありまして、既に平成23年度産が暫定規制値500Bq/kg以下の食品として市場に流通している。これを4月1日付で新基準に適用させるためには、すべての食品を再度検査して、新基準に適合しているかどうかを確認する必要が出て参りますが、市場に大きな混乱を来すことになりますので、そういったことがないように、経過措置を置くこととされたところであります。
 また、牛肉につきましては、冷凍の形で2年間程度流通期間があるという実態がございますので、これも経過措置の対象とすることとされました。
 製造、加工食品につきましては、3月31日までに製造、加工、輸入された食品は旧基準を適用する。一方、4月1日以降、製造、加工、輸入された食品については、新基準を適用するということが原則でございます。
 経過措置の対象とする米、牛肉、大豆につきましては、経過措置期間中は経過措置対象となっている食品を製造、加工の原料として使用してよいという考え方でございます。
 なお、経過措置の考え方については、放射性物質対策部会において、経過措置対象品目を製造、加工に回せる期間を必要最低限に絞ることが望ましいとされたところであります。これについては、農林水産省に流通の実態等々の御意見を伺いましたが、一般消費用として販売される食品を購入しまして、それを製造、加工用の原料として用いるようなケースがあることから、一般消費用の食品と加工用の食品を区別して流通させ、後者のみ早期に新基準を適用させるといった対応を図ることは現実的には大変難しいと考えられました。
 それから、仮に加工用の原料のみを経過措置を設けない形にした場合には、新基準が適用される4月以降に、既に流通している食品をすべてチェックして、新基準に適用しているかどうかを確認しなければいけないといった措置が必要になりますので、大きな流通上の混乱が生じ得るということでありました。
 一方、新基準値を超える食品の流通量については、最小限にそれをとどめることが望ましいわけですけれども、例えば農林水産省においては、お米につきまして、平成23年産米の特別隔離措置といったものがとられることになっておりまして、23年産米で100Bq/kgを超えるものを流通しないようにといった取組みがなされております。
 また、他の100Bq/kg/kgを超える食品につきましても、東京電力株式会社による賠償の対象となると聞いております。
 「基準値の食品を一定の割合で摂取した場合の被ばく線量」でございます。こちらは飲料水、乳児用食品、牛乳は汚染割合100%、一般食品は汚染割合50%として1年間食べ続けた場合の計算結果であります。これをごらんいただきますと、13歳から18歳の男性が最も線量が大きくなりますが、その場合でも0.8mSvということで、介入線量レベルの1mSvに対しては、十分に小さい値となっております。
 また、1歳未満であるとか、1〜6歳といった子どもの年代につきましては、大人の半分程度の線量に管理される形となっております。
 先ほどの推計は、いわゆる基準値上限を食べ続けるという、想定しにくいワーストケースでの計算結果でありますけれども、実際の被曝線量がどのようなものになるのかについて、部会で検討いただきました。
 この結果は、平成23年8月1日から平成23年11月16日に厚生労働省でとりまとめたモニタリングデータを用いた推計でございます。モニタリングデータの推計においては、モニタリングデータの中央値濃度の食品を1年間食べ続けたと仮定した場合で、放射性セシウムからの線量が0.043mSv、より高濃度、90%タイル値濃度の食品を食べ続けた場合でも0.074mSvにとどまると推計されました。このように新基準値を適用した場合には、実際の被曝線量というものは、相当程度小さなものにとどまると推計されております。
 次の資料でございますけれども、こちらはマーケットバスケット調査を東京都、宮城県、福島県で行った結果でございます。こちらによりますと、食品からの放射性セシウムの摂取量は、東京都で0.0026mSv、宮城県、福島県といった福島第一原子力発電所に近いエリアにおいても、0.02mSv程度という結果が得られております。こうした値は、天然の放射性カリウムからの被曝線量と比べましても、十分に小さい。その変動幅の範囲に入ってくるような値であることが示されております。
 「モニタリング検査における放射性セシウムの基準値超過割合」の資料でございます。これは福島県とそのほかの地域に分けまして、それぞれの地域におきまして、新基準値を超過する食品がモニタリングデータでどれぐらい見られるかを表にしたものでございます。
 その他の地域の合計の欄をごらんください。こちらで見ますと、5万2,693件の検査結果のうち、新基準値を超えるものは594件ということで、全体の1.13%と少ない数字になっております。
 また、内訳を見ますと、多いものとしましては、キノコ類、牛肉、上記以外という形になっていますが、このうち牛肉につきましては、飼料の汚染問題がありましたので、基準値案を超過するものが出てきているということでありますが、今後、飼料の管理等が徹底されることによって、牛肉の数字というものは、確実に下がっていくのではないかと考えられます。
 一方、上記以外に含まれるものですが、これは野生の鹿であるとかイノシシであるとか、そういった鳥獣肉がほとんどとなっております。
 福島県につきましては、福島県の合計の8,258件のうち、764件で新基準値を超過する数字が出ております。この中で超過の割合が多いものとしましては、キノコ類、魚介類、上記以外という形になります。
 上記以外のものにつきましては、やはり野生の鹿であるとか、イノシシのような鳥獣肉がメインとなっております。魚介類につきましては、カレイであるとか、ヒラメ、コモンカスベといったような、底に生息する海産物について超過が多く見られる。逆にいいますと、回遊魚であるとか表層魚のようなものは、超過がほとんど見られなくなってきているという状況がございます。
 最後に放射性物質に関する規制値の見直しのこれまでの経過とスケジュールでございますけれども、御案内のとおり、昨年10月31日に薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会及び放射性物質対策部会の合同会議において、放射性物質の規制値に関する議論をいただいたところでございます。
 その後、放射性物質対策部会において、11月24日、12月22日に議論をいただきまして、本部会報告書をまとめていただいたところであります。
 また、昨年12月27日には、放射線防護の技術的基準の斉一を図ることを目的として設置されております、文部科学省の放射線審議会にも諮問をしておりまして、都合6回の審議をいただき、今年2月16日に最終的な答申をいただいたところでございます。
 また、並行して、パブリック・コメント、WTOへの通報、リスクコミュニケーションの開催をいたしているところであります。
 これらを受けまして、本日、部会でとりまとめていただいた基準値案について、御審議をいただいている状況でございます。
 続きまして、文部科学省の放射線審議会の最終的な答申の文章を53ページに付けてございます。
 放射線障害防止の技術的基準に関する法律に定める基本方針の観点から、技術的基準として策定すること差し支えないとされたところであります。
 また、食品の基準値の適切な運用に際しましては、測定機器の整備やそれを行う人材の確保・育成など体制を整備することが重要であることも申し添えられております。
 こちらの答申につきましては、別紙の形で審議会の御意見が付いております。54ページになります。
 一部を読み上げさせていただきますけれども「1mSv/yを管理目標とすることに異論はない。食品の基準濃度については放射線防護の考え方からは安全側に立った設定がなされているが、この点に関しては食品の基準濃度の導出過程において、実態に比して大きい汚染割合を仮定していること、『一般食品』に関する検討に加えて『乳児用食品』及び『牛乳』に対して配慮することにより子どもに対する特別な安全裕度を設定したことが指摘できる」。
 5つ目のパラグラフですけれども「放射線審議会としては、今般の東日本大震災に伴う原子力発電所事故により放出された放射性物質に対応するための食品基準値の策定及び運用にあたって、ICRPの勧告を踏まえ、ステークホルダー(様々な観点から関係を有する者)等の意見を最大限に考慮すべきであると考える」。
 次のパラグラフでございますけれども「『一般食品』の基準値として100Bq/kg/kgが採用された場合には、1歳未満を含む子どもの各年齢区分・各性別の年間被ばく線量が、飲料水に割り当てられた線量も加味して1mSv/yに抑えることが、既に十分可能なものとなっていることを示唆するものである」といったことが意見として付けられてございます。
 57ページですけれども、放射線審議会の審議においては、このように6回にわたる審議が行われたわけでありますが、放射線審議会に対しまして、食品の基準に関して諮問をさせていただくことは、今回初めてのことでありました。そこで、食品中の放射性物質に係る規格基準の設定の考え方等を、こちらの資料を使って御説明をさせていただいて、最終的な答申をいただいた形になっております。
 57ページは、薬事・食品衛生審議会の食品規格部会でおまとめいただいた、食品中の汚染物質に係る規格基準設定の考え方の決定の資料でございます。
 「基本的な考え方」のところでありますが、食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会で規格が定められている食品については、我が国でも規格基準の設定を検討することとし、その際にはコーデックス規格を採用する。その際、国内に流通する食品中の汚染物質の汚染実態及び国民の食品摂取量等を踏まえ検討を行うということが、これまでの汚染物質に対する考え方の基本でございます。
 58ページですけれども、今回の放射線審議会におきましては、基準値を計算する際の汚染割合の50%について、何パーセントとするのが妥当かといったことについて御議論がございました。こちらにつきましては、食品の基準値設定の基本的な考え方を今回は採用しておりますということを、こちらの資料で御説明したところであります。すなわち、食品衛生法の基準値の策定に当たりましては、基本的にはすべての国民の暴露量が許容できる線量を下回るようにということで、基準値上限の汚染濃度を継続して1年間食べ続けても、許容する線量を超えないようにと設定するのが基本でありますということを御説明いたしました。
 また、こうした考え方がコーデックス委員会でも採用されている、食品の一般的な考え方であるといったことも御説明しております。
 一方、放射性物質に関してだけは、コーデックス委員会においても、そのガイドラインにおいて、汚染国からの食品の輸入率、占有率という考え方が取り入れられております。そこで、今回の基準値でもコーデックスの考え方に従いまして、放射性物質の基準に占有率という考え方を取り入れることといたしました。
 その際、我が国において占有率を幾つにするのがいいのかということにつきましては、部会で御検討いただきましたけれども、我が国の食糧需給率等の関係から、輸入割合は安全側に50%と設定しまして、流通する食品の半分が基準値上限で汚染されているという想定で、基準値を計算いただきました。
 また、乳児用食品及び牛乳については、国産品がほとんどであるという実態を踏まえて、汚染食品の占有率を100%として計算をいただいたということを御説明いたしたところであります。
 以上が放射線審議会の答申に関する御説明です。
 そのほか、規格基準案に対する意見聴取の状況でございますけれども、まずWTO通報に関しましては、既に2月10日で締め切りをさせていただいておりますが、関係国からの御意見といったものは特にございませんでした。
 59ページにある資料が、パブリック・コメントで寄せられた意見でございます。こちらにつきましては、インターネット等で御意見を募集しましたところ、大変多く、合計1,877件の御意見をいただいたところであります。
 主な御意見としましては、ここに1〜12に分類しておりますが、基準値をより厳しくするべきといった観点での御意見が1,449件ありました。こちらは1人の方から複数の種類の意見をいただいているケースもございますので、重複カウントとなっております。中身としましては、全体の基準値を100Bq/kgよりも低い1Bq/kgであるとか、そういった値にすべきであるといった御意見、汚染割合については、50%ではなく100%とすることがいいのではないかといった御意見などがありました。
 2番目の内部被曝、外部被曝に関する御意見につきましては、内部被曝、外部被曝を合わせた線量限度を1mSvとするのがよいのではないかといった意見がございました。
 3番目の子どもに更に配慮した基準値にするべきとの観点につきましては、子どもの区分を設けることについて賛同する御意見もありますし、また、その中の数字を更に厳しくしてほしいといった意見などがございました。
 4番目の新基準値案は厳し過ぎるとの観点からの御意見は、汚染割合の設定などに関する御意見が多くございました。
 5番目の食品区分に関する御意見につきましては、先ほど御説明したお茶の範囲がどういったものであるとか、お米等について基準を設けるべきではないかといった御意見がございました。
 6番目の経過措置に関しては、経過措置を設けるべきではないといった意見、逆に経過措置を設けてほしいといった意見、双方の観点から御意見などがございました。
 7番目は放射線審議会でも指摘をされておりますけれども、検査体制を強化してほしいといった御意見がございました。
 8番目、リスクコミュニケーションを積極的にして、現在の食品の安全性がしっかり確保されていることを検証してほしいという意見も多数いただいております。
 そのほか、表示に関する意見、リスク評価に関する意見、新基準値を妥当としていただいている意見等々、多数の意見をいただいているところであります。
 それらの回答につきましては、後ろの資料に回答案という形で付けさせていただきましたので、御確認をいただければと存じます。
 91ページになりますけれども、今年1月16日から2月28日までの期間で、この基準値案に関しまして、リスクコミュニケーションを全国7都道府県で実施をしております。
 そこでいただいた御意見につきましては、こちらの資料にありますとおり「2.主な意見」という形でまとめさせていただきますので、こちらも併せて御参照いただければと思います。
 以上のような状況でございますので、この規格基準案について、御審議をいただければと存じます。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 本日は分科会と部会の合同審議でございますので、全体での議論に入ります前に、放射性物質対策部会の審議の状況につきまして、山本部会長から御説明いただきたいと思います。お願いいたします。
○山本部会長 基本的には今の御説明に特段つけ加えることはございませんけれども、まず介入線量を1mSvとするというところに、最初の議論がございました。どこまで下げればいいのかということが非常に問題になりますので、議論があったわけですが、まずはコーデックスという食品規格を考える上で、食品の国際規格はそこに介入線量レベルを設けるという基準がありましたので、そこを採用させていただきました。
 それから、さまざまな食品を食べたときの暴露量はどうなるのかということを推計していっているわけですけれども、その際、どの年代がどういうふうに汚染したものを食べたら被曝するかということが問題になりました。そこを考えていった上では、やはり13歳から18歳の男子が一番米をたくさん食べることから、被曝が多くなる。そこをターゲットとして、基準値の設定をしていくということでございます。
 更に食品安全委員会から、小児の期間についての安全に考慮するようにということがございましたので、飼料希釈50%ということで一般食品はしておりますけれども、更に乳児用の食品として特出しをする。それから、牛乳は小児の方で消費者が多いということもありますので、そういったものも特別に考えるということで、それらは汚染割合100%といいますか、国内産がほとんどですので、そういう形で一般食品の半分の値に設定させていただきました。
 そういうことで、今回の基準を設定するということですが、今後、試験法とかその辺のことも更に通知等で示していかなければいけませんので、それは設定が終わった後になろうかと思います。
 概略は以上でございます。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 それでは、本日の審議に入りたいと思いますが、本件につきまして、委員の皆様から御質問あるいは御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 山内委員、どうぞ。
○山内委員 最初に質問を1点です。リスクコミュニケーションを何会場かで開催していただいておりますが、福島、岩手、宮城での開催とそれ以外の地域での開催の様子について、何か違いはございましたか。
○吉岡課長 7つの会場、残りの大阪はこれからですが、基本的にベーシックな質問は同じような御質問、御意見が多いのですけれども、どちらかといいますと、東北の方は生産者の立場の方の御意見が多い。西の方にいけば、消費者の立場の方が多いという状況です。参加者の割合がそういうことなんだろうと思います。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○鈴木委員 今回の新基準ということで、勿論時間の経過によって下がっていくということも理解させてもらいましたし、コーデックスに基づいて、厳しい基準にしたという新基準は、国民の方にもかなり説得力がある基準にもなり得るだろうと理解しています。
 粉ミルクの問題がありましたけれども、メーカー自身、もっと厳しい自主基準を持っていて、それを絶対に超えないという体制をとられていると思うんですけれども、基本的には、国がつくった基準が以下であれば、安全が担保できているということをしっかり知らせていくことが必要だろうと思いますし、つくっていく方も、自分たちの自主基準がダブルスタンダードになってしまうようなことにならないように、その辺の賢明さが必要だと思いました。この新基準を超えなければ安全ですという1つの基準です。これはやはり徹底していくことであろうと思います。
 もう一つ、先ほど乳児と乳幼児ということがございましたけれども、2月中旬ぐらいの一般紙だったと思うんですが、新基準の表が載っていました。新基準の表のところで、放射性セシウム新基準の値の乳児用食品というのが一番下にありましたけれども、ここのところは「乳幼児」と新聞に出ていたような気がしたんです。乳児ですと1歳未満で、乳幼児になると1歳以上就学未満という全く規定が違ってきますので、この辺の言葉の使い方を含めてしっかりしていかないと、先ほどのダブルスタンダードではありませんけれども、その辺のところがあいまいになって、不信感につながりかねないと思います。老婆心ながら、言葉の定義をきちっとして、説明してされていくことが非常に大事だと思いました。
 以上です。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 ただいまの御意見に関しまして、事務局から何か御説明ございますでしょうか。
○梶原補佐 お答えさせていただきます。
 乳児用食品の範囲についてでございます。これについては、基本的には乳児用食品の範囲ですので、乳児については1歳未満の食品であることを通知の方で明確にしてお示ししたいと考えております。しかしながら、6か月から2歳で使われる食品もございますので、そういった場合には、乳児の方もお使いになることがございますので、そういったものは乳児用食品の範囲に入るという形で通知をお示ししたいと考えております。
 以上でございます。
○岸分科会長 そのほかにいかがでしょうか。阿南委員、どうぞ。
○阿南委員 新基準については、これによって消費者の安心はかなり拡大するのではないかと思います。私も、全国消団連で学習会を持ったり、各地で新基準について説明をする機会が多いのですけれども、どこでもこの基準に対する支持は多いように思っています。
 その上で、幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 46ページの食品区分のところで、飲料水はWHOの指標値に基づいて10Bq/kgということですが、実際、チェルノブイリの影響を受けた地域などでは、どのように検査されたり、対策がとられたりしているのかということが、もしわかれば教えていただきたいと思います。といいますのも、10Bq/kgについては、日本の検査がとても難しいという意見が事業者からも出されているようですので、この辺がほかの国ではどうなのかということについて、もしわかればお聞きしたいと思います。
 49ページの製造、加工食品の基準値適用についてですが、食べる状態での基準値の適用ということですけれども、例えば干しシイタケですとか、キノコですとか、食べるところでこの基準値をクリアーできればいいわけですが、製品段階での統一的な基準は考えられているのかどうかというところが、ちょっとわからないので教えていただきたいです。
 50ページの経過措置のところですが、経過措置がとられているものであるということと、措置に基づくものであるということの情報が消費者にどのように伝わるのか。消費者がそれを選択できるという仕組みがあるのか。そういうところについてお願いしたいと思います。農水省とも連携して、こういう形で提案されていると思いますけれども、消費者への情報提供はどのように行われて、消費者がそれに基づいて選択できるのかということについてお願いします。
 52ページの超過割合のところで、福島県もその他の地域も魚介類についての新基準値の超過割合が非常に高くなっています。海底魚の汚染が問題になっていて、対策が非常に難しいという話を聞いているのですけれども、この辺についての対策なども、どのように担保されていこうとしているのか、お伺いしたいと思います。
 以上でございます。
○岸分科会長 今、阿南委員から4点質問がございました。ベラルーシ等で実際に検査をどのようにやっているのか、生産者側が乾物等をこの基準でやる場合の具体的な手法のスタンダードについて、経過措置、消費者にどう伝えるのか、最後は超過割合の海底魚の問題と、4つに要約されると思うんですが、事務局の方で1点ずつ御説明をいただけますでしょうか。1番についてはわかればということでございましたが、よろしくお願いいたします。答えやすいところからでも結構でございます。
○森口課長 ベラルーシ、ウクライナ等で、水の測定をどのようにしているかという具体的なところ、向こうの水道の事情はよくわかりません。手元に情報はございません。
 ちなみに、参考までに、我が国の水道の事業の状況ですけれども、ほとんどの水道事業体で、既に1Bq/kgまで検出できるような検査体制がほぼ整ってきているということですので、日本では少なくとも大丈夫という状況を水道課から伺っております。
 水の場合、食品と違ってマトリックスが非常に単純で、水だけということと、あと、サンプルの調整も、食品の方は事前処理がいろいろ必要なわけですけれども、水の場合はくんでくればいいということで、2Lとか測定容器を大きくできるということで、低いレベルの測定を、割と短時間で十分にできる状況になっていると伺っています。
○岸分科会長 阿南委員、よろしいですか。
○阿南委員 はい。
○岸分科会長 残りの御質問はいかがでしょうか。
○梶原補佐 検査方法の関係について御質問がございました。まず乾燥キノコ類、乾燥海藻類、乾燥魚介類、乾燥野菜等につきましては、今、農水省とも御相談して、水戻しの基準をお示ししたいと思っております。しかしながら、さまざまな食品があるということ、更に食品の使用方法がさまざまであるということもございますので、製品、加工食品については、製品状態で検査をすることを原則にしたいと考えております。その上で、一般的な水戻し等の基準が策定できるのであれば、それを随時お示しするという形にさせていただきたいと考えているところでございます。
 阿南委員より、3点目に経過措置の対象となっている食品の表示をどうするのかという御質問がございました。米、大豆、牛肉につきましては、経過措置ということで設けさせていただきましたので、その表示の中で、暫定規制値の基準でも経過措置をとるとさせていただいておりますので、表示としては、今のところ、区別する方法はないということになります。
 以上でございます。
○岸分科会長 どうぞ。
○道野室長 水産物の関係の御質問でございますけれども、福島県での超過割合が非常に高いということがございます。福島県では、震災後、漁業が再開されていないということで、福島県の検査データというのは、まさに検査目的で採取をして、検査をしているという状況がございます。
 全体で見てみますと、沿岸性の魚で、福島県の南部、茨城県の北部でかなり検出があるという状況があります。現在、私どもの方で、関係省と調整中なんですけれども、新基準値、過去1年間のデータを踏まえて、検査計画のガイドラインを改定しようということで作業中でありますが、基本的な考え方としては、福島県、茨城県北部でのデータを基に、更に隣県なども含めて検査の対象魚種をある程度明示して、今後の検査を進めていくということで考えています。
 なお、沖合だとか回遊魚の関係では、現状そんなに高いものは出ていないので、やはり沿岸が検査の対象の主体になるのではないかと考えています。
○岸分科会長 今、ほぼお答えがありましたが、阿南委員、追加でございますか。どうぞ。
○阿南委員 追加ではないのですが、いいですか。ちょっとお答えがわからなかったのですが、乾燥シイタケなどですと、水に戻して食べるのは消費者の方なんです。ですから、出荷側は、製品自体を戻したときに、100Bq/kg以下になるようにということで設定するわけですね。その基準をどのようにするのですかということを聞いているんです。
○森口課長 自治体も検査をするときに、それぞれ別々の方法で戻したのでは、測定結果が適になったり、アウトになったりということになりますので、標準的な戻し方法、戻し率をきちんと定めて、通知で示したいと思っております。五訂食品分類表で大体何倍になるとか、そういった重量比等が出ているものについては、それを参考に示していきたいと思っています。
○阿南委員 わかりました。
 それと、経過措置期間中の対象であるものと、新基準に基づくものであるということは、区別はしないということですね。
○岸分科会長 お願いします。
○吉岡課長 暫定規制値に適合している食品については、これは適法なものでありますし、新基準値に合っているものも勿論適法ということでありますので、このいずれかであるかを区分すべきということを法的に、義務として業者に強いるということはできないと思っております。勿論、業者の自主的な対応として行われる分には、そういうこともあろうかと思います。
○阿南委員 業者の自主的な対応を待つということですね。わかりました。
 私はこれがあると結構混乱すると思います。はっきりと提示をして、情報提供して、消費者がどちらか選択するようにできればいいのではないかと思うのですけれども、そうでなければ混乱すると思っています。
○岸分科会長 そのほかに意見はございますか。山口委員、どうぞ。
○山口委員 今の阿南委員の最初の御質問へのコメントなんですけれども、要は基準値を超えるものの流通を抑えるための検査体制の話になります。水道に関してマトリックスが均一というのは、ロット間の変動が少ないというメリットがあります。なので、少ないサンプリングであっても、全体として超えるものの流通を抑えることができるんですけれども、問題点は、鈴木委員の発言にもあったかと思うんですが、食品の場合にはもっとロット間のばらつきがありますので、そこで完璧にするのはなかなか難しい。自主的な基準というのは、単にリスクを減らすということではなくて、食品衛生法の違反を逃れるというリスクなのであれば、検査はどうしても限界がありますので、自主的なレベルを下げないと、基準のクリアーを100%満足できませんので、その辺の法令適用に何か工夫があってもいいと思いました。
 以上です。
○岸分科会長 山口委員から関連のコメントがございましたが、この点につきまして、いかがでしょうか。細かく実際の場面を考えますと、いろいろな問題というよりは、クリアーして消費者が余り混乱しないように、せっかくつくった規制値が国民の中で受け入れられて、スムーズにいくようという皆の願いは同じだと思うんですけれども、どんなものでしょうか。
 今日の意見を審議しまして、答申文案をつくるところが一番大事だと思うんですが、その後の具体的なプロセスはどのようなことを考えておられるのでしょうか。
○森口課長 放射線審議会から意見等がありますけれども、それを踏まえて最終的にどうするかということで、もし今日の薬食審で、部会の案につきまして答申をいただけましたら、食品衛生法の11条の基準として定めますので、官報掲載という手続を速やかにしていきたいと思っております。3月上旬か中旬、10日前後ぐらいには掲載できる方向で進めたいと思います。
 併せて、施行通知等を示す中で、先ほど阿南先生からも御指摘がありましたように、乾燥物の試験とか食品区分について、パブコメ等でも細かく意見が出ていますので、そういったものについて、解釈をQ&Aなり何なりの形で示すとか、そういったこともしていく必要があると思っています。
 また、リスコミでございますけれども、当面7か所ということでセットをしておりますが、自治体主催のものも更にやってほしいという要望がたくさんきています。また、国主催のものを更にやっていく必要があると思っています。この辺の国民の理解をもっとということは、放射線審議会の意見の中にも書かれていますので、そういったことを3月、4月で更にやっていこうということで、今、どこの自治体でやっていくかということを、各自治体と調整しているところでございます。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員 規格基準の案については、きっちり決めていただいて、このままやっていけば消費者の方が安心なさると思うんですが、1点、先ほど部会長からもありましたが、今後、検査法を詰めていくということで、基準が厳しくなったことで、今、全国でやられている検査機器、スクリーニングができなくなって、検査ができなくなって、100Bq/kgを超えたものが流通することがないように、現実的な形で検出機器の精度等を御検討していただけると、より一層安心・安全の確保ができるのではないかということで、その辺をよろしくお願いしたいと思っております。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 山内委員、どうぞ。
○山内委員 意見になりますが、3点申し上げたいと思います。
 私も基本的に本日示されている基準値の方向については、賛成しております。しかし、乳児用の食品につきましては、先ほどもありましたように、明確にどのような食品が含まれるか示していただけるということですが、離乳食で普通にカボチャを柔らかく炊いて、それを食べさせるということもたくさんございます。そこは一般食品が適用されます。そうなった場合、乳児を持つ親の方が混乱されないように、乳児食品の問題と、一般食品も適用されるが、一般食品についても十分配慮された基準値であるということをきちんと伝えていただくようお願いしたいと思います。
 2つ目は、さまざまなステークホルダーとの意見の交流についてです。放射線審議会からも言われましたが、今日よく説明を聞いてみまして、放射線審議会で論議された考え方は、起きた事故がだんだん落ち着いていく上での考え方であるということと、この審議会で論議している食品の基準に関しての考え方が違うということと、こういった考え方のちがいから議論があったということがわかりました。今までの論議については、今までも新聞等で報道されておりますが、食品にかかわる基準がどのような考え方にのっとってつくられているのかについても、わかりやすく伝えていただきたいと思います。
 特に福島の生産者の方々には、生産制限ですとか、基準を超えるものは出せないという状況で、我慢をしていただかなければいけない部分がございます。農薬等と違いまして、自分で配慮して避けることができない状態ですので、御納得いただけるよう、是非丁寧に説明をしていただきたいと思います。
 最後の意見です。実際の摂取量の状況についても、本日説明がございましたが、私ども生協でも全国各地の実際の家庭の食事を用いまして、今、摂取量調査を始めております。この他、学校給食ですとか、これから厚労省でも実際の摂取量調査が始まると思いますので、さまざまな調査をとりまとめて、相当低い状況になってきているという事実を示して、消費者の皆さんの不安に応える取組みを実施していただきたいと思います。
 以上でございます。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 皆さん、しっかりおっしゃってください。
 徳留委員、どうぞ。
○徳留委員 基本的に新たな基準値案に異論はありません。消費者の安全を守る、基準値の実行を図るという意味で、まず、表示をどうするかということがあります。次に、モニタリングあるいは買い上げ検査、収去検査等々をどのような形で進めていくのかという2点について、御質問したいと思います。
 1点目の表示については、先ほどパブコメの内容を見ていたんですが、消費者庁と相談しているということなんですが、現在、消費者庁では、JAS法、健増法、食品衛生法等をとりまとめて、一括してあるいは統一した表示をやるという方向性になっているわけですが、放射性物質については、どのような方針であるのか。特に乳児の食品あるいは食べ物、飲み物について、どのようなお考えがあるのかということをお伺いしたいと思います。
 2点目につきましては、消費者庁で多分されるんだと思います。あるいは厚労省と連携の下にされるんだと思いますけれども、食品を買い上げしてモニターする、チェックするということに関しては、どのような取組みをされるのかというところをお伺いしたいと思います。
 以上2点です。
○岸分科会長 ただいまの点について、いかがでしょうか。
○梶原補佐 消費者庁の表示の関係について御質問がございました。12月22日の部会の報告書を受けまして、消費者庁におきましては、乳児用食品の表示につきまして、審議をされた、消費者委員会で御審議をされたと聞いております。現在、その御審議を踏まえて、表示をするという方向でパブリック・コメントをさせていただいていると聞いておりますので、乳児用食品につきましては、表示をするという方向で消費者庁は御検討されているとなっております。
○森口課長 現在まだパブコメ中ですので、4月1日の施行には間に合わないと聞いています。
 また、包材の切り替えをしていかないといけないものですから、その期間というのは、通常相当長い期間をとる形になると思います。ただ、明らかにわかる、例えば粉ミルクといったものについては、乳児用食品という文字を書かなくてもいいという方向で進めているとは伺っています。表示があるものは50Bq/kg、ないものは100Bq/kgという整理になると思っています。
 ただ、まだパブコメ中ですので、これから決まってくると思います。
○岸分科会長 明石委員、どうぞ。
○明石委員 少し観点が違うんですが、実は今回の食品の1年間1mSvというのは、安全と安心のためにシフトしてきたということで、それは非常に評価できます。一方、誤解を招かないような説明をしていただきたいと思います。食品による被ばくが1mSvというのは、ある意味では1年間の内部被ばくが1mSvという読み方ができます。
 当然のことながら「mSv」という単位で表した場合、同じ数字であれば、外部被ばくであっても、内部被ばくであっても、確率的影響は同じということです。それは御存じの方が多いと思うんですが、内部被ばくが1mSvを超えることで、健康に影響が出るという間違った考えにつながらないように、今回の改定の考え方と、より安心・安全のためにこういうことをやったんだということを、リスクコミュニケーション、説明する機会等に併せて入れていただきたいと考えております。
○岸分科会長 多くの委員がリスクコミュニケーションと基準値案が出た後のことを非常に心配されておられます。
 事務局から何かございますか。どうぞ。
○吉岡課長 山内委員、明石委員からこれからの説明ぶりのことについて、貴重な御指摘をちょうだいしました。
 私どものこれからの予定としましては、本日ここで答申をいただければ、先ほど基準審査課長が申しましたように、3月上旬ごろには正式に告示を行います。その後、3月から4月にかけまして、さまざまな政府広報を行っていきたいと思っております。
 それから、一昨日、全国の都道府県等の課長を集めた会議がございましたけれども、各自治体、具体的には都道府県の広報誌、市町村の広報誌でも、新しい基準値の問題を取り上げてほしいということを要請しているところでございます。
 先ほど申しましたように、今、7か所のリスコミを行いましたけれども、更に全国十数か所で、引き続きこの説明会を丁寧にやっていきたいと思っておりまして、その際には先ほどいろいろ御指摘いただいた点も含めて、わかりやすく説明することに努めていきたいと思っております。
○岸分科会長 御追加でどうぞ。
○道野室長 先ほど検査体制について御質問がありましたので、お答えいたします。
 資料の78ページにも基本的なモニタリング検査の仕組みについては言及しているところなんですけれども、国が定めたガイドラインに基づいて、各都道府県で検査計画を作成していただいて、実施をしていただくという枠組みがございます。特に出荷制限がかかった県、その周辺県に関しては、そういった計画をしっかりつくってやってくださいというのが基本的な形であります。
 厚生労働省、国、その他関係省庁で、更に検査体制を確保するという観点で、例えば我が省におきましては、検査のキャパシティが足りない自治体について、検疫所を含む国立機関、大学の試験機関等を御紹介して、委託先を斡旋しております。あと、例のスクリーニング検査を昨年7月以降導入しております。また、国立医薬品食品衛生研究所で自治体の検査計画がうまく機能しているかどうかということを、買い上げ検査ということで、検査を実施していただいたり、勿論関係省庁での検査機器に関する整備についての財政措置というのはあるわけでありますけれども、今回の新基準値の施行を踏まえまして、厚生労働省でもゲルマニウム半導体検出器等の導入に係る経費の一部の補助を今年度、来年度でやっていくことにしております。
 これが全体の枠組みなんですけれども、実際面として、100Bq/kgになったときに、測定がうまくいくのかという御懸念があるのではないかと思います。現状、月々で見ますと、一番たくさん検査結果が報告されている月で、約2万2,000件ぐらいの検査が1か月に報告されております。大体その半分ぐらいがゲルマニウム半導体検出器での検査結果であります。これにつきましては、不検出の場合には、検出下限も報告してもらっています。その数字を見ると、基本的にゲルマニウム半導体検出器に関しては、今後、心配はないのではないか。数ベクレルから、高くても30Bq/kg程度の検出下限になっていますので、こちらについては、大きな試験法の変更等々は必要ないだろうと考えております。
 あと、スクリーニング検査でありますけれども、これも国立医薬品食品衛生研究所のサポートをいただきまして、新たなスクリーニングの検査法の案につきまして、1月27日から2月13日の間で案を公表して、パブリック・コメントをとっております。主な変更点というのは、基準値が500から100になるということでありますので、スクリーニングレベルも250から50、測定下限値については50Bq/kgから25Bq/kgという変更をしております。
 実際の検査機器ですが、今後、使えないものが出てくるのではないかという懸念もあるわけでございますけれども、一般論としては、サーベイメータはなかなか難しいだろう。一方で、スペクトロメータにつきましては、測定時間を長くするとか、検体の量を増やすとか、一部プログラムを変更しなければいけない機器もあるようでありますけれども、そういった対応が可能ですし、重量を増やすことによって、時間延長しなくて済むケースもあるように聞いています。時間延長をどうしてもしなければならないものについては、台数増ということで、先ほど申し上げたような財政支援なども考慮して検討していただくことになると思います。
 ただ、実際面として、スクリーニング検査で対応されているものというのは、多くは牛肉でございまして、牛肉以外の検査につきましては、9割以上がゲルマニウム半導体検出器で実際には検査されているというのが実態でございます。そういったことで、牛肉に関しては、小さなと畜場などの場合、時間を延長しても、影響はそんなに大きくないのではないかと思いますが、割と大きな食肉処理場、と畜場のあるところに関して、今後、技術的な検討なりが必要になってくるのではないかということであります。
 あと、全体といたしまして、私どもに毎日報告されてくる、都道府県で行われているモニタリング検査の実施体制についての影響は、今、申し上げたとおりでありますけれども、一部民間の独自の自主検査などでスペクトロメータをお使いになっているところで、国と同じような基準で検査をしたいというところについては、今後、検討が必要になってくる部分もあると思います。
 私どもとしては、現在もスクリーニング検査に対応可能な機器につきましては、日本アイソトープ協会のホームページで情報提供してもらっているところなんですけれども、新基準値に対応できるものの情報についても、できるだけ早く関係者に情報提供できるようにということで、対応しようと考えております。
 以上であります。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 阿南委員、何かございますか。簡潔にお願いいたします。
○阿南委員 もともと、都道府県も含めて、政府による検査体制がもともとしっかりしていて、その情報がちゃんと伝わってくれば、消費者に渡る直前で事業者の皆さん方が検査をするということは必要ないわけです。基本的に言えばそういうことではないかと思いますが、しかしそこに対する不信感などがあって、今のような状態になっているわけです。ですので、政府の基本的な検査体制がしっかりしているという情報と、これからの充実策、同時に農林水産省などに聞きますと、除染だとか飼料や肥料の対策ですとか、今、具体的に低減策などがとられていまし、そこが肝心だと思いますので、そうした農水省との連携だとか、地元でやっていることなど、農業技術的なところもあると思いますけれども、そこについてもちゃんと消費者にオープンにしていく、知らせていくことが何よりも重要なのではないかと思います。このような政府が連携してやることについては、併せてコミュニケーションの範囲だと思いますので、是非お願いしたいと思います。
○岸分科会長 それでは、食品中の放射性物質に係る規格基準案につきまして、この分科会及び部会合同の場で、答申を出させていただくことが今日は必要かと思います。種々の議論、たくさんの委員の御意見は、貴重な御意見だと思います。答申が出ました後、是非御考慮いただいて、市民といいますか、私ども国民にとって、まさに安全・安心で、せっかくつくった基準が礎になりますように、そこが一番大事なところかと思います。
 普段ですと、答申文案は分科会長及び部会の長で一任させていただいていることが多いんですけれども、今回の答申案につきましては、私どもの方でつくりましたものを、各委員の皆様に見ていただきまして、それで答申案をお認めする。あるいは更に議論で追加があるかもしれませんが、そういう手順をとらせていただきたいと思います。
 委員の皆様に配付をお願いできますでしょうか。
(答申書配付)
○岸分科会長 委員の皆様のところに行き渡ったかと思いますので、文面をごらんください。
 この答申書につきまして、御質問とか御意見を受けまして、厚生労働大臣にあてて出すことになります。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○大前委員 この答申で、一番最後に「安心」という言葉を使ってあるんですけれども、安心という言葉を使った瞬間に、もうリスクはないという誤解を受けると思います。先ほどの答申の数字は非常に低い数字で、十分に安全だと思いますけれども、それでもリスクはゼロにはならないので、ここの「安心」という言葉を外した方がいいのではないかと思います。「安全」だけでとどめておいた方がいいのではないかと提案いたします。
○岸分科会長 ただいま大前委員から、安心とすると、リスクがないように思われるというコメントがございました。いかがでしょうか。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 リスク管理機関の役割として、リスク低減は重要だと思うんですけれども、それだけではなくて、多分政府に対する信頼の確保が必要だと思いますので、安心という言葉を使わない場合には、制度に対する信頼性ですとか、リスクコミュニケーションに関しての充実ということは入れてもいいと思います。
○岸分科会長 先生、具体的な対案はございますか。
○山口委員 例えば「制度に対する信頼を深める努力をする」というのは、いかがでしょうか。
○岸分科会長 どうぞ。
○大前委員 今、よく理解できなかったんですけれども、安心という言葉を使うと、政府に対する信頼性が確保できるというお話だったんですか。
○山口委員 安心が得られないということは、信頼されていないことになります。
○大前委員 私が言っている安心というのは、リスクがゼロではないということをしっかり意識していただくためにということです。安心という言葉を使うと、リスクはゼロだろうという誤解をされると困るという意味で、政府の信頼性ということで言っているわけではないです。
○岸分科会長 阿南委員、どうぞ。
○阿南委員 「安心」という言葉は大事だと思います。決してリスクがゼロと考えているわけでありません。総合的に考えていることだと思いますので、ここは必要だと思います。またリスクコミュニケーションが重要だと言っていますが、リスクコミュニケーションをしっかりとやって、リスク評価とそれに基づくリスク管理措置についての正しい認識を広げることが安心につながっていくと思いますので、ここは絶対に必要だと思います。
 また、ここには「国としても検査体制の整備等」とあります。先ほどもお話しましたけれども、政府としての低減対策、確保対策、現場でやるべきさまざまな対策があると思います。検査機器の整備などもそうだと思います。そこについても言った方がいいと思います。以上です。
○岸分科会長 「安心」に関しては、大前委員、山口委員、また阿南委員の御意見がありました。
 「検査体制の整備等」ではなくて、阿南委員は具体的にどういうことをお考えなんでしょうか。
○阿南委員 低減対策だとか、生産現場におけるものも入れたらどうでしょうか。そうした施策の透明性を確保し、リスクコミュニケーションを豊かにするためにも必要ではないでしょうか。○岸分科会長 種々の御意見がそれぞれのお立場からありましたけれども、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○高橋委員 安心のところについてですけれども、私も阿南委員の意見に賛成でして、ここで安全は当然のことですが、リスク管理者としては、ここで安心を得ることは非常に重要かと思いますので、原案のまま「安全・安心を確保する」という形で文章をつくるのが妥当ではないかと思います。
 もう一つありました低減化につきましては、薬事・食品衛生審議会のマターとして低減化ということを出すのかどうかという議論だと思います。今回はこの基準値が妥当であるかどうかということでの諮問です。低減化というのは、別のところでしっかりなさるべきだと思いますが、この答申につきましては、このような形で答申がきちんと守られるように、こういう検査体制を整備すべきだという部分は、強調されるべきかと思いますけれども、低減化につきましては、議論が違うのではないかと思います。
○岸分科会長 それぞれがなさっている普段のお仕事などから、細かいところになりますと、それぞれの意見が出てくるということはよく理解いたします。大前委員がこれでリスクが全部ないというわけではないとおっしゃられて、そういう意味では、大前委員のおっしゃるとおりだと思うんですが、他方、安全・安心という言葉で、信頼性に関わることをリスク管理機関がメッセージを出していくことも重要かと思いまして、多数決というわけではないんですけれども、安心は残す。科学者として立ち位置が、私は大前委員と近いんですけれども、ここは原案でもよろしいと思います。
 あと、検査体制の整備で、低減対策、生産現場の透明性まで全部入れる必要があるのかということです。
 どうぞ。
○吉岡課長 生産現場での低減対策は、阿南委員が御指摘のとおり、大変重要だと思っておりまして、今、やっておりますリスクコミュニケーションにつきましても、私ども厚労省だけではなくて、農水省も一緒に行きまして、そういう説明をさせていただいております。
 ただ、今、高橋委員からも御指摘がございましたように、薬事・食品衛生審議会あるいは厚生労働省としての所掌との関わりがございますので、答申の中に掲げるのはいかがなのかということでございます。今、いただいた御指摘につきましては、改めて農水省の方にしっかりとお伝えをさせていただくということで、御勘弁いただければと思います。
○岸分科会長 ほかの委員からいかがでしょうか。若林委員、どうぞ。
○若林委員 私が気になった言葉は「記」のところで「なお、新たな基準値の下においても」というところです。「下」という字を書きますと、私たち科学者は以下ととってしまいます。この字の表現は、法律用語でもあるかと思いますが、ここのところの漢字は気をつけて表示してもいいのではないかと思いました。
○岸分科会長 レベルの以下という感じにとってしまいますね。私もサイエンティストですけれども、これは「もと」にしてもよろしゅうございますか。
 そのほかにいかがでしょうか。
 阿南委員から御意見がございましたことは「等」という言葉の中に含ませていただく。本日の審議会で出ました生産現場の透明性等、いろいろおっしゃられたことは、厚生労働省に実施していただく。議事録にも残りますし、その形でいかがでしょうか。「下」を「もと」にすること、「整備等の支援に最大限努める」「安全・安心」ということにいたします。大前委員のおっしゃることは、個人的には理解しておりますが、信頼性という意味において、安心を入れる方がいいという御意見が多かったように思います。
 もしほかに修正の意見がなければ、これで答申文という形にしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岸分科会長 それでは、非常に長い時間、熱心な御議論をいただきまして、今後に向けまして、委員からの重要なコメントがございましたので、答申書に併せまして、厚生労働大臣あてにさせていただきたいと存じます。御協力どうもありがとうございました。
 ここまでで食品衛生分科会と放射性物質対策部会合同会議につきましては、終了させていただきまして、10分休憩に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。

(休  憩)

○岸分科会長 分科会を再開させていただいてよろしいですか。
 それでは「?食品添加物の指定等について」審議を行います。
 まず最初に事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○高橋補佐 事務局でございます。
 それでは、サッカリンカルシウムの食品添加物としての指定の可否及び使用基準・成分規格の設定、2つ目の項目でございます、サッカリンナトリウムの使用基準の改正につきまして、併せて御説明させていただきたいと思います。
 資料でございますが、93ページ目から出ございます。資料に沿って御説明させていただきます。
 サッカリンカルシウムでございますが、先ほど申しましたとおり、食品添加物としての指定の可否及び使用基準・成分規格の設定について御審議をお願いしたいと思います。
 「経緯」でございますが、国際汎用添加物として指定の検討を行ってきたものでございます。国際汎用添加物につきましては、平成14年から順次指定をしていくという方針になっております。
 「構造式」は、こちらの資料にお示ししたとおりでございます。
 「用途」は、甘味料でございます。
 「概要」でございますが、ショ糖水溶液の約300〜500倍程度の甘味を有すると言われておりまして、さまざまな食品の甘味料として広く欧米諸国で使用されてございます。
 「諸外国での状況」でございます。米国では清涼飲料、調理・卓上用砂糖代替品、加工食品への甘味料として添加が認められております。
 EUでも同じように清涼飲料、デザート類、菓子類等といった食品の甘味料としての添加が認められております。
 94ページでございます。
 「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」でございます。今回サッカリンカルシウムとについては、グループADIとして、サッカリンカルシウム、サッカリン、サッカリンナトリウムの3つの品目を併せて評価されております。3.8mg/kg体重/日、これはサッカリンとしての数字でございます。
 ADIの設定根拠は、二世代にわたる試験ということで、無毒性量が500mg/kg体重/日、こちらはサッカリンナトリウムで試験したものでございますけれども、そちらから分子量比ですとか、安全係数を基にサッカリンとしてのグループADIとして設定されております。
 また、食品安全委員会におきましては、不純物についても評価を行いまして、不純物につきましては、サッカリン類の不純物として摂取される限りにおいては、安全性に懸念がないことも確認されております。
 「摂取量の推計」でございます。添加物のサッカリンカルシウムは、日本ではまだ未指定でございますので、我が国における摂取量のデータはございません。ただ、同じグループADIで評価しておりますサッカリンナトリウムですとか、サッカリンの摂取量につきましては、以下のとおりでございます。
 ポイントだけ説明させていただきます。日本では推定一日摂取量調査を行っておりまして、1997年の2.88mgとなっております。
 95ページにその後の調査がございますけれども、2006年の調査では1歳以上の全人口で1人当たり1日0.19mg摂取しているだろうという推定をしております。
 年齢別の結果もありますけれども、全人口で0.19mgと考えております。
 一方、生産量ベースでの調査結果もございまして、ここも推定でございますが、最近のものでは、2004年度で、サッカリンが0.0017mg/人/日、サッカリンナトリウムにつきましては、4.96mg/人/日とさせていただいております。
 「使用基準案」について、御説明いたします。別紙のとおりとさせていただいておりまして、96ページ以降に用意させていただいております。こちらもポイントだけ説明させていただきます。今回はサッカリンカルシウムの指定の御審議をお願いしておりますが、既にサッカリン、サッカリンナトリウムは指定されて、現在、使用されております。
 「使用基準」でございますが、現在のサッカリンナトリウムと基本的に同じ使用基準とさせていただきたいと考えております。
 2つ大きく分かれておりまして「1)添加物一般」でございますが、こちらはサッカリンカルシウムをフラワーペースト類に使った場合、そのフラワーペースト類を使って菓子をつくった場合ということではサッカリンカルシウムを最終的にはお菓子に使ったものとみなすという規定でございます。サッカリンナトリウムと同じく設定したいと考えているものでございます。
 2)でございますが、これはサッカリンカルシウムを使用できる対象食品を決めるということと、また各食品への残存量の規定でございます。こちらは現在のサッカリンナトリウムと同じ基準となっております。
 97ページの下から3行目を説明させていただきますけれども、こちらに「サッカリンナトリウムと併用する場合にあっては」と規定させていただいております。これにつきましては、サッカリンナトリウムとサッカリンカルシウムを両方使った食品をつくる場合、合計量として残存規定を守ってくださいという意味の規定でございます。
 95ページの表に「成分規格」は別紙のとおりと書いてございますが、成分規格は98ページ以降でございます。説明は省かせていただきます。
 「意見聴取の状況」でございますが、パブリック・コメント及びWTO通報の手続中でございます。
 最後に「答申(案)」を説明させていただきます。96ページの一番上でございます。「1.サッカリンカルシウムについては、添加物として人の健康を損なうおそれはないことから、指定することは、差し支えない。2.サッカリンカルシウムの添加物としての使用基準及び成分規格については、以下のとおり設定することが適当である」。
 「使用基準」と「成分規格」については、先ほどのとおりでございます。
 サッカリンカルシウムにつきましては、以上でございます。
 続きまして、議題の2つ目でございます、サッカリンナトリウムの使用基準の改正について、御説明させていただきたいと思います。資料は102ページからごらんいただきたいと思います。
 サッカリンナトリウムの改正でございますが、先ほど最後に申し上げましたとおり、サッカリンナトリウムとサッカリンカルシウムを併用して食品に使う場合の規定をサッカリンカルシウムに設けましたので、サッカリンナトリウムの現在の基準についても、併せて改正をさせていただくものでございます。
 表を付けさせていただいておりますが、サッカリンカルシウムと構造式以外はほとんど変わりませんので、説明は省かせていただきまして、改正の部分だけ御説明をさせていただきたいと思います。
 具体的には105ページをごらんください。「答申(案)」の下に「使用基準(改正後)」と書かせていただいております。現在のサッカリンナトリウムの使用基準改正の下から3行目でございますけれども「サッカリンカルシウムと併用する場合にあっては」として合計量の規定を設定し、両品目の使用基準を合わせるようにさせていただいております。
 「答申(案)」を御説明させていただきます。「サッカリンナトリウムの添加物としての使用基準については、以下のとおり改正することが適当である」とさせていただいております。
 2品目につきましての説明は以上でございます。
○岸分科会長 それでは、議論に入ります前に、部会での審議の状況につきまして、若林部会長に御報告いただきたいと思います。
○若林委員 わかりました。
 部会では、サッカリンカルシウムに関しまして、食品添加物としての指定の可否及び使用基準・成分規格の設定、サッカリンナトリウムに関しましては、使用基準の改正に関しまして議論しましたけれども、特に問題点はなく承認されました。
 以上です。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 それでは、本件につきまして、分科会の委員の皆様から御質問や御意見はございますでしょうか。
 格段に御意見がないようでしたら、分科会として、これを了承するということでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○岸分科会長 ありがとうございました。
 これ以降のWTOですとか、パブリック・コメントなどの諸手続につきましては、部会長と御相談いただきながら、分科会長に御一任いただくということでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○岸分科会長 ありがとうございました。
 また、その後の経過につきましては、次回以降、御報告申し上げます。
 続きまして「(2)報告品目」ですので、事務局から御説明いただけますでしょうか。
○茂野補佐 それでは、農薬につきまして、御報告させていただきます。
 まず机上に配付させていただいております、農薬、動物用医薬品資料の記載についてをごらんください。これにつきましては、これから御説明いたします資料及び別紙1の記載につきまして、わかりにくい箇所がございましたので、それにつきまして、説明するものでございます。
 遺伝毒性試験の記載についてでございますけれども、すべて陰性の場合には記載をしておりません。また、すべて陰性でない場合には、in vitro試験とin vivo試験に分けて記載をしております。疑陽性は陽性として記載しております。
 実際の記載につきましては、資料2の6ページをごらんいただければと思います。6ページにカルボキシンの表がございまして「食品安全委員会における食品健康影響評価結果」が真ん中より若干下のところにございます。そこに遺伝毒性試験としてin vitro試験、in vivo試験の記載がございます。
 それぞれin vitro試験とin vivo試験に分けて記載をしています。それぞれの試験について、すべて陰性の場合には「−」、一部の試験で陽性の場合には「+/−」と記載をしております。
 続きまして、別紙の記載についてでございますけれども「食品名」の右側の「基準値案」の欄が太枠で囲んである基準値案は、本基準、ポジティブリスト制度導入時に設定した暫定基準以外の基準の見直しを行うものです。
 その右側「基準値現行」の欄に網かけのある基準値は、現行の基準値がポジティブリスト制度導入時に設定した暫定基準であることを示しております。
 その右側「登録有無」の欄に○があるものにつきましては、農薬取締法に基づく農薬登録があることを示しております。
 この例では、小麦、大麦、ライ麦などに農薬登録があることを示しております。
 農薬登録の下の方、イチゴと魚介類のところに「申」の記載がございますが、これは農薬の登録申請等の基準値設定要請が農林水産省からなされた食品であることを示しております。
 ブドウのところにITと記載がございますけれども、これは外国で使用されている農薬等に係る残留基準の設定及び改正に関する指針についてという通知に基づきまして、海外と同じ基準を設定してほしい旨の申請、インポートトレランス申請がなされた食品であることを示しております。
 右にいっていただきまして「作物残留試験成績等」の欄のところでございますが、小麦の残留試験成績のところに「$」が付いてございます。これにつきましては、0.020、0.054と数値が大きくばらついております。通常、データの平均値によりまして、基準値を設定しておりますが、試験を行った地域の気候等によりまして、どうしても残留値がばらつく場合がございます。この場合、平均値に基づき基準値を設定してしまうと、正しく農薬を使用していても、基準値をオーバーしてしまうおそれがあります。このような場合、農林水産省からの説明に基づき、一番高い残留値を採用する場合があります。このように、試験成績のばらつきを考慮して、基準値設定に用いた数値につきましては「$」を付けてございます。
 この欄の下の方にいっていただきまして、ブドウの作物残留試験データのところに「♯」が付いてございます。この農薬はこの作物にこのように使うこととしますという申請の範囲で試験が行われていない場合、得られた作残データに「♯」を付けています。通常、このようなデータは採用していませんが、ほかにデータがない場合、その事情・理由等を調べ、妥当性を判断した上で、基準値設定に用いる場合があります。そのような数値には「♯」を付けております。
 魚介類のところに「推」が付いてございます。「推」の記載は、畜産物、魚介類については、作物残留試験成績ではなく、推定残留量により基準値を設定するために、値の前に「推」を記載してございます。
 今後、この資料を、分科会のたびに、毎回、先生方にお配りさせていただくこととしたいと存じます。
 続きまして、本日の報告品目の御説明をさせていただきます。
 資料2の表紙の裏をごらんください。本日の報告品目であります、農薬のアルジカルブ、アルドキシカルブ、カルボキシン、チジアズロン、プリミスルフロンメチル、ベンフルラリン、動物用医薬品のセファロニウムにつきましては、ポジティブリスト制度導入時に設定した暫定基準の見直しを行うものです。
 アルジカルブ、アルドキシカルブにつきまして、説明させていただきます。資料の1ページをごらんください。
 本剤は、殺虫剤です。
 国内登録はありません。
 現行の基準はアルジカルブ、アルドキシカルブ、それぞれ別々の基準が設定されています。しかしながら、農薬アルドキシカルブと同一の化合物でありますアルジカルブスルホンは、農薬アルジカルブが植物体内で代謝されて生成されるものであり、諸外国ではアルジカルブ及びアルドキシカルブは一括で規制が行われています。
 一括の基準として、国際基準は小麦、大豆等に設定されています。米国において大豆、サトウキビ、カナダにおいてバレイショ、EUにおいてリンゴ、ブドウ等、オーストラリアにおいてサトウキビ、綿実などに基準値が設定されています。
 食品安全委員会で、ADI、許容一日摂取量として、アルジカルブについて0.00025mg/kg体重/day、アルドキシカルブについて0.00036mg/kg体重/dayと設定いただきました。なお、アルジカルブのADIは、ヒトボランティアを用いた急性毒性試験の最小毒性量を用いて求められております。
 参考資料3、39ページに食品安全委員会の評価書の記載がございます。男性では無毒性量が0.025mg/kgでしたが、女性では0.025mg/kg投与群でコリンエステラーゼ活性阻害が20%以上認められております。
 参考資料3、53ページに食品安全委員会の評価について記載がございます。最小毒性量を評価するに当たりまして、コリンエステラーゼ活性阻害が20%程度であったが、対象とした女性の人数が少ない点、女性は4名でした。検査項目が少ない点、検査項目は臨床症状、血中コリンエステラーゼ活性のみでした。以上から、追加係数10を用い、安全係数100が用いられております。
 続きまして、アルドキシカルブの毒性試験でございますけれども、アルドキシカルブにつきましては、ウサギを用いた発生毒性試験及びin vivoの遺伝毒性試験(小核試験)が実施されていませんでした。
 そのことにつきましての食品安全委員会の評価は、参考資料の80ページに記載がございます。食品安全委員会では、アルジカルブを用いたウサギの発生毒性試験において、特に問題となる所見がなかった点、アルドキシカルブのin vitroにおける染色体異常試験において陰性だったことから、追加の安全係数3を用いて、安全係数300が用いられております。
 基準値案につきましては、資料に戻っていただきまして、2ページにございます。「食品名」の右側に「基準値案」を示しております。基準値案を太枠で囲っている箇所は、本基準の見直しを行った箇所です。
 JMPR、FAO、WHO合同残留農薬専門家会議では、ADIを0.003mg/kg体重/dayと設定していますが、今回、食品安全委員会ではADIをかなり低く設定しており、コーデックス基準をすべて採用してしまいますと、暴露評価で推定一日摂取量のADIに占める割合が80%を超えてしまいます。そこで、コーデックス基準をなるべく残し、基準値を設定できるよう、フードファクターを考慮して考えたものがこちらの案です。現在、行っております基準値の見直しは、暫定基準の見直しであるため、原則、本基準の見直しはコーデックス基準がある場合のほかは行っておりませんが、本基準であっても、コーデックスがないものの基準値を削除しています。また、コーデックス基準があるものでも、暴露評価で推定一日摂取量のADIに占める割合を80%以下に抑えるため、一部基準値を削除してございます。
 4ページをごらんいただければと思いますが、ミネラルウォーター類にコーデックスの基準0.01が設定されていますけれども、それにつきまして、基準値を設定いたしませんでした。
 「食品名」の右の「基準値案」の欄が空欄となっている食品につきましては、基準値が設定されず、通常、一律基準0.01ppmが適用されます。基準値を設定していない場合、一律基準の0.01ppmが適用されることになりまして、ミネラルウォーター類の実際の規制値はコーデックス基準と同じになります。
 また、ミネラルウォーター類の上にあります、ラッカセイ油、綿実油につきましては、コーデックス基準を参照として、基準値を0.01と設定しています。基準値を設定している食品については、基準値が0.01ppmと一律基準と同じ基準であっても、暴露評価の対象といたしております。
 暴露評価は、食品衛生調査会より厚生大臣に出された意見具申に基づいて実施しておりまして、水、大気等からの暴露量は20%を超えるものではないとして、1日当たりの食品からの摂取量をADIの80%以下にするようにしております。ミネラルウォーター類は、水と大気から摂取する可能性がある20%として考えているため、基準値を設定していません。
 1ページに戻っていただき、暴露評価ですけれども、ADIの低いアルジカルブのADIを用いて計算しております。推定一日摂取量、ADIに対する割合で一番高い幼小児において60.8%でございます。
 続きまして、カルボキシンでございます。6ページをごらんください。
 本剤は、国内登録はありません。国際基準も設定されていません。
 米国において大麦、トウモロコシ等、カナダにおいてなたね、EUにおいて大豆、ホウレン草等、オーストラリアにおいて米、小麦等に基準値が設定されています。
 食品安全委員会でADIを0.008と設定していただきました。
 また、in vitro試験の一部、in vivoの染色体異常試験では、腹腔内投与により陽性が認められています。
 そのことにつきましては、参考資料3の113ページに食品安全委員会の評価書の記載がございます。食品安全委員会では、経口投与では十分高用量で陰性だったこと、また発がん性試験において発がん性が認められなかったことから、生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論されています。
 十分高用量で陰性だったということですけれども、ラットの単回経口投与で4,000mg/kg体重/dayまで投与して陰性でございました。
 基準値案は7ページにございます。米国の基準値を参照して、基準値を設定する基準値案を部会で御審議いただきました。
 6ページに戻っていただきまして、暴露評価でございますが、TMDIの対ADI比で29.1%でございます。
 続きまして、9ページをごらんください。チジアズロンでございます。
 本剤は、植物成長調整剤です。
 国内登録はありません。国際基準も設定されていません。
 米国において綿実、畜産物など、オーストラリアにおいて綿実、畜産物などに基準値が設定されています。
 食品安全委員会でADIを0.039と設定いただきました。
 基準値案につきましては、10ページにございます。米国の基準値を参照して、基準値を設定する基準値案を部会で御審議いただきました。
 9ページに戻っていただき、暴露評価でございますが、TMDIの対ADI比で2.8%でございます。
 続きまして、12ページをごらんいただきたいと思います。プリミスルフロンメチルでございます。
 本剤は、除草剤です。
 国内登録はありません。国際基準も設定されていません。
 米国においてはトウモロコシ、畜産物など、カナダにおいてはトウモロコシ、畜産物などに基準値が設定されています。
 食品安全委員会でADIを0.1と設定いただきました。
 なお、18か月発がん性試験において、雌雄マウスの3,000ppm以上の投与群で、肝腫瘍の発生頻度の増加が認められています。
 記載につきましては、参考資料3の189ページにございます。
 また、食品安全委員会の評価につきましては、参考資料3の193ページにございます。発生機序は遺伝毒性メカニズムとは考え難く、評価に当たり閾値を設定することは可能であると御評価いただいております。
 基準値案は13ページにございます。アメリカの基準値を参照して、トウモロコシに基準値を設定する基準値案を部会で御審議いただきました。
 12ページに戻っていただきまして、暴露評価はTMDIの対ADI比で0.0%です。これにつきまして、実際は0.005%でございました。
 続きまして、15ページをごらんいただきたいと思います。ベンフルラリンでございます。
 本剤は、除草剤です。
 本剤は国内登録はありません。国際基準も設定されていません。
 米国においてレタス、EUにおいてキュウリ、レタス等に基準値が設定されております。
 食品安全委員会で、ADIを0.005と設定いただきました。
 基準値案は16ページにございます。米国の基準値を参照し、レタスに基準値を設定する基準値案を部会で御審議いただきました。
 15ページに戻っていただきまして、暴露評価でございますが、TMDIの対ADI比で0.2%でございます。
 続きまして、動物用医薬品につきまして、御報告させていただきます。
 18ページをごらんください。セファロニウムでございます。
 本剤は、抗生物質です。
 ヒトへの適用はありません。
 グラム陽性菌及びグラム陰性菌の両方に活性のある広域抗菌スペクトルを持つ第一世代の半合成セファロスポリン系抗生物質です。本剤は、感受性菌の細胞壁にある1つのまたは複数のペニシリン結合タンパク質と結合することによって、細胞壁の合成を阻害し、高い細胞内浸透圧のため溶菌することで、抗菌力を発揮させます。
 牛の乾乳期乳房炎などに使用されております。
 我が国では動物用医薬品として承認されており、EU、オーストラリアに基準値が設定されています。
 食品安全委員会でADIを0.0016と設定いただきました。
 なお、評価に供された遺伝毒性試験のin vitroの試験一部で陽性の結果が得られておりますが、小核試験を始めin vivo試験ではすべて陰性の結果が得られているので、セファロニウムは生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論されております。
 基準値案につきましては、19ページにございます。残留試験結果に基づきまして、牛の筋肉等及び乳に基準値を設定する基準値案といたしております。
 なお、本剤は抗生物質であるため、基準値を設定しない食品に関しては、食品一般の成分規格に示す、食品は抗生物質または化学的合成品たる抗菌性物質を含有してはならないが適用されることになります。
 事務局からの説明は以上でございます。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 農薬関係の5品目と動物用医薬品の1品目、セファロニウムについて、続けて御報告いただきましたが、委員の皆様から御意見とか御質問はございますでしょうか。
 これは報告品目ですので、ありがとうございました。
 続きまして「(3)文書による報告品目」に移らせていただきます。
 文書による報告品目でございますけれども、農薬に関しましては、事前に委員の皆様に郵送で資料が配付されていると思いますので、この分科会の席で何か格段の御意見がなければ、文書報告ということで、次に移らせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○岸分科会長 ありがとうございました。
 それでは「3 報告事項」になりまして「(1)平成24年度輸入食品監視指導計画(案)」につきまして、事務局から御報告をよろしくお願いいたします。
○道野室長 それでは、資料4に基づきまして「(1)平成24年度輸入食品監視指導計画(案)」について、御説明します。
 1ページをごらんいただきますと、輸入食品監視指導計画とはそもそも何かということを記載しております。食品衛生法に基づきまして、国なり都道府県の監視指導ということで行っておるわけでございますけれども、輸入食品の水際の監視であるとか、輸出国との対応につきましては、国の事務になっておりまして、国が行う輸入食品に係る監視指導の実施に関する計画については、国が策定をしていく仕組みになっています。これは毎年改定いたしまして、その時期に応じた対応をしていく考え方のものであります。
 監視指導計画の基本的な考えとしては、輸出国、輸入時の水際での監視、国内流通時の3段階で衛生対策を講じていくという考え方で対応しております。
 以下、24年度の概要について、特に新しく加わったことにつきまして、簡単に御説明しております。
 重点的に監視指導を実施すべきことでありますけれども、これは輸入時の対策ということです。
 輸入時に輸入者に対して、営業目的の食品を輸入する場合には、すべて届出をしなさいということで、検疫所で検査を実施している仕組みになっております。
 その中で、違反の蓋然性に応じて、通常のモニタリング検査、違反の蓋然性の高いものについては、全ロット時で検査命令をするという対応をしておりますけれども、24年度の計画といたしましては、モニタリング検査につきまして、前年度から3,800件増の8万9,000件という計画で対応することにしております。
 これに伴いまして、食品衛生監視員も6名増員いたしまして、399名という対応になります。
 輸出国段階での衛生対策の推進につきましては、24年度で特段新しいものはございませんけれども、従前どおり、計画的に輸出国の食品安全対策についての調査を順次行うわけでございますが、それに加えまして、個別問題が起きた場合の原因の究明、再発防止対策の確立を要請し、2国間で協議していくということをやっております。
 あと、日中間に関しましては「食品安全推進イニシアチブ覚書」ということでありまして、毎年、閣僚での協議もやっております。
 5番目でありますけれども、輸入者への自主的な衛生管理の実施に関する指導でございます。食品の安全対策、改善確保というのは一義的には事業者の責任でございますので、輸入者に対する指導というのは、非常に重要なものであります。
 24年度の新しいものとしましては、昨年末に安全性審査を経ていない遺伝組換え微生物がつくった食品添加物が一部確認されたということで、輸入業者に対しまして、日本国内で安全性審査を経た遺伝子組換え微生物がつくった食品添加物であることについて、輸入前にきちんと確認していくことについての指導を、重点的に徹底していこうということであります。
 国民への情報提供でありますけれども、勿論こういった対応について、順次、厚生労働省のホームページを中心に情報提供していくということと、もう一つは、リスクコミュニケーションということであります。
 24年度の計画につきましても、1月に東京と大阪で意見交換会を開催しております。関係団体の御協力を得まして、開催しておるわけでありますけれども、そういった取組みを通じて、国民への情報提供も引き続き対応していきたいと考えているところでございます。
 案につきましては、パブリック・コメントが終了いたしまして、24年度の計画ですので、3月中に官報に掲載する予定になっております。その際には、パブリック・コメントで、輸入食品の安全対策をもっと強化しろという御意見と、一部業界関係からは検査の緩和についての意見も出ておりますけれども、そういった意見についての回答も含めて、3月中に公表する予定になっております。
 以上です。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 ただいまの御報告に御質問とか御意見はございますでしょうか。阿南委員、どうぞ。
○阿南委員 ちょっとお聞きしたいのですけれども、先ほどの放射性物質の新基準値の導入に関わるのですが、輸入品について、核実験が行われていた地域では、今でもかなり放射線濃度が高いと言われていますけれども、そういう地域からの輸入品について、どのようにチェックをするのでしょうか。輸出国側の検査体制が十分に整っていないところもあると思うのですが、その辺についての対策をお聞きしたいと思います。
○道野室長 輸入食品中の放射性物質の検査につきましては、1986年に旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所の事故に伴いまして、特にウラル山脈以西のヨーロッパ地域から輸入される食品について、トルコも含めてなんですが、重点的に検査をしてきた。その際にほかの国から輸入されるものについても、一部検査をしたということがございます。現在でもキノコ類であるとか、ベリー類の濃縮品などの一部の食品については、引き続き検査が必要な状況がございます。
 そういった取組みを通じまして、輸入時食品中の放射性物質の検査は継続して、輸入食品に対する暫定限度が370Bq/kg/kgという数値との比較で、やはり違反の蓋然性があるものについては、当検査をずっと継続してきたというのが現在の体制であります。そういったことで、現在、対象になっているものというのは、そういった暫定限度を超える懸念があるのではないかということで、検査を継続している状況にあります。
 輸出国における取組みとしても、日本で輸入時の検査で不合格になることを避けるために、二十数年続けているものですから、多くの食品については、輸出する段階で検査をして、輸出国の公的検査機関の検査結果を添付して輸入されているものがほとんどです。検査対象食品についてもそういうことになります。
 輸入食品につきましても、今日、御審議いただきました新基準値が4月1日から適用されることになりますので、先ほどのWTO通報では、特段各国からは意見がなかったということでありますけれども、ヨーロッパの一部の国からは、370Bq/kgは超えないけれども、100Bq/kgを超えるものが輸入されている状況が現在もありますので、そういった国に対しては、4月1日以降は100Bq/kg以下のものを輸出してもらうようにということで、各国個別に情報提供し、注意喚起をしておる状況でございます。
○岸分科会長 よろしいですか。
○阿南委員 そういうところはいいのですけれども、お隣の国では、かなり核実験が行われてきましたし、その影響もかなりあると聞いています。必ずしもそういう問題意識で、政府が検査体制を整えているのかわからないものですから、その辺はどういう対策をとられるかということです。
○道野室長 特に80年代から90年代前半にかけて、勿論ヨーロッパ地域が中心ですけれども、検査としては、そういった国から来るものについても検査をした経緯があります。通常、原発事故であればセシウム134と137の両方が検出されるわけですけれども、食品によっては、地域によっては、137のみもございます。日本国内でも、福島の事故以前でも一部そういうものがありますから、そういった食品があることについては、ある程度検査で確認されています。ただ、370Bq/kgを超える懸念のあるものというのは、現在の検査対象品目に現時点では限定していると考えております。
○岸分科会長 よろしいですか。
 そのほかの御意見とか御質問はございますでしょうか。
 確かに、今、阿南委員が質問されたように、放射線のことを考えますと、核実験をしていた国から、今、隣の国とおっしゃったのは北朝鮮のことなんだと思います。
○阿南委員 中国です。
○岸分科会長 中国のことですか。いろいろな可能性があります。国民の関心が以前よりずっと高くなっていますので、核実験の辺りまで含めて、半減期が長いものは残ってしまいます。
 続けていろいろ御報告いただくと、私たちもいろんなことがわかって、ありがたいように思いますので、よろしくお願いいたします。
 そのほかにもしないようでしたら「(2)食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について」の御報告をお願いいたします。
○茂野補佐 資料4の5ページをごらんください。「食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について」でございます。
 添加物につきましては、パブリック・コメントを今後実施する予定でありまして、WTO通報を現在実施しているところです。
 農薬及び動物医薬品につきましては、パブリック・コメントを実施した剤について、若干意見が出されております。内容につきましては、主に基準値の設定理由を問うコメントが出されております。国際基準や国内、海外の作物残留試験データに基づき基準値を設定していることを丁寧に回答いたしております。
 また、下の方にいっていただきまして、容器包装につきましては、乳等省令等の一部改正に関して、経過措置の書きぶりに関する意見が出されております。
 器具・容器包装に関しましては、告示試験法の改正について、改正対象を確認する意見が出されており、現在、出された御意見を踏まえ、回答を作成中でございます。
 以上でございます。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 委員の皆様から、御意見ですとか御質問などはございますでしょうか。お願いします。
○山内委員 農薬については、2006年にポジティブリスト制度ができて、5年以内ぐらいにとりあえず決めていただいた暫定基準値の見直しをするという話でしたが、いろいろ御事情があると思いますけれども、2011年度3月末でどこまで進展したのかについて、数字を教えていただきたいと思います。今はわからなければ、次回で構いません。
○岸分科会長 いかがですか。
○茂野補佐 暫定基準につきましては、758品目につき設定をいたしておりますが、現在のところ、食品安全委員会に諮問ができていない品目が344品目残ってございます。
 以上でございます。
○岸分科会長 山内委員、御意見ございますか。
○山内委員 残りの414品目は終了したということですね。
○茂野補佐 344品目につきましては未諮問で、そのほかにつきましては、既に評価依頼を行い、また本基準にしたもの、評価が終わって部会にかける前のものがございます。
○森口課長 補足させていただきます。
 今、手元に正確な数字を持っておりませんけれども、暫定基準の758のうち、150前後はここで審議していただいて、告示も終わって、暫定が外れて、本基準だけになっています。
 414を向こうに評価依頼していますけれども、まだ返ってきていないものが200以上ございます。返ってきて、ここで審議していただいて、告示改正の手続中、薬食審にかけるための資料準備中といったものが、大体40〜50ぐらいある状況になっています。かなり剤の数が多いものですから、食品安全委員会からの評価結果が返ってくるまでに相当時間がかかるという状況です。暫定基準の見直しというのは、事業者にとっては余り困らない、むしろ新規農薬登録とか適用対象拡大という方を、食品安全委員会としても優先して処理しているということで、かなり時間がかかっております。
○岸分科会長 ありがとうございました。
 山内委員、よろしいですか。
○山内委員 はい。
○岸分科会長 ほかの委員から御質問とか御意見はございますか。
 もしないようでしたら、これですべて議題の審議が終わったんですが、事務局から御連絡とか伝達的なことはございますでしょうか。
○山本補佐 次回の開催日程につきましては、また先生方の御予定をお伺いさせていただいた上で、御連絡させていただければと考えております。
 以上でございます。
○岸分科会長 それでは、長時間の御審議、本当にありがとうございました。予定より少し早く終わりましたが、これをもちまして、本日の分科会は閉会いたします。御協力ありがとうございました。



(了)
<照会先>

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TEL: 03−5253−1111(2449)

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