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2012年3月9日 第2回新水道ビジョン策定検討会議事録

健康局水道課

○日時

平成24年3月9日(金)9:30~12:00


○場所

厚生労働省 専用第14会議室


○出席者

出席構成員

滝沢座長 浅見構成員 岡崎構成員 岡部構成員 尾崎構成員
木暮構成員 佐藤構成員 長岡構成員 服部構成員 平田構成員
吉岡構成員

○議題

(1) 第1回検討会議事録(案)について
(2) 水道ビジョン改訂版(レビュー)の修正について
(3) 関係団体との懇談会報告について
(4) 追加調査について
(5) 今後の論点整理(案)について
(6) 検討会の実施スケジュール(案)について
(7) その他

○議事

○ 名倉課長補佐
では、定刻となりましたので、ただいまから新水道ビジョン策定検討会を開催させていただきます。構成員の皆様にはご多忙にもかかわらず、ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。まず構成員の出席状況でございますけれども、本日11名すべての構成員にご出席いただいております。
それでは、開会に当たりまして、厚生労働省・外山健康局長よりごあいさつ申し上げます。

○ 外山健康局長
健康局長の外山でございます。構成員の皆様におかれましては、本日はご多忙のところ、本検討会にご参集いただきまして、まことにありがとうございます。本日は第2回目の検討会となるわけでございます。前回の検討会では、現行水道ビジョンのレビューと今後の取り扱うべき論点を中心にご議論いただきました。特に事業者における職員の確保や中小規模の水道事業者への配慮、また、住民との連携のあり方などについて、多くの貴重なご示唆をいただきました。今回の検討会では、レビュー資料と論点の修正を踏まえまして、さらに議論を深めていただくとともに、新たな論点となる事項についての追加調査、それから、関係団体からの意見をまとめておりますので、そちらについてもご確認をいただきたいと存じます。前回に引き続きまして、どうか闊達なご議論をよろしくお願い申し上げます。

○ 泉技術係員
続きまして、議事に入る前に事務局より配付資料の確認をさせていただきます。まず向かって左手側に、ご参考なのですけれども、3月27日の上下水道シンポジウムの案内を配っております。これは検討会が終わった後にでもごらんいただければと思います。次に資料のほうなのですけれども、まず頭に議事次第がございます。1枚めくっていただくと、添付—1、検討会名簿、もう1枚めくっていただいて、添付—2、座席表でございます。次に、左側ホチキスどめの第1回検討会の議事録(案)でございます。次、資料—2が水道ビジョン改訂版(レビュー)の修正版でございます。その後ろに5冊、分冊がついております。資料—2—1、水道の運営基盤の強化、資料—2—2、安心・快適な給水の確保、資料—2—3、災害対策の充実、資料—2—4、環境・エネルギー対策の強化、資料—2—5、国際協力等を通じた水道分野の国際貢献でございます。次が資料—3、関係団体との懇談会報告、次が資料—4、左上ホチキスどめの追加調査について、資料—5も左上ホチキスどめの今後の論点整理(案)です。最後、資料—6、1枚になっております検討会の実施スケジュール(案)でございます。
 資料は以上です。もし足りないものがございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。よろしいでしょうか。

○ 名倉課長補佐
では、滝沢先生、議事進行をよろしくお願いいたします。

○ 滝沢座長
それでは、早速ですけれども、議事を進めてまいりたいと思います。議事の1番目ですけれども、第1回検討会の議事録(案)について、これは既に検討会の構成員の皆様には電子メール等でご確認いただいたとお聞きしております。何かお気づきの点はございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、ご確認いただいたということで、「(案)」をとって「議事録」ということにさせていただきたいと思います。
続きまして議事の2番目ですが、水道ビジョンの振り返りということで、改訂版のレビューを前回行いました。それに対しまして、構成員の皆様から多数ご意見をいただいたところでございます。いただいた意見に基づきまして、資料—2として修正版を用意してございます。前回と同様に修正案につきましても、施策群の1から5について順番にご説明をいただき、それぞれの施策群ごとに、短時間ですけれども、質疑というようにさせていただきたいと思います。
それでは、まず第1番目の施策群1についてご説明ください。

○ 日水コン(榊原)
日水コンの榊原です。施策群の1から5につきましては、前回ご指摘いただきまして、修正をいたしております。特に施策群1と施策群5につきまして少し時間をとってご説明しまして、施策群の2、3、4につきましては簡単にご紹介をいたします。
まず施策群1ということで、資料—2—1をごらんいただければと思います。運営基盤1—15をごらんください。都道府県の地域水道ビジョンの策定状況ということで、最新の平成24年2月現在に修正をいたしました。現時点では8道県において策定している。大阪府におきましては策定中ということになっております。
続きまして、1—16から1—17ページですが、都道府県の地域水道ビジョンを策定しない理由ということで、3県、富山県と鳥取県、岡山県、こちらに改めてご確認をいたしまして、策定をしない理由を伺いました。みずからの事業体が策定すべきではないかということでご回答をいただいておりますので、ここでご紹介いたします。
続きまして、運営基盤2—12ページをごらんください。前回お示ししましたPFI・DBOの導入状況の中でまた1つ追加いたしまして、紫波町の事例を追加いたしております。続きまして、2—23ページをごらんいただければと思います。都道府県による水道事業者への指導・監督状況ということで、下のほうにグラフをお示ししておりますが、都道府県別に各水道事業者に対して立入検査を実施した事業の割合になっております。縦軸がパーセントになっておりまして、幾つか100%を超えているところがございますが、これは複数回、立ち入りを行ったということであります。
同じような形式で2—24ページ、簡易水道事業者に対しての指導・監督状況、それから、2—25ページ、専用水道事業者への指導・監督状況をお示ししております。特に専用水道におきましては、都道府県が市町村のほうに委譲しているというケースもございますので、そのようなグラフもあわせて添付をしております。
続きまして、2—39ページをごらんください。これは技術職員の年齢構成ということで、水道事業体の規模別に、5歳ごとに技術職員の集計をした結果をお示ししておりまして、このグラフからは、特に事業体の規模で年齢構成が大きく異なるというような状況は認められません。
続きまして、1つ飛びまして失礼しました。2—34ページをごらんください。平成9年、15年、21年の6年間における水道事業1事業当たりの職員数の推移を事業体の規模別に層別しまして集計したものであります。いずれの水道事業体の規模におきましても、平成9年から21年にかけまして、1事業体当たりの職員数が減少しているということがわかります。
続きまして、2—41ページ、42ページをごらんください。2-34と関連しますが、職員1人当たりの指標ということで、2—41ページは水道事業体の規模別に職員の1人当たりの給水人口、1人当たりの給水面積のグラフをお示ししておりまして、特に2—41ページの右側のグラフでありますが、規模の小さいところにおいて、1人当たりの受け持つ給水面積が大きくなっているということがわかります。このことに関連しまして2—42ページですけれども、同じように水道事業体の規模別に職員1人当たりの管路延長、職員1人当たりの施設数、職員1人当たりの設備数ということで見てみますと、小規模ほど管路延長にしても施設にしても件数が多くなってくるということで、小規模事業体はただでさえ人が少ない上に、1人当たりの受け持つ範囲も広くなってくるということがいえるのかと思います。
続きまして、3—2から3—5ページをごらんください。更新需要のご指摘が前回ございまして、運営基盤3—2ページですけれども、水道への投資額の推移、資産額の内訳等をお示ししております。これをもとにしまして、アセットマネジメントの検討でよくやりますが、法定耐用年数で更新した場合、法定耐用年数の1.25倍で更新した場合、そして、3—5ページですけれども、法定耐用年数の1.5倍で更新した場合ということで、既存の施設の延命化を図った場合に、将来的な投資額がどのように変わっていくかということをお示ししたものですが、3—3ページ、法定耐用年数でやった場合には1.6兆円、3—4ページ、1.25倍の場合には1.4兆円、3—5ページ、1.5倍にした場合には1.1兆円ということで、確かに延ばせば延ばすほど投資額は少なくなっていくわけです。その結果として何が起こるかといいますと、その下の3—6ページですが、施設の健全度をお示ししたものでして、左側が施設の健全度、右側が管路の健全度でございます。青と黄色がありますが、青が健全資産で、黄色が経年化資産ということで、今、マニュアル等でも定義されていますが、このように経年化資産がどんどんふえていくといったようなことが関連して起こってくるということであります。
続きまして、3—9ページ、3—10ページをごらんください。前回の第1回目の検討会の中で、将来的な人口の減少といった社会的な背景を押さえる必要があるといったご指摘がございました。このテーマにつきましては、第3回目の特定テーマで改めてお示しいたしますが、まずは3—9ページのところで、日本の将来推計人口ということで実績値と推計値をお示ししております。3—10ページが年齢階層別の推移ということで、現在から20年後、50年後、そして100年後の姿をお示ししております。
最後、3—11ページですが、人口当たりに換算した更新需要の見通しということで、法定耐用年数で更新した場合、1.25倍で更新した場合、そして1.5倍で更新した場合ということで、1人当たりの更新需要を計算したものでございますが、このように人口減少に伴いまして、1人当たりの負担が増大する見込みであります。ですので、更新を先送りするということは、先ほどごらんいただきましたように、施設の健全度が低下するということと、世代間の負担の格差を大きくするということにつながります。ですので、企業債(将来世代の負担)を減らしつつ、健全な施設水準の確保、更新需要の平準化、更新財源確保を行うことが必要ということであります。
以上が施策群1の変更点であります。

○ 滝沢座長
どうもありがとうございます。前回ご質問、あるいはご意見が出たところを中心にご説明いただきましたけれども、何かお気づきの点はございますでしょうか。
国の統計ですので、国の平均値が必ずしも個々の事業体をあらわしているわけではないというのは、既に皆さんご承知のところだと思います。今は国のレベルでの集計ということでご説明いただいておりますけれども、規模別、あるいは地域別というのですか、個別の議論につきましては、また次回以降の適当なる会議でいろいろな議論をさせていただくことになるだろうと考えております。どうぞ。

○ 浅見構成員
1点確認させていただきたいのですが、運営基盤3—11ページで今ご紹介いただいた人口当たりに換算した更新需要の見通しのところなのですけれども、これは人口減少に伴って1人当たりの負担を計算されたものだと思うのですが、施設の更新費用については、今と同じものをすべて1倍、1.25倍、1.5倍で更新した場合ということでよろしいでしょうか。

○ 日水コン(辻)
そのような解釈でいいと思います。

○ 滝沢座長
いかがでしょうか。ほかに何かお気づきの点はございますか。木暮さん、どうぞ。

○ 木暮構成員
2—23のところで整理の仕方をお聞きしたいのですけれども、都道府県による水道事業者への指導・監督状況で、下の棒グラフは上の件数からからどうやって作成したのでしょうか。先ほどの説明では100%を超えているのは1事業者に対して何回か実施しているということだと思うのですが、この辺をどうやって整理したのでしょうか。

○ 日水コン(辻)
これについては、個別にまた設問を設けておりまして、知事認可の水道事業体の総数が分母になりまして、そのうち、ことしは何ヵ所立入検査をしましたかというのを個別に聞いていますので、それを都道府県別に集計したものになります。

○ 木暮構成員
ということは、例えば1事業者に対して改善状況を確認したというのは、2回にカウントしているということなのですか。

○ 日水コン(辻)
100を超えているということは、どこからか2回以上は行っているという解釈でいいと思います。

○ 木暮構成員
 わかりました。

○ 滝沢座長
ほかに何かお気づきの点ございますか。どうぞ。

○ 服部構成員
2—6、第三者委託届け出件数というのがあるのですけれども、これをみると、専用水道は随分、民間委託がされているという形になっているのですが、民間委託もいろいろな種類があって、1つは仕様発注であるとか、包括発注であるとか、業務別に例えば検針だとか、集金だとか、機械だとか、電気だとかいうことがわからないと、これだけを見ていると非常に第三者委託の件数がふえているようにはみえるのですけれども、僕らの実感と合わないなというところがあると思います。

○ 滝沢座長
何かその理由についてお心当たりというか、ありますかね。実感と差が出る理由はどんなところにあるかというのは。

○ 服部構成員
第三者委託といっても種類がいろいろありまして、実際は民間委託の中に仕様発注であるとか、包括発注だとか、そういうことがいろいろまざっていて、本当に進んでいるかというのがきちんとみえてこないなということだろうと思います。

○ 滝沢座長
そこら辺の実態も今後、集計の仕方も含めて、あるいは個別の実態もみていかなければいけないということかもしれませんので、ご検討いただければと思います。
ほかにお気づきの点はございますか。どうぞ。

○ 尾?構成員
まず技術職員の減少ということが資料にあるのだけれども、これは何をターゲットにして、何をどう危惧して資料をつくっているのかというのを聞きたいのです。というのは、例えばITとか、集中化とか、そういう中では人は減りますよね。減り過ぎているのではないかというような意味でつくっているならば、もう少し細かく分析しないとなかなかみえてこないのではないか。先ほど座長からもっと個別にという話もあったのですが、そういう中で、何をターゲットにして、どういうことをということにもう少し踏み込むと、前回もお話ししたのだけれども、もっとみえてくるのではないかなということを思いました。

○ 滝沢座長
技術の中身も含めてご検討いただきたいということなのですが、データそのものは、どこのデータをお使いになったのですか。

○ 日水コン(辻)
水道統計です。

○ 名倉課長補佐
前回、職員数、技術だけではなくて、ほかもいるだろうとか、運営とか経営にかかわる人とかもみていかないといけないであろうというご指摘はいただいたのですが、一方で特に中小のところでは、技術屋さんではないけれども、技術的なこともやっているというご意見をいただきました。今はとりあえずは水道統計でとらえられる範囲ということなのですけれども、恐らく聞いても、例えば小さいところで技術屋さんではない人、事務職として入った人が技術的なことをやっているというのは、どういう聞き方をしても出てこないのではないかということもあります。どういう聞き方をしても出てこないのであれば、とりあえず全体像をとらえるしかないのかなということで、こういう形で出させていただいたということになります。もしこういう聞き方をすれば、恐らく中小の方も含めて適切に答えられるというような聞き方があればいいのですけれども、なかなかそういうのが難しいかなと思ったということでございます。

○ 尾?構成員
多分難しいと思います。その難しさをわかっていて、そういう問題点がある中で、今後、個別に各中小規模の事業体の調査をするときに、それを踏まえてちゃんと考えたらと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。参考にさせていただきたいと思います。
よろしいでしょうか。そうしたら、施策群1を終えて、次の施策群2、安心・快適な給水の確保について、修正点をご説明ください。

○ 日水コン(榊原)
施策群2ですけれども、資料—2—2をごらんください。これにつきましては軽微な2点のみの修正となっております。
26ページをごらんください。ピラミッド型をしているのが水質基準、水質管理目標設定項目、そして要検討項目の並びですけれども、少し前の情報が入っておりますので、これを最新の情報に差しかえさせていただきました。
32ページをごらんください。未規制施設と小規模な施設の水質管理対策の充実ということで、下の飲用井戸の水質管理率ですが、前回、19、20、21年度の3年分の水質管理率と受検率をお示しできていなかったのですが、今回、これを追加したということでございます。
水質につきましては以上2点です。

○ 滝沢座長
軽微な修正だということですが、ご確認いただけますでしょうか。何かお気づきの点があれば、ご指摘いただきたいと思います。よろしいですか。
それでは、少しずつ時間も押してきていますので、重要なところでは時間をとって皆さんのご意見をいただく、ご了解いただいているところはさっと行くという、少しめり張りをつけて進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、2—3の災害対策についてお願いします。

○ 日水コン(榊原)
2—3ですけれども、こちらも軽微な修正であります。
まず3ページをごらんください。最近の地震と水道の被害状況ということで、阪神・淡路大震災の情報を追加しました。それから、最大断水日数の列を追加しております。
続きまして、8ページをごらんください。水道基幹管路の耐震適合率ということで、最新の平成22年度の値を入れております。下のほうにコメントをつけておりますけれども、コメントを若干修正しておりまして、水道管路は高度成長期に多くの布設がなされている。これらが耐震性が低いということです。耐震適合性のある管路が全国で31%にとどまっているということと、この地図にありますように、色塗りしておりますが、事業体間、地域間でも大きな差があるということで、全体として底上げが必要というコメントにしております。
続きまして、34ページをごらんください。水害の事例、情報を追加いたしました。それから、最大断水日数を追加したということであります。
資料2—3につきましては以上3点でございます。

○ 滝沢座長
こちらも軽微なデータ等の修正でございますが、何かお気づきの点はございますでしょうか。どうぞ。

○ 佐藤構成員
1点質問です。先ほどの資料の災害—8、災害対策等の充実ということで、まとめ方として「地域間でも大きな差があることから」ということになっておりますが、現時点でこの辺の地域間格差における要因等が把握できていればご紹介いただきたいと思います。そうでなければ、次回以降の議論等でこの点も含めて、今後どうあるべきかを考えていきたいと思っておりますので、もし可能であれば現時点での情報をご提供いただければと思います。

○ 名倉課長補佐
これはとりあえず県別にみておりますけれども、実は事業体毎の差が非常に大きくなっておりますが、その原因についてまでは少し調べ切れておりません。ただ、大規模なところと小規模なところですと、例えば耐震化計画を策定していないところが小規模なところでは多くて、耐震化も進んでいないとか、そういう状況はございますけれども、そもそもの原因が何かというところまでは少し把握ができておりません。

○ 滝沢座長
ただいまの質問もそうですけれども、今、把握できていないような状況があると思いますので、今後、これから検討会で議論していく中で、いただいた質問を参考にしながら、そういったところが明らかになるような今後の調査の仕方、質問の仕方を工夫していただければと思います。ありがとうございます。
ほかに何かございますか。よろしいですか。
それでは、続きまして施策群4、環境・エネルギー対策の強化のほうに進みたいと思います。よろしくお願いします。

○ 日水コン(榊原)
資料—2—4ですけれども、環境・エネルギー対策の強化です。こちらも軽微な修正、1点のみです。
18ページをごらんください。有効率の現状ということで、全国、大規模、中小規模、水道用水供給事業ということで、有効率と有収率のグラフを計算しておりますが、前回、未収率のグラフもつけていたのですが、未収率は有効率、有収率を出していれば情報としてはわかりますので、これをあえて載せないということで、グラフを大きくして表示させたということでございます。
修正点は以上でございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。こちらも軽微な修正ということですが、いかがでしょうか。全体をみてお気づきの点はございますか。よろしいでしょうか。
それでは、次の国際協力につきましては、最近、いろいろな動きがあるということもございまして、また前回ご出席の委員の方からいろいろなご意見もいただきましたので、大きな修正をしていますので、少し時間を長目にとってご説明をいただきたいと思います。資料—2—5です。よろしくお願いします。

○ 日水コン(植村)
資料—2—5につきましては、私、植村からご説明させていただきます。前回の検討会におきまして、全面的に内容の再構成をしたほうがいいのではないかというご指摘がありましたので、それを踏まえて、今回、パワーポイントをつくり直してきております。みていただければわかると思いますけれども、主要施策1、主要施策2、このものにつきましては基本的に変わりはないのですが、この中に入れている内容としましては、主要施策1の水道分野の国際貢献の推進につきましては、実際の事業に対する成果を中心に載せるという形にしております。主要施策2につきましては、国際調和の推進等我が国水道の国際化ということで、今まで日本の水道事業体さんが国内で培ってきた技術を国際的に情報提供していこうという流れがありますので、この辺も中心に整理していくというような形です。あと、参考資料といたしましては、それ以外の国際に対する流れということで、その辺の情報を入れていくというような形の構成ということで、前回とちょっと変えております。
では、内容をご説明させていただきたいと思います。まず主要施策1の水道分野の国際貢献の推進ですけれども、研修生の受け入れ実態、最近10年間のものなのですが、こちらについてグラフにあらわしております。こちらにつきましても、10年間で研修生の受け入れ人数が1,426人ということで、目標としましては、今後10年間で600人受け入れるというように掲げられていますけれども、それは達成しているというような状況になります。あと、グラフから読み取れるものとしましては、年別にばらつきはあるのですけれども、平均的に100人程度をコンスタントに受け入れているというような実態も読めるかなということがございます。
次の3ページ目に行きまして、専門家の派遣実績ということで、これも過去10年間のものをグラフ化しております。こちらにつきましては、今後10年間で約400人派遣するという目標を掲げているのですけれども、現在のところでは、過去10年においては281人ということで、達成率としては70%程度ということがうかがえます。最近5年間におきましては、短期専門家派遣数としまして、毎年20人前後の推移で来ているということがうかがえます。
次のページに行きまして、4ページなのですけれども、水道事業者による研修生受け入れ状況、これは平成22年ベースのものを掲載させていただいております。こちらについては、実施形態としましては、本邦もしくは現地の研修が主なものになっていまして、事業体さんは左側に書いてあるとおり、割と事業を昔からやっているようなところが中心に受け入れているという形になっております。
次のページに行きまして、5ページ目なのですけれども、水と衛生分野におけるODAの実績をグラフ化したものです。こちらのグラフをみていただきますと、左のグラフから読み取れるものとしましては、日本は水と衛生の分野における世界最大の援助国であるということがうかがえます。年平均としまして51.6億ドルの援助を行っているということがあります。右側の円グラフにつきましては、それぞれ事業別の内訳ということで紹介されておりますけれども、上水道と下水道が84%、圧倒的シェアを占めているということがうかがえます。
次、6ページに行きまして、対アジアへの日本の支援実績ということで、アジアを中心とした整理の仕方をしております。日本は20年以上、アジア各国に対して衛生的な水供給に関して重要な役割を果たしているということが、この実績からうかがえるということが挙げられます。
次のページに行きまして、7ページなのですけれども、協力案件についてのご紹介です。協力案件につきましては、無償協力案件、有償協力案件ということで2つに大きく分けられると思うのですけれども、それぞれについてご説明させていただきたいと思います。7ページにつきましては無償協力案件の推移ということになります。これも過去15年分の案件数の推移ということで紹介させていただいているのですけれども、無償協力に関してはアフリカへの協力が全体の50%、半数を占めているということがうかがえます。件数にしては188件ということになっております。アジアへの協力としましては、全体の約20%ということになっております。
続きまして、8ページをみていただきたいと思うのですけれども、こちらは一方、有償協力案件ということで紹介をしております。有償協力案件につきましては、下の表からも読み取れますとおりで、15年間でアジアへの協力が全体の70%を占めているということがうかがえます。
続きまして9ページなのですけれども、国連のほうでミレニアム開発目標に対する状況ということで、これも水分野における目標が掲げられているという状況にあります。国連・ミレニアム開発目標としましては、赤で書いているところなのですけれども、2015年までに安全な飲料水及び衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減しますという目標が掲げられているということです。その成果としまして、左のグラフに地域別に記載されている形になっているのですけれども、これから読み取れることとしましては、安全な飲料水を継続して利用できない人口の割合は、世界平均で1990年の23%から13%、大幅に改善はしています。ただ、9億人が安全な飲料水を継続的に利用できない状況がいまだにあるということがございます。東アジアについては20%程度の改善、東南アジアについては14%、南アジアについては12%ということで、アジアの地域において改善が顕著にあらわれているということがうかがえますけれども、それでも依然4.8億人程度の人が安全な飲料水を継続的に利用できない状況にあるということがうかがえます。
ここまでが主要施策1に対する現状ということでございます。
次のページからは主要施策2ということで、国際調和の推進等我が国水道の国際化ということで、それに関連するものについてのご紹介ということになります。まず1つ目につきましては、PI公表事業体及び国際に関するPIの指標値がある事業体の推移ということで、まずPI指標が何かということを右側に記載させていただいているのですけれども、水道事業を多方面から指標によって数値化を図ったものということです。今回、ここに掲載していただいているものにつきましては国際の分野のものなので、国際に関するPI指標ということで紹介しております。こちらにつきましては、PI指標が2項目ありまして、1つが国際技術等協力度、もう1つが国際交流数ということであります。その状況をあらわしているものが左のグラフになります。過去5年間で国際に関するPI指標のある事業体の比率としましては、83%から94%ということで向上はしているのですけれども、実際、国際貢献の実績のある事業体、これが緑であらわしている部分なのですが、こちらにつきましてはおおむね横ばいという状況がうかがえます。
次のページからは国際展開の事例ということで、9都市を挙げさせていただいております。一つ一つご説明していくと、時間もありますので、ごらんになっていただければと思います。
ちょっと飛びますけれども、20ページに行きまして、アジア・ゲートウェイ構想というものが水道事業の国際展開を重要政策として位置づけているというような状況があります。最重要項目10ということで挙げられているのですけれども、その中で10項目のアジア共通課題に関する協力・研究の中核機能の強化、この中に、下のほうに記載させていただいているのですが、水の管理・供給という項目がありまして、アジアにおける飲み水と衛生、水不足、水質悪化、洪水等に対する対策のニーズの高さを踏まえて、第1回アジア・太平洋水サミットへの積極的関与、アジアの水管理・供給政策の立案支援等を推進していくということが挙げられております。
次、21ページに行きまして、先ほど出てきましたアジア・太平洋水サミットを通じたアジアへの情報発信と交流を拡大しているということが挙げられております。まず左側のほうで、関係府省による過去の国際会議への貢献ということで、3年ごとに世界水フォーラムが開催されていまして、第6回世界水フォーラムが今月にあるということを情報として得ているのですけれども、3年ごとにこのような形で参加をしていくという形になっております。
もう1つ、アジア・太平洋水フォーラムが2006年9月に発足されたということがありまして、これを受けて第1回アジア・太平洋水サミットが平成19年12月、これは大分県で開催されているという実績があります。テーマとしましては、「水インフラと人材育成」「災害管理」「発展と生態系のための水」ということで挙げられておりまして、開催目的につきましては5項目ほど挙げられております。これにつきましては、第2回アジア・太平洋水サミットも、これの続編ということで、タイ・バンコクにて開催予定ということになっているようなのですけれども、6月ごろまでに開催されるということで、日程は未定という状況になっております。
主要施策1、主要施策2のトータルのまとめといたしまして、現状でいえることにつきましてはここに書いてあるとおりでございます。主要施策1につきましては、研修生の受け入れとして10年間で1,426人で目標は達成している。専門家派遣につきましては、400人の目標に対して281人ということで、目標率は今70%程度。あと、日本は水と衛生分野で世界最大の援助国となっておりまして、上下水道分野で84%のシェアがあるということです。あと、国連・ミレニアム開発目標の中では、世界平均としまして、安全な飲料水を継続して利用できない人口割合が23%から13%に減っています。ただ、9億人の人々が安全な飲料水を継続的に利用できない状況がまだうかがえる。アジア地域におきましても4.8億人が安全な飲料水を継続的に利用できない状況がまだ見受けられる。改善は顕著にあらわれているということであります。
主要施策2に対しましては2項目ありまして、国際に関するPIの指標値を有する自治体は136事業体でありますけれども、この中で国際貢献実績の事業体は31自治体ということになっております。国際展開の状況としましては、大都市の事業体を中心に独自に継続的かつ積極的な国際展開を実施しておりまして、その成果が出てきているというような状況にあります。
以上が主要施策に対するレビューということになります。
次のページからにつきましては、水関連の国際的な流れがいろいろありますので、その辺の情報提供ということで、こういうことをやっているというものを整理しております。
まず新成長戦略ということで、国の戦略としまして平成22年に策定されているものになります。こちらにつきましては、21の国家プロジェクトの工程表がありまして、この中にパッケージ型インフラ海外展開というものがあります。この目的としましては、アジアを中心とする旺盛なインフラ需要にこたえるために、ワンボイス・ワンパッケージでインフラ分野の民間企業の取り組みを支援する枠組みを整備するというものがあります。施策としましては3項目程度あるのですけれども、この施策に対して掲げられている目標としましては、この体制を整備しまして、官民連携で海外展開を推進することにより、2020年までに19.7兆円の市場規模を目指すということが挙げられております。
次のページに行きまして、インフラ海外展開(パッケージ型インフラ海外展開)ということで、第1回新成長戦略実現会議、これは当時の首相である菅総理の指示の中で、以下のものが挙げられたというものがありました。パッケージ型インフラの海外展開等につきましては、関係大臣会合を中心に官邸主導で政府一体となって、インフラ需要の旺盛なアジアを中心とする地域への海外展開を図る事業者の方々を強力に支援するということが挙げられております。新成長戦略実現2011に挙げられているものの紹介なのですけれども、新成長戦略の中で、ちょっと古いのですが、2010年の段階での成果としましては、推進の枠組みの構築と受注支援推進機能強化策の実施というものが挙げられております。2011年以降の課題としましては、各国のプロジェクト等に対し、的確な情報収集を行うとともに、それに即応できる体制・制度の構築が必要であるということが挙げられております。ここから読み取れることとしましては、インフラ海外展開としてアジアを中心とした活動を支援しているということが挙げられます。
続きまして25ページにつきまして、一方では厚生労働省における取り組みということで挙げております。厚生労働省における取り組みとしましては、現地水道関連機関とのパートナーシップを構築する、もう1つが、官民連携型の案件発掘に寄与するということが挙げられております。水道関連機関とのパートナーシップにつきましては、日本の企業・水道事業体とアジア各国の水道協会とのネットワーク化と、企業等が海外展開するための拠点として、市場調査、案件調査、技術紹介等に活用していくということが挙げられていまして、23年度につきましては、インド、インドネシア、ベトナムの水道協会とパートナーシップ構築に向けて協議を開始しているということが挙げられます。もう1つのほうにつきましては、官民連携型の案件発掘調査ということで、民間企業と地方自治体が共同で、アジアにおける水道プロジェクトの案件形成をするためのF/S調査を公募している。23年度につきましては3案件を実施中ということであります。
次のページに行きまして、26ページになるのですけれども、厚生労働省とカンボジア鉱工業エネルギー省の覚書を締結しているというものが挙げられます。これは平成23年1月ということで、目的としましては、カンボジアにおける水の安全供給を促進するための協力事業に対して、両省の共通認識を示すものであるということであります。活動の範囲におきましては、(2)と(4)に書いているとおりで、日本及びカンボジア両国の水道産業界が有する技術力の活用方策の検討、あとカンボジアの水道事業者と日本の水道事業者・水道産業界との連携・協力の促進ということが挙げられております。具体的措置としましては、両者及びカンボジアにおける水道分野の国際貢献に実績のある北九州市が調整して、策定するという流れがあります。
27ページにつきましては自治体国際展開の状況ということで、先ほどの北九州市さん以外にもいろいろ国際展開への取り組みがなされているということがうかがえます。
28ページに行きまして、海外水インフラPPP協議会というものがありまして、その活動状況が掲載されていたというものがあります。目的としましては、上下水道などの海外の水インフラプロジェクトに関して、官民による情報の共有・交換を行うための場として本協議会を設置しまして、水源確保から上下水道事業までの水管理をパッケージとしてとらえて、官民共同セミナーを開催するなど、官民連携による海外展開に向けた取り組みを積極的に推進するというものであります。活動内容としましては、前回、3回やっていますということでご紹介させていただいたのですけれども、その内容はどういうものなのかを記載したほうがいいのではないかということで、これは前回のものから追加をしております。最近に関しましては、これは先月なのですけれども、平成24年2月16日に開催されているという実績があります。海外参加国としましては、インド、インドネシア、カタール、南アフリカ、ベトナムということで、内容につきましては、トップセールスや官民セミナーの実施、JICAの海外投融資の再開に向けた検討等の紹介、日本のすぐれた水インフラ関連技術の紹介、海外より日本技術への期待の表明及び各国における水インフラ事業の紹介、各国の水インフラの開発計画及び日本企業の提供可能な技術の説明や事業の展開計画の説明及び意見交換を行ったというようなことが挙げられております。
29ページに行きまして、水道分野における国際調和の推進(国際規格策定の経緯及び状況)ということで、ISO規格の国際規格策定の主な経緯と現在までの取り組み状況ということで、国際会議、国内会議、いろいろやられているという状況がうかがえます。
30ページに行きまして、水ビジネスの事業規模の把握ということで、左のグラフを見ていただければわかるとおりなのですけれども、世界の水ビジネス市場は、2007年の36兆円に対して、2025年までに87兆円規模に成長するという予測が出されているというものが挙げられます。
31ページから33ページにおきましては、海外における水道運営状況ということが挙げられておりまして、ヨーロッパ地区、南北のアメリカ地区、アジアということで整理をしております。ここでお話しさせていただきたいこととしましては、前回もヨーロッパのグラフを紹介させていただいたものの中で、情報の中身について確認をしたほうがいいということでご指摘をいただいておりましたので、その辺を確認しております。いろいろ調査をしていくと、各国の水道事業形態のサービス人口割合が国別に紹介されていたものがありましたので、ヨーロッパで統計書として出ているものが出典ということなので、現地のもので情報としては一番新しいということで、こちらに変えさせていただいているという経緯があります。
32ページにつきましてはアメリカの現状ということであります。時間がないので、ここは割愛させていただきまして、33ページに行きまして、海外における水の状況の3番目ということで、アジアとオーストラリアとニュージーランドということで、韓国につきましては流れがあるということがありましたので、この辺は膨らませて掲載させていただいております。韓国の浄水処理施設の建設の民間企業からの資金や提携につきましては1994年に開始しているというようなことがあります。水道事業におきまして、このような民間提携という実績はまだないという状況なのですけれども、流れとしましては、2010年7月に高品質の水道サービスを公平で効率的に提供するための地方上水道統合推進計画が策定されているというものが挙げられております。運営方式として、ここに挙げられている4つが提示されているという状況です。同年10月に発表された水産業育成戦略というものがあるのですけれども、こちらにつきましては、政府主導で民営化を誘導するということが挙げられておりまして、2020年までに8社の水企業を育成して、164の水道事業体を39に統合するということが挙げられておりましたので、ご紹介させていただきます。ほかのものにつきましては、時間の関係で省略させていただきたいと思います。
以上、国際のパワーポイントの説明について終わらせていただきます。ありがとうございました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。少し修正点が多かったために詳しく説明をいただきました。国際協力につきましては、従前からJICA等を中心に、また都市間協定をおもちのところはそういったことも活用しながら、さまざまな形で国際協力ということでやってきたわけですけれども、ここ数年の間に水道を取り巻く状況も変わり、また、水道以外のいろいろな動きもあり、日本国を取り巻く海外の状況も変わりつつある中で、国際貢献、あるいは国際展開というような言葉が報道されるようになりまして、これらの動きを中心にを中心に情報を整理しました。これまでのJICA協力等をしっかりとやられているところもありますし、また、最近の情勢に沿って、さらにもう一歩踏み出すような動きをしている自治体、事業体もあるということだと思います。
これにつきまして何かお気づきの点があればと思いますが、1つだけ、数値の点で確認させていただきたいのですが、5ページ、一番最初にご説明いただいたところです。1年間当たりの年平均のところですが、棒グラフをみますと19.5となっていて、下の文章では年平均51.6となっています。これは数値が食い違っているようにみえますけれども、対象としている数値が違うのでしょうか。51.6億はちょっと大きいかなという感じがしますけれども。

○ 名倉課長補佐
上の表で、グラフの右のほうに合計51.6億ドルと書いているので、恐らく51.6億ドルはこういった国々の合計ではないかなと思います。

○ 滝沢座長
先進国のドナーの、DAC諸国合計とか、そういうものですね。

○ 名倉課長補佐
確認の上、修正させていただきます。

○ 滝沢座長
それにしても20%ぐらいですよね。かなりの割合だということですね。
それでは、お気づきの点はございますでしょうか。どうぞ、岡部構成員。

○ 岡部構成員
中身に直接の話ではないのですけれども、国際貢献ということでずっとやってきたわけですが、それらが本当に東南アジアを含めてどれだけ貢献したのかというのがよくみえないところがあります。私も若いころは幾つかに携わったのですけれども、国際貢献というのはどれだけ効果があったかというのと、現在、議論している新水道ビジョンの中でも、日本の小さな水道も今後、本当にやっていけるのだろうかとか、そういったものがある中で、日本の国際貢献はどういう形になるのかなと。今後で結構なのですけれども、そういう位置づけも議論していただいたほうがいいのかなという気がしました。
もしくは、実際、先ほど19.7兆円の市場をつくっていくというお話も出ていましたけれども、国際貢献というより、先ほど滝沢先生がおっしゃった国際展開ですか、そういう形でやったほうが逆に現実的なのかなと。正直、かなり大手の事業体さんでも職員数が大分減ってきていて、外部へいろいろ出る人も、私がみている中でも結構苦しくなってきている現状もありますので、国際貢献はどうあるべきかみたいなものを今後議論するべきではないかというのをご意見として申し上げたいと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。これは国内、国際、両方かもしれませんけれども、いろいろな評価の仕方として、ご説明していただいた国際—14の中に職員の派遣数とか、研修生の受け入れ目標達成した、あるいは目標数値を掲げてやる。これは役所の方は非常に得意というか、よくやられることで、当然のことながら数値がないと、やろうといったって、ちゃんとやったのかどうか、後でチェックがきかないという意味で、数値を掲げてちゃんと達成するというのは非常に大事な反面、今、岡部構成員がいわれたように、時代が変化していく中で、数値を達成することよりも、実は数値目標を掲げたときにはその根拠となる何らかの目的があったはずなのです。何をしたい、どうするべきだという目的があったはずで、数値を達成したのはもちろん必要なのですけれども、それによってもう1つもとに戻ってといいますか、大もとに戻って、そもそもの目的が本当に達成できたのかというところがこれから求められるのだろうと思います。これは国際、国内に限らないので、数値を達成しましたというところにとどまらずに、もう一歩踏み込んだような達成度の評価とか、数値目標も達成できないと困るわけですけれども、むしろこれから少し本音ベースでいろいろな議論ができるようにならなければいけないはずで、場合によっては達成できなかったところをむしろ出して、なぜ達成できなかったのかという議論も必要です。数値はちゃんとクリアしたのに、当初の目的がうまく整合していないというケースだって当然出てくることがあると思うのです。そうなったときに、なぜそこが食い違ったのかということを一回一回きちんとレビューしていくことが多分、次の改善に結びつくと思うのです。達成できたからオーケーですとなると、進歩がないというのか、改善点がなかなか見当たらないということになるのではないかと思います。これは大変貴重な意見ですので、今後の議論の中で少し検討していきたいと思います。
岡?さん、いかがでしょうか。前回、いろいろなご意見をいただいたような気がしますけれども。

○ 岡?構成員
どうも恐縮です。岡部構成員のご指摘に関連していいますと、率直なところ、国際貢献であれ、国際展開であれ、官民問わず、NGO、NPOの皆さんも含めて、行く人たちも、送り出して支える人たちもみんな大変なのです。しかも、ご指摘のように、その成果が現実的、具体的に目にみえて、どのようにあらわれてくるのかというのが、エネルギーの根拠のサイクルにもつながるでしょう。ですから、結局のところ、国際協力、貢献、展開、ここのところについて、いずれにせよ理念編といいますか、大義がパチンとないと、どんな立場の人間も消耗してしまうという経験を、この数十年、もってきていると思うのです。そこのところをちゃんと引っ張り出して、引き寄せて、新たな国際貢献のあり方をみつけていかなければいけないというのが問題意識なのです。
具体論に入りますけれども、前回の意見を受けとめていただいて、事務局の皆さんが編集努力をしていただいたことについて敬意を表します。わかりやすく、施策その1でODAやさまざまな支援実績に触れられて、施策2でそれぞれの自治体の経験等々を含めて、さび分けながら構成されてきているということとして受けとめたいと思います。
その上で、これはむしろ最後の論点の整理のところに関係するかとも思いますけれども、ただ、このレビューの中でも、前段申し上げた関係からいいますと、今、なぜ国際貢献なのかという理念・大義編について、やはりちゃんと触れたほうがいいのではないかと思うのです。ずっと読ませていただいていると、例えば国際—9ページ、ここでは国連・ミレニアムに触れて、やはり1つ理念編に触れられているわけです。それから、20ページ、21ページ、22ページ、アジア・ゲートウェイ構想やアジア・太平洋水サミット、まとめというところで、結局のところ、世界的、国際的に9億の人々が安全な水にアクセスできない。しかも、その中で5割を超えてアジアの人々がアクセスできていない実態にある。ここのところで、部分部分それぞれ基本理念にかかわって触れられているのです。だけど、せっかくの久々の新しい水道ビジョンの策定、国際レビュー編ですから、これらで触れられている基本理念、大義というものをちゃんと総論で前のところへもってくるならもってきて、なぜ今、国際貢献なのか、国際展開なのか、国際協力なのか、それを官民こぞって、しっかりした理念と大義をもってやっていくんだよ、協力し合っていくんだよと。それで、アジアの人たち、国際的な人たちに日本人は本当にありがたがられるんだというところの、ある意味、思想哲学をいって恐縮ですけれども、そういうところが大事なのではないかという思いで、前回も今回も発言をしておきたいと思います。
したがって、あとは論点のところで整理する方法もありますし、このレビューの前段で総論、大義編をちゃんと触れるというやり方もあるのではないか。それは皆さんと相談して整理をしていけばいいのかなと思っています。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。国際協力等について、ほかに何かお気づきの点はございますか。どうぞ。

○ 佐藤構成員
私も前回、国際貢献、国際関係のところについて再構成の要望をさせていただきました。本日の資料をみる限りは非常にわかりやすくなっているという点で、まず事務局の皆さんに感謝したいと思っています。先だって、特に私が再構成したほうがいいのではないかという提案をしたのは、地方公共団体が実績を積み上げる中で、しかるべき時点で、たとえば資料番号:国際—26あたりで、厚生労働省とカンボジア鉱工業エネルギー省の覚書の締結などで国もかかわっています。この資料でいっていることは、例えば北九州市さんなどが非常に一生懸命、積極的に展開しているわけですけれども、非常に重要な局面で国がしっかりとかかわっている。そういったステージアップの面で、国と地方公営企業たる水道事業者が一体的にやっているということが読み取れるようになったという点では、この資料は実態に即してよくまとまったのではなかろうかと思います。
あとは、先ほど岡部構成員等がご指摘のとおり、今後どうあるべきかという点ですが、今回提示された資料から非常に発展性のある議論になるのではなかろうかと思います。例えば資料の国際—22、まとめの欄で、主要施策2として、国際貢献実績のある事業体は31事業体、22%、あるいは国際展開の状況として9つの事例ということです。ここではレビューですので、まとめ方はこれで結構だと思います。ただ、見方によっては、現在の公営水道の国際展開というのは、公営企業の附帯事業の推進という位置づけでやっているということもあって、そもそも国際展開に参入し得るプレイヤーは、おおむねのところが出そろっているのかもしれない。したがって、この数字をこれからどう読むのかというのが1つ、さらにそれ以外の団体についても、今後、国際貢献についてどのようにかかわるのか否かというようなところを、今後の議論の中で私は検討していきたいと思います。前回、要望を出した者としてコメントさせていただきました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。長岡さん。

○ 長岡構成員
全体的な印象なのですけれども、国際展開なのですが、基本的には、私の理解ですが、日本の民間企業が世界の水市場に展開していく、それを事業体が支援するという形ではないかと思っているのです。今回の資料は、事業体の今までの取り組みという意味ではまとまっているのですけれども、もう少し日本の水道にかかわる民間企業が進出する上で、それをサポートする。主体が両方なのでしょうけれども、印象ですが、民間企業の国際展開というものにもうちょっと重点を置いてもいいのかなという気がします。資料でも、事業体が展開しているという案件などがあるのですけれども、もう少し民間企業がどういう状況かということも、広げてもいいのかなという印象があります。感想的なものですけれども、以上です。

○ 滝沢座長
今後、国際展開につきましても詳しく議論をする検討会の回を設けさせていただくことになると思います。ですから、長岡先生のご意見も含めて、その場で議論をさせていただくことになるとは思うのですが、レビューということで、今までこんなことをやっていますということなので、平田さんに感想でも結構ですけれども、横浜市の水のマイスターとご参加いただいているのですが、途上国でまだ水で困っている人たちがたくさんいる。そのような中で、もともと支援をするという形で始まってきたのですが、それだけではなくて、最近では少しビジネスというような観点からもいろいろな活動がされているのです。活動している本人、即ち事業体、民間企業も含めて、一生懸命やっているのですが、岡?さんからそれを後ろで支えている人たちもいるんだというようなご発言もありましたし、もっと広くいえば、市民の方がいろいろな形で支えているということもあると思うのです。市民の目からみて、日本は非常にクオリティーの高い水準の水道だとは思うのですが、そういう水道が海外で貢献したり、場合によってはビジネスまで考えているということに対して、感想でも結構ですけれども、いかがでしょうか。

○ 平田構成員
ありがとうございます。たまたまなのですが、先日、横浜市の研修で国際貢献のことを勉強したばかりでした。そのときに、横浜市がベトナムのフエ省で安全な水宣言を実現したということを初めて先日知りまして、ベトナムの方が初めて蛇口から直接水道を飲むという写真が非常に話題になったということを聞きました。こういった情報は、国民の方は知らない方が多いと思うのですけれども、こういった活動をしていることは大変すばらしいと感じたのですが、きょうのレビューを拝見させていただいて、国際—22のところで、依然として4.8億人の方が飲料水を利用できないという現実がまだまだあるということなので、各事業体で少しずつでも、一歩一歩、ゆっくりでもいいので、活動されていくと、10年後、15年後には大きな改善になるのかなと思いました。ありがとうございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。それでは、レビューの修正につきましては以上で終了させていただきたいと思います。
続きまして資料—3ですが、関係団体との懇談会報告について、よろしくお願いします。

○ 名倉課長補佐
資料—3に基づきまして、関係団体との懇談会報告をさせていただきます。前回の検討会でも申し上げましたように、今回、新水道ビジョンの検討が始まったということで、関係の団体にどういう意見をおもちかということを聞いて回ったということでございます。
1ページ目に対象団体が五十音順で出ておりますけれども、全部で11団体を想定しておりまして、そのうち、あと2つがまだ実施できておりませんので、これは次回にご報告させていただきたいと思いますが、今回、既にやりました9団体のご意見についてご報告させていただきます。
めくっていただきまして、まず2ページ目ですけれども、一般社団法人全国上下水道コンサルタント協会でございます。これは水道のコンサルタントの企業さんの集まりでございます。その中で上水道に関する委員会がございまして、そこの委員会の方々、各社の方、団体の理事の方に出席いただいております。
各団体1枚で紙をつくっておりますけれども、主なところについては下線を引かせていただいております。1番としまして、コンサルタントから見た水道の現状と課題というところでございますけれども、まず地域水道ビジョンについて、意義をわかりやすく説明していくことが求められるだろう。あと、その際には事業認可を行う都道府県の役割が重要になるのではないかということ。それから、都道府県版の地域水道ビジョンの策定数が少ないので、それが取り組みのおくれの一因になっているのではないかというような話がございました。?でございますけれども、都道府県の状況でございますが、県営の水道をやっているかどうかで状況が異なっているのではないか。異動のサイクルが短いとか、認可そのものが減っているということで、水道への指導とかの状況が変わってきているのではないかということでございます。?としまして、料金のことについては議会等の外部要因で値上げできないような状況があるというので、料金のあり方について何かメッセージを発信すべきではないか。?では、中小の水道事業体の中では、みずからの経営状態を把握できない事業もあるとか、資産台帳のデータが十分に整備されていないというような状況があるようだという話がございました。
2番の?で、新水道ビジョンについては、地域水道ビジョンの目的とか役割を明確に示してほしいとか、?としましては、職員数が減少しているので、市町村を基本単位とする水道事業にも限界がみられるのではないかということで、広域化を推進することで効率的な事業の規模にするというような議論が必要ではないかという話がございました。?では、事業認可とビジョンの関係を明示してほしいということで、事業認可も減っているのですけれども、認可要件の見直しも考えてほしいというようなこと。また、ビジョンの策定について、何か法的な裏づけもあればいいのではないかという話がございました。?で、地域水道ビジョンについても、フォローアップがなされていないケースもあるということで、フォローアップの実態とか必要性についても示してほしいとか、?では、マニュアルとか手引き・ツールが示されているのですけれども、その活用を促すことも重要ではないか。水資源とか渇水については、項目を1つ立てて議論すべきような項目ではないか。?については、第三者委託とか業務の評価とか事業の評価をするような取り組みを期待したいというものがございました。
3番目の?としましては、コンサルタントの役割ということで、コンサルタントとしては今後、発注支援業務とか事業の進捗管理業務等をやっていきたい。?では、今回の震災を踏まえても、図面とかデータが例えば津波で流されたりしたところがあるのですけれども、そういうところにコンサルタントが、自分のところで受注したときにもっていた図面等を提供したというようなこともあって、今後、電子納品の共有化というような取り組みも進めるようなことを考えているということでございます。?では、技術者の教育研修等について考えていく必要があろうということ。それから、コンサルタントが水道事業体のホームドクター的な役割を果たそうと思うと、今の発注方式は技術力が評価されていないような面があるので、それが評価されるような発注方式にしてほしいというような意見がございました。
続きまして3ページ目でございますけれども、塩化ビニル管・継手協会、これは水道管の中で塩化ビニル管がございますが、そういう管をつくっておられる業者さんの協会でございます。技術委員長と技術・環境部長に出席いただきました。
1番のところで塩化ビニル管を取り巻く状況でございますけれども、?で、硬質塩化ビニル管(RRロング継手)というのがあるのですが、これは水道管の中で耐震性を高めるために、水道管がつながるところのかぶさりの部分を長くしたものでございます。この評価について、現在のところ、まだ被災経験があまりないということで、耐震性の検証に少し時間を要するというような報告があるのですけれども、そういう注意書きについて、今回の震災で実績が示されているのではないかということで、今回、注意書きを消してほしいというような意見がございました。?についても、それとも関係するのですけれども、RRロング継手というのは事故がほとんどないということで、ただ、それを普通の塩ビ管として総称されると、壊れやすい塩ビ管もあるので、管種を明確にして被害状況をまとめてほしいといったようなところ。それから、管を使う際には適材適所で使用していただければいいと考えているということ。それから、水道管ということではないのですけれども、水道管を使った後のものについては再利用に回したりして、環境負荷の低減に貢献しているという話がございました。
今のものとも重複するのですけれども、2番、東日本大震災での取り組みということで、まず震度7のところでもRRロング継手は被害がなかったということ。液状化のところでは、離脱防止金具の使用で被害を防げたものがある。これは、管と管を支えるために金具でつなぐようなことをしているのですけれども、そういうものがあるところでは被害を防げたというようなことになっております。?では、計画停電の影響でラインをとめたりしたので、節電に対して要望を行ったというものがございます。
3番、新ビジョンへの方向性ということで、?ですけれども、施策の進捗状況を明らかにしてほしいということと、震災への対応についてどう書いていくかということがポイントになるのではないか。それから、ビジョンを進めるに当たって、具体策と経済的な裏づけが重要だというご意見がございました。
めくっていただきまして4ページ目でございますけれども、財団法人給水工事技術振興財団でございます。給水工事については資格制度を設けておりまして、その試験を実施している財団でございます。顧問、理事以下の方に出席をいただきました。
ご意見としましては、まず1番、給水工事を取り巻く状況ということで、?のところですけれども、給水装置の工事について、一定レベル以上の技能とか技術をもっている工事業者や技術者が工事に携わることを確保していく必要があるということでございます。給水工事のチェックについては、基本的に水道事業体がチェックをすることになっているのですけれども、チェックをするような職員が大きく減らされているのではないかという懸念をもっておられるということでございます。?、そういう職員への技術研修を計画的に実施していこうと思っているけれども、もし職員の減少が続くようであれば、給水装置の検査業務等の受け皿を民間側で確保することも考えないといけないかもしれないというような話がございました。また、職員の維持という面では広域化も有効な手段ではないかという話がございました。?でございますけれども、給水工事については、主任技術者が張りつくということになっているのですが、1人の主任技術者が複数の工事業者と契約して、複数の事業体の工事をかけもちしているというようなことになっている状況がある。ただ、役割は果たしているということで、そのこと自体が悪いこととはいえないけれども、そういう実態をチェックする仕組みがないという話はございました。?でございますけれども、悪質な工事業者とか主任技術者について、水道事業者の間で情報を共有するような仕組みが整備されていないという状況があるという話がございました。?につきまして、厚生労働省で8月30日に適正な給水工事の実施ということについて通知を出しておりますけれども、その中で給水工事の品質確保の重要性を打ち出していただいたのはありがたいという話がございました。それから、厚生労働大臣の免状をもっている主任技術者が27万名いるけれども、引退とか廃業をした方も含まれているということで、技術レベルの維持のためにも更新制度を取り入れることも検討すべきではないかという話がございました。
2番、新水道ビジョンの方向性についてということで、?につきまして、職員数等の将来推計について認識の共有化を図ったほうがいいとか、分野ごとの技術職員の減少傾向を考えていったほうがいいのではないかという話がございました。?については、給水装置は最後のとりでというのは、要は上流、取水のところからみていくと、給水装置は一番下流側になるということで、そこでの安全を確保するというのが最後のとりでという意味なのですけれども、その重要性についての記述が薄いのではないかということ。それから、不正な業者さんもおられるということで、不正業者が淘汰されるようなソフト面のセーフティーネットの確保が重要ではないかというお話がございました。?のところで、水道事業体が指定業者を紹介しているというようなことで、難しい面はあるかもしれないのですけれども、幾つかの事業体さんで優良工事業者制度をもっているということで、お客様が安心して業者を選べるような情報を提供する仕組みがあればいいのではないかというお話がございました。?では、震災時の対応ですけれども、給水装置についても耐震化を進めることが重要ではないかということ。被害状況の把握のところで、給水装置の被害や復旧についても、何か状況をできる限り調査してほしいという話がございました。?ですけれども、応急復旧の際に、給水装置は指定材料等がバラバラで復旧がおくれたという話があるようだということで、応援に駆けつけた方々の意見の集約で、今後の耐震化の方策に役に立つのではないかという話がございました。
5ページ目、財団法人水道技術研究センター、ここは水道関係の研究等を進めている財団でございます。ここも理事長以下の方にご出席をいただきました。
1番、水道技術研究センターの役割ということですけれども、?のところで、財団法人だったのが4月から公益財団法人になるということで、センターの役割についても言及していただきたいという話がございました。?、水道事業者への監督というところで、第三者機関の活用が求められるのではないかということで、現在、水道事業の評価についての取り組みを進めているという話がございました。?、管路の維持管理とか更新の重要性について認識をしていて、研究に取り組んでいるという話がございました。
2番の新水道ビジョンに対する意見・要望ですけれども、?のところで、現在、水道法に豊富とか低廉とか清浄とか市町村経営といったようなことが掲げられているのですが、こういった水道事業の原則について、この機会に改めて考えてみればいいのではないか。?は、先ほどの話と絡みまして、日本の水道への指導監督方法について検討をしていく必要があるのではないかというような話がございました。?のところで、技術開発については、産官学を含めた取り組みが必要だという話がございました。?のところで、国際貢献については人材育成に取り組んでいるけれども、大規模水道事業体に限られているのではないかということで、国際貢献の必要性とか具体策について明示してもらえばいいのではないかというような話がございました。?のところでは、技術の伝承について、公から民への技術伝承についても言及するほうがいいのではないかという話がございました。?のところで、PFI事業について、大量の書類の作成が必要となっているということで、書類の簡素化も必要ではないかという話がございました。?のところで、小規模事業についてはアメリカにも結構たくさんあるということで、その取り組みが参考になるのではないかということ。?のところで、事業体の職員数の減少がありますので、事業体のレベルに合わせた研修メニューがあるといいのではないか。?については、水道事業体のOBがNPO法人を設立して、中小の水道事業に技術指導に行っているというような例が千葉県であるようだということで、そういう例が参考になるのではないか。それから、広報とかPRに力を入れることが重要であろうという話がございました。
めくっていただきまして6ページ目でございますけれども、水道技術研究センター(水処理プラント幹事企業)とございますが、この財団法人に参画している水処理プラントの関係の企業の方に集まってもらって話を聞いたということでございます。
1番としまして、水道事業の方向性についてということで、?のところで、地域水道ビジョンの策定状況について、事業体間の格差が問題となっているというような話ですとか、?のところでは、そうはいっても規模だけではなくて、職員のやる気も重要ではないかという話がございました。
2番は新水道ビジョンの方向性についてということで、?でございますけれども、地域水道ビジョンの作成については、検討項目の優先順位を示したほうがやりやすいのではないかとか、?では、地下水利用専用水道については、地下水利用も何か法制化をしてもらえばいいのではないかとか、?については、現行の水道ビジョンについて、実現可能性の低い目標も見受けられるという話がございました。
3番としまして、水道施設の更新についてでございますが、?としまして、原発の耐用年数が話題になっているということを引きまして、水道事業体の中では更新が必要にもかかわらず料金を値下げしているというところもあるけれども、耐用年数が来たら強制的に更新させるというような仕組みをつくってもいいのではないか。?のところでは、補助金にも制約があるということで、米国で、国が州に資金を貸し付けるリボルビングファンドというような制度があるという話がございました。?のところでは、更新時に定期的に新しい技術を入れて浄水場を更新するというような方向にしてはどうかといったような話がございました。
次に7ページ目でございますけれども、全国簡易水道協議会ということで、これは簡易水道の事業者の集まりでございます。出席者としては、ここの技術アドバイザーを務めておられる方に話を聞いております。
まず1番でございますけれども、小規模水道を取り巻く状況についてということで、?については、小規模水道は水源水質が良好だということで、浄水処理技術の問題は潜在化している場合が多いということですが、一たん非常時とか原水水質が悪化したときの対応が低下しているというような話がございました。それから、職員数が減少した際には、処理とか運転管理のあり方について検討する必要があるという話がございました。?は、その技術についても地域に見合った施設の管理のあり方を整備したほうがいいという話がございました。?ですけれども、市町村合併で事業規模が大きくなったところでも、その結果、職員数がまた減らされるというようなこともあって、規模の視点だけでは技術水準が確保されているとはいいがたいというような状況があるという話がございました。
2番としまして、広域連携とか官民連携についてですけれども、小規模な水道というのは、単体ではなかなか委託というのも難しいので、広域的な管理体制、共同委託というようなことをしていけるかどうかというのが課題だという話がございました。?で、委託すると、今度は職員の側のスキルが維持できないので、指揮とか監督できるかどうかというのが問題になるので、委託した場合の監督とか指揮のあり方を考えるべきだという話がございました。
3番の?として、水道整備基本構想とか、広域的水道整備計画の位置づけが明確になっていないのではないかとか、県のビジョンについて何を求めているかを示すべきではないかという話がございました。?としましては、地域ビジョンというのは、みずから作成できるレベルのものから取り組むのでよいのではないかということを示してもらいたいという話がございました。
4番、新水道ビジョンの方向性ですけれども、?としまして、明確な実行計画を示してほしい、テーマを絞り込んで何を掲げるのか検討する必要があるということ。?としましては、震災を受けての対策は掲げるべきであろう。それから、新水道ビジョンのキャッチフレーズが必要である。ただ、はやりの外来語の使用を控えてというような話がございました。?としまして、人材の確保につきまして、水道従事者の生産性を高めて、効果的に人を活用する仕組みづくりが必要という話がございました。
めくっていただきまして8ページ目、全国管工事業協同組合連合会、先ほどの給水工事もそうですけれども、管工事をするときに実際に工事に携わる工事業者さんの組合でございます。副会長以下の方にご出席をいただいております。
まずこの組合の現状ということで、所属業者数が減少してきているとか、高齢化が進行しているという状況があるということ。ただ、組合として地域単位で技術研修等を実施しているという話がございました。?としましては、先ほどの不正工事にも関連するのですけれども、不正工事があって何か支障があったときに、今度は組合のほうでフォローしている場合もあるというような話がございました。
2番、官民連携についてということで、?でございますけれども、水道事業体の職員数が減っているということで、工事をする側の重要性が高まっているということで認識はしているのですが、発注方式として一般競争入札なので、技術力が正当に評価されていないという話がございました。?としましては、今のとも関係するのですけれども、管工事自体の業務評価が明確になされていない。これは民間発注の給水工事についてですけれども、あと分離とか分割発注の慣習がないということで、建設会社さんの下請の設備業者さんが工事を請け負っている事例が多いのではないかという話がございました。?のところで、災害時の対応としましては、水道事業体との間で応援協定を締結している組合がかなりあるということで、災害時には出かけていっているという話がございました。それから、維持管理業者さんとの連携については、幾つかの団体でSPCを組んでいるというような事例があるということがございました。?で、水道事業が広域化しているので、それにあわせて組合の統合も進めているというような状況があるということでございます。
3番、新水道ビジョンへの要望ということで、?ですけれども、官民連携の重要性について言及してほしい。?としまして、給水装置の場合には一定以上の技術とか技能レベルを有するべきだということで、今、法律の中で書いている指定要件は緩和し過ぎではないかということで、指定要件の厳格化を望むという話がございました。?としましては、技術力が適正に評価されるような発注方式にしてほしい。?としましては、水道管路の更新とか耐震化に向けて取り組んでほしいという話がございますけれども、配水管の管内の洗浄とか、小規模貯水槽の点検指導とか、鉛管の残存率ゼロというのを盛り込んだ施策も講じてほしいというような話がございました。
次の9ページでございますけれども、日本水道鋼管協会、これは水道管の中で鋼管をつくっておられる業者さんの集まりでございます。専務理事、事務局長にご対応いただきました。
鋼管を取り巻く状況というのがありますけれども、?のところで、今、耐震化と長寿命化をキーワードに技術開発をしている。更新方法としては、大口径管ではパイプインパイプ、パイプの中に鋼管を通していくという方法とか、中小口径管ではステンレス・フレキ管——フレキというのはフレキシブルのことで、蛇腹みたいになっていて、動きやすくなっている管の工法を開発して、それで更新を進めているという話がございました。?としては、長寿命化の対策として、内面塗装についての技術開発を行っているとか、?としては、鋼管だけではなくて、緊急貯水槽とか配水池についても規格化しているという話がございました。
2番で新水道ビジョンの方向性についてということで、水道料金について、値下げを行っているところもあるようだけれども、将来を見据えた適正な料金のあり方について提示をしてほしいとか、給水装置の信頼性確保について、給水装置の部分がユーザーの所有物なので、踏み込みにくい面もあるかもしれないという感想がございました。
次の10ページ目でございますけれども、配水用ポリエチレンパイプシステム協会(POLITEC)でございまして、これも水道管の中でポリエチレン製のパイプをつくっておられる業者さんの協会でございます。事務局長とか企画委員長とか特許委員長に対応していただきました。
1番としまして、まず配水用のポリエチレン管を取り巻く状況なのですけれども、大口径管についても耐震化への貢献ということで適用していただきたいということで、海外では豊富な実績をもっているという話がございました。?としまして、水道用の200ミリ以上についても規格の認定を望んでいるけれども、なかなか認定が得られないというような話がございました。?としまして、東日本大震災においても、地震動による地盤変位での管路被害はなかったということで、これも先ほどの耐震性の評価のところと同様ですけれども、配水用のポリエチレン管は耐震性が実証された管材ということで認められるという話がございました。
2番、東日本大震災の取り組みということで、仮設配管でポリエチレン管を採用してもらって、それをそのまま埋設して本管にするという状況があるというような話がございました。?のところで、復旧時に資材を運ばないといけないのですけれども、今回、緊急車両の指定を早く出してもらったのが迅速な復旧に寄与したと思っているという話がございました。?のところですけれども、製造ラインを1回とめると長時間かかるので、計画停電の影響は大きいということでございました。?では、資材の供給について、一部で買い占め的な状況もあったようなのですけれども、ほかのところで資材を確保するために被災地に回りにくいというような話もあったようなのですが、基本的には被災地を最優先する体制をとったということで、特に障害はなかったということでございます。
3番で新水道ビジョンの方向性についてということで、?でございますけれども、鋳鉄管とか鋼管と同じような扱いで記述していただきたいということ。その後は耐震性を評価していただきたいというような話がございました。
少し長くなりましたけれども、以上でございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。諸団体にご意見をお聞きすると、いろいろな視野からご意見が出てきて、多様なご意見をいただいております。ご意見を出された方はこの場にいらっしゃいませんので、質疑という形にはならないと思いますけれども、何かお気づきの点があればご指摘いただきたいと思います。あるいは、ここに出された意見に対するご参加の構成員の方の追加意見があれば。どうぞ。

○ 木暮構成員
衛生行政を任されている立場からすると、7ページの簡易水道協議会の小規模水道を取り巻く現状というところが気になります。現状では、市町村合併も一区切りついているような状況の中で、国の施策とすれば、広域化とか簡易水道の上水への統合というのがあると思います。平成28年度までに上水道事業に統合するための簡易水道の統合計画が都道府県経由で国のほうにも提出されていると思います。今、7,000か8,000ぐらい、全国に簡易水道があると思うのですけれども、その中で統合計画も出せないような簡易水道が全国にどのくらいあるか把握されているか、お聞きしたいというのが1つ。
あと、基本的には統合計画の進捗というか、指導も都道府県に任されているような状況の中で、当県もそうなのですけれども、日常業務に追われて1年間何も進展しないで終わってしまうというような事業者が見受けられます。その辺で、コンサル協会の意見で都道府県行政が脆弱で問題だみたいなことが書いてあります。また、国の方からも、都道府県は全般的には脆弱で、もうちょっと頑張って欲しいということも聞いています。簡易水道や中小規模水道は、都道府県に任されているような状況の中で、この辺、問題を抱えているのは大体そういうところだとは思うのですが、国から都道府県に対して直接意見や協議ということはなかなか難しいと思います。しかし、新ビジョンでは、その辺のことにも触れていかなくてはいけないと思うのですけれども、都道府県に対してどのような思いがあるのかお聞きしたいと思います。

○ 滝沢座長
これは事務局に対してですか。

○ 木暮構成員
国の方に。

○ 滝沢座長
名倉さん、いかがでしょう。

○ 名倉課長補佐
まず、先ほど統合計画を出せないところとかというのは、今の時点でどのようになっているのか、状況をつかめておりません。今おっしゃったように、県なら県、その指導に従うような、事業体なら事業体で、それぞれのところでそれぞれ問題はあって、それが解決できそうな問題なのか、解決できないような問題なのかというのはあるかと思いますので、恐らくあっちが悪いからとか、こっちが悪いからというのは多分、全部のみ込んでやるしかないかなと思うのですが、できる限り少しでも先に進めるためには、それぞれの方が何をすればいいのかというのを今回のビジョンで少しでも示していくことができれば、少しはいい方向に転がるのではないか。それでも恐らく難しい問題というのはずっと残り続けるでしょうから、今回の新水道ビジョンがずっともつというようなものでもないでしょうから、それは適宜フォローアップなりをしていくという形で対応していくのではないかなと思っております。

○ 木暮構成員
ありがとうございます。ぜひ都道府県の行政に対しても、国から意見交換とか連携といったことが今まではあまりなかったと思うので、その辺も含めてこれからお願いしたいというのが感じているところです。ありがとうございました。

○ 滝沢構成員
ほかに何かお気づきの点ありますか。吉岡さん。

○ 吉岡構成員
関係団体の懇談会の報告ということでみせていただいたのですが、やはりその中でも中小水道事業というところで問題点を指摘するところがたくさんあったと思います。その関連で、私が最近ちょっと感じていることですが、中小水道事業の規模は、一体どの程度の規模が中小水道事業なのだろうというところがございます。自分は中規模なのか、それとも小規模なのかと考えている方も多いのではないかと思います。先日、私どもの周辺で勉強会をしました。突っ込んだ議論をしようと思い、テーマを小規模水道事業の持続可能性についてとして開催したところ、いつも参加している、中規模事業に分類できそうな事業体が一切来なかった。さらにその中でアンケートを実施したところ、参加者の認識もどこからどこまでが小規模なのかというところがバラバラでした。このビジョンの中で、中小水道事業の問題を議論するとき、規模の目安というものを明確にしたほうが、もっと突っ込んだ議論ができるのではないかと思います。
また、水コン協さんのほうで、ビジョンの策定の法的な裏づけということに触れていましたが、ここでも前から思っていることがあって、地域水道ビジョンの策定時期と集中改革プランの策定時期はほぼ同じ時期だったと認識しているのですが、その中で、集中改革プランのほうはほぼ全部の自治体で策定したという経緯があります。その背景には、地方自治法245条の4の第1項の規定で、技術的助言という形で、法的な関与が行われたことがあります。自治体のほうは、それを受け積極的でなくても策定をせざるを得なかったというのが実態だと思います。いわれたからやらなきゃというところだったのですが、地域水道ビジョンというのは、ある程度自主性に任されているところがあって、そういうところを何かのフォローをしたら、地域水道ビジョンの策定が加速するのではないかと思っておりますので、いつかの機会にそういう議論ができたらいいのではないかと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。ほかにお気づきの点ございますか。どうぞ。

○ 長岡構成員
吉岡さんに関連するのですけれども、各業界のお話というのは生の声で非常に参考になることが多くて、今までの議論でも中小事業体というのが焦点になっていて、吉岡さんもいらっしゃるし、日水協もいらっしゃるのですが、特に小の事業体の生の声をヒアリングするというのは非常に重要だと思うのです。今まで国レベルの統計データは出ているのですけれども、やはりこういうヒアリングというのは非常に参考になりますので、今後も続けていくと非常にいい意見が出るかなと思いました。以上、感想です。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。統計数値ももちろん大事ですけれども、やはり生の声を直接聞いていただくということも大事だということですね。どうぞ。

○ 木暮構成員
今の話の続きですけれども、結局、事業規模というよりも人材だと思うのです。小さな水道事業体でもそれなりの人材がいらっしゃるところではしっかりとやられています。何点か報告の中にありましたけれども、いまだに水道料金を下げているような、いまだにといっては変ですけれども、下げている事業体がある。単年度でちょっと黒字が出ることに対して、議会でちょっと突っつかれてしまうと、なかなか説明しきれないで下げてしまう。将来的に5年、10年先をみれば、自分で首を絞めているようなものですけれども、第三者に自分の水道の状況を説明しきれないというのが実情ではないかと思います。事業規模というよりも人材、また技術職員ですとかそういう話に戻ってしまうのかもしれませんが、そういったところの人材育成ですとか、それを地域で支えていかないと、これは都道府県行政の仕事なのかもしれませんが、そういったところを支えていかないといけないと思いますので、その辺についても新しいビジョンの中でも触れていただければと感じているところです。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。それでは、少し時間が押しておりますので、次の議題に移りたいと思います。次は追加調査についてです。これも事務局から資料—4に基づいて簡潔にご説明いただけますか。

○ 日水コン(辻)
追加調査については日水コンの辻からご説明させていただきます。時間の関係もありますので、簡単にご説明させていただきます。
第1回検討会でのご意見を踏まえまして、現行の水道ビジョンのレビューを行うのに必要な追加調査ということで、追加調査1のPFIの効果についてと、追加調査2の情報提供の効果を把握するための取り組みの2つの調査を、今週の火曜日に既に各事業体にアンケートを発送しまして、来週月曜日締め切りで調査をかけているところでございます。
追加調査1のPFIの効果についてなのですけれども、前回の第1回にご指摘があったので、PFI事業の効果や問題点を把握するということを目的に、運営基盤—2—10から2—12でPFIを実施している事業体を挙げていたと思うのですが、そこを対象にアンケート調査を現在実施しています。あと、PFI事業を実施していない事業体についても、実際に検討しているのかどうかとか、何で検討しないか、導入しないかなどの実態を把握するということを目的に、追加調査2を別にしますので、追加調査2の対象となる事業体のうち、未実施の事業体について、今回68事業、アンケートを実施しています。
追加調査2については、情報提供の効果を把握するための取り組みということで、平成22年度の水道事業の運営状況に関する調査で、情報提供に関するアンケートを行っていまして、優良事業体をピックアップいたしまして、アンケート調査を64事業に、現在、回答していただいているという状況でございます。
簡単に、2ページ以降が実際のアンケート調査票なのですけれども、まず2ページがPFIを実施している事業体へのアンケート調査票になります。最初に簡単な事業概要を書きまして、まずPFI事業の運用に係る計画準備期間とか、PFI事業の専門部署の有無、あと3ページに入りまして、バリュー・フォー・マネーを出すために——バリュー・フォー・マネーというのは、官がやった場合と民がやった場合のどちらが効果があるかというのを把握するためのものなのですけれども、それを把握するための数字を入れていただくということで、PSCとLCCの総額を入力していただいているという状況でございます。(4)がモニタリングの実施頻度、(5)がリスクの分担、4ページに入りまして、PFIの導入の効果と、(7)で問題点、またさらに新規事業をやっているかということで、(8)で今後のPFIの事業計画についてという設問を設けております。
5ページが、まだPFIを導入していない事業体についての調査票でございます。まず設問(1)でPFI事業の検討、実施の予定についてお聞きいたしまして、?から?、実際に具体的な計画があったり、検討されたという事業体については、設問(2)で具体的な事業の検討の内容についての設問を設けております。設問(1)でPFI事業を行わない方針であるという回答をした人には問(3)に飛んでいただきまして、なぜ実施をしないかという理由を書いていただくのと、まだ検討していないと回答した方については、設問(4)でそれを検討しない理由を書いていただくというような構成になっております。設問(5)については、全回答者に回答していただくということで、全般的な考えとしてPFI導入の効果と問題点等を回答していただくというような内容になっております。
次に追加調査2なのですけれども、情報提供の効果を把握するための取り組みということで、運営状況に関する調査の各事業体の回答状況を今回あわせて載せまして、最初に需要者ニーズの把握ということで、平成22年度の調査でも同じようなことを聞いているのですが、もう一回、改めて最新の情報を記入していただくということで設問を設けております。9ページに本来の今回の目的である情報提供の効果の把握方法ということで、水道モニター制度の活用とか、アンケートを実施しているとか、ヒアリング調査とか、アンケートボックスの設置、その他、特に行っていないという設問を設けておりまして、モニター制度を活用している場合は、その具体的な情報提供の効果の把握方法を?で書いていただく。実際に満足度調査等のアンケート調査を実施している場合は、?について、その実施頻度とか調査方法、そういった内容を記入していただくというような構成になっています。あと全般的に、設問(5)でより効果的な情報提供をするために何が必要かというようなところで、全回答者に回答していただくというような内容になっています。
以上で報告を終わります。

○ 滝沢座長
前回、PFIをやっているけれども、本当に効果が上がっているのだろうかということ、それから、情報提供もいろいろやっていますが、情報提供の効果をきちんと把握するためのいい方法はないのだろうかというような議論があったことをご記憶だと思いますが、それに対応するためにこういった追加のアンケートをやるということです。68事業体はどうやって選んだのですか。実施しているところは実施しているところでわかりやすいのですが。

○ 日水コン(辻)
8ページをみていただきたいと思うのですけれども、水道需要者への情報提供というところで、情報提供の有無とわかりやすく工夫されている、?、?については該当なしと回答する事業体がございましたので、?から?と?、?すべてに、「有」とか、「わかりやすく工夫されている」と回答している事業体で、かつ需要者ニーズを把握する取り組みとして、(1)の設問なのですが、平成22年の調査でこれに2つ以上「○」をつけているというような事業体を優良事業体と判断して、今回、抽出しております。制約をかけていかないと、事業体数がすごくふえていますので、それなりの基準で絞り込んでいます。

○ 滝沢座長
何かお気づきの点はございますか。長岡さん。

○ 長岡構成員
PFIのほうなのですが、こういう調査をするのはよろしいと思うのですけれども、関係団体との懇談会でも発注形式に関する要望が非常に多いのです。だから、PFIというよりも、DBとかDBOとか総合評価を含めてヒアリングをしたほうがいいのではないかと思います。PFIというとちょっと敷居が高いので、その前段階のものも含めてヒアリングしたほうが私はいいのかなという気がしますが、いかがでしょうか。

○ 滝沢座長
その場合、こういったフォーマットを埋めていただくのではなくて、個別にヒアリングをするというご提案ですか。

○ 長岡構成員
個別でもいいのですけれども、これだとPFIだけですよね。だから、もうちょっと発注形式全体について聞くような取り組みも必要なのかなと。特に関係団体との懇談会をみて感じたので、どうやったらいいのかわからないのですけれども、PFIというとちょっと敷居が高い感じで、多分、検討していないところも多いと思うので。

○ 滝沢座長
ご指摘の発注方法についてのさまざまなご意見というのは、民の側からも官の側からも両方あると思うのですけれども、それについては今後、どういう形で課題があるのかというのを洗い出しをしていただいて、今後のどこかの回でしっかりと議論させていただければと思います。この追加調査は、前回、ご説明が十分できなかった部分に対して、まずお答えできるような資料をご用意しようという趣旨でよろしいですね。長岡さんのご意見は参考にさせていただいて、次回以降、どういう形か、ご検討いただければと思います。
尾?構成員、どうぞ。

○ 尾?構成員
PFIの調査というのは、どういう形でやられているのかわからないのですが、やっている事業体に聞いて、本音で答えが出てくるのかどうかというのがちょっと疑問がありますよね。例えば事業体の名前を伏せて聞くとか、そのようにしないと、アンケート結果が出れば、やっている事業体からすれば、効果がありますということに一般的にはなりますよね。失敗して、破産してしまえばオープンになってきますから、それはそうではなかったと思うし、もう少し本音が出るようなやり方をしないと、アンケートだけでみたのでは正確なものがわからないかもしれないというのをちょっと思ったので、お伝えしたいと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。今のご指摘はPFIに限らず、あらゆるアンケートにおいて、うまくいっているところは正直ベースで答えると思うのですけれども、うまくいっていないところについて、どれだけ本音が聞けるのかというのが、実はビジョンのこれからの議論のベースになるわけですから、そこが一番難しいところでありながら、そこが出てこないとなかなかしっかりとした議論ができないわけです。それをどうやって引き出すかというのは、先ほど中小の定義の議論をしていましたけれども、中小のところも含めて、本当に困っている点がどうなのか、将来の見通しをどのように考えているのかというところがちゃんと出てこないと、なかなか本当の将来の取り組みに対しての議論がここでもできなくなってしまうということで、非常に重要なご指摘なのではないかと思いますので、長岡先生のほうから、ヒアリングを個別に出すとか、名前を伏せてとか、いろいろな意見がありましたが、何とか本当のところが聞けるような仕組みをお考えいただければと思います。ありがとうございました。ほかに何かご意見。どうぞ。

○ 木暮構成員
前回の検討会から時間もない中でこのようなアンケートを既に実施しているということで、ご苦労さまです。排水処理をPFIで実施しているところが多いと思うのですけれども、リスク分担の中で、今回の東日本大震災の対応で、浄水発生土の関係ですとか、作業員の安全管理問題ですとか、そういった部分について、当初のリスクの考え方と現状、当初の考え方どおりにできたところとできないところ、そういったところも含めて、正直いうと期待していた部分はあったのですが、これは感想ということで。また何か機会があれば、そういったところも踏み込んでヒアリングなり調査をしていただけたら参考になると感じました。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。この検討会は今後も何回も、後の予定に出るように続きますので、いろいろなご意見をいただいて、そこを反映していきたいと思います。
それでは、時間の関係もございまして、次の資料—5の今後の論点整理に進みたいと思います。ご説明お願いします。

○ 名倉課長補佐
では、資料—5について説明させていただきます。前回の検討会での審議を踏まえまして、今後の論点を整理し直しております。
まず0番というのをもってきておりまして、将来の事業環境ということですけれども、これは前提条件を明らかにした上で議論をしていったほうがいいのではないかというご意見があったということで、人口とか老朽化とか更新需要ということについての論点があるかということで加えております。
1番、水道サービスの持続性の確保(水道の運営基盤の強化)ですけれども、大きく2つに分けまして、1—1と1—2に分けております。1—1では施設整備とか技術基盤の強化ということでの論点を書いております。前回との違いとしては、?に都道府県における広域化の取り組みというものを入れたとか、?の施設の老朽化とか更新需要のところで、更新施設の仕分け(ミクロマネジメント)とか、維持管理しやすい施設にしないといけないのではないかという話を入れております。?の3つ目の矢印のところで、第三者機関による委託業務の審査の仕組みとか制度のあり方というのも加えております。最後の矢印ですけれども、技術開発のところ、前は民間企業も含むと書いていたのですけれども、産官学によるというような形にしております。?、国際のところで暗黙知の形式知化というようなことを書いていたりしたのですけれども、それと同じようなことは国内でもいえるだろうということで、ただ、言葉が難しかったので、ちょっと書き下して、マニュアルやハンドブック等の整備による標準化への取り組みというような形で書いております。?としまして、中小規模水道事業体の強化というのを入れております。?、広域的な水道施設の再構築・広域化の矢印のところで、再構築について、水需要量に応じたダウンサイジングとか、効率化、高度化というような観点を入れております。
1—2としましては、主に経営面からみた持続可能な事業運営のあり方ということで、?としまして、地方公営企業会計制度の見直しの対応といったようなものも入れております。?で水道料金のあり方ということで、適正な料金水準とか、資産維持費についての観点も入れております。?では、地下水利用専用水道等への対応ということで、前は水道料金のあり方だけ書いていたのですけれども、上水道と専用水道を二重で利用しているというような観点があるので、それを加えております。
2番、安全な水の確保というところについては、まず?から放射性物質関係を除いて、これは後で説明しますけれども、危機管理のほうに入れております。?に飲用井戸の管理強化の問題を入れております。?から?についても新たに入れておりまして、直結給水とか受水槽の位置づけの整理の問題ですとか、水質検査の精度管理の問題とか、水源保全の観点も入れております。
3番の危機管理の徹底ですけれども、これも大きく2つに分けまして、3—1では東日本大震災を踏まえた震災対応としておりまして、?の耐震化の推進など事前の備えというところで少し細かく書いております。?のところでも応援体制の強化による初動とか復旧の迅速化というようなことにしております。?として広域的な被災時への対応ということについても、少し観点をいろいろつけ加えております。津波への対応というのも入れております。
3—2としまして、その他の危機管理ということで、それ以外の面ということで入れております。?については放射性物質のことをこちらに移しまして、?で風水害と並びまして津波というのも入れております。?でテロというのも加えております。?以降も加えておりますけれども、まずエネルギーの逼迫への対応というのも、危機管理の面からということで入れておりますし、貯水槽水道とか地下水利用専用水道への対応というのも、危機管理の面からも考える必要があるかということで加えております。
4ページ目の4にまいりまして、住民等との連携でございますけれども、住民等との連携のあり方ということで、少し詳しく信頼性の向上とか、教育の充実とか、あと災害時を想定したリスクコミュニケーションというような観点も入れたりしております。?の情報のところでは、情報提供の効果を把握する方法(モニタリング)という観点も入れております。
5番の国際展開の推進ということですけれども、これは先ほども議論がございましたように、それぞれ位置づけをどうするのかというような観点も要るのではないかということで、まず題名を一番広く読めそうな国際展開という言葉にしております。やっていることとすると、ODAでやっているような国際協力もありますけれども、?では国際協力と水ビジネスの位置づけを明確化するのではないかとか、今後の水ビジネスのあり方はどうなるのかとか、国際展開するために官民連携を推進するのかということで、基本的な理念からというお話もございましたけれども、全体的にテーマとしては設定していくべきであろうと考えておりまして、こういう形にしております。
6番としましては、?の研究機関等というのを入れておりまして、いろいろな団体があるというお話が前回の検討会でもありましたけれども、読めるような形で加えております。
この分け方については、後で説明させていただきます実施スケジュールとも絡んできまして、こういう形で論点を整理したということでございます。
以上でございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。論点それぞれについて、資料—6にある、今、名倉さんがいわれたような形で、今後、検討を重ねていきたいというような意味での整理だとご理解いただければと思います。資料—5をごらんいただきまして、何か抜けている点、あるいは修正を要するというような点、お気づきの点がございましたらご発言ください。いかがでしょうか。どうぞ。

○ 長岡構成員
先ほども申し上げたのですけれども、発注形式についての要望が非常にあったような気がするのですが、それはどこに入っていますか。PFIも含めてですけれども。その辺も検討したほうがいいのかなという気がしました。

○ 滝沢座長
いかがでしょうか。どこかで検討は……。

○ 長岡構成員
ちょっと見落としているのかもしれないのですけれども。

○ 名倉課長補佐
明示的に書いておりませんが、まずこの分け方でいくと、1番の持続性の確保とか運営基盤の強化のところに入ってくるかと思いますけれども、1—2の経営のところとかでみていくことになるかなと考えておりますが、いかがでしょうか。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。ほかに。尾?さん、お願いします。

○ 尾?構成員
将来の事業環境のところで3つになっているのですが、原水水質のことはやはり入れておいたほうがいいのかなと。つまり、これからも工場排水のいろいろな問題とか、原水水質の状況がどうなるか、それにどう対応していくのか。それが中小規模だと対応がなかなか困難になるのだろうなということを踏まえると、入れておいたほうがいいのかなと思うけれども、浅見さんの意見も聞きたいと思います。
あと、気候変動とか、社会の中でも事業体のあるべき体制にも影響するので、そういうものも新ビジョンで頭の隅には置いておくべきだろうなと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。浅見さん、いかがですか。

○ 浅見構成員
ありがとうございます。今おっしゃっていただいたような原水水質も含めて、環境ですとか、気候変動といっていいのかわからないですけれども、雨の降り方ですとか、災害の発生も最近、頻度が高くなっているというような現状もあると思われますのと、保水率が低下して濁水が出てきたり、水道にとって厳しい部分もふえていると思いますので、そのようなことを入れていただけるのは、ここか、どこになるかわからないのですが、ありがたいと思います。
今のと別の件なのですけれども、事業環境の人口構造のところ、今回、全体像を触れていただいたのですが、一番問題になるのは、人口構造の変化が全体的に起こるのではなくて、偏在して起こる部分が非常に大きくて、地域ごとに事情が違ってくるところをどのようにこのビジョンの中でみていけるのかなと。まだ全体まではみえていないですが、考慮していかないと、なかなか難しいけれども、一番重要なところになってしまうのではないかと思っております。それに伴って技術職員とかもそうですし、ほかの経営の問題もいろいろ変わってくると思います。今回、ヒアリングの機会を設けていただけるようでしたら、こういう席でというよりは、もうちょっと聞きやすい環境でのほうがよろしいかと思うのですけれども、そういう実態のところを聞く機会を設けていただければと思っております。
もう1点は、きょう、ご指摘がいろいろあったヒアリングの関係の中で、水道整備基本構想ですとか、広域的水道整備計画との位置づけを問われている方もいらっしゃいまして、ビジョンとほかの計画との関連性と、危機管理マニュアルとか、この下にあるのか、並列で関連かもしれないですけれども、そういうものの位置づけもしていければと思いまして、危機管理などは、細かいところはそういうマニュアルを再度確認するとか、そちらの改訂をするとか、そういうところで対応するのかなと思います。あと、例えば管種のこととか、ヒアリングの中で結構細かい技術的なことがあるのですけれども、そういう部分は、それに合ったところで見直したほうがいいと思うのですが、ビジョン全体でみることと、そうではなくて、もうちょっと別のところのスキームでみるものを分けて、こういうものが全体であるのですよということを示していただけると、スムーズにいくのではないかと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。将来の事業環境について幾つかご意見いただきましたけれども、ご意見を拝聴していて、日本全体の平均的なものを提示するのは必要なのですが、それ以上に地域のばらつき、規模によるばらつき、いろいろな違いがあって、一番脆弱といいますか、経営的に非常に厳しいところがどうなっているかというところをしっかりとみて報告していただくために、これからどういうヒアリングなり調査なりが必要なのかというご指摘なのだろうと思います。こういう場でオープンにして、町の名前や何かが出てしまうとなかなか発言しづらいというのは当然のことですので、浅見さんもいわれたように、どういう形か、本音が聞けるようなやり方を少しお考えいただくということが大事だと思います。
吉岡さん、いかがですか。

○ 吉岡構成員
6の?で都道府県水道ビジョン、水道事業者のビジョンの位置づけというところにかかわってくるのですけれども、これらの議論は、さらに4で住民等との連携というところに関連していくと思います。国の水道ビジョンがあって、最終的にはそれを受けて住民にどう伝え理解してもらえるのかということだと思うのですけれども、この流れを考えていったときに、それぞれの施策群の検討を深掘りしていくというのはすごく重要なことだと思うのですが、新水道ビジョンの大義として、我が国の水道はどうあるべきなのかということを示す必要があると思います。先ほどキャッチフレーズが必要なのではないかという指摘があったと思いますが、まず目指すところを掲げないと、それぞれの施策で何をどうやって変えていきたいのか、どう改善していきたいのかというのがみえないと思うのです。最終的に住民との連携というところで、住民の方々に水道の必要性だとか大切さを認識してもらわなければいけないときに、今のままだと、やりたいことはわかったが、どうなるのか、どうしたいのかというのがみえないビジョンになってしまいます。これだけだとビジョンというのかなというところがあると思うのです。我が国の水道はこうあるべきだとか、これが目指すところなんだというものを検討に加え新水道ビジョンで打ち出したら、住民との連携という最後のところまでつながっていく体系になるのではないかと思います。そういうところも論点の中に入れたらどうかと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。岡?さん、いかがでしょうか。先ほど国際のところで大義名分が必要だというご発言がありましたが、国内でもそうだということでございますが。

○ 岡?構成員
今のご意見に共鳴します。関連していいますと、6で役割分担と連携と出ています。基本的論点は、これはこれで論議を深めていけばいいと思うのですが、要は?の道府県に始まって、?の研究機関、いわば政官財学こぞって水事業に関連する皆さんが役割分担と連携でいい仕事しようよというところに視点があるのだというのは了解しますけれども、もっといえば、?の国は水に関する管理運営のありようをどこへもっていきたいのか。そこのところは、国、関係省庁の水管理、運用の制度、組織議論を含めて、水循環法なるものの動きも一方でありますから、国は国のほうで考え方を提示されるべきではないかと思います。これは意地悪で水道課の皆さんに作文してくれといっているわけではないのです。ビジョンとして既に積み重ねてきたものがありますから、それに対する、いうところの政権・政治の側の見識を問われていますよということを、厚労省の責任でいっていただかなければいかんのではないかと思っているのです。
国際貢献の絡みで、国家戦略なるものを前回も触れましたけれども、率直に申し上げます。今の政権を応援・支援してきた労働組合の立場の人間としては無責任でいられませんから、資格責任ある立場の人間として痛苦な反省を含めて申し上げますと、菅さん時代に出した国際戦略なるものも、極めて理念編から思想・大義編が欠落した内容として不満をもっているのです。こんなもので通るのですかというように実は思っているのです。新幹線や原発のことまではいいませんけれども、こと水に関しては私たちは責任がありますから、水の分野で一般的にいってほしくないなと。あるいは、国家戦略という以上は、しっかりした中身を提示してもらわなければ困りますというようにみているのです。
そういう意味でいうと、話が戻りますけれども、水に関して制度、組織、運用のありよう、連携と協力の仕方、役割分担、それらについて、一体、国家戦略としてどのようにもっていこうとしているのか。そこのところは、たたき台は提示されてしかるべきではないかと思います。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。既に時間が来ておりますけれども、ここは大事なところですので、できれば少しだけでもご意見をいただきたいと思います。佐藤さん、いかがですか。

○ 佐藤構成員
今回の論点整理ですと、2ページ、1—2として、「特に経営面からみた持続可能な事業運営のあり方」ということで、大きな論点として取り上げられたことは非常に重要であって、ここを切り込みたいと考えております。したがって、私の意見としては、経営面についての論点整理の枠組みはこれを支持したいということです。さらに今後の議論の方向性としての提案をさせていただきたいと思います。1つは、経営面を考える場合には、制度上の問題と運用上の問題の2つが、実際の水道の現場で課せられていると思います。ここでいっている制度上の問題というのは、今回でいえば、公営企業会計制度の改正に伴って、財政計画並びに予算、決算、さらに最終的には料金の適正化、このような三位一体の関係を制度上から明らかにしていかないといけないということです。法律上は地方公営企業法の21条2項、料金と、水道法の14条、供給規程にかかわる料金、ここが重畳的に適用されるとともに、実務上は水道協会の水道料金算定要領として運用されている。問題は、水道協会の算定要領については法的な拘束力がないため、その位置づけが必ずしも明確でなく、各水道事業体で都合の良いように解釈して適用しているため、料金制度が必ずしも適正な運用に結びついていないのではないかと考えています。したがって、ここで制度上の問題から議論していきたいという提案です。
もう1つの運用上の問題については、どんなに制度ができていたとしても、現場の運用実態として、議会等の過度な関与によって、やむを得ず適正料金が実現できないという現実がある。こういうことから考えると、経営面を考えるときには、制度上と運用上、この2つから、今後、次回以降に検討していきたいということを提案として申し上げます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。
それでは、最後、資料—6のスケジュールについてご説明ください。

○ 名倉課長補佐
では、資料—6に従いましてご説明させていただきます。資料の下のほうの図で説明させていただきます。前回、第1回、今回、第2回目ですけれども、追加調査を実施しまして、第3回目以降、追加調査の報告はさせていただきますが、特定テーマということで、テーマに分けましてご検討をお願いしたいと考えております。今の論点のところとも関係するのですけれども、まず第3回目で特定テーマ1としまして、将来の事業環境ということで、論点でいきますと0番になる項目について、あと特定テーマ2として、住民等との連携ということで、論点でいうと4に該当する項目について。それから、4回目の検討会で、特定テーマ3、安全な水の確保ということで、論点でいうと2です。5回目で、危機管理の徹底ということで、震災を踏まえてということなので、論点でいうと3—1に該当するもの。第6回目で危機管理の徹底その2、危機管理全般ということで、論点でいうと3—2に該当する項目、それから国際展開の推進ということで5に該当する項目。第7回目で運営基盤の強化その1になりますので、論点でいうと1—1に該当する項目。第8回目で運営基盤の強化その2ということで、1—2に該当する項目の検討をお願いしたいと考えております。検討会の回数が足りなくなったので、前にお示ししたものからふやしておりますけれども、非常にハードなスケジュールになっております。それを踏まえまして、第9回目の検討会で中間とりまとめということで、あと10回、11回というような形で書いております。6に該当する役割分担のところはすべてに関係してくるであろうということで、特に取り出して、これについて議論というようなことは考えておりません。
先ほどの全体的な議論ということは、まず1回、こういう形で、特定テーマごとにバラバラにしまして、それぞれ関係が深そうな項目についてそれぞれ検討をお願いしまして、それが第9回目あたりでもう一回くっついてくるというようなことになるかと思いますので、そういうあたりでそれぞれの分野ごとの検討を踏まえて、全体としてどういう方向になっていくかというようなことが議論されていくという形になるのではないかと考えているところでございます。
以上でございます。

○ 滝沢座長
ありがとうございます。きょうもいろいろご意見をいただきまして、時間が足りないぐらい、まだまだご意見をお聞きしたいような気がいたしますけれども、そういう意味で、水道事業を取り巻くテーマとして、たくさんの議論を要するということで、少し検討会の回数を追加させていただいたというようなことでございます。今後のスケジュールにつきまして、何かお気づきの点はございますでしょうか。進め方についてはたくさんの注意事項、ご意見をいただきましたので、それを踏まえて今後進めていくということで、事務局とも協議していきたいと思います。どうぞ。

○ 浅見構成員
恐縮ですが、この順番なのですが、運営基盤の件をもう少し前倒しにして、どこかで最初に様子をうかがって、また必要だったら補足をしながらというほうが、ひょっとしたら実態に合ったりするかもしれないなというような気もするので、議論の進行状況に応じて順番が変わる可能性があるというような理解でもよろしいでしょうか。安全な水の確保も、どこまで求めるかというのは運営状況とも関連するところかなというような感じもいたしまして、全体像が少し早目にみえたほうがいいのかなという気がいたしております。

○ 滝沢座長
いかがでしょうか。

○ 名倉課長補佐
即答はできないのですけれども、検討いたします。

○ 滝沢座長
集中して議論したほうが皆さんの意識がしっかりそこに向いて議論できるのか、あらかじめ運営基盤の問題点を少し整理して、それを理解した上で個別の議論をしたほうがやりやすいのか、そこの点だろうと思います。あと情報の収集といいますか、そこら辺の問題もあるかもしれません。ご検討ください。
ほかに何かお気づきの点ございますか。よろしいですか。
それでは、本日は長時間にわたりましてありがとうございました。これにて閉会したいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

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(代 表) 03(5253)1111 内線4028
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