ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 政策統括官(統計・情報システム管理、労使関係担当)で実施している検討会等> 厚生労働統計の整備に関する検討会> 第5回厚生労働統計の整備に関する検討会議事録




2012年3月1日 第5回厚生労働統計の整備に関する検討会議事録

大臣官房統計情報部企画課統計企画調整室

○日時

平成24年3月1日(木)10:01~11:50


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省12階 共用第14会議室(1213)


○出席者

委員(五十音順、敬称略、◎:座長)

石川広己
今田幸子
大江和彦
玄田有史
西郷浩
齋藤英彦
土屋了介
◎廣松毅

事務局

伊澤統計情報部長
藤井企画課長
早川統計企画調整室長
中島審査解析室長
南雇用統計課長
代田賃金福祉統計課長

オブザーバー

小池労働力人口統計室企画第1担当課長補佐(総務省)

○議題

1.「公的統計の整備に関する基本的な計画」の別表における検討状況等について
2.「厚生労働省統計調査の省内事業仕分け報告書」の論点に基づく各統計調査の検討について
3.その他

○議事

○藤井企画課長 企画課長の藤井でございます。
定刻になりましたので、ただいまから「第5回厚生労働統計の整備に関する検討会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
次に、本日の出席状況でございますが、阿藤委員、阿部委員、岩田委員、大沢委員、柏女委員、津谷委員、永瀬委員が御欠席でございます。
 なお、統計委員会から基本計画の課題への対応について厚生労働省と総務省の連携要望があったことを踏まえまして、本日はオブザーバーとして総務省より小池労働力人口統計室企画第1担当課長補佐に御出席いただいております。
 それでは、以後の進行につきまして、廣松座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○廣松座長 委員の皆様及び御出席の皆様、本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。昨日でなくてよかったという状況でございます。
 それでは、早速お手元の議事次第に基づきまして議事を進めてまいりたいと思います。
まず最初の議事が「『公的統計の整備に関する基本的な計画』の別表の検討状況等について」でございます。資料1が用意されておりますので、事務局の方から説明をお願いいたします。

○早川統計企画調整室長 それでは、御説明いたします。
 資料1は基本的に1-1と1-2に分かれておりまして、1-1が検討状況が検討中であるもの、1-2が検討済みとしているものと分けてございます。資料に沿いまして、順に御説明いたします。
まず、資料1-1、番号1でございます。これは項目が「四半期推計に関する諸課題」と書いてございますが、国民経済計算の整備に関する事項の中で国民経済計算の1次推計との連携をとるという部分の中のエになっております。ちなみにエの前のウが年次推計に関する諸課題となっておりまして、その次に四半期推計で出てくるところでございます。
こちらにつきましては具体的措置、方策等ということで毎月勤労統計調査につきまして、1常用労働者が5~29人の事業所の調査における標本替えの工夫による所定内給与等の断層の解消、2離職事由を「解雇、退職」「転勤」等に分離すること等による企業の退職者比率の把握、3退職金の調査を検討するということになってございます。
こちらにつきましては、まず1の所定内給与の断層の解消でございますけれども、ここに書いてございますように、標本替えを工夫するには頻度を増すか、調査継続期間を延長する必要がありますけれども、調査経由機関の都道府県や調査対象者に負担を強いることになります。このため、推計方法の工夫ということで、アメリカ労働経済局が採用している方式がございまして、これがとれるかどうかというようなことについて、現在、検討をしているということでございます。
2と3でございます。まず2ですが、企業の退職者比率の把握については、関係統計の調査項目のスクラップアンドビルドの観点で見直しを進めた結果、平成23年より雇用動向調査において四半期別の離職者数を把握することにより対応することといたしております。こちらにつきましては昨日公表しておりまして、四半期別の退職者数が出ております。
3ですけれども、退職金の調査でございます。退職金の支払い額は事業所単位で把握していないケースが想定される。最近、基金などの第三者機関みたいなところから払われるというようなケースもありまして、事業所単位では把握していないことが想定されるということで、速報性の観点から毎月勤労統計調査における対応が困難であると考えております。なお、こちらのもともとの基本計画の四半期推計というところでございますけれども、こちらは国民経済計算の退職金総額、年間の額がわかっておりますので、これと四半期ごとの退職者数から算出されます退職者比率を利用すれば、四半期ごとの退職金総額が推計可能なのではないかと考えまして、こちらにつきましては厚生労働省としては検討済みとしたいと考えてございます。
次が2番でございます。こちらは「企業活動の変化や働き方の多様化等に対応した労働統計の整備」ということで、1つ目が雇用動向調査等を基にして雇用創出・消失指標を推計し、公表するということでございます。こちらにつきましては年末の本検討会でも御紹介いたしましたけれども、労働政策研究・研修機構においてこの指標の推計方法の研究が行われまして、この機構から昨年4月28日に概要が発表されて、10月に報告書が発行されております。これを踏まえまして指標の具体的な作成・公表方法について、今、検討を進めているということでございまして、やり方、具体的な公表の方法について検討を進めているということで、検討中としております。
 その次の3番でございますけれども、こちらは経済産業省と協力して、ビジネスレジスターの整備を待って、毎月勤労統計調査や賃金構造基本統計調査と、工業統計表との結合を図るため、共通符号を持たせること等の措置を講ずるということでございます。現在、まだビジネスレジスターが構築される最中になってございますので、その過程におきまして共通コードの維持管理方法などについて検討を進めていくつもりでございます。
一番最後に出ておりますけれども、また書きでございますが、各種統計調査のための母集団情報の精度向上のため、毎月勤労統計調査や賃金構造基本統計調査の調査票情報及び労働保険関係成立届などの行政記録情報を母集団データベースに提供するというようなことを、今、進めているところでございます。
 項目の4番でございますけれども、関係府省と協力して、ハローワークを通じた求人・求職活動のみではなく、他のルートによる求人・求職活動を含めた総合的な労働の需給動向を示す指標について、ハローワーク以外の求人数の把握方法、世帯調査を通じた求職状況に関する統計の利用可能性や費用対効果なども含め、その実現可能性について検討するとなっております。
こちらにつきましては検討中ということですけれども、現在の取組み状況といたしまして、ハローワーク以外のルートも含めた求人数の把握については、21年度に諸外国における欠員調査の実施状況を調査したところ、我が国ではこれらの調査と類似の項目として未充足求人を雇用動向調査、こちらは事業所規模が5人以上で、公務を除く16大産業を対象としておりますけれども、こちらにおいて調査しているが、当該調査では年1回上半期のみの把握となっています。このため、四半期ごとに実施している労働経済動向調査、こちらは事業所規模が30人以上になりまして、産業も公務を除く12大産業と若干変わっておりますけれども、こちらにおいて未充足求人の把握が可能か、試行的に実施することとしております。
なお書きでございますけれども、雇用動向調査、また労働経済動向調査につきましては、例えば事業所の規模を拡大する、または産業を拡大するということにつきましては、現在の調査客体数を維持したままでやることについては結果の精度が落ちるであろう。しからば精度を維持するためには調査客体数を増やすことが必要になりますけれども、そういった面ではコスト等が増加するというような観点から、こういった既存の調査につきまして規模の拡大、産業の拡大はなかなか困難であるという状況でございますので、現行の枠組み内で何かできることはないか、今、検討しているところでございます。
 続きまして資料1-2でございます。こちらは検討済みというグループになってございますけれども、赤字で書いておりますところが新たに変化のあったところでございます。
 まず項目の1番でございます。これは実労働時間の適切な把握の観点から、世帯に対する雇用・労働関係の統計調査において、ILOの国際基準も踏まえた上で調査事項の見直しについて検討するということでございますけれども、こちらは先般の統計委員会でも答申が行われましたが、労働力調査の方で月末1週間の労働時間、それに月末1週間の労働日数とかと月内の労働日数を新たに調査項目につけ加えることによって年間の労働時間を把握できるようになるということで、一定の解決を見たということで、こちらの方は検討済みというふうにステージを変えてございます。
 次の2でございますけれども、医療費に関する統計の体系的整備、国際比較可能性の向上の観点から、保健医療等の分野全体の医療費をマクロでとらえる統計、OECDのSHA手法に基づく保健医療支出推計を公的統計として位置づけることについて、できるだけ早期に結論を得られるよう、学識経験者や利用者を含めて検討するというものでございます。こちらにつきましては前回の検討会でも御紹介いたしましたけれども、医療費統計の整備に関する検討会を別途設置して検討した結果、最後の赤字でございますが、検討会での指摘事項も踏まえまして、医療費に関する統計の国際比較可能性の向上のためには、現時点で直ちに公的統計化するのではなく、その前にまず国民医療費を初めとした既存統計においてデータ精度を向上させるなどの充実を図ることにより、現在、作成されているSHAの質の担保に貢献していくことが重要であると考えているということで、まず既存統計の充実が重要ということです。結論といたしましては、直ちにSHA手法に基づく保健医療支出推計を公的統計に位置づけるのは時期尚早となっております。そういった観点で検討済みとしております。
 3番でございます。これも去年より検討済みとなっておりますけれども、その後、若干変化がございますので御紹介いたします。こちらは就業、就職及び離職の状況、就業抑制要因などと、結婚、出産、子育て、介護等の関係をより詳しく分析する観点から、関係する統計調査において必要な事項の追加等について検討するということでございます。こちらにつきましては24年の雇用動向調査におきまして、入職者票の「直前の勤め先を辞めた理由」に関する項目が「結婚・出産・育児・介護」と一括りになっていた選択肢を、「結婚」と「出産・育児」と「介護」に分割することを予定しております。なお、離職者票の離職理由に関する選択肢においては、従来から「結婚」「出産・育児」「介護」と分かれております。
項目の4番でございます。これも前回の検討会で御案内いたしましたけれども、世代の違いによる検証等のため、21世紀出生児縦断調査及び21世紀成年者縦断調査について新たな標本の追加等を検討するということで、出生児の縦断調査につきましては22年調査で既に実施されておりますが、成年者縦断調査におきましては24年度予算政府案の中に取り込まれておりまして、今、国会の審議を受けている最中でございます。
残りにつきましては従来のものと変更はございませんので、説明は省略させていただきます。
資料1に関しましては以上でございます。

○廣松座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に関しまして、御質問、御意見がございますれば、御発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。

○玄田委員 2点ほど御確認をいただければと思います。
 1点目は資料1-2の番号3でございますが、平成24年の就業構造基本調査、今年の秋実施予定の中に、新しく育児等々に関する調査項目が今回加わることになったと記憶しております。その議論についての論点整理を項目番号1と同様、雇用失業統計研究会の中で論点整理を行い、その中にも厚生労働省の方々から御参加いただきまして多くの知見をいただきました。そういう意味では項目番号1と同様、項目3の中に就業構造基本調査として育児等々の関連を含めて考えることを行っておりましたので、そちらも加えてもよろしいのではないかなというのが1点目であります。
 2点目は資料番号1-1の検討中の方の最後の4番でございます。これはなかなか難しい問題であり、御指摘のように精度、コストの面から新しい調査をするのは非常に難しいと思うのですが、私は若干記憶が定かでなくて間違ったら恐縮ですけれども、2000年代の半ばか前半くらいにたしか仕事情報ネットを厚生労働省の方で御検討になって、ハローワークと民間の求人情報を1つのフレームワークの中で集めることをなさったはずだという記憶がありまして、そちらがどれくらい民間求人等々のデータが集まっているかという精査も必要なのですが、既にそういう行われている取組みもあるわけで、ハローワークと特に民間の求人との関係ですとか重複度合い、仕事情報ネット等々のデータを少し分析することを含めて検討することも、4番目に対する要望にある部分合致するような対応になるのかと思いますので、そちらについての御検討はいかがでしょうか。
 以上です。

○早川統計企画調整室長 1点目の就調との関係ですけれども、これは総務省に報告します55条報告の中では担当府省ごとにコメントを書くような形になっておりますので、恐らく就調の担当である総務省側からもメッセージとして書かれる可能性があるのではないかと。

○玄田委員 そうだと思いますけれども、ちょうど番号1の論点と同じような意味で、労働力調査の方で年間労働時間日数、労働時間を把握すると今回変わったわけで、ここに書いてありますとおり、その中に雇用失業統計研究会で南課長始め、厚生労働省の方に大変多くの御意見をいただいてそういう検討をしたものですから、これを書かれるのであれば就調について書かれても何ら不自然ではない。論点整理に加えて、厚生労働省としても対応したという意味です。だからそういう意味では両方書いた方が整合的なのではないか。当然メインで書かれるのは総務省統計局の方からの見解となるのでしょうけれども、ここに書いてあるように総務省と厚労省と一緒に研究会の中で議論したということでは、書いても不自然ではないと思ったという次第です。
 就調のときは南さんとかはいらっしゃらなかったですか。

○南雇用統計課長 はい出ていました。

○早川統計企画調整室長 御指摘を踏まえまして、上の実労働時間のところと同じような形で書き加えたいと思います。

○伊澤統計情報部長 資料1-1の4番の方ですけれども、ここは我々統計情報部として何ができるかという観点から書いたものです。といいますのは、ここで書かれている課題というのは、勿論民間の求人についても把握するのは当然だとは思うのですけれども、もっと大きな課題をここで提起されているという観点から、民間に出されているものも含めて事業所に対して調査をして把握できないかということで書いておるわけです。そういう意味では我々の方はそれも含めた形で労働経済動向調査で把握できないかという問題意識ではあったわけですけれども、そこは民間の事業所の、いわゆる民営職業紹介所などの観点からどのような形で書けるのかどうかは、もし取り入れられるようであれば職業安定局などとも相談しながら書いてみることを検討してみたいと思います。

○玄田委員 部長が御指摘なのは、この趣旨としては表に出てこない求人、潜在的な求人の把握が必要なのではないかということで、それをとるのはいずれにしても多分相当難しいと思うのです。例えば1つの案としては、雇用安定業務統計の中に、いわゆるハローワークで求人開拓の方が活動されることによって上がってきた求人と、実際にハローワークに企業の方、事業所の方が持ち込まれた求人と多分分類できるのではないか。実際私のところでは開拓員の方々の成果によって集まった求人が相当あるわけで、それがかなり潜在求人に近いものであるとするならば、今の職業安定業務統計の中の内容をもう少し整理したり、公表の仕方を考えることによって、4番目のところについてもある程度既存統計から接近できるというふうなアプローチもあり得るのではないかと併せて思いましたので、御検討いただければと思います。

○伊澤統計情報部長 せっかく貴重な御意見をいただきましたので、それも含めて検討させていただきたいと思います。

○廣松座長 よろしいでしょうか。
 ほかにいかがですか。
 1-1の1番目、毎勤の標本替えによる断層の解消というか、それに対する対処ですが、たしかこれは労働力調査でも同じような問題があって、労働力調査ではたしかそのギャップ調整をやっているように記憶しています。毎勤に関してもその考え方というか、手法があるいは参考になるのではないかと思います。
小池さん、その辺で何か特にコメントはございますか。

○小池労働力人口統計室企画第1担当課長補佐 よくわからないです。

○廣松座長 西郷さん。

○西郷委員 これはどこまで話をしていいのか、たしか検討会というか、委員会のようなものが特別に設けられて、そこで検討いただくことになっていると思います。
これはそもそも断層がなぜ起きるのかという問題と、断層があるのかないのかというチェックからし始めないといけないと思うのですけれども、半年に一遍3分の1の標本が入れ替わることによって数字がぶれる、そのぶれが本当に断層と言えるものなのかどうなのか、断層であるとすればどういうふうに対応するのかという形でアプローチすると思うのですが、このWDLT方式は言ってみれば、3分の2に関しては今までの調査の情報がある、新しく入れ替わるところの3分の1に関しては今までの情報がないような形になるので、言わば3分の2に関しては今まで積み上げてきた情報を生かすような形で、なるべくぶれが小さくなるようなウェートの在り方を考えようというものになると思うのです。
私は拝見したのですけれども、WDLT方式自体はかなり経験則によってウェートを選んでいるような側面が強いのですが、それをもう少し標本理論に基づくような形で見直してみる。そうするとWDLT方式と似たような形で、かつある程度標本理論に基づくような形でより適切なウェートが選べて、断層があるとすればそれが解消できる可能性はあると思うので、恐らく検討会の検討内容を待てば解決するのではないかと思っています。

○廣松座長 ありがとうございました。
 その意味ではまさに検討中という位置づけになっていると考えたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 1-2の2番目、医療費に関する統計の国際比較性の向上ということについて、ここでは主として国際比較性を重視しているわけですが、例えば医療施設調査等の議論で医療費に関してもう少し情報というか、統計が整備できないかという意見があり、議論がずっとこれまで続いてきました。とりあえず2のところでは国際比較性という観点からOECDのSHAとの関係に関してある程度結論を出したということでございます。ただ、現時点でこういう形の結論になったわけですが、当然のことながら今後もこの点に関してはやはり十分議論をして統計の整備ができるように御努力いただければと思います。恐らく社会的な関心としても大変高い分野だろうと思いますので、今後の課題にしていただければと思います。
 ほかに資料1-1及び1-2に関しまして何か御質問、御意見はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議事1「『公的統計の整備に関する基本的な計画』の別表の検討状況等について」に関しましては、さきほど、玄田委員の方から御意見をいただきましたので、それを反映するような形でとりまとめをお願いできればと思います。
 続きまして、議事2「『厚生労働省統計調査の省内事業仕分け報告書』の論点に基づく各統計調査の検討について」ということで、資料2が用意されております。その説明をお願いいたします。

○早川統計企画調整室長 続きまして、資料2について御説明いたします。
 それに先立ちまして、後ろの方に参考資料1が付いてございますので、そちらをまず御覧いただきたいと思います。
 これは前回の復習になりますけれども、「厚生労働省統計調査の省内事業仕分け報告書に基づく個別統計調査の検討について」ということでございまして、検討体制はこの検討会で行うということと、検討の方法については、定期的に厚生労働省が実施している一般統計調査のすべてを対象とする、報告書に掲げられました論点を幾つかのテーマに分け、テーマごとに検討を行うということと、検討会は検討の都度、改善等の必要があるものについて指摘を行うということ、検討会は議論しやすい論点から順に年4回程度行うということ、1年を目途に中間報告をとりまとめるというようなことで進めさせていただくものでございます。
 裏の方に検討会で検討を行う主なテーマということで幾つかのものを掲げてございまして、本日は2番の「回収率の向上について」ということで資料を用意させていただいているということでございます。資料を御覧になって、改善など必要なものがあれば御指摘いただければと考えてございます。
 では、資料2の方に戻っていただきまして、今回は回収率が低いものについての検討でございます。今回資料2に出しましたのは、回収率が6割以下の調査をピックアップしております。順番はお手元のドッチファイルに出ている統計調査の分野別に並べておりまして、資料2のナンバーの下に括弧書きで番号が入っておりますが、こちらはドッチファイルの中にございます資料のインデックスの番号になっております。そのように御覧いただければよろしいかと思います。
 まず1番目ですけれども、医療経済実態調査ということで、保険局が行っている調査でございます。
こちらの方は回収率の実際のところを見てみますと、病院が58.4、一般診療所が49.1、歯科診療所が59.4、保険薬局が65.8で、全体としまして56.9%という形になっております。
調査方法は郵送になっております。
調査客体数は約8,600医療機関でございます。
利活用でございますけれども、これは中央社会保険医療協議会、いわゆる医療保険の点数について、その改定を議論するところに使われているということでございます。その他、刷新会議や財務省においても診療報酬改定関係の検討資料として使われているということでございます。
これにつきまして回収率が低いことをどのように考えているかということでございますけれども、回収率を高めることは必要であるとは認識しているということでございます。
実際回収率の維持向上のために行っている取組みでございますけれども、まず厚労省のホームページによる周知・調査協力依頼ということで、調査の開始時にホームページにおいて特設ページを作成しまして、調査の協力の呼びかけを行っているということです。次に報道関係者の周知ということで、調査票の発送時に調査実施について公表しています。医療関係ですので業界紙等ございますので、そういったところに掲載してもらえるよう働きかけているということでございます。電子調査票の利用ということで、調査施設専用のウェブページを作成しまして、ウェブページによる回答も可能としている。こちらにつきましては厚労省のホームページからのリンクも張っているということです。あと調査対象施設への回答喚起ということで、発送時にまず電話による到着確認、協力依頼を行っている。調査施設専用ウェブページの案内、調査協力依頼文の発送をしている。それから、再依頼の発送。再々依頼の発送。あと電話による依頼というようなことを行っているということでございます。
回収率が低いことで結果に偏りが生じているのではないかということを踏まえて調査を継続するかどうかを聞いておりますけれども、この調査は診療報酬改定の資料として使われているということでございますので、診療報酬改定に資するものとして引き続き調査する必要があるとされております。
 2番目の国民年金被保険者実態調査でございます。
こちらは個人調査と市区町村調査の2つに分かれておりまして、個人調査につきましては37.8%というような形になっております。
調査の方法は郵送でございます。
調査客体数につきましては、個人調査は6万人程度、市区町村につきましては12万人を対象としております。
こちらの利用につきましては、国民年金の第1号被保険者、いわゆる自営業とか農業の方を対象としたところでございますけれども、そういった方の年金制度の現状の把握、国民年金保険料の未納対策のための検討資料で使われているということでございます。
回収率が低いことをどのように考えているかということですけれども、直近の国民年金保険料の納付率は59.3%と発表されておりますが、分母に全額保険料免除を受けているような方の月数を入れますと42.1%になるということで、未納者は調査に非協力的である、また個人情報に対する意識の高まりもありまして調査環境が厳しくなっていることを考えますと、やむを得ない結果と考えているということでございます。
とはいいながらも、回収率の維持向上のための取組みはできる限り行っているということでございまして、それが隣の欄になりますけれども、未回答者に対して2回督促を行っている、調査票を大幅に見やすくした、年末の繁忙期を避けて調査時期を前倒しした、ホームページによる広報を見やすくわかりやすいものにした、コールセンターなども活用し、照会対応を強化、調査への協力を呼びかけているということでございます。
今後の調査の継続に関しましては、国民年金第1号被保険者における国民年金制度の周知度や保険料未納の理由などの実態把握をする唯一の調査でございますので、引き続き行っていきたいと考えているということでございます。
 3番目、所得再分配調査ということで、これは政策統括官政策評価官室が行っているものでございます。
こちらの回収率が52.4%となっておりまして、調査員調査であるにもかかわらずちょっと低いというようなものになってございます。
調査客体数が約1万2,500世帯ということです。
こちらもいろいろな審議会などの資料に使われているということでございます。
回収率ですけれども、これは有効回答率を出しておりまして、実は集まっている調査票自身で素の回収率を計算しますと74%になっているということで、これは何が問題かといいますと、無効回答というか、有効な調査票の割合が低くなっているというのが原因であるということがわかっておりまして、どういった対策かといいますと、誤記入などによる無効になる調査票が発生しないように質問の内容、回答方法、記入要領などについて見直しを行ったということでございます。
こちらは3年に一度の調査になっておりまして、平成23年が調査となっておりまして、調査票は、インデックス50番のところを開いていただければどういったものになったか御覧いただけます。
回収率が低いことと調査を継続する必要性の観点でございますけれども、この調査は社会保障制度や租税制度が所得の分配にどのような影響を与えているかを調べる国内唯一の調査で、重要性、ニーズが高いということで今後も調査を引き続き継続する必要があると考えているということでございます。
先ほどの調査票の見直しを行ったということもありますけれども、調査の精度を高めるため回収率を高めることは重要と考えていまして、回収率向上のための取組みを進めていきたいと考えているということでございます。
 4番目が歯科技工料調査ということで、これも保険局の調査でございます。
こちらは歯科診療所が68.1%の回収率ですけれども、歯科技工士は5割になっております。
調査方法は郵送調査で、調査客体数は約1,200か所ということになっています。
これの活用状況は、診療報酬改定の基礎資料になっているということです。
これも低いとはいいながらも、診療報酬改定の基礎資料として類似するものがないということで、実施は必要とされています。
調査精度を高める上で、回収率の向上は取り組んでいきたいということでございまして、具体的な取組みにつきましては、調査内容の見直し、回答者がわかりやすいような解説文書の作成、関係団体等の協力依頼を行っているということでございます。
こちらは診療所と歯科技工所2種類調査しております。片方が7割近くで片方が5割という状況にはなっておりますが、これを見比べてみると、大きな偏りは生じていないのではないかととらえているということでございます。
 5番でございます。年金制度基礎調査で、年金局が行っている調査でございます。
こちらは回収率が6割ということになっております。
郵送による調査です。
調査客体数は2万7,000人となっております。
これの活用ですけれども、年金制度運営上の基礎資料ということで、審議会等の資料にも使われているということでございます。
この調査は老齢年金、遺族年金、障害年金の3種類を年ごとに変えて調査しているということでございますけれども、近年は老齢年金受給者を対象とした調査年においてのみ回収率が6割を下回っているということだそうでございます。これにつきましては隣に書いてございますが、はがきによる督促を行っているということで、その結果、恐らく6割を超える回収率が得られるのではないかと考えているということでございます。
こちらにつきましても回収率を高めていくことで調査は継続していきたいと考えているということでございます。
 6番目、これは雇用動向調査で、統計情報部が行っている調査でございます。
こちらの方は事業所票と入職者票、離職者票と分かれてございまして、入職者票と離職者票の回収率が若干低いということでございます。
こちらは調査員調査です。
事業所は約1万5,000事業所、入職者が17万人弱、離職者が15万人弱となってございます。
こちらの活用につきましては、雇用対策基本計画、労働移動支援助成金、高年齢者等職業安定対策基本方針などに参考指標として使われているということでございます。
現在の回収率は大体入職者票が40%台、離職者票が50%台でございます。
調査結果は省内の政策立案に活用されているということで、回収率の向上を図りつつ、調査を継続する必要があると考えているということでございます。
具体的な回収率の維持向上のための取組みにつきましては、厚労省のホームページや広報誌「厚生労働」による広報に加えまして、各都道府県労働局による調査票締め切り後の電話などでの督促を行っております。また、調査対象事業所に対しまして、協力依頼状として、前回の調査の結果を抜粋したものですけれども、同封することによりまして、統計調査の有用性の啓発を行っているということでございます。
この調査の継続に関しましては必要であると考えているということでございます。
7番目が能力開発基本調査でございまして、これは職業能力開発局が行っている調査でございます。
こちらは企業からのものが43.5%、事業所は67.7%でございますけれども、個人票が38.7%というような形になってございます。
これは調査員、郵送、オンラインといろいろなものを組み合わせてございます。
調査客体数は、企業が7,200、事業所が7,000、労働者、個人は2万5,000人が客体になってございます。
こちらの活用ですけれども、新成長戦略、雇用戦略対話、労働政策審議会、職業能力開発分科会などにおける政策の目標設定などに使われているということでございます。
本調査は、事業所調査は6割台を維持しておりますけれども、その他の調査については4割台の回収率にとどまっているということでございますが、職業能力開発に係るものに関しましては唯一の調査ということで、回収率を向上させて継続していきたいということでございます。
具体的な取組みに関しましては、厚労省のホームページ及び携帯サイト「キャリモバ.jp」に本調査への協力のお願いを掲載している。それから、厚生労働省や委託業者に対しまして問い合わせが来た場合は趣旨を丁寧に説明の上、協力をお願いしている。委託業者から週1回進捗状況の報告及び月1回委託業者と打ち合わせをすることによりまして正確な把握、必要な助言、指導等を行っているということでございます。回答の未提出先につきましては、委託業者が電話、はがき、電子メールなどで提出の依頼をしているということでございます。
調査の継続性につきましては、先ほども申し上げましたように、政策の企画立案に活用されるほか、新成長戦略などの政府の施策などにも活用されているということで、引き続き行っていくことが必要であるということでございます。
次の8番が若年者雇用実態調査ということで、これも統計情報部が行っている調査でございます。
こちらは事業所票が58.6、個人票65.1%ということで、事業所票の回収率が若干悪いということでございます。
調査方法は郵送でございます。
調査客体数は、約1万7,000事業所、2万4,000労働者というのが客体になってございます。
こちらの活用につきましても労政審、または若年者キャリア支援研究会などで使われているということでございます。
この調査は雇用構造調査ということでテーマローテーションで行われているものでございますけれども、引き続き実施していく必要があると考えているということです。
どういった回収率の向上の取組みが行われているかと申しますと、厚生労働省のホームページや広報誌「厚生労働」による広報に加えまして、調査票締め切り後の督促状の送付、あと22年度調査からは電話での督促も行っているということでございます。
9番目がパートタイム労働者総合実態調査で、これも統計情報部が行っている調査でございます。
こちらは事業所票が72.8%であるのに対しまして、個人票は54.9%というような形になってございます。
調査方法は調査員、または郵送ということです。
客体数は事業所が約9,000、個人票が約2万5,000となってございます。
こちらは白書や労働経済の分析に使われているということでございます。
こちらもローテーション調査でございますけれども、具体的な回収率向上の取組みといたしましては、まず回答者に対しまして前回調査時の調査結果の抜粋を同封して有用性を啓発、回答しやすい調査票の設計、調査に安心して協力してもらえるよう、調査票に記入された事項が統計以外で使用されないというようなことや、記入者の特定ができないというようなことを記しました依頼状の添付を行って、更に事業所に対しましては個人票配布に係る協力要請により回収率の維持・向上に努めているということでございます。
この調査は雇用に関する政策ニーズに対応するために実施しているということで、継続的に行っていく必要があると考えているということでございます。
次のページでございます。項目の10番で、労働経済動向調査でございます。
回収率が54.4%ということになってございます。
こちらはオンラインまたは郵送の調査になっております。
調査客体数は5,800事業所でございます。
こちらの活用でございますけれども、月例経済報告、雇用・能力開発機構のあり方検討会などでも使われているということでございます。
具体的な回収率の向上のための取組みでございますけれども、こちらははがき、メール及び電話による督促のほか、抽出替えの際に本社あてのあいさつ状を送付するというようなことで協力を求めているということでございます。また、非協力的で、かつ支店の数が多いなど、影響力の大きい事業所については本社あてに依頼文書を発送して、直接協力を依頼するなど、向上に努めているということでございます。
こちらも雇用政策の基礎資料で必要不可欠なものということで、調査は継続する必要があると考えているということでございます。
次が11番、労務費率調査ということで、こちらは労働基準局が行っている調査でございます。
回収率はぎりぎり6割を超えていますけれども、60.03%で、ほぼ6割ということで取り上げてございます。
こちらは郵送による調査です。
調査客体数は約1万事業場ということでございます。
こちらの政策的な活用は、制度上、調査で得られました労務費率が労災保険の徴収に直接使われる形のものになってございます。
回収率は約6割ということで、目標としています6割は達成しているということですけれども、高い回収率であれば精度が高くなるということで、一層高い回収率を達成するようにしたいということでございます。
実際にどのような取組みがされているかということでございますけれども、今回は24年度に労務費率を改定するということで、昨年23年に実施されております。今回の調査における回収率はこちらに掲げておりますように60.03%でございますが、前回の調査時に比べまして7.63ポイント上昇しているということでございます。前回調査の結果を踏まえ、今回どのようなことをやったかということでございますけれども、まず調査票の改善ということで、調査票の表現をわかりやすくした、あと調査要領と調査票を一体化した、照会先を明確に記載したということでございます。それから、文書による督促の改善ということで、未提出事業場に対する督促を文書により5,000事業場に対して実施した。前回が3,000事業場だったので、それを増やしたということでございます。周知・広報の改善ということで、関係団体に周知・広報の依頼を行っているということでございます。
次回は3年後の26年に調査をすることになりますけれども、今回の調査結果を踏まえまして、次のような改善を更に検討したいということでございます。1つが照会対応の改善で、電話回線を増やすということでございます。そのほか、コールセンターの設置、または既存のコールセンターの活用を検討したいということでございます。それから、調査票のさらなる改善ということで、今回の調査においては記入者が労災保険制度を理解していることを前提に調査票を作成していましたが、実際の照会では余り制度を理解していない者が多く見受けられたということで、調査票を改善して、記入者の負担が減少するように検討していきたいということでございます。それと厚労省のホームページにおいて記入方法などについてわかりやすく掲載するということで、照会件数の減少を図りたいということでございます。業界団体への協力の依頼の改善ということで、今回の調査では全国組織の3団体に協力を求めまして、一定の効果が得られたと評価しておりますけれども、次回の調査時においては、更に橋梁やトンネルなど専門分野ごとに組織されている団体に依頼することにしたいということでございます。下が切れてしまっていますけれども、申し訳ございません。組織されている団体に協力依頼したいということでございます。
必要性に関しましては、こちらは制度上、この結果を使って保険料を徴収することになっていますので、必要な調査であるということでございます。今、言ったような取組みを踏まえて回収率が高くなっていくような形で取り組んでいきたいということでございます。
最後のページでございますけれども、12番、賃金引上げ等の実態に関する調査で、こちらは統計情報部の調査でございます。
回収率は54.2%で、6割を下回っております。
調査方法は郵送でございます。
調査客体数は約3,500企業です。
こちらの活用は、中央最低賃金審議会における参考資料に使われたり、労働経済の分析といったところに使われているということでございます。
この調査は民間企業における賃金改定の動向を把握しまして、翌年の春闘の参考資料として民間企業に利用してもらおうということで、8月の調査実施から4か月後の年内に公表するというスケジュールで実施しております。こういった意味で調査から発表までわずか4か月しかないという極めてタイトなスケジュールで実施しておりますので、調査票の未提出企業への督促にかける時間が余り長くとれていないというのが回収率が低い原因と考えているということです。
こういった中でどういった形で回収率が向上できるかという取組みにつきましては、まず調査票があて先不明で戻ってきた企業については、移転先を調べまして新しい住所に再送するということで、できる限り未回収にならないようにしているということと、提出期限後の督促も行ってはいるということでございます。あと調査票の記入担当者が調査票に記入しやすくなるような調査項目やレイアウトの見直しを図って、記入者負担の軽減に努めているということでございます。
必要性につきましては右の方に書いてございますけれども、実際の賃金の改定の状況につきましては、全国ベースで継続的に把握する唯一の調査でございますので、中立的な立場からの統計調査ということで、継続して実施していく必要があると考えているということでございます。
最後でございますが、産業連関表作成基礎調査ということで、こちらも統計情報部の調査でございます。
53.2%ということで、6割を下回っております。
調査方法は郵送でございます。
調査客体数は900事業所ということでございます。
こちらは名前が付いていますように産業連関表を作成するための調査でございますので、そういった国民経済計算に直結した活用がされております。
この調査は10府省庁の共同事業でやっておりまして、厚生労働省では担当部門における投入構造を把握するために実施しているということなのですが、調査事項が事業所の会計記録区分と対応していないものがございまして、記入者負担が大きくて回収率が低くなっている原因になっているということでございます。この産業連関表の調査につきましては同様に他省庁も行っておりますけれども、やはり投入調査に関しましては回収率が低くなる傾向がありまして、他省庁とも協力して回収率の向上に努めたいということでございます。
具体的な取組みということで、調査票につきまして回答しやすいものになるよう改善のための検討を行っているということでございます。
こちらにつきましても産業連関表を作成するための調査としましては唯一のもので代替不可能ということで、調査の継続は必要であると考えているということでございます。
資料2につきましては以上でございます。
あと資料3といたしまして、これは参考でございますけれども、他省庁における回収率維持・向上のための取組みを聞き取り調査してみましたので、御紹介いたしたいと思います。いろいろな省庁の特性に応じまして違う取組みがされているということがわかろうかと思います。
まずA省でございますが、こちらは所管行政に関連の深い機関を対象とした調査がほとんどで、回収率が高いということで、特段の取組みはないというところがございました。
 次のB省でございますが、調査票を送付する際に依頼文を添付するということ、それで回収率が維持されていると考えているそうです。あと調査開始前に調査対象の事務担当者を対象に説明会を開いているということでございます。
 C省におきましては、調査を民間委託している場合において、調査票発送用の封筒は請負業者クレジットの封筒ではなく、実施省クレジットとしている。それから、督促を数度行うに当たり、1回目はファックス、2回目は電話など、手法を変えて行っている。調査対象が事業者を対象としているものについては、関係団体へ講演会などを行って、広報・啓発活動を行っている。更に調査対象者の事業所が実施府省付近、近くにある場合ですけれども、その場合には直接個別に訪問して協力依頼をしているということでございます。
 次のD省の例でございますけれども、督促につきましては連絡のつきやすい時間帯に配慮して行う。電話のみならず、はがき、ファックス、メール、職員の訪問を併用するというようなことを行っているということでございます。調査項目を簡素化及び記入枠を大型化する。回収を効率的に行うための工夫として、年間報告期日一覧の配付、遅れがちな事業所に事前案内を行う、報告期日の2日前時点で未提出の事業所へ案内を行うというようなことを行っているということでございます。
それから、調査方法が調査員調査のものにつきましては、対象に選定した事業所が調査を拒否した場合には、直ちに新たな調査対象事業所を選定することを行っているということでございます。あと調査項目が多い調査については、調査対象に謝金を支払うということ。調査方法を調査対象の意向に合わせて行うこととし、調査員、郵送、ファックス、オンラインで実施している。あと説明を丁寧に行うとか、協力困難な対象については職員が直接面接にて説明を行い、協力が得やすいように努めているということでございます。
最後のE省でございますけれども、所管統計調査について、期間を定めまして、調査票提出促進運動を行い、回収率及び調査結果精度の向上を行っているということで、具体的な取組みは以下のとおりだそうです。
非協力事業所に対する調査協力要請ということで要請を行うということ。こちらにつきましては未提出事業所リストに基づきまして、調査票提出に向けて督促を実施、あとこれについて成功した事例があった場合には、その報告の収集、関係者への情報共有を行っているということ。
あとオンライン調査の促進ということで、提出率の目標を設定することと、オンライン提出要請事業所情報を基に省内、地方局、都道府県にて調査票提出の要請を実施するということでございます。
それから、広報活動の充実強化ということで、本運動というのは調査票提出促進運動のことですけれども、これの趣旨と実施についてホームページ、メールマガジンに掲載、リーフレットの直接送付や新聞広告の掲載を行っているということで、最後に関係機関や団体への広報誌、ホームページへの趣旨、協力依頼文の掲載なども行っているというような取組みが行われているということで、参考に御紹介いたしたいと思います。
 資料の説明は以上でございます。

○廣松座長 ありがとうございました。
 それでは、資料2に基づいて御議論いただきたいと思います。前提として今回このリストに上げられているのは、ドッチファイルにあります統計調査のうち、回収率が60%未満というか、ちょっと超えているものもあるようですが、一応それを原則としてピックアップをしたということです。60%という回収率が適当かどうかというのはこれまた議論があろうかと思いますが、それはちょっと置いて、その上で資料2にありますようなコメントを付けていただいたわけです。
 1つ質問です。調査の周期というか、毎年行っているのか、あるいは何年かおきに行っているのかについて、ところどころコメントがあるものもあるのですが、ここには月次のものは入っていないように思いますが、調査周期によって恐らくかなり状況は違うだろうと思いますので、もし可能でしたら今、調べていただいて、1から一番最後の13までについて情報をいただければと思います。

○早川統計企画調整室長 まず1番の医療経済実態調査ですけれども、こちらは2年に1回になっています。
2番の国民年金被保険者実態調査は3年に一回です。
その下の所得再分配調査も3年に一回です。
4番の歯科技工料調査は2年に1回です。
5番の年金制度基礎調査は、基本的には老齢、遺族、障害という形で対象を変えて毎年行われております。たしかこれは1年お休みして、また始まるというようなサイクルで行われていたかと思います。
雇用動向調査は年2回の調査になっております。
能力開発基本調査は年1回です。
若年者雇用実態調査とパートタイム労働者総合実態調査は雇用構造調査の中のテーマの一つになっていますので、こちらの方では不定期となっていますけれども、概ね5年程度の周期で行っているということでございます。
10番の労働経済動向調査は年4回の調査でございます。
11番の労務費率調査はここにも書いてございますけれども、3年に一回という調査でございます。
12番の賃金引上げ等の実態に関する調査は毎年、年1回の調査ということです。
あと産業連関表作成基礎調査ですけれども、これは5年に一度の調査になっております。

○廣松座長 ありがとうございます。
 今の情報もつけ加えていただいて、御質問とか御意見をいただければと思います。ただ、資料2によるとすべての調査に関して引き続き調査をする必要があるということになっており、この検討会の場で各調査の存続に関して何らかの結論を出すことを求められている訳ではないようでございますので、率直な御意見をいただければと思います。
 どうぞ。

○齋藤委員 先ほど座長が6割が高いか低いかということを言われましたが、医学とか医療でアンケート調査が時々ありますけれども、6割とか5割というのは非常に高いと思います。4割とか3割程度がかなり多くて。
今、伺いますと、考えられることはやっておられるわけでして、回収率をこれ以上増やそうとすると、調査に協力したらインセンティブを与えるか、協力しなければペナルティを科すしかないと思います。民間の企業のアンケート調査だと、回答すると図書券がもらえるとか、そういうものがありますね。これは国ですからそういうことはできないとしても、先ほどE省の事例で未提出事業所リストに基づき云々というところがありますね。あなたの事業所は未提出リストに載っていますよというのはペナルティまではいかなくても、一種のプレッシャーになると思うのです。ですからある程度所管の省庁がそういう手を使えば、少しは圧力を加えて回収率を上げることができると思います。
もう一点は、回収率を上げるだけが精度を増すのではなくて、内容の正確さも同じくらい重要だと思います。例えば先ほど個人情報の問題が出ていましたけれども、収入を聞いたりすることはなかなか情報を得るのが難しいと思います。例えば先ほどの一番最初の医療経済実態調査は何に使うかというのがわかっているわけですから、多分収入を控え目に書く傾向があると思います。ですからその辺のことはわかった上で使われると思うのですが、やはり限界があると思います。
もう一つ、私が先ほど見ていて精度がどうかなと思ったのは、医薬品価格調査が11番のところにありますけれども、薬価改定のときの資料に使われますが、薬の値段は公定価格で決まっています。それぞれの病院とか診療所でそれを幾らで買うかを調査するのですが、恐らく各病院はそれは秘密にしていると思うのです。なるべく値引きして買っていると思うので、その辺、本当に実態が出てくるかどうかは土屋先生はよく御存じだと思います。

○土屋委員 今、齋藤先生がおっしゃったとおりで、こちらのとじた方の11番、医薬品の価格調査がありますけれども、これはやはり定価で買っている医療施設はほとんどないので、そこのところが病院の経営上一番難しいということで、それを随意に書いて出せということ自体が本当の調査になっているかどうか。
 もう一つは、今、御指摘の資料2の1番と4番、これは中医協で使われる診療報酬改定のものですけれども、調査票は保険局医療課ではなくて中医協の名前できちんと出ているわけです。しかもこれはそれぞれ病院4団体、それと日本医師会、歯科医師会の代表が出てやっているわけなので、本当にこれを資料として使ってデータに基づく議論をする気があれば、それぞれの団体がもっと調査の回収率を上げようという努力をするので、実際には各団体なりそういうところが独自に調査したものを持ち寄って議論を闘わせているというようなことからいうと、果たしてこれは税金を使って続ける必要があるのかどうか、国民の前にその辺を開陳して判断すべきではないか。
勿論正論からいえば、こちらの調査に一本化をして、正しいデータに基づいてオープンにして議論をするというのが正しい方向性だと思いますので、その方向に持っていくにはどうしたらいいかということで、当事者に考えていただかないと、座長が言われるように、ここでやめろと言うわけにはいきませんので、むしろ当事者能力が問われることを指摘したい。
 もう一つ、今、齋藤先生が御指摘になったもので、資料3のA省庁が「所管行政に関連の深い機関」と書いてありますけれども、それとC省庁で実施省クレジットとありますが、これは許認可権限を持った監督官庁がやれば当然回収率は高くなるので、やはりその辺は調査の主体がどこだというのは工夫する必要はあろうかと思います。
 いろいろ工夫の中に、厚労省のホームページとか「厚生労働」という雑誌が出てくるのですが、個人に対してはほとんど効力がないと思うのです。一般の方が厚労省のホームページを開けるとは思いませんし、「厚生労働」が届くとは思えないので、これは余分ではないかという気がいたします。

○廣松座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、今田委員、大江委員の順番でお願いいたします。

○今田委員 調査の回収率は何割くらいが適当かというのはなかなか難しい。ここでは6割ということを基準にされたのですけれども、郵送とか調査員法とか調査法にもよりますし、目的が非常に難しい、プライバシーに関わるものだと難しいし、対象者がつかまえにくい相手だと難しい。そういういろいろな要因によって調査の回収率は上下がある。それを前提にしても、この中で例えば7番の能力開発の調査では目標回収が45%とかいう設計で、結果も4割というようなこういう調査は、もともと調査の設計そのものにかなり問題があるのではないかと、私は調査をやる人間として思うのです。
下の若年調査は対象が若者なので難しい調査だと思うのですが、個人調査票で6割以上いっている。そういうことからいえば、どのレベルが調査としてOKと言うべきかは難しいとは思うのですけれども、目標そのものも5割もいかない調査を設定して、結果もそれで、それを何年も続けるのはかなり無理があるというか、やはり5割もいかない調査は精度も非常に問題ですし、それでもって長期間データをとって、いろいろな政策の基本にするということにもかなり限界があるのではないかと私などは思うので、難しい調査は何らかの方法で設計そのものの段階できちんと戦略を持ってスタートすることが重要です。
 あと経過が出ていない。ずっと逓減しているのか、ある程度改善されているのか、このデータはわからないので、22年でこのレベルだというのがあるのですけれども、経過として、ある程度改善されて回収率がよくなっている場合もあるだろうし、どんどんだめになる傾向のもあると予想される。
改修のレベルは先ほど申しましたように、6割でなければいけないとか、5割でなければいけないというよりも、対象によって、方法によっていろいろあると思います。でも、もともとかなり無理な調査というのがあるのではないかなと思います。それはやはり大きな問題だと思いますので、これから調査を設計するに当たっての考慮事項として検討していただければと思います。

○廣松座長 ありがとうございました。
 大江委員、お願いいたします。

○大江委員 自分の関連領域ということで、1番について少し質問とコメントをしたいと思います。
 まず今、今田委員の発言もありましたように、私も、過去例えば5回の回収率の推移といったようなものを少し出していただかないと、どの程度努力が今後報われそうなのかどうかが予測できないと思うのです。今すぐは難しいかもしれませんけれども、その点を出していただけたらと思います。
 もう一つは、対策を考える上でこの括り方の回収率の出し方ではよくわからないのですけれども、やはり個別に例えば地域差がどの程度あるのかとか、例えば保険薬局の回収率ですと個人立なのか、法人立なのかでどのくらい違うのか違わないのか、そういったことも少し詳細に分析していただいて個別対策をとらないと無理なのではないかなという気がしました。
 仮にこの調査を続けるとして回収率を上げるとすると、調査票を今、改めて拝見して、必要性に少し疑問を持ったのは、例えば病院とか一般診療所の院長とかそういう方の給与と賞与を記載させている部分があるのですけれども、こういったものが診療報酬改定を議論する上で必要なのかどうか私自身はよくわかりませんが、疑問に感じるところがあります。特に病院、それから個人の一般診療所の院長の数を書かせているというのも、そういうこと自体も何か意味のないことで、院長の報酬額を書くのは恐らくかなり皆さん抵抗を感じる方が多いのではないかなと思います。その辺りの調査の趣旨に合わせた調査票の改善をもう少し考えることが、特に一部の診療所とかに対しては回収率の向上に影響が出るのではないかと思いました。
 それから、1番と4番の歯科診療所に対する調査が、1番は7月末が締め切りで、4番は7月中の調査を8月末締め切りで出させているということで、両方当たる歯科診療所が多いとは思いませんけれども、こういった保険局医療課の同じ歯科診療所に対する調査が少しずれた時期に2度来るということも再検討した方がいいのかもしれないと思いましたので、コメントさせていただきました。

○廣松座長 ありがとうございました。
 玄田委員、お願いします。

○玄田委員 2点意見がございます。
 先ほど座長から回収率のどの水準が望ましいかという基準と同時に、恐らくもう一つあり得るのは、目標回収率と実際の回収率のギャップがどの程度まで許容されるのかということが1つ大きな議論だろうと。そうすると、多分目標回収率をどういうふうに設定するかは先ほど来御意見があるように、これまでの経年的な実際回収率を踏まえた上で、それを多分大きく落ち込み続けるような状況があると、そもそもその調査自体の実施が相当困難になっているのかもしれない。そういう意味では目標回収率をどう設定するかは極めて重要で、もう一個の基準としては恐らく調査の難易度があり得ると思います。若年者雇用実態調査のような例外はありますけれども、基本的には個人調査の方が事業所調査よりも難しいと考えるのが一般的であろうと。先ほど広報が行き届かないとか電話催促が行き届かないというのを考えると、恐らく個人調査は非常に難しい。そういうものを踏まえて目標回収率をつけるべきだと思うのです。
そういう意味で1点目の意見としては、6番目の雇用動向調査の目標回収率を事業所票、入職者票、離職者票すべて75%と置くのは極めて不適切、無理な設定だと思います。この中で特に入職者票のギャップが非常に大きいわけですけれども、入職者票は入職者本人、つまり個人が記入することが前提になっておりますので、事業所にまず依頼し、事業所から更に入職者に依頼するという2段階のステップを踏むという非常に複雑な難しい調査になっている。しかも雇用動向調査が常用労働者を対象としているので、いわゆる臨時日雇い名義の常用労働者、前2か月の18日以上働くという、これはいわゆる流動的な労働者も含み得るので、調査票を渡した段階でもうそこから切れてしまったとか、そもそも企業との関係が強くない労働者を踏まえているとすると、最近の非正規化の増加も踏まえると、入職者票、特に臨時日雇い名義の常用労働者の回収が困難になっているだろうという予想は、下のパートタイム実態調査の個人票の数字を見ても大いにつくのだろうと思います。そういう意味では常用名義と臨時日雇い名義とか分けてやったり、あと離職者票の回収率が低いのも、非常に流動的な労働者が増えると、恐らく離職者票に書くのが一番難しいのは離職理由のところですから、よくわからないまま辞めていく、離職理由不明というケースは多分多くなっているのではないか。そう考えるとこれはやや個人票に近い性格なので、これについてはまず目標回収率の設定そのものを考えていかないといけないのではないかなというのが1点目です。
 2点目は、3番の所得再分配調査の書いてある内容について、正直やや愕然といたしました。つまり集計対象外を含めたら52.4%が74.0%になるというのは、先ほど今田委員の御指摘と同じで、こんなに捨て票があるというのはまず調査として大問題である。もしその集計外が誤記入であるということから来ているとするならば、なぜこれほどの誤記入が発生してしまうのかを早急に対策を立てない限り、近年非常に不平等とか貧困に関心が高まったり、OECD統計の中で日本は再分配後の所得の不平等が高まっている国であるというような汚名とも言えるような状況の中で、実は所得再分配調査がこんなに誤記入が多い、集計対象外が起こっているということは、正直大変ショッキングな状況であろうと思っております。なぜこれだけの誤記入が起きるのか、想像するとすると、やはり受給金とか拠出金という金額を書く欄が非常にあることと、介護状況という実際介護状況ではない人にとっては記入するのが困難であろうというのが予想されるようなことを聞いているわけです。まずその辺が誤記入の状況だとするならば、そもそも調査方法を再設計しないと、名前は所得再分配調査ですけれども、全く正確な再分配調査になっていない可能性が大いにあり得る。もっと言うならば、これからもしマイナンバー制度が本当に導入されるようになると、所得再分配調査は必要なくなるかもしれない。もっと正確にそちらの方で再分配の状況を把握できるようになるとするならば、こういう誤記入とか集計対象外があるような調査を続けること自体が、海外に対しても不適切な情報発信になるということを強く認識をしていただいて、回収率自体の問題よりも、集計対象外がこれだけあることを強く考慮すべきであると思います。
 以上です。

○廣松座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 先ほど今田委員がおっしゃったことと関連して、1番、4番は先ほどございましたとおり、中医協が実際に調査している。それと、多分能力開発の7番も既にコメントのところに「委託業者に対し」というような書き方がしてあって、恐らく民間の事業者が調査をやっているのだろうと思うのですが、委託の仕方とかによってかなり変わり得るような気もいたします。
 それから、これはこういう一覧表ですからなかなか詳細まで記入するのは難しいかと思いますけれども、今、玄田委員の方から指摘があった雇用動向調査のところで、雇用者個人、入職者に関しては事業所が選んで割り当てて、本人が書く。離職者に関しても離職した人が書くのですか。

○玄田委員 事業所が書きます。

○廣松座長 それと同じようで、7番、8番、9番辺りの労働者と書いてあるものも、これは多分事業所が選んだ労働者ですね。したがって、労働者の属性に関して情報はあるのですか。

○南雇用統計課長 労働者については全体の労働者の配分と似たような形で選んでくださいという依頼はしています。すなわち、男女構成とか年齢構成とかは事業所の状況が反映するような形で個人を選んでくださいという依頼をしております。

○廣松座長 わかりました。
 ほかに何かコメントはございますでしょうか。
 どうぞ。

○西郷委員 今回は、60%という区切りで、ドッチファイルにとじてあるものが全部で92個ある中の13がその基準でということだったのですけれども、全般的に回収率は下がっている傾向があるので、今度もう一回こういうことをやると、5年後ぐらいにはもっとたくさんそういうものが出てくるのかなと伺いました。
ただ、私の個人的な印象としては、厚生労働省のなさっている調査は、調査客体の方に結構負担が大きい場合が多いのです。先ほど玄田先生がおっしゃった雇用動向調査に関しては、サンプリング自体を事業所の方にやってもらって、入職者、離職者を選んで、入職者に関しては事業所の方で調査票を配ってもらって回答してもらうものなので、ものすごく答える方にとってもともと負担が大きい調査だという印象があるのです。その中で6割以下の回収率であるのが十幾つというのは、私個人はむしろ少ないのかなという感じを持っています。
全体的に下がっている回収率を急に上げるのはなかなか難しいと思うので、むしろ考え方を少し柔軟にするというと語弊があるかもしれませんけれども、例えば母集団の推計をしなければいけないような調査、失職者が何人いるのであるとか、日本全体でこういうことになっているのだという調査に関しては回収率はかなり厳しく見積もる必要があると思いますが、そうではなくてケーススタディというか、実情がどうなのかがわかればいいというものであれば、むしろ回収率をそんなに厳しく見なくてもいいということもあるかもしれません。そういったメリハリ、一律に6割というのではなくて、もう少し調査の目標としているものに応じて回収率を少し見ていくことも必要になるのかなという印象を持ちました。

○廣松座長 ありがとうございました。
 ほかに御意見はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 今回、6割というのを1つの基準として、この13の調査が出てきたわけですが、それでもやはり13を一律に議論するのは難しいかなという気がいたします。目的から始まって、調査の方法、あるいは調査の難易度、さらには調査票のフォーマットまで含めて考えますと、とりあえずここに13候補として上がったわけですから、当面この13に関してもう少し個別に考えることも必要ではないかという気がいたします。
資料3では各府省が取り組んでいる取組みに関して一般論という形でまとめていただいたわけですが、恐らく各府省も当然調査によっていろいろ工夫をしているだろうと思いますので、その辺の情報も参考にしていただいた上で、今回上げていただいた13に関しても少し個別に議論をしていくというか、見ていく必要があるのではないかという気がいたしました。この検討会の場でそれをやるのか、あるいはもう少し事務局の方で詰めていただいて、その情報に基づいて再度議論をするのか、改めて事務局の方と相談をしたいと思います。
 さて、一応予定をしておりました議事、時間もほぼ近づいてきたわけですが、全体を通じまして何か御発言がございますでしょうか。
 どうぞ。

○石川委員 日本医師会の石川でございます。
回収率が低い統計調査の1番で、私たちに関連することが載っているわけなのですけれども、この回収率はこの間行われたものと考えてよろしいのでしょうか。去年。

○早川統計企画調整室長 そうです、書いてございましたように23年調査です。

○石川委員 私も病院、診療所の経営者ということでいろいろ数字を見たりしておりますけれども、目標に対しての回収率がこういう数字だとすれば、私たちもこういう調査をするところとか何とかということであれば、もっとしっかりやらないかということを相当の者に対して口を酸っぱくするほど言うと思うのです。この回収率は十分とは言えないと本当に僕は思うのです。これで日本の医療費がとやかく言われるような基本の統計になっているかと思うと、ぞっとするような気がしました。
何で回収率がこんなに上がらないのかというと、皆さん、やはり病院の先生、診療所の先生それぞれのこの調査に対してのモチベーションだとか、依頼先への信頼だとか、そういったことが複合してこういうふうになるのだと思っております。私は医師会歴が長く、市区町村の医師会の集まりなどでこの調査依頼が診療所に来たとすると、大変だね、頑張ってよという感じになってしまうのです。その後の督促がどういうふうにやられているかわかりませんけれども、例えばこれが本当に重要で、医師会もちゃんと協力しなければいけないのだと言えば、もっと回収率を上げられると思うのです。もう少し相談をしていただければいいのではないかなと思います。
 昨年のことですと、実際は私たちはこの実調についてのちょっとしたスキャンダルみたいなことがありまして、現実被災県にも送ってしまった。被災県に送るなということが、被災県に送ってしまったということで、大変話題になってしまったりしたのです。それもちょっと影響しているかなと思っているのですけれども、実は内容としては本当に私たちの現業に関わる大切なものであるならば、回収率の向上についてきちんと依頼をして、何回もしつこく依頼をするということは大事だと思うのです。私たちのところにも勿論協力してくれと来ますけれども、特段の工夫も一緒にしていく形での連携が必要だと思います。2年後になりますけれども、もしそういうことでこれを本当に上げて、実際にもっときれいな統計を出したいということであれば、是非、日本医師会だけではなくて、市区町村の医師会、郡市医師会に協力を依頼するとすごく上がると思います。

○廣松座長 どうもありがとうございました。
 それについては統計の立場からいいますと、これらはすべて一般統計です。その意味では報告義務がかかっていない統計であって、その条件を前提とした上でいかに協力していただくか、そこが基幹統計以上に難しい点かと思います。その辺は資料2に書かれていますこの調査を所管している部局と十分御相談をいただく必要があると思います。今、石川委員の方からおっしゃっていただいたとおり、言葉は適当かどうかわかりませんけれども、話の持っていき方によっては報告者の方にも十分協力していただけるということですので、その辺を是非今後、調査をする側の努力としてお願いできればと思います。
 ほかに御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 議事3として「その他」がございますが、事務局の方で何かございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、少し、10分ほど前でございますが、一応本日の主な議題は終了いたしましたので、事務局の方から今後のスケジュール等に関しての説明をお願いいたします。

○藤井企画課長 本日は長時間にわたりまして御審議いただきまして、ありがとうございました。
 次回の検討会の開催についてでございますが、本日いただいた意見もどうするのかということも含めまして、議題、日程等については別途調整させていただき、改めて御案内させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日、これをもちまして検討会を終了させていただきたいと思います。本日はお忙しい中をありがとうございました。


(了)
<照会先>

大臣官房統計情報部企画課
統計企画調整室

統計企画係: 03-5253-1111(内線7373)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 政策統括官(統計・情報システム管理、労使関係担当)で実施している検討会等> 厚生労働統計の整備に関する検討会> 第5回厚生労働統計の整備に関する検討会議事録

ページの先頭へ戻る