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2011年1月27日 第74回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成23年1月27日(木) 17:30~19:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)12階 職業安定局第1会議室


○議題

・求職者支援制度について
・雇用保険制度について

○議事

○岩村部会長代理 ただいまから第74回「雇用保険部会」を始めます。本日は清家部会長がご欠席ですので、部会長代理である私が議事の進行をさせていただきます。今日の出席状況ですが、いま申し上げたとおり、清家部会長がご欠席のほか、林委員、塩野委員、豊島委員、古川委員がご欠席です。なお、本日は資料の関係で、職業安定局総務課首席職業指導官室の中村補佐、職業能力開発局総務課の松本企画官、能力開発課の渡部補佐にご出席いただいております。それでは頭撮りはここまでということですので、お願いします。
 それでは議事に移ります。本日の議題はお手元の議事次第にございますように、「求職者支援制度について」、次いで「雇用保険制度について」、最後に「その他」ということになっております。最初は「求職者支援制度について」です。今回は前回までの議論を踏まえ、また公益委員のメンバーでも詰めを行い、労使各側委員とも調整を図った資料を、取りまとめの案ということで事務局にご用意をいただいております。そこで、まず資料について事務局からご説明をいただき、そのあと質疑に入るという順序で進めたいと思います。それでは、説明をお願いいたします。
○坂井派遣・有期労働対策部企画課長補佐 最初に資料の確認をさせていただきたいと思います。資料No.1としまして「求職者支援制度について(案)」、資料No.2としまして「雇用保険制度について(報告書案)」、資料No.3としまして「雇用保険関係資料」となっておりますが、お手元にございますでしょうか。それでは、私のほうからは「求職者支援制度について(案)」を読み上げさせていただきたいと思います。
 第1 現状及び課題。現下の雇用失業情勢は、持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況にある。労働市場においては、パートタイム労働者、派遣労働者、契約社員等の非正規労働者が雇用者に占める割合が3割を超え、失業者に占める長期失業者の割合も、すう勢的には上昇している。このような雇用失業情勢を踏まえ、特に非正規労働者に対するセーフティネット強化のため、平成21年、22年に雇用保険法を改正し、雇用保険の適用範囲の拡大や、受給資格要件の緩和等を行ってきたが、短期に離職することにより受給資格を満たさない者、受給期間が終了しても再就職できない者が依然存在する。さらに、週20時間未満の短時間労働者や自営廃業者等雇用保険の適用にならない者も存在する。
 一方、失業後に再就職できない等により生活に困窮した場合、最後のセーフティネットとして生活保護制度があるが、同制度においては、その困窮の程度に応じ、必要な保護を受け、最低限度の生活を保障されるという制度の趣旨から、利用し得る資産、能力等すべてを活用した上で、それでもなお困窮していなければ、対象にはならない。
 このため、雇用保険と生活保護の間にあるセーフティネットが必要であり、政府は、平成21年度から、雇用保険を受給できない者(非正規労働者であった離職者、長期失業者など)等に対する新たなセーフティネットとして、基金を造成し、ハローワークが中心となって、職業訓練及び訓練期間中の生活給付を行うことを内容とした緊急人材育成支援事業を実施しているが、この事業は緊急の時限措置であり、平成22年6月に閣議決定された「新成長戦略」においては、「『第二セーフティネット』の整備(求職者支援制度の創設等)や雇用保険制度の機能強化に取り組む」とされ、求職者支援制度の創設は平成23年度に実施すべき事項とされたところである。
 このような状況を踏まえ、非正規労働者への新たなセーフティネットを恒久制度として創設することは、今すぐに実施すべき最重要課題であることから、次のとおり、求職者支援制度を創設することとすべきである。
 第2 求職者支援制度の方向性。1 求職者支援制度の趣旨・目的について。求職者支援制度の趣旨・目的は、雇用保険を受給できない求職者に対するセーフティネットとして、当該求職者の就職に必要な基礎的及び実践的な職業能力を高めるための訓練を受講する機会を確保するとともに、当該求職者が一定の要件を満たす場合には、その訓練期間中の生活を支援するための給付を支給し、あわせて、ハローワークが中心となってきめ細やかな就職支援を行うことにより、当該求職者の早期の就職を支援する制度とすべきである。
 2 求職者支援制度の対象者について。求職者支援制度は、雇用保険を受給できない求職者の就職を支援する制度であることから、就職を希望し、支援を受けようとする雇用保険の被保険者及び受給資格者でない者を対象者とすべきである。具体的には、雇用保険の受給終了者や、受給資格要件を満たさなかった者のほか、雇用保険の適用対象ではなかった離職者、学卒未就職者、自営廃業者等離職者ではないが求職している者が対象者となる。
 3 訓練について。求職者支援制度の趣旨・目的を実現するためには、公共職業訓練などとは別の新たな訓練を設定する必要があり、その訓練は、対象者にとって真に就職に結びつくような訓練である必要がある。そのためにも、労使の意見も反映し、ニーズのある訓練が認定されるような仕組みを設けること、例えば、労働局を中心として労使団体等の関係者が協議する場を設け、実情を踏まえた訓練実施計画を取りまとめる仕組みを構築することが必要である。
 また、就職支援に当たっては、ハローワークが中心となって、訓練実施機関と緊密な連携を図りつつ、一貫した支援を行う必要がある。新たな訓練の具体的内容等については、職業能力開発分科会において検討が行われており、その取りまとめに沿った訓練が実施されることが適当である。
 4 給付について。(1)給付の目的・位置付けについて。給付については、対象者が就職するために必要な職業能力を高めるための訓練を受講する期間中の生活を支援するための給付とすべきである。生活を支援するための給付という趣旨から、個人に対する給付と位置付けつつも、世帯の状況を勘案したものとすべきである。
 (2)給付要件について。対象者が公共職業安定所長の指示する訓練を受講する場合であって、以下の要件を満たすことが確認できた場合に支給するものとすべきである。対象者本人に訓練期間中に一定の収入があれば、その生活を支援する給付を支給する必要性が低いことから、訓練期間中に一定の収入がないことを要件とすべきである。その水準は、雇用保険の被保険者とならない程度の働き方を勘案したものとすることが適当である。
 給付の必要性については、世帯の支援が期待できるか否かまで含めて判断すべきである。具体的には、世帯で一定の収入や資産があればその生活を支援する給付を支給する必要性は低いことから、世帯に一定の収入がないこと及び資産が一定の水準を超えないことを要件とすべきである。その場合、世帯の収入要件の水準は、複数人員世帯における標準生計費を踏まえたものとすることが適当である。また、世帯の資産要件の水準については、例えば世帯に年間の標準生計費程度の金融資産があれば、その生活を支援する給付を支給する必要性は低いと考えられることから、これを踏まえたものとすべきである。なお、その際、金融資産の範囲は、現行基金事業と同様の扱いとすべきである。さらに、現行の基金事業において課されている居住する土地・建物以外に対象者本人が土地・建物を所有していないことについては、引き続き要件とすべきである。
 なお、世帯の範囲については、同居の親・子・配偶者を原則としつつ、一時的に別居していても生計維持関係にあると判断し得る親・子・配偶者も含めるべきである。
 訓練にはすべて出席することが当然であるが、病気等欠席せざるを得ない場合もあることから、そうした場合を除き、訓練にすべて出席することを要件とすべきである。なお、病気等の正当な理由がある場合の出席は、8割以上とすべきである。
 世帯において同時に複数の者が受給することは、世帯の者全てが同時にこの給付を受給し、生活を賄うなど、社会通念上適当とは考えられない場合も生じうること、現行基金事業においても、訓練・生活支援給付の受給は1世帯1人に限られているということとの継続性を考慮し、制度創設時においては、世帯で受給できるのは1人に限定すべきである。その際、訓練受講とそれに伴う生活支援の必要が生ずるのは主たる生計者に限らないことも考慮して、主たる生計者に限らず受給できることとし、また、異なる時期にそれぞれ別の世帯員が受給することも認めることとすべきである。
 (3)給付額・種類について。給付額については、就労しないというモラルハザードとなるものであってはならないが、訓練期間中の生活を支援するための給付として、一定の水準とすべきである。具体的な水準については、現行の基金事業においては、一律月10万円(世帯の場合12万円)とされていることとの継続性を考慮し、制度創設時においては、生活を支援する給付として現行と同様の水準である月10万円とすべきである。地域によっては、訓練の実施場所によって交通費負担が重くなり、これが訓練受講の妨げとなることから、生活を支援するための手当に加え、交通費も支給することとすべきである。
 なお、雇用保険の給付が求職者支援制度の給付と比較して低い額となる者が存在することとなるが、雇用保険の給付と求職者支援制度の給付のバランスについては、引き続き検討する必要がある。
 (4)給付期間について。給付を受給できる日数には制限を設けるべきである。この場合、原則1年とし、資格取得のために1年を超える訓練が必要なもの等は例外的に2年まで認めることとすることが適当である。また、循環的に受給することを防止する必要がある一方、給付を受給後、就職、その後離職し、再度訓練が必要となる場合も考えられる。このため、受給開始時点から一定の期間を一つの単位とし、その期間に1回(複数受講の場合は2回)給付が受けられるような仕組みとすべきである。その場合、対象者が給付を受給した後は通常就職することを想定して、上記の一定期間を設定することとし、非正規労働者も平均的には5年を超える勤続年数があることから、これを勘案して6年と設定すべきである。
 (5)融資について。対象者については、地域差や家族構成等様々に異なり、必要に応じて融資が利用できる仕組みを設けるべきである。その場合、給付で不足する部分を補完するものと位置付け、給付受給者が受給期間中に給付に上乗せして融資が受けられる制度とすべきである。また、融資額については、現行の基金事業や他の融資制度とのバランスも考慮して設定すべきである。
 (6)適正な給付のための措置について。適正に給付が行われることは、制度が社会的に必要なものとして評価されるために欠かすことができないものである。このため、適正な給付を確保するために、一定の措置が設定されることが適当である。具体的には、ハローワークでの就職支援を拒む場合については、一定期間給付が受けられないようにすべきである。また、偽りその他不正の行為により給付を受けた者は、一定期間給付が受けられないこととするとともに、当該不正により支給を受けたものの全部又は一部の返還をさせる等のペナルティを科すべきである。その際、雇用保険制度においては、一定の場合には受給額の3倍に相当する額の金額の返還・納付を命ずることができることとなっていることを参考にすべきである。
 5 訓練受講者に対する就職支援について。効果的に就職につなげていくためには、訓練開始前、訓練期間中、訓練修了後と、一貫して就職支援が行われることが必要である。このため、ハローワークが中心となり、訓練実施機関と緊密な連携を図りつつ、支援していくことが求められる。そのためには、ハローワークにおいて訓練受講者ごとに個別に支援計画を作成し、訓練期間中及び訓練修了後に定期的な来所を求め、個々の実情に応じた支援を行う仕組みとすべきである。またその際、必要に応じて、担当者制による就職支援を実施すべきである。訓練受講者が支援計画に従わず、ハローワークに来所しない等の場合には、上記(6)のペナルティを科すべきである。
 就職状況については、訓練受講者本人がハローワークに報告する仕組みを設けるとともに、訓練実施機関も、効果的な就職支援を行い、訓練受講者を就職につなげるような訓練を行っていくという観点から、その就職状況について把握することとすべきである。
 6 その他。求職者支援制度の創設後、これに円滑に施行できるよう、必要な施行準備ができるようにするとともに、求職者や訓練実施機関に対して十分に周知を行うべきこととすべきである。事業規模については、制度創設時については、基金事業における事業実績を踏まえたものとするとともに、制度創設後においては、雇用保険を受給できない求職者に対するセーフティネットとして、雇用情勢や施行状況を踏まえて、適正なものとなるようにすべきである。
 第3 求職者支援制度の財源について。雇用保険制度と最後のセーフティネットである生活保護制度の間の、新たなセーフティネットとして位置付けられる求職者支援制度は、雇用保険を受給できない求職者が安定的な職業に就けるようにする制度であり、その対象は、雇用保険の受給資格がないか、その受給を終了した者であり、給付と負担の関係が明確であるべき保険制度にはなじまない。したがって、雇用保険制度の枠外の制度として、本来、国が全額負担すべきものである。
 一方、国の財政状況が厳しい中、財政健全化に向けて、「歳出増又は歳入減を伴う施策の新たな導入・拡充を行う際は、原則として、恒久的な歳出削減又は恒久的な歳入確保措置により、それに見合う安定的な財源を確保する」という財源確保ルール(「ペイアズユーゴー原則」)が、昨年6月、閣議決定され、このルールの下では、求職者支援制度を国が全額負担するための財源確保は困難な状況にある。
 そうした中、昨年12月17日、国家戦略担当大臣、財務大臣及び厚生労働大臣の合意として、求職者支援制度を雇用保険制度の附帯事業として位置付け、国庫負担を原則1/2とする旨の方針が示されたことは、財政が厳しい状況にあるとはいえ、求職者支援制度の本来あるべき姿とは異なるものであり、何よりも当部会における議論の積み重ねを全く踏まえておらず、ILOの基本原則である公労使三者構成によって合意形成を行うという労働政策の意思決定の在り方を尊重しないと受け取られる進め方であり、極めて遺憾である。
 求職者支援制度の本来の趣旨からすれば、国が全額負担すべきものであるが、現下の厳しい雇用失業情勢や労働市場の変化を踏まえれば、早急に求職者支援制度を創設することが必要であり、緊急的な対応であることを前提に、雇用状況の改善につながるものであることから、労使負担を取り入れた制度として検討を行うこともやむを得ないものと考える。
 緊急的な対応として、国による負担を主軸としつつ、労使による負担を踏まえ制度を運営するに際しては、以下の通り対応することとする。国に相当の一般財源の拠出を求めることを大前提とした上で、雇用保険制度において労使が一定の負担を行う枠組とし、制度の趣旨・目的に鑑み、少なくとも半分は国の負担とし、国庫が1/2、労使がそれぞれ1/4ずつとすることが、緊急対応としての現実的な選択肢としてやむを得ないものと考える。なお、雇用保険の国庫負担と同様に、できるだけ速やかに暫定措置の廃止を行うべきである。
 また、基金事業を恒久化するものであることに鑑み、3大臣の合意にあるとおり、基金事業の終了後において、基金の残額は、全て求職者支援制度の財源として活用し、23年度は実質的に全額国庫、その後当分の間は実質的に国庫負担1/2を確保すべきである。さらに、雇用保険制度の安定的運営に影響を与えない範囲内で実施すべきであり、雇用保険の積立金は過去の保険料の剰余を積み立てたものであり、この規模を勘案して事業を実施する必要がある。積立金に係る弾力倍率が1倍を下回る場合には、求職者支援制度における給付等について見直すものとするとともに、労使の負担については、積立金との関係で上限設定などの制約を設けるべきである。
 なお、今後、予想を超えて雇用失業情勢が悪化し、制約を超えて大規模な事業実施が必要となるような場合には、必要に応じ、補正予算等により国庫を投入して必要な規模を確保するほか、場合によっては、求職者支援制度に加えて別の緊急臨時措置を設けて対応することも考えられる。
 今般の求職者支援制度の創設に当たっては、制度の創設が緊急の課題であるとの認識に立ち、特別な緊急対応としてやむを得ず取るものであり、施行後3年を経過した時点で、雇用保険制度とは切り離し、財源についても全額一般財源で措置するという本来あるべき制度に見直すべく、引き続き検討していくべきである。この見直しの検討については、法律上も明記すべきである。また、今後、社会保障改革とその財源について検討が進められる中で、求職者支援制度及び雇用保険制度に関する国庫による財源についても、その確保に向けた必要な検討が行われるべきである。事務局からは以上です。
○岩村部会長代理 はい、ありがとうございました。ただいま読み上げていただきました「求職者支援制度について(案)」につきまして、ご意見あるいはご質問がありましたらお願いしたいと思います。小林委員、どうぞ。
○小林委員 いまお示しいただいた内容の8頁ですけれども、この2行目から、「施行後3年を経過した時点で、雇用保険制度とは切り離し、財源についても全額一般財源で措置するという本来あるべき制度に見直すべく、引き続き検討していくべきである」とあります。この部分で、いつから検討を始め、いつ見直すのかを事務局でお答えいただきたいと思います。
○岩村部会長代理 事務局、お願いいたします。
○土屋派遣・有期労働対策部企画課長 いま、ご質問いただいた点ですが、検討の開始のタイミングについては、労使の皆様方のご意見をいただきながら考えていく必要があると思っておりますけれども、ここに記載している「3年を経過した時点で」ということとの関係で申し上げれば、3年後には必要な見直しが行われることを念頭に置きつつ、予めその前に検討を行う、それによって3年後には必要な見直しが行われるということを念頭に置いて表現をさせていただいています。
○岩村部会長代理 小林委員、よろしゅうございましょうか。
○小林委員 はい。もう1点なのですが、そのあとに、「この見直しの検討については、法律上も明記すべきである」というようなことが書かれていますが、どのような形で法律上明記するのか、お答えをお願いします。
○岩村部会長代理 土屋課長、お願いします。
○土屋派遣・有期労働対策部企画課長 ご指摘の点につきましては、今回のこの取りまとめ案、あるいはこれまでの議論を踏まえまして、現在、法制局において法制的な審査を、法律の案文として受けているところです。現段階として申し上げますと、読み上げさせていただきますが、「政府はこの法律の施行後3年を目処として、この法律の施行の状況等を勘案し、特定求職者の」、「特定求職者」というのは今回の制度の対象者のことをこういう言葉で言うつもりです。「特定求職者の就職に関する支援施策のあり方について、総合的に検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」という案をいま用意しまして、法制局と調整をしているところです。
 この案についても、先ほどお答え申し上げたのと同様に、言わば、3年との関係で申し上げますと、3年より前から検討を進めて、3年後には必要な見直しが行われることを念頭に、こういう規定を法案の附則に設ける予定で、いま準備を進めているところです。
○岩村部会長代理 いかがでございましょうか。
○小林委員 いまの中に、財源についてどうするという規定がないのですけれども、その点についてはどう考えればいいのですか。
○土屋派遣・有期労働対策部企画課長 いまご指摘があった点ですが、先ほど申し上げた案の中にありましたように、特定求職者の就職に関する支援施策のあり方について総合的に検討を加える、こういう規定にする予定です。この「支援施策のあり方」という部分、それから「総合的に検討する」ということで規定をする予定である点、こういった点から考えますと、この規定からは自ずと、当然、財源の問題、あるいは、この場でご議論いただいた雇用保険の附帯事業として位置付けることについての問題等々の検討は、当然含まれていると考えておりますし、また、そのようにご理解をいただければと思っています。
○岩村部会長代理 よろしゅうございましょうか。それでは、新谷委員どうぞ。
○新谷委員 関連して申し上げます。いま、小林委員からご指摘をいただいた点は、私どもも非常に関心のあるところです。いま、法制局との打合せにおいて法律上の明記についてご検討いただいているという答弁がありましたが、やはり、我々が気になるのは、財源の見直しであります。それは「総合的に」という中に含まれるというご答弁をいただいたのですけれど、法制局との関係で難しいということであれば、例えば、省独自で出される省令のようなもので、「総合的検討」の意味は、実は財源を含むといったような担保をしていただけると、非常に労使ともに安心できるのではないかと思いますので、それについてもご検討いただきたいと思っております。
○岩村部会長代理 それは要望ということで承っておけばよろしいかと思います。そのほか、いかがでございましょうか。では、栗田委員。
○栗田委員 財源に関して、報告の中でもまとめをしていただいているのですけれども、今後、速やかに安定した財源を確保した上で、本来あるべき姿である労働保険特別会計の雇用保険制度から独立・分離した制度として、一般会計で全額負担する枠組に移行していくことを考えています。その上で、第三のセーフティネットである生活保護制度は、国庫負担割合が3/4になっているわけですけれども、そことの関係について、少しお考えをお聞かせいただきたいと思っています。よろしくお願いします。
○土屋派遣・有期労働対策部企画課長 私どもとしては、生活保護については、いま3/4というご指摘がありましたが、残り1/4は自治体が負担をしているという意味において、公費の中で負担をしていることもありますので、生活保護についても、全体としては、やはり公費で負担をしていく考え方に当然立っているのではないかと思っています。そういったことも踏まえながら、今回、この場で本来あるべき姿ということで、全額一般財源でやっていくべきということを、強くご意見としてもいただいていることを踏まえて、財務当局ともねばり強く折衝を続けていきたいと思っています。
○岩村部会長代理 よろしゅうございましょうか。では、亀崎委員。
○亀崎委員 5頁の(6)適正な給付のための措置についてです。「ハローワークでの就職支援を拒む場合」とか、あるいは「偽りその他の不正の行為により給付を受けた者は、一定期間給付を受けられない」とあるわけですけれども、この「一定期間」の具体化は、どのような方向で検討する予定なのかをお聞かせいただきたいと思います。
○土屋派遣・有期労働対策部企画課長 また後刻、法律案の要綱という形で、法律案としての形のものをご審査いただくつもりでおりますが、給付に関しては、給付に関する基準を厚生労働省令で定める方向で、いま法律案上の整理を進めています。そういった意味で、いまご指摘の、どういう形でという点については、また、省令のご議論をいただくときに、具体的にご議論をいただくことになろうかと思っていますし、また、お願いしたいと思います。
 その上で、ここでの、就職支援を拒む場合についての一定期間というのは、就職支援を拒んだ時点で給付が止まることも、当然、考えられると思っていますし、その後ワンサイクルとしての6年間というものがありますので、その間はまた受けられないという意味での一定期間ということが、まずは考えられるのではないかと思っております。いずれにしても、省令を決める段階で具体的なご議論をお願いしたいと思っています。
○岩村部会長代理 亀崎委員、よろしゅうございましょうか。そのほか、いかがでございましょう。
○新谷委員 いまのところなのですが、後ほど検討するということなのですけれど、これは給付を受ける求職者個人のペナルティの話が記載されているのですが、後ほど検討する際に、実は、受託訓練機関の不正行為に対するペナルティはどうするのかについても、併せて検討する必要があると思っております。特に、給付申請者と通謀して示し合わせて不正行為をやったケースとか、単独で不正行為や虚偽報告をやった場合とかについても、併せて検討いただきたいと思っております。要望でございます。
○土屋派遣・有期労働対策部企画課長 いまご指摘いただいた点ですが、不正受給に対するペナルティについては、これは法律にきちんと明記をする予定です。また、いわゆる3倍返しについても法律上規定が必要だと考えています。併せていまご指摘があった、訓練実施機関が共謀して不正受給に至るような場合については、訓練実施機関にも連帯責任を負わせる形の規定を、法律上整備をしていきたいと思っております。
○新谷委員 いよいよ、まとめをする段階に入ってきたと思っております。求職者支援制度について1年近く検討してまいりまして、年末に三大臣合意という変化球が出ましたけれども、何とかここまでまとめていただくことができました。公益の先生方には感謝申し上げたいと思っています。その上で、財源問題を中心に何点か要望を申し上げておきたいと思っています。
 今回、財源問題について最後まで労使の合意は非常に困難でありましたけれども、あくまでも緊急避難として受入れをするということで、了解させていただきたいと思っています。私ども連合は、すべての労働者の連帯の運動ということも掲げて運動しておりますので、そういった意味でも受入れをさせていただきたいと思っています。ただ、1点気になりますのは、年末における3大臣合意という進め方です。これについては、ILOの三者構成原則に反するということで、報告書の中でもきちんと文書として盛り込んでいただきましたので、その点ではよかったと思っていますが、ただ、こういった事案が今後前例とならないように、是非、政府としても留意いただきたいと思っています。
 それと、1点、報告書の中には盛り込めなかった点で、我々として懸念する点があります。これは、再三申し上げておりましたように、暫定措置とはいいながらも雇用保険の附帯事業になるわけでありますので、雇用保険の給付を受ける方で求職者支援制度の給付の10万円に満たないという方が保険料を拠出し、そのお金が求職者支援制度の給付に回る。そういったときに、10万円と低額の失業給付の方々との不整合の問題をどうするのかについては、やはり制度が実際に運営されたときにどういう問題が起こるのかについて、検証する必要があると思っています。この点についても、今後、引き続き議論をさせていただきたいと思っています。
 最後に、せっかく労使で飲み込んだ案ですので、この通常国会において求職者支援制度が創設されるよう、法案の成立に政府としても全力を挙げていただきたいとご要望申し上げまして、労働側の最後の意見とさせていただきます。以上です。
○岩村部会長代理 どうもありがとうございます。労働側のご要望・ご意見ということで承りたいと思います。
○遠藤委員 使用者側からです。まず、今回お取りまとめいただきまして、どうもありがとうございます。これまでいろいろと議論を重ねさせていただき、また、そのための十分なお時間をいただけたことについても感謝申し上げたいと思っています。
 今回、恒久化に向けた検討の過程で、この新制度における期待といったようなものも十分感じ取っています。そういった中で、制度の必要性、有用性を十分勘案し、使用者側としましては、この案についてご了承いたしたく思っております。ただ、大前提があります。先ほど来、確認をさせていただいていますけれども、制度のあり方や財源のあり方などについて、部会報告の中にあります趣旨を十分踏まえる形で、3年後の見直しに向けて取り組むことを大前提として考えさせていただきたいと思っています。以上です。
○岩村部会長代理 はい、これもまた、ご意見・ご要望ということで承っておきます。
○野川委員 この求職者支援制度について「案」となっております、この「案」が抜けるわけです。これで公表されてサイトにも載せられるので、いまお読みいただいた中で、表記の問題で最終的にきちんと最後のチェックをしていただきたいのです。必ずしも普通の人が読んですごく読み易い文章ではないので、正直申し上げてですね、最終的にここは本当に表記の問題で、中身については我々は合意しているので、世間に公表するに当たって、座長もしくは座長代理にここは一任したいと思いますけれども、最終的にチェックをした上で載せていただきたいと思います。
 いちばん簡単なことでいえば、もちろんお気付きかと思いますが、6頁の「その他」の1行目は、「求職者支援制度の創設後、これに」ではなくて「これを」ですね。「これを円滑に施行」ですね。というようなところを、公表するときにあまり引っ掛からないようにお願いします。
○土屋派遣・有期労働対策部企画課長 いまご指摘がありました6頁のところは、大変恐縮です。これはワープロミスの類いと言っては恐縮ですが、誤字でありますので、修正をさせていただきたいと思います。いま野川先生がおっしゃったように、「これを円滑に施行できるよう」とさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○岩村部会長代理 単純なミスだと思いますので、そこは「これを」と直すことでよろしゅうございましょうか。あと、もしほかに、全体を動かさない範囲で何か修文の余地があれば、そこは部会長または部会長代理にお任せいただいて、場合によっては、事前に労使双方に見ていただいた上でとさせていただければと思いますけれども、それでよろしゅうございましょうか。ありがとうございます。
 これまで、この部会で大変精力的にご議論いただいてきたところですが、この案の内容でまとめることでご異論がないということでよろしゅうございましょうか。ありがとうございます。それでは、先ほど事務局から読み上げていただいた案で、この部会としては取りまとめることにさせていただきます。この案を労働政策審議会から厚生労働大臣へ建議すべきという結論に達した旨を、後日開催される職業安定分科会へ報告させていただきたいと考えますが、それでよろしゅうございましょうか。ありがとうございます。そのようにさせていただきたいと思います。
 では、事務局から、職業安定分科会への報告文案を配っていただきます。
                (報告文案配付)
 いまお配りいただきました報告文の案で職業安定分科会へ報告することにしたいと存じますけれども、よろしゅうございましょうか。では、そのようにさせていただきます。
 求職者支援制度につきましては、昨年の2月からこの部会での議論を開始してまいりました。これまで皆様のご協力を得て議論を進めてまいりました。結果としまして、このような形で取りまとめることができまして、厚く御礼を申し上げます。どうもありがとうございます。
○遠藤委員 少しお時間をいただきまして、2点ほど発言をさせていただきたいと存じます。部会報告の取りまとめに基づき、保険料を一部充当するということになってまいりますと、過度な負担とならないように、労使の意見が十分に反映される仕組みが必要ではないかと考えております。もし、労働側のご賛同が得られるということであれば、その仕組みづくりについてご検討をお願いしたいと思っています。
 次に、現行の基金事業で認定されたコースの定員が、既にもう40万人を超えている状況にあると伺っています。場合によっては新制度との比較において、有利不利といったようなものが働くことも想定され得るわけですので、今後は事業規模の適正化を図りながら、新制度への円滑な移行が求められるのではないかと思っています。今後の対応について、何か事務局でお考えがあるようでしたら教えていただければと思っています。以上2点です。
○新谷委員 いま遠藤委員からご提案いただきました1点目につきまして、申し上げたいと思っています。ご提案の趣旨は非常によろしい提案ではないかと思いますので、労側としても賛同させていただきたいと思っています。
○岩村部会長代理 1点目について、事務局の土屋課長、お願いいたします。
○土屋派遣・有期労働対策部企画課長 適正な事業規模あるいは事業の実施ということについては、やはり労使の皆様方にご相談もしながら、あるいはご理解もいただきながら運営していくことが、私どもとしても大変重要だと思っております。今後、法律成立後になりますけれども、事業実施の段階に当たっては、そのような方向で私どもとしても考えていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長代理 よろしゅうございましょうか。では、2点目は渡部補佐、お願いいたします。
○渡部職業能力開発局能力開発課長補佐 現在の基金訓練も、確かにコースが非常に増えて、受講者、定員数、大変増えている状況があります。新しい制度につきましては、やはり、今こちらで御議論いただいた内容からしましても、訓練実施機関に対する基準というのも厳しくなるのではないかと思っています。そうしました中でも、新しい制度のことも十分念頭に置きながら、現行制度の中でも認定基準の改正といったことも、昨年8月に一度やっているのですけれど、それだけにとどまらず、また近くそういうこともやりながら、訓練の質の向上を図るような形で、要件も厳しくしていきたいと思っておりますので、今の制度で駆け込み的に増える、そういうことがないようにやっていきたいと思っています。
○岩村部会長代理 よろしゅうございましょうか。そのほか、ございませんでしょうか。それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。お手元の議事次第にございますように、2番目は「雇用保険制度について」です。雇用保険制度につきましても、今日、部会としての取りまとめを行うということで、昨年末に一度提出いただいた報告書案を再度、事務局で用意していただいています。では、事務局からご用意いただいている資料について何かございますでしょうか。
○篠崎雇用保険課長補佐 それでは資料No.2「雇用保険制度について(報告書案)」につきまして、基本的には、昨年末に提出させていただいたものと構成は変わっていませんが、構成と、それから、修正があった点を確認しながら、資料についてご説明させていただきたいと思います。
 資料の1頁、第1「雇用保険制度の現状等」ということで、これまで講じてきた施策でありますとか、現状の雇用失業情勢の認識を書いています。その中で、○の2つ目のいちばん下、「平成22年3月以降」というところですが、11月までの数字が直近で出ていますので、ここについては「9ヶ月連続」ということで、数字を修正させていただいています。これは現状の認識の部分です。
 第2「雇用保険制度の見直しの方向」で、具体的な内容です。2頁をお開きください。まず見直しの内容で、1「失業等給付について」です。(1)基本手当の水準の見直し。この中で、○の3つ目、4つ目に具体的に書いていますが、基本手当の算定の基礎となる賃金日額の上限額・下限額等について見直しをするということで、この表にありますように、具体的な金額を提示させていただいています。
 3頁の○の1つ目です。この賃金日額の上限額・下限額に合わせて設定されています高年齢雇用継続給付など、他の給付の限度額等についても併せて見直しを行うという内容です。その次の○です。ここは引き続き検討ということですが、基本手当の給付率、給付日数等につきましては、過去の改正も踏まえつつですが、平成23年度末まで暫定措置がありますので、これについての取扱いと併せて引き続き検討すべき、ということで記載させていただいています。
 (2)安定した再就職に向けたインセンティブの強化、恒久化です。具体的には、再就職手当につきまして、○の2つ目の下のほうですが、残日数が2/3以上の場合については現行50%、これを60%に引き上げる。1/3以上の場合については、現行40%を50%に引き上げた上で恒久化をするという内容です。
 いちばん下の行からですが、就職困難者に対する「常用就職支度手当」につきましては、その次の頁にかけて、現在、給付率を暫定的に40%にしていますが、これを恒久化するということで記載しています。なお書きですが、この就職困難者の対象に、現在、暫定措置で年長フリーターを含めていますが、この年長フリーターを含めている取扱いは、平成23年度末まで講じている個別延長給付等の他の暫定措置の取扱いと併せて検討する、引き続きの検討とさせていただいています。
 2「財政運営について」。(1)失業等給付に係る国庫負担についてです。この○の2つ目にありますが、法律の本則である1/4とするのが本来であるということですが、「平成23年度において国庫負担を法律の本則に戻せないことについてはやむを得ないと考えるが、国庫負担の趣旨を踏まえ、できるだけ速やかに法律の本則に戻すべきである」と記載しています。
 (2)平成23年度の失業等給付に係る雇用保険料率についてということです。これは、原則は16/1000の保険料率ですが、「弾力条項による下限の12/1000に引き下げることとすべきである」と記載しています。
 (3)平成24年度以降の失業等給付に係る雇用保険料率についてです。ここではまず○の1つ目で、現状、これまでの経緯を書いています。その中で、3行目ですが、平成15年改正時のこととしまして、「平成15年改正により、給付の見直しとともに」ということで、料率を引き上げる際に給付の見直しも行ったことを記載しています。ここが修正点です。10頁にかけて、経緯を踏まえましてということですが、5頁の○の1つ目の中で、「基本となる失業等給付に係る雇用保険料率を平成24年度以降14/1000に引き下げるべきである」としています。
 (4)雇用保険二事業に係る財政運営についてです。雇用保険二事業は、雇調金を始めとしまして支出が増えている中ですので、これについては徹底的に目標管理をしていくということで、「不断の見直しを更に推進していくべきである」と記載しています。
 3「その他」です。今回、見直しをするもののほか、1と2の中でも引き続き議論とされたものがありますが、そのほかにもマルチジョブホルダーへの対応、65歳以降への対処、高年齢雇用継続給付のあり方、教育訓練給付のあり方につきましては、引き続き検討をするべきであるということで、引き続きの検討課題として記載させていただいています。以上、報告書案の説明を終わらせていただきます。
○岩村部会長代理 ありがとうございました。それでは、この報告案に関しまして、何かご意見あるいはご質問等ございますでしょうか。
○栗田委員 要望という形です。この報告案については何も異論はありません。雇用保険二事業についての件です。この間、個別事業の点検・評価ということで、従来は、雇用保険二事業の懇談会について、労働側としては関係していなかったと思います。しかし、労働側も雇用保険二事業の利用者であるという観点から、雇用保険二事業の懇談会と同様の情報を労働側にも提供することについて検討をお願いしたいと思っていますので、よろしくお願いします。
○岩村部会長代理 では、坂口課長。
○坂口雇用保険課長 いまの点につきましては、二事業の直近の評価の状況等について、昨年12月の当部会にも資料として出させていただいたところであります。今後また、来年度以降どういう形で労使の皆様にも情報提供させていただくかについて、事務局でどういう工夫ができるかについては検討させていただきたいと思います。
○栗田委員 よろしくお願いします。
○岩村部会長代理 ほかに、いかがでございましょうか。
○新谷委員 労側として、おまとめいただきました報告案に対して、中身については特に異論はありませんが、要望を申し上げておきたいと思います。1つは、雇用保険の国庫負担の本則1/4戻しの点です。これにつきましては、従来からこの部会においても、労使一致して本則に戻していくべきだという主張を重ねてまいりましたが、昨年の3大臣合意においてこれが先送りになったということです。速やかに安定財源を確保して本則に戻すことは、この報告書の中にも入っていますが、厚生労働省においても、1日も早く本則に戻していただけるよう努力を重ねていただきたいと思っています。これが1点です。
 もう1点は、報告書の中の5頁にあります、平成24年度以降の失業等給付に係る雇用保険料の基本料率の引下げが、今回、報告書の中に盛り込まれています。この点については、我々も本当に最後までこの扱いについて悩んでまいったところです。途中でも申し上げましたように、縮小均衡でいくのではなく、平成12年と平成15年の改正で下がったままの給付の回復を目指すべきという考え方はいまでも持っています。ただ、報告書案にも盛り込んでいただきましたように、基本手当にかかわる給付率・給付日数等については、引き続き検討すべきであると記載していただいていますので、これについては、引き続き検討させていただきたいと思っています。また、現実に可処分所得の減少が続く中で、基本料率の引下げによっていくらかは改善する部分もあることで、これについては了としたいと考えているところです。以上、ご意見申し上げて、労働側としては、この報告案について了承したいと思っております。公益側の先生方、ありがとうございました。
○岩村部会長代理 遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 使用者側としましても、この案については了承いたしたいと思っています。いま、新谷委員からご指摘がありましたように、是非、引き続き国庫負担の原則復帰に向けた取組みをお願いしたいと存じます。併せて、二事業につきましては借入金がありますので、この借入金の返済に向けて、報告書の中にも十分書き込まれていますけれども、不断の見直し、継続的な見直しを引き続き行っていただきたいと思っています。以上です。
○岩村部会長代理 はい、ありがとうございます。よろしゅうございましょうか。それでは、この報告書案で当部会としては取りまとめることにしたいと思います。その上で、後日開催されます職業安定分科会へ報告させていただきたいと存じますが、それでよろしゅうございましょうか。ありがとうございます。
 事務局で、職業安定分科会への報告案文の配付をお願いします。
                 (報告案文配付)
 いま、事務局からお配りいただいた報告案文で、職業安定分科会へ報告することとしたいと存じますが、それでよろしゅうございましょうか。ありがとうございます、そのようにさせていただきます。
 ここで、森山局長からご発言がありますので、よろしくお願いいたします。
○森山局長 一言、御礼のご挨拶をさせていただきたいと思います。委員の皆様におかれましては、この求職者支援制度につきましては昨年2月から、また、雇用保険制度につきましては9月以降、本当に精力的にご議論を賜りました。ただいま部会長からございましたように、本日こういうふうに報告案を取りまとめていただきまして、誠にありがとうございました。
 いろいろ、この会議の中でもご要望等がございました。これはしっかり、今後、対応してまいりたいと考えているところでございます。また、今後、事務局としましては、できるだけ早期にこの法案を提出をするということでいま準備を進めておりまして、この報告を基に法案を作成いたしまして、審議会にまたお諮りをさせていただきたいと思っております。引き続きよろしくお願い申し上げます。簡単でございますけれども、ご挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。議事次第、最後でございますが、議題として、「その他」がございます。事務局より報告ということでございますので、まず説明をお願いいたします。
○篠崎雇用保険課長補佐 資料No.3「雇用保険関係資料」です。1頁をご覧ください。「失業等給付関係収支状況」で、予算案ベースの収入・支出を示しています。予算案ベースですが、平成23年度は差引剰余が1,657億円で、積立金残高が4兆112億円となっています。ただし、これは注にありますが、雇用保険二事業に貸した、予定にしている額も含めて4,400億円と500億円を差し引いた額としてこの額になっています。
 2頁、「雇用保険二事業関係収支状況」です。平成23年度の予算案としましては、収入が6,192億円。これは失業等給付の積立金からの借入れ500億円を含めた収入です。それから、支出が8,295億円。このうち、雇用調整助成金が3,869億円となっています。平成23年度の予算案ベースでは差引剰余が2,103億円で、安定資金残高が平成23年度末は563億円となっています。借入れを行わなかった場合の残高は、逆にマイナスとなっています。これが予算案としての姿です。
 3頁以降、雇用保険二事業の仕分けの関係について、以前ご報告させていただきましたが、予算案の前の概算要求ベースの数字でお示ししていました。これについて予算案が政府として固まっていますので、予算案ベースでの記載をさせていただいています。「雇用保険二事業の見直しについて」とありますが、見直しの考え方のなお書きにありますように、「雇用保険二事業は重要な役割を果たしていると認識しており、引き続き事業実施の効率化に努め、真に必要な雇用対策に万全を期す」という考え方で行っています。事業仕分けで対象になった個別事業の見直しは、ここにあるとおりです。
 4頁です。雇用保険二事業としましては、仕分けで指摘されたものの見直しのほかに、その他の事業も見直しを行いまして、執行率等の観点から精査をしています。例えば、事業の話としましては、一般事業主行動計画策定及び認定支援事業、自立就業支援助成金の廃止をすることとしています。その他のものにつきましても、足下の執行状況等を踏まえまして所要額の見直しをしたところです。
 これらによりまして、3「平成22年度当初予算からの削減額」とありますが、平成22年度当初予算から比べますと667億円の削減をしています。これは雇調金を除く二事業費としてのものですので、括弧書きにありますように、雇調金も含めた二事業全体としましては平成22年度当初予算からは4,055億円のマイナスとなっています。なお、その右側の括弧に、参考ですが、概算要求のときからの比較としましては、雇用調整助成金を除いて202億円の減、雇用調整助成金を含めて553億円の概算要求時点からの減となっています。いちばん下の※にありますが、こういった見直しの結果ですが、失業等給付の積立金からの借入れの予定額も、概算要求時には1,000億円としておりましたが、これについては500億円削減した形で予算案としているところです。
 5頁は、個別の特会仕分けで指摘されました事業の平成22年度の予算、平成23年度の要求額、それから平成23年度予算案の金額を示したものです。資料の説明は以上です。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。ただいまご説明いただきました資料No.3につきまして、何かご意見あるいはご質問がございますでしょうか。よろしいでしょうか。予定していた議題は以上ですけれども、ほかに何かご意見あるいはご質問等、ございますでしょうか。特段ないということですか。ありがとうございます。
 以上をもちまして今日は終了したいと存じます。今日の署名委員は、雇用主代表は坪田委員に、労働者代表は栗田委員にそれぞれお願いいたします。
 委員の皆様にはお忙しい中を遅くまでどうもありがとうございました。次回の日程につきましては、事務局から改めて委員の皆様にご連絡をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。それでは、今日は散会いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

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