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2010年9月14日 第9回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会議事録

大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室

○日時

平成22年9月14日(火)14:00~16:00


○場所

厚生労働省専用第14会議室(12階)


○出席者

委 員

岩佐光章委員、大川弥生委員、大橋謙策委員、大日方邦子委員、河原和夫委員、
木村隆次委員、佐藤修一委員、佐藤久夫委員、藤田伸輔委員

事務局

岩崎企画課長、瀧村国際分類情報管理室長、及川専門官

○議題

  (1)委員長の選出について
  (2)第2回ICFシンポジウム開催について
  (3)WHO-DAS2.0について
  (4)その他

○議事

○国際分類情報管理室長
 それでは、定刻となりましたので、第9回「社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会」を開催させていただきます。各委員の皆様方におかれましては、お忙しいところご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 私は、本日進行を務めさせていただきます統計情報部企画課国際分類情報管理室長の瀧村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、会議の開催に当たりまして、企画課長の岩崎よりご挨拶を申しあげます。

○企画課長
 統計情報部企画課長の岩崎でございます。本日は、お忙しい中、当専門委員会にご参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 この専門委員会でございますが、平成18年にWHO-FICネットワークの中に生活機能分類について検討するグループが設置されたことを受け、ICFに係る国際的情勢の変化を踏まえ、我が国の意見を集約し、適切な対応を図り、もって積極的な国際貢献を果たすとともに、国内におけるICFの正しい普及・啓発を図るため、統計を基本事項として社会保障審議会統計分科会において審議する必要があると判断されまして、設置されたものでございます。
 WHOは、ICFの一部改正作業を具体的に開始すると聞いておりますので、専門委員の皆様におかれましては、日本からの意見の発信、国内適用に向けての検討など、委員会設置の趣旨、目的をご理解いただきまして、委員会運営にご協力を賜りますように、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○国際分類情報管理室長
 それでは、お手元の資料を確認させていただきます。配付資料は3点ございます。
 資料1が「社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会委員名簿」。
 資料2が「平成22年度ICFシンポジウムプログラム(案)」。
 資料3が「WHO-DAS2.0について」となっております。
 そのほか、机上配付資料をお配りさせていただいておりますが、資料の過不足がありましたらお申し付けください。
 本日の専門委員会は、今期初めての委員会となりますので、委員のご紹介をさせていただきます。なお、辞令につきましては、お手元に配付させていただいておりますので、ご査収くださいますようお願いいたします。
 それでは、「五十音順」にご紹介させていただきます。
 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院副院長の安西信雄委員と日本医師会常任理事の石川広己委員は、本日ご欠席でいらっしゃいます。
 横浜市総合リハビリテーションセンター発達支援部担当課長の岩佐光章委員です。

○岩佐委員 今回から新しく委員に選任していただきまして、委員のメンバーに加わらせていただきます。ご紹介いただきました岩佐光章と申します。2、3年前、ICF-CY(ICF児童版)の翻訳のときに関わらせていただきまして、そのご縁で今回お声をかけていただいたと認識しております。普段は主に幼児期から思春期ぐらいまでの発達障害をもつお子さんの臨床をやっております。発達障害の臨床は医師だけでは難しく、多職種チームでやっております。そんな経験を今回、この場で少しでも生かせたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○国際分類情報管理室長
 独立行政法人国立長寿医療研究センター研究所生活機能賦活研究部部長の大川弥生委員でいらっしゃいます。

○大川委員
 大川です。よろしくお願いします。 


○国際分類情報管理室長
 ソーシャルケアサービス従事者研究協議会代表の大橋謙策委員でいらっしゃいます。

○大橋委員
 大橋です。どうぞよろしくお願いします。 この3月に社会事業大学の学長を退任いたしまして、現在特任教授をしております。このソーシャルケアサービス従事者研究協議会というのは、ソーシャルワークとケアワークの専門職能団体と学会と養成機関が一緒になってつくられている組織でございまして、現在17組織が加盟をしています。統計的な分野のことはよくわかりませんけれども、ICFの活用が大変大事な分野だということで、今、ソーシャルケアサービス従事者研究協議会で取り組ませていただいているところです。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○国際分類情報管理室長
 株式会社電通パブリックリレーションズの大日方邦子委員でいらっしゃいます。

○大日方委員
 大日方でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、パラリンピックの選手といたしまして、今年の3月、バンクーバーパラリンピックまで、5度のパラリンピックに出場いたしました。そういった当事者の経験をICFの考え方で生かしていきたいと考えております。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○国際分類情報管理室長
 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科教授の河原和夫委員でいらっしゃいます。

○河原委員
 東京医科歯科大学の河原でございます。引き続き、この委員を拝命させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
 私の研究としましては、医療計画と医療資源の適正配分、あるいは救急のアクセス時間の公平性を通じた資源配分とか、災害医療、日赤を中心に行われている血液事業のことをいろいろ研究しております。よろしくお願いいたします。

○国際分類情報管理室長
 一般社団法人日本介護支援専門員協会会長の木村隆次委員でいらっしゃいます。


○木村委員
 継続して、委員としてよろしくお願いします。日本介護支援専門員会は、ケアマネージャーの職能団体です。介護支援専門員の実務実習の受講試験を1年に1回やっているのですが、十数年やってきて、昨年10月で50万人も介護支援専門員の試験に受かった人たちがいる。その中で65%が介護福祉士という資格を持っている人である。
 来年の介護保険法改正に向かって、社会保障審議会の介護保険部会でいろいろ議論しているところですが、医療に少し弱いのではないかなど、いろいろ言われています。そこで、やはり前から言っているとおり、ICFにのっとった共通言語が必要です。保健、医療、福祉、介護に係る人たちの共通言語を早く普及啓発しないとまずいかなということを今、感じているところでございますので、よろしくお願いいたします。

○国際分類情報管理室長
 全国老人クラブ連合会理事・事務局長の齊藤秀樹委員はご欠席でいらっしゃいます。
 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構障害者職業総合センター職業センター長の佐藤修一委員でいらっしゃいます。

○佐藤(修)委員
 佐藤です。引き続き、委員を担当させていただきます。
 高齢・障害者雇用支援機構で障害者の職業リハビリテーションということで、今は発達障害をメインで、それに高次脳機能障害に関しての支援技法の開発を行っています。最近は、外部から、若年性認知症を対象にという話が出ていまして、今、可能性について検討中の段階です。よろしくお願いします。

○国際分類情報管理室長
 日本社会事業大学福祉学部教授の佐藤久夫委員でいらっしゃいます。

○佐藤(久)委員
 引き続き務めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 今年の1月から、内閣府に設けられました障害者制度改革推進会議の構成員として仕事をするようになりました。4月から、その下に設けられました総合福祉部会という新しい障害者福祉の制度をつくる委員会の担当もするようになりまして、その部会長ということで、忙しくなっております。
 そういう議論の中で、制度改革にICFの考え方をどう取り入れられるかということ、医学モデルから社会モデルへという言葉も飛び交っていまして、そういう考え方の整理をする上で、ICFがどう活用できるのかということが試されているのかなと思っています。
 それと同時に、今までの障害、障害者の範囲を変えて、谷間のない、漏れのない障害者に対して適切な支援をするということで、新たに従来の障害者の実態調査ではなく、総合的な実態調査もやろうということで、そんな検討もなされておりまして、そういう中でICFがどのぐらい有効なのか、どう活用できるのかということが非常に試されているのかなと思っております。
 よろしくお願いします。

○国際分類情報管理室長
 最後に、千葉大学医学部附属病院地域医療連携部教授の藤田伸輔委員でいらっしゃいます。

○藤田委員
 千葉大学の藤田でございます。
 私の仕事は、退院支援部門ということで、大学病院に入院された方をいかに社会に、あるいは施設の方に紹介していくかという部門をやっております。その中でできるだけ情報をきちんと伝えて、途切れのないケアが提供できるようにしたいと思っております。そういう用途にICFを使えたらいなと思っておりますので、よろしくお願いします。

○国際分類情報管理室長
 続きまして、議事に先立ちまして、事務局より、本委員会の運営についてご説明をさせていただきます。再任の委員の方がほとんどでいらっしゃいますので、ご存じかと思いますが、本委員会は、社会保障審議会統計分科会の下に設置されました個別・専門的な事項についてご審議、ご検討をいただきます委員会でございます。
 したがいまして、本委員会の運営につきましては、社会保障審議会運営に準じます。また、委員会は原則公開で行われ、議事録も原則公開されますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 委員長が選出されますまで、事務局にて議事を進めさせていただきます。
 まず、議事1ですけれども、委員長の選出についてでございます。各委員の皆様方からご推薦ございますでしょうか。
 特段ないようでございましたら、僭越でございますが、事務局からは、前期に引き続き、大橋委員に委員長をお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)

○国際分類情報管理室長
 ありがとうございます。それでは、本委員会の委員長は、大橋委員にお願いしたく存じます。
(大橋委員、委員長席へ移動)

○大橋委員長
 それでは、ご指名でございますから、委員長を引き受けさせていただきます。
なかなかこの生活機能分類専門委員会というのは、考えによっては、いろいろ多面的な活動をしなければなりませんし、一方では、統計分科会の一専門委員会でございますから、その役割もきちんと踏まえなければならないということで、大変難しいかじ取りがあるかと思いますが、私としては、後ほど事務局から説明があるかと思いますが、統計的なことをきちんと踏まえながらも、普及していくことが大事なことではないかと思います。先ほど、佐藤久夫委員が言われたように、そのことを通して、ある意味では、日本の障害問題に関わる政策なり、考え方というものを大きく変えていく力になればという思いがしていますし、一方では、これを通じて、保健、医療、福祉の連携が進んで、共通言語に活用されていくことが、福祉分野のサービスの質の向上につながるかなという思いをしているわけでございます。
 大変微力ではありますが、委員長を仰せつかりましたので、引き受けさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、今日の議事に従いまして、「第2回ICFシンポジウム開催について」以降をこれから進めさせていただきます。
 議事の2つ目の問題につきまして、事務局の方からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○国際分類情報管理室長
 それでは、資料2をごらんください。第2回のプログラムの提案の前に、第1回について報告をさせていただきます。
 第1回のシンポジウムの報告書(案)ができ上がっておりまして、お手元に(案)を配布しております。原稿作成に当たりまして、ご協力ありがとうございました。
この報告書は、この後こちらから参加いただいた関係者へ配布させていただきますが、今後、普及を念頭に、厚生統計協会から有償頒布を行うことになっております。万が一、原稿に誤植等がございましたら、今週金曜日までに、事務局までご一報いただければと存じます。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料2に移らせていただきます。大まかではございますけれども、事務局案を提示させていただいております。
 第2回ICFシンポジウムにつきましては、日時は来年1月下旬ぐらいを予定しております。
 場所は、まだ決定しておりません。
 主催は、厚生労働省とさせていただきます。
 プログラムの内容ですけれども、午後1時~5時までとしておりまして、前半に総論的なもの。まず、国際的視点からということで、ICFの概説及び最近の動向について、WHOの担当官を招聘いたしまして、講演をいただいてはどうかと考えております。
 2点目といたしましては、ICFの解説です。前回、大川委員にICFの解説をしていただきましたけれども、更に詳しく具体的に、利用に当たっての留意点等をご解説いただければと考えております。
 後半は、前回のシンポジウムで専門職の卒前、卒後教育、インターンプロフェッショナルエデュケーション等について、ICFをどう活用していくかということが問題になりましたので、この点について実例も交えながら、議論を深めていただければと考えております。
 以上でございます。

○大橋委員長
 ありがとうございました。この委員会としましては、昨年に続いて2回目ということでございますが、その前に、上田先生、大川委員のご尽力ですばらしいシンポジウムを行っておりますから、私自身は実質的に3回目と思っています。
今年度もICFのシンポジウムを、この委員会の設置の目的でございますICFの普及ということに照らして行いたいと思いますが、これについてはいかがでございましょうか。できるだけいろんな機会を通じて、わかってもらうということが大事かと思いますので、シンポジウムは開催させていただきます。
1月下旬ということでございましたが、昨年が1月の24日の土曜日で、明治大学の大変すばらしい施設を使わせていただきました。去年の例にかんがみて、大学の関係者が多いということもございまして、大学ですとセンター入試がございますし、また、月末には社会福祉士や精神保健福祉士等の国家試験もあるということを考えますと、1月22日土曜日はいかがなものでございましょうか。日程的には1月22日でよろしゅうございますか。また大川委員にご尽力をいただかなくてはなりませんが、大川委員、大丈夫ですか。

○大川委員
 申し訳ありませんが、もう先約があり、予定が入るかどうかわからないです。

○大橋委員長
 では、一応1月22日ということでよろしければ、それで進めるということでいいのでしょうかね。22日ということで、とりあえず進めさせていただきたいということでお願いいたします。
まず、プログラムでございますが、まず、去年もシンポジウムの時間がやや慌ただしかった嫌いがあります。
また、昨年のアンケートでは、ICFの解説で、特にICFを利用する際のポイントについて、できれば大川委員に解説をいただきたいという意見が大変強くあったように聞いております。
 専門職ということでは、お手元に第3回日本保健医療福祉連携教育学会学術集会の資料を私の方から配っていただきましたが、これは、8月11、12日に札幌で行われたもので、大会長は東京大学医学研究所の今井先生です。今井先生はもともと札幌医科大学の学長をされていたということもございまして、大変いい学術集会になりました。
 この学術集会では、当委員会の藤田委員がこの学会のIPEの担当の理事でいらっしゃり、保健、医療、福祉の連携を強めながら、教育レベルでICFの活用がどの程度できるかというプロジェクトをつくるということで責任者になっていただきましたので、できれば藤田委員を中心に、この辺の論議をいただければと思います。
 とりあえず、以上のことを踏まえながら、少し自由にご意見をいただければと思います。
 最初に、WHOの担当官を招聘するということについては、いかがでしょうか。国際的な動向も踏まえて知っておいていただきたいというのがあるかと思いますが、当然、招聘の費用等は予算化されているわけですね。

○国際統計標準分類専門官
 予算化されていないので、これから検討致します。

○大橋委員長
 それには何か裏付けが必要かなと思います。

○大川委員
 明治大学では、同時通訳はできるんでしたか。

○国際統計標準分類専門官
 設備そのものはこれからですが、ブースを設置したりはできると思います。

○大川委員
前回の反省として一番大きなところは、何の目的のためにこれをやるのかということを厳密にすることと思うんです。アナウンスに関しても、そこをしっかりしておかなければ、期待していたものと違う内容になるとまずいと思います。

○国際分類情報管理室長
 ICFはWHOが作成しているものですので、基本的なところからICFに関する解説をしていただくとともに、改正の動向についても説明していただくことが目的です。

○大川委員
そうすると、ICF自体について話をしてもらって、最近の動向までやるとしたならば、恐らく時間は足りないと思うんです。せっかく来てもらうのであれば、それに十分時間を費やす。
もしくはそれ以外の方法とすれば、ビデオレターの形式でコンパクトにまとめるか。この間のビデオレターの形式は、それなりによかったと思うんです。
日本の現状がわかってお話になるわけではありませんので、限られた時間でやるためには、やはりこちらとしては、何を強調してほしいかというところをきちんとお考えになってリクエストし、編集なさった方がいいのかなと思います。

○大橋委員長
 どうですか。

○佐藤(久)委員
 私も今、大川委員が言われたように、何か日本の参加者にとってのピンポイントで役に立つような、目的を絞った依頼の仕方をするのがいいのかなと思います。
ということになると、余り基礎的なレベルからやるのではなくて、つまりICFとはそもそも何かという基礎的な紹介などは要らない人たちを主に目的にする。それにICFの改正のいろんな動きが進み始めているわけですけれども、そのことも余り聞いてもしようがないのかなと思います。
統計への活用というのも、今、日本でそんなに大きな課題になっていないのかなと思うと、やはり医療、福祉などの現場での活用においてどんないい例があるかということ。それをめぐって使いやすくするために、WHOの方ではどんなマニュアル化だとか、いろんな動きがあることや、ツールの開発とか、そういう実践的な活用の在り方みたいなことに焦点を当てた依頼の仕方をするといいのかなという感じがします。
総合的にというと、本当に薄く、広くになってしまって、効果的にはちょっとまずいのかなという感じがするんです。ですから、目的とか対象、どういう人が参加するシンポジウムなのかということとも関係してくるのかなと思います。

○大橋委員長
 昨年の例からいけば、参加者は全くの素人と言ったら語弊がありますけれども、そのような方は余りいなかったわけでしょう。何らかのICFの活用を現場で考えたい、研究したい、あるいは教える際にそのことを知っていなければならないという人だったように理解をしていますので、ICFのそもそもからの論議は要らないのではないかということですね。
 今、言われたように、もし今、日本の抱えている課題で、ICFを活用することの意味にウェートを置くならば、置いたなりの登壇者を考えればいい。そうなると、必ずしもWHOから呼ばなくても、前回と同じビデオレター的なことで簡単に述べていただくということはあり得るかもしれませんね。ただ、せっかくの機会だから、呼べるものなら呼んでもいいということはありますが、その辺はどうなんでしょうか。
 藤田委員、何かありますか。

○藤田委員
 私自身は、この間しゃべっていた方のウースタンを2年前に、医療情報学会にお呼びしました。皆さんよくご存じのICDは何なのかというところからお話をしていただいたんですが、やはり歴史に沿って、それから今、世界の中で抱えている課題は何なのか。先進国ではどこが問題で、後進国ではどこが問題なのかということをちゃんと整理していただいて、お話いただいたのは、会員の方々からは非常に好評でした。
 そのときに、理解していただく助けとして、スライドを1週間前に送っていただいて、それを翻訳したものをお配りするという方法をとりました。看護師の方とか、工学士の方とか、ドクターでない方も医療情報の学会にはたくさん来られるんですけれども、そういう方々も非常に理解しやすかったという意見をいただいていますので、同時通訳ができればうれしいですし、前回の会議みたいに、話していることが片っ端から画面に書かれるような形式はとってもうれしいんですけれども、もしお金がなかったら、資料をあらかじめ用意しておくというのも1つの手かなとは思います。

○大橋委員長
 フルペーパーを用意していただいて、それを翻訳しておくというのは、あり得るかもしれませんね。
 先ほど言った、保健医療福祉連携教育学会では、来年、神戸大学で国際会議があります。かなりWHO関係の先生方が中心になっておられるので、そういう意味では、連携協力を進める際に、ICFというのは大変重要な位置と役割を持っているということを改めて考えているわけで、今、言われたように、国際的な先進国、開発途上国を含めて、どこら辺に問題があるかみたいなことを整理してもらうという意味では、日本が国際的な視点で物事を考えるというのは大事なことかもしれません。ただ、そのことが呼ばなくてはいけないということになるかどうかということは微妙なところでございます。
 ほかにどうでしょうか。大川委員の考え方でいくと、ビデオレターぐらいでいいのではないかということですか。

○大川委員
 私は、何を聞きたいのかという目的のところをはっきりしたいのです。せっかく呼ぶのであれば、やはりこれを聞くというのがはっきりしないと、今の時代、読めばわかる話をしてもらうためにわざわざ来てもらう必要はないのではないかと思います。
 ところで、この件だけ議論するのではなく、他の内容も議論した上で、このシンポジウム自体がどうなるのかということから決めてもいいのかなと思いますが、いかがでしょうか。

○大橋委員長
 佐藤委員、逆に内閣府の障害者自立支援等を考えているときに、もし来てもらうとすれば、この辺がポイントで聞いてみたいとか、深めてみたいということはありますか。

○佐藤(久)委員
 例えば障害者権利条約の実施をモニターするに当たって、ICFの枠組みを使おうという話は出ているわけですけれども、それが現実的にどういうふうに使われているのか、各国でどんな議論があるのかとか、そんな詰めた報告をいただければすごく役に立つのかなと思いますが、なかなかそこまでしっかりした報告がないのが現状でしょうから、まだだれか呼んで、政策への活用ということで勉強するような段階では、ちょっと距離があるのかなと思います。
 日本の中では、ICFの活用が大事だということはみんな言っているわけですけれども、よりツール化したものが必要だねという話がよく出ていて、哲学はいいんだけれども、実際の武器としてどう使えるのかということで、連携教育学会のICFの委員会などでも、ツールの研究ができないかという話をしているわけです。そういう点では、ドイツなどを中心として、コアセットというものが、疾患別、急性期あるいは急性期後のとか、時期や目的、疾患という組み合わせの中で、60項目や100項目ぐらいの項目をセットにして使おうということがいろいろなされているようです。日本は概念モデルが非常に重要だということで、余りツール化がされていないんですけれども、どうも海外は逆の面があるみたいなので、そういう経験などを整理して、成果と課題みたいなことを報告してもらえるような海外のスピーカーがいるといいなと思います。WHOの事務局の立場からいろいろレビューして、問題提起が受けられればいいし、場合によったら、そういうことを中心になってやっているドイツの協力センターのだれかに来てもらって、話を聞くということでもいいし、必ずしもWHOの人でなくてもいいのかなという感じもあります。

○大橋委員長
 それは大川委員がこのシンポジウムで何を狙うかということにも絡むわけだけれども、今、ツールをどういうふうに開発して、活用しているのかという論議も1つの目的にはなるわけですね。

○大川委員
 なるとは思います。
 ただ、例えば佐藤委員が、日本ではツール化はやっていないとおっしゃいますけれども、日本で最初にICFが制度的に入ったのは、ICFが採択されてすぐのリハ実施計画書です。それは3つの生活機能のレベルと健康状態、環境と第三者の生活機能まで見て、更に具体的な活動レベルと、参加レベルの項目が入っているわけですから、それをツールとして入ったとすべきだと思います。活動レベルは実行状況と能力を区別しています。
 それから、それは介護保険関係のリハに関しても入りましたし、木村委員も関係していらっしゃいますが、介護保険改正後の介護予防の・・・

○木村委員
 予防給付のケアマネジメントシートです。

○大川委員
 そのシートもICFを活用したツールと言えますね。そのように、実は結構入っている、活用されているのです。
では、そういう情報がきちんと外国まで到達しているのかといったら、一応論文は書いていますけれども、それをどの程度皆さんに読んでいただいているかわからないし、やはりそういう国内の情報は、むしろかなり緻密に国内で、外国の人に頼らないでレビューした方が確実ではないかと思います。

○河原委員
 この話の前提として、ICFをめぐる考え方はいろいろありますが、日本国内で概念が統一されていないということでいいんですかね。

○大川委員
概念としてきちんとしたものはあるんだけれども、きちんと理解をしないで説明をなさったり、書かれたり、していらっしゃる方たちがいることも事実です。そこが問題なので正しい啓発をしましょうということを大きなひとつの目的としてこの委員会がスタートしたわけです。
 やはりまだまだ十二分に正しい啓発はなされていないから、努力しなければいけないということではないかと思います。

○木村委員
 だから、その一環でシンポジウムを企画されると思うんですが、WHOの考え方とかを広めるだけでしたら、例えば概念がばらばらだったら、それは単にWHOの考え方をアナウンスしただけなので、やはりその後にやるべきことというのは、概念を1つのベクトルにするような形で、この委員会でシンポジウムの結果を生かしていくとか、あるいはそのプログラム自体を、もっと概念を統一させるために戦わせるとか、そのようなことが要るのではないかと思います。単なる普及啓発では、手応えなく終わるのではないかと私自身は考えています。

○大橋委員長
 実は、次の議題にも絡むことですけれども、何らかの形で1つの方向をきちんと示すようなものをまとめて出すということは考えていかなくてはいけないと思っています。問題は、1回目で、とりあえずICFの必要性だとか、考え方、それが持つ哲学的な意味、社会的に与える影響ということについては、とりあえずは出せたかなと思うんですが、それをもう一度もう少し丁寧にやるかというレベルでいくのかどうかということ。
2つ目には、もう少しそれを具現化するとした場合に、何らかの共通手段なるツールの開発があってもいいのではないかということですが、そのツールの開発については、大川委員が言われたように、どれだけ意識しているかは別として、いろんな分野で開発されていて、それを改めて俎上に乗せて、チェックしてみるということもあるし、また日本と違った物のとらえ方がドイツであるとすれば、ドイツの紹介もしながら一緒に考えてみるということもあると思います。このように大きく2つあるんだと思うんですが、2つあるというのがよろしいのでしょうか。

○藤田委員
 先ほど大川委員が言われたように、日本ではICFそのものを使っているのかどうかというところは置いて、ICFの考え方を使ったいろいろな評価手法というのが随分開発されてきていると思うんですが、それが正しく世界には伝わっていません。
 だから、日本が今、何をやっているかということが伝わっていないということは、これを伝えなくてはいけないので、今回来ていただく方、どなたにするかはまだ議論があるようですけれども、その方に伝えて、こんなことをやっているよということを教えるのは、物すごく大きなテーマの1つだと思うんです。ですから、海外の状況を知るということと、私たちの状況を海外に伝えていただくという両面作戦を考えるべきで、そう思うと、ビデオではちょっとつまらないなと思います。

○岩佐委員 確かに、我々が実際に日本で取り組んでいることを、藤田委員がおっしゃったように海外に伝えるということも重要だと思います。その一方で、実際にはこんな身近にICFはあったんだとか、実際にはこんなところで使い勝手があったんだというメッセージを、ICFに見識の深い方が会場のフロアに投げかけることも重要かと思います。それによって、こういうところで使えるんだとか、こんな身近にICFはあったんだといったことが聴衆に伝わるので、それが普及という意味ではダイレクトな意味を持ちますし、そのように考えると、そちらの方に時間を割きたいなという思いもいたします。

○大橋委員長
 いかがですか。今回シンポジウムをやると決めていただいたわけですが、1つは前回の続きで、ICFの必要性なり、それが持つところの社会的な意義だとか、基本的な考え方、あるいはそれが政策や実践に与える影響みたいなことをもう一度確認するという意味でシンポジウムをやるというのは、決してのんびりしているわけではなくて、とても大事なことかなという考え方もあり得ます。
 もう一つは、去年それをやってきた。実質3回目になるという意味では、思い切って、もう少しそれを具体的に活用できるツールというところに絞り込んで、国内外の問題を比肩しながら論議をするということもあり得るかもしれないという大きな2つのねらいがどうもあるように思うのですが、どちらなんでしょうか。
 日本はどうしても内向きになりますから、国際的に発信する重要性というのはすごくあると思うのですが、それはちょっと後で考えても、結果的にはつながるかなと思いますが、とりあえず、シンポジウムの大きな目的、ねらいをどこに置いておくかということについて、委員方の温度差というか、置かれている立場の微妙な違いが出てきているかなと思います。
 木村委員は、いかがですか。

○木村委員
 後半のこれから議論する専門職の卒前、卒後教育におけるICFの活用は、非常に裾野が広がるというか、実践的なということになっていくと、この1つ前のところで、大川委員にICFの解説というところがあって、流れになっていくように感じるんです。
 国際的にどうなっていて、だからこうだというよりも、やはり日本の中で今どういうふうに考えて、どう思っているかという議論の方が、聞く人たちにとってはすごくわかりいいのではないかと思いますし、前回のように、話していて、教育者の立場で来られた方が結構多いような印象を受けたんです。そうすると、一般的に私たちのジャンルで言う介護現場で頑張っている人たちが聞いたときに、違和感というか、期待度に対してちょっと違うではないかということがあるような気がするんです。
 今、話しているうちに、オーディエンスというか、聞く人たちをある程度限定して、例えば教育者に向けてこのシンポジウムをやって裾野を広げていくんだとか、そこをここの委員会で決めてやるのか、それとも何かの領域で、ここを広げていくんだとか。例えば介護の関係ばかり言って恐縮ですけれども、そこのところを集めてやっていくんだとか、ずっと意見を聞いていると、少し対象者が広過ぎて、多分絞りにくいのではないかと思うんです。

○大橋委員長
 ますます混乱をしてきて難しいんだけれども、今のことでいけば、先ほど言ったシンポジウムの2つのねらいのうちの、前者の大川委員にお願いしようとしていた分野を先にやって、後者の方のスキルなり、あるいは活用する上での留意点ということで、シンポジウムをするのではなくて、逆にシンポジウムを先にやって、どういうところに問題点があるのかということを整理して、そのコメントを含めてICFを活用する際の留意点なり、理解をする際の留意点は何かということでやるというのも1つありますね。やや折衷案的なものかもしれませんけれども、それもあり得るかなと思います。
 あと、参加者を絞り込むかどうかというのはありますけれども、それは逆に、シンポジウムのねらいをこういう趣旨でここに絞ってやるんだということが明確になれば、大川委員が言われた何の目的でやるのかというところが趣旨としてきちんとすれば、とりあえずはいいかなという思いもいたしますね。

○大日方委員
 私は長くやらせていただいておりますが、前回のシンポジウムには出られなかったので、その雰囲気が若干わからないという前提でお話させていただきますけれども、やはりシンポジウムである以上、対象者はオーディエンスだと思うんです。その人たちに対してあくまでも伝えていくということが主なわけで、外に向けての発信とか、勿論海外に向けての発信とかも大切にはなりますが、あくまでもやはり来ていただいた方に対して、何を伝えたいのかというところを明確にすることが重要であって、私自身、1つお話を聞いていてはたと思ったのは、おっしゃられたようなICFの持つ社会的な意義であるとか、哲学であるとか、あるいはその政策、実践に与える影響といったものがもう十分に広まっている、十二分に伝わっているというのが、数えて言えば1回、あるいは2回でいいのだろうかと。この話は、ICFの従来の考え方をかなり根本からひっくり返すようなものですので、そこを繰り返し伝えるということは必要ではないかと思います。
そこが立ち止まっているということでは決してないと思いますし、やはり大川委員がおっしゃったように、ICFの考え方が誤って一部には伝わっているという話もありますので、そこを徐々に正していく意味でも、いま一度そういう意味では、ICFの基本から伝える時間がオーディエンスに向けてあってもいいのではないかと思います。その上で、より踏み込んだ形でという、前半、後半に分けるのであればやってもいいのかもしれません。
 あと、まとめて発言させていただきますが、3つ目のテーマになっている専門職の卒前、卒後教育における活用と言ってしまっていますけれども、専門職というのはそもそも何なんだろうという辺り。やはりこれはお医者さん対象なのかなとか、結局医療従事者のみなのかなとか、ICFというのはそもそもそういう考えではないはずなので、余りそこを置いてきぼりにしない。多くの人が理解できるところが共通言語と言われるところの本来のものだと思いますので、立ち位置としては、そこをしっかりキープしたシンポジウムをつくっていく必要があるのではないかと感じました。
 以上です。

○大橋委員長
 今のことでいくと、例えば改めてICFの社会的に持つ意味みたいなことを広く浸透させるという意味では、そのことをねらいとしたとして、例えばどういうシンポジウムなりをしたらいいと思いますか。

○大日向委員
 大川委員、先々週、東大のリハビリテーション学会の方でICFに関して一般の方に説明をされましたね。ああいう非常にたくさんの聴衆の方がいらしたということで、ICFに対する関心というのは、一般の方も含めて広がっていると思うんですけれども、改めてそういう基本的なところをシンポジウムの最初に伝えるというのは、もうこの段階においては少しレベルが低過ぎる話になるんでしょうか。

○大川委員
今、お話がありましたのは、先週、第33回総合リハビリテーション研究大会を東大の安田講堂でやりまして、主催者の日本障害者リハビリテーション協会はこれまでICFの啓発を熱心にやっていたものですから、今回も同時開催でICFの研修会を開催し、参加者が720人ぐらいでした。
 参加者はいわゆる医療関係者だけではなくて、工学、建築、法律関係であるとか、また企業の方々など、いわゆる医療関係者以外が100人以上見えていました。
 そのときに、アンケートをとりましたが、自分たちの分野にどう生かすのかを深く考えた方たちもいらっしゃいましたが、逆に学校で聞いた授業や講演などで非常に初歩的なところで、どうもおかしいと思っていたので来たが、解決したと。今の大日方さんの質問に関係することですが、基本的なところをちゃんと押さえる内容が必要で、そうでなければ、ICFが単なるチェックをしたり、点数をつけるものとか、穴埋めのものだと思っていたが、それとは全然違うものなんだというご意見が非常に多かったです。
 ということで、やはり一番基本のところをちゃんと伝えるということが大事なことかなと思いました。
 それから、参加者の話にもう一度戻りますが、80人ぐらい当事者の方でしたから、それも非常にうれしいことだなと思いました。
 以上です。

○大橋委員長
 これはICFの考え方を論議している最初のころに、今、大日方さんも言ってくれたけれども、厚生労働省がやってきた障害者施策の考え方みたいに、根本に返らなければならない部分がたくさんあるわけですね。
 そういう意味では、今、佐藤委員が内閣府のところで総合部会長として頑張ってくれているけれども、まさにそこに反映させていくという意味では、余りあわてないという意味では、もう一回やってもいいかなというのが私個人の思いであるんです。つまり、ICFが持っている社会的な影響とか、持つ意味だとか、状況によっては、社会システム自体を変えていく機能も内在しているわけなので、私としては、あわてることなく、もう一回やりたいなという思いはするんですが、いかがでしょうか。そうだとすると、それに基づいて、大川委員にもう一度押さえてもらうということ。その後で、特に教育に携わっている人たちがそういうことを踏まえて、きちんと自覚してやっているのかということを今回は打ち出すということぐらいの流れかなと思います。
ただ、そうするとWHOはどうしようかという話なんですけれども、WHOのことはさて置いて、とりあえず、今のようなシンポジウムの目的と、来年続けてやられれば、当然スキルとか、そういうところに下りてこなければならないわけですけれども、今の時点で余りスキルというところに入らなくてもいいのかなという感じはするんです。悪くすると、矮小化されてしまう危険性もあると受け止めているものですから、そういうことは大事かなと思います。
 とりあえず、シンポジウムのねらいはそんなところでよろしゅうございますか。その上で、スキル等は来年に向けて少し考えることにして、今年度はICFの持つ意義をもう少し徹底的に社会的に伝えて、定着を図り、深めることにする。
 では、そのようにさせていただきたいと思います。

○大川委員
この委員の中でも、どういうところにICFが活用されているのかということの認識がまだ十分でもないのではないかという気がするんです。ですから、そういうところを役所の方できちんと押さえられて、プレゼンなさってもいいでしょう。

○河原委員
 やはり私も専門職に引っかかるんですが、医学部の教育でICFのことを教えるのは、リバビリの科目なんですか。あるいは社会学になるんですか。

○大橋委員長 
 熱心なところが教えているかもわかりませんけれども、全国80の医学部が果たして標準的な基準で教えているのかというとちょっと疑問で、今日は、医師会の委員の委員は来られていないですが、中核になるべきだと思うんですが、やはり医師あるいは医学生が一番なじみが逆に薄いのかなと思うんです。そういうところが専門職の、特に卒前教育で引っかかるところがあるんです。

○藤田委員
 現在は医学概論で教えているところが結構増えてきています。
 リハビリでは勿論、国試に出る前から随分あちこちの大学で押さえられています。
 あと、看護学部とか薬学部とか、あるいは社会福祉系の大学、学科と組んで、合同授業という形をつくるようになってきています。これが今、ここに出ているIPEという言葉なんですけれども、そういう授業の形態をとっているところがかなり増えてきているということで、いろんな方々がそれぞれの立場でICFというものを教えています。
 ただ、医学系以外のところでの教育というのは、実は結構行われているようで、社会学部系の学科でも教えていると伺っていますので、本当に私たちの知らないところで知っている人がいて、びっくりすることがあります。

○大川委員
 恐らく河原委員がおっしゃったのは、医学部だったらば、医学生の教育カリキュラムの中のどこに位置づけられているのかで、看護師やその他、介護福祉士等の教育に関する公的なものをきちんと整理しなければいけません。恐らく私の宿題だと思いますから、ちゃんとまとめておきます。

○大橋委員長
 自覚をしていただいて、ありがとうございます。例えば介護福祉とか、そういうところでかなりICFが入ってきていますから、そういうことを全部チェックして、リストを整理する必要がありますね。

○大川委員
 すぐにやります。

○大橋委員長
 あと、今、出ていなかった領域では、特別支援教育の中にかなり入ってきていますね。佐藤委員、あれは文科省本体の方に入っているのか、それとも久里浜の方の研究のレベルなのか、それはどうなんですか。

○佐藤(久)委員
 中教審の新しい学習指導要領にもその基本的な考え方が出ていて、解説のところで詳しくICFをアセスメントに使おうだとか、いろんな学校外との連携をするに当たって使おうということが示されて、実際の事例などを使って紹介しています。
 ですから、久里浜の研究所にも研究チームができて、いろいろ成果を出していますけれども、行政の本体の方で使っていると言っていいと思います。

○大川委員
 今週、特殊教育学会なんですが、前年度も特殊教育学会のシンポジウムに呼んでいただいたのですが、特別支援教育におけるICFは、その位置づけは文部科学省の関係できちんとしています。ですから、久里浜だけではなくて、いろんな大学の方だとか、いろんなところで使われ、また研究もされています。
 ただ、やはり教育に関しても、使い方については、現場ではかなりいろんな議論があるようです。これは文部科学省関係ですが次回までにきちんとまとめてご報告をいたします。 以上です。

○大橋委員長
 正式に載せるかどうかは別として、せっかくだから、イレギュラーだけれども、いいのではないでしょうか。

○丹羽様
 文科省の特別支援教育の調査官をしております丹羽と申します。
 先ほど佐藤委員の方からお話がありましたように、学習指導要領という、いわゆる省庁で言う告示に当たる部分で、学習指導要領というものを各学校向けに示しておりますけれども、それの解説書の中で確かにICFを載せていただいております。
特に今までは自立活動という形で、一人ひとりの子どもたちが抱える障害によるさまざまな困難を改善、克服するための取組みの中で主に重視してやってきたんですが、それだけではなくて、普段の日常生活とか、さまざまな中におきましても、最近特に専門性がかなり高度になっておりまして、やはりさまざまな方々と連携をしなければ乗り切れないような課題が出てきております。そういう課題を一つひとつ解決するためには、連携するためのツールとしていろいろな形で活用しなければいけないということもありますので、是非とも今回の皆様方の話を聞かせていただいて、今後の特別支援教育の充実に活用させていただけたらと思っております。よろしくお願いします。

○大橋委員長
 ありがとうございました。多分、文科省の所管でいけば、特別支援教育の分野だけではなくて、スクールソーシャルワークとか、そういう分野もこれからはICFの視点が入ってこないと対応できない。つまり、従来のスクールカウンセリングだけでは十分ではなくて、スクールカウンセリング機能も大切だけれども、スクールソーシャルワーク機能が大事だといったところには、やはりこういう環境の問題だとかを含めて、ICFの視点が相当入ってきていると見た方がいいだろうと考えているわけです。
 そういう意味では、本当にもっと広く、例えば法務省関係の保護観察とか、公正保護の場合の支援の先にもICFということが入ってこないと、もう援助できないところへ来ているわけです。多分それが法務省がしきりにソーシャルワークと言っていることの背景にあるんだろうと思っておりまして、かつてはある意味で刑罰を与えれば済むようなところが、それだけではなくて、社会環境の調整というのがかなり重要な側面を持ってきている。
 そういう意味では、ついつい我々は厚生労働省の所管のところに目が行くのは当然ですけれども、今や文部科学省や法務省関係も含めて考えなければなりませんし、状況によっては、国土交通省の住宅とか都市計画等にも当然関与してくる領域かなと広く考えていくということだと思います。
 そのリストは大川委員にお願いするにしても、全部はすぐにできるとは思いませんが、できるだけそれを広く確認しながら、我々の論議は考えていきたいということかと思います。

○大川委員
 皆さん、情報は私の方にお送りいただければと思いますので、よろしくお願いします。

○大橋委員長
そうだとすると、先ほどのシンポジウムの考え方として、大川委員にICFの解説、つまりICFの持つ社会的な活用の意義、ICF活用に当たっての留意点ということを中心に、少し時間を丁寧にとっていただいた方がいいのかなと思います。前回のシンポジウムのことを考えると、1時間半ぐらい。先ほどは3時間というお話でしたが、3時間というわけにはいかないかもしれないけれども、とりあえず最低1時間半ぐらいはとっておく必要があるかなと思うんです。
 その場で質疑応答をやるかどうかですが、もし大川委員がいいよと言ってくれれば、あと30分ぐらい質疑応答をするということにしたらどうでしょうか。
残りの後半部分は、河原委員は今、戻られてしまいましたけれども、どの分野でどういうことを使われているかということも、これから追々整理してまいりますけれども、とりあえず藤田委員を中心に、保健医療福祉連携教育学会においてコメディルの分野、ソーシャルワーク、ケアワークの分野、介護支援専門員の分野等で、どういう教育が行われているのか、意識化されているのか。具体的な教育プログラムとしてはどんなものが開発されて、実施されているのかということを中心に論議をいただくことにしたらいかがかと思うのですが、いかがでしょうか。
 そうすると、この委員会では、大川委員と藤田委員にまたお願いするということになりますが、よろしゅうございましょうか。

○大川委員
 せっかくこの委員の中に木村委員や福祉系の委員方もいらっしゃるわけですから、やはりその辺のご意見を是非聞いていただきたいです。

○大橋委員長
 わかりました。
 前回は介護支援専門分野ということで、木村委員にも出ていただきましたし、安西委員にも出ていただきましたので、藤田委員は連続で申し訳ないんですが、実際に藤田委員のところでプログラムを固めていただくときに、どの分野から入っていただいたらいいのか。正直言って、看護はここの委員会の構成から言って弱かったから、やはり看護の分野は1つあるなと思うんです。
 前回、理学療法というのがありましたけれども、状況によっては、職業リハということでいけば、佐藤修一委員さんもいらっしゃいますし、ただ、それが即どこかの教育プログラムに展開されているかどうかということを考えなければならないので、その辺をご配慮いただきながら、プログラムをつくっていただければと思うのですが、いかがですか。

○大川委員
 しつこいようですが、これは結構微妙な問題があり、注意した方がいいのではないかと思っているんです。
 やはりそれぞれの専門職の教育にきちんとした位置づけがあるわけですから、そことの関係はきちんと押さえて議論しなければまずいのではないかと思うのです。
そして、活用を議論するとすれば、そこを前提として、理想的にはこうあるべきだと議論するのか、現状がこうだと議論するのか、はたまた理想に向け、現状から行くためにはこういうことに留意すべきとするのかとか、そういう方向性だけは、少なくともこの委員会できちんとしておいた方が、藤田委員もやりやすいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○大橋委員長
 ありがとうございました。そのとおりですが、とりあえず入口として、もう現場の状況から見て、例えば看護であれ、医学であれ、あるいはソーシャルワーク分野であれ、お互いにほかの分野とチームアプローチをしないとやっていかれないという現実があって、チームアプローチをする際の1つの論点は、やはりICFというものがどれだけ理解されているかどうかということにつながってくるのかなという受け止め方で、先ほどらい議論をいただいてきました。
 そういう意味では、あるべき姿だとか、おのおのの教育カリキュラムの中にどういうふうに入れるかというところまではとりあえずは行かないということで、教育分野でICFというものを広く共通理解にしておかないと、おのおのの専門職の教育自体も成り立たないところに来ているし、現場の実践もそうなっているという話のレベルでとどまるんだろうと思います。まずは、現状を出しあって、共通理解にするというレベルかなと思うんですが、いかがでしょうか。
 多分、岩佐委員が言われたのは、そういうことでしょう。現場では実際にチームアプローチをせざるを得ないしね。

○岩佐委員 そうですね。実際にサービスを行っていく上で、やはり共通言語がないとチームが成り立ちませんので、そういう意味では、必然的にICFというのが現場でなじんで用いられているというのはあると思うんです。ただ、実際私たちがやっていることがICFに即しているのかとか、ここから先はICFではないのではないかとか、そういうのを考えながら日常の臨床はやっておりませんので、そこら辺の検証というのは、余りないなという現状はございます。
 そういう意味では、専門家から見て、医療、教育、看護、その他いろいろな分野で実際にどういう取組みがなされていて、そこでICFがどれぐらい普及しているのかということをオーソライズというと変ですが検証するみたいな、そういう取り組みがシンポジウム等で行われれば、実際に聴衆にとっては、自分たちがやっていることは間違っていないというと変ですけれども、例えば我々の取り組みはICFに即しているんだなとか、そういうふうに自分たちを振り返る機会にもなるかなと思います。そのようなシンポジウムになると、聴衆も役に立つかなと思います。

○大日方委員
 今のお話を聞いていまして、やはり周りの皆さん、この場は医療関係者がすごく多いので、どうしても医療という立場から見た、あるいはコメディカルという言い方をされましたが、教育分野でもやはりコメディカルの分野に偏りがちに思います。このICFの考え方は、そもそもは医療のものだけではないですし、医療当事者の教育のものではない。
 なので、先ほどの大川委員のお話にもあったような建築のアプローチもあるかもしれないし、座長がおっしゃいましたけれども、法律のアプローチもあるかもしれない。そういったICFが今どういう活用をされているのか。我々から見て、あるいは我々という言い方はあれですが、専門家の目から見て、ICFが今、実際このように活用されている、こういったことも活用例なんですよということを教えていただく機会というのは、聞く側からすれば、シンポジウムとして非常に有意義なのではないかと思います。とかく、医療従事者のものになりがちな成り立ちのものですけれども、これは本来そうではないはずなので、いま一度、そういう意味では、理想を言えば、すべての人がICFの考え方を理解して、あらゆる人たちがしっかりと理解するということが必要なわけなので、そういう意味では、こういう活用の仕方もある、こういう活用の仕方もあるということを事例として議論する、あるいはそれを基にディスカッションしていくというのは、すごくオーディエンスとして面白いのではないかと感じました。

○大橋委員長
 広くICFの持つ社会的な意義みたいなものをもう一度確認しつつ、先へ進めようという意味で言えば、ICFを活用する意義みたいなものをシンポジウムのテーマにして、いろいろな分野から話をしていただくというのが1つあり得ますね。あり得ますが、その場合には、具体的にはどういう分野を選んだらいいのかなというイメージがぴんとこなくて、とりあえずは何か教育のサイドで取り入れているところで、なぜそれを取り入れざるを得ないのか。取り入れたらどういう状況なのかということで、活用する意義みたいなものを聞こうかなということなんです。
 ただ、ICFの活用と書いてあるから、その活用までいっているのかという話はありますが、要するにおのおのでとても縦割りになっている専門職種がおのおので仕事ができなくて、専門他職種にならざるを得ない。そのときに、共通言語になったのがICFで、またそれを活用しないことには、やっていかれなくなっているみたいなところに今回のシンポジウムのポイントが1つ設定できるかなということだったんです。
 ただ、今、大日方委員が言われたように、もう少し広げてしまって、ICFを活用する意義みたいなことでやるということもあり得ないことではない。そういう意味では、各委員がみんな広く、前回出なかった人も含めて、出てやるというのは、1つのアイデアとしてはあり得ますね。職業分野ではどうだとか、大日方さんの立場だったらどうだとかというのをやるというのはあり得るかもしれませんね。

○大日方委員
 先ほどのように、例えば建築という話は、ICFはそこでも当然使えるんですけれども、なかなかそういうアプローチは今までなくて、どうしても医療側から言われて、それに基づいて言われたとおりに直せばいい。でも、本来そうではないんですね。
そういう分野の方々が興味を持ってくださっているというのは、すごくいいことですし、大橋委員がおっしゃったような、やはりホームの部分ですね。いわゆる強制教育と言われているものも、当然ICFの考え方が本来使われなくてはいけないものだと思っていますので、そういう活用例みたいなものを是非オーディエンスとしては聞いて、自分たちの中で、人ごとではなく、本当は自分たちのことなんですね。すべてICFの考え方というのは、自分に置き換えて考えたらこうなるねと考えられる、あるいは広く考えられるという機会にシンポジウムをするというのは、すごく面白いのではないかと、意味のあるものになるような気がいたします。

○藤田委員 確かにすごく有意義なことだろうし、面白いと思うんですけれども、実質3か月の準備期間でとなると、私には手が負えない話に広がってきたかなと思います。来年に向けて、今からやりましょうということだったら賛成できるんですが、ちょっと勘弁していただきたいなというのが本音です。

○大橋委員長
 多分、大日方委員が言われた趣旨からいけば、藤田委員に任せるのはちょっと酷な感じがしますので、それはまた考えなくてはいけないと思いますね。
 だから、大日方委員の方でいけば、国民生活におけるICFを活用する意義みたいなテーマでやってみるということですね。例えば福祉用具などでもそうですけれども、従来の発想で福祉用具の開発とか利用では無理で、ICFを入れたらどう変わるかということもあるかもしれないし、建築もそうだし、あるいは教育の分野ではどうだと。非常に大きくなってしまう可能性がありますが、それを1回やってみても、決して意義がないわけではないということですね。

○大川委員
 今、支援機器の話があったからですが、実は総合科学技術会議のイノベーション25の中で、高齢者・有病者・障害者への先進的な在宅医療・介護の実現ための支援機器開発のタスクフォースの委員会があり、実用化に向けてのその具体的なロードマップには、ICFという用語は使われてはいないのですが、ロボット工学のような最先端の支援機器ですら、参加レベルを達成するための活動を見極めて開発をするのであるとか、評価のときには実行状況:している活動、能力:できる活動の両方をちゃんと見るんだとか、そういう文言がちゃんと入っています。そのように、実は公的なものでもいろんな分野でICFの活用はあるということなんです。

○大日向委員
 オーディエンスとしては、それを知りたいですね。

○大川委員
 そういうことも全部皆さんがご存じないわけではないでしょうというのは、先ほど申し上げたことです。

○大橋委員長
 それでは、どうですか。今日の専門職の卒前、卒後というのは、少し絞り過ぎかもしれないということであれば、大日方委員が言われたことで、国民生活においてICFを活用する意義みたいなことで、少し多面的な論議をしてみると。
ただ、冗漫になってしまう危険性はありますが、どういうところでICFというものが持っている与える影響、活用の意義みたいなことを考えてみるというのは必要かもしれませんから、皆さんがよければ、それでやってみましょうか。余り専門職というコメディカルなところへ絞り込んだりというのは次の段階にしてということでいきますかね。よろしゅうございますか。

○大川委員
 しゃべり過ぎている嫌いがあるからおずおずと手を挙げますが、でもそうなると、一応正直なところで言うと、スピーカーにだれがいらっしゃるかなという不安はあります。

○大橋委員長
 そういうことです。
 1つは、教育分野がありますね。
 それから、今、成長戦略のところがありましたけれども、やはりかなり福祉工学、福祉用具の分野でICFをどう考えるかというのは、現に考えているのか、これを機会に頼んで考えてもらうのか、よくわからないところがありますが、それが1つあり得ますね。
 それから、保健、医療、福祉の分野ということもありますし、大日方さんが言われるとおり、従来ややもすると、社会的な不利に陥りやすかった人たちがこういう視点を持つことによって、全然世界が変わってくるという視点もありますね。そうなると、大日方さんにはご登壇いただかなくてはいけないということにはなってきますし、佐藤委員、そこのところは総合部会でそういう論議までいっているんですか。まだとても行かないですか。

○佐藤(久)委員
 障害者権利条約で障害の考え方だとか、障害者の考え方は、大分従来の考え方を変えようというのが出てきていて、それを3年後には日本政府も批准しようという閣議決定をしているわけで、障害というのは、個人に内在する機能障害のことだという法律上のそんな考え方を色濃く残している現行の法律を、あるいはそういう考え方が一般国民の中にも、障害というのは、その人に内在しているその人の問題なんだという考え方を切り替えて、障害というのは環境の障壁との相互作用で起こってくる参加の障害だという考え方にしようということで、推進会議や部会などでも議論をしているわけです。ですから、その辺は基礎としてICFが活用されているわけで、そういう権利条約絡みのICFと障害の考え方という報告は、そういう多面的な生活への影響ということを議論するのであれば、是非だれかに報告をしてもらうといいのではないかと思います。

○大橋委員長
 だれかにというのは、具体的にイメージが湧きますか。

○佐藤(久)委員
 JDFの障害当事者関係のどなたかにお願いすることもできるし、必要であれば、私の方で話をしてもいいかなと思います。

○大川委員
 その話が出たからですが、今までのあの議論を見ていると、社会モデルとかなり明確に示しているわけですから、統合モデルであるICFとは異なるのではないですか。ですから、今、委員がおっしゃった解説は、私はちょっと違うように思います。
それから、そこでの議論の中でICFに関して、かなり誤った解説などもあったように思っておりますので、委員、是非正確にICFが遣われ、理解されるように努力をいただくとありがたいなと思います。

○佐藤(久)委員
 そうですね。社会モデルというのが、ICFが社会モデルだという人もいたり、まだ医学モデルだという人もいたり、そういう議論をする十分な時間がない中、違った意味で使っている。したがって、違った意味でICFを理解したまま進んでいるという面があって、その辺はまさに共通言語なので、共通理解を図るようにしなければいけない。
そういう点でも、こういうシンポジウムの中で社会モデルとICFというのはどういう関係にあるのかとか、正確なメッセージを伝える必要があると思いますけれども、そういう理念になってくると、考え方の違いや何かがいろいろ出てくるので、ちょっと難しい。厚労省がやるシンポジウムの中でだれをスピーカーにするかによって、若干のニュアンスの違いが出てきたりするということで問題になるのであれば、客観的な文章での表現などの紹介をするぐらいにとどめて、余り個人の考え方は示さないようなスピーカーを選ばないといけないのかなと、工夫が必要なのかなと思います。

○大日方委員
 情報提供ですけれども、ICFという言葉を実は結構この1、2年に思いがけないところで聞いています。例えば先日聞いた話ですと、障害のある人たちが大学を受験するときに、何が問題になるのか。あるいは大学の教育を受けるのに当たって、何が問題になるのかということを東大でDO-IT Japanプログラムというものをやっているらしいんですが、そこの人たちと話をする機会がありまして、障害を持っている当事者から「ICF」という言葉がしきりに出てくるんです。その考え方で、基本は自分たちに何が必要なのか。例えば話題として出たのは、センター試験を受けるときに、パソコンの利用を認める、認めないみたいな話。すごく細かい話なんですけれども、そういう話の中でいろいろ話題がどんどん展開していく中で、やはり本人たちの口から「ICF」の考え方をもっと皆さんが理解してくれればというものが出てきているんです。
 なので、例えばそういうDO-IT Japanプログラムをやっている東大の先生とか、そういうある種の当事者の方、あるいは支援者ですね。医療に限らず、その周りにいる方というのも、もしかしたら今回のスピーカーにいいのかもしれないですね。
 ちょっと1例をふと思いついたので、申し上げておきます。

○大橋委員長
 これは登壇者自体を決めることができませんが、少しそれをコーディネートしていただく方が必要かなと思っているのですが、どうしましょうか。

○大川委員
 おずおずなんですけれども、大日方委員の発言から一気にそちらの方向に流れができて、内容としては確かに非常に魅力的で、やるべき内容だと思うんです。ただ基本的には、厚労省のこの委員会で、本来は統計に使うという活用が一番大事なことです。
 今回はとにかく正しく普及をするということが一番の目的で、そこで事務局がいろいろとお考えになった上での専門職の卒前、卒後教育ということだったんですね

○大橋委員長
 そうです。

○大川委員
 そうであれば、正しく普及するということで、正しいことしか言わないという限定付でこの専門職のという案に戻ってもいいのかなという気もします。ただ、河原委員がご指摘なさった専門職の定義をどうするかとか、どの範囲までかというのは、きちんとしなければいけないでしょう。恐らく去年の1回目のシンポジウムの流れも考えて、大橋委員がお考えになったことではないかと思うので、特に委員が責任を持っていただいて、また恐らく座長もなさることでしょうから、例えば福祉をかなり中心とした連携でもよろしいでしょうし、理想的だという感じのものを提示してもらうといいのかなと思います。そこに当事者的なものも入れていただければいいと思います。

○大橋委員長
 大日方委員が言われたように、先ほど国民生活におけるICFを活用する意義というのは、結構魅力的で大事なんですよ。ただ言ったように、どなたにお願いするかとかいうことについては、正直なところ、非常にとまどうところがあるのです。
しかし、それを取り上げることは、内閣が今やっている障害者の検討に与える影響も社会的な意義としてあると思いますけれども、ただ、拡散してしまって、先ほど「冗漫になる」という言葉を使わせてもらいましたが、冗漫になってしまう危険性もあるということもあります。
 一方で、この事務局でつくっていただいたことは、ICFの活用というところまでいくかどうかは別として、なぜ専門職の分野でICFというものをきちんと教育しなければならないのかという必要性だとか、あるいは現にそこを目指した取組みの現状みたいなことだけでも共通理解しておいた方がいいかなという意味で、今回事務局も含めてこういう提案をさせていただいたんですね。
 その場合の専門職とは何だということになりますが、これは専門職の立場から、パターナリズム的な目線で何かやっているということでは決してなくて、個々の専門職の人たちがきちんとしたユーザーオリエンテッドの立場に立って、サービス利用者が一番望んでいることを援助していくためにも、最低限知っておかなくてはいけない事柄として、やはりそこはかなり大胆な早めに打ち出しておく必要があるだろうと思います。ただ、コンクリートに固めて、何か出すということにはいかないかもしれないけれども、とりあえずそういう分野の人たちに広くICFというものがなければやっていかれない状況と、そのための正しい理解をしてもらうという意味ではあるかなということです。これはどちらがいいでしょうか。
これは厚生労働省の何とか委員会の主催でやらなければいけないのかということも、実は個人的には事務局に言ったことがあるんです。シンポジウムは独立させてやってもいいのではないかとか、いろいろ言ったんですけれども、やはり厚生労働省がきちんとかむことが大事だと言われたので、そうだとすると、余り広くやってしまうというのは、なかなかつらいところがあることも事実なんです。どうしましょう。何かございますか。
もう時間もないので、事務局としては、何かありますか。

○国際分類情報管理室長
 やはり厚生労働省主催ですので、しかも統計情報部が担当しておりますので、そういったところから外れない範囲ということが重要だと思います。

○大橋委員長
 そうだとすると、私が言った2つのうちの後者の方、このテーマに即して今回はやらせていただければありがたいということですが、大日方委員、よろしゅうございますか。

○大日方委員
 はい。

○大橋委員長
 ちょっと別なところで本当は、内閣府でも、あるいは身体障害者リハビリテーション協会でも、広くそういう論議をやってほしいんですよ。自分たちの狭い枠ではなくて、建築もかんでくるよとか、いろんなことを言いながら、福祉用具の分野も関心を持っているんだよということで、幾らでも企画はお手伝いしますから、是非言ってください。本当に福祉用具の分野は困っているんですよ。福祉工学の分野もね。ICFを知りたいと言っているのでね。
 では、この委員会として、とりあえずまだ十分こなれていないところがありますが、専門他職種のチームアプローチを目指した卒前、卒後におけるICFの重要性とその教育の在り方みたいなことになりますかね。

○藤田委員
 最後のところなので、文言を固めないとまずいだろうと思うんですけれども、今、言われた線ですか。

○大橋委員長
 これでもいいんですけれどもね。専門職は、個々の縦割りでどうやっているかというだけに目がいくのか、もう少しチームアプローチなりを今後、現場で考えざるを得ないし、そういう方向になっている中で、ICFみたいなものをどう意識して、卒前、卒後で考えるか。ちょっとニュアンスが違うように思うんです。私は後者の方かなと思ったりするんですが、その辺のニュアンスはいかがですか。

○藤田委員
 済みません。私は全然そこにとらわれていないので、どちらでも結構です。

○大橋委員長
 では、看護、理学療法、作業療法、言語療法士といった分野の人たちでプロジェクトをつくっていただいて、おのおのの専門職種のカリキュラムの中にどうかということと、おのおのの専門職種が実際の実践現場でもチームアプローチをせざるを得ないときに共通言語的なものが必要で、その基本になる考え方はICFだというのと、より積極的に専門他職種が共同できるような教育の在り方を考えるときに、何を共通言語にするかというときのICFという、3通りぐらいの論議の中で、今、必ずしも全部整理されているわけではないけれども、使われているかなと思うんですが、そんな理解でよろしいですか。

○藤田委員
 はい。

○大橋委員長
 そうだとすれば、今ぐらいの枠で少し人選を考えていただいて、そのコーディネートは藤田委員に任せていただくということでよろしゅうございましょうか。
その際に、やはり大川委員がしきりに言われているように、みんな個々で我田の水を引いて、自分流に解釈して、使いやすいようにやっているけれども、果たしてその使い勝手がいいかどうかということのチェックはきちんとするということをもう一度考えてみようということが課題にあった方がいいと思うんです。

○大川委員
 やはりきちんと勉強した上で発表してくれる人を選んでいただかなければならないと思うんです。実際に使っていて、基本的なこともきちんと理解した上でというのは、やはり必要最低限の条件だと今回考えていただければと思います。
 もう一つ、PT、OT、STというお話が出ましたが、リハビリテーション医療の中でどう使うのかということは、もうきちんとした議論がなされていますので、それは今回はむしろなしでいいと思います。

○大橋委員長
 なるほど。

○大川委員
 むしろ、ほかのもっと広い職種を入れた方が、かえっていいかと思います。

○大橋委員長
 では、そんなところでよろしいですか。

○藤田委員
 具体的にもう少し広いところを幾つか挙げていただければと思います。
 先ほど、介護の話が出ていましたね。

○大川委員
 大橋委員長がおっしゃいましたように、今回、チームアプローチということが一番大事なキーワードになるわけですね。そうすると、そのチームをどういうチームメンバーからなるとするのか、また実際の患者さん、利用者さんからすれば、どの時期に論点を置くのか、という2つを明確にする必要があると思うんです。例えば入院から退院へという時期をとる方法もあるでしょうし、もっとある程度落ち着いた在宅生活の人ということもあるでしょうし、急性期の病院内ということもあるでしょう。それはむしろある意味、きちんとやっている人たちがいる、魅力的な内容がつくれるような時期を発表メンバー優先で選ぶというやり方が現実的ではないかと思います。

○大橋委員長
 現実的には、ある意味でそういう人を探すのは一番難しいんだけれども、言われるように、退院時におけるチームアプローチの中でどれだけICFを意識されているかとか、あるいは最期の看取りとか、そういうときの在宅医療の分野でどういうふうに考えられているかとか、そういう事例があって、チームアプローチが行われていて、その中でICFがかなり意識されているということがあれば、本当に万々歳なんだけれども、そのようになるかどうかということですね。だけれども、方向としてはそれを考えていきたい。
ある意味では、岩佐委員が先ほど言われた障害児の援助の場合も、結局そこなわけですね。

○岩佐委員 発達障害の分野に関して言うと、医療、教育、福祉とか様々、建築も実は入ったりもするんですが、かなり多文化で異職種がいっぱいら絡んでいるので、ICFを共通言語としてやっていますということを、今から3か月間でそこまでまとめて発表できるかどうか難しいかなと思いました。先ほども申し上げたかもしれませんが、共通言語としてのICFを感覚的に実践しているんだろうなとは思いますが、それが実際に、大々的に、きちんと意識してやっているとは必ずしも言えないようなところはあるかなと思いますので。
そういうことを考えたときに、発達障害の分野に限らず内容を広げ過ぎると、上記のような点が邪魔をしてシンポジストがうまくしゃべれないという危険性もあるので、きちんとしゃべるということであるとそこまで内容を広げ過ぎないというのも1つ手かもしれないですね。
本当は内容を広げていろいろ、例えばこんなところにもICFがあるんだといったといった感じのものとか。専門職と言ってもいろいろですからね。建築とか企業とかいろいろ入れば面白いんでしょうが、でも話は戻ってしまうかもしれませんが、広げ過ぎる危険性というのは多少感じます。

○大橋委員長
 でき上がっていれば、我々は論議することがないわけで、でき上がらないから、その方向に向かって論議をし、活動をしているわけなので、余りないものねだりをする気はないし、する必要もないと思いますが、方向としてはそんなことを考えてみたらどうかと。
状況を見ると、多分、福祉用具相談員とか、福祉用具の相談員たちがどういうふうに考えてくれているのかというのはあるんだと思うんです。従来の身体リハ機能をカバーするという意味での福祉用具なのか、福祉用具を提供することによって、もっと社会参加の活動範囲を広げるということをやってくれているかということは、だれかいらっしゃるのではないかなと思うんですよ。
 だから、広げるというのは、そういうリハビリテーションはいいとして、少なくとも看護だとか、ソーシャルワークだとか、状況によっては福祉用具相談員だとかいうところまで考えてもいいのではないかと思います。あとは、医師とかということでしょうか。
 藤田委員、イメージは湧きますか。

○藤田委員
 ごめんなさい。混乱の極みの中にいます。今のお話だと、各分野で頑張られている方をご紹介していただいて、それに対して大川委員から、ここはICFの考え方が生かされていますねと解説していただくのが、一番皆さんにわかりやすいような気もします。

○大橋委員長
 それはそれで考えて、どうでしょう。今のような論議を踏まえて、藤田委員のところでICFを共通理解にして、共通言語によるさまざまな作業の取組みが行われたので、そのメンバーで一度検討いただいて、いかがでしょうか。それが一番何か医学の分野、看護の分野、理学療法、作業療法いろいろ広くカバーリングできているかなと思うので、今、改めてチームを組んで何かやるというのは、とても時間的余裕もないので、一応そういうことでお願いできればと思います。あとはまた個別に相談をさせていただくということで、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、申し訳ございませんが、藤田委員をコーディネーターとしてお願いをするということで、プログラムを組んでいただく。いろんな意見がありましたら、この方はいいよということをご推薦いただきたいと思いますし、また、藤田委員の方から、メール等でご相談があるかと思いますが、どうぞそこはよろしくお願いをしたいと思います。
絶対と言ったら失礼ですけれども、でき上がった人がそんなにいるわけではないからこそ、我々はICFをやっているわけだということをご理解いただいて、その方向で深めていくということで、是非ご協力をいただきたいと思います。

○国際分類情報管理室長
 確認ですけれども、前半の部分は、大川委員からのICFの解説、ICFの社会的意義を含めたお話で2時間ということでよろしいでしょうか。

○大橋委員長
 はい。問題は、WHOの方で、そうするとやはりビデオレターか何かでお話をいただくということで、2匹目のドジョウになって申し訳ないんですが、前回は顔だけだったから今度はちゃんとしゃべってと言えばいいのではないかということで、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
したがって、WHOからはビデオレターで、ICFの解説と社会的な意義や、持つ意味みたいなことについては大川委員から1時間ほど、そして若干の質疑応答をさせていただきたい。そして休憩の後、シンポジウムをやって、一応仮の題ですが、専門職の卒前、卒後におけるICFの活用性というよりも、必要性というぐらいのレベルで藤田委員にコーディネートをお願いする。メンバーの問題についてもお願いをするということで確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
それでは、次が議事の3番目でございます。事務局から説明をお願いいたします。

○国際分類情報管理室長
 議事3は、WHO-DAS2.0についてのご紹介です。時間も迫ってまいりましたので、簡単にさせていただきます。
 資料3をごらんください。WHO-DAS2.0について簡単にまとめております。
 これはWHOが開発いたしました健康と障害について文化的影響を除いた形で測定する標準ツールでありまして、今年マニュアルが刊行されております。
 構成は、そこにありますような6つの領域における生活機能のレベルを把握するようになっています。
 2ページにまいりまして、特徴でございます。マニュアルの中で4点ほど挙げられておりまして、1つの大きく特徴としては、ICFへの直接的な関連づけがなされているということのようです。
 2番目としましては、異文化間の比較ができること。これは19か国においてテストが行われているということが記載されています。
 3番目としましては、心理測定的特性、信頼性についてはテスト等で担保されているようです。
 4番目としましては、使いやすさ。これはインタビュー形式等になっておりますけれども、割合と短時間で測定できるということ。WHOのホームページにも載っておりまして、翻訳も一部の言語においてはされており、入手容易性ということが挙げられております。
 利用対象者といたしましては、公衆衛生専門家、医師、保健、医療専門家等々であり、バージョンとしては3バージョンあります。30日間における生活機能上の困難さをインタビューするものでありまして、36項目が一番詳細なものとなっております。一番短いものが12項目バージョン、12+24項目バージョンというものもございます。これは対象者へインタビューの聞き取り、または自ら自計方式、代理人による回答と3つの使い方があります。
 今後の国内への適用に関してですけれども、マニュアルも含めました仮訳を作成いたしまして、この委員会の委員にもご意見をいただければと思っております。
 また、その成果につきましては、関係省庁、部局、団体等に送付し、意見を聴取し、またその結果につきましては、ICF専門委員会を通じて、統計分科会の方に報告をいたしまして『WHO-DAS2.0日本語版』の出版に向けていきたいと考えております。
 以上でございます。

○大橋委員長
 ありがとうございました。何かご質問、ご意見はありますでしょうか。
 大川委員、どうぞ。

○大川委員
 この委員会とWHO-DASとの関係をまず明確にする必要があると思います。ここで訳をやって、刊行するということと、ICFとの関係はどういう位置づけで今後進めていくことになるのでしょうか。

○国際分類情報管理室長
 こちらの委員会にご意見を伺うのは、日本語訳として適切かどうかということですので、そのバックグラウンドには、ICFの概念等に照らし合わせてどうなのかということも反映されてくると考えております。

○大川委員
 ということは、WHO-DASというのは、この委員会がいろいろ議論したりとかするツールではないという位置づけでよろしいんですか。

○国際分類情報管理室長
 ツール自体はもう完成していますので、その日本語版をどうするかということをご議論いただきたいと考えています。

○大川委員
 ただ、この委員会の対象はICFですね。ですから、対象をWHO-DASまで広げると、追加になるという位置づけなのですか。ICF-CYはあくまでもICFが基本になったものですから、ICF-CYが入るのはわかるんですが、WHO-DASというのはかなり違うもので、かなり簡略なもので、意味づけはかなり違うものですから、なぜこの委員会でやるのか。もしWHO-DASを入れるのであれば、この委員会自体の目的であるとか、そういうところが変わるとどうしてもとらえられるのではないかと思っての質問です。

○国際分類情報管理室長
 それは審議事項の生活機能分類に係る個別専門的事項に関わってくると考えております。

○大橋委員長
 要するに、設置要綱には含まれていると考えられるということですね。
 とりあえず、そういうことで、そのことがどういうメリット、デメリットがあるのかということを詳細に論議するだけの時間的余裕もありませんし、資料もないのですけれども、設置要綱上はそのことについて触れるということで、各委員に翻訳したものについては、コメントがあればコメントでいただきたいという取扱いでよろしゅうございましょうか。
(「はい」と声あり)

○大橋委員長
 とりあえず、そうさせていただきます。
 それでは、その他ということでございますが、事務局の方から提案をお願いいたします。

○国際統計標準分類専門官
 今年の6月1日、2日、スペインのマドリッドにおきまして、WHO-FICのFDRGという生活機能を検討するグループの対面会議がございました。室長、小職、そして藤田ICF専門委員が参加いたしましたので、簡単にご報告いたします。
 参加国といたしましては、イタリア、イギリス、オーストラリア、カナダ、スイス、スペイン、ドイツ、日本、アメリカ、ブラジル、そしてWHOの担当官総勢35名でございました。
 このFDRGというグループは、WHO-FICネットワークの中の生活分類について助言を行う委員会とされておりまして、8つのタスクグループに分かれてコーディングのルールやガイドライン、ICFの改善、ICDとの調和等について議論を行っているものでございます。
 2日間の主な議論につきましては、後で室長から報告いたしますけれども、ICFの一部改正のプラットホームと言われるウェブツールがオープンになりまして、投票を改正するための説明、手続論等が議論されました。
 それから、タスクグループからの報告がございました。
 主な報告は、以上でございます。

○大橋委員長
 何か室長の方からございますか。

○国際分類情報管理室長
 中間年次会議でも議論されていたことですが、ICFの改正のプロセスの準備が始まっております。まだ正式に決まっておりませんので、配付できるものが限られておりますが、机上配付資料7の「MINOR PROPOSALS DOCUMENT」をごらんください。
 手続きにつきましては、ウェブ上の投票となる予定でありまして、手始めにICF-CYが刊行されたときに、ICF-CYとICFとの共通部分について改正されたところがあります。その部分について小改正ということで行うことが提案されております。
 お配りしておりますのは、タスクグループ2というICF改正の担当グループから提案されたものになりまして、投票権の履行は、日本では国際分類情報管理室長が務めさせていただきますけれども、その投票に当たりましては、議論への参加等を委員の皆様方にお願いすることが出てくると思いますので、その節にはよろしくお願いいたします。

○大橋委員長
 それは改めてまたご連絡いただいて、各委員から意見を出していただくということでございますね。

○国際分類情報管理室長
 はい。

○大橋委員長
 これには藤田委員もマドリッドの会議に参加されたんですが、何かご意見はありますか。

○藤田委員
 特にはないんですけれども、改定に関して言えば、先ほどから皆さんの話の中に出てきている、我が国独自のスケーリングをしている項目で、ICFと一致していないところをもう少し合うような改定をお願いするとか、あるいはICFと合っていないところの改正をお願いするとかいうプロポーザルをこれからするのかどうかという話し合いが次回にでもできればうれしいなと思います。

○大橋委員長
 投票はいつなんですか。

○国際分類情報管理室長
 まだ具体的には示されておりません。

○大橋委員長
 そうすると、次回やると言っても、間に合うかどうか。

○藤田委員
 それは十分間に合うと思います。まだ始まったばかりなので。

○大橋委員長
 わかりました。では、とりあえず今日は、事実上報告があって、それについてまた意見を求められたときにはコメントをいただければということでよろしゅうございますね。ありがとうございます。
 以上なんですが、私がその他のことで事務局にお願いしました。
このICDのABCというのがありますが、先ほど来出ておりますけれども、ICFのABCとか、ICFのいろはとかというものを少し考える必要があるのではないだろうかと思っておりまして、前から私が仄聞していて、大川委員がいろんな解説をまとめてくださっているわけですけれども、個人というか、この委員会としてある程度オーソライズしたものを出した方がいいのではないかと思っているんですが、この委員会でオーソライズするような刊行物というのは可能ですか。

○国際分類情報管理室長
 可能ですし、是非ご検討いただければと思います。

○大橋委員長
 大川委員個人も前に用意をしたものがあるというので、何かそういうものを提供いただいて、委員会で付け加えることは何もないだろうと思うけれども、必要があれば大川委員中心に出すと。ただ、ここがきちんと論議して、あるいは推奨して、これがとりあえずオーソライズした考え方だよというものがあれば、一番ありがたいなと思うんですが、どうですか。

○大川委員
 ICDのABCに等しいのは、実は東大出版会から『生活機能とは何か ICF:国際生活機能分類の理解と活用』というものを出していまして、それは当時のICD室のお目通しをいただいて、内容もチェックしていただいた上で発行したものです。それがほとんど内容的には網羅できているのではないかと思っているんです。

○大橋委員長
 あるいはそれを少しコンパクトに要約するとかというのにするか。

○大川委員
 十二分にコンパクトではないかと思います。
 それから、評価点ももうその時点で既にICD室の許可を得た上で載せています。

○大橋委員長
 例えば上田先生のICFの活用とかありますし、いろいろあるんだけれども、何かせっかくこういう委員会があるので、基本的にWHOの方も動いているわけだから、絶対的なものはないにしても、現時点でこの委員会がオーソライズしたものが、それこそ共通テキストにしたいと思うんですけれども、東大出版会そのものでないとまずいですかね。

○大川委員
 恐らく、それとかなり違ってつくるのは結構難しいのではないかという気がするんです。

○大橋委員長
 どうしましょう。少しご検討いただいて、次回のときにでもその辺はまとめて出せるものは出したいなという思いもしているんですが、そういうものを出す方向で検討するということについてはよろしゅうございますか。

○大川委員
 今、思ったんですが、正しく啓発しようという目的ですね。そうであれば、やはりリーフレットはかなり類似したものしかつくれないと思うんです。

○大橋委員長
 イメージが、一番手っ取り早くて、目を通しやすくて、ぶれないようなものというのを何か整理しておきたいなということです。いずれは何か座右の書になるようなものがあって、ICDと同じように従事者が論議をするときに、必ずそこに立ち戻って考えてくれるようなものがあれば、統計資料としても使えるかなという感じもするんですよ。何かその辺のスタイルが非常にリーフレット的なイメージと統計資料的にも使えるものと、私自身の中にまだ固まっていないんですが、その辺を少し検討させていただきたいと思います。

○佐藤(久)委員
 今、WHOのICFのホームページにビギナーズガイドという10ページぐらいのものがあって、やや古くなったということもあって、オーバービューという文書がほぼ新しくつくり変えようとしています。そういうものを翻訳して、日本でも紹介するだとか、それからタスクグループ1がガイドラインでしたか、統計に使う場合と実践的な分野で使う場合で、ICFの活用のガイドラインというものをつくっていて、もう3年ぐらいになりますが、ようやく固めようということで、今度トロントでは大体最終版が出るのかなと思います。そういうものの翻訳、紹介とかというのも一方でやるといいのかなと思います。

○大橋委員長
 わかりました。
 それでは、次回、その辺は少し固めさせていただきますので、今日はその方向で、何しろ厚生労働省がきちんと関与をした形で、国の関与を明確にした形で、内需的にはこの委員会の承認を得たようなものが出せればなと。同時にそれは広く普及に活用できるものと、先ほど述べましたように、同時にICD—10ほどではないんですが、とりあえず統計的にこういうところがあるねと立ち戻ってもらえるようなものも考えたいなと思っております。後ほどいろいろ意見をお聞きするかもしれませんが、今日はそのところでとどめさせていただくことにしたいと思います。
 では、一応用意したものは以上でございますが、皆さんの方から何かありますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、今日はこれで閉じさせていただきます。お疲れ様でございました。ありがとうございました。


(了)
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