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2010年8月26日 第1回インジウムの健康障害防止措置に係る小検討会

○日時

平成22年8月26日(木)14:00~


○場所

経済産業省別館827号会議室


○議事

〇寺島化学物質情報管理官 それでは、定刻になりましたので、検討会を開催させていただきたいと思います。
 本日は、皆様方、大変お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございました。ただいまから第1回インジウムの健康障害防止措置に係る小検討会を開催いたします。
 それでは、本日第1回ということですので、ご参集の委員の先生方をご紹介いたします。
 慶應義塾大学の大前先生です。
〇大前委員 大前です。よろしくお願いします。
〇寺島化学物質情報管理官 九州大学の田中委員です。
〇田中(昭)委員 田中です。よろしくお願いいたします。
〇寺島化学物質情報管理官 十文字学園女子大学の田中委員です。
〇田中(茂)委員 田中です。よろしくお願いします。
〇寺島化学物質情報管理官 慶應義塾大学の中野委員は、ちょっとおくれていらっしゃいます。
 早稲田大学の名古屋委員です。
〇名古屋委員 名古屋です。よろしくお願いします。
〇寺島化学物質情報管理官 それでは、早速ですが、座長の選出をさせていただきます。
 どなたかご推薦はございますでしょうか。
                 (特に発言なし)
〇寺島化学物質情報管理官 特にないようですので、事務局としましては大前委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                 (異議なし)
〇寺島化学物質情報管理官 ありがとうございます。
 それでは、大前先生におかれましては、座長のお席にお移りいただけますでしょうか。
                 (座長席に着く)
〇寺島化学物質情報管理官 それでは、以下の議事進行につきましては座長にお願いいたします。
〇大前座長 それでは、座長を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 この会は、結構短い期間でタイトな状態でやる会でございますので、どうぞご協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります前に事務局のほうから資料の確認をお願いいたします。
〇寺島化学物質情報管理官 それでは、資料ですが、議事次第の裏面に配付資料一覧がございます。資料1—1は、化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会の開催要綱をおつけしております。資料1—2としまして、インジウムの技術的指針の策定について、資料2—1としまして、技術指針の検討項目(論点)というもの、それから資料2—2としましては、平成16年に出しました当面の曝露防止対策の通知、そして資料3としまして、作業環境管理における基準値についての事務局案、資料4としまして、今後の予定、1枚紙をおつけしております。参考資料としまして、参考1に初期リスク評価書、参考2にインジウムに係るリスクコミュニケーション会合の資料、それから参考3としまして、インジウム及びその化合物の取り扱いに関する緊急アンケート調査結果ということでおつけをしております。ご確認をお願いいたします。
〇大前座長 おそろいでしょうか。よろしゅうございますか。
                 (特に発言なし)
〇大前座長 それでは、早速本日の議題に入りたいと思います。
 インジウムの健康障害防止のための技術指針案の検討ということで、初めに本検討会の目的及びインジウムの健康障害防止のための技術指針案の策定の経緯につきまして事務局のほうから説明をよろしくお願いいたします。
〇寺島化学物質情報管理官 そうしましたら、資料1—2の技術的指針の策定のほうからご説明をさせていただければと思います。
 まず、このインジウム・スズ酸化物ですが、きょうお集まりの先生におかれてはご承知のことかもわかりませんけれども、第1回ですので、説明をさせていただきます。インジウム・スズ酸化物につきましては、テレビやパソコンの電極の原料として使用されているものでして、1枚めくっていただくと、ITOのライフサイクルということで、亜鉛鉱から抽出されてインジウムの地金になって、そこから酸化インジウム、そしてITOターゲットという板状のもの、それからガラス板に蒸着させて透明電極になると。そして、そのライフサイクルの中で成形加工あるいはリサイクルが行われていると。そういった作業の中で曝露作業があるという説明の資料です。
 こういった形で使われているわけですけれども、戻っていただきまして、平成16年に液晶の製造工程においてITOの粉じんを吸入した作業者が肺疾患を発症するという労働災害が発生したため、平成16年7月に行政通知を出しております。そういったことを通じまして、曝露防止対策の徹底を求めてきているところです。同時に平成21年度には、インジウム及びその化合物としまして少し広い範囲でリスク評価を実施してきております。この結果、複数の事業場において比較的高いインジウム濃度が確認されたということで、詳細なリスク評価に移っているという状況にございます。
 他方、ITOを取り扱う企業グループの出資により動物実験が行われておりまして、その動物実験の結果、低濃度の吸入曝露によって発がんが認められたということでございます。このため、いろいろな方策を講じてきているわけですが、健康障害防止対策の導入ということで、これまでの対策を加速するために技術的指針というものを策定することとしたものです。検討方針としましては、このような作業環境管理の濃度基準であるとか検診項目、それから保護具等、そういったものを予定しております。スケジュールとしまして、きょうを第1回としまして、9月中めどぐらいに三、四回開催させていただいて、上記の項目についてご検討いただくこととしております。このほか、事業者のほうから取り組み状況、技術的課題等を聴取して検討を進めることとしております。
 ということで、技術的指針の策定の状況については以上なのですが、その検討に当たっての枠組みといたしまして、資料1—1のほうをごらんください。厚生労働省の化学物質評価室のほうでは、リスク評価ということで、多様な化学物質についてリスク評価を段階的に進めてきておりますが、その枠組みとしまして、リスク評価に係る企画検討会というものと、それからリスク評価検討会というものと、それからこの健康障害防止措置に係る検討会という、この3段階がございます。企画検討会は全体の枠組みといったものをリスク評価するというものですが、リスク評価検討会はその実際のリスクの評価をするもの、そして健康障害防止措置に係る検討会はそのリスク評価を踏まえた健康障害防止措置の検討をする検討会という位置づけになっております。この趣旨、目的のところにありますように措置の検討を行うのですが、申しわけありません、ちょっとこの資料に間違いがございまして、1、趣旨、目的の一番下の行、曝露防止措置、作業環境測定、健康診断等の健康障害防止措置とありますけれども、作業環境測定の特に濃度基準の部分、管理濃度の部分、それから健康診断については別途別の検討会で検討することとしておりますので、この検討会からは、作業環境測定から健康診断のところまで削除をお願いいたします。
 それから、そういった形でこの健康障害防止措置検討会というものを設置しておるわけですが、位置づけがそういった形になっておりますので、この検討会の枠組みを利用して、今回のインジウムの技術的指針の検討につきましてもこの検討会の下に置く形で進めさせていただければと思っております。健康障害防止措置の開催要綱にもありますとおり、対策の分野に応じた小検討会を開催することができるとされておりますので、その枠組みを使用して今回お集まりいただくこととしたということでございます。それから、4のその他の(2)にございますところの労働衛生課環境改善室というところもあわせて削除をお願いいたします。そして、この検討会の参集者名簿としまして、先ほどご紹介いたしました5人の委員の先生方の名簿をおつけしております。
 以上です。よろしくお願いいたします。
〇大前座長 今の資料1—1、それから1—2のご説明につきまして、ご質問、ご意見いかがでしょうか。
                 (特に発言なし)
〇大前座長 資料1—2の趣旨の上から2行目、平成16年に液晶の製造工程等とありますけれども、これは液晶ではなくてITOの製造工程ですね。
 そのほか何かご質問、ご意見よろしゅうございますか
                 (特に発言なし)
〇大前座長 それでは、今の点を修正していただきまして、また次回の検討会に資料提出をお願いいたします。
 それでは続きまして、資料2—1の技術指針の検討項目の論点につきましてご説明をよろしくお願いいたします。
〇寺島化学物質情報管理官 資料2—1と2—2につきましてご説明いたします。
 資料2—1の技術指針の検討項目(論点)というものをごらんいただきますと、本検討会で、先ほども若干触れましたけれども、検討いただく予定の事項につきましては、大きくこの1から4の4つの項目ということになります。まず、1としましては、作業環境管理及び作業管理としまして、その曝露の防止措置ということで、具体的な発散抑制措置であるとか、作業工程の改善であるとか、それからその他の作業環境管理の部分につきまして、実情、事業者の皆様方のご意見等も踏まえながら、とういった措置が可能であって、しかもリーズナブルであるのかというところをご検討いただければと思っております。
 それから、(2)としまして、作業環境測定と管理すべき濃度基準ということですが、これは作業環境測定そのものの頻度であるとか方法であるとか、それから最も重要となります管理濃度に見合うようなもの、管理濃度ではありませんけれども、管理すべき濃度基準というものについてご検討いただければと思います。(3)としましては、適切な保護具、どういったものが適切であるか。(4)としまして、健康診断とその事後措置について。この大きく4つについてということでお願いしたいと思います。
 指針のイメージとしましては、旧通知をベースとして策定を事務局のほうとしては考えておりますけれども、新通知のほうをごらんいただきますと、まず最初に対象物質の概要が来まして、その次に2としまして、1ページの下のほうの欄にありますように、作業環境管理、作業管理の項目としまして、次のページをめくっていただきますと、設備に関する措置ということで、例えばとありますが、どういった措置が可能であるのか、事業者それぞれが取り組むに当たってのマニュアルとなるようなものをできればというふうに思っております。
 それから、(2)としまして、作業管理とありますけれども、実際のハード面だけではなくて作業の管理についても何らかのこちらからの指針を示したいということです。特に特殊作業、清掃作業については、前の通知でも触れておりましたけれども、ここの部分も重要になってくるかと思うので、そこについても作業管理の具体的なところを記載していきたいと思っております。
 それから、(3)としまして、作業環境測定ですが、前回の通知のときに、6カ月に1回であるとか、0.1ミリグラムパー立方メートルというようなものがございましたので、この辺の具体的な見直しについてご検討いただきたいということでございます。
 それから、(4)としまして、呼吸用保護具ですが、ここに例えばというふうに記載させていただいたのは、本当にこちらのイメージというような形ですが、呼吸用保護具の部分についてご検討を改めてお願いしたいと。そして、健康管理については、健康診断ということで、次回以降、項目についてもご検討いただければと思っております。ということで、教育の部分は上に見合った形で直していくことになろうかと思います。
 というようなことで、技術指針全体の項目については以上のようなところです。ご検討よろしくお願いいたします。
〇大前座長 資料2—1が案でございまして、資料2—2は前回の平成16年のときの指針が載っております。ここでいう旧通知というところになります。それで、指針のイメージが1番から先ほどの教育のところまでですか。1番から健康管理、それから労働衛生教育まで3つあるわけですけれども、これは順番に少し見ていただきましょうか。きょう初めて見られる方も多いと思いますので、まず最初には1番の対象物質の概要のところでございますが、新通知の案は、ここにあるようなことが記載してございますけれども、ご意見いかがですか。
〇田中(昭)委員 これは、今の時点でこれを追加するとかしたほうがいいということを言ったほうがいいのでしょうか。
〇寺島化学物質情報管理官 具体的には、先生方のご意見を踏まえ、こういう項目も入れたほうがいいということであればもちろん入れますし、現在のイメージとして、そのほうがイメージしやすいかなということで記載したあらかたのものです。
〇島田化学物質評価室長 ですので、今の段階で大くくりとして、もっとこういう部分を入れておく必要があるというふうなご意見は今いただきまして、これからの検討の中で、項目として1つ設けたほうがいいとか、そういう細かなものについては、改めて検討の中でも加えることは可能だと思いますので、今回から大体4回ぐらい検討させていただく中で抜けがあってはいけないというふうなことで、そういうものがあればご指摘いただければというふうに思います。
〇田中(昭)委員 例えば今の時点で塩化インジウム等を入れてもよろしいのですか。
〇島田化学物質評価室長 全体的にインジウムの工程の中で、私ども事務局のイメージは、前回の通知自体がITOの作業というふうなことになりましたので、その中に入れるべきものがあれば入れたほうがいいかなというふうなことでございます。塩化インジウムがITOの製造過程で使われているようなことがございますでしょうか。
〇田中(昭)委員 リサイクルの工程で使われていると聞いています。リサイクル工程で金属インジウムのインゴットになります。その作業者の血中インジウム濃度を測定しておりまして、多少の血清インジウム濃度の増加は認められますので、現時点で対象物質に入れておければ入れたほうがいいのではないかと思います。
〇大前座長 もう一つ、今の段階でITOの製造工程、あるいはITOのリサイクルだけに限っていいものなのかどうかということがあると思うのです。要するに、メタルはちょっとよくわかりませんが、インジウム化合物全体、インジウムのどういうあれであれ、例えばインジウム燐はこの中に入っていませんし、それから太陽電池に使われるタイプのインジウムの化合物も入っていないので、ITOに余りこだわらないほうがよろしいのではないかと僕は思うのです。インジウム化合物取り扱い作業みたいな広げ方をしたほうがよろしいのではないかと思うのですけれども、いかがですか。
〇島田化学物質評価室長 先ほどご説明を申し上げた資料1—2でございますけれども、ページを打っておりませんが、3ページのところにございますが、ITOによる労働者の健康障害防止の対応というふうなことで、今後の対応というふうなところを見ていただければと思うのですが、一番下のほうでございますが、平成22年度は、先ほどご紹介しましたように詳細リスク評価というふうな段階にございます。これは、ITO作業にこだわらず全体的な検討をしておりますので、もちろんこの中でも今言われたようなインジウム燐なんかも含めて評価の対象になってございますので、包括的なものはそこでできるとは思いますが、ITOの作業の通知を見直すということをファーストトラックでやるとした場合には、それに限ったほうが効率的かなというふうな事務局の判断ではあったのですが、どうでしょうか。ですので、22年度のリスク評価及びその後に来ます健康障害防止対策のほうでは全体を扱う形にはしておりますけれども。
〇大前座長 それでは、1以外の2のところ、例えば作業環境管理及び作業管理、これは前回の通知と同じ文章が1ページには載っております。それから、その次の(1)ですけれども、例題が載っておりますが、基本的にはア、イ、ウ、エ、オは現在と同じということになろうかと思いますが、ここら辺ご意見いかがですか。
                 (特に発言なし)
〇大前座長 それから、その次の(2)は新たに加わった部分で、作業管理のところ、前回の通知にないところを加えたということですけれども、いかがでしょうか。
〇名古屋委員 作業の実態に合っているかどうかは別にして、大体ほとんど網羅されていますよね。これで多分大丈夫ではないかなと思います。
〇大前座長 大体これでほぼ網羅していると。
 それから、その次の作業環境測定のところは、管理すべき濃度基準は前回が0.1でございますけれども、それはこれから議論して変更するということで、これはよろしゅうございますよね。0.1が高過ぎるのは多分間違いないことだと思いますので。
〇名古屋委員 このときに0.1というのは、インハラブルな0.1なのか、吸入性粉じんが0.1なのかということは議論されているのですか。
〇大前座長 このときは、ACGIHの数字をそのまま持ってきていましたので、あれはトータルの数字ですよね。トータルベストだと思います。
 それから、評価結果に基づく措置は、これは前回の指針から検討していくということで、これから決めようということでございます。それから、今新しくつけ加わったところで、作業環境測定、個人曝露測定結果の記録を30年間というのが前回にはなかったところになります。
〇名古屋委員 ちょっとお聞きしたいのですけれども、多分作業環境測定は作業管理と結びつきますよね。でも、作業管理になってくると多分曝露測定になってきますよね。そうすると、例えば作業環境管理のときのとり方というのは多分総粉じんでとっているのだけれども、日本って総粉じんの面速で規定していないから、そうすると30で引くのか10で引くのか20で引くのかで違いますよね。曝露で引いたときと当然違ってきますよね。だから、ニッケルと同じように面速でいくという形の引き方をこれからしていかないと。これは、環境で決まるのではなくて、管理のほうで決めるのだと思うのですけれども、そういう引き方をしていかないと、どこかで整合性がとれなくなってしまって、違う結果になってしまうのかなという気がするのです。だから、その辺もあわせてこれから粒子については検討されていったほうがいいのかなという気がしました。今までどちらかというと、管理濃度の10分の1を10分間という分析のほうでいっているから、30リットルになったり10リットルになったり20リットルになっていますけれども、これからはインハラブルを意識した形の面速で測定を規定していかなければいけない時代に来ていると思うので、そこをどちらにするのかなと。曝露濃度も面速で規定しておけば比較的楽ですので、そこのところはあると思います。
〇島田化学物質評価室長 現在の測定に関しては、私どもの初期リスク評価、参考1の資料の最終ページに測定法が載ってございます。ここには、個人曝露測定が最後から1つ前の24ページでございます。それから、作業環境測定のほうは25ページのほうに載っております。今の名古屋先生のご指摘を踏まえて検討し直さなければいけないのではないかというふうな状況でございまして、ここで個人曝露測定なんかをとっている場合には、これは総粉じんで押さえているような状況でございますので、作業によって粒子の大きさが違っているというふうなお話も聞いておりますので、これについては次回そのあたりの資料を提出させていただいて、ご検討いただければというふうに我々としては予定しております。
〇名古屋委員 インジウムに関しては、吸入性粉じんまでは突っ込まなくても大丈夫なのですかね。ニッケルのように生体域を考えると上気道なのだけれども、インジウムは肺の中ですよね。そうすると、総粉じんで議論しておく。トータルではなくて、吸入性粉じんまで突っ込んだ話にしておくかによって随分測定方法も変わってくるし、評価も変わってくると思うのです。その辺のところもここで議論したほうがいいですよね。
〇島田化学物質評価室長 時間的な余裕がどのくらいあるかわかりませんが、インハラブルのみならずレスピラブルな粉じんも議論しなければいけないのかなというふうに思っております。
〇大前座長 そこら辺は、次回あるいは次々回のところで資料を出していただいて、詰めていただきたいと思います。たしかリスコミのときにも、割と粒径が大きいところの作業場では血中のインジウムが余り上がらないというのがありましたので、重要ですよね。
 それから、4番のところ、呼吸用保護具のところは、前回と違いまして、原則としてすべての作業において使用したらどうかと。濃度が0.001達成できてもやったほうがいいと。0.001は、多分これは例示でして……
〇寺島化学物質情報管理官 済みません。これは、上の議論があってからの話だとは思います。こんな感じかなということです。
〇大前座長 この数字は、例示として見ていただきまして、ある数字が決まったとしてもマスクはしたほうがいいと。あるレベル以上だったら絶対しなさいというような形でここでは提案されているということですね。
〇田中(茂)委員 曝露限界、あるいはその基準値ですかね、どこまで下げようとかというところが決まってくれば、その濃度に対してどのマスクを選定するかというようなことで提案したいと。前回ナノマテリアルでフローシートをつくったのですけれども、現場の方々がわかりやすいような形を含めてフローシートをつくって提案をしたいというふうに思っております。
〇大前座長 それから、最後の4ページのところですけれども、大きな項目で健康管理を新たに加える、それから労働衛生教育の中に技術的指針を入れるということですが、健康管理に関しましてはこれからまだディスカッションもあると思いますけれども、こういう大きな流れで今1ページから4ページまで、中の詳細はともかくといたしまして、流れとして全体を見ていただいたのですけれども、この中で何か抜けているものはございますでしょうか。大きな項目として加えたほうがいいというようなことがございましたら。
                 (特に発言なし)
〇大前座長 おおむねこんなもので抜けはないですかね。あとは、個々の詳しいことはまたそれぞれの回で詰めていくということになろうかと思いますけれども。
〇島田化学物質評価室長 事務局として1点、これと別途にまたご検討をしていただく必要があろうかなというふうに思っておりますので、ご検討いただければと思うのが1つございまして、それは風評対策というふうなことでございまして、非常にこのインジウム・スズ酸化物は広範な使用用途がありますので、事業場あるいは事業場間の取引というふうなもののほかに一般のユーザーの方に対するメッセージというふうなものがあわせて必要ではないかなというふうに思ってございます。ということで、この技術指針とは別にそういうものについてもできればご検討いただけないだろうかなというふうに思っているのですが、いかがでしょうか。
〇田中(昭)委員 一般のユーザーといいますと、どうなるのでしょうか。ITOを製造している次のところになるのでしょうか。それとも、いわゆる一般消費者ということになるのでしょうか。
〇島田化学物質評価室長 一般消費者の方々に対する影響というのも出てくる可能性があるなというふうに思ってございます。というのは、液晶を壊してしまって、それを片づけただけでこの被害が及ぶのではないかというふうに勘違いされる方がいらっしゃるものですから、肺に継続的に吸入されたことによって問題が起きるというようなメッセージがないと、もしかしたら一般ユーザーの方が、非常に液晶というのは悪いものである、あるいは液晶を扱っている企業、これは相当悪いことをしているのではないかというイメージがあると困りますので、そのあたりのメッセージを出せれば、我々としてもありがたいなというふうに思っております。
〇田中(昭)委員 いわゆる企業向けではないのですね。液晶を製造しているテレビなどのメーカーではないということですか。
〇島田化学物質評価室長 企業間で取引がある場合に、そういうことというのは起こりやすいのでしょうか。つまりITOをつくっているメーカーさんからほかのユーザー側にそういうものをお渡しするときに、これというのは危ない物質ですよねというようなことで、十分な認識なく流通を少し阻害するようなことになってしまっては私どもとしても困るものですから、そこに同じような風評被害があれば、そのあたりは明確にしておく必要があるかなと思っているのですけれども、いかがでしょうか。
〇田中(昭)委員 温度差はあるとは思いますが、ITO吸入による障害を全く知らないメーカー、例えば液晶テレビやプラズマテレビを製造しているメーカー自体は多分曝露する機会がないので、温度差があるのではないかなと思います。あと、タッチパネル等でも使われていまして、タッチパネルメーカーではかなりご存じないところがあるのではないかなと思います。
〇島田化学物質評価室長 実は、参考3という資料がございますけれども、過去にリスクコミュニケーションの席上でもお配りをさせていただいたものでございます。これに対して、一番後ろから2枚目に問い12というのがございまして、対策を推進する上で国に望むことは何ですかというふうなお問いかけをさせていただいております。この?Cのところに、いわゆる風評被害対策について、特に液晶画面のユーザーの安全に関し、懸念が生じないようPR等を行うことというところで、アンケートのうち回答していただいた会社10社がこれにチェックをしていただいているというふうなことでございますので、場合によっては事業者の方に真意をお聞かせいただいて、そのあたりで国として混乱が起きないようなメッセージを検討していただくことが重要ではないかと思っております。
〇大前座長 資料2—1に加えて、今の風評被害についても何らかのしっかりしたメッセージを出すと。テレビは大丈夫だよと、端的に言えば、そういうことをしっかりこの中に入れていくということだと思いますけれども、それはよろしゅうございますか。
                 (異議なし)
〇大前座長 そのほかいかがでしょうか。
                 (特に発言なし)
〇大前座長 そうしますと、この技術指針のタイトルというのは、やはり前の指針と同じように、インジウム・スズ酸化物等の取り扱い作業における何とかという形になるわけですか。
〇島田化学物質評価室長 事務局としては、4回の検討会でやるとすれば、ターゲットをインジウム・スズ酸化物の取り扱いに絞ったほうがいいかなと思っておりますけれども。
〇大前座長 今回のこの4回の小検討会に関しては、それにとりあえず絞って、早く急いでつくってしまうと。今詳細評価をやっていらっしゃいますので、その結果を見て、ひょっとしたらまた少し対象を拡大するとか、そういうこともあり得るという考え方でよろしゅうございますか。
〇島田化学物質評価室長 そういうことでございます。また、この小検討会のネーミングも決してITOに絞っているわけではございませんので、必要があれば再開をさせていただいて、またご検討いただくことはあり得るかと思います。
〇大前座長 そのほか何かご質問、ご意見、この2—1あるいは2—2に関しましていかがでしょうか。
                 (特に発言なし)
〇大前座長 特にございませんようでしたら、中身の詳細に関しましてはまたこれからこの小検討会で詰めるということになりまして、そのたびごとに事務局からのほうからは必要な資料が出されてくると思いますので、きょうのこの論点に関しましてはよろしゅうございますか。
                 (異議なし)
〇大前座長 それでは、もう一つの資料になりますけれども、作業環境管理における基準値についてということでございますが、事務局より説明をよろしくお願いいたします。
〇寺島化学物質情報管理官 そうしましたら、資料3ですが、説明をさせていただきます。
 作業環境管理における基準値ということで、先ほどもご説明いたしましたけれども、平成16年の通知の中では0.1ミリグラムパー立方メートルということで、インジウムとしてというのが示されております。これは、ACGIHの1969年の値ということになります。一方、この値を使いまして、昨年度の結果としてまとめました初期リスク評価書でも0.1ミリグラムというのを2次評価値として採用しているという状況ですが、ITOの長期発がん性試験の結果では、LOAELが0.01ミリグラムパー立方メートルとなっており、評価値を検討する上では、より低いレベルで基準値を検討する必要があるということです。しかしながらということで、長期LOAELをもとに基準値を試算すると極めて低い値となると。
 後ろのA3の表になるのですけれども、A3のほうの表をごらんいただければと思います。今申し上げましたとおり、ITOの通知における濃度基準値ですけれども、この表において1次評価値、2次評価値とあるのは、リスク評価検討会のリスク評価の手順の中で決まっております1次評価値と2次評価値の決め方についてのものですが、一番下にありますように、1次評価値は、労働者が毎日その物質に曝露した場合に1万人に1人過剰発がんリスクということで、発がんのリスクが高まる濃度ということにされております。1万人に1人、10のマイナス4乗のリスク濃度と。2次評価値については、毎日その物質に曝露した場合に労働者が健康に悪影響を受けることはないであろうと推測される濃度というふうにしております。これは、1次評価値のほうが主要発がん性のみ評価をしているのに対しまして、2次評価値のほうは、ACGIHでもそうですけれども、発がんレベルのみならず、皮膚腐食性であるとか神経毒性ですとか、そういった多種多様な毒性をもとに、一番リスクが高いと思われている濃度によって計算されているものでございます。
 ITOの通知は0.1ということなのですが、初期リスク評価書もそこでとっているのですが、ITOの長期発がん試験のところ、まず1次評価値のところをごらんいただければと思います。10のマイナス6乗ミリグラムパー立米というのが1次評価値として試算で出ておりますけれども、この数字の根拠としましては、最低毒性量であるところのLOAELが0.01ミリグラムパー立米。9.7ミリグラムのところの横の欄を見ていただきますと、0.01ミリグラムに不確実性係数の1,000分の1を掛けまして、労働補正ということで2つほど数字を掛けまして出てきた値です。
 その下にもうちょっと詳細が書いてありますが、LOAEL0.01の最低毒性量をエンドポイントとして採用しまして、不確実性係数としましては、LOAELから毒性量への変換として10、そして動物実験であるということで、人への種差として10、そしてがんの重大性ということで10とりまして、不確実性係数を1,000としております。この1,000を根拠にしまして、また労働補正としましては、6時間曝露であるのを人の労働時間に換算しまして8時間、そしてがんの生涯の発生というのに、労働現場であれば、労働の年数のみであるということで補正をしまして、45分の75ということで、ここから計算しますと、1次評価値、がん原性によるところの1万人に1人の過剰発がんリスクの部分ですけれども、9.7掛ける10のマイナス6乗ミリグラムパー立米という数字が出てまいります。
 一方、斜め上の5.6のところが書いてある欄をごらんいただきますと、これは腫瘍以外の変化についての毒性量からリスクレベルを試算したものですけれども、同じようにLOAELから不確実性係数と労働補正を行いまして、リスクレベルとして、インジウムとしては5.6掛ける10のマイナス5乗ミリグラムパー立米という数字を試算しております。不確実性係数としましては、LOAELからNOAELへの変換として10、そして種差として10、こういったことでとっております。いずれにいたしましても、非常に低い値かなということでございます。
 その下に参考としてございますのは、インジウムとしての10のマイナス4乗過剰発がんリスクということでございますが、これは初期リスク評価において閾値ありと判断されていますので、参考値ということになります。ユニットリスクのところから摂取量換算ということで、人とラットの差で摂取量の換算を行いまして、労働補正を行った結果、導き出されている過剰発がんリスクがインジウムとして1.4掛ける10のマイナス5乗ミリグラムパー立米ということになります。ということで、LOAEL、NOAELの値から導き出される濃度基準としましては、試算ですけれども、こういった5.6掛ける10のマイナス5乗というような値が試算できるのではないかということです。
 1ページ目、前のページに戻っていただきまして、このような形で許容曝露濃度を試算すると極めて低くなってしまうと。この値をもって作業管理を行うように要請するということは非常に困難が予想されるので、この値をどのようにして評価するか、どのような値を採用するのかというのが問題となるわけでございます。そういった状況の中、作業環境管理における評価値の設定においては、有害性に係る最新の情報であるとか、事業者の取り組みの動向、それから測定分析技術レベル、それから保護具等を併用すればまた変わってくるだろうということで、そういったところを総合的に参酌して基準値を定める必要があると考えております。本日は、事務局としましては、この場で直ちに基準値を設定していただくということではなくて、検討の進め方、基準値の求め方についてご検討をいただければと思っております。
 以上です。
〇大前座長 ありがとうございました。
 きょう決めるわけではなくて、どんなことを考えながら決めるかというようなことについてご意見をいただきたいと思いますが、いかがですか。
                 (特に発言なし)
〇大前座長 この間のITOの実験で、0.01ミリグラムパー立方メートルがLOAELであるという実験結果はラット……マウスもそうですよね。両方ですね。ラット、マウスともにLOAELとしては0.01であったという数字をもとにしまして、それで今試算を幾つかしていただいたわけでございますが、今まで単純に計算すると、5.6掛ける10のマイナス5乗だと非常に低い値になるというような試算値になるわけでございますが、さっきの動物実験の場合はレスピラブルサイズのラットを使っているということがありまして、恐らく現場では、レスピラブルも当然ありますけれども、それより大きなやつもあるだろうということで、この問題は1つあるかもしれませんね。0.01というレスピラブルサイズで全部決めるかどうか。ITOの場合は、例えば上気道にはほとんど影響はない、動物実験では。それから、ヒトのほうのデータでも、呼吸機能で上気道の閉塞の所見も、重症の方は別ですけれども、通常の方は余り見られない。濃度が低ければですけれども、そういう状況にあるので、粒径のことはいずれにしても考えなくてはいけないということになるでしょうね。
〇名古屋委員 1つ思うのは、ニッケルのときもそうだったのですが、ニッケルのときは初め0.1と0.2で検討していて、作業現場で0.2にしたのですけれども、比重がかかってくるので、曝露のときは0.2でいいのだけれども、場の測定に行ったときに0.2にすると早目に落ちてしまってイレギュラーするだろうということで0.1にしましたよね。そうすると、今回のリスクのときに思っていたのは、これ多分オープンでとっていて、平均が0.05だったのですよね。でも、オープンの中にどれだけ吸入性粉じんが入ってくるかによって濃度は違ってきますよね。そうすると、ただ単に作業環境測定の今リスク評価で出てきた値を見てみると、結構0.8とか高いのがあって、その内容というのが、オープンの中のどのくらいの割合が吸入性粉じんか何もわかっていないから、そこもわかってこないと、この濃度を吸入性粉じんで決めるのかインハラブルで決めるかによって濃度の設定が変わってきてしまうでしょう。粒子は、そこまで考えておかないといけないのかなという気がするのです。だから、単に0.01がいいかとかではなくて、そこのところの何が0.01でというのと、それから中災防さんにやってもらったリスク評価のときの値がどうだったのだろうかということもあわせて総合的に評価して濃度を決めていかないと。何をポイントにして濃度を決めるかということを決めていかないとまずいのかなと。今出てきているデータは、多分オープンのデータでしかないということですよね。吸入性粉じんのデータがどうしても欲しくて、その実態がどういう濃度なのかなと。オープンでとった濃度に近い濃度が作業場に浮遊しているのだったら、それは問題だろうし、あくまでもとってみたけれども、オープンでは多かったけれども、吸入性粉じんは比較的割合が少なかったとしたら、それはどうなのでしょうかと。粒子だから、ちょっと難しいかなと思うのですが、その辺のところを入れて、この後管理濃度を考えていくときも多分そうなってくるのではないかなという気がちょっとするのですけれども、いずれにしても毒性が高いから、低くせざるを得ないのだと思うのですけれども、かなり現場としては厳しい値であることは間違いないと思います。
〇大前座長 これは、詳細評価ではレスピラブルをはかることになっているのですか。あるいは、トータルでいくのか。
〇島田化学物質評価室長 実はそのあたりはことしの調査の課題になってございまして、中災防のほうには分粒をしていただく検討をしていただいておりまして、多分その方向で進めさせていただくことになると思います。
〇名古屋委員 今までの詳細評価がオープンでとっているので、粒子の大きなタッチと分粒をとったときは違いますよね。そこが出てこないと何とも言えないかなと。
〇田中(昭)委員 ミストの場合はどうなるのでしょうか。塩化インジウムは外れるかもしれませんが、今までの調査から、塩化インジウムを吸入された方が短期間で血清インジウム濃度が上昇することも経験しております。塩化インジウムはどのように考えたらよいのでしょうか。
〇名古屋委員 生体影響についてはよくわからないのですけれども、ただミストの測定方法が今日本にはなくて、たまたま厚生科学研で私たちがミストの測定方法はつくりましたけれども、ただミストが一律に測定できるわけではなくて、定性分析をして、そういう手法でミストだけを評価していいかということをしていかないといけない部分があるので、ミストと共存したときに、それが粒子にくっついているのかミスト単体なのかということでも測定方法が違うから、現場での測定方法をちょっと考えないといけないかなと。例えばカウンターだったら、オープンでとって、ある程度の加熱をすることによってミストとみなすと。それをミスト分として扱っていって、その基礎分析をしたときにそれをインジウムの濃度としてやるという形でミストの評価ができますけれども、それがいいかどうかちょっとわからない。今後とるときにどういうふうに測定したらいいかということ自体がまだわかっていないかもしれないと。
〇田中(昭)委員 塩化インジウム作業者から質問されて全くわからないので、どうするのかなと思っていました。
〇名古屋委員 おおよその見当はつくのです。例えば加熱して変化をしないぐらいの温度にしておいて普通に測定しますよね。その温度まで加熱すれば、蒸気性のものは全部飛んでいきますよね。それは多分ミストだから、ミストとして扱っていいよと。残りのものについては、若干ミストは残るけれども、それを分析できなかったら、それは期日不良としてのインジウムとして扱っていいのではないかなという形のミストの分析はできますけれども、その温度がこういうミストに対してどうなのかというのはきちんと検証していかないといけないかなと思います。だから、正確ではないけれども、ある程度の予測はつくと思います。
〇大前座長 この間の発がん実験のときに、悪性腫瘍が出てきたのは0.03以上でしたよね。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) 悪性腫瘍も含めた腫瘍としては0.01です。
〇大前座長 足しますと0.01なのですけれども、悪性腫瘍だけ見た場合は0.03以上ではなかったでしたっけ。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) 確かに悪性腫瘍もふえておりますが、統計的なものとしては悪性腫瘍と良性腫瘍を合わせたものということです。
〇大前座長 合わせたものですと0.01で、悪性腫瘍だけ見た場合ですと、たしか0.03ですよね。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) 悪性腫瘍単独では。
〇大前座長 そうすると、動物実験の場合は通常悪性と良性と両方足して腫瘍の発生を見るというのが一般的だと思うのですけれども、例えば悪性腫瘍だけ考えた場合は、0.03はもちろん出ますけれども、0.01はネガティブといいますか、ゼロに比べて統計的に出てこないとなると、0.01は悪性腫瘍でNOAELと言っていいのですか。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) 例えばNTP等の評価の中では、良性と悪性を合わせた場合という表現を使っております。そういう意味では、0.01に関しても移行するものと思っております。
〇大前座長 そうすると、動物では良性腫瘍が悪性化する、要するに良性と悪性とは同じメカニズムで起きてくるというふうな考え方でよろしいわけですか。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) そうです。
〇名古屋委員 そのときの0.01というのは吸入性粉じんなのでしょうか。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) 今回の実験の粒子の径としましては、MMADですけれども、0.01ミリグラムパー立米の場合が1.8ミクロン、それから高いほうの0.1ミリグラムパー立米が2.4ミクロンです。
〇名古屋委員 吸入性に近いですよね。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) ほとんど。
〇大前座長 もう一つは、動物の場合とヒトの場合と、吸入性のサイズというのは大体同じと考えてよろしいのですか。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) ラット、マウスの場合ですと5ミクロン以下ということなので、ヒトの場合は約10ミクロン以下なので、そういう意味では径は近いです。しかしながら、今回の粒径は多くの部分が吸入性というふうに考えていいと思います。
〇大前座長 少なくとも吸入性レベルのものに関しては、ヒトと大体パラレルと考えていいということですね。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) はい。
〇大前座長 そのほかご意見いかがでしょうか。
〇田中(昭)委員 今の吸入実験に関連しまして、血中濃度は測定できるレベルだったのでしょうか。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) 今回測定しておりますのは、ちなみに血中濃度ですけれども、曝露終了時について主にラット、マウスで測定しているのですけれども、ラットのほうで0.01ミリグラムパー立米の場合、平均で0.72マイクログラムパーリットルです。今のは雄です。雌の場合で0.97マイクログラムパーリットルです。あと、高いほうの0.03は平均が、雄が1.96、雌が2.10です。今回はかった中で一番高いところは3.04マイクログラムパーリットルです。
〇田中(昭)委員 もう一つ、上の濃度で見ると。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) その上の0.1は、26週のところで曝露をやめております。26週の時点での血中濃度は、雄で0.81、雌が1.60マイクログラムパーリットルです。そういう意味では、今の基準値に比べてかなり低いと思います。
〇大前座長 今の0.1は、26週時点での濃度ということですね。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) 26週時点です。
〇田中(昭)委員 経時的に観察されたのでしょうか
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) 血液量が余りとれませんので、投与終了時のデータです。
〇田中(昭)委員 今の日本産業衛生学会の生物学的許容値は、ヒトでいきますと3μg/Lですので、指標としてはその血清レベルの3分の1以下で肺腫瘍が発生しているということになりますよね。ヒトと動物の値をそのまま当てはめてよいのかというのもありますが。
〇大前座長 今出ましたご意見は、基準値をつくるに当たっては、その粒径の問題とか、それからLOAELの数字をどうとるかとか、そういうことを考えながら決めなくてはいけないと。
 ちなみに、動物実験の場合は測定するときはどうやってはかっているのですか。どういうサンプリングしているのですか。環境濃度といいますか、曝露濃度の測定というのは普通のパーソナルサンプリングみたいなものを。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) まず、濃度の管理に関しては、粉じん計と、それからあとOPCで測定して、確認のために定期的にフィルターでとりまして、そしてそれを化学分析している。両方のデータの突き合わせでやっております。
〇大前座長 通常のパーソナルサンプラーで使うような流速といいますか、それで通常の45ミリでしたっけ。
〇長野(日本バイオアッセイ研究センター副所長) 通常のものです。
〇大前座長 この場合は、粒径がほとんどそろっているわけですから、いいのですかね。
〇名古屋委員 要するに分布のあるものを使ってやっているわけではなくて、ある程度分布の幅の狭いやつを使っているから、それは多分全部吸入性粉じんでやっているから、モニタリングの際に相対のものを使っているよと確認するわけですよね。その点は大丈夫だと思います。
〇大前座長 そのほか今回の基準値の設定につきましてご意見は。
〇名古屋委員 リスク評価のときは、0.01でも平均値は問題なかったのですけれども、高い値が高くなったときに、それがオープンでとっているのでどうなのだろうと。多分平均値が0.05だとしたら、それをトータルとして合わせても全然問題ないのです、平均値に比べて総粉じんでいっても。でも、今度は最大部分のときの0.8とか1.幾つだとか、それがどのくらい吸入性粉じんをはかったときに0.1に近づくのか、もっと低いのかどうか、それがわからないと何とも決めにくいという気はしていたのです。ぜひ粒径の最小評価のときにそれが出てくるとありがたいなという気がします。
〇大前座長 そのほかいかがですか。何かご意見は。
                 (特に発言なし)
〇大前座長 よろしゅうございますか。
 それでは、一応この件もきょう全体を見ていただきまして、後で具体的にどう進めていくか、これはまたこれから先の話になろうかと思います。
 それでは、本日予定しておりました議事、資料3までは終わりましたので、最後に事務局より今後の予定をよろしくお願いします。
〇寺島化学物質情報管理官 資料4をごらんください。今後の予定なのですが、第2回インジウムの健康障害防止措置に係る小検討会は9月7日火曜日の午前中、10時から11時半を予定しております。場所は、この同じ会議室ということになります。このほか、済みません、ちょっと書いていなかったのですが、9月21日にも予定をしております。21日の午後2時から予定しておりますので、ご予定いただければと思います。
〇大前座長 それでは、第1回インジウムの健康障害防止措置に係る小検討会をこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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