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2010年4月13日 第5回がんに関する普及啓発懇談会

○議事


第5回がんに関する普及啓発懇談会議事録

 日  時:平成22年4月13日(火)9:30~11:41
 場  所:霞山会館「霞山の間」
 出席委員:中川座長、天野委員、塩見委員、関谷委員、永江委員、山田委員、
      若尾委員

○鈴木がん対策推進室長
 それでは、定刻となりましたので、ただ今より第5回がんに関する普及啓発懇談会を開催します。
 委員及び参考人の皆様方におかれましては、お忙しい中お集りいただきまして誠にありがとうございます。
 私はがん対策推進室長の鈴木と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は委員として、天野委員、塩見委員、関谷委員、永江委員、中川委員、山田委員、若尾委員にご出席いただいております。
 なお、衞藤委員、兼坂委員につきましては、本日日程のご都合がつかず欠席でございます。
 また、参考人として、竜沢勲さん、今村聡さん、北村善明さんにお越しいただいております。
 なお、上田健康局長につきましては、本日、国会用務のため欠席させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上、本日は委員7名、参考人3名で懇談会を進めさせていただきます。
 本日の懇談会につきましては、2部構成にして開催させていただきます。
 まず、前半の第1部、公開シンポジウムでは、韓国におけるがん検診の取組や我が国の民間企業におけるがん対策の普及啓発の取組、そして2つの検診団体におけるがん検診への取組に関するプレゼンテーションを参考人の皆様より行っていただきます。
 発表後は質疑応答の時間を設けておりますが、この質疑応答につきましては時間の許す限りフロアの皆様方からの質問もお受けしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、この公開シンポジウムにつきましては、カメラ撮影が可能となっておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、後半の第2部、懇談会におきましては、平成22年度予算の概要、がん検診に関する統計調査の概要、それと第1部の発表内容等を踏まえたフリーディスカッション等についてご意見をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、第2部のカメラ撮影につきましては、冒頭のみとさせていただきますので、ご了承をお願いします。
 それでは、開会に当たりまして、麦谷がん対策審議官よりご挨拶させていただきます。

○麦谷がん対策審議官
 おはようございます。先生方、どうも朝早くからご参集いただきましてありがとうございます。がん対策審議官でございます。
 がんの会議のたびに冒頭の挨拶をせよと言われて、もう中川先生は私のやつを何回もお聞きになって閉口されていると思いますが、同じ話をしております。
 実は、私はがん対策を担当するのは3回目でありまして、最初は20年前でがん研究費というのを担当しておりました。研究費というのは、今はいろんな事業仕分けとか予算で無駄を省けと、こういう大号令が行われておりますが、研究費だけは、これはやってみないと分からないんですね。研究は3年、5年、中川先生はよくご存じだと思いますが、やってみないと分からない。したがって、ほとんど無駄ですね。研究費の8割から9割が無駄ですが、この最後の1割、2割のぴかぴかのためにもうぐっと我慢してお金を出し続けると。インターネットも日の目を見るまでアメリカの産官学が一緒になって63年研究費を出し続けたと、こういう話ですから、こういうことじゃないとなかなか日の目を見ないものですから、結構無駄と言われてもやり続けることが大事だとささやかな抵抗を最近しておりますが、2回目のがん対策は老人保健課長のときで、これはまさにがん検診、どのがんを検診対象にしたらいいかというのを垣添先生に座長になっていただいて会議をやって、がん検診の対象を決めました。ここはなかなかやっぱりフェアで、垣添先生はご存じのとおり泌尿器科の専門ですから、前立腺がんをどうしても入れたいというもちろんお気持ちがあったんですが、入りませんでした。そこがなかなかフェアにやっていただいて、当たり前のことですが、今に至るまでもがん検診にその前立腺が入っておりません。
 それから、3回目が今回で、今回は多分、私も奉職30年ですが、これは最後のご奉公だと思いますが、がんの検診率50%以上に上げるようにしろと言われて辞令をいただきました。ところが、もらってみると全然上がる気配がないんですよね。これは何とかしようと思って、今、中川先生とも相談しておりますが、とにかく反対する人も山のようにいますが、何とか私の座っている間に50%達成したいと思っておりますので、ぜひ先生方のご協力をよろしくお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 ありがとうございました。
 以降につきましては、中川座長に進行をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○中川座長
 座長の中川でございます。
 審議官のお話、何回か聞かせていただいていますが、きょうが最も気合いが入ったお話でありました。大変意を強くいたしました。
 この懇談会では、委員の皆様をいわゆる「何々委員」ではなく「何々さん」と呼ばせていただきたいと思いますので、参考人の方々も同様に「何々さん」と呼ばせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
 それでは、まず最初に事務局より資料の確認をお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 まず、第1部の公開シンポジウムの資料といたしまして、事例の1「韓国が、がん検診受診率53%を達成した理由」というもの、それから事例の2「中外製薬におけるがん啓発の取り組み」、それから事例の3「日本医師会におけるがん検診の取組」、事例の4「日本放射線技師会におけるがん検診の取り組み」、これが公開シンポジウムの資料といたしましてご配布させていただいております。
 それから、第2部の懇談会資料といたしまして、これは資料番号の資料の1「がん対策の推進について」、平成22年度予算の概要、資料2-1から資料2-2、資料2-3まで3部、それと資料の3-1「がん検診50パーセント推進本部設置規程」、資料3-2が「平成21年度がん検診50%推進全国大会の概要について」、それから資料3-3が「がん検診企業アクション」についてというものが資料の3、それから資料の4-1「平成22年度がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間実施要領(案)」、それから資料4-2「平成22年度がん検診50%推進全国大会の実施について」という種類の資料を配布させていただいております。
 資料の不足がございましたら、お申出いただきたいと思っております。
 それでは、座長、お願いいたします。

○中川座長
 それでは、第1部の公開シンポジウムを始めたいと思います。
 最初に、「韓国が、がん検診受診率53%を達成した理由」、これは私ども、鈴木室長を含めて韓国に視察に行ってまいりました。この報告であります。これは私からさせていただきます。
 2月10日、11日にかけましてソウルに行ってまいりました。参加したのは、私やがんセンターの祖父江先生、それからそこにおられるがんセンターの若尾先生、それから鈴木室長と末政係長でございます。
 実は、韓国は検診受診率が高まっております。視察してまいりましたのは、韓国のがんセンターあるいは健康保険公団、これは後でお話ししますが、韓国は単一健保あるいは統一健保であります。健康保険者が1つである。これも非常に大きな強みかなという気がいたしますが、ご覧のように2004年38%程度であった検診受診率が毎年上昇していき、そして昨年度53.3%、ただこれは国が行っているがん検診と民間のがん検診と合わせたものということになっておりますが。
 実は、韓国は、後でご説明しますが、がん検診ブームと言っていい状態かなというふうに思っています。それは必ずしも、先ほど麦谷審議官が全ての検診の項目として何を入れるかということ、その中で我が国においては前立腺がんをあえて入れないということのお話がありましたが、全てのがん検診をやるとどういうことが起こるか。例えば今韓国の女性の中で最も多いがん、罹患数が一番多いがんは甲状腺がんであります。これはちょっと考えにくいですね。日本では乳がんが一番多い。そして、甲状腺は恐らくベスト10、恐らくでベスト10の中にも入っていません。ですから、日本では、あるいは欧米でもそうなんですが、ほとんど大きながんとは言えないんですね。しかし、韓国においては実は女性の罹患数トップ。これは特に民間のがん検診の中で乳がんの検診と同時に超音波検査で甲状腺を診る。これはアメリカの交通事故で亡くなった方を剖検といいまして、臓器を見てみる、検査してみる。そうしますと、60歳のアメリカ女性では甲状腺がんを持っている率は何%かというと、100%というデータがあります、100です。つまり、もうある程度の年齢になるとこの甲状腺がんというのは皆さん持っている。しかし、それはその方々の人生にはほとんど影響を与えないわけですね。ですから、全てのがんについて検査をやればいいわけではなく、こういった負の側面というのも出てくるので、これは我々も学んでおかなきゃいけないことかなというふうに思います。
 韓国で受診率が急増している理由はいろいろあるわけですが、先ほども少し申し上げた健康保険者が単一であります。国民健康保険公団、それから住民登録番号があります。日本で言う社会保険保障番号、議論が始まっていますが、これを利用したIT戦略が非常に功を奏している。それから、健康保険で賄われて、そして所得に応じて自己負担は無料ないしは1割という状況。そして、フリーアクセスというわけではないんですが、指定医療機関であれば、我が国で例えば風邪薬をどこでももらえるように、指定された医療機関でどこでも選んで検診が受けられる。それから、非常に分かりやすいパンフレット、そして訪問ないし電話による個別勧奨、これを保健所などが行っている。そして、がん登録もきっちりできているんですね。これはIT戦略ということと関係しますけれども、それからCMあるいはドラマ、こういったメディアががん検診を後押ししている。もちろん、ダイナミック・コリアと言われる、どんと国として一丸となって立ち向かうというか、そういった国民性も背景にあるかもしれません。
 これは若尾先生におまとめいただいたもの、今少しお話ししてきたことですが、もう一つ、たばこ税が、このたばこ税が国民健康増進基金という形でがん検診の費用負担に使われているということ、これも大きいかもしれません。費用負担はこんな形で、子宮頸がんは基本的に無料です。
 そして、これは韓国では所得の上位50%、下位50%によって分けています。医療給付というのはいろいろ生活保護に相当するような方々ですね。下位50%ないし医療給付の方に関しては自己負担はない。上位50%の方で一部のがんで1割負担があるということであります。
 そして、これが受診勧奨用のパンフレットです。ちょっと今日はお見せすることが、詳しくお見せできませんが、なかなかよくできている。
 それから、韓国政府のスポンサーシップによるがん検診の啓発のCM、これはなかなかいいんですね。本当に山田邦子さんに出てほしいようなものになっています。

(CM放映)

○中川座長
 なかなかおもしろいでしょう。結構の頻度で繰り返し放映されている。しかも、ちゃんと検診のことをよく説明しているんですね。これは大腸ですけど、こんな感じで。
 ですから、日本でACなんかもちょっとこういうニュアンスも考えていただいていいんじゃないか。
 それと、先ほど申し上げた住民登録番号、これはご承知の方も多いと思います。こういった形で生年月日あるいは出生時コードなどで生まれたときにもらうということ、これも非常にやはり大きいですね。IT管理が非常にしやすい。この公団、保険者が単一ですし、この住民登録番号があることによって非常にIT管理がしやすい。実際に保健所に行きますと、その地域で今年度受けるべき住民、がん検診を受けるべき方のリストが出て、そしてその中で未受診者をリストすることが簡単にできます。そうすると、あとは電話ないしは個別の勧奨ということができますので、こういった点では非常に韓国は進んでいる。この辺を見習うべきかなというふうに思っています。
 ただ、確かにこの住民登録番号と単一健保、IT管理が容易ということ、あるいはメディアが取り上げていることは大事ではあります。しかし、その背景には、やはり政府による国家プロジェクトとしての位置づけ、麦谷審議官がおっしゃった要するに政府としてこの問題をきちっと達成するんだ、今後2年です、2年後に50%達成するんだ、がん検診が大事なんだ、予防医療が大事なんだということを日本政府がはっきり打ち出していただくことが必要かなという気がいたします。
 以上です。
 それでは、今の私の話に関して、委員あるいはフロアの皆様、ご質問とかコメントとか何かございましたら。

○塩見委員
 日本と比べて急激に右カーブで伸びているんですが、検診のインフラはどうなんでしょうか。日本の場合、いつもそれが矢面に立ってくるんですが、例えば医師不足、検診機関、施設の不足だとか、それが間に合わないからなかなか受けられないというところが日本の事情としてあるんですけれども、韓国では伸びていく受診率に対して検診のインフラはどうそろえていったのかという、その辺はご覧になりましたか。

○中川座長
 ええ。直接見る時間はなかったんですが、がんセンターで随分そこは議論しましたね。精度管理はやっているんです。そして、がん登録データがありますから、精度管理についての結果がフィードバックができるんですね。そして、各検診機関にその通達は行きます。もちろんその個別の名前を出す出さないということはないんですけれども、そういったフィードバックシステムができているんですよね。ですから、その辺も、これはがん検診というのを単独で行うんではなくて、がん登録とリンクさせないとやっぱりうまく回っていかないですね。その辺は、そこにおいてその住民登録番号、これは非常に活用されていて、これはかなり根本的というか、インフラストラクチャーの違いが実感されましたですね。

○若尾委員
 若尾です。
 少し補足させていただきますと、その受け皿となっている多くはやはりかかりつけ医が受け皿となっていて、そこが、先ほど国家プロジェクトで取り組んでいるというお話がありましたけど、国家プロジェクト検診というような名前がついていて、それに登録をして、国家プロジェクト検診対応機関というような何か看板を、そこで簡単な審査があって登録が済まさせると、そこで看板を上げていいということになって、そうすると、フリーアクセスという、近いというお話がありましたけど、別に住んでいる地区はどこでも構わなくて、国家プロジェクト検診対応機関という看板が上がっているところに行けばどこでも受けられるというような形になっています。なので、医療機関側もその国家プロジェクト検診をやることによって受診者を受け入れるというインセンティブがありますし、中川先生がおっしゃったようにフィードバックがあって、実際の陽性率あるいは要精検率と出た方から最終的に本当のがんの方ががん登録でどのくらいいるかというデータが戻ってきますので、しっかりと精度管理ができるということで、強制的にデータを出すということでなくて、自主的にデータを出していただいているということなんですけど、それを出すことによって自分たちの精度管理ができるということで非常にうまく回っているような印象を受けました。

○中川座長
 ありがとうございます。

○塩見委員
 若尾先生、精検の受診率はどうなんですか、かなり高いですか。

○若尾委員
 それは最初、日本側と話が食い違っていたんですけど、なぜかと言えば、日本だとその精検受診率は非常に大事にしているんですが、韓国は余り精検の受診率というのは気にされていないんですね。いろいろ話を聞いていると、やっぱり精検でどうということじゃなくて、最終的にがん登録でがんか、がんでないかというのが分かるので、精検を受けていなくても、受ける受けない関わりなしにがんの発生が分かるということで、精検に対しては余り気を使っていないような状況でした。

○中川座長
 ありがとうございます。
 ほかに何か。
 韓国のがんセンターに行ったときに、しばらく前まではもう日本にみんな行っていた。日本のがんセンターにみんな皆学びに行っていた。ところが、最近行かなくなった。そして、ついにがんセンターから学びに来たという感じでかなり考えさせられました。はっきりそこはやっぱり認めざるを得ないですね。ただ、逆にさっき申し上げたようなちょっと過剰診断的な要素があってなかなか難しいですね。ちなみに、がん保険の加入率が7割に上っているんです、韓国は。その中で、つい二、三年前から甲状腺がんはがんに対する給付の対象から外れてしまったいます。それほどしかし検診というのは影響が大きい。しかも、やはり甲状腺がんと診断された方は基本的には甲状腺全摘をなさいます。ですから、がんというのは今大体2週間ぐらいで手術が韓国はできるそうなんですけど、甲状腺がんだけは3カ月、4カ月待ちになっているという、非常にそういう象徴的な問題もまたあって、そういったこともやっぱり学んでいく必要はあるんだな。
 山田さん、何かすごい怖い顔をされているんですけど、それは……。

○山田委員
 強制ではないのにみんな参加していくのは、やっぱりそのPRがうまいとか、そういう国民性とか、こういうのを上げたことだけなんですか。本当にそれで何かちょっと……、ああ、余計なことを言っちゃ駄目かな。

○中川座長
 いやいや、いいですよ。

○山田委員
 強制じゃないですね。

○中川座長
 ないんです。もちろんないんですよ。ただ、そのほうが得をするという意識はあるみたいですね。例えば韓国の医療費って基本的に2割ぐらいなんです、全体として、負担が。ただ、そのがんであるということを登録すると5%になるんだという話がありました。それと、そもそも韓国の国民は健康のデータがその公団に一括管理されているという意識があるので、もちろん法律があって、例えばがん登録も個人情報保護法の対象外であるということは規定されているわけですが、つまり自分のデータというのはもうそもそも国にあるんだという感覚、ですから怖がらないというか、もうそれを前提として当たり前としてやっているという感じはしますね。
 あと、この間の日韓共催のワールドカップなんかでも分かるような、やっぱりどおっと進むというところもある気はしますけどね。だから、逆にやっぱり少しその甲状腺がんのようなちょっと普通考えにくいような現象も起こるということです。

○永江委員
 先ほど流れたCMで見えたんですけれども、例えば大腸がんが50歳以上とか、子宮頸がん30歳以上というところで、対象となる、検診対象としてのがんの範囲は国際標準で日本と近いんですけど、対象年齢が少し微妙に違うのは、これはやっぱり発生とか、そういう罹患の国の状況の違いによるものなんですか。

○中川座長
 そうですね。ただ、あの韓国でやっているのが国際標準から大きくずれているとは思いませんけど、やっぱり韓国の中でのエビデンスから出てきているものだと思いますね。

○永江委員
 はい、ありがとうございます。

○中川座長
 さて、それでは、次ですけれども、中外製薬におけるがん対策の普及啓発事業の取組の紹介、中外製薬株式会社社会責任推進部社会貢献・広報グループの竜沢勲さん、お願いいたします。

○竜沢参考人
 おはようございます。中外製薬の竜沢と申します。よろしくお願いいたします。
 日ごろはCSRの仕事をしております。今日はこのような機会をいただきましてどうもありがとうございます。
 私のほうからは、当社におけますがん啓発の取組につきましてご紹介を申し上げます。
 その前に、当社の会社につきまして少しご紹介をさせていただきたいと思います。
 当社は、2002年にスイスに本社を置きますロシュという会社と戦略的に提携を結びました。その結果、豊富なパイプラインあるいは研究開発のインフラの強化、さらにはロシュの販路を活用した世界市場へのアクセスが可能となりました。ロシュグループの傘下に入り子会社になったのですが、経営の独自性を維持しているという特徴があり、新たなビジネスモデルというふうにとらえていただいています。
がん領域につきましては、一昨年に、国内市場におきます抗がん剤のシェアがトップになりました。そんなところから、非常に世の中からの期待、あるいは責任は、非常に大きなものがございます。という中で現在中外製薬としましては、患者さんが希望を持って前向きに立ち向かえるがん医療の実現というビジョンを掲げ、ご覧のような3つのミッションに取組んでおります。
 まず、1つ目でございますが、革新的で有用な医薬品と情報の継続的な提供により、がん医療の質の向上に貢献をしたいと思っております。ここのところにつきましては、本業ということになろうかと思います。2つ目でございますが、患者さん中心のがん医療の実現のために、標準治療の普及に貢献をしたいと考えております。3つ目でございますが、患者さんが、がん治療に希望を持って立ち向かうことができる、そんな環境づくりに貢献をしてまいりたいと考えております。ここのところは特に情報提供だとかが当てはまるんではないかと思っておりますが、製薬企業でございますので、非常に難しい面も多々ございます。
 そんな中、ご覧のような社内体制をもって部門間の連携をしながら社内外への啓発活動を推進しております。
 それでは、当社のがん啓発に係る具体的な活動をご紹介させていただきたいと思います。ご覧のような主な活動を現在当社として展開をしております。
 まず、患者さんへの情報提供でございます。やはり製薬企業でございますので、医療従事者を通じた情報提供が中心となってまいります。弊社の薬剤をお使いの患者さんへの適正使用情報の冊子、あるいはがん治療全般に関わる患者さんに必要な情報をまとめた冊子などご覧のような形で提供、配布をさせていただいております。
 また、患者さん、あるいは一般の方々に対する直接的な情報提供もご覧のような冊子あるいは当社のウエブサイトから発信をしております。
 こちらは患者会支援のチャリティーの模様でございます。昨年第5回を迎え、スター混声合唱団クリスマスコンサートへの特別協賛を行いました。当日は中川先生のご講演と山田邦子さんによる軽快なトークにより、がん検診の重要性、大切さなどについてお話を賜り、2部につきましては、山田邦子さん団長率いるスター混声合唱団によるコンサートを行っていただきまして、当日来場いただきました患者さん、あるいはご家族の方々に勇気を与える場となりました。
 また、このチャリティーの目的でございますが、患者会の日ごろの活動を広く一般に公開する、そんなところも目的の一つでございます。当日は、26の患者会あるいは団体の皆様がブースを展示し、日ごろの活動の紹介を行われました。
 また、大腸がん検診の啓発なども同じフロアで行われまして、ちょうどこちらの右上のところですね、妙な形のトンネルみたいなものがあるかと思いますが、ジャイアントコロンと称する模型でございまして、これはヨーロッパの患者会さんが大腸がん検診啓発のためにつくった模型、大腸のモデルでございます。中が通り抜けができるようになっておりまして、当日来場された方々がこの中を歩くことによりまして、中にポリープですとか、がん、腫瘍などを見つけることができます。このようなものも活用しながら当日啓発活動が行われました。また、ピンクリボン神奈川によるマンモカーの展示あるいは触診啓発なども行われました。
 これは全くの余談でございますが、当日このマンモカーのバックに写っていますのが豪華客船飛鳥?Uでございまして、たまたま横浜の大桟橋港に寄港していたということでございます。
 続きまして、社員への啓発活動の一例でございます。
 中外製薬は毎年ピンクリボン月間の10月に全社員に向けてのピンクリボンの配布並びに着用の呼びかけをさせていただいておりますが、一昨年、乳がん検診の啓発のために当社の本社があります日本橋三井タワーの2階ロビーにおきましてピンクリボンコーナーを設置いたしました。その場では対がん協会様のご協力に基づきまして、乳房の触診モデルの展示あるいは看護師さんによるご説明などもいただきまして、従業員を初めたくさんの方々に体験をしていただきました。
 こちらは、がん啓発イベント、リレー・フォー・ライフへの当社の社員参加の模様になります。がんの啓発並びに社員のがんに対する意識の向上を目的に、中外製薬としては2007年からリレー・フォー・ライフのほうに参画をさせていただいております。多くの社員にボランティアとして参加をするよう企業として会社側からも呼びかけをしておりまして、ちなみに昨年は、全国13カ所、合計340名の社員が参加をいたしました。
 以上、簡単ではございますが、中外製薬のがんに対する啓発活動につきましてご紹介をさせていただきました。当社としまして、今後ともがんに立ち向かう患者さんに希望をお届けするために、本業のみならず、こういった啓発活動に努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。


○中川座長
 ありがとうございました。
 それでは、今の発表内容について、委員あるいはフロアの皆様からご質問やコメントなどありましたら。

○山田委員
 山田です。
 じゃ、中外製薬さんは、今は、現在は全体的には大腸がんが中心に力を入れているということですか。

○竜沢参考人
 特に大腸に限っているということではございませんが、がん全体に啓発活動を考えて展開しているというふうに考えております。

○山田委員
 割と最後のほう、ずっと大腸がんですよね。

○竜沢参考人
 そうですね。たまたま今日の資料が大腸がんに偏っていたかもしれません。

○中川座長
 たまたまだと思います。恐らくたまたま。

○山田委員
 そうですか。ありがとうございます。2年間応援していただきまして、クリスマスコンサートを盛大にやらせていただきましてどうもありがとうございました。

○竜沢参考人
 こちらこそお世話になっております。

○中川座長
 ほかにございますか。

○若尾委員
 すみません。CSRの部署としては何名ぐらいの社員の方がいるのかということと、あと、がん以外に何か取組をされているかということについて教えてください。

○竜沢参考人
 CSRとして、社会責任推進部という聞き慣れない名称をつけた部署がございまして、私もその一員なんですが、メンバーの数としましては18名おります。特に力を入れているといいますか、ミッションとして担っているのが環境保全、それから社会貢献全般並びに社員教育ですね、不祥事防止じゃないんですけれども、企業倫理、倫理観の醸成や人権を目的に研修を実施しております。

○中川座長
 はい、永江さん。

○永江委員
 アフラックという会社に所属おりまして、私どももがんの啓発活動には長年取り組んでいるんですが、従業員の方への啓発とか受診勧奨というところ、ちょっと関心を持ちました。私どももそこを最近強化しているところなんですが、従業員の方の検診受診率を把握されるようなシステムはきちんとお持ちですか。

○竜沢参考人
 正確な把握ではないんですが、昨年全社のアンケート調査を行いました。年齢別にまちまちなんですが、概ね35歳以上の社員につきましては検診率5割近いところまで来ております。まだまだ若手の社員が検診が低いものですから、そこに今後は注力をしていきたいというふうに考えております。

○山田委員
 女の若い社員もたくさんいるんですか。

○竜沢参考人
 はい。

○山田委員
 子宮頸がんのワクチンなんかばんばん打っている感じですか、今現在。

○竜沢参考人
 そこは課題ですね。

○中川座長
 しかし、中外がその5割いっていないなんていうのは、それはやっぱりいかんですよ、それは正直言って。ぜひ人事担当の方に言ってください。

○竜沢参考人
 承知しました。

○中川座長
 象徴的ですよ、そのことが。

○山田委員
 東大病院はどうですか。

○中川座長
 そういうことは把握し切れていないです。全然数字が出せません。

○関谷委員
 それは大事ですよね。

○中川座長
 すみません。

○関谷委員
 お医者さんって一番……。すみません、関谷亜矢子です。
 こういったイベントに参加された方の一般の方の属性というのはお分かりでしょうか。あと、がんを体験された方なのかそうでない方なのか。イベントの告知の方法なんですが、これも告知の方法によっては参加される方が大変偏ってしまって本当に知っていただきたい方の参加がなかなか見込めないというようなこともあるんですが、そのあたり教えていただけますでしょうか。

○竜沢参考人
 おっしゃるとおりでございまして、そこのところは課題だと思っております。正直、現時点では、がんの患者さん、あるいはそのご家族、あるいは親類縁者の方、知人の方が大部分かというふうに感じております。

○山田委員
 それは例えばこのクリスマスコンサートで言うと、ニッポン放送さんが間に入ったりなんかして、それで全国の去年の暮れは26団体ぐらいのがん支援団体の方々に協力をいただき、そしてそこに入場料を全部寄附することができたというような、だからそういうやっぱりマスコミを使ってのPRというか、集め方というのはやっているとは思います。

○竜沢参考人
 ありがとうございます。

○関谷委員
 そうですね。そういう方々と並行して全く関心がない方にいかに告知していくか、参加していただくかというのも一つ考えていただけるとありがたいなというふうに思います。

○竜沢参考人
 ありがとうございます。ぜひ巻き込んでいきたいというふうに考えております。

○天野委員
 天野でございます。先ほどご発表があった中で26団体も私も属しているグループ・ネクサスも当日参加させていただきました。

○竜沢参考人
 ありがとうございます。

○天野委員
 はい。普及啓発にご尽力いただいているということなんですが、最後のスライドであったリレー・フォー・ライフにもご支援されているということを伺ったんですが、これはもしかしたら塩見さんに聞いたほうがいいかもしれませんが、リレー・フォー・ライフに対してどの程度の企業が実際に支援とか、そういったのに関わっているのかというのがもし分かればちょっと知りたいなというのが1つと、もう一つが、先ほどのお話の中で医療者を通じた情報提供を行っているということがあって、そこで医療者を通じた情報提供はなかなか難しい面もありますというふうなコメントがあったかと思うんですが、具体的にどういった点が一般の患者さんや市民の方に対して難しい面があるのかということについて教えていただければと思うんですけれども。

○竜沢参考人
 はい。

○塩見委員
 では、リレー・フォー・ライフの一般的なご説明を申し上げます。
 今年はリレー・フォー・ライフを全国で20会場実施する予定です。企業の方がどれだけ参加されているかということにつきましてはいろいろな形があります。各地の実行委員会が各地の企業を回って協賛金を集めて、あるいは従業員に参加していただく。各地でそれぞれ、30や40の企業は参加しています。それと我々本部に対して全国のリレー・フォー・ライフに参加したいからということでいろんな企業が協賛金を出して、あるいはある保険会社さんのように人を出すよということで1,000人、2,000人単位で参加していただくケースもあります。中外さんのように、このように参加していただくケースもあります。本部でリレー・フォー・ライフに参加したいというのは10社から15社ぐらいの企業数があるかと思いますね。そんなところでよろしいですか。

○竜沢参考人
 二つ目のご質問にお答えしたいと思います。
 私のほうがなかなか難しい面も製薬企業としてあるというふうにご説明申し上げましたのは、ミッションの最後のところの環境づくりのところについてだったかと思います。そこは、製薬会社という立場上、情報提供が広告とならないように配慮している点についてであります。

○中川座長
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、日本医師会におけるがん検診の取組の紹介、社団法人日本医師会常任理事の今村聡さん、よろしくお願いいたします。

○今村参考人
 おはようございます。日本医師会の今村聡でございます。
 日本医師会は16万6,000人弱の医師を会員としている団体で、ほぼ半数が開業医、いわゆる診療所でこういった検診に関わる医師と、残りが勤務医ということですけど、勤務されている先生も、がん検診機関などに属されたり、あるいは大きな病院でがんの治療に関わっておられる方も多数いらっしゃるということであります。
 実際には、がんの検診に携わっているのは、市や区や郡の医師会ということで、これが850ぐらいありまして、あと47にも都道府県医師会ということであるわけですけれども、私ども直接日本医師会がこのがんの検診そのものに携わるということがなくて、現場で郡や市や区の医師会で検診に関わっていらっしゃる方たちの意見を伺って、制度としてどういうことが望ましいかというようなことを提言しているということがあります。あるいは、国民に向かって直接その啓発するようないろんな会を設けたり主催したり共催あるいは後援をさせていただいているところがございます。
 従来、日本医師会では、公衆衛生あるいは地域医療の観点でこのがん対策というのに取り組んできたんですが、がん対策基本法が制定されてから、がん対策推進委員会というものを会内に設けまして、これは国立がんセンターの名誉総長である垣添先生に委員長になっていただいて、がん検診の今後の在り方ということ、特に検診率の向上と精度管理のシステムということで検討していただきましたので、そのことについてちょっと今日はお話し申し上げたいというふうに思っています。
 まず、この提言としてこの委員会の中で提言されているものは、検診をするのにやはりきちんとした科学的な根拠を有する有効な検診であることが必要であると。ちゃんとした科学的な根拠がなきゃ駄目だよと。
 それから、がん検診というのは今全国で自治体がいろいろやっていますけれども、本当に精度管理についても様々ばらばらです。したがって、こういったがん検診の事業評価をきちんとやらないと正しい検診にはならないだろうということを思っています。
 それから、精度管理をしていくためには、今私なんかも東京都のほうでこういう精度管理の委員会に関わったことがあるんですけれども、自治体ごとにみんなばらばらにその精度管理をやっているというような実情もありますので、中央組織をきちんとつくって、その中央組織が自治体のこういった事業を評価する、あるいは指導するという仕組みがやはり要ると。国としての取組という重要性、先ほど委員長からもお話がありましたけど、こういうものも必要だろうと。
 それから、やはりがん検診の対象者名簿をきちんと自治体が整備しなきゃいけません。
 それから、検診のガイドラインもきちんと作成し、さらにきちんとその適宜更新するような公的な機関の設置というものも必要だろうという提言もさせていただいています。
 こちらも国の役割ということで、国の責務としてこのがん検診を推進してほしいと。今もう自治体任せになっていますので、例えば受診をしていただくための受診券の発券にしても、全員その対象者に直接受診券を配送している自治体もあれば、広報みたいなところにがん検診をやっていますと、希望される方は区のほうに申し出てくださいみたいな形でその対象者に対する働きかけも自治体によってもばらばらだということがありますので、やはり国としての責務というものを考えていただきたい。
 それから、これはインセンティブの話になると思いますけれども、経済的な問題として検診を無料で受けられるかどうかというのはやはり相当大きなものだと思っています。今まで無料だった検診を一部負担しますというと検診の受診率、これはがんの話じゃありませんけれども、一般的な基本健康診査でもがんと受診率が落ちちゃうというようなことがあります。乳がん、子宮がんの検診については、この無料クーポン事業というのが行われたわけですけれども、これを胃、大腸、肺がんへの拡大と財政的な手当てをしていただきたいということを申しています。
 それから、検診にとっては日ごろかかりつけ医として患者さん、あるいは住民の方たちの健康に関わっている地域の診療所の医師の働きかけというのは非常に重要だというふうに考えていて、個別的ながん検診受診勧奨のための促進と、やはりそのためにはツールが必要だということでの提言をしています。
 それから、今まで平成18年までは健康診断は基本健康診断ということで自治体がやっていたんですが、18年から特定健診という新しい健診制度になって、保険者が一般の健康診断を行う仕組みに変わりました。従来は基本健康診査を自治体が責任を持ってやると。そして、がん検診も自治体がやるので、住民に対してその受診を一体的に、つまり基本健康診査を受けに行くときに例えば大腸がんだったら便の鮮血反応の容器を渡して問診をとってということを同時に実施できたのが、健診の実施者がいわゆる保険者に変わってしまったために別々な扱いになってしまったと。そういったことで一体的に実施ができなくなってしまったために、がん検診のほうの受診率が落ちているということもございますので、一体的に実施をするということを進めてほしいと。
 それから、がんに関わらず企業の中の職域のいろんな健康の状況というもの、こちらも職域で行っている事業者の検診のデータと地域のいわゆる検診のデータ、そういうものの整合性が全くないと。お互いにばらばらに職域は職域でいろんな検診をやっている。地域は地域でやっていると、そういうところの情報交換というのはほとんどされていないと。これはがんに限らず国の大変大きな課題だというふうに思っていますが、がんに関しましてもこういったきちんとした職域の検診の実態をきちんと把握するということと、職場には産業医というのが選任されているわけです、50人以上の。この産業医についても日本医師会は今8万人弱養成をしています。こういった産業医をきちんと活用して、職場の中でもこういったがん検診の勧奨であるとかデータの把握というのをしていく必要があるだろうというふうに考えています。
 がん検診に関しては、日本医師会も調査をさせていただいていまして、先ほど申し上げたように、郡や市の医師会に対してどのように自治体からその医師会が委託を受けているかということを昨年の4月から5月にかけて740の医師会に実施をいたしました。この厚生労働省が指針に示している5つのがん検診については、医師会が委託を受けているというところがほぼ53.7%、半分強だと。これを多いと見るか少ないと見るかですけれども、やはり医師会が関わっている部分というのはかなり全国的に見ると多いというふうに思っています。
 このデータは、受診のそもそも対象者に対してどれだけ実施されているかというデータと、それから医師会でどのぐらいの数だったら実施できるかという可能数に対して受診者がどのぐらいあったかというデータなんですけれども、先ほどちょっと冒頭にもお話があったように、検診を実施できる医療機関のキャパシティー、人材もそうですし、物もそうですし、そういうものから見ると、この今の非常に少ない受診者、例えば胃がんの人は対象者の8.4%しかないわけですけど、この方はこの可能の割合で言うとほぼ半分と。つまり、これが倍来ても17%ぐらいまでしか来ないと。つまり、50%目標といってもそもそも実施できる体制が医療機関側のほうにないということが実態として上げられるというふうに思っています。
 それから、受診率向上のための工夫というのはどういうものがありますかということをお伺いすると、やはり大きいのがこの特定健診、いわゆる一般の健康診断と同時に実施するということが非常に効果がありますよということ、これは特に大腸がんの場合ですけど、上げられています。そのほかの検診との実施と。
 それから、利便者というか、利用される方からすると、休日だとか早朝、夜間なんかに受診できたらいいんじゃないかという声もあるかと思うんですけれども、これは意外と少なかったというふうに上げられています。
 それから、がん検診受診向上のアドバイザリーパネル委員会というのが厚生労働省の委託事業として国立がんセンターの中に情報センターに設置されていますが、日本医師会からは担当の役員や、あるいは日本医師会が推薦した委員が多数参加させていただいて、特にこのがん検診受診の向上にはかかりつけの医師が非常に大事だと。だから、そのかかりつけの医師が患者さんや受診者の方にどれだけ上手に支援してあげられるかという、そういうツールをつくりましょうということで、こういったハンドブック、「かかりつけ医のためのがん検診ハンドブック」、それからこういった「20歳からはじめる子宮頸がん検診」というような、こういう患者さんに対する啓発のものですね、「大腸がん検診を受けましょう」、こういったものを作成して16万6,000人の日本医師会の会員や、あるいは都道府県医師会、郡医師会へ送付をしたところであります。
 今後の課題として、とにかくこういった様々な今提言をさせていただいたものを実際に実現するためにはもう積極的に日本医師会が国に働きかけを今まで以上にしていかなければいけないというふうに思っていますし、やはりさっき申し上げたように実施の体制の施設整備あるいは人材のそういった整備のための財源確保ということも強く望んでいきたいというふうに思っています。
 それから、今まだ現状として非常に地域格差ががん検診にあります。こういう格差がない、日本じゅうどこに生まれた方も同じようながん検診が受けられるような国による強力な支援の実現を要望していきたいと思っています。
 それから、ここには書きませんでしたが、我々会員に対して、やはりこのがん検診の重要性を今まで以上に啓発をして取組に参加をしていただくように働きかけをしていきたいというふうに思っています。
 以上です。

○中川座長
 ありがとうございました。
 大変重要な提言を幾つかいただいた気がします。無料クーポン券のことも触れていただきましたが、塩見さん、無料クーポン券、子宮頸がん、乳がん、少し有効性も出始めているんでしょうか。

○塩見委員
 それでは、最近の調査に関して簡単にご説明させていただきます。
 日本対がん協会の支部で、大体全国で年間1,200万人ぐらい、がん検診を受けております。これは市町村検診、住民検診が主であります。それで、今年無料クーポン券が配られたので、実際どんな状況かというのを見ました。これはあらあらの調査で申しわけないんですが、各支部に対しまして、乳がん、子宮頸がん、胃、肺、大腸、この5つのがんについて昨年度と比べてどんな状況なのかというのをまず調べさせていただきました。当然、乳がんと子宮頸がんはクーポン券が配られているので、やや増えているだろうという観測の下で始めました。これは2月の頭にまとめたので1月末までの数字です。乳がんでは101万人受けまして、前年比で114%、子宮頸がんで109%、実数は107万人です。胃がんで99、肺で96、大腸で101%というように、胃、肺、大腸と比べると乳がんと子宮頸がんはかなり顕著に伸びているということが言えると思います。

○中川座長
 なるほど。ありがとうございました。
 今村さんが言われているように、少しそうすると拡大ということも今後の検討課題になる可能性はあると思いますし、それから、私ども大学などで仕事をしていますと、がんという病気に関わる医師が本当に勤務医に限られているという現状、これはやはりちょっとどうかなというふうに最近思います。特に最先端治療というのはやはり大病院でやるのが筋かもしれませんが、その最初の部分、特に検診あるいは緩和ケアの部分も、在宅関係はぜひ医師会の先生方のご協力が必要かなという気がします。

○今村参考人
 全く本当に中川さんのおっしゃるとおりだと思います。特に緩和ケアの部分はやはりまだまだかかりつけ医の関与が少ないと。検診については、従来も自治体の行う検診については積極的に関与してきたというふうに思いますけれども、まだまださっき申し上げたような精度の管理の部分で本当にばらつきがあって、医師会も医師会としてアウトプットとして何人検診しましたというようなデータは出しても、それを長期的にきちんとフォローして自分たちの地域の中の例えばそのがんの死亡率がどうであるとか、あるいは的中度というんですかね、精度がどうだというような検診そのものの評価というのは余りやってこなかったというやっぱり反省はあると思っていますので、これは日本医師会としてもそういった地域の医師会に対してしっかりとそういうことをやっていただきたいという働きかけは今後もしていきたいというふうに思っています。

○中川座長
 そうですね。検診をするという立場と、それから、かかりつけの患者さんに検診を勧める、その勧奨の部分というのも、今まで私の感覚としては少し、もっとやっていただいてもいいような……

○今村参考人
 いや、おっしゃるとおりですね。

○中川座長
 がん検診の受診勧奨は、アメリカ、ヨーロッパではいわゆるGPと言われるジェネラルプロフェッショナルの先生方の大きな仕事。

○今村参考人
 例えば、喫煙率、喫煙をしているかどうか必ず確認するとか、BMIを必ず確認するとか、予防接種を必ず受けるように勧奨するとか、がん検診を受けたかどうか確認するみたいなことというのはやはり本当にルーチンなかかりつけ医の役割として果たさなければいけないなというふうに改めて思っています。そういった活動も日本医師会としてはしていきたいと思っています。

○中川座長
 本当を言うと、そういう開業医の先生方の仕事に対するインセンティブも本当は診療報酬上で本来あったらいいなと僕は思いますけれどね。

○今村参考人
 ありがとうございます。

○中川座長
 あともう一つ産業医、これも非常に重要で、後で出てくるかもしれませんが、企業の中での検診を考えるとき産業医の立場は非常に。ただ、産業医の先生方と話していると、何となくこれまでがん検診に関しては少し関心が十分ではなかったような印象も持っていますので、ぜひこの辺も。

○今村参考人
 私も産業保健の担当をしているんですが、産業医の研修会の中でこのがん検診という話がほとんど確かに出てきたことがないんですね。メンタルヘルスみたいな話とか過重労働みたいな話は非常に今トピックで出てくるんですが、ですから今ご指摘いただいたように、今後もその産業医のいろんな様々な研修会の中で、がん検診あるいは働いている方たちのがん検診の勧奨だとか、その会社の中での実態調査みたいなことを産業医がしっかりやってくれということは申し上げたいなというふうに思っています。ありがとうございます。

○中川座長
 ほかにございませんでしょうか。
 今村さん、ありがとうございました。
 それでは、続きまして、日本放射線技師会におけるがん検診の取組の紹介、社団法人日本放射線技師会会長の北村善明さん、お願いいたします。
 実は、私、放射線治療の専門医として北村会長には日ごろからお世話になっております。また中医協委員でもあられて、大変ふだんからお世話になっている方です。どうぞよろしくお願いいたします。

○北村参考人
 日本放射線技師会の会長の北村でございます。このような機会をいただきましてありがとうございます。
 日本放射線技師会は、今全国で診療放射線技師が4万5,000人ぐらい働いております。その中の70%の3万人が会員として働いております。ご存じのとおり、放射線というかエックス線を使った胸部、骨撮影、それからエックス線CT、それからMRI、超音波、さらにはラジオアイソトープを使った核医学、それと放射線治療ですね、そのようなところで働いております。さらに、医療被曝低減のための放射線管理、さらに医療機器そのものの保守点検、日常点検という形の放射線機器の管理を行っております。
 それから、日本全国47都道府県に放射線技師会というものがありまして、連携しながらいろんな意味で事業を進めているところでございます。
 放射線検査というとやはり検診の中で放射線を使った検査がいろいろあります。胸部検査、胃の検査、それからマンモグラフィですね。そういう中でやはり放射線の被曝が心配だという意味では、医療被曝をどう管理していくか、この中でやはり検診をする正当性をしっかりしなければならないということがあります。やはりリスクとベネフィットの中でしっかりした位置付けをしていかなくちゃならないということが上げられると思います。そういう意味でも、我々放射線技師がこの医療被曝に対する説明をしっかりしていかなくちゃならないなと思っております。
 さらに、マンモグラフィ、これは患者さんから見ると、検診者から見ると痛いというイメージが強いわけですね。なぜこういう形で圧迫しなくちゃならないのかということも我々診療放射線技師がよく説明して、その意味付けをしっかりした形にしていかなくちゃならないなと思っております。圧迫しないと、この厚さがありますので、エックス線を多く出さなくちゃならないということがありますね。被曝も増えて、画像もぼけると。乳房を薄く広くすることによってはっきり写って、さらに少ない放射線で検査できると。そういう意味では、これを検診の前によく説明して納得して受けていただくと。人によっては全然痛くないということもありまして、意識の前に痛いというイメージがありますので、それをぬぐい去るというのが必要な検査だと思っております。
 今の検診の現場では、胃がん、肺がん、子宮頸がん、乳がん、大腸がんという5つのがん検診があります。その中で放射線技師が関わっているのがこの胃がん、肺がん、乳がんでございます。そういう意味では、精度をしっかりしていかなくちゃならないという意味で、胃がんについては胃がん検診専門技師、それから肺がんについては、検診の中にCTはありませんけど、現在CTを使った検診が多くの施設で行われております。そういう意味では肺がんのCT検診、こういう認定技師、それと乳がんについてはやはり検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師という形のしっかりした認定された放射線技師によって検査をするという方向で今進めているところでございます。
 マンモグラフィを考えると、やはり1番がマンモグラフィの標準化ということで、常に画質と線量、これの標準化をしっかりしていかなくちゃならないということでございます。その一つがマンモグラフィを撮るための装置の標準化、その装置の精度管理、これをしっかりしていかなくちゃならないと。さらに、撮影技術の標準化、これもしっかりした形で撮っていかないと、画面の画像の中にそれが写っているかどうかというのが一番問題なんですね。なかなかその技術によって写らないところも出てくると。それをいかに引き出していくかというのがこの撮影技師の標準化に関わる問題だと思っております。
 やはり一番がん検診では精度ですね。精度の高いがん検診の提供を我々放射線技師がしていかなくちゃならないと。そういう意味では画質の管理、機器の精度管理ですね、それから技術の管理、この3つが常に一体となって進めていかなくちゃならないと。それとやはり線量の管理ですね。診療放射線技師としてはやはりこの放射線の管理をしっかりしていかなくてはならないということで、必要な画質で適正な線量で検診を行うと。これは検診だけじゃなくて全ての放射線検査に言えることでもございます。
 今、日本放射線技師会の対応としては、検診受診率50%に向けた事業ということで、各47都道府県の中でピンクリボン運動と協力体制で進めていっていると。それから、レントゲン週間、これは11月8日がレントゲン博士によってエックス線が発見された日ということで、その前の1週間を、11月2日から8日をレントゲン週間と位置付けて全国的に活動をしております。これについては、全国の都道府県技師会の中でがん検診の普及、それから医療被曝の相談という意味で進めています。それから、がん検診企業アクションへの参加。
 それと、やはり会員の資質の向上、これが重要な事業の一つでございます。やはりセミナー等の開催をして一人一人の資質、検診に関わる放射線技師の資質を上げていくということですね。やはり肺がんの検査、それから胃の検査、さらには乳房検査ですね。それと先ほど言った放射線被曝、それから放射線機器管理の医療安全関係セミナーも同時に行っていかなくちゃならないと。それから、検診とはちょっと離れますけど、放射線治療の質の向上ですね。これはがん対策推進という意味では日本放射線技師会でもやはりこれを進めていって放射線治療に関わっていくという事業の展開を今進めているところでございます。
 がん検診企業アクションへの参加ということで、我々放射線技師会も登録させていただいております。これは会員に対するやっぱり広報、会誌、ホームページを使って広報していくと。さらに、会員の勤める病院ですね、そこの職員も検診しなくちゃならないんですね、やはり医療職種者としてですね。なかなか医療職種者として検診に行くというのが少ないということもありまして、これもやはりしっかりした形で広報していくというのが我々の技師会としての任務だと思っております。
 それから、やはりセミナーを今回で、今年もこういう形で開催させていただきます。マンモグラフィ講習会、それから上部消化管エックス線の検査講習会ですね。これは、全国的にそういう研修をやっていますので全国規模でやらなくちゃならないということと、診療放射線技師免許取得者全員を対象にしていかないとしっかりしたレベルの向上はなっていかないということで、全ての免許対象者、会員だけじゃなくて、放射線技師を対象とした講習会の開催でございます。
 ただ、やはり一番課題なのは、職場環境で一人、二人、三人職場が6割から7割ということもありまして、受講料は個人負担、そして講習という意味では平日開催ができないと、土日開催が主になるということもありまして、これをいかにクリアしていくかということが問題になってくると思います。ただ、やはり会員は常に資質向上ということも上げてかなりのところで出てきて受講をしていただいておるのも確かでございます。
 女性の検診ということで、これは診療放射線技師の養成機関で男女別入学者数ということの数値でございます。現在、1990年以降、前はやはり専門学校とかという形がありましたけど、その後、短大化、大学化という形をなして、30%を超える女性技師が入ってきているという形の資料でございます。現在やはり会員としては3万人のうちの18%ぐらい、5,000人ぐらいが女性会員でございます。これは30代、40代に放射線技師をやめてうちに入る人が多いと。ここをいかに掘り起こしていくかというのが放射線技師会としても、乳腺の検査は検診ですから女性技師にしていただきたいというのがやはり受検者の希望でございます。病院だとそれは男でもいいという形もあるんですけど、やはり検診という意味では女性技師をいかに育てていくか、いかに検診の現場に出すかというのが我々の活動の一つであります。
 その一つ、これはちょっと小さくて見えませんけど、女性技師のプログラム、マンモの検診、マンモのプログラムの一つで、女性技師の受講者に対する受講のテキスト、それを負担しましょうというのがここで行われておるところです。協会のほうで日本乳がんピンクリボン運動の一つの中でこれがなされてきているというのもありまして、いかに女性技師を増やしていくかという流れの一つでございます。
 今年の7月2日から4日まで東京国際フォーラムのほうで日本放射線技師会主催の学術大会を開催することになっています。そのテーマの一つとして、がん対策推進というものを掲げております。その中で初日の2日には山田邦子さんの講演会、それから中川先生のシンポジウムという形で進めさせていただいています。これはこれまでほとんどなかった一般公開と全体的な学術大会を一般公開して進めていくという今回の企画でございます。そういう意味では、マンモグラフィの検診もその3日間の中で対がん協会さんの協力の下で行うということも考えておりますので、皆さんのご協力の上で事業を進めていきたいと思っております。よろしくお願いします。
 ご清聴ありがとうございました。

○中川座長
 北村さん、ありがとうございました。
 それでは、今の内容について、委員、フロアの方々、コメントやご質問とか。

○塩見委員
 先ほど北村さんも触れられましたが、やはり女性技師に対する要求がすごく強い。我々もマンモグラフィ検診車を出すときに、運転手まで女性にしてくれというような要求が多いんですね。ただ、それをやっていますと、やっぱり女性技師は男性技師に比べて少ないものですから、そのために検診ができないということも起こっています。ですから、検討すべきことは男性でなぜ悪いのか。男性のほうが痛くない、女性は痛いなんていうことも聞きますから、男性でなぜ悪いのか、もっと意識の改革を図ると同時に、女性の技師をもっと増やす努力、これには何かいい方法がないのかと常々頭を悩ませていますが、その辺はいかがですか。

○北村参考人
 それについては、やはり頭を悩ませているところでございます。やはり病院に来る場合、覚悟して検査に来るということで、男性、女性に関わらずどちらでもいいという考えがありますけど、要するに検診に来る方は健康な方が来るわけですね、検診というわけでは。そういう意味ではやはり女性を指名するというのが多いわけですね。ただ、そういう意味では、国民の皆様にそれの意識付けをどういう形でしていくかというのが技師会も含めて全体的に考えていただきたいなと思っております。

○中川座長
 はい、山田さん。

○山田委員
 マンモグラフィのやっぱりイメージが余りよくないんだと思うんですよ。何か行っていろんなイベントでそういう話をしても、痛いんでしょうとか、それから自分も実際受ければ技師の方と接近戦ですよね。

○中川座長
 前、山田さん、何か言っていましたね。先ほど北村さんが言っていたように、検診のときはやっぱり女性がいい、だけど、もう疑いがあったら……

○山田委員
 必死なときはそれはもう男も女もないです。ちょっとでもうまい先生に当たりたいですよね。だから、その検診のどうでもいいと言っちゃいけないんですけど、女子高上がりなものですから、学校で検診とか、そういう何か健康診断とかあるときはやっぱり女の先生が来ていましたよね。あるいはすごくおじいさんとか。それでも嫌でしたけど。そういうところのほうがちょっとどこか日本人はあるのかもしれませんね。

○中川座長
 これは女医さんもそうなんですけど、やっぱり家庭に入っている方が多いですよね。それをうまく掘り起こせないかなという気がしますね。そういうリクルートのシステムというのもちょっとお考えいただくといいかもしれませんね。

○北村参考人
 そうですね。やめて家庭に入る方が多いので、それをどう上げるかというのがやはり今後の大きな課題の一つだと思っています。

○中川座長
 子宮がんについてもそういうようなところがあるような気がします。
 ほかにございますでしょうか。

○天野委員
 その検診の精度管理が非常に重要だということを強調されていたかと思うんですが、その精度管理を行うためのその講習会が開催されていると思うんですが、今受講料は個人負担になっているということで、国や都道府県からこういったことに対する予算上の支援というのは今十分な状況があるのかとちょっとお聞きしたいんですけど。

○北村参考人
 支援というか、それは全くないんですよ。やはり全て個人負担ということで、ただ、そういう意味ではこの間厚生労働大臣のほうにも、こういう環境づくりですね、要するに派遣して休んでもいいよと、講習会を受けてくださいよという医療機関に対しての、講習料は個人負担でもいいですから、そういう環境づくりですね、それをしてほしいということでこの間要望書も提出させていただきました。

○中川座長
 それは、お金を出していただければそれが一番いいんですけど、要するにお墨付きが必要なんですよね。今は特に病院経営側から見ると、勝手にやりなさいみたいな感じなんです。そうじゃないんだということ。ですから、本当にそれは患者さん側あるいは市民側からもやっぱり必要なことなんです。それはやっぱりまだまだその辺は、例えば放射線の被曝というのも非常に重要なんですね。何といったってがんじゃないわけですから。ほとんどの方がそこで陰性になるわけですから、簡単に言うと、ただ被曝をするだけの方が圧倒的に多いんです。したがって、それをできるだけ減らすということは国民全体の利益なんですけど、まだそういう意識というのはないんですよね。ですから、それはもうぜひ天野委員に今後頑張っていただいて、よろしくお願いします。
 ほかに何かありますか。
 はい、どうぞ。

○若尾委員
 放射線技師さんが今4万5,000人いらっしゃるというお話があって、それで女性の方は結構やはり結婚されてやめる方が多いということが問題になっているというお話があったんですけど、今のその4万5,000人というのは数として十分なのか足らないのか。例えば、だから女性の方がもっと長くしたら、逆に男性があぶれてしまうとか、そんな心配はないんでしょうか。

○北村参考人
 今、需要供給の関係でほぼ大体プラス・マイナス・ゼロぐらいの形ですね。今、ただやはり団塊の世代の方々がやめていくというのが多くなってきていますので、そういう意味では少し足りなくなるかなという話もあります。ただ、やはり検診するためには技師を増やさなくちゃならないということもありまして、そういう意味で少しどちらかに偏って、60になった人たちをいかに今度、技術を持っていますので、その人たちを使うかどうかですね。マーゲンの検査とか、胃の検査には特にそういう形になろうかなと思っております。

○中川座長
 ありがとうございました。
 座長の不手際で少し時間が延びてしまいました。北村さん、ありがとうございました。
 それでは、委員及び参考人の皆さん、貴重なお話をありがとうございました。ただ今の議論などを踏まえまして、第2部の懇談会において、さらに議論をいただきたいと思います。
 さて、それでは、ここから第2部、懇談会に移ります。
 事務局からフロアの皆様にご連絡。

○鈴木がん対策推進室長
 恐縮でございますが、カメラ撮影につきましてはここまでとさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○中川座長
 それでは、本日のシンポジウムにおける事例発表などを踏まえまして、自由な議論、全体のこの4つの話に場合によったら直接関係なくても構わないと思いますが、はい、山田さん。

○山田委員
 えらい脱線するかもしれないんですけど、先生の、うまい先生と下手な先生の差とか、機械、病院によっての、例えばマンモグラフィ一つとっても精度のすごくいいのと悪いのはどのぐらいの幅があるものなんですか。

○中川座長
 機械は……

○山田委員
 できればやっぱりいいところでいい機械で、そしていい技師に当たりたいな、いい先生に当たりたいなと思うわけですけど、ぼんやり写るとかそんな段階でも。

○北村参考人
 装置的には、今、指定装置というか、ありますので、ある程度認定される施設では、ある精度管理されたしっかりした装置でないと認定されないというのがあります。それから、認定施設にするためには写真がしっかり撮っていなければならないという意味では、しっかりした認定施設で、そこには必ず認定された放射線技師がいるという形になっています。

○中川座長
 ですから、もちろんばらつきがないわけではないんですけど、それを差が少なくするような努力を今技師会としてもなさっているということなので。
 マンモグラフィの話が続くんですが、関谷さんや永江さんは、もちろんマンモグラフィは受けておられたんだと思いますけど、痛いとか、つらいとか。

○関谷委員
 痛いなというのは、私は個人的には全く余り思わないんですが、やはり周りの人に聞くと痛い、男性だから嫌だというのも多いんです。ただ、先ほどお話にあった、薄くすればするほど被曝量が少なくて済むという、放射線が少なくて済むということを知っている人はほとんどいないと思うんですね。残念ながら、その技師の方にそういうお話をいただいたことも一度もないので、やはりそういったこと一つ知るだけで痛みも我慢できるだろうし、何度も何度もやり直されるのも、あっ、私のためなんだなと思える、よりよく見えるため、そして少ない放射線で済むためという、そういった理解というのも本当に気持ちの上では大きいと思うので、もっと徹底していろいろ説明をいただけたらと思いました。

○中川座長
 先ほど北村さんの何か標準化という言葉がありましたけど、僕はその検査説明も標準化しちゃったらいいと思うんですよね、本当に。それはもう全員同じように言っていただくという気がします。

○永江委員
 私も毎年受けています。ただ、やっぱり痛い痛いという前評判があるので、逆に覚悟して臨むとそんなに痛くないなと思ったのも、個人差があるとは思うのですが、私の実感です。また、山田さんのお話じゃないんですけど、症状が出てから臨むというものもそうなのんですが、検診の重要性を理解して、必要だと思って行く人は、より技術が高いほうがいいと考えるのではないでしょうか。むしろ男女の差よりそちらを私は選びますね。ただ、実情として心理的抵抗があること、そういう人が受けていないのは事実であると思いますので、ちょっと無責任なことを言うかもしれませんが、未受診者のために、「女性だけの検診だよ」というようなところを露出して、場所とか時間とかを集中的に、何かイベント的に実施すると受診率を高めることに少し寄与できるのかなと思います。

○中川座長
 今日のお話以外でも、そもそもこの懇談会は久しぶりの開催ですから、いろいろ委員の先生方あるいはフロアの方も、審議官なんかどうですか、今の話を聞いていて、特に。

○麦谷がん対策審議官
 塩見さんのお話で、検診の率が百何%と言われた。それは100引いた部分が増えたということですよね。

○中川座長
 そうです。

○麦谷がん対策審議官
 余り増えていない感じがするんですが、私は、別途ほかのところで、ほかの都道府県医師会で、ですから悉皆調査ではありませんが、都道府県医師会でお伺いすると、今回の女性のがんのクーポンによって30%増えたという県があるんですね、対がん協会で。そうすると、30%増えますと、50%をすぐ超えますから、しかも今回5歳刻みですから、これでほかのがんにも、5歳かどうかは別にしまして、クーポンを配ればあっという間に5割いくんじゃないかと思っているんですが、そこはいかがでしょうか。

○中川座長
 どうですか、塩見さん。

○塩見委員
 確かに県によって、地域によってかなりばらつきが出ています。大変高い数字をあらわしている県もありますし、あるいは昨年実績を超えていないという県もあるんですね。だけど、全体平均すれば110とか109とかになってしまいます。高い数字では例えば鳥取県、乳がんで40歳の受診者4.47倍、45歳2.06倍、50歳3.47倍とか、香川県、子宮頸がんは20歳650%、つまり6.5倍とか、25歳4.1倍と、いろいろあります。大変伸びているところと伸びていないところがある。これは、先ほどもちょっと出ていましたけど、やっぱり個人への受診勧奨というのが影響あると思いますね。自治体で受診率40%以上のところにまた別の調査をかけていますが、ここは個人の受診勧奨を徹底的にやっていますね。そういうところはやはり受診率は高いと思います。ですから、これは全体平均だとその程度ですが、地域によってかなりのばらつきがあるというふうに言えるんじゃないでしょうか。

○中川座長
 53%を達成した韓国でも、結局その年度間の伸びというのは3から5%なんですよ。そういう点では1割という数字は決して悪くはないんです。しかし、間に合わないという、あと2年ですからね。ですから、じゃこの間に何をするのかというのは本当に大きいですよね。でも、有効性は示されつつあるかなという気はしますね。それと、確かに塩見さんおっしゃるように、これは韓国でもそうなんですが、個別の電話とか、場合によったら訪問というのか、個別の勧奨というのはやっぱりキーのようなんですね。それを市区町村にやってもらうような働きかけをやっぱり中央側からしていっていただきたいなという気がしますね。受診勧奨の標準化ということになるんだと思うんですけど、やっぱりポスターを張ってではなくて、個別にやっていただくようなことをぜひ進めていただきたいなという気はします。

○塩見委員
 別の調査でクーポンを持ってきた方々にも調査を、3,000名ぐらいですが、実施しました、例えば乳がん、子宮頸がんについて検診は何回目ですかと聞くと、これは圧倒的に1回目が多いんですね。乳がんで1回目が34.9%、子宮頸がんで40%が初めて受けています。受けてみてどうといったことはなかったなということになると、やはり継続するだろうと思います。2年に1回であっても1回受けてみることで継続をする、リピートするということになりますの。そういうことも効果としては残っていくんだろうと思いますね。
 またクーポンを持ってきた方全員に尋ねていますが、今回検診を受けられた理由をお聞かせくださいというので、選択肢を与えています。検診の「無料クーポンが送られてきたから」が75.4%で一番です。2番目はかなり落ちて17.1%で「2年に1回定期的に受けている」、三番が「ピンクリボン運動で検診が大事に思ったから」で9.5%です。やはり75%の方々が無料クーポンだと考えており、これは効果があったと言っていいと思いますね。

○中川座長
 ありがとうございます。
 ほかにこのあたりのこと、無料クーポン券などに関して。

○若尾委員
 無料クーポンについて、送られてきた方はこういうものが来たというのは感じられると思うんですけど、やっぱりクーポン自体が余りまだ知られていないんではないかという印象を持っています。やはりクーポンを配っているよというような話がもう少し皆さんが知っていれば、あっ、あそこで見たクーポンが配られてきたというのでより受けやすい環境になるんではないかと思います。ちょうど去年の場合は時間がずれてしまったんですけど、今キャラクターなどもつくられていて、上杉謙信の謙信で検診を受けようというごろ合わせの検診君とかいるので、そういう絵を見ると、あっ、これは検診の話で5年に1回無料で受けられるんだという、そういう話はやはり少し広めて、そういう予備知識を持った上でクーポンを配るということでより効果が上がるんではないかと思います。

○中川座長
 そうですね。メディアというか、イベントというんですかね、その啓発の在り方も、例えば今回、中外製薬をいろいろ見せていただいたわけですが、例えば韓国の政府がやっているCMなんかと比べますと、やっぱりちょっとインパクトに、企業の方にインパクトを求めるのもどうなのかも分かりませんが、何か確かにがんに関するCMって各社が幾つかなさっていますけど、ちょっと足取りがばらばらのような気が、もうちょっとまとめられて何か企業が一緒になってお金を出し合って、もうちょっと統一的なああいう、本当は国がやっていただければそれはベストなんですけど、そういうのもあってもいいような気がするんですよね。

○山田委員
 イベントのときには、ごっことか、ただ集まってではなく、NHKのニュースで流してくださいとか、ワイドショーで流してくださいというのを必ずやっているんですね。それで、中外製薬さんのクリスマスコンサートもその後すぐのNHKの6時のニュースで流れたり、この間女子大生たちを使ったものも7時のニュースや9時のニュース、11時のニュースで流れたりするんですけど、使うところが泣いていたりとか、1時間半笑っていて、2分間ぐらい泣いた、その泣いたところとか、すごく真剣な顔をしているところばっかりが流れるんですね。げらげら笑っているところはなかなか使われないんですよ。何回も、明るい会ですから明るいところと言ってもそうならないんですよね。だから、イメージが悪いですね。めげずにあの手この手をいろいろ考えて、例えばちょっと全然くだらないことを言いますけど、舘ひろしさんがとうとう長年喫煙していたのをおやめになったんですよね。そうしたら、それは女性のため、色男じゃないですか、そうしたら、ありがとうということで表彰しに行ってもいいんじゃないかなとかね。それは何でかといったら、乳がんの私たちは喫煙者のことがすごく嫌なんです、だからとてもありがとうございますとか、だからそういうのも今考え中です。
 それから、プロ野球の選手でイケメンの選手が捕まりまして、まだちょっとはっきりだれと言えないんですけれども、1本ヒットを打ったら1万円ずつ寄附してくれることが決まっておりまして、もうすぐ発表になるんですけど、今その寄附をどこにしようかなとも思っているんですけど、そういうような何か盛り上がっていて、余り暗いイメージじゃない方向でやっていきたいなと思っています。

○中川座長
 そうですね。
 あと、がん検診に詳しいある先生から言われたのは、日本人はみんなが行っていると行くんだ、だから20%を50%にしろなんていうことを言うと、2割なんだ、じゃ私も行かなくていいんだというふうに思う人が多いんじゃないかと。だから、かえって……

○山田委員
 そうですね、期間限定とか、最後のとか言うと結構買い物しますよね。

○中川座長
 何かそういううまい言葉を本当は電通がやらなきゃいけないんだろうけどね。でも、確かにずっと低いですよ、低いですよ、欧米に比べて低いですよと言い続けているんですけど、本当にこの言い方でいいのかという気も少し最近してきたんですよね。すごい上がっているようですよ、クーポンをみんな使っていますよというふうな感じに、塩見さんのデータどりをもうちょっと精査していただいて、上がっている、みんなやり始めた、遅れちゃまずいという、そういうふうなやり方に変えていく必要が少しあるような気がしますね。期間限定とか、そういうのはまさにきくと思うし、それはちょっと皆さんのお知恵をいただければなというふうに思います。
 それでは、次に事務局から平成22年度の予算の概要についてのご報告をお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 それでは、ご報告させていただきます。
 資料につきましては資料の1でございます。
 がん対策の推進についてということで、予算額につきましては、平成21年度当初予算額237億円でしたが、今年度、22年度につきましては316億円ということで最終的にはおさまっているところでございます。
 これにつきまして1番から6番まで大きな項をつくりまして、それぞれどういう予算が計上されているのかという概要を示しているのが1枚目でございます。2枚目、3枚目につきましては、その中でも特に増額要求、それから新規要求について少し詳細なものを入れております。
 今回のがんの関係と検診の関係につきましては、4番の「がん予防・早期発見の推進とがん医療水準均てん化の促進」というところの「(1)がん予防・早期発見の推進」の中で?A番「がんの早期発見と質の高いがん検診の普及」というところで代表的なものを例として上げさせていただいておりますが、企業連携という形で企業との連携によるがん検診の推進、それからがん検診受診率向上企業連携推進事業、これはまた後ほどご説明させていただきますが、これも少し拡充したというところでございます。
 それと、「女性特有のがん検診推進事業」、これは先ほどから話題になっておりますクーポンの関係でございますが、昨年度は補正予算ということで単年度予算でございましたが、これを継続して続けたいということを考えまして、約76億円ということで計上させていただいているところでございます。
 昨年度この経費につきましては、補正予算で216億円ついたものでございますが、今回、市町村の自治体に対する補助率を少し変更しまして減額になっているというところでございまして、対象及び行う実施の内容については変更はございません。
 また、これにつきましては、いろいろな区市町村からのご意見を聞きながら、もう少し区市町村でも利用しやしすいような形に変更したいというふうに考えているところでございます。
 大まかには以上でございます。

○中川座長
 質問等がありましたら、挙手の上お願いしたいんですが。
 室長、基本的には本年度も女性のがん検診、無料クーポンの事業は変わらないということ。

○鈴木がん対策推進室長
 はい、内容につきましては変わらずに継続していただくということで予算は計上させていただいています。

○天野委員
 今クーポンについてご説明いただいたんですけれども、がん対策推進協議会のほうで今回、平成23年度のがん対策に向けた提案書というのを取りまとめるに当たりまして、全国各地でタウンミーティングなどを開催した際、地方の行政担当者の方から、今回そのクーポンの手当てが、今お話があったとおり、補助率が2分の1になっている部分があると。そうすると、非常に使いづらいということで、これはもうがん検診だけに限らないと思うんですけれども、非常に使いづらくなってしまっているという面があるので、もしこのままクーポン券の施策が有効性が高いというふうに認められるのであれば、これはもう国からしっかり手当てをするべきだというふうに思います。

○中川座長
 室長、何かありますか。

○鈴木がん対策推進室長
 いろいろと経緯が実はこれはございまして、がん検診自体の、本来がん検診を行うところというところについて、今、市区町村が主体的に行っていただくというようなことでなっているということも一方であり、なおかつ、今回の女性特有のがん検診推進事業の無料クーポン等につきましては、一方でそういう検診が行われていながらも重点的にこういういわゆるお試しとして、取っかかりとして行っていただくというような整理でもやっているというようなことがございまして、紆余曲折はしているんですけれども、その辺を考慮しながら補助率について少し前回から見直しをして計上したというところでございます。
 ご意見といたしましては承らせていただきまして、この事業、実際のところは、先ほどの塩見さんからのお話もございますとおり、いい事業だというような結果も出そうでございますので、これを今後どうするのかということはまた検討させていただきたいと思っております。

○中川座長
 乳がん、子宮頸がんという女性特有の、乳がんは男にもありますけれども、これは100分の1ですから、事実上女性に限った無料クーポン券なわけですが、全く男性側から反論がないのも不思議なんですよね。これは逆にやったらもう女性からぶうぶう言われるに決まっているんですが、どうなんでしょう、これはいつまでも女性だけというのがいいのか。がん検診はやはり有効性というのは全て同じではないわけで、大腸がんも非常に有効なわけですね。ですから、私は大腸がんというのも今後無料クーポン券の中に検討していただくとより、家庭の中で多分奥さんの中でとどまっちゃうんですね。ですから、ご主人を巻き込んで、あるいは会社員という点でまだ男性が多いんでしょうから、そういう点では大腸がんも視野に入れていただくといいようにも思います。
 続きまして、事務局から平成21年度のがん対策に関する世論調査の概要などについてのご説明をお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 それでは、調査関係につきましてご説明します。資料の2-1、2-2、2-3になりますが、まず2-1でございます。
 これは昨年度、平成21年10月に内閣府の政府広報室が公表したものでございますが、20歳以上の方を3,000人を対象にいたしまして、がん対策に対する世論調査というものを行っております。
 これにつきましてはもう既に公表しているところでございますが、中身を若干簡単にご説明しますと、あけていただきまして2ページのところには「がんに対する意識について」ということで、「こわくない」と思っている方々が25%弱、「こわい」と思っている方が75%ぐらいいらっしゃるというところでございます。
 ずっと後ろのほうにございますが、「がん検診に関する意識について」ということで6ページをちょっとご覧いただきたいんですけれども、「がん検診の関心度」ということがございます。「重要と思う」という方が非常に97.4%、「重要と思わない」という方が2.1%という状況でございます。
 ただし、片や右側の7ページを見ていただきたいのですが、そういった方々の中でがん検診を実際にどう受けているのか受けていないのかということをかんがみますと、今までに受けたことがないという方が44.0%いらっしゃるということで、この辺が思っていることと実際の行動というのが少し乖離が出ているのではないかというような嫌いがございます。その後はずっと各検診ごとにどれだけ受けているかというところがございます。
 あと、もう一つ、14ページをご覧いただきたいというふうに思います。
 これは、先ほどのがん検診の項目で「2年以上前に受診」もしくは「今まで受けたことはない」ということに答えた方に対して、最近受けていない理由は何かということを回答していただいたものでございます。
 これ、調査は2年前に、19年に行われていましたけど、ほぼ同じような傾向には出ておりますが、「たまたま受けていない」というのが回答として一番多かった。また、「必要な時はいつでも医療機関を受診できるから」「健康状態に自信があり、必要性を感じないから」「面倒だから」「時間がなかったから」というような事由で受けていないという方々が非常に多いと。この中で特に「健康状態に自信があり、必要性を感じないから」ですとか「毎年受ける必要性を感じない」「まだそういう年齢ではない」と、そういったところは、やはりがん検診というものががんになる前にきちんと行わなければいけない、いわゆる健康な状態のときにきちんと受けていなければいけないという、そういった知識の不足というものも一方であるのかなというような感想を持っているところでございます。
 そのほかについては後で見ていただければ分かりますが、こういった統計を行っているところでございます。
 それから、資料の2-2でございます。
 これは「がん検診の受診状況」というところでございまして、これは自治体、いわゆる市区町村が行ったがん検診の受診者数及び受診率についてデータとして出ておるところでございます。つまり、これはいわゆるドックの検診ですとか任意検診、そういったものが含まれていないものでございます。
 平成19年から平成20年になりますが、20年ですと、胃がん検診10.2%、肺がんが17.8%、大腸がん16.1%、子宮がんが19.4%、乳がんが14.7%ということで、胃がん、肺がん、大腸がんというものが落ち込んでいて、乳がん、子宮がんというのが若干増えているというような結果が出ているところでございます。
 それから、その後ろでございますが、2ページのほうにはそれぞれのがん検診について、どれくらいの自治体が何%以上のもの、つまり、今、上を見ていただくと分かりますが、がん検診受診率が50%以上もう既に達成しているという自治体は、胃がんですと66自治体、肺がん254、大腸がん93、子宮がん143、乳がん105というところでございますが、片や一方でゼロから10%未満のところがまだまだ非常に多いというところがございます。
 それから、資料の2-3でございますが、資料の2-3は、市区町村におけますがん検診の費用についてどれだけ費用として計上しているのかというところを載せて一覧にしております。それをあけていただきまして2ページに概要をまとめておるので、こちらを見ていただければと思います。
 「調査結果」とありますが、総額、全てのがん検診につきまして、20年度決算額につきましては1,026億円、これは決算ですので最終的にかかった費用というところになります。それを踏まえまして21年度予算額、これはまだ決算ではないので、実際にどれだけ必要かということを推定しながらどれだけ予算を計上したのかということになりますが、それにつきましては1,151億円、125億円の増額ということになっております。そのうち5大がん、いわゆる胃がん、子宮がん、乳がん、肺がん、大腸がんにおきましては、932億円の決算から、21年度予算につきましては1,047億円ということで、115億円の増額で増額要求をしているところでございます。増額した上位3件につきましては、東京、愛知、埼玉県、そのうち5大がんにつきましては、東京、埼玉、大阪と。減額したところは、石川、福井、富山というところでございまして、市区町村によってもいろいろと考え方があるというところでございます。
 ただし、私ども、22年度2月に来年度以降の予算につきましては、「市町村がん検診事業の充実強化について」という3ページに別添でつけさせていただいておりますが、こういったものをつけてがん検診に係る予算の確保についてお願いしているところでございます。
 以上でございます。

○中川座長
 ありがとうございました。
 この資料2-2のこの19年から20年にかけて減っている、なかなかショッキングですよね。子宮頸がん、乳がんだけが辛うじて上がっている。かなり危機感を持たなきゃ、危機感というか、もう土俵際だなという感じはありますね。
 審議官、これを見て何かご感想はありますか。

○麦谷がん対策審議官
 これを見てというか、先ほどの塩見さんが言われたように、女性のその特有にがんについてクーポンを配ったことによって受診率が上がると。先ほど初めて来られた方がもう圧倒的に多いというデータでしたので、私はもっとほかの要因があるかと思ってずっと思っていたんですね。そのがん検診に行くためのその動機づけというんでしょうかね、思っていたら、最後はやっぱりお金だったのかなと半分がっかりしたんですが、いろんな普及啓発事業をこれまでやってきて……

○中川座長
 お金もあるんだということですね。

○麦谷がん対策審議官
 しかし、お金は非常に大きな要因だったということが分かったので、変な下世話な言い方ですが、金で済むんなら頑張ろうかと思っています。

○中川座長
 予算は大事ですよね。ただ、無料クーポン券の中には、私もお手伝いしましたが、冊子なんかがあって、あれなんかを読んでいただく方は、やっぱりこれは行かなきゃいけないと、そういうところもあったかもしれないですね。
 ほかに何かこのことについて、今の資料について。
 はい、どうぞ。

○若尾委員
 多分その無料だということもあると思うんですが、今まで中川さんもおっしゃっていましたけど、例えば区の広報とかで、ここ、検診をやりますので来てくださいというお知らせだけだったのが、自分の名前の書いてある券が届くようになったということで、やっぱりそういう効果があったのではないかと思います。
 まだ検討中ということでお聞きしたデータなんですが、特に東京都などお金がありますので、もともと無料でやっていた自治体などでクーポンを配ることによってまた増えたということがあるので、必ずしもお金だけということではなくて、やっぱりそういう券が届くという個人勧奨みたいな形がかなり効果があったのではないかと思います。

○中川座長
 ほかにございますか。
 手短にお願いします。

○塩見委員
 先程ご説明した調査の中で、フリーコメントも随分いただいています。確かに無料というのは一つの要素なんですが、その無料検診クーポン券によって、例えば会社に持っていって、こういうのが来たから受けるため会社を休みますと言ったら社内で許されたというようなことも起こる、あるいは家庭の中で家族からそろって、検診に行っていらっしゃいよと勧められたというようなこともあったそうです。だから、無料クーポン券が無料だからというだけではなくて、そのクーポンが来たことによってそういう波及効果も生んで、行ける、受診できる環境が整うということもあるんだと思いますね。

○中川座長
 もう時間がないので、ぜひ厚生労働省からも実際に強く、特に個別勧奨は大事だからやれというふうに言っていただいたらいいような気がいたします。
 それでは、続きまして事務局から、がん検診50パーセント推進本部などについてのご説明をお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 それでは、資料番号3の関係でございます。
 まず資料3-1、手短にご説明しますが、昨年7月9日になりますが、厚生労働省内に先ほどのがん検診につきまして50%を達成するために、がん検診50パーセント推進本部というものを設置しております。これにつきましては、第2条の2項にありますとおり、本部長は厚生労働大臣、それから本部長代理が厚生労働副大臣ということになっておりまして、事務局につきましては、事務局長が私の隣にいます麦谷審議官、それから副事務局長といたしまして私がならせていただきまして、今、実施本部を行っているところでございます。
 それから、資料3-2でございます。
 これは昨年行われました全国大会と推進月間、この後にも来年度、平成22年度の推進月間と全国大会についてご審議いただくところでございますが、昨年の10月10日にサンシャインシティの噴水広場におきまして全国大会を開催させていただきました。これは豊島区さんとの共催ということで、この後、豊島区のイベントが入るといって2部構成で行ったところでございまして、冒頭、就任直後の長妻厚生労働大臣からのご挨拶、それから当時、ポスター、それからキャッチフレーズ、イメージキャラクター、ロゴマーク、そういったものにつきましての表彰と、あとは山田さんを中心といたしまして中川先生、山田さんに参画していただきましたが、シンポジウムを行ったというところでございます。
 5ページにつきましては、そのときにこれも決めましたキャラクター、キャッチフレーズ、ロゴマーク、それから最後のページが、ポスターコンクールを行いまして、皆様方に、急で申しわけございませんでしたが、審査をお願いしまして、最終的にはこういう形で小学校低学年の部、高学年の部、それから中学の部、高校以上の部ということでポスターを最優秀賞を決定させていただきまして、当日は記念品とともに表彰させていただいたところでございます。
 それから、資料3-3につきましては、担当しております電通のほうからご説明します。

○松本氏
 企業アクション事務局の松本と申します。簡単ではございますけれども、2009年度の事業総括ということをさせていただきます。
 国民の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなると。がん検診企業アクションは、その企業の大事な人材をがんによって失うリスクを軽減するために、特に従業員と家族のがん検診受診を推進していく国家プロジェクトですということです。
 もう皆さんご存じのように、このがん対策推進基本計画の中の個別目標の6番目ですね、がん検診の受診率についての50%、5年以内に50%以上にするという中に位置付けられております。
 その中で、今まで住民検診、クーポン券みたいなお話は出ておりましたけれども、それは住民検診のほうでございます。私どものほうは、民間企業の中での職域検診、職域検診の中でのがん検診の受診率アップをサポートするという事務局の位置付けでございます。
 がん検診の企業アクション事務局の設置場所は電通のほうにこの21年度は受託させていただいております。
 事業といたしましては、アドバイザリーボードメンバー11名の方にアドバイス、助言をいただいております。座長であります中川先生を初めといたしまして、今村理事、塩見理事・事務局長を初め11人の方にお願いをいたしておりました。その皆様の助言を基に、次のページになりますけれども、最終的に厚生労働省さんのほうから50社以上のこの推進パートナーの獲得というふうなことをいただいておりまして、昨年度3月31日までの間に65社の企業及び健康保険組合のパートナー、65社の獲得に至ったということです。つまり、職域検診アップのために賛同していただく企業65社ということです。
 特に、今回は生保、製薬、健康機器というこのがんの領域におけるなりわいにしている企業様を初めとしてマスコミ及びPR企業、波及効果のあるような会社さんを中心に企業回りをさせていただきました。
 次のページにありますように、啓発ツールの作成ですとかマスコミへの情報提供、パブリシティ効果の向上等々を活動の主目的とさせていただきました。
 9ページにありますように、これがプロとしておる私どもの企業アクション事務局の作業の活動の一覧になります。
 次のページから少しずつご説明いたしますけれども、まず、推進パートナーに入っていただいた方はこのホームページオフィシャルサイトの中に企業紹介をいたしております。まだ全社ではございませんけれども、今14社がサイトにアップされております。
 啓発ツールといたしましては、B3のポスターですとかA4のサイズのチラシ等々をご用意しております。その中でも一番有効に活用できたかと思われるのはこの「がん検診のススメ」という本です。中川先生に監修していただきまして、現在40万部ほどの企業様に配布が完了して、皆様にこの本を読んでいただいて、がんを自分のコトカしていただいているということになっております。
 また、啓発活動、対外的の啓発活動といたしまして、特に新聞広告、こちらにありますアフラックさんの広告の中にがん検診企業アクションのロゴマークを使っていただいているですとか、これはメディネットさん、メディネットさんも企業推進パートナーの1社でございますけれども、このように企業アクションのロゴを活用して広告を打っていただいているというふうな事例でございます。
 小冊子におきましては、基本的に社員の方々の数もしくは上限を3,000部としてお配りしておりますけれども、それ以外に有償でお配りしている方々には、このように企業名としてこの小冊子の中に企業名を入れさせていただいて、広く啓発活動のツールとしてお使いいただいている事例をこちらに用意しております。第一生命さんのパターンでございます。チラシも次のページにございますが、そういう活動をさせていただいておるということです。
 続きましては、マスコミ関係におきましてのメディアセミナーですけれども、12月9日に36社、52名のマスコミの方々に来ていただきましてメディア説明会を開催したですとか、今年の1月19日、全国の地方新聞社47種ございますけれども、その東京支社長の方々一堂に集めまして意見交換会を41社、42名の方々とさせていただいたというふうなこと。
 続きまして、次のページでは推進パートナー会議、今年2月23日ですけれども、弊社の会議室におきましていろんな意見交換会をいたしました。簡単なんですけれども、下にちょっとしたこのアンケート結果がございますけれども、非常に満足したという参加者の声が82%、次のページでは現状把握と体制づくりをやらなければいけないですとか、先ほども出ましたけれども、受診勧奨を含む従業員・被扶養者への啓発・啓蒙活動を今後やっぱりやっていかなきゃいけないなみたいな意見が多くアンケート結果で出てきたというようなことが調査として分かりました。
 ポイントが3つございます。このパートナー会議から、自社の現状を知り、よりきちっとした目標をやっぱり定めなければいけないですとか、従業員・被扶養者のがん検診受診に対する意識を啓発するための情報を学ぶ。まだまだ情報不足だというふうなことです。そういうふうなことをやはり社内で他企業の取組を知りながら情報を学びたいということ、そして最後にがん検診の重要性を広めるということがこの会議の中で出てきたということです。

○中川座長
 すみません、ちょっと時間がないので。

○松本氏
 はい。
 最後になりましたけど、3月24日に、ここにはありませんけれども、フォーラムをもって本年度終了したというふうなことでした。
 ちょっと長くなりました。申しわけございませんでした。
 以上、報告でした。ありがとうございました。

○中川座長
 質問などございましたら簡単に。
 よろしいでしょうか。
 それじゃ、続きまして事務局から、平成22年度のがん検診50%達成に向けた集中キャンペーンについてご説明をお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 それでは、ご説明します。資料の4-1にございます。それと4-2になります。
 まず、資料の4-1でございますが、「平成22年度がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間実施要領」でございます。昨年度も行いましたが、本年度も「実施期間」にございますとおり、平成22年10月1日金曜日から10月31日までをこの月間として、この期間にがん検診50%に向けたキャンペーン等を行いたいというふうに思っているところでございます。
 続きまして、資料の4-2になります。こちらのほうにつきまして、皆様方からの少しご意見をいただきたいと思っておるところでございますが、昨年度も行いました全国大会でございますが、本年度、22年度におきましても実施を考えているところでございます。実施の「大会開催内容(案)」ということで2番目に書いておりますが、(1)は「重点目標」、これは当然のことながら「国民一人一人ががん予防の必要性を認識し、検診を受診するという行動に繋げるための施策を展開する。」
 主催、後援につきましては厚生労働省と決まっておりますが、今、関係団体のほうにお話をさせていただいているところでございます。
 それから、実施期間につきましては、平成22年10月9日土曜日を、これは日程は決定をさせていただいております。開催場所につきましては、今現在調整をしておるところでございます。
 それから、(4)番目でございます。「ロゴマーク、キャラクター、キャッチコピーの活用」ということで、先ほどの資料3-2にもございましたとおり、昨年度、ロゴマーク、それからキャラクター、キャッチコピーというものを募集しまして、一応決定をしたわけでございますが、今年度また新たにする必要があるのかないのかということについてご意見をいただきたいと思っております。
 それから、「がん検診50%推進ポスターコンクールの実施」ということで、実施をするのかしないのか、実施について募集内容、募集区分、あと募集期間についてのご意見がいただければと。
 あと、これを昨年度は結局ポスターコンクールを行って表彰したというところで終わってしまいましたが、このポスターについて、どのようなほかにも活用方法があるのかと。せっかく表彰したわけですから、それをどういうふうに使ったらいいのかというようなご算段といいますか、お考えがあればご意見をいただきたいと思っております。
 それから、(7)でございますが、「大会プログラム」といたしまして今予定しておりますのは、開会宣言ということで昨年同様厚生労働大臣からのメッセージ、それから各種表彰が必要であれば表彰、それから大会内容、ここにありますのは、がん予防の必要性及び検診につなげるための意識改革をするために、昨年度は公開シンポジウムですとか学生による検診受診宣言等を行っていただきましたが、何かそれに代わるもう少しいい案があるのかということについて、もしご意見があればいただきたいと思っております。
 それから、あと普及啓発ということで参加者へのPR、昨年度はロゴマークの入ったクリアファイルの配布、それから関係資料を配布しましたが、もう少し何かいい算段があるのかということについて、もしご意見があればというふうに思っているところでございます。
 参考までに、「参考」以下は昨年度どういうものを行ったかということについてそれぞれ(1)から(7)まで示しているところでございます。
 以上でございます。

○中川座長
 ありがとうございました。
 ご意見いただけますか。特にロゴマークとか。
 はい、どうぞ。

○若尾委員
 若尾です。
 検診君にこだわるわけではないんですが、せっかく去年決めたので、もう1年でお役ご免というのはちょっとかわいそうだと思って、やはりこれは継続してどんどん周知していくもので、全国を回って、広島県とかもうまちの中に検診君の絵を出したり、あるいは福岡県では検診君の絵がついたボールペンを配ったりしていますので、だんだん広がりつつあると思いますので、これは今年だからまた次のキャラクーというよりかは、継続していただいたほうがいいんではないかと思います。

○中川座長
 そんな気がしますよね。「検診君」も最初見たときはどうかなと思いましたけど、だんだん慣れてきました。
 ほかに。ポスターもどうでしょうか。また、前回、去年の10月のあのイベントで表彰のところがちょっともう間延びしちゃっていましたよね。大臣にあれだけ2時間もいていただいたのにちょっともったいなかったような気がして、私は個人的には、ロゴマーク、キャッチフレーズ、またやらなくていいんじゃないかなという気が、それに代わるものをまた考えなきゃいけないですけども、いかがでしょうか。
 塩見さん、どうですか、こういうふうないろいろお慣れなところもある……

○塩見委員
 ポスターについてですか。

○中川座長
 ポスター、キャッチフレーズ。

○塩見委員
問題は活用方法ですよね。せっかくやって、小中学生とか子どもたちがいて盛り上がるのは大変結構なんですが、その後の活用方法がしっかりしていないがために表彰だけに終わるというのは非常にもったいないと思いますから。

○若尾委員
 ポスター、塩見さんがおっしゃったように、後で活用しないといけないと思っていまして、例えば今企業連携の話があったんですけど、企業連携で協力していただいている企業さんの宣伝などでそのポスターを取り上げていただくとか、その辺で少し協賛金を集めて、東京ですとそういうポスターばっかりの山手線を走らせるとか、何かそういうのでもう少し人目に触れるような形で活用をやっぱりしたほうがいいんではないかと思います。それで、その活用するという前提で、ポスターについては新たにまた募集して表彰するというのは、そんなに悪くないんではないかと思います。

○中川座長
 なるほど。いかがでしょうか。ポスターは募集すると。今ここで決めなきゃいけないわけではないですよね。そういう意見があるんだということ。逆にこのイベントの中でこれをやったらいいというのがもしあったら、関谷さん。
 関谷さん、最初でいいですか。ごめんなさい。

○関谷委員
 私は去年その場にいなかったので、雰囲気とかは分からずにちょっと申し上げる形になってしまうんですけれども、具体的な検診への一歩になるような仕掛けができたらいいかなと思います。その場に検診車が来てできるとか、そういうところは難しいんだと思うんですけど、具体的に現実的なところでとは思いますけれども、例えば……

○中川座長
 去年、来たんですよ。

○関谷委員
 ああ、そうなんですね。

○山田委員
 来たんですけど、やっぱり10月とかだと何か結構出っ払っちゃっているんですよね。忙しい。

○関谷委員
 検診車がですか。

○山田委員
 検診車が足らないとか。

○関谷委員
 じゃ、例えばその受診の受け付け、どこかの自治体ではそれを必ずやって、あとブレイブサークルでもそれを行ってというふうにも聞いた気もするんですけれども、その受診の受け付けなのか予約なのか、何かそういう具体的な一歩が踏み出せるようなブースをつくるというのがあればなと思います。

○中川座長
 なるほど。

○山田委員
 サンシャインのときも3人ぐらいたしか派遣したんですよね。

○関谷委員
 その場の検診車でね。じゃ、ぜひそれを……

○山田委員
 そうそう。それが、何かいろんな問題があるかもしれないけど、やっぱりそれはやっていきたいなと思っていて、本当は何か個別の部屋があって、お医者さんが来ていて、もうそこでどんどん検診ができるというのはあこがれるんですけど、なかなか難しいということで、でも、振り返ってみれば、そういえばこのサンシャインはよく頑張ってやったものだなと思う。一つの豊島区の小さな保健所から一本の電話がかかってきて、その人としゃべって、その保健所は小さいから小さいところじゃできないねと言って、サンシャインぐらい豊島区だったらとれないのと言ったら、とれましたというところからだんだんと大臣が最後来るようなところまでこぎつけることができて、これは形になって、豊島区は何かその後、続けてがんについて頑張っていくというので、また今年も豊島区というような話もあるんですか。

○鈴木がん対策推進室長
 実は、豊島区はもう条例もつくるという話もございまして、もうそこは独自路線でいっても大丈夫だろうというふうに思っていまして、それ以外の市区町村に、特に東京で行う予定にしておりますので、区に対して今場所等のタイアップというところもございますので働きかけをしようかと思っております。

○山田委員
 反省点としては、区だったということがあったのか、そこからいきなり厚生労働省の方にお話を持っていったら、そのギャップがすごくて、区の人がもう本当に対応し切れないというか、何か大臣が来るんですか、区長が挨拶しようと思っていましたのにみたいなことで、そんなところからつまずいて、私は本当に素人なので……

○中川座長
 いや、僕は都がいいと思いますよ。

○山田委員
 都のほうがいいんですかね。

○中川座長
 都、都だと思いますよ。

○山田委員
 区はかわいそうなぐらい苦しんでいましたね、このときは。うまく最後はまとまっていい会になりましたけど、しかも噴水広場だとSPの人とかが吹き抜けだから嫌だとか言って、大臣はきついんですとか最後怒られました。

○中川座長
 そうそう。まだ慣れていなかったし。新聞メディアも余り来なかったですしね、結果的には。

○鈴木がん対策推進室長
 本年度につきましては、当然のことながら、都にも早目に今打診をさせていただいておりまして、厚生労働省と東京都と、それから開催する区も区の中でどういうふうに盛り上げていただくかというところの底上げという意味もございますので、そういった関係者の中には区もやはり入っていただいて、全体三位一体でやりたいというふうには思っています。

○永江委員
 そういう意味で、今出していただいているこの案も当然ながら予算などいろんな条件がある上で出ているものかと思います。我々民間企業としても、がん対策における官民連携という視点で全国の自治体との協力ということを進めているのですが、もっと民間の知恵とかノウハウを活用いただく、そういう意味では資金面でも企業連携の可能性はありますし、企業アクションという事業もありますので、そういったところで拡大を考える、まず来てもらうためにイベント性を高めるアイデア出しのところから協力していくことも考えられると思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木がん対策推進室長
 全体的な大会をどういう形でして、その部分で厚生労働省の全国大会でどこまで、この間の豊島区の関係ではないですけれども、厚生労働省が担当する全国大会はここだし、あとサイドイベントではこういうものがあるというようなことで連携した大きな大会にはしたいと思っています。だた、そのときに私どもやはり行政官ですので、余りアイデアがないというところもございますので、皆さん一般的なイベントとか参加されている方々が多いというふうに、開催されている方も多いと思いますので、そういった中でなるべく人が来ていただけるようなイベントにするためにはどうしたらいいのかというところをフリーにご意見をいただきたいというふうに思っています。

○山田委員
 学芸会みたいな始まり方をした女子大生のグループもだんだん力を付けて、今とてもいい団体になってきているので、女子大生はかわいいし、それからOLもついてきているので、女子大を卒業するとOLになるということが分かって、その辺がついてきているので、そうすると男の子もついてくるので、若い人たちイコール子宮頸がんみたいな感じ、そうするとお母さんたちは乳がんというので、この図式のままちょっと10月だしやっていきたいなという感じはあります。

○中川座長
 あと、山田さんによるとイケメンというのも必要なんじゃないですか。

○山田委員
 そうです。かわいこちゃんには必ずイケメンがついてきますので、そうすると何か親たちも、あっ、何をやっているんだということでついてくるので全体的にいいなと思っているので、何かアンジェラ・アキさんの「手紙」というような曲をみんなでお母さんに歌いたいとか、そういう意見も何かあるので、いいなと思っているんですけど。

○中川座長
 今日はもう時間がないのであれなんですが、フロアの方々も含めて、ぜひどんどんがん室のほうに意見を出して、全て採用できるかどうか分かりませんけど、去年はちょっとその準備時間がなかったということもありますので、本当にぜひ民間のお力もかりたいなというふうに思っております。
 私の不手際で少し時間が延びております。本日の懇談会はここまでとさせていただきます。
 最後に、事務局のほうから連絡事項等があればお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 すみません。長時間にわたりましてありがとうございました。
 本日、議論いただきました内容につきましては、議事録を作成して厚生労働省ホームページ上にて公表することとさせていただきます。議事録の案ができましたら、また皆様方にご確認をお願いしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

○中川座長
 それでは、本日の懇談会はこれで終了させていただきます。
 長時間にわたり、皆さんありがとうございました。
(了)


(了)
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