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2014年1月15日 第107回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成26年1月15日(水)9:58〜11:56


○場所

中央合同庁舎第5号館12階 専用第12会議室
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

【公益代表委員】

岩村委員、田島委員、野崎委員、守島委員、山川委員

【労働者代表委員】

工藤委員、新谷委員、高松委員、冨田委員、八野委員、春木委員、宮本委員

【使用者代表委員】

秋田委員、池田委員、小林委員、鈴木委員、田中委員、平岡委員、宮地委員

【事務局】

中野労働基準局長、土田総務課長、村山労働条件政策課長、古瀬労働条件政策課調査官

○議題

1 報告事項
2 今後の労働時間法制の在り方について
3 その他

○議事

○岩村会長 それでは、委員の皆様、全員おそろいでございますので、ただいまから第107回「労働政策審議会労働条件分科会」を始めることにいたします。

 本日、御欠席ということで承っているのは、公益代表の権丈英子委員、村中孝史委員のお2人でございます。

 まず、議事に入ります前に、定足数の報告を事務局からいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○村山労働条件政策課長 定足数について御報告いたします。

 労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。

○岩村会長 ありがとうございました。

 それでは、カメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。

(報道関係者退室)

○岩村会長 議事に入りたいと思います。お手元の議事次第に沿って進めてまいります。

 最初の議題は、報告事項となっております。事務局から、第1に、前回の分科会における議論を踏まえまして、本分科会の下に設けました有期雇用特別部会の状況について、第2に、昨年12月5日に公表されました規制改革会議意見書について、第3に、昨年1226日に公表されました産業競争力会議雇用・人材分科会中間整理について、この3つにつきまして報告があるということでございます。

 そけでは、説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○村山労働条件政策課長 まず、第1点目、有期雇用特別部会についてです。資料1−1をごらんください。

 前回1217日の本分科会におきまして国家戦略特別区域法の成立を御報告申し上げ、また、その附則で労政審の意見を聞いて検討することとされました労働契約法による無期転換ルールの特例について、今後どのように検討するかということについて各側から御意見を頂戴いたしました。その上で、分科会長から、短期集中的に特定の問題について検討を深める必要があることから、本分科会のもとに有期雇用の特別部会を設置してはどうかという御提案をいただき、各側の了解を得ました。

 その後、皆様の御協力のもと、委員の人選、運営規程の制定等が進みまして、既に第1回、第2回と2回の特別部会が開催されております。

 委員としては、資料1−1の公労使各側4名ずつの先生方のお名前をいただいております。部会長としては当分科会の岩村分科会長が就かれ、また部会長代理としては職業安定分科会長である阿部先生が就かれているということでございます。

 2ページ目、3ページ目に、労働条件分科会の運営規程に関し所要の改正を行ったということの報告の資料がついております。

 短期集中的に特定のテーマについて取り扱うということから、当分の間置く組織としてこの特別部会を位置づけているというのが2ページ目の一番左側のところでございます。

 また、特に3ページ目の附則の4項にございますように、専決の規定を設けていることに関し、本分科会の皆様方にも御了解をいただければと考えております。

 資料1−1の説明は以上です。

 続きまして、2点目、規制改革会議の意見書についてです。資料1−2です。

 資料1−2は、規制改革会議の雇用ワーキンググループで昨年の秋以来集中的に議論されてきた労働時間のルールの見直しに関し、議論を取りまとめた「労働時間規制の見直しに関する意見書」ということで、親会議の審議を経て12月5日に公表されております。1ページ目のとおり、その主張は、「労働時間法制の包括的な改革を」ということで「健康確保の徹底のための取組み」と「ワークライフバランスの促進」「一律の労働時間管理がなじまない労働者に合った労働時間制度の創設」について三位一体の改革を主張されております。

 具体的には、2ページ目ですが、「一律の労働時間管理がなじまない働き方に合い、健康確保と両立する適用除外制度の創設」について制度の具体的な方向化の提言がなされております。

 (2)のとおり、適用除外の範囲は、国が対象者の範囲の目安を示した上で、基本的には、企業レベルの集団的な労使自治に委ねるということ、また、割増賃金制度は適用しないこととするということ。

 (3)のとおり、恣意的運用を排除するため、取り決め内容として、労使協定を行政官庁に届け出ることを義務化するということ。

 (4)のとおり、適用除外対象者の健康確保の徹底、またワークライフバランスの促進策として、1つには労働時間の量的上限規制、2つには休日・休暇取得促進に向けた強制的な取り組み、これをセットで導入すること等が書かれております。

 また、(6)で「一定の試行期間を設け、当初は過半数組合のある企業に限定する」といったことも書かれております。

 そして、3ページ目に、今後の労働時間法制の全体の議論の進め方としまして、労働政策審議会においてもこの本意見を受けた議論が開始されることを強く期待する旨等が示されているところです。

 もう一つ「ジョブ型正社員の雇用ルール整備に関する意見」が4ページ以降についておりますので、あわせて御参照いただければと思います。

 3点目、産業競争力会議の関係です。資料1−3です。

 産業競争力会議では、9月18日以来、雇用・人材分科会におきまして、昨年の6月に閣議決定されました日本再興戦略のフォローアップとあわせ、本年の6月、年央に向けた成長戦略の改定に向け、雇用・人材分野のさらなる検討項目につきまして集中的に審議をされてきました。雇用・人材分科会では6回の分科会を開かれてきたということです。厚生労働省としても、政務の出席を初めとして必要な対応に協力申し上げてきました。

 その上で、具体的に、労働時間法制の関係は7ページ目です。7ページ目の「健康、ワーク・ライフ・バランスの確保と創造性発揮を両立させる労働時間規制への見直し」という表題のところで、規制改革会議の意見書にもございました三位一体という内容がここでもうたわれております。

 具体的には、1つには「長時間労働の抑制による労働者の健康確保の徹底」、2つには「休日・休暇取得によるワーク・ライフ・バランスの促進」、3つには「労働者の処遇確保を図りつつ、業務遂行について裁量をもって働く労働者が創造性を発揮できるような弾力的な労働時間制度の構築」が掲げられております。

 具体策は次の8ページ目に書かれております。8ページ目の最初の○が「『働きすぎ』の改善」ということで我が国の労働時間に関する現状認識を述べた上で、事業場内での過重労働に関するPDCAサイクルを構築し、労使双方が時間を効率的に活用する意欲を高めることを基盤として、年次有給休暇の取得促進、時間外労働削減について例えば割増賃金のあり方、労働時間の量的上限規制のあり方、具体的には一定期間における最長労働時間の設定、勤務時間の間に一定の休息時間を設けるインターバル規制等、労使間のイニシアチブのあり方、具体的には使用者による休日・年次有給休暇取得に向けた実効的な仕組み等の抜本的な方策について総合的に検討を行うとされております。

 また、次の○では「時間で測れない創造的な働き方の実現」として、現在のホワイトカラーを中心とする働き方の変化に関する現状認識を述べた上で、一律の労働時間管理がなじまず、みずから時間配分等を行うことで創造的に働くことができる労働者、例えば職務の範囲が明確で高い職業能力を持つ労働者に適合した弾力的な労働時間制度を構築するということが書かれております。その際に、健康確保措置等についての具体化を図る必要性も書かれております。

 また、3つ目の○では「テレワーク等の在宅勤務に適合した規制のあり方」として、現在のテレワークをめぐる情勢についての記述の上で、こうした現状を踏まえ、テレワーク実証を行いながら、労働時間規制のあり方も含め、今後、明確なKPIを掲げ、テレワークの普及・拡大のための措置に取り組むべきであるということが提言されております。

 それ以外にもさまざまな内容が書かれておりますが、いずれにいたしましても、位置づけは、表題のとおり、中間整理ということでございまして、今後、政府部内においてこうしたものを受けながらどのように成長戦略の改定に臨んでいくのかについての本格的な調整が進んでいくものと考えております。

 説明は以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま御説明いただきました3点につきまして、御意見、あるいは御質問がありましたら頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

 では、八野委員、どうぞ。

○八野委員 御説明いただきましてありがとうございます。

 本分科会のもとに有期雇用の特別部会がもうスタートし、有期の特例についての検討を進めているわけですが、有期労働契約の無期転換ルールについて定めた労働契約法の18条は、昨年の4月に施行されたばかりで、まだ改正労働契約法による効果の検証さえ行われておりません。

 この分科会で約1年半にわたり議論を尽くし、改正された労働契約法が、ILOの三者構成原則以外の場において改正項目とするべく実質的な議論がなされて、また再び特別部会で行うことになったということについては、これは労側だけではないと思うのですが、労働政策の基本方針の策定のプロセスとして非常に違和感を覚えるということを改めて申し上げておきたいと思います。

 また、資料1−3の4ページを見ますと、少しずつトーンが変わってきているということでありますが、労働政策の基本方針の策定について、「労使の利害調整の枠を超えて、政府として経済政策と労働政策の一体的・整合的に捉えた総理主導の政策の基本方針を策定する仕組みを検討すべきである」と記載されております。しかし、労働政策の決定についてはILO三者構成原則の中できちんとやっていく必要があると思いますので、このような表現は到底看過できないということを申し上げておきたいと思います。

 この場でも何度か見解をいただいておりますが、またこういうものも出てきましたので、このような一連の政府の動き、労働政策の基本方針の策定についての考え方についてどのように考えるのか。できれば、公益側、事務局から御見解をいただきたいと思います。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 講評ということではございましたけれども、私自身も、この労働政策審議会の場における三者構成主義は非常に重要であると、労働政策審議会の他の分科会、部会を含めて、かねがねほかの場でも申し上げてきたところでありまして、そのことについてはいささかも変わりはないと考えております。

 ただ、他方で、今、八野委員が触れられたような、外から見ると労働政策審議会の場というのがややもすると労使の利害調整に終わっているのではないかと見られてしまうということ自体は懸念すべきことではあるかなという気はいたしますので、そのように見られることのないような形で何とか議事進行なり議論の進展を図っていければと思っているところであります。そこは労使の委員の方々の御協力を得ながら何とか努力していきたいと思っているところでございます。

 何か事務局のほうでございますでしょうか。

○村山労働条件政策課長 分科会長がおっしゃるとおりだと思います。事務局としてもその方向で、分科会長を初め、審議会の御意向を踏まえてしっかりと御議論をサポートしていく必要があると考えております。

 以上でございます。

○岩村会長 それでは、ほかにいかがでございましょうか。

 新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 今、八野委員が申し上げたように、やはりILOの三者構成原則に基づく労働政策審議会の重要性は非常に高いと私どもも思っておりますし、ここでの論議は尊重して、労使が真摯に話をして一定の結論を見出すという努力はこれからも継続していきたいと思います。

 気になるのは、この政府のいろいろな会議体が全て非公開で開催されているということと、委員の数が非常に少ないということです。私ども労働側の代表は、連合の組合員680万に限らず、全ての労働者の代表という立場でここに出させていただいております。使用者側の委員も、日本経団連さんは日本を代表する1,300社程度の企業の代表として出席されていると思います。また、日本商工会議所さんもたしか127万社の中小企業の代表として出られていると思いますし、中小企業団体中央会もたしか3万5,000企業組合の代表としてこの場に出られて、それぞれ労働者の意見、使用者の意見を真摯に論議していると思います。今の政府の会議体は、政府が任命されたごく少数の方々が意見を出されているわけでして、その仕組みに対しては、やはりグローバルスタンダードであるこの審議会を尊重して、労働政策の基本方針はここで審議をするべきであるということを重ねて申し上げておきたいと思います。

 その上で、先ほど説明いただいた資料の1−2の規制改革会議が125日に示した「労働時間規制の見直しに関する意見」は、労働政策審議会を名宛人として出された意見だと思っております。この中には、総論に当たる部分で「健康確保の徹底のための取組み」「ワーク・ライフ・バランスの促進」「一律の労働時間管理がなじまない労働者に合った労働時間制度の創設」といった3つの課題を掲げ、これを三位一体の改革で進めるべきだということでありますけれども、その中身は、新たな労働時間の適用除外制度の創設を提起している内容であると理解をしております。

 実は、この規制改革会議の雇用ワーキングには、経団連さんも行かれたと思いますが、連合も労働側のヒアリングで呼ばれまして、時間外労働の上限規制や勤務間インターバルの導入について提言したほか、我が国の年次有給休暇の消化率の低さや、長期の連続休暇の取得率が低さといった問題点を挙げ、労働時間法制については、規制の緩和をするだけではなく、労働時間について今ある過重労働の問題を含めて労働者保護の観点から労働時間の規制をむしろ強化することを考えるべきではないかということを申し上げてきたところです。そういった主張については、この報告書、意見書の中にも反映された側面もあるかなと理解はしております。

ただ、この意見書では、申し上げたような最長労働時間設定であるとか勤務間インターバルの対象を、新たな労働時間規制の適用除外対象者に限定しており、対象を非常に絞り込んだ形で記述をされているところが、私たちが主張した内容と大きく違うところだと思っております。本来、全ての労働者に保障されるべき労働者保護のためのルールが、三位一体というセットで、限定された労働者にしか適用されないというところは着眼点が全く違うところでありまして、この点は非常に残念だと思っております。

 また、(2)に記載されている、「労働時間の新たな適用除外制度の創設」については、その適用除外の範囲について「基本的には、企業レベルの集団的な労使自治に委ねる」と記載されておりますが、やはり労働時間といった労働者の健康と命にかかわる問題は行政取り締まりと連動する問題でありますので、こういった強行的な基準については労使自治に委ねることは適当ではなく、法に基づく規定とするべきであると考えております。

 以上です。

○岩村会長 それでは、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 私も資料1−2、1−3に関しまして申し上げたいと思います。規制改革会議の意見、あるいは産業競争力会議の中間整理に共通する一つのキーワードとしては、成長と働きやすさがあるのではないかと思っております。

 この成長と働きやすさに関しましては、例えば政労使会議の取りまとめでも指摘されているとおり、厳しいグローバル競争に直面する我が国企業が、付加価値の高い製品やサービスの創造、ブランド化等の差別化によるプロダクトイノベーションを通じて新たな価値を創造していくこと重要であると思っております。

 また、具体的な業務遂行の方法や時間配分をみずからの裁量で決定しながら成果を達成するような働き方が一部の事務職、営業職、研究職において広がりつつある状況であります。そのため、こうした一部の労働者の能力発揮を促す観点から、運用実績のある企画業務型裁量労働制の見直しについて先行しながら議論を行い、あわせて、事務系や研究・技術開発系等の労働者の働き方に適した労働時間制度の創設についても今後議論を深めてまいりたいと思っております。

 先ほど労側の委員から労使自治についての御発言がございましたが、企業の実態や、働く方の働くニーズの多様化もございます。さまざまな多様化に対応する労働時間管理を行うには、法律で一律に律するのではなく、可能な限り労使自治を重視した法制度に見直すことが必要と考える次第でございます。

 また、規制改革会議から、新しい制度と規制強化とのセットでの提案があるわけでございますが、これは新しい方向性を探る上で一つのアイデアではないかと思っているところでございます。

 以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございます。労使の双方からそれぞれ大変貴重な御意見をいただいたと思います。

 ほかに、きょう御報告があった3点につきまして何かございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。

 それでは、次の議題に進みたいと思います。

 議事次第にありますように、2番目の議題は「今後の労働時間法制の在り方について」となっております。前回の議論の最後に申し上げたところでありますけれども、前回までで実態調査であるとか政府統計などのデータをめぐる御議論というのは一通り行ってきたところだと思っております。そこで、今回からは、労働時間法制についてテーマごとに御議論を頂戴したいと思います。

 今回につきましては、裁量労働制やフレックスタイム制などの弾力的な労働時間制度について御議論を頂戴したいと思っております。これにつきまして、事務局のほうで裁量労働制等のアンケート調査の速報結果をまとめていただいております。それを含めまして資料についての説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○村山労働条件政策課長 それでは、資料2−1でございます。

 この論点(案)は、昨年9月27日、今回の労働時間制度の検討の最初の会議のときに各側に御確認いただいたものでございます。そのうち、ただいま分科会長からお話がありましたように、まず本日は2.のところを中心に御議論をお願いしたいということでございます。

 次、資料2−2でございます。先ほど分科会長からございましたように、弾力的労働時間制度、既存のさまざまな制度があるわけですが、その概要についてまとめている資料です。

 1枚おめくりいただき、まず、労働時間制度の概況として、弾力的な労働時間制度の適用労働者の割合がどのようになっているかをまとめたものでございます。変形労働時間制を中心として、昭和62年の労働基準法改正以来、さまざまな弾力的な労働時間制度が設けられ、また、要件等がその後見直されているものも多く、そうした中で、弾力的な労働時間制度の適用労働者の割合は、就労条件総合調査ベースで見て約55%になっています。広く使われているという全体的な状況をまず御確認いただければということです。

 2ページ目でございます。そのうち最もさまざまな現場で広く使われております変形労働時間制につきまして、1カ月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制、非典型的な変形時間制につきまして、それぞれの対象、労働時間、手続、あわせて適用労働者導入企業の割合の最新の状況についてまとめている資料です。

 次に、3ページ目でございます。フレックスタイム制についてです。フレックスタイム制につきましても、昭和62年度の改正で昭和63年から基本的に現在の形で運用されているところですが、その対象、労働時間、手続等についてでございます。手続にございますように、就業規則にフレックスタイム制を導入する旨を規定していただくということと、労使協定によって対象とする労働者の範囲、清算期間、清算期間中の総労働時間、あるいはコアタイムの有無や時間帯等につきまして規定していただけば、特に免罰要件として届出義務等は課さずに、効果が認められる労働時間の制度となっているということです。

 その関係で4ページ目ですが、規制改革の要望等として政府に出されている内容の一つとして、完全週休2日制の場合のフレックスタイム制の適用という課題がございます。ややテクニカルな話にわたりますので、共通理解をいただくために図示化してまとめている資料です。

まず、フレックスタイム制自体は、その総枠につきまして清算期間を1カ月とした場合には、週の法定労働時間をベースに、清算期間における暦日数で、それを割り戻す形で算出して枠をはめる制度でございます。

 そこで、例えば平成21年6月のカレンダーがそこにありますが、完全週休2日で土曜と日曜が完全にお休みの事業場を想定いたしますと、こうした日の並びの場合には、所定労働時間が1日8時間の場合、8時間働くと8時間×22日で月176時間になるわけでございますが、自動的に法定労働時間の総枠を超えてしまい、その分が法定時間外労働になってしまうという現象が起きます。これは、日で見るか週で見るかということに伴うということです。

 左側にございますように、そういったところまで時間外労働と整理することが制度の本旨ではございませんので、運用によって、具体的には平成9年に審議会でおまとめいただいた御見解をもとに局長通達を出しているわけですけれども、左側の下の「●要件」の「清算期間が1か月」「完全週休2日制」の次に書いてありますが、「29日目を起算日とする1週間の労働時間が40時間を超えない」そして「労働日ごとの労働時間が概ね8時間」の場合には、特例的な計算方法といたしまして、最後の1週間の労働時間も加えて全体を5週間で割り戻すという形で特例として運用しているということでございます。

 これに関しまして、フレックスタイム制の適用労働者の働き方次第では、これは各自に始業・終業の時刻を委ねる制度なので各日の労働時間がおおむね8時間とならないということから、要件を満たせないことがあり、したがって、フレックスタイム制を導入するときの隘路になるという御指摘があり、また日単位ということで、こうした場合、何か考えられないのかということは学説の中でも主張されている状況にあるということをまず御確認いただければということです。

 こうしたことが起きている一つの背景としては、制度自体をつくった昭和62年当時の完全週休2日制というのは28%強ぐらいの導入率だったわけですけれども、現在、それを上回る休日制度の適用者も含めれば、約半分の事業場で完全週休2日制以上になっていて、そうした変化の中からこうした点がクローズアップされているものと理解をしております。

 以上がフレックスタイム制についてです。

 5ページ目です。事業場外みなしの労働時間制についてでございます。この点につきましては、前回の平成17年から18年にかけての本分科会での御議論においても、今後ともその制度の運用実態を踏まえて必要な場合には適切な措置を講ずることが必要なと結論づけられましたが、対象としては、労働者が労働時間の全部また一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間の算定が困難なときに、労働時間として原則として所定労働時間労働したものとみなす等のみなしの労働時間制度でございます。かなり幅広く、特に営業職等が多い業界では使われている制度でございます。

 6ページ目です。専門業務型裁量労働制についてです。専門業務型裁量労働制は、専門性が高い業務に従事する労働者が対象で、業務の性質上、その遂行を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある業務として、例えば、そこに書いていますように、新商品・新技術の研究開発業務ですとか、情報処理のシステムエンジニアの業務ですとか、コピーライターや新聞記者等の業務といったものが省令や告示で規定されているところでございます。これも、労働時間に関してはみなしの労働時間制度ということで、手続としては、労使協定において、そこに書いている事項を定めて労基署に届け出ていただくことによって免罰効果が働くという制度でございます。

 次のページに、対象業務については、昭和62年に法定されてから平成一桁の年代ぐらいまでの間に見直しの議論が多々ありまして逐次追加してきておりますけれども、最近ではこのような形で対象業務19業務で運用されております。

 1から5までが省令に定められている業務、6以下が大臣告示に定められている業務です。

 8ページ目です。企画業務型裁量労働制についてです。御案内のとおり、これまでの制度と異なり、平成10年の労働基準法の改正によって制度化された労働時間制度です。対象としては、事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務に従事する労働者の方で、業務としては、専門型と同様に、その遂行方法を労働者の裁量に委ねる必要があるような業務でございます。

 労働時間はみなしの労働時間制度です。

 手続に関しましては、労使委員会を設置していただき、以下の事項を決議し、その際に5分の4以上の多数決の上で、それを労基署に届けていただく必要があるということです。対象業務、対象労働者の範囲、みなし労働時間、健康・福祉確保措置、苦情処理措置、本人同意を得ること、あるいは不利益取り扱いの禁止等を決議していただく必要があること。特に健康・福祉確保措置については6カ月に1回労働基準監督署に定期報告いただく必要があるということです。

 9ページ目ですが、この企画業務型裁量労働制に関しては、制定当時、国会でもさまざまな御議論があり、そのわかりやすい例示をきちんと大臣告示の形で法律の根拠を持った指針として定めることが必要という国会修正も施されました。対象業務につきましては、労働基準法上の定義は1のとおりですが、具体的な業務に関する例示につきましては、他の留意事項ともども、当該指針に位置づけられているところです。

 対象業務となり得る業務の例となり得ない業務の例につきまして、当時、審議会で労使の意見もいただきながら、それぞれ例を挙げているということです。

 例えば、なり得る業務の例としては、最初のポツにございますように、経営企画を担当する部署における業務のうち、経営状態・経営環境等について調査及び分析を行い、経営に関する計画を策定するような、まさに企業の中枢で企画、立案、調査、分析が一体として行われるような業務が例示されております。

 なり得ない業務の例としては、庶務の業務でありますとか、個別の計算や書類の作成・保管の業務でありますとか、個別の営業活動の業務といったものが例示されているところです。

 以上が、現行の弾力的労働時間制度についての概要資料です。

 続きまして、先ほど分科会長からもお話がございました裁量労働制等に関するアンケート調査の結果の速報でございます。2−3の表紙にもございますように、本調査については独立行政法人労働政策研究・研修機構に依頼して実施したところですけれども、現時点で取りまとまった集計結果分(速報値)について当省で整理したものに関して御報告をしたいと考えております。次の※に書いていますよう、裁量労働制について企画業務型裁量と専門業務型裁量の調査票の全部の振り分けの精査まで行い切っていないものですから、そこのところをあわせた調査結果で表章しているということです。

 次の2枚がその調査の概要です。時間の関係もありますので、詳細は省略させていただきますが、調査の方法としては、基本的に労使協定や決議の届出等により、厚生労働省が把握している事業場と、それだけでは数が足らないので、事業場のデータベースからランダムに抽出した事業場に対して調査票を送付しております。この両者の性格や性質がやや異なりますが、本日は可能な限り合算して見ていただき、後日、それらをきちんと仕分けたものについてJILPTで取りまとめていただく予定となっております。

 また、調査対象の属性に関しては次のページに業種別、従業員規模別、労働組合の有無別の状況を表章しているところです。

 その結果です。企画業務型裁量労働制についての項目と、フレックスタイム制についての項目を分けて整理をしております。

 まず、右下1ページ、企画業務型裁量労働制の導入のきっかけを事業場に質問した結果です。制度導入のきっかけとして、「労働者の創造力を高め、能力発揮を促す」(46.7%)、「成果主義・業績評価制度導入の一環として」(35.0%)を挙げられた回答が多いということです。

 次に、裁量労働制の効果について導入事業場に質問した複数回答の結果です。効果として、「効率よく仕事を進めるように従業員の意識が変わった」(55.2%)、「従業員のモチベーションが向上した」(27.0%)を挙げられた回答が多いということです。

 次に、適用を受けることへの満足度を労働者に聞いたものです。ここは専門業務型と企画業務型と一緒になった調査結果です。適用労働者のうち、「満足」「やや満足」の選択肢を選ばれた方が70.5%です。一方で、「不満」「やや不満」を選ばれた方が合計26.7%で、それらの方々に具体的に不満な点を聞いたところ、労働時間(在社時間)時間が長い」が49.2%、「業務量が過大」が46.7%、「給与が低い」が43.0%等となっております。

 次のページです。制度適用の満足度について、適用前との比較を適用労働者の方々にお聞きしたものです。これは、本人同意が法定要件となっております企画業務型裁量労働制のみならず、専門業務型の裁量労働制も運用上、本人同意をとる例が相当数見られるということがあり、それらの方々について特に内訳を集計したものということで見ていただければと思います。

 したがって、専門業務型裁量労働制で、労使協定でその部門、あるいはその職種が適用されることとなっているという方については全体の68.1%いらっしゃるわけですが、そこについては特にそれを深掘りする調査を行っているわけではないということです。

 例えば、ここの項目で見ますと、上から4つ目「仕事を効率的に進められるので労働時間を短くすることができると思った」という方が複数回答で24.6%おられますが、それらの方々に聞いてみますと、「あまり期待どおりになっていない」が44.9%と緑の点線で囲っているところでございます。

 一方、その下の「仕事の裁量が与えられていることにより仕事がしやすくなったと思った」が複数回答で37.3%いらっしゃいますが、その点について期待どおりでしたか、期待どおりになっていませんかということをお伺いすると、「概ね期待どおり」という方が42.3%、「一部期待どおり」という方が36.3%で、項目によって期待に対する満足度がやや違う傾向も見てとれるということを御確認いただければと思います。

 次のページ、4−1です。制度への評価・変更すべき点について専門業務型・企画業務型の裁量労働制を導入している事業場に御質問した結果です。現在の裁量労働制について今のままでよいかという質問に対して、「今のままでよい」が71.3%、他方「変更すべき」が25.5%です。具体的にどのように変更すべきかについて複数回答で伺ったところ、最も多く選択されたのが「一定以上の高い水準の年収が確保されるなら、労働時間規制を適用除外すべき」で、他にも何らかの適用除外を求めるような御意見が少なからずあったということを御確認いただければと思います。

 次に、4−2です。適用労働者の方々に制度への評価・変更すべき点を質問したものです。これも「今のままでよい」が69.3%、「変えたほうがよい」が27.2%となっております。この「変えたほうがよい」を選ばれた方に具体的にどのように変更すべきかを伺ったところ、労働者のほうでも「一定以上の高い水準の年収が確保されるならば、労働時間に関する規制を適用除外してもよい」を選ばれた方が36.1%で最も多かったということです。

 次に「5−1 対象業務の範囲等」です。これは企画業務型裁量制の導入事業場へのアンケート結果です。

 対象業務の広さについては、「現行制度のままでよい」が40.6%、「狭い」との回答が21.7%という結果でした。「狭い」と回答された事業所の方々に範囲をどうすべきかを伺ったのが右側のグラフですが、「労使委員会で合意できれば対象業務として認めるべき」が71.4%、「対象業務の要件を拡大すべき」が60.2%となっております。

 また、企画業務型裁量労働制は、先ほど申し上げた指針等で対象業務に常態として従事することを求めている制度ですが、一部はほかの業務をやっても、そうした対象業務に「『主として』従事していればよいこととすべき」という選択肢を選ばれた方も31.6%です。

 それから、対象業務の範囲につきまして適用労働者の方々に伺ったのが次のページです。対象業務の範囲の広さについて、労働者のほうのアンケート結果としては、「現行制度のままでよい」が67.1%、「狭い」が7.2%等でございました。対象業務の範囲をどうすべきかに関しましては、その「狭い」と答えられた方々に複数回答で選んでいただいたところ、「対象業務の限定は不要である」が48.9%、対象業務の範囲は労使にゆだねるべき」が43.6%等でした。

 次に「6 手続要件(有用でない・煩雑である手続)」について御質問したものです。これは事業場への調査です。手続についての考えとしては、「現行制度でよい」が38.1%ですが、一方「有用でない手続があり、煩雑である」を選ばれた方は29.2%です。煩雑な手続について、「有用でない手続があり、煩雑である」を選ばれた事業場の方に3つまでの複数回答で選んでいただいたところ、最も多かった「報告の作成及び労働基準監督署への届出」が66.9%、次に「決議届の作成及び労働基準監督署長への届出」が51.3%、この2つが半分を超えていたということです。

 次のページがその決議届、定期報告の作成・届出について、「有用でない手続があり、煩雑である」と回答された事業場にどのように変えるべきかを伺ったものです。まず、決議届の作成・届出については、複数回答で最も多かったのは、「本社で一括届出ができるようにする」が59.0%、「届出を廃止する」が34.4%等です。定期報告の作成・届出については「届出を廃止する」が50.2%、「本社で一括届出ができようにする」が41.8%等です。

 次に、これは本分科会でも既に問題提起のあったところですが、実労働時間の把握についてどのように行われているのかということにつきまして、専門業務型裁量制、企画業務型裁量制、フレックスタイム制、管理監督者、その他通常の労働時間制や一般的な変形制の方等に分けて集計したものでございます。

 企画業務型裁量労働制について見ますと、「タイムカード・ICカード」が27.2%、「自己申告制」が20.8%、「パソコンのログイン・ログアウト」が10.0%、こういったものを挙げた回答が多かったということでございます。

 なお、本質問に関しましては、管理監督者については在社時間の把握等の観点から行っているものを質問しております。裁量労働制については、特にそこのところを特記して質問せず、健康・福祉確保措置のため把握すること等との関係でというようなことは特に質問に書いておりませんでしたので、やや「不明」が多いのはそういったことが影響しているのかもしれないと考えております。

 次に「8 裁量労働制適用者だけに支払われる手当」についてです。前提です。これは、最初にも申しましたように、まださまざまなクロス集計等は行っておりませんので、みなし時間との設定との兼ね合いでどうかとか、そういったところまではまだ深めておらず、とりあえず質問した結果を羅列したものとして見ていただければと思います。その上で、裁量労働制適用者だけに支払われる特別手当が「ある」とする事業場が55.1%、「ない」が40.6%です。「ある」とされた事業場に特別手当の金額の設定基準を複数回答で聞いたところ、「通常の所定労働時間を超える平均的な残業代相当分」を選ばれた方は75.2%の事業場です。「業務遂行の結果や成果」が25.4%、「業務遂行の能力や態度」が10.8%等となっております。

 特別手当の金額について、企画業務型で分布を見ておりますが、全体にばらつきがありますし、「不明」とする回答も多いことにも御留意いただければと思いますが、右側のグラフにあるとおり、7万7,000円が月平均の金額です。

 次に「9−1 健康・福祉確保措置」についてです。まず、事業場に実際に実施した健康・福祉確保措置について質問したものです。最も多かったのは「産業医等による助言・指導または保健指導を受けさせる」が40.4%、次が「心と体の健康相談窓口を設置する」が39.2%でした。一方、緑の点線で囲っておりますけれども、特別な休暇付与ですとか配置転換といったものは必ずしも多くないという結果です。

 次のページが、今度は、裁量労働制の適用労働者の方々に健康・福祉確保措置について伺ったものです。まず、「十分と思うか」という質問について「はい」が72%、「いいえ」が26.4%でした。「いいえ」とされた26.4%の方々に具体的な措置の要望はあるかということを聞くと、そのうちの79.4%の方は「ある」ということです。では、具体的には何かということを複数回答で選んでいただくと、赤い丸がつけてありますように、一番多いのは「年次有給休暇の連続取得を含む取得促進措置」、あるいは「休日・休暇を組み合わせた連続休暇制度の導入」ですとか「一定時間以上の勤務が行われた場合の特別休暇付与」ですとか「定期的な特別休暇付与」というようなことで、休暇、あるいは休日も含めての実質的に休める機会の確保に対するニーズが見てとれるところです。

 一方、配置転換や面接指導、保健指導等については、必ずしも要望としては多くないという状況になっております。

 それから「10−1 苦情処理措置」についてでございます。まず、導入事業場に苦情処理措置として実際にとっている措置を伺っているものですが、複数回答で最も多かったのが「人事担当部署等に独自の相談窓口を設置」が41.3%、以下「上司への申し出」等が挙げられているということです。

 一方、労働者に対して苦情処理措置について聞いているものが次のページですが、苦情の申し出の有無で見ますと、「ない」が95.2%、「ある」が3.7%です。また、苦情処理体制は十分と思うかということに関しては、「思う」が62.6%、「思わない」が34.5%です。「思わない」を選んだ34.5%の方々に、どこが不十分ですかということについて伺ったところ、「どこの誰に相談すればよいのか明確でない」が37.1%と最も多かったということです。

 以上が、企画業務型裁量制を中心とした裁量労働制関係のアンケート調査結果です。

 続きまして、右下17ページからがフレックスタイム制についてのアンケート調査結果です。

 まず、制度に対する評価です。制度の運用上、不便を感じたことがあるかについては、「ある」との回答が47.9%、「ない」との回答が46.7%で、おおむね同じ、拮抗したような状況ですが、「ある」のほうが若干多いという結果になっております。

 具体的に不便を感じた点をこの「ある」を選ばれた47.9%の方々に複数回答で質問したところ、「清算期間が短い」という選択肢を選ばれた方が多くて94.2%です。次に「複数月をまたいだ清算ができない」、あるいは週休2日制の場合の取り扱い等を選ばれている方がいるということでございます。

 右側に、その「清算期間が短い」を選ばれた事業場の方々に、具体的にはどの程度の期間がよいかということを質問したわけですけれども、これは「不明」が一番多かったということです。

 次のページの1−2ですが、フレックスタイム制の適用労働者に制度に対する評価について質問したものです。現行のフレックスタイム制についての評価は「このままでよい」が81.9%、「見直すべき」が15.1%です。具体的に見直すべき点につきまして、「見直すべき」と回答された15.1%の労働者の方々に聞いたところ、制度と運用の問題を特に明確に分けずに御質問しているのでこういう結果になったということですが、コアタイムをなくすべき等の運用上の問題も含めて回答されていますが、「コアタイムをなくすべき」が30.2%、「出退勤管理を緩やかにすべき」が21.2%、次いで「清算期間を長くすべき」が24.4%です。「清算期間を長くすべき」と回答された労働者の方々に清算期間について具体的にはどの程度の期間がよいかを御質問したところ、トータルでサンプルは少なくなっていますが、「3カ月程度」を選ばれた方が46.7%、「1カ月以上3カ月未満」、具体的には1カ月は現在でも可能なので、例えば2カ月というような区切りかもしれませんが、24.0%というような結果になっています。

 続いて、19ページ、フレックスタイム制に関する職場での課題について事業場に質問したところです。職場でどのような問題があるかということについて、「特に問題ない」が47.2%と多いわけですが、「従業員の時間意識がルーズになること」(28.5%)等を選ばれる回答も見られたところです。

 それから、フレックスタイム制を導入していない事業場にフレックスタイム制を導入していない理由を質問したところ、「適した業務・職種がなく、必要性がないから」が複数回答で61.7%と最も多く、以下「取引先・顧客に迷惑をかけるおそれがあるから」「業務遂行の効率性、生産性が低下するおそれがあるから」「従業員の時間意識がルーズになるおそれがあるから」等が多かったということです。

 資料の説明は以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま説明をいただきましたこの資料2−1から2−3につきまして、御意見、御質問がございましたら頂戴したいと思います。また、最後に説明がありました資料2−3については、現在、さらにクロス集計を進めているところであるという御説明がありましたので、もしこういう点についてのクロス集計もしてほしいというような御要望があれば、それもお出しいただければと思います。

 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 資料2−3のアンケートに関してのコメントということでお話ししたいと思います。

 資料2−3の1ページ目のところの裁量労働制についてでありますが、制度導入の効果ですとか、後で出てくる適用労働者の満足度の高さから、制度を活用している労使双方から総じて評価が得られているものと認識したところであります。1ページ目の導入のきっかけについては、先ほど事務局より御紹介がございましたが、例えば真ん中辺の「労働者のワーク・ライフ・バランスを推進するため」、あるいは「従業員の意識改革を行うため」という回答が約3割と一定程度あるということでございます。

 それから、2ページ目の導入の効果については、繰り返しになりますけれども、「効率よく仕事を進めるように従業員の意識が変わった」、あるいは「従業員のモチベーションが向上した」がかなり高い回答になっている点が特徴であると感じた次第です。

 企画業務型裁量労働制を導入している企業何社かに訪問いたしましてお話をお伺いする機会がございました。例えば、時間数にとらわれない成果・評価ができる、働き方の意識改革の効果が得られる、責任を持った仕事をしてもらい、アウトプットを出してもらうようにしているというような声がありました。さらには、長時間を美徳とする文化が今まであったが、意識改革を図るという目的で導入したという企業もあったところでございます。

 また、制度を導入していない企業からも、みずから集中して効率よく結果を生み出す必要があり、時間をかけてやればよいという考え方ではこれからの国際競争には勝てない、そのためにも制度要件を見直す必要があるというような声が出たところであります。まさに能力発揮を促す、効率的に働いてもらう環境をつくるという趣旨で裁量労働制を各社導入している実態にあるのだと思っているところでございます。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 では、高松委員、どうぞ。

○高松委員 ありがとうございます。

 冒頭御説明いただいた規制改革会議の意見書並びに産業競争力会議の中間整理の中で、弾力的な労働時間制度について新たな制度の構築を含めてさまざまな提起がされております。しかし、今説明を受けた資料No.2−2の1ページで示されているように、もう既に現行の労働法制でもさまざまな弾力的な制度が設けられており、既に54.7%、つまり5割強の労働者が何らかの弾力的な制度の適用を受けているということからすれば、賃金と労働時間を切り離す方向で、新たな労働時間制度の創設をする必要はないのではないかと思っています。

加えて、今、政府の諸会議でさまざまな議論をされているわけですが、弾力的な労働時間制度と適用除外の課題がいささか混在して議論されているようにも感じます。そのような中で、今、規制改革会議は新たな適用除外制度の創設という提起もされています。

しかし、この点については、既に労働基準法41条の中で、例えば農林水産事業者、あるいは管理監督者等々についての労働時間等の適用除外などに関する規定が設けられています。したがって、その上で新たな適用除外制度を議論するのであれば、現状の適用除外制度の実態、あるいは妥当性等々について検証・把握することがまず必要ではないかと思います。

 また、農林水産業の従事者についても、今、政府が成長戦略の柱の一つとして位置づけ6次産業化を目指してさまざまな施策が進められている中で、労働時間規制が適用されないことにより、大変長時間労働を強いられている。このため、現地では就業希望者の確保に大変困難を来しているという現状があると聞いています。したがって、新たな適用除外制度というよりも、まず現状の適用除外の実態なり課題、妥当性について検討するのが先決ではないかと考えます。

 あわせて、「名ばかり管理職」の問題が指摘されている管理監督者の範囲の問題についても議論を深めるべきではないかと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○岩村会長 御意見ということだと思います。

 それでは、池田委員、どうぞ。

○池田委員 フレックスタイム制の問題については、17ページを見ますと、導入事業場が不便を感じた点は「清算期間が短い」ところに全部集約されております。

 また、18ページを見ますと、適用対象者からはもう少し弾力的な制度にすべきという意見が圧倒的に多いようであります。清算期間を長くするとか、労使双方の話し合いで柔軟に運用できるような制度に見直すべきではないかと思います。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 宮本委員から先にお手が挙がっているのですが、今の関連ですか。

 では、八野委員に先にお願いします。

○八野委員 

 今、説明を受けながら気がついたのですが、フレックスタイム制の導入事業場の「2.具体的に不便を感じた点」には清算期間しか書いておらず、コアタイムのことが書かれておりません。「1−2 制度に対する評価」の見直すべき点のところでコアタイムが出てきているということで、運用の評価の中にそこが触れられていない。清算期間の問題があるということは認識しますが、コアタイムが触れられていないという点で、それだけで見るのはちょっと欠けてしまうのではないかと思います。

○岩村会長 ありがとうございます。

 コメントしますと、私もここのところはちょっと微妙だなと思っていました。この「清算期間が短い」というのが不便を感じた点として非常に高い率で挙がっているのですが、では、どれだけ具体的にすればいいのかがほとんどが「不明」となっていて、多分、このは感覚的なものであって、具体的にどう困っているのかというのが余り把握されていないのかなと。データ的にはそうなってしまうのかなと思います。

 それでは、宮本委員、お願いします。

○宮本委員 ありがとうございます。

 企画業務型裁量労働制について御意見を申し上げたいと思います。資料No.2−2の資料を見ると、適用労働者の割合が0.3%、は導入企業の割合も0.8%となっており、適用対象が少ないという実態結果が出ておりますが、そもそもこの企画業務型裁量労働制については、裁量の名のもとに労働時間が無制限になってしまいかねないという懸念があり、過重労働を防止するという観点からも、対象範囲等については慎重に考えなくてはならないと思っています。

 この裁量労働という働き方は、適用対象業務であっても、労働の量や仕事の納期といったものは使用者によって決められることが多く、使用者から命じられた仕事量が過大であれば、労働者は当然、事実上長時間労働を強いられますし、労働時間に見合った賃金も請求できないという問題があるわけです。企画業務型の肩書きをつけて、事実上裁量性があるとは言えないような業務をさせておきながら、裁量労働制として届け出て、青天井の長時間労働を行わせても時間外手当を支払わないというような悪質な使用者も中には散見されているわけです。

 現行法が、裁量労働制の適用対象を限定し、かつ、常態としてそれらの対象業務に従事していなければならないとしているのは、裁量労働制という仕組みが労働時間規制の例外であるということからであると認識しています。裁量労働制の適用対象業務を拡大したり、主に適用対象業務についていても、一部は適用対象業務以外の業務にも恒常的に従事している労働者の方々にも適用を認めるといったことになれば、業務の裁量性や自律性がない労働者に対しても現行の労働時間規制の網をかけられなくなってしまうという懸念をしております。

 裁量労働制の検討に当たっては、業務のボリュームコントロール等も含めて、予想される問題点を明らかにしていただき、対象労働者の実労働時間を把握するなどして、実効性のある健康確保措置をどのように講じていくのかというような視点も含めて十分な検討が必要だと思っております。

 以上、安易な適用対象の拡大については賛成できないということを改めて意見として述べさせていただきます。

○岩村会長 ありがとうございます。

 確かに、個別のケースにおいていろいろ問題があるということはそのとおりだと思いますが、他方で、制度の問題を議論するに当たっては、きょう出していただいたようなデータに基づいて議論するということもある程度必要だろうと思います。そういう意味では、きょう出てきたデータというのは、ある意味で、やや意外な結果を示しているところもないではない。例えば企画業務型の裁量労働制についている労働者の満足度というのが、実は思ったよりも高いというようなこと。かつ、期待したとおりだというのもあるのですが、他方で、業務量が多くて時間が長くなってしまうというところが不満点として挙がっている。データとして見たときには、企画裁量型のある程度の大まかな全体のイメージと、企業側、労働側のそれぞれが持っているニーズと要望が浮かび上がっているような気がしますので、こういったデータをベースにしながら、制度を変えるのか、維持するのか。変えるとしたらどのようにするのか。そういったものを建設的に議論ができればと思っております。

 それでは、今、公益が手を挙げていただいたので、先に山川委員、どうぞ。

○山川委員 今の分科会長の御発言と趣旨が共通しています。非常に有益で興味深い調査をやっていただいたと思います。

 それで、この調査の企画業務型裁量労働制についてでありますけれども、このデータが専門業務型、企画業務型ともに集計している部分と、企画業務型だけの部分とがありまして、これはサンプル数が少なくなってしまうという問題があるかもしれませんが、例えば、裁量労働制の効果ですが、2から、満足度も含めて4−2まで、つまり、6ページまでとか、対象業務とか手続はそもそも両制度は若干違いますけれども、あるいは、9−1から、苦情処理も含めて16ページの10−2のあたりは、例えば、専門業務型、企画業務型をそれぞれ分けて集計するとどのような特色があるかとか、そういう点、もし可能でしたらお教えいただきたいと思います。今後のお話ですけれども。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。

 分科会長が言うのも余りよくないのですが、ついでに。その後、ご発言をお願いしますが、3ページのところで裁量労働制の適用労働者の具体的に不満な点が挙がっています。「業務量が過大」であるとか、赤丸が3つついていますが、例えば、これが業種とか職種で特性があるのかどうかというようなところのクロス集計が可能であればやっていただけるといいなと思います。

 それからもう一つ、これはデータがないということはやっていないと思うのですが、左の赤丸で囲ってある「満足」「やや満足」のところの「やや満足」のところです。ということは、何か不満があるということだったと思うのですが、それは聞いていないのでしょうね。

○村山労働条件政策課長 聞いておりません。

○岩村会長 聞いていないのですね。ありがとうございます。

 それでは、秋田委員、それから平岡委員の順番でお願いします。

○秋田委員 済みません。ありがとうございます。

 私も今、公益委員の方がおっしゃった点と同様ですが、どうしても専門業務型と企画業務型がまざっている部分と分かれているところがあるので、それは我々としては若干認識をして数字を捉えなければいけないのではないかと思っています。分けても、全体的なトレンドが変わらないということであれば問題ないとは思いますが、特に先ほど業務量の問題もありましたが、例えば専門業務型であれば、かなり専門的な事務処理とか、量ではかれる業務というのは相当具体的に出てくると思うのですが、企画型となりますと、企画をどんどん与えられるというよりは、企画をずっと考えていて長時間になるとかということもあると思います。そうすると、それは量の問題というよりは質の問題と考えられますので、ここでの回答の選択肢でははかりかねる部分も出てくるのではないかということを感じました。

 それと、手続要件でいろいろ問題があるというのもここで出ています。9ページで、ここの赤丸に届け出関係の手続きが煩雑であると出ているのですが、これは非常に大きな問題と考えています。また、「個別労働者からの同意」も3番目の35.6%ということでかなりの割合で問題であるとアンケートの結果が出ております。4ページを見ますと、裁量労働制適用者になった理由のまず第1が「部門または職種全体が適用されることとなっているため」ということで、これはやはり、企業の労務管理の中では、企画セクションであれば、あるいは企画を担当する企画部員であれば、同じような裁量の中で同じような労務管理の仕組みが適用されるというのが非常に自然であり、その中に、本人が拒否したので労働時間のはかり方が違う、あるいは評価の物差しが違うという労働者がいるのは実務的には非常に困難性が高いということが言えると思います。やはり導入に踏み切れない大きな理由の一つではなかろうかと考えています。

 中には、意見としては、そういう者についてはそういうセクションに配置しなければよいというような意見もあるのですが、そもそも企画業務に適している、能力があるということで企画部門に配置したいという労働者について、制度のためにその能力を生かすことなく他部門に配置せざるを得ないということであれば、これは本末転倒の状態になりますので、ぜひこういう部分についても見直しが必要ではないかということでございます。意見でございます。

○岩村会長 ありがとうございます。

 それでは、平岡委員、どうぞ。

○平岡委員 裁量労働制を導入している企業として申し上げます。

 私どもは、毎年、従業員の意識調査をしておるのですが、同様の傾向となっておりまして、導入企業としては、ほぼこういった傾向だなということを認識しております。

 さらに申し上げますと、3ページの「具体的に不満な点」というところですが、こちらについては、裁量労働だからこういうことが不満なのかというデータにはなっていないと思うのです。例えば、通常の働き方をしている方の就業に関する不満をとってみても、恐らく、これ以上に、「業務量が過大」ですとか「労働時間が長い」とかいった課題認識を持っていらっしゃるのではないかと推察しております。したがいまして、何を申し上げたいかと申しますと、ある意味で、労使ともに制度に対して一定の効果を見出せているという状況の中で、いかにセーフティネット等を引きながら、有効にその制度を活用していくか。そういう観点が大切なのではないかと思っております。

 以上でございます。

○岩村会長 ありがとうございます。

 では、工藤委員、どうぞ。

○工藤委員 資料2−3の2ページに、裁量労働制を導入した効果として感じていることの結果が出ておりますが、これを見ると「企業業績の向上につながった」が9.6%となっております。これだけではかれるものではないと思うのですが、我々も、労使でいろいろと話をしながらこういう政策を決めて入れていく中で、その前提となるのが、「企業業績の向上につながった」であるとか、要は成果をともに配分していくといったところになってきます。この間、為替の問題であるとか、リーマンショックであるとか、東日本大震災とか、いろいろな状況がありましたが、導入したにもかかわらず企業業績の向上につながっていないという結果が90%ぐらいとなっているという点については、これが本当に効果的なのかどうかというところを含めてきちんと議論をすべきではないかと思います。

 次に質問させていただきます。12ページの「裁量労働制適用者だけに支払われる手当」の左下に、「通常の所定労働時間を超える残業代相当分」を特別手当の金額設定基準としている事業場が75.2%と出ておりますが、11ページの労働時間の把握の方法を見ると、把握していないというところや不明というところも多い中で、具体的にどのように金額を設定しているのか良く見えないところです。あと、「業務遂行の能力や態度」なり「業務遂行の結果や成果」を特別手当の金額設定基準としている点については、これは年に1回で払っているのか、それとも3カ月なり、何らかのプロジェクトが終わったタイミングなのかとか、この辺のところがもしおわかりでしたら教えていただきたいと思います。

 あと、少し戻るのですが、資料2−2の4ページにある、完全週休2日制の場合のフレックスタイム制の適用について申し上げます。完全週休二日制の場合のフレックスタイム制の適用については、曜日のめぐりによっては1日8時間の労働でも法定労働時間の総枠を超える場合があり、現在、通達によって特例のもとで運用によって不都合な結果を回避していることがこの資料で紹介されています。フレックスタイム制の適用労働者の働き方次第では、通達による特例要件を満たせない場合があるという不都合が生じる点についても記載されているところです。この問題については、完全週休2日制の普及に伴い、当初は考えられなかった問題が生じた結果であると理解するところであり、現行法制よりも労働者に不利益を及ぼさないことを前提に見直すことも考えられるのではないかと考えます。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 御質問がありましたので、まず、事務局でお答えをお願いします。

○村山労働条件政策課長 資料2−3の12ページにつきまして御質問いただいた点でございます。

 この通常の所定労働時間を超える残業代相当分というのは、質問項目としてはこれ自体ですので、これ以上のことは私どもの推測ですけれども、導入される事業場の労使の話し合いの実態の中で、それまでの平均的な時間外労働時間数に見合った手当を裁量手当などという名前で導入されるケースが少なくないものと承知しております。ですので、その方が月々の実労働時間がどうかということに比例してというよりは、これぐらいのクラスの方でこういう職位・職務の方ですとこれぐらいの残業を行っているという平均で、それに見合った手当の金額を設定し、その後、その手当のあり方については労使で話し合われているケースも少なくないのかなと考えているということが1点です。

 もう一つは、前提として制約が2点ございまして、1つは、資料説明のときにも申しましたように、みなし労働時間がどのような設定になっているか、クロスをとってみないとわからない面があります。例えば、みなしで9時間とか10時間という場合には、その時点で法定を上回っている分に関しては一律で割増を払うということになりますので、それなのか。それとも、例えば8時間とか7時間45分とみなしてこういう手当をオンしているのか。これはみなしの労働時間の設定のところで、いずれクロスができればまたもう一歩御説明ができるところだと思います。

 逆に、今回の調査で限界がございますのは、先ほど工藤委員からありましたように、プロジェクトが終わったときのボーナス的なものですとか、年の賞与がどうなっているかということとこの設定がどのようになっているかという企業の賃金制度の複雑なところまでは、今回の調査では把握し切れませんけれども、今後も問題意識を持って何らかの形でお答えできるようにフォローしていきたいと考えています。

 以上でございます。

○岩村会長 では、新谷委員、その後、使側のお三方からありましたので、お願いします。

 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 12ページの「裁量労働制適用者だけに支払われる手当」について、今、課長から御答弁があったように、ここの手当の額はみなしの設定と完全に相関関係にありますので、所定みなしで、所定労働時間働いたものとみなすということであれば、手当のほうをふやさないと多分対応できないです。また、所定ではなく、1日の労働時間について8時間以上設定していればこの手当は下がってくるということですから、手当を導入していない事業場が40.6%ある点については気になるところであり、クロス集計でこの辺について明らかにしていただきたいと思います。

 これに関連した質問となりますが、例えば、ある事業場で企画業務型・専門業務型が入ったときに、特に企画業務型の見直しの時間を決議する、専門業務型ですと労使協定で協定するということになりますが、その協定された時間が事業場全体で見たときに、例えば所定で、あるいは8時間を超えて9時間で設定しているところ、事業場全体で見ると、平均すると11時間も12時間にも労働時間が及んでおり、到底その時間におさまっていないが、決議をされていて、手続的には瑕疵がないといったケースでは、取り締まる側としてはどのような取り締まりができるのでしょうか。3頁の適用を受けることへの満足度を見ると、「給料が低い」とか「労働時間が長い」とかという不満が出ており、特にこの協定なり労使委員会の決議というのは労働組合だけではなく、過半数代表に与えられています。過半数代表の選出については、いろいろな問題がありますので、表面的には手続に瑕疵はないが、このように実態に全然合っていない内容についてはどうなっているのか、取り締まり側の見解を聞きたいということが1つです。

 次に、5ページとか6ページで現在の裁量労働制についての評価・変更すべき点について、労働者と事業場側に聞いていて、「今のままでよい」というのがどちらも約7割となっております。ただ、これは右のほうに「変更すべきである」という4分の1の回答に対してマルチアンサーでとっていまして、これだけ見ると、47%が適用除外を入れるべきだと書いてあるのですけれども、これは左のほうがシングルアンサーで右がマルチアンサーなので、実は掛けても余り意味がないのです。ただ、「変更すべき」とする25.5%に適用除外をいれるべきという47.5を掛けると12.1%ですから、変えなくていいという71%が圧倒的に多いわけです。右のほうのグラフだけ見ると、適用除外を入れるべきだという47.5%が目立ちますが、それは全体の意思ではないということです。グラフとか統計のまやかしと言っては言い過ぎかもしれませんが、ミスリードしてしまう可能性がある点は指摘しておきたいと思います。

 また、アンケートの冒頭部分に調査対象の属性があり、どういう配り方をしてどういう回収があったのかというのを見たときに、特に労働組合の有無を見たときに、組合があるという率が非常に高くなっています。組合の組織率は先月も発表になり、全体でいくと17.7%ですが、従業員1,000人以上ですと4546%です。要するに、事業規模の大きいところほど労働組合の組織率は高いのですが、アンケートの調査対象の属性をみると、労働組合のある事業場の割合が51.9%となっており、このアンケートは大企業を中心に回収されているのかどうかというところが少しわからないのです。満足度が非常に高い結果が出ているのも、労働組合のカバーが高い事業場、労働者が対象となっているため、そういう結果に繋がっているのではないか。労働組合の組織率は17.7%しかないのにもかかわらず、51.9%、労働者割合では49.3%と出ている点からみても、このアンケート結果をもって日本の労働者全体が本当にこう思っているのかというと見ることについては疑問があり、その辺も少し割り引いて評価しないといけないのではないかと思います。いずれにしても、非常におもしろいデータですので、これからクロス集計を含めていろいろと要望を申し上げていきたいと思います。

 以上です。

○岩村会長 では、御質問がありましたので、まず事務局にお答えをお願いしたいと思います。その後、使側で先ほどお手が挙がった方にお願いします。

○村山労働条件政策課長 御質問の点でございますが、みなし労働時間の設定に対する監督指導のあり方でございます。個別具体の話は個別具体のケースに応じてということになろうかと思います。基本的には、まず労使委員会でよく話し合っていただいて、手順・手続というお話をいただきましたが、その上で適正な労働時間を労使委員会で決議していただくという制度が制度の本旨でございます。御指摘のようなケースが仮にあった場合には、その手順・手続が法令に基づいてきちんと尽くされているかどうかを監督の際に見ることによって、できる限り確保していくというのが基本的な考え方でございます。その上で、個別具体はさまざまなケースはあろうかと思いますが、基本的な考え方としてはそういったことです。

 また、アンケート調査の調査対象の属性についてコメントも頂戴いたしました。確かに、ここには事業場の数しか分布が出ていないので、企業の規模属性は分かりませんけれども、最初に申しましたように、そもそも裁量労働制の導入事業場の数をある程度確保するため、厚労省として制度の導入を把握しているところで聞いておるのが全体の半数弱ありますので、これは当然、ある程度一定の規模のある企業が多いかと思います。そういった意味では、いわゆる全体の労働時間制度を議論するときのような、標準的な規模別分布にもう一回直すとか、そういった作業は行っておらず、全体としてはやや大きいところに偏っているのは事実だろうと思います。逆に言うと、実際に適用されている、あるいはそういったところでどういったニーズがあるのかもまた見ていただける資料にはなっていると思います。いずれにしても、こうした疑問点も含めて今後クロス集計等精査する中でしっかり対応していきたいと思っております。

○岩村会長 多分、監督のところは、きょう監督課がいないので、もし必要があれば監督課のほうに聞いていただいて、次回にでも具体名ではわからないような形で、例が実際にあれば、それを御紹介いただくというようなことでいかがでございましょうか。

○村山労働条件政策課長 はい。

○岩村会長 それでは、お待たせしました。まだ御発言になっていないのが宮地委員だと思いますので、まず宮地委員からお願いします。

○宮地委員 ありがとうございます。

 企画業務型裁量労働制の対象業務範囲について意見を述べさせていただきたいと思います。

 アンケート7ページからも、対象業務範囲の拡大を求めるニーズというのを確認することができると感じております。私どもの業界でも、導入効果の観点から企画業務型裁量労働制導入のニーズはありますが、導入に至っていないというのが大半です。業界の特性から申し上げますと、歳暮期や中元期、セール期などの繁忙の一時期に社員総出で店頭業務の販売を応援するケース、また、業務改革の施策、組織構造の改革等、複数のプロジェクトを掛け持ちながら業務を運営するケースがあります。このような場合は対象から外されています。したがって、実態に即した制度とするには、年間を通して見れば、仕事の半分以上、裁量を持って働く場合についても、対象とするという考え方も必要ではないかと感じております。

 これは、7ページのアンケートにもある、範囲を「主として」従事していればよいこととすべきという回答率にも現れています。「主として」という要件の見直しも、普及につながるポイントになると感じております。

○岩村会長 ありがとうございます。

 それでは、田中委員、そして鈴木委員ということでお願いします。

○田中委員 ありがとうございます。

 2点意見と質問です。

 先ほど来いろいろ議論になっています資料2−3の3ページ目の「適用を受けることへの満足度」についてですが、7割近い方が満足をされている結果になっています。多分、ここに資料がないので、何が満足のポイントかというのはとられていないと思います。このアンケート全体を拝見していて強く感じましたのは、足りないところについての御意見を問うことはもちろん大事なことだと思うのですけれども、一方で、こういう制度・施策を考えていきますときに、冒頭に高松委員から御発言がありましたように、まず現状の評価をするとしたら、何が不足かだけでなく、何がいいのかという評価もあわせてしていかないといけないのではないでしょうか。やはり強みはきちんと残した上で足りないところを改善するという議論を公労使でさせていただくのがよいのではないかと私は思っております。

 このアンケートに設問がないということであれば、先ほど平岡委員からもお話がありましたけれども、導入会社の従業員の方のアンケート、あるいは導入会社の組合の方がとられていらっしゃるようなアンケートの中から、いい点も拾い出した上で、いい点と悪い点を双方見比べて議論していくのがよいのではないかと思います。これが1点目です。

 もう一点は、資料2−2の1ページ目で今回の変形労働時間制度の概況をまとめていただいていますが、これらの制度はつくられてから、改定されてから、かなり時間がたっている制度です。ことしの新入社員は大卒だと多分平成3年生まれで、高卒の方でも平成7年生まれですがこれからの世代を担う彼ら20代、30代が活力ある働き方をしていくための制度施策として考えると、今あるこれらの制度をもう少しスピード感覚をもって我々も見直しをしていかなければいけないのではないかという感触を持っております。経済情勢もグローバルに今相当変わってきております。今の制度のいいところ、悪いところはあると思うのですけれども、実態に即して、もう少しスピード感を持ってこういった制度を見直すことが求められているのではないか。その認識をもって労側の先生方、公益の先生方と一緒に議論させていただきたいと思います。

 以上、2点目は私の意見です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 1点目は、貴重な御意見だと思いますので、事務局で労使の先生方とも御相談いただいて対応ができるかどうか御検討いただければと思います。

○村山労働条件政策課長 はい。

○岩村会長 それでは、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 4点ほどお話をしたいと思います。

 1点目は、フレックスタイム制の計算についてでございます。先ほど工藤委員から大変心強い御発言をいただいたところであります。月末における労働者の働き方次第で、同じ時間数でも時間外が発生するケースとそうでないケースがあります。要は、社員の処遇の公正さという観点から、何らかの見直しを考えるべき問題ではないかと思っているところであります。

 2点目は、裁量労働制の特別手当を支給しているところは約半分だったということについてコメントさせていただければと思います。これは特別の手当ということでありますので、例えば、多くの企業では賞与の個人業績加算の仕組みがあり、それは一般の労働者も裁量労働制対象者も同じ仕組みです。ただし、裁量労働制の対象者の方については、その加算部分の額を多くするとか、原資を多くしている企業も少なくないと考えられ、この調査ではそこまで実態を取り切れないのではないか。これは想定なのでデータを見ないとわからないのですけれども、制度を変更する際に、裁量労働制対象者だけに月例給のベースを上げるというようなことも場合によってはあるのではないか。そういう意味では、ちょっと幅を持って見る必要があるのではないかと思っています。

 前回、JILPTの裁量労働制のヒアリングの資料が配付されました。裁量労働制対象者と非適用者との間での公正性を欠く賃金制度とならないよう工夫されているか。適用者についても、従前の賃金額とほぼ相違がないように工夫されていたという総括が書かれ、また、残業手当はなくなるが、相応の手当が支給されているので特に問題ないようであるといった記述もございます。

 3点目ですけれども、裁量労働制のみなし労働時間数と実際の労働時間に乖離があるのではないかという御指摘が労側からございました。この点については、釈迦に説法ですけれども、同じみなしでも事業場外労働みなしとは違って、裁量労働制の場合には、極力、労働時間と処遇のリンケージを断った上で、成果に合った形での処遇をするという基本コンセプトの制度であります。したがいまして、そこはいわゆる事業場外労働みなしのような厳格な乖離を求められるものではないと理解しているところでございます。

 4点目です。裁量労働制対象者の満足度調査ということで、先ほど田中委員からも御指摘がございましたけれども、今のままでもよいというが、何がいいのか、そのメルクマールがわからないという御指摘は、本当にそのとおりだと思っております。

 付言しますと、恐らく、裁量労働制を含めて、今、自分が働いている状況下で全体的に満足度が高いという方は「今のままでよい」と答えられている可能性がある。「今のままでよい」と答えられた方は、2のどういうところを変えるべきかという設問に行っておりません。制度導入をしていない企業のニーズもありますので、データはデータとして尊重すべきものだと思いますが、ここも幅を持って見てみる必要があるのではないかと思った次第です。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 では、野崎委員、どうぞ。

○野崎委員 アンケートの調査項目について付随的にお尋ねしたいと思います。

15ページには、苦情処理措置として企画業務型裁量労働制導入事業場ということでお尋ねがありますけれども、その次の16ページでは、苦情処理措置として裁量労働制、両方の適用労働者ということで結果が出ております。そうしますと、裁量労働制についての専門業務型についての制度がどうなっているのか、苦情処理措置についてはどうなっているのかという調査もおありになるのかどうかということをお尋ねしたいと思いました。

 もう一点はフレックスタイム制についてです。18ページには、それぞれ具体的に見直すべき点として、清算期間を長くすべきなど3つの項目が赤丸で記してありますけれども、3の「出退勤管理を緩やかにすべき」という意味が具体的にどのようなことを希望されているのか。もし調査の結果がわかっておりましたら、お教えいただきたいと思います。

 以上です。

○岩村会長 では、御質問ですので、事務局、お願いします。

○川口課長補佐 1点目に関しましては、専門業務型導入事業場の苦情処理のデータもございます。現時点では、労働者への調査に関しては今のところはそこまでしか集計ができていないので、全般的に企画と専門がまじってしまっていますが、これはいずれ分けて表章したいと考えております。

 もう一個の出退勤管理のところでありますが、本来、フレックスタイム制でございますので、出退勤管理、始業・就業時刻は基本は委ねるという制度ではあるのですが、実態としては一律の出勤を求めるとか、そういう運用がなされている場合もあって、そういった労働者の方に聞くと、このような、もうちょっと緩めてほしいという回答があるということだと考えております。

○岩村会長 ですから、先ほど課長から説明がありましたように、ここのところは、制度の問題と実態の運用とがごっちゃになって聞かれている一つの例かと思います。

 ほかはいかがでございましょうか。

 では、小林委員、どうぞ。

○小林委員 前提のお話としてちょっと申し上げたいのです。

 私どもの傘下のいろいろな中小企業から聞いていますと、今回の企画業務型の裁量労働制の検討に入ったときに、先ほど新谷委員から話がありましたように、事業規模が大きいところがこれを採用しているのですね。企画業務というのはどうなのかと考えた場合、大体が経営者自身が経営企画を立てるという形で、小規模のところでは独立した課を設けるとか室を設けるというのはなかなかないわけです。主に中小企業はどうなのかというと、専門業務型の裁量労働制をとっているとか、フレックスタイムをとっているとか、事業場外のみなし制度をとっているとか、弾力的な労働時間制度の中でも企画業務型以外のケースが多いのです。

 今回、検討に当たって、皆さんからいろいろお話を聞いたり、使用者側の委員などが集まる機会があっていろいろ検討しているときに、先ほどある委員が言っていましたけれども、主としてやるというのではなくて、限定される仕組みになっているということです。今、実態で企画業務型とか専門業務型の裁量労働制を取り入れている企業なり事業場なりの従業員の意見からも、利用しているところはわかるのですけれども、利用していないところが多いわけです。小規模のところだとなおさら、先ほど言ったように、限定的にされるとこの制度は一歩も踏み込めない。ましてや、いろいろな届け出制度がぎゅうぎゅうにあるという形になると、事務手続でも煩雑になってしまうのでやりにくいという部分があるわけです。利用している立場からの意見だけではなくて、ある程度の小規模のターゲットも含めて、中小事業者も使えるような仕組みもぜひとも考えていただきたいというのがお願いでございます。

 それから、先ほどお話がありましたように、フレックスタイム制とか事業場外みなしとか、専門業務型の裁量労働制等についても、制度が制定されてかなり時間がたっています。事業場外のみなし制度については、ある放送局ではいろいろな営業の方が非常に過酷な労働時間にあるみたいな報道されていた例もあって、いい面と悪い面も確かにあるのです。ですから、今回、テーマとしては企画業務型裁量労働制・フレックスタイム制が取り上げられていますけれども、それ以外についても今後議論していただければありがたいというのが感想です。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 それでは、冨田委員、それから春木委員ということでお願いいたします。

○冨田委員 「実労働時間の把握」についはこれまでの本分科会の中でも何回か質問をさせていただいたところであり、今回のアンケートの中で実態が見えてきたところについて、まず感謝を申し上げたいと思います。

 資料No.2-311頁の「実労働時間の把握」についての調査結果を見ると、企画業務型裁量労働制では、「不明」が38.5%、「自己申告制」が20.8%、専門業務型裁量労働制では、「不明」が20.9%、「自己申告制」が33.3%、という結果が出ており、加えて、フレックスタイム制まで見たときに、労働時間の把握が不明だと出ている数字が非常に多いという結果が出ております。これまでも労働者の健康確保の措置のために、実労働時間の規制とともに、実労働時間の把握の必要性について安全確保の観点から申し上げてきたわけですが、このアンケートの中身を見る限り、多くの事業場で実労働時間の方法が不明となっている点については問題があるのではないかと感じております。

 また、自己申告制で労働時間を把握している事業場が多く存在するわけですが、この自己申告制については、特に人事考課制度と結びついた場合には適正な把握が難しいということがかねてから指摘されていると思います。裁量労働制の下であっても、使用者は安全配慮義務に違反しないように労働者の労働時間を把握・管理する責任を負っているのであり、その観点からも、労働時間の把握を自己申告のみに委ねることについては妥当とは思われません。労働時間の把握は、資料にもあるとおり、タイムカード、ICカード、もしくはPCログイン・ログアウトというような記録に残る方法でしっかりと労働者毎の始業終業時刻と時間数を確認できるもので労働時間を把握していくべきではないかと感じております。

 また、これは裁量労働制に限ることではないのですが、以前の分科会の中で、平成25年度の労働時間総合実態調査の御報告を頂戴していたかと思います。その中で、時間外労働時間、休日労働に関する労使協定の締結の有無について報告がありましたが、三六協定を締結していないという事業場が44%ぐらいある中で、そもそも三六協定の存在すら知らなかったという回答が4割に及んでいるという実態もありました。いずれにしても、事業主の方々には労働者の健康確保の措置が実効性あるものとして担保されるようにしっかりと把握・管理をしていただきたいと申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 それでは、春木委員、どうぞ。

○春木委員 

 分科会長のおっしゃったように、今回のアンケート結果を見た上で、データを踏まえた上でどのようにあるべきかという建設的な議論をしたいと思っています。また、使用者と働く側の立場で見たときに、やはり観点が違いますので、そういった観点をお互いにきちっと把握し合う中で議論が進められることを期待しております。

 その上で申し上げますが、アンケート調査の3ページの満足度の問題です。先ほど使用者側の平岡委員から、「具体的に不満な点」と言われている部分の理由の「業務量が過大」であるとか「労働時間が長い」については裁量労働制の適用労働者に限った問題ではないという御指摘もありましたが、ここで出ているのは、適用労働者が感じている問題点であるので、制度の質的向上を目指す観点に立ってこの問題をどうクリアしていくのかという議論が必要であると考えます。

 加えて、先ほど本人同意の問題も出ましたけれども、経営としての意思での働かせ方なのか、本人の能力を最大限に引き出すために効果的活用としてこの制度を入れるのかという見方で違ってくると思うのです。極端に言えば、その職種に適していたとしても、本人の意思はある程度尊重されるべきだと思っていますし、仮に本人の意思に反した働かせ方であったときに、経営側や使用者側の皆さんが期待するような能力が本当に発揮できるのかなということも疑問に感じますので、本人同意は必要だと思っています。これをもう少し、労働側の立場でよりよい制度として持っていくのであるならば、本人がノーと拒否した場合の適切な対処策、いわゆる不利益的な取り扱いが起こらないような措置などもしっかり担保し、その中で、働く側の一定の意向とその意向に基づく能力の最大の発揮、その両方で捉えながらの機論が必要ではないかと思います。

 こういったことを申し上げる根底には、過半数代表者の問題という、裁量労働制の導入スキームの根幹にかかわる問題意識があります。専門型裁量労働制の導入については、労使協定の締結・届け出が必要になりますが、過半数労働組合、これがないときは過半数代表者がこの協定締結の当事者となります。また、企画業務型裁量労働制の導入については、労使委員会の決議が必要となりますが、労使委員会については、委員の半数が、過半数労働組合または、過半数代表者により任期を定めて指名されていればもよいという規定になっています。しかし、昨年7月にJILPTが公表した報告書でも明らかなように、過半数代表者の選出方法や運営については、さまざまな問題があり、不適正が実態も少なくありません。この点を抜きにした中で、この裁量労働制というものについて議論するというのもいかがなものかなという気もしており、過半数代表者の状況についてもやはり横に置いて議論するわけにはなかなかいかないのではないかと思っております。

 加えて、企画型裁量労働制の導入手続きについては、2003年に労働基準法改正前の手続きに戻すことを原則に、労働者側委員については、過半数労働組合がある場合を除き、労働者からの信任手続を必要とするように再度見直しを行うべきと考えます。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。

 きょういろいろ御議論いただいたのですが、そろそろ時間になってまいりましたので、あとどうしてもという方がいらっしゃる場合、お一方だけと思いますが、よろしいでしょうか。

 では、工藤委員、どうぞ。

○工藤委員 ありがとうございます。

 先ほどの資料の14ページですが、健康・福祉確保措置と裁量労働制の適用要件のところです。この14ページの資料の中で、健康・福祉確保措置が不十分と回答する方の具体的な措置として、これは休日・休暇を組み合わせた連続休暇制度の導入であるとか、定期的な特別休暇の付与であるとか、一定時間以上の勤務が行われた場合の特別休暇の付与等々、休暇に関する要望が多いという結果になっております。これはワーク・ライフ・バランスを実現する上でも極めて重要な要望であると思っております。労働者の身体や精神の保護、それから家庭生活、社会生活を営む上においての生活時間の保護という観点からすれば、健康・福祉確保措置については、休暇にかかわる措置を盛り込むことを検討すべきであり、裁量労働制の適用要件として、前年度の休暇取得率を踏まえた特別の休日労働規制など、健康・福祉措置の最低基準を法律に規定することも検討すべきではないかと思っております。

 以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。

 皆さんに最後に1人だけと言って、最後、座長が権限もないのにしゃべるのも余りよくないのですが。

 私も一つ驚いたのは、今、工藤委員が触れられた健康・福祉確保措置について、適用労働者の休暇に対する要望が非常に高いというところだったと思います。かつて、過労死の基準をつくるときにかかわったことがありますけれども、そのときにお医者さんは、一番大事なのは一日仕事から完全に離れる日をつくるというのが重要であるということもおっしゃっていましたので、何となくそれと労働者の方の実体験というのが重なり合っているのかと思いました。

 それから、先ほど冨田委員でしたか、おっしゃっていました労働時間の把握のところです。そういうアプローチもあるのですが、他方で、全く逆に労働から離れる時間を保障するというアプローチもあり得るので、別にそれにせよという話ではありませんが、そういったことも視野に入れながら、どういう形を組むかというのも一つの論点としてあるだろうと思います。

 あと、最後に1人で時間を独占して申しわけないのですが、これは事務局に要望です。3ページと4ページ、特に4ページの「仕事を効率的に進められるので労働時間を短くすることができると思った」というところに、実は「あまり期待どおりになっていない」というのが44.9%出てきています。これと3ページの「不満」とのクロスをできればやっていただければと。ただ、母数が違うので、そこはちょっと気をつけなければいけないかと思いますが、可能であればちょっとやってみていただけるといいかと思います。

 それでは、もう時間ということもございます。きょうは、弾力的な労働時間制度について非常に活発に貴重な御意見をたくさん出していただきました。ありがとうございます。次回は、月60時間を超える時間外労働に対する割り増し賃金の問題であるとか、健康確保やワーク・ライフ・バランスの促進の課題といったことにつきまして御議論をいただければと考えているところでございます。

 それでは、次回の日程につきまして事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○村山労働条件政策課長 次回の本分科会につきましては、2月3日月曜日の16時から18時を予定しております。場所は追って御案内申し上げます。

○岩村会長 では、次回は2月3日の16時からということでございますので、よろしくお願いいたします。

 議事録の署名でございますけれども、労働者代表につきましては新谷委員に、使用者代表につきましては秋田委員に、それぞれお願いを申し上げます。

 それでは、きょうの分科会はこれで終了とさせていただきます。

 長時間にわたりましてどうもありがとうございました。


(了)

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