ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(科学技術部会疫学研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会・臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会) > 第8回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議 議事録(2013年12月13日)




2013年12月13日 第8回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議 議事録

大臣官房厚生科学課

○日時

平成25年12月13日(金)13:00〜16:00


○場所

三田共用会議所 講堂


○出席者

【委員】

福井座長 楠岡座長代理 中村座長代理 跡見委員 磯部委員
位田委員 今村委員 川村委員 後藤委員 新保委員
田代委員 玉腰委員 津金委員 土屋委員 直江委員
中島委員 永水委員 花井委員 藤原委員 丸山委員
宮田委員 山縣委員 渡邉委員

【事務局】

吉田局長 (文部科学省研究振興局)
山脇審議官 (文部科学省研究振興局)
伊藤安全対策官 (文部科学省研究振興局生命倫理・安全対策室)
宮脇室長補佐 (文部科学省研究振興局生命倫理・安全対策室)
三浦技術総括審議官 (厚生労働省)
宮嵜課長 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
中山研究企画官 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
工藤課長補佐 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
高江課長補佐 (厚生労働省医政局研究開発振興課)
本間課長補佐 (厚生労働省医政局研究開発振興課)

○議題

1 中間取りまとめに関する意見募集の結果について
2 統合指針(案)について
3 その他

○配布資料

議事次第 議事次第
座席表 座席表
委員名簿 疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議委員名簿
資料1 「疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議中間取りまとめ」に関する意見募集の結果概要
資料2 文部科学省科学技術・技術審議会 第28回生命倫理・安全部会(平成25年9月11日)における主な意見
資料3 「人を対象とした医学系研究」(仮称)に関する倫理指針(案)の構成
資料4 指針前文(案)及び第1章の「第1 本指針の目的及び基本方針」(案)
資料5 指針各章(案)の概要
資料6 疫学研究にかかる倫理審査委員会の実態調査 -中間報告-(玉腰委員 提出資料)
参考資料1 第7回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議議事録
参考資料2-1 疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議中間取りまとめ(平成25年9月)(概要)
参考資料2-2 疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議中間取りまとめ(平成25年9月)
参考資料3 「疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議中間取りまとめ」に関する意見募集に対して寄せられた全意見
参考資料4 現行指針と統合指針(案)の構成対比表
参考資料5 ヘルシンキ宣言2013年改訂版(日本医師会提供)
参考資料6-1 高血圧症治療薬ディオバン(一般名:バルサルタン)の臨床研究事案
参考資料6-2 高血圧症治療薬の臨床研究事案を踏まえた対応及び再発防止策について(中間とりまとめ)

○議事

○工藤課長補佐 ( 厚生労働省大臣官房厚生科学課 )  定刻になりましたので、「第 8 回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直し係る合同会議」を始めさせていただきます。本日はお忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。今回の会議には門脇委員、久保委員、児玉委員、真田委員、祖父江委員、知野委員の計 6 名の委員から御欠席との連絡を頂いております。また、位田委員、磯部委員、山懸委員が少し遅れてお見えになるようです。

 初めに、事務局に人事異動がございましたので、御紹介いたします。文部科学省研究振興局の山脇審議官でございます。

 続きまして、配布資料の確認をさせていただきます。皆様のお手元に 1 枚紙で議事次第と配布資料を記示したものがございますが、それに記載のとおり、本日は資料 1 から参考資料 5 まで配布資料がございます。また、委員の先生方の机上には、参考資料集を紙ファイルとしてつづってございますので、適宜御参照ください。前回までの会議資料につきましては、事務局席に備え置いてございますので、御覧になりたい場合はお申し付けください。以上ですが、資料等に不備等ございましたら、事務局までお知らせください。

 審議の円滑な実施のため、傍聴の方による写真撮影等は、ここまでとさせていただきます。以降の議事進行につきましては、福井座長によろしくお願いいたします。

○福井座長  3 時間の長丁場ですが、本日もよろしくお願いいたします。宮田委員が 1 時間ほどで退席されると伺っております。

 今回の議事を進行するに当たりまして、関連内容として、 10 月に「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」において、中間取りまとめ「高血圧症治療薬の臨床研究事案を踏まえた対応及び再発防止策」が公表されております。事務局から説明をお願いします。

○高江課長補佐 ( 厚生労働省医政局研究開発振興課 )  それでは、御説明させていただきます。配布資料とは別に A4 1 枚紙に表裏で 2 アップになっております「高血圧症治療薬ディオバンの臨床研究事案」と、検討委員会の中間とりまとめを出させていただいております。今回議題が多うございますので、 1 枚紙で簡単に経緯等内容を御説明いたします。

 まず「経緯」ですが、皆様御存じのとおり、発端としては、東京慈恵会医科大学、京都府立医科大学、千葉大学が中心となって実施されたバルサルタンに関する研究論文の血圧値に関しての疑義という形で、まず、データの疑義についての指摘があって、その後関係論文が撤回されたことがございます。また、それに加えて、その論文にノバルティス社の当時の社員が大阪市立大学非常勤講師の肩書で関わっていたことが報道されまして、更に各大学に奨学寄附金が多額に出されていたこともございまして、ここで利益相反の問題も出てきております。最終的に京都府立医科大学と東京慈恵会医科大学で内部調査の結果、データの操作が認められたということで、かなり社会的にも問題になっているところでございます。

 この下の「これまでの取組」の部分ですが、厚生労働省で「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」を 3 回開催いたしまして、 10 8 日に正式な中間取りまとめを取りまとめたところです。また、これと並行いたしまして、自主点検の実施・報告ということで、 8 23 日になりますが、主に臨床研究をされているであろう大きな機関、国公立私立大学の病院のあるところや、ナショセンや、臨床研究中核病院といった 117 機関に対して、自主点検として、データの再構成があった事案があるかどうか、また、各指針の遵守状況がどうか、さらに利益相反の管理状況はどうかということについての調査を緊急に行いまして、こちらも集計の結果を公表し、取りまとめの中で示しております。

 裏側には、上側の検討委員会の構成員等がございますが、今回座長は名古屋大学の名誉教授であられます、森嶌昭夫先生にお願いして検討を進めてきているところです。

 その下が中間取りまとめの概要になっております。まず、事案の背景と問題の所在ですが、様々な背景がありまして、医学的研究課題の解明に向けられたものとは言えない臨床研究であると。要するに医局の結束を高めるために発案したということをヒアリング等で研究代表者の方がおっしゃっておりまして、そういったことから問題ではないか。また、データの改ざんはともかく、臨床試験自体に社員個人ではなく、ノバルティス社として事案に関与されていた。また、大学、ノバルティス社双方に利益相反管理、またその透明性の確保という点から問題があったのではないか。また、データ操作に関わっていないことの説明責任をノバルティス社も大学関係者も十分果せていないことによって、医学会、臨床研究に関する信頼が世界的に見ても失墜しておりますので、その責任は双方で負うべきだろうと。また、臨床研究の実施の責任者や、倫理審査委員会の対応が不十分であったり、資料が廃棄されて検証ができないという問題点がございました。これらを踏まえまして、下の左側の箱ですが、今後の対応と再発防止策といたしまして、取りまとめにおきましては、法制度に係る検討について来年の秋までに進めることと、今、御審議いただいております臨床研究に関する倫理指針の見直しの一環として、別途必要な対応を図るという 2 本の大きな柱が提言されております。信頼回復のための法制度の必要性について検討する。また、臨床研究の質の確保と被験者保護という観点から、今日、御議論いただくところですが、倫理審査委員会の機能強化と審査の透明性確保。研究責任者の責務の明確化と教育・研修の徹底。データ改ざん防止体制の構築。資料の保管管理のルールというところが挙げられております。

 また、製薬企業と研究機関の間の管理体制や、製薬企業の中でのガバナンスの問題。また、右側のその他重要事項といたしまして、薬事法上、誇大報告に当たるのではないかという指摘から、薬事法に基づく対応や、この論文が高血圧学会のガイドラインに載ったことによる医師の処方変更を施した経緯や、医療保険財政への影響等々について提言がなされておりまして、その他の重要課題につきましては、それぞれ担当課で鋭意、検討を進めていく状況です。この件につきましては、ここで御議論いただくと、多分 3 時間では足りないと思いますので、いろいろ御質問等あるかと思いますが、今後の質疑応答の中で適宜御指摘いただきましたら、事務局からお答えさせていただきます。以上でございます。

○福井座長 ありがとうございます。この検討会の委員をされている先生方も 3 名ほどいらっしゃいますが、恐縮ですが、この点につきましては報告ということで、次に進みたいと思います。

 それでは、議事に入ります。初めの議事は、中間取りまとめへの意見募集の結果について、事務局から説明をお願いします。

○工藤課長補佐 御説明申し上げます。本合同会議の中間取りまとめにつきましては、事務局にて 9 24 日から 10 23 日までの期間、広く一般に対して意見募集を行いました。その結果、 81 名の個人又は団体等から延べ 304 件の意見が寄せられました。資料 1 が寄せられた主な意見の要旨を事務局にてまとめたものです。また、寄せられた全ての意見の原文を論点項目等ごとにまとめたものを本日、参考資料 3 として、委員の先生方の机上に配布させていただいております。中間取りまとめの論点項目等について様々な意見が寄せられておりますが、現行の疫学研究倫理指針と臨床研究倫理指針の 2 つを統合することについて、支持する御意見がを寄せられる一方で、慎重な意見も寄せられたことを御報告いたします。このほかの項目等に対して寄せられている意見につきましては、時間の関係上、項目ごとに御紹介することは割愛させていただきますが、次の議題で、統合指針 ( ) の概要を御議論いただく際に、資料の中で、中間取りまとめの論点項目の対応番号を記載しておりますので、該当する論点項目に対して寄せられている意見を、必要に応じて適宜御参照いただきながら御議論いただければと思います。

 資料 2 は、 9 11 日に開催されました文部科学省の生命倫理・安全部会で中間取りまとめの案を御審議いただいた際に、部会委員の主な意見をまとめたものです。こちらについても、次の議題で統合指針 ( ) の概要を御議論いただく際に、部会でのこうした意見を踏まえつつ、御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○福井座長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの報告につきまして、委員の皆さんから何か御意見ございますでしょうか。必要に応じてこの項目に戻ることがあると思いますので、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。

 続きまして、議題の 2 つ目、統合指針 ( ) について検討に入りたいと思います。本日の会議では、資料 5 として、各章の規定の案について概要を事務局がまとめました。指針本文そのものの検討に入ります前に、この概要で内容を整理していきたいと思います。また、資料 3 の指針 ( ) の構成を見ていただきますと、 2 枚物ですが、前文に続いて第 1 章から 3 ページ目の第 9 章までございます。そこで、前文から第 4 章までの前半部分と、第 5 章から第 9 章までの後半部分に大きく 2 つに分けて検討を進めたいと思います。本日の会議では最後の第 9 章まで一通り概要について議論を行った上で、次回の会議に向けて、事務局で全体の指針 ( ) 文を用意してもらうことになっておりますので、委員の皆様にも御協力をお願いいたします。それでは、事務局から指針 ( ) の構成に続いて、前文から第 4 章まで説明をお願いいたします。

○工藤課長補佐 本日、資料 3 として、事務局にて検討いたしました統合指針 ( ) の全体構成をお示ししています。冒頭に前文を置き、続いて第 1 章「総則」として、目的、基本方針・適用範囲、用語の定義を規定します。

2 章が「研究者等の責務」となっており、この後概要を御説明しますが、全ての研究者等の基本的責務、研究責任者及び研究機関の長について、それぞれ概括的な責務を規定し、個別、具体的な手続等については、第 3 章以降で定めることとしております。

 次の第 3 章は、「研究計画」です。現行指針では、主に研究責任者の責務や研究機関の長の責務にまとめられている内容ですが、この後概要を御説明しますとおり、研究計画に基づく研究実施の手順を分かりやすく示す観点から、統合指針 ( ) では、 1 つの章として規定することとしております。

 第 4 章から第 7 章までは、現行指針でもそれぞれ相当する章を設けているところです。中間取りまとめで示された見直しの方向を踏まえた、具体的な規定の内容については、この後概要で御説明させていただければと存じます。

8 章と第 9 章は、研究対象者の保護や、研究成果の信頼性確保を図る観点から、統合指針 ( ) ではそれぞれ独立した章として規定することとしております。

 最後に、資料 3 3 ページに※で記載してある部分を説明いたします。現行指針では、局長通知により細則を定めておりますが、統合指針 ( ) では、義務や禁止、適用除外などに関わる事項は指針本文中で規定することとして、それ以外の例示や解釈、解説について「ガイダンス」として示すことで、現行指針の細則に相当するものは、統合指針では策定しないことと整理しております。

 今回の会議では、指針のほとんどの部分について、残念ながら案文をお示しするに至らず、資料 4 に前文と第 1 章の第 1 「目的・基本方針」の部分についてのみですが、中間取りまとめでお示しいただいた指針統合に関する基本的な視点と、現行指針の前文規定などを基に、事務局にて作成した案文をお示ししました。なお、意見募集でも幾つか意見が寄せられております、「人を対象とする医学系研究」の表現振りにつきましては、必ずしも本日の会議で結論づけずとも、次回以降も引き続き検討事項として、先ずはその定義の規定内容を御確認いただければと存じます。 第 1 章の第 2 以降につきましては、本日それぞれの概要で一通り議論いただきましたら、次回の会議で、資料 4 と同様の形式で案文を御用意できるかと存じます。

 続いて、資料 5 の御説明に入ります。 2 ページの 1-1 に、適用範囲に関する規定に関して記載しております。現行指針でも規定している○1から○3の研究について引き続き適用範囲外とするのに加え、現行の臨床研究倫理指針において、試料等の定義から除外することで、結果的に適用範囲外となっている○4の研究、例えば HeLa 細胞や京都大学 iPS 細胞を用いるような基礎医学研究について、こちらの適用範囲に関する規定中に記載することとして、適用範囲外とするように整理しております。

 また、中間取りまとめで論点 2-3 となっておりましたゲノム研究倫理指針との関係については、ヒトゲノム・遺伝子解析を含む研究計画について、本指針を適用する部分と、ゲノム研究倫理指針を適用する部分とに分けて実施することができる旨をガイダンスで示すこととしております。

3 ページには、日本の研究機関が海外で研究を実施する場合の取扱いについて、表で整理しています。現行指針の規定をベースにしつつ、本指針と海外の基準の厳しさが規定の部分によって異なる場合にも対応できるように、整備を図っているものです。

4 ページは、用語の定義に関して、中間取りまとめの論点 10 で検討することとされております「介入」「観察」「侵襲」「インフォームド・アセント」「試料・情報」のほか、事務局で各章の条文を検討した過程において新たに定義を設ける必要が生じた用語や、現行指針の定義規定の見直し等を行った用語を整理してまとめています。

1 と、 7 月の合同会議で議論いただいた内容を踏まえた案 2 を併記しております。案 1 のように、現行の臨床研究倫理指針に準じた定義ですと、中間取りまとめに関する意見募集でも指摘する意見が寄せられておりますように、「通常の診療を超えた医療行為」の範囲が明確でないという点があります。また、現行の疫学研究倫理指針では、いわゆるシングルアームの研究デザインで 2 群割付けなどを行っていない場合についても、介入として扱っている現状にあります。 案 2 では、そうした点については解消されることになりますが、現行の臨床研究倫理指針において、○1の規定で介入として扱われております体外診断用医薬品、いわゆる臨床検査薬の研究が、介入を伴わないという区分になってくる可能性があります。このあとで御説明いたしますように、それによりインフォームド・コンセントの扱いが異なってくることはありませんが、倫理審査委員会での扱いにおいて、現行指針では迅速審査を認めていなかったところが、統合指針では迅速審査が可能となってくるようなことにつながってまいります。

 「観察」の定義についても、中間取りまとめの論点 10 で検討することとなっておりましたが、※で記載しておりますように、今のところ「観察」という用語を用いずとも統合指針 ( ) の作成が可能となるような状況です。

このように、ここにお示しした定義規定のみで、その適否を議論いただくよりもむしろ、「介入」や「観察」あるいはそれ以外の用語も含めて、以降の各章でその用語がどのように使われ、あるいは使われず、またどのような規定内容で示されているかに鑑みて議論いただければと思います。 ○高江課長補佐 続いて、同じく資料 5 7 ページ、第 2 章の 2-1 の研究者等の責務の所を説明いたします。まず、現行指針ですが、先ほども説明いたしましたとおり、研究者の責務と研究の実施の手続が各章に混在している形になっており、なかなか使い勝手が悪いというような指摘もあったところであることから、今回この統合指針の案においては、概括的なスキームは第 2 章にはまとめて記載することにより、各研究担当者が自らの責務を把握しやすくする。また、具体的な手続については、第 3 章以降の各章で記載することによって、手続の流れも把握しやすくするという構成でまとめることを考えております。

 第 2 章の記載概要ですが、 7 ページの下の方に「研究者等の責務」、「研究責任者の責務」、「研究機関の長の責務」の 3 つに分けて記載することを考えております。研究者等の責務ですが、基本的責務として、こちらが全ての研究者にかかるわけですが、 1. 研究対象者への配慮。 2. 研究の倫理的妥当性及び科学的合理性等の確保。 3. 教育・研修というものを考えており、それぞれビュレット ( ) で書いてある部分が、今後条文を起こしたときに、こういった内容を条文で反映させるという内容になっております。

 研究責任者の責務は、 1. 研究計画の作成、研究者等に対する遵守徹底。 2. 研究の進捗状況の管理・監督及び有害事象等の把握・報告を考えております。第 6 、研究機関の長の責務ですが、 1. 研究に対する総括的な監督。 2. 研究の実施のための体制・手続の整備。 3. 研究の許可等。 4. 大臣への報告という形で、それぞれの者に対してそれぞれの責務を示すという構成を考えております。

8 ページです。それぞれの責務の中で、いろいろ論点で指摘があった部分について説明いたします。まず、研究に伴う健康被害への補償についてです。こちらの表ですが、上の欄は、疫学の指針と臨床の指針、そして今回の統合指針 ( ) は、それぞれごとに対象研究者、研究責任者、研究機関の長は何をするかを示しております。統合指針を御覧いただくと、補償の対象として、侵襲を伴う研究のうち、新規の医薬品等を用いるものとしてはどうかと考えております。新規の医薬品等を下に※で注書きをしておりますが、未承認薬・未承認機器、適応外のもの、あとは新規の医療技術を想定しております。統合指針において、これらの侵襲を伴う研究のうち、新規の医薬品を用いるものと、その他の研究と、大きくこの 2 つに分けさせていただこうと考えております。それぞれに対して、研究者等、研究責任者、研究機関の長が統合指針においてどのような責務を課せられているかですが、研究者等の責務は記載がありません。研究責任者については、侵襲を伴うものに関して、あらかじめ保険、その他の必要な措置を講じ、研究計画に記載する。その他の研究に関して、研究責任者は補償の有無を研究計画に記載する。有る場合は、その内容を書くことにしております。

 研究機関の長の責務としては、この 2 種類のどちらの研究に関しても、補償するその他の必要な措置が講じられることを確保するという義務の規定を、第 2 章で予定しております。

 次に、教育・研修についてです。こちらの表の見方は、上のものと同じ形で作っております。統合指針 ( ) ですが、研究者等の責務ですが、研究に先立ち、教育・研修を受けること。また、年 1 回以上継続して受けることを置いております。

 研究機関等の長ですが、倫理や研修実施に必要な知識の教育・研修を続ける機会を確保することとしております。また、新たに倫理審査委員会委員等に対して、倫理審査委員会の委員、それから事務に従事する者の規定として、教育・研修の規定を置いてはいかがかと考えております。また、倫理審査委員会の設置者に対しても、倫理審査委員会の委員と従事する方が教育・研修を受ける機会を確保するという規定を置いてはどうかということを考えております。

 今までなかった部分についても、今回の統合指針では教育・研修について充実した記載ぶりとしておりますが、これは先ほど冒頭に紹介いたしましたディオバンの問題もあったことも踏まえて、このような案ではどうかという形で提示しているところです。

○伊藤安全対策官 ( 文部科学省研究振興局生命倫理・安全対策室 )  引き続き、第 3 章について説明申し上げます。 9 ページを御覧ください。この研究計画については、今回新たに章として位置付けたもので、研究に携わる人全てに研究計画をきちんと読んで理解してほしいという思いが込められております。

 次に、研究計画に記載すべき事項です。今回の統合指針 ( ) においては、義務付け事項を指針本文に記載すること、また例示をガイダンスに記載するという整理で考えたいと思っております。具体的には、どういった事項を義務付けるかですが、こちらは現行指針を再整理した上で、基本的に全ての事項を義務付け事項として記載すると考えております。ここの部分については、特に御意見があると思いますので、いろいろと発言いただければと思っております。また、偶発的所見及び研究結果の取扱い方法、あるいは緊急状況下における判断基準などについては、更に追加して加えていきたいと思っております。

 次に、研究に関する登録・公開についてです。こちらは、中間取りまとめの論点 7-1 に対応した案です。基本的に、臨床研究指針をベースにして、この統合指針 ( ) においても、データベースへの登録義務としては、軽微な侵襲を除いたもの及び介入を伴う研究について登録対象としたいと思っております。また、登録の内容ですが、研究実施前に研究計画の概要を登録して、進捗に応じて更に研究状況を登録していく。また、予期せぬ重篤な有害事象や研究結果についても、登録を求めたいと考えております。

 引き続き、下の方ですが、試料・情報の収集・提供を行う機関というカテゴリーがありますが、こちらはいわゆるバンク・アーカイブなどを想定した規定です。こちらは、中間取りまとめの論点 4-4 に対応したものです。

 今回の統合指針 ( ) においては、このバンク・アーカイブなどについて、試料・情報の収集・提供を行う機関として位置付けて整理していきたいと思っております。この機関は、具体的には用語についてもまたいろいろと議論いただきたいと思っておりますが、研究機関に位置付けて、その研究機関のうち、研究対象者あるいは他の機関から提供を受け保管している試料・情報を、反復継続して他の研究機関に提供する業務を行っている機関と位置付けております。この収集・提供を行う機関については、それにより研究計画を作成する義務など、指針上の責務を負っていくことになります。

11 ページは、共同研究機関についてです。これについても、統合指針 ( ) の中で、いろいろと整理して規定していきたいと思っております。まず、責任関係についてですが、総括責任者を置いてほしいというような要望もありましたが、この指針 ( ) においては、各研究機関では必ず研究責任者を個々に設けることを前提にし、その研究責任者の役割・責任を明確にした上で、研究計画を作成するということで、整理していきたいと考えております。また、倫理審査委員会への付議については、自機関以外の倫理審査委員会の付議が可能になること。また迅速審査についても、一定の要件の下に可能にしていくこと、あるいは共同研究機関間の情報共有について、適切な対応を取る義務を設けたいと考えております。

12 ページは、研究との関わりが試料・情報の提供段階で終わる機関についての、共同研究機関としての考え方を整理したものです。○2から説明したいと思います。研究のために、既存の試料・情報を研究機関に提供する場合、これだけを行うような機関については、現在疫学と臨床の両指針で対応が異なっております。統合指針においては、必ずしも共同研究機関に位置付けなくてもよいという整理で議論いただきたいと思っております。したがって、共同研究機関になっても当然いいわけですが、研究機関に位置付けないということで、研究計画は必ずしも作らなくてもよいということです。

 ○1ですが、当該研究のために、研究対象者から試料・情報の提供を受けて研究機関に提供する場合には、共同研究機関として位置付けて、提供する機関は研究計画をきちんと作成することとする、と整理したいと思っております。

 また、○3のバンク・アーカイブについては、既存の試料・情報などを研究機関に提供する場合の整理ですが、こちらの場合も○2と同じように、必ずしも共同研究機関に位置付けなくてもよいのではないかと考えております。ただ、○2と違うところについては、バンク自身が研究機関と位置付けられていることにより、既に研究計画が作られており、その計画の中でほかの研究機関への提供が位置付けられ、倫理審査委員会長の許可といった一定の手続がきちんと取られているものだということを前提に、この共同研究機関としては、位置付けなくてもいいのではないかという形で議論いただきたいと思います。

○高江課長補佐 引き続き、 13 ページの第 4 章の倫理審査委員会の規定について説明いたします。まず、倫理審査委員会の設置要件等です。こちらの表は、先ほどと同様、左側から疫学、臨床、統合指針 ( ) で、それぞれ要件、構成、審議の要件が書いてあります。統合指針 ( ) を御覧いただければと思います。設置要件について、疫学と臨床でかなり違う部分がありましたが、統合指針 ( ) では基本的に能力ベースで設置要件を記載してはいかがかと考えております。的確に事務処理ができる、継続的に運営ができる、中立的かつ公正に運営できることを要件に置いてはいかがかと考えております。

 また、委員構成ですが、こちらも既存の両指針を見た上で、言いぶりを変えているところもありますが、新たに構成として 5 名以上という点を課してはいかがかと考えております。この理由ですが、結局最低 3 名でこの委員構成の要件を満たしてしまいますので、そういったことも含めると、複数人同じカテゴリーにいらっしゃる方でいて、 5 名以上が適切ではないかという観点から、このような規定を置いてはいかがかと考えております。

 また、審議又は採決の要件ですが、構成する委員のうちそれぞれの立場の方がいらっしゃいますので、その方々全て 1 名ずつ御出席を頂くことと。それから、全会一致が望ましいですが、やむを得ない場合は多数決を置いてはいかがかと考えております。

 次に、倫理審査委員会の審査です。こちらは、今の指針には両方記載がありません。 2 つ項目がありまして、まず外部機関で実施される研究の審査です。倫理審査委員会の審査を外からの計画について請負う場合の要件として、統合指針 ( ) に記載しておりますが、実際の研究が行われる機関の実施体制や、緊急時の診療体制をきちんと把握した上で審査すべきだと。また、単に計画審査するだけではなく、フォローアップとして、重篤な有害事象や研究計画の変更の審査を求められた場合の対応義務を置いてはいかがかと考えております。

 また、利益相反を含めた審査の観点から、研究関係者の利益相反に関する情報についても、十分把握した上で、その適切な管理も含めて審査をするという規定を置いてはいかがかということです。それから、ガイダンスにおいて、これは現行でも利益相反委員会が各大学や研究所に設けられており、そこでの審査結果も踏まえて、倫理審査委員会で確認するという手続を取られているかと思いますので、その辺りで明記してはどうかと考えております。

 続いて 14 ページは、倫理審査委員会の情報公開の規定です。こちらも、統合指針を御覧いただければと思います。まず、公開対象ですが、指針の対象となる全ての倫理審査委員会としてはどうかと。また、公開方法ですが、文部科学大臣と厚労大臣が指定するデータベースへ登録していただく形でいかがかと。これは、今の臨床指針でやられているような形で、文科省とも協力して拡大することをイメージしております。公開内容ですが、委員名簿、会議記録概要に加え、委員会の手順書も公開内容として加えてはいかがかと考えております。公開時期ですが、これも各先生方からいろいろ御意見を頂いたところですが、設置から 1 回目の審査まで登録していただき、そのあと少なくとも年 1 回速やかに変わったら登録をしていただくということでいかがかと考えております。

15 ページは、研究計画の倫理審査委員会への付議の規定についてです。一番左のカラムの現行指針にありますが、現在、迅速審査と付議不要の 2 つに分けて対応を規定している形になっております。このうち、付議不要のところを御覧いただきますと、○1、○2、○3と 3 つのカテゴリーがありますが、○3に関しては、先ほどの共同研究機関のところでも説明いたしましたとおり、受託機関としてデータの集積や統計処理のみを受託する場合のことについては、統合指針の研究機関ではないと位置付けましたので、こちらの○3に関してはこれは考慮しなくてもよいだろうと考えております。残りの現行付議不要の○1、○2をどうするかという話ですが、事務局の案として、まず案 1 、付議不要を削除して、迅速審査に一本化してはいかがかということです。この付議不要の○1、○2は、統合指針 ( 案の 1) の真ん中のカラムの○3に全部一括して読み込むという整理としてはいかがかということです。この際、ガイダンスとして、倫理審査委員会があらかじめ選出した委員、 1 名だけではなく数名選出して適宜担当を決めてもよいと。また、迅速審査とするかどうかの判断は、あらかじめ指名する委員が判断し、迅速であれば迅速と、迅速不可であれば通常審査にするという通知を出すと。

 この趣旨ですが、昨今やはり論文を審査の中で倫理審査委員会に掛かっていることが要件となっているがために、付議不要のものに関して論文の投稿ができないというような指摘もあったかと思います。こういったことを含むために、実質的な手続に関して、現行の付議不要と比較しますと、この案 1 にした場合には、書類が残って通知が出るという事務手続が生じることがあります。要するに、機関自体が変わらないような立て付けで行うことにより、実際の研究成果が論文化できる環境をつくることがよろしいのではないかという観点から、この案 1 を出しております。

 統合指針の案の 2 に関しては、現行指針をベースに、先ほど申しました付議不要のデータの集積、統計処理を除いた形が、案の 2 として提示しております。事務局からは、以上です。

○福井座長 本日は、ただいま事務局から説明されました倫理審査委員会の関連で、玉腰委員から資料が提供されております。前半部分の議論に入る前に、玉腰委員にこの資料の説明をお願いいたします。

○玉腰委員 資料 6 を御覧ください。今年度、指針の見直しが行われることもあり、主に現在の疫学研究を審査している委員会の現状を確認しようということで、調査をいたしました。研究の対象としたのは、医学、歯学、薬学、看護学、栄養学、体育学等の疫学研究に関する倫理指針の対象となる研究を行っていると推測される学術分野です。大学が 379 、国公立の研究所、企業の研究所ということで 599 の施設に送付をしております。

15 ページを見ていただきますと、調査票の最初の所で、送付先の方にどの委員会について回答していただくかをガイダンスに沿って決めていただく方法を取っております。つまり、疫学研究に関する倫理指針を審査している委員会ということで、先方の判断に任せるのではなく、 1 つしかない場合はその倫理審査委員会についてお答えいただいていますし、複数ある場合には、このガイダンスに沿って問 2 、問 3 に沿ってお答えいただいたことになります。

4 ページに戻ります。回収数が出てまいりますが、 334 の施設から返送いただいておりますが、このうち 60 については、委員会を設置していないというお返事でしたので、 274 の施設が今回の集計の対象となりました。

 これらについて、幾つか集計した結果を示したいと思います。 274 の施設にお返事を頂いておりますが、臨床研究の倫理指針にのっとった報告システムに登録をしているというお答えが 133 48.5 %の施設からありました。ですので、臨床研究の指針に関係するような審査も行っている委員会も、相当数含まれていることとお考えください。

5 ページの審査結果に移ります。一番上の表にありますように、当該委員会を設置している方が審査委員も務めていますかという質問に対して、務めているという所が全体で 23 8.4 %ありました。登録の有り無しで、一応ここは見ておりますが、登録のない施設が若干その割合は高かったという結果です。

 これより後については、後ろの単集計の結果の方が恐らく見やすいと思いますので、飛ばしていただいて、 7 ページから説明いたします。当該委員会の委員の総数ですが、 3 人、 4 人という施設も若干あり、また 10 人以上の委員を抱えている委員会も相当数あるという結果です。このうち、外部委員の人数についてお聞きしていますが、外部委員がゼロという所が 34 施設、 12.4 %でした。

8 ページは、委員の性別についてお尋ねしました。女性委員がいない所が 17 施設、 6.2 %となっております。それをまとめたものが、次の表になります。次は、問 12 です。当該委員会に関して、どのような情報を公開しているかとお尋ねしました。委員の名簿を公開していない所が 36.5 %。問 13 、設置規程・運営規定等について、公開していない所が 90 施設、 32.8 %。問 14 、議事録の公開について、公開していない所が 114 施設、 41.6 %でした。

 幾つかの施設からは、この調査票をお送りしたときに質問を受けており、先ほど示しました登録システムに登録していれば公開していることになりますか、ということで、それについては登録していれば公開しているということでお願いしますということで、回答をお願いしております。

 問 17 5 ですが、通常審査の審査を行う際、採決のときに研究当事者が出席をしているかどうかについてお尋ねしております。同席が可能な所が 63 施設、 23.0 %です。これに関しては、審査で正確に出た指摘事項を、御本人がきちんと知ることで、正確に伝えるメリットと、それから実際には委員がなかなかフリーに意見が言えなくなるかもしれないというデメリットとの勘案かと思います。

 次は、審査の承認の採決についてお尋ねしました。全員一致が要件になっている所が過半数 140 施設、 51.1 %でした。それ以外、過半数あるいは 4 分の 3 以上、多いのは 3 分の 2 以上というような分布になっております。

 問 18 ですが、持ち回り審査の仕組みについては、持っていない所が 98 施設、 35.8 %。迅速審査の仕組みを持っていない所は 85 施設、 31.0 %。付議不要の仕組みがない所は、 163 施設、 59.5 %という結果でした。

 今回は示しておりませんが、委員会によっては前年度の審査を全く行っていない所もありましたので、今後その辺りは丁寧に見ていく必要があるだろうと考えております。

 次は問 26 ですが、研究者に対する教育研修についてお尋ねしました。この仕組みを持っていない所が 120 施設、 43.8 %ありました。また、仕組みを持っている場合に、倫理審査委員会への研究計画の申請に際して、その研修を受けている必要があるかどうかに関しては、必要があるというお答えが 102 施設。また、その中で、受講歴の有効期限を設けているかどうかに関して、設けている所が 44 施設。設けている場合に、その期間はどれだけかということに対しては、 1 年が 11 2 年が 13 3 年が 11 という結果でした。

12 ページの 2 つ目の表ですが、同じように教育研修に関して、倫理審査委員会の委員に対して行っているかどうかをお尋ねいたしましたが、特に行っていない所が 157 施設、 57.3 %。一般研究者と同じが 61 、別に行っている所が 42 施設でした。

 監査についてです。研究の実施状況に関する監査を行っている所は、 127 施設、 46.4 %です。そのうち、監査に関する内規を持っている所は、 62 施設という結果でした。また、監査の方法に関しては、書面上の確認が最も多く、 100 施設、 78.7 %を占めております。

 研究者から進捗・実施状況に関する報告書の提出を義務付けているかどうかに関しては、義務付けている所が 101 施設、 79.5 %。終了・中止に関する報告書の提出を義務付けているかについては、 110 施設、 86.6 %という結果でした。これについては、監査の仕組みを持っている所をベースにしたパーセンテージを示しております。

 結果としては以上ですが、中間的な報告になりますが、幾つか書き込みの中にも、教育研修については、そのやり方あるいは共通のものを示してほしいというような御意見も書かれておりましたので、この辺りも配慮しながら、指針についての規定を考えていく必要があるのではないかと考えております。以上です。

○福井座長 大変ボリュームが多い説明でしたが、ディスカッションに移ります。量が多いので順番にやっていきたいと思います。まず、資料 3 「構成の案」について、この時点で御意見ございますか。では、資料 4 「前文及び第 1 章」の第 1 「本指針の目的及び基本方針 ( ) 」については、いかがでしょうか。

○跡見委員 資料 3 の前文について、つまらないことかもしれませんが。最初の「科学研究」うんぬんから「その中で」まで、これは削除した方がいいのではないでしょうか。

○福井座長 資料 3 ですか。資料 4 ですね。

○跡見委員 こちらの方ですから、資料 4 ですね。すみません。以前に送っていただいたものが 3 だったので。資料 4 の前文の「科学研究の推進」というのは大変良い言葉かもしれませんが、これはもうはっきりとした指針なので、「人を対象とする医学研究は」から始まった方がすっきりするだろうと思います。

 それから、その次の「個人の身体及び精神」という言葉がありますが、「身体及び精神」は、下の方では「心身」となっていますので、これも「心身」にした方が統一されると思います。

 また、 2 段目の「等に鑑みて」というのは、わざわざ「鑑みて」という言葉を使う必要はないと思います。「ことから」というような平易な言葉にした方がいいのではないかと思います。「科学研究」うんぬんから「その中で」という、ここは削除した方がいいと思います。

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。御意見を伺った上で具体的な文案を作りまして、また御意見を伺いたいと思います。

○津金委員 大事なことだと思いますが、 2 行目の「医学の発展を通じて、患者の生活の質の向上及び国民の健康の保持増進に大きく貢献し」という所は、やはり、最初に「国民の健康の保持増進」があって、それから、患者さんの生活の質の向上と、逆にした方がいいのではないかと思いました。

○宮田委員 私はもう出なくてはいけないので、最後に、大きな議論になってしまうと思いますが。これは漢字で「人」と書いていいのでしょうか。片仮名で「ヒト」と書いて、生物学的ヒトを研究対象としてはよく議論しています。こういうことを提起して逃げるのは申し訳ありませんが、もう時間がありませんので、それを是非御検討いただきたいと思っています。

○福井座長 確かに、片仮名の「ヒト」と使い分けはしているつもりではあります。いかがでしょうか。この場合には漢字の「人」で。

○田代委員 今の話ですが、私は漢字の「人」の方が良いと思います。それは社会性なども含めた人間を対象にしているという意味で、漢字の「人」には生物学的な意味での「ヒト」を対象としているにはとどまらないというニュアンスがありますので、漢字で良いと考えます。

○宮田委員 これは皆さんで合意していただければよろしいことです。私も実はそういうことで賛成です。

○福井座長 その方向でよろしいでしょうか。よろしければ、漢字の「人」で進めることでお願いしたいと思います。

○田代委員 今の点に少し絡んで細かい点ですが、資料 4 の裏の「用語の定義」で、「人を対象とする医学系研究」の所の書き出しが、「人に関する試料及び情報を用いた」となっています。ここは、「人(人に関する試料及び情報を含む)を対象として」という形が良いのではないでしょうか。そもそも、生きている人全体を対象とするのだけれども、その中に人に由来する試料や情報も含まれるという、ヘルシンキ宣言でも書かれている言い方の方が適切ではないかと思います。

○福井座長 第 1 章の総則の第 1 と第 3 については、いかがでしょうか。

○位田委員 遅れてきて申し訳ありません。前文の第 2 段落に「人間の尊厳及び研究対象者の個人の人権」とある、これはそのとおりですが、一方で、集団の人権などの集団の視点がこの前文の中にはありません。そういうものが必要な場合があるのではないかと思います。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。資料 5 「第 1 章」については、いかがでしょうか。

○川村委員 用語の定義でもよろしいでしょうか。

○福井座長 はい、どうぞ。

○川村委員 用語の定義の中で、「介入」「観察」「侵襲」という言葉について、以前、共通の認識に立っているかどうかということが話題になりました。「介入」については、従来の規定、 4 ページの○1又は○2の記載で、確かにそういう例はあるのですが、指針としての包括的な記述には余り向かないと思いましたので、以前の会議でも学問的な規定をしました。正確に言いますと、ばく露要因と転帰 ( アウトカム ) との関連を調べる研究において、要因ばく露の有無や、ばく露要因の内容・程度を研究者が規定すること、と定義してみましたが、少しイメージが湧きにくいので、もう少しかみ砕いて、研究において提供される医療や保健指導の有無や内容について、診療あるいは保健事業等として医療者や患者、健診受検者らが自らの意向に基づいて決めるのではなく、研究の一過程として研究者が研究計画書によって決めること、というふうに考えています。それをもう少し指針になじむ形で作られたものが案になろうと思います。一通りの定義で全体が網羅される表現の方が、こういう所ではよろしいのではないかと考えます。

 それから、「侵襲」について、ここには「身体的や精神的な危険又は負担」とあります。危険というのは risk という意味のようですし、負担とは burden だと思いますが、何となく現場の感覚とうまく合わないので考え直してみました。「侵襲」というのは、単刀直入に、生体を傷つけることというのがもともとの意味で、もともと体の中に入り込むという性向のことを invasiveness と言うのだと思います。具体的には、切開、穿刺、放射線の照射、また、触れられたくない事項に関する立ち入った質問、そういったものが「侵襲」に該当するのではないかと思います。危険とか負担という用語が医学研究において適切かどうかという点を考え直してみたいと思います。

○福井座長 後日案文にした時点で、もう 1 回、皆さんの目に触れるようにしていただきたいと思います。

○丸山委員 やはり用語の定義の所です。「観察」はなくて済むのではないかというお話だったのですが、私はなくて済むとは思っていませんので、そのときに意見を述べることにします。次の、「侵襲」の第 2 パラグラフですが、「侵襲のうち、身体的及び精神的な危険及び負担が十分に小さく、社会的に許容される種類のものを『軽微な侵襲』という」という書き方がされています。細かいことですが、こう書くと、軽微な侵襲でないものについては社会的に許容されないとなってしまって、軽微でない侵襲を伴う研究は実施できないことにつながってくるので、この辺りは御検討いただきたいと思います。これが 1 点目です。

2 点目は質問です。同じページの下から 3 行目、「試料・情報」の所で、「研究に用いようとする人の体の一部」、これは定義に入っていましたので分かるのですが、「その他の人に関する試料」が何を意味するのか。これをお尋ねしたいのですが。

○工藤課長補佐 ただいまお尋ねの、「試料・情報」の定義規定 ( ) 中の「その他の人に関する試料」につきましては、事務局で検討する中で、人の体の一部以外でも試料となり得るものはあり得るということで、現時点で必ずしも人体の一部と限定する必要はないのではないかとして「その他の人に関する試料」と書いています。具体的には、例えば歯科領域における歯型ですとか、眼科領域における眼鏡などは、必ずしも人の体の一部ではないのですが、かと言って情報と言うには、そこまでのものではないという、そうした正にサンプル、試料というものが含まれ得るのではないかということで、「その他の人に関する試料」として、必ずしも人の体の一部に限定しない形での規定を提示しています。

○福井座長 よろしいですか。

○丸山委員 これまで、そういうものが入っていなかったので不都合があるという意見がどこかから出されたので、これを入れたということですか。

○工藤課長補佐 特にそういう問題点の指摘ということで頂いたものはなく、事務局内で検討する過程において、人体の一部に必ずしも限定しなくてもいいのではないかという議論から、記載したものです。

○丸山委員 それについては考えさせていただくことにして、残り 3 点ありますので、続けてよろしいでしょうか。

○福井座長 どうぞ。

○丸山委員  3 点目は、次のページの、「試料・情報の収集・提供を行う機関」として、先ほど、バンク・アーカイブなどを想定するということでした。もの、情報も含めて、「提供する」という言葉を使われています。「提供」という言葉は、ゲノムの指針から始まって、協力者から試料の提供をしてもらう、それから、試料の提供を受けた病院から実際に研究を行う研究機関に試料を提供する、という具合に非常に多くの場面で使われています。この辺りは、 ES の指針で使われている「分配」の方がいいのではないかと思うのですが、「分配」という言葉を採用しなかったことについても理由を教えてください。

○福井座長 どこかで「分譲」という言葉を使っていますね。

○丸山委員 「分譲」も可能性としてありますが、「分譲」と言うと金銭が伴うような感じで、無償のものであれば「分配」の方が、そういうものも含めることができるので。それから、申し上げたように、既に他の指針が用いている用語なので、「分配」というのはどうかと思います。その辺りはいかがでしょうか。

○伊藤安全対策官 今回は、「提供」という言葉を使っていますが、ゲノム指針では「分譲」などの言葉も使われています。特に使い分ける必要性があるのかどうか、その場合に応じて考えていく必要がありますが、今の段階では「提供」としています。丸山先生から使い分ける方がいいということがありましたら、御説明いただければ、またいろいろと考えていきたいと思います。

○丸山委員 その点は、後ほど 6 番目に出てきますので、続けたいと思います。

4 点目は、その下の「個人情報提供者」です。これは個人情報保護法では「本人」という言葉を使っています。法の中の「本人」という言葉ではまずいということがなければ、法に基づく用語の方がいいと思いますが、いかがでしょうか。

○福井座長 「保有されている人」ではなくて、「保有されている本人」ということでしょうか。

○工藤課長補佐 「本人」というと、どの本人なのかということがありますが、ここで示そうとしているのは、研究対象者、いわゆる被験者の本人に必ずしも限定されないだろうと事務局では考えています。例えば、代諾者からインフォームド・コンセントを受けた場合の、その代諾者の個人情報。あるいは、研究対象者から疾患の家族歴の聴き取りを行った場合、その家族の個人情報なども含まれるようにしたいということで、個人情報が研究機関に保有されている人というくくりを示そうと考えて記載したものです。

○丸山委員 今の説明で、どうも「本人」で整理できそうに思います。御検討いただきたいと思います。

○福井座長 検討したいと思います。

○丸山委員 あと 2 つあります。 5 点目は、このページの最後の行で「研究機関」として、「機関」と、個人の場合は「個人事業者」とされていますが、事業としてやっていなければ研究機関にならないのかと思うので、これも「個人」では駄目なのでしょうか。この点はいかがですか。

○工藤課長補佐 その部分は、ゲノム研究倫理指針における「研究を行う機関」の定義と平仄を図ったものです。ゲノム研究倫理指針で「機関及び個人事業者」と記載されているので、それに準じて記載しています。

○丸山委員 分かりました。最後に 6 点目です。次のページの「研究対象者」について、○1は分かります。○2の「研究に用いられることとなる既存試料・情報を提供した人」と書かれていますが、ここも「提供した人」です。研究対象者は自分の意思によらずに、あるいは知らないうちに試料を研究に用いられるようなものも含まれる場合があると思います。この規定では、意思によって提供した者ということで狭過ぎるのではないかと思います。この辺りを考えると、事務局にはそれ以外の所についても指摘していますが、こういうときには「提供した人」ではなく「由来する」と言う方がいいのではないか。「由来する」という言葉以外にも可能性はあるのでしょうが、最近は英語の文献では「コントリビューター (contributor) 」という言葉を使っているものがありました。「提供」というのは、研究対象者の定義の際には少し狭いのではないかと思います。これについても御意見を伺いたいと思います。

○福井座長 これは、「既存試料・情報が由来する人」とした方がいいということでしょうか。

○丸山委員 はい。「由来」ぐらいがいいのではないかと思います。

○福井座長 検討したいと思います。

○工藤課長補佐 この部分は、特に「提供」に主眼があるわけではありません。元になっている人という趣旨なので、先生の御指摘のように、「由来する」という表記も含めて検討させていただきたいと思います。

○丸山委員 以上です。

○川村委員 今の丸山委員からの御質問のうち、軽微の侵襲と分配について意見を述べます。軽微の侵襲については、確かに「社会的に許容される」と書くと、そうでないものは許容されないことになってしまって本質的な問題を含んでしまうので、軽微な侵襲というのは「通常の社会生活においてしばしば遭遇し、社会的に受忍を求められる程度の侵襲」であり、具体的に言うと、各種法令で義務付けられている健康診断で行われている検査や問診の水準のものを目安とする、と思っています。具体的には、通常の採血器具を用いた数十 mL 程度の採血、胸部の単純 X 線撮影、生活習慣に関する質問などが軽微として世間の了解を得やすいのではないかと思います。

 それから、分配について。分配というと、元があって派生したものを分かつとか、若しくは分割可能なものということですが、提供する場合には全てを提供する場合もあり得るので、「分配」では分配できない提供物もあるかもしれないと思います。

○田代委員 今の点ですが、侵襲について、川村先生のお話を伺う限りでは、日常検査レベルということですので、今までの指針で「最小限の危険」と言っていたものとほぼ一致すると考えられます。その意味では、中身は了解可能だと思います。

○藤原委員 先ほどの、アーカイブの所についてです。今の記述では「試料・情報の収集・提供を行う機関」というので、臨床研究でも前向きの介入試験の臨床試験は余り想定されていない記載だと思います。これをこのまま読むと、例えばデータセンターというのは。

○中村座長代理 藤原先生、どこの記載でしょうか。

○藤原委員  5 ページの一番上です。「試料・情報の収集・提供を行う機関」の所です。ここは、臨床試験をやっている立場からすると、データセンターも、患者さん由来のデータを解析して、ほかの所に提供することにつながってしまう。バンク・アーカイブだけが、こういう試料・情報の収集・提供を行う機関ではないのです。もし、ここがバンク・アーカイブを想定しているのであれば、「提供を受け」とある前に、「試料解析用の資源として」いうような説明を入れていただかないと、臨床試験のデータセンターと、バンク・アーカイブとの区分けがしにくくなるような気がしますので、御検討いただきたいと思います。

○福井座長 ほかには、いかがですか。

○田代委員 丸山先生の御指摘の所に関わることですが、「試料・情報」の定義、それから既存試料の定義もそうですが、現時点でゲノム指針、疫学指針、臨床指針でそろっているので、変える必要はないと思います。先ほど「その他人に関する試料」の具体例として、歯型という話もありましたが、その場合は情報として扱って構わないと思います。これまで、ゲノムの指針以来ずっと疫学指針を作ったときから、人の体の一部とそれ以外を分けて考えてきたので、試料の定義を拡大することはやめた方が良いと思います。現状の指針でもう既にそろっているので、「試料・情報」の定義と「既存試料」の定義に関しては、現行のものを踏襲した方が良いというのが私の見解です。

○津金委員 最初の、適用の所について、 2 点あります。 1 点目は確認ですが、○3の「連結不可能匿名化されている情報のみを用いる研究」というのは、連結可能でかつ対応表を有しない場合も含むと考えてよろしいでしょうか。後の方では、それは同等に扱われていると思うのですが。それが 1 点目です。

○工藤課長補佐 対応表を保有しない場合について、連結不可能匿名化と規程するかどうかと。

○津金委員 ここであえて、それを含むと明示するか、どこかにそれがイコールであることが分かればいいと思いますが、最初の方に出てくるので少し気になりました。

 それから、 2 点目です。その右側の、海外の研究についてですが、統合指針においては、日本の指針の方が厳格な規定がなされている場合は、基本的に臨床研究の指針に準じられているので、実際問題として、疫学研究を海外でやろうとすると、 IC を受けたりなど、現地に IRB などがないなど、そういうこともいろいろあるので、これが適用されると非常に困ることになります。疫学研究の指針のような扱いもできるように考えていただけないかということです。

○伊藤安全対策官 津金先生がおっしゃっているのは、連結可能匿名化されて、その研究を行おうとする機関で対応表を持っていないということが、○3に含まれるかという意味でしょうか。

○津金委員 最初の質問ですね。

○伊藤安全対策官 はい。

○津金委員 そうです。○3で、それが連結可能匿名化になっているけれども、自分自身は対応表を持っていないようなことを研究する場合、それはイコールであると考えていいかということです。

○伊藤安全対策官 その場合は、正に申し上げたとおり、連結可能だということが分かっている場合には、別の扱いになるのだろうと思います。それを連結不可能かという判断にはいろいろありますが、そこは IC の所とも関わるのでそこで、説明いたします。そこの判断は、必ずしもそうだと一概に言い切れないと思っています。

○福井座長 また後で時間がありましたら御指摘いただきたいと思います。

○直江委員  5 ページに「研究機関」の定義がありますが、文章中、「研究機関の長」というのが何度も出てきます。いつも混乱するのは、理事長、学長、学部長、病院長など、どのように「長」を定義するのかが少し曖昧なような気がしますが、いかがでしょうか。

○工藤課長補佐 現行指針でも、「研究機関の長」という用語を使って規定を設けていますが、「研究機関」の定義規定を置いて、「研究機関の長」の定義規定は設けていないという状況があります。お尋ねの点については、その研究機関における研究活動について総括的な、第一義的な責任を持つ方が長ということで、病院であれば病院長、大学等であれば学部長というような、必ずしもどの格の人ということを指針自体で規定しているのではないものと理解しています。

○直江委員 いろいろと責務が出てきますね。報告義務や監督義務など。これはガイダンスでいいと思いますが、そこをきちんと分かりやすくしていただきたいと思います。

○福井座長 その方向で考えたいと思います。では、第 2 章から第 4 章まで全部合わせて、量が多くて恐縮ですが、何か御意見ございますか。ここで述べていただいた方がいいという御意見があればお願いいたします。「研究者等の責務」から始まって、「研究計画」、「倫理審査委員会」の所ですね。

○楠岡座長代理 第 2 章の「研究者等の責務」の所で、研究者等あるいは研究責任者、研究機関の長の責務の中に、研究の質の確保に関して、今のところは義務規定にはしないというのが今までの議論だったと思います。質を保証するような措置を決めると言いますか、以前、これを臨床研究機関の長の責務的な所に入れる話になっていたかもしれませんが、研究者の責務の中にはそこが明示されていません。ある程度、質を保つことに関する責任の明示があった方がいいのではないか。

 また、それに関して、どのレベルに責任を持たすか。これは本来、研究者全員が気を付けるべき、心掛けるべきことであるとして、研究者の所に入れるのか。又は、機関の長にするのか、具体的な策を講じることをした方がいい。実務的なことと重なるところがあって振り分けが難しいとは思いますが、この辺に関して、今度の指針ではどのように扱うのでしょうか。

○高江課長補佐 まだ説明ができていませんが、研究成果の信頼性確保は第 9 章として、研究者、研究責任者、研究機関の長の責務としてそれぞれ新たに置くつもりです。今回この指針としても、質を保証することを担保すべきということで、概括的な責務の中にも質の保証を書き込むべきだという御指摘について、委員会の皆様方がそれでよろしければ、事務局としてはこちらにそれを入れ込むこととさせていただきますが、御議論いただきたいと思います。

○福井座長 科学的合理性等の確保という所で質の確保もカバーできないでしょうか。

○楠岡座長代理 倫理性と科学性ははっきり書かれている割に、質と言うか、信頼性のことが記載されていない。それは現段階において義務付けるのは困難があるし、また後ろの方でも論ずることになるかもしれませんが、 3 つの原則を等しく考慮すべきだということはあってもいいのではないかというのが私の意見です。

○福井座長 ほかに、いかがでしょうか。

○丸山委員  12 ページの表の、趣旨はよく理解しているつもりですが、言葉についてです。○2の試料・情報の所に「既存」と付いていますが、「既存」については、 5 ページで、目的外という趣旨の定義がされています。そうでない場合もあると思いますので、「既存」ではなく、収集したと言うか、既収集の。上の方にあるとおり、収集して提供するということですから、※ 1 、※ 2 の注でも「収集・提供」ですから、ここでも「収集した」又は「既収集の」と変えるのではいかがでしょうか。

○伊藤安全対策官 おっしゃるとおりだと思いますので更に整理したいと思います。

○山縣委員  10 ページの、試料・情報の収集・提供を行う機関 ( バンク・アーカイブ ) の所です。例えばナショナル・バイオサイエンス・データベース・センター (NBDC) などもこの機関に入るのでしょうか。それから、社会学系で行われているデータ・アーカイブは、データを寄託する形で、そこに預けて、多くの人が使うという正にアーカイブです。これから日本疫学会でもそのような機構を作って、 1 つは 2 次利用を盛んにすること、もう 1 つはデータの検証を行ってもらうという、研究の質の担保という意味で、そういった事業を始めようとしています。そのような所もこの研究機関と位置付けて、研究計画を、それはその機関の規約や運営規則のようなものになるかもしれませんが、それを研究計画として、それがあればこういう事業を行うことができるということになるのでしょうか。この 2 点について確認したいと思います。

○伊藤安全対策官 どちらも含めて、この指針の中で位置付けたいと思っています。その方が活用が進むのではないかというのが、そもそもの議論のきっかけともなっています。そのようにしたいということで、いろいろと御意見を頂きたいと思います。

○川村委員 先ほど丸山委員の御意見で、「既存」を「既収集」にという点についてです。ここではそれでいいようにも思いますが、従来の指針では、「既存」は必ずしも既収集を意味せず、研究に繰り込む時点で既に他の目的で収集済みというものを含んでいて、これから集まってくる臨床情報なども「既存」だというふうに以前の指針では定義されていたので、そこを変えるかどうかだけは確認しておく必要があると思います。

○丸山委員 それを踏まえた発言をしたつもりです。

○川村委員 どうも失礼しました。

○丸山委員 今、川村先生がおっしゃったのは、臨床も疫学も一致している点なので、そこは変わらないということで、 5 ページの「既存試料」の定義がなされています。それを踏まえて、やはりここは「既存」ではまずいのではないかという趣旨で発言しました。

○川村委員 失礼しました。取り下げます。

○福井座長 ほかには、いかがでしょうか。

○藤原委員  4 点ほどです。まず、 9 ページです。研究計画に記載すべき事項が細かく書かれていますが、これは恐らく、研究の属性やタイプ、研究の種類に応じて様々、記載の要否が決まるので、実際の倫理指針の本文にある「研究属性(タイプ)に応じて記載の要不要を判断する」という記載を追記して欲しいと思います。

 次に、 11 ページです。共同研究機関の所の表の右の、統合指針 ( ) 3 つ目のカラムの研究計画の作成の所です。共同研究をやっている場合、「研究内容や役割・責任について記述しているのであれば、 1 つの研究計画として作成してもよい旨をガイダンスで記載」と書いていますが、通常、共同研究をやる場合、プロトコールは 1 つで、各施設がバラバラに作っても困るので、 1 つでもよいではなく、「 1 つにする」あるいは「共通の計画書であるべき」などにしていただかないといけないと思います。

13 ページ、倫理審査委員会の設置要件について、事務局に確認したい。統合指針 ( ) では、一番下の、審議又は採決要件で、「構成する委員のうち、それぞれの立場から 1 名以上出席」と記載されていて、その上に、委員構成として様々なものがある。例えば「男女両性」とありますが、この男女両性がそれぞれの立場から 1 名以上出席と受けてしまうと、女性の方は現行の倫理審査委員会には少なくて、その方が 1 人抜けると委員会が成立しないことになってもらっては困ります。これも、実際に書き込むときに、その辺りの区分けを解説しなければいけないと思います。

 最後に、 15 ページです。倫理審査委員会への付議について、真ん中の統合指針 ( 1) の、迅速審査のガイダンスの所です。一番下に、「不可と判断されたら通常の審査へ改めて提出するよう通知する旨を記載」と書いてありますが、迅速審査に出て、改めて本審査に回すたびに、研究者にもう一度申請書類を書き直して提出しろというのは非常に手間が掛かることなので、実際に通知のガイダンスの中では「改めて提出」ではなくて、迅速審査の申請書を委員会の事務局などで審査方法を切り替えるだけでよしとするなど、そういう解説にしていただきたいと思います。

○跡見委員 付議の問題についてですが、これは基本的なこととして、迅速審査は倫理委員会の審査ではないのですか。

○福井座長 倫理委員会の審査です。

○跡見委員 そうですね。ですから、この書き方がそもそもおかしいのですね。先生がおっしゃったように、倫理審査には通常の審査と迅速審査があるということなのではないでしょうか。ですから、倫理委員会に全て付議するのです。そこでこれは迅速審査かどうかということを判断してやっていくということですから、この書き方が少し分かりにくい。それをきちんと書いてほしいと思います。

○高江課長補佐 藤原先生と跡見先生から頂いた御指摘はごもっともだと思いますので、それを踏まえてきちんとした形で整理させていただきます。

○丸山委員 倫理委員会の設置者についてです。統合指針では、これまでの疫学も臨床も超えて、能力で設置要件を定めるということですが、これは、株式会社でコマーシャル委員会も認めるということに踏み出す意向なのでしょうか。

○本間課長補佐 ( 医政局研究開発振興課 )  ここに関しては、設置主体は株式会社では駄目だということは言いにくいのではないかと考えています。

○丸山委員 今は統合するのが仕事のねらいで、新たな要素を加えることは慎重にした方がいい。おっしゃることは魅力的ではありますが、この点については慎重にした方がいいのではないかと思いますので、御検討いただきたいと思います。

○本間課長補佐 ここに関しては、満たすべき規定を並べて書くような形で縛っています。実際、医療機器の開発をされるメーカーなどで、侵襲性のないような医療機器を社員さんに対して使うような研究の場合の倫理委員会をどうしようかとか、自治体で設置できないか、といった問合せも頂いたりしていますので。いろいろなやり方はあろうと思いますが、そこに対して、設置主体で縛るよりは、自立してきちんと倫理審査をやっていただける所にやってもらうという考え方です。

○楠岡座長代理  13 ページの、倫理審査委員会の審議又は採決要件についてです。その 1 つ上に、構成要件として「 5 名以上」というのをわざわざ入れたのは、今は 3 名でも要件を満たしてしまうことになるからということで、 5 名以上にしています。そうすると、採決の場合は 3 名でも OK という話になってしまいます。ここも、採決要件の所で、出席者の 5 名以上ということを入れる必要があるかどうか。 GCP ではそこを求めているのですが、指針でそこまで求めるのか。あるいは、指針の場合は構成が 5 名で出席者が 3 名でも OK とするのか、ということです。

○本間課長補佐 今回、構成を 5 名として提案いたしましたが、先生方に御議論いただいて、この 5 名が適切かどうかも含めて御検討いただきたいと思います。

○福井座長 先ほどの玉越先生の御発表では、 3 名や 4 名の委員会もあったということですね。

○藤原委員  2 点、追加で申し上げます。 1 つ目は、事務局に確認しておきたいのですが、 8 ページに健康被害の補償についてさらっと書かれています。現行の臨床研究倫理指針では、私どもが専門にしている抗がん剤を使った臨床試験については、臨床研究保険による金銭的な補償は求められておりません。今度の統合指針でも、臨床研究の補償保険も、抗悪性腫瘍薬を使っている臨床試験や免疫抑制剤を使っているような臨床試験については対象外にするかどうか、事前に教えていただきたい。

○福井座長 もう 1 つは。

○藤原委員 もう 1 つは、 2 ページの、指針の適用範囲の○2です。「他の法令及び指針の適用範囲に含まれる研究」が除外規定に入っていて、薬事法の範疇に入る治験などは対象から除かれるのです。最近、私どもの倫理審査委員会、治験審査委員会でもよく遭遇して困っているのが、市販後調査です。製薬企業の市販後調査はいい加減なものが多い。市販後調査というのは薬事法の範疇で行われているのですが、最近あったものでは、比較対照を置いて、新しく承認された医薬品の市販後調査をするという、かなり介入的要素が強いような市販後調査がありました。市販後調査の方には余り厳しい規定はないのですが、本来、臨床研究倫理指針に従えば、きちんと患者さんに説明、同意を取ってやらなくてはいけないというものですが、企業に聞くと、これは薬事法の範疇なので指針は関係ない、文書同意を取る必要はないと言い切られてしまって、そういうことは実際に起こっているのです。市販後調査のようなものについては、薬事法の範囲で縛っていただくのがいいのかもしれませんが、そういう現実が今たくさん薬の領域では起こっています。これも何か対応を考えていただきたいと思います。

○福井座長 この時点で、事務局からありますか。

○本間課長補佐 まず、御指摘の 1 つ目の、がんや臨床研究等の研究保険をどうするかということですが、結局、補償に関する保険は民間ベースで販売されているものになりますので、そもそも保険商品がない場合については、そこは規定のしようがないと思います。少なくとも保険商品が、法外な値段であれば話は別ですが、ある程度の真っ当な価格帯で設定されるものについては、基本的には保険に入っていただきたいという考え方です。保険がないものについても、患者さんに補償に関してどういう状況かをしっかり説明していただくのが基本だと思いますし、患者さんは協力してくださっている方なので、何かあった場合に全て患者さんが責任を負うというのは難しいと思います。保険でなくても可能な範囲で補償を求めることは考えないといけないと思います。

○高江課長補佐 その点に関しまして、藤原委員から御指摘があった、今の臨床研究倫理指針の運用などを変えることは何も考えていません。その点を補足させていただきます。

 それから、市販後調査の問題については医薬食品局と相談させていただきたいと思います。そもそも、そういう形で、薬事法上できちんと定義されていないもので、本来もっときちんと被験者保護のことを考えなくてはいけないものについて、それを医療機関に持ち込む製薬企業のモラルの話もあると思います。そういった点も含めて医薬食品局と相談させていただきたいと思います。

○渡邉委員 補償について確認させてください。 8 ページで、統合の指針では、「侵襲を伴う研究のうち新規の医薬品等を用いるもの」ということで、「薬事法上の承認を得ていない医薬品・薬事法上の承認とは異なる用法・用量で使用する医薬品による」とも書いてありますが、現行の補償保険では、健常者を対象とする場合と患者さんを対象とする場合とで補償の範囲も違っています。ここで、健常者を対象とする場合には、「薬事法上の承認とは異なる用法・用量」に該当すると考えればいいのでしょうか。これだけを読むと、健常者を対象とした臨床試験で、しかも既存の薬を使うというところが抜け落ちてしまうような気がするのですが、それは「薬事法上の承認とは異なる用法・用量」に該当するのですね。確認です。

○本間課長補佐 当然、医薬品として承認されているものを健常者に使うということは、そこに書かれている用法・用量とは違う目的で使っているので、それは適用外と考えるべきだと思います。

○渡邉委員 もう 1 つ。臨床試験では、侵襲を伴う方法によって評価するという場合があります。そういう場合に、この補償の適用範囲から漏れてしまう危惧があるのですが、そういう場合はどうなるのですか。

○本間課長補佐 確かにそこは少し検討が不足していましたので、考えさせていただきたいと思います。

○後藤委員 先ほどの倫理委員会の審議の件です。女性の問題は、男女の両性で構成するという話になっています。実際問題として女性が少ないという先ほどの御意見もありましたが、ある程度女性の人数をそろえるという観点からは、この構成 3 のうち、それぞれ対象カテゴリーから 5 名以上出席という所を、複数のカテゴリーがあれば複数のカテゴリー全てを満たした場合に審議が成立するということにしておけば、女性の数を増やすという点でも望ましいのではないかと思います。現に、私 1 人しかいない委員会で私が休むと困るということで、女性の委員を探してきて入れるということをやっている倫理委員会もあります。 2020 年までにあらゆる主導的な立場において女性を 30 %にするという政府目標もありますので、その辺を御検討いただきたいと思います。

 もう 1 点、私の理解が不十分であれば申し訳ありませんが、 12 ページの○2は、先ほどの説明では、研究計画は作らなくてもいいということでした。研究計画書を作らないということは、当該機関の倫理委員会を通らなくてもいいということを意味しているのでしょうか。そうすると、既存の試料であれ何であれ、当該研究機関から情報が提供されることを第三者が知らないでいることを意味しているのでしょうか。倫理委員会にはどこかに通ればいいので、ここで言うと、 B 機関の倫理委員会を通らなくてもいいという趣旨で理解してよろしいのでしょうか。

○伊藤安全対策官 ここも御議論いただく事項の 1 つだと思っています。研究計画を作らなくても、既に疫学指針においては今のような規定になっています。ただ、提供するときに、例えば IC などの手続がきちんと取られなければならないという規定はあります。ですから、このような場合に、長の許可や事後報告などはきちんと行わなければならないということと併せて、このような形で疫学臨床を整理するという考え方もあると思います。そこも含めていろいろと御意見を頂きたいと思います。

○花井委員 一番気になる所で、 5 ページの個人情報の所の「本人」について先ほども議論がありました。インフォームド・コンセントに絡むことですが、例えば個人情報について、個人情報保護法とどこまで整合的にできるのか。というのは、同意書で、いつでもやめられますとか、個人の情報を見せてくれということがあります。見せられるのかどうかという決まりもあると思いますし、ゲノムに関係する研究であれば、「私はその病気の要因があったのか知りたくなりました」と言われて、「それを見せられません」とは。そういう手続が生じる可能性がありますが、それは今回の統合指針ではどういう整理でやるのでしょうか。 QC にもいろいろとありますが、使う側からすると、個人情報についてはいつもそれがどの範囲なのか、いろいろな所で議論してガリガリやるのです。その辺を明確にするような記述にしていただきたい。定義から始まって、インフォームド・コンセントにも使われていますが、個人情報についてどういう整理をするのか、もう 1 回確認していただきたいと思います。

○伊藤安全対策官 そこは後半の議論で併せて説明させていただきます。

○花井委員 では、そこでお願いします。

○福井座長 インフォームド・コンセントの所だと思います。

○後藤委員 先ほどの件で、倫理委員会は通らないにしても、やはり何らかの形でチェックはした方がいいと思います。

○位田委員 少し細かい文言についてです。 13 ページの、審議・採決の要件で、「全会一致が望ましいが、やむを得ない場合」というのは少し分かりにくいので、全会一致に努力をする。しかし、全会一致ができない場合には、ということだと思います。「やむを得ない場合」というのは抽象的で、どんな場合があるのかがよく分かりません。

 それから、女性の委員が少ないから、その人が出席できなければ委員会が成り立たない。それは確かにそうかもしれませんが、それなら、女性の委員は出席していなくてもいいという方向に流れる可能性がありますので、女性も 1 名は必要だと。もし女性の委員が休むと委員会が成り立たないのであれば、後藤委員がおっしゃったように、 2 人とか 3 人に増やせばいいのです。女性の委員が出なくてもいいという話は問題があろうと思います。それを言い出すと、ほかのカテゴリーの委員もいなくてもいいのではないかという話になってしまうと思います。

○田代委員  8 ページの「教育・研修について」ですが、「中間取りまとめ」の際には、年 1 回以上継続して教育・研修を受けることになっていました。しかし、先ほど玉腰先生が報告されたように、現在教育の期限を定めている機関がそもそも少なく、定めていても、 2 年に 1 回とか 3 年に 1 回で継続している機関が結構あります。教育を年 1 回受けなければいけないという機関は、全体の 5 %程度しかないので、これをこのまま進めてしまうと、過大な要求になる可能性があります。もちろん、皆さんに教育を受けて頂かなければいけませんから、機関の長が年 1 回以上の研修機会を提供することは重要だと思います。また、継続的に教育を受けることも大事だと思います。しかし、その回数についてはガイダンスでもう少し幅を持たせてもいいのではないかと思います。ほかの先生方の御意見を伺いたいと思っています。

○中村座長代理 私も同感です。それから、現在のこの案では、研究者等と倫理審査委員会の委員で研修が別になっています。そうすると、倫理審査委員会の委員で研究者というときに、年に 2 回受けなければいけないという話になる。これは以前にも発言したと思いますが、現在でも倫理審査委員にはなかなかなり手がありません。負担ばかりあって何も自分のためにはならない。勉強になるではないかと言われればそうかもしれませんが。そういう中で、倫理審査委員にもう 1 つ負担を掛けることについては、それこそ優秀な倫理審査委員を確保する観点からも非常に問題がある。そういう意味では、倫理審査委員会の委員としての研修を受ければ研究者等の研修は必要ないぐらいはあってもいいのではないかと思います。

○直江委員  2 点あります。 1 つは、 9 ページの「研究計画に記載すべき事項」についてです。これまで余り議論が出ていなかったかもしれませんが、その計画研究がどういうファンドで行われているのかについて是非記載すべきだと思います。例えば寄附金によるのか、例えば厚労科研費によるのか、などを明示することは必要だと思います。

 もう 1 点は、 13 ページの、利益相反の審査の所です。右下のカラムに「研究関係者の利益相反に関する」とありますが、ここに「研究関係者」と出てくるのはどういう意味でしょうか。「研究者」ではいけないのでしょうか。

○本間課長補佐 「研究者等」に直した方がよいかもしれませんがが、意図としては、研究結果を出す御本人だけではなく、研究に関わる方というニュアンスのつもりです。

○直江委員 提案ですが、多施設共同研究の場合に、今の仕組みでは、別機関の共同研究者の COI の情報を得ることがなかなかお互い難しい状況にあります。倫理審査のときに COI 情報も付けることを何らかの形で原則化、ルール化していただけると、審査がしやすいのではないかと思っています。

○位田委員 先ほど田代委員がおっしゃった研修の部分についてです。今のままだと、やはり問題があるわけですが、こう書いてしまうと余りにも無理がある。そうすると、真ん中辺のものが必要なのではないかと思います。この辺の案があるのでしょうか。

○田代委員 研究を始めるに当たっては必ず教育を受けなければいけない、倫理審査委員会の委員になるに当たっては教育を必ず受けなければいけない、これは絶対だと思います。また、定期的に教育を受けなければいけない、これもその通りだと思います。ですので、研究機関の長が年に 1 回以上の研修機会を提供する、ということは必要でしょう。ただし、その間隔は 1 年がいいのか、 2 年がいいのか、 3 年がいいのか。常識的にはせいぜい長くて 3 年だと思いますが、その間隔についてはガイダンスに、例えば 2 3 年が妥当というような形で書いておく。本文で年 1 回と書いてしまうと、全ての研究者が年 1 回、何らかの形で講義を受けて、それを毎年リニューアルしなければいけないということになってしまい、これは少し厳しいのではないか、というのが私の感覚です。

○位田委員 そういうこともあると思いますが、年 1 回なら年 1 回の研修の内容の方が実は問題です。例えば 2 時間ぐらいの講演を聞いて、それで研修を終わりましたというのは、これは本当に研修なのかというと恐らくそうではない。回数よりはむしろ中身にもう少し言及できないかと思うのです。先ほどの調査の所でも、 CITI-Japan などいろいろなウェブでの研修がありますから、回数ではなくて中身だと思います。

○福井座長 また考慮したいと思います。時間も押してしまいまして、あと 1 時間なので、休憩はなしで、残りの第 5 章から第 9 章までの説明をしていただいた上で、御意見を伺います。事務局からお願いします。

○伊藤安全対策課  16 ページをお開きください。まずはインフォームド・コンセントと試料・情報の二次利用を併せて御説明させていただきたいと思います。統合指針 ( ) における新たに試料・情報を取得する際の、 IC の手続をどう考えていくかの点であります。こちらは中間取りまとめの論点 4 に対応するものですけれども、その取りまとめにおいては 3 段階程度に類型を整理して、 IC の手続等を定めていってはどうかと言われていますので、そのような形で整理してみました。まず、左側の研究対象者の危険や負担の系統に応じていろいろと場合分けをしています。場合分けの種類は 3 つで捉えていきたいと思っており、研究実施に伴う「侵襲」「介入」「試料・情報の種類」という形で、左の方から順番に見ていってはどうかと思います。まず、侵襲を伴う研究ですが、そのうち軽微なものを除いたもの。このような研究については介入や、試料・情報の種類の場合分けをしなくても高いと評価させていただきましたけれども、文書で説明や同意、 IC を受け取る必要があるのではないかと考えています。この研究の例としては侵襲を伴うということで、臨床のような方の研究が想定されますけれども、例えば研究の例の一番下に書いているような、終日行動規制を伴う研究で、介入がある研究も当然入ってきます。ここの侵襲というのは、身体又は精神的な侵襲でありますので、疫学の研究における、介入がないとかそのようなことを意味しているものではありません。

 次に、「中」の評価は幾つか場合がありまして、まずは軽微な侵襲を伴う研究。こちらについての研究の例として、侵襲が少量の採血のみの研究というようなものを軽微な侵襲を伴う研究として整理させていただいています。この辺についてそれが適当かどうかについて御議論をいただければと思います。

 次に、侵襲を伴わない研究において、介入を伴う場合、あるいは介入は伴わないけれども人体から採取された試料を用いる場合。こういった場合については必ずしも文書で IC は要しない。ただ、口頭で IC を取る場合には記録作成が必要であるというような整理をさせていただいています。最後に侵襲の介入は伴わなくて、人体から採取された試料以外のものの試料を用いる場合。その場合は必ずしも IC を要しないけれども、情報公開と拒否機会明示というのは必要であるという形で整理させていただいています。

 次に、 2 番目の既存試料・情報を提供・利用する際の IC の手続です。こちらは個人情報を含む場合と含まない場合で整理させていただいています。先ほど委員からもお話がありましたけれども、個人情報保護法について、その関係の幾つかの法律がありますけれども、これは当然法律で義務付けられているものは守らなければならないと考えています。ただ一方で、学術研究機関で行う学術研究とかといったものについては適用除外とされていたり、あるいは条例で特に定められているような規定もあって、今は非常に分かりづらいようなことになっています。その中で、一定の指針としていろいろと基準を定めていったらどうかという中で整理していきたいと思っているものです。

 まず、個人情報を含む試料・情報について、こちらは人体から採取された試料、それから診療情報、カルテ情報、こういったものとそれ以外の試料・情報の 2 つで場合分けをさせていただいています。利用行為ですが、今の指針にも書かれていますけれども、他機関へ提供をする場合、提供行為について。他機関から提供を受けて利用する行為。自機関で利用する場合、この 3 つの場合が考えられるかと思います。まず人体から採取された試料及びその診療情報、これを他機関へ提供する場合は、必ずしも文書で IC を要しない。ただ、口頭で説明・同意を受ける場合には記録作成が必要であるというように整理しています。この他機関へ提供する側が提供をする行為、それからその提供先、被提供側ですが、こちらで行う利用について同意を得ていることを前提に考えると、提供を受ける側の方もいろいろな、諸々の手続は必ずしも厳しくなくてもいいだろうと。常に提供側で同意等の一定の手続を経ているということを踏まえ、必ずしも提供を受ける側は IC を要しないけれども、オプトアウトの機会はちゃんと確保することが必要であるという形で整理させていただいています。

 次に個人情報を含まない試料・情報ですが、まず人体から採取された試料等については他機関へ提供する場合は、機関の長の許可を得た場合は IC を要しない。ただし、情報公開は必要である。提供を受ける側は、必ずしも IC を要しない。ただし、これも同じように情報公開が必要という形で、個人情報を含むものよりは若干その手続が簡素化されているということです。それから、自機関での利用についても、他機関へ第三者提供をする行為よりは試料・情報の拡散リスクが少ないので、若干他機関へ提供する行為よりは手続を簡素化している形で全体を整理していますので、この辺も御議論をいただきたいと思います。

 続きまして、 18 ページです。論点 4-2 に対応しているものですが、インフォームド・コンセントの手続の簡略化・免除、あるいは厳格化をどのように考えていくかを整理したものです。統合指針においては、基本的に疫学研究で書かれているような規定をベースに簡略化・免除に関する記載を書かせていただいています。特に○3のインフォームド・コンセントの手続によらなければ、実際上、当該研究を実施できず、又は当該研究の価値を著しく損ねることとか、こういったところは御議論もありましたので疫学指針をベースに記載させていただいています。また、厳格化に関する記載については、まず、どのように整理していくかですが、基本方針において社会的に弱い立場のある方に対して特別な配慮が必要であることを記載させていただいていること。次に、代諾者等に対するインフォームド・コンセントを受ける場合の手続といったところで整理させていただきたいと思っております。

 引き続き 19 ページの、インフォームド・コンセントを受ける際の説明事項について、こちらも研究計画と同じように義務付け事項を指針本文に記載し、例示をガイダンスで記載していくということで整理したいと思いまして、これも今の時点では全ての事項を現行指針に書かれているものをそのまま義務付け事項として整理したいと。さらに、以下の事項で同じように偶発的所見や研究結果の取扱い方法など、こういったものをいろいろと追加して記載させていただきたいと思っております。

 続いて 5 番の、現時点で特定されない将来の研究利用における IC の手続です。いろいろと議論になっているところですが、いわゆる包括同意と言われているものについてどう考えていくか、こちらは 20 ページですが、現時点で特定される研究計画で説明しなければならない事項と、現時点では特定されない研究計画で記載しなければならない事項を対比して説明させていただきたいと思います。

 まず、現時点で特定される研究計画は一般的な計画ですけれども、この場合には左の方に書かれているものを全て書くことが原則であるということです。それから、現時点では特定されない研究計画の場合、何が特定されないで、事項としては書きづらいのかというところを改めて、事務局の方で考えてみました。まず書かなければいけないことについては上の 2 つの、現時点では特定されない研究において、試料・情報を利用する可能性がある場合はその旨と、この辺はゲノム指針で既に書かれていることを書かせていただいています。それからここが問題になると思うのですが、○1から○3まで研究の目的や意義、方法、研究者、それから研究期間、こういったところについては、現時点で分かる範囲で記載すべきであるという形で今のところ整理させていただいています。相談・問合せの対応方針についても、そのあといろいろと研究計画が明らかになってくる時点における情報公開の方法や問合せ先といったものもきちんと書くべきであろうと思います。両方にまたがっているいろいろな事項については、現時点では特定されない研究計画においても、きちんと書くべきではないか、基本的には共通していると考えてはいるのですが、このような形で特定されない研究計画について説明をいろいろと行う場合に、これを白紙委任として考えるものなのか、それともこれだけきちんと整理されているのであれば、これは倫理審査委員会の長の許可という手続を経れば、研究利用にしてもいいのではないかと、このような観点からいろいろと御議論をいただきたいと思います。この場合、具体的な説明を求めるのか、現時点で分かる範囲としてもよい項目についてそれぞれどう考えていくか。あるいは、その説明を義務付けるべきなのか、任意事項としてもよい項目について、このようなところについても御議論をいただきたいと思います。

 次に、緊急状況下における IC の手続です。中間取りまとめにもありますとおり、 GCP 省令に基づき整理させていただいています。

○工藤課長補佐 続いて、資料 5 番の 21 ページの「代諾者等からのインフォームド・コンセントを受ける場合の手続等」について御説明いたします。中間取りまとめでは未成年者を研究対象者とする場合について、専ら論点となっていましたけれども、未成年者以外にも認知症などによってインフォームド・コンセントを与える能力がない方や、既に亡くなっておられる方を研究対象者とする場合なども含めた規定の見直しを行っております。

 まず、アセント関連ですが、現行の臨床研究倫理指針の方で既に、研究対象者が未成年者以外の場合も含めて規定を設けていますので、統合指針 ( ) においても未成年者に限らず、研究対象者本人が意思表明可能なときはできる限りインフォームド・アセントを得る旨を規定することとしています。アセントを得られなかった場合の対応については、本人の不同意の意思を尊重することを原則として、必要な措置を講ずるというよう努める旨を規定した上で、介入を伴う研究であって、その介入によって研究対象者に直接の健康上の利益が期待されて、代諾者がその研究の実施に同意しているというような場合は、その例外ということで考えています。

22 ページは、未成年者を研究対象者とする場合において、中間取りまとめで示されています見直しの方向を踏まえ、本人からインフォームド・コンセントを受けるべき年齢について、学年や校種等も考慮して、事務局としては、「義務教育課程修了又は 16 歳以上」という形で幅をもたせることで提示させていただいています。また、現行の疫学研究倫理指針の細則で 16 歳以上の未成年者本人からのインフォームド・コンセントのみで研究を実施することができるということになっている取扱いについて、統合指針 ( ) における取扱いについて、図表でお示ししているものです。表の中で記載している○1の要件については、表の下に※で記載していますように、疫学研究倫理指針では想定されていない、軽微な侵襲を超える侵襲を伴う研究については、引き続き親権者等のインフォームド・コンセントを必要とするという趣旨です。

 次の○2の要件については、疫学研究倫理指針が平成 19 年の改正時に、それまでは臨床研究倫理指針と同様に、親権者等のインフォームド・コンセントが必須とされていたものを、 16 歳以上について、本人からのインフォームド・コンセントのみで「可」とした際の背景・経緯に鑑みて追加している記載です。具体的には、先生方の机上に備え付けの参考資料集につづっています平成 19 7 月の疫学研究倫理指針の見直しの方向性及び改正 ( ) の資料の中の 23 ページから 25 ページにかけて記載されていますので適宜御参照いただければと思います。そこに示されていますように、代諾者からインフォームド・コンセントを受けることで研究結果にバイアスを生じるといったような場合が、ここに記載しています「研究の価値を損ねること」に該当するものと想定しています。ガイダンスで 19 年のときの事例を示させていただいて解説することを考えています。

 こうした一定の要件を満たした場合には、義務教育課程修了又は 16 歳以上の未成年者本人からのインフォームド・コンセントで研究を実施することが可能となりますけれども、研究対象者の親権者等が子供の利益を慮ってそのインフォームド・コンセントを取り消すことができるという旨も併せて規定することとしています。

 続いて、 23 ページの個人情報保護関連の規定について御説明します。先ほど何度かくり返し、「個人情報」という用語が出てきていますが、特に現行指針で規定している個人情報の定義規定から大きく見直しするものが想定していませんでしたので、資料 5 1-1 には含まれていませんが、個人情報というのは、単に個人から得られた情報ということではなく、生存する個人に関する情報であって、その情報から特定の個人を識別できるものと規定している用語です。

 現行指針における個人情報の保護関連の規定では、研究者と研究責任者、法人等の代表者に遵守すべき事項が列挙されていまして、責任関係が必ずしも明確でないことや、同じ指針の中でほかの規定との重複や、あるいは他の規定によって十分に担保されていると考えられるような規定について重ねて規定していること。また、既に亡くなっている方に関して特定の個人を識別できる情報について、漏洩等の防止を図る安全管理措置のみが適用されているといった状況です。

 統合指針 ( ) では、個人情報の保護関連の規定について、まず、全ての研究者等が遵守すべき「基本的な責務」と研究機関の長が担う責務の 2 つにシンプルに整理させていただき、第 5 章のインフォームド・コンセント関連の規定とか第 7 章の試料・情報の取扱いに関する規定などとも整理・調整を図っていこうと考えています。また、亡くなっておられる方に関して、特定の個人を識別できる情報については、研究機関の長の責務とする安全管理措置に加えて、全ての研究者等が遵守すべき基本的責務についても義務として規定することのほか、開示等の求めの対応については、努力義務という形で適用するということで示させていただいています。

 このように統合指針 ( ) では、関連する用語の整理、見直しも含め、研究に伴って取得された個人情報は、その研究機関で保有されているものであることを明確にして、研究上、必要な利用を確保しつつ、研究機関が保有する個人情報について、試料・情報に付随する個人情報であるか否かによらず、組織としてきちんと対処することを趣旨としています。

○高江課長補佐 次に、 24 ページの、研究に関連する重篤な有害事象への対応について御説明いたします。重篤な有害事象への対応の所ですが、基本的には現行の臨床研究の倫理指針の枠組みを踏襲する形で考えております。研究責任者の所での一番右側の、予期しない重篤な有害事象の発生時にアンダーラインを引いていますが、「研究実施前に登録したデータベースへ登録・公開」という情報を付け加えてはどうかと、今までの御議論の中から考えております。下の図に関しては、これらの流れを上の責務に関連する作業の流れを図式化したものです。右上の研究責任者が、 7 番目として「予期しない重篤な有害事象の概要を計画、登録しているデータベースへ登録」と、ここの部分を付け加えてはどうかと考えています。今まで疫学の分野でこういったものはなかったのですが、実際に疫学の分野で重篤な有害事象はほぼないのではないかと考えています。

 最後に、 25 ページの研究成果の信頼性確保についての章です。まず、研究者等関係者の責務ですが、大きく 2 点を考えています。 1 点目が利益相反について、 2 点目がその記録の作成や保管に関しての条項です。研究者等については、自らの利益相反について研究責任者に報告する。また、研究の試料・情報に係る記録を正確に作成する、としまして、ガイダンスで修正を行う際には、その履歴や理由を残すこと、としてはどうかと考えています。また、研究責任者に対しては、当該研究における利益相反について把握し、適切に管理すること。また、研究者等が作成する記録作成における管理を行うこと。ガイダンスとしては、異動等の後任者に適切な引継ぎを行うことを考えています。また、当該研究における試料・情報及び記録を適切に管理すること。加えて、機関の長へ試料・情報の管理状況について書面にて年次報告と、保存期間終了時に報告をするということを考えています。研究機関の長の責務としては、自機関で行う研究に係る利益相反の管理。これは COI 委員会に意見を求めることをガイダンスとして考えています。

 試料・情報等の保存に関する手順書を作成の上、必要な体制を整備し、適切に管理をする、という責務を置いた上で、ガイダンスとして、保存業務については指名する者に委任してもいいということ。保存状況について報告を受け、必要に応じて指導する、ということを置いてはいかがかと考えています。

 あと、研究に係る試料・情報等を適切な機関が保存することとさせていただければと考えます。具体的な試料の保存に関する考え方は下の、対象とする研究として、一応事務局の方で案 1 から案 3 までの 3 案を考えています。案 1 としては、医薬品・医療機器の効能・効果等に関する研究に限る。そしてこれをやはり義務化するという案です。案 2 は、案 1 に加えて○2として、○1以外の侵襲を伴う研究について取組を求める。案 3 は、この 1 2 の研究全て義務化する、という考え方です。こちらもいろいろと御議論をいただければと思います。

 試料保存の考え方として、上の共同研究機関、自機関、下が試料・情報の提供機関とさせていただいています。語句は改めますが、基本は研究修了後、最低 5 年という線をその保存期間として提案させていただいています。既存試料・情報の提供機関に関しては、試料・情報の提供後、最低 5 年たつと破棄が可能となる。実際に自機関、若しくは共同研究機関においては研究終了後、最低 5 年若しくはその結果の公表、論文としてから 3 年のいずれか遅い方、それまでは試料を保存していただきたい。そのあとは破棄ができるとしてはどうかと考えています。以上です。

○福井座長 ありがとうございます。インフォームド・コンセントの所を含めて、大変重要なテーマですが、今、説明を聞いた直後の所、保存の期間のことについて、何か御意見はありませんか。事務局の案としては、請求後最低 5 年とか、結果の公表後 3 年という数字を一応出していますが、まずこの点について何か御意見がありましたらどうぞ。

○花井委員 何年保存するかということですが、後から検証ということですね、内容で。それに対応したもの。個人的には何 10 年と言いたいところですが、最低でも 10 年かなと思います。結局デジタルでかさばらなければというのもあります。

 あと、先ほどのちょっと続けてでありますけれども、信頼性の所で、これはガイダンスでいろいろ書いていただいたのですが、 IT 化していると、デジタルになると、結局ログが全部残っていれば、大体管理サーバーがどうということもあるのですね。そういったことも今後は、やはりほぼ IT でやっていくと思いますので、ガイダンスの方で、よくパソコンをつけましたからなんていうことをおっしゃられて、結構そういう形でデータを触れたというのもありますし、デジタル特有の扱いというのもあるので、それはガイダンスでも何でもいいのですが、適切に保存できるようなことを、特に何か書いていただいたらと思います。以上です。

○福井座長 ありがとうございます。山懸委員、どうぞ。

○山懸委員 ここは、かなり大きな変化の部分だと思います。これまでは、要するに破棄しなければならないということが根底にあったものが、むしろきちんと保存期間が決められ、しかもそこで破棄が可能であるというのであって、もちろんインフォームド・コンセントを元にきちんと保存ができるのであれば、ちゃんと保存をするという、むしろそういう方向に来たという考え方でよろしいでしょうか。

○高江課長補佐 はい。

○福井座長 藤原委員、どうぞ。

○藤原委員 花井さんと同じで議論のときに、大体悪いことは 10 年後に起きるという。やはり 10 年は最低限。ただ、その期間保存すると、結構経費がかかることでもあるので、どこまでで切るかというのは難しいのですが、医療法などのカルテの保存期間というのは 5 年なので、それとの兼ね合いもあるのかもしれないです。こういう臨床研究、特に臨床試験の所だと思うのですが、それは結構長い方がいいのかなとは思います。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。位田委員、どうぞ。

○位田委員 確認というか、少し書いておいていただいた方がいいと思うのですが、これは要するに検証のために 5 年ないし、今 10 年と藤原委員がおっしゃっていましたが、保存するということですね。ですから、既存試料として他の目的に使うということは、前提にはなっていないという理解でよろしいですね。もし必要であれば、試料を取るときに包括的にというかは別ですけれども、ほかの目的にも使う可能性がありますので、かなり具体的なことを、できるだけ説明をする。そこの所を、この辺りできちんと書いておいていただいた方がいいかなと思います。

○福井座長 何か事務局の方で意見はありますか。

○高江課長補佐 改めて同意をとる話と、これまでの資料をいじるような話と、今回のディオバン問題を受けたような話、これらの性質は全然違います。ただ、今回指針が統合化されて、それを見られる方も、いろいろな角度から見るということも踏まえて、今の位田先生の御指摘を踏まえて、そこはきちんと分かるようにさせていただきます。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。インフォームド・コンセントの所については、いかがでしょうか。

○田代委員  16 ページの所ですけれど、十分理解できているか分からないのですが、緩めすぎた部分と、厳しくなりすぎた部分があるような印象を持っています。緩めすぎではないかと思ったのは、新規に試料・情報を取得する場合で、「軽微な侵襲を伴う」ということで、採血とか、先ほどの例で言うと被曝なども入ってくるのですが、そういった生体を傷つけるようなものに関しては、これまでの指針でも基本的には文書説明・文書同意だったと思います。ですので、ここについては基本的には文書説明・文書同意としておき、同意を得ることで研究が実施できなくなる場合には、同意免除規定で吸収する方が良いと考えます。つまり、これまでのものと整合性をとった方が良いのではないかと思います。逆に言うと、例で挙がっているような運動負荷に関しては、日常生活レベルのものであれば下のカテゴリーに落ちていくので、やはりここは文書説明・文書同意が良いのではないか、というのが 1 点です。

もう 1 点、少し厳しくなりすぎているのではないかと思うのは既存試料の所です。この表では、自機関で診療情報を用いた研究を行う際にも、口頭説明・口頭同意となっていますが、こはこれまではオプトアウト同意でできたはずだと思います。具体的には 16 ページの下の表の、一番右の上のカラムです。「自機関で人体から採取された試料及び診療情報」を用いる際に、試料に関してはこれまでも口頭説明・口頭同意ということが必要だったと思います。しかし、診療情報についてはここに入っていなかったはずです。ですので、例えば自施設でカルテを繰るような研究をするときに、原則として同意が必要だということになってしまうと、厳しくなりすぎていると思います。ここはやはり、基本的には「人体から採取された試料」、つまり人の一部を使う場合には原則同意で、同意が得られない場合にはオプトアウト同意、診療情報に関しては基本的にオプトアウト同意で良いと思います。いずれも現行指針を統合していったときに、現状の指針から余りにも大きく変わるのは問題があると思い、 2 点述べました。

○福井座長 丸山委員、どうぞ。

○丸山委員 田代委員がおっしゃったことに追加なのですが、下の 2. の方に、「個人情報を含む試料・情報」と整理されている所の、「人体から採取された試料等以外の試料・情報」、下の方の所は、手続済、「必ずしも文書で IC を要しない」、括弧の中で ( 口頭説明・同意の場合は記録作成が必要 ) というのが、やはりこれまでに比べて重くなっているのではないかと思います。その隣の「必ずしも IC を要しない ( 情報公開、拒否機会明示は必要 ) 」という所にとどまるのではないかと思います。

 それも含めてですが、特にこの 2. について、先般、ゲノム指針の改定で、疫学指針と臨床指針の既に存在する、あるいは目的外の試料利用についての規定がゲノム指針に取り込まれました。ようやく取り込まれたのに、こちらの方を、これまでと違う枠組みにしてしまう。大きく言いますと、個人情報を含む、含まないで分けられているのですが、元は匿名化がなされているか、なされていないかで分けられていました。

 個人情報と匿名化、同じように受け取られるかもしれないのですが、死者をどう扱うかという所で、最後の所で死者について御説明があったのですが、用語の定義の所では、個人情報の定義が設けられていませんので、これまでの疫学指針と臨床指針、両指針の定義を踏まえる、踏襲すると、やはり個人情報は生きている人の情報に限られるので狭すぎで、この辺りは匿名化ということばを用いた元の姿に戻すというか、その基準を維持すべきではないかと思います。

 それから、最初に申しましたゲノム指針も、元の臨床指針、疫学指針の枠組みで、既存の試料の利用について規定を定めたところですので、今これを動かして、こういう枠組みを規定するというのは、政治的、政策的にまずいのではないかと思います。確かにこれまでは、提供側、提供を受ける側、研究者、ユーザー側、それを全てカバーするような規定を置いていなかった、一部抜けている所があったのですが、そういう点では今回の整理というのは、きっちりそこはできているのですが、具体的な規定の在り方については、もっと検討を踏重ねる必要があって、統合の段階では、これまでのやり方を維持するというのが、手堅い進め方ではないかと思います。以上です。

○福井座長 ありがとうございます。

○伊藤安全対策官 事務局から先に御説明させていただきたいと思いますが、まず既存の個人情報を含まない場合の試料・情報については、これは今の指針におきましても、同意を得て記録作成をするということが、まず原則としてあって、いろいろと簡素化、免除みたいな形の規定が設けられているのではないかと認識しているので、そこをいろいろと御意見をまた頂きたいと思います。

 それから、人体から採取された試料に診療情報が含まれるのが、厳しくなるというところもありますけれど、現在でも診療情報を含めた形で、いろいろと規定が整備されている部分もあるのではないかと思っています。以上です。

○丸山委員 現在、倫理委員会でよく出てくるのは、カルテを使って行う、先ほど田代委員がおっしゃったカルテ研究なのです。カルテ研究は本人同意など取らずに、情報公開だけで行っていますので、ミクロに見るとその辺りだけでも、やはりその整理はまずいのではないかと考えます。

○田代委員 特に自施設で利用する場合の試料のところで、原則同意を取るということになっているのですが、私の理解ではこの規定は人体から採取された試料の利用だけに関わっていたものですから、情報は含まれないはずです。これまでの指針では、自分の所の試料や情報を使うときに同意が必要なのはサンプルに限られているので、診療情報をそこに含めるのは明らかに厳しくなっている。特に自分で使う場合が厳しくなっていると思います。

○福井座長 そのように私も思います。津金委員、どうぞ。

○津金委員 今までの議論と同じようなことですが、もちろん新たに試料、情報を取得したり、繰り返すというものにおいては、軽微な侵襲であろうと、文書によるICは必要だろうと考えます。一方、必ずしも文書で IC を要しないということは、イコール何らかの口頭説明、同意というか、個人からは同意を取らなければいけないという話だというように置き換えると、下の既存試料・情報の利用において、例えば一番上は個別に同意を取るという話になってしまうと思うのですが、必ずしも試料というのが、同意を取れる状況にない場合が多いのが現実かと思います。今から新たに収集するのだったら、同意を取れる状況だったかもしれないし、すごく昔に集めた試料というのは、必ずしも同意を取れない状況になっているという、そういうことをやはり鑑みながら、今までも IRB がいろいろな条件を満たしながら、確認して利用できる、許可を得て利用できるということになっているので、やはりそこをもう一回、要するに既存試料でも口頭でも、もう一回全部、再度接触して同意を取らなければいけないという状況になってしまうと、本当に疫学研究が混乱してできなくなるし、これは社会的に重要性が高いうんぬんで、ある程度そこは担保しようと考えていらっしゃるのだろうと思うのですが、ただ、今までの指針においては、例えば他機関への提供に関しては、 18 ページの上の所のように、もちろん基本的には原則同意なのですが、 IRB の許可と、情報公開とか、拒否とか、そういう制限を設けながら利用できるという形になっていますし、自施設の利用に関しても、やはり基本的には IRB の許可に基づいて、情報公開とか、拒否とか、そういうことでやっているので、是非そのように元に戻していただくことが必要ではないかと思います。

 それから、例えば逆に他機関への人体採取試料を提供するのに、個人情報がない場合は、今までは報告だけでよかったのですが、今度は許可が出てきているという意味で、やはり全体的に厳しくなっているということはあると思います。

○福井座長 ありがとうございます。花井委員、どうぞ。

○花井委員 今されている議論は、いわゆる匿名化されていて、連結は可能である、可能でない。それから、試料である、情報であるという、幾つかの議論があると思うのですが、試料・情報は連結可能なわけですね。ところが、他施設に連結不可能なのを出してしまえば、連結不可能な情報に変わって、それを自施設でやる分には、これは連結可能な情報を使うことになるけれど、他施設になった瞬間に連結不可能だという場合があると思います。

 実例を言うと、試料で言えば、この前少し申し上げたかもしれませんが、採血した血液をいろいろ使うというときに、採血事業者の中では当然連結可能なのだけれど、広く研究に供するということができて、そのときに、そこで完全に連結を切ってしまって出したときに、情報の場合であればいいかとか、ある程度、血液の検体というものをどう考えるかというところで、あまり厳しいと、大きな研究をしにくいというのが出てきていて、そこは私も理解が十分できていない所もあるのですが、匿名化なのだけれど連結可能な場合、不可能な場合というときの説明の整理を少ししないと、具体的には今言ったような、赤十字社が匿名化して、全く連結不可能な形で提供して、この試料を使うという場合も、実はドナーリストをこちらが持っているせいで、このまま行くと全部同意を取らなければできないということになると思うのですが、それは、もうそういう形でするのか、もう少し何かいろいろ例を挙げてするのかというのを、少し考えた方がいいのではないかと思います。

○位田委員 今の問題と、あと幾つかあるのですが、ここの「必ずしも」というのが必ずしも明確ではなくて、つまり必ずしも文書で IC は必要ではないけれども、では、口頭の場合に要るのかというと、そこは必ずしもはっきり書いていない。むしろ文書での IC を要しないのだったら「要しない」と書いて、ただし、口頭での同意が必要だというのだったら、そう書く。「必ずしも」というのは、やってもいいし、やらなくてもいいという非常に曖昧な表現なので、そこははっきりした方がいいと思います。

 それから、先ほどの連結可能、不可能という話なのですが、そこの表の一番下の「連結不可能匿名化された情報は、他機関に提供するときに、提供側が必ずしも IC を要しない」というのは、これは既存試料で連結不可能になっていれば、提供側でも誰のものか分からないのではないですか。そうすると、「要しない」というより、 IC は取れないということになると思うのです。

 要するに、連結可能、不可能というのが何を基準にしてやっているかというのが、必ずしもはっきりしていないのです。花井委員がおっしゃったのは特にそうだと思うので、つまり、この世の中から対応表が全くなくなってしまった場合を連結不可能と言うのか、若しくは自分の所には対応表があるけれども、相手には対応表を渡さないから、相手の機関であれば連結不可能と言っていいのかという、そこの問題をはっきりさせておかないと、場合によって混乱するような気がします。

20 ページになるのですが、いわゆる包括的同意に関連する、現時点で特定されない将来の研究利用における IC の手続ですが、将来、試料・情報を利用する可能性がある場合には、その旨をちゃんと説明しなさいということですが、ここに書いてあることは、想定される研究を、できるだけ具体的にはっきり説明しなさいという、ある種の努力義務だと思うのですが、実際こういうものに使うということが全く想定されていないのだけれど、よくある「医学研究に使います。まだ今のところは想定されていません」という場合にも、ここで行けるのかどうかです。私は、それは少し広げすぎだと思っていて、それこそ白紙委任と同じだと思っているのです。どこまで想定しておかないといけないのか、若しくは、どこからは想定しなくてもいいのかということも、もう少しはっきりしないといけない。これは「ある程度分かっている場合には、これだけはっきり言いましょうね」という話であって、むしろ問題なのは、まだ想定がはっきりしていない、でも先に試料は頂きたい、という場合ですので、そこの所をどこまで、どの条件であれば緩和できるかということを考える必要があるかと思います。

 それから、そういう場合に、仮に想定がかなり緩い場合であっても、広報して、私はここから抜けますという、同意の撤回の可能性を置いておいて、更なる研究計画で使う場合には、やはり撤回の可能性を保証しておく必要があるだろうと思います。だから、あらかじめ説明がない部分は、同意の撤回の可能性という所で担保するという考え方です。

 それから、次の 21 ページですが、アセントの表の下側の「不同意の意思表示に関する規定」で、案では「不同意の意思を表明したときには、その意思を尊重して、必要な措置をとる」とあるのですが、これは未成年であれば、 0 歳から 16 歳未満とすると、どの年齢でもこういうことが言えるのか。例えば 5 歳の子が「僕、嫌だ」と言った場合と、 14 歳の子供が「いや、私は入りません」と言った場合とで、かなり対応が違うと思うので、ここは一括でこのように書いてしまっていいのかというのが、少し気になります。もともと子供の場合の年齢の区分けをどうするかというのは、議論になっていましたので、そこの所を少し考える必要があるかと思います。

 それから、先ほど信頼性確保の問題と関連して、研究の質という話を楠岡先生がおっしゃったのですが、ここでは、研究の質が確保できるかどうか、という問題があるのだろうと思います。つまり、利益相反についてチェックします、研究の記録もきちんと残しておきます。この 2 つの方法で対策をとれば研究の質を確保できるというように、研究者の方が判断されるかどうかという問題です。私は少しそこは違うのではないかと思います。利益相反は必ずしも研究の質とは関係ないと思うので、それは違うと思います。

 記録を残せば本当に研究の質が確保できるのかというと、これは私の想像ですが、とてもそんなものではないと思うので、むしろ研究計画どおりに実施が行われているかどうかというのを、どうウォッチするか、どうフォローするかという問題なのだろうと思います。

○福井座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。丸山委員、どうぞ。

○丸山委員  3 点挙げたいのですが、 1 つは今、位田先生が挙げられた 21 ページの所で、本人が不同意の意思を表示した場合ですが、私は年齢なりに対応をとればいいのではないかと思っていて、だけど物心がついて、ある程度の意味が分かっている不同意でなければ、対応を講ずるに値しないというところで、 5 7 歳ぐらいが下限かと思うのですが、その場合については年齢に応じて対処するということで、あとは位田先生の御趣旨とは違うかもしれないですが、その意思を尊重する、あるいは尊重するよう努めなければならない、というような文言で整理されたらいかがかと思います。

 私が何を言いたいかといいますと、必要な措置を講ずるという所で、また細工を労していただきたくはなくて、本人が嫌だと言えば、年齢に応じて気持ちを尊重してあげるということが望ましいのではないか、というのが 1 つです。

 それから、 2 つ目は次の 22 ページ、これは文言だけなのですが、表の上の所で、統合指針の案が示されています。本人の同意だけで研究が実施できるとされる場合の要件が○1○2○3とあって、そのあと親権者等が取り消すことができるという規定があるのですが、その中の文言です。「親権者又は未成年後見人は当該研究対象者の利益を重視する観点から」とあるのですが、これは「保護する観点から」ではないかと思います。

 それから、 3 点目が 18 ページに戻りまして、下の表ですが、インフォームド・コンセントの手続の簡略化・免除の所で、この規定は既に疫学指針にあり、これは当初、がん登録で予後情報を収集するために設けた規定だったと思います。ですから、自施設の資料について、インフォームド・コンセントの要件を簡略化するという場合だけではなくて、他施設の資料、病院などの情報を研究機関が見せてもらって利用するという場合についても、通常の簡略化に、更にこの場合は拒否の権利も認めない簡略化まで可能な規定にしていますので、自施設、他施設の両方あるのだというところを踏まえて、条文化していただければと思います。以上です。

○福井座長 ありがとうございます。跡見委員、どうぞ。

○跡見委員 先ほどの位田先生の 20 ページの説明事項の所なのですが、これは実際、現在特定されていない研究に、どんな研究が起こるかというのは、やはり今の手法からいうと、そこまで書き込むのは無理だと思うのです。ここは新しい研究計画を、倫理審査委員会がきちんと判定する、そういう試料を使っては駄目だ、そこまでは行きすぎでしょう、という所を判定するしかないのではないかと思います。そこまで IC の所に書き込むというのは、将来の研究予測というのはほとんど不可能ではないかという気がしますけれど、それが倫理審査委員会の役割ではないかと思います。

 それから、これまたつまらないことで申し訳ないのですが、 24 ページ、研究に関連する重篤な有害事象への対応で、「有害事象の発生時、機関の長が必要な体制・規程を整備」というのは、有害事象が発生したときに、慌てて機関の長が、これを作成するわけではないと思うのです。

 一番上のカラムで、研究に関連する重篤な有害事象への対応で、「有害事象の発生時、研究者は必要な措置を講ずる。研究責任者は情報共有を行う。機関の長は適正に実施するため必要な体制・規程を整備する」というのは、有害事象が発生して、急にこんなことをやるわけではありませんので、まず、これはまずいだろうと思います。

 だから、「研究責任者は、有害事象が発生したときには、研究者へ情報共有を行うとともに、必要に応じ、機関の長へ報告する。機関の長は必要に応じて、必要な措置を講ずる」とか、そういうことだろうと思います。これは、機関の長のことは、責務で述べられていることですので、必要ないだろうと思います。

○福井座長 何か事務局から意見はありますか。

○本間課長補佐 御指摘のとおりでして、修正させていただきます。

○伊藤安全対策官 先ほどの位田先生のお話で、将来の研究利用における利用についてですが、 19 ページを見てください。先ほど御説明を省略させていただいたのですが、この将来の研究利用におきまして、どういった場合に概略的な説明なり、そういうのが可能かというところは、また御議論いただきたいと思うのですが、それに加えまして、このような形で、同意を何らかの形で得るということを制度的に認めた場合には、同意を得た後の撤回についても、何らかの形で規定を置くことが必要ではないかと考えています。そのオプトアウトの機会について、案を統合指針のところで 3 つ書かせていただいているのですが、望ましい旨をガイダンスで書くか、あるいは努力義務、義務として、何らかの形で規定すべきではないか。この辺も併せて御議論いただければと思うので、よろしくお願いします。

○田代委員 今の点ですが、私は義務で良いと思います。特に幅が広い同意を受けた場合には、その後「そういう研究は嫌だよ」ということを保障するためにも、しっかりとした情報公開が必要だと思います。もちろん、どこまで撤回に応じるかというのは研究によって色々あると思いますし、事前のインフォームド・コンセントも重要になってくると思いますが、基本的には同意撤回に関して色々と考えておくことは義務で良いと思います。

○山懸委員  22 ページです。未成年者を研究対象とする場合の指針の所の統合指針 ( ) の所で、 16 歳、飽しくは義務教育修了の所に関して、本人の同意でできるということに関しては、非常に助かるところですが、その下に、要するに親権者等が IC を取り消すことができるとなっているのですが、そのためには取り消す機会を設けるような、何らかの措置、要するに具体的には学校で高校生にこういう調査をやって、「いいよ」と言って調査をやった後に、そういうことをやりましたというのを親に通知したりしない限り、これはできないと思うのです。

 つまり、そういうことも含めて、ガイドラインを書いていかなければいけないということになるのか。その辺のところは、ただ本人がこういうことをやったよと伝えて、親が「それはやめておこう」というような、その程度でいいのかということについて、少し考えておかなければいけないという点と、同様に前のページ、 21 ページもそうなのですが、介入の場合に、本人にとって必要なときには、代諾者の同意でアセントが不成立の場合にも、取れない場合にも代諾者 OK とあるのですが、これはナイチなどの規定だと、侵襲の度合いによって、代諾者の誰が同意しなければいけないとか、親の場合だと、 1 人だと、 2 人だと、結構面倒くさいことが書いてあったりするのですが、その辺の所も、この場合、ガイダンスのような所にも書いていかなければいけないのか、ということも少し検討の余地があるかと思います。以上です。

○福井座長 ありがとうございます。丸山委員、どうぞ。

○丸山委員 今、山懸先生がおっしゃった代諾者については、そこまで親権者に取消しの機会を提供するというのは、少し非現実的ではないかと思います。あえて取り消すという場合には対応する、というようなところではないかと考えます。

○藤原委員  2 点ほど、別のことでもいいですか。まず 24 ページの、重篤な有害事象への対応です。今回、研究実施前に登録したデータベースへの登録、公開を課そうという記載があるのですが、非常に非現実的というか、例えば今のユーミンとか米国NIHのクリニカルトライアルドットコムなどで、重篤な有害事象をわざわざ書き込むような項目は、確かになかったと思いますし、 EU であれば、臨床試験については登録が法制化されていますから、 EudraCT のような所に登録、その有害事象を報告しますということはありますが、一般に公開されているわけではありません。日本で公開をやって何の意味があるかなというのが、 1 つ思っています。

 もう 1 つは 25 ページで、先ほど位田先生もおっしゃっていましたが、研究成果の信頼性確保というのは、 COI の管理をしても、確保にはつながらなくて、今回は一言も出ていないのですが、実際に介入を伴う臨床研究、臨床試験について、信頼性を確保しようとすると、モニタリングと監査ということが一番必須の要件になってきて、そこを今回の臨床研究倫理指針と疫学指針の統合の中で、全部の臨床研究に求める必要はないのですが、前向きの介入を伴う臨床研究、臨床試験というものに対して、モニタリング監査を求めるようにしないと、恐らくティオバンのようなことは永遠になくならないと思うので、それは今後、議論をしっかりしておいていただきたいと思います。

○福井座長 ありがとうございます。後藤委員、どうぞ。

○後藤委員  19 ページの先ほど田代委員がおっしゃっていた所ですが、これだけ……大学で始めた場合に、やはり子供はどんどん成長していくという観点も踏まえて、後で撤回できるような機会を確保するという意味で、義務として記載するのが望ましいのではないかと思います。

 あと、先ほど山懸委員がおっしゃっていた所で、私も撤回するためには情報提供が必要で、取消しを認めるためには何らかの情報提供が必要ではないかと思います、その辺をどこまで書くかは難しいところですが、いろいろな研究の計画のレベルによっても違うと思いますが、少なくとも何らかの形で保護者に情報が提供され、例えばアンケート調査についてもお知らせを持って帰るというようなことは、少なくとも必要であると思います。

○福井座長 ありがとうございます。磯部委員、どうぞ。

○磯部委員  23 ページの個人情報の所についてですが、先ほどの花井委員の指摘にもつながる所かと思いますが、統合指針 ( ) における上の所、個人情報の関連規定で、指針外の他の規定、 5 章、 7 章との整理・調整を図るということで、レジュメ、※ 2 も付いていますが、やはり私も整理・調整は必要であり、それは IC の撤回の所の問題と、個人情報保護の問題が、あたかもまるで 2 つ別に、肩を並べて存在するというように解するよりは、やはり研究についての本人の同意なり、それを省略してよい場合なりについての規定が、きちんとあり、それに沿う形で、個人情報に関する本人の関与といったものを考えるという関係で、調整を図るべきではないかと考えています。ですので、是非この※ 2 のような方向でいいのではないかと思いました。

 ただ、下の部分で、個人情報提供者であるとか、あるいは請求者というような概念をあえて作ることに、どのような意味があるかということは、私にはよく分からず、ここにおいては、 IC を与える研究対象者なり、代諾者なりの個人情報のみならず、要するに研究に伴って、例えばアンケートの中に書いてあった第三者の名前もあるかもしれないし、関係するお医者さんの名前もあるかもしれないわけで、いずれにしても全ての個人情報について、必要な安全管理措置等があるわけです。

 ですから、大事なことは保有する個人情報があれば、当該個人情報によって識別される特定の個人、つまり本人という人が、それに関与することは認められてよいはずだし、その本人が必要な請求をするから、その人がたまたま請求者と扱われるというだけのことなので、何も「請求者とは開示等の求めを行う人である」という定義を置く必要はないと思いました。以上です。

○福井座長 ありがとうございます。御意見はまだまだたくさんあると思いますが、もしまだ発言しきれなかった部分がありましたら、後日、事務局へ送付していただければと思います。本日いろいろ伺った御意見、又は後日送付していただく御意見を踏まえて、事務局の方で具体的な文案を、次回の会議までに作成してもらうことになっていますので、またそのときにいろいろ御意見を伺いたいと思います。ありがとうございました。事務局には本日の会議での意見や、それらの御指摘を踏まえて、条文案を提示して、次回の会議のセットをお願いしたいと思います。

 それでは、議題 3 に「その他」とありますが、事務局より何かありますか。

○工藤課長補佐 「その他」に関しては、ディオバン関係の検討会の中間取りまとめのことを、既に冒頭で御報告させていただきましたので、それ以外は今回は特にありません。

○福井座長 ありがとうございます。それでは、本日予定していた議事は以上です。最後に事務局から連絡事項をお願いします。

○工藤課長補佐 次回の開催予定については、既に日程調整等をさせていただいていまして、来年を予定していますが、正式な開催の御案内、あるいは出欠の確認等については、後日改めて事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いします。

 また、本日の議事録については作成でき次第、委員の先生方に御確認をお願いして、その後公開させていただきますので、よろしくお願いします。なお、紙ファイルの参考資料集については、そのまま机の上に残していって、お持ち帰りにならないようにお願いします。事務局からは以上です。

○福井座長 ありがとうございます。大変長い時間、ありがとうございました。以上で閉会します。


(了)
<問い合わせ先>

大臣官房厚生科学課担当:工藤、許斐

電話: 03−5253−1111(内線3819、3824)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(科学技術部会疫学研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会・臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会) > 第8回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議 議事録(2013年12月13日)

ページの先頭へ戻る