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2013年4月19日 第52回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会議事録

労働基準局勤労者生活課

○日時

平成25年4月19日(金)


○場所

労働基準局第1・第2会議室


○出席者

公益代表委員

勝部会長、臼杵部会長代理、鹿住委員、西村委員

労働者代表委員

大塚委員、久保委員、高橋委員、早川委員

使用者代表委員

市瀬委員、島村委員、清水委員、新田委員、長谷川委員

(事務局)

山越大臣官房審議官(労働条件政策担当)、木原勤労者生活課長、曽我勤労者生活課課長補佐、石丸勤労者生活課課長補佐

○議題

(1)厚生年金基金制度から中小企業退職金共済制度への移行について
(2)その他

○配布資料

資料1-1 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法の一部を改正する法律案の概要
資料1-2 厚生年金基金制度について
資料1-3 年金制度の体系
資料1-4 企業年金制度等の現状
資料1-5 厚生年金基金数と加入員数
資料1-6 厚生年金基金制度改革の基本構造
資料1-7 厚生年金基金制度から中小企業退職金共済制度への移行のイメージ
資料2-1 独立行政法人勤労者退職金共済機構第3期中期目標・中期計画の概要
資料2-2 第3期中期目標・中期計画の新旧対照表
資料2-3 第3期中期目標(全体版)
資料2-4 第3期中期計画(全体版)

○議事

○勝部会長 定刻になりましたので、ただいまから第52回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会を始めたいと思います。

 本日は内藤委員と宮嵜委員が御欠席でございます。それでは、議事次第に沿いまして、最初の議題に入りたいと思います。議題1ですが、「厚生年金基金制度から中小企業退職金共済制度への移行について」ということで、まずは事務局から説明をお願いいたします。

○木原勤労者生活課長 資料の説明に入ります前に、若干補足をさせていただきます。最近、報道でも取り上げられておりましたが、41日、厚生労働省の社会保障審議会年金部会で、厚生年金基金の見直しについて審議がありました。そして、412日、関係する法律案が閣議決定されました。法律案は現在、国会に提出されている状況でございます。その法律案の中で、中小企業退職金共済制度に関係する部分があります。議事次第のとおり、厚生年金基金制度から中小企業退職金共済制度への移行に関するものでございます。それについて御報告申し上げるために、本日の部会を開催させていただきました。とはいえ、今回の内容は中小企業退職金共済制度を見直すようなものではございません。厚生年金基金制度についての報道の中でも特に中小企業退職金共済制度についての言及はなかったように思われますが報道の中で話題そのものは結構大きく取り上げられておりますので、部会の皆様に御報告させていただくものです。

 最初に、資料1-11ページです。「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案の概要」です。「1.厚生年金基金制度の見直し」の(1)で、厚生年金基金の新設は認めないとされ、(2)(3)で、既存の厚生年金基金に関しては基金の解散について特例等が設けられることとされています。

 次の(4)が中小企業退職金共済制度に関係する部分です。上乗せ給付の受給権保全を支援するため、厚生年金基金から他の企業年金等への積立金の移行について特例を設けることとされています。後から資料の中でも出てまいりますが、この積立金の移行に関し、確定給付企業年金、確定拠出年金と並んで、中小企業退職金共済制度への移行も可能とすることとされております。23については専ら年金関係ですので省略いたしまして、一番下の施行期日ですが、中小企業退職金共済制度に関係する部分については、公布日から1年を超えない範囲で政令で定める日とされております。

 資料1-2から1-4まで、念のため厚生年金基金についての資料をお付けしております。資料1-2は「厚生年金基金制度について」です。厚生年金基金は、厚生労働大臣の認可による法人です。基金が設立をされますと、中ほどの図の右側のとおり、基金が厚生年金の一部を代行します。さらに、独自の上乗せ給付を行います。下半分に、「参考」として、厚生年金基金の設立の形態についてお示しをしております。3つありまして、大企業が単独で設立する単独設立の基金、企業グループで設立する連合設立の基金、そして同種同業の企業が組織母体を中心に共同で設立する総合設立の基金です。このうち、総合設立の基金は地域単位や業界単位で、中小企業が集まって設立できるものであり、一般に、この総合型の基金に中小企業が多いと言われております。

 資料1-3は、「年金制度の体系」です。いわゆる1階部分の国民年金と2階部分の厚生年金、そして3階部分の確定拠出年金や確定給付企業年金や厚生年金基金があり、厚生年金基金は厚生年金の一部を代行しているという図です。御参考までにお付けいたしました。

 資料1-4は、「企業年金制度等の現状」です。加入者の割合のグラフです。厚生年金基金は、グラフの一番下の網掛けの部分で、ここ10年で大きく減少しております。平成23年度末では加入者は約440万人、企業年金全体の26%になっています。

 資料1-5、「厚生年金基金数と加入員数」のグラフは、厚生年金基金について、先ほど申しました総合設立、連合設立、単独設立の別に整理されているものです。一番右側の23年度で、577の基金のうち494が総合設立で、現在はこの総合型が約8割の状況となっています。総合型は中小企業が多いと一般に言われていますので、総合型が約8割ということは、現在の厚生年金基金に関係する企業は中小企業が多いといって差し支えないと思われます。以上が、厚生年金基金に関する資料です。

 資料1-6の「厚生年金基金制度改革の基本構造」が、今回の厚生年金基金の見直しの関係です。今回の法律案では、厚生年金基金を、いわゆる代行割れのリスクの度合いに応じて3つに区分し、それぞれに措置が講じられることになります。左側の代行割れの基金、保有資産が代行部分に必要な水準に満たない基金が全体の約4割とされています。この代行割れの基金については、早期の解散に向けた措置が講じられます。この代行割れの基金の部分は、中小企業退職金共済制度には直接には関係してまいりません。中小企業退職金共済制度に関係するのは、真ん中の「代行割れ予備軍(約5割)」と、右側の「健全(約1割)」の所です。代行割れ予備軍の約5割については、他制度への移行又は解散という対応となり、健全とされる約1割は、他制度への移行又は存続という対応となります。これら、5割足す1割で約6割の基金が、他制度への移向の対象となり得るわけですが、今回の法律案では、その移行先の中に確定給付企業年金、確定拠出年金と並んで、中小企業退職金共済制度も含まれております。この中小企業退職金共済制度が含まれていることは、中小企業が導入しやすい選択肢の提供にもつながるのではないかと考えております。

 中小企業退職金共済制度に移行が可能であるとして、移行の仕組みはどうなるのかを示したものが、資料1-7です。左側の厚生年金基金制度の所で、代行割れしていない基金の上乗せ部分の資産について、従業員の持分額を中小企業退職金共済制度に移します。中小企業退職金共済制度に移すといっても、お金ですので、具体的には、基金から中小企業退職金共済制度を運営する勤労者退職金共済機構にお金が交付されることになります。この交付された額の取扱いは、1の新規に中小企業退職金共済制度に加入する場合と、2の既に中小企業退職金共済制度に加入している場合とで異なります。1の新規加入の場合は、平成23年度までありました適格退職年金からの移行の場合と同様の仕組みです。この図と、下には説明を加えておりますので、適宜その説明も参照いただければと思います。1で中小企業退職金共済制度への加入時には、掛金月額を決めることになりますので、その掛金月額に応じて交付された額が掛金の何か月分に当たるかを換算します。その換算した月数を加入後の実際の掛金納付月数に通算をして、退職時にその通算した月数に応じて、退職金を支払います。換算の結果、端数が出たり、下の文章でも書いていますが、換算する月数については厚生年金基金に加入していた期間が限度となりますので、換算できない部分が出てきたりします。それらについては、「残余の額」として別途計算をして、退職時にまとめて支払うことをいたします。

 2の既に加入している場合は、現に中小企業退職金共済制度の加入期間があるわけですので、それを更に延ばすというのも変ですから、既に加入しているものについては、そのまま継続して退職時に普通に退職金を支払います。基金から交付された額については、これとは別に全額を別途計算して、退職時にまとめて支払うという仕組みにしています。1でいう残余の額、それから2でいう交付額について、別途計算すると申しましたが、図の下の文章でも書いておりますが、年1%での計算を予定をしています。これは、一般の中退共の予定運用利回りを踏まえたものです。さらに、それぞれ付加退職金に相当する部分も上乗せされます。こちらは、付加退職金と同様に、毎年度率を告示することになります。

 以上のように、今回の措置は中小企業退職金共済制度そのものを見直すということではなく、厚生年金基金制度を見直すに当たって、解散後の基金の移行先として中小企業退職金共済制度への移行も可能とすることとされたことから、そのために技術的な手当てが必要となるため、必要な措置を講ずることを内容とするものです。説明は以上です。

○勝部会長 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見などございますか。

○新田委員 冒頭に木原課長からお話ありましたとおり、この中小企業退職金共済制度について何か変更があるものではないと理解をしております。ただ、かなりマスコミ等にも取り上げられておりますし、世の中的にもかなり関心が高いということもありまして、このタイミングで部会を開いて、このように説明をしていただいたことに対して、まずは感謝を申し上げたいと思います。

 その上で2点確認させていただければと思います。1点目が、資料1-66ページになりますが、「厚生年金基金制度改革の基本構造」ということで、先ほど、代行割れの4割が早期に解散、今回もし移行の対象になるとすると、この6割の中でということになるという御説明を承ったと思うのです。もし分かればこの6割のうち総合型の割合を教えていただきたいというのが1点です。もう1点目が、7ページになるのですが、先ほど移行の説明がありまして、新規加入の場合と、既に加入の場合と2つケースがあるということで、新規加入については残余の額がそれぞれ個別でキープされていると。既加入の場合には、交付額というのが、それも別途管理していくということだと思うのですが、その場合の勤労者退職金共済機構への業務負荷といった部分について、特に問題がないという理解でよろしいのかという点について、お教えいただければと思います。

○木原勤労者生活課長 最初の移行の対象となり得る6割の中で、中小企業が多いといわれている総合型がどれだけあるのか、すなわち移行の対象となるのは大体どのくらいなのかということかと思います。この6割の中での総合型、6割の中の内分けについては、実は手元に数字がございませんで、ここについては基金全体の割合とほぼ同様な割合であるのではないかと仮定をして、6割中の8割程度が総合型なのではないか。すなわち6割の8割ですから、言ってみれば半分ぐらいですが、基金全体の半分ぐらいが他制度への移行の可能性がある母体ではないかと考えております。この中から、ではどれだけ中退の方に来るのだろうかというのは何とも予測困難ということで、御理解いただければと思います。

2つ目の勤労者退職金共済機構の業務負荷ですが、これは新しい枠組みを作るわけですので、コンピュータシステムの見直しとか、そういったことは必要となってまいりまして、もう法案も出ていることから、勤労者退職金共済機構との打合せも進めているところです。そういった部分を除けば、既に、基本的な仕組みとしては適格退職年金のときに経験をしているわけですし、それほど特に大きな負荷、業務的な負荷があるようには今のところは承知はしておりません。

○勝部会長 それでは、ほかに御質問ございますか。

○久保委員 質問というよりはちょっと要望なのです。適格退職年金の廃止に伴って、結果どこにも移行できなかった、若しくはしなかったというのが結構の割合であったように思うのですけれども、今回こうやって厚生年金基金からほかの年金制度に移行できるようになる。そのうちの1つが、この中小企業退職金共済制度だということなのですけれども。やはり、雲散霧消してしまわないように積極的な移行の働きかけというのも、機構の側でやっていかないと、適格退職年金と同じような結果が生じる懸念もあります。機構そのものの人員体制もそんな十分ではないというのは承知の上ですけども、是非そこら辺の所、できれば100%が何らかの所へ移行するというふうな努力を、機構の方にお願いをできればと思いますので、よろしくお願いいたします。

○木原勤労者生活課長 私どもの立場からいきましても、この中小企業退職金共済制度というのは、中小企業にとって手軽で、しかも外部積立型で確実な制度でありますし、これから解散される基金の事業主の方にとっても、選択肢として是非検討いただきたいと考えています。その前提として、法案が通ってからかもしれませんが、厚生年金基金からの移行の制度そのものについて、いつからどのように周知を図っていくのかなど、年金担当の部局ともいろいろ相談をしていく必要もあるかと思います。その上で、中小企業退職金共済制度としてどんな働きかけができるかといったことも、確かに検討工夫することは必要だと考えております。そういう御意見がおありということを確かに承りました。

○勝部会長 先ほどの負荷の話なのですが、先ほど6割のうちの8割ということで、大体半分が移行する可能性があるという話なのですが、そうすると、今、厚生年金基金が27兆円残高があって。その半分が移行するとなると、今の中小企業退職金共済制度の資産規模というのは相当に大きくなるという理解で、よろしいですか。

○臼杵部会長代理 代行を入れて27兆円ということであり、上乗せ部分はそれよりも全然少ない。

○勝部会長 そうするといくらぐらい、どれぐらいの資産規模ですか。

○木原勤労者生活課長 資産規模について、すみません、今どれぐらいか、どの程度がその可能性があるかということ、こちらから年金局に問い合わせたこともございません。まず数字が分かるかどうか分かりませんし、そういう観点から検討したことございませんでしたので、御容赦いただければと思います。

○勝部会長 分かりました。ほかに何か。

○臼杵部会長代理 細かい話なのですが、資料1-7の1の新規加入で、結局、残余の額と掛金通算したところと、扱いとしては一緒になるということなのですか。これを分ける理由は、どういうところにあるのですか。

○木原勤労者生活課長 まず、基本的に中小企業退職金共済制度の枠の中に入っていただくわけですので、中小企業退職金共済制度の枠組み、すなわち掛金月額と納付月数によって退職金の額が決まる枠組みを基本的に採用しようということで、実際の掛金納付月数に、換算した月数をプラスして、これで退職金を支払うという枠組みを構築しました。しかし、その場合に持ってくる額がきれいに割り切れるわけではありませんから、どうしても端数が出てきます。その端数をどう取り扱うかという問題が生じます。さらに、月数に換算するのに、厚生年金基金に入っていた期間が上限となりますので、換算できない部分もあります。というようなことから、端数もあるし、換算できないところもあるし、その月数にきれいにできないところをどうするかという問題が出てきますので、これについては別に運用し、これはこれでその人の分として入ってきたものですので、最後に払うという枠組みにしたものです。これは、適格退職年金のときにも同様ですし、それを今回も倣ったものです。

○臼杵部会長代理 趣旨は分かりましたけど、結局、経済的には最終的には同じということでよろしいのですかね、どちらに入ろうと。

○木原勤労者生活課長 そうですね。ほぼ同様かと思います。

○臼杵部会長代理 事務的にはそんなに分けることによって負荷は掛からない。

○木原勤労者生活課長 負荷という点では、コンピュータシステムで管理をしますので、そんなに問題にはならないと考えています。

○臼杵部会長代理 はい、分かりました。

○木原勤労者生活課長 勝部会長からお問合せがありました件について、分かる範囲のお返事させていただきます。27兆円の中で、この上乗せ部分の資産額が数字としてはじけるということで、27兆円分の中の基金の上乗せ部分の資産が3兆円ということです。ただ、この3兆円が総合型ではどうかとか、そういうところまでは分からないので、そこは御容赦ください。

○勝部会長 ありがとうございます。ほかに御質問等ございますか。

 ちょっとプリミティブな質問かもしれないのですけれど、6ページで、代行割れの部分5割、健全1割と。このうちの大体8割ぐらいが中小企業という話があったのですが、この代行割れの部分、積立比率が1.0を少し上回るぐらいだとは思うのですが、これシフトする場合には時価で計算して、移していくのか。あるいは、その辺の部分、どのような形で、この中小企業退職金共済の方に移っていくのですか。時価で移るということで、よろしいですか。

○木原勤労者生活課長 ここは適格退職年金のときにも同様だったのですけれども、現金で来ますので、時価という理解になるかと思います。

○勝部会長 ありがとうございました。ほかに何かありますか。よろしいでしょうか。本日は、本当に説明をどうもありがとうございました。非常に貴重な機会だったと思います。それで、特になければ、議題1はこれにて終了ということで、よろしいでしょうか。

 それでは議題2ですが、「その他」として、「独立行政法人勤労者退職金共済機構の第3期中期目標・中期計画の概要」について、事務局から御説明をお願いいたします。

○木原勤労者生活課長 こちらも報告案件です。同様に資料の説明に入る前に若干補足をさせていただきます。勤労者退職金共済機構は独立行政法人ですので、大臣が5年間の中期目標を定め、それに沿って機構が5年間の中期計画を定め、機構はこの中期目標・中期計画を基本として業務運営を行っていくという枠組みです。昨年度の部会で中期目標・中期計画の最終年度なので、見直しの手続を進めていますということで途中経過を御報告しました。また2月の部会では見直し内容がまとまりましたとして内容を御報告しました。その後、見直し内容に沿って新たな5年間の中期目標・中期計画を策定して、その目標・計画により勤労者退職金共済機構では4月から業務を行っております。勤労者退職金共済機構としては第3期の中期目標・中期計画となります。資料の14ページ以降に昨年度までの第2期の中期目標・中期計画と今年度からの第3期の中期目標・中期計画との対照表や、第3期の中期目標の本体、中期計画の本体も付けております。

 説明は9ページからの「独立行政法人勤労者退職金共済機構の第3期中期目標・中期計画の概要」によって説明させていただきます。左半分が2月の部会で報告した見直し内容の概要です。右側半分がそれに対応する第3期の中期目標・中期計画の概要で、それぞれの関係を整理したものです。これまでの部会で報告した内容と重複する部分も多々出てきますので、そのようなところはできるだけかいつまんで説明させていただきます。

9ページの「第1事務及び事業の見直し」、これの「1退職金共済事業」の「(1)確実な退職金支給のための取組」です。最初の○で、ここでは長期未請求についての対策もさることながら、そもそも未請求というケースが出てこないように、早いうちに退職金請求を促そうという取組を中心にしていきます。昨年度の部会でも御議論いただいた省令改正により、退職時や特定業種でしたら手帳更新時などの住所把握ができるようにしましたので、それを活用して一般の中小企業退職金共済でしたら退職後3か月たっても請求がない人に請求を働きかけるなど、新たな未請求が生じないことなどに重点を置くこととしております。

 次の枠の長期未請求者の問題です。これはコスト削減を意識した取組をしていきます。一般的な周知、これは継続するとして、右側の文章の3行目の括弧内ですが、個別に人に当たるのは、住所が把握できており、かつ、請求が見込まれる方を中心にすることとしております。このページの一番下の枠で被共済者データベースの抜本的改修ですが、ここは総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会からの指摘があったところです。その指摘は建設業退職金共済についての指摘でした。しかし勤労者退職金共済機構で検討した結果、清酒製造業も林業も含めて、特定業種全体でデータベースの改修をやろうということになり、そのようなことから左側では括弧内に建退共と書いてあって、右側では括弧内に特退共となっているものです。

10ページの「(2)効果的な加入促進対策の実施」です。ここでは右側の目標・計画欄に具体的な目標数値が掲げられています。これはこれまでの実績やその推移を踏まえて、勤労者退職金共済機構の加入促進の努力も更に加味して、そのような数字として勤労者退職金共済機構が中期計画に掲げた数字です。今年度以降5年間、この達成に向けて取り組んでいくことになります。

 「(3)財務内容の改善に向けた取組」です。ここでは着実な累積欠損金の解消と安全かつ効率的な資産運用について記述しております。当部会でも皆さまに真摯な御議論をいただき、機構としてもまた努力を行い、財務内容も改善が図られてきました。平成24年度決算の具体的な数字はまだ分かりませんが、一般の中小企業退職金共済についてはかなり良い数字となるのではないかと思っております。今後も引き続き外部専門家からの助言を受けながら、安全かつ効率を基本として資産運用を実施していくこととしております。

11ページは勤労者財産形成促進事業の関係です。ここでは(1)の中小企業に対する情報提供の充実の中で、退職金共済についての言及があります。(1)の右側の枠の一番下の○です。財形につきましては中小企業への普及が求められており、いろいろな措置を講じていくこととしておりますが、平成2310月に財形業務が勤労者退職金共済機構に移管されて、同じ勤労者退職金共済機構で財形と退職金共済事業を行うようになったということから、ここにありますように退職金共済事業と連携した普及促進を実施していくこととしております。

12ページです。業務全般に関する見直しということで、12につきましては独法共通に指摘された事項です。内部統制の充実、契約の適正化、情報セキュリティ対策の推進、経費削減といったことを書いております。

13ページになります。3のサービスの向上では退職金共済事業においてコールセンターの充実などを図って、顧客のニーズに対応した相談対応、情報提供を実施することとしております。4の業務効率化等ですが、ここでは電子化、機械処理の推進などを図っていきます。5の業務運営の効率化等による経費削減としては、5年間で削減する具体的目標数値を一般管理費と業務経費、それぞれについて具体的に掲げております。6の災害時の事業継続性強化に関しては、システムの機能停止やデータ破損等に備えた対策を検討・実施することとしております。

 このように、これまでの部会で報告申し上げてきた見直し内容を踏まえて、この4月から新たな中期目標・中期計画によって勤労者退職金共済機構の業務を進めているということで報告申し上げました。以上です。

○勝部会長 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして質問、意見などございますでしょうか。

○島村委員 説明いただいている中、あえて申し上げるわけではないのですが、効果的な加入促進対策ということで目標・計画を立てておりますが、私、前から加入促進を図ってもらいたいとお願いしておりまして、この中で中小企業庁の方で、いま新しい枠組みを作っておりまして、私たち中小企業団体とかそのほかに税理士さんとか金融機関で経営革新等支援機関ということで、中小企業団体のほかに中小企業を支える枠組みを広く作ったのですね。その経営革新等支援機関は6,700ぐらいありますので、そういう方とタイアップすれば、近くに中小企業者、商工事業者の方がいらっしゃいますので、そういう方々にお声かけいただくというのも一つの方法かと思いますので、新しい枠組みができていますので、そういうのを是非活用してほしいなということで意見。

○木原勤労者生活課長 ありがとうございます。これまでも商工会議所、商工会、地域のいろいろな経営者の団体とも連携・協力して今まで加入促進の取組を進めてきたと思うのですが、いまの新たな枠組みにつきましても勉強して、また機構ともどのようなことができるのか検討したいと思います。どうもありがとうございます。

○勝部会長 それでは、どなたか質問、意見等ございますでしょうか。これは加入目標数2,176,150人としていますが、何か算定根拠はあるのでしょうか。

○木原勤労者生活課長 先ほども申し上げましたが、これまでの加入実績、さらに過去のその推移、こういった傾向を踏まえて数字を出していき、さらに機構として努力をして上乗せしたいというものを上乗せして出てきた数字です。

○勝部会長 ほかに何か意見、質問等ございますか。よろしいでしょうか。特になければ、本日はこれで終了といたしたいと思います。最後に本日の議事録の署名委員ですけれども、市瀬委員と早川委員にお願いしたいと思います。本日はこれにて散会といたしたいと思います。

○木原勤労者生活課長 委員の皆さま、任期がまもなく終了となりまして、このメンバーでの部会は本日が最後になると思います。どうも2年間ありがとうございました。

○勝部会長 大変ありがとうございました。それでは、これにて散会ということで、お忙しい中、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局勤労者生活課

代表: 03-5253-1111(5376)

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