ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業安定分科会雇用保険部会) > 第90回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録(2013年7月30日)




2013年7月30日 第90回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成25年7月30日(火) 13:00〜15:00


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

○岩村部会長 定刻となりましたので、ただいまから第90回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会を開催いたします。皆様、お忙しい中、またお暑い中を御参集いただき、誠にありがとうございます。
 本日の出欠状況ですが、田島委員、井上委員、浅見委員が欠席です。阿部委員は、後ほど到着されることと思います。また、事務局に異動がありましたので、御紹介いたします。職業安定局次長に、宮野甚一さんが就任されました。本日は資料の関係で、職業能力開発局能力開発課の青山企画官に御出席いただいております。
 それでは、議事に入ります。カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
 本日の議題は、お手元の議事次第にありますように、雇用保険制度についてです。まず、事務局から資料について説明をいただき、そのあと質疑をしたいと思います。それでは、求職者支援制度の状況等について説明をいただきたいと思います。
○佐々木企画課求職者支援室長 資料1を御覧ください。1ページからが「検討の視点」で、2ページの「今後の検討の視点」です。求職者支援法附則第13条に、検討規定「施行後3年を目途として」とありますが、こちらは若干前倒しになりますが、これに基づき検討をお願いしたいと考えております。今後、制度の内容について見直しを検討するということで、以下のような4つの視点を書いております。1つは、制度が特定求職者に十分認知され、訓練受講につながっているかどうか。2つ目は、特定求職者の就職に必要な訓練が、質・量ともに確保されているのか。3つ目は、訓練期間中の生活支援が、訓練受講や就職に役立っているかどうか。最後は、制度の利用が安定した就職につながっているかについて議論いただければと考えております。
 3ページからは、受講者の状況で、これまでお示ししていたデータに加え、今回別途調査したものなどを御紹介したいと思います。4ページは、受講者の男女別、分野別の状況です。平成25年5月の数字までで、受講者総数としては約16万4,000人の方に受講していただいており、男女別では女性が基礎コース7割、実践コース6割となっております。どの分野も、やはり女性のほうがほうが割合が高いのですが、例えばITなどは男性が高くなっておりますし、デザインなども女性が多い中でも男性の比率がほかの分野に比べれば少し高い状況になっております。5、6ページは、年齢別、分野別の状況を表したものです。年齢別では、やはり20代後半、30代前半、30代後半辺りが高い状況になっております。年齢別に分野別で見ますと、やはり20代後半、30代辺りがどこも高い状況にはなるのですが、例えば医療事務などは、20代の割合が高くなっておりますし、介護福祉の分野に関しては、30代、40代辺りも少し高くなっております。
 7ページは、JILPTと連携し、求職者支援制度について一部サンプル的に調査したものになります。調査の概要は51ページに付けておりますので、後ほど参照していただければと思います。JILPTの調査で制度の周知についてですが、やはりハローワークの職員に紹介されて、あるいはハローワークで広報を見てという割合が非常に高くなっております。そのほか、家族や友人、知人に勧められてというのも、25〜26%ぐらいです。8ページは、制度利用の理由です。これもJILPTの調査ですが、「訓練を無料で受けられる」が圧倒的に高いです。一方で「給付金があること」ですが、4.6%となっております。
 9ページは、受講者の方の配偶者やお子さんの状況がどうなっているかです。受講者のうち配偶者がいらっしゃる方は、27.9%、子どもがいらっしゃる方は32.8%となっております。それから、配偶者がおらず子どもがいらっしゃる割合も、13.2%となっております。参考までに、配偶者がいらっしゃらずにお子さんがいらっしゃる方の年齢別割合を、下に載せております。同居のお子さんの年齢制限を出していないものですから、20歳を超える方もこの中には含まれていることを御了承いただければと思います。
 10ページは、生計の担い手です。自分以外の生計の主な担い手と同居している割合が、50%超と最も高い状況になっており、男女とも同様の状況になっております。11ページは、収入の状況です。JILPTの調査自体が受講前の状況について調査したものですので、受講直前1年間の収入の状況をお聞きしたものです。また、この調査対象の方は、給付金を申請される方もいらっしゃいますし、給付金を申請されない方も含まれております。給付金を受給する場合には、本人収入要件が月8万となっていますので、それを超えるような収入の方もこの中には含まれております。こちらから見ますと、収入なし、又は100万以下の合計が64.2%となっております。それから、世帯収入については、200万超300万円以下や、100万超200万円以下の割合が高い状況になっております。
 12ページは、受講直前の状況として、何か給付を受けられているかを調査したものです。何も受けていない方が76.5%ですが、生活保護や住宅手当を受けられている方も一部含まれています。13ページは、金融資産の状況です。0円超100万円以下が一番高く、その次がなしとなっております。
 14ページは、直近の働き方です。パート・アルバイトと答えた方が最も割合が高く、次いで正社員、正職員となっております。15ページには、正社員、非正社員歴を聞いたものを載せております。正社員歴については、5年以上と答えた方が最も高く、またなしと答えた方も2割近くいらっしゃいます。それから、非正社員歴に関しても、5年以上が最も高く、なしと答えた方も8%ぐらいいらっしゃいました。16ページは、仕事を探している期間です。3か月から6か月未満という方が、最も割合が高くなっております。それから、1年以上という方も19.1%ぐらいいらっしゃいました。
 17ページは、雇用保険の受給状況です。加入していなかったため受給していない方が34%、加入していたが被保険者期間が足りなく受給していない方、受給している方、受給が終了している方など、雇用保険に何らかの形で加入していた方の割合が58%となっております。18ページは、雇用保険受給終了からの期間ですが、2年以上の方の割合が2割となっております。次いで、1か月未満の方が高くなっています。
 19ページは、希望している働き方です。やはり、正社員を希望している方が75%と、非常に高い割合となっております。20ページ以降は、訓練の実施状況です。21ページ以降に載せているように、1万7,000コース余りの訓練を認定した上で、順次開講して実施している状況を表しております。受講生が集まらず、中止に至ってしまった割合として、基礎コース20%、実践コース26%となっております。就職率に関しては、基礎コース76.5%、実践コース76.3%となっております。
 22ページは、分野別に分けたものを載せております。コース数として多いのが、営業・販売・事務や介護福祉となっております。また就職率に関しても、介護福祉が最も高い状況になっておりますし、一番脇に「関連就職」を載せておりますが、これは訓練の分野に関連した就職先であったかどうかを自己申告による回答により集計しておりますが、一番高いものはやはり介護福祉の分野になっております。
 23ページから26ページまでは、開講の状況や就職の状況を都道府県別に整理したものを付けておりますので、御参照いただければと思います。27ページからは給付金の支給状況を載せております。平成24年度の数字になりますが、受給された人数は、5万8,439人となっており、割合としては女性のほうが高くなっております。年齢別の状況も、下に載せてあります。やはり、訓練自体も20代後半、30代が高くなっておりますが、給付金の受給状況としても、その年齢の方々が高くなっております。
 29ページには、給付金の支給状況のうち、支給決定、不支給決定の状況を載せております。決定件数の総数として25万件ぐらいあり、そのうち給付金を不支給とした決定が1万件ぐらいありました。不支給としたものの不支給の理由別の割合を下で整理しております。要件に合致しているかどうかになりますが、この中で一番多いのが、訓練の欠席、出席要件が74%を占めております。給付金を受けるにあたっては、訓練は基本的には全部出席いただく形になっております。ですので、一度でも休まれた方は、その回は給付金を支給できないことになりますので、その件数も含まれます。また、出席要件の中には「やむを得ない理由」の場合、病気の場合や公共交通機関が遅延した場合、同居のお子さんなどが病気の場合など、幾つかやむを得ない理由を設定しております。その場合でも、8割以上出席いただかなければ給付金を支給しないことになっており、8割を達成できなかった方々もこの7,600件の中には入っております。このうち、どれだけやむを得ない理由の方なのか、あるいはやむを得ない理由ではない方なのかという割合は、把握できていませんが、両方入っているものになっております。
30ページは、訓練を受けている方のうち、給付金を受給されている方がどのぐらいなのかという割合を示したものになります。求職者支援訓練を受けている方全体に対する割合としては、右脇に書いてあります49.9%、約5割となっております。また、給付金は公共職業訓練を受ける方が受給することも可能ですから、欄外に下線を引いておりますが、公共訓練を受けた方を含めると、61.1%となります。
 31ページは、通所手当の支給状況になります。給付金を受けられる方で交通費が必要な方は通所手当も受けることもできますが、給付金を受けられた方で通所手当を受けられた方の割合が、大体88%ぐらいとなっております。参考までに、右下に1か月の平均支給額を載せておりますが、平均支給額は約1万円となっております。
 32ページは、不正受給の状況について載せております。受講給付金の不正受給ですので受講生の方となりますが、不正受給の件数としては148件で、一番多いのが不正な申告、申請書類の偽造といったものになります。それから、下に点線の枠で訓練奨励金、訓練実施機関の不正受給の件数も載せておりますが、平成23年度、24年度で4件となっております。
 33ページは、融資の貸付実績になります。1年半の累計として約3,400件で、世帯と単身で、大体半々ぐらいの割合になっております。34ページは、利用者からの制度に対する主な御意見、御要望を載せております。1年半経過する中で、私どもにいろいろと御相談や御要望が寄せられたもののうち、主なものを載せたものです。4つの区分に分けております。1つは、やむを得ない理由以外による欠席での給付金の不支給に関しての意見・要望を2つほど載せておりますが、典型的なのは体調不良で訓練を欠席したのだが、医療機関を受診せず市販薬の領収書しかないとか、介護などが必要な親御さんで、やはり医療機関を受診していないような場合について、不支給になったことに納得できないといったようなものが寄せられています。現行、医療機関などを受診していただき、その領収書を持ってきていただければ、やむを得ない理由と認めておりますが、市販薬の領収書の場合には認めない取扱いになっております。
 2つ目は、やむを得ない理由による欠席で出席率8割未満となった場合の給付金不支給についての意見・要望を、これも、いろいろなケースがありますが、主なものとしてこれも2つほど載せております。やむを得ない理由があっても給付金を受給するためには、訓練実施日数の8割以上の出席となることが必要になります。ですので、20日の場合には休めるのは4日までとなろうかと思いますが、例えば就職面接で欠席し、更にバスの遅延による遅刻があるような場合、これは、どちらもやむを得ない理由にはなるのですが、こういったものが続いて出席率が8割未満となり不支給になったと。例えば、特にこの制度自体が就職を目指すという制度ですので、面接を欠席として扱わないなどできないのだろうかというような要望もありました。また、冬期間の話だったと思いますが、交通機関が1か月のうちに何度も遅延したりして、出席率が8割未満となったと。自分のせいではなく、交通機関の問題なのだが、そういう理由で欠席になるという取扱いは見直せないかというような要望もありました。
 それから、現行訓練全体の出席率が8割を切ると退校処分とできることにしており、お子さんがいらっしゃる方からの相談として、お子さんが病気になってしまい8割を切ってしまうのではないかと。そうなると、退校処分になってしまうのでしょうかというような相談がきたことがありました。それから、全国一律10万円の給付金の金額についてですが、都市部と地方で同一ということについて、地域の実情に合わせるべきではないかというような意見などもありました。
 続いて、35ページからは就職の状況です。就職率は先ほど説明しましたが、就職の中身がどうなっているかです。36ページで、雇用期間の定めと雇用形態について載せています。雇用期間の定めとして、期間の定めのないものは、基礎コースでは62.8%、実践コースでは67.9%となっております。雇用形態については、基礎コースではパートが最も高い状況になっており、正社員も18.7%となっております。実践コースでは、僅差ではありますが、正社員が最も多く28.5%、パートが27.6%となっております。
 37ページ以降は、サンプル調査で、訓練終了後の定着状況について調査したものです。調査の概要については、52ページに載せておりますので、御参照いただければと思います。訓練終了後3か月以内に無期雇用で就職された方が、就職から約10か月後、どのような状況になっているかをお聞きしたものです。就職した仕事を継続されている方が70.6%となっております。継続していない場合の離職理由として最も高いのが、条件や環境の不満となっております。継続していない場合、継続した期間として一番高い割合は、3か月以上6か月未満となっております。これと同じように、有期雇用で就職した方についても質問しております。これが、38ページになります。有期雇用の方で、訓練終了後3か月以内に有期雇用に就職されて、その後10か月経過後、どうされているのかですが、こちらも無期雇用と余り変わらないのかなと思うのですが、68.5%の方が仕事を継続されております。継続していない場合の離職理由としては、最も多いのが契約期間の満了となっております。継続していない場合で継続した期間は、やはりこれも3か月以上6か月未満が一番多くなっております。
 39ページは、継続していない方に対して、現在新しい仕事に就いたのかをお聞きしたものです。56%ぐらいの方が、新たな仕事に就いているようです。仕事の内容ですが、雇用期間の定めのないものが63.2%です。雇用形態としては、パートが一番高く38.3%、正社員が15.3%となっております。40ページは訓練終了後3か月以内に就職された方で、訓練と就職の関係についてお聞きしたものです。訓練された分野と関連した業種、職種であったかどうかで、関連就職であったのが65.7%となっております。関連就職ではなかった場合、訓練が役に立ったかという質問をしておりますが、6割以上の方が、その後の就職に役立ったというような回答をしております。
 41ページは訓練終了後3か月以内に就職できなかった方のその後の状況になります。現在就職している方が42.6%となっております。就職した場合の雇用期間の定めとして、64.8%の方が雇用期間の定めがない形になっております。42ページは、雇用保険の加入状況です。70数%の方が就職されておりますが、就職された方のうち雇用保険に加入した割合が、基礎コースでは83.4%、実践コースでは69.1%となっております。43から46ページまでは、この制度を利用して就職された方の事例を幾つか載せておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 47ページ以降は、財政の状況で、48ページに予算決算の状況を付けております。平成23年度、24年度に関しては、予算額と比べて執行見込み額は大分下回っています。平成25年度については、680億円ということで予算措置したところです。
 49ページは、5月の回のときに試算をしてみていただきたいという意見を踏まえて、つくりました。制度創設時、第73回の部会に提出した資料ですが、基本的にそれと同じ考え方で試算したものです。試算の考え方として、短期間で就職・離職を繰り返して、これまで失業給付の受給を繰り返していた方々が、求職者支援制度を利用することにより、安定した就職をし失業給付を受給しなくなる効果と、雇用保険料を払うようになってくる効果と、その効果から求職者支援制度に必要になった経費を差し引いた形で、過去の創設時の試算ですと、マイナス70億円となっております。今回、単純に訓練の実施人数や就職率などを一部計算する際に使っておりますので、この辺りを現在の状況に合わせて見直し、仮定としては同じ形を踏襲して計算したものですが、計算しますとマイナス13億円となっております。非常に駆け足で恐縮ですが、説明は以上です。
○岩村部会長 ただいま御説明いただいた求職者支援制度に関して、御意見、御質問がありましたらお願いします。ただ、説明いただいた中で、訓練に関わる部分については、これまでと同様に職業能力開発分科会でも、併せて御議論いただく予定になっているということですので、その点も御留意いただければと思います。
○亀崎委員 求職者支援制度利用者の就職の状況について御説明いただきまして、それについて意見とお尋ねをさせていただきます。資料の21ページに「訓練の実施状況について」とあります。求職者支援の訓練を修了した方の就職率について、基礎コース、実践コースとも、いずれも7割を超えているということで、そのうち7割近くの方が、期間の定めのない雇用契約を結んでいるということから言えば、本制度の効果は大きなものがあると考えています。
 一方で、そうはいっても、訓練を受けたが就職ができていない方々が3割いるわけです。そのサンプル調査の結果では、訓練修了後3か月以内に就職できなかった者のうち、訓練修了から1年経過した時点でも、約6割近くの57.4%の方が就職できていないという実態もあります。就職できていない要因については、就職に向けての訓練機関の対応や、訓練内容が適切であったのかどうか、ハローワークによるキャリア・コンサルティングは適切だったのかといった分析が必要と考えるところです。
 続いて、資料の42ページです。訓練修了後3か月以内に就職した者のうち、雇用保険に加入した方の割合が、基礎、実践の7割〜8割程度となっています。雇用保険に未加入の2〜3割の方については、被保険者要件を満たしていないということだと思いますが、その理由についてお尋ねしたいと思っています。
 それでいえば、所定労働時間が週20時間以上、あるいは31日以上の雇用見込みが必要なことなど、現行の被保険者要件が障害となっているのかどうかについて、確認をしたいと思っています。
○佐々木企画課求職者支援室長 雇用保険に2割から3割の方が加入していない理由ですが、これについて分析したものはございません。委員がおっしゃったように、雇用期間の定めありの方で、一部短い方も入っていたり、そういう要因は想定されるのですが、詳細な分析がありませんので、今後どういう形になっているのかは、調べてみたいと思っています。
○宮川派遣・有期労働対策部長 36ページの資料ですと、就職者の雇用形態は基礎コース、実践コース、それぞれパートで33.4%、27.6%、アルバイトで24.3%と18.4%という形で表れていますので、この中に委員のおっしゃった時間の短いケースもあると思われますし、希に、中には加入漏れ、手続ミスの方もいるのかもしれませんが、おおむね時間の問題ではないかと思います。
○岩村部会長 亀崎委員、よろしいでしょうか。
○亀崎委員 はい。
○遠藤委員 ただ今、21ページのデータについての御質問、御意見が出ましたので、このページについてお尋ねします。21ページの「中止率」を見ると、基礎、実践、それぞれ20.2%、26.4%です。まず、これについて、そもそも論をお聞きしたい。訓練実施機関がコースの開講を中止できる場合については、別の資料の中に「応募者数がコース定員の半数を下回った場合」とありますが、理由は唯一それだけなのかどうかということです。
 それから、その資料の説明に、「選考前」とあったのですが、そのタイミングについても、選考前の1点だけに限るのでしょうか。
○青山職業能力開発局能力開発課企画官 中止できるのは、定員の半分に満たず、開講前に中止する場合です。それ以外は個別事情で、事故でもあって訓練できないとか、選考後にさらに受講者が減ったということもあり得るので、どうしてもやむを得ない場合は、個別個別に、例外的に認める場合がありますが、基本的に定員の半分未満の場合に中止を認めるのが原則です。
○遠藤委員 正に個別の事例でお伺いしたかったのですが、選考した結果、定員の半数に満たなかったということが中止の理由になるのかどうかをもう一度お尋ねします。
○青山職業能力開発局能力開発課企画官 訓練機関の思うところとして、半分に満たないと駄目だということがあるでしょうから、普通は、選考前に応募が半分を満たしていれば、なるべく半分に満たなくならないように選考をするのではないかと思うのですが、訓練機関自らが、定員の半分以上いたのに、選考した後に半分以下に落とすという事例は、余り聞いたことがないのですが。
○遠藤委員 今回の4つの視点の中に、「必要な訓練が、質、量ともに確保されているか」というお尋ねがありまして、中止率は注目すべきデータと思っていますので、お聞きしました。その関連でいうと、例えば応募段階であったとしても、コースが中止になってしまった場合、その応募者に対するケアは現行ではどうなっているのですか。
 次に、23、24ページは、地域別のデータですが、幾つか拾ってみると、富山、福井、静岡、岡山、山口は、いずれも中止率が40%を超えています。他の地域に比べて高くなっている実態が、データ上に出てきています。
 また、22ページの分野別で見てみますと、IT分野と、営業・販売・事務分野が、他の分野に比べると中止率が高くなっています。この中止率が高いことの背景、要因について、分析しているものがありましたら教えてください。
○青山職業能力開発局能力開発課企画官 応募していたのにコースが中止になった方についてのフォローは、その応募者についてはハローワークで、可能な範囲でほかのコースにつなげる、受講あっせんをするなど、訓練機会が失われないような努力をしております。
 また、委員がおっしゃったような、一部の地域、分野で中止コースが多い理由なのですが、我々が把握・認識している範囲で申しますと、地域によって多少違いはあるかもしれませんが、例えば県によっては、訓練機関が県内の特定の地域に集中してしまい、競合して共倒れになるとか、競合について求職者訓練同士もあるのですが、公共職業訓練の委託訓練も若干似たような分野で行っていますので、対象者は本来違うのですが、その公共職業訓練と時期、内容が重複してしまい、競合して倒れることもあります。
 別の視点として、労働市場の状況、雇用情勢などは若干改善してきていますが、特に雇用情勢がいい所などは、訓練を受講するよりも1日も早い就職を希望しますので、求人への応募を優先するため訓練を受講しないので、求職者が訓練に行かない場合も増えていることがあると聞いております。
 分野については、おっしゃったような分野は訓練機関が訓練しやすい分野ということもあり、今まで見てきた範囲では競合の度合いが高い分野なのかなと思われます。
○遠藤委員 基金訓練から恒久的な制度に移っていく中で、幾つかの課題があり、そのうちの1つが、訓練自体の地域的な偏在でした。これは正に皆様方の御尽力によって、その偏在状況はほぼ解消されたと言われている中で、改めてデータを見ると中止率が目立っています。
 先ほどお話がありましたように、応募者については特別なケアをしているということですので、訓練をしようと思って、今そういう状況にある方については、可能な限り早い段階での訓練機会の提供につなげていっていただければと思います。
○青山職業能力開発局能力開発課企画官 補足です。おっしゃるとおりだと思いますが、申し忘れたことがございます。1年8か月間の平均では中止率が2割を超えているのですが、その背景には、訓練コースというのは予算上の定員を踏まえて、それを使えるだけ認定しているのですが、それで余ってしまう部分があります。実は、実績と予算の乖離があったのは事実でして、本年度は昨年度よりも一層予算を削減しています。
 その結果もありまして、中止率も下がってきています。今年度に入ってからは、10%台に下がっていますので、多少は解消されているかなと思っております。
○古川委員 資料34ページに、利用者からの御意見がたくさん出ています。これを見ますと、面接の日も訓練というのは、結構厳しいと感じました。
 この点、労働側としては、5月23日のこの部会でも指摘したのですが、モラルハザード防止に留意しつつ、給付金を受けながら安心して訓練を受講できる制度運営に変えていただくようにお願いしたいと思います。
 それから、これも以前から申し上げているのですが、雇用保険に未加入で求職者支援制度の職業訓練受講給付金を月額10万円受けている方がいる一方、雇用保険に加入していた方が基本手当を受給する場合、その額が10万円に満たない方がいます。こういう状況は、制度上の課題なのではないかと思います。これも早急に解決策を検討していただきたいと思います。
○青山委員 この求職者支援制度は、おおむね目的を達するような成果を挙げつつあるのではないかと見られますが、その一方、先ほどから御意見が出ているとおり、課題もあるのではないかと思います。
 1つは、資料1の22ページ目、訓練の中止率の問題です。ご説明いただきましたが、地域によって様々な産業構造がありますから、一律的なコースとはいかないとは思いますが、もう少し地域のニーズを捉えたコースの設定が必要になってくると思いますし、ニーズの把握をどうやっていくかということも、努力が必要なのではないかと思います。要は、勉強する側と、就職の受け皿側のマッチングが、現在の訓練のやり方で本当にできているのかというところが、大きな課題になっているのではないかと思っています。
 2つ目ですが、就職率は7割を超え、8割に達しているコースもあります。この就職率もおおむね良い成果であるとは認識しております。ただし、先ほどの資料36ページを見ると、雇用期間が有期雇用の方も多く、雇用形態も、正社員であったり、パートであるなど非常に多様になっています。なるべくなら、期間の定めのない雇用に就くことが良いのでしょうが、なぜ、有期雇用が多いのか。何でアルバイトなのか、それは本人の希望なのか、それとも、どうしようもなくて、結果的にアルバイトをしているのかなど、詳細な分析やフォローが必要なのではないかと思っています。
 3つ目は、42ページの雇用保険の加入状況です。雇用保険に加入していただくことが重要だと思いますので、より加入率を高めていく必要があると思っています。
 併せて、求職者支援制度は、もっと効果を発揮していくことが求められますし、離職している方々に対するケアも、より必要になってくると思いますが、セーフティネット的な制度を雇用保険会計でやるべきものであるのかどうかも、検討すべきです。この法律の附則には、財源の見直しということが書かれているわけですから、この財源問題についても、はっきり国の負担でやるのだということをより明確にしていく必要があると思っています。
 社会保険料の負担は、特に中小企業にとっては、大企業と同じ率で負担を求められますので、年々高負担になってきています。私どもに寄せられる声を聞いていますと、どちらかというと、税金よりも社会保険料負担のほうが大きい、という声がだんだん多くなってきています。こういうことを勘案していただきますと、法の趣旨にのっとって、早く国の負担でやるべきだとお願いしたいと思います。
○小林委員 青山委員が言われた、求職者支援制度の財源について。
○岩村部会長 財源は後にしていただいて、課題として挙げていただいた1、2、3、4を先に議論していただきたいと思います。その後に財源について承ります。
○小林委員 先ほど古川委員の言われた34ページの受講生からの御不満、御意見について、言わせていただきます。
 前の緊急の人材育成の関係の基金事業と、求職者支援制度になったときに、受講生の出欠、早退、遅刻の問題など、いろいろ議論したことを記憶しています。この部会でもやりましたし、中央訓練協議会などでも、同じような話合いがされていたと記憶しています。
 できるだけ、「職から離れていた方々が訓練を経て、職に就いていただくということで、実際の企業で採用された勤務形態に合わせる形で訓練を行えるように」という意見があったように記憶しています。
 ここに「バスの遅延」という話がありますが、企業に勤めている方、いろいろ勤めている方々、そういうことを想定しながら、通勤はできるだけ早く事務所に行くというような対応を取られていると思います。交通機関の遅延がある、人身事故があって遅れる場合には、交通機関が遅延証明を出すのが普通でしょうし、遅刻については厳しく取り扱うことが必要だと思っています。
 先ほど事務局から、就職面接日の取扱いについて説明がありましたが、最終的に就職に結び付けることがこの事業の目的でもあるので、就職行為である面接については、何らかの配慮をする余地があると思います。午前中、午後の片方の時間に面接に行って、また訓練に戻るというのは、全日出たような取扱いをするとか、ある程度距離があって、どうしても面接に1日かかってしまうというのも、出席に取り扱うような基準を事務局で検討する必要があると思います。その上で御配慮いただく必要もあると思います。
○新谷委員 今の関連で、小林委員がおっしゃった交通機関の遅延に伴う扱いです。この中に出ていますが、大雪等でバスが動かないというのは、冬の日本海側はよくある話です。そうなると、電車などがない所は多いと思いますので、車でも行けないといったときに、確かに東京だと交通機関は発達しているし、そんなに大雪は降らないので、早く出ればいいではないかとなると思いますが、地域によって交通事情が異なると思います。
 大雪で行けなかった、遅れてしまったようなケースは、やむを得ない事由と認められないから、意見・要望として出てきていると思うのです。そういったときの扱いというのは、現状はどうなっているのでしょうか。
○佐々木企画課求職者支援室長 公共交通機関が大雪などで遅延した場合につきましては、遅延証明があれば、やむを得ない理由として扱うことにはなっています。
 よくあるのが、交通機関の遅延が数時間で済む場合もあるのですが、欠席のカウントとしては、例えば1時間とか2時間の遅延であったとしても、1日のカウントになってしまいまして、例えば5時間なりを出席しても、欠席の扱いになってしまいます。トータルとしては、日数の8割の出席が求められるということで、特に冬期間だと思いますが、何回か続いてしまうと、8割を満たさないのがどうかという御相談があります。
○新谷委員 正当な事由として認められているのだが、その場合であっても8割の要件に引っ掛かってしまって、給付が止められてしまうという理解なのですね。
○佐々木企画課求職者支援室長 そのとおりです。
○新谷委員 分かりました。
○野川委員 視点が4つありますが、1つずつ質問させていただきます。
 最初の視点の「制度が特定求職者に十分に認知され、訓練受講につながっているか」という点です。2ページから6ページにかけて受講者の属性が挙がっていますが、最も多いパーセンテージの属性を足していくと、受講者の典型例が出来上がるかというと、そうではないのだと思うのです。クロス集計のような形で、どのような人が受講者の典型的なイメージなのかが分かるような方法がないか。これが1つです。つまり、この資料で最も数の多い属性をそのまま足していくと、女性、20代後半、介護福祉を受講している人ということになりますが、このような人が果たして典型例かというと、必ずしもそうではないように思うのです。そういう意味で、これらは完全に独立に集計されていますが、これをクロスする形で、どういう人が典型的な受講者なのかが分かるように、何らかの対応をしていただけたらと思います。
 2点目は、「特定求職者の就職に必要な訓練の確保」です。コースの種類がITから始まって、5つあります。パーセンテージから見ると、「その他」もかなりの割合で、3番目ぐらいです。先ほどの御説明では、「その他」の具体的な内容についての御発言がなかったので、お分かりの範囲で、この具体的な内容についてお教えいただければと思います。
 3点目は、「訓練期間中の生活支援が、特定求職者の訓練受講や就職に役立っているか」についてです。訓練の完遂が就職につながるわけです。先ほどから出ている34ページに、相談や苦情の例が挙げられています。私が懸念するのは、訓練機関との関係において不都合が起こっていないかということなのです。つまり、訓練機関もいろいろなものがありまして、例えば運用において適切・妥当な対応をすることで、これらの苦情のある程度は克服可能であると思います。
 たとえば、出席が8割を満たさなかったために不支給になった人が75%とありますが、出席したかどうかについて、訓練機関が認定をするときに受講者と訓練機関との間に齟齬があることはないのか。対訓練機関との関係で、受講者が何かしらの問題を抱えていないかという視点が必要だと思うのです。それがないので、何らかの形でそれを調べていただけたらと思います。
 4点目は、36ページの表で、私はちょっと重要なのではないかと思います。これは常識的に考えるとおかしな図で、実践コースを見ると、雇用期間の定めのない人が7割近いです。ところが、雇用形態は正社員が28.5%、パートが27.6%です。正社員が28.5%なのに、期間の定めのない者が67.9%というと、例えばパートタイマーやアルバイトの中にも、期間の定めのない人がいることになりますが、果たしてどれぐらい実態を反映しているかなのです。
 これは本人に伺っている調査ですが、そうすると例えば就職先で、「毎年更新ですが、ずっと働いてもらいます」と言われた場合、期間の定めがないと答えていないか。67.9%の期間の定めのない者は、雇用形態の正社員、パート、アルバイトの比率に比べるとどう考えても高過ぎます。パートが全員期間の定めがない人だとしても、それより多いということはあり得ないと思います。この図の実態をきちんと調べていただきたいと思います。
 私は、期間の定めのない人はこれよりもかなり少なくなるのではないかと思いますので、より実際の状況に合った実態把握をして、政策に反映させていくためにも、お願いしたいと思います。以上です。中には御質問もありましたのでお答えいただきたいと思います。
○岩村部会長 お答えいただけるもので結構ですので、お願いいたします。
○佐々木企画課求職者支援室長 例えば1つ目の典型例ということですが、できるかどうか検討してみたいと思います。いろいろなコースを見に行ったりすると、例えば医療事務のコースは20代ぐらいの女性が多くて、介護コースは若い方もいらっしゃいますが、比較的中高年の方もいると感じます。データからそういうものが描けるかは、検討してみたいと思っています。
 無期雇用と雇用形態の関係は、36ページは御指摘のように、本人の自己申告に基づいて調査をしています。それだけでは調べきれないものがあって、補足的にサンプル調査などもしているのですが、それと合わせて分析できるかどうかも含めて、調べさせていただければと思っています。
○青山職業能力開発局能力開発課企画官 訓練の話です。分野については主なものだけを載せているのですが、「その他」ということでは、手元にあるものが認定されているベースの数の内訳で、それで申し上げますと、既存のものも入れると、介護、営業・販売・事務、IT、医療事務、その他として、デザイン系、ここにはウェブデザインも入っています。あとは、建設関係で、建設機械の特別コースもやっていますので、それはまた割合が多いです。あとは、機械関連、電気関連、理容・美容は結構あります。調理、旅行・観光といった分野も、数パーセントという単位ですが、やっております。
 3番目の、訓練機関との関係において出席などで問題が生じないかという話ですが、こちらについても、そういう視点で苦情トラブルを分析したことがないので、見てみたいと思います。
 想像なのですが、受講者の出席率が悪いと、訓練機関もその分の奨励金をもらえないという仕組みになっていまして、具体的には、訓練機関がもらえる奨励金は出席率8割の人の分しかもらえないので、出席管理についての両者の利害は多分一致していますから、出席をめぐって訓練機関と本人の間に差があるのかというのは、よく分からないです。
 逆に言うと、本人と学校が共謀して、出席をごまかすことがあるぐらいなので、運用を見ている立場からはピンとこない事例かなと思ってお聞きしておりました。
○野川委員 「その他」については、今後同じような資料を出すときには、注として書いていただくと、非常に分かりやすいと思いました。
 訓練機関というのは、必ずしもそうではないという気もしています。いろいろなところが訓練機関としてやっていて、割と見づらいのです。むしろ訓練機関に対するいろいろな分析、調査が重要になってくるのではないかと思いますので、念頭に置いておいていただければと思います。
○遠藤委員 3つ目の「訓練期間中の生活支援が、特定求職者の訓練受講や就職に役立っているか」の視点についてお尋ねします。
 資料1の29ページの「給付金の支給状況」について、不支給決定件数の内訳が出ています。74.1%ということですが、出席要件に関わって不支給が決定されています。これに関連してお尋ねします。
 まず、不支給の決定が下った受講者の行動について、継続して受講を続けているのか、あるいは自らやめてしまっているのか。分析があるのであれば教えてください。
 次に、当該月が不支給になるのと、仮にその人が融資を受けていたような場合は、融資も受けられなくなるのかどうか。
 それから、先ほど出席率が8割を下回った場合には退校処分ができるという説明だったのですが、それは、ただの一度でも下回れば、訓練実施機関が行使することができるという枠組みになっているのかどうか。
○佐々木企画課求職者支援室長 1点目の不支給決定された人のその後の分析については、データ上、そういう分析は持ち合わせていませんが、現場での話を聞きますと、10万円という給付金がもらえなくなってしまって、訓練を続けられず、何でもいいから仕事をして収入を得なければという方も、中にはいらっしゃるという話は聞いたことがあります。全体の分析としては、持ち合わせておりません。
 融資に関して、給付金自体は、その月は欠席で支給できなくなっても、次の月に全て出席していただければ、次の月の分の給付金は支給される形になっていますが、融資に関しては最初の支給決定が必要になりまして、そこで訓練月分が融資される形になっています。支給決定が前提にはなりますが、最初に訓練月分の収入に応じた金額が融資され、その後不支給になっても、直ちに返還ということにはならないです。万が一、不正という事態が生じれば、そのときは返還していただく形になっております。
○青山職業能力開発局能力開発課企画官 最後の訓練機関による退校処分の話です。現行の運用は、訓練期間を通して出席率が8割を下回る受講者が出た場合には、退校処分にするように指導しています。訓練効果から見てもそうだということで、実効上、そのように運用しています。
○遠藤委員 訓練機会を有効に使おうということであれば、受講者をどうやって受講修了後の再就職につなげていくのかという流れを見ていく必要があり、なぜこれだけ縛りをきつくしたのか、努めて出席してくださいという考えの下、こういう厳しい要件を課したということです。
 その中で、不支給というのは当該月だけであって、次の月からは復活できるという枠組みをなぜ作ったのか。何らかの事情で当該月が不支給になっても、次の月から頑張ればリカバリーできるという仕組みを作った趣旨を踏まえると、最後の3つ目のお答えがそういう形になっているというのは、どうなのか。今後その辺は検討したいと思っています。
○青山職業能力開発局能力開発課企画官 説明が不正確だったかもしれません。退校処分をさせているというのは、訓練期間を通して、全体を積み上げて8割に満たない場合なのです。給付金は毎月ごとに出席率を見ます。1か月単位で、出席率が8割を下回ったからといって、退校処分にしろという指導まではしておりません。その月だけ、たまたま少ない人はその月はもらえないけれども、全体として8割を超えていれば訓練は続けられますので、全部の場合が、訓練受講すらアウトということではないかと思います。ややこしくてすみません。
○岩村部会長 まだいろいろ御意見はあろうかと思いますが、先ほど財政の話を最後にということで申し上げたので、小林委員からどうぞ。
○小林委員 87回ぐらいですか、雇用保険部会で申し上げたことなのですが、そもそも求職者支援制度は雇用保険の負担を加えるのではなくて、国が全額負担をすべきであるということは、また改めて付け加えておきたいと思います。
 もう1つ、48ページの予算と決算です。雇用保険料と国の負担の割合が2分の1、更に55%を掛けたものが国の負担になっています。
 過去の部分のものについても、緊急人材育成事業基金の残金で、それを活用することが、過去3大臣の合意でなされているところです。それと加えるのであれば、労働政策審議会の建議の中にも、「基金の残額は全て求職者支援制度の財源を活用する」ということが盛り込まれています。いずれにしても、基金の残金の取扱いについて、重大な関心を持っていることだけは付け加えておきます。
○新谷委員 財源問題について、使用者代表委員から御発言がありましたので、全く同じ思いで労働側委員の発言を申し上げます。
 制度創設の際、大分この問題について論議をさせていただきましたし、既に何回も申し上げているところですが、今日頂いた資料の中でも、もともと受講者のうち、雇用保険に入っていなかった、今まで1度も雇用保険を納入されていなかった方が、3分の1近くおられるということです。
 それと訓練を修了されても、基礎コースで40%、実践コースで約半分の方が、雇用保険に未加入という状態になっています。49ページには制度創設による雇用保険財政への影響額試算がありますが、どのような前提で計算されているのか、計算の前提が出ていないので、これを信じろということなのかもしれませんが、求職者支援制度の3年後の見直しの中に財源問題について見直しをするということになっていますので、是非ここは全額国庫負担でやるべきだと思っております。
 もともとこういう失業扶助は、ヨーロッパでは全額国庫負担で行われています。我が国だけが雇用保険で70数%、4分の3を雇用保険で負担しているという現状にあるわけですし、また、従来労働側から申し上げているように、10万円の給付金と、雇用保険を納入しているにもかかわらず、保険原理で失業給付が10万円に満たない方が、約1割おられるという現状もあるわけですので、こういった問題も含めて、早く全額国庫負担を頂きたいというのは、使用者側もおっしゃっていましたが、労働側も同じく意見表明しておきます。
 もう1点です。先ほど野川委員からの御指摘がありました36ページの円グラフですが、これは重要な御指摘だと思っています。期間の定めなしというのが、一番下に「状況報告のときに申告したものだ」と書いてあるのですが、今回いただいているアンケートの結果は、51ページのJILPTの調査と、これとは別に52ページのサンプル調査があって、さらに制度をルーチンで運用している就職状況の報告という、3つのルートがあります。
 36ページ左側の期間の定めの有無や、右側の雇用形態の内訳というのは、一体どのルートのアンケートに基づくものなのか。仮に、これが制度運営上のルーチンで行っているもので、毎回報告いただいている就職率と、そのうちの常用型の無期の就職率との関係であれば、かなりデータの信頼性が揺らいでくる可能性があると思っています。
 野川委員から御指摘があったように、右側の雇用形態と左側の期間の定めなしとの不一致がかなり出ていると思いますので、ここは非常に重要なポイントだと思うので、精緻な分析をしていただきたいと思います。
○岩村部会長 今のご質問のうち、調査はどれかというのは分かりますか。
○青山職業能力開発局能力開発課企画官 データの出所は、業務統計というのでしょうか、いつも皆様にお出ししている就職率と同じ、就職状況報告書ということですので、受講者本人が訓練機関に提出した報告書を訓練機関が集めて、高齢・障害・求職者雇用支援機構に出したものを基にしています。普段から、就職者のデータは、そういうものを集計してお出ししているものです。
○新谷委員 業務報告に基づくということでしたら、いつもは36ページの左の数字を頂いていまして、就職率とともに、常用就職率、期間の定めなしの比率は60%であると報告を頂いていたのですが、右側の内訳のデータは初めて見るデータなのですが、確かに、パート、アルバイトが過半を占めていて、これは本人の申告とは言いながら、本当に期間の定めなしという、常用就職率がこんなに高いのかというところの分析は1度しておかないと、左側の数字だけでは信憑性も薄いのではないかという懸念がありますので、1度精密な調査をやっていただきたいとお願いします。
○岩村部会長 受講者御本人に対して、どういう問いをしているかとも密接に関係するのだと思います。今日、その点について御質問、御意見がありましたので、事務局で精査をしていただければと思います。
○野川委員 特に、期間の定めがあるかないかというのは、自己認識と実態が離れることが多いのです。正社員かパートかアルバイトかについては、そう言われてなっているのですから実態と自己認識はほぼ一致します。左のほうの聞き方です。しかし期間の定めについてはそうではないので、ぜひよろしくお願いします。
○岩村部会長 ありがとうございました。それでは、時間の都合もありますので、申し訳ありませんが、求職者支援制度については、この辺りとさせていただきたいと思います。次にマルチジョブホルダーその他についての資料2、3、4を御用意いただいております。まず、事務局から説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
○土肥雇用保険課調査官 資料2、3、4について御説明いたします。まず、資料2はマルチジョブホルダーについてです。複数の職を持っている方の問題です。1ページ目が現行の雇用保険の適用の関係です。雇用保険の適用については適用事業に雇用される労働者は被保険者と原則しておりますが、所定労働時間が20時間未満、31日以上の雇用が見込まれない者については、適用除外としていると。逆に言えば、20時間以上所定労働時間があって、31日以上雇用見込みがないと、被保険者にならないというような仕組みになっています。2番目は2以上の雇用関係にある労働者の話です。この場合には、主たる賃金を受ける1の雇用関係についてのみ被保険者という整理がされているところです。
 次にマルチジョブホルダーの現状についてで、これまでも過去の雇用保険部会に出してもいますが、総務省が行っております「就業構造基本調査」におきまして、マルチジョブホルダーの質問がされております。最新のものができましたので、御報告します。3ページ目の一番上の表は、本業も副業も雇用者である労働者の数の推移です。直近の2012年のデータが先々週出てきたものです。約100万人ということで、2007年からはそれほど増えてはいない状況になっております。その下の表は本業の地位・雇用形態によって分けているものです。会社などの役員の方もままいらっしゃるのですが、これは今回のターゲットとは若干違いますが、正規の職員・従業員、パート、アルバイト、それぞれ20万人前後ということで、特定のものに偏っているというわけではない状態となっております。
 4ページは本業の所得階層別で見た副業している者の数ということです。3ページの資料は本業も副業も雇用者ですが、4ページの資料は副業については雇用者だけでなくて、自営業主、家族従業者も含むということです。190万人ということは、90万人程度総数が増えています。データとしてはやはり所得の少ない方、、299万円以下の階層が全体の7割を占める状況になっています。
 5ページは全体の中の割合を見ています。各所得階層別の総数に対する副業を持っている方の割合です。やはり、所得の少ない方、199万円以下の階層の方が副業を持っている割合が高い。あと、今回の件では余り関係ないのですが、1,000万円以上の高所得の方についても、副業というか、会社の役員を複数されているなど、そういうケースだろうとは思いますが、されている方が多いというデータになっております。データ編は以上です。
 続きまして、6ページは社会保障・税番号制度についてです。マルチジョブホルダーにも少し関係いたしますので、御紹介いたします。これまでも社会保障・税番号制度は議論されてきたところですが、先の通常国会で成立いたしました。これについては、皆さんおおむね御存じだと思うのですが、住民票コードをベースとして個人番号を付番すると。その付番したものは個人番号カードとして個人に配布する。また、その個人番号に基づいて情報のネットワーク間でのやり取りをするというような内容の法律です。
 8ページの雇用保険との関係ですが、個人番号はいろいろな分野で使用されております。雇用保険についても労働分野の中での1つです。失業等給付の支給、雇用安定事業、能力開発事業の実施に関する事務に関しても、個人情報を利用する。個人番号を利用して、情報を得たり、渡したりできるということが決まっているところです。具体的内容については、後ほど御説明いたします。
 9ページは社会保障・税番号制度のロードマップ(案)です。政省令の整備は真ん中の辺りに出ておりますが、これらのことを行いまして、2016年から番号の付与を始めていきます。情報提供ネットワークシステム、ネットワーク間の情報のやり取りについては2017年からということであります。
 10ページが雇用保険で具体的に何か変わるかということです。現段階での話ですが、2つほどあります。1つは介護休業給付を取るときは、続柄の確認をしなければなりません。住民票を出していただいていたのですが、今回ネットワークを通じて、住民票関係のデータを取れるということで、添付書類をなくすというのが1点です。2点目は傷病手当の併給調整で、健康保険、労災保険等に基づく傷病手当が出ております。健康保険等が出た場合には、雇用保険が引っ込む形になっております。現在は本人の申告によりやっていますが、これはデータを持ってくることにより、支給しないという取扱いが機械的にできるようになります。現時点ではここまでやりますが、番号法の附則6条1項に書いてありますが、さらなる情報連携の拡大については制度導入後の検討課題です。個人情報保護に留意しての上ですが、どういう形で有効に使っていけるかについて、今後考えることになっております。
 11ページはマルチジョブホルダーに関する過去の主な意見です。64回、79回は委員の御意見、その下が平成20年1月6日の雇用保険部会報告書の抜粋です。マルチジョブホルダーについては一番保護されるべき方でないかという御意見がある一方で、法律的な課題や実務的な課題があるのではないかというような御意見もあります。平成24年1月6日の報告書のとおり、今後は、中長期的な観点から議論していくべきというような御報告を頂いています。
 12ページがマルチジョブホルダーについての論点です。雇用保険制度においてどういう課題があるかということで、現行は労働時間をベースとして適用するかしないかを決めています。その労働時間をどのように把握するかの論点が1つあります。仮にマルチジョブホルダーに適用する場合、失業給付のあり方、何をもって「失業」とするか。3つ職を持っている方が1つ失業した場合に、それを失業と呼ぶのかどうか。部分失業を認めるかどうかが論点になるかと思います。あとは先ほど御紹介しました社会保障・税番号制度を活用して、うまく把握するような仕組みが構築できるかといったところも、論点になっているかと思っております。マルチジョブホルダーについての説明は以上です。
 続きまして、資料3ソルベンシー・マージン比率についてです。ソルベンシー・マージン比率は後で中身が出てきます。要するに積立金の関係で、ちょっと試算をしてみましたという話ですので、まず積立金の話を先に申し上げます。積立金というのは、当たり前ですが、収入から支出を引いて、残余がある場合積み立てて、積立金としますというのが法律上規定されています。目的は雇用保険の保険事項である失業等は、かなり経済の変動などによって、増減を繰り返すものです。通常の保険だと、短年度でバランスを取るようにやりますが、それはなかなか難しい。バランサーとしての意味を積立金は持っているということをコンメンタールには書いています。
 2ページ目は積立金の状況です。収入と支出が実線と点線で書いてあります。棒グラで積立金の残高が出ています。収入が多い時期もあれば、支出が多い時期もあって、景気の変動によって、かなり支出と収入のバランスが変わっているのが見て取れるかと思います。最近では積立金は平成14年の4,000億が一番少なくて、現在の5.9兆円が最も多い水準という形になっております。収入と支出がかなり上がったり下がったりしていますが、その要因を3、4ページに書いています。収入については保険料率、被保険者数、賃金といったものに左右されますが、おおむね保険料率の変動に沿っているということです。下のほうが保険料率でして、上のほうが保険料収入です。バブル前は賃金が上がって収入が上がっていますが、保険料はほぼ一定です。それ以降は基本的に保険料率と同じ動きをしているという状況です。
 4ページは雇用保険の支出の状況です。支出は何に連動するかという話ですが、支出については受給者実人員をグラフで点線で書いてあります。これにほぼ連動したような形になっております。収入、支出の動き、積立金の残高の状況というのは、今申し上げたとおりです。
 5ページからがソルベンシー・マージン比率です。聞き慣れない言葉ですが、ソルベンシー・マージン比率というのは、もともと民間保険会社を規制する保険業法に規定されている比率です。民間保険会社が大規模災害などで保険金がドーンと出ると、そういうときにそれに見合う支払い余力、端的に言えばお金を持っているかどうかを示す経営財務の健全性の指標です。式についてはここにありますように、分母が「通常の予測を超える危険に対応する額」で、いわゆるリスクに2分の1を掛けたもの、分子が支払い余力という式になっております。これは保険業法に書いてあります経営の健全性の指標ですので、これが200%を切り100%から200%の場合は、改善計画の提出など、0から100%は措置命令、0%未満になると業務の全部又は一部の停止ということになります。200%を切ると、金融庁による指導、命令のトリガーになるということです。
 6ページですが、雇用保険も保険ですので、我々の雇用保険でソルベンシー・マージンを計算してみようということで、試みとしてやっているものです。式の分子、支払い余力については雇用保険の積立金です。分子はいわゆるリスクですが、保険業法上のリスクは下に書いてあります。保険リスク、第三分野保険の保険リスク、予定利率リスク、最低保証リスク、資算運用リスク、経営管理リスクと並んでいますが、第三分野は当然関係ありませんが、予定利率、最低保証、資産運用なども雇用保険で直接は関係はないということです。基本的には保険リスクと経営管理リスクだけ見ればいいと考えています。
 7ページは、今申し上げたとおり、リスクについては保険リスクと経営管理リスクだけ見ていればいいだろうと考えております。保険リスクの中身については一般保険リスクと巨大災害リスク、それぞれ2つに分けて、それぞれ足せと保険業法上なっております。これらについて、以後で求めていくことになります。
 8ページは一般保険リスクの計算です。巨大災害が起きたというケースではなくて、保険料、保険金については当然年によって変動します。その変動が上がったり、下がったりするのですが、変動の95%の事象をカバーできるところを損害率と置きます。要は20年に1回、支出がドーンと増えたときに、どれくらい出るかを出すものですが、最大95%の事象をカバーする最大損害率と平均損害率の差をリスク係数と呼んでおります。このリスク係数を収入額若しくは3年間の平均支出額に掛けて、どちらか大きなものが一般保険リスクと呼ばれております。雇用保険にこれを当てはめますと、保険料収入と給付と両方出していますが、保険料収入掛ける1.65掛けるσということで、σは雇用保険の給付費と収入の比率を20年間並べて、そのばらつきを見ておりますが、これを掛けると大体11,269億円というのが一般保険リスクとなるということです。
 9ページ目からが巨大災害リスクの計算です。民間保険会社における巨大災害リスクは、関東大震災に相当する規模の地震、又は伊勢湾台風に相当する規模の台風が起きたときの保険金の、いずれか大きい額とされております。雇用保険の場合、明らかに関東大震災のほうが大きいであろうということで、関東大震災相当の地震を想定して、以下計算しています。1番目が首都圏(1都8県)の基本手当の初回受給者の増加による給付増で、関東大震災でどれくらい受給者が増えたかというと、雇用保険制度自体がないので、何とも言えません。関東大震災のときのデータを持ってくるわけにもいきませんので、東日本大震災において、被災3県の沿岸安定所でどれくらい増えたかというデータをもとに、それが東京で起きたらどれくらいになるかを設定して計算しています。具体的には3県の沿岸安定所の初回受給者の増加率を、首都圏の初回受給者数の増加率として、初回受給者数の増加分を計算しております。これが87万人です。、個別延長給付、特例延長給付があるという仮定でやっておりますが、平均的な受給日数、受給日額を乗じて、給付額のトータルを出しております。これが9,949億という形になっております。
 2番目が10ページ38道府県の基本手当の初回受給付者数の増加による給付増です。当然、首都圏で地震が起きますと、サプライチェーンに大きな影響がありますので、ここでは各道府県で過去最高の基本手当受給率になるという仮定のもとに、最高のときと、通常の平常時の差分を初回受給者数の増加分としております。それが84万人で、これに基本手当の平均受給日額・日数を掛けて、8,126億円という形になっております。
 3番目が全国延長給付の発動による給付増です。47都道府県で、かなり受給者が増えるという想定をしておりますので、この場合、これまで一度も発動したことがないのですが、全国延長給付の発動要件、基本手当受給率4%超ということを満たすことになります。300万人が全国延長給付の受給対象となりますので、これで11,851億円です。4番目はそれほど大きなものではないのですが、受給者が増えるということで、一定程度再就職手当を貰う方が、増えると見込みまして、1,600億円くらい給付が増えることとしております。
 これらを足しますと、31,529億円ということになります。11ページが経営管理リスクの計算です。保険リスクなど他のリスク以外のリスクで、機械的にリスクの総量に2%掛けるべしと大蔵省の告示で決まっておりますので、一般保険リスクと巨大災害リスクを足したものに、2%を掛けて856億円ということになります。
 以上の数値を式に当てはめますと、平成23年度の積立金残高をベースといたしまして、一般保険リスク、巨大災害リスク、経営管理リスクを足したものに2分の1を掛けて、積立金をこれで割るという形にしますと、270.7%になります。この数字がどうなのかということは一概に申し上げるのは難しいのですが、12ページで他の会社のソルベンシー・マージン比率を載せております。損保協会の会員の26社、最大と最小がかなり差があって、平均にすると、最大に引きずられしまうので、中央値として出しております。中央値として564.1%という形になっております。その他、国の特別会計で、保険系の特別会計については、ソルベンシー・マージン比率を公表しているところもあります。少ないところですと、農業共済再保険特別会計の農業勘定の40%から、森林保険特別会計の467%まで幅があるような形になっております。
 以上、試みとして、ソルベンシー・マージン比率を出してみましたが、留意すべき点が2点ほどあるのかと思っております。1点目はソルベンシー・マージン比率というのは、基本的に一回ドーンと何かが起きたときに、それに対応できるだけの支払い力を持っているか。損害保険会社で言えば、地震が起きたときに、建物が崩れて、それに支払いができるかというような観点で組んでいるかと思うのですが、雇用保険の場合、若干民間保険とは性質が異なるのは一度景気の悪化が起こって失業が増えた場合、一定期間その期間が増えるということで、リスクの見込み方が同じでいいのかどうかというのは、若干留意すべき点なのかと思います。
 2点目が民間保険の場合、保険料、保険金については約定されていて、入りと出が決まった状態で契約しております。それは基本的にフィックスなのですが、民間保険と異なりまして、雇用保険については法律改正を行うという前提はありますが、収入や支出について、労使の皆様方の御意見を聞きながらですが、調整を行うことは可能であると。ということから考えると、どれくらい積立金を持っておくべきかというのは、若干民間会社とは考え方が違うのかと思っています。ソルベンシー・マージン比率は以上です。
 あと、資料4は今年度に入りまして、過去3回の委員の皆様から頂きました意見を、項目ごとに整理しています。本日に頂いた意見、本日以降に頂いた意見についても、適宜この中に追加していきたいと思っております。私からは以上です。
○岩村部会長 それでは、今御説明いただきました資料2から4について、何か御質問あるいは御意見等ありましたら、お願いしたいと思います。
○古川委員 マルチジョブホルダーについてです。4ページにありますように、副業している方の内訳を見ると、本業の年間所得が299万円以下の層が全体の7割を占めております。これを見ると所得が少ない方が副業している実態が伺えると思います。テレビの話で大変恐縮ですが、最近ちょっと見たテレビドラマで、母子家庭でマルチジョブホルダーの女性が主人公になっているドラマをやっていたりします。ですから、こうした方々の労働法上の保護や、社会的なセーフティネットをしっかり確保していくことが必要だと思います。
 それから、先般成立したマイナンバー法ですが、これはマルチジョブホルダーの情報の管理の一元化に向けたインフラ整備を一歩進めるものではないかと認識しています。ただ、マルチジョブホルダーは失業認定や保険料徴収の方法など、いろいろ課題が多いことも事実であります。マイナンバー法の2016年のシステム運用を見据えて、これからも引き続き検討していくことが必要ではないかと思います。
○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。
○山本委員 質問しにくいのですが、資料3でソルベンシー・マージン比率の計算結果を出された点に関して、回答は厳しいのかもしれませんが質問いたします。ソルベンシー・マージン比率は民間保険会社だと注目される数字だとは思うのですが、雇用保険に関し今回出てきた数値は270.7%です。雇用保険ということなので、留意すべき点等、民間保険会社とは若干性格が違うと認識しており、この数値を出していただいても、評価するのはなかなか厳しいと思います。これをどう活用をしていくのかというか、まずこの数値が出てきたものについてどう評価していくのか。素朴な疑問としてお伺いしたいのです。
○吉永雇用保険課長 ソルベンシー・マージンについては今ほどの説明にもありましたとおり、参考までにという形で作らせていただきました。国会の質問や各種会議の中でも雇用保険の健全性はどうなっているのだという指摘が複数ありました。それについて具体的にどういう形にするのかという基本的フレームワークを学者の先生に作っていただいて、それを当てはめて、このくらいの水準ではないかという形で、今回お示して、初めて公表したという性格のものです。山本委員の御指摘のとおりこの水準はどうなのかというのは、なかなか説明も難しい部分があります。少なくとも、保険法上の金融庁の告知の世界で言いますと、200%を下回っては非常に健全ではないという形で指導対象となるということが、ソルベンシー・マージン比率の大きな効果の1つだろうと思っています。そういう意味では、270%というものはその水準を超えているということからすると、保険体制的に言えば、健全ではないかということで1つ考えております。ただ、一方で、雇用保険の積立金の水準についてはさまざまな議論があるところです。そういうものについて、ソルベンシー・マージンが使えるかというと、なかなかそういう蓄積もありません。将来的にはそういうものに活用するということも念頭に置きつつ、当面は現在の雇用保険の積立金の状況についての参考数値という取扱いではないかと考えております。
○山本委員 そうすると、ここに過去の積立金の残高が2ページに出ていますが、今が一番上がって270%ということですから、過去で言うと、昭和50年から60年くらいまでは大分低いことが想定されます。また、平成12年、13年14年、15年くらいも大分低くなっていると思うのですが、200%というと、大体積立金とすると4兆円くらいなのではないかと思います。正確には逆算すれば、出てくるとは思いますが、積立金の水準がそれを下回りたくないなどということでは、決してないということですか。
○吉永雇用保険課長 民間の災害保険の基準でいうと、それを下回ると黄色い信号がつき始めるという水準になるわけです。雇用保険は御指摘のとおり、過去は危機的な状況と言われたところで4000億円くらいまで落ちてますが、現実にどの水準が適正かというのは、財政調整の弾力条項の規定もありますので、見方は少し違ったところはあるだろうとは思っています。
○新谷委員 今、山本委員に御指摘いただいて、課長からも答弁いただいたとおりですが、これは民間保険と違って、民間保険の場合、約定保険料がガチッと決まっています。給付も約定で決まっており、途中で変更もできないから、財政の健全性を常に見ていかなければいけないという制約があると思うのです。一方で、雇用保険については、山本委員も御指摘しましたように、保険料は弾力条項で毎年確認をしていくし、給付についてもあり方そのものの見直しをするわけです。あくまで今日出していただきましたが、本当に参考の参考にしかならないというのが我々の受止めと思っております。
○遠藤委員 保険財政に関連してですが、またまだ厳しい経営環境が続いております。そういった中で、資料の中にもありますように、積立金残高の状況を踏まえますと、これからの議論の1つとして、保険料率の引き下げについてもテーマに加えていただきたく思っています。この件については、使用者側委員一致した意見ということで、お受け取りいただければ幸いです。以上です。
○新谷委員 今遠藤委員から、積立金残高を踏まえた保険料のあり方の見直しの必要性について御発言がありましたので、我々としてはこの残高については、給付の引き上げに使うべきであると改めて申し上げておきたいと思います。以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、以上をもちまして、本日の部会は終了させていただきたいと思います。最後に本日の署名委員ですが、雇用主代表については遠藤委員、それから労働者代表については新谷委員にそれぞれお願いをしたいと思います。次回の日程ですが、これについては事務局から改めて各委員に御連絡をするということになっております。どうぞよろしくお願いをいたします。それでは、皆様、お忙しい中、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業安定分科会雇用保険部会) > 第90回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録(2013年7月30日)

ページの先頭へ戻る