第8回厚生労働省公共調達中央監視委員会

(第二分科会)審議概要

 

【問合せ先】

厚生労働省大臣官房会計課監査指導室

電話03−5253−1111(内7965)

 

催日及び場所

平成21年9月25日(金) 厚生労働省専用第21会議室

委員(敬称略)

第二分科会長  浅岡 輝彦  あさひ法律事務所 弁護士

委 員     枝松 広朗  あおば公認会計士共同事務所

委 員     松永 賢次  学校法人専修大学ネットワーク情報学部准教授

審議対象期間

原則として平成21年4月1日〜平成21年6月30日の間における調達案件

抽出案件

 9件

(備考)

「報告案件」とは、各部局に設置された公共調達審査会において、不適切等と判断した案件について、報告を受けたものである。

報告案件

 0件

審議案件

11件

意見の具申または勧告

なし

委員からの意見・質問に対する回答等

意見・質問

回   答

下記のとおり

下記のとおり

 

 

意見・質問

回   答

 冒頭、事務局から、28都道府県労働局における公共調達監視委員会の活動状況の報告を行った。

【前回の宿題1】

審議案件名:国立総合児童センター定期来館児システム登録児童等安全対策機能追加

資格種別 :役務の提供等(Aランク)

選定理由 :1者応札(一般競争入札)

発注部局名:雇用均等・児童家庭局育成環境課

契約相手方:富士通株式会社

契約金額 :98,490,400円

契約締結日:平成21年2月3日

仕様書の内容を見ると、何故中央監視連携システムや監視カメラ連携システムといった機能が入っているのかと不思議に感じます。

仕様書の中身について書き足りないところについては、事前に既存のシステムを現地で見てもらって、その上で内容等についても詳しく説明しております。

国立総合児童センターのみが、このような大規模なシステムを配備して、他の機関は別に何もやっていないのではないでしょうか。

 国立総合児童センターは13階建の建物で、かなり大きい施設でありますし、お子さんをお預かりしておりますので、安全対策にはなるべく力を入れていきたいと思っております。立地的にも青山にあり、かなり都心部なので、全国の児童館のお手本というか、先進的な技術をなるべく入れていこうというのはあります。

システム導入の目的について、「保護者向けの情報提供」、「防災・防犯の連携体制の構築」という主に2つがありますが、ごちゃ混ぜになってしまっている気がします。

防災・防犯の連携体制構築にはある程度お金がかかるのが分からなくもありませんが、本当に「保護者向けの情報提供」にまでお金がかかる必要があったのかという部分があるので、うまく仕分ければもう少し全体のコストは下げられたのではないかという感想は持ちます。

調達して適切かどうかという話が主だとは思うので、そのことに関しては大体納得しましたが、これは仕様書づくりみたいなところで本当に要るのか要らないのかということが、大きな問題の裏側にある気がします。

この案件は終了とします。

 

【前回の宿題2】

審議案件名:平成20年度要介護認定ソフト開発・導入事業

資格種別 :−

選定理由 :変更契約

発注部局名:老健局

契約相手方:東芝ソリューション株式会社

契約金額 :666,053,850円(変更契約後の金額)

契約締結日:平成21年2月18日

審査項目ですが、2者の結果を見ていると、総得点で差がついているのですが、この審査項目で本当に差がつくのかどうか、非常に疑問に思います。

差がついている審査項目は、その他提案内容に特出すべきものという項目で差がついていまして、その部分において操作の内容ですとか、使いやすさというのが加味されているものだと考えております。

その他提案内容で特出すべきものという項目は、分からないですね。その他提案内容に特出すべきものという項目は、どちらかというと主観的な部分なので、客観的に評価するものについてはどの審査委員でも共通に見る部分として、具体的に項目として上がらないとフェアではないと思います。操作しやすいとか、そういうのが本当は明確な項目として出てきてもいいのではないかと思います。

操作内容という項目を立てるべきだったと思います。

提案価格は評価の対象にはならないのですか。

その他特出すべきものの中で評価します。

数値で明らかになるようなものというのは、その他特出すべきものなどというところで評価すべきものではないと思います。この場合は、予定価格は作成しないのですか。

企画競争ですので、企画書募集要領の中で予算額を表示し、その予算額以内ということで明記しております。

企画競争で、何を競争しているのかが非常に分かりにくい感じがします。ある程度決まっているのは、むしろ競争入札でもいいのではないかとさえも思うのですが、少なくともチェック項目を見る限り企画内容の企画の善し悪しを、具体的にチェックできるものでもなさそうだし、何故企画競争だったのかもよく分からないという感じです。

企画競争をした理由というのは、介護保険制度で要介護認定の事務というのは決まっており、判定までの手順も決まっており、そのソフトで行われるものということも決まっており、判定までの流れの中でいかにするかということです。

 必須項目については、それぞれの項目毎に点数化して高い方が良いというものではなく、ミニマムは守られているときは、それほど差がつくものではなく、満たさないならバツという方が分かる気がします。

採点表を見ると主観的なものが入っていて、これでは合理性が担保できないのではないかという感じがします。少なくとも相手方業者が見たときに、その他提案内容で特出すべきもので差がつき、自分のところは何がだめだったのかもさっぱりわからない。それはオープンな競争という観点から見たら、おかしいのではないかという印象を抱きます。

 

【審議案件1】

審議案件名:職業安定行政関係システム(仮称)窓口受付機能群サーバ及び端末設備等一式

資格種別 :役務の提供等(Aランク)

選定理由 :1者応札(総合評価落札方式)、高落札率

発注部局名:職業安定局雇用保険課

契約相手方:富士通株式会社、株式会社シー・エス・エス

契約金額 :29,925,000,000円

契約締結日:平成21年4月24日

システム全体の規模が300億円の案件で、高落札率となった理由と、応札者が1者しかいなかったというところはどういうことなのですか。

 1者入札になったことについては、意見招請は4者からあり、仕様書の要件については意見招請や外部の有識者からの意見を踏まえ、緩和を行ったところですが、端末、サーバの設置を6ヶ月で1,016箇所に行うこともあり、説明会等には随分と来るのですが、1者だけの応募となりました。

そして、高落札率となってしまったことについては、その会場には1者しかおりませんので、不落札になると後は徐々に下げていくことをとられてしまうと、致し方ないのかなと思っております。

予定価格をつくられたときのパソコンの一式ですが、バックデータというのはありますか。

こちらのパソコン等の予算等で、資料提供招請をやっておりまして、幾らぐらいかというのをとっております。

提案書というのは入札公告を見ると2月20日までに出してもらって、その提案書を出したのはこの時点で1者ですね。

 はい。

入札説明書の交付期間と提案書の提出が約1か月強になるわけですが、これは期間としては通常なのですか。

大体は前例を踏襲しておりますが、このときは評価委員会を開き、仕様書を委員に見てもらっておりまして、このときは一応いわゆる何日ルールというのは確認をとっておりますので、そちらの方に従った形でやっております。

期間が短いがために1者しかなかったということではないですね。

それはないです。

この案件について拠点数が大きいことが問題で、成果が出るかは分からないが、このことについて検討していかない限り、難しいのかなと思います。

今回この最適化が全部終わります。次の開発やマイナーチェンジで中身のソフトウェアを変えなければならない時には、地域的な分割というのも考えられるところです。

ただ、保守サービスが、地域毎に様々な会社に変えてしまうのは難しいかとは思うのですが、理論上はできるようになります。

オフィスの数が多いということで、導入と保守を1者で全部やれと言っても、やれる企業は非常に限定的だと理解はします。

 

【審議案件2】

審議案件名:総合的雇用情報システムの専用端末装置等の賃貸借

資格種別 :−

選定理由 :随意契約中契約金額最大

発注部局名:職業安定局雇用保険課

契約相手方:株式会社シー・エス・エス

契約金額 :8,496,328,176円

契約締結日:平成21年4月1日

シー・エス・エスという会社についてですが、A社、B社、C社3社が共同出資で設立されたということですが、そちらについては職業紹介システムの目的だけに設立された会社なのですか。

職業紹介のためのシステムについては、この3社が共同して色々な納入をしたという経緯がございます。この3社がどういう形態で保守をしたり、それぞれの物品調達を円滑に供給できるかどうかということを検討した結果、今般の職業紹介システムに対応するために3社が共同して設立されたと聞いています。

シー・エス・エスはこれまでの納入実績があるのですか。

最適化前の現在の機器については、専用の端末等でございます。それぞれのメーカーで得意な分野がございますので、窓口の機械や、サーバ、プリンタ等それぞれの得意分野について3社が持ち集まって納入等していく現在の形態が一番やりやすいと聞いています。

今までずっとメンテナンスをやられていたのですか。

職業紹介の機械を最初に入れてもらってから現在のシステムまでは、3社納入による専用の端末であったため、ずっとここの会社がメンテナンス等を一手に引き受けているという経緯でございます。

予定価格と実際の契約価格に乖離がかなりあるのですが、原因はどういうところにあるのですか。

現行システムの端末については、4年間の借り上げを2回行う予定のところを、最適化が平成23年から行われることに伴い現行システムでの端末の総利用期間が6年となったことに伴い、4年で総替えを行うよりも現在利用している端末をそのまま6年間使用する方が、安価となることから、乖離したと思われます。予定価格の積算は4年で行いました。

予定価格の精度の問題がございまして、もし精度が一定水準に保たれていない疑念がここで生じることになるのですが、その辺はいかがですか。

予定価格を立てるに当たっては、第三者的な立場の色々な専門家の方にお伺いをしてつくった結果がこうなっております。

 当初4年計画で進めていたところ、全体の期間が後半2年分変更となったため、どこかの時点で4年計画での想定が6年計画に変更となりました。その調整がどの段階でなされているかという事と関係があると思います。

予定価格は当初の4年計画で出されているが、その後の業者との調整の過程を経て、業者側は6年のつもりで出してきている。

大きな差は、償却を4年でするか6年でするかぐらいの差だから、予定価格調書と入札額と、ほぼこの水準に合っているということになるのでしょうね。

そうです。

【審議案件3】

審議案件名:平成21年度「障害者雇用底上げのための情報発信・働きかけとネットワーク形成促進事業」に係る

      業務の委託一式

資格種別 :役務の提供等(A、B、Cランク)

選定理由 :1者応札(総合評価落札方式)

発注部局名:職業安定局

契約相手方:株式会社オプト

契約金額 :165,000,000円

契約締結日:平成21年4月1日

再委託先として3社名前が挙がっていますが、これは内容について把握されていますか。

調達は広報事業ですので、この目的を成し遂げるために、広く国民に呼びかけて情報提供を実施するということから、受託者のオプトが中心となるわけなのですけれども、その直下にプロモーションであるとかウェブの運営でありますとか、就労支援、イベントを実施するチームという形で運営体制となっています。

これら一つ一つの事業を分けてしまいますと、やはり連携という面ではうまくいかないことも想定されますので、限られた時間の中で統一感のとれた広報活動を行うためには、このオプト社1社で委託することが最も効果的ではないかと考えております。

この案件は平成20年度もこの会社が落札していて、実質的には2年間やるものを、1年1年分けて募集をしているということのようなのですけれども、20年度のときは他の会社が応札したということなのですか。

 平成20年度もオプトですが、応札者は2者です。

2年目なので、なかなかほかの会社が応募しにくいという部分があるかとは思うので、これ全体が適切な入札かどうかは、20年度の方がむしろ意味がある部分もあるのかなとは思うのです。

2年を分けることの意味合いというか、もう少し安いものが出るとか、いいものが出てくる可能性があるということですか。

まず、ポータルサイトの構築にも時間がかかりますし、事業概要の相談のところとか、1年ではなく2年のスパンで何とか浸透できればなというところもございます。一応数値目標も2年でサポーター10万人とか、協賛企業1,000社という数値目標も掲げておりますが、2年は必要ではないかという判断です。

2年あるものを1年、1年で分けることのメリット、デメリットみたいなものがあると思います。立ち上げに色々なコストがかかる以上、言ってみれば別の会社が2年目に新たに立ち上げようとするというのは、普通あり得ないと思います。

現実にはこれでこの会社が1年目にちゃんとやったならば2年目が継続するということに、おかしいということはないと思うのですけれども、総合評価というときに、こういう場合1年目のパフォーマンスみたいなものが入ってこないのかなという気もするのですが、2年目に対しての評価方法というのはどうしたらいいのかというのは、何かあるのですか。

1年目は8月1日に契約を結んでいるのですけれども、そこからポータルサイトを立ち上げるまででほぼ労力を使い切っていますし、広く周知をしたわけなのですけれども、その辺りが1年目でございましたので、今年度が勝負の年なのかなと思っております。

説明は分かりましたが、わざわざ2つに分けて、そこまで入札をしなければいけないのかというのは疑問には思うところで、実質的に1年半だったならば、それは単独で、ただしパフォーマンスが悪いときには変わる可能性があるとしないと、こういうものを出してもなかなか応募するところはなくて、1者応札に結果的にはなってしまいますね。

国の会計が単年度ということもございまして、これに基づいたというところが大きな要因です。

体裁だけ整えたという感じになっており、こういう状況ですと1者応札になって当然ということになってしまいますね。

 

【審議案件4】

審議案件名:平成21年度ホームレス等就業支援事業

資格種別 :−

選定理由 :再委託、公募、1者応札

発注部局名:職業安定局

契約相手方:大阪ホームレス就業支援センター

契約金額 :143,199,541円

契約締結日:平成21年4月1日

地方と国の事業の区分ですけれども、この辺はどういうお考えですか。同じような事業を、多分地方でもかなりおやりになっているかなと思うのですが。

平成14年に、ホームレス等の特別措置法が制定されホームレスの事業につきまして、地方公共団体と国との連携をとりつつ、事業を推し進めて行かなければいけないという規定がございまして、それに沿って事業を実施しております。

地方におきましては、地方公共団体の独自政策として、ホームレスを直接雇い入れるような施策等も実施しているところなのですが、国で失業対策事業はやらないことになっております。

地方公共団体の事業の重複しない部分について、この事業で担当しているという状況になっております。

 大阪のホームレス就業支援センターは、予算に基づき社団法人大阪労働者福祉協議会に再委託をする訳ですが、この内容を見ますと、再委託の金額の中身がほぼ人件費で請求されているのですが、この方が厚生労働省の事業に全て1年間関わっているという理解なのですか。それとも、別の仕事もされてこの賃金ということなのですか。

基本的には1年間専属でやる場合の賃金として積算されているものと理解しております。執行の段階で他の業務も行った場合においては、当該事業に要した時間とその他の業務に要した時間の按分比例で、本事業の予算から執行すべき賃金等を定めるべきだと考えています。

大阪ホームレス就業支援センター運営協議会というのは、権利能力のない社団ですか。

御指摘のとおりです。

権利能力なき社団をそれぞれ想定されて公募されたのですか。愛知県、大阪府、神奈川県、東京都、他には同質の団体というのはないのですか。

当方で把握しているのは今回この事業に応募している団体になります。

これは再委託先が幾つかありますね。直接それぞれの業務を分割して委託しないということですか。

 ホームレスの支援につきましては、ホームレスの自立支援法で、国と地方公共団体が責務を負って実施することとされております。今回のホームレスの就業支援事業におきましても、国で実施する事業ではあるのですが、都道府県等にホームレス関係の支援団体のノウハウが共有できるような形で効率的な事業運営を目指して、このような協議会に委託するという形式をとっております。

 個々の団体に委託した場合には、ホームレス支援関係団体の連携がうまく担保できない状況にもなりますので、ホームレス関係支援団体の総意で事業を実施できるような形で事業を実施しております。

了解しました。

 

【審議案件5】

審議案件名:平成21年度以降に拡張する厚生労働省統合ネットワーク回線・機器に係る供給(設計・開発、

      結合・総合テスト等及び運用)等業務(労働保険適用徴収システム編)一式

資格種別 :役務の提供等(Aランク)

選定理由 :1者応札(総合評価落札方式)

発注部局名:労働基準局労働保険徴収課

契約相手方:ソフトバンクテレコム株式会社、シスコシステムズキャピタル株式会社

契約金額 :3,108,105,000円

契約締結日:平成21年4月9日

既存のベースの業者が拡張部分について出してきてそこ1者しかいなかった。しかも予定価格は当初契約時に落札事業者から提示のあった価格表をベースにつくっていて、応札業者が既存ベースの契約業者と同じ会社1者だったので結果は少し安く金額を出してきた。

全貌としては分かりましたが、時期がずれて契約が別々になってしまうということが、どうしても裏側にはあるということですね。

最適化計画で新たなシステムの開発をしておりまして、労働保険適用徴収システムは業者の関係で開発が遅れまして、最適化計画は見直しをさせていただきまして、平成22年1月から次期システムでスタートとなったのでその時期に合わせると、その間、かなり空白の時間が生じてしまうということで、単独での調達契約をしております。

審議案件は23年度までの契約となっているのですが、本体部分も23年度までになっているのですか。

ほかのシステムについても、同じ期間になっております。

 平成24年度からは一体でやるということですか。

平成24年度から統合ネットワークシステムは新たな展開をさせていくということで、今後の設計を検討して、平成24年度から新たな付加機能をつけて同時にスタートするということで、検討中です。スタートする時期は同じです。

 このシステムは、平成24年以降は使えなくなるのですか。

今のところ最適化計画に基づいて、新しいシステムを構築している最中ですので、今後仕様によってどういった形になるかということを考えていくことになると思います。基本的には使えなくなるという発想でつくっておりません。

 ただ契約書を見ると、3年間の使用契約をしているのですけれども、4年目以降についてどうなっているかは、この契約からでは分かりませんが。

4年目以降につきましては、新たに付加機能をつけてシステムを拡充していくことになりますので、平成24年からは新たな調達をして、今あるシステムは、そのまま使える状況で付加機能をつけていくことになります。

 所有権は厚生労働省にあるというのは、契約書のどこにありますか。

所有権は当省にあると思いますが、根拠については確認します。

 一般的には3、4年使えば撤去していくことが多いのではないかなとは思うのです。こういう賃貸の場合というのは多くは業者が変わることが多いのではないのかと思います。また、耐用年数とかもありますので持っていっても別に不思議ではないと思います。

 

【審議案件6】

審議案件名:労災診療費審査体制等充実強化対策事業

資格種別 :−

選定理由 :企画競争、1者応札、再就職の役員(4名)

発注部局名:労働基準局労災補償部労災管理課

契約相手方:財団法人労災保険情報センター

契約金額 :3,331,412,000円

契約締結日:平成21年4月1日

事業の内容からすると、企画をするほどこの事業にクリエイティブさが必要なのかと思っておりまして、一般競争入札の総合評価落札方式を何故採用しないのですか。

平成18年に財務大臣からの通知がございまして、専門性とか特殊な技術を要する委託事業ができる業者は1つしかないとして、随意契約にしてきたものについては一般競争への移行を検討するということになっております。それが整うまでの期間は企画競争ということでしたので、現状では企画競争に際しての仕様書を詳細に固める作業等をしています。そして、総合評価落札方式になりますと価格と同等に評価すべきこと、価格に対して技術をどれだけ評価するかといったことも詰めていく必要があります。

また、最低価格落札方式とした場合におきましては、仕様書に全て書き込むということ、参加資格をどのように求めていくのかといった問題点もございまして、現在はそちらへの移行も含めて検討している段階です。

毎年ずっとこの財団が同じ事業を継続されているのですか。

当初は随意契約でやらせていただいていたのですが、平成18年度から企画競争を行いましたが、結果として1者ということで、引き続きこの財団法人と契約をしております。

労災保険に特化した財団法人ですから、こういう調達仕様書をつくってやるとしたら、ここしかない。だから従前も随意契約でやっていたということですね。

はい。設立当初はここだけだろうということでやらせていただきました。ただ、説明会を開催させていただいた中には、やはり今のこういった診療費の審査点検を行うという業者も数社おりますので、何社かは説明会に参加していただいております。

子会社、関連会社、親会社、兄弟会社、共通株主に対してもあえてレセプトの作成事務等を行っていないことといった制約を加えるのは、今回の業者に委託しやすくするため、そういった制約を加えているのではないでしょうか。

それについては、民間ですと親会社があって関連会社があると、会社名は個々の形態は別としても実質内容が同じというのもあるため、そういったケースを考慮してこのような制約を加えております。

また、国が労災保険の保険者となりますので、医療機関が国に対して請求し、国が内容を審査して支払うということですので、請求書を作成している業者がそれを点検するというのは、やはり利益相反になるので、そういった条件にしております。

利益相反の関係を理由にされて、その上で更に親会社、子会社、関連会社、兄弟会社というところまで制約を及ぼすことが合理的なのかなと疑問に思います。だから、やはりここにやらせたいから、そのためにこういう要件を課しているのではないかと感じてしまうのです。

33億という大きな金額で、今までそういう業務をやっていないところが進出するとしたら、何か基礎においている業務がないと新しい業務の方には出ていけない訳で、こういう制約を課してしまったら、そういう業者は出て来れなくなってしまうのではないかと思うのです。

 

【審議案件7】

審議案件名:医局棟増設に伴うネットワーク整備業務委託

資格種別 :−

選定理由 :新規の随意契約

発注部局名:国立がんセンター東病院

契約相手方:日本アイ・ビー・エム株式会社

契約金額 :3,990,000円

契約締結日:平成21年6月5日

随意契約にする場合の理由書の内容ですけれども、どういう方がご判断されたのでしょうか。

会計課で理由は当然つくって、最終的には支出負担行為担当官の運営局次長に確認してもらっているところでございます。

コンピュータとかITの専門家の判断というのは、どこかにあったのですか。

運営局次長もコンピュータ関係に詳しいので判断します。また、病院内に情報システム委員会がございまして、その中で議題として医局棟の整備で、従来の電子カルテの整備を行っているアイ・ビー・エムと、作業について見積もりをとって行うということの報告と、それに関する了承はいただいております。

一般競争入札に移行するために業者に作業概要等を説明できないことはないと思うのですが、その各種説明に要するオーバーヘッドコストが、この金額であれば見合わないというのがあるのだと思うのです。この金額位なら文句は余り出てこないのですけれども、オーバーヘッドコストと現実にかかるコストのバランス感覚が必要かなとは思います。

実際に仕様書の中に上がっている作業内容等の中で、本当に既存業者でないと絶対に困るという部分はほとんどないのではないかと思うのです。非常に汎用的な作業ではないかと認識はします。

 

【審議案件8】

審議案件名:中央合同庁舎第5号館電気・機械設備等の運転・監視及び点検保守管理業務一式

資格種別 :役務の提供等(A、B、Cランク)

選定理由 :1者応札(一般競争入札)

発注部局名:大臣官房会計課

契約相手方:不二興産株式会社

契約金額 :357,000,000円

契約締結日:平成21年4月1日

公告から開札までの期間ですけれども、これはもう少し長くとることはできないのですか。最低の10日間とはなっていますが。

今年3月に本省から通知が出ましたので、少なくとも開庁日ベースで10日間はとろうかとは今年度からは思っています。

毎年内容がほとんど同じなのに、入札時期が年度末ぎりぎりまできてしまうというところが問題となっていると思います。そして、もし公告期間を延ばすという話になれば、そこが根本的な問題になってしまうのではないかと思うのですが。

仕様書に関しましては毎年担当要求元の方で見直しておりまして、今年度については新たに執務環境の測定と水質検査の追加等をしておりまして、その見直しの分も若干時間がかかったのかなと思っております。

毎年基本的に内容は同じなのですが、見直せるところは見直しておりますので、同じという訳ではないです。

見直したところというのは、入札説明会でなければ分からないのですか。

入札説明書を事前に業者の方が取りに来ますので、その時点で分かります。

入札説明書の公布期間というのは、入札公告だと3月10日〜3月19日ですね。何者ぐらい取りに来られていたのですか。

9者です。

説明会に参加された業者は何者あるのですか。

6者です。

周知の方法が、今の仕組みでやらざるを得ないのかもしれませんけれども、もう少し業者の方に知らせてあげるような対策をとる方法というのはないものですか。

よくあるのは業界紙なんかに載せてもらうというのも、やり方としてはあるかと思います。今の公告のやり方ですとホームページ等の張り出しだけなので、費用的にはさほどかかっていませんが、それ以上広げていくとなると、あとは経費的にどこまで捻出できるかというところだと思います。

参考までに、何で応札されなかったかという理由を聞くことにより、期間が短いのか、価格がきっと太刀打ちできないだろうと思ったからなのか、それともこの時期はみんな忙しいからやらないことになるのか、次の募集のときに参考にすることができるかもしれないと思います。

 

【審議案件9】

審議案件名:日経テレコン21利用料

資格種別 :−

選定理由 :未措置

発注部局名:大臣官房会計課

契約相手方:株式会社日本経済社

契約金額 :5,130,000円

契約締結日:平成21年4月1日

日経テレコン以外に、このような情報サービスを供給してくれるような会社というのは、ほかにはないとお考えですか。

日本経済社に伺ったところ、他にもサービスを行っているというところは分かりました。

ただ、日経テレコン21よりも情報量は若干劣ります。日本経済新聞社が運営する情報等については、この他では別途オプションとして契約をしていただかないと、情報としては拾えないことになりますので、基本的には別途お金がかかってしまうということです。

日経テレコン21を利用するという前提で立ったら、随意契約にならざるを得ないですね。

過去に入札を実施したのですけれども、やはり結果は同じで1者しかいないので、随意契約にしているという状況でございます。

言ってみれば新聞とか雑誌のかなり網羅的な検索システムであると出せば、他社もそういうものがあれば、可能性があるのだと思うのです。日経テレコンという名前だけを聞くと『日経新聞』に関連するものだけしか調べられないように思ってしまいますが、実際の資料を見てみると、かなり色々な新聞社のものも見られます。これだけ調べられるものが他にもある可能性があるのだとすれば、それは一般競争入札をする意味があるのかもしれないのですが、現実としては余りないです。

新聞記事等情報検索サービスということで入札をすれば、それは色々なものがきっと出てくるのですね。

過去の入札の時には日経テレコン21ということで入札をかけた訳ではなくて、あくまでもデータベースとして、こういうものが私どもの方でほしいということで入札をかけたのですが、結果的には1者でありました。

仕様の方で絞り過ぎると、実質1者入札になってしまう。実質随意契約と同じようになってしまうということですね。仕様を緩やかにしないと意味がないことになってしまう。