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節電に向けた労働時間の見直しなどに関するQ&A
3. 変形労働時間制(1か月を超え1年以内の期間を対象期間とするもの)について【労働基準法第32条の4、第32条の4の2関係】
- Q3-1労使協定では変形労働時間制の対象期間中の労働日と各労働日の所定労働時間を定めないといけないとのことですが、対象期間中の全ての労働日について、あらかじめ各労働日の所定労働時間を定めておかないといけないのでしょうか。
- (A)変形労働時間制(1か月を超え1年以内の期間を対象期間とするもの)を採用する場合には、労使協定により、対象期間における労働日と労働日ごとの労働時間を具体的に特定しなければなりません。
ただし、労使協定で対象期間を1か月以上の期間ごとに区分して、最初の期間の労働日と労働日ごとの労働時間を定めるとともに、残りの期間については各期間における総労働日数と総労働時間数を定めておくという方法も可能です(労働基準法第32条の4第1項第4号)。
就業規則については、労働基準法上、始業及び終業の時刻並びに休日を定めることとされていますので(労働基準法第89条)、変形労働時間制を採用する場合にも、就業規則において、対象期間における各日の始業及び終業の時刻並びに休日を定める必要があります。
ただし、1か月以上の期間ごとに区分を設けて労働日及び労働日ごとの労働時間を特定することとしている場合においては、勤務の種類ごとの始業・終業時刻及び休日並びに当該勤務の組合せについての考え方、勤務割表の作成手続及びその周知方法等を定めることも可能です。
この場合には、就業規則の定めに従って、各日ごとの勤務割は、最初の期間におけるものは当該期間の開始前までに、最初の期間以外の各期間におけるものは、過半数労働組合等の同意を得た上で、当該各期間の初日の30日前までに書面でそれぞれ具体的に定める必要があります(労働基準法第32条の4第2項)。
- 例:7/1〜12/31の6か月を変形労働時間制の対象期間とし、対象期間を1か月ごとに区分する場合
7月分・・・労使協定で労働日と各労働日の所定労働時間を定める。
8月分・・・30日前(7月2日)までに過半数労働組合等の同意を得た上で労働日と各労働日の所定労働時間を定める。
9月分以降同じ。
- 例:7/1〜12/31の6か月を変形労働時間制の対象期間とし、対象期間を1か月ごとに区分する場合
- Q3-2変形労働時間制を導入した場合の時間外労働はどのように扱えばよいでしょうか。
- (A)変形労働時間制(1か月を超え1年以内の期間を対象期間とするもの)を採用した場合に時間外労働となるのは、次の時間となります。
- (1)1日については、労使協定により8時間を超える労働時間を定めた日はその時間、それ以外の日は8時間を超えて労働させた時間
- (2)1週間については、労使協定により40時間を超える労働時間を定めた週はその時間、それ以外の週は40時間を超えて労働させた時間((1)で時間外労働となる時間を除く)
- (3)対象期間全体については、次の式(※)によって計算される対象期間における法定労働時間の総枠を超えて労働させた時間((1)又は(2)で時間外労働となる時間を除く)
- ※40時間×(対象期間の暦日数)/7
したがって、これらの時間を超えた部分については、時間外労働となることから、36協定の締結・届出と割増賃金の支払が必要です。 なお、36協定(時間外・休日労働に関する協定)で定める延長時間については、限度時間が定められており、変形労働時間制(3か月を超え1年以内の期間を対象期間とするもの)の場合とそれ以外の場合では、この限度時間が異なる点に留意が必要です(例えば1月当たりの限度時間は、変形労働時間制では42時間、その他の場合は、45時間と定められています)。
なお、以下の場合は、各種法律において、時間外労働等に関する特別の制約がありますので、ご留意ください。
- (1)「満18歳に満たない者(労働基準法第60条第1項)」や「妊産婦(妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性)が請求した場合(労働基準法第66条第1項)」は、法定労働時間(1日:8時間以内、週:40時間以内)を超えて労働させてはならない
- (2)小学校就学前までの子を養育する労働者及び要介護状態にある対象家族の介護を行う労働者が請求した場合には、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、1か月24時間、1年150時間を超える時間外労働をさせてはならない(育児・介護休業法第17条、第18条)
- (3)3歳未満の子を養育する労働者が請求した場合には、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、所定労働時間を超えて労働させてはならない(育児・介護休業法第16条の8)
- Q3-3変形労働時間制の対象期間の途中に採用され、あるいは退職する労働者についての取扱いはどうすればよいでしょうか。
- (A)変形労働時間制(1か月を超え1年以内の期間を対象期間とするもの)の対象労働者であって途中採用された者や途中退職した者については、労働基準法第32条の4の2の規定により、賃金の清算をしなければなりません。具体的には、それらの者を変形労働時間制により労働させた期間を平均して1週間当たり40時間を超えた場合には、割増賃金を支払わなければなりません。
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