10/06/23 第174回中央社会保険医療協議会総会議事録 10/06/23 中央社会保険医療協議会          第174回総会議事録 (1)日時  平成22年6月23日(水)10:50〜12:57 (2)場所  グランドアーク半蔵門 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 関原健夫委員        白石小百合委員 森田朗委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員 北村光一委員          田中伸一委員 伊藤文郎委員       安達秀樹委員 嘉山孝正委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       藤原忠彦専門委員 北村善明専門委員 坂本すが専門委員        住友雅人専門委員       <参考人>       堀田知光 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議座長       長野明専門委員       禰宜寛治専門委員       松谷高顕専門委員       <事務局>       外口保険局長 佐藤医療課長 迫井医療課企画官        渡辺保険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議における検討状況等        について       ○ DPCにおける高額な新規の医薬品への対応について       ○ 先進医療専門家会議の報告について       ○ 医療機器の保険適用について       ○ その他 (5)議事内容 ○遠藤会長  それでは、委員の皆様御着席のようでございますので、ただいまより、第174回中央 社会保険医療協議会総会を開催したいと思います。  まず、委員等の選任について御報告いたします。  本日付で、高橋健二委員が退任されまして、新たに田中伸一委員が発令されておられま す。  なお、事務局より今回発令された田中委員からは、みずからが公務員であり高い倫理を 保って行動する旨の宣誓をいただいている旨の報告を受けております。  それでは、田中委員より一言御挨拶をお願い申し上げます。 ○田中委員  高橋の後任の田中と申します。全日本海員組合に所属をしております。どうぞよろしく お願いいたします。 ○遠藤会長  よろしくお願いいたします。  次に、田中委員に所属いただく小委員会・部会等でございますけれども、これまで高橋 委員が所属していらした基本問題小委員会及び調査実施小委員会に所属していただくこと としたいと思います。  この小委員会・部会に属すべき委員につきましては、社会保険医療協議会法施行令等の 規定によりまして、中医協の承認を経て会長が指名することとされておりますので、ただ いま御説明いたしましたとおり指名することとしてよろしいでしょうか。皆さんの御承認 をいただきたいと思います。いかがですか、よろしゅうございますか。  はい、ありがとうございます。  それでは、そのようにさせていただきます。  次に、委員の出席状況でございますが、本日は鈴木委員が御欠席です。  なお、審議官は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。  また、本日は医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議における検討状況等に ついてを議題とすることにしておりますが、この関係でこの検討会議の座長を務めておら れます、独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター院長の掘田知光先生に御出席をお 願いしております。ありがとうございます。  また、同様の観点から、薬価専門部会の専門委員にも同席をいただいております。よろ しくお願いします。  それでは、議事に移ります。  まずは、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議における検討状況等につい てを議題といたします。  この件につきましては少し説明をいたしますと、平成22年度薬価制度改革によりまし て、新薬創出・適応外薬解消等促進加算という長い名前の加算が試行的に導入されたわけ ですけれども、その要件としまして、国が適応外薬あるいは未承認薬の開発要請をした企 業にあっては、その開発に取り組むことが求められているわけです。  具体的な要請品目の検討は、医薬食品局と医政局に設置されております、先ほど申し上 げました医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議で行われるという形になって おりますが、今後この加算に関する議論を進めていく上で、この検討会議における検討状 況や開発要請等を受けた製薬企業の対応を十分把握していく必要があると考えております。  そのような中、先月第一陣とも言える開発要請が行われたようでありますので、当該検 討会議における検討状況等について御報告をいただいた上で、皆様に御議論をしていただ ければということでございます。  なお、本来この新薬創出・適応外薬解消等促進加算は、これは薬価基準制度の一部であ りますから、このこと自体は本来薬価部会で議論をいただくべき内容ではありますけれど も、いわゆるドラッグ・ラグの解消ということで委員の皆様の関心も非常に高いと思いま すし。この適応外薬等につきましては患者団体からの要請も大変大きいということもあり ますので、そういう意味で患者団体から選出されている委員も含めた多くの方からの御意 見を承れればということもありまして、本日総会でこの問題を扱いたいと考えております。  また、薬価部会で議論をしましても最終的には総会でやるという形になりますので、総 会で議論をしていきたいということです。もちろん、細かいことが議論の対象になるよう であればこれを持ち帰って薬価部会のほうでまた御議論いただくという形になるかもしれ ませんけれども、本日はそのような理由で総会で御議論いただくこととしたということを 御承知おきいただければと思います。  それでは、関連資料が提出されておりますので、まずは事務局から御説明をお願いした いと思います。事務局、お願いいたします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。私のほうからは、中医協総−1−1でまず御説明をしたいと 思います。  未承認薬・適応外薬に係る開発の要望の公募についてということでございます。昨年6 月から8月にかけまして、いわゆる欧米では使用が認められておりますが、国内では承認 されていない医療上必要な医薬品、未承認薬や適応外薬に関しての要望について公募いた しております。それについて、先ほどから会長からお話がございましたこの検討会議にお きまして精査をして、開発要請が先月行われたところでございます。  どのようなものを公募したのかということでございますけれども、今申し上げた点です が、検討会議におきましては、その医療上の必要性が高いということで、疾病の重篤性や 医療上の有用性について検討をして、学会等におきましてはそういうふうに考えたエビデ ンスなどの資料も付けていただいて、要望をしていただいているところでございます。  それにつきましては、関係の学会、それから患者団体などからいろいろ御要望を受けま して、全部で374件の要望を受けているところでございます。  この要望のリストにつきましては、総−1−3の資料に全リストをお付けしておりまし て、おまとめの仕方としましては、少し幾つかの分野に分けまして整理をさせていただい ております。16分の1、1ページと書いてございますが、代謝関係で、特に未承認薬と 適応外薬ということで、どのような学会、団体のほうから要望があったかということもお 付けをしておりますし。最後のほうに、特に小児に関わる部分があるというものについて は○も付けさせていただいております。  これが代謝の分野から始まりまして、2ページがその他の消化器官用薬や解毒剤の関係。 それから、続きまして4ページから循環器の関係でございますけれども、循環器官用薬と 生殖器、体内診断用薬、こういった分野。6ページから精神・神経用薬の分野。それが9 ページまで続きまして、10ページからが抗菌薬の分野ということでございます。それか ら、12ページからが抗炎症薬、呼吸器官用薬の分野。13ページからが抗がん剤の分野 ということになってございまして。最後のページ、16ページが生物関係ということで血 液製剤やワクチンの分野。というもので、このような要望が出されているところでござい ます。  これにつきまして検討会議で精査をして第一弾の要請をしたということでございます。  検討会議におきましては、総−1−1の2ページをお開きいただきたいと思います。今 までの状況といたしましては、2月8日に第1回の検討会議を行いまして、3月、4月と 検討いたしまして、5月21日に開発の要請をさせていただいております。検討が終わり ましたものは全部で109品目ございますけれども、具体的に企業が特定できるものにつ きましては、その当該企業に開発要請、全部で91品目になってございます。そのほか、 まだ特定できないものについては公募するということで、17品目の公募の開始をしてお るところでございます。  企業のほうにおきましては、どのようなスケジュールで開発を進めるのか、その工程表 を作成し、また公知申請といいまして、これまで得られているデータ、文献で十分薬事の 承認申請可能かどうか、そういうものを可能にするものが公知申請と言っているわけです が、公知申請に該当するのか、または追加での臨床試験などをする必要があるのか、企業 の見解を今求めているところでございます。  それを受けまして検討会議におきましては、公知申請への該当性または追加で臨床試験 等を行うのか、行う必要があるか、そういった妥当性についての評価を行いまして、その 結果がまとまったものから随時企業のほうに伝達をいたしまして、その申請資料等の作成 を進めていただくというものでございます。  その上で、公知申請に該当するかどうかは最終的な判断が審議会の事前評価と書いてご ざいますけれども、これは薬事食品衛生審議会という審議会でございまして、承認の可否 を議論する審議会でございます。この事前評価を受けまして、正式な公知申請という流れ になりますし、また治験の着手するものはそこから治験を始めていくということでござい ます。  それで、企業側の検討時間としては、薬価制度改革の骨子にも書いてございますけれど も、企業側の検討する時間として、特段の合理的理由がない場合は、開発要請されてから 公知申請を行われる場合は基本的には6カ月、治験が必要な場合は治験の着手まで1年以 内というようなことになっているところでございます。  今後検討会議におきましては、定期的に開発状況を確認をいたしていくところでござい ます。また、要望を受けている中でまだ全部が検討終わっておりませんので、第二弾の開 発要請をすべく、11月以降また要請する予定で進めているところでございます。  また、要請されたものがどの程度開発が進捗したかにつきましては、来年の秋口をめど に中医協にもその状況のまた報告をさせていただくというものでございます。  3ページをごらんいただきまして、今私が申し上げた374品目の状況のリストでござ いますが、検討済みというものの中で医療上の必要性の高いもの、高くないものの仕分け いたしまして、要請をさせていただいております。まだ検討を進めておりますのが検討中 というものでございます。  また、要望の中には、海外でも未承認、適応もとっていないというものもございました ので、それについては承認等なしということで、検討の対象から外してございます。  その後、要望を受けてから承認されたものも幾つかございまして、それもリストアップ させていただいてございます。  4ページでございますけれども、要請先企業の考え方でございますが、適応外について は先発医薬品として承認を取得している企業に要請をしております。  それから、未承認薬については、まだ我が国ではどこも承認を取得しておりませんので、 そういったものについては要請をどういうふうに考えるのかということでございますが。 ここに書いてございますように、開発を行っている企業があればその企業に要請をいたし ますし、また海外の例えばある企業がやっている場合に、それの関係の同一資本の企業が 日本にある場合には、その当該日本法人企業に要請をすると。それからまた、開発権を有 することが確認された企業があれば、そこの企業に要請すると。そういった企業が特定で きないようなケースにつきましては、企業の公募をするという形になってございます。  また、それからここに要望された剤形追加というのがございますけれども、実際には例 えば規格が合わないとか、もっと違う規格が欲しいとか、特に小児で多いんですけれども、 小児用の必要な剤形を新たにつくっていただきたいとか、そういった要望もございますの で、そういったものについても同様の考え方で整理をさせていただいております。  続きまして、総−1−2でございますが、先ほど申し上げた検討会議の開催要項でござ います。このような目的、検討事項でやらさせていただいております。  2ページをごらんいただきまして、その検討会議のメンバーでございますけれども、本 日お越しいただいております堀田知光先生を座長にいたしまして、このようなメンバーで 検討を進めているところでございます。  また、学会等から出される要望が非常に数も多いしいろいろ専門的な部分も多い関係も ございまして、専門作業班を設けて精査をさせていただいておりまして、そのメンバー表 が4ページにお付けをさせていただいております。  続いて、総−1−4でございますけれども、ここでの検討結果を受けまして、実際に5 月21日に要請もしくは募集をした品目のリストでございます。1ページ目からは企業に 開発要請を行った医薬品ということで、ここに医薬品名と対象の疾病、それから企業名で すね、それから先ほど未承認薬なのか適応外薬なのか、それとも剤形追加なのか、その類 型を分けましてここにリストをお出しさせていただいております。  具体的に要請したものが91品目ということで、5ページの下段まで記載させていただ いておりまして、5ページの下段のほうから実際に開発企業を募集している医薬品という ことで、これについてはまだ当該企業決まっていないものが幾つもございますけれども、 5ページ、6ページに記載をさせていただいておりまして。その後当社でやってもいいと いうような製品も幾つかございましたので、それについては記載もさせていただいており ます。  なお、要請したものの1つにつきましては、企業のほうも開発を進めるかどうかについ て意見があるということで、それについての協議をこれから進めるという形になってござ います。  そのほか参考資料で薬価制度改革の骨子をお付けさせていただいているところでござい ます。  私の説明は以上でございます。 ○遠藤会長  どうもありがとうございます。全容を非常にうまく説明していただいたと思います。  それでは、本日は検討会議の堀田座長にお越しいただいておりますので、この検討会議 における議論の状況などについて、堀田先生からコメントなどいただければと思います。 よろしくお願いします。 ○堀田参考人   検討会の座長を務めさせていただいております、名古屋医療センターの堀田でございま す。  この検討会議の前身といたしまして、未承認薬使用問題検討会というものが平成17年 から3年ほどにわたって組織されてまいりまして、その座長もさせていただいておりまし た。この前身の検討会は、新たに欧米4カ国で承認されたのが国内では未承認のものを全 部俎上に上げて、その中で疾患の重篤性と緊急性においてどうしても日本で必要なものを すくい上げて、それを開発要請をかけるという形でやってまいりました。  3年間で44品目の開発要請を行いましたけれども、そのうち21が承認まで至りまし たが、14は結局積み残しになりました。それはなぜかというと、大変希少疾患であった り、あるいは小児の領域であったりして開発が難しいということで、開発企業のインセン ティブが働かないという状況であったからであります。  その意味でも、今回こういった加算が薬価上できたことによりまして、加速度的にドラ ック・ラグの解消が進むものと期待しているところであります。  また、この検討会は未承認薬だけではなくて、適応外薬、そしてまた小児の薬物療法検 討会もこの中に吸収するという形で、網羅的に検討するということでございます。  こういう形で進んだわけでありますけれども、この検討会の中で上がってきた374の 品目、これをどのようなスタンスで私どもがこれを評価するかということでありますが、 これらは医療現場にあるいは患者団体、学会等から切実なる要望として出てきたものです ので、できるだけ救うという観点で評価させていただいております。先ほど説明もありま したいろいろな基準がありますので、それに合致したものということでありますが、でき るだけ医療現場のドラッグ・ラグを解消するという立場での評価をしていただいておりま す。  問題は、このようにたくさんのものが、前の検討会では3年間で41品目だったのが、 いきなり374品目も受けられるのかという心配がありました。例えばPMDAが審査す るという形になったときにそれは対応できるのか、あるいは企業にとってもそれは負担は 大きいんじゃないかという議論が当然この検討会としても起こりました。  そういうこともありまして、この374品目を一挙で全部というわけではなくて、検討 の済んだものから段階的に開発要請をするという形に結果的にはなっているのであります。  もう1つは、こういったことが通常のPMDAの審査の足を引っ張るような形でプレッ シャーにならないかということも議論がなされました。それについても今のように段階的 な対応あるいはワーキング・グループで検討する際にもPMDAにも意見をあらかじめ伺 うというような形でスムーズに流れるようにいたしたところであります。  それから、この開発要請する場合に、これを公知申請にするのか、追加的な治験をすべ きかということについても今後判断をしていくわけでありますが、その公知申請というの が従来ですと大変ハードルが高い、なかなか簡単には通らないというところを、個々の事 情にもよりますけれども、公知申請のハードルをもう少し下げるというか、科学性と倫理 性を保った上で省略できるところは省略する形で、あるいは全部をPMDA任せではなく て、申請者あるいは学会にきちんとした見解を求めてエビデンスを出していただくという ようなことをすべきではないかという議論もありました。  それから、今回の検討対象は昨年の6月から7月にかけての1カ月間で募集した分だけ でございます。そうしますと、これに乗り遅れたというケースもありますし、場合によっ てはよく知らなかったから要望を出さなかったケースも聞き及んでいます。そういうこと も含めますと、第二弾の募集をすべきではないかという意見がございました。  それから、この検討会は薬事法上の承認を得ることを前提にして評価をしております。 一方で、日本の保険制度は薬事法の承認と保険償還がリンクしております。究極的には薬 事法の承認をすべてとるというスタイルで今回の検討会は動いております。私どもに与え られたミッションは、それに向かっての医療上の必要性があるかを評価することに限られ ているのですが、検討会の内部でも、それから検討会の外からもいろいろな団体あるいは 個人から意見をいただきまして、本当にこの検討会のやり方で日本のドラッグ・ラグが解 消するのかという意見もいただいております。  そのためには、私は薬事法の承認というのは日本の今の保険制度の中では究極的には保 険で認めるものもエビデンスがそろっていなければならないという意味合いで言えば、そ れはイコールのものかもしれませんが、薬事法の承認を得るまでの段階を保険の償還とし てもう少し過渡的に緩和できないかということもあわせて御検討願えれば大変ありがたい と思っております。  特に私が専門としております抗がん剤領域ですと、日進月歩で非常にエビデンスの積み 重ねが急でございます。ガイドラインもどんどん変わる状況であります。そうしますと、 薬事法の承認を得るまでのステップを一々全部の適応取得を条件とするのはある意味で無 駄も多いわけですね。そういうことから言いますと、保険という枠の中で、それも無制限 ということではなくて、一定の枠の中で保険償還も認めるような形が今後検討していただ ければ大変ありがたいと考えております。  これは私の個人的な意見も含まれており、検討会の総意ではございませんが、この検討 会のミッションからちょっとはみ出すような議論も実はこの検討会の中で行われていると いうことを御紹介申し上げたいと思います。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。実際の御議論の一端を開陳していただいたわけですけれども。 基本的にはドラッグ・ラグをなくすということで積極的に救っていくというスタンスで運 営されているという話でした。  承認がされる前の薬にも保険償還を何らかの形でしたらどうかというような御提案など も、あくまでも個人的ということでありましたけれども、いただいたわけであります。  先ほど説明ありましたこの制度の現状及び今の堀田座長のコメントを含めまして、何で も結構でございます、御意見いただきたいと思います。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  堀田先生、大変御苦労さまでした。先生の今の説明で先生が御苦労されている内容も議 論の論点もほとんど述べられたと思います。1つ、根本的なことなんですけれども、これ は事務局にちょっとお伺いしたいんですけれども。薬の保険適用と薬事承認がリンクして いるという国はどのぐらいあるんですか。つまり、外国では、今堀田先生がちらっとお話 になりましたけれども、薬事承認なくとも保険適用になっている国が多分大部分じゃない かと思うんですね。日本で、私今立場上抗がん剤のドラッグ・ラグ、例えば5年、4年、 3年、数限りなく、今度がんセンターのホームページに出しましたけれども、それはもう 原因があるんですよ、きっちりと。システムエラーとして。  そういう意味でいいますと、日本のこの薬事承認と保険適用が一体化しているというの は非常に国際的に見ると奇異なんですね。ですから、例えばほかの国ですと一体化してい るのはどのぐらいあるのかというのをまず事務局にお伺いしたい。 ○遠藤会長  今の保険というのはあくまでも公的な医療保障の中でということですね。 ○嘉山委員  そうです。 ○遠藤会長  では、事務局、どうぞ。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今の嘉山委員の御質問に関しまして、私どもすべての世界じゅうの国を調べているわけ ではございませんけれども、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスを日ごろより調査を させていただいておりまして、その中で得られている情報で少し御説明をしたいと思いま す。  原則はどこの国も薬事法的なものがあります、それで承認をしたものを保険適用すると いうのが基本的に原則ではございますけれども、例えば適応外について、各国で一定の評 価をして、有効性・安全性が十分あると、また重篤であってどうしてもこれを使わざるを 得ないと、こういった一定の評価をした上で、薬事承認がなくとも保険上適用を認めると いう国は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、適応外についてはどこの国もござい ます。特にアメリカにつきましては社会保障法の規定に基づきまして法律に規定が設けら れております。  また、未承認薬につきましては、これについてはアメリカ、イギリス、ドイツ、フラン スにおきましてもまちまちでございまして、例えばアメリカでは薬剤費は償還をしない。 ドイツでも償還をしない。ただ、イギリス、フランスではある一定の方法で償還をする場 合があるというふうに私どもとしては調べをしておるところでございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  そうすると、日本だけがガチガチの原則でやっているわけですね。ですからドラッグ・ ラグが起きたんですよ。日本でも実は原則とは言いながら、55年通知というのがありま すよね。55年通知では、薬事承認された適応のほかでもエビデンスがあれば保険に支払 いを認めてよいという通知が現在も生きているということはこの中医協でも何度も出てき ている。実際に社会保険診療報酬支払基金は2007年9月には47品目、2009年9 月には33品目を保険適用しているんですよ。したがって、そのことを適用しない限り、 堀田先生が先ほどある限界の中でというふうにおっしゃったんですけれども、ドラッグ・ ラグは解消しません。  したがって、この中医協でやはり55年通知でこのドラッグ・ラグに関して話をしてい くという基本的なコンセンサスを1号側とも得ないと、特にがんの、堀田先生もがんで私 もがんを研究している同じ研究班の班長をやっていますので、実際すごくよく分かるんで すけれども。特にバイオというか生物活性のある抗がん剤は日進月歩なんですね。それが 一切認められないということになりますと、もう日本は本当にガラパゴスになって、抗が ん剤に関してはもう世界から完全に取り残されるという状態になりますので。1号側の先 生方にもこの55年通知というのを今アメリカでもやっているというお話ですので、基本 的な考えに入れないと。  というのは、もう1つ裏付けがありまして。PMDAで去年、私1月29日のこの総会 でお話ししましたけれども、近藤理事長は非常に頑張っていらっしゃいますがやはり限界 があるんです。今堀田先生もおっしゃったように非常に限界があります。特に適応外の場 合には、アメリカでもこの55年と同じように、薬事承認されなくても保険適用になって いるので。この今回の資料の最初のやつの各学会から出ている374のうち283は適応 外なんです。つまり、薬としては認められているんだけれども、使い方を変えるよという だけなんですね。したがいまして、この283のお薬としてはもう保険も通っているし、 だけれども使う、例えば前立腺がんに使ったやつを肺がんに使うとかそういうような適応 外はこの55年通知というのを使えばドラッグ・ラグは一気に解決するということになり ますので、そのことを中医協の委員として、またがんを担っている責任者としてはここで 提案をしたいというふうに考えます。 ○遠藤会長  55年通知、要するに薬事承認されていないものの保険償還できるようにするというの は、薬事承認されていないわけではないけれども、1つは公知申請によってそれを非常に 迅速化するという方法と、あとは55年通知を弾力化するという、方法が2種類あるかな ということですけれども。  今55年通知の話が出ましたけれども、これは御提案としてとりあえず聞いておきます。 本日は55年通知という審査支払いの話ではない議論をさせていただきたいと思いますの で、また改めて1号側の御意見もお聞きしたいので、その段階で御意見をまたいただきた いと思います。  それでよろしいですね、そういう対応で。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ただ、皆さんほかの委員の方が御理解していただきたいと思って、もう一度繰り返しま すが。この堀田先生が御説明になった、事務局も説明しましたけれども、総−1−1の裏 の2ページ目の、今会長がおっしゃった2ページ目の左下の赤いところに、公知申請とい うのと承認申請、これは要するに薬品会社に治験をやりなさいというようなことがこの堀 田先生の委員会で決定できるわけですけれども、この後はしょせん結局はPMDAにいく んですよ。PMDAでどのぐらい処理できるかといったら、先ほどお話ししたように、近 藤先生は非常に頑張ってらっしゃいますが、人数的に、つまり物理的に不可能なんですね。 ですから、私はそのことを御理解願いたいということでお話を申し上げました。 ○遠藤会長  わかりました。実際の技術上、公知申請であってもなかなか承認までには時間が発生す るということですね。わかりました。  55年通知というのは御案内の方がほとんどだと思いますけれども、御案内でない方も いらっしゃると思いますので、後で事務局から正式に言っていただきますけれども。昭和 55年に保険局長から全国の支払基金の理事長宛てに出された通知であって、基本的に保 険償還されていない薬であっても、それなりの医学的、薬学的に効果があると思われるも のについては償還していい。それから、その扱いについては支払基金間で差があってはい けない。そういう趣旨を通知として出したものだと私は理解していますけれども。そんな もんでよろしいかどうか、ちょっと事務局、お願いできますか。よろしいですか。  そのような通知なわけで。ただ、実際にどこまでが科学的にいいと、誰がどういう基準 で言うのかとか、そういうところがまだ不明確なんですね。そういうところも場合によっ ては整理する必要があるのかもしれません、この議論をする上では。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ちょっと付け加えさせていただきますと。がんセンターのホームページ、6月1日から がらっと変えましたのでそれを見ていただくと、大体のお金、1号側はお金のこともかな り心配でしょうから、推察をしました。せいぜい600億です。がんに関してはです。3 00から600の間の推計値です。ただ、もともと抗がん剤使っているわけですから、ほ かの抗がん剤使うだけでもともとこれしかないというやつは使いませんから、そうなると。 結局ほとんどゼロじゃないかと思うんですね、これを認めても。ですから、お金の面でも、 がんセンターのホームページを見ていただければ、全部一覧表になって私出しましたので、 そういう面でもこれを使ってももういいのではないかというようなことで提案させていた だいたわけです。 ○遠藤会長  今回は審査支払いの話ではありませんので、関連はいたしますけれども、いずれ議論は させていただきたいと思います。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  別途議論していただくということなので、それはぜひやっていただきたいと思いますが。 55年通知について、我々診療側がどういうふうに理解しているのかということを簡単に だけ申し上げておきます。  基本的に1つの疾病がある。治療をする必要が当然あります。治療効果を期待したい。 そのときに、薬事法上で適応症が認められている薬剤が有効である場合には当然それを使 うということが原則であります。しかしながら、症例はオーダーメイド的に個人差があり ますので、そういう薬事法上の適応症が承認されていないけれども、薬効成分としては適 応症とれている薬剤と同じというものは確かにあります。  例えば高血圧と狭心症に両方適応のあるものと、高血圧にしか適応のないものというの はあります。どちらもカルシウムブロッカーだという点では一緒だと。このときに、承認 のとれているお薬ではうまくいかなくて、薬効成分上当然有効であると考えられるところ から使ってみたら、片一方には承認のとれていない薬剤だけがその方には有効だったとい うケースが出てくる、これは治療上出てくるわけであります。こういうときには当然患者 さんの疾病の回復ということを第一の目標として、医師の裁量権というものを信頼してい ただいて、薬効に基づく判断をしていただきたいということが55年通知の中身であり。  我々が55年通知を使いたいと申し上げるときはそういうときであって、決してみだり にというか、それ以外の理由で乱発で使いたいと思っているわけでは当然ないですという ことを申し上げておきたいと思います。   ○遠藤会長  ありがとうございます。現場の御意見ということで承りました。  関連しますか。薬剤管理官、どうぞ。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  申しわけございません、1つ事実関係として誤解ないようにと思っております。外国で 適応外薬を実際に保険で償還すると、これはそのとおりでございますけれども、その場合、 各国ともその自国での評価をしていると。  例えばアメリカのケースで申し上げますと、例えばアメリカの国内で、抗がん剤の分野 ですと、がんセンターのネットワークがございまして、NCCNというんですけれども、 そういったところでの評価があって、それできちっと決めたものについて保険の適用を認 めるというルールをつくっておりまして。  あくまで、イギリスもドイツもフランスもそうなんですけれども、外国で評価終わった ものをそのまま認めるということはなくて、その国で一定の有効性・安全性評価を行った 上でいっているということがございますので、それを付言をさせていただきたいというふ うに思います。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  それはもうちゃんとがんセンターでホームページを見ていただければ分かるように、全 部一覧表にして、数百種類の抗がん剤に対する治験を、我々医師主導型の治験、あるいは 企業主導型の治験を全部やっていますから。それで結果出たものはオーケーということで あるならば、すぐにでもやらさせていただきます。 ○遠藤会長  その議論は55年通知の議論をするときにまたお願いしたいと思いますので。  ほかに。本日はこの検討会議についての御意見をいただきたいと思います。  では、渡辺委員が先でしたので、渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  堀田先生、ありがとうございました。  2点ほどお伺いしたいと思うんですけれども。総−1−1の3ページ目に、検討済みの ものが必要性高いものと高くない、二手に分かれて入っております。その次に検討中とご ざいますね。これが次回検討が終わって、その対応を企業に依頼して決定するのはいつご ろになってくる予定なのでしょうかという点と。  それから、先ほど先生もいわゆる公募といいますか募集を第二弾すべきではないかとい うお話をされましたが、もしそういう方向であるとすれば、どの時点でまた公募が行われ るのか。ある意味では周知徹底を図って公募されるということが大変必要になってくると 思いますので。その点、もし今お考え等がありましたら。あるいは事務局のほうで予定等 がありましたらお願いしたいと思います。 ○遠藤会長  堀田座長、お願いします。 ○堀田参考人  検討中のものにつきましては努力しているところであります。最初の検討済みというの は割と問題の少ないケースが多いものですからこのように早くなりましたけれども、検討 中のものは、企業なりあるいは申請した学会等に確認をしたりのやりとりをしているとこ ろのものが多いというふうに思っています。そうしますと、秋以降ということになるかと いうふうに思っています。  第二弾につきましては、この374品目が一区切りついた段階でというふうになろうか と思いますけれども、事務局のほうで確認していただきたいと思います。 ○遠藤会長  では、事務局、お願いいたします。どなたがお答えになられますか。 ○事務局(成田審査管理課長)  未承認薬会議の事務局をしております医薬食品局の審査管理課から御説明させていただ きたいと思います。  先ほどの堀田先生が御説明されましたように、2回目の開発企業の要請については11 月以降くらいを今目途に作業をさせていただいているところでございます。  それから、第二弾の募集でございますけれども、本件374と申し上げましたけれども、 当初想定していたよりもかなり多く御要望いただいておりまして、その処理に時間がかか ると思いますので、それが終わった段階で検討させていただきたいと思っております。  募集の仕方、それから適応外薬等につきましてどういうふうな形でやるか、つまり今回 と同じような形でお伺いしてやるのかというようなところも含めてシステム的なことも検 討させていただきたいと思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  渡辺委員、いかがでしょうか。 ○渡辺委員  結構です。 ○遠藤会長  それでは、白川委員、お待たせしました。 ○白川委員  渡辺先生の質問と若干ダブるんですけれども、必要性の高い、高くないという問題とあ わせて、言い方は当たってないかもしれませんが、開発が容易だということとそうでもな いと、かなり難しそうだということがあると思うんですが。今回の108品目については、 例えば剤形変更等はかなり容易ではないかというふうに想定はされるんですけれども、そ の辺の見通しはどういうふうに考えておられるのか。緊急性とか患者さんからの期待が大 きいとかいろいろな要素はあるかと思いますが、特に開発期間についてどういう見通しを 持ってらっしゃるかという点が1点。  もう1つは、一番難しいのは、国内に開発企業がない17品目について、多分開発する 製薬会社も負担が相当大きくなるような薬ではないかなというふうに想像はするのですけ れども、公募ですからなかなか見通しも難しいかと思いますが、その辺どういうふうに考 えてらっしゃるかということについて、堀田先生の御意見を伺いたいと思います。 ○遠藤会長  堀田座長、よろしくお願いします。 ○堀田参考人  まず私のほうから御説明したいと思います。開発の期間でありますが、治験の場合は1 年以内に工程表を出すということで、公知申請の場合は6カ月以内ということになってい ます。公知申請するしないというのは企業が精査して、公知申請でいける判断したときに はそういう提案をしていただいて、これを検討会議で妥当と認めるかどうかということに なります。  そうしますと、開発を進めるという段階は本来のきっちりした治験の場合もありましょ うし、追加的な臨床試験でよいのかも分かりませんが、そこは薬事法上の承認に足るだけ のエビデンスがそろえばいいというふうに思っております。  17品目については、確かに国内に開発企業がございませんので、手を挙げていただく というしかないんですが。最終的には挙がらない場合だってあり得るわけですね。しかし、 極めて現場では重要なものというものがあり得ます。そういうのは大抵の場合市場性が乏 しいとか、患者数が非常に限られている、あるいは毒性とその効果がイーブンな状況にあ るといったものになりやすいですね。そういったものについては私はこの枠組みでは救い きれないものがあるだろうと考えております。個人的な考えですが、そういったものはコ ンパッショネートユースというような形で別に扱って、現場で苦しんでいる方、数は少な いけれども、重篤なものに対してどう対応するかという枠組みは考える必要があると思っ ております。 ○遠藤会長  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  最初の御回答はよく分かりました。2番目の話で、17品目について、受け入れないと いいますか、やっていただける製薬会社が見つからないといった場合の対応については、 確かに非常に難しい問題ではありますけれども。我々の意識としては、せっかく新薬創出 加算をつけたわけですから、いずれかの製薬会社さんに引き受けていただきたいという願 いでございます。先ほどの薬価部会の中でも、各企業ごとにその加算によって利益が確保 できた部分というのがある程度推定はできるはずですので、その辺何かうまく割り当てる といいますか、そういったことができないかどうか、ちょっと事務局でお考えいただけれ ばと思いますが。 ○遠藤会長  事務局に、まず先に手が挙がっていますので、事務局、お願いいたします。 ○事務局(佐藤治験推進室長)  研究開発を促進しております医政局研究開発振興課から、今の点についてコメントをさ せていただきます。  先ほどございました開発企業を募集する17品目でございますが、おかげさまで現在の ところ開発の意思の申し出があった企業が17品目のうち6品目現在のところ出てござい ます。先ほど先生おっしゃいましたように、いろいろな新しい制度も導入し、製薬企業の ほうも前向きにこの残りの品目についても開発を考えたいという声もいただいております ので、今後それらにつきまして各企業の御協力を得ながら、この残りの企業も我々として は募集をしていきたいというふうに思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  禰宜専門委員、では業界のほうのお考えとして何かありますか。 ○禰宜専門委員  今お話ございました、特に受け皿のない、今11品目ということになっておると思うで すが。製薬協の中で一般社団法人の未承認薬支援センターというものを立ち上げておりま すので、そこをうまく活用しながら、これから開発の意思のある企業を探していくという ことと同時に。  先般の製薬協の理事会におきましても、製薬協の会長のほうから各社へ前向きな検討を 呼びかけておるということでございますので、積極的に手を挙げてくれる企業が出てくる んじゃないかなというふうに思っておりますし。万が一の場合には前の業界の代表者が言 うておりましたように、少し開発していくというようなことも言っておりますので、この ような課題についてはできるだけ業界としても解消できるように努力してまいりたいとい うふうに思っております。 ○遠藤会長  よろしくお願いします。新薬創出加算の議論をしたときに、ヒアリングの中で引き受け 手がない場合にもできるだけ努力をするという言葉いただいておりますので、よろしくお 願いいたします。  ほかに御質問ございますか。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  会長が私の意見を大体封じるので、私は根本的にドラッグ・ラグをなくしたい根本を、 もうこれで実は私が最初に言ったのでドラッグ・ラグが解消できるんです、実は。今まで の議論ではドラッグ・ラグは解消できません。この議論では。  ただし、堀田先生せっかく努力されて、内容のことについてちょっと質問したいんです けれども。今の製薬協で努力するとおっしゃっていますが、やはり薬品会社は株主がいて、 そしてやはり利益を追求する組織ですから、基本的には。奉仕でやっているわけじゃない ので、努力するというのは意味がないんですよ、言葉として迫力が全くない。  この制度として、例えば1年以内にやりなさいときても、ペナルティがくる制度ですね、 これはね。こういう制度自体が健全かどうかをまずは長野さんにお聞きしたいのが第1点。  それから、第2点は堀田先生にお聞きしたいんですけれども。堀田先生御自身が非常に 新しい薬が出てきているのにもかかわらず、次回は11月以降であるということで。それ じゃあドラッグ・ラグは全然解消できないんじゃないかと先生自身もジレンマをお持ちな んだと思うんですけれども。果たしてそれでいいのかと、11月で、ということ。そのま ず最初に2点を。会長、聞いていただけますか。 ○遠藤会長  では、まず、これは長野専門委員、御質問の趣旨は分かりましたでしょうか。それでは、 お答えできる範囲で結構です。必ずしも業界を代表するお立場でしゃべっているというわ けでもありませんので、お話しできる範囲で結構でございます。 ○長野専門委員  長野でございます。専門委員としてお答えをいたします。  健全かどうかというお答えはできませんが、間接的になると思います。やはり公的医療 保険制度のもとで私ども日本国内では業を営んでおります。そういう中で、日本の医薬品 市場が魅力がないからといってアジア地区とか欧米ばっかりで一所懸命かせぐというのは 異常な状態で、やはり日本オリジンの会社ですから日本の公的保険制度を支える一翼を担 う立場もこういうところでも発揮してまいりたいというのが現時点での私どもの心構えで ございます。申しわけありません。 ○遠藤会長  堀田先生、お願いします。 ○堀田参考人  次の要請が11月というのはちょっと遅いんじゃないかということですが、私も早けれ ば早いほどいいと考えております。実はこの検討会の出発時点では、3月までに評価を終 えて、4月以降要請するというスケジュールを立てたんですね。しかし、上がってきたも のを見ると、非常に玉石混交で、もう何度も精査しないとエビデンスのレベルもはっきり しないというものもあったりしました。そういう意味ではこの検討中のものについてはワ ーキング・グループが大変苦労しています。  ですから、今後もやるとしたら、患者団体の方から出していただくのはそれはそこまで は求めませんが、少なくとも学会から出されるものについてはエビデンスレベルをぴしっ と示して文句のつけようのないぐらいのものを出していただきたい。ワーキング・グルー プに何百を全部文献から当たって評価しろと言われてもそれは無理なんです。  ですから、次に要請するとしたら、書類の不備なものは最初から落としてしまうぐらい でないととてもやれないというのが実感でございます。 ○遠藤会長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  最後、会長がさっきの55年通知というのをまだ別の機会にとおっしゃったんですけれ ども。 ○遠藤会長  できるだけ早くやりたいと思います。 ○嘉山委員  ええ。約束していただきたいんですが。どの機会でおやりになる、別の機会。 ○遠藤会長  まず、55年通知についてこういう御意見が出ましたし、ドラッグ・ラグを解消すると いう意味合いの1つの手法であることは間違いないということもあるので、実態も含めま して一度ここで議論したいと思います。と同時に、これは非常に早くやったほうがいいだ ろうと私は思っておりますけれども。そういうような段取りでよろしいかどうか、少し早 めにこれを着手したいというふうに思いますけれども。  特に御反対の方はいらっしゃいますか。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  55年通知について議論することは全然構わないですし、早いタイミングでやろうとい うことにも賛成はいたしますが。ドラッグ・ラグ全体の話までいきますと、嘉山先生の御 発言ですと、55年通知をやれば全部解決するという御発言でしたけれども、私はそうで はないというふうに、それだけではないというふうに思っております。幅を広げて議論す るのであれば、ちょっと時間もかかるかなというふうに思っておりまして、55年通知と いうことに限定してやるということであれば早めにやるということについては賛成でござ います。 ○遠藤会長  ドラッグ・ラグを解消する方法はこのような薬価制度の話と、それともう1つは審査支 払いの話があります。そういう話でありますので、切り離して議論せざるを得ないだろう と思います。かたや基本小委マターでありますし、かたや薬価部会のマターということも ありますので。  ということなので、55年通知についてはこういう議論も出ましたので、比較的早めに 単独で議論を開始したらどうかと思っておりますが。よろしゅうございますか。  勝村委員、何かありますか。 ○勝村委員  今度で。 ○遠藤会長  よろしいですか。  では、そのような形でできるだけ早く開始をしたいというふうに思っております。  ちょっと絡む話でよろしいですか。質問なのですけれども、先ほど公知申請をしても実 際にその申請内容のチェック等々があってある程度のラグは生じるんだと、PMDAの中 でラグが生ずるんだというお話がありましたけれども。現実問題として、ここで公知申請 された場合に、その後どのぐらい実際に保険収載されるまでにかかると考えたらよいのか ということなんですが。  堀田座長、お願いします。 ○堀田参考人  通常のルートですと、これは事務官のほうから言っていただいたほうがよろしいかと思 いますが。 ○遠藤会長  それでは、いかがでしょうか。 ○事務局(成田審査管理課長)  公知申請ということで先ほどスキームを御説明させていただきましたけれども、まず検 討会議のほうで公知申請でいけるのではないかということを判断していただきまして、そ の後公知申請の内容について事前に薬事食品衛生審議会のほうに御議論いただいて、その 後公知申請ということになろうかと思います。公知申請があった場合につきましては、既 に事前評価もしていただいていますので、あとは手続き的なこと等を対応させていただく ということでございますので、数カ月というふうに見込んでおります。  何分公知申請につきましても先ほど御議論ございましたけれども、数が多くなるんじゃ ないかなというふうに思っておりますので、その処理に関しましても当然ながら公知申請 は早いですけれども、数カ月を考えないといけないんじゃないかというふうに思っており ます。 ○遠藤会長  わかりました。現状ではそのぐらいかかると。そのぐらいのラグで何とかなると。でも、 嘉山委員はとてもそんなんではないというお考えですね。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  従来の公知申請どのぐらいかかってますか、エビデンスとして。だって、PMDAの処 理能力があるわけで、280ですか、今回、堀田先生が出したこの数字がPMDAにドン といった場合に、実際に従来よりかかりますよ。 ○事務局(成田審査管理課長)  今回開発要請しましたのが91でございます。その中で公知申請でいけるかどうかにつ いてはその中の何分の1かという話かと思いますので、それでできると思います。  公知申請ということに関しましては、例えば小児薬物療法検討会、この未承認薬検討会 の前身がございますけれども、そこでは同じようなスキームで事前評価を行った上でやっ ておりますので、それは数カ月でやっております。ただ、数が違いますが処理の各担当の 違いもありますけれども、そんなに公知申請ということでこのスキームで申請があるもの についてはそんなに時間はかからないんじゃないかなと思っております。  少なくとも公知申請分については通常のものより早くということで別ルートを考えさせ ていただいており、それは早くさせていただくということで考えております。 ○遠藤会長  趣旨からいってもできるだけ早く処理をしていただくということでありますので、御努 力いただきたいと思います。  では、勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  会長がまとめていただいたことと同じような話なのかもしれないんですけれども、全国 薬害被害者団体連絡協議会という患者として薬を飲んで被害者になった人たちの団体が、 PMDAが作られるときから、当時坂口厚生労働大臣だったと思いますけれども、非常に 密に関わって、どの仕事をどう移管するのかということもあって、今PMDAが担ってい る仕事が幾つかあると思いますけれども、それぞれの運営委員会に薬害の被害者が入って 患者の立場で議論に参加しているわけですけれども。  その団体もやはりドラッグ・ラグを解消してほしいということをずっと言ってきている んですけれども。今も毎年PMDAに要望を出していますけれども、嘉山先生おっしゃる ように、近藤理事長が頑張っておられることに異論はないんですが、一貫してどういう要 望を出しているかというと、ドラッグ・ラグ解消のために、PMDAの人をふやしてほし いということを言い続けているわけです。  それで、嘉山先生は、過去の経緯からしても人を増やすのはややあきらめぎみなのかも しれないんですけれども、一応そういう声もあるということで、どっちかだけ、PMDA が人を増やすことだけで解決するとか、こちらの今議論している工夫だけで解決するとい うことじゃなくて、やはりお互い努力してほしいので。今医薬食品局の方も来られていま すので、FDAがどれぐらいなのかよく知りませんけれども、そういう方向もあるという ことです。  つまり、ドラッグ・ラグ解消が大事だからといって必要な審査が軽視されるということ はあってはならないということです。本当に堀田先生がおっしゃるように、手続きの中に 無駄があるというケースであれば、もちろんそれは省いていただいたらいいんですけれど も、安全軽視にならないようにということがずっと要望として出ているんだということを ちょっとこの場で発言させていただきたいということです。  もう1つ、堀田先生に御質問なんですけれども。この制度ができる前から、3年ほど前 から御尽力いただいたということで、そこで四十幾つか、ちょっと僕聞き逃していたら申 しわけないんですが、四十幾つかあったうちの小児とか希少疾患に係るものが認定されて いなかったことについて、今回の制度に期待するとおっしゃっていただいたんですけれど も、それが今、早速反映できる形になってほしいと思いますし、ならなきゃいけないと思 うんですけれども、そのときに認められなかったものが今回どういう形になっているのか ということについてちょっと教えて頂ければと思います。 ○遠藤会長  堀田座長、お願いします。 ○堀田参考人  おっしゃる意味は、この検討会の前身であります未承認薬使用問題検討会で対象になっ たもので、落ちたものが今回どのような扱いになっているかということかと思いますけれ ども、今回の要望に入ってきているのがたくさんあり、多くは開発要請品目に入っていま す。 ○勝村委員  ほぼそれらは全部、今回いけそうな感じになっている、そういう見込みになっている、 ということでしょうか。 ○堀田参考人  もちろん欧米4カ国のどこかで承認が得られているということが前提でありますし国内 未承認薬だけですので、適応外はここには含まれておりませんでした。したがって、未承 認薬で検討会で医療上の必要性が高いとしたもので開発要請後に、14品目は積み残しに なりましたが、それは補正予算による開発支援が付くことになりましたので、その開発は 進んでおります。  そうしますと、前回の検討会で評価の段階で落としたんだけれども、今回上がってきて いるというものについては、ほぼ救えていると思っています。 ○遠藤会長  研究開発振興課、何かありますか。 ○事務局(佐藤治験推進室長)  補足でございます。先ほど堀田先生のほうから14品目の未承認薬使用問題検討会で国 内での導入が必要だと指摘されながらもなかなか開発企業が見つからなかったというもの が14品目あったという御紹介がございました。その中で現在9品目がもう既に開発企業 が決まっておりまして開発中でございます。残りの品目につきましても、現在いろいろな ライセンス交渉とかいろいろございましてまだ途中でございますが、全て開発の方向で現 在進んでいるというふうに私どもは理解をしているところでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ほかにございますか。  北村委員、どうぞ。 ○北村(光)委員  検討会議が既に5月に91品目の要請を企業に行いまして、関係者が一丸となって新た な動きを始めておられることに敬意を表したいと思います。  製薬業界に一言お願いがありますのは、今回の中医協の改定で、薬価システムについて グローバルな視点も入れて新たな改定を行ったわけですから、今回のこのような未承認薬 ・適応外のところで、やはり業界として最善の努力を尽くしていただきたいということを 強くお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○遠藤会長  よろしくお願いいたします。  ほかにございますか。  では、ちょっと事務局に1つだけ質問させてください。この公知申請は未承認薬であっ ても適応外であっても両方とも対応できるということなのでしょうか。 ○事務局(成田審査管理課長)  御説明させていただきます。公知申請については原則的には適応外のものが対象になろ うかと思います。つまり、未承認薬ですと国内で使用実績とかエビデンスというのが不十 分ではなかろうかと思いますので、一般論的には適応外が対象になるだろうというふうに 考えております。 ○遠藤会長  私もそういう理解しておりましたけれども、この図の中にはそういう書き方になってい なかったものですから、両方に、未承認薬にも対象になるかなというふうに見えたもので すから確認をさせていただきました。  ちなみに、55年通知の場合はどうなんですか。それは適応外だけなんですか。ここは はっきりしていない。適応外だけということでよろしいんでしょうか。 ○堀田参考人  適応外だけだと思います。 ○遠藤会長  適応外だけですね。はい、わかりました。あくまでも適応外だけの話ということである ということの共通認識を持ったということで。  それでは、よろしゅうございますか。  嘉山委員、一言私申し上げますけれども、私は、このドラッグ・ラグをなくすべきだと いう考えは全く嘉山委員と同じですよ。ましてがんの抗がん剤は薬剤の耐性ができて、し かも適応外でほかの名目では日本国内では使えるのにこの病気では使えないというような 実態もあることもよく存じております。できるだけ早くギャップをなくそうという気持ち は、気持ちの上では極めて同じであるということを一言付け加えておきたいと思います。 ○嘉山委員  先生には申しわけないと思っていますが、やはりショック療法をしないと、マスコミの 皆さんになかなか書いてくれないので。すみません、そういうふうなことで。いつもそう いう話をしています。 ○遠藤会長  私がいい出汁になっているようなんですな。  それでは、特に御質問ないようであれば、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思い ます。  堀田座長、長時間どうもありがとうございました。また、今後ともよろしくお願いいた します。大変国民が期待している検討会だと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、ちょっと時間オーバーしておりますけれども、DPCにおける高額な新規の 医薬品等への対応についてを引き続き議題としたいと思います。資料につきましては、事 務局から御説明をお願いします。企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  医療課企画官でございます。  お手元の総−2をごらんいただきたいと思います。これは新薬あるいは効能追加の際に 検討いたしまして、定期的に御報告あるいは御審議をお願いしているものでございます。 今回この総−2の2のところに書いてございますが、効能追加の薬事承認がされた薬品幾 つかありましたけれども、その中で従前からの1に書いてございますような取扱いに基づ きまして検討いたしましたところ、レミケード点滴静注用につきましては2つの薬効、強 直性脊椎炎、それから潰瘍性大腸炎につきまして該当いたします従来の薬剤等の比較にお きまして、従来から設定しております平均+1SDの基準を超えておりますので、この薬 剤の使用につきましてはDPCにおいて出来高算定という取扱いにさせていただきたいと こういう趣旨でございます。  事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。これはこれまでどおりのルールを適用したということですけれ ども。  よろしゅうございますか。  はい、ありがとうございます。  それでは、そのような対応をさせていただきたいと思います。  それでは、引き続きまして、先進医療専門家会議の検討結果等についてを議題といたし ます。事務局から資料が出ておりますので、引き続き企画官、お願いいたします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  お手元総−3をごらんいただきたいと思います。本日先進医療専門家会議におきます検 討を経まして、4つの技術につきまして先進医療の適用、これは今回特に先進医療の中で も表題にございますが、第3項と言われておりますいわゆる高度医療に該当する技術の保 険併用につきまして、検討結果を御報告させていただきます。  4つの技術の具体的な御説明は、その下をおめくりいただきまして順次別紙等で御説明 させていただきたいと思います。  総−3の資料をおめくりいただきまして、2ページ、別紙1と書いてございます。まず 1つ目の技術でございます。これはパクリタキセル腹腔内反復投与療法というものでござ います。適応症はそこに書いてございますが、これは進行胃がんの中で、ここに書いてご ざいますように、StageII/III、肉眼分類の3型、4型、あるいは腹膜播種があるも のということでございます。  どういった内容かと申しますと、そこに書いてございますが、胃がんの腹膜転移等を伴 うようなものや、進行性のものにつきましてはなかなか手術単独で根治ができないという ようなことで、抗がん剤の併用を行うということになっております。しかしながら、従来 使われておりますシスプラチンは、副作用の問題等で投与することが困難であるというよ うな事例があるのが実態でございます。  そこで、この2パラ目に書いてございますけれども、抗悪性腫瘍剤、パクリタキセル、 これは従来卵巣がん、乳がん、それから胃がん等の静脈内投与につきましては適応症がご ざいますけれども、腹腔内に直接投与いたしまして腹膜転移再発のリスクの高い症例につ いては治療成績が一定程度期待できるというようなものでございます。  この技術は、今回高度医療の審査を受けるに当たりまして、事前に幾つかの研究がなさ れておりまして、進行胃がんでコントロール不能ながん性腹水の症例につきまして3例で ございますが、そのうち2例で腹水コントロール、それから延命効果が得られたというこ と。それから、進行胃がんにつきまして腹膜播種がございます進行胃がん3例の中で2例、 やはり同様に腹水コントロール、それから延命効果が認められたということを前提として、 今回申請がなされているものでございます。  後ろのほうに参考の絵がございますので、14ページをおめくりいただきたいと思いま す。14ページの参考の絵は、具体的にどういうふうにこの技術を用いるのかというとこ ろの概要のところの補助的な説明ですが。進行胃がんでございますので、その部位により まして胃を全部切除する場合と、それから幽門側の胃を切除する場合と幾つか手術の術式 ございますが。進行胃がんでございますのでそれに伴いまして、ここに書いてございます ようなリンパ節といわれるものを取る、郭清をする。それをD2といわれる領域を郭清す るということでございます。  もとの資料に戻っていただきまして、2ページなのですが。概要のところに書いてござ いますが、今見ていただいたような一定のリンパ節の郭清を行いまして、その際に薬物を 投与するようなポートを挿入いたしまして、閉腹時に薬剤を腹腔内に投与して、以後はポ ートを通じて薬剤を投与していくというものでございます。  実際の投与の様子は13ページにそのプロトコールといいますか投与の流れが書いてご ざいます。13ページの上半分、整理番号010というのはこのまさに今御審議いただい ております技術でございますけれども、パクリタキセルの投与を3コース行いまして、以 降は標準的なシスプラチン等の併用にもっていくという治療でございます。  ちなみに、下の半分に書いてございますのは、既に先進医療の中で実施をされておりま す中に似たようなものといいますか、パクリタキセルの腹腔内投与と静脈内投与ならびに S-1の内服を併用するというようなものがございまして、そのプロトコールとの比較でご ざいます。  もとの資料に戻っていただきまして、2ページ目を続けますけれども。最後のほうの効 果でございますが、今のような技術の投与法あるいは手術に伴う設置を行いまして、効果 のところに書いてございますが、経静脈的に投与する場合と比較いたしまして、当然腹水 中の濃度が高濃度になるということで、効果が期待できるというようなことでございます。  下のほうに書いてございます費用の観点でございますが、パクリタキセルに関します費 用を中心といたしまして、保険併用でございますので患者さん等の負担が生じるのですが、 この技術につきましてパクリタキセルそのものの費用は企業側が負担をするということで、 患者さん自身の負担は7回投与で7万1,000円ということになるということでござい ます。  このような技術につきまして、先般、先進医療専門家会議で御審議をいただきまして、 7ページにございますが、その概要がまとめられております。7ページの先進技術として の適格性のところを見ていただきと思いますが。結論的には適ということでございます。  順番に、倫理的な問題等はございません。それから、罹患率、それから有病率、ある程 度の普及はしているということでございます。効率性につきまして、比較の問題でござい ましょうけれども、やや効率的ということでございます。  保険収載に関します部分でございますけれども、将来的に保険収載を行うということは 妥当であるけれども、そこの記載にございますけれども、仮に保険導入するとするならば、 評価に関しまして、例えばそこに書いてございますが、標準的な術後の化学療法の比較試 験の実施が必要である。それから、用量設定等の根拠を明確化する必要がありますと、こ ういう前提条件での評価でございます。  総評のところにコメントがございますが、そういった今お話をした内容も含めて幾つか コメントがございまして。まず、腹膜転移症例等につきましては、標準的な化学療法が確 立しておりませんので、そのあたりの用量設定等の明確化が必要だと、そういったことを 明確化し実施できるようなさまざまな今後の試験、リサーチが必要だと、こういうことで ございます。  ここまでがまず1つ目の技術、パクリタキセル腹腔内反復投与療法の概要でございます。  続けて御説明させていただいてよろしいですか。  次に2点目の技術でございますが、16ページをお開きいただきたいと思います。16 ページ、別紙2と書いてございますが、2つ目の技術、生体内吸収性高分子担体と塩基性 線維芽細胞増殖因子(bFGF)による血管新生療法でございます。  適応となります疾患といたしましては、慢性閉塞性動脈硬化症又はバージャー病と言わ れるものでございます。  内容のところに概要が書いてございますが、こういった動脈硬化を伴うような、あるい は血管のそういった疾患に伴う血行が阻害されるような下肢の疾患につきましては、高齢 者あるいは糖尿病等の患者さんに伴いまして、基本的にはそこの2行目、3行目に書いて ございますが、内科的治療あるいは外科的治療で対処しているというところでございます。  3行目、4行目のしかしながらというところなのですが、そういった原疾患に伴って最 終的には改善せず、下肢の切断を余儀なくされる患者さんも少なからずおられまして、な かなかその十分な結果が得られていないということでございます。  そこで、2パラ目でございますが、こういった状況に対処するために幾つか新しい治療 法というのがございます。タンパク治療と言われております血管新生を促すようなタンパ クを投与するもの。それから、血管新生タンパクを発現する遺伝子を投与するような遺伝 子治療。それから、そういったような血管新生を促すような細胞を移植する細胞移植治療 といったものがありますけれども、それぞれ課題があるということでございます。  そこで、この技術につきましては、3パラ目に書いてございますが、タンパク治療の問 題点であった、タンパク質を全身大量反復投与するということで副作用が懸念されるわけ でございますが、その副作用に対しましてドラッグデリバリーシステムと言われておりま す生体吸収材料、これを開発することで、1回の局所投与で必要な濃度維持が可能になり、 その他の治療法と比べまして簡便、低コストだということで効果が期待できる治療だとい うことでございます。  24ページにその治療の概要が、写真付きで載っております。24ページを見ていただ ければと思いますが。今御説明いたしましたとおり、ドラッグデリバリーシステム、ゼラ チンハイドロゲルと今のbFGFを組み合わせまして、施設の中でこういった薬剤の調剤 をいたしまして、手術室で投与する、注射をするということでございます。  下半分にその治癒の様子が写真で示されておりますが、こういった効果が期待できると いうことでございます。  もとの資料に戻っていただきまして16ページでございますが。今回のこの評価に当た りまして、事前に得られておりますエビデンスといたしましては、7例の先行試験を行っ たところ、潰瘍のあった6例中3例で潰瘍が消失でき、それから1例で縮小が認められた ということでございます。それから、疼痛の軽減も認められたということでございます。 重篤な有害事例はなかったということです。  費用の点、最後に書いてございますが、患者さんに負担にかかる部分は高度医療に係る 部分、保険外の分は110万9,000円でございますが、患者さんの実質的な負担は1 1万5,000円でございまして、残りは医療機関が研究費にて負担をするということで ございます。  19ページに、先進医療専門家会議での評価のまとめがございます。結論的には適とい うことでございます。倫理的問題等はございません。それから、先ほど御説明したような 経緯からして普及はしていないと。効率的という部分についてはやや効率的ということで ございます。  将来の保険収載に関しましては、これA、B、○がついてございません。コメントのと おりでございまして、将来、要するに有効であれば検討はできるけれども、現時点での判 断はできないという趣旨でございます。  それでは25ページ、後ろのほうに、最終的にどういった形で保険収載を目指すのかと いうロードマップというような概念といいますか、現在の臨床試験が何で、この後どんな ことが大体想定されているのかということをまとめてもらっています。ここを見ていただ ければ少し分かるかもしれませんけれども、この当該技術、生体内吸収性高分子担体とb FGFによる血管新生治療というのは、この上のほうに書いてございます、実施施設は京 都大学ですけれども、そこの横に書いております臨床試験というのは今回の技術です。こ れを行うことでその横にPOCと書いてありますけれども、これはプルーフオブコンセプ トの略でございますが、この治療という概念といいますか、この治療の方法自体のある種 治療概念が確立できるといいますか概念が有効である、有用であるということがまず一た ん証明できなければいけませんので、まだその段階でのエビデンスレベルだと、こういう 趣旨でございまして。この後幾つかの選択肢を検討しながら、最終的に国内承認を目指し たいという趣旨でございます。  最後、19ページにもう一度戻っていただきますが、先進医療専門家会議におきまして は、もう1つコメントのところに書いてございますけれども。この先進医療専門家会議で 検討していただく前提としまして、高度医療評価会議でのさまざまな症例の選択とか研究 のデザインとかプロトコールとかの吟味をしていただいておりますけれども、そこのエン ドポイントの設定に係るようなコメントがございまして。患者のQOLをより反映するよ うな指標も必要だというコメントをいただいております。  以上、2点目の技術でございます。  続けて御説明を簡単にさせていただきますが。3点目の技術でございます。26ページ 別紙3をお開きいただきたいと思います。別紙3、26ページですが、経胎盤的抗不整脈 薬投与療法でございます。  適応となりますのは、胎児頻脈性不整脈、括弧書きで具体的な定義がございます。  中身でございますが、内容のところに書いてございます。まず、胎児頻脈性不整脈とい うのは、全妊娠におけるシェアといたしまして0.1%程度ということでございます。多 くは上室性頻拍又は心房粗動ということでございます。  予後につきましては、自然軽快もあるのですが、心不全、胎児水腫、胎児死亡に至ると いうような場合もあり、さまざまということでございます。その中で胎児水腫というのが 30%〜40%発症するということでございます。  特に頻脈12時間以上持続するものは胎児水腫の発症率が高く、それから、胎児水腫が 発生した場合、さまざまに進行した場合の早期娩出等の対応を行うことになるのですが、 その場合でも死亡率35%、高死亡率だということでございます。  36ページに簡単な概念図がございますけれども、この胎児不整脈治療というのは基本 的には重篤な場合には胎児仮死に至るようなケースがございますので、そうなる前に抗不 整脈剤を母体に投与することでコントロールするということですが。当然ながら前提とし て胎児を対象とした開発はなされていないということでございます。この使用法につきま しては基本的には適応外でございますし、治験がそもそも難しい。それから、場合によっ ては禁忌薬が含まれるということでございます。  そこでもとの資料に戻っていただきまして26ページでございます。平成20年に既に 幾つか行われている治療につきましてまとめられたものがございますけれども、41例の うち37例で改善が認められ、それから、胎児水腫発症については11例で、9例が改善 しているというようなことで、個別的には使用されておりますけれども、その使用方法、 用使用量が異なっておりまして、十分な実施体制のもとで安全性、有効性を評価していく ことが必要だということで、今回この技術が高度医療として申請がなされたものでござい ます。  概要のところに書いてございますが、今回対象となる薬剤は3種類ございまして、ジゴ キシン、ソタロール、それからフレカイニドの3つについての使用について、今回申請が なされているところでございます。  おめくりいただきまして、28ページですが、先進医療専門家会議での評価でございま す。結論的には適でございます。  まず、倫理的な問題等はございません。  それから、罹患率、有病率等は、先ほどお示しした数字等々から、それから実際に現場 で個別的には使用されているということでかなり普及しているということでございます。  保険適用されている技術につきましては、比較の対象がないということで○は付いてお りません。  将来的な問題につきましては、将来的に保険収載を行うことは妥当だということでござ いますが。これは下の総合判定のところともあわせまして、まずそこのコメントに書いて ございますとおり、そもそもこれは薬剤としてもともとは母体といいますか成人に対する 投与を想定されて開発された薬剤ですが、それを胎児の治療のために用いるということは、 逆に言いますと、母体に対する安全性の検討は当然ながら必要だということでございます。  それから、相互判定のところにも書いてございますが、希少ではございますけれども、 致死率の高い疾患に対する治療法ですので、予後の改善は期待できるのですが、胎児を対 象とする薬物の治療法となりますので、母体の安全性に十分留意が必要だということでご ざいます。  37ページ、最後に今回の高度医療の申請によって得られるさまざまな研究といいます か成果を今後どういった形で薬事申請、あるいは実際の実地医療に導入を目指すのかとい うことでございます。  上半分、下半分ございますが、これが分かれている理由は、下半分のフレカイニドと言 う薬剤につきましては、実は妊婦さんに対する投与につきまして、点々で書いてございま すが、妊産婦禁忌薬ということでございます。この理由は、動物実験に催奇形性おいてが 一部に認められたということでございます。しかしながら、妊娠初期に対する催奇形性で あったということと、それからその実際の実験に用いられた薬剤の濃度、それから今回こ の適応となります胎児の症例自体は妊娠の中期ないし後期ということでございますので、 そういった面からは今回この実施につきましては適切であるということでしょうけれども、 将来的にはこういった禁忌の取扱いの見直しが必要になるということで、別のロードマッ プに分けて整理されております。  いずれといたしましても、今回高度医療でこういったエビデンスを得て、その後多施設 共同研究等を経まして、ガイドライン作成とともに治験もしくは公知申請によって実地医 療に結び付けたいと、こういうロードマップを描いているところでございます。  最後の技術、4点目でございますが、低出力体外衝撃波治療法でございます。適応症と いたしましては、薬物抵抗性の虚血性心疾患でございまして、前提といたしましては経皮 的冠動脈形成術、それから冠動脈バイパス手術による改善が困難なものに限るという前提 でございます。  内容につきましてそこに書いてございますが、虚血性心疾患に関しましてはまず薬物療 法がございます。それから経皮的冠動脈形成術あるいはバイパス術といった外科的治療が 行われますということです。しかしながら、そういったことを行った後でも改善ができな い事例がありまして、これに対して薬物療法が効かないということもございます。今回こ の技術はこういった課題に対応するためのものということでございます。  今回この技術を申請されるに当たって、事前のエビデンスといたしまして、そこに書い てございます6行目からの内容でございますが。この申請者等が基礎実験を行ったところ、 この体外衝撃波腎・尿管結石破砕術、いわゆるESWLといわれております装置を使いま して、10分の1程度の出力で体外から心臓に照射することで心筋内の血管増殖因子の発 現が亢進いたしまして心筋虚血の改善がなされたということでございます。  その結果をもとにさらに臨床試験を行いまして、15例のいずれにおいても有効性、具 体的に言いますとカナダ心臓病協会、CCSにおける狭心症重症度分類の改善、それから ニトログリセリン使用量の減少が示唆されたということでございます。それから、多くの 症例について負荷心筋シンチグラムで治療部位の心筋血流の改善が確認されたというのが 事前のエビデンスでございます。  こういったデータに基づきまして、今回こういった治療を行いたいということでござい ます。  治療の概要等は一番最後、この総−3の資料の最後の写真付きの絵でございますが、5 0ページでございます。上半分に具体的な治療の様子が書いてございます。  それから、あわせてですが、この下半分、ロードマップでございますが、今回この臨床 研究において有効性、安全性が評価できましたら治験を実施しまして、薬事承認にもって いって、実地医療に導入していきたいということを目指すものでございます。  最後に、先進医療専門家会議における評価の概要が40ページにございます。結論的に は適ということでございますが、倫理的問題はございません。それから、現時点では決し て普及しているというわけではないということでございます。それから、効率につきまし ては同等または場合によっては劣るということでございます。それは先ほど本来行うべき 外科的治療等々の比較で劣るということでございます。  将来の保険収載に関しましては、条件付きでそういったことを検討するということが記 載されてございまして。先ほど御説明したとおりなのですが、PCIというのは経皮的冠 動脈形成術、CABGというのは冠動脈バイパス手術でございますが、こういった外科的 な治療との併用に当たって、その適応となる条件を十分に検討する必要があるということ でございます。  それから、主たる治療法、最初に選ぶべき治療ということにはなかなかなりにくいので、 位置付けをどう考えるかということを前提として評価をすべきだと、こういう御指摘でご ざいます。  今お話をしましたような、コメントのところに書いてございますが、主として実施され るべきPCI、CABG、こういったものとの適応の混在がありますので、その衝撃波治 療のみを行うというのは問題があると、そういったことを十分に検討する必要があると、 こういうことでございます。  それから、2点目で、この研究を実施するに当たって、薬物の影響がございますので、 その他の使用される薬剤の影響について十分評価をすると、こういったことをコメントと していただいております。  結論的にはコメントいただいておりますが、適ということでございます。  最後に、一番最初のページに戻っていただきまして、総−3の1ページ目でございます が、保険給付されない費用、保険給付される費用のところにまとめがございます。少々こ れは分かりにくいという御指摘もございましたので、改めまして。この保険給付されない 費用というのは、要は患者さんあるいは実施施設が負担をすべきものでございまして、保 険給付される費用というところに整理されておりますのが、保険併用でございますので、 いわゆる保険が効く部分でございます。  特に保険給付されない費用の中に何が入っているのかということでございますが、例え ば上3つ、当然のことながら当該医薬品、薬剤の費用がこの中に含まれます。それから、 実際に投与に係る費用の中で、これは按分をするわけでございますが、人件費でございま すとか使用します検査機器等のものを按分してそこに積み上げてございます。  例外は、3番目の経胎盤的抗不整脈薬投与治療法でございまして、これは母体経由で投 与いたします関係上、人件費等は保険給付される費用のほうに按分しておりますので、こ の患者さん負担部分について人件費は含まれていないと、こういうことでございますが。 基本的にこの4つの技術につきましての考え方は今御説明したとおりでございます。  それから、負担の実額の中で研究費あるいは薬剤の供与されるものにつきましては、そ の部分が減殺されているということでございます。  駆け足になりましたが、事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、今御説明ありました4つの新技術、いずれも第三項先進医療ということであ りますから、最初の3つは未承認薬、最後の1つが未承認機器ということになりますけれ ども。これについて何か御意見ございますか。  中医協としては、意見は述べられるというような位置付けになっておりますので、もし 何かあればお聞きしたいと思います。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  これは意見というわけでもないのですけれども、総−3の1ページに、今最後に御説明 された、いわゆる保険給付されない費用と、混合診療の禁止条項によって、本来ならばこ れをこの部分に入れないと保険給付されるはずのものも自費になるというそういう意味で 保険給付される費用というのはそれぞれ医療機関が申請しておられるのですけれども、こ の患者さんにかかるであろう保険給付本来ならされるはずのものの額が書いてある。そう いう理解をしておりますから、この認定をしたことでこの部分が自己負担にならずに保険 給付を受けられるようになっているのですよという額だということは理解をします。  だけれども、もう少し説明の分かる中身にしていただいたほうが本当は良いのじゃない か。簡単に言いますと、この高度医療をやらなくても、この疾病の状態に対して必要な保 険医療というのがある。そこは保険給付の中身に当然あります。  もう1つは、この高度医療をやることによって、派生する必要な事象の中で保険給付の 対象になっているものがある。この2つを分けてできるだけ書いていただきたいなという ことを御要望したいと思います。  というのは、混合診療の議論のときにやはりそこのところは大事な仕分けで、有効性が ないにも関わらず、そのことをやったために余分な保険給付が発生するということは本来 望ましいことではないわけでありますから、その辺の議論がいるのではないかと思ってい るということでございます。  ですから、例えば一番上のだと、これは胃がんの胃切除術の技術点数、保険給付点数が 入っているのだろうと思いますが、だから大半それだろうと思う。だけれども、例えば3 番目の経胎盤的な不整脈薬の投与というので、何で保険給付が79万8,000円いるの か、これが出産費用を含むのか含まないのか、いわゆる病的出産ですから保険対象でしょ うけれども、それもよく分からない。先ほどの申請書を見ても、特にその出産費用を含む とは書いてないので。ただ、経口的あるいは経静脈的にジギタリスを飲んでいただくある いは投与する、それでのモニタリングをするということが何で79万円になるのかという のもちょっと非常に分かりにくいということもございます。  要するに高度医療をやらなくても本来の疾病に必要な保険給付がこれだけで、このこと をやるために新たに発生する保険給付対象の額はどのぐらいなのだということは分けて示 していただければ一番議論がしやすいというように思いますので、指摘と要望をさせてい ただきたいと思います。 ○遠藤会長  これは以前また別な形で牛丸委員のおっしゃった内容もそれに類する話であったわけな んですけれども。ここに書いてあるのは、たまたまこの治療を行った人の平均的な保険診 療額が書いてあるというだけなので、それをもう少し分離できないかという議論なんです けれども。そこのところがどこまでできるかというところは非常に難しいところであるわ けなんですけれども。御意見として承っておきますので、事務局としてもちょっと考えて みていただきたいと思います。ひとつ考えてみてください。  ありがとうございました。  ほかにございますか。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  反対というわけではなくて、承認する方向でよいと思っているんですけれども。1つ純 粋な質問なんですけれども。3点目の胎児への投薬、投薬というか母体を通じてですけれ ども、胎児を対象とする初めての薬剤だというような記述もありますけれども、PMDA の話で、医薬品副作用被害救済制度というのを今PMDAが担当しているわけですけれど も、そこでの議論では、胎児は人ではないということがあったりして、被害の対象になら ないというような話もあります。一方で母体の体の一部だという形にして母体のほうで救 済にすることも困難で、非常にぎりぎり被害を受けて、例えば被害が起こったときに出産 が終わっているのか、胎児のままなのか、人なのか人でないのかというところで非常に法 的な制度で線引きされてしまって、ちょっと市民感覚学的にはちょっとなじめない議論が あってずっと議論されていると思うんですけれども。  この胎児を治療するというときに、母体の一部というイメージでやるのか、出産を目的 としている段階であれば2つの命という考え方もあると思うのですけれども、保険制度の 請求は母親にいくのかなとか思うわけですが、何かそのあたり、胎児への対象とする薬と いうことで、法的な何か議論とかがあったのかどうかとか、もし答えていただけることが あれば教えていただきたいと思うんですけれども。 ○遠藤会長  事務局、お願いいたします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  これは先進医療専門家会議のときにも今御指摘のようなことに関連するような、例えば 仮にこれを将来保険で導入したときにどういう取扱いになるのかというような御質問とい いますか、それから今まさに勝村委員が御指摘にあったように、胎児に対する現在の取扱 いというのは、表現がいいか悪いか分かりませんが、母体の付属物といいますか、民法上 のさまざまな整理も含めてまだまだ十分な位置付けができていないというのが事務局の理 解でございますので、これを将来保険導入なり薬事の承認も含めてですけれども、そうい った一定程度制度に乗せる際には、今御指摘のような点をさまざま確認し、クリアしてい く必要があるものというふうに理解いたしております。  今回あくまでまずエビデンスをしっかり固めるという意味での臨床研究の実施というこ とで、その取扱いについて審議をし、了承しているということでございます。 ○遠藤会長  そういう問題意識はお持ちであるということです。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  特にこの薬に関して強く危惧しているというわけではないですけれども、一般論として 薬には必ず副作用があるわけで、なので副作用の被害救済制度というのも広く周知されて いるところだと思うんですけれども。これを今認めて始まったときに、もし胎児にこの薬 の副作用じゃないかということが起こったときに、胎児は人ではないとか、また一方で胎 児は母体の体の一部でもないという2つの解釈で対象にならないとかいうようなことに関 しては、今すぐにもう検討が必要なんじゃないかと思いますのでちょっと要望しておきた いと思います。 ○遠藤会長  それは、ある意味で意見という形になるかもしれませんね、ただいまの御議論は。です から、その考え方を、どこで整理するのか分かりませんけれども、最終的に保険収載する 段階である程度クリアにしておいてほしいという、そういう意見があったということ、そ れはあくまでも中医協の意見という形で伝えていただければと思います。  ほかにございますか。  よろしゅうございますか。  それでは、特段保険給付と併用することについて、中医協としては、先ほどの勝村委員 のご意見以外にはないということでありますので、中医協として承認したいというふうに 思います。  それでは、引き続きまして、医療機器の保険適用についてを議題といたします。今月1 日から保険適用されたものについて、事務局から御報告をいただきたいと思います。企画 官、お願いします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  ごくごく簡単に御説明いたします。総−4でございますが。この6月1日から保険適用、 ルールに基づきまして、医科、歯科に係る医療材料等の保険適用の御報告でございます。  1ページ目が医科に係るいわゆるA2区分(特定包括)というものに該当する販売名等 々でございます。  おめくりいただきまして、2ページ目がいわゆる区分B、機能別分類に基づきまして償 還価格設定されております部分に保険適用が開始された販売名でございます。  3ページは、新規に機能区分を設定したものにつきまして、いわゆる区分C1と言われ るものが保険適用された6月1日からのものでございます。  最後のページ、4ページ、歯科に関わるものでございまして、A2、Bに係るそれぞれ の販売名等の一覧表でございます。  事務局からは以上でございます。 ○遠藤会長  ルールどおりの適用でありますので、特に御質問ございますか。よろしいでしょうか。  それでは、本件に係る質疑はこれぐらいにしたいと思います。  次に、その他でございますけれども、5月26日の総会におきまして、2号側委員から 今後の検討課題等に関する御提案がありました。これに関しまして1号側の委員より資料 が提出されておりますので、御説明をお願いしたいと思います。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  それでは、私のほうから、1号側でとりまとめました意見について説明をさせていただ きます。お手元に資料、1号側委員提出資料と書いたものでございます。時間の関係もご ざいますので、ポイントだけ説明をさせていただきます。  最初の3行のところに書いておりますとおり、今後の検討については、中医協の枠組み で調査・検証すべきものと、その他の調査結果を活用して検討を進めるべきものに区分し た上で、検討項目、検討時期等を整理をしていただきたいと。これはもちろん2号側の先 生方の意見書も含めてという意味でございます。  それから、資料のつくりといたしましては、Iのところで支払側の考え方につきまして、 2ページぐらいにわたって書いております。附帯意見のうち、支払側として特に優先的な 調査・検証が必要と考える項目をI以下にまとめたということでございます。  単純に附帯意見の1から2、3、4というふうに並べておりまして、この中での優先順 位というのはこれから2号側の先生方とも議論をして決めていきたいということでござい ます。  おのおのの項目の中は私どもの考え方と主な調査内容ということで分けて記載をさせて いただいております。レセプトの電子請求の比率が随分高まっておりますので、そういっ た電子データを活用する等、あるいは既存のデータもかなりあると思いますので、その辺 を工夫してデータをまとめていただきたいという願いも込めております。  個々の項目は説明は省略をさせていただきます。  それから、最後の3ページのところにIIで、前々回診療側から提案のありました意見に ついての私どもの考え方をまとめてございます。ちょっと読みますけれども。診療側の次 期診療報酬改定に向けた今後の検討課題に関する提案の中には、中医協以外で議論すべき ものや、実態や問題がまだ明らかになっていない項目も含まれている。委員間で現状認識 や問題意識を共有しつつ、優先順位を考慮しながら有効な改善策について議論することに 異存はないが、以下の項目については特に慎重な検討が必要ということで、3点挙げてお ります。  1つ目は、基本診療料の在り方は非常に重要なテーマというふうに考えておりますが、 診療側の文書の中に、技術とものの分離、キャピタル・コスト、人件費等の積算根拠とい う項目がございましたけれども、この項目はかなり広い、深い内容でございまして、我々 としては少し検討の対象を絞り込む必要があるのではないかなというふうに考えておりま す。  それから2つ目は、ドクターフィーの導入について、2カ所ほどで触れられておるかと 思いますけれども。これは我が国の診療報酬体系そのものに関わる大きな問題だというふ うに思っておりますので、時間をかけて慎重に検討すべきものだというふうに考えており ます。  それから3つ目は、地域特性の話でございますが。これはもちろん検討するという項目 になっているわけでございますが、最初に指標とすべきデータでありますとか地域の実態 とかその辺を少しいろいろ議論をした上で具体的な中身について検討するというステップ ではないかなというふうに考えております。  私どもとしては、冒頭申し上げましたとおり、診療側と支払側のとりあえず議題の案が これでそろったということでございますので、事務局のほうで整理をしていただいて、そ の後どういう優先順位でどういうスケジュールでやるかということについては、ぜひ意見 交換をさせていただきたいというふうに考えております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  これで1号側、2号側、御意見が出たわけであります。事務局も、実行可能性も含めて 案をまとめたいというお話でありますので、ただいま白川委員がお話しされましたように、 これらをまとめた形で今後事務局から資料を提出していただこうかと思いますけれども。  とりあえず、今白川委員からこの1号側の意見が出ました。本格的な議論は今後します けれども、もし今一言何かということがあればおっしゃってください。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  今3ページの我々の意見に対する御意見をいただきました。これについて1つ訂正と、 それから1つ御質問をさせていただきたいと思います。  我々の書きぶりが悪いのかもしれませんが、技術とものの評価の分離ということを我々 がやるべきだと申し上げたのは、基本診療料の部分では基本的にはございませんで、技術 料評価の中に多くのものが包括されているものがたくさんあると、これは本来分けて評価 されるべきだということが本来の我々の意見、主張でありまして、それに向かっての議論 をしたい、検討をしていただきたいと申し上げたと。そこは訂正でございます。  それから、その後に白川委員が今我々が言った基本診療料についてのキャピタル・コス トあるいは人件費の積算根拠の明確化も含めて具体的に検討するべきであると、確かに我 々こう申し上げております。これについて、非常に広範囲な問題なので、慎重に検討する べきだという意見にしたよということを御説明いただいたんですが。その前に、検討の対 象を絞り込むなどという文言が入っております。つまりこれは、キャピタル・コストや人 件費等それぞれの基本診療料を積み上げている積算根拠のうちのすべてをやらずに、一部 だけをやったほうがいいとおっしゃっているのか、あるいは基本診療料もたくさんの種類 がありますが、そのうちのどれかの診療料と時間の関係で二、三に焦点を絞ってこのキャ ピタル・コスト、人件費等々の積算根拠まで含めて全部やろうとおっしゃっているのか、 どちらの、この検討の対象を絞り込むというのはどちらの意味なんでございましょうか。 ○遠藤会長  白川委員、何か御意見ございますか。 ○白川委員  最初の技術とものの分離については、今の安達先生のお話ですと、前回いただいた資料 で基本診療料のところの最初に書いてあります。だからこれは取るという意味でよろしい のでしょうか ○安達委員  それはまた具体的に議論すればいいと思いますが、基本的に我々ものの技術と分離とい うところで申し上げているのは、外科の手術料等々に手術が含まれるなど、技術料の点数 の中にものも包括されて入った評価になっていると、これを分けたほうがいいという議論 をしようということを申し上げています。  あわせて、そこに書いてあるのは、特に前回の改定などでは、外来診療料に軽微な処置 を含むなど、軽微な処置にはものもいります。というようなことで、そんなものがみんな 包括されてしまった、そういうことの議論もいるという意味でもそこに書いてあるという わけで。そこを我々取りたいと今申し上げた説明ではございません。 ○白川委員  わかりました。いや、前回の提案の中では基本診療料の中にぽこっと出てきてちょっと 違和感を持ったもんですから。外科の手術料等についてきちっと分離するべきだという御 意見は以前も伺っておりますので。  申し上げたかったのは、少し範囲を限定しませんと、技術とものの分離というのは非常 に幅広くなりすぎて、大変申しわけないんですが、収拾がつかなくなる可能性があるので、 ある程度検討対象を限定したほうがいいんじゃないかなということでございます。  それから、キャピタル・コストとか人件費、これは基本診療料、特に初診料、再診料、 入院基本料等についてこういう分析をしてはどうかという御意見というふうに私ども読ん だもんですから。それをやりますと、例えば診療所と一言で言っても、過去何十年もやっ てらっしゃるところや新設のところ、病院もいろいろな規模、土地代から何からものすご く広い範囲になりますので、そこまでやられるととてもではないですが、診療報酬として はまとまらないのではないかと危惧をしておりまして。それよりはもう少し病院経営にお ける基本診療料の位置付けでありますとか、そういった面での検討のほうが、有益とは申 しませんが、お互いに意見交換できるのではないかなと、こういう趣旨でここのところを まとめたということでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  前に北村先生がレストランのレシートというお話もされましたが、やはり国民が一番知 りたいのは本当にどのぐらい費用がかかっていて、何にどのぐらいかかっているのかとい うのを明らかにすることだと思うんですね。従来の中医協の議論というのは絆創膏の、ど こが経営が苦しくなったからどこにお金を付けるとかというようなことが基本的な考え方 であったような気がします、私は。それでは国民が今の時代は納得しないと思うんですね。  ですから、我々が言ったのは、オペレーティング・コストにしてもパフォーマンス、要 するにキャピタル・コストですね、要するに両方、2つアメリカでは考えているわけです けれども。欧米と同じように、きちっと何にどのぐらいかかっているんだということをエ ビデンスベースドで診療報酬を議論していきましょうと。これは先ほど森田先生がロジッ クにやりましょうということで、ロジックのもとになるものエビデンスですから、そのエ ビデンスをきちっと出しましょうという意味でここを書いたので、御協力願いたいという ふうに思います。  あと、会長もう1点だけなんですけれども。非常に1号側の先生方もすばらしい御提案 をされていて、附帯意見2の慢性期入院、1ページ目の一番下のほうですけれども、入院 医療の在り方を総合的に検討と。ここで主な調査内容として、一般病床・療養病棟等にお ける長期入院患者の実態把握ということがございます。これは非常に大事なことで、本当 に我々としてもやりたいというふうに思っているところなんですが。  ところが、6月15日に、この保険局と老健局が、医療と介護施設の横断的調査をやる ということが発表になりました。これは2年後に今度日本の社会保障の根幹を決める診療 報酬と介護報酬の同時改定が2年後にありますけれども、これを使ってやるわけですね。  したがいまして、中医協においても診療報酬、つまり介護報酬とのリンクのことでディ スカッションしなければなりませんので、先生方もこれ御提案せっかくされていますので、 この内容、何を調査するのかで全然変わってきちゃうんです。議論せっかくしても、その とき資料がないでは困りますので。前回もそういうような議論はありましたが、ちょっと 事務局にこの保険局ですから、老健局と相談して、どういうことを実態調査、内容をして いるのかをちょっと教えていただければというのが私の希望です。 ○遠藤会長  わかりました。そういうプロジェクトが進んでいることは私も承知しておりますが。  ただいまそういうような御提案が嘉山委員からありましたが、ここで調査票等々を事前 に見たいと、そういう御意見ですね。  いかがですか、1号側、何か御意見ございますか。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  今日の時点で云々というつもりはなくて、私どもとしては一応調査すべき項目を挙げ、 診療側の先生方も調査すべき項目というのが数十項目ございますので、それを少し整理し た上で、何をやるべきか、この優先順位があると思いますので、協議したほうがよろしい かなと、今日時点では考えておりました。  嘉山先生からそういう御提案があったので、ちょっと突然のことなので、おっしゃると おり調査を何度も何度もやるというのも無駄でございますので、効率的にやったほうがい いというのは賛成でございますが。私どもも今の段階で調査の内容まで議論したわけでは ないもんですから、ちょっとお答えしにくいような状況でございます。 ○遠藤会長  わかりました。  先ほどの調査ですけれども、質問票というのはもう固まっているものなのか、今の進捗 状況を教えていただけますか。  課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療課長です。調査自体はもう調査内容そのものも固まっておりますし、調査自体をス タートをさせております。これはもちろん中医協に状況を見て報告をするということは考 えてはおりますけれども、それはそれとして行政目的ということで、老健局ともども協力 をしまして、相談をして、政務三役にも相談をした上で調査を開始しているという状況で す。早ければ秋ぐらいには第一弾の結果がまとまるんじゃないかと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  そういうことで進んでいるということですから、これは今後こちらで調査をするものと の関係で、重複するものは避けるとか、そういう意味合いでいずれ、どういう内容で調査 をしているのかということも含めて、どこかの段階で見させていただくと、そういう対応 させていただきたいと思います。  ありがとうございます。  それでは、1号側、2号側ともに御意見出ましたので、当初のお話では事務局も実行可 能性を考えながら少し整理をさせていただきたいというお話だったものですから、ぜひそ の辺の整理をしていただきたいと思います。検討すべき内容はけっこうありますし、やる べき内容をどういうふうに配分していくのかという大きな問題ですから、大変お忙しいと 思いますけれども、できるだけ速やかに調整をして、早い段階で出していただきたいと思 います。  事務局としてはいかがでしょうか、よろしいですか。 ○事務局(佐藤医療課長)  はい、前回もお答えをいたしましたし、また前回お答えした中にありましたように、今 回1号側からも御提案がありましたので、それらを一覧のような形にして整理をして、事 務局なりの感触みたいなものも添付をする形で、できるだけ早く提出して、御議論に供し たいと思います。よろしくお願いします。 ○遠藤会長  はい、よろしくお願いします。  それでは、特によろしゅうございますね。  では、坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  2ページの附帯意見6のところでありますけれども、ここに看護職員だけではなくて、 看護補助職員の勤務実態調査ということを入れていただいたことに大変感謝いたします。 いろいろな職種が夜勤をしておりますけれども、やはり健康被害の問題も出ておりますの で、繊細に偏りなく看護職員及び看護補助職員の夜勤等のことも含めて実態調査をしてい ただきたいというふうに思っております。  以上です。 ○遠藤会長  今後具体的な調査項目を練ると思いますので、その場でまた改めて御発言いただければ と思います。  ほかによろしゅうございますか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  この調査以外のことで結構ですか。今の話題と別ですけれども、よろしいでしょうか。 ○遠藤会長  はい。 ○西澤委員  実は本日付けの業界紙に記事が出ていたんですが、今日も話題になっておりました新薬 創出・適応外薬解消等促進加算、これが今回試行導入になったわけですが。それを理由に、 一部の医薬関係が値上げを求めているということが記事になっております。更に、医療課 に対しての取材で、医療機関に誤解を生むような説明を行うことがないよう、日本製薬工 業協会に対して対応を求めているとし。新薬創出促進加算は、薬価算定ルールの見直しに すぎず、流通での価格交渉とは別なものとの考えを示したと。これについて改定後、医療 機関側からの苦情があり、再三薬品業界には正確な説明を行うよう求めているという記事 が載っております。これについてちょっと詳しく説明をお願いしたいと思います。 ○遠藤会長  では、薬剤管理官、お願いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  メーカーの方々がおられるときに言ったほうがよろしかったのかと思いますが。今のお 話につきまして、まさしく医療機関であったり薬局であったり、新薬創出加算が創設され た後の実際の納入価格の交渉の場におきまして、メーカー側、卸側がこの加算ができたこ とによって値引きができないとか価格を上げるとか、そういったことで医療機関、薬局の ほうでそういう印象を持っているということで。そういったお話は我々再三再四いろいろ なところからお伺いしておりますので、今西澤委員お話があったように、あくまであれは 薬価の算定方式でございまして、それがあるから、ないからといって取引価格がどうだと いうものではないと私ども思っておりますし。もしそういった誤解を生むような形になっ ているのであれば、それはそういった形ではないように改善していただきたい、対応を求 めたいということで、私のほうから実際に日本製薬工業会のほうにお話を申し上げており ますし。また、日本製薬工業協会のほうは、そういった誤解を生むような状況であれば改 善していきたいということでお話も聞いておりますので、そういったことを実際お答えし たということでございます。 ○遠藤会長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  わかりました。ということは言い方を変えますと、この新加算の試行導入を根拠に値上 げということは想定していなかったということでよろしいでしょうか。 ○遠藤会長  薬剤管理官、どうぞ。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  そういうのは想定もしておりませんでしたし、あくまで薬価の算定方法でございますの で、価格交渉にそれが影響を与えるものでは必ずしもないというふうに思っております。 ○遠藤会長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  わかりました。ありがとうございました。そのあたりはきっちり業界のほうにも徹底し てください。私のほうからは、医療側あるいは薬局側のほうには今の回答あったというこ とをきちっと伝えようと思っています。よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  よろしくお願いします。  ほかに何かございますか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  すみません、簡単に。前回承認された新しいお薬のビクトーザーの件でございますが。 上限を設定するという決め方になりましたと、0.9mg、米国では1.8mg。なぜ日本で 0.9mgという設定になっているのかということが1つの個別のお尋ねでございます。  それから、もう1つは、全般に薬事法的に用法としてこのごろ上限設定というような用 法の設定が多々出てまいりますが、この上限設定という用法の拘束力はどこまであるのか。 そのことと実態の医療の医師の実態に則した裁量権との関係はどうなのだということをお 尋ねをいたします。  この2つについての事務局からの回答をいただければと思います。 ○遠藤会長  上限の拘束力の話は前回も御質問されたと思いますね。 ○安達委員  はい。 ○遠藤会長  今すぐお答えできる状況でしょうか。では、答えられる範囲で、薬剤管理官、どうぞ。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今の安達委員の御質問に関しまして、まず具体的なビクトーザの関係で、これの用法・ 用量が1日0.9mgを超えないこととされていることにつきましてのことでございます。 これについては、本剤の国内臨床試験におきまして1日0.9mgを超える用量について検 討がされていないことで、本剤についてはこのような設定がされたというふうにメーカー のほう、審査当局のほうからお聞きしているところでございます。  それから、あくまで保険上取扱い、これもう一般論でございますので、どこまで個別に どうかということはお答えになっているかどうかということはありますけれども。あくま で、例えばこういった設定がなされている場合であっても、ケースケースの個別の判断は 当然あり得ると。個別の判断について、実際には例えばそういうこれを超えて使用された 場合について、実際には支払機関の審査委員会で検討がされていくものでございますので、 そこでの個別判断が基本的にはあり得るというふうに理解をしてございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  安達委員、いかがでしょうか。 ○安達委員  つまり、上限設定での用法が言われているものについても、個別で理由があり、きちっ とそれが説明できるものならば、ある程度の超過使用は可能だとお答えになったと理解し てよろしいんですか。 ○遠藤会長  薬剤管理官。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  あくまで一般論でございますので、当該医薬品医薬品におきましてその上限の設定がど ういう根拠でされたかにもよるかとは思っております。ですから、すべからくすべて個々 の判断だと必ずしも言い切れないとは思っておりますが、一般論と多くの場合については、 当然超えた場合にでも医学的に妥当かどうかということの個別の判断ということが基本で あろうというふうに思っているところでございます。 ○遠藤会長  安達委員、どうでしょう。 ○安達委員  ありがとうございます。理解いたします。個々によってそれは上限設定の理由が違いま すでしょうからそれは分かりますが。多くのものはそれを超えて危険だということで上限 が設定されているわけでは現状はない。例はたくさんあります。ブロプレスの12mg上限、 リウマトレックスの2mg×4カプセルですか、1週間、上限。しかし、これを超えなけ れば臨床効果が得られないものが多々あるわけでございまして、それで安全性が損なわれ るものではないと我々医療側が認識するものもたくさんございます。  ですから、今の上限設定に関する一般的な考え方をお示しいただきましたので、我々も 柔軟に対応させていただきたいと思います。ありがとうございます。 ○遠藤会長  ほかにございますか。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  ちょっとやはりよく分からなかったので確認しておきたいんですけれども。先ほどの胎 児の先進医療の件なんですけれども、民法上の整理とかは保険収載されるときまでにされ るということでそれはそれでよいかと思うのですけれども、実際に先進医療が始まるわけ で、一応確認しておきたいのは。特にこの薬の副作用を危惧しているとかそういう話じゃ なしに、一般論として胎児を治療する場合に、一般論として副作用が起こり得るかもしれ ないわけで、今から始まるこの先進医療によって副作用が起こったときにこの胎児は副作 用被害救済基金の対象になるという理解でよろしいのですかということだけちょっと確認 したかったんですけれども。 ○遠藤会長  先進医療としてやった場合においてということですね。  企画官、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  この場でお答えするのが適切かどうかちょっと分かりませんので、改めて確認いたしま してお答えさせていただきたいと思います。 ○遠藤会長  そうですね。それは大事なことですから、ちょっと御検討いただいて、いずれまた御報 告いただきたいと思います。  薬剤管理官、どうぞ。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  先ほどの西澤委員の御質問に関して、1つだけ補足させていただければと思うんですが。 先ほどのあくまで薬価算定方式とそれから取引について、これは全く別ものとそういうと おりなんですが。メーカーさん、卸さんたちの1つの言い方として、これはそれなりに理 解できるなという部分がございます。何かといいますと、この薬価算定方式におきまして、 個々の製品ごとの乖離率で加算するかどうかを決めるということを考えた場合に、個々の 製品ごとに幾ら値引くかといいましょうか薬価差といいましょうか、乖離をするかという ことが議論させていただきたいということについて、めりはりをつけるという意味も含め まして、個々の製品ごとの価格の交渉をさせていただきたいということはそれなりには理 解できる部分があるかなというふうに思うということを少し補足させていただければとい うふうに思います。 ○遠藤会長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  私たちこれを認めたときに、少なくとも、今まで納入されていた価格を上げるというこ とは我々も想定しておりませんでしたし、それがもしそのようなことを想定していたので あれば議論の中でもっと話題になっていたと。ですから、あくまでこの加算の導入によっ て値上げということは、想定してなかったという答えをもらったと思っておりますので、 そのようにきちっとやっていただきたいと思っております。 ○遠藤会長  ですから、従来は総価山買いですか、まとめてやって値引きしていたところ、今回はこ の品目については特例は痛いというと、そこだけ外して交渉するというようなことが起き ているのではないかということですよね。イメージからすると。そうすると、その品目だ け見ると値引き率が小さくなっているということになるわけですよね。そのように理解、 それいい悪いじゃなくて、そういうことが起きているのかなと私は判断しました。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  そのような総価取引じゃなくて、個々の場合でも値上げというふうに私の耳にも入って おります。ただ、事実関係者から直接聞いていないので確証ございませんが。そのような ことが入っております。 ○遠藤会長  漏れ聞くところによればというところであるならば、私も特定の薬品はできるだけ乖離 を少なくしたいために値引きはしないという行動がとられているみたいな話は何となく聞 きます。もちろん事実かどうかは知りませんけれども。そんなような話があるということ が事実だとすれば、そういうことを意図してつくった制度ではないものですから、その辺 のところを誤解なきようにということは事務局にもお願いしたいと思います。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  今日鈴木委員御欠席ですが、やむを得ず前からの予定でですね。今現在鈴木委員なニチ イで常任理事でおられますが、常任理事御担当としてニチイにも同じことを聞いてらっし ゃるようで、実際の訴えとして。しかもそれはソウカじゃなくて、会長おっしゃるように 個々の薬品についてそういうような主張がメーカーあるいは卸の方からあるという現象だ というふうにニチイも聞いているということだと思います。 ○遠藤会長  私が申し上げたのは、前は総価に入っていたけれども、下げたくない薬があればそれは 外すというような扱いにすれば形になると、その品目だけ見れば乖離率が小さくなるとい うことはあり得る話だと。 ○安達委員  同じようなことです。 ○遠藤会長  同じことですね。そういうこともあり得るのかなという。  三浦委員、どうぞ。 ○三浦委員  私も薬局を経営していますし、薬剤師会としても、今安達委員がおっしゃったことと全 く同様に考えています。 ○遠藤会長  そういうことが現場からも聞こえてまいりますので、ひとつ事務局のほう、よろしくお 願いいたします。  ほかにございますか。  では、特にないようであれば、本日の総会はこれにて閉会したいと思います。  次回の日程等につきまして、事務局からお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  7月を予定しておりますが、詳細等判明次第また連絡させていただきます。 ○遠藤会長  よろしくお願いします。  それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。  ありがとうございました。       【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)